第一部【証券情報】

第1【募集要項】

1【新規発行株式】

種類

発行数

内容

普通株式

15,596,330株

完全議決権株式であり、権利内容に特に限定のない当社における標準となる株式

単元株式数 100株

 (注)1.本有価証券届出書による募集(以下「本第三者割当増資」といいます。)は、2024年4月8日付の取締役会決議によります。

2.本第三者割当増資は、割当先であるヒューリック株式会社(以下「ヒューリック」又は「割当予定先」といいます。)との間で2024年4月8日に締結した資本・業務提携契約変更契約(以下「本資本業務提携変更契約」といい、本資本業務提携変更契約に基づく変更後のヒューリックと当社との資本業務提携を「本資本業務提携」といいます。)に基づき、ヒューリックが当社を連結子会社化するための取引の一環であり、本第三者割当増資と並行して、ヒューリックによる当社普通株式(以下「当社株式」といいます。)を対象とする公開買付け(以下「本公開買付け」といい、本第三者割当増資と併せて「本取引」と総称します。)が行われます。本第三者割当増資は、本公開買付けの成立を条件としております。

3.振替機関の名称及び住所

株式会社証券保管振替機構

東京都中央区日本橋兜町7番1号

 

2【株式募集の方法及び条件】

(1)【募集の方法】

区分

発行数

発行価額の総額(円)

資本組入額の総額(円)

株主割当

その他の者に対する割当

15,596,330株

3,399,999,940

1,699,999,970

一般募集

計(総発行株式)

15,596,330株

3,399,999,940

1,699,999,970

 (注)1 第三者割当の方法によります。

2 発行価額の総額は、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。)上の払込金額の総額です。資本組入額の総額は、会社法上の増加する資本金の額(会社計算規則(平成18年法務省令第13号。その後の改正を含みます。)第14条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果1円未満の端数が生じたときは、その端数を切り上げるものとします。)です。また、増加する資本準備金の総額は、当該資本金等増加限度額から増加する資本金の額を減じた額とします。

 

(2)【募集の条件】

発行価格

(円)

資本組入額

(円)

申込株数単位

申込期間

申込証拠金

(円)

払込期間

218

109

100株

2024年5月23日から

2024年7月11日

2024年5月23日から

2024年7月11日

 (注)1.第三者割当の方法により行うものとし、一般募集は行いません。

2.発行価格は会社法上の払込金額であり、資本組入額は、上記「(1)募集の方法」に記載の資本組入額の総額を上記「(1)募集の方法」に記載の発行数で除して得た金額です。

3.申込み及び払込みの方法は、総数引受契約を締結し、払込期間中に下記「(4)払込取扱場所」に記載の払込取扱場所へ発行価額の総額を払い込むものとします。

4.払込期間の末日までに、割当予定先との間で総数引受契約を締結しない場合は、本第三者割当は行われないこととなります。

5.本第三者割当増資に関しては、2024年5月23日から2024年7月11日までを会社法上の払込期間として決議しております。払込期間を上記のとおりとした理由は、ヒューリックは、本公開買付けの成立を前提条件として、本第三者割当増資における払込みを、本公開買付けの決済開始日の前営業日に行うことを予定しており、本公開買付けの本公開買付期間が延長された場合には、上記払込みを行う日も延期されるためです。

 

(3)【申込取扱場所】

店名

所在地

株式会社リソー教育 管理企画局 経営企画部

東京都豊島区目白三丁目1番40号

 

(4)【払込取扱場所】

店名

所在地

株式会社みずほ銀行 高田馬場支店

東京都新宿区高田馬場三丁目3番6号

 

3【株式の引受け】

 該当事項はありません。

 

4【新規発行による手取金の使途】

(1)【新規発行による手取金の額】

払込金額の総額(円)

発行諸費用の概算額(円)

差引手取概算額(円)

3,399,999,940

76,999,940

3,323,000,000

 (注)1.発行諸費用の概算額には、消費税等は含まれておりません。

2.発行諸費用の概算額の内訳は、アドバイザリー費用(弁護士費用を含む。)約74,000千円、有価証券届出書作成費用等約2,000千円及び登記関連費用約1,000千円です。

 

(2)【手取金の使途】

 上記差引手取概算額3,323,000千円の具体的な使途につきましては、以下のとおり、①新規事業「こどもでぱーと」開設に伴う設備投資(新教室開設に伴う敷金、教室設備・備品取得費、初期投資費用)、②渋谷創造文化教育施設(敷金、内装施設工事、デザイン料等)、③DX戦略推進費用(顧客データベース、顧客との接点アプリケーション、教室ネットワーク等)、④防犯カメラ設置工事(教室内)、⑤戦略的M&A等の投資資金に充当する予定です。なお、調達した資金を実際に支出するまでは、銀行口座にて管理いたします。

具体的な資金使途

金額(千円)

支出予定時期

① 新規事業「こどもでぱーと」開設に伴う設備投資(新教室開設に伴う敷金、教室設備・備品取得費、初期投資費用)

1,291,000

2024年12月1日~2028年5月31日

② 渋谷創造文化教育施設(敷金、内装施設工事、デザイン料等)

710,000

2024年12月1日~2027年1月31日

③ DX戦略推進費用(顧客データベース、顧客との接点アプリケーション、教室ネットワーク等)

697,000

2024年6月1日~2026年2月28日

④ 防犯カメラ設置工事(教室内)

200,000

2024年6月1日~2024年7月31日

⑤ 戦略的M&A等の投資資金

425,000

2024年6月1日~2028年5月31日

 

① 新規事業「こどもでぱーと」開設に伴う設備投資(新教室開設に伴う敷金、教室設備・備品取得費、初期投資費用)

 学習塾業界においては1997年より進行の一途をたどる少子化に加え、教育制度改革や大学入試改革、GIGAスクール構想(注1)による学校への情報通信技術(以下「ICT」(Information and Communications Technology。従来わが国で広く一般的に使用されるITにSNSなども包含した概念をいいます。)といいます。)導入の前倒しなど、取り巻く環境が大きく変わろうとしており、特徴のない学習塾は淘汰される時代となっております。このような外部環境の中、当社は完全1対1の個別指導による高品質な教育サービスでの差別化戦略を推し進めており、その一環として2020年9月29日に、当社及びヒューリック並びにコナミスポーツ株式会社(以下「コナミスポーツ」といいます。)との3社で業務提携契約を締結し、子ども教育に関わる新規事業の共同検討を進めております。

 当該契約による提携は子ども向けワンストップサービスを展開する教育特化型ビル「こどもでぱーと」の開発及び展開を共同で行うもので、当社及びヒューリック並びにコナミスポーツの3社の知識・ノウハウ及びネットワーク等を相互活用することで「こども教育事業」における完全な囲い込み戦略でさらなる差別化の促進、教育分野における市場優位性の確保、相互のシナジーを発揮し、「子どもたちの未来のために」よりよい教育サービスの提供を可能にするものです。

 「こどもでぱーと」に伸芽'Sクラブ託児、名門小学校・幼稚園受験の伸芽会、伸芽'Sクラブ学童、進学個別指導塾TOMAS、マンツーマン英会話スクールのインターTOMASなど当社の各ブランドが入居することで、各ブランドのシナジー効果を発揮し、当社の推し進める年齢軸からの「囲い込み戦略」をより強固にすることで、同業他社とのさらなる差別化を図ることが可能となります。

 「こどもでぱーと」については、2025年春に2棟(中野、たまプラーザ)の開設が既に決定しており、さらに2026年以降も首都圏のターミナル駅を中心に計画が進んでおり、2029年までに20棟の展開を予定しております。

 2028年春までに開業が見込まれる10棟(検討中も含みます。)についての、敷金保証金、内装工事費用及び初期投資費用(システム開発・開校広告など)に2,291,000,000円を想定しております。「こどもでぱーと」の資金として、当社が2021年11月27日付で実施したヒューリックに対する第三者割当による自己株式の処分(以下「2021年第三者割当」といいます。)により1,000,000,000円を既に調達していることから、本第三者割当増資により、その差額となる1,291,000,000円をこちらの費用に充当する予定です。

(注1):「GIGAスクール構想」とは、文部科学省が提唱する、義務教育を受ける児童生徒のために、1人1台の学習者用PCと高速ネットワーク環境などを整備する計画をいいます。

 

② 渋谷創造文化教育施設(敷金、内装施設工事、デザイン料等)

 ヒューリックは、東京都と渋谷区が実施した「都市再生ステップアップ・プロジェクト(渋谷地区)渋谷一丁目地区共同開発事業」において、事業予定者として選定されたとのことです。

 当該事業は、東京都児童会館跡地と、隣接する渋谷区役所旧第二美竹分庁舎及び渋谷区立美竹公園を一体的に開発し、東京都と渋谷区が本事業で誘導する施設(創造文化教育施設、多様な都心居住を推進する施設等)を含む民間複合施設を整備・運営するPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)事業(注2)であるとのことです。

(注2) 「PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)事業」とは、行政と連携して公共資産(国・地方自治体所有地)の効率的な活用・運用をお手伝いする事業のことをいうとのことです。

 当該事業の計画地は、渋谷駅至近ながら敷地面積約10,000m2規模の希少な土地であり、延床面積約50,000m2の複合開発プロジェクトとなるとのことです。ヒューリックが2022年4月1日付で公表した「(東京都・渋谷区)都市再生ステップアップ・プロジェクト渋谷地区 渋谷一丁目地区共同開発事業の事業予定者に決定~ヒト・モノ・コトがLinkする、MITAKE Link Park(仮称)~」によれば、ヒューリックグループは、今後、東京都及び渋谷区と基本協定書を締結し、同所において、ヒト・モノ・コトがLinkする、「MITAKE Link Park」(仮称)を整備し、当該事業を推進していくとのことです。

 当社グループは、上記の「創造文化教育施設」について、企画、設計、運営までの全てを担うこととなっております。当社グループは、創造文化教育施設として建築される建築物のワンフロアを利用して、こどもにとって楽しく学びや経験のできる施設を設置・運営する予定で、当社グループのブランディングの拠点にも資すると考えております。これまでにない全く新しい施設・スペース・広場を展開することを予定しており、当社にとっても初めての試みでもあります。

 本第三者割当増資によって調達される資金のうち710,000,000円を上記施設の敷金保証金、内装工事、デザイン料、初期費用等に充当する予定です。

 

③ DX戦略推進費用(顧客データベース、顧客との接点アプリケーション、教室ネットワーク等)

 学習塾業界は、あらゆる環境の変化の波にさらされております。需要面では、終わりの見えない少子化が、解消の気配どころかますますそのスピードを増していることと同時に、大学の募集定員が受験生の数を上回る大学全入学の時代に突入しています。また、学習教材のデジタル化・AI化についても、コロナ禍を受けてタブレットが小・中学生に配布されたことにより、一気にその普及が進みました。更には、かつては急激に変化するデジタル化に対して、デジタルデバイドなる格差が問題となった時代もありましたが、今の保護者の世代は総じてインターネット等の情報通信技術にも明るくなっており従来のようなアプローチだけでは、訴求力を出せなくなっております。特に学習塾はサービス業であり、目に見える商品(モノ)がないため、目に見える箇所への戦略は、当社においては重要なものと位置付けております。

 具体的には、これまでは当社グループの各社が独立して個々にシステム導入をしてきた結果、蓄積された経営にとって有益である情報・ノウハウが共有されてないばかりか、重複するものもあるなど非効率的な投資がなされておりました。これを解消すべく、当社グループで横断的な組織として「DX戦略推進委員会」を設立し、これまで議論を重ねてまいりました。更に、昨年よりITシステムのコンサルティング会社(キヤノンITソリューションズ株式会社)と協働して、本格的に現状の問題点の把握、改善すべき箇所及び将来にわたるDXのビジョンについて取りまとめてまいりました。

 具体的なDXの実施内容としては、当社グループの各社の顧客データベースの統合に2億円、講師が現在手書きで記載している「査定日報」「授業実施レポート」などの入力をデバイス端末にて行えるようにするシステムの構築のために1.2億円、保護者や生徒が電話ではなく、ウェブサイトやポータルサイトから授業の出欠連絡をできるようにしたり、講師の作成した「授業実施レポート」を閲覧できるようにするための顧客との接点アプリケーションの開発に2億円、こうしたデジタル化に対応するための各教室・拠点のネットワーク設備強化に1億円、当社は完全1対1の個別指導を行っているため、一人ひとり、その子にあった「百人百様のカリキュラム」が指導の肝になりますが、当該カリキュラムのフォーマット化、ひいてはビッグデータ解析を可能にするナレッジ化に0.7億円の支出を予定しております。

 本第三者割当増資による資金調達のうち、697,000,000円を上記DX戦略推進費用に充当する予定です。

 

④ 防犯カメラ設置工事(教室内)

 昨年より、同業他社において社員や講師による生徒への盗撮や個人情報の漏洩という残念なニュースがありました。当社が提供する場が、こどもたちが安心して通える、保護者が安心して通わせられる場所であることは、学習塾以前の当たり前のことであると当社では考えております。

 そうした不安に対して、問題が起きる前に先んじて防止策及び予防策を講じることとし、その一つの方策として、当社グループが展開する各教室への防犯カメラ設置を決断いたしました。具体的には、全教室に複数台(1教室10台程度)の防犯カメラ設置を進めてまいります。本第三者割当増資による資金調達のうち、200,000,000円を上記防犯カメラ設置費用に充当する予定です。

 

⑤ 戦略的M&A等の投資資金

 当社は、既存事業の強化・拡大のため、シナジー効果がある事業会社との戦略的M&Aを検討、推進しており、財務基盤の強化と財務の柔軟性を確保するため、戦略的M&A等の投資資金を拡充することを予定しております。なお、M&A等の資金の支出予定期間内において、M&A等の案件成立に至らなかった場合であっても、引き続き、案件についての協議を継続し、案件成立が決定した時点で資金を充当する予定であり、当該状況が発生した場合は適時適切に公表いたします。

 当社の現状の事業規模を基に、約25億円規模でのM&Aの候補を検討範囲に含めており、当該金額の半分程度の資金を自己資本より支出することを予定しております。当社が2021年第三者割当によりM&A資金として830,000,000円を調達いたしましたが、そのうち株式会社KIDS SMILE HOLDINGSに対する出資のため、55,000,000円を当該M&A資金として使用いたしました。そのため、現在は、2021年第三者割当により調達したM&A資金のうち775,000,000円を現金として所有しております。従いまして、本第三者割当増資による資金調達のうち、上記戦略的M&A等の投資資金として支出する予定である自己資本(12億円)と2021年第三者割当により調達した資金のうち現在当社が現金として所有している775,000,000円との差額である425,000,000円を戦略的M&A等の投資資金に充当する予定です。なお、本書提出日現在においては具体的な決定案件はありませんが、継続的にM&A案件の事案が持ち込まれており、その都度慎重に検討しております。

 

第2【売出要項】

 該当事項はありません。

 

第3【第三者割当の場合の特記事項】

1【割当予定先の状況】

(1)割当予定先の概要及び提出者と割当予定先との間の関係

割当予定先の概要

名称

ヒューリック株式会社

本店の所在地

東京都中央区日本橋大伝馬町7番3号

直近の有価証券報告書等の提出日

(有価証券報告書)事業年度 第94期

(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

2024年(令和6年)3月19日 関東財務局長に提出

提出者と割当予定先との間の関係

出資関係

当社が保有している割当予定先の株式の数

当社は割当予定先が発行する普通株式104,400株(発行済株式総数に対する割合:0.014%)を保有しております。(2024年4月8日現在)

割当予定先が保有している当社の株式の数

割当予定先は、当社の普通株式31,842,039株(発行済株式総数に対する割合:20.38%)を保有しております。(2024年4月8日現在)

人事関係

割当予定先の代表取締役1名が、当社の取締役を兼任しております。

資金関係

該当事項はありません。

技術又は取引等の関係

当社は、割当予定先との間で、2020年9月29日付で、資本業務提携契約を締結しております。また、当社は割当予定先との間で不動産の賃貸借契約を締結しています。

 割当予定先の概要及び提出者と割当予定先との間の関係の欄は、特に記載のない限り2024年4月8日現在のものです。

 

(2)割当予定先の選定理由

 当社は1985年7月の創業以来、「生徒の個性・個人差は千差万別。その個人差に的確に対応できる教育こそが本物の教育であり、理想の教育である。」という理念のもと、同業他社との差別化をより明確にした「ひと部屋に生徒一人に先生一人」の全室ホワイトボード付の完全1対1の個別指導システムにより、個々の生徒の個性・個人差に的確に対応した質の高い教育サービスを提供しております。

 学習塾業界においては1997年より進行の一途をたどる少子化に加え、教育制度改革や大学入試改革、GIGAスクール構想による学校へのICT導入の前倒しなど、取り巻く環境が大きく変わろうとしており、特徴のない学習塾は淘汰される時代となっております。

 このような外部環境に対して、少子化を前提としたビジネスモデルの当社グループは、「すべては子どもたちの未来のために」という考え方から、高品質な「本物」の教育サービスを提供し、徹底した差別化戦略によって日本を代表するオンリーワン企業を目指すことを経営の基本方針とし、さらに、新型コロナウイルス感染症の影響に対しても、子どもたちの教育の場を守るために、安心して通塾できる環境作りに注力することで、他社とのさらなる差別化を図っております。

 また、当社の成長戦略の一つとして、資本業務提携及び業務提携を推進しております。

 一方、ヒューリックは、1957年3月に、創業の地である東京・日本橋にちなみ、「日本橋興業株式会社」として設立されたとのことです。ヒューリックは創業以来、不動産事業を中心に事業を営んでまいりましたが、2007年1月に、創業50周年の節目を迎えるにあたり、商号を「ヒューリック株式会社」に改め、建替、投資・M&Aを中心に独自の成長戦略により、企業基盤を着実に強化しつつ、新たな事業の推進を図っているとのことです。

 ヒューリックが発行する株式については、2008年11月に株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)市場第一部に上場し、2022年4月に東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所市場第一部から東京証券取引所プライム市場に移行し、現在に至っているとのことです。

 ヒューリックのグループは、本書提出日現在、ヒューリック、子会社24社(連結子会社19社、非連結子会社5社)及び関連会社24社(持分法適用関連会社17社(当社を含みます。)、持分法非適用関連会社7社)(以下「ヒューリックグループ」といいます。)により構成されており、「不動産事業」、「保険事業」、「ホテル・旅館事業」及び「その他」の事業を営んでいるとのことです。

 「不動産事業」では、安定的で効率的な収益構造を確立している不動産賃貸業務、保有物件の建替及び都心部の好立地において開発を行う不動産開発業務、賃貸ポートフォリオ拡大のための不動産取得や不動産バリューアッドビジネス(注3)等の不動産の取得・販売を行う不動産投資業務、投資法人等のアセットマネジメント業務等を行っているとのことです。ヒューリックグループにおいては、2023年12月期において連結営業収益の約9割が「不動産事業」となっているとのことです。また、「保険事業」では生損保の保険代理店業務、「ホテル・旅館事業」ではホテル及び旅館の運営業務、「その他」では建築工事請負業務、設計・工事監理業務などを行っており、各事業の詳細は以下のとおりとのことです。

(注3) 「不動産バリューアッドビジネス」とは、ヒューリックの保有物件や、新たに購入・出資した不動産に対し、改装、リニューアルやリノベーション、増築、用途変更、遵法性・耐震性の回復等を行い、資産価値の最大化を図る事業のことをいうとのことです。

 

(ⅰ)不動産事業

(a)不動産賃貸業務

 ヒューリックグループの中核事業は、東京23区の駅近を中心に保有・管理する約250件(販売用不動産を除きます。)の賃貸物件を活用した不動産賃貸事業であり、賃貸可能面積は約138万㎡となっているとのことです。この賃貸資産ポートフォリオを有効に活用し収益力の一層の強化を図るため、建替による賃料収入の増強を実現し、安定的な賃貸収入を得ることがヒューリックのビジネスモデルの中核となっているとのことです。また、賃貸ポートフォリオを拡充させるため、ヒューリックのポートフォリオ概念に沿った好立地物件の不動産取得、不動産関連SPCへの出資にも取り組んでいるとのことです。不動産賃貸業務については、ヒューリック、連結子会社及び持分法適用関連会社において行っているとのことです。

 また、企業の保有する不動産の有効活用を提案・実行するCRE(Corporate Real Estate)事業(注4)や、マーケットの拡大が予想される高齢者・観光・環境ビジネスにおいても、不動産賃貸事業の強化及び組織の強化に取り組んでいるとのことです。2023年9月には、CROSSCOOP株式会社(現商号はヒューリックビズフロンティア株式会社)の完全子会社化によるレンタルオフィス事業への参入を通じ、新たな事業機会の創出を目指しているとのことです。

(注4) 「CRE(Corporate Real Estate)事業」とは、法人顧客が保有する不動産の有効活用のお手伝いを通じて、企業価値向上のサポートをする事業のことをいうとのことです。

(b)不動産開発・建替業務

 ヒューリックは、物件立地特性に応じた不動産開発業務を行っているとのことです。特に従来から保有している賃貸物件の建替の着実な推進によるポートフォリオの質的改善を行っているほか、新規の物件取得・開発・売却を通じた付加価値創出の実現を目指し、開発業務を推進しているとのことです。

 PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)事業では、新会社を設立し、東京都渋谷区において渋谷一丁目地区共同開発事業の事業推進を図っているとのことです。

(c)アセットマネジメント業務

 ヒューリックの連結子会社であるヒューリックリートマネジメント株式会社は、J-REIT事業への参入のため2014年2月に東京証券取引所不動産投資信託証券市場へ上場したヒューリックリート投資法人からアセットマネジメント業務を受託しているとのことです。

 また、ヒューリックの連結子会社であるヒューリックプライベートリートマネジメント株式会社は、2017年11月に運用を開始したヒューリックプライベートリート投資法人等からアセットマネジメント業務を受託しているとのことです。

(d)その他

 ヒューリックは、不動産マーケットにおける多様なニーズに対応して、不動産バリューアッドビジネス等、不動産の取得・販売業務も行っているとのことです。

 その他、ヒューリックの連結子会社であるヒューリックビルマネジメント株式会社などは、賃貸不動産に関連する業務としてビル管理業務、警備業務及びビル清掃業務を行っているとのことです。

 また、ヒューリックの連結子会社であるヒューリックプロパティソリューション株式会社は、不動産バリューアッドビジネスに伴う建築工事の企画、設計、査定、管理及びコンサルティング業務を行っているとのことです。

 

(ⅱ)保険事業

 ヒューリックの連結子会社であるヒューリック保険サービス株式会社は、損害保険会社20社・生命保険会社24社及び少額短期保険会社1社と代理店契約を締結し、火災保険・自動車保険等の損害保険代理店業務、定期保険・養老保険等の生命保険及び医療保険等の募集業務を行っているとのことです。また、保険代理店業務に関連する集金代行業務も行っているとのことです。

 保険事業は法人マーケットに重点を置いた営業を展開しているとのことですが、個人顧客にも「お客さま第一」のきめ細やかなサービスを提供し、法人・個人のバランスのとれた営業基盤を築いているとのことです。

 

(ⅲ)ホテル・旅館事業

 ヒューリックの連結子会社であるヒューリックホテルマネジメント株式会社は「THE GATE HOTEL」シリーズ及び「ビューホテル」シリーズ、ヒューリックふふ株式会社は「ふふ」シリーズを中心に、ホテル及び旅館の運営を行っているとのことです。

 

(ⅳ)その他

 ヒューリックの連結子会社であるヒューリックビルド株式会社は、ヒューリックの保有ビル等の営繕工事、テナントの入退去時の内装工事を中心とした建築工事請負業務、設計・工事監理業務等を行っているとのことです。

 また、「こども教育事業」については、当社とコナミスポーツとの3社での業務提携に基づき、子どもを対象にした教育関連サービスをワンストップで提供する教育特化型ビルである「こどもでぱーと」の事業等を推進しているとのことです。

 

 今後の経済環境の見通しについて、ヒューリックは、景気回復の動きは継続するものの、金融資本市場の変化や、物価上昇圧力、人手不足の深刻化などによる先行き不透明な状況が続くものと予想しているとのことです。

 また、不動産事業環境について、ヒューリックは、日本銀行の金融正常化に向けた動きはあるものの、急速な引き締めを直ちに懸念する状況にはないと想定しており、収益不動産の投資市場は引き続き概ね堅調に推移すると考えているとのことです。

 こうした環境のもと、ヒューリックグループは、2023年1月30日に、中長期経営計画(2020-2029)のフェーズⅡに位置する新中期経営計画(2023-2025)を策定・公表したとのことです。当該中期経営計画では、「格付水準の維持を目線としながら、環境変化に対応した高品質の賃貸ポートフォリオ構築とサステナブル経営の更なるレベルアップを図る」ことを基本方針と定め、(ⅰ)高品質の賃貸ポートフォリオ構築と柔軟な収益構造を維持・強化、(ⅱ)開発・建替、バリューアッド物件のパイプライン充実。出口を多様化して確実に収益化、(ⅲ)新規事業領域の取組み強化による収益源の多様化、(ⅳ)格付水準の維持を目線とした財務健全性の確保とリスク管理、(ⅴ)環境対応、人的資本育成対応などサステナブル経営の一層の深化、の5点を「対処すべき課題」として捉えているとのことです。

 特に、「(ⅲ)新規事業領域の取組み強化による収益源の多様化」については、ヒューリックグループは、高齢者、観光、環境の他、当社及びコナミスポーツと展開するこども教育事業分野等の既取組分野の事業拡大を実現する手段として、他企業との協業・提携、M&A等を積極的に活用していく方針であるとのことです。また、中長期戦略の一環として約500億円の成長戦略投資枠を設定し、社会課題・地域課題に対応した新規事業領域を幅広く探索していく方針であることに加えて、海外事業においても500億円の別の投資枠を設定し、今後成長が見込まれるマーケットにおいて、知見を有するパートナーとの共同事業等により、リスクの低減を図りつつ米国の高齢者住宅への投資等にも着手していく方針であるとのことです。

 本第三者割当増資の割当予定先であるヒューリックは、上記のとおり、共働き世帯の増加、幼児教育無償化、教育資金の贈与税非課税制度等を背景に、「こども教育事業」は今後有望なマーケットとしてビジネスチャンスが広がる領域であると考えているとのことです。

 2020年9月29日付「ヒューリック株式会社及びコナミスポーツ株式会社との業務提携に関するお知らせ」にてお知らせいたしました、当社及びヒューリック並びにコナミスポーツとの業務提携では、共働き夫婦にとって学習塾、スポーツ教室など習い事の送迎が一番のネックになっていることに着目し、ヒューリックの「不動産」、当社の「教育」、コナミスポーツの「スポーツ」を一つにした、教育特化型ビル「こどもでぱーと」の開発及び展開を共同で行います。

 当社においては、「こどもでぱーと」に伸芽'Sクラブ託児、名門小学校・幼稚園受験の伸芽会、伸芽'Sクラブ学童、進学個別指導塾TOMAS、マンツーマン英会話スクールのインターTOMASなど当社の各ブランドが入居することで、各ブランドのシナジー効果を発揮し、当社の推し進める「囲い込み戦略」をより強固にすることで他社とのさらなる差別化の促進、教育分野における市場優位性の確保、相互シナジーを実現し、「子どもたちの未来のために」よりよい教育サービスの提供が可能になると考えております。

 また、当社の2020年9月29日付「ヒューリック株式会社との資本・業務提携に関するお知らせ」にてお知らせしておりますとおり、当社は、同日付でヒューリックとの間で資本・業務提携契約書を締結しており、同提携により、当社は、ヒューリックが所有及び開発する駅前一等地の物件の紹介を優先的に受けることができ、生徒及び保護者により通ってもらいやすい立地での教室展開が可能となりましたが、この度、ヒューリックとの提携関係をより強固にすることで、今後の当社の新校舎の展開が有利になるものと考えております。

 当社は、今後の事業の拡大に向けた増資の必要性を勘案し、新規株式の第三者割当による割当予定先としてヒューリックを含むいくつかの候補先を検討していたところ、ヒューリックは既に当社の株式を所有しており、かつ当社グループとの取引関係があることから、引き続き資本業務提携の強化を行うことで、上記のヒューリックとの提携によって得られる「こどもでぱーと」における事業展開や有利な新校舎の展開を基に、「こども教育事業」における完全な囲い込み戦略による差別化を促進し、教育分野における市場優位性を確保することで相互にシナジーを発揮し、当社グループ全体への拡大による新たな顧客層の開拓可能性の拡大など、顧客満足度の向上が見込まれることから、両社の収益拡大につながるものと考え、2023年12月下旬、本第三者割当増資の割当予定先としてヒューリックを選定いたしました。

 当社は、ヒューリックに対して実施した2021年第三者割当後も、ヒューリックとの資本業務提携に基づき上記の施策を推し進めてきたところ、ヒューリック及び当社において、さらなる提携の強化による教育業界全体を巻き込んでの業界再編及びビジネスモデルそのものの進化が必要との共通認識を持つようになりました。

 加えて、教育業界を取り巻く環境は大変厳しいものとなっております。日本国内におきましては、終わりの見えない少子化問題がコロナ禍を受けてよりさらに加速しており、大学全入学時代の到来も相まって受験産業そのものの創造価値が何であるかを問われる中で、大手大学受験予備校などは苦戦している事業者も多く、中堅の多くの学習塾もそうした社会トレンドにおいて苦戦傾向にあるものと推察されます。

 一方で、当社の教育ビジネスは既に30年以上も前に、これから来るであろう“少子化”を前提とした「完全1対1の個別指導塾」を長きに渡って展開してきており、その成長はむしろ“少子化”を追い風にして業績を伸ばしてきました。そもそも“少子化”というのは、子どもがいなくなるわけではなく、子どもが少なくなることであり、それは一人当たりにかけられる教育費が上がることも意味しており、ひいては安全で確実な教育サービスが求められる時代の到来と考えております。当社の「完全1対1の個別指導塾」は、こうした考えで作り上げたビジネスモデルであり、今後もこのニーズは高まっていくものと考えております。

 当社が提供するサービスの根底には、質の高い本物の教育サービスという考え方があり、その究極的な形として、完全1対1の個別指導を商品として提供しております。ヒューリックも、同社の事業分野は不動産業が中心であり当社のそれと異なるものの、永く「安心と信頼に満ちた社会」の実現に貢献すべく質の高いオフィスビルや、ホテル、旅館、介護施設等の提供をしていることから、顧客対象が互いにフィットしており、そうした本物を求める人たちへの訴求力のシナジー効果があるものと認識しております。

 当社としては、ヒューリックが不動産事業において地域・エリアを限定しており、その戦略性が当社の展開するビジネスモデルと共通する点が多く、一方で両社の事業内容は異なることから、両社が一体となって事業展開することのシナジー効果は計り知れないと考えていると同時に、こうした異業種間での一体化も他に例がなく、真似のできない唯一無二の戦略になると期待しております。

 2025年には、「こどもでぱーと」の第1棟目と第2棟目が完成する予定であり、「こどもでぱーと」の開設により、顧客の視点からは勉強(学習塾や英会話など)とスポーツや音楽など(体操、水泳やピアノ、バイオリンなど)の習い事ごとに別々の場所へ通わせていた(送り迎えをしていた)のが、一ヶ所で事足りることから、同じ日に連続して別の習い事を連続させることも可能になること、また、兄弟でそれぞれ異なる種類の習い事に同時に通わせることも可能となることから、その利便性が格段に上がります。その一方で、供給面からしても同じビルに異なるサービスを提供できるようになることで、当社のような複数の教育サービスを提供している事業会社はそのマネジメント面での効率性がより高まると同時に、異業者間での顧客の紹介による生徒集客のコストダウンが格段に図れることになります。既に体操教室に通っている生徒にとっては、離れた場所にある学習塾に通うよりも同じビルにある学習塾に通う方が利便性も高く、子どもにとっても通塾に対するハードルも低くなりえます。

 当社としては、このような施設を首都圏のターミナル駅を中心に展開していくことで、これまで獲得し損ねていた本物の教育サービスを求めている顧客層に対しての訴求力を上げてまいります。

 当社は、今回の本第三者割当増資において割当予定先を選定するにあたり、当社の企業価値を高める上で、業務及び事業内容が相互において競争関係になく、かつ対象とする顧客層が一致しているかを選定基準に設定いたしました。当社としては、当該基準の中で、上記の連携も踏まえ、ヒューリックが最も当社にとってシナジー効果が高く、またディスシナジーが少ないと考えられるパートナーであると判断しております。

 以上のように、本取引の実施が、両社グループのそれぞれの企業価値及び株主価値の向上を図るための手段として極めて有効であるとの考えで両社が一致したことから、当社とヒューリックは、本取引の実施を決定するとともに、2024年4月8日付で本資本業務提携変更契約を締結いたしました。なお、本資本業務提携変更契約の概要は以下のとおりです。

① 目的

 当社をヒューリックの連結子会社とし、ヒューリックグループと当社グループが、それぞれ有する専門性及び経営資源を相互に活用することにより、こども教育に関わる事業等を発展させることを目的とする。

 

② 本公開買付けに関する事項

 当社は、本資本業務提携変更契約の締結日において、本公開買付けに賛同する(但し、当社の株主による本公開買付けに対する応募については中立とする。)(以下「本賛同意見」という。)旨の取締役会決議(以下「本賛同決議」という。)を行い、その内容(利害関係を有しない取締役全員の賛成によるものである旨を含む。)を東京証券取引所の有価証券上場規程(以下「上場規程」という。)に従い公表するとともに、本公開買付けの開始日において、法令等に従い本賛同意見の内容を記載した意見表明報告書を提出する。

 当社は、本資本業務提携変更契約の締結日から公開買付期間の末日までの間、本賛同決議を維持し、変更又は撤回せず、また、本賛同決議と矛盾する内容のいかなる決議(以下「本賛同決議の変更等」という。)も行わない。但し、当社が本資本業務提携変更契約に違反することなく、本資本業務提携変更契約の締結日以降、公開買付期間の末日の5営業日前までに、ヒューリック以外の第三者が当社株式を対象として本公開買付価格を一定程度上回る買付価格による公開買付け(以下「対抗取引」という。)を開始した場合において、本賛同意見を表明することは相当であることの当社の特別委員会の答申が変更又は撤回され、かつ、当社の取締役会が、当社の弁護士による法律意見書に基づき、当社が本賛同決議を維持することが、当社の取締役の善管注意義務に違反する具体的なおそれがあると客観的かつ合理的に判断し、ヒューリックに対してその旨をかかる判断に関する合理的な説明(当該法律意見書その他のかかる判断に至った根拠及び理由を含む。)とともに書面により通知した場合には、当社は、当社の取締役の善管注意義務に違反しないために合理的に必要な範囲で、本賛同決議の変更等を行うことができる。

 当社は、本資本業務提携変更契約の締結日から本公開買付けに係る決済開始日までの間、本取引と実質的に抵触し又は本取引の実行を困難にする取引及びそれらに関する合意を行わず、かつ、かかる取引に関する提案、勧誘、協議、交渉又は情報提供を行わない。

 当社は、第三者から本取引と実質的に抵触し又は本取引の実行を困難にする取引に関する情報提供、提案、勧誘、協議その他の申出を受けた場合には、速やかに、ヒューリックに対して、その事実及び内容を通知し、対応について、ヒューリックとの間で誠実に協議する。但し、第三者から当社に対して対抗取引に係るその具体的な取引条件を明示した書面による提案があった場合であって、ヒューリックとの間の協議の結果を踏まえて誠実に検討してもなお、当社の取締役会が、当社が当該第三者に対して情報提供、協議又は交渉を行わないことが当社の取締役としての善管注意義務に違反する具体的なおそれがあると客観的かつ合理的に判断し、ヒューリックに対してその旨をかかる判断に関する合理的な説明(かかる判断に至った根拠及び理由を含む。)とともに書面により通知したときは、この限りではない。

 ヒューリック及び当社は、本取引の実行に伴い必要となる手続や事項(司法・行政機関等からの許認可等の取得及び司法・行政機関等への届出の提出を含む。)を誠実に遂行し、これらについて相互に誠実に協力する(司法・行政機関等に対して必要な情報を提供するための協力を含む。)。

 

③ 本第三者割当増資に関する事項

 当社は、本資本業務提携変更契約の締結日において、大要以下の各号に掲げる条件で本第三者割当増資を行う旨の取締役会決議を行い、その内容(利害関係を有しない取締役全員の賛成によるものである旨を含む。)を上場規程に従い公表するとともに、法令等に従い、本第三者割当増資に係る有価証券届出書(以下「本有価証券届出書」という。)を提出する。

(1)募集株式の種類及び数 :当社株式 15,596,330株(以下「本募集株式」という。)

(2)払込期間       :2024年5月23日から2024年7月11日まで(以下「本払込期間」という。)

(3)払込金額       :当社株式1株につき218円

(4)払込金額の総額    :3,399,999,940円

(5)増加する資本金の額  :1,699,999,970円

(6)増加する資本準備金の額:1,699,999,970円

(7)割当方法       :第三者割当の方法によりヒューリックに割り当てる。

 当社は、本資本業務提携変更契約の締結日から本払込期間の末日までの間、本第三者割当増資を行う旨の取締役会決議(以下「本第三者割当増資決議」という。)を維持し、変更又は撤回せず、また、本第三者割当増資決議と矛盾する内容のいかなる決議も行わない。但し、本公開買付けが成立しなかった場合にはこの限りではない。

 当社は、事前にヒューリックの書面による承諾を得た場合を除き、本第三者割当増資により払い込まれた資金を、①新規事業「こどもでぱーと」開設に伴う設備投資(新教室開設に伴う敷金、教室設備・備品取得費、初期投資費用)、②渋谷創造文化教育施設(敷金、内装施設工事、デザイン料等)、③DX戦略推進費用(顧客データベース、顧客との接点アプリケーション、教室ネットワーク等)、④防犯カメラ設置工事(教室内)、⑤戦略的M&A等の投資資金のために使用する。

 ヒューリック及び当社は、本公開買付けが成立した場合、本資本業務提携変更契約の規定に従い、本第三者割当増資につき総数引受契約書を締結する。この場合、ヒューリックは、本公開買付けに係る決済開始日の前営業日までの日において、本募集株式に係る払込金額の払込みを行う。なお、本公開買付けが成立しなかった場合、ヒューリックは、当該払込金額の払込みの全部を行わない。

 

④ 業務提携の内容に関する事項

 ヒューリック及び当社は、以下に関する業務提携を行う。

(ⅰ)こども教育に関わる新規事業・M&Aの共同検討

(ⅱ)ヒューリックグループが所有・開発する不動産への当社グループの新規出店検討

(ⅲ)ヒューリックグループによる当社グループの不動産戦略サポート

(ⅳ)両社の知識・ノウハウ及びネットワーク等の相互活用

 

⑤ 当社の運営に関する合意

 ヒューリックは、当社の取締役の候補者1名及び監査役の候補者(但し、当社において会社法第335条第3項の要件を充足するために当該候補者が社外監査役である必要がある場合、当社の独立社外監査役の要件を充足する者とする。)1名を推薦することができる。

 当社は、以下の事項を決定し又は実施しようとする場合には、ヒューリックに対して事前にその内容を通知し、ヒューリックの事前の書面による承諾を得る。

(ⅰ)株式等(株式、新株予約権(ストック・オプションを含む。)、新株予約権付社債、転換社債、新株引受権その他当社の株式を新たに取得できる証券又は権利を総称していう。)の発行、処分若しくは付与又はこれらに関する合意(本資本業務提携変更契約の締結日において発行済みの新株予約権に基づく株式の発行、処分若しくは付与を除く。)

(ⅱ)株式又は新株予約権の無償割当て

(ⅲ)自己株式又は自己新株予約権の取得、株式の分割又は株式の併合

(ⅳ)合併、会社分割、株式交換、株式移転、株式交付その他の組織再編行為又は事業の全部若しくは重要な一部の譲渡又は譲受

(ⅴ)その他本公開買付けの決済完了時点におけるヒューリックの当社に対する議決権保有割合に変動を生じることとなる一切の行為(本資本業務提携変更契約の締結日において発行済みの新株予約権に基づく株式の発行、処分若しくは付与を除く。)

 当社は、以下の事項を決定し又は実施しようとする場合には、ヒューリックに対して事前にその内容を通知し、ヒューリックとの間で誠実に協議を行う。

(ⅰ)定款変更

(ⅱ)資本金の額の増加又は減少

(ⅲ)解散若しくは清算又は倒産手続等の開始の申立て

(ⅳ)上場廃止基準に該当する可能性のある行為又は上場廃止の申請

(ⅴ)会計方針、会計実務若しくは税務の処理原則の重要な変更又は事業年度の変更

(ⅵ)法令等に基づきヒューリックグループにおいて公表又は第三者に対する開示が必要となり得る事項、当社グループ以外のヒューリックグループに関連する事項その他ヒューリックグループの利害に影響を及ぼし得る事項についての公表又は第三者に対する開示

(ⅶ)その他法令等及び当社の定款に基づき当社の株主総会の特別決議が必要とされる事項

 ヒューリック及び当社は、本取引の実行後、上場会社に適用されるコーポレートガバナンス・コードの各原則その他の上場規則等の趣旨を踏まえ、当社及び株主共同の利益を尊重し、当社の少数株主の利益に配慮しつつ、当社が上場会社としてヒューリック及び当社が協議の上合理的に必要と認める水準のガバナンス体制を構築する方針であることを確認する。ヒューリック及び当社は、本取引の実行後、当社が、ヒューリックグループと当社グループの間の取引その他ヒューリックグループと当社の一般株主との間の利益が相反する重要な取引について、取引の必要性及び条件の妥当性について十分に審議し、その適正性を確保するための合理的な措置を講じることに合意する。

 

(3)割り当てようとする株式の数

当社株式 15,596,330株

 

(4)株券等の保有方針

 当社は割当予定先より、中長期的に保有する方針である旨の意向を口頭にて当社の取締役副社長(最高財務責任者)の久米正明が確認しております。

 なお、当社は、割当予定先から、割当予定先が払込期日から2年以内に本第三者割当増資により発行される当社株式の全部又は一部を譲渡した場合には、その内容を当社に対し書面により報告すること、並びに当社が当該報告内容を東京証券取引所に報告すること、及び当該報告内容が公衆の縦覧に供されることに同意することにつき、確約書を取得する予定です。

 

(5)払込みに要する資金等の状況

 当社は、割当予定先の払込みに要する財産の存在について、割当予定先が関東財務局長に提出している「2023年12月期の有価証券報告書(2024年3月19日提出)」に記載されている連結財務諸表により、割当予定先が本第三者割当増資の払込みに要する十分な現預金その他の流動資産(現金及び預金:47,615百万円、流動資産合計:303,787百万円)を保有していることを確認しており、その後かかる財務内容が大きく悪化したことを懸念させる事情も認められず、本第三者割当増資に係る払込みの確実性に、特段の問題はないものと判断しております。

 

(6)割当予定先の実態

 割当予定先は、東京証券取引所プライム市場に上場しており、会社の履歴、役員、主要株主等について有価証券報告書等において公表しております。また、割当予定先は、東京証券取引所に提出している2023年6月6日付「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」の中で、「内部統制システム等に関する事項」の「反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況」において、反社会的勢力による経営活動への関与や当該勢力による被害を防止する観点から、反社会的な活動や勢力に対しては毅然とした態度で臨み、一切の関係を遮断することを基本方針としており、社内において統括部署や不当要求責任者を設置し、対応マニュアルの整備、定例的な研修の実施、幅広い情報収集、警視庁等外部専門機関との連携などの体制を整備している旨の宣言をしております。また、当社は、割当予定先から、同社が反社会的勢力排除のための体制を整備していることを文書により確認いたしました。以上から、当社は、割当予定先、割当予定先の役員若しくは子会社又は割当予定先の主要株主が反社会的勢力とは一切関係がないものと判断しております。

 

2【株券等の譲渡制限】

 該当事項はありません。

 

3【発行条件に関する事項】

(1)払込金額の算定根拠及び合理性に関する考え方

 本第三者割当増資により発行する当社新株式の払込金額につきましては、割当予定先との協議により、本第三者割当増資に係る取締役会決議の直前取引日(2024年4月5日)における東京証券取引所が公表した当社株式の終値(以下「当社株式直前取引日終値」という。)と同額である218円としました。

 取締役会決議の直前取引日における東京証券取引所の当社株式終値を採用することとしたのは、払込金額を原則として取締役会決議の直前取引日の価格に0.9を乗じた額以上の価格であることとする日本証券業協会「第三者割当増資の取扱いに関する指針」(2010年4月1日制定)に準拠して、直近の株価が現時点における当社の客観的企業価値を適正に反映していると判断したためです。

 なお、本第三者割当増資により発行する当社新株式の払込金額は、本第三者割当増資に係る取締役会決議日の直前取引日(2024年4月5日)までの直前1ヶ月間の当社株式の終値単純平均値である221円(小数点以下を四捨五入。以下、株価の計算について同じです。)に対して1.36%のディスカウント(小数点以下第三位を四捨五入。以下、株価に対するディスカウント率又はプレミアム率の数値の計算について同じです。)、同直前3ヶ月間の終値単純平均値である230円に対して5.22%のディスカウント、同直前6ヶ月間の終値単純平均値である234円に対して6.84%のディスカウントとなる金額です。

 以上のことから、当社は、本第三者割当増資に係る払込金額の決定方法は、適正かつ妥当であり、本第三者割当増資に係る払込金額は、割当予定先に特に有利な金額には該当しないものと判断しております。この判断に基づいて、当社取締役会は、本第三者割当増資に係る条件について十分に討議、検討を行い、決議に参加できる取締役全員の賛成により本第三者割当増資につき決議いたしました。なお、当社の取締役のうち、(ⅰ)西浦三郎氏は、ヒューリックの代表取締役会長を兼務しているため、また、(ⅱ)岩佐実次氏(以下「岩佐氏」といいます。)は、本第三者割当増資と一連の取引を構成する本公開買付けにその所有する当社株式の全てを応募する旨の応募契約を締結するため、手続の公正性を担保する観点から、上記の当社取締役会での本取引に係る審議及び決議には参加しておらず、当社の立場においてヒューリックとの協議・交渉にも参加しておりません。これを踏まえ、当社の監査役全員(うち2名が社外監査役)は、上記払込金額につきましては、日本証券業協会の定める「第三者割当増資の取扱いに関する指針」に沿ったものであると認められることから、特に有利な払込金額ではなく適法である旨の意見を表明しています。

 なお、本公開買付けの買付価格(以下「本公開買付価格」といいます。)は320円である一方、当社株式直前取引日終値と同額である218円であるため、本公開買付価格と本第三者割当増資の発行価額とで差異が生じております。これは本第三者割当増資及び本公開買付けが、それぞれ割当予定先が当社を連結子会社化する本取引の一環であるものの、本公開買付けは、当社の株主に金銭を交付し当社株式を取得するという当社の株主との取引である一方、本第三者割当増資は、当社に金銭を払い込むことにより当社株式を取得するという当社との取引であり、取引の性質が異なるため、それぞれ異なる考慮を行ったためです。

 すなわち、まず、本公開買付けにおいては、割当予定先によれば、連結子会社化するために必要な株式数を応募してもらう確度を高めることが重要であり、市場株価の動向等を踏まえて、市場株価に十分なプレミアムを付する必要があるとのことです。また、本公開買付けに応募しない株主については、割当予定先が本公開買付け後に当社を連結子会社化することで生じるシナジーの実現による当社の企業価値向上の機会を享受し得るところ、本公開買付けに応募する株主については、所有する株式を売却するためその機会を享受できないため、プレミアムを含んだ本公開買付価格とすることで、当該シナジーのうち一定部分を割当予定先から当社株式を売却する当社株主に対して分配するという性質もあると考えるとのことです。そのため、割当予定先は、応募の見通し、シナジー分配という要素や岩佐氏との交渉の結果も考慮して、上記のとおり、本公開買付価格として320円(同日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値218円に対するプレミアム46.79%)とすることとしたとのことです。

 他方で、本第三者割当増資については、当社が現在認識している経営課題のために必要な資金を当社が調達するものです。当社株主から株式の取得を受けることはなく、当社を連結子会社化することで生じるシナジーの実現による当社の企業価値向上の機会を当社株主は享受することができることから、その払込金額についてプレミアムを含んだ価格とする必要はないと考えております。むしろ、時価を基準とした払込金額とすることが適切であると考えます。そのため、当社は、割当予定先との協議・交渉の結果も考慮して、上記のとおり、当社株式直前取引日終値と同額である218円とすることといたしました。

 当社は、本公開買付けは買付予定数に上限が設定され、本公開買付け後も当社株式の上場が維持されることから、当社株式の売却を希望しない当社の株主にとっては、本公開買付け後も当社株式を継続して所有するという選択肢がとれるものの、当社株式の売却を希望する当社の株主にとって妥当な価格での売却機会を確保する必要もあることから、本公開買付価格は、市場価格に対してプレミアムを付した価格とする必要があると考えております。また、当社は、本公開買付価格は、当社株式の売却を希望する当社株主にとって妥当な売却機会が確保されていると評価できること、及び割当予定先が本取引後も引き続き当社株式の上場を維持する方針であり、当社株式の売却を希望しない当社の株主にとっては本取引後も当社株式を継続して所有するという選択肢をとれること、上記「1 割当予定先の状況」の「(2)割当予定先の選定理由」に記載のとおり、いわゆる強圧性が生じるおそれは十分低減されていることから、当社の少数株主の利益保護に十分留意されていると考えております。

 

(2)発行数量及び株式の希薄化の規模が合理的であると判断した根拠

 本第三者割当増資により割当予定先に対して割り当てられる当社新株式の数は15,596,330株であり、同株式に係る議決権の数は合計155,963個であるため、本第三者割当増資前の当社の発行済株式総数154,767,339株(2024年2月29日現在の当社の発行済株式総数(156,209,829株)に、2024年2月29日現在の新株予約権37,508個の目的となる当社株式の数(合計403,740株)を加算した株式数(156,613,569株)から、当社決算短信に記載された2024年2月29日現在の当社が所有する自己株式数(1,846,230株)を控除した株式数)に対する比率は10.08%、同日現在の当社の議決権総数1,547,673個(2024年2月29日)に対する比率は10.08%となり、当社株式に一定程度の希薄化が生じます。しかしながら、上記「第1 募集要項」の「1 新規発行株式」及び「新規発行による手取金の使途」の「(2)手取金の使途」に記載のとおり、本第三者割当増資により当社が認識している当社の成長の為に必要となる新規事業に遂行及び経営課題の解決に資するとともに、当社の事業基盤を拡大化し、中長期的な当社の企業価値向上に資することとなり、ひいては、株主価値の向上に繋がると考えていることから、発行数量及び株式の希薄化の規模は、合理的であると判断いたしました。

 なお、本第三者割当増資においては、希薄化率が25%以上となることは見込まれていないものの、これに近い相当程度の希薄化が見込まれており、かつ、本第三者割当増資と本公開買付けとを組み合わせることによって割当予定先が当社の支配株主となることに鑑み、当社は、東京証券取引所の有価証券上場規程第432条第1号に基づき、当社の経営者から一定程度独立した者による本第三者割当増資の必要性及び相当性に関する意見の入手を目的として、当社の独立役員である社外取締役の佐藤敏郎氏、小西徹氏及び小野田麻衣子氏から、本第三者割当増資の必要性及び相当性に関する意見書(以下「本答申書」といいます。)を取得しております。本答申書の概要は以下のとおりです。

(a)意見内容

1.本公開買付けを含む本取引は企業価値の向上に資するものであって、その目的は合理的と認められる。

2.本公開買付けを含む本取引の条件(本取引の実施方法、本公開買付けにおける買付け等の価格や本第三者割当増資における発行条件を含む。)の妥当性は確保されていると認められる。

3.本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性は確保されていると認められる。

4.本第三者割当増資の必要性及び相当性が認められる。

5.上記1.から4.を踏まえ、本取引は、当社の少数株主にとって不利益なものでないと認められる。

6.当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明することは相当であり、また、当社の株主に対して本公開買付けに応募するか否かについて中立の立場をとり、株主の判断に委ねることは合理的であると認められる。

 

(b)意見の理由

1.本取引の目的は合理的と認められるか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)

 以下の理由から、本公開買付けを含む本取引は企業価値の向上に資するものであって、その目的は合理的と認められる。

・当社が、当社における事業環境及び経営課題について、概要以下のとおり認識しており、当該当社による事業環境及び経営課題の認識については、矛盾した点や明らかに客観的事実に反している点はなく、当該経営課題の解決及びその実現へ向けた戦略の一環として、当社が検討を重ねてきたという、教育サービスの高品質化を促し、不動産事業を補完するパートナーとの業務提携や、M&A取引についての施策に寄与する方策を講じることは、一般論としては当社の企業価値の向上に資するものであると考えられること。

●学習塾業界においては1997年より進行の一途をたどる少子化に加え、教育制度改革や大学入試改革、GIGAスクール構想による学校へのICT導入の前倒しなど、取り巻く環境が大きく変わろうとしており、特徴のない学習塾は淘汰される時代となっていること。

●当社は、日本国内においては、終わりの見えない少子化問題がコロナ禍を受けてさらに加速しており、大学全入学時代の到来も相まって受験産業そのものの創造価値が何であるかを問われる中で、大手大学受験予備校などは苦戦している事業者も多く、中堅の多くの学習塾もそうした社会トレンドにおいて苦戦傾向にあるものと推察していること。

●このような外部環境に対して、少子化を前提としたビジネスモデルの当社グループは、「すべては子どもたちの未来のために」という考え方から、高品質な「本物」の教育サービスを提供し、徹底した差別化戦略によって日本を代表するオンリーワン企業を目指すことを経営の基本方針とし、さらに、新型コロナウイルス感染症の影響に対しても、子どもたちの教育の場を守るために、安心して通塾できる環境作りに注力することで、他社とのさらなる差別化を図っていること。

・当社は、本資本業務提携を行うことで、ヒューリックとの提携によって得られる「こどもでぱーと」における事業展開や有利な新校舎の展開を基に、「こども教育事業」における完全な囲い込み戦略による差別化を促進し、教育分野における市場優位性を確保することで相互にシナジーを発揮し、当社グループ全体への拡大による新たな顧客層の開拓可能性の拡大など、顧客満足度の向上が見込まれることから、両社の収益拡大につながるものと考えており、ヒューリックも、同社の事業分野は不動産業が中心で異なるものの、永く「安心と信頼に満ちた社会」の実現に貢献すべく質の高いオフィスビル、ホテル、旅館、介護施設等の提供をしていることから、当社としては、顧客対象が互いにフィットしており、そうした本物を求める人たちへの訴求力のシナジー効果があるものと認識しているとのことであり、当社とヒューリックとの間で想定されるシナジーの内容は、相互に矛盾する点や明らかに客観的事実に反している点は見当たらず、合理的なものであると考えられること。

・現資本業務提携の効果を一層発揮させ当社の企業価値の更なる向上を図るには、当社の連結子会社化を目指して当社との間で資本関係をさらに強固なものとすることにより、ヒューリックが当社の利益をグループ収益として取り込むとともに、当社に対して積極的に投資を行うことを可能とし、ヒューリックが持つ不動産の空室情報や売却情報、不動産会社として築き上げてきたヒューリックグループ内外のテナントや不動産仲介業者とのネットワーク、不動産事業に限られないヒューリックの出資先とのネットワークを共有することで、当社単独では難しい新たな事業提携先の発掘等の支援強化をする必要があると考えており、また、ヒューリックの財務基盤の活用を通じ、今後のさらなる戦略的M&A等も見据えて、ヒューリックが有する経営資源を迅速に投入可能な体制を整えることは合理的であると考えられること。

・当社の展開する事業は、子どもを有する世帯を顧客ターゲットとするビジネスであることから、上場企業であることはこれら顧客ターゲットからの認知獲得に対して大きく寄与していることに加え、人材獲得の観点からも、上場による知名度及び信用力を活用することにより当社において良質な人材の採用を可能とし、当社株式が上場を維持することによるメリットが存在し、一方で、当社の完全子会社化により当社株式が上場廃止される場合には、当該メリットを享受することができず、当社のビジネスに悪影響を及ぼし得るところ、当社がこれらのメリットを引き続き享受することが望ましいこと。

・当社が①新規事業「こどもでぱーと」開設に伴う設備投資(新教室開設に伴う敷金、教室設備・備品取得費、初期投資費用)、②渋谷創造文化教育施設(敷金、内装施設工事、デザイン料等)、③DX戦略推進費用(顧客データベース、顧客との接点アプリケーション、教室ネットワーク等)、④防犯カメラ設置工事(教室内)及び⑤戦略的M&A等(以下「本資金使途」という。)の資金を有利子負債で調達するのではなく第三者割当増資の方法で調達することにより当社の財務基盤の強化を図り、それにより生み出された投資余力を以て中長期的な成長投資の資金を確保することが当社の企業価値向上の観点からも重要であると考え、ヒューリックによる当社の連結子会社化の手法としては、本公開買付けと本第三者割当増資を組み合わせた方法により当社に投資資金を供給することが最適と考えられること。

・本資本業務提携変更契約上、ヒューリック及び当社は、本取引の実行後、上場会社に適用されるコーポレートガバナンス・コードの各原則その他の上場規則等の趣旨を踏まえ、当社及び株主共同の利益を尊重し、当社の少数株主の利益に配慮しつつ、当社が上場会社として、ヒューリック及び当社が協議の上合理的に必要と認める水準のガバナンス体制を構築する方針であることを確認することとされており、また、ヒューリック及び当社は、本取引の実行後、当社が、ヒューリックグループと当社グループの間の取引その他ヒューリックグループと当社の少数株主との間の利益が相反する重要な取引について、取引の必要性及び条件の妥当性について十分に審議し、その適正性を確保するための合理的な措置を講じることに合意することとされているなど、本取引後においても当社の自律性が一定程度尊重維持される構成となっていること。また、本公開買付けを含む本取引に要する資金について、ヒューリックは今年度の投資枠の範囲内の資金により賄う予定であるところ、本資本業務提携後の当社の事業運営に重大な支障をきたし、本資本業務提携による当社の企業価値向上という目的が達成できないおそれがあるものとは認められないこと。

・以上の事実を前提にすれば、本取引により想定されるシナジーは合理的なものということができ、ヒューリックの想定と当社の想定との間に矛盾・齟齬もなく、本取引の実行は、当社が認識する経営課題の解決に資することが認められること。また、ヒューリックの完全子会社となり、当社株式の上場を廃止する等の他の手法によるのではなく、連結子会社化を含む本取引によるべき理由として説明された内容も合理的なものであると認められ、連結子会社化を含む本取引によることも相当であると考えられること。加えて、本取引による当社の企業価値向上に対する重大な支障となる事情として認められるものも見受けられないこと。

・したがって、本公開買付けを含む本取引は企業価値の向上に資するものであって、その目的は合理的と認められること。

2.本公開買付けを含む本取引の条件(本取引の実施方法、本公開買付けにおける買付け等の価格や本第三者割当増資における発行条件を含む。)の妥当性は確保されていると認められるか。

 以下の理由から、本公開買付けを含む本取引の条件(本公開買付価格を含む。)の妥当性は確保されていると認められる。

・ヒューリックは、当社が当該資金を有利子負債で調達するのではなく第三者割当増資の方法で調達することにより当社の財務基盤の強化を図り、それにより生み出された投資余力を以て中長期的な成長投資の資金を確保することが当社の企業価値向上の観点からも重要であると考え、ヒューリックによる当社の連結子会社化の手法としては、本公開買付けと本第三者割当増資を組み合わせた方法により当社に投資資金を供給することが最適と判断したとのことであり、他の手法によらず、本資本業務提携による経営課題の解決を目指すという判断は、合理的なものと考えられ、他の資金調達手段と比較しても、本第三者割当増資という調達手段には合理性が認められること。

・本公開買付価格(1株当たり320円)及び本第三者割当増資発行価額(1株当たり当社株式直前取引日終値と同額である218円)は、ヒューリックによる当初の提示額(本公開買付価格:1株当たり300円、本第三者割当増資発行価額:1株当たり当社株式直前取引日終値に0.9を乗じた金額)と、プルータス・コンサルティングによる暫定的な株式価値算定結果を前提に、当社が、当委員会における審議・検討に基づく当委員会からの本公開買付価格及び本第三者割当増資発行価額の引き上げ要請も踏まえ、プルータス・コンサルティングの助言を受けながらヒューリックと交渉をした結果、ヒューリックから、3度にわたり本公開買付価格及び本第三者割当増資発行価額を引き上げる提案を引き出し、最終合意に至ったものであること。

・最終的な本公開買付価格及び本第三者割当増資発行価額は、当初にヒューリックが提示した価格から相応の上積みがされており、当社として、少数株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して交渉がされた経緯が認められること。

・以上から、本取引における本公開買付価格及び本第三者割当増資発行価額の合意は、当社とヒューリックとの間において、実質的にも独立当事者間に相当する客観的かつ整合性のある議論を踏まえた交渉の結果なされたものであることが推認され、合意プロセスの透明性や公正性を疑わせるような事情は見当たらないこと。

・本公開買付価格の公正性・妥当性の検討に当たっては、プルータス・コンサルティングによる株式価値の算定結果が中心的な資料となるが、これは当社事業計画を基礎資料としているところ、当社事業計画については、本取引が実施される可能性が具体的に認識される前から作成が進められていたものであり、その策定プロセスに、ヒューリックの圧力が介在した事実は認められず、また、その内容において不合理な予測となっている点は認められないこと。

・プルータス・コンサルティングが採用した評価手法である、市場株価法、類似会社比較法及びDCF法の選択、並びに、それぞれの算定方法及び算定根拠について、いずれも不合理な点は見当たらず、当社株式の株式価値の検討に当たり、プルータス・コンサルティングが作成した当社株式価値算定書に依拠することができること。

・本公開買付価格である1株当たり320円は、(ⅰ)市場株価法により算定された当社株式の1株当たり株式価値のレンジの上限を上回り、(ⅱ)類似会社比較法により算定された当社株式の1株当たり株式価値のレンジの上限を上回り、かつ、(ⅲ)DCF法により算定された当社株式の1株当たり株式価値のレンジの下限を優に上回り、その範囲内に入る価格であると認められること。また、当社株式直前取引日終値218円に対して46.79%、2024年4月5日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値221円に対して44.80%、過去3ヶ月間の終値単純平均値230円に対して39.13%、過去6ヶ月間の終値単純平均値234円に対して36.75%のプレミアムがそれぞれ加算されているが、これは、2019年6月28日から2023年12月31日までに公表された、国内上場企業を対象に連結子会社化を目的とする、買付予定数に上限が設定された他社株公開買付けの事例におけるプレミアム水準(公表日前営業日の終値に対して中央値21.70%・平均値23.79%、直近1ヶ月間の平均終値に対して中央値24.96%・平均値25.41%、直近3ヶ月間の平均終値に対して中央値24.86%・平均値26.40%及び直近6ヶ月間の平均終値に対して中央値28.08%・平均値28.39%)と比較して、本公開買付けにおいては他の同種案件と遜色ないプレミアムが確保されていると認められること。

・以上のような諸事情を勘案すれば、本公開買付価格は、当社株式の株式価値が適正に反映されたものと考えることができ、その価格の妥当性が否定される水準ではないと評価できるものと考えられること。

・本第三者割当増資発行価額(218円)は、当社株式直前取引日終値に相当する金額であるため、日本証券業協会「第三者割当増資の取扱いに関する指針」(平成22年4月1日付)に従った払込金額であると言え、当該払込金額は相当であり、有利発行には該当しないものと思料されること。

・本第三者割当増資発行価額が、本公開買付価格よりも低額であるという差異が生じている点については、本公開買付けについては、連結子会社化するために必要な株式数を応募してもらう確度を高めることが重要であり、市場株価の動向等を踏まえて、当社株式の売却を希望する当社の株主に対し、市場株価に十分なプレミアムを付した価格での売却機会を確保する必要があり、また、本公開買付けに応募する株主については、所有する株式を売却するためその機会を享受できないため、プレミアムを含んだ本公開買付価格とすることで、当該シナジーのうち一定部分をヒューリックから当社株式を売却する当社株主に対して分配するという性質もあると考えられる一方で、本第三者割当増資については、本資金使途のために必要な資金を当社が調達するものであり、当社株主から株式の取得を受けることはなく、当社を連結子会社化することで生じるシナジーの実現による当社の企業価値向上の機会を当社株主は享受することができることから、本第三者割当増資発行価額についてプレミアムを含んだ価格とする必要はないと考えられること。

・会社法上の有利発行規制との関係では、割当先との企業提携や割当先による子会社化を伴う第三者割当の場合には、当該提携や子会社化による効果を織り込まない株価を払込金額の基準とすることは、シナジーを募集株式の発行等が行われた後の持株比率に比例して両者間に配分することを意味し、むしろ公正であるという考え方が有力であるところ、かかる考え方に照らせば、当社とヒューリックとの資本業務提携及びヒューリックによる当社の子会社化を目的とし、本第三者割当増資の払込金額と異なる金額の公開買付価格を設定する本公開買付けが行われる場合であっても、当社とヒューリックとの本資本業務提携及びヒューリックによる当社の連結子会社化の効果を織り込まない株価を基準とした当該払込金額が「募集株式を引き受ける者に特に有利な金額」に当たらないと考えることには合理性が認められること。

・本第三者割当増資発行価額の決定については、当社はヒューリックとの間で誠実に協議していると評価されること。

・本第三者割当増資発行価額は当社株式直前取引日終値を下回るものではなく同額であること。

・以上から、本第三者割当増資発行価額が本公開買付価格よりも低額であることをもって有利発行に該当しないことの結論に影響を及ぼすものではないと考えられること。

3.本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性は確保されていると認められるか。

 以下の理由から、本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性は確保されていると認められる。

・2024年1月22日にヒューリックから意向表明書を受領した後、同月24日に当委員会が設置され、同月25日に第1回委員会が開催されており、ヒューリックから買収提案を受けた後、可及的速やかに設置されていること。

・当委員会の委員は独立社外取締役3名で構成されており、各委員について、ヒューリック及び本取引の成否から独立していることが確認されていること。

・当委員会は、本取引の取引条件に関する交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うことなどにより、本取引の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与する権限を与えられており、取引条件に関する交渉過程に実質的に影響を与え得る状況を確保していること。

・当委員会は、当社取締役会から、独自のアドバイザー等を選任し、又は、当社のアドバイザー等を当委員会のアドバイザー等として指名若しくは承認(事後承認を含む。)する権限、及び、当社のアドバイザー等が高い専門性を有しており、独立性にも問題がないなど、当委員会として当社のアドバイザー等を信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、当社のアドバイザー等に対して専門的助言を求めることができる権限が与えられているところ、(ⅰ)第1回委員会において、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるプルータス・コンサルティングについて、独立性及び専門性に問題ないことを確認の上、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関とすることを承認し、さらに、(ⅱ)第1回委員会において、当社のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、専門性及び独立性に問題がないことを確認した上で、当社のリーガル・アドバイザーとすることを承認していること。また、当委員会としても、必要に応じてプルータス・コンサルティング及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所から専門的助言を求めることを確認していること。

・当委員会は、ヒューリックに対し質問事項を送付し、回答を得るほか、当社の執行陣から説明を受け、情報提供を求めるなど、検討及び判断に必要な情報を収集していること。

・当委員会の委員の報酬は、一定の固定額を上限とした金額となっており、成功報酬は採用していないこと。

・当社取締役会は、当社取締役会における本取引に関する意思決定は、本公開買付けへの賛否を含め、当委員会の判断内容を最大限尊重して行うこと、及び、当委員会が本公開買付けを含む本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、本公開買付けを含む本取引に賛同しないこととすることを決議していること。

・当社の第2位株主であり、その所有する当社株式の全てを本公開買付けに応募する旨の応募契約をヒューリックとの間で締結した岩佐氏及びヒューリックの取締役を兼務し、本取引につき特別利害関係を有する取締役と判断される西浦三郎取締役を除いた全取締役により、本公開買付けに対する意見表明に係る決議を実施することを想定していること。

・当社取締役会は、当委員会の判断内容を最大限尊重して本取引に関する意思決定を行うこと、当委員会が本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、本取引に賛同しないことが併せて決議されていることなどを踏まえれば、本取引に関する当社の意思決定の恣意性は排除され、意思決定のプロセスの公正性、透明性及び客観性が確保されているといえること。

・当社は、本公開買付価格の公正性を担保するために、当社及びヒューリック並びに本取引の成否から独立した第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングから、当社株式の株式価値に関する資料として当社株式価値算定書を取得していること。また、当社株式価値算定書においては、複数の算定方法を採用しており、恣意的な価格の算定がされないよう配慮がされていること。さらに、算定の前提となる当社事業計画の作成に当たって、ヒューリック又は当社の役職員による恣意的行動があった事実は認められず、算定に当たって公正性を疑わせるような事情も見当たらず、以上のことから、当社株式価値算定書は、独立した第三者算定機関による当社株式価値算定書であると認められること。

・本取引では、ヒューリックが本日公表した「株式会社リソー教育の株券等(証券コード:4714)に対する公開買付けの開始、同社との資本業務提携契約の変更契約書の締結及び第三者割当増資の引受けに関するお知らせ」及び当社が本日公表した「ヒューリック株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明、同社との資本業務提携契約の変更、及び同社を割当予定先とする第三者割当による新株式発行に関するお知らせ」において、当委員会に付与された権限の内容、当委員会における検討経緯やヒューリックとの取引条件の交渉過程への関与状況、本答申書の内容及び当委員会の委員の報酬体系等、当社株式価値算定書の概要、本取引の実施に至るプロセスや交渉経緯及び本資本業務提携変更契約の内容等について充実した情報開示がなされる予定となっており、当社の株主等に対し、取引条件の妥当性等についての判断に資する重要な判断材料が提供されていると認められること。

・以上のことから、本取引では、(ⅰ)取引条件の形成過程において実質的にも独立当事者間取引といえる状況が確保され、(ⅱ)少数株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会の確保という視点から見ても充実した公正性担保措置が採用され、かつ、実効性をもって運用されていると認められるから、結論として、本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性は確保されていると認められること。

4.本第三者割当増資の必要性及び相当性が認められるか。

 以下の理由から、本第三者割当増資の必要性及び相当性が認められる。

・学習塾業界においては1997年より進行の一途をたどる少子化に加え、教育制度改革や大学入試改革、GIGAスクール構想による学校へのICT導入の前倒しなど、取り巻く環境が大きく変わろうとしており、特徴のない学習塾は淘汰される時代となっており、教育業界を取り巻く環境は大変厳しいものとなっていると認識しているとのことであり、日本国内においては、終わりの見えない少子化問題がコロナ禍を受けてさらに加速しており、大学全入学時代の到来も相まって受験産業そのものの創造価値が何であるかを問われる中で、大手大学受験予備校などは苦戦している事業者も多く、中堅の多くの学習塾もそうした社会トレンドにおいて苦戦傾向にあるものと推察しているとのことであること。

・当社は、このような外部環境の中で、当該経営問題の解決方法として、ヒューリックとの資本業務提携に基づく取組みを含む、本資金使途に係る各施策を実施する必要があること。(具体的には、本資本業務提携を行い、協働での取組みを強化することで、ヒューリックとの提携によって得られる「こどもでぱーと」における事業展開や有利な新校舎の展開を基に、「こども教育事業」における完全な囲い込み戦略による差別化を促進し、教育分野における市場優位性を確保することで相互にシナジーを発揮し、当社グループ全体への拡大による新たな顧客層の開拓可能性の拡大など、顧客満足度の向上が見込まれることから、両社の収益拡大につながるものと考えていること、及び、当社が提供するサービスの根底には、質の高い本物の教育サービスという考え方があり、その究極的な形として、完全1対1の個別指導を商品として提供しているところ、ヒューリックも、同社の事業分野は不動産業が中心で異なるものの、永く「安心と信頼に満ちた社会」の実現に貢献すべく質の高いオフィスビル、ホテル、旅館、介護施設等の提供をしていることから、顧客対象が互いにフィットしており、そうした本物を求める人たちへの訴求力のシナジー効果があるものと認識していること。当社をヒューリックの連結子会社とすることにより、本資本業務提携を実施することが、当社を取り巻く事業環境の変化に対する迅速な対応を実現し、当社の企業価値向上に資する最善の方策であること。ヒューリックとしては、現資本業務提携の効果を一層発揮させ当社の企業価値の更なる向上を図るには、当社の連結子会社化を目指して当社との間で資本関係を更に強固なものとすることにより、ヒューリックが当社の利益をグループ収益として取り込むとともに、当社に対して積極的に投資を行うことを可能とし、ヒューリックが持つ不動産の空室情報や売却情報、不動産会社として築き上げてきたヒューリックグループ内外のテナントや不動産仲介業者とのネットワーク、不動産事業に限られないヒューリックの出資先とのネットワークを共有することで、当社単独では難しい新たな事業提携先の発掘等の支援強化をする必要があると考えており、また、ヒューリックの財務基盤の活用を通じ、今後のさらなる戦略的M&A等も見据えて、ヒューリックが有する経営資源を迅速に投入可能な体制を整えることが適当と考えるに至ったとのことであること。ヒューリックは、当社及びヒューリックの現資本業務提携の成果のひとつである「こどもでぱーと」について、事業化が決定している6物件の開発も含め、2029年までに首都圏で20件程度まで展開する方針であるとのことであり、また、当社においてもDX投資等経営の効率化に向けた投資を今後数年間で予定していることを踏まえると、当社において本資金使途に伴う資金として相応な資金需要があることを認識しているとのことであること。

・以上の点に鑑みると、本資本業務提携により経営課題の解決を目指すという判断とその実現の為の本第三者割当増資の必要性は、合理的なものと考えられること。

・当社が当該資金を有利子負債で調達するのではなく第三者割当増資の方法で調達することにより当社の財務基盤の強化を図り、それにより生み出された投資余力を以て中長期的な成長投資の資金を確保することが当社の企業価値向上の観点からも重要であると考え、ヒューリックによる当社の連結子会社化の手法としては、本公開買付けと本第三者割当増資を組み合わせた方法により当社に投資資金を供給することが最適と判断しているところ、他の手法によらず、本資本業務提携による経営課題の解決を目指すという判断は、合理的なものと考えられ、他の資金調達手段と比較しても、本第三者割当増資という調達手段には合理性が認められること。

・本第三者割当増資発行価額(218円)は、当社株式直前取引日終値に相当する金額であるため、日本証券業協会の「第三者割当増資の取扱いに関する指針」(平成22年4月1日付)に従った払込金額であると言え、当該払込金額は相当であり、有利発行には該当しないものと考えられること。

・本第三者割当増資発行価額が、本公開買付価格よりも低額であるという差異が生じているのは、本第三者割当増資及び本公開買付けが、それぞれヒューリックが当社を連結子会社化する本取引の一環であるものの、本公開買付けは、当社の株主に金銭を交付し当社株式を取得するという当社の株主との取引である一方、本第三者割当増資は、当社に金銭を払い込むことにより当社株式を取得するという当社との取引であり、取引の性質が異なるため、それぞれ異なる考慮を行ったためであり、本公開買付けにおいては、連結子会社化のために必要な株式数の応募が集まらないリスクが存在するため、連結子会社化のために必要な株式数を応募してもらう確度を高めることが重要であり、市場株価の動向等を踏まえて、当社株式の売却を希望する当社の株主に対し、市場株価に十分なプレミアムを付した価格での売却機会を確保する必要があること、また、本公開買付けに応募しない株主については、本公開買付け後に当社がヒューリックの連結子会社となることで生じるシナジーの実現による当社の企業価値向上の機会を享受し得るところ、本公開買付けに応募する株主については、所有する株式を売却するためその機会を享受できないため、プレミアムを含んだ本公開買付価格とすることで、当該シナジーのうち一定部分をヒューリックから当社株式を売却する当社株主に対して分配するという性質もある一方で、本第三者割当増資については、本資金使途のために必要な資金を当社が調達するものであり、当社株主から株式の取得を受けることはなく、当社を連結子会社化することで生じるシナジーの実現による当社の企業価値向上の機会を当社株主は享受することができることから、本第三者割当増資発行価額についてプレミアムを含んだ価格とする必要はないこと。

・会社法上の有利発行規制との関係では、割当先との企業提携や割当先による子会社化を伴う第三者割当の場合には、当該提携や子会社化による効果を織り込まない株価を払込金額の基準とすることは、シナジーを募集株式の発行等が行われた後の持株比率に比例して両者間に配分することを意味し、むしろ公正であるという考え方が有力であるところ、かかる考え方に照らせば、当社とヒューリックとの資本業務提携及びヒューリックによる当社の子会社化を目的とし、本第三者割当増資の払込金額と異なる金額の公開買付価格を設定する本公開買付けが行われる場合であっても、当社とヒューリックとの本資本業務提携及びヒューリックによる当社の連結子会社化の効果を織り込まない株価を基準とした当該払込金額が「募集株式を引き受ける者に特に有利な金額」に当たらないと考えることには合理性が認められること、本第三者割当増資発行価額の決定については、当社はヒューリックとの間で誠実に協議していると評価されること、本第三者割当増資発行価額は当社株式直前取引日終値を下回るものではなく同額であることなどから、本第三者割当増資発行価額が本公開買付価格よりも低額であることをもって有利発行に該当しないことの結論に影響を及ぼすものではないこと。

・以上を踏まえると、本第三者割当増資の発行条件は相当であると認められること。

・当社及びヒューリックは、当社の独自の企業文化や経営の自主性を維持することが、当社の持続的な発展により企業価値を向上させていくために非常に重要であり、両社の資本関係を強化するにあたっては、当社の自主的な経営を尊重しつつ、両社の連携を深めることができる当社の上場を維持する連結子会社化が望ましいとの判断に至ったとのことであり、また、連結子会社化に向けた具体的な方法としては、本資本業務提携に基づく「こどもでぱーと」の開発及び展開のほか当社が企図している本資金使途に係る資金需要、当社の収益拡大、ひいては両社の企業価値の向上に資することから、本公開買付けのみならず、本第三者割当増資を組み合わせることが望ましいとの結論に至ったとのことであること、当社及びヒューリックは、両社グループのより一層の企業価値向上を図るため、当社の連結子会社化を目指して当社との間で資本関係をさらに強固なものとすることにより、ヒューリックが当社の利益をグループ収益として取り込むとともに、当社に対して積極的に投資を行うことを可能とし、ヒューリックが持つ不動産の空室情報や売却情報、不動産会社として築き上げてきたヒューリックグループ内外のテナントや不動産仲介業者とのネットワーク、不動産事業に限られないヒューリックの出資先とのネットワークの共有やヒューリックの財務基盤の活用を通じ、ヒューリックが有する経営資源を迅速に投入可能な体制を整えることを通じて、シナジーの実現を目指していくとのことであること、ヒューリックの払込みに要する財産の存在について、ヒューリックが関東財務局長に提出した2023年12月期の有価証券報告書(2024年3月19日提出)により、ヒューリックグループが本第三者割当増資の払込みに十分な現金及び現金同等物(82,763百万円)を保有していることを確認し、その後かかる財務内容が大きく悪化したことを懸念させる事情も認められず、本第三者割当増資に係る払込みの確実性に問題はないものと判断していること、また、ヒューリックは、東京証券取引所プライム市場に上場しており、同社が同取引所に提出したコーポレート・ガバナンス報告書(最終更新日:2023年12月14日)に記載している反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況を、同取引所のホームページにて確認することにより、当社は、ヒューリック並びにその役員及び主要株主が反社会的勢力とは一切関係がないと判断していること。

・以上を踏まえると、ヒューリックを本第三者割当増資の割当予定先として選定することには相当性が認められること。

・本資金使途のための資金需要は、発行諸費用を含め3,400百万円であるところ、本第三者割当増資による調達金額は、当該金額と同額であり、本第三者割当増資による調達金額は、必要性に応じた出資とみることができ、徒らに既存株主の株式の希薄化を生じさせるものではないと思料されること。本第三者割当増資による株式価値の希薄化は、ヒューリックが当社の連結子会社化に必要な当社株式の取得の一部を本公開買付けによって行うことにより、当社による本資金使途のための資金調達に必要な限度に留められており、ヒューリックが当社の連結子会社化に必要な当社株式の取得の全部を第三者割当増資で行う場合に比して、生じ得る希薄化及び株価下落のリスクの程度は小さいこと。当社が資金調達をすることにより、当社の財務体質が一層強化されるとともに、本公開買付け及び本第三者割当増資を通じてヒューリックの連結子会社となることによって、中長期的には、上記の希薄化を上回る当社の企業価値及び株主価値の向上につながるものと考えられるため、当社の企業価値及び株主価値の向上に資することとなる。そのため、本第三者割当増資により生じ得る希薄化及び株価下落のリスクを考慮しても、当社株主は、当社の企業価値及び株主価値の向上により、それを上回るシナジーを享受できると考えられること。

・以上の資金調達の手段、発行条件、割当予定先、増資金額、既存の株主への影響に鑑みると、本第三者割当増資に係る株式の発行数量及び希薄化の規模は合理的であると考えられること。

5.上記1.から4.を踏まえ、本取引は、当社の少数株主にとって不利益なものでないと認められるか。

 上記1.から4.までで検討を要請されている事項が、上記5.を検討する際の考慮要素になるものと考えているところ、当委員会における検討の結果、上記1.から4.までについて、いずれも問題があるとは認められないこと、また、当社からは、当社株式の流通株式比率に照らし、本取引完了後においても、当社株式が上場廃止基準に抵触する見込みはなく、東京証券取引所プライム市場への上場は維持される見込みであるとの説明を受けていることから、上記5.について、本取引を行うことは、当社の少数株主にとって不利益なものでないと認められる。

6.当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは相当であると認められるか。

 上記1.から5.までにおいて、本取引の目的の合理性、本取引に係る手続の公正性及び本取引に係る取引条件の妥当性が確認され、かつ、本取引を行うことが当社の少数株主にとって不利益なものでないことから、本公開買付けの開始予定に係る公表の時点で当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明することは相当であり、また、当社の株主に対して本公開買付けに応募するか否かについて中立の立場をとり、株主の判断に委ねることは合理的であると認められる。

 

4【大規模な第三者割当に関する事項】

 該当事項はありません。

 

5【第三者割当後の大株主の状況】

氏名又は名称

住所

所有株式数

(株)

総議決権数に対する所有議決権数の割合

割当後の所有株式数

(株)

割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合

ヒューリック株式会社

東京都中央区日本橋大伝馬町7番3号

31,842,039

20.62%

47,438,369

27.95%

岩佐 実次

東京都新宿区

15,780,250

10.22%

15,780,250

9.29%

学校法人駿河台学園

東京都千代田区神田駿河台2丁目12

10,333,700

6.69%

10,333,700

6.08%

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

東京都港区浜松町2丁目11-3

10,009,300

6.48%

10,009,300

5.89%

株式会社日本カストディ銀行(信託口)

東京都中央区晴海1丁目8-12

5,162,500

3.34%

5,162,500

3.04%

リソー教育従業員持株会

東京都豊島区目白3丁目1-40

1,484,440

0.96%

1,484,440

0.87%

STATE STREET BANK WEST

CLIENT-TREATY 505234

(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)

1776 HERITAGE DRIVE,NORTH QUINCY,MA 02171,USA

(東京都港区港南2丁目15-1)

1,351,800

0.87%

1,351,800

0.79%

日本証券金融株式会社

東京都中央区日本橋茅場町1丁目2-10号

1,239,900

0.80%

1,239,900

0.73%

MSIP CLIENT SECURITIES

(常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)

25 CABOT SQUARE,CANARY WHARF,LONDON E14 4QA,UK

(東京都千代田区大手町1丁目9-7)

1,050,700

0.68%

1,050,700

0.61%

増田 明彦

大阪府枚方市

995,900

0.64%

995,900

0.58%

79,250,529

51.42%

94,846,859

55.88%

 注1.2024年2月29日現在の株主名簿を基準として記載しております。

2.割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合は、割当後の所有株式数に係る議決権の数を2024年2月29日現在の総議決権数(1,541,131個)に本第三者割当増資により増加する議決権数(155,963個)を加えた数で除して算出した割合です。

3.総議決権数に対する所有議決権数の割合及び割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合は、小数点以下第三位を切り捨てて算出しております。

 

6【大規模な第三者割当の必要性】

 該当事項はありません。

 

7【株式併合等の予定の有無及び内容】

 該当事項はありません。

 

8【その他参考になる事項】

 該当事項はありません。

 

第4【その他の記載事項】

 該当事項はありません。

 

第二部【公開買付け又は株式交付に関する情報】

 該当事項はありません。

 

第三部【参照情報】

第1【参照書類】

 会社の概況及び事業の概況等法第5条第1項第2号に掲げる事項については、以下に掲げる書類を参照すること。

 

1【有価証券報告書及びその添付書類】

 事業年度 第38期(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) 2023年5月29日関東財務局長に提出

 

2【四半期報告書又は半期報告書】

 事業年度 第39期第1四半期(自 2023年3月1日 至 2023年5月31日) 2023年7月11日関東財務局長に提出

 事業年度 第39期第2四半期(自 2023年6月1日 至 2023年8月31日) 2023年10月11日関東財務局長に提出

 事業年度 第39期第3四半期(自 2023年9月1日 至 2023年11月30日) 2024年1月10日関東財務局長に提出

 

3【臨時報告書】

 1の有価証券報告書提出後、本有価証券届出書の訂正届出書提出日(2024年4月25日)までに、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2の規定に基づく臨時報告書を2023年5月31日に関東財務局長に提出

 1の有価証券報告書提出後、本有価証券届出書の訂正届出書提出日(2024年4月25日)までに、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の4の規定に基づく臨時報告書を2024年4月25日に関東財務局長に提出

 

第2【参照書類の補完情報】

 上記に掲げた参照書類としての有価証券報告書及び四半期報告書(以下「有価証券報告書等」といいます。)の提出日以後、本有価証券届出書の訂正届出書提出日(2024年4月25日)までの間において、当該有価証券報告書等に記載された「事業等のリスク」について、生じた変更その他の事由はありません。

 また、当該有価証券報告書等には将来に関する事項が記載されておりますが、本有価証券届出書の訂正届出書提出日(2024年4月25日)現在においてもその判断に変更はなく、また新たに記載する将来に関する事項もありません。

 

第3【参照書類を縦覧に供している場所】

株式会社リソー教育 本店

(東京都豊島区目白三丁目1番40号)

株式会社東京証券取引所

(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

 

第四部【提出会社の保証会社等の情報】

 該当事項はありません。

 

第五部【特別情報】

 該当事項はありません。