第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針

当社グループは、「テクノロジーの力で自国の未来に希望を創る」をミッションに掲げ、デジタルマーケティングを活用したオリジナルブランドの化粧品の企画・開発、並びに新しい事業領域への進出により、お客様の期待を上回る商品やサービスをご提供していくことを目指しております。

また、株主、お客様、お取引先、従業員等のすべてのステークホルダーへの社会的責任を果たし、事業を通じて社会に貢献していくことを目指してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

高い成長性及び企業価値の向上を経営上の重要課題と認識しており、成長性については売上高、企業価値の向上については営業利益及び当期純利益を重視しております。

 

(3) 経営環境

当社グループの主要事業である物販系分野におけるBtoC-EC市場規模におきましては、2022年に13兆9,997億円で前年比5.37%増となっており、そのうち化粧品、医薬品のEC市場規模は、9,191億円で前年比7.48%増と伸長しております(経済産業省2023年8月31日公表「電子商取引に関する市場調査」より)。
 このような状況の中、当社グループの取り組みとしては、経費効率をふまえた広告宣伝費の投下とともに、ブランディング広告の強化による潜在的な顧客に対する認知度の向上、新たなカテゴリーの商品の発売等により新規顧客数の拡大に努め、各種CRM施策の実施による既存顧客の継続購入を促進してまいります。

 また、2022年8月10日には、当社グループの主要株主及び筆頭株主である相川佳之氏が代表を務めるSBCメディカルグループ株式会社(本社:神奈川県横浜市戸塚区)と業務提携契約を締結し、化粧品分野の多角展開のみならず、医薬品等の商品企画・開発領域への拡充や、再生医療領域並びに美容医療領域に重点を置いた事業展開を計画してまいります。
 2014 年の「再生医療等安全性確保法」の施行により、再生医療市場が誕生し、従来、医療機関にて行われていた細胞加工の外部委託が可能となりました。再生医療等製品市場は、上市する製品数の増加や処方者・患者への浸透に加え、難治性疾患の患者に対し高価な医薬品による対症療法で発症を抑えている現状に対して、安価で高品質の製品開発を行い上市化することで QOL(Quality of Life)の向上と医療費削減の実現が期待されていることから拡大して推移しており、2050 年には世界で 38 兆円、国内で 2.5 兆円の市場規模へと伸長するものと予測されております(出典:2020 年 3 月 経済産業省 第 1回再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業複数課題プログラム中間評価検討会資料)。再生医療に対する社会的認知度及び社会的意義の意識が一層高まるとともに、今後も優れた効果・効能を有する開発製品の上市が続くものと期待されております。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

新型コロナウイルス感染症の行動制限が緩和され、経済活動に明るい兆しが見られた一方、ウクライナ情勢の影響をはじめ緊迫した世界情勢は依然として続いており、今後も先行き不透明な経済情勢が続くと見込まれます。

当社グループが展開するD2C事業及びメディカルサポート事業においても、それぞれの領域において新規顧客獲得競争の激化の様相は続くと思われます。

そのような中、当社グループにおきましては、主要事業であるD2C事業の再成長に向けた施策の強化を図り、メディカルサポート事業を将来に向けた盤石なビジネスモデルの構築に向けて以下のとおり取り組んでまいります。

(D2C事業)

① 薬用炭酸ヘッドスパ育毛剤「sodatel(ソダテル)」を主力商品として成長軌道に乗せるべく、積極的かつ戦略的な先行投資(広告宣伝費・販売促進費・人材投資)を展開してまいります。具体的には、複数の広告媒体への展開を加速させ、同商品の新規顧客獲得を強化するとともに、既存商品とのクロスセルの提案、並びにLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を向上させるためのCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)の構築にも最大限注力してまいります。また、顧客との接点を強化するべく、コールセンターの体制を強化し、休眠会員等の掘り起し等にも着手してまいります。

② 当社グループの主力オリジナルブランドである「HADA NATURE(肌ナチュール)」の商品については、引き続き、ロイヤルカスタマー施策に注力し継続率の維持に努めてまいります。一方、付加価値の高い再生医療技術を生かしたSBCメディカルグループ株式会社と当社グループとのコラボレーション商品の共同開発に向けても着手してまいります。

 

(メディカルサポート事業)

① 「血液由来加工療法(血液加工サービス)」の提携医院数の更なる増加を図るために、外部の協力パートナーを最大限活用するとともに、営業社員の増員をはじめ、各種ツールのブラッシュアップ及び統一化を図る等、営業力の強化に向けた各種施策を積極的に推進してまいります。また、既に提携している医院に対する、継続的かつ献身的なサポート体制の確立も図ってまいります。

② 再生医療市場の活性化の実現を果たすべく、SBCメディカルグループ株式会社と当社グループの相互の強みを活かした新たな取り組み・サービス・商品開発等にも適宜着手してまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

 当社グループは、「テクノロジーの力で自国の未来に希望を創る」のミッションを掲げ、自社における目先の利益だけではなく、持続可能な経営をするうえで、自社の企業活動が社会、ひいては自国に与える影響を最大限考慮に入れ、中長期的な視点を持ったサステナビリティ経営に取り組むことを重要課題として捉えております。

 当社グループでは、現在、サステナビリティに係る方針については策定しておりませんが、既に女性の活躍を促進するための職場環境づくりを推進している他、主力のD2C事業では商品の企画開発段階での産学連携、並びにリサイクル可能な容器や梱包資材の利活用の推進等、SDGsに率先して前向きに取り組んでおります。

 直近では、再生医療領域を中心とした新たに立ち上げた事業を通じ、消費者・患者・医療機関に向けて網羅的な健康サービスを展開するとともに、将来的には、疾患の治療薬の開発を視野に入れて取り組んでおり、展開する事業の推進と企業が果たすべき社会的責任との結びつきを常に意識して活動しております。

 一方、社内に設定している「衛生委員会」においては、従業員の健康・職場環境・労働衛生に関する旬なテーマを毎月取り上げ、従業員と産業医と共に意見交換等を行う等、従業員が安心・安全に働ける職場環境にするための取組みを積極的に推進しております。

 また、常勤の役員が出席する「リスク・コンプライアンス委員会」においては、社内におけるリスクの洗い出しをはじめ、推進する各事業に潜むリスクの定点観測、リスクの再発防止策について継続的に議論を重ね、発生可能性と影響度合いを勘案し、各種リスクに対しての対応方針を講じる事で、リスクを発生させない・発生した際に素早く対応できる体制を構築しています。

 このように当社グループは、展開する事業の推進と企業が果たすべき社会的責任とを常に意識しており、引き続き、環境や経済等に与える影響を考慮した事業活動を展開してまいります。

 

(2)人的資本

 当社グループでは、従業員・女性の働きやすい環境づくりとカルチャー浸透こそが企業の競争力の源泉となっていると考えております。

 直近3か年の全従業員の有給取得率95%超の実績をはじめとして、出産の前後や育児における休暇制度の周知徹底を図り、更には時短勤務制度を確立し安定的に運用していることで、早期に復職を希望する従業員の数は年々増加傾向にあります。

 また、労働衛生面においては、ストレスチェックの受診率及び健康診断受診率100%を継続的に達成すると共に、受診後のケアの徹底することで従業員の抱えるストレス・健康不安等の軽減を図り、更には時間外労働や休暇取得状況を定期的にモニタリングすることで、従業員が健康で安心して働ける職場環境の構築に向けて積極的に取り組んでおります。

 一方、従業員の採用においては、外国籍・ジェンダー平等に配慮した人材採用を進めると共に、女性の積極採用、上述いたしましたとおり、女性が働きやすい職場環境づくりを促進することで、女性社員の比率は高く推移しております。

 当社グループにおいては、従業員全員が幸せに暮らし、当社グループで働くことに誇りを抱き、従業員自らが率先して成長の機会を掴み、様々な数多い経験を積めるような施策を取り入れることで、ひいては当社グループ全体の企業価値の向上に繋がるものと考えております。

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境に係るリスクについて
① インターネットを取り巻く環境について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループは主にインターネットを利用したサービスを提供しており、インターネットの更なる利用拡大と環境の整備が、事業の継続的な成長発展に不可欠であると考えております。しかしながら、インターネットの利用に関する新たな規制やその他予期せぬ要因により、インターネット利用環境が悪化し、インターネット利用の順調な発展が阻害された場合、当社グループの事業展開に支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② デバイスへの対応について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループが提供するサービスは、スマートフォンやタブレットといったインターネットデバイスを介して行われております。インターネットデバイスの多様化により、今後も様々なデバイスが登場することが予想されます。当社グループはこれら多様化するデバイスに対応すべく技術革新に努めておりますが、これらの対応が遅れた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 美容・化粧品業界の競争環境

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループが提供する主要サービス及び商品が属する美容・化粧品業界は、成熟した国内市場での競争激化をはじめ、グローバルコンペティターの影響力拡大、更には他業界からの新規参入など競争環境はますます厳しくなってきております。

当社グループは、競争環境の激化に対処すべく、お客様の嗜好やニーズに沿った商品を提供できるよう品質やサービスの向上に努めてまいりますが、当社グループがこの競争環境に的確に対処できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 新規事業の展開について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループは、企業価値を高めるため事業規模の拡大をすべく、新規事業への取組みを進めており、前連結会計年度において、新規事業としてメディカルサポート事業を開始いたしました。メディカルサポート事業では、D2C事業にて培ってきた広告分析・企画提案、LP(Landing Page)制作等のノウハウ、並びに蓄積された各種データをベースとした、医療クリニックに向けた広告制作・運用サービスを展開するほか、将来に向けた新たなビジネスモデルの構築を目指し、再生医療市場の活性化の実現を果たすべく、SBCメディカルグループ株式会社と当社グループの相互の強みを活かした「血液由来加工」の受託サービスを全国的に展開してまいります。

再生医療の国内市場は、2050年時点で2.5兆円(CAGR:11.52%)となることが予想され、世界市場は、同年度時点で38兆円(CAGR:12.89%)になることが見込まれます。

しかしながら、今後の法令諸規則の制定、変更、治療効果等の動向により、医療機関における治療件数の増加が鈍化する可能性もあります。将来、上記のように再生医療を取り巻く環境において変化が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
 

 

(2) D2C事業に係るリスクについて

① EC市場について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

国内EC市場の規模は年々拡大しており、当社グループのD2C事業と最も関連性が高い化粧品市場も同様に拡大しております。このような環境下において、当社グループはこれまでに培ったノウハウを活かして事業規模の拡大を図っておりますが、今後、ECサイトの利用者が増加せず、EC市場が期待どおりに拡大しない場合等には、当社グループの事業展開及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② 商品の販売または提供について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

D2C事業においては、製造委託先で製造した商品を仕入れた上で、お客様へ販売しております。当社グループは、製造委託先における品質管理体制の確認または検品体制を整備する等、お客様へ提供する商品の品質管理を徹底しております。しかしながら、万一、商品に重大な契約不適合が発生し、お客様が損害を被った場合には、その損害賠償請求等によって、当社グループの業績及び社会的信用に影響を与える可能性があります。

 

③ EC商品の差別化について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループは、製造委託先とともに商品を開発、製造し、当社グループサイトにおいて販売しております。当社グループは、商品製造以外のバリューチェーンを構築することでビジネスモデルを確立してまいりました。今後もこれまでD2C事業で培った経験等を活用して提携OEM工場とともに商品開発を推進してまいりますが、商品製造にあたって製造委託先の協力が得られない等の事象が発生し、販売する商品の差別化ができなくなった場合、当社グループの事業展開及び業績に影響を与える可能性があります。

 

④ 市場ニーズへの適合

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

新製品・新ブランドの開発・育成及びマーケティング活動が市場ニーズに適合しているかどうかが当社グループの売上及び利益に大きな影響をもたらします。当社グループでは、市場ニーズに応えるため、魅力的な新製品の開発、マーケティング活動による新製品及び現行主力製品・既存ブランドの強化・育成を継続的に行っております。しかしながら、当該活動はその性質上、さまざまな要因による不確実性が伴うため、当初意図した成果が得られない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 広告宣伝費について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループは、個人顧客へEC商品を直接販売する機会を拡大するため、広告宣伝費を積極的に投資しております。広告媒体の選別や広告表現のブラッシュアップ等により、顧客開拓の効率化を進めておりますが、今後、広告料金の高騰や宣伝効率の悪化等により広告宣伝費が増加した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 特定商品への依存について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループの主力商品である「HADA NATURE クレンジング」は、2023年9月期において売上高の約6割を占めております。当社グループは、当該商品のブランド力や品質等の維持向上に努めるとともに、当該商品への依存を低減させるべく「HADA NATURE リンクルセラム」、「HADA NATURE ホワイトクリーミーホイップ」等、当該商品以外の商品の販売にも注力しております。

しかしながら、当該商品への依存が低減できていない状況において、当該商品が販売不振等により販売量が大きく低下した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑦ 風評被害について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループは、化粧品及び健康食品を取り扱っており、その安全性や広告表現については関連法規を遵守し、独自の基準を設けて厳しく管理しておりますが、当社グループの取扱商品や原材料と同一または類似した商材において、一般市場にて安全性に疑義が生じるような事態が発生した場合、風評被害が発生するリスクがあり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑧ 物流業務について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループは、製造委託先から納品される商品の梱包、発送等に関する業務、顧客への商品の受け渡し、商品代金回収業務等の物流関連業務を外部に委託しております。当社グループは、委託先の管理には万全を期すことによりリスクの低減を図っておりますが、委託先のサービス遅延及び障害等が発生し、当社グループ顧客からの信用が低下した場合には、当社グループの業績及び社会的信用に影響を与える可能性があります。

 

⑨ 製造委託先との取引について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループのEC商品は、当社グループで企画・販売しておりますが、製造については特定の製造委託先に外部委託しております。当社グループは、委託先との良好な関係を維持するとともに委託先の管理には万全を期すことによりリスクの低減を図っておりますが、製造にあたり提携OEM工場が天災、火災、労働争議、伝染病等により操業不能になった場合もしくは製造委託先との急な契約の解消など不測の事態が生じた際には、当社グループ商品の円滑な供給に支障をきたすことが考えられ、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

また、製造委託先のうち、主要な1社(ホシケミカルズ株式会社)への依存度が2023年9月期において85.9%と高くなっております。現在、当社グループと製造委託先との取引関係は良好に推移しており、今後も良好な取引関係の維持に努めてまいりますが、契約条件の変更や契約解除があった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑩ 経営上の重要な契約について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループの経営上重要と思われる契約の概要は、「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」に記載の通りであります。当該契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合、もしくは当社グループにとって不利な改定が行われた場合、または契約の相手方の経営状態が悪化したり、経営方針が変更されたりした場合には、当社グループの事業戦略及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑪ 過剰在庫及び在庫不足について

発生可能性:高、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループは、商品を仕入れて、注文の都度出荷することから、取扱商品の在庫リスクが常に存在しております。当社グループは、既存商品については過去の販売実績に基づく需要予測、新商品については過去の類似商品の販売実績を参考とした需要予測に基づき発注していますが、顧客ニーズの変化等により、過剰在庫及び不足在庫が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

⑫ 返品・交換について

発生可能性:高、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループは、EC商品到着後8日以内であれば、お客様にお買上げいただいた商品の返品・交換を受け付けております。そのため、恒常的に返品・交換が発生し得る状況でありますが、現状その数は僅少であり、影響は軽微であります。しかしながら、何らかの理由により見込を大幅に超えて返品・交換が発生するような場合には、返送品の処理、代替商品の配送等、追加的な費用が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、卸販売につきましても、ドラッグストアチェーン店、バラエティショップ等の商習慣に従い商品を販売しており、過去に販売した商品の返品が発生する可能性があります。これらの取引先との契約条件については個別協議を続けるとともに、取引先と協力して適正な在庫数を供給できるよう、需要の積み上げの精度向上に努めることで返品発生リスクの最小化に努めております。しかしながら不良品の発生や商品の入れ替え等により返品が発生する場合は、返品処理及び回収費用並びに代替商品の配送等追加的な費用が発生することから、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬ 関連当事者取引に関するリスク

発生可能性:高、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 当社グループは、当連結会計年度よりSBCメディカルグループ株式会社のグループ会社であるセルプロジャパン株式会社(以下、「セルプロジャパン」という。)と再生医療領域における「血液由来加工」の受託サービスにおいて連携して取り組んでおります。具体的には、当社では各医療機関から「血液由来加工」の申し込みを取り次ぎ、医療機関からお預かりした検体をセルプロジャパンが運営する細胞加工センターへ配送手配等を行う役割を、一方のセルプロジャパンでは、同社固有の技術を用い検体の加工及び冷凍保存を行い、その後、各医療機関の求めに応じ同社で保管する検体を各医療機関に配送手配等を実施する役割を、それぞれが担っております。

 なお、SBCメディカルグループ株式会社は当社の議決権を直接保有しておりませんが、当社の主要株主及び筆頭株主である相川佳之氏が同社の株式の100%を保有していることから、相川佳之氏は同社と緊密な者及び同意している者に該当するところ、相川佳之氏が当社の議決権を32.88%保有していることから、同社を「その他の関係会社」としております。

 また、当社グループは、相川佳之氏が社員を務める各医療法人に対して、上記の「血液由来加工」の受託サービスの提供を行う他、化粧品類の卸取引を行っております 。

 一方、一般社団法人誠心会とは、広告の運用取引、資金の貸付取引があります。

 一般的に関連当事者との取引は、対等な立場で取引が行われているとは限らず、事業上の合理性のない取引が行われたり、取引価格を恣意的に調整することにより、不適切な収益認識が行われる可能性があります。当社グループは、関連当事者取引を行う場合には、取引の合理性や取引価格の妥当性の検証を含めて、当社の取締役会で十分に審議して決議した上で実施するものとしております。また、取締役会に実施状況を定期的に報告するとともに、監査役会による監査や内部監査における監査で取引内容等のチェックを行うことで、取引の健全性及び適正性の確保に努めてまいります。今後、何らかの理由により関連当事者取引に対するガバナンスが機能しない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当連結会計年度における関連当事者との重要な取引は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 関連当事者情報」に記載しております。

 

(3) 全社に係るリスクについて

① 特定人物への依存について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループの創業者であり取締役会長である井上裕基は、当社グループの経営方針や事業戦略の決定及びその遂行について重要な役割を果たしております。当社グループは、取締役会やその他会議体において役職員への情報共有や権限委譲を進めるなど組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を目指しております。

しかしながら、何らかの理由により同氏に過度に依存しない経営体制の構築が進まない場合または同氏が当社グループの経営執行を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 法的規制について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律をはじめとする法規制、品質に関する基準及びインターネット上の事業展開において各種法規制等を受けております。当社グループはコンプライアンスとCSRに基づく倫理的行動に万全を期していますが、今後、これらの法規制等が変更された場合、また予測できない法規制等が新たに設けられた場合には、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

ア) 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律

営利団体等が、個人(送信に同意した者等を除く。)に対し、広告・宣伝の手段として電子メールを送信する場合に、一定の事項を表示する義務等が課されております。

イ) 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

医薬品、医薬部外品、化粧品等についての取扱い、広告等に関する規制等が定められており、虚偽・誇大広告の禁止、効能効果等に関する表現の規制等の遵守が求められております。

ウ) 食品表示法

食品についての取扱い、広告等に関する規制等が定められており、虚偽・誇大広告の禁止等の遵守が求められております。

エ) 健康増進法

食品についての取扱い、広告等に関する規制等が定められており、健康保持増進効果等について、著しく事実に相違する表示または著しく人を誤認させるような表示の禁止等の遵守が求められております。

オ) 不当景品類及び不当表示防止法

不当な景品類の付与の禁止、優良誤認、有利誤認等不当な表示の禁止等の遵守が求められております。

カ) 特定商取引に関する法律

通信販売を行う事業者として、広告における一定事項の表示、誇大広告の禁止等の遵守が求められております。同時に、電話勧誘販売を行う事業者として、販売時のクーリングオフ制度及び書面の交付義務等の遵守が求められております。

キ) 不正競争防止法

商品等の表示を行う事業者として、不正競争による他人の営業上の利益の侵害行為の禁止等の遵守が求められております。

ク) 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律

容器包装廃棄物を排出する事業者として、資源を有効利用することにより、ごみの減量化を図るため、再商品化を行うことが求められております。

 

なお、当社グループは2013年12月、健康食品の販売に関して、不当景品類及び不当表示防止法に違反する行為があったとして、消費者庁から措置命令を受けております。

これに対して、当社グループは、社内における各関連部門及び法務部門において、広告掲載前における広告内容の審査、商品の取扱いやサイト上の表示方法及び販売方法に関する事前調査を行い、必要に応じて行政当局や顧問弁護士等に相談するとともに、法務の体制強化を推進して再発防止に努めております。当社グループは、このように適切な事業運営に努めており、現時点において重大な法律問題はないものと認識しておりますが、今後法規制における解釈、運用の変化や規制の強化、新たな規制の制定等により、より厳格な対応が求められることとなった場合には、当該規制等の動向により当社グループの事業展開、業績に重大な影響を与える可能性があります。また、広告表現について、行政当局との規制の解釈に対する意見の相違等によって行政処分を受けた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 商標権について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループは、商品やサービスに使用する商標について、事前の先願登録調査で類似のものが存在しないことを確認して商標出願しておりますが、この商標出願の審査結果を待たずに先行して使用を開始する場合もあり、また、他社による商標の出願から公開までには約3ヶ月かかるため、企画が進んでいる最中に他社の商標権を侵害してしまう事態が生じた場合には、当社グループの事業展開、業績に影響を与える可能性があります。

 

④ システムトラブルについて

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループの事業は、インターネット環境により行われており、サービスの安定供給のために適切なセキュリティ対策を実施しております。しかし、ハードウェアの不具合、人為的なミス、コンピューターウィルス、第三者によるサーバーやシステムへのサイバー攻撃、自然災害等の予期せぬ事象の発生によって、想定しないシステムトラブルが発生した場合は、当社グループの事業活動に支障が生じ、事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 個人情報の管理について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループは、サービスの提供に際して個人情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱業者としての義務が課されております。当社グループは、外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のために情報セキュリティ規程を制定して個人情報の取り扱いを厳格に管理するとともに、全従業員を対象とした社内教育も定期的に行っております。しかしながら、外部からの不正アクセス、その他想定外の事態の発生により個人情報が社外に流出した場合、当社グループの事業及び業績、社会的な信用に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 内部管理体制について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループは、更なる事業の拡大や継続的な成長のために、今後も内部管理体制を充実・強化させていく方針でありますが、事業の拡大に合わせた適時・適切な人員配置等、組織的な対応ができなかった場合は事業の拡大や継続的な成長の妨げとなり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 大株主について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

本書提出日現在、相川佳之氏が当社グループの発行済株式総数の32.88%を保有する筆頭株主であります。同氏は当社グループと業務提携契約を締結しているSBCメディカルグループ株式会社の代表であり、当社グループとの関係性は安定的と認識しております。また、当社グループの取締役会長である井上裕基は、同氏の資産管理会社である株式会社M&Mを含め、本書提出日現在において当社グループの発行済株式総数の25.74%を所有しております。同氏は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使に当たっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社グループといたしましても、両氏は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である両氏の議決権比率が低下した場合には、当社グループ株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 自然災害、事故等について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループでは、自然災害、事故等に備え、定期的なコンピュータシステム、データベースのバックアップ、稼働状況の常時監視等によるトラブルの事前防止または回避に努めておりますが、当社グループ所在地近辺において、大地震等の自然災害の発生により、当社グループ設備の損壊や電力供給の制限等の事業継続に支障をきたす場合は、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 税金負担について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループでは、過年度に生じた税務上の繰越欠損金があるため、課税所得が減殺され、納税負担額が軽減されております。今後の業績推移によって、税務上の繰越欠損金の全額が使用できず、納税負担額を軽減できない可能性があります。また、税制改正の内容によっては、繰越欠損金の使用が制限され、納税負担額を軽減できない可能性があります。繰越欠損金が解消された場合、通常の税率に基づく法人税等が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑩ 人材の確保及び定着について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループは、継続的な事業拡大や新規事業の推進のためには、優秀な人材の確保及び定着が最も重要であると認識しております。当社グループは今後も一定以上の水準を満たす優秀な人材の確保及び社内教育に努めていく方針でありますが、当社グループが求める優秀な人材が必要な時期に十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、経常的な業務運営及び新規事業の拡大等に支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪ 小規模組織であることについて

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループは小規模組織であり、現在の組織及び管理体制もこれに応じたものになっており、今後、事業拡大に応じた組織の整備や管理体制の充実を図る予定であり、引き続き人材採用を積極的に進めてまいります。しかしながら、事業の拡大に応じた組織整備や管理体制の拡充が順調に進まなかった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫ 訴訟発生について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当連結会計年度において、当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておらず、また、リスク・コンプライアンス規程を制定し、役職員に対して当該規程を遵守させることで法令違反等の発生リスクの低減に努めております。しかしながら、将来、当社グループ役職員の法令違反等の有無にかかわらず、ユーザや取引先、第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。提起された訴訟の内容及び結果によっては、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

発生可能性:高、発生する可能性のある時期:権利行使期間内、影響度:中

当社グループは、当社グループの取締役及び従業員に対して、業績向上に対する意欲を高めることを目的としたストック・オプションとして新株予約権を発行しております。ストック・オプションが権利行使された場合には、当社グループ株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は181,778株であり、発行済株式総数3,010,278株の6.0%に相当しております。

 

⑭ 配当政策について

発生可能性:事業計画の進捗状況による、発生する可能性のある時期:未定、影響度:中

当社グループは、株主に対する利益還元を経営上の重要課題と認識しております。利益還元策の決定にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状態や今後の事業計画等を十分に勘案し実施していく所存であります。しかし、現段階においては、当社グループの成長を加速させるとともに、財務面での健全性を強化し、経営における成長性と安全性の均衡を図ることこそが株主の利益に資するとの判断に基づき、内部留保資金の確保を優先し、剰余金の配当は行わないことを基本的な方針としております。なお、今後の配当の実施及びその時期については未定であります。

 

⑮ 有利子負債依存度について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループは、運転資金を主に金融機関からの借入金により調達しており、当社グループの総資産額に占める有利子負債の割合は、2023年9月末において40.2%となっております。今後におきましては、資金調達手段の多様化に積極的に取り組むことにより自己資本の充実に注力する方針でありますが、市場金利が上昇する局面においては支払利息等の増加により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4)継続企業の前提に関する重要事象等について
 当社グループの主力事業のD2C業界においては、新型コロナウイルスをきっかけに様々な企業が市場に参入したことで競争が激化しており、多くの企業がデジタル広告に取り組むようになったことで新規顧客の獲得単価が高止まりする等、当連結会計年度は厳しい事業環境となりました。その結果、当該期間における売上高の著しい減少が生じており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると認識しております。
 しかしながら、当連結会計年度末において現金及び預金1,305,025千円を保有し財務基盤は安定していることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
 当該重要事象等を解消するため、事業面においては、当社グループの主要株主及び筆頭株主である相川佳之氏が代表を務めるSBCメディカルグループ株式会社と業務提携契約を締結し、化粧品分野の多角展開のみならず、医薬品等の商品企画・開発領域への拡充を図ってまいります。
 また、新たな収益の柱にするべく、再生医療領域並びに美容医療領域に重点を置いた事業展開についての取り組みを開始してまいります。SBCメディカルグループ株式会社と当社グループの双方の強みを生かした「血液由来加工」の受託サービス事業を展開いたします。
これらの事業を推進することで、売上高、営業利益等の拡大を目指してまいります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和を受け、経済活動の正常化に向けて緩やかな回復が見られた一方、緊迫した世界情勢に伴う資源・エネルギー価格等の高騰や急激な為替変動による消費の低迷など、依然として先行き不透明な状況が継続しております。

このような状況の下、当社グループにおける主な取り組みとしては、SBCメディカルグループとの業務提携を通じた成長戦略を軸に、主力事業であるD2C事業並びに今後の当社グループを牽引するメディカルサポート事業のそれぞれが以下のセグメントの概況に記載のとおり、事業を推進してまいりました。

 

以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,726,314千円(前年同期比36.8%減)、営業利益277,942千円(前期は営業損失39,779千円)、経常利益287,722千円(前期は経常損失21,640千円)、親会社株主に帰属する当期純利益は28,360千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失57,156千円)となりました。

 

セグメントの概況は、次のとおりであります。

(D2C事業)

D2C事業におきましては、新規顧客開拓の広告宣伝費を抑制する一方、ロイヤルカスタマーに対する各種施策が奏功し、継続率は年間を通じ想定よりも上回って推移いたしました。

また、配送料の見直し及び在庫回転率の向上等、同事業の利益率改善に向け継続的に取り組んでまいりました。

更には、育毛・発毛促進に特化した薬用炭酸ヘッドスパ育毛剤「sodatel(ソダテル)」の販売を開始し、同商品を「HADA NATURE(肌ナチュール)」に次ぐ主力商品として成長軌道に乗せるべく、広告宣伝を中心とした各種施策を推進してまいりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は1,559,809千円(前年同期比38.4%減)、セグメント利益は679,347千円(前年同期比452.5%増)となりました。

 

(メディカルサポート事業)

メディカルサポート事業におきましては、再生医療領域における主な取り組みとして、全国の整形外科等に対して「血液由来加工療法(血液加工サービス)」の導入提案を当事業年度第2四半期以降、本格的に展開した結果、提携医院数の獲得及び加工受託件数は堅調に推移いたしました。

 

 

また、営業力及び組織力の強化に向けた人材採用、再生医療領域に知見のある有識者の顧問登用、並びに提携医院からの受注率向上に向けた施策の実践等、来期に向けて同事業の成長発展に寄与すべく施策を促進してまいりました。

なお、当社の連結子会社である株式会社Waqooメディカルサポートが展開している医療領域への人的支援及び広告・マーケティング支援の事業の一部サービスは縮小いたしました。

この結果、当連結会計年度の売上高は166,504千円(前年同期比16.8%減)、セグメント損失は48,247千円(前期セグメント利益156,266千円)となりました。

 

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末と比べて217,636千円増加し、1,561,165千円となりました。主な要因としましては、現金及び預金の増加398,800千円によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末と比べて199,366千円減少し、20,266千円となりました。主な要因としましては、貸倒引当金の増加253,520千円によるものであります。

 

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末と比べて51,633千円減少し、503,343千円となりました。主な要因としましては、1年内返済予定の長期借入金の減少49,536千円によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末と比べて39,549千円増加し、305,200千円となりました。主な要因としましては、長期借入金の増加39,549千円によるものであります。

 

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べて30,354千円増加し、772,888千円となりました。主な要因としましては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加28,360千円によるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ398,800千円増加し、1,305,025千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は455,850千円(前連結会計年度は、168,547千円の資金の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益34,201千円の計上、貸倒引当金の増加253,520千円、売上債権の減少115,226千円があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は49,057千円(前連結会計年度は、175,850千円の資金の支出)となりました。これは主に、長期貸付による支出60,447千円、償却債権の回収による収入11,750千円があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は7,991千円(前連結会計年度は、129,166千円の資金の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入200,000千円、長期借入金の返済による支出209,987千円があったことによるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループの提供する事業の性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

当社グループの提供する事業の性格上、受注実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。

 

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

D2C事業

1,559,809

△38.4

メディカルサポート事業

166,504

△16.8

合計

1,726,314

△36.8

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。その内容等については、(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況に記載しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高

「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 

b.売上原価、売上総利益

当連結会計年度の売上原価は414,576千円(前年同期比48.3%減)となりました。当連結会計年度における売上原価率は24.0%となり、前連結会計年度の売上原価率29.4%より5.4ポイント減少しております。

以上の結果、当連結会計年度における売上総利益は1,311,737千円(前年同期比32.0%減)となりました。

 

c.販売費及び一般管理費、営業利益

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,033,795千円(前年同期比47.5%減)となりました。当連結会計年度における売上高に対する割合は59.9%となり、前連結会計年度の売上高に対する割合72.1%より12.2ポイント減少しております。

以上の結果、当連結会計年度における営業利益は277,942千円(前期は営業損失39,779千円)となりました。

 

d.経常利益

当連結会計年度における営業外収益は13,552千円(前年同期比44.6%減)となりました。これは、主に償却債権取立益11,750千円を計上したことによるものであります。また、当連結会計年度における営業外費用は3,772千円(前年同期比40.5%減)となりました。これは、主に支払利息2,995千円を計上したことによるものであります。

以上の結果、当連結会計年度における経常利益は287,722千円(前期は経常損失21,640千円)なりました。

 

e.当期純利益

当連結会計年度における当期純利益につきましては主に貸倒引当金繰入額253,520千円の計上、法人税、住民税及び事業税5,841千円(前年同期比83.6%減)の計上をしたことにより、28,360千円となりました。

 

 

ロ.財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は、1,581,432千円となり、前連結会計年度末と比べて18,270千円の増加となりました。

当連結会計年度末における負債は、808,543千円となり、前連結会計年度末と比べて12,084千円の減少となりました。

当連結会計年度末における純資産は、772,888千円となり、前連結会計年度末と比べて30,354千円の増加となりました。

主な増減内容については「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

以上の結果、財務指標としては、自己資本比率が前連結会計年度末の47.5%から48.9%に増加いたしました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資金需要の主なものは商品仕入、販売費及び一般管理費に含まれる広告宣伝費であります。これらの運転資金につきましては内部資金または銀行からの借入により資金調達することとしております。また、一時的な資金の不足については、5億円の当座貸越枠を設定し、必要資金を適時に確保する体制を整えております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案して合理的に見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。連結財務諸表における当社グループの財務諸表の作成に係る重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。

また、当社グループの連結財務諸表の作成にあたり用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について

経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

⑥ 中長期的な会社の経営戦略

経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

⑦ 継続企業の前提に関する重要事象等について

当社は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (4)継続企業の前提に関する重要事象等について」に記載のとおり、当該事象を解消するための対応策を実施しているため、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと認識しております。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1)商品製造に関して下記の契約を締結しております。

① OEM契約

契約締結日

2014年1月20日

契約の名称

OEM契約

相手先

ホシケミカルズ株式会社

契約期間

締結日より2年間(以降2年ごとの自動更新)

契約の概要

両社の合意等がない限り、当社は同社以外の第三者に商品またはその類似商品の製造を委託できない。

(商品またはその類似商品とは、同社が提案した製造委託書に基づいて製造された化粧品及び医薬部外品をいう。)

 

解約事由は以下の事由による。

・自ら振り出し、または裏書した手形または小切手が1通でも不渡り処分を受けたとき

・租税公課の滞納処分を受けたとき

・差押、仮差押、仮処分等を受けたとき

・破産、民事再生手続き又は会社更生、民事再生の申し立てをなし、またはこれらの申し立てをされたとき

・解散(合併による場合を除く)または営業の全部又は重要な一部の譲渡を決議したとき

・監督官庁から営業取消、営業停止等の処分を受けたとき

・財産状態が悪化し、又はその恐れがあると認められる相当の事由があるとき

・取締役、監査役、従業員その他の構成員、株主、取引先、若しくは顧問その他のアドバイザーが反社会的勢力等(暴力団、暴力団員、右翼団体、反社会的勢力、その他これに準ずる者を意味する。以下同じ。)であること、又は資金提供その他を通じて反社会的勢力等の維持、運営若しくは経営に協力若しくは関与する等反社会的勢力等との何らかの交流若しくは関与を行っていることが判明した場合において、その解消を求める通知を受領後相当期間内にこれが解消されないとき

 

(注) 本書提出日現在において、上記解約事由のいずれにも抵触しておりません。

 

② OEM契約に係る炭酸を含有したクレンジングについての覚書

契約締結日

2017年10月20日

契約の名称

OEM契約に係る炭酸を含有したクレンジングについての覚書

相手先

ホシケミカルズ株式会社

契約期間

目標発注数量達成ごとに半年間更新

契約の概要

目標発注数量(半年間で6万本)を達成することで独占購入期間が半年間更新される。

 

 

(2)業務提携に関して下記の契約を締結しております。

①業務提携に関する基本合意書

契約締結日

2022年8月10日

契約の名称

業務提携に関する基本合意書

相手先

SBCメディカルグループ株式会社

契約期間

本事業にかかるすべての利益配分が終了する時まで

契約の概要

商品の買取・販売、コラボレーション商品の開発

 

解約事由は以下の事由による。

・第三者から差押、仮差押、仮処分、租税滞納処分、その他公権力の処分を受け、又は破産手続きの開始、民事再生手続の開始、会社更生手続の開始、若しくは特別清算開始の申立てが行われたとき
・解散したとき
・自ら振り出し若しくは引き受けた手形又は小切手が不渡りになる、金融機関から取引停止処分を受ける等、支払停止状態になったとき
・信用状態又は財政状態が悪化し、若しくはそのおそれがあると認められる相当の事由が発生したとき
・重要な経営体制上の変更が生じ、本契約の履行が困難になるとき
・監督官庁から営業停止又は営業免許若しくは営業登録の取消処分を受けたとき
・本契約の条項の一つに違反し、催告したのにもかかわらず、催告日から7営業日を経過しても違反が改善されないとき

 

 

②覚書

契約締結日

2022年11月18日

契約の名称

覚書

相手先

SBCメディカルグループ株式会社

契約期間

2022年8月10日付業務提携に関する基本合意書に準ずる

契約の概要

基本合意内容に以下を追加する。

・「細胞加工センター(CPC)」の運用、管理、営業活動の受託

・再生医療事業に関わる受発注システムの共同開発

 

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、EC商品については外部委託先に製造を委託しているため、EC商品に関する研究開発活動は行っておりませんが、お客様の嗜好やニーズに沿った商品開発の実現に向けた商品企画を行っております。