独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書

 

 

 

2024年4月19日

モロゾフ株式会社

 

 

 

取締役会 御中

 

 

 

 

 

有限責任監査法人トーマツ

 

 

神戸事務所

 

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

西方 実

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

池田 哲也

 

<連結財務諸表監査>

監査意見

 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているモロゾフ株式会社の2023年2月1日から2024年1月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。

 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、モロゾフ株式会社及び連結子会社の2024年1月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

監査上の主要な検討事項

 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

 

(1)納品店販売における年度決算月の洋菓子売上高に関する発生及び期間帰属の適切性

監査上の主要な検討事項の

内容及び決定理由

監査上の対応

 会社は洋菓子製造販売を主たる事業活動としており、【注記事項】(セグメント情報等)に記載の通り、連結売上高34,933,847千円のうち、洋菓子製造販売事業の連結売上高は33,057,407千円(94.6%)を占めている。

 洋菓子製造販売に関する収益認識のタイミングは販路によって異なっている。すなわち、買取型の取引先への販売(以下、納品店販売という。)は製品出荷時点で、消化仕入型の取引先での販売(以下、委託店販売という。)は一般消費者に製品を引き渡した時点で、それぞれ収益を認識している。この点、製品出荷時点で収益を認識する納品店販売は、一般消費者に製品を引渡し、代金と引き換えに収益を認識する委託店販売に比して、相対的に売上高の発生、期間帰属に関するリスクが高いと考えられる。

 また、売上高には顕著な季節的変動がみられる。すなわち、バレンタインデー、中元、歳暮、クリスマスなど、大きなイベントがある月の売上高は、イベントがない月に比して膨らむ傾向にある。特に会社の決算月である1月はバレンタインデーの前月に当たることから、例年、決算月の納品店販売高は他の月に比して大きく、取引件数は膨らみ、販売事務量や出荷作業量が多くなっている。このような特徴から、決算月における収益認識のタイミングを誤る可能性は他の月に比して相対的に高く、また処理を誤った場合には、連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性が考えられる。

 以上のことから、納品店販売における年度決算月の洋菓子売上高に関する発生及び期間帰属の適切性について、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。

 

 当監査法人は、納品店販売における年度決算月の洋菓子売上高に関する発生及び期間帰属の適切性について、検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。

●内部統制の評価

 売上計上の発生及び期間帰属の適切性を確保するプロセスを理解するとともに主として以下の内部統制の整備状況・運用状況の有効性を評価した。

・在庫引当された出荷指示データが出荷予定日に売上データへ自動更新されるIT業務処理統制

・出荷指示データと出荷実績データの照合確認作業及び受注データ訂正の上席者による承認

・月次で実施される返品実績推移表の上席者による査閲

●リスク評価手続

・売上高について販路別、製品別に前年同月比較分析、得意先別に前年同期比較分析を実施するとともに、返品金額の前年同月比較分析を実施した。

・年度決算月については日別売上高の推移分析を実施し、合理的に説明できない多額の売上高の有無を検討した。

・期末日後翌月の返品取引について、多額の返品処理の有無を検討した。

●実証手続

・期末日前一定期間に計上された売上高からサンプリングにより詳細テスト対象を抽出し、関連する出荷証憑等との照合及び該当サンプルについて翌月返品が行われていないことの確認により、発生、期間帰属の適切性を検討した。

・得意先に対する売上債権の残高確認を実施し、差異がある場合にはその理由に問題がないかどうかを検討した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2)連結子会社(株式会社鎌倉ニュージャーマン)の減損損失の認識判定の妥当性

監査上の主要な検討事項の

内容及び決定理由

監査上の対応

 会社の当連結会計年度の連結貸借対照表に計上されている有形固定資産及び無形固定資産7,789,570千円のうち、684,696千円は、【注記事項】(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、連結子会社である株式会社鎌倉ニュージャーマンの洋菓子製造販売事業にかかるものであり、連結総資産の2.5%を占めている。

 【注記事項】(重要な会計上の見積り)に記載されているとおり、会社は原則として、継続的に収支の把握を行っている管理会計上の区分別に資産をグルーピングし、減損の兆候が認められる資産グループについては、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定している。

 株式会社鎌倉ニュージャーマンは、新型コロナウイルス感染症等の影響による業績落ち込みからの回復遅れや、原材料の高騰等により、継続して計画を超える営業損失を計上しており、減損の兆候が認められることから、当連結会計年度において、減損損失の認識の要否の判定を行っている。その結果、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を上回っているため、減損損失の認識は不要と判断している。

 当該判定に用いられる割引前将来キャッシュ・フローの総額は、経営者が作成した事業計画や主要な資産である土地の正味売却価額を基礎として見積もられる。特に価格改定や新たな販売ルートの開拓等による今後の売上高の拡大及び原材料価格を含む原価の見積りに関する予測には高い不確実性を伴い、これらの経営者による判断が割引前将来キャッシュ・フローの総額の見積りに重要な影響を及ぼす。

 以上のことから、株式会社鎌倉ニュージャーマンの減損損失の認識判定の妥当性が、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。

当監査法人は、連結子会社(株式会社鎌倉ニュージャーマン)の減損損失の認識判定の妥当性を検討するにあたり、主に以下の監査手続を実施した。

●内部統制の評価

株式会社鎌倉ニュージャーマンの将来キャッシュ・フローの基礎となる事業計画の策定及び会社による承認に関する内部統制の整備状況の有効性を評価した。

●実証手続

・経営者が使用した事業計画の見積りの仮定について、経営者及び事業計画作成の責任者等と討議するとともに、過去実績との比較や事業環境の現況、公的機関等が公表している将来予測に関する各種レポートと照らしつつ、以下に掲げる事項を勘案して、使用した仮定の実現可能性又は不確実性を評価した。

➢売上高予測については、新たな販売ルートにおける引き合いの状況等を含めて今後の見通しを経営者にヒアリングするとともに、過去の趨勢との比較や翌期首の値上げ後の販売状況を販売実績表の査閲により確かめることで、その実現可能性について検討した。

➢費用予測については、変動費と固定費に分解した上で、変動費については売上高比率の変動の有無の検討、固定費について前連結会計年度からの変動状況の検討を実施し、今後見込まれる変動要因を適切に織り込んだ上で合理的に算定されているかを評価した。

➢変動費のうち、特に原材料費率については、昨今の原材料価格の上昇の影響が適切に見積もられ反映されているか、利用可能な外部データとの整合性を検討しつつ、将来の原価予算の実現可能性について、慎重に検討を行った。

・正味売却価額の基礎となった不動産鑑定評価額については、当監査法人のネットワーク・ファームの不動産評価の専門家を関与させ、不動産鑑定評価書の閲覧及び不動産鑑定評価額の前提条件や採用した評価手法、評価額決定に至る判断過程を把握するとともに、近隣土地のマーケット情報等の利用可能な外部データとの比較に基づき、会社が利用した外部の不動産鑑定士による不動産鑑定評価額の妥当性を検討した。

 

 

その他の記載内容

 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。

 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。

 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。

 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

 

 

連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任

 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

 連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 

連結財務諸表監査における監査人の責任

 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。

・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。

・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。

・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。

・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

 監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。

 監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

 

<内部統制監査>

監査意見

 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、モロゾフ株式会社の2024年1月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。

 当監査法人は、モロゾフ株式会社が2024年1月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

 

監査意見の根拠

 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任

 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。

 監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。

 なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。

 

内部統制監査における監査人の責任

 監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。

 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。

・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。

・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

 監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

 監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う

 

<報酬関連情報>

 当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社及び子会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】に記載されている。

 

利害関係

 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

 

以 上

 

(注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。

2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。

 

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