第1 【公開買付要項】

 

1 【対象者名】

SBテクノロジー株式会社

 

2 【買付け等をする株券等の種類】

① 普通株式

② 新株予約権

イ 2018年9月26日開催の対象者取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(以下「2018年度第1回新株予約権」といいます。)(行使期間は2020年10月1日から2024年9月30日まで)

ロ 2021年9月29日開催の対象者取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(以下「2021年度第1回新株予約権」といいます。)(行使期間は2023年10月1日から2025年9月30日まで)

ハ 2022年6月20日開催の対象者取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(以下「2022年度第1回新株予約権」といい、2018年度第1回新株予約権、2021年度第1回新株予約権及び2022年度第1回新株予約権を総称して、以下「本新株予約権」といいます。)(行使期間は2025年7月1日から2028年6月30日まで)

 

3 【買付け等の目的】

(1) 本公開買付けの概要

公開買付者は、本書提出日現在、ソフトバンクグループ株式会社(以下「SBG」といいます。)がその発行済株式(自己株式を除きます。)の40.47%(公開買付者が2023年11月10日に提出した第38期第2四半期報告書に記載された2023年9月30日現在の公開買付者の発行済株式(自己株式を除きます。)の総数に対する所有株式数の割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。)を記載しております。)をSBGの完全子会社であるソフトバンクグループジャパン株式会社(以下「SBGJ」といいます。)を通じて所有する子会社であり、その普通株式を株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場しております。公開買付者は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場している対象者の普通株式(以下「対象者株式」といいます。)10,735,000株(所有割合(注1):52.81%)を所有しており、公開買付者は対象者を連結子会社としております。

(注1) 「所有割合」とは、①対象者が2024年4月25日に公表した2024年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)(以下「対象者決算短信」といいます。)に記載された2024年3月31日現在の対象者の発行済株式総数(22,757,800株)に、②対象者が2023年6月19日に提出した第35期有価証券報告書(以下「対象者有価証券報告書」といいます。)に記載された2018年度第1回新株予約権(1,800個(目的となる株式数:180,000株))、2021年度第1回新株予約権(2,290個(目的となる株式数:229,000株))及び2022年度第1回新株予約権(547個(目的となる株式数:54,700株))のうち、2024年3月31日現在残存するすべての本新株予約権(対象者によれば、2018年度第1回新株予約権1,580個(目的となる株式数:158,000株)、2021年度第1回新株予約権2,160個(目的となる株式数:216,000株)及び2022年度第1回新株予約権502個(目的となる株式数:50,200株)合計4,242個の目的となる株式数(合計424,200株)を加え、③対象者決算短信に記載された2024年3月31日現在の対象者が所有する自己株式数(2,856,067株)を控除した株式数(20,325,933株)(以下「対象者潜在株式勘案後株式総数」といいます。)に占める割合をいいます(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下所有割合の記載について他の取扱いを定めない限り同じです。)。

 

この度、公開買付者は、2024年4月25日付で、対象者の株主を公開買付者のみとして対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的とする一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、対象者株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権のすべてを対象として、本公開買付けにおける対象者株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を2,950円、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格(以下「本新株予約権買付価格」といいます。)を1円として、本公開買付けを実施することを決定いたしました。

 

公開買付者は、本公開買付けにおいて、対象者の株主を公開買付者のみとして対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているため、買付予定数の下限を2,815,600株(所有割合:13.85%)としており、本公開買付けに応じて応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行いません。他方、上記のとおり、公開買付者は、本公開買付けにおいて、対象者の株主を公開買付者のみとして対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているため、買付予定数の上限は設けておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限(2,815,600株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。なお、買付予定数の下限(2,815,600株)は、本公開買付けが成立した場合に公開買付者が所有することとなる対象者の議決権数の合計が、対象者潜在株式勘案後株式総数に係る議決権の数である203,259個に3分の2を乗じた数(135,506個、小数点以下切り上げ)以上となるように設定したものです。このような買付予定数の下限を設定した理由は、本来、本公開買付けは対象者の株主を公開買付者のみとして対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的としておりますが、本公開買付けにより、対象者株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権のすべてを取得できずに、下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載する株式併合の手続を行う場合には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件となっており、公開買付者が特別決議に必要となる議決権割合に相当する、対象者の総株主の議決権の3分の2以上の議決権を取得する必要があるためです。なお、公開買付者は、本書提出日現在、対象者株式10,735,000株(所有割合:52.81%)を所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する対象者の少数株主の利益に資さない可能性もあるため、本公開買付けにおいて、「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定しておりません。なお、本公開買付けの公正性を担保するために講じられた措置については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」をご参照ください。

公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより対象者株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権のすべてを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、対象者の株主を公開買付者のみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)の実施を予定しております。本スクイーズアウト手続の詳細については、下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」をご参照ください。

また、対象者が2024年4月25日に公表した「当社親会社であるソフトバンク株式会社による当社株式等に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」(以下「対象者プレスリリース」といいます。)によれば、対象者は、2024年4月25日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに関し、賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨及び本新株予約権の所有者(以下「本新株予約権者」といいます。)の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の決議を行ったとのことです。

対象者の意思決定の経緯及び理由の詳細については、対象者プレスリリース及び下記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅲ) 対象者における意思決定の経緯及び理由」をご参照ください。

 

 

(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針

① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
(ⅰ) 本公開買付けの背景

公開買付者は、ソフトバンクグループ(SBG並びにその子会社及び関連会社により構成される企業集団をいいます。以下同じです。)に属する中心的な事業会社であり、主な事業は、「コンシューマ事業」(一般個人向けの移動通信サービス、ブロードバンドサービス及び電力サービスの提供)、「エンタープライズ事業」(法人顧客向けの通信サービス及びソリューション提供)、「ディストリビューション事業」(IT商材、携帯アクセサリー等の直販及び卸売)、「メディア・EC事業」(広告関連サービス及びeコマース(注1)サービス等の提供)、「ファイナンス事業」(キャッシュレス決済サービス及び資産運用等の金融サービス、及び決済代行サービスの提供)及び「その他の事業」(クラウド(注2)サービスやセキュリティ運用監視サービス等の前述のセグメントに属さない事業)です。ソフトバンクグループは、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、企業価値の最大化を図るとともに、世界の人々が最も必要とするテクノロジーやサービスを提供する企業グループを目指し、情報・テクノロジー領域において、様々な事業に取り組んでおります。その中において、公開買付者は、通信領域で培った営業及びマーケティングに関するノウハウを有し、世界中の最先端テクノロジーの知見を最大限に発揮することで、既存顧客に限らず、社会全体に便益を提供しながら、顧客基盤の拡大と新たな収益基盤の確立を遂げていくことを戦略と位置付けております。

(注1) eコマース(electronic commerce)とは、インターネット等のネットワークを用いて契約や決済等を行う取引形態のことを指します。

(注2) クラウドとは、インターネット越しにITリソースやサービスを利用できるサービス形態を指します。

 

公開買付者は、2017年度から「Beyond Carrier」を成長戦略と定めており、AI(注3)等のテクノロジーを駆使した通信以外の事業領域の拡大を推進しております。現在では、公開買付者は、日本でも有数の通信ネットワーク、日本最大級のポータルサイト「Yahoo! Japan」やコミュニケーションサービス「LINE」、キャッシュレス決済サービス「PayPay」等の日本最大級のユーザー基盤を有する通信・IT企業グループであり、引き続き、成長戦略「Beyond Carrier」の下、コアビジネスである通信事業の持続的な成長を図りながら、通信キャリアの枠を超え、情報・テクノロジー領域の様々な分野で積極的にグループの事業を拡大することで、企業価値の最大化を目指しております。

(注3) AI(Artificial Intelligence)とは、人工知能(学習・推論・判断といった人間の知能のもつ機能を備えたコンピューターシステム)のことを指します。

 

 

一方、対象者は、1990年10月にソフトバンク株式会社(現SBG)の下で、ソフトウエアの試験・評価、海外ソフトウエアの国内への導入等の事業を目的として、ソフトバンク技研株式会社として設立されたとのことです。その後、組織再編の後、1999年1月にソフトバンク・テクノロジー株式会社に商号を変更し、同年7月には日本証券業協会に株式を店頭登録したとのことです。2000年10月にソフトバンク株式会社(現SBG)が所有していた対象者の全株式を現物出資し、ソフトバンク・テクノロジー・ホールディングス株式会社が設立されたことに伴い、ソフトバンク・テクノロジー・ホールディングス株式会社が直接の親会社となった後、2004年6月にソフトバンク・テクノロジー・ホールディングス株式会社がソフトバンク株式会社(現SBG)に吸収合併されたことにより、ソフトバンク株式会社(現SBG)が直接の親会社となったとのことです。その後、対象者は、2004年12月に東京証券取引所市場第二部に上場し、2006年3月に東京証券取引所市場第一部指定を受けたとのことです。2016年4月、SBGが所有していた対象者の全株式をソフトバンクグループジャパン合同会社(以下「旧SBGJ」といいます。)に移管したことに伴い、旧SBGJが直接の親会社となったとのことです。2017年4月、旧SBGJがソフトバンクグループインターナショナル合同会社(現SBGJ)に吸収合併されたことに伴い、SBGJが直接の親会社となったとのことです。そして、2018年4月、SBGJが、所有していた対象者の全株式を公開買付者に現物出資したことに伴い、公開買付者が直接の親会社となっているとのことです。その後、対象者は、2019年10月、現商号であるSBテクノロジー株式会社に商号を変更し、2022年4月の東京証券取引所の市場区分の再編により、東京証券取引所プライム市場に上場しているとのことです。本書提出日現在、対象者グループ(対象者、連結子会社11社及び持分法適用の関連会社2社の計14社で構成される企業集団をいいます。以下同じです。)は、主に通信、エンタープライズ、公共、個人の区分でマーケットを捉え、各マーケットの課題に対し、プロジェクトチームを立ち上げ、コンサルティングからシステム導入、IT教育等の事業を展開しているとのことです。また、対象者は、公開買付者、対象者を含む子会社222社並びに関連会社及び共同支配企業76社の計299社により構成される企業集団(以下「公開買付者グループ」といいます。)におけるICTサービス(注4)の中核企業として、「情報革命で人々を幸せに~技術の力で、未来をつくる~」を企業理念に掲げ、常に最先端のICT技術取得に挑戦しているとのことです。対象者は、これまで高品質なITサービスをお客様に提供するため、自らDX(注5)を実施し業務効率化やコスト削減等の改革に取り組んできたとのことです。これらの経験を活かし、お客様の本業の成長をともに実現していくビジネスパートナーを目指しているとのことです。対象者は、国内の公開買付者グループ企業のITシステムを支援するとともに、公開買付者グループ各社とシナジーを発揮しながらお客様が抱える様々な課題をICTサービスで解決することで、豊かな情報化社会の実現に貢献していくとのことです。

(注4) ICT(Information and Communication Technology)サービスとは、情報通信技術サービスを指します。

(注5) DX(Digital Transformation)とは、デジタル技術の活用による新たな価値・体験の提供及び社会の変革を指します。

 

また、対象者グループは持続可能な社会の実現に向け、事業・企業活動を通じて様々な社会課題に取り組んでおり、サステナビリティ活動を推進するためのテーマとして6つのマテリアリティ(重要課題)を特定し、マテリアリティの着実な推進を図るための指標としてKPI(注6)も設定したとのことです。

その上で、対象者グループは、「大きく成長する」ことを経営方針に掲げているとのことです。2014年3月期から3年ごとに重点テーマを設定し中期経営計画を策定してきたとのことです。前中期経営計画である2020年3月期から2022年3月期では「サービスプロバイダーへの進化」と「コンサルティング&ビジネスITの創出」を重点テーマに掲げお客様のビジネスへの貢献を推進してきたとのことです。

(注6) KPI(Key Performance Indicator)とは、目標数値達成のために最も重要な要因を数値で表したものを指します。

 

 

具体的には、「サービスプロバイダーへの進化」を実現することで、より多くのお客様のDX推進を支えてきたとのことです。対象者は大手企業及び官公庁を中心としたクラウドソリューションの個別開発で得た知見やプロセス資産をもとにマイクロソフトのクラウドサービスの利活用を補完するサービスとして、社外からのアクセス制御やメール誤送信防止、社内ポータルサイトによる情報共有や社内申請のワークフロー等のサービスを「clouXion(クラウジョン)」のブランドで展開しているとのことです。また、対象者は、国内トップクラスのクラウド導入実績と知見を活かして、クラウド・セキュリティにいち早く取り組んでおり、複雑化するサイバー攻撃の脅威への対策となるセキュリティ導入支援から、セキュリティ運用監視を提供するマネージドセキュリティサービス(MSS)、サイバー攻撃を想定した社内体制を強化するCSIRT(セキュリティ事故の対応チーム)構築支援、企業の包括的なセキュリティを支援するコンサルティング等、お客様の重要な情報資産保護や事業継続をサポートする幅広いサービスをワンストップで展開してきたとのことです。

「コンサルティング&ビジネスITの創出」としては、グローバルに事業を展開する製造業、建設業及び官公庁を注力業界と定め、お客様の本業成長あるいは業界全体の発展に向けたコンサルティング及びDX戦略の立案から実行までの支援を行うとともに、新たなビジネスモデルの創出を目指し、お客様との共創に取り組んできたとのことです。

対象者は、これら2つのテーマについては一定の成果を掲げることができたとのことですが、今後もお客様のニーズを深堀りし、更なるITサービスとの連携を進め、サービスの機能追加を図ることでお客様の事業成長を支援し、販売拡大を進めていくとのことです。そのため、2023年3月期から2025年3月期までを第4次中期経営計画と位置付け、新たに「顧客のDXを支援するセキュリティ&運用サービスの提供(押し上げる力)」、「顧客の変革を実現するデータを活用した共創型DXの推進(引き上げる力)」及び「DX人材の育成・創出のためのコンサルティング&IT教育(推進する力)」の3つを重点テーマに定めているとのことです。

 

そのような中、企業は事業変革に向けデジタル技術を用いたDX推進、働き方の変化に伴うクラウドや生成AI(注7)の利用促進、サイバー攻撃に対応するためのセキュリティ対策の拡充といった取組みを行ってきたとのことです。これにより国内企業におけるDX投資の需要は堅調に推移してきたとのことです。特に、生成AIの一種であるChatGPT(注8)が注目を浴びる等、コスト削減や業務効率化、新たな働き方を創造するための最先端技術を活用した動きは更に活発化しているとのことです。対象者においても、社内利用やお客様との共同実証実験を通じて得られたノウハウを反映した生成AIの回答精度を高めるコア技術と、それらを活用したDX推進のサービス提供、様々なビジネス用途において業務効率化を目指しているとのことです。

また、セキュリティ対策が脆弱な部分を狙ったサイバー犯罪は依然として増加傾向にあり、政府は2023年度中に業務委託先の企業に米国政府基準のサイバーセキュリティ対策を義務付ける等、自社のみならずサプライチェーン全体でのサイバーセキュリティ対策の必要性も顕在化しているとのことです。

このように、対象者を含めたICT関連企業は、DX推進とそれに伴うセキュリティ対策の支援を通じて、大きな社会の変化に対応することが求められているとのことです。

(注7) 生成AI(Artificial Intelligence)とは、AI(人工知能)が学習したデータを基に、オリジナルデータをアウトプットする技術を指します。

(注8) ChatGPT(Chat Generative Pre-trained Transformer)とは、OpenAI社が2022年11月に人工知能技術を用いて開発した、人間との対話を模倣するシステムを指します。

 

対象者は、上記のとおり、設立以来、SBGの直接又は間接の子会社として事業運営を行っており、2018年4月にソフトバンクグループインターナショナル合同会社(現SBGJ)から公開買付者に所有する対象者株式のすべて(10,735,000株、議決権割合54.56%(注9))が現物出資されたことをきっかけとして、対象者は公開買付者の直接の子会社となり、本書提出日現在においても公開買付者は同数の対象者株式を所有しております。現在では、対象者は、ソフトバンクグループ内におけるICTサービスの中核企業として、国内のソフトバンクグループ企業のITシステムを支援しており、公開買付者との取引があります。

(注9) 対象者が2018年3月29日に公表した「親会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」に記載の議決権割合を記載しております。

 

 

(ⅱ) 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った経緯・目的

上記のとおり、対象者は、ソフトバンクグループ内における組織再編を経て、公開買付者の子会社となり、ソフトバンクグループ内におけるICTサービスの中核企業として、国内のソフトバンクグループ企業のITシステムを支援しつつ、顧客の抱える様々な課題をICTサービスで解決してきたとのことです。

また、足元の国内ITサービス市場は、国内企業におけるDXの本格化を背景に、ITサービス事業者に対して、より高度で複雑なプロダクト・サービスが求められるようになっていると認識しております。例えば、データの保管場所はクラウド化が進んでおり、保管に至る経路はSASE(注10)で、また、各種デバイスやシステムはXDR(注11)で安全性を担保することが求められる等、より高度なITサービスが求められるようになりました。また、直近では生成AI等の新技術の登場により、顧客データの集約・管理を行った上で、生成AIを活用して当該企業における定型業務を処理するシステムの構築・コンサルティングといった、より各企業向けに特化された提案が求められるような新たなニーズも生まれております。

このような顧客のニーズの高度化・変化の中では、スマートフォン、MDM(注12)、エンドポイントセキュリティ(注13)等の単体のサービスでは、ITサービス事業者が顧客の課題を解決することは困難となってきており、ネットワーク、クラウド、セキュリティ、AI、アプリケーション等のサービスを組み合わせたプロダクト・サービスや、高度なシステムの開発が不可欠となっております。また、より高度で複雑なプロダクト・サービスの開発が進むにしたがって、顧客の要望を可視化するコンサルテーションを提供できることや、エンドツーエンド(注14)で幅広いサービスを提供できることが市場において強みになっていくと考えております。

(注10) SASEとは、Secure Access Service Edgeの略であり、セキュリティとネットワークの機能をクラウドベースのサービスとして統合するアーキテクチャを指します。

(注11) XDRとは、Extended Detection and Responseの略であり、エンドポイント、ネットワーク、クラウド環境等、異なるセキュリティデータソースからの情報を統合し、広範なセキュリティインシデントの可視性と対応を可能にするセキュリティソリューションを指します。

(注12) MDMとは、Mobile Device Managementの略であり、企業が業務利用するスマートフォンやタブレット端末等のモバイルデバイスを一元管理し、セキュリティを強化するツールを指します。

(注13) エンドポイントセキュリティとは、サーバーやPC、モバイルデバイスといったエンドポイントに対して、セキュリティ対策を行うことを指します。

(注14) エンドツーエンドとは、通信を行う二者を結ぶ経路全体又はその両端を指します。

 

このような背景を踏まえ、国内ITサービス市場においては、既存のアセットやスキルとITサービスの親和性が高いコンサルティングファームや通信キャリア等の新たなプレイヤーの参入が進んでおります。これにより、国内ITサービス市場においては、今後更に競争環境が激化すると考えております。また、2020年以降、国内ITサービス企業においては、統合・再編によってエンジニアリソースを拡充・囲い込む動きが活発化していると認識しており、上記のような競争環境の激化によって、DXを推進できるエンジニアリソースの逼迫等は一層進むと考えております。

公開買付者は、2023年4月上旬以降、このように大きく変化する国内ITサービスの市場環境・構造において、対象者の持続的な成長施策を検討してまいりました。その結果、公開買付者は、対象者はセキュリティ・クラウドにおける自社プロダクトが開発可能な高い技術力やサービスデリバリー等のSIer(注15)としての基盤が備わっており、セキュリティ及びAI等の高付加価値なサービスにより注力することによって収益力の向上に努めているものの、労働集約的な事業特性から、エンジニアリソースの逼迫が見込まれる国内ITサービス市場において、競争優位性のある総合的な課題解決ソリューション(注16)を単独で営業、開発及び維持することは困難であるとの結論に至りました。

(注15) SIerとは、System Integratorの略であり、ITを活用してクライアントの課題解決を行う事業者を指します。

(注16) 総合的な課題解決ソリューションとは、ネットワーク、AI、セキュリティ等、複数のサービス・プロダクトを組み合わせることで、顧客が有する事業上の課題解決に包括的に取り組むことを指します。

 

 

公開買付者は、対象者が上記のような経営課題を克服し、国内ITサービス市場において競争優位性を維持・増進していくためには、公開買付者グループ内におけるエンジニアリソースや総合的な課題解決ソリューション等の経営資源をより迅速かつ柔軟に活用することで、対象者の経営課題の克服を図ることが望ましいとの結論に至りました。

 

他方、公開買付者も、2023年4月上旬以降、通信キャリアの枠を超えて、AIの加速度的な進化により急増すると予見されるデータ処理や電力の需要に対応できる構造を持った次世代社会インフラを提供する企業へと成長していくために、生成AIに関連するIT技術ノウハウの獲得やガバメントクラウド(注17)の拡充に向けたエンジニアリソースの重要性を強く意識し、対象者を含む公開買付者グループ全体のエンジニアリソースの活用やシナジーの創出についての検討・議論を繰り返してきました。その結果、公開買付者は、2023年10月下旬、対象者の有するエンジニアやセキュリティ・クラウドサービス及び公開買付者の有する顧客基盤、エンジニア、ネットワークをはじめとするコミュニケーションサービス、AI/IoT(注18)/5G(注19)/デジタルマーケティングサービス等の経営資源を相互活用することで、両社が一体となって、DX推進を課題と感じている顧客に対する効果的なITサービスを提供することが可能となり、ひいては国内ITサービス市場において競争優位性を維持・増進することができるとの結論に至りました。

(注17) ガバメントクラウドとは、行政に関わる業務システムを統一されたクラウド上に集約、共通化・標準化した上で監視運用できるようにした政府共通のサービス利用環境のことを指します。

(注18) IoT(Internet of Things)とは、モノをインターネットに接続することを指します。

(注19) 5G(5th Generation)とは、第5世代移動通信システムのことを指します。

 

しかし、対象者と公開買付者がそれぞれ、上場企業として独立した経営を行っている現状においては、公開買付者と対象者が公開買付者グループの経営資源(各種人材・財務基盤・情報・ノウハウ等)を相互活用する場合、その有用性や公正性について、対象者の少数株主を含む各ステークホルダーの利益を考慮した慎重な検討が必要になり、迅速かつ柔軟な意思決定に制約が生じる状況にあります。また、公開買付者が対象者に対して企業価値向上に資する経営資源の提供をした場合、対象者において公開買付者以外の少数株主が存在することから、利益の一部が公開買付者グループ外に流出するといった問題が公開買付者の株主等から指摘される可能性もあり、機動的かつ効果的な施策を実行し、対象者を含む公開買付者グループの企業価値の最大化を図る上で、一定の限界があると考えております。加えて、対象者と公開買付者が上場企業として独立性を求められることにより、公開買付者グループ全体で見た際に組織機能の重複が存在し、経営資源の活用に非効率が生じているとも考えております。

 

そのため、公開買付者は、2023年10月下旬、上記のとおり、対象者と公開買付者の有する経営資源を相互活用することで、両社が一体となって、DX推進を課題と感じている顧客に対する効果的なITサービスの提供を可能とし、ひいては国内ITサービス市場において競争優位性を維持・増進するためには、対象者株式の非公開化によって、対象者と公開買付者全体の経営資源を迅速かつ柔軟に相互活用できる体制を整えるとともに、両社の組織機能の重複を解消し、効率的な経営資源の活用を可能とすることが最善であり、公開買付者及び対象者の企業価値の向上の観点からも望ましいとの結論に至りました。

 

 

公開買付者は、本取引により対象者株式を非公開化することで、具体的には、以下のような取組みやシナジー効果を期待できると考えております。これらの取組みやシナジー効果は、本取引によって対象者と公開買付者全体としての運営に関する迅速な意思決定体制を構築し、経営資源を迅速かつ柔軟に相互活用することではじめて、十分な効果が期待し得ると考えております。

Ⅰ.公開買付者グループの総合力を活かした新たなシナジーの構築

公開買付者が有する多様なチャネルや顧客基盤等の営業力と、対象者が有するクラウド、セキュリティ、パブリックにおけるビジネス知見や高い技術力を組み合わせることで、更なるDXプロジェクトの推進やサービスモデルを創出することができると考えております。具体的には、公開買付者のチャネルの多様なデータリソースを活用した複合提案や、公開買付者の通信・ネットワーク顧客に対象者のクラウド・セキュリティサービス、AIサービス等のクロスセル(注20)を実施すること、生成AIに係る新規サービスを提供すること等、様々なビジネス展開に貢献してまいります。

(注20) クロスセルとは、ある商品・サービスの購入者や購入希望者に対して、関連する別の商品・サービスも推薦して、販売に繋げることを指します。

 

Ⅱ.デジタルバリューチェーン拡充による事業基盤強化・高収益化

公開買付者は、「Beyond Carrier」を成長戦略と定めており、AI等のテクノロジーを駆使した通信以外の事業領域の拡大を推進しております。具体的には、公開買付者は、コアビジネスである通信事業の持続的な成長を図りながら、通信キャリアの枠を超え、クラウド、AI、IoT、5G等の最先端のテクノロジーを活用したDXソリューションを提供していく方針です。公開買付者は、公開買付者グループ全体としてより一層の一体化した運営を可能にする本取引を通じて、対象者のクラウド・セキュリティ等の技術を活用したDX支援サービスについても、対象者が保有していないモバイルやネットワーク等のプロダクト領域において公開買付者と提案連絡や技術連携を行うことで、ビジネスフロントにおける課題の分析・解決策の提言からITシステムの導入といった解決策実装までを一気通貫で提供し、高付加価値化を実現することで他社との差別化を更に強化してまいります。また、公開買付者グループにおいて、対象者の強みであるコンサルティングや最先端の技術力に公開買付者が有する多様なチャネルや顧客基盤等の営業力を掛け合わせることで、特にサービスラインアップの充実や、強い営業力を持って他社対比で高品質なサポートができ、加えてこれまで二手に分かれていたお客様窓口を統合してワンストップ対応することで、公開買付者グループとしての提案内容の競争優位性向上と公開買付者グループ全体の成長加速を実現できると考えております。

 

Ⅲ.公開買付者及び対象者が相互補完となる成長戦略の加速

エンジニアリソース不足に起因する公開買付者グループ全体での提案機会の逸失について、本取引を通じて重複領域を最適化し、また、公開買付者の採用力を最大限活かしながら対象者が有するクラウド、セキュリティ、パブリックにおける経験・知見・ノウハウを横展開し、相互に補完し合える人材の最適化を実現することで、相互補完できると考えております。さらに、公開買付者のキャリアビジネスで培ってきた顧客基盤・営業力・プロダクト領域や、公開買付者が持つ豊富なIT・デジタル活用事例で先行する海外事例の蓄積や付随するリレーションを活用することで連携提案や新規サービス開発が可能になると考えており、公開買付者グループとして成長戦略の加速に貢献してまいります。

 

 

公開買付者は、2023年10月下旬、対象者株式を非公開化し、公開買付者の有する事業との統合を進めることによって、経営資源を迅速かつ柔軟に相互活用できる体制を整えることで、公開買付者グループのより一層の企業価値向上を実現することが可能となるとの見込みを立て、対象者株式の非公開化に関する初期的な検討を開始いたしました。

その後、公開買付者は、2023年12月20日、対象者に対し、本取引の実施に向けた検討・協議を開始したい旨の打診を行い、2024年1月19日、対象者に対し、本取引の実施に向けた検討・協議に関する初期的な検討資料を提示いたしました。さらに、公開買付者は、2024年1月下旬、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選任し、対象者株式の非公開化に係る協議・交渉を行う体制を構築いたしました。その後、公開買付者は、2024年2月8日、対象者に対し、本取引の概要、公開買付者が本取引の結果として見込むシナジー及び今後の経営方針を記載した初期的提案書を提出いたしました。

 

その後、公開買付者と対象者は、本取引に向けた具体的な協議・検討を開始いたしました。具体的には、公開買付者は、本公開買付けの実現可能性及び公開買付者として見込むシナジーの精査のため、2024年2月下旬から同年3月下旬まで、対象者に対してデュー・ディリジェンスを実施するとともに、並行して対象者及び本特別委員会(下記「(ⅲ) 対象者における意思決定の経緯及び理由」の「(ア) 検討体制の構築の経緯」において定義します。以下同じです。)との間で、本取引の意義・目的や、本取引によって創出が見込まれるシナジー効果、本取引後の対象者の経営体制・事業方針について協議を実施いたしました。具体的には、公開買付者は、2024年3月5日、対象者及び本特別委員会より2024年2月8日の初期的提案書を受けた本取引の意義・目的に関して書面による質問を受領し、2024年3月12日、当該質問事項について書面による回答を提出いたしました。また、公開買付者は、2024年3月14日開催の本特別委員会において、当該質問事項に対する回答及び本取引の意義・目的に関する説明を行い、これに対する質疑応答を行うとともに、本取引の意義・目的、本取引後の経営体制及び本取引によって創出が見込まれるシナジーについて協議を行うとともに、2024年3月15日、当該質疑応答に係る書面による回答を追加で提出いたしました。

 

また、公開買付者は、2024年3月26日以降、対象者との間で、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格に関して複数回にわたる交渉を重ねてまいりました。具体的には、公開買付者は、公開買付者が対象者に対して実施したデュー・ディリジェンスにより得られた情報、当該情報を前提としてファイナンシャル・アドバイザーである野村證券が実施した初期的な対象者株式の価値分析及び当該情報を前提として公開買付者で実施した初期的な対象者株式の価値分析内容を総合的に勘案し、2024年3月26日、本公開買付けにおける本公開買付価格を2,700円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値2,098円に対して28.69%のプレミアム(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下プレミアムの数値(%)について同じです。))とすること、本新株予約権買付価格については、仮に公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないと解されることを勘案し、1円とすることを含んだ本取引に関する提案を行いました。しかし、公開買付者は、同年4月3日、対象者より、本公開買付価格は、本特別委員会が想定している価格水準を下回るものであり、対象者の少数株主の利益に十分に配慮する観点から本公開買付価格の引上げを要請すべきであると考えたことを理由に本公開買付価格の引上げを要請されました。

これを受けて、公開買付者は、同月5日、本公開買付けにおける本公開買付価格を2,764円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値2,015円に対して37.17%のプレミアム)とする再提案を行いました。しかし、公開買付者は、同月10日、対象者より、本公開買付価格は、対象者及び本特別委員会のファイナンシャル・アドバイザーによる株式価値の試算結果、並びに、本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準を踏まえると、引き続き、本特別委員会が想定している価格水準を下回るものであり、対象者の少数株主の利益に十分に配慮する観点から本公開買付価格の引上げを要請すべきであると考えたことを理由に本公開買付価格の引上げを要請されました。

 

これを受けて、公開買付者は、同月15日、本公開買付価格を2,900円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値2,097円に対して38.29%のプレミアム)とする旨の提案を行いました。しかし、公開買付者は、同月17日、対象者より、本公開買付価格は、対象者及び本特別委員会のファイナンシャル・アドバイザーによる株式価値の試算結果、並びに、本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準を踏まえると、引き続き、本特別委員会が想定している価格水準を下回るものであり、対象者の少数株主の利益及び従業員に十分に配慮する観点から本公開買付価格の引上げを要請すべきであると考えたことを理由に本公開買付価格の引上げを要請されました。

これを受けて、公開買付者は、同月17日、本公開買付価格を2,930円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値2,047円に対して43.14%のプレミアム)とする旨の提案を行いました。しかし、公開買付者は、同月18日、対象者より、本公開買付価格は、対象者及び本特別委員会のファイナンシャル・アドバイザーによる株式価値の試算結果、並びに、本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準を踏まえると、引き続き、本特別委員会が想定している価格水準を下回るものであり、対象者の少数株主の利益及び従業員に十分に配慮する観点から本公開買付価格を3,000円以上に引き上げることを要請すべきであると考えたことを理由に本公開買付価格の引上げを要請されました。

これを受けて、公開買付者は、同月19日、再度本公開買付価格を検討したものの、提案した本公開買付価格である2,930円は、対象者の本源的価値を最大限考慮し、また、本取引と類似する過去事例等も考慮したものであることから、本公開買付価格を引き上げることは困難との結論に至った旨の通知を行いました。しかし、公開買付者は、同月22日、対象者より、本公開買付価格は、対象者及び本特別委員会のファイナンシャル・アドバイザーによる株式価値の試算結果、並びに、本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準を踏まえると、引き続き、本特別委員会が想定している価格水準を下回るものであり、対象者の少数株主の利益及び従業員に十分に配慮する観点から本公開買付価格を3,000円以上に引き上げることを要請すべきであると考えたことを理由に本公開買付価格の引上げを再度要請されました。

これを受けて、公開買付者は、同月23日、本公開買付価格を2,950円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値2,030円に対して45.32%のプレミアム)とする旨の提案を行いました。その結果、公開買付者は、同日、対象者から、本公開買付価格を2,950円とすることを応諾する旨の回答を受領し、合意に至りました。

 

 

(ⅲ) 対象者における意思決定の経緯及び理由
(ア) 検討体制の構築の経緯

対象者プレスリリースによれば、対象者は、公開買付者から、2023年12月20日に本取引の実施に向けた検討・協議を開始したい旨の打診を受け、2024年1月19日に初期的な検討資料を受領したとのことです。これを受けて、対象者は、2024年1月下旬、本取引に関して、対象者及び公開買付者から独立した西村あさひ法律事務所・外国法共同事業(以下「西村あさひ法律事務所」といいます。)、ブレークモア法律事務所及び大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)に対して、公開買付者から上記検討資料を受領したことに対する対応に関する相談を開始したとのことです。その後、対象者は、公開買付者から2024年2月8日に、対象者の完全子会社化に関する公開買付者の提案を検討いただきたい旨の初期的提案書を改めて受領したとのことです。当該初期的提案書の受領を受けて、対象者は、本取引の検討並びに公開買付者との本取引に係る協議及び交渉を本格的に開始するにあたり、公開買付者は対象者株式の所有割合が52.81%に達する対象者の支配株主であり、公開買付者が対象者を連結子会社としていること等により、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当し得ることに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、2024年2月17日、対象者及び公開買付者から独立した法務アドバイザーとして西村あさひ法律事務所及びブレークモア法律事務所を、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券をそれぞれ正式に選任したとのことです。また、対象者は、本取引の公正性を担保するため、西村あさひ法律事務所及びブレークモア法律事務所の助言を踏まえ、公開買付者から独立した立場で、対象者の企業価値の向上及び対象者の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始したとのことです。具体的には、対象者は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2024年2月17日、対象者の独立社外取締役である鈴木茂男氏、宗像義恵氏及び宮川由香氏の3名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置したとのことです。検討の経緯及び判断内容等については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。

なお、本特別委員会は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2024年2月21日、独自の法務アドバイザーとして賢誠総合法律事務所を、独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス・コンサルティング」といいます。)を選任したとのことです。

また、対象者は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会において、対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券並びに対象者の法務アドバイザーである西村あさひ法律事務所及びブレークモア法律事務所について、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けたとのことです。

 

さらに、対象者は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑦ 対象者における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を対象者の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性・公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けたとのことです。

 

(イ) 検討・交渉の経緯

その上で、対象者は、大和証券から対象者株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、西村あさひ法律事務所及びブレークモア法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法的助言を受け、これらを踏まえ、本特別委員会の意見の内容を最大限尊重しながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に検討を行ってきたとのことです。

 

また、対象者は、2024年3月26日、公開買付者から、本公開買付価格を2,700円、本新株予約権買付価格を1円とすることを含む第1回提案を受領して以降、公開買付者との間で、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件について継続的に協議及び交渉を行ってきたとのことです。具体的には、対象者は、公開買付者から、2024年3月26日、本公開買付けに係る第1回提案を受領したとのことです。対象者は、公開買付者に対して、同年4月3日、本公開買付価格は、本特別委員会が想定している価格水準を下回るものであり、対象者の少数株主の利益に十分に配慮する観点から本公開買付価格の引上げを要請すべきであると考えたことを理由に本公開買付価格の引上げを要請したとのことです。

対象者は、かかる要請を受けた公開買付者から、同月5日、本公開買付けにおける本公開買付価格を2,764円とする再提案を受領したとのことです。対象者は、公開買付者に対して、同月10日、本公開買付価格は、対象者及び本特別委員会のファイナンシャル・アドバイザーによる株式価値の試算結果、並びに、本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準を踏まえると、引き続き、本特別委員会が想定している価格水準を下回るものであり、対象者の少数株主の利益に十分に配慮する観点から本公開買付価格の引上げを要請すべきであると考えたことを理由に本公開買付価格の引上げを要請したとのことです。

対象者は、かかる要請を受けた公開買付者から、同月15日、本公開買付価格を2,900円とする旨の提案を受領したとのことです。対象者は、公開買付者に対して、同月17日、本公開買付価格は、対象者及び本特別委員会のファイナンシャル・アドバイザーによる株式価値の試算結果、並びに、本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準を踏まえると、引き続き、本特別委員会が想定している価格水準を下回るものであり、対象者の少数株主の利益及び従業員に十分に配慮する観点から本公開買付価格の引上げを要請すべきであると考えたことを理由に本公開買付価格の引上げを要請したとのことです。

対象者は、かかる要請を受けた公開買付者から、同月17日、本公開買付価格を2,930円とする旨の提案を受領したとのことです。対象者は、公開買付者に対して、同月18日、本公開買付価格は、対象者及び本特別委員会のファイナンシャル・アドバイザーによる株式価値の試算結果、並びに、本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準を踏まえると、引き続き、本特別委員会が想定している価格水準を下回るものであり、対象者の少数株主の利益及び従業員に十分に配慮する観点から本公開買付価格を3,000円以上に引き上げることを要請すべきであると考えたことを理由に本公開買付価格の引上げを要請したとのことです。

対象者は、かかる要請を受けた公開買付者から、同月19日、再度本公開買付価格を検討したものの、提案した本公開買付価格である2,930円は、対象者の本源的価値を最大限考慮し、また、本取引と類似する過去事例等も考慮したものであることから、本公開買付価格を引き上げることは困難との結論に至った旨の通知を受領したとのことです。対象者は、公開買付者に対して、同月22日、本公開買付価格は、対象者及び本特別委員会のファイナンシャル・アドバイザーによる株式価値の試算結果、並びに、本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準を踏まえると、引き続き、本特別委員会が想定している価格水準を下回るものであり、対象者の少数株主の利益及び従業員に十分に配慮する観点から本公開買付価格を3,000円以上に引き上げることを要請すべきであると考えたことを理由に本公開買付価格の引上げを要請したとのことです。

 

対象者は、かかる要請を受けた公開買付者から、同月23日、本公開買付価格を2,950円とする旨の提案を受領したとのことです。その結果、対象者は、公開買付者に対して、同日、本公開買付価格を2,950円とすることを応諾する旨の回答を行い、合意に至ったとのことです。

 

以上の検討・交渉過程において、本特別委員会は、随時、対象者や対象者のアドバイザーから報告を受け、適宜、確認・承認を行ってきたとのことです。具体的には、まず、対象者が公開買付者に対して提示し、また、大和証券及びプルータス・コンサルティングが対象者株式の価値算定において基礎とする対象者の事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について本特別委員会の確認を受け、その承認を受けたとのことです。また、対象者のファイナンシャル・アドバイザーは、公開買付者との交渉にあたっては、事前に本特別委員会において審議の上決定した交渉方針に従って対応を行っており、公開買付者から本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、公開買付者との交渉方針等について本特別委員会から意見、指示、要請等を受け、これに従って対応を行ったとのことです。

 

そして、対象者は、2024年4月24日付で、本特別委員会から、①対象者取締役会が、本公開買付けに関し、賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨及び本新株予約権者の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の皆様の判断に委ねる旨の決議をすることは妥当であると考えられる旨、並びに②本取引を行うことは対象者の一般株主にとって不利益なものではないと考えられる旨の答申内容を含む答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けたとのことです(本答申書の概要については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。なお、対象者は、本答申書と併せて、本特別委員会から、2024年4月24日付で本特別委員会がプルータス・コンサルティングから提出を受けた対象者株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)」といいます。)及び本公開買付価格である1株当たり2,950円が対象者の少数株主にとって財務的見地から公正である旨のフェアネス・オピニオン(以下「本フェアネス・オピニオン」といいます。)の提出も受けたとのことです(本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンの概要については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。)。

 

(ウ) 判断内容

以上の経緯の下で、対象者は、2024年4月25日開催の対象者取締役会において、西村あさひ法律事務所及びブレークモア法律事務所から受けた法的助言、大和証券から受けた財務的見地からの助言並びに2024年4月24日付で大和証券から提出を受けた対象者株式に係る株式価値算定書(以下「対象者算定書」といいます。)の内容、並びに本特別委員会を通じて提出を受けた本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が対象者の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討を行ったとのことです。

その結果、対象者は、以下のとおり、本取引は対象者の企業価値の向上に資するものであるとの結論に至ったとのことです。

 

対象者を取り巻く事業環境においては、企業におけるデジタル技術を用いたDX推進や事業強化、新型コロナウイルス感染症の蔓延を背景として加速した「働き方改革」に伴うクラウドの利活用促進とともに、デジタル技術を活用したビジネスモデルの変革としての「DX」の必要性が提唱され、国内企業は戦略的なIT投資に旺盛となっていると考えているとのことです。また、企業のセキュリティ対策が脆弱な部分を狙ったサイバー犯罪は増加傾向にあり、サイバーセキュリティに関するリスクや対策について開示する企業が増加しており、事業継続の重要な要素としてサイバーセキュリティの対策が講じられるようになっていると考えているとのことです。対象者グループを含めたICT関連企業は、DX推進とそれに伴うセキュリティ対策の支援のみならずDX人材の育成を通じて、大きな変化が求められていると認識しているとのことです。

こうした環境のもと、対象者グループの属するデジタル及びICT事業の領域は引き続き堅調な成長が見込まれるものの、対象者グループの更なる企業価値向上のためには、既存事業の強化と成長に加えて、より付加価値の高いサービスを顧客に提供していくための投資や専門性の高い人材が必要と認識しているとのことです。その中でも、サービス化の推進にあたってサービスの企画・開発力や営業力は今後強化していく必要がある領域と考えており、この点において、公開買付者との連携効果が期待できるものの、利益相反等の観点で十分な情報共有や効率的な役割分担ができず、協業効果が限定的となっていることは課題の一つであると認識しているとのことです。

また、短期的なリターンを求められる資本市場の要請と上記の事業環境の変化を見据えた投資を行う必要性のバランスをとることは容易ではないことに加え、親子上場の資本関係に鑑みると、株式市場での資金調達を必ずしも柔軟に検討できるわけではない中で、上場維持費用を負担していることも、対象者の課題と認識しているとのことです。

 

その結果、対象者は、上記に記載の対象者グループを取り巻く経営環境を踏まえ、本取引を通じて対象者株式が非公開化し、公開買付者と対象者の少数株主との間の構造的な利益相反関係を解消し、公開買付者による対象者グループへの更なる経営資源の投入を可能とすることで、機動的かつ着実な経営施策の実行を通じて、以下のようなシナジー創出を見込むことができ、対象者の更なる企業価値向上に資するとの結論に至ったとのことです。なお、本取引に伴う上場廃止によるデメリットとして、上場会社というステータスを失うことにより、一時的には、優秀なITエンジニア人材の流出、離職率の上昇や人材採用の不安定化等の懸念があるとのことです。

しかしながら、公開買付者グループでの多分な成長機会を活用できることは、対象者の従業員にとってもモチベーション向上に繋がると考えており、人材に係るデメリットは限定的と考えているとのことです。かえって、公開買付者グループの社員として、働く環境や選択肢の幅が増えること、また、公開買付者の福利厚生制度の適用や研修制度の活用等ができることは、対象者の従業員にとっても大きなメリットとなりうると考えているとのことです。

加えて、対象者は、本取引以降の人事政策について、対象者従業員の意向を十分に踏まえ、公開買付者の人事部門も交え協議・調整する想定であり、また、公開買付者から、人材のリテンションは最重要であると認識し、本取引後の採用方針や従業員のリテンション方針については、対象者の既存の方針も踏まえて検討する旨の説明を受けているため、対象者としては、かかるデメリットは回避可能であると考えているとのことです。

また、資本市場から資金調達を行うことができなくなること等の上場会社であることによるメリットを享受できなくなることが挙げられるものの、対象者としては、公開買付者を通じて、公開買付者グループとして株式市場からの資金調達を行うことが可能であり、本取引後は公開買付者グループ全体の信用力を基に、対象者事業に係る資金需要に対応することが可能と考えているとのことです。加えて、対象者は、公開買付者から、公開買付者の長期及び短期の双方における高い信用力に基づく資金調達も可能との説明を受けており、これらの理由から、本取引後は、対象者事業に係る資金需要に対応する資金調達の選択肢は、今まで以上に広がるものと考えているとのことです。更に加えて、以下のシナジーの観点から想定される各施策の実行は、対象者の中長期的な企業価値の向上の観点からは必要となるものの短期的には資本市場から十分な評価を得ることができず、対象者の一般株主の利益を損なう可能性も否定できないことからも、対象者株式を非公開化することが最適であると考えたとのことです。

 

 

Ⅰ.対象者サービスの販売機会拡大

公開買付者は幅広い顧客基盤及び営業基盤を有しているところ、これらの顧客基盤及び営業基盤を活用し、公開買付者の通信・ネットワーク顧客のシステム関連需要に対して対象者のクラウド・セキュリティ&運用サービス、AIサービス等についてクロスセルを実施することができるとともに、様々なビジネス展開が期待でき、対象者サービスの販売機会が拡大すると考えたとのことです。

加えて、公開買付者が有するDX推進に向けた営業力を活用することで更なる新規顧客や新規案件の獲得が可能になり、成長戦略の加速に繋がると考えているとのことです。

 

Ⅱ.デジタルバリューチェーンの拡充による事業領域の強化・拡大

公開買付者は「Beyond Carrier」戦略の中で、デジタルバリューチェーンの拡充を進めております。具体的には、公開買付者は、従来の通信事業を基盤としつつ、その上で、クラウド、AI、IoT、5G等の最先端のテクノロジーを活用したDXソリューションを提供し、顧客の社会課題を解決するDXプレイヤーに変遷していく方針であると考えております。対象者においても、クラウド・セキュリティ等の技術を活用したDX支援を重点テーマとしており、対象者が保有していないモバイルやネットワーク等のプロダクト領域において公開買付者と提案連絡や技術連携を行うことで案件規模の拡大とともに、対象者の強みであるコンサルティングや最先端の技術力を、より付加価値の高いデジタルバリューチェーンとして顧客へ提供できるようになると考えているとのことです。これにより、対象者の既存顧客に対する提案力の強化や、新規顧客や新規案件の獲得、これらのノウハウ活用による新サービス開発等の事業領域の拡大を見込むことができると考えているとのことです。

 

Ⅲ.対象者グループ総合力の更なる強化

対象者グループを取り巻く経営環境の変化に伴い、高い専門性を持つ人材の獲得競争は更に激化すると想定しているとのことですが、公開買付者の採用力を最大限活かしながら対象者の経験・知見・ノウハウを横展開していき、相互に補完し合える人材の最適化を実現することで、人材不足に起因する提案機会の損失等の課題への対策に繋がると考えているとのことです。

また、公開買付者の持つ海外先行事例を活用することで、新しい商材やサービス開発の強化が可能となり、現行のサービスにおいても価値向上に繋がると考えているとのことです。

さらに、マーケティング部門等において、公開買付者の豊富な経営資源(各種人材・財務基盤・ノウハウ等)を戦略的に投資していくことで、新規顧客の開拓も可能になると考えているとのことです。

加えて、対象者グループと公開買付者の人材交流の活発化により、顧客企業に対する高付加価値サービスの提供を実現できると考えているとのことです。

 

また、以下の点から、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は妥当であり、本公開買付けは、対象者の株主の皆様に対して合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により対象者株式の売却の機会を提供するものであると判断したとのことです。

(ア) 対象者において、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、対象者及び公開買付者から独立した本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で真摯に交渉を重ねた上で合意された価格であること。

(イ) 対象者における独立した本特別委員会から取得した本答申書において、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本公開買付価格を含む本取引の取引条件の妥当性は確保されていると判断されていること。

 

(ウ) 下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されている大和証券による対象者株式に係る株式価値算定結果のうち、市場株価法による算定結果のレンジの上限を超えており、類似会社比較法及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果のレンジの範囲内であること。

(エ) 下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載されているプルータス・コンサルティングによる対象者株式に係る株式価値算定結果のうち、市場株価法による算定結果のレンジの上限を超えており、類似会社比較法及びDCF法による算定結果のレンジの範囲内であること。また、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、プルータス・コンサルティングから、本公開買付価格である1株当たり2,950円が対象者の少数株主にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンが発行されていること。

(オ) 本公開買付けの公表日の前営業日である2024年4月24日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値の2,048円に対して44.04%、過去1ヶ月間(2024年3月25日から2024年4月24日まで)の終値単純平均値2,056円(小数点以下第一位を四捨五入しております。以下終値単純平均値の数値について同じです。)に対して43.48%、過去3ヶ月間(2024年1月25日から2024年4月24日まで)の終値単純平均値2,138円に対して37.98%、過去6ヶ月間(2023年10月25日から2024年4月24日まで)の終値単純平均値2,262円に対して30.42%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となっており、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降2023年12月31日までに公表され、かつ、成立した親会社による上場子会社の完全子会社化事例におけるプレミアムの実例65件(プレミアム水準の平均値は、公表日の前営業日が38.38%、直近1ヶ月間が41.18%、直近3ヶ月間が41.02%、直近6ヶ月間が39.34%であり、プレミアム水準の中央値は、公表日の前営業日が40.50%、直近1ヶ月間が42.50%、直近3ヶ月間が40.01%、直近6ヶ月間が40.32%。)と比較して、過去6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準(約30%)は本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準(約40%)を下回るものの、公表日の前営業日の終値並びに過去1ヶ月間及び過去3ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準(いずれも約40%)は本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準(約40%)と遜色のない水準にあるものと認められること。

(カ) 下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が講じられており、一般株主の利益が確保されていると認められること。

 

以上より、対象者は、2024年4月25日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をしたとのことです。また、本新株予約権については、本新株予約権買付価格が1円とされていることから、本新株予約権者の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の決議をしたとのことです。

なお、上記対象者取締役会における決議の方法は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑧ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。

 

 

② 本公開買付け後の経営方針

公開買付者は、上記「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のシナジー効果を着実に実現させるべく、また、公開買付者グループの経営資源(各種人材・財務基盤・情報・ノウハウ等)を迅速かつ柔軟に相互活用し、ビジネス・事業の拡充を加速させるために、公開買付者及び対象者の完全な組織統合を目指しております。組織統合の時期は、本書提出日現在、決定しておりません。組織統合の効果を最大化するため、2025年4月以降で最適なタイミングを今後検討いたしますが、詳細については、公開買付者及び対象者の事業部門の役職員によって構成される統合委員会を設置し、対象者の事業部門の従業員の意見を十分に考慮した上で、対象者の経営陣と協議して決定・発表する予定です。なお、本取引後の対象者の経営体制及び取締役会の構成については、役員派遣の有無その他人事に関する事項を含め現時点で決定している事実はなく、本取引後に公開買付者と対象者の間で協議してまいります。

また、本取引後の対象者従業員については、継続雇用することを予定しております。具体的な人事政策、処遇、配置転換等については、本書提出日時点で決定した事項はございませんが、公開買付者は、優秀な人材のリテンションが最重要事項と捉えており、対象者の経営陣と十分に協議した上で、十分な配慮をもって対象者における人事制度や組織設計の検討を進める予定です。

 

(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

対象者は、公開買付者の子会社であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、本公開買付けを含む本取引が公開買付者と対象者の少数株主との間に構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本公開買付けの公正性を担保するため、以下の措置を講じております。なお、以下の記載のうち、対象者において実施した措置については、対象者から受けた説明に基づくものです。

なお、公開買付者は、上記「(1) 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本書提出日現在、対象者株式10,735,000株(所有割合:52.81%)を所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する対象者の少数株主の利益に資さない可能性もあるため、本公開買付けにおいて「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定しておりません。もっとも、公開買付者及び対象者において、本公開買付けの公正性を担保するための措置として、以下の措置を実施していることから、対象者の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えております。また、本特別委員会は、本答申書において、他の公正性担保措置が十分に講じられていると解されること等に鑑みると、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されていないことは、不合理とはいえない旨判断しており、対象者としても同様に判断しているとのことです。

 

① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得

④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得

⑤ 特別委員会における独立した法律事務所からの助言

⑥ 対象者における独立した法律事務所からの助言

⑦ 対象者における独立した検討体制の構築

⑧ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見

⑨ 取引保護条項の不存在

⑩ 対象者の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置

 

 

以上の詳細については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」をご参照ください。

 

(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

公開買付者は、上記「(1) 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより対象者株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権のすべてを取得できなかった場合には、本公開買付け成立後、以下の本スクイーズアウト手続を実施することを予定しております。

 

① 株式売渡請求

本公開買付けの成立により、公開買付者が、対象者の総株主の議決権の90%以上を所有するに至り、会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、公開買付者は、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する対象者株式(以下「売渡株式」といいます。)のすべてを売り渡すことを請求(以下「本株式売渡請求」といいます。)する予定です。本株式売渡請求においては、売渡株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定です。この場合、公開買付者は、その旨を対象者に通知し、対象者に対して本株式売渡請求の承認を求めます。対象者がその取締役会の決議により本株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、売渡株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、本株式売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主が所有する対象者株式のすべてを取得いたします。この場合、売渡株主が所有していた対象者株式の対価として、公開買付者は、当該各売渡株主に対して対象者株式1株当たり本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定です。

なお、対象者プレスリリースによれば、対象者は、公開買付者より本株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、取締役会において、本株式売渡請求を承認する予定とのことです。

本株式売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、売渡株主は、裁判所に対して、その所有する対象者株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。

 

② 株式併合

本公開買付けの成立後、公開買付者が、対象者の総株主の議決権の90%以上を所有するに至らなかった場合には、公開買付者は、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第180条に基づき、対象者株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む対象者の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を2024年8月を目途に開催することを対象者に要請する予定です。なお、対象者プレスリリースによれば、2024年4月25日現在において、対象者は、公開買付者の要請に応じ本臨時株主総会を開催する予定であり、本臨時株主総会の開催は2024年8月上旬頃を予定しているとのことです。また、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定です。

 

本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、対象者の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の対象者株式を所有することとなります。本株式併合をすることにより、株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた対象者の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する対象者株式を対象者又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになります。公開買付者は、当該端数の合計数に相当する対象者株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを、対象者に要請する予定です。

また、本株式併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者のみが対象者株式のすべて(対象者が所有する自己株式を除きます。)を所有することを企図し、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)の所有する対象者株式の数が1株に満たない端数となるように決定されるよう対象者に要請する予定です。なお、対象者プレスリリースによれば、対象者は、本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定とのことです。

また、本株式併合に関する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、本株式併合がなされた場合であって、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、所定の条件を満たす場合には、対象者の株主は、対象者に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求できる旨及び裁判所に対して対象者株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。

なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における対象者の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。

 

③ 本新株予約権の無償取得

本新株予約権については、本新株予約権に係る発行要項において、(a)本新株予約権の目的である種類の株式についての株式の併合(当該株式に係る単元株式数に株式の併合割合を乗じて得た数に1に満たない端数が生ずるものに限ります。)が対象者株主総会で承認されたとき、又は(b)特別支配株主による株式売渡請求が対象者取締役会で承認されたときは、対象者は、対象者取締役会が別途定める日の到来をもって、本新株予約権を無償で取得することができるとされております。

公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにおいて本新株予約権の全部を取得できず、かつ、本新株予約権が行使されずに残存した場合には、残存する本新株予約権の全部について上記(a)又は(b)の規定に基づき無償で取得することを対象者に要請することを予定しております。なお、対象者プレスリリースによれば、対象者は、当該要請を受けた場合には、当該要請に応じる予定とのことです。

 

上記の各手続については、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈等の状況等によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があります。ただし、その場合であっても、本公開買付けが成立した場合には、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該対象者の株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該対象者の株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定です。もっとも、本株式売渡請求に関する売買価格の決定の申立て又は本株式併合についての株式買取請求に関する価格の決定の申立てがなされた場合において、当該申立てを行った対象者の株主が所有していた対象者株式の売買価格又は株式買取請求に関する価格は、最終的に裁判所が判断することになります。

以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者が対象者と協議の上、決定次第、対象者が速やかに公表する予定です。

なお、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、対象者の株主の皆様が自らの責任において税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。

 

 

(5) 上場廃止となる見込み及びその事由

対象者株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場しておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従って、対象者株式は所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、上記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しておりますので、かかる手続が実行された場合には、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、対象者株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、対象者株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできません。

 

(6) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項

該当事項はありません。

 

4 【買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数】

(1) 【買付け等の期間】

① 【届出当初の期間】

 

買付け等の期間

2024年4月26日(金曜日)から2024年6月11日(火曜日)まで(30営業日)

公告日

2024年4月26日(金曜日)

公告掲載新聞名

電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。

電子公告アドレス

(https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/)

 

 

② 【対象者の請求に基づく延長の可能性の有無】

該当事項はありません。

 

③ 【期間延長の確認連絡先】

該当事項はありません。

 

(2) 【買付け等の価格】

 

株券

普通株式 1株につき金2,950円

新株予約権証券

2018年度第1回新株予約権 1個につき金1円

2021年度第1回新株予約権 1個につき金1円

2022年度第1回新株予約権 1個につき金1円

新株予約権付社債券

株券等信託受益証券

(      )

株券等預託証券

(      )

 

 

算定の基礎

(ⅰ) 普通株式

公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び対象者から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券に対して、対象者の株式価値の算定を依頼いたしました。

野村證券は、対象者の財務状況、対象者株式の市場株価の動向等について検討を行った上で、多面的に評価することが適切であると考え、複数の株式価値算定手法の中から対象者の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、市場株価が存在することから市場株価平均法を、対象者と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による対象者株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて対象者の株式価値の算定を行い、公開買付者は、野村證券から2024年4月25日付で株式価値算定書(以下「本買付者側株式価値算定書」といいます。)を取得いたしました。なお、野村證券は公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有しておりません。また、公開買付者は、下記「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」に記載の諸要素を総合的に考慮し、対象者の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えていることから、野村證券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

野村證券により上記各手法において算定された対象者株式1株当たりの株式価値の範囲は、それぞれ以下のとおりです。

 

市場株価平均法:2,017円から2,262円

類似会社比較法:2,674円から3,677円

DCF法     :1,992円から3,516円

 

市場株価平均法では、2024年4月24日を基準日として、東京証券取引所プライム市場における対象者株式の基準日終値2,048円、直近5営業日の終値単純平均値2,017円、直近1ヶ月間の終値単純平均値2,056円、直近3ヶ月間の終値単純平均値2,138円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値2,262円を基に、対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を2,017円から2,262円と算定しております。

類似会社比較法では、対象者と類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて対象者の株式価値を算定し、対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を2,674円から3,677円までと算定しております。

DCF法では、対象者より受領(対象者から受領した事業計画にフリー・キャッシュ・フローは含まれておりません。)し、公開買付者にて修正の上提供された2025年3月期から2027年3月期までの3期分の事業計画における収益や投資計画、対象者へのマネジメント・インタビュー、直近までの業績の動向、一般に公開された情報等の諸要素を考慮した2025年3月期以降の対象者の将来の収益予想に基づき、対象者が将来生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて対象者の企業価値や株式価値を分析評価し、対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を1,992円から3,516円と算定しております。なお、DCF法の前提とした対象者の事業計画について、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれておりませんが、野村證券がDCF分析に用いた財務予測においては、大幅なフリー・キャッシュ・フローの変動を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2026年度3月期において、オフィスへの投資から生じる設備投資額の減少に伴い、フリー・キャッシュ・フローが前年度対比で大幅に増加することを見込んでおります。また、当該事業計画は、本取引の実行を前提としたものではなく、本取引の実行により実現することが期待されるシナジーについては、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該事業計画には加味されておりません。

公開買付者は、野村證券から取得した本買付者側株式価値算定書における対象者の株式価値の算定結果に加え、2024年2月下旬から同年3月下旬まで実施した対象者に対するデュー・ディリジェンスの結果、対象者取締役会による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、対象者との協議・交渉の結果等を踏まえ、最終的に2024年4月25日、本公開買付価格を2,950円と決定いたしました。

なお、本公開買付価格である2,950円は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2024年4月24日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値2,048円に対して44.04%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,056円に対して43.48%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値2,138円に対して37.98%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値2,262円に対して30.42%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となります。また、本公開買付価格である2,950円は、本書提出日の前営業日である2024年4月25日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値2,046円に対して44.18%のプレミアムを加えた価格となります。

 

 

 

(ⅱ) 新株予約権

本新株予約権は、その権利行使時点において対象者又は対象者グループの取締役、従業員その他これに準ずる地位にあることが権利行使条件として定められており、仮に公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないと解されることから、公開買付者は、2024年4月25日に本新株予約権買付価格をいずれも1円とすることを決定いたしました。

なお、公開買付者は、上記のとおり、本新株予約権買付価格を決定したことから、第三者算定機関から算定書や意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

算定の経緯

(本公開買付価格及び本新株予約権買付価格の決定に至る経緯)

上記「3 買付け等の目的」の「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅱ) 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った経緯・目的」に記載のとおり、公開買付者は、2023年10月下旬、対象者株式を非公開化し、公開買付者の有する事業との統合を進めることによって、経営資源を迅速かつ柔軟に相互活用できる体制を整えることで、公開買付者グループのより一層の企業価値向上を実現することが可能となるとの見込みを立て、対象者株式の非公開化に関する初期的な検討を開始いたしました。

その後、公開買付者は、2023年12月20日、対象者に対し、本取引の実施に向けた検討・協議を開始したい旨の打診を行い、2024年1月19日、対象者に対し、本取引の実施に向けた検討・協議に関する初期的な検討資料を提示いたしました。さらに、公開買付者は、2024年1月下旬、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券を、リーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選任し、対象者株式の非公開化に係る協議・交渉を行う体制を構築いたしました。その後、公開買付者は、2024年2月8日、対象者に対し、本取引の概要、公開買付者が本取引の結果として見込むシナジー及び今後の経営方針を記載した初期的提案書を提出いたしました。

その後、公開買付者と対象者は、本取引に向けた具体的な協議・検討を開始いたしました。具体的には、公開買付者は、本公開買付けの実現可能性及び公開買付者として見込むシナジーの精査のため、2024年2月下旬から同年3月下旬まで、対象者に対してデュー・ディリジェンスを実施するとともに、並行して対象者及び本特別委員会との間で、本取引の意義・目的や、本取引によって創出が見込まれるシナジー効果、本取引後の対象者の経営体制・事業方針について協議を実施いたしました。具体的には、公開買付者は、2024年3月5日、対象者及び本特別委員会より2024年2月8日の初期的提案書を受けた本取引の意義・目的に関して書面による質問を受領し、2024年3月12日、当該質問事項について書面による回答を提出いたしました。また、公開買付者は、2024年3月14日開催の本特別委員会において、当該質問事項に対する回答及び本取引の意義・目的に関する説明を行い、これに対する質疑応答を行うとともに、本取引の意義・目的、本取引後の経営体制及び本取引によって創出が見込まれるシナジーについて協議を行うとともに、2024年3月15日、当該質疑応答に係る書面による回答を追加で提出いたしました。

 

また、公開買付者は、2024年3月26日以降、対象者との間で、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格に関して複数回にわたる交渉を重ねてまいりました。具体的には、公開買付者は、公開買付者が対象者に対して実施したデュー・ディリジェンスにより得られた情報、当該情報を前提としてファイナンシャル・アドバイザーである野村證券が実施した初期的な対象者株式の価値分析及び当該情報を前提として公開買付者で実施した初期的な対象者株式の価値分析内容を総合的に勘案し、2024年3月26日、本公開買付けにおける本公開買付価格を2,700円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値2,098円に対して28.69%のプレミアム)とすること、本新株予約権買付価格については、仮に公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないと解されることを勘案し、1円とすることを含んだ本取引に関する提案を行いました。しかし、公開買付者は、同年4月3日、対象者より、本公開買付価格は、本特別委員会が想定している価格水準を下回るものであり、対象者の少数株主の利益に十分に配慮する観点から本公開買付価格の引上げを要請すべきであると考えたことを理由に本公開買付価格の引上げを要請されました。

これを受けて、公開買付者は、同月5日、本公開買付けにおける本公開買付価格を2,764円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値2,015円に対して37.17%のプレミアム)とする再提案を行いました。しかし、公開買付者は、同月10日、対象者より、本公開買付価格は、対象者及び本特別委員会のファイナンシャル・アドバイザーによる株式価値の試算結果、並びに、本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準を踏まえると、引き続き、本特別委員会が想定している価格水準を下回るものであり、対象者の少数株主の利益に十分に配慮する観点から本公開買付価格の引上げを要請すべきであると考えたことを理由に本公開買付価格の引上げを要請されました。

これを受けて、公開買付者は、同月15日、本公開買付価格を2,900円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値2,097円に対して38.29%のプレミアム)とする旨の提案を行いました。しかし、公開買付者は、同月17日、対象者より、本公開買付価格は、対象者及び本特別委員会のファイナンシャル・アドバイザーによる株式価値の試算結果、並びに、本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準を踏まえると、引き続き、本特別委員会が想定している価格水準を下回るものであり、対象者の少数株主の利益及び従業員に十分に配慮する観点から本公開買付価格の引上げを要請すべきであると考えたことを理由に本公開買付価格の引上げを要請されました。

 

 

 

これを受けて、公開買付者は、同月17日、本公開買付価格を2,930円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値2,047円に対して43.14%のプレミアム)とする旨の提案を行いました。

しかし、公開買付者は、同月18日、対象者より、本公開買付価格は、対象者及び本特別委員会のファイナンシャル・アドバイザーによる株式価値の試算結果、並びに、本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準を踏まえると、引き続き、本特別委員会が想定している価格水準を下回るものであり、対象者の少数株主の利益及び従業員に十分に配慮する観点から本公開買付価格を3,000円以上に引き上げることを要請すべきであると考えたことを理由に本公開買付価格の引上げを要請されました。

これを受けて、公開買付者は、同月19日、再度本公開買付価格を検討したものの、提案した本公開買付価格である2,930円は、対象者の本源的価値を最大限考慮し、また、本取引と類似する過去事例等も考慮したものであることから、本公開買付価格を引き上げることは困難との結論に至った旨の通知を行いました。しかし、公開買付者は、同月22日、対象者より、本公開買付価格は、対象者及び本特別委員会のファイナンシャル・アドバイザーによる株式価値の試算結果、並びに、本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準を踏まえると、引き続き、本特別委員会が想定している価格水準を下回るものであり、対象者の少数株主の利益及び従業員に十分に配慮する観点から本公開買付価格を3,000円以上に引き上げることを要請すべきであると考えたことを理由に本公開買付価格の引上げを再度要請されました。

これを受けて、公開買付者は、同月23日、本公開買付価格を2,950円(前営業日時点の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の株価終値2,030円に対して45.32%のプレミアム)とする旨の提案を行いました。その結果、公開買付者は、同日、対象者から、本公開買付価格を2,950円とすることを応諾する旨の回答を受領し、合意に至りました。

公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び対象者から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券に対して、対象者の株式価値の算定を依頼いたしました。

野村證券は、対象者の財務状況、対象者株式の市場株価の動向等について検討を行った上で、多面的に評価することが適切であると考え、複数の株式価値算定手法の中から対象者の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、市場株価が存在することから市場株価平均法を、対象者と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による対象者株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて対象者の株式価値の算定を行い、公開買付者は、野村證券から2024年4月25日付で本買付者側株式価値算定書を取得いたしました。なお、野村證券は公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有しておりません。また、公開買付者は、下記に記載の諸要素を総合的に考慮し、対象者の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えていることから、野村證券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。本買付者側株式価値算定書の概要及びそれを踏まえて本公開買付価格を決定するに至った理由は以下のとおりです。

 

① 本買付者側株式価値算定書の概要

野村證券は、市場株価平均法、類似会社比較法及びDCF法の各手法を用いて対象者の株式価値の算定を行っており、各手法において算定された対象者株式1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。

 

市場株価平均法:2,017円から2,262円

類似会社比較法:2,674円から3,677円

DCF法     :1,992円から3,516円

 

② 本買付者側株式価値算定書を踏まえて本公開買付価格を決定するに至った理由

公開買付者は、野村證券から取得した本買付者側株式価値算定書における対象者の株式価値の算定結果に加え、2024年2月下旬から同年3月下旬まで実施した対象者に対するデュー・ディリジェンスの結果、対象者取締役会による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、対象者との協議・交渉の結果等を踏まえ、最終的に2024年4月25日、本公開買付価格を2,950円と決定いたしました。

 

(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)

対象者は、公開買付者の子会社であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、本公開買付けを含む本取引が公開買付者と対象者の少数株主との間に構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本公開買付けの公正性を担保するため、以下の措置を講じております。なお、以下の記載のうち、対象者において実施した措置については、対象者から受けた説明に基づくものです。

 

① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

公開買付者は2024年4月25日付で野村證券から、対象者の株式価値の算定結果に関する本買付者側株式価値算定書を取得しております。詳細については、上記「算定の基礎」をご参照ください。

 

 

 

② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

(ⅰ) 算定機関の名称並びに対象者及び公開買付者との関係

対象者は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、対象者及び公開買付者から独立した第三者算定機関としてのファイナンシャル・アドバイザーである大和証券に対して、対象者の株式価値の算定を依頼し、2024年4月24日付で、対象者算定書を取得したとのことです。なお、大和証券は、対象者グループ及び公開買付者グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有していないとのことです。また、対象者は、公開買付者及び対象者において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることから、大和証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得していないとのことです。なお、本取引に係る大和証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれているとのことですが、対象者は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に対象者に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案の上、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定されるわけではないと判断し、上記の報酬体系により大和証券を対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選定したとのことです。

 

(ⅱ) 対象者株式に係る算定の概要

大和証券は、複数の算定手法の中から対象者株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、対象者が継続企業であるとの前提の下、対象者株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、対象者の市場株価の動向を勘案した市場株価法、対象者と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による対象者株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法及び対象者業績の内容や予想等を評価に反映するためにDCF法を算定方法として用いて対象者株式の1株当たりの株式価値の分析を行い、対象者は、2024年4月24日付で大和証券より対象者算定書を取得したとのことです。

上記各手法に基づいて算定された対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりとのことです。

 

市場株価法  :2,048円から2,262円

類似会社比較法:2,362円から3,198円

DCF法     :2,614円から3,881円

 

市場株価法では、2024年4月24日を算定基準日として、対象者株式の東京証券取引所プライム市場における基準日の終値2,048円、直近1ヶ月間(2024年3月25日から2024年4月24日まで)の終値単純平均値2,056円、直近3ヶ月間(2024年1月25日から2024年4月24日まで)の終値単純平均値2,138円及び直近6ヶ月間(2023年10月25日から2024年4月24日まで)の終値単純平均値2,262円を基に、対象者株式の1株当たりの価値の範囲を2,048円~2,262円と算定しているとのことです。

類似会社比較法では、対象者と類似性があると判断される類似上場会社として、株式会社クレスコ、株式会社CAC Holdings、株式会社ラック、株式会社IDホールディングス、株式会社コア、デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社及び株式会社ランドコンピュータを選定した上で、企業価値に対するEBITDAの倍率を用いて算定を行い、対象者株式の1株当たり価値の範囲を2,362円~3,198円までと算定しているとのことです。

DCF法では、対象者が作成した事業計画を基に、2025年3月期から2027年3月期までの3期分の事業計画における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、対象者が2025年3月期以降創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて対象者の企業価値や株式価値を分析し、対象者株式の1株当たり価値の範囲を2,614円~3,881円までと算定しているとのことです。なお、大和証券がDCF分析に用いた財務予測においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれていないものの、大和証券がDCF分析に用いた財務予測においては、大幅なフリー・キャッシュ・フローの変動を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2026年度3月期において、オフィスへの投資から生じる設備投資額の減少に伴い、フリー・キャッシュ・フローが前年度対比で大幅に増加することを見込んでいるとのことです。また、割引率は7.1%~9.4%を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長率法を採用し、永久成長率は0.0%~1.0%として算定しているとのことです。

大和証券がDCF法による分析に用いた対象者作成の事業計画においては、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、加味していないとのことです。

なお、DCF法で算定の前提とした対象者財務予測の数値は以下のとおりとのことです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

2025年

3月期

2026年

3月期

2027年

3月期

売上高

69,544

74,204

79,384

営業利益

5,725

6,203

6,796

EBITDA

7,350

7,921

8,614

フリー・キャッシュ・フロー

2,402

3,342

3,729

 

 

③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得

(ⅰ) 設置等の経緯

上記「3 買付け等の目的」の「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅲ) 対象者における意思決定の経緯及び理由」に記載のとおり、対象者は、2024年2月17日付の取締役会決議により、本特別委員会を設置したとのことですが、かかる本特別委員会の設置に先立ち、対象者は、2024年1月下旬から、公開買付者から独立した立場で、対象者の企業価値の向上及び対象者の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を構築するため、西村あさひ法律事務所及びブレークモア法律事務所の助言も得つつ、公開買付者との間で重要な利害関係を有しない対象者の独立社外取締役及び独立社外監査役に対して、公開買付者から本取引の実施に向けた検討・協議を開始したい旨の提案書を受領した旨、本取引に係る検討・交渉等を行うにあたっては、本特別委員会の設置をはじめとする本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置を十分に講じる必要がある旨等を個別に説明するとともに、本取引においては構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題に対応するために手続の公正性を十分に確保する必要がある旨、並びに本特別委員会の役割等についての説明及び質疑応答を行ったとのことです。また、対象者は、並行して、西村あさひ法律事務所及びブレークモア法律事務所の助言を得つつ、本特別委員会の委員の候補となる対象者の独立社外取締役及び独立社外監査役の独立性及び適格性等について確認を行うとともに、公開買付者との間で重要な利害関係を有していないこと、及び本取引の成否に関して一般株主の皆様とは異なる重要な利害関係を有していないことについても確認を行ったとのことです。その上で、対象者の独立社外取締役との間で、西村あさひ法律事務所及びブレークモア法律事務所の助言を得つつ、協議した結果、異議がない旨が確認されたことから、対象者は、企業運営に関する豊富な経験・幅広い見識を有する鈴木茂男氏(対象者独立社外取締役)、宗像義恵氏(対象者独立社外取締役)及び宮川由香氏(対象者独立社外取締役)の3名を本特別委員会の委員の候補として選定したとのことです(なお、本特別委員会の委員長には対象者の独立社外取締役である鈴木茂男氏が就任しており、本特別委員会の委員は設置当初から変更していないとのことです。)。

その上で、対象者は、上記「3 買付け等の目的」の「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅲ) 対象者における意思決定の経緯及び理由」に記載のとおり、2024年2月17日付の取締役会決議により本特別委員会を設置するとともに、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の合理性(本取引が対象者の企業価値向上に資するかを含みます。)、(ⅱ)本取引の取引条件の妥当性、(ⅲ)本取引に係る手続の公正性、(ⅳ)本取引を行うことは対象者の一般株主にとって不利益ではないか、(ⅴ)本公開買付けに対して、対象者取締役会が賛同意見を表明すること及び対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非(以下、かかる(ⅰ)ないし(ⅴ)の事項を総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問しているとのことです。

また、対象者は、上記取締役会決議において、対象者取締役会において本取引に関する意思決定(本公開買付けに係る対象者の意見表明を含みます。)を行うに際しては、本特別委員会の判断内容を最大限尊重し、本特別委員会が本取引の条件が妥当でなく、本取引に賛同すべきでないと判断した場合には、本取引に賛同しない旨を決議しているとのことです。併せて、対象者は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対して、(a)対象者が公開買付者と本取引の取引条件について協議・交渉するにあたり、事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、取引条件に関する交渉過程に実質的に関与するとともに、必要に応じて直接交渉を行う権限、(b)本特別委員会が本諮問事項の検討等にあたり必要と判断した場合には、本取引に関して適切な判断を確保するために、対象者による合理的費用の負担の下、独自に財務アドバイザー、第三者評価機関及び法務アドバイザー(以下「アドバイザー等」といいます。)を選任する権限並びに対象者のアドバイザー等が高い専門性を有しており、独立性にも問題がない等、本特別委員会として対象者のアドバイザー等を信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、対象者のアドバイザー等に対して専門的助言を求める権限、並びに(c)対象者の取締役、従業員その他本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求める権限を付与しているとのことです。

 

 

 

上記の対象者取締役会においては、対象者の取締役9名のうち、公開買付者の役職員の地位を有する藤長国浩氏を除く対象者の取締役8名にて審議の上、その全員一致により上記の決議を行ったとのことです。また、上記の対象者取締役会においては、公開買付者の役職員の地位を有する内藤隆志氏を除く対象者の監査役3名全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べているとのことです。

なお、対象者の取締役のうち阿多親市氏、佐藤光浩氏及び岡崎正明氏は、公開買付者の出身者であるものの、阿多親市氏及び佐藤光浩氏は、公開買付者から対象者へ転籍してそれぞれ約11年以上及び約25年以上が経過していること、また、岡崎正明氏は2016年3月に公開買付者を退社し、2016年4月より日本電産株式会社を経て、2021年1月に対象者に入社していることから、いずれも公開買付者グループから指示を受ける立場にないこと、また、本取引に関して公開買付者グループ側で一切の関与をしておらず、またそれができる立場にもないことから、本取引における対象者の意思決定に関して利益相反のおそれはないものと判断し、上記の対象者取締役会における審議及び決議に参加しているとのことです。一方で、対象者の取締役のうち公開買付者の役職員の地位を有する藤長国浩氏については、本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、上記取締役会を含む本取引に係る対象者取締役会の審議及び決議に参加しておらず、かつ、対象者の立場において、本取引の協議及び本取引に係る公開買付者との協議並びに交渉に参加していないとのことです。また、対象者の監査役のうち公開買付者の役職員の地位を有する内藤隆志氏についても、本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、上記取締役会を含む本取引に係る対象者取締役会の審議に参加しておらず、意見を述べることを差し控えているとのことです。

なお、本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、本取引の成否にかかわらず固定報酬を支払うものとされているとのことです。

 

(ⅱ) 検討の経緯

本特別委員会は、2024年2月21日より2024年4月23日までの間に合計11回にわたって、それぞれ委員3名全員出席(ただし、第6回、第7回及び第8回については、健康上の理由から委員1名が欠席し、委員2名の出席のもとに開催され、その後、当該委員会における審議内容を欠席委員に別途共有し、欠席委員の意向を確認する形で開催されたとのことです。)のもと開催されたほか、各会日間においても必要に応じて都度電子メールを通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項に係る職務を遂行したとのことです。具体的には、本特別委員会は、まず、その独立性及び専門性・実績等を検討の上、2024年2月21日、公開買付者及び対象者から独立した独自の法務アドバイザーとして賢誠総合法律事務所を、公開買付者及び対象者から独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてプルータス・コンサルティングを選任する旨の決定をしたとのことです。本特別委員会は、賢誠総合法律事務所及びプルータス・コンサルティングが公開買付者及び対象者の関連当事者には該当しないこと、及び本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないこと、その他本取引における独立性に問題がないことを確認しているとのことです。

また、本特別委員会は、対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券並びに対象者の法務アドバイザーである西村あさひ法律事務所及びブレークモア法律事務所について、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任を承認しているとのことです。

さらに、本特別委員会は、対象者が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性・公正性の観点から問題がないことを確認の上、承認をしているとのことです。

その上で、本特別委員会は、賢誠総合法律事務所から受けた法的助言並びに西村あさひ法律事務所及びブレークモア法律事務所から聴取した意見を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行っているとのことです。

本特別委員会は、公開買付者から、本取引を提案するに至った背景、本取引の意義・目的、本取引実施後の経営体制・経営方針等についての説明を受け、質疑応答を行っているとのことです。

また、本特別委員会は、対象者から、本取引の意義・目的、本取引が対象者の事業に及ぼす影響、本取引実施後の経営体制・経営方針等に関する対象者の見解及び関連する情報を聴取するとともに、これらに関する質疑応答を行っているとのことです。

 

 

 

加えて、本特別委員会は、プルータス・コンサルティングから受けた財務的見地からの助言も踏まえつつ、対象者の作成した事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について対象者から説明を受け、質疑応答を行った上で、これらの合理性を確認し、承認をしているとのことです。その上で、上記「②対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」及び下記「④特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、プルータス・コンサルティング及び大和証券は、対象者の事業計画の内容を前提として対象者株式の価値算定を実施しているとのことですが、本特別委員会は、プルータス・コンサルティング及び大和証券から、それぞれが実施した対象者株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受け、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらの事項について合理性を確認しているとのことです。また、上記「② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」及び下記「④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、本特別委員会は、2024年4月24日付でプルータス・コンサルティングから本フェアネス・オピニオンの提出を受けており、プルータス・コンサルティングから、本フェアネス・オピニオンの内容及び重要な前提条件について説明を受け、これを確認しているとのことです。

また、本特別委員会は、対象者の公開買付者との交渉について、随時、対象者や対象者のアドバイザーから報告を受け、プルータス・コンサルティングから受けた財務的見地からの助言及び賢誠総合法律事務所から受けた法的見地からの助言も踏まえて審議・検討を行い、対象者の交渉方針につき、適宜、必要な意見を述べたとのことです。具体的には、本特別委員会は、対象者より、公開買付者からの本公開買付価格及び本新株予約権買付価格に関する各提案を受領次第、各提案について報告を受け、対象者のアドバイザー及び本特別委員会のアドバイザーから対応方針及び公開買付者との交渉方針等についての分析・意見を聴取した上で、プルータス・コンサルティングから受けた財務的見地からの助言及び賢誠総合法律事務所から受けた法的見地からの助言も踏まえて検討を行ったとのことです。その上で、本特別委員会は対象者に対し、対象者としての本取引の意義・目的を達するために公開買付者との間で協議すべき事項について意見を述べる等、対象者と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引の条件に関する協議・交渉過程の全般において関与したとのことです。

その結果、対象者は、2024年4月23日、公開買付者から、本公開買付価格を2,950円、本新株予約権買付価格を1円とすることを含む提案を受け、結果として、本公開買付価格を、公開買付者の当初提示額である2,700円から2,950円にまで引き上げているとのことです。

さらに、本特別委員会は、西村あさひ法律事務所から、対象者が公表予定の対象者プレスリリースのドラフトの内容について説明を受け、賢誠総合法律事務所から助言を受けつつ、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しているとのことです。

 

(ⅲ) 判断内容

本特別委員会は、以上の経緯の下で、賢誠総合法律事務所から受けた法的見地からの助言、並びにプルータス・コンサルティングから受けた財務的見地からの助言並びに2024年4月24日付で提出を受けた本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議・検討を重ねた結果、同日付で、対象者取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しているとのことです。

(a) 答申内容

1.本取引は対象者の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的は合理的であると考えられる。

2.本取引の取引条件は妥当であると考えられる。

3.本取引に係る手続は公正であると考えられる。

4.本取引を行うことは対象者の一般株主にとって不利益なものではないと考えられる。

5.対象者取締役会が、本公開買付けに関し、賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主が本公開買付けに応募することを推奨する旨及び本新株予約権者が本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の判断に委ねる旨の決議をすることは妥当であると考えられる。

(b) 答申の理由

1.本取引の目的の合理性(本取引が対象者の企業価値向上に資するかを含む。)

以下の点から、本取引は対象者の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的は合理的であると考えられる。

① 対象者を取り巻く事業環境や対象者の経営課題及びそれらを踏まえた本取引の意義・目的

対象者からの説明によれば、対象者は、概ね以下の認識を有しているが、当該認識に、公開買付者から説明を受けた公開買付者の認識と矛盾する点は見当たらず、特に不合理な点も認められない。

・ クラウドの利活用促進及び「DX」の必要性から、国内企業は戦略的なIT投資に旺盛。

・ 対象者グループを含めたICT関連企業は、DX人材の育成を通じて、大きな変化が求められている。

 

 

 

・ 対象者グループの更なる企業価値向上のためには、より付加価値の高いサービスを顧客に提供していくための投資や専門性の高い人材が必要。

・ サービスの企画・開発力や営業力の領域について、公開買付者との連携効果が期待できるものの、現状は、利益相反等の観点で十分な情報共有や効率的な役割分担ができず、協業効果が限定的。

・ 短期的なリターンを求められる資本市場の要請と上記の事業環境の変化を見据えた投資を行う必要性のバランスをとることは容易ではなく、また、親子上場の資本関係に鑑みると、株式市場での資金調達を必ずしも柔軟に検討できるわけではない中で、上場維持費用を負担していることも課題。

・ 本取引を通じて対象者株式が非公開化し、公開買付者による更なる経営資源の投入を可能とし、機動的かつ着実な経営施策の実行を通じて、下記②に記載のシナジー創出が見込まれ、更なる企業価値向上に資する。

② 本取引によって創出が見込まれるシナジー効果

対象者からの説明によれば、対象者は、本取引により対象者株式を非公開化することで、(ⅰ)対象者サービスの販売機会拡大及び成長戦略の加速、(ⅱ)デジタルバリューチェーンの拡充による事業領域の強化・拡大、及び(ⅲ)対象者グループ総合力の更なる強化といったシナジー創出を見込むことができるという認識を有しているが、当該認識に、公開買付者から説明を受けた公開買付者の認識と矛盾する点は見当たらず、特に不合理な点も認められない。

③ 本取引によるメリット

対象者からの説明によれば、本取引によって創出が見込まれるシナジー効果のほか、上場維持による経営負担の削減だけでなく、対象者を含む公開買付者グループ全体での管理部門の業務フローや機能、拠点、リソース配置を再検討し、重複するものの配転等を通じた効率化により、コスト低減を実現できると考えているとのことであり、かかる説明に特に不合理な点は認められない。

④ 本取引によるデメリット

・ 本取引に伴い上場会社というステータスを失うことにより、一時的には、優秀なITエンジニア人材の流出、離職率の上昇や人材採用の不安定化等が懸念されるところ、本取引によって公開買付者グループでの多分な成長機会を活用できることになることから、対象者の従業員のモチベーション向上に繋がると考えられ、また、本取引によって公開買付者グループの社員として働く環境や選択肢の幅が増え、公開買付者の福利厚生制度の適用や研修制度を活用できることになる等、対象者の従業員にとっての本取引によるメリットは大きいと考えられるとのことであり、かかる説明に特に不合理な点は認められない。また、公開買付者からの説明によれば、公開買付者は、優秀な人材のリテンションが最重要事項と捉えており、対象者の経営陣と十分に協議した上で、十分な配慮をもって対象者における人事制度や組織設計の検討を進める予定である。従業員に対して本取引の意義・目的を十分に説明した上で、対象者と公開買付者が十分な配慮をもって人材流出等を防止するための施策を実施することで、本取引の実施による一時的な人材流出等の可能性を低減することは可能であると考えられる。

・ 対象者からの説明によれば、本取引に伴う上場廃止により対象者自身による資本市場からの資金調達はできなくなるものの、公開買付者を通じて、公開買付者グループとして株式市場からの資金調達を行うことが可能であり、本取引後は公開買付者グループ全体の信用力を基に、対象者事業に係る資金需要に対応することが可能であり、また、公開買付者の長期及び短期の双方における高い信用力に基づく資金調達も可能となることから、本取引後は、対象者事業に係る資金需要に対応する資金調達の選択肢は、今まで以上に広がるものと考えられるとのことであり、かかる説明に特に不合理な点は認められず、本取引が対象者の資金調達に及ぼすデメリットは限定的であると考えられる。

・ その他、本取引によるメリットを明らかに上回るデメリットが本取引により生じると認めるに足りる事情は見当たらない。

 

 

 

2.本取引の取引条件の妥当性

以下の点から、本取引の取引条件は妥当であると考えられる。

① 本公開買付価格

・ 本公開買付価格は、取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、対象者及び公開買付者から独立した本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で真摯に交渉を重ねた上で合意された価格である。本公開買付価格は、公開買付者が当初に提示した価格である2,700円から相応の上積みがなされている。公開買付者が当初に提示した価格である2,700円並びに公開買付者がその後に提示した価格である2,764円、2,900円及び2,930円については、いずれもプルータス・コンサルティング及び大和証券による対象者株式に係る株式価値算定の試算結果のうち、市場株価法による試算結果のレンジの上限を超えており、類似会社比較法及びDCF法による試算結果のレンジの範囲内であったため、また、公開買付者が提示したこれらの価格のうち2,900円及び2,930円については、提案日の終値及び提案日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して約40%という本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準と遜色ないプレミアムを加えた金額であったため、本特別委員会としては、公開買付者が提示したこれらの価格は、対象者の一般株主の利益に鑑みてもいずれも一定の妥当性を有する価格であり、対象者取締役会が対象者の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨するための価格水準を超過していると考えることも可能な価格水準であると考えたものの一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して交渉を尽くすという方針に基づき、交渉の終盤においても交渉戦略上の観点から公開買付者に対して3,000円以上の価格への引上げを繰り返し要請する等、公表日の直前まで公開買付者との間で真摯な交渉が継続して行われた結果として、最終的に本公開買付価格を2,950円にまで引き上げた経緯が認められる。

・ 本公開買付価格は、プルータス・コンサルティングによる対象者株式に係る株式価値算定結果のうち、市場株価法による算定結果のレンジの上限を超えており、類似会社比較法及びDCF法による算定結果のレンジの範囲内である。その採用された算定方法や算定の内容に関して、一般的な実務に照らして、特に不合理な点は認められない。

・ 本公開買付価格は、大和証券による対象者株式に係る株式価値算定結果のうち、市場株価法による算定結果のレンジの上限を超えており、類似会社比較法及びDCF法による算定結果のレンジの範囲内である。その採用された算定方法や算定の内容に関し、一般的な実務に照らして、特に不合理な点は認められない。

・ 上記各算定の前提とした対象者作成の事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について、特に不合理な点は認められない。

・ プルータス・コンサルティングから、本公開買付価格である1株当たり2,950円が対象者の少数株主にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンが発行されている。

・ 本公開買付価格は、本公開買付けの公表日の前営業日である2024年4月24日の東京証券取引所プライム市場における対象者株式の終値の2,048円に対して44.04%、過去1ヶ月間の終値単純平均値2,056円に対して43.48%、過去3ヶ月間の終値単純平均値2,138円に対して37.98%、過去6ヶ月間の終値単純平均値2,262円に対して30.42%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となっており、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降2023年12月31日までに公表され、かつ、成立した親会社による上場子会社の完全子会社化事例におけるプレミアムの実例65件(プレミアム水準の平均値は、公表日の前営業日が38.38%、直近1ヶ月間が41.18%、直近3ヶ月間が41.02%、直近6ヶ月間が39.34%であり、プレミアム水準の中央値は、公表日の前営業日が40.50%、直近1ヶ月間が42.50%、直近3ヶ月間が40.01%、直近6ヶ月間が40.32%。)と比較して過去6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準は本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準を下回るものの、公表日の前営業日の終値並びに過去1ヶ月間及び過去3ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準は本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準と遜色ない水準であると認められる。

・ 2022年1月1日以降の期間における対象者株式の市場株価の最高値は2,764円(2023年7月5日)であるところ、本公開買付価格は、当該最高値を超え、当該最高値に対して6.73%のプレミアムを加えた金額である。

② 本スクイーズアウト手続において少数株主に対して交付される価格

公開買付者が本公開買付けにより対象者株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除く。)及び本新株予約権のすべてを取得できなかった場合に実施予定の本スクイーズアウト手続において、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一になるように算定されることが予定されている。

 

 

 

③ その他の取引条件

・ 公開買付者は、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)を法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間に照らして比較的長期間である30営業日とし、対象者の株主に対して本公開買付けに対する応募につき適切な判断機会を確保することを企図している。

・ 公開買付者は、2024年4月24日現在、対象者株式10,735,000株(所有割合:52.81%)を所有しているため、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する対象者の少数株主の利益に資さない可能性もあるため、本公開買付けにおいて、「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定していないものの、他の公正性担保措置が十分に講じられていると解されること等に鑑みると、不合理とはいえない。

・ 本取引における対価の種類について、公開買付者の株式とすることも考えられるが、公開買付者及び対象者からの説明によれば、(ⅰ)公開買付者と対象者の事業内容の差異を勘案すると、少数株主の中には、公開買付者の株式を保有することを望まない株主が一定数存在する可能性があるほか、株式対価となった場合には現金化する場合の手間と時間を要し少数株主の機会損失に繋がる可能性があること、及び、(ⅱ)株式対価とした場合に単元未満株式を保有することとなる少数株主については、単元株式とするためには単元未満株式の買増制度等を利用する必要があることや、単元未満株式は市場において売却することができず、少数株主における流動性が制限される可能性があること等を考慮すると、本取引における対価の種類を公開買付者の株式とした場合には、対象者の少数株主の利益に十分に配慮できないおそれがあるとのことであり、かかる説明に特に不合理な点は認められず、本取引における対価の種類を現金とすることには、合理性が認められること。

・ 本新株予約権は、その権利行使時点において対象者又は対象者グループの取締役、従業員その他これに準ずる地位にあることが権利行使条件として定められており、仮に公開買付者が本公開買付けにより本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないと解されることから、本新株予約権買付価格をいずれも1円とすることには、合理性が認められること。

3.本取引に係る手続の公正性

以下の点から、本取引に係る手続は公正であると考えられる。

① 特別委員会の設置

対象者は、本特別委員会を設置し、その設置時期、委員構成、権限の内容、検討の経緯、交渉過程への関与状況等からみても、本特別委員会は公正性担保措置として有効に機能していると認められる。

② 特別委員会における株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得

本特別委員会は、対象者及び公開買付者から独立した第三者算定機関としてのファイナンシャル・アドバイザーであるプルータス・コンサルティングから本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンを取得している。

③ 特別委員会における独立した法律事務所からの助言

本特別委員会は、対象者及び公開買付者から独立した法務アドバイザーとして賢誠総合法律事務所を選任し、本特別委員会における本諮問事項に関する検討及び審議に関する法的助言を受けている。

④ 対象者における株式価値算定書の取得

対象者は、対象者及び公開買付者から独立した第三者算定機関としてのファイナンシャル・アドバイザーである大和証券から、対象者算定書を取得している。

⑤ 対象者における独立した法律事務所からの助言

対象者は、対象者及び公開買付者から独立した法務アドバイザーとして西村あさひ法律事務所及びブレークモア法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置等に関する法的助言を受けている。

⑥ 対象者における独立した検討体制の構築

対象者は、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を構築し、当該検討体制に独立性・公正性の観点から問題がないことについて、本特別委員会の承認を得ている。

⑦ 対象者における利害関係を有する取締役及び監査役の不参加

・ 対象者の取締役のうち公開買付者の出身者である阿多親市氏、佐藤光浩氏及び岡崎正明氏については、本取引に係る対象者取締役会における審議及び決議に参加しているが、いずれも公開買付者グループから指示を受ける立場になく、本取引に関して公開買付者グループ側で一切の関与をしておらず、またそれができる立場にもないことから、本取引における対象者の意思決定に関して利益相反のおそれはないと判断することは特に不合理ではないと考えられる。

 

 

 

・ 対象者の取締役のうち公開買付者の役職員の地位を有する藤長国浩氏及び対象者の監査役のうち公開買付者の役職員の地位を有する内藤隆志氏については、本取引に係る対象者取締役会の審議及び決議に参加しておらず、かつ、対象者の立場において、本取引の協議及び交渉に参加していない。

⑧ 取引保護条項の不存在

対象者及び公開買付者は、公開買付者以外の買収提案者(以下「対抗的買収提案者」といいます。)が対象者との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととしている。

⑨ 対象者の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置

・ 公開買付者は、本スクイーズアウト手続において、対象者の株主に対して、株式買取請求権又は価格決定申立権が確保されない手法は採用せず、本株式売渡請求又は本株式併合の際に、対象者の株主に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(対象者及び公開買付者を除く。)の所有する対象者株式の数を乗じた価格と同一となるように算定されることを明らかとし、強圧性が生じないように配慮している。

・ 公開買付者は、公開買付期間を30営業日とすることにより、対象者の株主に対して本公開買付けに対する応募につき適切な判断機会を確保することを企図している。

⑩ 充実した情報の開示

公開買付者及び対象者により提出・公表される公開買付届出書、意見表明報告書及びプレスリリースによる情報開示は、対象者の株主の適切な判断に資する充実した情報の開示であると評価できる。

⑪ 「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)

本公開買付けにおいて、「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定していないことは、上記2③に記載のとおり、不合理とはいえない。

4.本取引を行うことは対象者の一般株主にとって不利益ではないか

上記1ないし3に記載のとおり、本取引は対象者の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的は合理的であると考えられること、本取引の取引条件は妥当であると考えられること、及び、本取引に係る手続は公正であると考えることから、本取引を行うことは対象者の一般株主にとって不利益ではないと考えられる。

5.本公開買付けに対して、対象者取締役会が賛同意見を表明すること及び対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非

上記1ないし4に記載のとおり、本取引は対象者の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的は合理的であると考えられること、本取引の取引条件は妥当であると考えられること、本取引に係る手続は公正であると考えること、及び、本取引を行うことは対象者の一般株主にとって不利益ではないと考えられることから、対象者取締役会が、本公開買付けに関し、賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主が本公開買付けに応募することを推奨する旨及び本新株予約権者が本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の判断に委ねる旨の決議をすることは妥当であると考えられる。

 

④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得

(ⅰ) 算定機関の名称並びに対象者及び公開買付者との関係

本特別委員会は、本諮問事項の検討を行うにあたり、対象者及び公開買付者から独立した第三者算定機関としてのファイナンシャル・アドバイザーであるプルータス・コンサルティングに対して、対象者株式の株式価値の算定及び本取引における取引条件についての対象者の少数株主にとっての財務的な観点からの公正性についての意見表明を依頼し、2024年4月24日付で、本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンを取得したとのことです。

プルータス・コンサルティングは、対象者グループ及び公開買付者グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、記載すべき重要な利害関係を有していないとのことです。また、本取引に係るプルータス・コンサルティングの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれていないとのことです。

 

 

 

(ⅱ) 対象者株式に係る算定の概要

プルータス・コンサルティングは、複数の算定手法の中から対象者株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、対象者が継続企業であるとの前提の下、対象者株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、対象者の市場株価の動向を勘案した市場株価法、対象者と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による対象者株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法及び対象者業績の内容や予想等を評価に反映するためにDCF法を算定方法として用いて対象者株式の1株当たりの株式価値の分析を行い、対象者は、2024年4月24日付でプルータス・コンサルティングより本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)を取得したとのことです。

上記各手法に基づいて算定された対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりとのことです。

 

市場株価法  :2,048円から2,262円

類似会社比較法:1,707円から4,533円

DCF法     :2,327円から3,234円

 

市場株価法では、2024年4月24日を算定基準日として、対象者株式の東京証券取引所プライム市場における基準日の終値2,048円、直近1ヶ月間(2024年3月25日から2024年4月24日まで)の終値単純平均値2,056円、直近3ヶ月間(2024年1月25日から2024年4月24日まで)の終値単純平均値2,138円及び直近6ヶ月間(2023年10月25日から2024年4月24日まで)の終値単純平均値2,262円を基に、対象者株式の1株当たりの価値の範囲を2,048円~2,262円と算定しているとのことです。

類似会社比較法では、対象者と類似性があると判断される類似上場会社として、NECネッツエスアイ株式会社、スターティアホールディングス株式会社、株式会社インターネットイニシアティブ、ネットワンシステムズ株式会社及び都築電気株式会社を選定した上で、企業価値に対するEBIT及びEBITDAの倍率を用いて算定を行い、対象者株式の1株当たり価値の範囲を1,707円~4,533円までと算定しているとのことです。

DCF法では、対象者が作成した事業計画を基に、2025年3月期から2027年3月期までの3期分の事業計画における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、対象者が2025年3月期以降創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて対象者の企業価値や株式価値を分析し、対象者株式の1株当たり価値の範囲を2,327円~3,234円までと算定しているとのことです。なお、プルータス・コンサルティングがDCF分析に用いた財務予測においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれていないものの、プルータス・コンサルティングがDCF分析に用いた財務予測においては、大幅なフリー・キャッシュ・フローの変動を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2024年3月期は第4四半期の3ヶ月間の財務予測につき、2025年3月期において大幅な増減益を見込んでいるとのことです。また、フリー・キャッシュ・フローにおいては2024年3月期に実施した子会社売却に係る税額を考慮しているため、2025年3月期においては前年対比で大幅に増加することを見込んでいるとのことです。2026年度3月期において、オフィスへの投資から生じる設備投資額の減少に伴い、フリー・キャッシュ・フローが前年度対比で大幅に増加することを見込んでいるとのことです。また、割引率は8.4%~12.3%を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長率法を採用し、永久成長率は0%として算定しているとのことです。

プルータス・コンサルティングがDCF法による分析に用いた対象者作成の事業計画においては、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、上場維持コストの削減効果を除き、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、加味していないとのことです。

なお、DCF法で算定の前提とした対象者財務予測の数値は以下のとおりとのことです。大和証券がDCF法で算定の前提としたEBITDA及びフリー・キャッシュ・フローの数値とは差異が生じておりますが、それぞれ上場維持コストと運転資本の前提条件の違いから生じたものとのことです。

(単位:百万円)

 

2024年

第4四半期

2025年

3月期

2026年

3月期

2027年

3月期

売上高

18,416

69,544

74,204

79,384

営業利益

1,993

5,725

6,203

6,796

EBITDA

2,374

7,380

7,951

8,644

フリー・キャッシュ・フロー

△17

2,562

3,621

4,028

 

 

 

 

 

プルータス・コンサルティングは、対象者株式の株式価値の算定に際し、対象者から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、すべて正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っていないとのことです。また、対象者の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。加えて対象者の財務予測に関する情報については、対象者の経営陣による算定時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としているとのことです。ただし、プルータス・コンサルティングは、算定の基礎とした対象者の事業計画について、複数回のインタビューを行いその内容を分析及び検討しているとのことです。また、上記「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会がその内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性を確認しているとのことです。

 

(ⅲ) 本フェアネス・オピニオンの概要

本特別委員会は、2024年4月24日付で、プルータス・コンサルティングから、本公開買付価格である1株当たり2,950円が対象者の少数株主にとって財務的見地から公正なものと考える旨の本フェアネス・オピニオンを取得したとのことです(注3)。プルータス・コンサルティングは、事業計画に基づく対象者株式の価値算定結果等に照らして、本公開買付価格である1株当たり2,950円が、対象者の少数株主にとって財務的見地から公正であることを意見表明するものとのことです。

なお、本フェアネス・オピニオンは、プルータス・コンサルティングが、対象者から、対象者グループの事業の現状、事業見通し等の開示を受けるとともに、それらに関する説明を受けた上で実施した対象者株式の価値算定結果に加えて、本公開買付けの概要、背景及び目的に係る対象者との質疑応答、プルータス・コンサルティングが必要と認めた範囲内での対象者グループの事業環境、経済、市場及び金融情勢等についての検討並びにプルータス・コンサルティングにおけるエンゲージメントチームとは独立した審査会におけるレビュー手続を経て発行されているとのことです。

 

⑤ 特別委員会における独立した法律事務所からの助言

本特別委員会は、対象者及び公開買付者から独立した法務アドバイザーとして賢誠総合法律事務所を選任し、本特別委員会における本諮問事項に関する検討及び審議に関する法的助言を受けているとのことです。また、賢誠総合法律事務所は、対象者及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。なお、本取引に係る賢誠総合法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれていないとのことです。

 

⑥ 対象者における独立した法律事務所からの助言

対象者は、対象者及び公開買付者から独立した法務アドバイザーとして西村あさひ法律事務所及びブレークモア法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る対象者の意思決定の方法及び過程その他の意思決定にあたっての留意点等に関する法的助言を受けているとのことです。なお、本取引に係る西村あさひ法律事務所及びブレークモア法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれていないとのことです。

また、西村あさひ法律事務所及びブレークモア法律事務所は、対象者及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。

 

⑦ 対象者における独立した検討体制の構築

上記「3 買付け等の目的」の「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅲ) 対象者における意思決定の経緯及び理由」に記載のとおり、対象者は、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を対象者の社内に構築したとのことです。具体的には、対象者は、2024年1月19日に初期的な検討資料を受領した後、本取引に関する検討(対象者の株式価値算定の基礎となる事業計画の作成を含みます。)並びに公開買付者との協議及び交渉を行うプロジェクトチームを設置し、そのメンバーは、公開買付者グループ(対象者グループを除きます。)各社の役職員を兼務していない対象者の役職員のみから構成されるものとし、かかる取扱いを継続しているとのことです。また、対象者は、対象者株式の価値評価の基礎となる事業計画の作成過程においても、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、公開買付者グループの役職員を兼務する対象者の役職員(現に公開買付者の執行役員である藤長国浩氏及び公開買付者の従業員である内藤隆志氏を含みます。)を関与させていないとのことです。

また、かかる取扱いを含めて、対象者の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性・公正性の観点から問題がないことについては、本特別委員会の承認を得ているとのことです。

 

 

 

⑧ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見

対象者は、西村あさひ法律事務所及びブレークモア法律事務所から得た法的助言、大和証券から得た財務的見地からの助言、対象者算定書の内容、本特別委員会を通じて提出を受けた本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオン、本特別委員会から入手した本答申書、公開買付者との間で実施した複数回にわたる継続的な協議の内容並びにその他の関連資料を踏まえ、公開買付者による本公開買付けを含む本取引が対象者の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて慎重に協議・検討を行った結果、上記「3 買付け等の目的」の「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅲ) 対象者における意思決定の経緯及び理由」に記載のとおり、2024年4月25日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨及び本新株予約権者の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨を決議しているとのことです。

上記の対象者取締役会においては、対象者の取締役9名のうち、公開買付者の役職員の地位を有する藤長国浩氏を除く対象者取締役8名にて審議の上、その全員一致により上記の決議を行ったとのことです。また、上記の対象者取締役会においては、公開買付者の役職員の地位を有する内藤隆志氏を除く監査役3名全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べているとのことです。

なお、対象者の取締役のうち阿多親市氏、佐藤光浩氏及び岡崎正明氏は、公開買付者の出身者であるものの、阿多親市氏及び佐藤光浩氏は、公開買付者から対象者へ転籍してそれぞれ約11年以上及び約25年以上が経過していること、また、岡崎正明氏は2016年3月に公開買付者を退社し、2016年4月より日本電産株式会社を経て、2021年1月に対象者に入社していることから、いずれも公開買付者グループから指示を受ける立場にないこと、また、本取引に関して公開買付者グループ側で一切の関与をしておらず、またそれができる立場にもないことから、本取引における対象者の意思決定に関して利益相反のおそれはないものと判断し、上記の対象者取締役会における審議及び決議に参加しているとのことです。一方で、対象者の取締役のうち公開買付者の役職員の地位を有する藤長国浩氏については、本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、上記取締役会を含む本取引に係る対象者取締役会の審議及び決議に参加しておらず、かつ、対象者の立場において、本取引の協議及び本取引に係る公開買付者との協議並びに交渉に参加していないとのことです。また、対象者の監査役のうち公開買付者の役職員の地位を有する内藤隆志氏についても、本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、上記取締役会を含む本取引に係る対象者取締役会には出席せず、審議に参加しておらず、意見を述べることを差し控えているとのことです。

 

⑨ 取引保護条項の不存在

対象者及び公開買付者は、対象者が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が対象者との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。

 

⑩ 対象者の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置

公開買付者は、上記「3 買付け等の目的」の「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する対象者株式数に応じて、本株式売渡請求をすること又は本株式併合を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を対象者に要請することを予定しており、対象者の株主の皆様に対して、株式買取請求権又は価格決定申立権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)本株式売渡請求又は本株式併合をする際に、対象者の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(対象者及び公開買付者を除きます。)の所有する対象者株式の数を乗じた価格と同一となるように算定されることを明らかとしていることから、対象者の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しております。

また、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間は20営業日であるところ、公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間に照らして比較的長期間である30営業日としております。公開買付期間を比較的長期にすることにより、対象者の株主の皆様に対して本公開買付けに対する応募につき適切な判断機会を確保し、もって本公開買付価格の公正性を担保することを企図しております。

 

 

(注1) 野村證券は、対象者株式の株式価値の算定に際して、公開情報及び野村證券に提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っておりません。対象者及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。対象者の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、公開買付者の経営陣により現時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。野村證券の算定は、2024年4月24日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、野村證券の算定は、公開買付者の取締役会が対象者株式の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。

(注2) 大和証券は、対象者株式の株式価値の算定に際し、公開買付者及び対象者から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、すべて正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っていないとのことです。また、対象者及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含むとのことです。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。加えて対象者の財務予測に関する情報については、公開買付者及び対象者による2024年4月24日時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としているとのことです。大和証券の算定は、2024年4月24日までの上記情報を反映したものとのことです。

(注3) プルータス・コンサルティングは、本フェアネス・オピニオンの作成及び提出並びにその基礎となる株式価値の算定を行うに際して、対象者から提供され又は対象者と協議した情報及び基礎資料、一般に公開されている資料について、それらが正確かつ完全であること、対象者株式の株式価値の分析・算定に重大な影響を与える可能性がある事実でプルータス・コンサルティングに対して未開示の事実はないことを前提としてこれらに依拠しており、独自にそれらの調査、検証を実施しておらず、その調査、検証を実施する義務も負っていないとのことです。プルータス・コンサルティングが、本フェアネス・オピニオンの基礎資料として用いた対象者の事業見通しその他の資料は、対象者の経営陣により当該時点における最善の予測と判断に基づき合理的に作成されていることを前提としており、プルータス・コンサルティングはその実現可能性を保証するものではなく、これらの作成の前提となった分析若しくは予測又はそれらの根拠となった前提条件については、何ら見解を表明していないとのことです。プルータス・コンサルティングは、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、対象者及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他の偶発債務をむとのことです。)に関して独自の評価又は鑑定を行っておらず、これらに関していかなる評価書や鑑定書の提供も受けていないとのことです。従って、プルータス・コンサルティングは対象者及びその関係会社の支払い能力についての評価も行っていないとのことです。プルータス・コンサルティングは、法律、会計又は税務の専門機関ではないとのことです。従って、プルータス・コンサルティングは本公開買付けに関する法律、会計又は税務上の問題に関して何らかの見解を述べるものでもなければ、その義務を負うものではないとのことです。本フェアネス・オピニオンは、本特別委員会が対象者から委嘱を受けた事項に対する答申を行うに際しての検討に供する目的で、本公開買付価格の公正性に関する意見を財務的見地から表明したものとのことです。従って、本フェアネス・オピニオンは、本公開買付けの代替的な選択肢となり得る取引との優劣、本公開買付けの実施によりもたらされる便益、及び本公開買付け実行の是非について、何ら意見を述べるものではないとのことです。本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格が対象者の少数株主にとって財務的見地から公正か否かについて、その作成日現在の金融及び資本市場、経済状況並びにその他の情勢を前提に、また、その作成日までにプルータス・コンサルティングが入手している情報に基づいてその作成日時点における意見を述べたものであり、その後の状況の変化により本フェアネス・オピニオンの内容に影響を受けることがありますが、プルータス・コンサルティングは、そのような場合であっても本フェアネス・オピニオンの内容を修正、変更又は補足する義務を負わないとのことです。また、本フェアネス・オピニオンは、本フェアネス・オピニオンに明示的に記載された事項以外、又は本フェアネス・オピニオンの提出日以降に関して、何らの意見を推論させ、示唆するものではないとのことです。プルータス・コンサルティングは、対象者への投資等を勧誘するものではなく、その権限も有してないとのことです。本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格が対象者の少数株主にとって財務的見地から不利益なものではなく公正なものであることについて意見表明するにとどまり、本公開買付け実行の是非及び本公開買付けに関する応募その他の行動について意見表明や推奨を行うものではなく、対象者の発行する有価証券の保有者、債権者、その他の関係者に対し、いかなる意見を述べるものではないとのことです。従って、プルータス・コンサルティングは本フェアネス・オピニオンに依拠した株主及び第三者の皆様に対して何らの責任も負わないとのことです。また、本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格に関する対象者取締役会及び本特別委員会の判断の基礎資料として使用することを目的としてプルータス・コンサルティングから提供されたものであり、他のいかなる者もこれに依拠することはできないとのことです。

 

 

(3) 【買付予定の株券等の数】

 

株券等の種類

買付予定数

買付予定数の下限

買付予定数の上限

普通株式

9,590,933(株)

2,815,600(株)

―(株)

合計

9,590,933(株)

2,815,600(株)

―(株)

 

(注1) 応募株券等の総数が買付予定数の下限(2,815,600株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の総数が買付予定数の下限以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。

(注2) 単元未満株式も本公開買付けの対象としております。なお、会社法に従って株主による単元未満株式買取請求権が行使された場合には、対象者は法令の手続に従い公開買付期間中に自己の株式を買い取ることがあります。

(注3) 本公開買付けを通じて、対象者が所有する自己株式を取得する予定はありません。

(注4) 本公開買付けにおいては、買付予定数の上限を設定しておりませんので、買付予定数は、本公開買付けにより公開買付者が取得する対象者の株券等の最大数を記載しております。当該最大数は、①対象者決算短信に記載された2024年3月31日現在の対象者の発行済株式総数(22,757,800株)に、②対象者有価証券報告書に記載された本新株予約権のうち2024年3月31日現在残存するすべての本新株予約権(対象者によれば、2018年度第1回新株予約権1,580個(目的となる株式数:158,000株)、2021年度第1回新株予約権2,160個(目的となる株式数:216,000株)及び2022年度第1回新株予約権502個(目的となる株式数:50,200株)であるとのことです。)合計4,242個の目的となる株式数(合計424,200株)を加え、③対象者決算短信に記載された2024年3月31日現在の対象者が所有する自己株式数(2,856,067株)及び本書提出日現在において公開買付者が所有する対象者株式数(10,735,000株)を控除した株式数(9,590,933株)になります。

(注5) 公開買付期間末日までに新株予約権が行使される可能性がありますが、当該行使により発行又は移転される対象者株式についても本公開買付けの対象とします。

 

 

5 【買付け等を行った後における株券等所有割合】

 

区分

議決権の数

買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)

95,909

aのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(b)

4,242

bのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(c)

公開買付者の所有株券等に係る議決権の数(2024年4月26日現在)(個)(d)

107,350

dのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(e)

eのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(f)

特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2024年4月26日現在)(個)(g)

1,257

gのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(h)

397

hのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(i)

対象者の総株主等の議決権の数(2023年9月30日現在)(個)(j)

198,863

買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合

(a/j) (%)

47.19

買付け等を行った後における株券等所有割合

((a+d+g)/(j+(b-c)+(e-f)+(h-i))×100) (%)

100.00

 

(注1) 「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」は、本公開買付けにおける買付予定数に係る議決権の数を記載しております。

(注2) 「aのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(b)」は、買付予定の株券等に係る議決権のうち、2024年3月31日現在残存する本新株予約権の目的となる対象者株式数(424,200株)に係る議決権の数を記載しております。

(注3) 「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2024年4月26日現在)(個)(g)」は、各特別関係者(ただし、特別関係者のうち法第27条の2第1項各号における株券等所有割合の計算において府令第3条第2項第1号に基づき特別関係者から除外される者を除きます。)が所有する株券等に係る議決権の数の合計を記載しております。なお、特別関係者の所有株券等(ただし、対象者が所有する自己株式を除きます。)も本公開買付けの対象としているため、「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2024年4月26日現在)(個)(g)」は分子に加算しておりません。なお、公開買付者は、本書提出後に特別関係者の所有する対象者の株券等を確認の上、本書の訂正が必要な場合には、本書に係る訂正届出書を提出する予定です。

(注4) 「対象者の総株主等の議決権の数(2023年9月30日現在)(個)(j)」は、対象者が2024年2月13日に提出した第36期第3四半期報告書に記載された2023年9月30日現在の総株主の議決権の数(1単元の株式数を100株として記載されたもの)です。ただし、単元未満株式及び新株予約権の行使により発行又は移転される可能性のある対象者株式についても本公開買付けの対象としているため、「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、①対象者決算短信に記載された2024年3月31日現在の対象者の発行済株式総数(22,757,800株)に、②対象者有価証券報告書に記載された本新株予約権のうち2024年3月31日現在残存するすべての本新株予約権(対象者によれば、2018年度第1回新株予約権1,580個(目的となる株式数:158,000株)、2021年度第1回新株予約権2,160個(目的となる株式数:216,000株)及び2022年度第1回新株予約権502個(目的となる株式数:50,200株))であるとのことです。)合計4,242個の目的となる株式数(合計424,200株)を加え、③対象者決算短信に記載された2024年3月31日現在の対象者が所有する自己株式数(2,856,067株)を控除した株式数(20,325,933株)に係る議決権数(203,259個)を分母として計算しております。

(注5) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」については、小数点以下第三位を四捨五入しております。

 

 

6 【株券等の取得に関する許可等】

該当事項はありません。

 

7 【応募及び契約の解除の方法】

(1) 【応募の方法】

① 公開買付代理人

野村證券株式会社  東京都中央区日本橋一丁目13番1号

 

② 本公開買付けに係る株券等の買付け等の申込みに対する承諾又は売付け等の申込みをする方(以下「応募株主等」といいます。)は、公開買付代理人の本店又は全国各支店において、所定の「公開買付応募申込書」に所要事項を記載の上、公開買付期間末日の15時30分までに応募してください。応募の際には、ご印鑑、マイナンバー(個人番号)又は法人番号、本人確認書類等が必要になる場合があります。(注1)

オンラインサービス(公開買付代理人に口座をお持ちのお客様専用のオンラインサービス)による応募に関しては、オンラインサービス(https://hometrade.nomura.co.jp/)にて公開買付期間末日の15時30分までに手続を行ってください。なお、オンラインサービスによる応募には、応募株主等が公開買付代理人に開設した応募株主等名義の口座(以下「応募株主等口座」といいます。)におけるオンラインサービスのご利用申込みが必要です。(注2)

 

③ 株式の応募の受付にあたっては、応募株主等口座に、応募する予定の株式が記録されている必要があります。そのため、応募する予定の株式が、公開買付代理人以外の金融商品取引業者等に開設された口座に記録されている場合(対象者の特別口座の口座管理機関である三菱UFJ信託銀行株式会社に開設された特別口座に記録されている場合を含みます。)は、応募に先立ち、応募株主等口座への振替手続を完了していただく必要があります。

 

④ 本新株予約権には譲渡制限が付されておりますので、新株予約権の応募にあたっては、新株予約権者の請求により対象者によって発行される「新株予約権譲渡承認通知書」を「公開買付応募申込書」とともにご提出ください。また、新株予約権者であることの確認書類として、新株予約権者の請求により対象者によって発行される「新株予約権原簿記載事項を記載した書面」及び本公開買付けの成立を条件とする新株予約権原簿の名義書換えの請求に必要な書類をご提出ください。なお、オンラインサービスにおいては、新株予約権の応募の受付は行いません。

 

⑤ 本公開買付けにおいては、公開買付代理人以外の金融商品取引業者を経由した応募の受付は行われません。

 

⑥ 外国の居住者であり、公開買付代理人にお取引可能な口座をお持ちでない株主等(法人株主等を含みます。以下「外国人株主等」といいます。)の場合、日本国内の常任代理人を通じて応募してください。オンラインサービスにおいては、外国の居住者は応募できません。

 

⑦ 日本の居住者である個人株主の場合、公開買付けにより売却された株券等に係る売却代金と取得費との差額は、原則として株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税の適用対象となります。(注3)

 

⑧ 応募株券等の全部の買付け等が行われないこととなった場合、買付け等の行われなかった株券等は応募株主等に返還されます。

 

 

(注1) ご印鑑、マイナンバー(個人番号)又は法人番号、本人確認書類等について

公開買付代理人である野村證券株式会社に新規に口座を開設する場合、マイナンバー(個人番号)又は法人番号及び本人確認書類等が必要となるほか、ご印鑑が必要な場合があります。また、既に口座を有している場合であっても、住所変更、取引店変更、税務に係る手続等の都度、マイナンバー(個人番号)又は法人番号及び本人確認書類等が必要な場合があります。なお、マイナンバー(個人番号)を確認するために提出する書類により、必要となる本人確認書類が異なります。マイナンバー(個人番号)又は法人番号を確認するための書類及び本人確認書類の詳細につきましては、公開買付代理人にお尋ねください。

 

・ 個人の場合

マイナンバー(個人番号)提供時の必要書類

マイナンバー(個人番号)の提供に際しては、所定の「マイナンバー提供書」のほか、[1] マイナンバー(個人番号)を確認するための書類と、[2] 本人確認書類が必要です。

※申込書に記載された氏名・住所・生年月日のすべてが確認できるものをご準備ください。

※野村證券株式会社の受付日時点で、有効期限の定めのあるものは有効期限内のもの、有効期限の定めのないものは6ヶ月以内に作成されたものに限ります(「通知カード」は、発行日から6ヶ月以降も有効です。)。

※野村證券株式会社の店舗でお手続をされる場合は、原本をご提示ください(本人確認書類のコピーをとらせていただく場合があります。)。

※コピーの場合は、改めて原本の提示をお願いする場合があります。

※野村證券株式会社より本人確認書類の記載住所に口座開設のご案内を簡易書留(転送不要)でお届けし、ご本人様の確認をさせていただく場合があります。

※新規口座開設、住所変更等の各種手続に係る本人確認書類を提出いただく場合、口座名義人様の本人確認書類に限りマイナンバー(個人番号)の提供に必要な書類を兼ねることができます(同じものを2枚以上提出いただく必要はありません。)。

 

[1] マイナンバー(個人番号)を確認するための書類

個人番号カード、通知カード、マイナンバー(個人番号)の記載された住民票の写し、マイナンバー(個人番号)の記載された住民票記載事項証明書、のいずれか1点が必要です。

[2] 本人確認書類

マイナンバー(個人番号)を

確認するための書類

必要な本人確認書類

個人番号カード

不要

通知カード

※現在の氏名・住所が記載されていない「通知カード」はご利用いただけません。

[A]のいずれか1点、

又は[B]のうち2点

マイナンバー(個人番号)の記載された

住民票の写し

[A]又は[B]のうち、

「住民票の写し」「住民票記載事項証明書」以外の1点

マイナンバー(個人番号)の記載された

住民票記載事項証明書

 

[A] 顔写真付の本人確認書類

・有効期間内の原本のコピーの提出が必要

旅券(パスポート)、運転免許証、運転経歴証明書、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳、在留カード、特別永住者証明書

※2020年2月4日以降に申請した「旅券(パスポート)」は「所持人記入欄」がないため、1点のみではご利用いただけません。その他の本人確認書類とあわせてご提出ください。

 

[B] 顔写真のない本人確認書類

・発行から6ヶ月以内の原本又はコピーの提出が必要

住民票の写し、住民票の記載事項証明書、印鑑登録証明書

・有効期間内の原本のコピーの提出が必要

健康保険証(各種)、国民年金手帳(氏名・住所・生年月日の記載があるもの)、福祉手帳(各種)

 

 

・ 法人の場合

登記事項証明書、官公庁から発行された書類等の本人確認書類が必要となる場合があります。

※本人特定事項  ①名称  ②本店又は主たる事務所の所在地

※法人自体の本人確認に加え、代表者又は代理人・取引担当者個人(契約締結の任に当たる者)の本人確認が必要となります。

法人番号の提供に際しては、法人番号を確認するための書類として、「国税庁 法人番号公表サイト」で検索した結果画面を印刷したもの又は「法人番号指定通知書」のコピーが必要となる場合があります。また、所定の「法人番号提供書」が必要となる場合があります。

 

・ 外国人(居住者を除きます。)、外国に本店又は主たる事務所を有する法人の場合

日本国政府の承認した外国政府又は権限ある国際機関の発行した書類その他これに類するもので、居住者の本人確認書類に準じるもの等の本人確認書類が必要になります。

 

(注2) オンラインサービスのご利用には、お申込みが必要です。オンラインサービスをお申込み後、パスワードがご登録住所に到着するまで約1週間かかりますのでお早めにお手続ください。公開買付期間末日近くである場合は、お取引店からの応募申込みの方がお手続に時間を要しません。

 

・ 個人の場合:オンラインサービスのログイン画面より新規申込を受付しております。若しくは、お取引店又はオンラインサービスサポートダイヤルまでご連絡ください。

 

・ 法人の場合:お取引店までご連絡ください。なお、法人の場合は代理人等のご登録がない法人に限りオンラインサービスによる応募が可能です。

 

(注3) 株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税について(個人株主の場合)

個人株主の方につきましては、株式等の譲渡所得等には原則として申告分離課税が適用されます。税務上の具体的なご質問等は税理士等の専門家にご相談いただき、ご自身でご判断いただきますようお願いします。

 

(2) 【契約の解除の方法】

応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも公開買付けに係る契約を解除することができます。契約の解除をする場合は、公開買付期間末日の15時30分までに下記に指定する者の応募の受付を行った本店又は全国各支店に、公開買付けに係る契約の解除を行う旨の書面(以下「解除書面」といいます。)を交付又は送付してください。ただし、送付の場合は、解除書面が公開買付期間末日の15時30分までに到達することを条件とします。

オンラインサービスで応募された契約の解除は、オンラインサービス(https://hometrade.nomura.co.jp/)上の操作又は解除書面の交付若しくは送付により行ってください。オンラインサービス上の操作による場合は当該画面上に記載される方法に従い、公開買付期間末日の15時30分までに解除手続を行ってください。なお、お取引店で応募された契約の解除に関しては、オンラインサービス上の操作による解除手続を行うことはできません。解除書面の交付又は送付による場合は、予め解除書面をお取引店に請求した上で、公開買付期間末日の15時30分までにお取引店に交付又は送付してください。ただし、送付の場合は、解除書面が公開買付期間末日の15時30分までに到達することを条件とします。

 

解除書面を受領する権限を有する者

野村證券株式会社             東京都中央区日本橋一丁目13番1号

                     (その他の野村證券株式会社全国各支店)

 

(3) 【株券等の返還方法】

応募株主等が上記「(2) 契約の解除の方法」に記載の方法により公開買付けに係る契約の解除を申し出た場合には、解除手続終了後速やかに、下記「10 決済の方法」の「(4) 株券等の返還方法」に記載の方法により応募株券等を返還します。

 

(4) 【株券等の保管及び返還を行う金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】

野村證券株式会社             東京都中央区日本橋一丁目13番1号

 

 

8 【買付け等に要する資金】

(1) 【買付け等に要する資金等】

 

買付代金(円)(a)

28,293,252,350

金銭以外の対価の種類

金銭以外の対価の総額

買付手数料(b)

314,000,000

その他(c)

8,000,000

合計(a)+(b)+(c)

28,615,252,350

 

(注1) 「買付代金(円)(a)」欄には、買付予定数(9,590,933株)に本公開買付価格(2,950円)を乗じた金額を記載しております。

(注2) 「買付手数料(b)」欄には、公開買付代理人に支払う手数料の見積額を記載しております。

(注3) 「その他(c)」欄には、本公開買付けに関する公告及び公開買付説明書その他必要書類の印刷費その他諸費用につき、その見積額を記載しております。

(注4) その他公開買付代理人に支払われる諸経費及び弁護士報酬等がありますが、その額は未定です。

(注5) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) 【買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等】

① 【届出日の前々日又は前日現在の預金】

 

種類

金額(千円)

普通預金

55,629,940

計(a)

55,629,940

 

 

② 【届出日前の借入金】

イ 【金融機関】

 

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

 

 

ロ 【金融機関以外】

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

 

 

 

③ 【届出日以後に借入れを予定している資金】

イ 【金融機関】

 

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

計(b)

 

 

ロ 【金融機関以外】

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

計(c)

 

 

④ 【その他資金調達方法】

 

内容

金額(千円)

計(d)

 

 

⑤ 【買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等の合計】

55,629,940千円((a)+(b)+(c)+(d))

 

(3) 【買付け等の対価とする有価証券の発行者と公開買付者との関係等】

該当事項はありません。

 

9 【買付け等の対価とする有価証券の発行者の状況】

該当事項はありません。

 

10 【決済の方法】

(1) 【買付け等の決済をする金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】

野村證券株式会社             東京都中央区日本橋一丁目13番1号

 

(2) 【決済の開始日】

2024年6月18日(火曜日)

 

(3) 【決済の方法】

公開買付期間終了後遅滞なく、公開買付けによる買付け等の通知書を応募株主等(外国人株主等の場合は常任代理人)の住所宛に郵送します。

買付けは、金銭にて行います。応募株主等は公開買付けによる売却代金を、送金等の応募株主等が指示した方法により、決済の開始日以後遅滞なく受け取ることができます(送金手数料がかかる場合があります。)。

 

 

(4) 【株券等の返還方法】

下記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(1) 法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容」及び「(2) 公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の条件に基づき応募株券等の全部を買付けないこととなった場合には、公開買付期間末日の翌々営業日(公開買付けの撤回等を行った場合は撤回等を行った日の翌営業日)以後速やかに、返還すべき株券等を返還します。株式については、公開買付代理人の応募株主等口座上で、返還すべき株式を応募が行われた直前の記録に戻すことにより返還します(株式を他の金融商品取引業者等に開設した応募株主等の口座に振替える場合は、応募の受付をされた公開買付代理人の本店又は全国各支店にご確認ください。)。本新株予約権については、本新株予約権の応募に際して提出された書類(上記の「7 応募及び契約の解除の方法」の「(1) 応募の方法」④に記載した書類)をそれぞれ応募株主等の指示により応募株主等への交付又は応募株主等の住所への郵送により返還します。

 

11 【その他買付け等の条件及び方法】

(1) 【法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容】

応募株券等の総数が買付予定数の下限(2,815,600株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の総数が買付予定数の下限(2,815,600株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。

 

(2) 【公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法】

令第14条第1項第1号イないしヌ及びワないしツ、第3号イないしチ及びヌ、並びに同条第2項第3号ないし第6号に定める事情のいずれかが生じた場合は、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。なお、本公開買付けにおいて、令第14条第1項第3号ヌに定める「イからリまでに掲げる事実に準ずる事実」とは、①対象者が過去に提出した法定開示書類について、重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けていることが判明した場合であって、公開買付者が当該虚偽記載を知らず、かつ、相当の注意を用いたにもかかわらず知ることができなかった場合、及び、②対象者の重要な子会社に同号イないしチに掲げる事実が発生した場合をいいます。撤回等を行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。ただし、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。

 

(3) 【買付け等の価格の引下げの条件の有無、その内容及び引下げの開示の方法】

法第27条の6第1項第1号の規定により、公開買付期間中に対象者が令第13条第1項に定める行為を行った場合には、府令第19条第1項の規定に定める基準に従い、買付け等の価格の引下げを行うことがあります。買付け等の価格の引下げを行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。ただし、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付け等の価格の引下げがなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、引下げ後の買付け等の価格により買付けを行います。

 

(4) 【応募株主等の契約の解除権についての事項】

応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも公開買付けに係る契約を解除することができます。解除の方法については、上記「7 応募及び契約の解除の方法」の「(2) 契約の解除の方法」に記載の方法によるものとします。なお、公開買付者は、応募株主等による契約の解除があった場合においても、損害賠償又は違約金の支払いを応募株主等に請求することはありません。また、応募株券等の返還に要する費用も公開買付者の負担とします。解除を申し出られた場合には、応募株券等は当該解除の申出に係る手続終了後速やかに上記「10 決済の方法」の「(4) 株券等の返還方法」に記載の方法により返還します。

 

 

(5) 【買付条件等の変更をした場合の開示の方法】

公開買付者は、公開買付期間中、法第27条の6第1項及び令第13条第2項により禁止される場合を除き、買付条件等の変更を行うことがあります。買付条件等の変更を行おうとする場合は、その変更の内容等につき電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。ただし、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付条件等の変更がなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、変更後の買付条件等により買付けを行います。

 

(6) 【訂正届出書を提出した場合の開示の方法】

訂正届出書を関東財務局長に提出した場合(ただし、法第27条の8第11項但書に規定する場合を除きます。)は、直ちに、訂正届出書に記載した内容のうち、公開買付開始公告に記載した内容に係るものを、府令第20条に規定する方法により公表します。また、直ちに公開買付説明書を訂正し、かつ、既に公開買付説明書を交付している応募株主等に対しては訂正した公開買付説明書を交付して訂正します。ただし、訂正の範囲が小範囲に止まる場合には、訂正の理由、訂正した事項及び訂正後の内容を記載した書面を作成し、その書面を応募株主等に交付する方法により訂正します。

 

(7) 【公開買付けの結果の開示の方法】

本公開買付けの結果については、公開買付期間末日の翌日に、令第9条の4及び府令第30条の2に規定する方法により公表します。

 

(8) 【その他】

本公開買付けは、直接間接を問わず、米国内において若しくは米国に向けて行われるものではなく、また米国の郵便その他の州際通商若しくは国際通商の方法・手段(電話、テレックス、ファクシミリ、電子メール、インターネット通信を含みますが、これらに限りません。)を使用して行われるものではなく、さらに米国の証券取引所施設を通じて行われるものでもありません。上記方法・手段により、若しくは上記施設を通じて、又は米国内から本公開買付けに応募することはできません。

また、本書又は関連する買付書類は、米国内において若しくは米国に向けて又は米国内から、郵送その他の方法によって送付又は配布されるものではなく、かかる送付又は配布を行うことはできません。上記制限に直接又は間接に違反する本公開買付けへの応募はお受けいたしません。

本公開買付けに応募する方(外国人株主等の場合はその常任代理人)はそれぞれ、以下の表明・保証を行うことを要求されます。

応募者が応募の時点及び公開買付応募申込書送付の時点のいずれにおいても、米国に所在していないこと、応募者が本公開買付けに関するいかなる情報若しくは買付けに関する書類を、米国内において、若しくは米国に向けて、又は米国内からこれを受領したり送付したりしていないこと、買付け若しくは公開買付応募申込書の署名ないし交付に関して、直接間接を問わず、米国の郵便その他の州際通商若しくは国際通商の方法・手段(電話、テレックス、ファクシミリ、電子メール、インターネット通信を含みますが、これらに限りません。)又は米国内の証券取引所施設を使用していないこと、及び他の者の裁量権のない代理人又は受託者・受任者として行動している者ではないこと(当該他の者が買付けに関するすべての指示を米国外から与えている場合を除きます。)。