第2 【事業の状況】

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

以下の記載のうち、将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。

 

(1) 今後の経営環境の見通し

新型コロナウイルス対応のワクチンや治療薬等の普及等により、日本経済は緩やかな回復傾向にありますが、地政学リスクや自然災害、各種感染症等の影響には今後も留意する必要があります。こうした中、インターネットを利用した電子商取引は、今後ますます拡大する傾向にあり、その取扱高も成長していくことが予想されます。

しかしながら、当業界への新規参入が増えることにもつながり、競争が激化することを想定しています。このような経営環境を踏まえ、持続的な成長の実現と収益基盤強化のための課題に重点的に取り組んでまいります。

 

(2) 会社の経営の基本方針

当社の経営成績に関する重要な影響として、DXや情報通信技術の一段の進歩が考えられます。競業他社が画期的な技術を駆使したビジネスモデルをもって当業界に進出してきた場合などに備えた対策を講じる必要があると考えています。

そこで、会社のDX化を一段と進展させるとともに、システム要員として優秀な人材の確保と情報通信技術の動向を絶えず把握することが欠かせません。具体的には、システム技術部の陣容を拡大させるとともに、セキュリティ技術を含めた実績ある情報通信業者と取引を行うことにより、最新の技術情報の把握に努めております。

また、今後ターゲットとする市場は、BtoBのみならずBtoCの分野も想定していますが、新たなサイトを開設する場合についても、出店または出品といった既存サイトの拡張及び細分化を前提に、既存顧客をベースに新たな顧客も生み出しながら、最大利益を追求する方針です。

 

(3) 会社の対処すべき課題

① 競争力の強化

当社は多くの売り手企業及び買い手企業との売買を仲介していますが、時代の進化、産業構造の進化、販売方法、IT技術等、顧客(売り手企業、買い手企業)を取り巻く環境は絶えず進化しています。そのような環境下で競争力を強化するには、顧客の抱える課題を素早く察知し、解決の手段、機会を提供することが必須であります。売り手企業、買い手企業の双方が直面する課題に精通し、IT技術、デジタルマーケティング、ビッグデータ等を通じ、会社を挙げて解決に向けて取り組んでまいります。

 

② 技術革新への対応

当社はサイト運営企業であり、システム開発を全て内製化しているため、外部環境におけるITの進化を常に注視する必要があります。また、常にシステム攻撃の危険をはらんでいることから、防御に対する意識を高める必要があります。そこで、常時システム設備への投資を行い、技術力の進歩に努めてまいります。

 

③ 財務体質の強化

当社は、中長期的に安定成長を続けることによって企業価値を高め、フリーキャッシュ・フローを最大化する、キャッシュ・フロー重視の経営を推進しております。そこで、売掛金や不良債権等のリスク管理を徹底することにより、財務体質の強化に努めてまいります。

 

④ 人材の確保・育成

当社が推進する事業は新しい領域であり、営業、システム技術を含め事業全体において主体的に取り組むことができる人材の確保が必須であります。このような環境下では、過去の知識や経験にとらわれず、柔軟な発想、素直な心で毎日学ぶ姿勢を持つ人材の確保が肝要であります。

業界そのものの進歩が速く専門化が進む中で、営業、デジタルマーケティング、ビッグデータ分析、経理財務、法務、内部監査等の専門的かつ正確な知識と学ぶ力を持つ人材を確保・育成することを重視してまいります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 

農業・漁業はじめ第一次産業業の振興は、国家自体のサステナビリティを支え、その盛衰をも左右する性格を有しております。

当社は、食材・食品を扱うMマート市場や、食材のアウトレット市場である卸・即売市場等のeマーケットプレイスを運営することにより、地方所在の農産地や水産業者においても、当社のeマーケットプレイスに出店することで日本全国の顧客を獲得でき、所得も増やすことができる等、当社の事業活動が、第一次産業を活性化させ、そのサステナビリティに資する性格を有しております。

当社は、事業展開を通じて流通・卸業界・社会に必要不可欠な「流通のインフラ」となり、労働力不足や食品廃棄ロス問題をはじめ、国の根幹である農業・漁業に従事する人達にネットを通じ生産継続ができるよう、社会問題・環境問題の解決に貢献することで、持続可能な社会の実現と会社の持続的成長、企業価値向上の両立を図ってまいります。

(1)ガバナンス及びリスク管理

当社のリスク管理体制は「第4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ①企業統治の体制 イ.企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」に記載のとおりです。

また、リスク管理規程に基づいてリスク委員会を設置し、サステナビリティ関連を含む様々なリスクを管理しています。

 

(2)人的資本に係る戦略、指標及び目標

① 戦略

当社が推進する事業は新しい領域であるため、過去の知識や経験にとらわれず、柔軟な発想と素直な心で毎日学ぶ姿勢を持つ人材を登用する方針であり、国籍や性別、年齢等にかかわらず、企業理念と社訓に共鳴・共感し、意欲があり様々なキャリアを持つ多様な人材の採用に取り組んでいます。

社員の待遇や担当業務についても、国籍、性別、年齢等にかかわらず、能力と成果に基づく業務のアサインと評価を実施しています。

社員教育については、教育マニュアルを整備するとともに、代表取締役社長をはじめ事業を統括・熟知する役員が自ら講師となり教育研修を行う機会を頻繁に設けているほか、全員参加の社外研修などを通じ帰属意識の醸成を図っています。

また、残業なし休出なしを徹底することにより、生産性の向上とワークライフバランスの実現を両立しています。労働安全衛生面では、労働環境の改善・向上を常に図り、ストレスチェックを実施する等、社員の心身の健康維持に努めています。

② 指標及び目標

人材の多様性の確保に関しては、当社の人材採用と登用は主として中途採用によっており、当事業年度末における管理職に占める中途採用者の割合は100%となっています。また、女性管理職が管理職全体のおよそ4分の1を占めています。外国人管理職はゼロですが、上記の適材適所の方針のもとで、過去に管理職への登用実績があります。

なお、会社の規模や従業員数等を勘案し、性別、国籍、中途採用者等の区分について管理職の構成割合等の目標値は定めていません。

 

3【事業等のリスク】

 

以下は、当社が事業を運営するにあたってのリスク要因を記載しています。ただし、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から、当社として必ずしも重要なリスクと考えていないものも記載しております。当社は、これらのリスクについて予め十分に把握した上で、予防と対処に万全を期す所存であります。

なお、これらのリスク項目は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、発生可能性のあるリスク全てを網羅するものではありませんのでご留意願います。また、将来に関する事項は当事業年度末現在において当社が判断したものです。

 

(1) 業界の動向に関するリスク

① 市場規模について

電子商取引全体の市場は、インターネットの普及により年々拡大しています。こうした傾向は、今後も継続するものと認識していますが、インターネットへの法的規制が強化され、その利用が制限された場合には、市場の伸びが鈍化または縮小することがあり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② eマーケットプレイス事業について

当社は、インターネットを駆使して取引の場を提供するサービス事業を展開しています。電子商取引全体の市場は、今後も安定して拡大するものと考えていますが、出店または出品している取引先が独自にサイトを立ち上げる等、当社を介さずに直接取引を実施する可能性があります。当社は、買い手会員を増やし、売買の機会を増やすとともに、サービスの充実を図っていますが、出店社数、出品数、売買成約数、買い手会員数等が大幅に減少した場合、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 競合について

当社は、インターネットを駆使して売り手企業と買い手企業に、売買の場を提供するサイト運営会社ですが、多くの企業が既に当分野に進出しております。当社としては、取引先数、取引品目、価格等において他社との違いを打ち出し、差別化を図っておりますが、今後、画期的なサービスを提供する新たな事業会社の参入、あるいは競合他社の動向によって、売り手企業及び買い手企業が大幅に減少した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 社会インフラ及び他社製品・サービスに関するリスク

当社が運営するサービスは、電力やインターネット回線等の社会インフラや商品の配送、代金回収等の他社製品、サービスに依存しています。安定的にサービスを受けることができるよう良好な関係を築いておりますが、サービスの仕様変更や料金変動が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) システムに関するリスク

① セキュリティに関するリスク

当社のサービスは、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを通じて提供されており、システム全体にセキュリティ対策が施されています。しかしながら、IT関連の技術革新により、不正アクセス等の行為を完全に排除することはできません。第三者からの攻撃によるシステム障害、情報漏えい等の問題が発生した場合、業務停止等の事態が生じることになり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② システム障害に関するリスク

当社のシステムは、サーバーを分散し、定期的にデータのバックアップを保管する等の対策を講じており、システム上のトラブルが発生しても日常の業務に影響が起こらないような対策を講じていますが、故意過失に関わらず、大規模なシステム障害等の事故が発生した場合、業務停止等の事態が生じることになり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4) 技術開発ならびに設備投資に関するリスク

当社は、利用者の要望に応えるべく様々な新サービスの提供を行っています。しかし、新サービスの提供までには、相当の技術開発ならびに設備投資費用と準備期間を要することも想定され、不測の事態が発生し計画どおりに進捗できない場合、投下資本を回収できない場合など、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 特定人物への依存に関するリスク

当社の創業者であり代表取締役社長である村橋純雄は、当社の経営方針や戦略の決定等の事業活動上の重要な役割を担っています。事業運営及び業務執行において同氏に過度に依存しないように経営組織の強化、権限の委譲等により経営リスクの軽減を図るとともに、各分野について人材採用と育成の強化を図っていますが、不測の事態等により同氏が職務を執行できなくなった場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6) 人材の確保及び育成に関するリスク

当社の事業運営上、特に、高度な専門的知識を有する優秀なシステム開発要員を安定的に確保する必要があります。当社では、必要な技術の習得や開発ノウハウを蓄積する等、適宜対応しています。また、システム開発要員に限らず、事業拡大に応じて必要な人材の確保及び育成を図っていく方針ですが、当社が必要とする時期に必要な人材を十分に確保できなかった場合、または責任ある立場の社員が予期せず退職した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 訴訟等に関するリスク

当社が事業展開しているeマーケットプレイス型サービスは、取引の場の提供に特化しており、売買契約の当事者は、あくまでも売り手企業、買い手企業です。

そのため、商品の品質等に何らかのトラブルが生じた場合、当事者間で解決することを基本としていますが、取引の場の提供者として当社が責任を問われることになった場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 知的財産に関するリスク

現在当社は、事業運営にあたりいかなるロイヤリティ、特許使用料等も支払っておりませんが、今後、当社の事業分野において第三者の特許が成立した場合や、当社が認識していない特許等が現在成立している場合には、当該第三者より当該特許に関する対価(ロイヤリティ)の支払い請求、または損害賠償及び使用差止などの訴えを起こされる可能性があります。このような場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 風評に関するリスク

① ブランド毀損リスク

当社は、売り手企業及び買い手企業を事業者(法人および個人事業者)に限定し、かつ出店申込時に審査を行い、出品された商品がマニュアル等に基づき商品表示等が適正に行なわれているかにつき一定の確認を行っておりますが、売り手企業と買い手企業のトラブルが生じた場合は、当社のブランドイメージが悪化することがあります。このような場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② レピュテーションリスク

当社を対象とする様々な情報が流れることがあります。そのような情報は必ずしも事実に基づかないものもありますが、その真偽に関わらずステークホルダーを含む第三者の行動に結びつく可能性があります。このような場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)法的規制等に関するリスク

今後、法律、規則等が新規に施行された場合、または想定外の事態の発生により何かしらの法令に抵触した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)事務手続きに関するリスク

当社は、業務手続きにおいて各種社内システムを活用し、正確かつ効率的な取組みを実施しておりますが、一部、人的対応によるところがあります。ダブルチェック体制をとるなどの措置を講じておりますが、作業ミスによりシステムが誤作動を起こすことがあり、そのような場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)内部統制に関するリスク

今後、内部統制制度の欠陥や運用上の認識不足等により財務報告に重大な誤謬が発見された場合、信用が失墜し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)自然災害・火災・各種感染症等に関するリスク

地震、台風、津波等の自然災害、火災、各種感染症の拡大等が発生した場合、当社の事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に、大規模な自然災害が発生した場合は正常な事業運営が行えず、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(経営成績等の状況の概要)

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 

  (1)財政状態及び経営成績の状況

  ① 経営成績

 当事業年度(2023年2月1日~2024年1月31日)における世界経済は緩やかな回復が続いていますが、金融政策の転換に伴う各国でのインフレ発生、米国・欧州における金融部門の混乱、ロシア・ウクライナ戦争の長期化、中東でのガザ危機、中国経済の成長鈍化等の要因によって成長率が鈍化し、先行きへの不透明感が漂っています。

 国内経済を見ますと、金融緩和を当面継続する方針のもと、新型コロナウイルスに関する規制が緩和され、インバウンドを含む国内消費の回復が鮮明となりました。これは外食需要の回復や、鉄道・航空旅客数増加、宿泊業の活況等に現れ、円安による割安感も手伝って、訪日外国人の消費拡大が内需を押し上げています。

 他方で、「ゼロゼロ融資」等コロナ関連融資の返済開始や、助成金・補助金の縮小・打ち切りに伴い、企業の倒産・廃業件数が上昇傾向にあります。また、輸入原材料や光熱費等の上昇を理由に「国内小売の7割が2023年度に値上げ」「2023年は記録的な食品値上げラッシュ」といった報道から窺われるように、買い手企業・売り手企業ともに、コストダウンを図り利益を確保することが、喫緊の課題となっています。

 さらに中・長期的な視点では、コロナ禍を経て人口減少ペースに拍車がかかり、物流の2024年問題を抱える流通業に限らず、全ての業界で人手不足が深刻化して省人・省力化と生産性の向上が重要な課題となっています。

 

 このような事業環境のもと、「流通変革のためのインフラを創る」ことを使命とする当社は、運営サイトの売り手・買い手双方のニーズを的確に捉えた施策を、矢継ぎ早に実行しています。

 具体的には、売り手企業の出品商品の一元管理等を可能とするUX/UI改善を行い、「Mマート」は2023年2月に、「Bnet」は7月にリリースしました。3月に「三方会」を発足させ、創業以来の「売り手よし、買い手よし、世間よし」の理念に基づく、出店社と協働し共に成長する支援・コンサル活動を強化しました。4月には対話型AI(ChatGPT)を活用した出品・販売支援ツールを「Mマート」をはじめ食材の販売サイトで実用化し、日経電子版に記事が掲載される等マスコミからも注目されました。

 また、7月に夏商戦に合わせた催事「クラッシュ プライス ウイーク」を開催し、買い手会員には更に安価な購入機会を、出店企業には滞留在庫の処分機会を提供して、当社の売上増加にも寄与しました。その後も9月、11月、2024年1月と2ケ月に1回定期的に開催し、売り手・買い手双方から好評です。

 さらに9月には、継続ワンクリック発注の大幅リニューアルで利用者が数十倍になり3ケ月目には4,000万円を記録、eマーケットプレイスの最大の弱点であるワンプライスを克服するため、1商品複数ロット販売も始めたことで、売上が増加しました。

 そのほかにも、スマホ用「Mマート」アプリのリリース、円安に伴う海外バイヤーの利用増加に対応した「輸出可能商品コーナー」開設、15時までに発注すれば翌営業日発送を確約する「翌発」サービス開始等も行いました。

 なお、8月よりMマート市場の出店料を改定し、新規出店社は月額35,000円とするとともに様々なAI機能(おすすめレシピ、国別レシピ(和仏伊中)等)を提供することで、出店社の利便性の向上を図っています。

 

 以上のような取り組みの結果、買い手会員数は当事業年度末で214,969社(前事業年度末比14,260社増(7.1%増))と、昨年1月に20万社を超え9月に21万社を超えた後も、毎月1千社超の増加ペースは衰えておりません。売り手企業側もMマート市場を中心に、前期末対比3.4%増加しました。

 これに伴い、当事業年度における運営サイトの総流通高は、主に「Mマート」市場の伸びが貢献し、11,386百万円と初めて100億円を超えました(前事業年度比19.1%増)。

 

 このように、出店社数・出品社数がともに増加し、総流通高も増加したことに加えて、前事業年度第4四半期末より「Mマート」市場のマーケット利用料率を見直したことにより、出店料収入(月額固定)、マーケット/システム利用料収入(取引高比例)等による営業収益(売上高)は、1,171,668千円(同18.8%増)と増収となりました。

 営業費用(販売費及び一般管理費)は、システム技術部門、営業部門等の人員採用に伴い人件費や採用費が増加する一方で、前期に発生したサーバーのクラウド化に関する一時費用がなくなったことから、全体では8.1%の費用増加にとどまったため、営業利益は483,907千円(同38.3%増)、経常利益は482,860千円(同37.9%増)、当期純利益は324,893千円(同38.2%増)と、各利益ともに大幅な増益となりました。利益率も、営業利益率41.3%(前事業年度比5.8ポイント改善)、経常利益率41.2%(同5.7ポイント改善)、純利益率27.7%(同3.9ポイント改善)と改善しています。

 なお当社はeマーケットプレイス事業のみの単一セグメントのため、セグメント業績の記載を省略しています。

 

② 財政状態

当事業年度末における総資産は2,307,903千円となりました(前事業年度末比406,328千円増加)。

順調な事業成長に伴い、流動資産において営業未収入金をはじめとする営業債権と現金及び預金が増加したことが主な要因です。

 負債合計は751,991千円となりました(同145,125千円増加)。主に営業未払金やMコインに関する預り金等の営業負債が増加しました。

 純資産合計は1,555,911千円となりました(同261,203千円増加)。利益剰余金の増加(当期純利益計上による増加324,893千円、株主配当による減少63,576千円)によるものです。

以上の結果、当事業年度末の総資産に対する純資産比率は67.4%となりました。

 

 ③キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末の現金及び現金同等物は1,703,862千円と、前事業年度末に比べ329,180千円増加しました。

当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況と主な要因は、次のとおりです。
 営業活動により得られた資金は426,275千円となりました。主な内容は、税引前当期純利益482,860千円、預り金55,434千円の増加、法人税等の支払131,757千円です。

 投資活動に使用した資金は33,401千円となりました。主な内容は定期預金の預入30,003千円です。

 財務活動に使用した資金は63,693千円となりました。配当金の支払による支出63,580千円が主な内容です。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

  (1) 生産実績

当社は生産活動を行っていないため、該当事項ありません。

 

(2) 受注状況

生産実績と同様の理由により、受注状況の記載をしておりません。

 

(3) 販売実績

当事業年度における販売実績は、次のとおりです。

サービスの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

  eマーケットプレイス事業

1,171,668

18.8

合計

1,171,668

18.8

 

 

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。財務諸表を作成するにあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りが必要であり、経営者は見積りに際しては過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しているものの、見積り特有の不確実性によって、実際の結果が見積りと異なる場合があります。

当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。

 

(2) 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 

当事業年度の経営成績に関する詳細は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態及び経営成績の状況 ①経営成績」に記載のとおりです。

当事業年度は、前年対比、計画対比ともに増収・増益を達成しました。これは、コロナ禍等を背景に卸取引のリアルからネットへの移行が進むという「追い風」を受けながら、新市場や新機能を次々と立ち上げて顧客ニーズを深掘りしたこと、また、人材投資を行って営業部門、システム技術部門の人員を強化するとともに、営業部員を再教育して出店社(売り手)の販売支援を強化したこと、さらには販売サイトのUI/UX改善等のDXを一段と進める等のデータ・ドリブン経営を推進したことによるものです。

なお、今後の持続的な成長のため、新サイト構築を担うシステム開発要員や、新規出店社獲得と効果的な販売アドバイスのための営業要員など優秀な人材の採用については、引き続き積極的に行う方針です。

 

(3) 財政状態の分析

 当事業年度末の財政状態については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態及び経営成績の状況 ②財政状態」に記載しております。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

 (5)資本の財源及び資金の流動性

当社の運転資金・設備資金は、主に自己資金により充当しております。当事業年度末の現金及び現金同等物は1,703,862千円となり、将来に対して十分な財源及び流動性を確保しております。また、現時点において重要な資本的支出の予定はありません。

 

 (6)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、市場の成長速度、他社との競争力、技術革新への対応度合い、人材の確保や育成度合い、システム障害や自然災害・各種感染症、内部統制等の様々なリスク要因が存在し、当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

そのため、当社は、優秀な人材の採用と教育育成、新規サイトの開拓、魅力あるサービスの開発、海外への展開、セキュリティ対策等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分析し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存です。

 

 (7)経営者の問題認識と今後の方針について

当社の経営者は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社が今後さらなる成長と発展を遂げるためには、厳しい環境の中で様々な課題に対処することが必要であると認識しております。

当社としましては、戦略面及び組織面の課題を整理しながら、各課題に対して適切かつ効果的な対応を行ってまいります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 

(1) その他の契約

相手先の名称

相手先の所在地

契約品目

契約
締結日

契約期間

契約内容

ソニーペイメントサービス株式会社

東京都港区

業務提携

契約書

2015年
6月17日

2015年6月17日~
2016年6月16日

(以降1年更新)

クレジットカード決済の収納代行サービス

SGシステム株式会社

東京都江東区

WEBカード決済システム利用規約

2016年
6月30日

2016年6月30日~
2017年6月29日

(以降1年更新)

クレジットカード決済の収納代行サービス

ヤマト運輸株式会社

東京都中央区

商品代金

委託規約

2007年
11月28日

2007年11月28日決済サービス利用開始(以降1年更新)

代金引換決済の収納代行サービス

株式会社ジェーエムエーシステムズ

東京都港区

基本契約書

2021年
12月3日

2021年12月3日~
2022年12月2日

(以降1年更新)

システム開発、保守、インフラ整備等

 

 

 

 

6【研究開発活動】

 

該当事項はありません。