第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

第30期

第31期

第32期

第33期

第34期

決算年月

2020年1月

2021年1月

2022年1月

2023年1月

2024年1月

売上高

(千円)

4,803,540

2,385,328

1,568,356

1,393,523

919,746

経常損失(△)

(千円)

275,931

801,050

782,133

671,988

578,634

親会社株主に帰属する当期純損失(△)

(千円)

254,407

786,527

861,682

697,670

596,311

包括利益

(千円)

269,721

786,626

856,994

695,334

594,246

純資産額

(千円)

392,478

66,053

322,418

116,542

113,469

総資産額

(千円)

2,459,697

1,372,735

948,967

647,243

596,433

1株当たり純資産額

(円)

210.64

17.89

41.85

11.12

8.48

1株当たり当期純損失(△)

(円)

136.54

254.15

161.27

80.68

54.68

潜在株式調整後

1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

16.0

4.7

33.5

16.4

17.8

自己資本利益率

(%)

株価収益率

(倍)

営業活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

176,603

638,510

886,057

606,527

610,817

投資活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

1,282,404

1,137,898

31,532

8,688

62,659

財務活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

909,519

154,989

513,986

448,753

554,331

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

522,352

867,174

467,588

302,604

310,055

従業員数

(名)

123

108

67

47

39

(外、平均臨時

雇用者数)

(158)

(113)

(92)

(40)

(18)

 

(注) 1.第30期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失であり、また、潜在株式が存在しないため記載しておりません。また、第31期、第32期、第33期及び第34期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。

2.自己資本利益率及び株価収益率については、親会社株主に帰属する当期純損失(△)が計上されているため、記載しておりません。

3.従業員数は、役員を除く期末就業人員数であります。

4.従業員数欄の( )は、外書きにて臨時雇用者数の年間平均雇用人員であります。

5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第33期の期首から適用しており、第33期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第30期

第31期

第32期

第33期

第34期

決算年月

2020年1月

2021年1月

2022年1月

2023年1月

2024年1月

売上高

(千円)

4,803,537

2,385,321

1,568,356

1,393,523

919,746

経常損失(△)

(千円)

223,966

798,574

777,804

660,059

575,150

当期純損失(△)

(千円)

207,649

784,334

857,353

685,741

596,266

資本金

(千円)

308,100

537,325

1,092,810

1,338,560

1,635,635

発行済株式総数

(株)

1,920,000

3,650,000

7,660,000

9,620,000

12,590,000

純資産額

(千円)

382,269

57,565

313,127

116,946

112,346

総資産額

(千円)

2,449,082

1,364,225

940,239

646,426

595,240

1株当たり純資産額

(円)

205.16

15.52

40.63

11.16

8.39

1株当たり配当額

(円)

0.00

0.00

0.00

0.00

0.00

(うち1株当たり

中間配当額)

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

1株当たり当期純損失(△)

(円)

111.44

253.44

160.46

79.30

54.68

潜在株式調整後

1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

15.6

4.1

32.9

16.5

17.7

自己資本利益率

(%)

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

従業員数

(名)

122

107

66

47

39

(外、平均臨時

雇用者数)

(158)

(113)

(92)

(40)

(18)

株主総利回り

(%)

86.6

92.1

77.2

71.6

40.4

(比較指標:

配当込みTOPIX)

(%)

(110.2)

(121.2)

(129.7)

(138.8)

(183.9)

最高株価

(円)

662

636

372

293

270

最低株価

(円)

290

161

249

238

111

 

(注) 1.第30期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失であり、また、潜在株式が存在しないため記載しておりません。また、第31期、第32期、第33期及び第34期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。

2.自己資本利益率、株価収益率及び配当性向については、当期純損失(△)が計上されているため、記載しておりません。

3.従業員数は、役員を除く期末就業人員数であります。

4.従業員数欄の( )は、外書きにて臨時雇用者数の年間平均雇用人員であります。

5.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所グロース市場におけるものであり、それ以前は東京証券取引所JASDAQ(グロース)におけるものであります。

6.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第33期の期首から適用しており、第33期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

2 【沿革】

1974年4月、天笠悦藏が東京都台東区今戸に、当社の前身となるアマガサ商店を創業し、婦人靴の卸売を主たる業務として営業を開始いたしました。その後の推移については以下のとおりであります。

 

年月

事項

1976年6月

ノンレザー素材を使用した婦人靴の卸売を目的として、東京都台東区浅草において有限会社天笠を設立。

1985年4月

自社ブランド商品の企画・開発を目的に自社内に商品企画部(現クリエイティブ部)を新設。

自社ブランド「JELLY BEANS」(ジェリービーンズ)を冠したノンレザー婦人靴の企画・開発、卸売販売を開始。

1990年4月

有限会社天笠より営業の全部を譲り受け、株式会社アマガサを設立。

1991年11月

東京都台東区浅草に本社社屋を購入、本社を移転。

2000年7月

東京都台東区浅草に新本社ビル竣工、本社を移転。

2001年3月

小売事業への進出を図り、インショップ形態の小売店舗1号店を開店。

「JELLY BEANS 渋谷パルコ店」の開店(東京都渋谷区 渋谷パルコ(株式会社パルコ)内)。

2002年6月

東京都台東区浅草に新本社ビル竣工、本社を移転。

2005年9月

通販部門から分離し、自社WEB販売を本格化。

2007年2月

大阪証券取引所ニッポン・ニュー・マーケット-「ヘラクレス」市場に株式を上場。

2009年6月

東京都台東区浅草に新本社ビル竣工、本社を移転。

2009年7月

中国上海市に天笠靴業(上海)有限公司(現・連結子会社)を設立。

2010年10月

大阪証券取引所JASDAQ市場、同取引所ヘラクレス市場及び同取引所NEO市場の各市場の統合に伴い、大阪証券取引所JASDAQ(グロース)に株式を上場。

2013年7月

東京証券取引所と大阪証券取引所の統合に伴い、東京証券取引所JASDAQ(グロース)に

株式を上場。

2021年2月

東京都台東区浅草から同区上野に本社を移転。

2022年4月

東京証券取引所の市場区分見直しにより、東京証券取引所グロース市場に移行。

 

 

 

3 【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)の主たる事業は、当社(株式会社アマガサ)及び子会社(天笠靴業(上海)有限公司)により構成されており、20代から30代の女性向けに、ノンレザー素材(合成皮革と呼ばれるケミカル素材だけに限らず、人工皮革、合成繊維、布地、その他雑材など天然皮革以外の素材の総称)を用いたカジュアル婦人靴のデザイン・企画、小売販売を行っております。

当社グループの主たる取扱商品は、「JELLY BEANS」(ジェリービーンズ)を中心とした、オリジナルブランドを冠したノンレザー婦人靴であります。いずれの商品も、おしゃれに特に関心が高いといわれる20代から30代の女性をコアターゲットに定め、若年女性に特化した商品の企画・開発を進め、百貨店等の取引先店頭や直営店舗、WEB販売等の販売チャネルを通じ、消費者に販売しております。

 

(1) 事業について

当社は、自社オリジナルブランドを冠したノンレザー婦人靴の小売販売を行っております。

商品は、百貨店等の取引先店頭や直営小売店舗での一般消費者を対象にした小売販売に加え、WEB通販による販売を行っております。

なお、靴専門店等の取引先を対象にした卸売事業からは前連結会計年度において撤退しており、一部の取引先と取引が継続しているものの金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より小売事業に含めております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

また、中国国内における商材の調達を主たる目的として2009年7月に設立した天笠靴業(上海)有限公司は、中国の仕入先からの供給ルートが安定したこと等により清算手続き中であります。

 

[事業系統図]

 


 

 

[セグメント別売上構成比]

 

セグメントの名称

販売先別

売上構成比

第33期

自:2022年2月1日

至:2023年1月31日

第34期

自:2023年2月1日

至:2024年1月31日

金額(千円)

構成比

(%)

金額(千円)

構成比

(%)

卸売事業

靴専門店等

88,045

6.3

小売事業

直営店、百貨店

693,219

49.8

366,871

39.9

EC事業

WEB通販

603,313

43.3

552,186

60.0

その他事業

その他

8,945

0.6

688

0.1

合計

1,393,523

100.0

919,746

100.0

 

 

(2) 商品について

当社グループの主たる取扱商品は、ノンレザー素材を使用したカジュアル婦人靴であります。

ノンレザー素材を使用した商品は、皮革素材を使用した場合に比べ素材コストが低く製造コストが抑えられるため、販売価格を低目に設定できることに加え、素材の加工が容易であるため多彩なデザインを表現できることや手入れが簡単であるなどの特徴があります。(東京都靴卸協同組合 調べ)

商品は、1年を8シーズンに区分し、年間で約21万足相当(2024年1月期当社実績)を販売しております。商品構成につきましては、①商品開発部門でデザイン・企画したものを取引メーカーに生産委託した商品(オリジナル商品)、②メーカーの提案商品にアレンジを加えた商品(アレンジ商品)、③メーカー提案商品の中から選別した商品(セレクト商品)となっております。ベーシックなアイテムから季節と流行に合わせたもの、また、流行を先取りしたものと様々な商品をブランドごとに提供しております。

 


 

(3) 商品ターゲットについて

商品は、いずれのブランドも20代から30代の女性をコアターゲットに設定し商品開発を行っており、実購買層は20代から30代の女性であります(当社店頭調べ)。それぞれのブランドのコンセプトに基づき、女性のライフスタイルに合致するような商品の開発を主眼において商品づくりに努めております。

 

(4) 商品開発機能について

コアターゲット層である20代から30代の女性達は世間の流行から大きく外れることを好まない反面、他人との差別化や、自分らしさを表現できる商品を好む傾向が強く、「流行の枠内に収まりつつも各自の個性を発揮できるアイテムを求めている世代である」と認識しております。

このようなターゲットユーザーの深層心理を踏まえ、「他とは少しだけ違う」という、顧客のおしゃれ心を満たす商品の具現化に努め、有限会社天笠時より商品開発部門を自社内に設け、自社による商品デザイン企画体制の確立を図っております。

仕入先メーカーの協力を得て、当社グループの意図した商品が具現化できることにより、顧客ニーズに沿った微妙なデザインアレンジを反映した多種多様な商品を開発し、それら商品の迅速かつ戦略的な市場投入を実行しております。

デザイナーは、商品企画を担当し、デザインから使用素材の決定、サンプル品のチェック、商品化の決定までを担当しております。

マーチャンダイザーは、市場の動きに合わせフレキシブルにアイテムの追加・軌道修正や、展示会等の取引先評価を勘案しバリエーション幅を決定する等、商品化されたアイテムの調整を行い、効率的な商品展開を図る業務を行っております。

いずれのスタッフも定期的に直営店等の店頭に立ちトレンドの分析、自社商品の評価、売れ筋商品の検証等、実際に売り場での接客やリサーチを通じエンドユーザーの生の声や市場の動向から「現在及び今後どのような商品を消費者は求めているのか」を把握するよう努め、また、それを反映させた商品づくりに取り組んでおります。

 

(5) 仕入先について

当社グループは、商品の自社生産をせず、商品開発部門にてデザイン・企画したものを国内外の靴メーカーへ委託し生産された完成商品を仕入れるファブレス方式をとっております。

近年におけるファッションの流行の変化は非常に速く、短期間で変化している状況を踏まえ、「商品の有効期限」を意識し、「適時・適品」の徹底に努め、最新の流行を反映した商品が流行遅れになる前にスピーディーに店頭に供給することを第一としております。

現在、国内商品のデザイン・企画から商品化を経て取引先に納品するまで、新商品の場合35日、リピート商品の場合20日というリードタイムで行っております。このようなリードタイムの実現は、仕入先(製造メーカー)と協力関係を築き、品質面、技術面、物流面において高水準な商品を安定的な生産力をもった特定メーカー数社より仕入れることにより実現しております。

また、インポート商品に関しては従来国内仕入先を介した間接仕入れの方法によっておりましたが、近年の中国における製靴技術の進歩に鑑み、現地法人天笠靴業(上海)有限公司を設立し、原価率の一層の低減を目的とした直接仕入れを積極的に行っておりました。なお、中国の仕入先からの供給ルートが安定したこと等により、天笠靴業(上海)有限公司を清算手続き中であります。

 

商品の仕入工程は、次のとおりであります。

 


 

(6) 販売活動について

商品の販売につきましては、百貨店、インターネット及び直営店での小売販売を行っております。

販売取引先は、百貨店及び通信販売会社等でありますが、直営店やインターネットによる通信販売を通じてエンドユーザーに対し直接販売も行っております。

 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金

主要な事業の

内容

議決権の

所有割合

(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

天笠靴業(上海)有限公司

中国上海市

300千米ドル

商品の調達業務

100

役員の兼任あり。

合同会社JB GAMES

東京都台東区

1百万円

ゲームソフトの制作及び運用

100

役員の兼任あり。

 

(注)1.議決権の所有割合については出資比率を記載しております。

2.天笠靴業(上海)有限公司は清算手続き中であります。

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年1月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

小売事業

15

(15)

EC事業

6

(1)

その他事業

4

(-)

全社(共通)

14

(2)

合計

39

(18)

 

(注) 1.従業員数は役員を除く就業人員であります。

2.従業員数の欄の( )内の数字は、外数で臨時雇用者の年間平均雇用人員であります。

3.平均臨時雇用者数は、月間所定労働時間により換算しております。

4.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

5.前連結会計年度末に比べ従業員数が8名減少しておりますが、その主な理由は直営店舗の閉店によるもの及び通常の自己都合退職によるものであります。

 

(2) 提出会社の状況

2024年1月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

39

(18)

38.7

11.3

3,925,726

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

小売事業

15

(15)

EC事業

6

(1)

その他事業

4

(-)

全社(共通)

14

(2)

合計

39

(18)

 

(注) 1.従業員数は役員を除く就業人員であります。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.従業員数の欄の( )内の数字は、外数で臨時雇用者の年間平均雇用人員であります。

4.平均臨時雇用者数は、月間所定労働時間により換算しております。

5.前事業年度末に比べ従業員数が8名減少しておりますが、その主な理由は直営店舗の閉店によるもの及び通常の自己都合退職によるものであります。

(3) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。