第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。

 

(1)経営方針

 フォーバルの社名は、「For Social Value」を語源とし、「社会価値創出企業」として中小・小規模企業の利益に貢献できる「新しいあたりまえ」づくりに挑戦しております。

 フォーバルの提案する「新しいあたりまえ」とは、商品・サービスを提供する大手メーカーやキャリアではなく、これらを実際に利用するユーザーの立場から情報通信業界が抱える矛盾、問題点を打破するために考えた新しいビジネスモデルです。

 実際にわれわれの提案した多くのビジネスモデルは広く世の中に受け入れられ、独占的な日本の情報通信業界に競争原理をもたらし、サービスの向上とコストダウンを進めるための大きなきっかけをつくってきました。

 しかし、当時は斬新だった「新しいあたりまえ」も、時が経ち世の中に浸透すれば「ただのあたりまえ」になります。フォーバルはこれからも「新しいあたりまえ」で、世界を創ることに挑戦してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループの事業ドメインにおいては事業構造・事業環境の変化が激しく、その変化に適切に対応することを方針として掲げておりますので売上高利益率や資本回転率などの経営指標については、現段階では設定しておりません。今後、適切な指標を設定した時点で開示したいと考えております。

 

(3)経営環境

 当社グループの事業領域である情報通信分野においては、クラウドやビッグデータ、IoT、AIなどを活用したサービスの拡大が続いています。

 また、中小・小規模企業においてはDXの推進による働き方の変化に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大による新しい働き方への急激なシフトの中で、従来型の機器等の価値は低下する一方、新しい経営環境の変化に苦慮する経営者の各種アドバイスに対する需要が高まっております。近年は企業の業績だけではなくESG(Environment:環境、Social:社会、Governance:ガバナンス)が重視される傾向にあり、中小・小規模企業の利益に貢献する「次世代経営コンサルタント」集団としての役割がますます重要となっています。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは「次世代経営コンサルタント」として企業経営を支援する集団となり、中小・小規模企業の利益に貢献することで顧客とのリレーションを強化し、ビジネスパートナーとしての確固たる地位を確立するとともに、ストック型の収益構造へとビジネスモデルの転換を図っております。特に、「情報通信の知識・技術を駆使した経営コンサルティングサービス(情報通信)」、「海外マーケットを独自ノウハウで取り込む経営コンサルティングサービス(海外)」、「環境に配慮した最先端の経営コンサルティングサービス(環境)」、「次世代経営に必要な人材を育てる経営コンサルティングサービス(人材・教育)」、「企業のライフサイクルに対応した経営コンサルティングサービス(起業・事業承継)」の5分野において他社との差別化を図り、主に「売上拡大」「業務効率改善」「リスク回避」の視点から中小・小規模企業の利益に貢献することを目指しております。現在は、岸田内閣の主要政策である未来を切り拓く「新しい資本主義」―成長と分配の好循環―に則り、中小・小規模企業のGX(グリーントランスフォーメーション)及びDX(デジタルトランスフォーメーション) (以下「GDX」)を可視化経営により推進する伴走型アドバイザーとしての確固たる地位を確立していくことに注力しています。

 その実現に向けてF-Japan戦略を推進し、産学官の協力によるGDXアドバイザーの創造、GDXアドバイザー向けの新たな貸出ビジネスの創造、中小企業経営のための情報分析プラットフォーム「きづなPARK」の質的・量的拡充、中小企業に対するスコアリングの実現など、事業基盤の強化にスピード感を持って取り組んでおります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 フォーバルグループは、気候変動課題への対応を重要な経営課題の一つと認識し、2022年4月1日、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会とリスクマネジメント委員会を併せて設立しております。

 サステナビリティ委員会とリスクマネジメント委員会での審議・決定事項は、各委員会の主たる活動状況と共に取締役会に報告されます。これにより取締役会が気候変動に関わるリスクと機会への対応方針や温室効果ガス(GHG)の削減目標・取組、気候変動のリスク・機会を考慮した事業計画等の重要事項につき審議・決定しております。

 取締役会は当社グループを取り巻く気候関連事項を考慮し、2021年の12月にTCFD提言への賛同を表明し、2022年7月に初めてその提言に沿った情報開示やCDP質問書への回答を実施しております。今後、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)基準への対応も視野に入れつつTCFD提言に沿った情報開示をより一層強化していく方針で、当社グループ全体における環境対策の取り組みに関して、その効果の検証、データの蓄積と分析、効果検証を行い開示の質の向上を着実に図ってまいります。

 

(2)戦略

①シナリオ分析

 当社グループは、将来の気候変動が事業活動に与えるリスクと機会、財務的影響を把握するため、TCFDが提唱するフレームワークに則り、シナリオ分析の手法を用いて、2030年時点における外部環境変化を予測し、1.5℃シナリオ、4℃シナリオに基づき分析をしております。

◆1.5℃シナリオ

 移行リスクに関しては、GHGの排出に関する規制強化による、炭素税導入・炭素税率の上昇やそれに伴う燃料・電力価格の上昇リスク、技術変更による施設・資材の入替によるコスト増大リスク、低炭素社会への移行に伴い、特定の商品やサービスに対する需給変動のリスクが短期・中期的に高くなり、当社グループの調達及び売上にも大きな影響を与える可能性が高いと予見しております。また、低炭素社会への不適応などによる既存の製品・サービスへの悪評が発生し、業績が悪化するリスクも考えられますが、長期においてはリスク順応が相応に進むため、影響は軽減されると予想しております。

 物理リスクに関しては、急性リスク、慢性リスクがありますが、気候変動の影響が抑制されるため、短期的にも中長期的にも大きなリスクは予見しておりません。ただし、IPCCの予測では、GHG排出量が比較的少ないシナリオであっても2041~2060年に気温上昇が1.5℃を超える可能性があるため、20年後のリスクには入念に備える必要があると考えております。

 一方、機会に関しては、低炭素及び環境配慮型の新製品やサービスの開発と利用が短期・中期的に進むことが予想され、当社グループの環境配慮型エネルギー・サービスを提供することにより、当社グループの業績・財務面における機会は大きいと予想しております。

◆4℃シナリオ

 移行リスクに関しては、炭素税導入・炭素税率の上昇等の環境基準の厳格化、GHG排出規制の強化が長期的に行われないため、ウクライナ情勢等の地政学リスクを除いた燃料・電力価格等の上昇や低炭素化に向けた省エネ・再エネ設備投資、再エネ電力やEV等への切替えは起こらず、当社グループの業績にマイナスの影響が出ることはないと考えております。

 急性リスクに関しては、中長期的には地球温暖化の影響で異常気象の激甚化が進み、大型台風や洪水、ゲリラ豪雨、落雷、高潮等の自然災害が深刻化し、インフラの損壊及びその復旧費用や損害保険料などの増加、事業縮小、事務所等の稼働停止、通勤停止、原材料・製品輸送や役務提供等への悪影響、エネルギー価格の高騰や原材料・製品不足などのリスクが高まる可能性があります。

 慢性リスクに関しては、気温上昇に伴う熱中症・感染症等の従業員の健康被害の増加による空調機器のコストの増加、保険料の増加などのリスク、干ばつ・海面上昇によるエネルギーや原材料・製品の調達コストを上昇させるリスクが、当社グループだけでなく取引先にも中長期的に影響を及ぼすことが予見されます。

 機会に関しては、低炭素エネルギー源や新技術の利用、脱炭素新市場の形成が見込めないことから関連する商品・サービスの調達コストの減少や、販売増や顧客の業績増、競争優位性の確保などは予見しておりません。

 

②シナリオ分析に基づくレジリエンス

 1.5℃シナリオにおいては、GHG排出規制の強化に伴い、燃料・電力を使用するさまざまな産業で調達費用の高騰リスク、施設・機材の入替の必要性も上がるため、当社グループではGHG排出量の削減の推進をしております。具体的には、当社グループ内の省エネ活動の推進、照明の効率化(LED電球の導入)、再エネ電力プランの導入、HV車の導入、オフィスの統合等が挙げられます。

 また、カーボンオフセットの取り組みも2021年度から実施をしており、今後は、再エネ電力プランの更なる導入推進と共にEV車の導入、燃料機器の電化、太陽光発電設備の導入等を検討してまいります。

 現状では4℃シナリオも十分現実となる可能性があることから、4℃シナリオにおいても、BCP対策の強化、グリーン調達の推進、省資源活動の推進等の対策しております。

 このように当社グループでは、両委員会での議論・分析を通じて気候変動に伴うさまざまなリスクの最小化と機会の最大化の検証・実行を進めながら、組織と経営の強靭性を確保しております。また、当社グループでは自身組織戦略のレジリエンスの確保だけでなく、我々のお客様である中小・小規模企業のレジリエンスを確保するための取り組みも行っております。

 具体的には、脱炭素に向けてエネルギー源転換を目指す中小・小規模企業に環境配慮型電力プランの提供、環境配慮型製品・サービスの需要に対しての環境配慮型製品の提供、顧客要求への迅速な対応による競争優位性を確保するための中小・小規模企業の伴走型アドバイスによるGDX化、気候変動対策を含む財務・非財務情報の可視化経営の推進、新規事業の創出・展開による強靭性を確保するためのF-Japan構想による地域・地方自治体との連携を行い、お客様自身の環境対策を進めるだけでなく、お客様のサプライチェーン上のお取引先に対しても、お客様と共に環境対策への取り組みを働きかけ、リスクの低減や分散、また機会の拡大を図っております。

 

③人材の育成に関する方針

 当社グループでは、創業以来、私たちを取り巻く各ステークホルダーに対して、ビジネスを通じて「幸せの分配」をすることを企業価値としています。

 その「幸せの分配」のうち、もっとも優先度が高いステークホルダーは「社員」です。

 なぜならば、お客様と接点を持つ社員自身がまず幸せでなければ、他のステークホルダーに対して幸せの分配ができるはずがないと考えているからです。

 

フォーバルグループが目指す人材像

 会社は常に価値を生み続ける存在でなければならないという想いから、社名の由来となっているFor Social Value、「社会が求める真の価値」の追求を目指しています。 そして、そのために、企業理念として「社是」を掲げ、すべてのグループ社員へ「在り方」を示しています。

 また、人材に求める重要な要素は「明・元・素(めい・げん・そ)」「実力主義」「強い仲間意識」の3つです。

“明るく、元気で、素直”“結果にこだわり目標達成意欲が強く、粘り強く最後まで諦めずにやり抜く”“ビジョンを共有し、チームプレーの中で主体性を発揮できること”、これらは特別な能力ではなく、人間が持っている基本的な要素です。

 当社グループが掲げる企業理念の達成に向けて、主体的に計画性を持って実行できる人こそ、グループ社員のあるべき姿であると考えます。

 

 ・フォーバルグループと関わりのあるすべての人に「幸せを分配する」

 ・お客様にとって、あるいは社会にとって本当に価値のあるものを生み出していく

 ・世の中や業界に存在する「常識」に対する挑戦を続け、創意工夫をこらし「新しいあたりまえ」づくりを

  実現する

 ・常に顧客の視点を持ち続け、他人に対しては常に「ありがとう」の気持ちを持ち続け、「真心」を持って

  行動する

 ・社員自身が「主体的に」新しいことにチャレンジする

 

 

 また、事業戦略においては、情報通信、海外、環境、人材・教育、起業・事業承継の5分野で他社との差別化を図り、中小・小規模企業の利益に貢献するコンサルティングサービスを主力事業としており、質の高いサービスを提供し続けるためには人材の確保と育成が必要不可欠であると考えております。

 なかでも重要かつ優先的に対処すべき課題としては、中小・小規模企業のGX(グリーントランスフォーメーション)及びDX(デジタルトランスフォーメーション)(以下「GDX」)を推進する伴走型アドバイザーとしての確固たる地位を確立していくことと認識しております。

 よって、人材面においては、GDXアドバイザーの創造にスピード感を持って取り組んでおります。

 

 このような取り組みのもと、当社グループにおいて「人材」は最も重要な価値源泉であると位置づけ、人材価値の向上を図り、新しい社会価値を生み続けることで、「100年企業」として永続的に発展できる企業となっていくことを目指します。

 

人材育成における二軸の取組

 当社グループでは、経営理念の共有と実現のための「フォーバルパーソンとしての基盤づくり」と社員個々の能力の向上を目指した「事業人材の育成」の二軸で、人材育成に取り組んでおります。

 

<フォーバルパーソンとしての基盤づくり>

 グループ社員が法令を遵守することはもちろんのこと、グループ行動指針(役職員行動指針)に則って「主体性の発揮」「適正で合理的な行動」「誠実・公正な行動」をとることができるよう、フォーバルパーソンとしての基盤づくりに努めます。

 

 1.コンプライアンス教育

  ・コンプライアンス診断

  ・ハラスメント行動チェック

  ・情報セキュリティ理解度チェック

  ・会社理解度テスト

 

 2.年次別・階層別教育

  ・新入社員研修

  ・入社3年目までのフォローアップ人事部面談

  ・新任管理職アセスメントプログラム

  ・フォーバルシップ勉強会(入社3年目まで/課長/部門長)

 

<事業人材の育成>

 専門性の高い事業人材の育成については、「研修センター」を設置し、日々進化する事業環境をいち早く教育に取り入れ、お客様へ提供するサービスのクオリティの向上に努めます。

 また、当社グループの事業の中核となる「F-Japan戦略」「アイコン事業」においてはGDXアドバイザーの育成が急務と考えます。GDX推進の第一人者となるために、GX・DXに関する知識習得に加え、情報分析力と情報活用力の向上に努め、自らが率先して能力の向上を図る「自走式集団」を目指します。

 

 1.研修センター教育

  ・職種別教育(営業人材/アイコン(コンサルティング)人材/GDX人材)

  ・リスキリング教育

 2.部門教育

  ・コミュニケーションセンター(コミュニケーター)教育

 3.社内推奨資格制度

  ・DXアドバイザー検定の取得推進

  ・iビジネスマスター(ITパスポート・個人情報保護士・ビジネス統計スペシャリスト・eco検定)の取得推進

 

 

④社内環境整備に関する方針

 社員、家族、顧客、株主、取引先はもとより、企業活動の継続によって影響を与えうるあらゆるステークホルダーの人権を尊重し、これらの尊厳が最大限守られるよう全力を尽くし、「社会が求める真の価値」のうち、特に重要なものが人権であると確信し、人権尊重の取り組みによって企業の社会的責任を果たすため、フォーバル人権ポリシーを策定しています。

当社グループには性別や国籍、年齢、経験が異なったさまざまな社員が在籍しています。「子育て世代」や「介護世代」を含めた「すべての社員」が安心し、幸せを実感できる職場にしたいと考え、柔軟な働き方の実現に取り組んでいます。また、社員が健康維持や増進に努めることで、生産性や創造性を向上させ、安心していきいきと働ける会社を目指しています。

 

社内環境整備における取組

<多様性の重視>

ともに働く仲間の多様性を尊重し、人種・民族・宗教・国籍・出身・性別・性自認および性的指向・年齢・障がいの有無・疾病などによる差別およびハラスメントを許容しません。

機会は常に平等であり、採用、配置、評価、報酬および昇進は、本人の能力・経験や成果に基づいて行われます。

 

1.女性活躍推進(働くパパ・ママ応援コミュニティ/男性育児休業取得の推進)

2.働き方改革(i-Work勤務規程策定(テレワーク制度/フリーワーク制度))

3.障がい者雇用推進

 

<従業員の安全と健康の維持>

健全かつスマートな職場環境を提供するとともに、安全・衛生に関する法令、規制、規定を遵守し、健康リスクへ適切な対応を行うことで、その維持に取り組みます。

 

1.健康経営推進(健康優良法人認定/クラブ活動/フォーバル健康UPマラソン大会)

2.人事調書

3.社内・社外相談窓口設置

 

 

(3)リスク管理

 当社は、リスク管理基本規程において経営企画担当部門をリスク管理担当部門とし、リスクを「会社に物理的、経済的もしくは信用上の損失または不利益を生じさせる全ての可能性を指すもの」と定義し、13のケースを想定しております。そのうち気候変動に関わるケースは、以下のものです。

・財務報告の信頼性に重大な影響を与える事態の発生するおそれがある場合

・火災、地震、風水害によって多大の損害を受けるおそれがある場合

・ITシステムの不具合または不正情報の流入により多大な損害が発生するおそれがある場合、および内部統制が有効に機能しなくなるおそれがある場合

・グループ会社に上記のような事由が発生し、当社の経営に重大な影響を及ぼすおそれがある場合

・その他会社の存続に関わる重大な事案が発生するおそれがある場合

 また、各リスクに対応する体制の構築を目的とし、リスク管理基本規程の第4条の詳細を規定するリスク管理基準で、次のように定めております。

 「会社に物理的、経済的もしくは信用上の損失または不利益を生じさせる全ての可能性のあるリスクに対して、全社的なリスク管理担当部門として経営企画部門は、それぞれ個別のリスク担当部門を定め、リスクの管理、軽減および移転その他必要な措置を講じるように指示をしなければならない」。

 そして、グループ全体における潜在的リスクの早期発見および事故・不祥事等に対し、迅速かつ適切な措置を講ずる体制を構築しております。

 このように、当社グループでは、取締役会および代表取締役社長がサステナビリティ委員会およびリスクマネジメント委員会を主導し、取締役や本部長、事業部長、管理部門が主体となり、グループ内で認識されたリスク・機会を適時適切に管理しております。

 

 

 

 

(4)指標及び目標

 2020年10月、日本政府は2050年までに温室効果ガス(GHG)の排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しております。フォーバルグループは中小・小規模企業の脱炭素の実現に向けて、より先鋭的な活動に取り組むために、2022年の7月に日本政府よりさらに野心的な目標「2030年までにカーボンニュートラルを目指す」宣言を行い、2020年度を基準年として毎年10%(約203t-co2)の削減を目指しております。

 ①GHG排出量2021年度実績値

 フォーバルグループ全体でScope1が910t-co2、Scope2が969t-co2、合計1,880t-co2の排出量となっております。

 ②上記目標における進捗状況

 Scope1については、前年2020年度と比較するとオフィス統合により空調由来の燃料使用量が減少しておりますが、車両利用の増加により排出量は増加しております。

 一方、Scope2については、オフィス統合や省エネ活動、テレワークの推進、再エネ電力プランの導入により排出量は減少しております。

 結果としてScope1・Scope2の合計排出量は2020年度と比較して146t-co2削減し、7.2%の削減率となっております。目標の10%の削減を達成することはできませんでしたが、別途J-クレジットを活用し126t-co2のオフセットを実施しております。

 

 人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関する指標並びに当該指標を用いた目標及び実績は、

下記のとおりです。

 

①社内推奨資格制度

 

2022年度実績

2023年度目標

DXアドバイザー

536名

72.1%

80%

iビジネスマスター

418名

56.3%

60%

ITパスポート

345名

46.4%

50%

個人情報保護士

512名

68.9%

70%

ビジネス統計スペシャリスト

584名

78.6%

80%

環境社会(eco)検定

508名

68.4%

70%

(注)1.実績は2023年3月31日時点におけるものであります。

   2.提出会社における正社員数743名に対する実績であります。

 

②女性管理職比率

女性管理職比率 目標:10%

 

男性管理職

女性管理職

合計

女性管理職比率

2022年度

335名

36名

371名

9.7%

2021年度

299名

29名

328名

8.8%

2020年度

294名

23名

317名

7.3%

(注)女性活躍推進法の定義に基づき、当社では管理職を「同一事業所において、課長の他に、呼称、構成員に関係なく、その職務の内容及び責任の程度が「課長級」に相当する者(ただし、一番下の職階ではないこと)」の基準にて算出しております。

 

③健康経営目標

指標

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

目標

運動:1週間に2回、1日30分以上の運動を

   実施している

44.3%

49.2%

47.1%

55.1%

睡眠:1日あたりの睡眠時間が6時間以上の

   社員の比率の増加

61.9%

62.7%

59.6%

67.7%

喫煙:喫煙率の低下

31.3%

30.2%

27.5%

25.3%

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

事業環境の変化について

 当社グループの事業は、主要な顧客である国内法人、とりわけ中小企業をとりまく経済状況の影響を受けます。新型コロナウイルス感染症の影響や国内経済の冷え込みによって、中小企業の経営環境が想定以上に悪化した場合、あるいは中小企業の経営を支援するアイコン事業のサービスの開発が遅れた場合、中小企業マーケット自体の縮小により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループの売上高は、リース会社に対するものが全体の18.7%を占めております。

 これは、販売代金を個々の顧客からではなくリース会社を通じて回収することにより、販売に伴うリスクを回避し、安全な販売を行えるという利点がある一方、こうした業種を取り巻く経済環境及び法制度等に大きな変化があった場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 当社グループは、カンボジア、ベトナム、インドネシア、ミャンマーなどアセアン諸国で事業活動を行っております。これらの国・地域で法令・各種規制の制定、改正がなされた場合、あるいは、新型コロナウイルス感染症の影響で国境をまたぐ人の移動が制限された場合、当社グループの事業活動が影響を受ける可能性があります。

新規事業の立ち上げについて

 当社グループは、利益ある成長を達成するため必要に応じて事業を再構築し、収益性、成長性の高い新規事業の立ち上げを適宜検討し、実行しております。このような事業分野においては、当社グループが保有していないノウハウ・インフラなどを保有する企業集団とアライアンスを組む可能性・ケースも多くあります。ただし、アライアンス先の事業展開の方向性、スケジュール等によっては、当社グループが実行する新規事業の進展が影響を受ける可能性があります。

 また、こうした新規事業を展開するにあたっては、当時点で入手可能な情報に基づき、慎重な判断と継続的な見直しを行っておりますが、潜在的なリスクも含まれており、当社グループが現時点で想定する状況に大きな変化があった場合は、その事業展開に重大な影響を与え、結果当社グループの業績にも影響を及ぼす可能性があります。

 

新サービスの創造について

当社グループは、IoT、AI、ビッグデータ、ロボットなどの先端技術が鍵を握る情報社会に続く新たな社会(Society5.0)を見据え、次世代の情報通信技術を使った経営課題解決サービスの開発に取り組んでおりますが、開発の遅れやマーケットの支持を得られなかった場合などには、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、サービスが陳腐化しないように専門チームを立ち上げ、その分野の専門人材を採用し、その分野の企業と協業しながら、マーケットに受け入れられる新サービスの創造に取り組んでおります。

 

 

人材の確保及び育成について

当社グループは、情報通信、海外、環境、人材・教育、起業・事業承継の5分野において他社との差別化を図り、中小・小規模企業の利益に貢献するコンサルティングサービスを主力事業としており、質の高いサービスを提供し続けるためには人材の確保と育成が必要不可欠であり、想定通りに人材の確保及び育成が進まない場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、健康経営の実践やテレワークやフリーワーク制度等の導入により、新しい働き方や個人のワークライフバランスの向上を図るなど、選ばれる企業になるための取り組みを強化しております。また、e-ラーニングシステムによる時間効率を考えた教育システムの導入や、スキルアップのために社外資格を取得するモチベーションを付与する人事制度の設計、成功事例の早期情報共有のためのシステム導入等により、より一層の人材の育成に努めております。

 

取引先について

 当社グループは、多様な顧客ニーズに対応するため多くの取引先から優れた製品、サービス等の供給を受けております。日頃より取引先との緊密な関係維持、情報交換等を行っておりますが、将来、何らかの事情により製品、サービス等の供給が滞った場合には、顧客に対して十分な製品、サービス等の供給ができず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。特に通信サービスの仕入先事業者である電気通信事業者は少数に限定されており、それらの政策変更等により当社グループの通話料原価や取次手数料の条件が変動した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

情報管理について

 当社グループでは、取引の中で顧客情報を含め各種情報を取り扱っており、それら情報の取扱いには十分な注意を払っております。

 個人情報については、会社としての基本方針を策定し、社員向け教育研修を実施するなど情報管理の徹底を進めております。

 また、社内システムは、ファイアウォール、アンチウィルスシステム及びデータへのアクセス制限等の安全対策の強化に努めております。

 しかしながら、当社グループにおいて個人情報その他データの漏洩等により問題が発生した場合、社会的信用の低下や損害賠償請求を受ける可能性があり、当社グループのその後の事業展開及び業績等に影響を与える可能性があります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、ウクライナ情勢等を受けた資源価格上昇の影響を受ける一方で、新型コロナウイルス感染症や供給制約の影響が和らぐ中で、輸出や生産は堅調に推移し、設備投資も緩やかに増加しました。また、雇用・所得環境も緩やかに改善し、個人消費も新型コロナウイルス感染症の影響が和らぐ中で物価上昇の影響を受けつつも緩やかに増加しました。

また、当社グループの事業領域である情報通信分野においては、クラウドやビッグデータ、IoT、AIなどを活用したサービスが拡大しています。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ3,360百万円増加し35,858百万円となりました。

 流動資産は25,138百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,518百万円増加しました。これは主として、現金及び預金が991百万円、売掛金が1,400百万円増加したためです。

 固定資産は10,719百万円となり、前連結会計年度末に比べ841百万円増加しました。これは主として、有形固定資産が新規連結に伴う土地の増加等により412百万円、無形固定資産が33百万円、投資有価証券の増加等により投資その他の資産が395百万円増加したためです。

 流動負債は16,926百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,869百万円増加しました。これは主として、短期借入金が312百万円減少したのに対し、支払手形及び買掛金が1,548百万円、未払金が190百万円、未払費用が119百万円増加したためです。

 固定負債は3,295百万円となり、前連結会計年度末に比べ226百万円増加しました。これは主として、社債が100百万円、退職給付に係る負債が111百万円増加したためです。

 純資産は15,636百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,264百万円増加しました。これは主として、 親会社株主に帰属する当期純利益1,679百万円に対し、配当金の支払い666百万円により株主資本が1,185百万円、非支配株主持分が62百万円増加したためです。

 

b.経営成績

中小・小規模企業におけるDX推進の機運の高まりを受けてアイコンサービスが順調に拡大したことに加え、GXに対する意識の高まりを受けて環境に優しい新電力サービスが増加し、また、新たに連結に加わったグループ会社の寄与もあり、売上高は前期に比べ8,003百万円増加し、59,538百万円(前期比15.5%増)となりました。

利益面では売上総利益が電力の仕入価格上昇の影響を受けて前期に比べ1,307百万円増加(前期比6.9%増)にとどまったほか、販売費及び一般管理費は事業拡大に伴う人員増強の影響等で前期に比べ1,550百万円増加(前期比9.5%増)した結果、営業利益は2,443百万円(前期比9.0%減)、経常利益は貸倒引当金繰入額の減少等により2,717百万円(前期比4.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に事業譲渡益などの特別利益を446百万円計上していたこともあり1,679百万円(前期比8.6%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。

 

<フォーバルビジネスグループ>

アイコンサービスやセキュリティ関連が増加したほか、新たに連結に加わったグループ会社の寄与により、売上高は29,375百万円(前期比16.8%増)、セグメント利益は1,941百万円(前期比21.3%増)となりました。

<フォーバルテレコムビジネスグループ>

新電力サービスが増加した一方で、ISPサービス等が減少した結果、売上高は24,283百万円(前期比14.0%増)、電力の仕入価格上昇の影響でセグメント利益は575百万円(前期比46.0%減)となりました。

<総合環境コンサルティングビジネスグループ>

住宅用太陽光発電システム等が増加した結果、売上高は3,818百万円(前期比22.3%増)、ライティング事業の原価増の影響等でセグメント損失は80百万円(前期はセグメント損失62百万円)となりました。

<その他事業グループ>

会計システム関連等が増加した結果、売上高は2,061百万円(前期比5.9%増)、前期は大型の開発受託案件があった反動でセグメント利益は265百万円(前期比6.7%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は11,055百万円となり、前連結会計年度末に比べ989百万円の増加となっています。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は3,283百万円(前期は2,589百万円の獲得)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益が2,940百万円、減価償却費が1,170百万円、仕入債務の増加額が1,351百万円あったのに対し、売上債権及び契約資産の増加額が1,007百万円、法人税等の支払額が1,025百万円あったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は912百万円(前期は912百万円の使用)となりました。これは主として有形固定資産の取得による支出が234百万円、無形固定資産の取得による支出が576百万円あったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は1,389百万円(前期は2,671百万円の使用)となりました。これは主として短期借入金の純減額が406百万円、長期借入金の返済による支出が146百万円、配当金の支払額が665百万円あったことによるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産、受注の実績

総合環境コンサルティングビジネスグループにおいて、ランプ及びLEDの製造事業を譲受け、生産及び一部受注生産をしておりますが、当連結会計年度における生産高及び受注生産高の売上高に占める割合の重要性が乏しいため記載を省略しております。

 

b.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

フォーバル

ビジネスグループ(百万円)

29,375

+16.8

フォーバルテレコム

ビジネスグループ(百万円)

24,283

+14.0

総合環境コンサルティング

ビジネスグループ(百万円)

3,818

+22.3

報告セグメント計(百万円)

57,477

+15.9

その他(百万円)

2,061

+5.9

合計(百万円)

59,538

+15.5

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合については、各販売先への当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計上の見積りが必要な費用につきましては、合理的な基準に基づき見積りをしております。

なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ3,360百万円増加し35,858百万円となりました。

流動資産は25,138百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,518百万円増加しました。これは主として、現金及び預金が991百万円、売掛金が1,400百万円増加したためです。

固定資産は10,719百万円となり、前連結会計年度末に比べ841百万円増加しました。これは主として、有形固定資産が新規連結に伴う土地の増加等により412百万円、無形固定資産が33百万円、投資有価証券の増加等により投資その他の資産が395百万円増加したためです。

流動負債は16,926百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,869百万円増加しました。これは主として、短期借入金が312百万円減少したのに対し、支払手形及び買掛金が1,548百万円、未払金が190百万円、未払費用が119百万円増加したためです。

固定負債は3,295百万円となり、前連結会計年度末に比べ226百万円増加しました。これは主として、社債が100百万円、退職給付に係る負債が111百万円増加したためです。

純資産は15,636百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,264百万円増加しました。これは主として、 親会社株主に帰属する当期純利益1,679百万円に対し、配当金の支払い666百万円により株主資本が1,185百万円、非支配株主持分が62百万円増加したためです。

 

b.経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度における連結業績は、以下のとおりとなりました。

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前年同期増減

金額

割合

売上高  (百万円)

51,535

59,538

+8,003

+15.5%

経常利益 (百万円)

2,855

2,717

△137

△4.8%

親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)

1,836

1,679

△157

△8.6%

 

当連結会計年度におけるわが国経済は、ウクライナ情勢等を受けた資源価格上昇の影響を受ける一方で、新型コロナウイルス感染症や供給制約の影響が和らぐ中で、輸出や生産は堅調に推移し、設備投資も緩やかに増加しました。また、雇用・所得環境も緩やかに改善し、個人消費も新型コロナウイルス感染症の影響が和らぐ中で物価上昇の影響を受けつつも緩やかに増加しました。

また、当社グループの事業領域である情報通信分野においては、クラウドやビッグデータ、IoT、AIなど を活用したサービスが拡大しています。

 

 

当社グループは「次世代経営コンサルタント」として企業経営を支援する集団となり、中小・小規模企業の利益に貢献することを目指し、「情報通信の知識・技術を駆使した経営コンサルティングサービス(情報通信)」、「海外マーケットを独自ノウハウで取り込む経営コンサルティングサービス(海外)」、「環境に配慮した最先端の経営コンサルティングサービス(環境)」、「次世代経営に必要な人材を育てる経営コンサルティングサービス(人材・教育)」、「企業のライフサイクルに対応した経営コンサルティングサービス(起業・事業承継)」の5分野において他社との差別化を図り、質の高いサービスを提供するためにM&Aも活用しながら事業の拡大に取り組んでいます。

特に、岸田内閣の主要政策である未来を切り拓く「新しい資本主義」―成長と分配の好循環―に則り、中小・小規模企業のGX(グリーントランスフォーメーション)及びDX(デジタルトランスフォーメーション)(以下「GDX」)を可視化経営により推進する伴走型アドバイザーとしての確固たる地位を確立していくことに注力しています。その実現に向けてF-Japan戦略を推進し、産官学の協力によるGDXアドバイザーの創造、GDXアドバイザー向けの新たな貸出ビジネスの創造、中小企業経営のための情報分析プラットフォーム「きづなPARK」の質的・量的拡充、中小企業に対するスコアリングの実現など、事業基盤の強化にスピード感を持って取り組んでいます。

このような状況下、当連結会計年度における連結業績は、以下のようになりました。

中小・小規模企業におけるDX推進の機運の高まりを受けてアイコンサービスが順調に拡大したことに加え、GXに対する意識の高まりを受けて環境に優しい新電力サービスが増加し、また、新たに連結に加わったグループ会社の寄与もあり、売上高は前期に比べ8,003百万円増加し、59,538百万円(前期比15.5%増)となりました。

利益面では売上総利益が電力の仕入価格上昇の影響を受けて前期に比べ1,307百万円増加(前期比6.9%増)にとどまったほか、販売費及び一般管理費は事業拡大に伴う人員増強の影響等で前期に比べ1,550百万円増加(前期比9.5%増)した結果、営業利益は2,443百万円(前期比9.0%減)、経常利益は貸倒引当金繰入額の減少等により2,717百万円(前期比4.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に事業譲渡益などの特別利益を446百万円計上していたこともあり1,679百万円(前期比8.6%減)となりました。

 

経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等は、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおり、当社グループの事業においては事業構造・事業環境の変化が激しく、その変化に適切に対応することを方針として掲げておりますので売上高利益率や資本回転率などの経営指標については、現段階では設定しておりません。今後、適切な指標を設定した時点で開示したいと考えております。

なお、過去5年間の経常利益は以下のとおりであり、2019年3月期に対して2023年3月期は概ね0.8倍となっております。

 

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

経常利益(百万円)

3,308

3,324

2,483

2,855

2,717

指数

100

100

75

86

82

(注)単位未満の数値は切り捨てて記載しております。

 

また、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については以下のものがあります。

 

事業環境の変化について

当社グループの事業は、主要な顧客である国内法人、とりわけ中小企業をとりまく経済状況の影響を受けます。新型コロナウイルス感染症の影響や国内経済の冷え込みによって、中小企業の経営環境が想定以上に悪化した場合、あるいは中小企業の経営を支援するアイコン事業のサービスの開発が遅れた場合、中小企業マーケット自体の縮小により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの売上高は、リース会社に対するものが全体の18.7%を占めております。

これは、販売代金を個々の顧客からではなくリース会社を通じて回収することにより、販売に伴うリスクを回避し、安全な販売を行えるという利点がある一方、こうした業種を取り巻く経済環境及び法制度等に大きな変化があった場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、カンボジア、ベトナム、インドネシア、ミャンマーなどアセアン諸国で事業活動を行っております。これらの国・地域で法令・各種規制の制定、改正がなされた場合、あるいは、新型コロナウイルス感染症の影響で国境をまたぐ人の移動が制限された場合、当社グループの事業活動が影響を受ける可能性があります。

 

新規事業の立ち上げについて

当社グループは、利益ある成長を達成するため必要に応じて事業を再構築し、収益性、成長性の高い新規事業の立ち上げを適宜検討し、実行しております。このような事業分野においては、当社グループが保有していないノウハウ・インフラなどを保有する企業集団とアライアンスを組む可能性・ケースも多くあります。ただし、アライアンス先の事業展開の方向性、スケジュール等によっては、当社グループが実行する新規事業の進展が影響を受ける可能性があります。

また、こうした新規事業を展開するにあたっては、当時点で入手可能な情報に基づき、慎重な判断と継続的な見直しを行っておりますが、潜在的なリスクも含まれており、当社グループが現時点で想定する状況に大きな変化があった場合は、その事業展開に重大な影響を与え、結果当社グループの業績にも影響を及ぼす可能性があります。

 

新サービスの創造について

当社グループは、IoT、AI、ビッグデータ、ロボットなどの先端技術が鍵を握る情報社会に続く新たな社会(Society5.0)を見据え、次世代の情報通信技術を使った経営課題解決サービスの開発に取り組んでおりますが、開発の遅れやマーケットの支持を得られなかった場合などには、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、サービスが陳腐化しないように専門チームを立ち上げ、その分野の専門人材を採用し、その分野の企業と協業しながら、マーケットに受け入れられる新サービスの創造に取り組んでおります。

 

人材の確保及び育成について

当社グループは、情報通信、海外、環境、人材・教育、起業・事業承継の5分野において他社との差別化を図り、中小・中堅企業の利益に貢献するコンサルティングサービスを主力事業としており、質の高いサービスを提供し続けるためには人材の確保と育成が必要不可欠であり、想定通りに人材の確保及び育成が進まない場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、健康経営の実践やテレワークやフリーワーク制度等の導入により、新しい働き方や個人のワークライフバランスの向上を図るなど、選ばれる企業になるための取り組みを強化しております。また、e-ラーニングシステムによる時間効率を考えた教育システムの導入や、スキルアップのために社外資格を取得するモチベーションを付与する人事制度の設計、成功事例の早期情報共有のためのシステム導入等により、より一層の人材の育成に努めております。

 

取引先について

当社グループは、多様な顧客ニーズに対応するため多くの取引先から優れた製品、サービス等の供給を受けております。日頃より取引先との緊密な関係維持、情報交換等を行っておりますが、将来、何らかの事情により製品、サービス等の供給が滞った場合には、顧客に対して十分な製品、サービス等の供給ができず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。特に通信サービスの仕入先事業者である電気通信事業者は少数に限定されており、それらの政策変更等により当社グループの通話料原価や取次手数料の条件が変動した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

情報管理について

当社グループでは、取引の中で顧客情報を含め各種情報を取り扱っており、それら情報の取扱いには十分な注意を払っております。

個人情報については、会社としての基本方針を策定し、社員向け教育研修を実施するなど情報管理の徹底を進めております。

また、社内システムは、ファイアウォール、アンチウィルスシステム及びデータへのアクセス制限等の安全対策の強化に努めております。

しかしながら、当社グループにおいて個人情報その他データの漏洩等により問題が発生した場合、社会的信用の低下や損害賠償請求を受ける可能性があり、当社グループのその後の事業展開及び業績等に影響を与える可能性があります。

 

 

c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

<フォーバルビジネスグループ>

 フォーバルビジネスグループは、㈱フォーバルを中心に、主としてオフィス用OA・ネットワーク機器の販売、サービスの取り次ぎ、中小法人様向けコンサルティングサービスを行っております。

当連結会計年度においては、アイコンサービスやセキュリティ関連が増加したほか、新たに連結に加わったグループ会社の寄与により、売上高は29,375百万円(前期比16.8%増)、セグメント利益は1,941百万円(前期比21.3%増)となりました。

 セグメント資産は、3社を連結子会社化したこと及び投資有価証券の時価評価による増加等により、前連結会計年度末に比べ3,153百万円増加の23,247百万円となりました。

<フォーバルテレコムビジネスグループ>

フォーバルテレコムビジネスグループは、㈱フォーバルテレコムを中心に、主としてVoIP、モバイルなどの通信サービス全般の提供や印刷、保険サービス等を行っております。

 当連結会計年度においては、新電力サービスが増加した一方で、ISPサービス等が減少した結果、売上高は24,283百万円(前期比14.0%増)、電力の仕入価格上昇の影響でセグメント利益は575百万円(前期比46.0%減)となりました。

セグメント資産は、前払費用及び長期前払費用が181百万円、未収入金が31百万円減少したことにより、前連結会計年度末に比べ25百万円減少の10,395百万円となりました。

<総合環境コンサルティングビジネスグループ>

総合環境コンサルティングビジネスグループは、㈱アップルツリーを中心に主としてオール電化・エコ住宅設備、LED照明等の事業を行っております。

当連結会計年度においては、住宅用太陽光発電システム等が増加した結果、売上高は3,818百万円(前期比22.3%増)、ライティング事業の原価増の影響等でセグメント損失は80百万円(前期はセグメント損失62百万円)となりました。

 セグメント資産は、売掛金が142百万円、棚卸資産が42百万円増加したことにより、前連結会計年度末に比べ211百万円増加の1,010百万円となりました。

<その他事業グループ>

その他事業グループには、技術者派遣事業及びIT教育サービス事業等を含んでおります。

当連結会計年度においては、会計システム関連等が増加した結果、売上高は2,061百万円(前期比5.9%増)、前期は大型の開発受託案件があった反動でセグメント利益は265百万円(前期比6.7%減)となりました。

 セグメント資産は、棚卸資産が46百万円増加したことにより、前連結会計年度末に比べ20百万円増加の1,205百万円となりました。

 

d.キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は11,055百万円となり、前連結会計年度末に比べ989百万円の増加となっています。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は3,283百万円(前期は2,589百万円の獲得)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益が2,940百万円、減価償却費が1,170百万円、仕入債務の増加額が1,351百万円あったのに対し、売上債権及び契約資産の増加額が1,007百万円、法人税等の支払額が1,025百万円あったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は912百万円(前期は912百万円の使用)となりました。これは主として有形固定資産の取得による支出が234百万円、無形固定資産の取得による支出が576百万円あったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は1,389百万円(前期は2,671百万円の使用)となりました。これは主として短期借入金の純減額が406百万円、長期借入金の返済による支出が146百万円、配当金の支払額が665百万円あったことによるものです。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

自己資本比率(%)

39.5

41.3

40.8

時価ベースの自己資本比率(%)

71.2

70.7

85.1

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

1.5

1.0

0.8

インタレスト・カバレッジ・レシオ

91.3

119.8

179.1

 (注) 自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利息支払額

(注1)各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

(注2)株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

(注3)営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。

また、利息支払額については、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

e.資本の財源及び資金の流動性

当連結会計年度末における現金及び預金の残高は11,162百万円となり、前連結会計年度末に比べ991百万円増加しております。

借入金は、当連結会計年度末において短期借入金1,925百万円、長期借入金162百万円となり、前連結会計年度末に比べ350百万円減少しております。主に子会社㈱フォーバルテレコムにおいて、運転資金等の調達を金融機関からの借入によっておこなっております。

 

5【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは「次世代経営コンサルタント」として企業経営を支援する集団となり、中小・小規模企業の利益に貢献するとともに、DX、GXの推進に取り組んでいます。㈱ネットリソースマネジメントにおいては、次世代のデータによる利益貢献と新たな価値の提供を目指し、研究と実証実験を行っております。

 当連結会計年度における研究開発費は82百万円であります。

 なお、フォーバルビジネスグループを除くセグメントでは外部メーカーの製品を中心に販売しており、新技術の販売等の研究開発活動は行っておりません。