発行数 |
540,000個(新株予約権1個につき100株) |
発行価額の総額 |
3,780,000円 |
発行価格 |
新株予約権1個につき7円(新株予約権の目的である株式1株当たり0.07円) |
申込手数料 |
該当事項はありません。 |
申込単位 |
1個 |
申込期間 |
2024年4月22日 |
申込証拠金 |
該当事項はありません。 |
申込取扱場所 |
オンコセラピー・サイエンス株式会社 管理本部 神奈川県川崎市川崎区東田町1番地2 |
割当日 |
2024年4月22日 |
払込期日 |
2024年4月22日 |
払込取扱場所 |
株式会社三井住友銀行 目黒支店 東京都品川区上大崎四丁目1番5号目黒ヒルトップウォーク内 |
(注)1.第36回新株予約権(以下、「本新株予約権」といいます。)の発行については、2024年4月5日付の当社取締役会決議によるものであります。
2.申込み及び払込みの方法について、本有価証券届出書の効力発生後、当社は、払込期日までにLong Corridor Alpha Opportunities Master Fund(以下、「LCAO」といいます。)及びMAP246 Segregated Portfolio(以下、「MAP246」といい、LCAOとあわせて以下、「割当予定先」といいます。)との間で本新株予約権に係る総数引受契約(以下、「本新株予約権引受契約」といいます。)を締結し、払込期日に上記払込取扱場所へ発行価額の総額を払い込むものとします。
3.本有価証券届出書の効力発生後、払込期日までに本新株予約権の割当予定先との間で本新株予約権引受契約を締結しない場合は、本新株予約権に係る割当は行われないこととなります。
4.本新株予約権の募集は、第三者割当の方法によります。
5.本新株予約権の振替機関の名称及び住所は次のとおりであります。
名称:株式会社証券保管振替機構
住所:東京都中央区日本橋兜町7番1号
当該行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の特質 |
1.本新株予約権の目的となる株式の種類及び数 |
本新株予約権の目的となる株式の種類及び総数は、当社普通株式(別記「新株予約権の目的となる株式の種類」欄に定義)54,000,000株(本新株予約権1個当たりの目的である株式の数は100株)で確定しており、株価の上昇又は下落により行使価額(別記「新株予約権の行使時の払込金額」欄第2項に定義)が修正されても変化しない(但し、別記「新株予約権の目的となる株式の数」欄に記載のとおり、調整されることがある。)。なお、株価の上昇又は下落により行使価額が修正された場合、本新株予約権による資金調達の額は増加又は減少する。 |
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2.行使価額の修正 |
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2024年4月23日以降、本新株予約権の各行使請求の効力発生日(以下、「修正日」という。)の属する週の前週の最終取引日(以下、「修正基準日」という。)の株式会社東京証券取引所(以下、「東京証券取引所」という。)における当社普通株式の普通取引の終値(同日に終値がない場合には、その直前の終値)の90%に相当する金額の小数第1位未満の端数を切り上げた金額(以下、「修正基準日価額」という。)が、当該修正基準日の直前に有効な行使価額を0.1円以上上回る場合又は下回る場合には、行使価額は、当該修正日以降、当該修正基準日価額に修正される(以下、修正後の行使価額を「修正後行使価額」という。)。なお、修正後行使価額の算出において、修正基準日から修正日までの間に別記「新株予約権の行使時の払込金額」欄第4項記載の行使価額の調整事由が生じた場合は、修正後行使価額は当該事由を勘案して調整される。なお、「取引日」とは、東京証券取引所において売買立会が行われる日をいう。 |
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3.行使価額の修正頻度 |
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本欄第2項の記載に従い修正される。 |
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4.行使価額の下限 |
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行使価額は9.5円(但し、別記「新株予約権の行使時の払込金額」欄第4項による調整を受ける。)(以下、「下限行使価額」という。)を下回らないものとする。本欄第2項記載の計算による修正後行使価額が下限行使価額を下回ることとなる場合には、修正後行使価額は下限行使価額とする。 |
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5.割当株式数の上限 |
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54,000,000株(本有価証券届出書提出日現在の当社発行済普通株式総数217,643,700株に対する割合は、24.81%(小数第3位の端数を四捨五入した値))。但し、別記「新株予約権の目的となる株式の数」欄に記載のとおり、調整される場合がある。 |
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6.本新株予約権が全て行使された場合の資金調達額の下限(本欄第4項に記載の行使価額の下限にて本新株予約権が全て行使された場合の資金調達額) |
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本新株予約権の発行価額の総額3,780,000円に下限行使価額である9.5円で本新株予約権が全部行使された場合の513,000,000円を合算した金額。但し、本新株予約権は行使されない可能性がある。 |
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7.当社の請求による本新株予約権の取得 |
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本新株予約権には、当社の決定により、本新株予約権の全部又は一部を取得することを可能とする条項が設けられている(詳細については別記「自己新株予約権の取得の事由及び取得の条件」欄参照。) |
新株予約権の目的となる株式の種類 |
オンコセラピー・サイエンス株式会社 普通株式 |
完全議決権株式であり、権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式である。なお、当社普通株式の単元株式数は、100株である。 |
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新株予約権の目的となる株式の数 |
1.本新株予約権の目的である株式の種類及び総数は、当社普通株式54,000,000株とする(本新株予約権1個当たりの目的たる株式の数(以下、「割当株式数」という。)は当社普通株式100株とする。)。但し、本欄第2項乃至第5項により割当株式数が調整される場合には、本新株予約権の目的である株式の総数は調整後割当株式数に応じて調整されるものとする。 |
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2.当社が当社普通株式の分割、無償割当又は併合(以下、「株式分割等」と総称する。)を行う場合には、割当株式数は次の算式により調整される。但し、調整の結果生じる1株未満の端数は切り捨てる。 |
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調整後割当株式数=調整前割当株式数×株式分割等の比率 |
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3.当社が別記「新株予約権の行使時の払込金額」第4項の規定に従って行使価額の調整を行う場合(但し、株式分割等を原因とする場合を除く。)には、割当株式数は次の算式により調整される。但し、調整の結果生じる1株未満の端数は切り捨てる。なお、かかる算式における調整前行使価額及び調整後行使価額は、別記「新株予約権の行使時の払込金額」欄に定める調整前行使価額及び調整後行使価額とする。 |
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4.本欄に基づく調整において、調整後割当株式数の適用開始日は、当該調整事由に係る別記「新株予約権の行使時の払込金額」欄第4項第(2)号、第(5)号及び第(6)号による行使価額の調整に関し、各号に定める調整後行使価額を適用する日と同日とする。 |
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5.割当株式数の調整を行うときは、当社は、調整後割当株式数の適用開始日の前日までに、本新株予約権に係る新株予約権者(以下、「本新株予約権者」という。)に対し、かかる調整を行う旨並びにその事由、調整前割当株式数、調整後割当株式数及びその適用開始日その他必要な事項を書面で通知する。但し、別記「新株予約権の行使時の払込金額」欄第4項(2)⑤に定める場合その他適用開始日の前日までに上記通知を行うことができない場合には、適用開始日以降速やかにこれを行う。 |
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新株予約権の行使時の払込金額 |
1.本新株予約権の行使に際して出資される財産の価額 |
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各本新株予約権の行使に際して出資される財産は金銭とし、その価額は、行使価額に割当株式数を乗じた額とする。 |
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2.本新株予約権の行使に際して出資される当社普通株式1株当たりの金銭の額(以下、「行使価額」という。)は、当初19円とする。但し、行使価額は本欄第3項及び第4項の定めるところに従い修正及び調整されるものとする。 |
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3.行使価額の修正 |
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2024年4月23日以降、修正基準日価額が、当該修正基準日の直前に有効な行使価額を0.1円以上上回る場合又は下回る場合には、行使価額は、当該修正日以降、当該修正基準日価額に修正される。なお、修正後行使価額の算出において、修正基準日から修正日までの間に本欄第4項記載の行使価額の調整事由が生じた場合は、修正後行使価額は当該事由を勘案して調整される。なお、「取引日」とは、東京証券取引所において売買立会が行われる日をいう。 |
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但し、かかる算出の結果、修正後行使価額が下限行使価額を下回ることとなる場合には、修正後行使価額は下限行使価額とする。 |
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4.行使価額の調整 |
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(1)当社は、当社が本新株予約権の発行後、下記(2)に掲げる各事由により当社の発行済普通株式数に変更を生じる場合又は変更を生じる可能性がある場合には、次に定める算式(以下、「行使価額調整式」という。)をもって行使価額を調整する(以下、調整された後の行使価額を「調整後行使価額」、調整される前の行使価額を「調整前行使価額」という。)。 |
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(2)行使価額調整式により行使価額の調整を行う場合及び調整後行使価額の適用時期については、次に定めるところによる。 |
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①本項(4)②に定める時価を下回る払込金額をもって当社普通株式を新たに発行し、又は当社の保有する当社普通株式を処分する場合(無償割当による場合を含む。)(当社普通株式の交付と引換えに当社に取得され、若しくは当社に対して取得を請求できる証券、又は当社普通株式の交付を請求できる新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを含む。)その他の証券若しくは権利の取得、転換若しくは行使による場合を除く。) |
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調整後行使価額は、払込期日(払込期間を定めた場合はその最終日とする。)の翌日以降、又はかかる発行若しくは処分につき株主に割当てを受ける権利を与えるための基準日がある場合はその日の翌日以降これを適用する。 |
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②株式の分割により当社普通株式を発行する場合 |
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調整後行使価額は、株式の分割のための基準日の翌日以降これを適用する。 |
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③本項(4)②に定める時価を下回る払込金額をもって当社普通株式の交付と引換えに当社に取得され、若しくは当社に対して取得を請求できる証券を発行(無償割当の場合を含む。)する場合又は当社普通株式の交付を請求できる新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを含む。)その他の証券又は権利を発行(無償割当の場合を含む。)する場合(但し、当社又はその関係会社(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則第8条第8項に定める関係会社をいう。以下同じ。)の取締役その他の役員又は使用人を対象とするストック・オプションを発行する場合を除く。) |
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調整後行使価額は、発行される証券、新株予約権又は権利の全てが当初の取得価額で取得され又は当初の行使価額で行使され、当社普通株式が交付されたものとみなして行使価額調整式を適用して算出するものとし、かかる証券若しくは権利の払込期日又は新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを含む。)の割当日の翌日以降、また、募集又は無償割当のための基準日がある場合にはその日の翌日以降これを適用する。 |
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④当社の発行した取得条項付株式又は取得条項付新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを含む。)の取得と引換えに本項(4)②に定める時価を下回る価額をもって当社普通株式を交付する場合 |
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調整後行使価額は、取得日の翌日以降これを適用する。 |
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上記にかかわらず、当該取得条項付株式又は取得条項付新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを含む。)に関して、当該調整前に上記③による行使価額の調整が行われている場合には、調整後行使価額は、当該調整を考慮して算出するものとする。 |
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⑤本項第(2)号①乃至③の場合において、基準日が設定され、かつ、効力の発生が当該基準日以降の株主総会、取締役会その他当社の機関の承認を条件としているときには、本項第(2)号①乃至③にかかわらず、調整後行使価額は、当該承認があった日の翌日以降これを適用する。この場合において、当該基準日の翌日から当該承認があった日までに本新株予約権の行使請求をした本新株予約権者に対しては、次の算出方法により、当社普通株式を交付する。 |
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この場合、1株未満の端数を生じたときはこれを切り捨てるものとする。 |
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(3)行使価額調整式により算出された調整後行使価額と調整前行使価額との差額が0.1円未満にとどまる場合は、行使価額の調整は行わない。但し、その後、行使価額の調整を必要とする事由が発生し、行使価額を調整する場合には、行使価額調整式中の調整前行使価額に代えて調整前行使価額からこの差額を差し引いた額を使用する。 |
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(4)①行使価額調整式の計算については、円位未満小数第2位まで算出し、小数第2位を四捨五入する。 |
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②行使価額調整式で使用する時価は、調整後行使価額が初めて適用される日(但し、上記(2)⑤の場合は基準日)に先立つ45取引日目に始まる30取引日(終値のない日数を除く。)の東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の終値の単純平均値とする。この場合、単純平均値の計算は、円位未満小数第2位まで算出し、小数第2位を四捨五入する。 |
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③行使価額調整式で使用する既発行普通株式数は、株主に割当てを受ける権利を与えるための基準日がある場合はその日、また、かかる基準日がない場合は、調整後行使価額を初めて適用する日の1か月前の日における当社の発行済普通株式の総数から、当該日において当社の保有する当社普通株式を控除した数とする。また、上記第(2)号②の場合には、行使価額調整式で使用する新発行・処分普通株式数は、基準日において当社が有する当社普通株式に割り当てられる当社の普通株式数を含まないものとする。 |
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(5)上記第(2)号の行使価額の調整を必要とする場合以外にも、次に掲げる場合には、当社は、本新株予約権者と協議の上、必要な行使価額の調整を行う。 |
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①株式の併合、資本金の減少、会社分割、株式交換、合併又は株式交付のために行使価額の調整を必要とするとき。 |
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②その他当社の発行済普通株式数の変更又は変更の可能性が生じる事由等の発生により行使価額の調整を必要とするとき。 |
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③行使価額を調整すべき複数の事由が相接して発生し、一方の事由に基づく調整後行使価額の算出にあたり使用すべき時価につき、他方の事由による影響を考慮する必要があるとき。 |
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(6)上記第(2)号の規定にかかわらず、上記第(2)号に基づく調整後行使価額を初めて適用する日が本欄第3項に基づく行使価額の修正日と一致する場合には、当社は、必要な行使価額及び下限行使価額の調整を行う。 |
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(7)行使価額の調整を行うときは、当社は、調整後行使価額の適用開始日の前日までに、本新株予約権者に対し、かかる調整を行う旨並びにその事由、調整前行使価額、調整後行使価額及びその適用開始日その他必要な事項を書面で通知する。但し、上記(2)⑤に定める場合その他適用開始日の前日までに上記通知を行うことができない場合には、適用開始日以降速やかにこれを行う。 |
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新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価額の総額 |
1,029,780,000円 |
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(注)全ての本新株予約権が当初の行使価額で行使されたと仮定して算出された金額であり、別記「新株予約権の行使時の払込金額」欄第3項又は第4項により、行使価額が修正又は調整された場合には、新株予約権の行使により株式を発行する場合の発行価額の総額は増加又は減少する可能性がある。また、本新株予約権の行使期間内に行使が行われない場合及び当社が本新株予約権を取得し、又は買い取って消却した場合には、新株予約権の行使に際して払い込むべき金額の合計額は減少する可能性がある。 |
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新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額 |
1.新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式1株の発行価格 |
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本新株予約権の行使により交付する当社普通株式1株の発行価格は、行使請求に係る各本新株予約権の行使に際して払い込むべき金額の総額に、行使請求に係る各本新株予約権の発行価額の総額を加えた額を、別記「新株予約権の目的となる株式の数」欄記載の本新株予約権の目的である株式の総数で除した額とする。 |
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2.新株予約権の行使により株式を発行する場合の増加する資本金及び資本準備金 |
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本新株予約権の行使により当社普通株式を発行する場合において増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項の規定に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし(計算の結果1円未満の端数を生じる場合はその端数を切り上げた額とする。)、当該資本金等増加限度額から増加する資本金の額を減じた額を増加する資本準備金の額とする。 |
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新株予約権の行使期間 |
2024年4月23日から2027年4月22日までとする。なお、行使期間最終日が営業日でない場合はその前営業日を最終日とする。但し、以下の期間については、行使請求をすることができないものとする。 |
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①振替機関が本新株予約権の行使の停止が必要であると認めた日 |
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②別記「組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項」欄記載の組織再編行為をするために本新株予約権の行使の停止が必要である場合であって、当社が、行使請求を停止する期間(当該期間は1か月を超えないものとする。)その他必要事項を当該期間の開始日の1か月前までに本新株予約権者に通知した場合における当該期間 |
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新株予約権の行使請求の受付場所、取次場所及び払込取扱場所 |
1.新株予約権の行使請求の受付場所 |
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三井住友信託銀行株式会社 証券代行部 |
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2.新株予約権の行使請求の取次場所 |
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該当事項なし。 |
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3.新株予約権の行使請求の払込取扱場所 |
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株式会社三井住友銀行 目黒支店 |
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新株予約権の行使の条件 |
各本新株予約権の一部行使はできない。 |
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自己新株予約権の取得の事由及び取得の条件 |
当社は、当社取締役会が決議した場合は、本新株予約権の払込期日の翌日以降、会社法第273条及び第274条の規定に従って通知又は公告を行った上で、当該取得日に本新株予約権の払込金額相当額を支払うことにより、残存する本新株予約権の全部又は一部を取得することができる。一部取得をする場合には、抽選その他の合理的な方法により行うものとする。 |
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新株予約権の譲渡に関する事項 |
該当事項なし。但し、本新株予約権引受契約の規定により、割当予定先は、当社の事前の書面による承認なく、本新株予約権を譲渡することはできない旨の制限が付される。 |
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代用払込みに関する事項 |
該当事項なし。 |
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組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項 |
当社が吸収合併消滅会社となる吸収合併、新設合併消滅会社となる新設合併、吸収分割会社となる吸収分割、新設分割会社となる新設分割、株式交換完全子会社となる株式交換、株式移転完全子会社となる株式移転、又は株式交付親会社の完全子会社となる株式交付(以下、「組織再編行為」と総称する。)を行う場合は、当該組織再編行為の効力発生日の直前において残存する本新株予約権に代わり、それぞれ吸収合併存続会社、新設合併設立会社、吸収分割承継会社、新設分割設立会社、株式交換完全親会社、株式移転設立完全親会社又は株式交付完全親会社(以下、「再編当事会社」と総称する。)は以下の条件に基づき本新株予約権者に新たに新株予約権を交付するものとする。 |
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(1)新たに交付される新株予約権の数 |
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本新株予約権者が有する本新株予約権の数をもとに、組織再編行為の条件等を勘案して合理的に調整する。調整後の1個未満の端数は切り捨てる。 |
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(2)新たに交付される新株予約権の目的である株式の種類 |
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再編当事会社の同種の株式 |
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(3)新たに交付される新株予約権の目的たる株式の数の算定方法 |
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組織再編行為の条件等を勘案して合理的に調整する。調整後の1株未満の端数は切り上げる。 |
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(4)新たに交付される新株予約権の行使に際して出資される財産の価額 |
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組織再編行為の条件等を勘案して合理的に調整する。調整後の0.1円未満の端数は切り上げる。 |
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(5)新たに交付される新株予約権に係る行使期間、行使の条件、取得条項、組織再編行為の場合の新株予約権の交付、新株予約権証券の不発行並びに当該新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金 |
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別記「新株予約権の行使期間」欄、別記「新株予約権の行使の条件」欄、別記「自己新株予約権の取得の事由及び取得の条件」欄、本欄、下記(注)8(1)及び別記「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」欄第2項記載の条件に準じて、組織再編行為に際して決定する。 |
(注)1.本新株予約権の発行により資金調達をしようとする理由
(1)募集の目的及び理由
ア.当社グループの事業概要
当社の企業集団は、当社及び連結子会社1社で構成されており、医薬品の研究及び開発、がん遺伝子の大規模解析検査及びがん免疫療法の研究開発を主たる事業としております。
当社は、元東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長(現 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事長、東京大学名誉教授、シカゴ大学名誉教授)中村祐輔教授の研究成果(シーズ)を事業化することを目的として2001年4月に設立した研究開発型ベンチャー企業です。
なお、2023年12月31日時点において、当社は全世界で297件の特許を取得しております。
(ア)当社事業の背景につきましては、以下のとおりです。
① ゲノム研究の進展について
1990年代より欧米を中心としてゲノム(※1)研究が活発に進められており、2000年6月には、いわゆる「ヒトゲノム・プロジェクト(※2)」等によってヒトゲノム解読完了が宣言されております。現在では、30億塩基対からなるヒトゲノム遺伝暗号の読み取りがほぼ終了し、現在ヒトの遺伝子総数は約23,000種類程度であると予測されております。これと前後した様々なバイオテクノロジーの進歩等により、「ゲノム創薬」への応用が現実のものとなりつつあります。
「ゲノム創薬」とは、遺伝子及び遺伝子が作り出すタンパク質等の情報に基づき、疾患の原因である新規創薬ターゲットの発見とそれらを標的とする治療薬の有効性や安全性の検討等を行い、医薬品を論理的・効率的に作り出すものであります。近年において、がん、糖尿病、高血圧や、慢性関節リウマチ等、多くの疾患に遺伝子が関係することが明らかになっており、疾患に関係する遺伝子を同定(※3)し、それを標的とすることで、疾患の症状を軽減させる対症療法ではなく、疾患の原因を除去する効果的な医薬品開発が可能となるものと考えております。
また、バイオテクノロジーの進歩に伴い、疾患関連遺伝子探索、遺伝子機能解析に加えて、SNPs(※4)、プロテオミクス(※5)、バイオインフォマティクス(※6)等の各研究分野も急速に進展しており、多くのベンチャー企業が創設される等、ゲノム研究分野はその市場規模の拡大が見込まれております。
なお、こうした技術及び研究の進歩への対応として、欧米の大手製薬企業等は、多大な研究開発費を確保するためのM&A戦略を実施する一方で、自社での研究開発活動に加えて、特に、基礎研究分野や、より専門性の高い分野等においては、ベンチャー企業、大学や社外の研究機関等との提携による外部リソースの活用を積極的に行うことが近年一般的になっております。
② 抗がん剤分野について
従来のがん治療法は、一般に、がん細胞を除去し、又は死滅させることに重点が置かれ、その主流は、外科的切除、放射線療法及び抗がん剤投与による化学療法並びにこれらの組み合わせによるものであります。しかし、これらの治療法は、いずれも患者に対する強い侵襲作用があり、特に化学療法は、抗がん剤を生体内に投与して分裂を続ける細胞に対して無差別な攻撃を行うものであり、がん細胞だけでなく正常細胞にも強い毒性を発揮する欠点があります。その結果、患者により個人差はあるものの、骨髄抑制、脱毛、吐き気、嘔吐又は下痢等の副作用によりがん患者に相応の負担を強いることになり、抗がん剤の使用範囲は限られたものとなり、また、抗腫瘍活性も期待された程得られない状況で、従来のがん治療法に代わる、より有効で患者に対して負担の少ない治療法の開発が望まれておりました。
近年、分子生物学(※7)及びヒトゲノム研究の進展等に伴い、特定の分子のみを標的としたいわゆる分子標的治療薬(※8)と呼ばれる医薬品開発が進められており、乳がん、白血病、肺がん、大腸がん等に対する新たな抗がん剤が登場しております。これらの抗がん剤は、従来の化学療法と比較して効果が高くかつ副作用が抑えられ、より長期間の投薬が可能となるものであります。現在、このような新たな抗がん剤の開発が世界各国で進められており、今後のがん治療に高い効果を発揮するものと期待されております。
また、ヒトにおける腫瘍に対する免疫システムの関与の機序が明らかになりつつあり、がん治療において、従来の手術療法、放射線療法、薬物療法に加え、免疫療法が新たな機序を有する第4のがん治療法として期待が高まりつつあります。2009年9月、米国医薬食品局(FDA)は、世界の免疫療法の開発の状況を踏まえ、「治療用がんワクチンについての臨床的考察」を公表し、2010年4月、前立腺がんに対する免疫細胞療法を承認し、2011年3月には、悪性黒色腫に対してリンパ球の活性化を維持する抗体医薬を承認しました。さらに免疫チェックポイント阻害剤という新たな免疫治療薬が承認される等、がんに対する免疫療法は、今や次世代の新たながん治療法として確立し、がん治療薬の概念は大きく変わりつつあります。
このように、分子標的治療薬の登場に加え、既存の抗がん剤より効果が高くかつ副作用の少ない薬剤の登場により患者の生存期間が長くなることによる治療の長期化、製薬会社による更なる分子標的治療薬の研究開発推進、高齢化の進行、がん診断による早期発見の増加、及びがんプレシジョン医療の進展等の動向から、当社は、抗がん剤の市場は今後も拡大していくものと予測しております。
(イ)当社グループの事業内容につきましては、以下のとおりです。
当社グループは、元東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長(現 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事長、東京大学名誉教授、シカゴ大学名誉教授)中村祐輔教授と共同で、ほぼ全てのがんを対象とした網羅的な遺伝子発現解析等を実施し、既にがん治療薬開発に適した多くの標的分子を同定しております。また、それらの標的に対し、低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等の、各領域における創薬研究を積極的に展開し、これら創薬研究の成果を基にした複数の臨床試験を実施しており、臨床試験準備中の医薬品候補物質も複数有しております。
このような「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業に加えて、がんプレシジョン医療関連事業を実施しております。
がんは遺伝子の異常により引き起こされる病気です。がん細胞での遺伝子の網羅的な解析は、がんの診断及びがん治療薬・治療法を選択するために非常に重要です。この解析を利用して、がんの早期診断や、がん患者さん一人ひとりの遺伝子情報に基づいた治療薬・治療法の選択をすることや新規の免疫療法につなげていくことをがんプレシジョン医療といい、近年、より効果的ながん治療をがん患者さんに提供できる手段として注目されています。
当社は、次世代シーケンス解析(※9)サービスを行っているTheragen Bio Co., Ltd.(旧Theragen Etex Co., Ltd.、本社:韓国。)との資本・業務提携により、がん遺伝子の大規模解析検査及びがん免疫療法の研究開発を行う子会社として、株式会社Cancer Precision Medicine(以下、「CPM社」といいます。)を設立し、がんプレシジョン医療関連事業を実施しております。
① 医薬品開発における事業領域について
当社グループの研究開発は、2001年4月からの当社と東京大学医科学研究所との共同研究により出発いたしました。当該研究は抗がん剤開発のためのがん特異的タンパク質の同定とその機能解析を目的としており、主に基礎研究領域に重点を置いたものとなっています。
その後、基礎研究の継続的な実施による進展とともに、当社グループの事業領域は、より医薬品の開発に近い創薬研究へと拡大し、低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等の各領域において、臨床応用を目指した創薬研究を実施しております。
さらに、国内外において、提携先製薬企業と共同で、又は当社グループ独自で複数の臨床試験を実施しております。
② 医薬品の研究開発について
当社グループでは、主に下記の医薬品の研究開発を実施しております。
(ⅰ)低分子医薬
低分子医薬は、がん関連遺伝子由来のタンパク質(がん関連遺伝子産物)に結合し、その機能を阻害する低分子化合物(※10)を利用した医薬品です。当社グループは網羅的遺伝子解析によって同定したがん関連遺伝子産物に対し、独自に医薬品となり得る低分子化合物を設計し、医薬品開発を行っております。
(ⅱ)ペプチドワクチン
がん特異的ペプチドワクチンは、がん細胞にのみ反応する細胞傷害性T細胞(※11)を活性化させる等、人間の体が持つ免疫機構を利用して、がん細胞を攻撃させるがん治療用医薬品です。当社グループは、がん特異的ペプチドワクチンの医薬品候補物質となるペプチドを多数同定し、医薬品開発を行っております。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染制御及び重症化の抑制を目指したペプチドワクチンの研究開発に着手し、特許出願を完了しております。
(ⅲ)抗体医薬
抗体医薬は、抗体が細胞膜(がん細胞の表面)に存在する特定のタンパク質(抗原)に対して特異的に反応し、それらを異物として排除する特性を利用した医薬品です。当社グループは、がん関連遺伝子産物を標的とした抗体を作成することで、医薬品開発を行っております。
③ がんプレシジョン医療への取組み
2017年7月、CPM社を設立し、その後当社の事業部門であり、オンコアンチゲンをはじめとしたがん免疫療法の研究開発、及び次世代シーケンサーを用いてT細胞/B細胞受容体の解析サービスを行う腫瘍免疫解析部については、会社分割(簡易分割)を行い、当社の連結子会社であるCPM社が事業を承継いたしました。これにより、CPM社においてはがん遺伝子の大規模解析検査及びがん免疫療法の研究開発を実施することとなりました。
(※1)ゲノム
生物の体を構成する一つ一つの細胞の中に、遺伝情報を乗せた染色体があります。染色体は、4種類の塩基と呼ばれる分子から成るDNAで構成され、DNAの塩基の並び方によって遺伝子の情報が決められています。ゲノムとは、1つの生物がもつ染色体に含まれる全ての遺伝情報を指します。
(※2)ヒトゲノム・プロジェクト
ヒトの遺伝情報の総体であるヒトゲノム(染色体23本に分配されている30億塩基対DNA)を全て解読しようという国際的なプロジェクトの総称。1988年に、有力な科学者主導でヒトゲノムの解析を実施すべく、ヒトゲノム機構(HUGO)が設立され、その後1990年10月に、同機構の指揮のもとで正式に国際的なプロジェクトが開始されました。日本でも、1991年から解読が本格化されました。計画開始当初、2005年をめどに全長配列決定をする予定でしたが、シーケンス技術の急速な進歩、及びゲノムの大量解読を行うベンチャー企業の追いあげに伴い、当初の計画は大幅に前倒しされることになり、2000年6月には、解読結果の概略が発表されております。
(※3)同定
ある物質の正体を特定すること。例えば、細胞の中からある現象に関係する分子を選り分けて取り出しその種類を特定することや、多数の化合物群を含むライブラリの中から望ましい活性を持つ化合物を見つけてその種類を特定すること等は、そのような分子や化合物を「同定する」と呼ばれます。
(※4)SNPs
Single Nucleotide Polymorphism(=1塩基多型)の略語。DNAの塩基配列は、同じヒトであっても個人によって僅かずつ異なっていることがわかっており、これが全ゲノム中の約1%、数百万箇所あるとされております。こういった遺伝子の相違の中で最も頻繁に見られるのが、塩基配列のある箇所でA-TとG-Cの塩基ペアが1箇所だけ置き換わっているSNPであり、疾患の罹りやすさ、薬の効きやすさ、副作用の出やすさ等が個人で異なることもSNPに関連すると思われることから、ゲノム創薬においても重要視されている研究テーマの一つとなっております。
(※5)プロテオミクス
ゲノム情報とそれによって作られるタンパク質との関連を生命活動に照らし合わせて包括的に行う研究のこと。具体的には、発見された遺伝子の機能解析、作られるタンパク質の調節機構の解析、タンパク質同士の相互作用の研究、疾患・病態とタンパク質の働きとの関連性等が課題とされております。
(※6)バイオインフォマティクス
バイオ研究において、情報科学と生命科学の融合領域で生命情報科学を指します。ゲノムの塩基配列情報やタンパク質の構造情報等をコンピューター処理して活用する技術。コンピューターを用いた遺伝子及びタンパク質の構造・機能解析に始まり、それらの分子の生体内での作用や発現レベル、相互作用、病態との関わり等の情報を含んだ生体情報解析又はデータベース化するようなシステムの総称であります。
(※7)分子生物学
もともと生物学は、生物の形態・分類・進化・行動や遺伝に法則性を見いだし、そこから生命の本質を探ろうとする学問でした。1950年代にワトソンとクリックにより遺伝物質DNAの分子構造が提唱されたとき、初めて生物学者が、生物を分子のレベルで解明する可能性を認識し、ここに分子生物学が生まれました。現在、分子生物学は医学・薬学・農学・バイオテクノロジーの領域の最も重要な基礎分野として、その成果は、様々な応用技術の基盤となっております。
(※8)分子標的治療薬
ある分子に作用することがわかっている低分子化合物や抗体等を選択することによって作られ、疾患に関係がある細胞だけに働きかける機能を持った新しいタイプの治療薬のこと。従来の治療薬に比べて効果が高くかつ副作用が少ないとされ、近年、がん治療等で注目されております。
(※9)次世代シーケンス解析
数千万、数億のDNA断片の塩基配列を高速に決定することができる基盤技術です。
(※10)低分子化合物
抗がん剤を含め、医薬品には分子量の大きい高分子物質、たとえば抗体のようなタンパク質等の高分子物質と、相対的に分子量の小さい低分子物質があります。概ね分子量が1,000前後のものまでが、一般に低分子とされており、低分子物質は低分子化合物ともよばれております。医薬品となる低分子化合物の大半は、有機合成化学の手法で人工的に作られております。製薬企業では一般に、化合物ライブラリ(あらかじめ合成されて集積されている多数の化合物の集合)の中から一定の効果をもつ化合物を選び出すスクリーニングが行われ、それに続いて、化合物の効果を個々の目的に応じて最適化させるための新規化合物の設計と合成が行われております。
(※11)細胞傷害性T細胞
細胞傷害性T細胞は、抗体とともに私たちの体の免疫反応を担う細胞であります。抗体は、血液や分泌液等の中に通常存在することから体液性免疫とよばれるのに対し、細胞傷害性T細胞は、細胞が作用の中心なので、細胞性免疫ともよばれております。細胞傷害性T細胞のがん細胞に対する機能は、がん抗原を認識し、そのがん抗原が提示されている細胞を殺傷するものであります。
当社グループは、「有効性が高く、より副作用の少ないがん治療薬・治療法を一日も早くがんに苦しむ患者さんに届けること、がんとの闘いに勝つこと」を企業使命として、その実現のため、基礎研究、創薬研究、及び医薬開発、並びにがんプレシジョン医療への取組みを推進しております。
当社グループは、安定経営に留意しながら、がん治療薬・治療法の研究及び開発を着実に推進し、がん治療の分野で社会に貢献したいと考えております。
イ.当社グループの事業方針及び事業状況
当社グループの事業方針につきましては、以下のとおりです。
(ア)基礎研究の継続的な実施
当社グループは2001年から2013年にかけて元東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長(現 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事長、東京大学名誉教授、シカゴ大学名誉教授)中村祐輔教授との共同研究により、ほぼ全てのがんを対象とした網羅的な遺伝子発現解析等を実施し、多くのがん治療薬開発に適した標的分子を同定いたしました。現在、それらの標的に対する創薬研究を積極的に展開し、これら創薬研究の成果を基にした複数の臨床試験を実施中又は準備中の医薬品候補物質を多数有しております。
基礎研究の継続的な実施は当社グループ事業の将来にかかる重要課題の一つとして認識しており、今後も当社独自及び共同研究等による研究体制の充実と円滑な推進のための対応を図っていく方針であります。
(イ)創薬研究の確実な推進
当社グループは基礎研究の成果をもとに、臨床応用を目指して低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等の創薬研究を実施し、ファースト・イン・クラスの創薬を目指します。
(ウ)臨床開発の確実かつ迅速な推進
当社グループは、国内外において、当社グループ独自で複数の臨床試験を行っており、提携先製薬企業とも共同で臨床試験を行っております。当社グループは、非臨床試験データに基づいた適応症の選択を行い、臨床開発を確実かつ迅速に推進させていく方針です。
(エ)新規提携先の開拓及び既存提携先との提携事業の確実な推進
当社グループは、一日も早くがん治療薬を上市することを企業使命とし、今後とも新規提携先を積極的に開拓するとともに、提携先製薬企業との戦略的対話を促進し、提携先が実施する臨床開発の側面支援、後方支援を強化することにより提携事業を確実かつ迅速に進め、一日も早く当社グループの医薬品候補化合物の上市を目指します。
(オ)がんプレシジョン医療関連事業への取組み
がんプレシジョン医療関連事業につきましては、がん細胞の詳細な遺伝子解析サービス(全エクソームシーケンス解析、RNAシーケンス解析、ネオアンチゲン解析等)、血中のがん細胞を早期検出するためのリキッドバイオプシーといったがん遺伝子の大規模解析検査及びTCR/BCRレパトア解析、免疫反応解析等の解析サービスの共同研究や事業化に加えて、新規がん遺伝子パネル検査の開発やネオアンチゲン樹状細胞療法及びTCR遺伝子導入T細胞療法等の新しい個別化がん免疫療法の研究も進めてまいります。
当社グループの事業状況につきましては、以下のとおりです。
(a)「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業
<基礎研究領域>
創薬ターゲットの特定等を行う基礎研究領域においては、ヒト全遺伝子の遺伝子発現パターンを網羅的に検索できるcDNA(※12)マイクロアレイ(※13)のシステムによる大腸がん、胃がん、肝臓がん、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、食道がん、前立腺がん、膵臓がん、乳がん、腎臓がん、膀胱がん及び軟部肉腫等について発現解析が終了しております。これらの発現解析情報からがんで発現が高く正常臓器では発現がほとんどない遺伝子を選択し、さらに機能解析により、がん細胞の生存に必須な多数の遺伝子を分子標的治療薬の標的として同定しております。
<創薬研究領域>
医薬品候補物質の同定及び最適化を行う創薬研究領域においては、医薬品の用途ごとに、より製品に近い研究を積極的に展開しております。
低分子医薬につきましては、複数のがん特異的タンパク質を標的とする創薬研究を進めております。そのうち1種の標的であるリン酸化酵素(キナーゼ)(※14)については、医薬品候補化合物の臨床試験を実施中です(詳細は、下記「<医薬開発領域>(ⅰ)低分子医薬」をご参照ください。)。他のリン酸化酵素については、これまでに得た高活性化合物に基づきリード最適化(※15)を進め、in vivo(※16)で強力な腫瘍増殖抑制効果を示す複数の高活性化合物を同定しております。これらにつき、医薬品候補化合物として臨床開発するための薬効薬理(※17)・薬物動態(※18)・毒性試験を進めております。さらに、別の3種の標的酵素タンパク質に関して、これまでに得た高活性化合物のうちin vivoで有意な腫瘍増殖抑制効果を示す化合物の構造に基づき、薬効向上のためのさらなるリード最適化を実施中です。また、さらに別の2種の標的酵素タンパク質に関して、これまでに得た高活性化合物に基づき、リード化合物(※15)の獲得に向けた新規化合物合成と構造活性相関研究を進めております。
なお、臓器線維症治療標的として有望な可能性があるとされるキナーゼを強力かつ選択的に阻害する活性を持つ化合物を当社化合物ライブラリ内で確認したため、ライセンスアウトを目標に研究を実施しており、2023年8月に、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所と共同研究契約を締結しております。
また、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下、「AMED」といいます。)が実施する「革新的がん医療実用化研究事業」に、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 医薬基盤研究所片桐豊雅所長(徳島大学先端酵素学研究所 教授 兼任)を代表者とする研究開発課題「がん抑制因子活性化を利用した治療耐性難治性乳がんに対する治療薬開発のための製剤化検討」が採択されております。当社は研究開発分担者である徳島大学と「研究題目:抗癌剤開発のための新たな癌関連遺伝子(産物)の単離」の共同研究契約を締結しており、本AMEDプロジェクトの原薬・製剤化検討から治験薬製造に関わる部分について協力し、治験薬製造に続き速やかに臨床試験が実施できるように開発パートナーの模索又はライセンスアウト活動を進め、治療耐性難治性乳がんへの新たな治療薬を提供することを目指します。
がんペプチドワクチンにつきましては、これまでに日本人及び欧米人に多く見られるHLA(※19)-A*24:02及びA*02:01を中心に、大腸がん、胃がん、肺がん、膀胱がん、腎臓がん、膵臓がん、乳がん及び肝臓がん等を標的とした計43遺伝子を対象としたエピトープペプチド(※20)を既に同定しておりますが、それら以外にもA*11:01、A*33:03、A*01:01及びA*03:01等、様々なHLAに対応したより多くのエピトープペプチドを同定しております。
このように、独創的な分子標的治療薬の創製を目指した創薬研究を積極的に展開しております。
これらに加えて、当社は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染制御及び重症化の抑制を目指したペプチドワクチンの研究開発を実施しております。
<医薬開発領域>
医薬開発領域においては、当社グループ独自での開発及び製薬企業との提携による開発を、以下のとおりそれぞれ進めております。
(ⅰ)低分子医薬
がん幹細胞の維持に重要なリン酸化酵素(キナーゼ)であるMELK(Maternal Embryonic Leucine zipper Kinase)を標的としたOTS167については、乳がんに対する第Ⅰ相臨床試験を米国及び日本国内で実施しております。この臨床試験は、トリプルネガティブ乳がん(※21)を含む乳がんの患者さんを対象とし、OTS167のカプセル剤による経口投与における安全性及び推奨投与量の確認を主目的とし、副次的にトリプルネガティブ乳がんに対する臨床上の有効性を確認するものです。なお、米国で実施しておりました急性骨髄性白血病に対する第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験は患者登録が終了し、OTS167の静脈内反復投与における安全性が確認されています。また、オーストラリアで実施しておりました健常成人を対象とした経口投与による消化管吸収性(バイオアベイラビリティ)の確認を主たる目的とする臨床試験において、ヒトでの良好な経口吸収性が確認されています。
OTS167の標的であるMELKは、がん幹細胞に高発現し、その維持に重要な役割をしているリン酸化酵素(キナーゼ)です。OTS167は、そのキナーゼを阻害し、強い細胞増殖抑制効果が期待できる新しい作用機序(ファースト・イン・クラス)の分子標的治療薬であり、既に動物試験において、肺がん、前立腺がん、乳がん及び膵臓がん等に対し、強力な抗腫瘍効果が確認されています。
また、細胞分裂に重要ながん特異的新規標的分子(TOPK)に対する複数の最終化合物を同定しております。動物実験で、顕著な結果が得られたことから、製剤化検討及び非臨床試験を進めております。
(ⅱ)がんペプチドワクチン
がんペプチドワクチンにつきましては、提携先製薬企業との戦略的対話を促進し、提携先が実施する臨床開発の側面支援、後方支援を強化して参りました。
当社が塩野義製薬株式会社にライセンスアウトしているがん特異的ペプチドワクチンS-588410について、食道がん患者さんを対象とした第Ⅲ相臨床試験を塩野義製薬株式会社が実施し、完了いたしました。本試験の主要評価項目である無再発生存期間(RFS)に関して、S-588410群とプラセボ群の比較では、S-588410群におけるRFS延長について統計学的な有意差は認められませんでした。一方で、食道がん発生部位別又はリンパ節転移グレード別の探索的な部分集団解析では、S-588410投与により上部胸部食道がんの患者さん集団で全生存期間(OS)が有意に延長され、またリンパ節転移が多い患者さん集団ではRFSやOSの改善が認められる傾向を確認しております。また、副次評価項目の1つである細胞傷害性Tリンパ球(CTL)誘導に関してはS-588410投与により高い誘導率が確認され、主な副作用は注射部位の皮膚反応であり、重篤な皮膚反応は認められませんでした。本試験で得られた結果についてはさらに詳細な解析を行い、今後のがんペプチドワクチン開発方針の一助にする予定であります。今後の開発計画については、契約締結先である塩野義製薬株式会社と協議を継続して参ります。なお、塩野義製薬株式会社は、S-588410の食道がん第Ⅲ相臨床試験の他、膀胱がんを対象としたS-588410について日欧で第Ⅱ相臨床試験を完了しており、頭頸部がんを対象としたS-488210は欧州で第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を、また、固形がんを対象としたS-588210は英国で第Ⅰ相臨床試験を、それぞれ実施しております。
また、シンガポールのNUH(National University Hospital)及び韓国のYonsei University Health System, Severance Hospitalにて、胃がんを対象としたがんペプチドカクテルワクチンOTSGC-A24と免疫チェックポイント阻害剤(※22)オプジーボの併用第Ⅰ相試験を、医師主導治験として実施しております。
上記以外にも、複数の企業に対してがん治療用ペプチドワクチンに関する開発・製造・販売権を供与しております。
(ⅲ)抗体医薬
がん治療用抗体医薬OTSA101については、日本における滑膜肉腫に対する第Ⅰ相臨床試験を実施しておりましたが、患者登録が終了いたしました。本試験は、難治性又は再発性の滑膜肉腫患者を対象に、放射性同位元素を結合したOTSA101投与における安全性及び体内薬物動態の確認を主たる目的とするもので、第Ⅰ相の主目的である111In標識OTSA101投与後の安全性及び90Y標識OTSA101投与後の安全性・忍容性が確認されました。
また、当社連結子会社であったイムナス・ファーマ株式会社は、抗アミロイドβペプチド抗体のライセンスアウト活動を進め、アルツハイマー型認知症の治療薬を提供することを目指しておりました。なお、2024年2月5日付「連結子会社の合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ」に記載のとおり、当社は、イムナス・ファーマ株式会社を吸収合併(簡易合併・略式合併)することを決議し、イムナス・ファーマ株式会社は、2024年3月28日の効力発生日をもって解散しております。
(b)がんプレシジョン医療関連事業
当社の連結子会社であるCPM社は、日本におけるがんプレシジョン医療を加速するため、がん遺伝子解析及び免疫解析に基づく臨床検査並びに研究受託を医療機関、製薬企業及び研究機関等に対して提供しております。また、CPM社は、当社の事業部門でありオンコアンチゲン(※23)をはじめとした、がん免疫療法の研究開発及びT/B細胞受容体(TCR/BCR)レパトア解析サービス(※24)を行っていた腫瘍免疫解析部の事業を承継しております。具体的な検査及び解析事業は以下のとおりです。
(ⅰ)全ゲノムシーケンス解析
全ゲノムシーケンス解析は、ゲノム全域を対象に遺伝子情報を解析する手法です。従来実施している全エクソームシーケンス解析は、タンパク質を作る情報を持つ遺伝子の部分を集中的に解読するもので、その領域はゲノム全体の約2%に相当します。そのため全エクソームシーケンス解析は高効率、低コストで実施できますが、がん細胞でしばしばみられるゲノムの大規模な入れ替わりや欠如等の変異を検出するのは難しいとされています。これに対し、全ゲノムシーケンス解析はこれらの変異も検出することができるため、より包括的な情報を取得することができます。
CPM社は、厚生労働省による「全ゲノム解析等実行計画」に基づく事業、全ゲノム解析を日常診療へ取り入れることを目的に計画された全ゲノムシーケンス解析の一部について、継続して受注を獲得しております。また、公益財団法人がん研究会有明サテライトラボ内にCPM社の有明サテライトラボを事業所として開設しており、今後も継続的に大規模遺伝子解析業務へ参画してまいります。
(ⅱ)ネオアンチゲン解析並びにネオアンチゲン樹状細胞療法(※25)
ネオアンチゲン解析は、がん細胞に生じた体細胞変異に由来し、免疫細胞の標的となる新生抗原(ネオアンチゲン)を解析する手法です。患者さん自身の腫瘍組織検体を用いて解析を行う方法に加えて、腫瘍組織が入手できない患者さんについては、血液を利用したリキッドバイオプシーの手法を用いてネオアンチゲン解析を行うことが可能になっています。
CPM社は、コスモ・バイオ株式会社と、がん免疫療法のためのペプチド合成に関する委受託契約を締結しております。がん細胞に生じた体細胞変異に由来する新生抗原(ネオアンチゲン)は、正常細胞には発現していません。そのため、非自己の抗原として非常に強い免疫反応を引き起こすと考えられています。ネオアンチゲン由来のペプチドを利用する樹状細胞療法は、ネオアンチゲン樹状細胞療法と呼ばれています。ネオアンチゲン解析により得られた結果に基づき、ペプチド合成をコスモ・バイオ株式会社に委託してがん免疫療法におけるペプチド合成期間の短縮を図るとともに、CPM社が行うがん検体を用いたネオアンチゲン解析サービスに、コスモ・バイオ株式会社が合成したペプチドをCPM社から医療機関及び研究機関に提供するサービスを付加したものを、パッケージ化して提供しています。
(ⅲ)リキッドバイオプシー(パネル解析、デジタルPCR法、cfDNA定量検査)
リキッドバイオプシーは、血液等の体液を用いて疾患の診断や治療法の選択、治療効果の予測等を行う技術です。がん細胞から血液中に流れ出した微量な遺伝子変異を見つけられることから、がんの早期発見や適切な治療薬の選択、再発のモニタリングに有用であると考えられています。従来の組織生検に比べて身体への負担が少なく繰り返し検査を行うことができ、全身の状態をリアルタイムに調べられることが特長です。
CPM社は、研究機関及び医療機関等との共同研究の成果をもとに、薬剤選択や治療後のモニタリング、健康診断等を目的としたパネル解析、デジタルPCR法、cfDNA定量検査を医療機関より受託しております。
また、CPM社は、保険診療下で実施可能な、リキッドバイオプシーによりがん遺伝子を検査する新しいパネル及び検査手法(以下、「新規がん遺伝子パネル検査(※26)」といいます。)の開発に着手しております。本新規がん遺伝子パネル検査は、様々な固形がんに共通するがん遺伝子変異を対象にしており、既存の治療薬の標的となる遺伝子変異を包括的かつ安価に解析することを目指しております。また、がんと関連しない変異であるクローン性造血(※27)を対象に含めることにより、リキッドバイオプシーにおける偽陽性の評価や、クローン性造血のモニタリングに利用することも目的としています。さらに、保険適用を目指し、医療機器製造販売を行う企業との提携について検討を進めてまいります。本新規がん遺伝子パネル検査を開発することによって、繰り返しの検査に利用しやすく、保険診療下でも実施可能なリキッドバイオプシーの普及を目指すとともに、がんの早期発見や適切なタイミングでの治療薬の選択、感度の高い再発モニタリングの実現に貢献できるものと考えております。
(ⅳ)免疫反応解析(ELISPOT解析、MHCテトラマー解析、TCR/BCRレパトア解析)
免疫反応解析はがんや自己免疫疾患、感染症、アレルギー等の様々な疾患において、抗原特異的免疫応答を解析するために幅広く利用されています。
CPM社は、免疫反応解析に係る複数の解析技術を有し、「申請資料の信頼性の基準(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則第43条)」に準拠した試験にも対応しており、企業治験における解析試験の受託も行っております。
(ⅴ)その他臨床検査及び受託解析サービス
CPM社は、上記(ⅰ)~(ⅳ)の他、ヒトゲノムのうちタンパク質を翻訳するエクソン領域(エクソーム)を解析する全エクソームシーケンス解析、細胞中に存在する全てのRNAの配列及び発現量を解析するRNAシーケンス解析、単一細胞レベルでの遺伝子発現プロファイルを取得するシングルセルRNAシーケンス解析並びに微生物ゲノムを解析するメタゲノムシーケンス解析等を提供しております。市場動向や顧客からのご要望を踏まえ、新規技術の導入及びサービスの拡充を進めております。
(※12)mRNA、cDNA、RNA
RNAはリボ核酸、mRNAはRNAのうち、メッセンジャーすなわち「伝令」の役割をするものです。人間の体は約60兆個の細胞によって作られていますが、体の構造や働きは主にタンパク質によって決まっています。そのタンパク質の設計図は遺伝子であり、そして、遺伝子の本体はDNAです。このDNAは細胞の核の中にある染色体に存在していますが、タンパク質は設計図であるDNAから直接作られるのではなく、一旦、DNAからRNAが作られ、そのRNAが翻訳されてタンパク質となります。この一旦作られるRNAを「伝令」、すなわちメッセンジャーRNA(mRNA)といいます。つまり、遺伝子情報の流れはDNA→mRNA→タンパク質というようになっています。cDNAは、mRNAから逆転写酵素を用いた逆転写反応によって合成されたDNAで、イントロンを含まない状態の遺伝子(塩基配列)を知ることができることから、遺伝子のクローニングに広く利用されています。
(※13)マイクロアレイ
小さな基板上に非常に高密度にDNAを配置し、それらを手がかりに大量の遺伝子情報を獲得することを目的として開発されたシステム。
(※14)リン酸化酵素(キナーゼ)
化学反応を触媒するタンパク質は、「酵素」と呼ばれます。酵素のうち、反応の対象となる分子(「基質」)へのリン酸の付加(「リン酸化」)を触媒するものが、「リン酸化酵素(キナーゼ)」(kinase)です。特に、基質がタンパク質であるリン酸化酵素は、タンパク質リン酸化酵素(protein kinase)と呼ばれます。タンパク質の中には、リン酸化されることによってはじめて活性化するものが多くあります。活性化したタンパク質は、細胞レベルでの様々な現象の生起に関与することになります。がん細胞においては、正常細胞では不活発なタンパク質リン酸化酵素が活発化し、それによってリン酸化されて活性化したタンパク質が、異常な細胞増殖の発生に関与する場合があることが知られています。当社が創薬標的としているリン酸化酵素は、そのようなタンパク質リン酸化酵素です。
(※15)リード化合物、リード最適化
創薬研究で多数の化合物を探索する中で、標的タンパク質に対し十分な活性を有し、以降の新規化合物設計の原型(プロトタイプ)となるような化合物が得られたとき、それを「リード化合物」(lead compound)と称します。リード化合物の化学構造を様々に修飾して生体内での効果を高めていき、開発候補化合物を獲得するまでの過程が、「リード最適化」(lead optimization)です。
(※16)in vivo
in vitro(試験管内)と対比的に用いられ、「体の中で」を意味する医学・化学用語です。一般に生体内(主に実験動物)での実験的検証を意味します。
(※17)薬効薬理
薬が、その効果(薬効)を発揮する際に生体に対して及ぼす作用の様相(薬理)が、「薬効薬理」(pharmacology)です。例えば、がん細胞を移植したマウスに薬を投与して抗腫瘍効果の現れ方を調べる試験は、「薬効薬理試験」の一種です。
(※18)薬物動態
薬物は、生体に投与された時、吸収・分配・代謝・排泄の過程を経て、体内での存在状態を経時的に変化させていきます。その変化の様子のことを、「薬物動態」(pharmacokinetics)と呼びます。薬物動態を調べるために、例えば、血中の薬物濃度を経時的に測定する等の試験を行います。薬物動態の理解は、薬を効果的に作用させるのに必要な投与量や投与法、投与スケジュール等を検討するために役立ちます。
(※19)HLA
免疫の活性化に関与する分子(ヒト白血球抗原)です。断片化されたペプチドを挟んだ結合した状態で細胞の表面に出てくることで、ペプチド(抗原)を提示します。このHLAに挟まった結合した状態のペプチドを免疫細胞が認識し、免疫反応が誘導されます。
(※20)エピトープペプチド
細胞の表面に出てくる断片化されたタンパク質(ペプチド)です。細胞表面のペプチドが目印となり、そのペプチドを発現しているがん細胞を免疫細胞が認識し攻撃します。
(※21)トリプルネガティブ乳がん
HER2及びホルモン受容体(エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体)が陰性の乳がん。そのため、HER2に対する分子標的薬(ハーセプチン等)やホルモン療法の対象になりません。
(※22)免疫チェックポイント阻害剤
がん細胞は免疫抑制分子を作り出し、免疫細胞の機能を抑制し、免疫細胞からの攻撃を逃れる仕組みを持っています。免疫チェックポイント阻害剤は、免疫抑制分子に結合し、免疫細胞の機能抑制を解除する抗体です。これによって、免疫細胞ががん細胞を攻撃するようになります。
(※23)オンコアンチゲン
がん細胞において発現の上昇が認められる一方、正常細胞ではほとんど発現が認められず、がん細胞の生存や増殖に必須の機能を持ち、さらに免疫反応を引き起こす抗原性を有するタンパク質です。このタンパク質に由来するペプチドを用いると、がん細胞を傷害する活性化されたT細胞を誘導することができます。
(※24)T/B細胞受容体(TCR/BCR)レパトア解析
リンパ球の一種であるT細胞やB細胞の細胞表面に発現している受容体の塩基配列を網羅的に取得し解析する技術です。これら受容体が他の細胞表面に出ている目印(抗原)を認識することによって、リンパ球の免疫反応を誘導します。T/B細胞受容体(TCR/BCR)レパトア解析によって、生体内での免疫状態変化のモニタリングや、疾患に関連するリンパ球の同定を行うことができます。
(※25)樹状細胞療法
樹状細胞は、ウイルスやがん細胞等が持っている目印(抗原)を提示して、リンパ球に攻撃するように指令を出す働きを持っています。この働きを利用して、患者さんの樹状細胞を血液から取り出し、がんの目印となる抗原(オンコアンチゲンやネオアンチゲン等)を提示させてから体内へ戻すことによって、リンパ球にがんを攻撃させる治療法を樹状細胞療法といいます。
(※26)がん遺伝子パネル検査
がんに関連する数十から数百種類の遺伝子を対象として、次世代シーケンサーを使って遺伝子変異を一度に調べる検査で、この検査に用いる試薬をパネルといいます。
(※27)クローン性造血
造血幹細胞が増殖する過程で遺伝子変異を伴う現象で、一般的に加齢に伴い増加するため、がんの遺伝子変異を検出する目的で行うリキッドバイオプシーにおいては偽陽性として検出されることが課題となっています。また、放射線や化学療法への曝露等他の要因でも増加し、血液がんや心血管病等、様々な疾病の発症リスクを高めることが報告されています。
ウ.本資金調達における資金使途
以上の状況下において、2023年3月期における当社グループの業績は、連結事業収益1,134百万円(前年同期比18百万円の減少)、連結営業損失1,106百万円(前年同期は連結営業損失2,052百万円)、連結経常損失1,133百万円(前年同期は連結経常損失2,071百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失1,118百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失2,571百万円)となりました。
また、2024年3月期第3四半期における当社グループの業績は、連結事業収益466百万円(前年同期比233百万円減少)、連結営業損失972百万円(前年同期の連結営業損失904百万円)、連結経常損失986百万円(前年同期の連結経常損失928百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失987百万円(前年同期の親会社株主に帰属する四半期純損失913百万円)となりました。
上記のとおり、当社グループは、研究開発型企業として、医薬品の臨床試験を実施する開発パイプラインの拡充や拡大、積極的な創薬研究、がんプレシジョン医療への積極的な取組み等により、多額の研究開発費が必要となっております。一方で、特に、医薬品の開発期間は、基礎研究から上市まで通常10年以上の長期間に及ぶものであり、収益に先行して研究開発費が発生していること等により、継続的に営業損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローが発生しており、2024年3月期第3四半期連結累計期間においても当該状況が続いていることから、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当社は創業以来、がんに特化した医薬品の研究開発を進めてまいりましたが、当該状況を解消すべく、当社グループは、以下の対応策を実施してまいります。
(ⅰ)「がんプレシジョン医療関連事業」への経営資源の集約による経営基盤の安定化
(ⅱ)「『医薬品の研究及び開発』並びにこれらに関連する事業」における早期ライセンスアウトの企図及び資金状況にあわせた開発計画の実行
(ⅲ)適時適切な資金調達の実施
具体的には以下のとおりです。
(ⅰ)「がんプレシジョン医療関連事業」への経営資源の集約による経営基盤の安定化について
(ア)当社グループ連結子会社CPM社が実施する「がんプレシジョン医療関連事業」セグメントの受注拡大及び利益率の向上による経営状況の改善及び経営基盤強化
2023年3月期において、「『医薬品の研究及び開発』並びにこれらに関連する事業」セグメントを実施している当社の事業収益は9百万円です。一方、「がんプレシジョン医療関連事業」セグメントを実施しているCPM社の事業収益は、2019年3月期75百万円、2020年3月期210百万円、2021年3月期271百万円、2022年3月期1,154百万円、2023年3月期1,125百万円となっております。既に2022年6月からグループ全体でラボや検査所の移転・配置転換等、経営資源の配分見直しを随時実施しておりますが、がんプレシジョン医療の社会的認知及びコロナ禍終息後の医療ツーリズムの復活等に対応することで、事業収益を増加させるとともに、受注能力を拡大させ利益率を高めることで経営状況の改善及び経営基盤強化を目指します。
同セグメント事業のうち臨床検査事業では、血液検体からの臨床検査項目を新たに追加することにより、がん組織が入手できない場合でも検査が可能となり、より多くの患者さんに臨床検査を利用していただくことを目指しております。2024年3月期第3四半期より、医療ツーリズムに関連する国内外医療機関からの受注等、海外からの受注対応も開始しております。受託解析サービス事業では、大型案件の新規及び継続受注の獲得並びに新規技術導入による受注拡大を継続して目指します。
また、受注能力拡大については、2024年1月に新規解析機器を導入し、稼働を開始しております。この新規解析機器の導入により、解析スピード向上、入札参加条件への適合率を高められる等、競争力強化のメリットが得られると考えております。今後も同セグメント事業への投資は積極的に進めてまいります。
CPM社は、がん細胞の詳細な遺伝子解析及び血液からがん細胞を見つけるリキッドバイオプシー等による医療機関を対象とした臨床検査事業、全ゲノム等の各種シーケンス解析及び免疫反応解析等の研究機関・製薬企業を対象とした受託解析事業に加えて、ネオアンチゲン樹状細胞療法やTCR遺伝子導入T細胞療法等の新しい個別化がん免疫療法の研究開発を引き続き進めてまいります。
(イ)CPM社における新規がん遺伝子パネル検査の優先的開発
前述のとおり、CPM社は、保険診療下で実施可能な、リキッドバイオプシーによりがん遺伝子を検査する新しいパネル及び検査手法(新規がん遺伝子パネル検査)の開発に着手しております。一般的に医療機器開発は医薬品開発と比較すると開発期間が短いことから、医薬品の研究開発事業セグメントのパイプライン進捗を追い越す可能性が高く、より早く結果に結びつくことが期待できます。
また、リキッドバイオプシーは、血液等の体液を用いて疾患の診断や治療法の選択、治療効果の予測等を行う技術です。がん細胞から血液中に流れ出した微量な遺伝子変異を見つけられることから、がんの早期発見や適切な治療薬の選択、再発のモニタリングに有用であると考えられています。従来の組織生検に比べて身体への負担が少なく繰り返し検査を行うことができ、全身の状態をリアルタイムに調べられることが特長です。
本新規がん遺伝子パネル検査は、投薬等とは異なり検体を当社が受領しその解析を行うもので、例えばコロナ禍や災害等、定期的に通院しづらい状況においても、スケジュールの拘束を比較的受けにくく、海外からでも検体が届けば対応可能であることから、有効に機能すると考えております。現在、米国及びアジア諸国(韓国、シンガポール他)との取引実績をもとに各国間の受託連携についても検討しております。
CPM社は、本新規がん遺伝子パネル検査により、さまざまな固形がんを対象に、治療薬の選択及び治療効果や再発のモニタリングに有用となる遺伝子変異を包括的かつ安価に解析することを目指しております。保険診療を目指す開発パイプラインとして当面の間、本新規がん遺伝子パネル検査の開発に特化し、一日も早い上市を目指してまいります。
(ウ)新規検査項目
近年、イヌやネコ等の獣医療分野は、ペットの高齢化や医療の高度化による医療費の増大により、今後も市場拡大が見込まれる一方、ゲノムデータの蓄積が十分でなく、ゲノム医療や創薬研究が十分に展開できていないことが課題となっています。CPM社は今後、これまで蓄積したノウハウを活かし、獣医療分野の研究機関等と連携して臨床検査の有用性について検討し、獣医療分野にも貢献してまいります。
当社グループは「がんプレシジョン医療関連事業」に注力し、黒字化を目指す方針であります。
(ⅱ)「『医薬品の研究及び開発』並びにこれらに関連する事業」における早期ライセンスアウトの企図及び資金状況にあわせた開発計画の実行
(ア)臓器線維症に対する新規化合物に関する研究継続での、早期データ集約によるライセンス活動及び価値向上
現在、当社は、臓器線維症に関する新規化合物の創薬研究を行っております。
新しい作用機序の報告論文によって治療標的として有望な可能性があるとされたリン酸化酵素(キナーゼ)について、当社化合物ライブラリから、複数の化合物が当該論文と同様に臓器線維症の発症機序を阻害することの確認が取れております。臓器線維症はアンメットメディカルニーズの高い疾患であり、市場規模は膨大です。現在モデル動物を用いた薬効評価を進めており、2023年度内に結果が判明する予定としておりましたが、本薬効評価の準備として実施している予備動物試験において、本薬効評価に使用する線維症モデル動物の作製及びその条件確認に当初の予定より時間を要することが判明いたしました。現在、モデル動物作製条件の再確認を実施しており、確認が終わり次第モデル動物を作製し、本薬効評価を進めてまいります。
動物試験で薬効が確認できた場合、非臨床・臨床試験に向け、さらに化合物の選定を行うこととなります。当社は臓器線維症については開発ノウハウを持たないことから、自社での単独開発は検討しておらず、ライセンスアウトを目標としております。
(イ)当社パイプラインOTS167等の外部委託費用削減、新たな費用の抑制及び補助金活用等
がん幹細胞の維持に重要なリン酸化酵素(キナーゼ)であるMELK(Maternal Embryonic Leucine zipper Kinase)を標的としたOTS167については、従来計画していた自社における第Ⅰ相臨床試験の完了ではなく、現在の状態での製薬企業への導出を目指します。なお、現在進行中の臨床試験は外部委託等の費用削減に努め、特に製剤費用を中心とした研究開発費の削減を見込んでおります。
がん治療用抗体医薬OTSA101については、既にリリースしておりますとおり、日本国内における滑膜肉腫に対する第Ⅰ相臨床試験患者登録が終了しております。本試験により、111In標識OTSA101投与後の安全性及び90Y標識OTSA101投与後の安全性・忍容性が確認されており、抗体の製剤費用が高額かつ、放射性同位元素を使用していることで手続きが煩雑であるため、経済合理性を勘案し、当社の独自開発パイプラインとしては終了し、補助金の範囲での開発活動を継続、今後はライセンス活動に注力いたします。
OTSGC-A24については医師主導治験であるため治験進行に影響はありませんが、こちらも第Ⅰ相臨床試験の完了のうえ導出ではなく、現在の状態での製薬企業への導出を目指します。
なお、導出済及びその他のパイプラインについては変更ございません。今後の新たな臨床試験計画については財務状況を踏まえ検討してまいります。
(ⅲ)適時適切な資金調達の実施について
資金調達につきましては、当社グループの資金需要や「がんプレシジョン医療関連事業」の受注状況を踏まえ、適切なタイミングで進めてまいります。
当社は、2023年4月に、第三者割当による新株式、第34回新株予約権及び第35回新株予約権を発行いたしました。当該第三者割当による発行時点における調達予定金額(差引手取概算額)は2,621百万円であり、発行時点における資金使途及び支出予定時期は、①創薬研究領域における研究開発費として682百万円(支出予定時期2023年4月~2026年3月)、②医薬開発領域における研究開発費として517百万円(支出予定時期2023年4月~2026年3月)、③がんプレシジョン医療関連事業における諸経費及び研究開発費として1,422百万円(支出予定時期2023年4月~2026年3月)でありました。2024年3月期末時点までの間に、新株式の発行及び第34回新株予約権の行使により約789百万円を調達しており、そのうち①創薬研究領域における研究開発費として205百万円、②医薬開発領域における研究開発費として156百万円、③がんプレシジョン医療関連事業における諸経費及び研究開発費として428百万円を充当しております。第34回新株予約権の行使は全て完了しておりますが、第35回新株予約権については、その付与総数は150,000個に対して、2024年4月5日現在において行使された個数は0個であります(なお、当社は、本日付の取締役会において、第35回新株予約権の未行使残個数の全てを取得及び消却することを決議しております。詳細は、本日付「第35回新株予約権の取得及び消却並びに第三者割当による第36回新株予約権(行使価額修正条項付)の発行に関するお知らせ」をご参照ください。)。
現在、当社の株価は、第35回新株予約権の下限行使価額である25円を下回る水準で推移しており、当初企図していた第35回新株予約権による資金調達が進まない状況が続いております。一方で、後記のとおり、当社事業におきましては、研究開発費として引き続き資金需要が生じる見込みであり、新たな資金調達を実施する必要性が高いことから、本新株予約権による資金調達を実行することといたしました。本新株予約権による調達資金は、①創薬研究領域における研究開発費、②医薬開発領域における研究開発費、③がんプレシジョン医療関連事業における諸経費及び研究開発費に充当する予定です。
また、今般の第三者割当による新株予約権の発行は、適時適切な資金調達策の1つとして実施するものです。これにより、財務基盤の強化及び資本バッファーの構築による負債調達余力の確保・拡大を図り、将来に向けた多様な資金調達手段の可能性を確保することに繋がるものと考えております。
現在、当社グループは、低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等で創薬研究を展開しており、さらにがんプレシジョン医療への積極的な取組み等により、今後とも、より積極的に事業を拡大していく方針であります。
抗がん剤を取り巻く状況は、高齢化の進行、がん診断による早期発見の増加、分子標的治療薬の登場、及びがんプレシジョン医療の進展等により、市場は拡大しており、当社グループといたしましては、今後においても同様に市場が拡大するものと想定しております。
医薬品業界、特にバイオテクノロジー業界においては、世界的な新薬開発競争とその新薬開発のための様々な研究開発や技術開発が世界的規模で行われており、当社グループの研究活動もこのスピード競争を勝ち抜き、質の高い研究成果を一日も早く臨床開発へ進展させることが当社の優位性を確保する上で重要であると認識しております。また、今後市場が拡大すると予想するがんプレシジョン医療につきましても、質の高いがん遺伝子の大規模解析検査及びがん免疫療法の研究開発をより早く進展させることが重要であると認識しております。
当社グループの最大の強みは、自社で設計した新規の化学構造を有する独自の化合物ライブラリを持つことであり、また、がんのみならず数多くのゲノム創薬に基づく創薬ターゲットを所有していることです。もっとも、それら多数の創薬ターゲットの全てについて、多岐の用途にわたる創薬研究と臨床開発を、当社グループのみの資源と費用で、かつ世界的な競争に打ち勝つスピードで遂行することは、膨大な設備投資と研究開発費を必要とします。したがいまして、当社グループといたしましては、製薬企業等との積極的な提携契約の締結や研究開発の提携等により、製品化の可能性を極大化しつつ、本社及び研究開発拠点の移転や、人員配置の見直しによる業務効率化等にも積極的に取り組んでおり、あらゆるコストの見直し及び削減を継続して強化してまいります。
当社グループは、このような収益構造の改善及び財務基盤の安定化を可及的速やかに実現し、今後も当社グループの事業の根幹を成す各領域に関する研究開発投資を確実に実行していくことが、当社グループにおける市場競争力の強化及び中長期的な収益基盤のさらなる拡大に寄与するものと考えております。
当社各事業における研究開発費及び費用の総額は、2021年3月期16.8億円、2022年3月期27.7億円、2023年3月期18.0億円、2024年3月期第3四半期累計期間11.4億円となっております。
2025年3月期及び2026年3月期の2年間について、当社は、合計約27億円(創薬研究領域において約2.4億円、医薬開発領域において約6.8億円、がんプレシジョン医療関連事業において約17.8億円)の資金需要が発生すると見込んでおります。
以上のとおり、将来の医薬品開発を継続的に実施していくため、速やかに自己資本を拡充し財務基盤を強化するとともに、当社各事業のための研究開発費を先行して確実に確保し企業価値の向上を図ることを目的として、本資金調達を実施することを決定いたしました。
したがいまして、本資金調達における資金使途の具体的な内容につきましては、以下のとおり、①創薬研究領域における研究開発費、②医薬開発領域における研究開発費、③がんプレシジョン医療関連事業における諸経費及び研究開発費に充当する予定です。各資金使途に関する詳細は以下のとおりです。
① 創薬研究領域における研究開発費
創薬研究領域では、基礎研究領域により同定された創薬ターゲットについて、(a)主として創薬研究からの新規開発候補物質の創製と新規化合物のライセンスアウトを目的としたデータ集積及び化合物ライブラリ活用検討のための研究開発、(b)開発パイプラインのための研究開発及び(c)がん特異的タンパク質を標的とする低分子医薬及びがんペプチドワクチンの研究開発に関し、ラボの維持管理費用及び外注費・人件費をはじめとした経費等を含む研究開発費に充当することにより、新規開発候補物質の創製を加速させ、ライセンスアウト品及び化合物ライブラリ活用の一層の拡充を図ってまいります。
当該領域との関係では、2022年10月31日付「新規化合物に関する研究着手のお知らせ」に記載のとおり、臓器線維症の新しい作用機序の報告論文によって治療標的として有望な可能性があるとされるリン酸化酵素(キナーゼ)について、当社化合物ライブラリに本キナーゼを強く阻害する化合物が複数存在することが判明しました。その後、臓器線維症に関する新規化合物の創薬研究を実施し、2023年5月15日付及び2024年3月19日付「新規化合物に関する研究進捗のお知らせ」に記載のとおり、培養細胞を用いた薬効評価において、当社の複数の化合物が当該論文と同様に臓器線維症の発症機序を阻害することの確認が取れております。本化合物については共同研究からのライセンスアウトを目標としており、候補先等との交渉に必要なデータを早急に集積する必要があります。また、薬効・薬理試験まで自社でデータ集積を行う可能性もあります。
当該開示を筆頭に各種論文及び研究成果発表をしておりますとおり、創薬研究領域においては成果の集積があり、ライセンスアウトをして医薬開発領域に進むための研究データ等の充足は将来の企業価値の向上に向けて必須であり、先行投資を行うことが必要不可欠であると考えております。
したがいまして、このように今後想定される研究開発投資に備えて十分な自己資金を確保するとともに、当社グループの財務基盤の強化を図るため、本新株予約権による調達資金のうち240百万円を創薬研究領域における研究開発費240百万円に充当する予定です。本新株予約権による調達資金の支出予定時期は、2024年4月~2026年3月を予定しております。
当該資金使途につき資金が不足する分に関しては、原則として手元資金等により充当する予定であり、状況に応じて資本市場からの新たな調達等を含めた多様な資金調達方法を検討いたします。
なお、研究開発の対象の詳細については、上記「イ.当社グループの事業方針及び事業状況」をご参照ください。
② 医薬開発領域における研究開発費
医薬開発領域では、創薬研究の結果得られた医薬品候補物質のうちOTS167及びOTSA101等の開発パイプラインの医薬開発に係る臨床試験実施又は臨床試験準備のための外注費や人件費をはじめとした経費等を含む研究開発費に充当し、上市を目指して、当社グループ独自で、又は提携先と共同で臨床開発を実施してまいります。
OTS167及びOTSA101は新型コロナ禍においても患者さんのエントリーを着実に進め、日本並びに米国での第Ⅰ相臨床試験が本日現在も予定通り進行しております。
がん領域においては第Ⅰ相臨床試験終了後のライセンスアウトが一般的であり、実施中の第Ⅰ相臨床試験の正常な終了及びライセンスアウトのために、製剤の準備と必要なデータ集積及び解析が必要です。なお、第Ⅰ相臨床試験の終了後のライセンスアウトを目標としておりますが、次相臨床試験について当社が実施する可能性もあります。治験実施には製剤や施設費用並びに外注費等、治験の維持管理のための費用等は継続的に必要であります。
したがいまして、このように今後想定される研究開発投資に備えて十分な自己資金を確保するとともに、当社グループの財務基盤の強化を図るため、本新株予約権による調達資金のうち161百万円を医薬開発領域における研究開発費680百万円の一部に充当する予定です。但し、当該研究開発費は、現在実施している臨床試験に関する費用のみを対象としており、ライセンスアウトを目標としている次相臨床試験(P2)以降の研究開発費は含んでおりません。本新株予約権による調達資金の支出予定時期は、2024年4月~2026年3月を予定しております。
当該資金使途につき資金が不足する分に関しては、原則として手元資金等により充当する予定であり、状況に応じて資本市場からの新たな調達等を含めた多様な資金調達方法を検討いたします。
なお、研究開発の対象となる医薬品候補物質の詳細については、上記「イ.当社グループの事業方針及び事業状況」をご参照ください。
③ がんプレシジョン医療関連事業における諸経費及び研究開発費
がんプレシジョン医療関連事業については、当社から当社子会社であるCPM社への投融資を通じて、がん細胞の詳細な遺伝子解析サービス(全エクソームシーケンス解析、RNAシーケンス解析、ネオアンチゲン解析等)、血中のがん細胞を早期検出するためのリキッドバイオプシーといったがん遺伝子の大規模解析検査等の共同研究及び外部から受託する検査事業に係る、衛生検査所としてのラボ運営・維持費用、消耗品等の購入費用、人件費(2024年3月期27名)等の経費、並びに、TCR/BCRレパトア解析、免疫反応解析等の解析サービスの共同研究や事業化に加えて、ネオアンチゲン樹状細胞療法及びTCR遺伝子導入T細胞療法等の新しい個別化がん免疫療法の研究開発、新規がん遺伝子パネル検査手法の開発等に係る、ラボ運営・維持費用や人件費等の経費を含む研究開発費に充当し、日本における「がんプレシジョン医療」をより普及・加速させ、がんプレシジョン医療関連事業の拡大によりCPM社の収益向上・拡大を図ってまいります。
2023年3月13日付「当社連結子会社における新規がん遺伝子パネル検査の開発着手のお知らせ」に記載のとおり、がんのみならず市場ニーズに対応した検査項目の拡充は随時行っており、企業価値向上のための収益及び財務基盤の安定化のため、先行投資を行うことが必要不可欠であると考えております。
したがいまして、このように今後想定される研究開発投資に備えて十分な自己資金を確保するとともに、当社グループの財務基盤の強化を図るため、本新株予約権による調達資金のうち612百万円をがんプレシジョン医療関連事業における研究開発費及び諸経費1,780百万円の一部に充当する予定です。本新株予約権による調達資金の支出予定時期は、2024年4月~2026年3月を予定しております。
当該資金使途につき資金が不足する分に関しては、原則として手元資金等により充当する予定であり、状況に応じて資本市場からの新たな調達等を含めた多様な資金調達方法を検討いたします。
なお、がんプレシジョン医療関連事業の詳細については、上記「イ.当社グループの事業方針及び事業状況」をご参照ください。
以上のとおり、当社グループの事業の根幹を成す創薬研究領域・医薬開発領域・がんプレシジョン医療関連事業における研究開発投資を確実に実行し、さらなる企業価値向上を図るため、今後想定される資金需要に備えて十分な自己資金を確保するとともに、本新株予約権の行使に伴う純資産の増加により当社グループの財務基盤を強化することを目的として、本新株予約権の発行を決定いたしました。
(2)資金調達方法の概要
本資金調達は、当社が割当予定先に対し、対象株式数を54,000,000株、行使期間を3年間とする、行使価額修正条項付新株予約権である本新株予約権を割り当て、割当予定先による本新株予約権の行使に伴って当社が資金を調達する仕組みとなっております。
なお、本新株予約権の行使期間は、2024年4月23日から2027年4月22日までの3年間です。
本新株予約権の概要は以下のとおりです。
本新株予約権の当初行使価額は、19円であり、2024年4月23日以降、修正日の属する週の前週の最終取引日の東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の終値(同日に終値がない場合にはその直前の終値)の90%に相当する金額の小数第1位未満の端数を切り上げた金額(以下、「修正基準日価額」といいます。)が、当該修正基準日の直前に有効な行使価額を0.1円以上上回る場合又は下回る場合には、行使価額は、当該修正日以降、当該修正基準日価額に修正されます。この場合の下限行使価額は9.5円となります。
本新株予約権の行使により調達した資金については、前記「(1)募集の目的及び理由 ウ.本資金調達における資金使途」において述べましたとおり、①創薬研究領域における研究開発費、②医薬開発領域における研究開発費、③がんプレシジョン医療関連事業における諸経費及び研究開発費に充当する計画であり、支出予定時期は2024年4月から2026年3月までを想定しております。
上記研究開発資金は、今後当社グループの収益改善及び事業展開を図るために必要不可欠な資金であり、足元での資金需要が生じていることから、本新株予約権については、権利行使が比較的進みやすい行使価額修正型のスキームを採用することといたしました。これにより、当社グループにおいて必要不可欠な足元での資金需要に迅速に対応することができ、今後の成長戦略のための研究開発資金を確保することが可能となります。
したがいまして、本資金調達は、当社グループのさらなる収益力向上、事業拡大及び財務基盤の強化を目的として、足元での資金需要に対応するための機動的な調達を実現できるものであることから、当社グループの既存株主の皆様の持分の希薄化を考慮しましても、中長期的に株主価値の向上に寄与するものと判断し、本資金調達を行うことを決定いたしました。
(3)資金調達方法の選択理由
当社は、資金調達に際し、間接金融の融資姿勢及び財務状況、今後の事業展開等を勘案し、既存株主の利益に対する影響を抑えつつ自己資本を拡充させることを軸として、直接金融で調達できる方法を検討してまいりました。このため、下記「[他の資金調達方法との比較]」に記載の各項目及び他の手段との比較を行い、また、下記「[本資金調達スキームの特徴]」に記載のメリット及びデメリットを総合的に勘案した結果、割当予定先からの提案である第三者割当による本新株予約権による資金調達が、既存株主の利益に配慮しながら当社の将来の資金ニーズに対応しうる、現時点において最適な選択であると判断し、これを採用いたしました。
本資金調達スキームは、以下の特徴を有しております。
[本資金調達スキームの特徴]
<メリット>
① 対象株式数の固定
本新株予約権の対象株式数は、発行当初から発行要項に示される54,000,000株で固定されており、将来的な市場株価の変動によって潜在株式数が変動することはありません。そのため、希薄化の規模は予め限定されております。なお、本新株予約権の対象株式数は、株式分割等の一定の事由が生じた場合には、本新株予約権の発行要項に従って調整されることがあります。
② 株価への影響の軽減及び資金調達額の減少のリスクの軽減
本新株予約権には下限行使価額が設定されており、修正後行使価額が下限行使価額を下回る価額に修正されることはありません。したがいまして、当社株価が下限行使価額を下回る局面において、当社普通株式が市場へ過剰に供給され、さらなる株価低迷を招き得る事態が回避されるとともに、資金調達額の減少リスクを防止する設計となっております。
③ 株価上昇時における資金調達額の増加
本新株予約権には行使価額修正条項が付されており、株価に連動して行使価額が修正されるため、株価が上昇した局面においては資金調達額が増額されます。
④ 株価上昇時における行使促進効果
本新株予約権には行使価額修正条項が付されており、株価に連動して行使価額が修正されるため、株価が大きく上昇した局面においては、割当予定先が早期にキャピタル・ゲインを実現すべく速やかに行使を行う可能性があり、これにより迅速な資金調達が実現されます。
⑤ 取得条項
当社は、本新株予約権の取得が必要と当社取締役会が決議した場合は、本新株予約権の払込期日の翌日以降、会社法第273条及び第274条の規定に従って通知又は公告を行った上で、当社取締役会で定める取得日に、発行価額と同額で、本新株予約権者の保有する本新株予約権の全部又は一部を取得することができます。これにより、将来的に当社の資金ニーズが後退した場合や資本政策方針が変更になった場合等、本新株予約権を取得することにより、希薄化の防止や資本政策の柔軟性が確保できます。
⑥ 行使停止期間
当社は、本新株予約権の行使期間中、随時、合計4回まで、割当予定先に対して本新株予約権の行使の停止を要請する期間(以下、「行使停止期間」といいます。)を定めることができます。当社は、割当予定先に対し、当該期間の初日の5取引日前の日までに行使停止期間を書面で通知することにより、行使停止期間を設定することができます(以下、かかる通知を「行使停止要請通知」といいます。)。1回の行使停止期間は10連続取引日以下とし、各行使停止期間の間は少なくとも10取引日空けるものとします。また、当社は、割当予定先に対して別途通知することにより、設定した行使停止期間を短縮することができます。但し、本新株予約権の取得事由が生じた場合には、それ以後取得日までの間は行使停止期間を設定することができず、かつ、かかる通知又は公告の時点で設定されていた行使停止期間は、当該通知又は公告がなされた時点で直ちに終了します。行使停止期間において本新株予約権の行使停止の対象となる新株予約権は、行使停止期間開始日に残存する本新株予約権の全部とします。このように当社が行使停止期間を設定することにより、本新株予約権の行使の数量及び時期を当社が一定程度コントロールすることができるため、資金需要や市場環境等を勘案しつつ、当社の裁量で株価への影響を抑えることが可能となります。また、当社は、割当予定先に対して書面で通知することにより、行使停止要請通知を撤回することができます。当社が割当予定先に対して行使停止要請通知を行った場合又は行使停止要請通知を撤回する通知を行った場合には、適時適切に開示いたします。
⑦ 譲渡制限
本新株予約権は、割当予定先に対する第三者割当の方法により発行されるものであり、かつ本新株予約権引受契約において譲渡制限が付されており、当社の事前の承認なく、割当予定先から第三者へは譲渡されません。
⑧ 行使コミット
割当予定先は、2024年4月23日以降、252計算対象日(以下に定義します。)の期間(以下、「行使コミット期間」といいます。)内に、保有する本新株予約権の全てを行使するものとし、そのうちLCAOが保有する本新株予約権108,000個及びMAP246が保有する本新株予約権27,000個については2024年4月23日以降、63計算対象日の期間内に行使するものとします。これにより、原則として本新株予約権は一定の期間内に一定数又は全て行使されることとなり、当社は比較的短期間で資金調達を実現することが可能となります。なお、各新株予約権の行使は制限超過行使に反しない限度で行われるものとし、行使コミット期間の終了日より前に当社による本新株予約権の全部又は一部の取得日が到来した場合又は行使コミット期間中に以下の(ⅰ)に該当する取引日が合計で5取引日以上となった場合には、割当予定先は本新株予約権の行使を行う義務を免除されます(但し、割当予定先は、当該条項に定める本新株予約権の行使を行う義務を免除された後も、制限超過行使に反しない限度で、自らの判断により残存する本新株予約権を行使することができます。)。
「計算対象日」とは、以下のいずれかに該当する日を除く取引日をいいます。
(ⅰ)東京証券取引所における当社普通株式の終値が本新株予約権の下限行使価額を下回っている場合
(ⅱ)当該取引日における当社普通株式の株価が一度でも当該取引日の属する週の前週の最終取引日の当社普通株式の終値の90%以下となった場合
(ⅲ)当該取引日において本新株予約権の行使を行うことにより、適用法令又は裁判所、行政官庁、株式会社証券保管振替機構、若しくは自主規制機関の規則、決定、要請等に違反する可能性が高いと割当予定先が合理的に判断した場合
(ⅳ)災害、戦争、テロ、暴動等の発生又は売買停止措置等の実施により、当該取引日における本新株予約権の行使又は本新株予約権の行使によって取得することとなる当社普通株式の売却が実務上不可能になった場合又はそのおそれがある場合
(ⅴ)上記⑥に基づき当社が定めた行使停止期間に含まれる場合(但し、当該行使停止期間に係る行使停止要請通知が撤回された場合、行使停止要請撤回通知に記載された失効日以降の日を除きます。)
<デメリット>
① 本新株予約権の行使により希薄化が生じる可能性
本新株予約権の対象株式数は発行当初から発行要項に示される54,000,000株で一定であり、最大増加株式数は固定されているものの、本新株予約権の行使がなされた場合には、発行済株式総数が増加するため希薄化が生じます。
② 当初に満額の資金調達はできないこと
新株予約権の特徴として、新株予約権者による権利行使があって初めて、行使価額に対象株式数を乗じた金額の資金調達がなされます。そのため、本新株予約権の発行時に満額の資金調達が行われるわけではなく、当初に満額が調達される資金調達方法と比べると実際に資金を調達するまでに時間が掛かる可能性があります。
③ 株価低迷時に本新株予約権が行使されず資金調達が当初想定額を大きく下回る可能性
株価が下限行使価額を下回る場合には、本新株予約権の行使はされず、資金調達額が当初想定額を大きく下回る可能性があります。
④ 割当予定先が当社株式を市場売却することにより当社株価が下落する可能性
割当予定先の当社株式に対する保有方針は短期保有目的であることから、割当予定先は本新株予約権を行使して取得した株式を売却することを前提としており、割当予定先による当社株式の市場売却により当社株価が下落する可能性があります。
⑤ 不特定多数の新投資家へのアクセスの限界
第三者割当方式という当社と割当予定先のみの契約であるため、不特定多数の新投資家から資金調達を募るという点において限界があります。
⑥ 割当予定先の取得請求権
当社は、本新株予約権の行使期間の末日において本新株予約権が残存する場合には、本新株予約権1個当たりその払込金額と同額で、残存する全ての本新株予約権を割当予定先から買い取ります。なお、本新株予約権の行使期間が満了した場合でも、当該取得請求権に基づく当社の支払義務は消滅又は免除されません。したがいまして、当社株価が長期にわたり大幅に下落した場合等において、行使期間末日までに本新株予約権の行使が完了しなかったときには、本新株予約権の行使による資金調達が行われないことにより、資金調達額が当社の想定額を下回る可能性があり、また、本新株予約権の払込金額と同額の金銭の支払が必要になることにより、本新株予約権による最終的な資金調達額が減少する場合があります。
⑦ 権利不行使
本新株予約権について、割当予定先が本新株予約権の行使を行わない可能性があり、権利が行使されない場合、資金調達額は、当社が想定した額を下回る可能性があります。
⑧ 優先交渉権
当社は、払込期日から、1)本新株予約権の行使期間の満了日、2)当該満了日以前に本新株予約権の全部の行使が完了した場合には、当該行使が完了した日、3)当社が割当予定先の保有する本新株予約権の全部を取得した日のいずれか先に到来する日までの間、割当予定先以外の第三者に対して、株式等を発行又は処分しようとする場合(本新株予約権引受契約の締結日において既に発行されている新株予約権の行使に基づき当社の普通株式を新たに発行し若しくは当社の保有する当社の普通株式を処分する場合、株式分割又は株式無償割当に伴う場合、当社又はその関係会社の役職員等に対してインセンティブ目的で発行される場合、及び資本提携又はM&A目的による場合を除きます。)、当該第三者との間で当該株式等の発行又は処分に合意する前に、割当予定先に対して、当該株式等の内容及び発行又は処分の条件を通知した上で、当該株式等の全部又は一部について当該条件にて引き受ける意向の有無を確認する旨が本新株予約権引受契約において定められる予定です。割当予定先がかかる引受を希望する場合には、当社は、当該第三者の代わりに又は当該第三者に加えて、割当予定先に対して当該株式等を当該条件にて発行又は処分するものとします。
[他の資金調達方法との比較]
当社が本資金調達を選択するに際して検討した他の資金調達方法は以下のとおりです。
1)公募増資
株式の公募増資は、資金調達が当初から実現するものの、同時に1株当たり利益の希薄化を一度に引き起こすため、株価に対する直接的な影響がより大きいと考え、今回の資金調達方法としては適切でないと判断しました。
2)株主割当増資
株主割当増資では、既存株主持分の希薄化は払拭されますが、調達額が割当先である既存株主参加率に左右されることから、当社の資金需要の額に応じた資金調達が困難であるため、今回の資金調達方法としては適切でないと判断いたしました。
3)第三者割当による新株発行
新株発行の場合は、発行と同時に資金を調達することができますが、一方、発行と同時に株式の希薄化が一度に起こってしまうため、既存株主様の株式価値へ悪影響を及ぼす懸念があります。また、第三者割当による新株発行により今般の資金調達と同規模の資金を調達しようとした場合、割当先が相当程度の議決権を保有する大株主となり、当社のコーポレート・ガバナンス及び株主構成に重要な影響を及ぼす可能性があることを踏まえ、現時点では適当な割当先が存在しないと判断いたしました。
4)第三者割当による新株予約権付社債の発行
新株予約権付社債の場合は、発行と同時に資金を調達でき、また株式の希薄化は一気に進行しないというメリットがあります。しかしながら、社債の株式への転換が進まなかった場合、満期時に社債を償還する資金手当てが別途必要になります。資金手当てができなかった場合デフォルトを起こし、経営に甚大な影響を与えるリスクがあります。また、新株予約権付社債の設計によっては、転換又は償還が行われるまで利息負担が生じることにもなります。
5)行使価額が修正される転換社債型新株予約権付社債(MSCB)の発行
株価に連動して行使価額が修正される転換社債型新株予約権付社債(いわゆるMSCB)の発行条件及び行使条件は多様化していますが、一般的には、転換により交付される株式数が転換価額に応じて決定されるという構造上、転換の完了までに転換により交付される株式総数が確定しないため、株価に対する直接的な影響が大きく、今回の資金調達方法としては適切でないと判断いたしました。
6)新株予約権無償割当による増資(ライツ・オファリング)
いわゆるライツ・オファリングには、金融商品取引業者と元引受契約を締結するコミットメント型ライツ・オファリングと、そのような契約を締結せず、新株予約権の行使が株主の決定に委ねられるノンコミットメント型ライツ・オファリングがありますが、コミットメント型ライツ・オファリングについては、引受手数料等のコストが増大することが予想され、今回の資金調達方法として適当ではないと判断いたしました。また、ノンコミットメント型ライツ・オファリングについては、当社は、最近2年間において経常赤字を計上しており、東京証券取引所の定める有価証券上場規程第304条第1項第3号aに規定される上場基準を満たさないことから、今回実施することができません。
7)第三者割当による固定行使価額新株予約権の発行
固定行使価額新株予約権は、行使価額が一定であるため、株価が行使価額を下回って推移する場合には新株予約権の行使が進まず、資金調達そのものが困難となる可能性があります。また、このような固定行使価額新株予約権は、行使価額が一定であるため、株価が行使価額を上回って推移する場合であっても、一定の額以上の資金調達を見込むことはできません。したがいまして、固定行使価額新株予約権は、当社の資金需要に十分に対応できないおそれがあることから、今回の資金調達手法としては適切でないと判断いたしました。
8)金融機関からの借入や社債による調達
低金利環境が継続する現在の状況下においては、比較的低コストで負債調達が可能であり、金融機関からの借入や社債による資金調達は、運転資金や設備投資等の比較的リスクの低い資金の調達として適しているというメリットがあります。もっとも、金融機関からの借入や社債による資金調達では、利払負担や返済負担が生じるとともに、調達額全額が負債となるため当社の財務健全性が低下し、今後の借入余地が縮小する可能性があります。また、そもそも当社の現状の財務状況に鑑みると、現時点において金融機関からの新たな借入や社債による資金調達を行うことは事実上困難であると考えられます。したがいまして、将来の財務リスクの軽減のため、可及的速やかに資本バッファーを構築した上で有利子負債の調達余力を確保することが必要かつ適切であると思料されることから、今回の資金調達手法として間接金融での資金調達は適切でないと判断いたしました。
これらに対し、新株予約権の発行は、一般的に段階的に権利行使がなされるため、希薄化も緩やかに進むことが想定され、既存株主の株式価値への悪影響を緩和する効果が期待できます。また、本新株予約権は、本新株予約権の払込期日の翌日以降、会社法第273条及び第274条の規定に従って通知又は公告を行った上で、当社取締役会で定める取得日に、発行価額と同額で、本新株予約権者の保有する本新株予約権の全部又は一部を取得することができることとなっており、希薄化の防止や資本政策の柔軟性を確保した設計としております。
以上の検討の結果、本新株予約権の発行による資金調達は、上記の他の資金調達方法よりも現実的な選択肢であり、既存株主の利益にもかなうものと判断いたしました。
2.企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第9項に規定する場合に該当する場合にあっては同項に規定するデリバティブ取引その他の取引として予定する取引の内容
該当事項はありません。
3.当該行使価額修正条項付新株予約権付社債券等に表示された権利の行使に関する事項について割当予定先との間で締結する予定の取り決めの内容
当社が割当予定先との間で、金融商品取引法に基づく届出の効力発生後に締結する本新株予約権引受契約には、上記「(注)1.本新株予約権の発行により資金調達をしようとする理由 (2)資金調達方法の概要及び(3)資金調達方法の選択理由」に記載した内容が含まれます。また、当社と割当予定先は、本新株予約権について、東京証券取引所の定める有価証券上場規程第434条第1項及び同施行規則第436条第1項から第5項までの定め、並びに日本証券業協会の定める「第三者割当増資等の取扱いに関する規則」第13条の定めに基づき、原則として、単一暦月中に割当予定先が本新株予約権の行使により取得される株式数が、本新株予約権の払込日時点における上場株式数の10%を超える部分に係る行使を制限するよう措置を講じる予定です。また、本新株予約権引受契約において、割当予定先は、所定の適用除外の場合を除き、制限超過行使に該当する本新株予約権の行使を行わないことに同意し、本新株予約権の行使にあたっては、あらかじめ当社に対し、本新株予約権の行使が制限超過行使に該当しないかについて確認を行うことが定められる予定です。さらに、本新株予約権引受契約において、割当予定先は、本新株予約権を譲渡する場合、あらかじめ譲渡先となる者に対して、当社との間で制限超過行使に係る義務を負うことを約束させ、また譲渡先となる者がさらに第三者に譲渡する場合にも当社に対して同様の義務を承継すべき旨を約束させることが定められる予定です。
4.当社の株券の売買について割当予定先との間で締結する予定の取決めの内容
該当事項はありません。
5.当社の株券の貸借に関する事項について割当予定先と当社の特別利害関係者等との間で締結される予定の取決めの内容
本新株予約権の発行に伴い、大株主である中鶴修一氏は、その保有する当社普通株式の一部について各割当予定先への貸株を行う予定です(LCAO(詳細は後記)との貸株契約について、契約期間:2024年4月5日~2027年4月22日、貸借株数:1,600,000株、貸借料:無償、担保:無し。MAP246(詳細は後記)との貸株契約について、契約期間:2024年4月5日~2027年4月22日、貸借株数:400,000株、貸借料:無償、担保:無し。)。なお、第34回新株予約権及び第35回新株予約権の発行の際に締結した中鶴氏との貸株契約は終了しております。また、本新株予約権の発行に伴う上記各割当予定先への貸株に関しては、中鶴氏と各割当予定先の協議により、上記に加え、追加の貸株を行う可能性があります。各割当予定先は、各割当予定先が本新株予約権の行使の結果取得することとなる当社普通株式の数量の範囲内で行う売付け以外を目的として、当社普通株式の借株及び空売りは行いません。
6.その他投資者の保護を図るために必要な事項
該当事項はありません。
7.本新株予約権の行使請求及び払込の方法
(1)本新株予約権を行使する場合、上記「新株予約権の行使期間」欄記載の本新株予約権を行使することができる期間中に上記「新株予約権の行使請求の受付場所、取次場所及び払込取扱場所」欄記載の行使請求受付場所に対して、行使請求に必要な事項を通知しなければなりません。
(2)本新株予約権を行使請求しようとする場合、前号の行使請求に必要な事項を通知し、かつ、本新株予約権の行使に際して出資の目的とされる金銭の全額を、現金にて上記「新株予約権の行使請求の受付場所、取次場所及び払込取扱場所」欄に定める払込取扱場所の当社が指定する口座に振り込むものとします。
(3)本新株予約権の行使請求の効力は、(1)行使請求に必要な事項の全ての通知が上記「新株予約権の行使請求の受付場所、取次場所及び払込取扱場所」欄第1項「新株予約権の行使請求の受付場所」に到達し、かつ(2)当該本新株予約権の行使に際して出資の目的とされる金銭の全額が上記「新株予約権の行使請求の受付場所、取次場所及び払込取扱場所」欄第3項「新株予約権の行使請求の払込取扱場所」の当社の指定する口座に入金された場合において、当該行使請求書にかかる新株予約権行使請求取次日に発生します。
(4)本(注)7.に従い行使請求を行った者は、その後これを撤回することはできません。
8.本新株予約権の発行及び株式の交付方法
(1)当社は、本新株予約権に関して、新株予約権証券を発行しません。
(2)当社は、本新株予約権の行使請求の効力発生後、当該本新株予約権者が指定する振替機関又は口座管理機関における振替口座簿の保有欄に振替株式の増加の記録を行うことによって株式を交付します。
9.社債、株式等の振替に関する法律の適用等
本新株予約権は、社債、株式等の振替に関する法律に定める振替新株予約権とし、その全部について同法の規定の適用を受けます。また、本新株予約権の取扱いについては、株式会社証券保管振替機構の定める株式等の振替に関する業務規程、同施行規則その他の規則に従います。
該当事項はありません。
払込金額の総額(円) |
発行諸費用の概算額(円) |
差引手取概算額(円) |
1,029,780,000 |
16,244,200 |
1,013,535,800 |
(注)1.払込金額の総額及び差引手取概算額は、全ての本新株予約権が当初の行使価額で行使されたと仮定して算出された金額であり、行使価額が修正又は調整された場合には、増加又は減少する可能性があります。また、本新株予約権の行使期間内に行使が行われない場合及び当社が本新株予約権を取得し、又は買い取って消却した場合には、払込金額の総額及び差引手取概算額は減少する可能性があります。
2.上記払込金額の総額は、本新株予約権の発行価額の総額3,780,000円に本新株予約権の行使に際して払い込むべき金額1,026,000,000円を合算した金額であります。
3.発行諸費用の概算額には、消費税等は含まれておりません。
4.発行諸費用の概算額の内訳は、主に弁護士費用、本新株予約権の公正価値算定費用、ストームハーバー証券株式会社(以下、「ストームハーバー証券」といいます。)への財務アドバイザリーフィー、登録免許税、割当予定先の調査費用その他事務費用(有価証券届出書作成費用等)等の合計です。
具体的な使途及び支出予定時期につきましては、以下のとおりです。
具体的な使途 |
開発パイプライン |
金額(百万円) |
支出予定時期 |
① 創薬研究領域における研究開発費 |
‐ |
240 |
2024年4月から2026年3月 |
② 医薬開発領域における研究開発費
|
低分子医薬 OTS167 抗体医薬 OTSA101 他 |
161 |
2024年4月から2026年3月 |
③ がんプレシジョン医療関連事業における諸経費及び研究開発費 |
‐ |
612 |
2024年4月から2026年3月 |
合計 |
|
1,013 |
|
(注)1.上記の金額は本新株予約権が全て当初行使価額で行使された場合の調達金額を基礎とした金額です。そのため、行使価額が修正又は調整された場合には、増加又は減少する可能性があります。また、本新株予約権の行使期間中に行使が行われない場合及び当社が取得した本新株予約権を消却した場合には、減少する可能性があります。
2.当社は本新株予約権の払込みにより調達した資金を上記の資金使途に充当するまでの間、当該資金は銀行預金等にて安定的な資金管理を図る予定であります。
3.本新株予約権により調達した資金は、上記の具体的な使途①乃至③に、研究開発の進捗状況及び本新株予約権の行使状況等に応じて、支出時期の早いものから順に充当いたします。
4.調達金額が権利行使の未行使等により当初の想定額より下回る場合には、上記の具体的使途①乃至③に、支出時期の早いものから順に充当し、残りは手元資金等で賄う予定です。
5.調達金額が上記支出予定金額を超過した場合には、2026年4月以降の上記①乃至③の研究開発の進捗状況を総合的に判断した上で、各資金使途に充当する予定です。
6.上記表中に記載の開発パイプラインには、当社グループが既に公表している医薬品候補物質のうち、今回の調達資金により研究開発を行う予定である医薬品候補物質の一部を記載しております。今後の研究開発の進捗状況により、上記表中に記載していない医薬品候補物質の研究開発に充当する可能性があります。
上記「1 新規発行新株予約権証券(第36回新株予約権)(2)新株予約権の内容等 (注)1.本新株予約権の発行により資金調達をしようとする理由 (1)募集の目的及び理由 ウ.本資金調達における資金使途」に記載のとおり、当社グループといたしましては、収益構造の改善及び財務基盤の安定化を可及的速やかに実現し、今後も当社グループの事業の根幹を成す各領域に関する研究開発投資を確実に実行していくことが、当社グループにおける市場競争力の強化及び中長期的な収益基盤のさらなる拡大に寄与するものと考えております。
したがいまして、本資金調達における資金使途の具体的な内容につきましては、以下のとおり、①創薬研究領域における研究開発費、②医薬開発領域における研究開発費、③がんプレシジョン医療関連事業における諸経費及び研究開発費に充当する予定です。
① 創薬研究領域における研究開発費 240百万円
創薬研究領域では、基礎研究領域により同定された創薬ターゲットについて、(a)主として創薬研究からの新規開発候補物質の創製と新規化合物のライセンスアウトを目的としたデータ集積及び化合物ライブラリ活用検討のための研究開発、(b)開発パイプラインのための研究開発及び(c)がん特異的タンパク質を標的とする低分子医薬及びがんペプチドワクチンの研究開発に関し、ラボの維持管理費用及び外注費・人件費をはじめとした経費等を含む研究開発費に充当することにより、新規開発候補物質の創製を加速させ、ライセンスアウト品及び化合物ライブラリ活用の一層の拡充を図ってまいります。
当該領域との関係では、2022年10月31日付「新規化合物に関する研究着手のお知らせ」に記載のとおり、臓器線維症の新しい作用機序の報告論文によって治療標的として有望な可能性があるとされるリン酸化酵素(キナーゼ)について、当社化合物ライブラリに本キナーゼを強く阻害する化合物が複数存在することが判明しております。その後、2023年5月15日付及び2024年3月19日付「新規化合物に関する研究進捗のお知らせ」に記載のとおり、培養細胞を用いた薬効評価において、当社の複数の化合物が当該論文と同様に臓器線維症の発症機序を阻害することの確認が取れております。本化合物については共同研究からのライセンスアウトを目標としており、候補先等との交渉に必要なデータを早急に集積する必要があります。また、薬効・薬理試験まで自社でデータ集積を行う可能性もあります。
当該開示を筆頭に各種論文及び研究成果発表をしておりますとおり、創薬研究領域においては成果の集積があり、ライセンスアウトをして医薬開発領域に進むための研究データ等の充足は将来の企業価値の向上に向けて必須であり、先行投資を行うことが必要不可欠であると考えております。
したがいまして、このように今後想定される研究開発投資に備えて十分な自己資金を確保するとともに、当社グループの財務基盤の強化を図るため、本新株予約権による調達資金のうち240百万円を創薬研究領域における研究開発費240百万円に充当する予定です。本新株予約権による調達資金の支出予定時期は、2024年4月~2026年3月を予定しております。
当該資金使途につき資金が不足する分に関しては、原則として手元資金等により充当する予定であり、状況に応じて資本市場からの新たな調達等を含めた多様な資金調達方法を検討いたします。
なお、研究開発の対象の詳細については、上記「1 新規発行新株予約権証券(第36回新株予約権)(2)新株予約権の内容等 (注)1.本新株予約権の発行により資金調達をしようとする理由 (1)募集の目的及び理由 イ.当社グループの事業方針及び事業状況」をご参照ください。
② 医薬開発領域における研究開発費 161百万円
医薬開発領域では、創薬研究の結果得られた医薬品候補物質のうちOTS167及びOTSA101等の開発パイプラインの医薬開発に係る臨床試験実施又は臨床試験準備のための外注費や人件費をはじめとした経費等を含む研究開発費に充当し、上市を目指して、当社グループ独自で又は提携先と共同で臨床開発を実施してまいります。
OTS167及びOTSA101は新型コロナ禍においても患者さんのエントリーを着実に進め、日本並びに米国での第Ⅰ相臨床試験が本日現在も予定通り進行しております。
がん領域においては第Ⅰ相臨床試験終了後のライセンスアウトが一般的であり、実施中の第Ⅰ相臨床試験の正常な終了及びライセンスアウトのために、製剤の準備と必要なデータ集積及び解析が必要です。なお、第Ⅰ相臨床試験の終了後のライセンスアウトを目標としておりますが、次相臨床試験について当社が実施する可能性もあります。治験実施には製剤や施設費用並びに外注費等、治験の維持管理のための費用等は継続的に必要であります。
したがいまして、このように今後想定される研究開発投資に備えて十分な自己資金を確保するとともに、当社グループの財務基盤の強化を図るため、本新株予約権による調達資金のうち161百万円を医薬開発領域における研究開発費680百万円の一部に充当する予定です。但し、当該研究開発費は、現在実施している臨床試験に関する費用のみを対象としており、ライセンスアウトを目標としている次相臨床試験(P2)以降の研究開発費は含んでおりません。本新株予約権による調達資金の支出予定時期は、2024年4月~2026年3月を予定しております。
当該資金使途につき資金が不足する分に関しては、原則として手元資金等により充当する予定であり、状況に応じて資本市場からの新たな調達等を含めた多様な資金調達方法を検討いたします。
なお、研究開発の対象となる医薬品候補物質の詳細については、上記「1 新規発行新株予約権証券(第36回新株予約権)(2)新株予約権の内容等 (注)1.本新株予約権の発行により資金調達をしようとする理由 (1)募集の目的及び理由 イ.当社グループの事業方針及び事業状況」をご参照ください。
③ がんプレシジョン医療関連事業における諸経費及び研究開発費 612百万円
がんプレシジョン医療関連事業については、当社から当社子会社であるCPM社への投融資を通じて、がん細胞の詳細な遺伝子解析サービス(全エクソームシーケンス解析、RNAシーケンス解析、ネオアンチゲン解析等)、血中のがん細胞を早期検出するためのリキッドバイオプシーといったがん遺伝子の大規模解析検査等の共同研究及び外部から受託する検査事業に係る、衛生検査所としてのラボ運営・維持費用、消耗品等の購入費用、人件費(2024年3月期27名)等の経費、並びに、TCR/BCRレパトア解析、免疫反応解析等の解析サービスの共同研究や事業化に加えて、ネオアンチゲン樹状細胞療法及びTCR遺伝子導入T細胞療法等の新しい個別化がん免疫療法の研究開発、新規がん遺伝子パネル検査手法の開発等に係る、ラボ運営・維持費用や人件費等の経費を含む研究開発費に充当し、日本における「がんプレシジョン医療」をより普及・加速させ、がんプレシジョン医療関連事業の拡大によりCPM社の収益向上・拡大を図ってまいります。
2023年3月13日付「当社連結子会社における新規がん遺伝子パネル検査の開発着手のお知らせ」に記載のとおり、がんのみならず市場ニーズに対応した検査項目の拡充は随時行っており、企業価値向上のための収益及び財務基盤の安定化のため、先行投資を行うことが必要不可欠であると考えております。
したがいまして、このように今後想定される研究開発投資に備えて十分な自己資金を確保するとともに、当社グループの財務基盤の強化を図るため、本新株予約権による調達資金のうち612百万円をがんプレシジョン医療関連事業における研究開発費及び諸経費1,780百万円の一部に充当する予定です。本新株予約権による調達資金の支出予定時期は、2024年4月~2026年3月を予定しております。
当該資金使途につき資金が不足する分に関しては、原則として手元資金等により充当する予定であり、状況に応じて資本市場からの新たな調達等を含めた多様な資金調達方法を検討いたします。
なお、がんプレシジョン医療関連事業の詳細については、上記「1 新規発行新株予約権証券(第36回新株予約権)(2)新株予約権の内容等 (注)1.本新株予約権の発行により資金調達をしようとする理由 (1)募集の目的及び理由 イ.当社グループの事業方針及び事業状況」をご参照ください。
なお、本新株予約権の行使による払込みの有無と権利行使の時期は新株予約権者の判断に依存し、また株価が長期的に行使価額を下回る状況等では権利行使がされず、本新株予約権の行使価額は修正又は調整される可能性があるため、現時点において調達できる資金の額及び時期は確定したものではなく、現時点において想定している調達資金の額及び支出予定時期に差異が発生する可能性があります。また、本新株予約権が行使されずに調達資金が不足した場合は、当該状況に応じて、手元資金及びCPM社の事業収益等、調達コストを勘案しつつ新たな増資等も含めた追加の資金調達方法を検討することにより不足分を補完する予定です。
なお、前回の資金調達に伴う現在までの調達金額及び充当状況については、以下のとおりです。
(前回の資金調達)
① 第三者割当による新株式の発行
割当日 |
2023年4月10日 |
発行新株式数 |
2,000,000株 |
調達資金の額 (差引手取概算額) |
90,000,000円 |
発行価額 |
1株当たり45円 |
割当先 |
LCAO 1,600,000株 MAP246 400,000株 |
募集時における 発行済株式数 |
192,643,700株 |
発行時における 当初の資金使途 及び支出予定時期 |
① 創薬研究領域における研究開発費 682百万円:2023年4月~2026年3月 ② 医薬開発領域における研究開発費 517百万円:2023年4月~2026年3月 ③ がんプレシジョン医療関連事業における経費及び研究開発費 1,422百万円:2023年4月~2026年3月 (下記②記載の第三者割当による第34回新株予約権及び第35回新株予約権(行使価額修正条項付)による資金調達を含めた資金使途となっております。) |
現時点における 充当状況 |
① 創薬研究領域における研究開発費 2023年4月~2024年3月までに試薬・消耗品等の原材料調達費、製造経費、人件費として23百万円 ② 医薬開発領域における研究開発費 2023年4月~2024年3月までに製剤等製造経費、外注費、人件費として18百万円 ③ がんプレシジョン医療関連事業における経費及び研究開発費 2023年4月~2024年3月までに事業における経費及び試薬等原材料調達費用として49百万円
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② 第三者割当による第34回新株予約権及び第35回新株予約権(行使価額修正条項付)の発行
割当日 |
2023年4月10日 |
発行新株予約権数 |
380,000個 第34回新株予約権:230,000個(新株予約権1個につき100株) 第35回新株予約権:150,000個(新株予約権1個につき100株) |
発行価額 |
総額5,950,000円 第34回新株予約権:新株予約権1個当たり20円(総額4,600,000円) 第35回新株予約権:新株予約権1個当たり9円(総額1,350,000円) |
発行時における 調達予定資金の額 (差引手取概算額) |
2,550,950,000円 |
割当先 |
第34回新株予約権 LCAO 184,000個 MAP246 46,000個 第35回新株予約権 LCAO 120,000個 MAP246 30,000個 |
募集時における 発行済株式数 |
192,643,700株 |
当該募集による 潜在株式数 |
38,000,000株 |
現時点における 行使状況 |
行使済株式数 第34回新株予約権:23,000,000株(残新株予約権数:0個) 第35回新株予約権:0株(残新株予約権数:150,000個) ※2024年4月22日において、残存する第35回新株予約権150,000個を全て取得及び消却する予定です。 |
現時点における 調達した資金の額 (差引手取概算額) |
699,400,000円 |
発行時における 当初の資金使途 |
① 創薬研究領域における研究開発費 682百万円:2023年4月~2026年3月 ② 医薬開発領域における研究開発費 517百万円:2023年4月~2026年3月 ③ がんプレシジョン医療関連事業における経費及び研究開発費 1,422百万円:2023年4月~2026年3月 (上記①記載の第三者割当による新株式の発行による資金調達を含めた資金使途となっております。) |
現時点における 充当状況 |
① 創薬研究領域における研究開発費 2023年4月~2024年3月までに試薬・消耗品等の原材料調達費、製造経費、人件費として182百万円 ② 医薬開発領域における研究開発費 2023年4月~2024年3月までに製剤等製造経費、外注費、人件費として138百万円 ③ がんプレシジョン医療関連事業における経費及び研究開発費 2023年4月~2024年3月までに事業における経費及び試薬等原材料調達費用として379百万円
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該当事項はありません。
(1)割当予定先
a.割当予定先の概要
① Long Corridor Alpha Opportunities Master Fund
名称 |
Long Corridor Alpha Opportunities Master Fund |
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所在地 |
PO Box 309, Ugland House, Grand Cayman KY1-1104, Cayman Islands |
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国内の主たる事務所の責任者の氏名及び連絡先 |
該当事項はありません。 |
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出資額 |
約218百万米ドル(2023年6月30日時点) |
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組成目的 |
投資 |
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主たる出資者及び出資比率 |
Long Corridor Alpha Opportunities Feeder Fund, 100% |
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業務執行組合員等に関する事項 |
名称 |
Long Corridor Asset Management Limited |
本店の所在地 |
Unit 3609, AIA Tower, 183 Electric Road, North Point, Hong Kong SAR |
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国内の主たる事務所の責任者の氏名及び連絡先 |
該当事項はありません。 |
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代表者の役職・氏名 |
ディレクター:James Tu |
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事業内容 |
投資 |
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資本金 |
8,427,100香港ドル |
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主たる出資者及び出資比率 |
James Tu 100% |
② MAP246 Segregated Portfolio
名称 |
MAP246 Segregated Portfolio |
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所在地 |
Cayman Corporate Centre, 27 Hospital Road, George Town, Grand Cayman KY1-9008, Cayman Islands |
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国内の主たる事務所の責任者の氏名及び連絡先 |
該当事項はありません。 |
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出資額 |
開示の同意を得られていないため、記載しておりません。 (注) |
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組成目的 |
投資 |
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主たる出資者及び出資比率 |
開示の同意を得られていないため、記載しておりません。 (注) |
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業務執行組合員等に関する事項 |
名称 |
Long Corridor Asset Management Limited |
本店の所在地 |
Unit 3609, AIA Tower, 183 Electric Road, North Point, Hong Kong SAR |
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国内の主たる事務所の責任者の氏名及び連絡先 |
該当事項はありません。 |
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代表者の役職・氏名 |
ディレクター:James Tu |
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事業内容 |
投資 |
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資本金 |
8,427,100香港ドル |
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主たる出資者及び出資比率 |
James Tu 100% |
(注)割当予定先であるMAP246の出資額、主たる出資者及び出資比率については、当社がストームハーバー証券(住所:東京都港区赤坂一丁目12番32号、代表取締役社長:渡邉佳史)を通じて、LCAO及びMAP246と一任契約を締結し、その運用を行っている、香港に所在する機関投資家であるLong Corridor Asset Management Limited(香港SFC登録番号:BMW115)(以下、「LCAM」といいます。)のInvestment AdvisorであるLong Corridor Global Asset Managementの日本代表である西健一郎氏に確認したものの、開示の同意が得られていないため、記載しておりません。開示の同意を行わない理由につきましては、MAP246とLCAMとの間で締結した秘密保持契約に基づき守秘義務を負っているためと聞いております。
b.提出者と割当予定先との間の関係
① LCAO
出資関係 |
当社が保有している割当予定先の株式の数 |
該当事項はありません。 |
割当予定先が保有している当社株式の数 |
該当事項はありません。 |
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人事関係 |
記載すべき人事関係はありません。 |
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資金関係 |
記載すべき資金関係はありません。 |
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技術又は取引関係 |
記載すべき技術又は取引関係はありません。 |
② MAP246
出資関係 |
当社が保有している割当予定先の株式の数 |
該当事項はありません。 |
割当予定先が保有している当社株式の数 |
該当事項はありません。 |
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人事関係 |
記載すべき人事関係はありません。 |
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資金関係 |
記載すべき資金関係はありません。 |
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技術又は取引関係 |
記載すべき技術又は取引関係はありません。 |
③ LCAM(上記①及び②の業務執行組合員)
出資関係 |
当社が保有している割当予定先の株式の数 |
該当事項はありません。 |
割当予定先が保有している当社株式の数 |
該当事項はありません。 |
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人事関係 |
記載すべき人事関係はありません。 |
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資金関係 |
記載すべき資金関係はありません。 |
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技術又は取引関係 |
記載すべき技術又は取引関係はありません。 |
(注)割当予定先の概要、並びに、提出者と割当予定先との間の関係及び提出者と割当予定先の業務執行組合員との間の関係の欄は、別途時点を特定していない限り本有価証券届出書提出日現在におけるものです。
(2)割当予定先の選定理由
当社は、研究開発型企業として、医薬品の臨床試験を実施する開発パイプラインの拡充や拡大、積極的な創薬研究、がんプレシジョン医療への積極的な取組み等を推進しており、間接金融からの調達のみならず、直接金融からの調達も含め、資金調達方法を模索してまいりました。
そのような中で、2023年9月中旬頃、既存取引行よりストームハーバー証券の紹介を受け、当社の資本政策等に関する情報提供及び助言をいただくとともに、資金調達スキームの提案を受け、検討を進めておりました。
その後、第35回新株予約権の行使が進まない状況下において、新たな資金調達方法の検討を進める必要性が高まったことから、当社は、2024年2月下旬頃、ストームハーバー証券を本資金調達に関する財務アドバイザーとして起用し、ストームハーバー証券を通じてLCAMとの協議を進めることといたしました。ストームハーバー証券は、2009年に設立されたグローバルな金融市場に精通した独立系投資銀行であり、国内又は海外の機関投資家引受によるエクイティファイナンスやM&A・資本業務提携等、顧客企業の財務戦略・資本政策に関するアドバイザリー業務を幅広く展開しております。ストームハーバー証券は、顧客企業の財務アドバイザーとして、資金調達スキームを立案・構築した上で、そのグローバルなネットワークを活用して複数の国内又は海外の機関投資家の中から顧客企業の資金調達戦略に適すると考えられる割当先を選定し、本資金調達を含む財務戦略・資本政策全般に関する助言等を行う役割・機能を担っております。このように、ストームハーバー証券からは、当社の財務アドバイザーとして、割当先の紹介のみならず、本資金調達の実務面のプロセス等を含めて多岐にわたり助言・支援をいただけること、ストームハーバー証券が国内上場企業のエクイティファイナンス等に関する財務アドバイザーとして多数の実績を有すること、本資金調達以外の面においても当社の財務戦略及び資本政策全般に関して継続的に助言・支援をいただけることから、ストームハーバー証券を本資金調達に関する財務アドバイザーとして起用いたしました。また、当社は、ストームハーバー証券に対し、本資金調達のスキーム・発行条件・割当先等について相談を行ったところ、ストームハーバー証券から、当社の現在の財務状況や資金需要、市場環境、第34回新株予約権及び第35回新株予約権の発行条件、本新株予約権の発行条件等に鑑みると、今回の当社の資金調達においては、第34回新株予約権及び第35回新株予約権と同様に、LCAMが一任契約に基づき運用を行っているLCAO及びMAP246を割当予定先とすることが適切である旨の助言をいただきました。また、前回の第34回新株予約権及び第35回新株予約権の発行に関しては、LCAO及びMAP246との各引受契約において、LCAO及びMAP246の優先交渉権が定められており、当社及びストームハーバー証券がLCAO及びMAP246に対し本新株予約権の引受意向の有無を確認したところ、LCAO及びMAP246より、本新株予約権を引き受ける意向がある旨の回答を得ました。なお、ストームハーバー証券は、これまでも、LCAMが一任契約に基づき運用を行っているLCAO及びMAP246を割当先とするエクイティファイナンスの案件を複数手掛けた実績があります。
このような経緯により、当社は、改めて、ストームハーバー証券及びLCAMから、LCAMが一任契約に基づき運用を行っているLCAO及びMAP246に対する第三者割当による本新株予約権発行の提案を受けました。LCAMは、香港本拠のマルチストラテジーファンドであり、米国の年金や大学基金を預かるファンドオブファンズが主な資金源であること、本拠地の香港に加え、東京に拠点を持ち、アジアの主要マーケットをカバーした投資プラットフォームを有しており、株式等を中心に様々なアセットクラスに投資し、事業会社に対するファンダメンタルズ分析に基づき投資を検討していること、投資形態は柔軟であり、経営には一切関与しない友好的な純投資家であること、LCAO及びMAP246は、LCAMが一任契約に基づき運用を行っているケイマンに所在する免税有限責任資産運用会社(Exempted Company in Cayman with Limited Liability)及び分離ポートフォリオ会社(Segregated Portfolio Company)の分離ポートフォリオ(Segregated Portfolio)であることについて、ストームハーバー証券からの報告及びLCAMのInvestment AdvisorであるLong Corridor Global Asset Managementの日本共同代表者伊藤治氏との面談等を通じて確認いたしました。当社は、以上の内容に基づき、本第三者割当について検討を進めた結果、本提案が当社の資金調達ニーズを満たすものであったこと、LCAMのこれまでの国内での活動及び実績や保有方針、前回の第三者割当における投資行動・新株予約権の行使実績等を総合的に勘案し、LCAMが一任契約に基づき運用を行っているLCAO及びMAP246を本新株予約権の第三者割当の割当予定先とすることが適切であると判断いたしました。
(3)割り当てようとする株式の数
本新株予約権の目的である株式の総数は54,000,000株であります。
割当予定先に割り当てる本新株予約権の目的である株式の数は、以下のとおりです。
本新株予約権:LCAO 43,200,000株
MAP246 10,800,000株
(4)株券等の保有方針
割当予定先であるLCAO及びMAP246との間で、本新株予約権の行使により取得する当社株式について、継続保有及び預託の取り決めはありません。なお、本新株予約権の行使後の当社株式に関する割当予定先の保有方針は純投資であり短期保有目的である旨、割当予定先の資産運用を一任されているLCAMのInvestment AdvisorであるLong Corridor Global Asset Managementの日本共同代表者伊藤氏から口頭で確認しております。当社と割当予定先の資産運用を一任されているLCAMとの協議において、本新株予約権の行使により取得する当社株式については、割当予定先が適宜市場売却等の方法により、市場の状況等を勘案し、株価への悪影響を極力排除する様に努めることを前提に適宜売却する方針である旨を口頭で確認しております。
なお、本新株予約権について、当社と割当予定先との間で、金融商品取引法に基づく届出の効力発生後、本新株予約権引受契約を締結する予定です。
また、本新株予約権引受契約において、当社と割当予定先は、本新株予約権について、東京証券取引所の定める有価証券上場規程第434条第1項及び同規程施行規則第436条第1項乃至第5項、並びに日本証券業協会の定める「第三者割当増資等の取扱いに関する規則」第13条の定めに基づき、原則として、単一暦月中に割当予定先が本新株予約権を行使することにより取得される株式数が、本新株予約権の払込日時点における上場株式数の10%を超える部分に係る行使(以下、「制限超過行使」といいます。)を制限するよう措置を講じる予定です。
具体的には、以下の内容を本新株予約権引受契約で締結する予定です。①割当予定先が制限超過行使を行わないこと、②割当予定先が本新株予約権を行使する場合、あらかじめ、当社に対し、本新株予約権の行使が制限超過行使に該当しないかについて確認を行うこと、③割当予定先が本新株予約権を転売する場合には、あらかじめ、転売先となる者に対し、当社との間で前記①及び②に定める事項と同様の内容を約させること、④割当予定先は、転売先となる者がさらに第三者に転売する場合も、あらかじめ当該第三者に対し当社との間で前記①及び②に定める事項と同様の内容を約させること、⑤当社は割当予定先による制限超過行使を行わせないこと、⑥当社は、割当予定先からの転売先となる者(転売先となる者から転売を受ける第三者を含みます。)との間で、当社と割当予定先が合意する制限超過行使の制限と同様の合意を行うこと等の内容について、本新株予約権引受契約により合意する予定です。
(5)払込みに要する資金等の状況
当社は、割当予定先のうちLCAOについて、2023年12月期のErnst&Youngによる監査済み財務書類及びLCAOの保有財産の裏付けとなるプライム・ブローカーの2024年3月5日から同月7日現在までにおける残高証明書を確認するとともに、LCAOより資金拠出を確約するコミットメントレターを受領しております。当社は、LCAOの財務書類に記載されるキャッシュフロー上の入出金の金額及びLCAOが現在運用している資金の残高を確認するとともに、上記残高証明書の日付以降LCAOの保有財産に重大な変更がないことを上記書類の確認と併せて割当予定先の資産運用を一任されているLCAMのInvestment AdvisorであるLong Corridor Global Asset Managementの日本共同代表者伊藤氏からのヒアリングにより確認いたしました。
同様に、当社は、割当予定先のうちMAP246について、2022年12月期のGrant Thorntonによる監査済み財務書類及びMAP246の保有財産の裏付けとなるプライム・ブローカーの2024年3月5日から同月7日現在までにおける残高証明書を確認するとともに、MAP246より資金拠出を確約するコミットメントレターを受領しております。当社は、MAP246の財務書類に記載されるキャッシュフロー上の入出金の金額及びMAP246が現在運用している資金の残高を確認するとともに、上記残高証明書の日付以降MAP246の保有財産に重大な変更がないことを上記書類の確認と併せて割当予定先の資産運用を一任されているLCAMのInvestment AdvisorであるLong Corridor Global Asset Managementの日本共同代表者伊藤氏からのヒアリングにより確認いたしました。
したがって、本新株予約権の発行に係る払込み及び本新株予約権の行使に要する資金の確保状況について問題はないものと判断しております。
(6)割当予定先の実態
当社は、①割当予定先及びLCAM、②割当予定先の出資者及びディレクター、並びに③LCAMの出資者及びディレクター(以下、「割当予定先関係者」と総称します。)が、反社会的勢力と何らかの関係を有しているか否かについて、第三者調査機関である株式会社セキュリティ&リサーチ(住所:東京都港区赤坂二丁目16番6号、代表取締役:羽田寿次)に調査を依頼しました。割当予定先であるMAP246については、英国領ケイマン島に設立された分離ポートフォリオ会社(Segregated Portfolio Company)であるLMA SPCの分離ポートフォリオ(Segregated Portfolio)であることから、調査対象をLMA SPC(所在地:Walkers Corporate Limited, 27 Hospital Road, George Town, KY, KY1-9008、代表者:Jon Scott Perkins(Director)、Robert Swan(Director))としております。当該調査の結果、割当予定先関係者について、反社会的勢力である又は反社会的勢力と何らかの関係を有している旨の報告はありませんでした。以上のことから、当社は割当予定先及び割当予定先の主な出資者並びに業務執行組合員が反社会的勢力とは一切関係していないと判断しており、その旨の確認書を東京証券取引所に提出しております。
本新株予約権は、会社法第236条第1項第6号に定める新株予約権の譲渡制限はありませんが、本新株予約権引受契約の規定により、割当予定先は、当社の事前の書面による承認なく、本新株予約権を譲渡することができない旨の制限が付されております。但し、割当予定先が、本新株予約権の行使により交付された株式を第三者に譲渡することを妨げません。
(1)払込金額の算定根拠及びその具体的内容
本新株予約権の発行価額は、第三者算定機関である株式会社赤坂国際会計(所在地:東京都港区元赤坂一丁目1番8号、代表取締役:山本 顕三)に算定を依頼しました。当社は、当該算定機関が新株予約権の発行実務及び価値評価に関する十分な専門知識・経験を有すると認められること、当社との間に資本関係・人的関係等はなく、また、当該算定機関は当社の会計監査を行っている者でもないため当社との継続的な契約関係が存在せず、当社経営陣から一定程度独立していると認められること等に鑑み、当該算定機関を本新株予約権の第三者算定機関として選定いたしました。
当該算定機関は、価格算定に使用する価格算定手法の決定に当たって、境界条件から解析的に解を求めるブラック・ショールズ方程式や格子モデルといった他の価格算定手法との比較及び検討を実施したうえで、一定株数及び一定期間の制約の中で段階的な権利行使がなされること、並びに本新株予約権の発行要項及び割当先との間で締結する予定の本新株予約権引受契約に定められたその他の諸条件を適切に算定結果に反映できる価格算定手法として、一般的な価格算定手法のうち汎用ブラック・ショールズ方程式を基礎とした数値計算手法(モンテカルロ法)を用いて本新株予約権の評価を実施しています。
汎用ブラック・ショールズ方程式を基礎とした数値計算手法(モンテカルロ法を含む)は、新株予約権の原資産である株式の価格が汎用ブラック・ショールズ方程式で定義されている確率過程で変動すると仮定し、その確率過程に含まれる標準正規乱数を繰り返し発生させて将来の株式の価格経路を任意の試行回数分得ることで、それぞれの経路上での新株予約権権利行使から発生するペイオフ(金額と時期)の現在価値を求め、これらの平均値から理論的な公正価値を得る手法です。
当該算定機関は、本新株予約権の諸条件、新株予約権の発行決議に先立つ算定基準日である2024年4月4日における当社普通株式の株価19円/株、当社普通株式の価格の変動率(ボラティリティ)39.9%、予定配当額0円/株、無リスク利子率0.2%、当社の行動、割当予定先の行動を考慮して、一般的な価格算定モデルである汎用ブラック・ショールズ方程式を基礎とした数値計算手法を用いて、本新株予約権の評価を実施しました。
本新株予約権の評価においては、当社の行動として、当社に資金調達需要が存在する場合には、当社は行使停止の指定をせず、割当予定先による権利行使を促す行動をとるものと想定しております。また、割当予定先の行動として、割当予定先は行使停止が実施されない場合、株価が権利行使価額を上回っている限り、市場出来高の一定割合の範囲内で一定株数の権利行使を分散的に進めるものと想定しております。また、割当予定先による権利行使及び株式処分活動の想定の中で、当該株式処分コストを考慮しております。
これらの算定方法により、当該算定機関の算定結果として、本新株予約権の1個当たりの払込金額は7円となりました。また、本新株予約権の当初行使価額は19円としました。本新株予約権の行使価額の修正に係るディスカウント率は、当社普通株式の株価動向等を勘案した上で、割当予定先との間での協議を経て、10%としました。
本新株予約権の払込金額の決定に当たっては、当該算定機関が公正な評価額に影響を及ぼす可能性のある事象を前提として考慮し、新株予約権の評価額の算定手法として一般的に用いられている汎用ブラック・ショールズ方程式を用いて公正価値を算定していることから、当該算定機関の算定結果は合理的な公正価格であると考えられるところ、払込金額が算定結果である評価額を参考に、当該評価額を下回らない範囲で、割当予定先との間での協議を経て決定されているため、本新株予約権の払込金額は、有利発行には該当せず、適正かつ妥当な価額であると判断いたしました。
さらに、当社監査役3名全員(うち会社法上の社外監査役2名)からも、会社法上の職責に基づいて以下の各点を確認し審議を行った結果、本新株予約権の発行条件は、(ⅰ)第三者算定機関である株式会社赤坂国際会計が当社と継続した取引関係になく、割当予定先からも独立した立場にあるため、その選定が妥当であること、(ⅱ)発行価額が株式会社赤坂国際会計によって算出された評価額と同額で決定されていること、並びに(ⅲ)株式会社赤坂国際会計の計算方法及び前提条件に不合理な点が認められないことから、割当予定先に特に有利な金額での発行に該当せず、適法である旨の意見を書面により取得しております。
(2)発行数量及び株式の希薄化の規模が合理的であると判断した根拠
本新株予約権の目的である株式の総数は54,000,000株であり、本新株予約権が全て行使された場合に交付される株式数は54,000,000株(議決権数540,000個)であります。さらに、2023年12月31日現在の当社発行済株式総数217,643,700株(自己株式及び単元未満株式を除く当社普通株式に係る議決権数2,176,279個)を分母とする希薄化率は24.81%(自己株式及び単元未満株式を除く当社普通株式に係る議決権の総数に対する割合は24.81%。小数第3位四捨五入)の希薄化をもたらすこととなります。
しかしながら、前記「第1 募集要項 2 新規発行による手取金の使途」のとおり、今回の資金調達における資金使途は①創薬研究領域における研究開発費、②医薬開発領域における研究開発費、③がんプレシジョン医療関連事業における諸経費及び研究開発費であり、今回の新株予約権の募集による資金調達を成功させ、上記資金使途に充当することで、当社のさらなる企業価値向上を図ることが可能となります。したがいまして、当社といたしましては、今回の第三者割当による新株予約権の募集は、当社の企業価値及び株式価値の向上を図るためには必要不可欠な規模及び数量であると考えております。なお、将来何らかの事由により資金調達の必要性が薄れた場合、又は本新株予約権より有利な資金調達方法が利用可能となった場合には、当社の判断により、残存する新株予約権を取得できる条項を付すことで、必要以上の希薄化が進行しないように配慮しております。
また、本新株予約権が全て行使された場合に交付される当社の普通株式数54,000,000株に対し、2024年4月4日から起算した当社株式の過去6か月間における1日あたりの平均売買出来高は3,541,206株、過去3か月間における1日あたりの平均売買出来高は2,301,947株、過去1か月間における1日あたりの平均売買出来高は1,853,257株となっております。したがいまして、市場で売却することによる流通市場への影響は、行使期間である3年間(年間取引日数:245日/年営業日で計算)で行使して希薄化規模が最大となった場合、1日あたりの売却数量は73,469株であり、上記過去6か月間における1日あたりの平均売買出来高の2.07%にとどまることから、当社株式は、本新株予約権の目的である株式の総数を勘案しても一定の流動性を有しており、本新株予約権の行使により交付された当社株式の売却は、当社株式の流動性によって十分に吸収可能であると判断しております。
該当事項はありません。
氏名又は名称 |
住所 |
所有株式数 (株) |
総議決権数に対する所有議決権数の割合 |
割当後の所有株式数 (株) |
割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合 |
Long Corridor Alpha Opportunities Master Fund |
PO Box 309, Ugland House, Grand Cayman KY1-1104, Cayman Islands |
- |
- |
43,200,000 |
15.90% (注)4. |
中村 祐輔 |
東京都目黒区 |
12,511,000 |
5.75% |
12,511,000 |
4.61% |
MAP246 Segregated Portfolio |
Cayman Corporate Centre, 27 Hospital Road, George Town, Grand Cayman KY1-9008, Cayman Islands |
- |
- |
10,800,000 |
3.98% (注)4. |
特定有価証券信託受託者 株式会社SMBC信託銀行 |
東京都千代田区丸の内一丁目3番2号 |
7,300,000 |
3.35% |
7,300,000 |
2.69% |
中鶴 修一 |
埼玉県さいたま市中央区 |
5,850,000 |
2.69% |
5,850,000 |
2.15% |
古川 洋一 |
東京都品川区 |
3,943,000 |
1.81% |
3,943,000 |
1.45% |
BNP PARIBAS ARBITRAGE SNC (常任代理人 BNPパリバ証券株式会社) |
160-162 BOULEVARD MAC DONALD, 75019 PARIS, FRANCE (東京都千代田区丸の内一丁目9番1号) |
3,786,300 |
1.74% |
3,786,300 |
1.39% |
荒川 博文 |
東京都中央区 |
2,500,000 |
1.15% |
2,500,000 |
0.92% |
JPモルガン証券株式会社 |
東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 |
1,685,283 |
0.77% |
1,685,283 |
0.62% |
楽天証券株式会社 |
東京都港区南青山二丁目6番21号 |
1,509,200 |
0.69% |
1,509,200 |
0.56% |
計 |
― |
39,084,783 |
17.96% |
93,084,783 |
34.27% |
(注)1.割当前の「所有株式数」及び「総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、2023年9月30日現在の株主名簿を基準として記載をしております。
2.「割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合」の算出にあたっては、「割当後の所有株式数」に係る議決権の数を、2023年9月30日現在の総議決権数(2,176,270個)に本新株予約権の目的である株式の総数に係る議決権数(540,000個)を加算した数(2,716,270個)で除して算出しております。
3.「総議決権数に対する所有議決権数の割合」及び「割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、小数点以下第3位を四捨五入して算出しております。
4.割当予定先の「割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、本新株予約権を全て行使した上で取得する当該株式を全て保有したと仮定した場合の数となります。本新株予約権の行使後の当社株式に関する割当予定先の保有方針は、純投資であり、長期間保有する意思を表明しておりませんため、本新株予約権の発行後の大株主の状況は直ちに変動する可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
1.事業等のリスクについて
後記「第四部 組込情報」の有価証券報告書(第22期)及び四半期報告書(第23期第3四半期)(以下、「有価証券報告書等」といいます。)に記載された「事業等のリスク」について、当該有価証券報告書等の提出日以後本有価証券届出書提出日(2024年4月5日)までの間に生じた変更その他の事由はありません。
また、当該有価証券報告書等には将来に関する事項が記載されておりますが、本有価証券届出書提出日(2024年4月5日)現在においてもその判断に変更はなく、新たに記載する将来に関する事項もありません。
2.臨時報告書の提出について
後記「第四部 組込情報」の第22期有価証券報告書の提出日(2023年6月27日)以降、本有価証券届出書提出日(2024年4月5日)までの間において、以下の臨時報告書を関東財務局長に提出しております。
(2024年2月16日提出の臨時報告書)
1 提出理由
2024年2月14日開催の当社臨時株主総会において、決議事項が決議されましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
2 報告内容
(1)当該株主総会が開催された年月日
2024年2月14日
(2)当該決議事項の内容
議案 資本金の額の減少の件
① 減少すべき資本金の額
当社の資本金の額を1,133,814,330円減少して、その他資本剰余金に振替え、減少後の資本金の額を50,000,000円といたします。
ただし、当社が発行している新株予約権が2023年12月4日から資本金の額の減少の効力発生日までの期間に行使された場合には、当該新株予約権の行使に伴う新株発行により増加する資本金の額と同額分を合わせて減少することにより、最終的な資本金の額を50,000,000円といたします。
② 資本金の額の減少の方法
払い戻しを行わない無償減資とし、発行済株式総数は変更せず、資本金の額のみを減少します。資本金の減少額は、全額その他資本剰余金に振替えます。
③ 資本金の額の減少の効力発生日
2024年3月26日
(3)決議事項に対する賛成、反対及び棄権の意思の表示に係る議決権の数、当該決議事項が可決されるための要件並びに当該決議の結果
決議事項 |
賛成(個) |
反対(個) |
棄権(個) |
可決要件 |
決議の結果及び賛成割合(%) |
議案 |
743,161 |
75,563 |
- |
(注)1 |
可決 91 |
(注)1.議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主の出席及び出席した当該株主の議決権の3分の2以上の賛成による。
2.当社の議決権を有する株主数は39,114人、総議決権個数は2,176,279個です。
本臨時株主総会での議決権行使状況は臨時株主総会前日までの議決権行使を含め、株主数は8,968人、議決権個数合計は820,527個です。
(4)議決権の数に株主総会に出席した株主の議決権の数の一部を加算しなかった理由
本臨時株主総会前日までの事前行使分及び当日出席の一部の株主から議案の賛否に関して確認できた議決権の集計により決議事項が可決されるための要件を満たし、会社法に則って決議が成立したため、本臨時株主総会当日出席の株主のうち、賛成、反対及び棄権の確認ができていない一部の議決権の数は加算しておりません。
3.資本金の増減について
「第四部 組込情報」に記載の有価証券報告書(第22期、提出日2023年6月27日)に記載の資本金等は、当該有価証券報告書の提出日(2023年6月27日)以降、本有価証券届出書提出日(2024年4月5日)までの間において、以下のとおり変化しております。
年月日 |
発行済株式総数 |
資本金 |
資本準備金 |
|||
2023年6月27日~2023年9月30日 (注)1 |
増減数 (株) |
残高 (株) |
増減額 (千円) |
残高 (千円) |
増減額 (千円) |
残高 (千円) |
11,000,000 |
217,643,700 |
159,500 |
1,183,814 |
159,500 |
14,604,641 |
|
2024年3月26日 (注)2
|
増減数 (株) |
残高 (株) |
増減額 (千円) |
残高 (千円) |
増減額 (千円) |
残高 (千円) |
- |
217,643,700 |
▲1,133,814 |
50,000 |
- |
14,604,641 |
(注)1.新株予約権の行使による増加であります。
2.2024年2月14日開催の臨時株主総会の決議に基づく減資であります。
次に掲げる書類の写しを組み込んでおります。
有価証券報告書 |
事業年度 (第22期) |
自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 |
2023年6月27日 関東財務局長に提出 |
四半期報告書 |
事業年度 (第23期第3四半期) |
自 2023年10月1日 至 2023年12月31日 |
2024年2月13日 関東財務局長に提出 |
なお、上記書類は、金融商品取引法第27条の30の2に規定する開示用電子情報処理組織(EDINET)を使用して提出したデータを開示用電子情報処理組織による手続の特例等に関する留意事項について(電子開示手続等ガイドライン)A4-1に基づき本有価証券届出書の添付書類としております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。