第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、「テクノロジーでより面白く、より便利な世の中を創造する」というビジョンのもと、映像ソフトウェア開発・AIといった技術領域、ソフトウェアサービスの提供、企業向けSaaSといったビジネス領域において、お客様にとって最大限の価値を創造できるようなサービスの提供に取り組んでおります。

 

(2) 経営環境・経営戦略等

(ITソリューション事業)

2022年3月29日に経済産業省が発表した「情報通信業基本調査」によると、情報サービス業の2020年度売上高は18兆7,928億円(前年度比1.1%減)で、概ね前年同程度の水準となっております。その中で、当社グループの主要事業であるITソリューション事業が属する受託開発ソフトウェア市場は、業種別で売上高が最も大きく、受託開発ソフトウェア業の2020年度売上高は8兆7,673億円となり、前年度比3.2%減となっております。(注1)

2020年度以降についても、2023年4月4日のIDC Japan株式会社の発表によれば、「2022年の国内ITサービス市場は、既存システムの刷新/クラウド移行、企業のデジタルビジネス化に関連する案件の増加と範囲拡大に伴う支出が牽引し、6兆734億円となりました。2023年以降も堅調に推移し、2027年には7兆177億円になる見通しです。」とされております。(注2)

エンターテイメントに関連する映像ソフトウェア開発(遊技機向け)の業界については、遊技機業界における規制、新型コロナウイルス感染症の影響で断続的な行動制限施策が続いたことによる国内経済の停滞、世界的な半導体不足によるハードウエアの調達困難等により、2018年の901万人から2023年の809万人まで利用者人口が減ったことに加え(注3)、遊技機メーカーの販売台数も2019年の963千台から2022年の1,056千台までほぼ横ばいの状況(注4)となっており、今後についても過去のトレンドに従い市場は横ばいまたは微減すると想定しております(注5)。

また、AI等のデジタル技術の活用動向については、日本は少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少が進んでおり(注6)、労働生産性向上が国内全体で大きな課題となっており、こうした状況を解決する手段の1つとして近年注目を浴びています。株式会社富士キメラ総研「2022 人工知能ビジネス総調査」によれば、AIビジネスの国内市場は成長を続けており、2022年度には1兆3,139億円、2027年度には1兆9,787億円にまで成長するとされております。また同調査によれば、2022年度も引き続きDXへの投資が伸びており、AI開発やAIを内製化しての活用が進展しており、2023年度以降はアプリケーション機能の高度化や特定業務に特化したシステム活用への投資が増えるとみられています。AI画像認識の国内市場においては、画像認識AIは従来人間が目視で行ってきた作業の自動化を可能とし、熟練技術者の後継者不足対応、働き方改革実現のための生産性向上、老朽化が進むインフラの対策など、現在我が国が喫緊に抱えている課題の解決策として期待されており、2022年度には315億円、2025年度には680億円との高い伸び率が見込まれております。(注7)

このような状況のもと、当社は、今後も様々な業務の効率化や働き方改革等による生産性向上を目的とした企業等によるシステム投資は底堅いニーズが予想され、受託開発ソフトウェア市場も着実に成長していくと考えております。

上記のような経営環境のもと、当社グループのITソリューション事業については、これまでの開発実績・大手企業との顧客接点の蓄積を足掛かりとした上で、市場動向及び技術動向を適時にキャッチアップし、AI関連の受託開発を強化するとともに、より高単価の案件獲得を図ってまいります。加えて、固定費や変動費である外注費用を削減し、営業利益率の改善に努めてまいります。また、今後、当社の既存事業に関連する事業のみならず、シナジー効果等が見込まれ、企業価値向上が見込まれる案件については、異業種であっても積極的にM&Aを行ってまいります。

(注) 1.経済産業省「情報通信業基本調査」、2022年3月29日、p49「図表5-1 業種別企業数と売上高(アクティビティベース))
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/joho/result-2/r03/2021kakugaiyo.pdf

2.IDC Japan株式会社「国内ITサービス市場予測を発表」、2023年4月4日
https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ50551123

3.シーズリサーチ「パチンコ・パチスロプレイヤー調査2023」、2023年6月
https://news.p-world.co.jp/articles/24194/nippon

4.株式会社矢野経済研究所「2023年版 パチンコ関連メーカーの動向とマーケットシェア」、2023年9月
https://www.fujimarukun.co.jp/corp/ir/individuals/market.html

5.株式会社矢野経済研究所 https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3401

6.国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」によれば、日本の生産年齢人口は2015年の約7,700万人から、2056年には5,000万人を下回り、2065年には約4,500万人まで減少すると予想されております。

7.デロイト トーマツ ミック経済研究所「AI(ディープランニング)活用の画像認識ソリューション市場の現状と展望 2023年度版」、2023年8月31日
https://mic-r.co.jp/mr/02870/

 

(SaaS事業)

当社グループの「jobs」について、株式会社アイ・ティ・アール「ITR Market View:人事・給与・就業管理市場2023」によれば、労務管理システムの市場は、2021年度は84億円で前年度比61.5%増と急速な伸び率を示し、2022年度も同35.7%増と引き続き高い伸びを維持すると予想されています。また、各ベンダーともに、人事システムなど各種システムとの連携機能を拡充し、利便性の向上を推進していることから、新規ユーザーの増加に加えて、既存ユーザーのシステム拡張が進みつつあります。こうしたことから、労務管理市場のCAGR(2021~2026年度)は26.3%、2026年度には270億円規模に達すると予測しています。(注8)。また、当社グループの「Circle」については、株式会社アイ・ティ・アール「ITR Market View:SFA/統合型マーケティング支援市場2023」によれば、統合型マーケティング支援市場は、ベンダー全般的に新規ユーザーが着実に増加していることに加え、大企業を中心に既存システムの拡張が進んでおり、2026年度に410億円になると予想されています(注9)。統合型マーケティング支援市場は、マーケティング活動全般を支援する製品・サービスで、マーケティング・プランニング、見込客管理、カタログ管理、パーソナライゼーション、キャンペーン管理、イベント管理などの機能を含むサービスや製品を対象にしています。

このような状況のもと、当社グループの「jobs」及び「Circle」についても引き続き拡販を図ってまいります。

また、当社グループの中長期的な戦略として、ストック型のビジネスであるSaaS事業を拡大させ、当社グループ全体としての利益率の向上及び収益の安定化に努めてまいります。

当社グループの主な事業モデルは、サービスの利用に応じて収益を計上する、いわゆるSaaSモデルとなっていますが、導入時に売上の全額が計上されるモデルに比べ、黒字化までに時間を要する一方、解約率が低く、中長期では非常に収益性が高いのが特徴です。

このような事業モデル、市場環境を踏まえ、当社は創業以来積極的に先行投資を行ってまいりました。今後とも、新規ユーザーの獲得及び新たな市場のニーズに応えるサービスの提供に注力してまいります。

(注) 8.株式会社アイ・ティ・アール「ITR Market View:人事・給与・就業管理市場2023」、2023年4月
https://www.itr.co.jp/report-library/M-23000700

9.株式会社アイ・ティ・アール「ITR Market View:SFA/統合型マーケティング支援市場2023」、2023年1月
https://www.itr.co.jp/report-library/m-23000200

 

(再エネソリューション事業)

2023年9月26日にIEA(国際エネルギー機関)が発表した、NZEシナリオ(ネットゼロ・エミッションシナリオ)の第2版によれば、2021年5月の初版と比較して今後太陽光発電が突出したエネルギー供給源になることが示されており、2050年における電源構成(発電電力量ベース)における太陽光発電の構成率予想は、初版では33%であったのが41%へと大幅に増加しており、風力発電の31%を大きく上回る結果となっております(注10)。また、ネイチャー誌(Nature Communications)に掲載された調査結果によると、2050年には太陽光発電が世界の電力全体の56%をカバーすると予想されており、(注11)世界的にも太陽光発電への注目が高まっております。

日本国内においても、2020年10月に政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言し、脱炭素社会に向けた市場規模の拡大が見込まれております。固定価格買取制度(FIT)における太陽光発電に関する買取期間の終了及びNonFITへの移行により、売電価格が市場価格に左右されることとなり一定の利益減が見込まれるものの、矢野経済研究所によれば、日本の太陽光発電市場は2022年から2027年の間に9.2%以上のCAGRで推移すると予想されている等(注12)、引き続き市場規模の拡大が見込まれると考えております。また、国内PPA太陽光事業においては、2021年度の38億円から、2022年度は94億円と大きく拡大する見込みであり、2025年度には350億円、2030年度には700億円への成長が予測されております。(注13)

このような状況のもと、当社の再エネソリューション事業については、当社子会社株式会社エコ革のこれまでの実績を足掛かりとして、当社のIT技術の活用を強みにNonFITの利益率の向上を図り、さらなる受注規模の拡大を目指します。具体的には、当社の技術力駆使した技術提供、最適化による提案力の強化、当社の営業販路を活用した売上拡大を図ってまいります。このような事業モデル、市場環境を踏まえ、2050年脱炭素社会実現にむけて急成長が見込まれる太陽光業界において、グループ全体でシナジーを効かせながら更なる事業強化及び成長を実現させて参ります。

(注) 10.日経ビジネス 、2024年2月1日
 https://project.nikkeibp.co.jp/energy/atcl/19/feature/00007/00116/

11.Nature Communications「The momentum of the solar energy transition」、2023年10月17日
 https://www.nature.com/articles/s41467-023-41971-7

12.Mordor Intelligence「日本の太陽エネルギー市場- 成長、動向、予測(2023年~2028年)」、2023年1月23日

13.矢野経済研究所「国内PPAサービス市場の推移・予測」、2022年10月4日

 

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、売上高と営業利益を重要な経営指標として管理しております。これらを重視する理由は、企業として一定程度の売上高規模を確立することで、事業基盤の安定性を確保するとともに、安定した利益の成長を継続させることで、新規領域への投資を機動的に行うことが重要であると考えているためであります。また、継続的な利益の確保は安定的なキャッシュ・フローにもつながると考えており、株主への安定的な利益還元を実現するとともに、今後の事業拡大を見据えM&A等への取り組み等についても、資金の状況等を勘案しながら取り組む所存であります。

また、ITソリューション事業においては受託契約高、SaaS事業については「jobs」の売上高、再エネソリューション事業においては売上高・営業利益率をKPIとして選択しております。その採用理由としては、受注契約高、売上高・営業利益率を増やしていくことが収益に直結することから、最適であると判断したためです。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

(1)及び(2)に記載したような経営環境のもと、当社グループが継続的な成長を遂げていくために優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、下記のとおりと考えております。

 

① SaaS事業の早期拡大化

当社グループのSaaS事業において、関連領域で強いノウハウを所持する関係企業とのアライアンス等を通じて、早期の事業拡大が重要な課題であると認識しております。関係企業とは、例えば「jobs」の場合、販売対象となる人材派遣会社が業務上で必要不可欠な求人媒体を取り扱う企業等が具体的な一例に該当します。アライアンスの基本的な契約形態(販売代理店契約など)は販売代理店契約を主としておりますが、関係企業と販売対象との関係性に応じた契約形態も必要に応じて検討すべきと考えます。引き続き、関係企業との連携強化等により拡販を図り、同事業の早期拡大化を目指します。

 

② ITソリューション事業における事業領域の拡大

当社グループのITソリューション事業における取引先の拡大は、今後の事業基盤の強化を図るうえで重要な課題であると認識しております。営業は顧客開拓活動を積極的に推進するとともに、システムにおける具体的な提案活動においては、内部部門と連携を図り、顧客のニーズに対し最適で、効率の良い提案を行うことで受注確度を高めてまいります。

 

③ 人材の確保及び育成

当社グループが今後も顧客にとって付加価値、満足度の高いサービスを提供し続け、事業の拡大を図るためには、デザイン、プロジェクトマネジメント、マーケティング、リサーチ等における高い技能やノウハウ等を有し、顧客の業界にも精通した優秀な人材を継続的に確保し、育成していくことが重要な課題であると認識しております。

当社グループでは、中途採用による即戦力人材の採用を中心に積極的な採用を行うとともに、各部署での技術向上のための講習や開発作業効率化のための研修等を行うことで、人材の確保及び育成を図ってまいります。

 

④ 「jobs」の解約率の改善

当社グループが競合優位性を確保しながら継続的に成長するためには、顧客満足度の向上に加えて、サービスの提供価値を高め、解約率を低く維持していくことが重要な課題であると認識しております。

当社グループの「jobs」の平均月次解約率(代理店契約を除く)は2023年1月期では1.8%、2024年1月期では2.3%と概ね横ばいの状態となっております。今後も、カスタマーサポートの体制強化等の取り組みにより継続して解約率の改善に努めてまいります。「jobs」のカスタマーサポートでは、解約率の大きな原因となる「契約後すぐに利用開始せず、利用しないまま放置される」状態にならないよう、オンボーディング(システムの利用をユーザが問題なくできるようになるまでの状態)フェーズを手厚くサポートしており、このサポート体制が解約率低減に貢献しております。

 

⑤ 外注比率の低減

当社グループのITソリューション事業では、開発業務の一部を外注により行っております。当社グループは、外注に依存することによる技術の空洞化や品質の劣化及び収益性の低下を避けるため、外注比率を低減させていくことが重要な課題であると認識しております。当社グループのITソリューション事業においては、今後も技術者のスキルアップを更に進めるとともに、人材の最適配置などを行うことで内製化を進め、外注比率の低減を図ってまいります。

 

⑥ 内部管理体制の強化

当社グループは成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。このため、当社グループとしては、内部統制システムの適切な運用や社内教育の充実等を通したコーポレート部門の整備を推進し、コーポレート・ガバナンスを充実していくことで、経営の公正性・透明性を確保するために、リスク管理の徹底や業務の効率化を図っていきます。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社グループのサステナビリティ方針は、「環境・社会・経済の三つの側面から、持続可能な社会の実現に貢献すること」を目的とした取り組み、急激な社会環境の変化や少子高齢化を柔軟に受け止め、社会に必要とされる時代に即した企業環境を整えて健全な企業活動のために取り組んでいきます。

 

(2)戦略

当社グループの人材の育成及び社内環境整備に関する方針として、様々な人材が多様な働き方で能力を発揮できるようにテレワークや時短勤務などを推奨しております。また、女性役員・女性管理職の比率を上げるための取り組みも進めてまいります。

(3)リスク管理

サステナビリティに関する全社的なリスク管理に関して、当社におけるリスク管理に関する基本事項を定めている「リスク管理規程」に追加すると共に代表取締役を最高責任者としてリスク管理を担う機関として設置されている「リスク管理委員会」において、課題・対応策を検討することを検討しております。

 

(4)指標及び目標

女性役員・女性管理職の比率を上げると共に、様々な勤務形態を積極的に採用し、多様な人材が活躍できる環境の整備を進めます。なお、女性管理職につきましては、2024年1月期末において未登用であるため、今後、女性管理職比率の向上を目指して、環境整備をはじめとした取り組みを推進してまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。

当社グループでは、「リスクマネジメント・コンプライアンス規程」を定め、代表取締役社長を委員長とするリスクマネジメント・コンプライアンス委員会を設置し、全社的なリスクマネジメントの体制を整備しております。また実際にリスクが発生した場合は、速やかに代表取締役社長への報告を行い、代表取締役社長の指示の下、当該リスクへの対応を行うこととしております。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅することを保証するものではありません。

 

(1) 事業環境に関するリスク

① 適用される法令の変更について

(再エネソリューション事業)

発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

再エネソリューション事業は、「建設業法」、「電気事業法」、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」等といった法的規制を受けております。将来これらの法令の改正や新たな法令規制が適用された場合、その制約をうけることになり、経営成績等に影響を与える可能性があります。

このようなリスクに対して、各種講習会等に参加して法的知識を習得すること等により、法令を遵守した事業運営を行い、当該動向に柔軟に対応できる体制構築に努めてまいります。

 

② 政府の施策の変更について

(再エネソリューション事業)

発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

再エネソリューション事業は、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」による電力の「固定価格買取制度」における買取価格の変更等により、経営成績等に影響を与える可能性があります。

このようなリスクに対して、上記動向を日々注視しながら、適宜当社グループの経営戦略に織り込んでいくとともに、当該動向に柔軟に対応できる体制構築に努めてまいります。

 

③ 市場動向について
(受託開発ソフトウェア市場)

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループの主要事業であるITソリューション事業が属する受託開発ソフトウェア市場は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営環境・経営戦略等」にも記載しましたように、今後も着実に成長していくと考えております。しかしながら、経済環境の悪化や景気低迷等により、同市場が縮小し、中長期に渡って停滞した場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

このようなリスクに対して、当社グループは、上記動向を日々注視しながら、適宜当社グループの経営戦略に織り込んでいくとともに、当該動向に柔軟に対応できる体制構築に努めてまいります。

 

(エンターテイメントに関連する映像ソフトウェア開発(遊技機向け)市場)

発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループのITソリューション事業におけるエンターテイメントに関連する映像ソフトウェア開発(遊技機向け)の市場動向については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営環境・経営戦略等」にも記載しましたように、遊技機業界における規制により利用者人口が減ったことに加え、新型コロナウイルス感染症の影響で断続的な行動制限施策が続いたことによる国内経済の停滞、また世界的な半導体不足によるハードウェアの調達困難等により、遊技機メーカーの販売台数も伸ばすことができず、落ち込んでいる状況となっております。経済環境の悪化や景気低迷等により、同市場がさらに縮小し、中長期に渡って停滞した場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

このようなリスクに対して、当社グループは、上記動向を日々注視しながら、適宜当社グループの経営戦略に織り込んでいくとともに、ITソリューション事業の売上におけるエンターテイメントに関連する映像ソフトウェア開発(遊技機向け)への依存度を低減するため、AI等のデジタル技術を利用したシステム・アプリケーション開発の強化に注力し、エンターテイメントに関連する映像ソフトウェア開発(遊技機向け)以外の領域の案件・顧客の開拓を進めてまいります。

 

④ 競合他社の動向について

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループのSaaS事業における人材派遣会社向け業務管理システム「jobs」には、同様のサービスを提供する競合他社が複数存在します。こうしたなか、競合他社との価格競争が発生したり、資本力やブランド力を持つ大手企業や全く新しいビジネスモデル又は技術によるサービスを提供する事業者等が参入したりした場合、「jobs」のサービス内容や価格等に優位性がなくなり、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

このようなリスクに対して、当社グループは、カスタマーサポートの充実・品質向上に取り組むことで、ユーザー目線に立ってサービスをより充実させていくと共に、ビジネスの現場における知見や人材データベースの蓄積及び品質維持・向上のための教育等の取り組みを継続的に行い、競争優位性の向上に努めてまいります。また、上記動向を日々注視しながら、適宜当社グループの経営戦略に織り込んでいくとともに、当該動向に柔軟に対応できる体制構築に努めてまいります。

 

⑤ 技術革新について

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループが事業を展開するAI等のデジタル技術やSaaS製品においては、技術革新の速度が極めて速いという特徴があります。今後の技術革新のスピードやこれに伴う新たなビジネスモデルの出現を含む市場環境の変化に当社グループが適時適切に対応できない場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

このようなリスクに対して、当社グループは、技術革新の動向を注視するとともに、それに追従するため、開発人員を中心とした人材採用・育成や、開発の生産性を高めるための社内環境等の整備に努めることで、常に新しい技術ノウハウを獲得し、当社グループの開発プロセス・組織に取り入れてまいります。

 

⑥ 法的規制について

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループは、その事業展開や開発業務において、主に、下請代金支払遅延等防止法、遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則、個人情報の保護に関する法律、著作権法等の法規制の対象となっております。当社は、これらの法規制を遵守した運営を行ってきておりますが、今後新たな法令の制定や、既存法令の強化等が行われ、当社が運営する事業が規制の対象になる等制約を受ける場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

このようなリスクに対して、当社グループは、法規制の改正等の動向を注視するとともに、法規制の遵守のために今後も社内教育や体制の構築等を行ってまいります。

 

(2) 事業展開または事業体制に関するリスクについて

① 受託開発におけるスケジュール遅延等について

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループのITソリューション事業においては、顧客のニーズに応じたシステムの受託開発業務を行っておりますが、その工程において開発スケジュールの遅延によるコスト増加や納品後の不具合の修正作業等が発生した場合は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。加えて、納品及び検収が遅延することで、売上の計上が翌連結会計年度に期ずれする可能性があります。

このようなリスクに対して、当社グループでは、受注管理の徹底やプロジェクトマネジメントの強化による品質改善等を推進することにより、リスクの低減を図っております。

 

② 代理店契約について

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループのSaaS事業における人材派遣会社向け業務管理システム「jobs」及びSales Enablementツール「Circle」の販売について各社と代理店契約を締結しております。今後において、当該契約の期間満了、各社の経営状態の悪化や経営方針の変更による契約解除その他の理由による終了、もしくは当社にとって不利な改定が行われた場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

このようなリスクに対して、当社は各社と定期的に情報を共有しており、もし上記のような兆候があれば感知できる体制とすることにより、リスクの低減を図っております。

 

③ 人材の確保及び育成について

発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループが今後も顧客にとって付加価値、満足度の高いサービスを提供し続け、事業の拡大を図るためには、デザイン、プロジェクトマネジメント、マーケティング、リサーチ等における高い技能やノウハウ等を有し、顧客の業界にも精通した優秀な人材を継続的に確保し、育成していくことが重要と考えています。しかしながら、優秀な人材は多くの業界において需要が高いため、今後人材採用競争の激化等の要因により優秀な人材を確保できない場合や、採用等に係るコストや人件費が増加する場合は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

このようなリスクに対して、当社グループでは、中途採用による即戦力人材の採用に力を注いでおり、リファラル(社員紹介)、人材紹介など複数のチャネルを組み合わせた採用アプローチを採っております。また、事業計画に基づいて策定した人員計画に従って、コストを慎重に見極めながら採用活動を行ってまいります。また、育成については、各部署での技術向上のための講習や開発作業効率化のための研修等も行っており、部署間でのシナジーを強めるための意見交換等ができる場を設けております。

 

④ 新規顧客開拓に伴うリスクについて

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループは、これまで、当社役職員を含む幅広い人的ネットワークに基づき、独自の営業活動により顧客企業の獲得を行ってまいりました。しかしながら、今後、当社グループ事業の拡大過程において、SaaS事業においては広告宣伝の活用、ITソリューション事業、SaaS事業及び再エネソリューション事業においては外部企業等との戦略的提携等を通じた顧客獲得が必要になる可能性があります。その場合、これらに必要なコスト及び投資負担が利益を圧迫し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

このようなリスクに対して、当社グループでは、事業計画に従って、コストを慎重に見極めながら上記施策を行ってまいります。

 

⑤ 新規事業の展開について

発生可能性:低、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:小

当社グループは、既存事業の拡大はもちろん、新規事業を展開していくことが重要であると考えております。また、それを通じて、当社の事業規模拡大と収益多様化を図ってまいりたいと考えています。新規事業の展開においては、市場環境の変化や不測の事態により、当初予定していた投資回収が実現できない可能性があり、人材採用や広告宣伝費等の初期費用の発生や事業再編等に伴う事業売却損等が発生した場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

このようなリスクに対して、当社グループは、新規事業への投資を行う際は各種調査を実施し、十分な検討時間を設けて様々な角度から事業計画及び採算性等について検討を行い、職務権限規程に従った組織的な意思決定を行ってまいります。

 

⑥ SaaS事業が黒字化しないリスク

発生可能性:低、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:小

当社グループのSaaS事業における人材派遣会社向け業務管理システム「jobs」は2019年2月に、Sales Enablementツール「Circle」は2021年7月に提供を開始しており事業実績がいまだ浅く、また「セグメント情報等」に記載のとおり、当連結会計年度(自 2023年2月1日 至 2024年1月31日)において、SaaS事業セグメントのセグメント損益は赤字となっております。同事業におけるサービスは売切り型ではなく、継続的に収益が積み上がっていくストック型のビジネスモデルでありますが、当社グループは同事業セグメントの早期黒字化を目指すべく、契約アカウント数の増加によるストック売上高の増加を図っております。しかしながら、こうした取り組みが想定どおりに進まなかった場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

このようなリスクに対して、当社グループはSaaS事業における契約アカウント数伸長のための施策を継続的に実行するとともに、その達成状況を取締役会等においてモニタリングし、必要に応じて追加の施策を実行してまいります。

 

⑦ M&Aについて

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

本書提出日現在では具体的に想定しておりませんが、当社グループは、今後の事業拡大等を目的として、M&Aを事業展開の選択肢の一つとして実行する可能性があります。M&Aの実行に際し、実行前の調査で確認・想定されなかった事象が実行後に判明あるいは発生した場合や、市場環境の変化等により事業展開が計画どおりに進まない場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

このようなリスクに対して、M&Aを実行する際には、弁護士、公認会計士等の専門家を活用したビジネス・財務・法務等に関する詳細なデュー・デリジェンスを行い、各種リスクの低減に努めるとともに、市場環境の変化の早期情報収集を行う方針であります。

 

⑧ システム障害について

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループのSaaS事業のサービスは、Amazon Web Services, Inc.が提供するクラウドサーバーであるAmazon Web Services(AWS)を利用して、インターネット経由でサービスを提供しております。そのため、AWS及びインターネット回線の安定的な稼働が事業運営上の重要な事項となっております。

これまでのところ、当社グループのサービス提供において、AWSまたはインターネット回線の障害等に起因する重大なサービス停止やトラブル等は起こっておりませんが、何らかのシステム障害や人為的な破壊行為、自然災害等の当社グループの想定していない事象の発生によりこれらが停止した場合には、顧客への損害の発生やサービスに対する信頼性の低下などにより、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

このようなリスクに対して、当社グループは、安定的なサービス運営を行うために、システムの冗長化やセキュリティ対策の強化並びに障害発生時の社内体制の構築を行っております。

 

⑨ 情報セキュリティについて

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループは、業務上、顧客が保有する機密情報等を取り扱っており、コンピューターウィルスや不正アクセス、人的過失等により当該情報の漏洩が発生した場合には、顧客からの損害賠償請求や信用失墜等の事態を招き、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

このようなリスクに対して、当社グループでは、外部への情報流出や外部からの不正侵入を防ぐセキュリティ対策等を行うとともに、セキュリティ教育を定期的に実施することにより役職員のセキュリティに対する意識向上を図っております。

 

⑩ 知的財産権について

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小

本書提出日現在において、当社グループが第三者の知的財産権を侵害している事実は認識しておらず、また、そのような第三者からの申し立て等を受けたこともありません。しかし、当社グループの認識していない知的財産権が既に成立していることにより、当社グループの事業運営が制約を受ける場合や第三者の知的財産権侵害が発覚した場合などにおいては、信用失墜や損害賠償請求等が発生し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

このようなリスクに対して、当社グループでは、弁護士及び弁理士等の外部専門家と連携することで、第三者の知的財産権の侵害を防ぐ体制の構築や自社が保有する知的財産権の適切な管理を行ってまいります。

 

(3) 会社組織に関するリスク

① 特定人物への依存について

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社の代表取締役社長である良原広樹は、当社の創業者であり、設立以来、代表取締役社長として経営方針や事業戦略の立案・決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。何らかの理由により同氏が当社グループの業務を継続することが困難となった場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

このようなリスクに対して、当社グループでは、取締役会を通じた取締役間の相互の情報共有のほか、隔週開催の経営会議にて経営に関する重要事項の協議や共有を行うなどして経営体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない体制の構築を進めております。

 

② 小規模組織であることについて

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループは、本書提出日現在、比較的組織規模が小さく、内部管理体制や業務執行体制も当該組織規模に応じたものとなっております。今後、当社グループの成長、事業規模拡大にあわせた適切な人員強化を行ってまいりますが、これが適時適切に進行しなかった場合には、当社グループの事業活動に支障をきたし、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

このようなリスクに対して、「(2)③人材の確保及び育成について」と同様に対応を行ってまいります。

 

③ 内部管理体制の構築について

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループの継続的な成長のためには、コーポレート・ガバナンスが適切に機能することが必要不可欠であると認識をしておりますが、事業が急拡大することによりコーポレート・ガバナンスが有効に機能しなかった場合には、適切な業務運営を行うことができず、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

このようなリスクに対して、当社グループは、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な整備・運用、更に法令・定款・社内規程等の遵守を徹底してまいります。

 

(4) その他のリスク

① 自然災害、事故等について

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小

地震、台風、洪水、津波等の自然災害、事故、資本市場等の混乱による経済危機、火災、テロ等による政治の混迷等、不測の事態が発生した場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

このようなリスクに対して、当社グループでは、「緊急事態対応マニュアル」を定め、代表取締役社長の指示の下、当該リスクへの対応を行う、緊急事態対応体制を整備しております。

 

② 調達資金の使途について

発生可能性:低、発生可能性のある時期:数年以内、影響度:小

当社の公募増資による調達資金の使途は、人員拡充のための採用費用及び人件費や、当社グループ及び当社サービスの認知向上に向けた広告宣伝費等への充当を考えております。しかし、当社を取り巻く外部環境や経営環境の変化に伴い、当該資金が想定どおりの使途に充当されない可能性もあります。また、計画どおりに資金を使用したとしても、期待どおりの効果をあげられない可能性があります。そのような場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクに対して、当社を取り巻く外部環境や経営環境の変化については適時その動向を注視するとともに、公募増資による資金調達の使途が変更になった場合には、適時適切に開示を行います。

 

③ 配当政策について

発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小

当社は、株主に対する利益還元と同時に、健全な財務体質及び競争力の強化を経営上の重要課題として位置づけております。現時点では、当社は成長過程にあると考え、内部留保の充実を図り、事業拡大と事業の効率化に向けた投資を実行することが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。

このことから、創業以来配当の実績はなく、今後においても当面の間は内部留保の充実を図る方針であります。将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類感染症となり、経済社会活動の正常化が進みつつありますが、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料価格の高騰や世界的な物価上昇、円安の進行など先行きは依然として不透明な状況が続いております。また、少子高齢化や人口減少を背景に労働生産性の向上を図っていくことが課題となっており、既存システムの刷新やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進によるIT投資需要が高まっております。

このような環境の下、当社グループは、「テクノロジーでより面白く、より便利な世の中を創造する」というビジョンのもと、映像ソフトウェア開発・AIといった技術領域や企業向けSaaS、太陽光発電設備の施工販売といったビジネス領域において、お客様にとって最大限の価値を創造できるようなサービスの提供に取り組んで参りました。具体的には、ITソリューション事業、SaaS事業、再エネソリューション事業の3事業を展開しております。

当社グループは、ITソリューション事業において、主にエンタメ映像ソフトウェア開発やAI等のデジタル技術を利用したシステム・アプリケーション開発を中心とした売上を計上しました。SaaS事業においては、人材派遣会社向け管理システム「jobs」を中心に販売実績を積み重ねてきました。再エネソリューション事業においては、太陽光発電設備の施工・販売による売上を計上しました。

以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高が、7,129,535千円(前年同期比662.90%)、営業利益は、842,500千円(前年同期比498.86%)、経常利益は、675,170千円(前年同期比419.65%)、親会社株主に帰属する当期純利益は、106,202千円(前年同期比142.29%)となりました。

なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等) セグメント情報」に記載のとおり、当連結会計年度より、報告セグメントに再エネソリューション事業を追加しております。各セグメントの業績は以下のとおりであります。

 

(ITソリューション事業)

ITソリューション事業においては、①エンタメ映像ソフトウェア開発、②AI等のデジタル技術を利用したシステム・アプリケーション開発を中心に展開しておりましたが、クライアント企業の販売スケジュール見直しに伴う開発スケジュールの遅延等の理由により、売上高及び営業利益が減少しております。

その結果、売上高は、951,095千円(前年同期比95.13%)、セグメント利益は、69,363千円(前年同期比26.93%)となりました。

 

(SaaS事業)

SaaS事業においては、主に自社プロダクトである人材派遣会社向け管理システム「jobs」の開発及び販売をしております。世界的な物価高騰等の影響下において多くの人材派遣会社がコスト削減を強いられる中、当社システムは価格体系において月額3万円である事から、時代の流れやお客様のニーズに合う製品となっており、新規顧客を獲得することができております。また、カスタマーサポートの体制強化による解約率の改善や、代理店経由による販路の拡大の結果、売上は増加する結果となりました。今後も中長期的に堅調な成長が見込まれると思われます。

その結果、売上高は、151,295千円(前年同期比199.88%)、セグメント損失は、143,271千円(前年は88,677千円のセグメント損失)となりました。

 

(再エネソリューション事業)

再エネソリューション事業においては、現在社会全体としてSDGsの達成や、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」の実現に向けた取り組みが注目され、成長が見込まれる同業界において、長年の実績に基づくワンストップ体制でのサービスを提供しており、売上は堅調に推移しております。

その結果、売上高は、6,027,144千円、セグメント利益は、916,407千円となりました。

 

② 財政状態の状況
(資産)

当連結会計年度末の流動資産は、8,440,992千円となり、前連結会計年度末と比較して7,523,736千円の増加となりました。これは主に、株式会社エコ革の連結子会社化等により、現金及び預金が3,056,880千円、未成工事支出金が2,105,667千円増加したこと等によるものであります。

固定資産は7,759,308千円となり、前連結会計年度末と比較して7,657,143千円の増加となりました。これは主に、株式会社エコ革の連結子会社化により、土地が5,082,882千円増加したこと等によるものであります。

この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて15,180,880千円増加し、16,200,301千円となりました。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は6,720,139千円となり、前連結会計年度末と比較して6,590,384千円の増加となりました。これは主に、株式会社エコ革の連結子会社化及び株式取得等に係る資金調達に伴う短期借入金の増加3,819,031千円等によるものであります。

固定負債は6,006,698千円となり、前連結会計年度末と比較して5,825,123千円増加となりました。これは主に、株式会社エコ革の連結子会社化及び株式取得等に係る資金調達に伴う長期借入金の増加2,525,823千円によるものであります。

この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて12,415,508千円増加し、12,726,838千円となりました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて2,765,372千円増加(前連結会計年度末比490.54%)し、3,473,462千円となりました。これは主に、株式会社エコ革の連結子会社化により、非支配株主持分が2,527,852千円増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末比63.62ポイント減少し、5.84%となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,506,976千円増加し、3,119,576千円となりました。

また、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は959,499千円(前連結会計年度は63,991千円の収入)となりました。これは主に、その他負債の増加1,462,419千円、棚卸資産の減少1,233,745千円などにより資金が増加したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動の結果得られた資金は1,476,745千円(前連結会計年度は32,513千円の支出)となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入1,938,041千円などによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果得られた資金は70,732千円(前連結会計年度は318,889千円の収入)となりました。これは主に短期借入金の増加による収入664,028千円、長期借入金の借入による収入860,802千円、長期借入金の返済による支出1,713,599千円、自己株式の売却による収入355,619千円によるものであります。

 

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

ITソリューション事業

806,339

107.80

146,576

506.14

再エネソリューション事業

18,153,184

12,898,970

合計

18,959,523

2534.62

13,045,546

45046.79

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.受注残高の減少要因については、契約時期のずれ等、当期中の契約獲得とする事ができなかったことによるものであります。

3.当連結会計年度より、新たに再エネソリューション事業を報告セグメントに追加しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

ITソリューション事業

951,095

95.13

SaaS事業

151,295

199.88

再エネソリューション事業

6,027,144

合計

7,129,535

662.90

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.当連結会計年度より、新たに再エネソリューション事業を報告セグメントに追加しております。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

(自 2022年2月1日

  至 2023年1月31日

当連結会計年度

(自 2023年2月1日

  至 2024年1月31日

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

㈱ニューギン

167,432

15.6

35,421

0.5

福島ソーラーシェア発電所(同)

1,683,497

23.6

WWB㈱

933,363

13.1

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債及び連結会計年度の収益・費用の数値に影響を与える見積りは、主に資産の評価や引当金の計上であり、これらの見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

当社の連結財務諸表作成に際して採用している重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)、(重要な会計上の見積り)に記載していますが、特に重要なものは以下のとおりです。

(a) のれん

当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しています。資産性については、子会社の業績及び事業計画等をもとに検討し、判断していますが、将来において経営環境の悪化等により収益が当初の想定を下回る場合は、のれんの減損処理を行う可能性があります。

 

② 財政状態の分析

財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

③ 経営成績の分析
(売上高)

当連結会計年度における売上高は前連結会計年度に比べ6,054,029千円増加し、7,129,535千円(前連結会計年度比662.90%)となりました。売上高の分析・検討内容につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度における売上原価は、前連結会計年度に比べ4,745,214千円増加し、5,315,902千円(前連結会計年度比931.49%)となりました。これは主に案件の増加に伴う外注費の増加によるものです。売上総利益は、前連結会計年度に比べ1,308,815千円増加し、1,813,632千円(前連結会計年度比359.26%)となりました。主な要因としましては、株式会社エコ革の連結子会社化により、売上高、売上原価共に増加したことによるものであります。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ635,200千円増加し、971,132千円(前連結会計年度比289.09%)となりました。これは主に株式会社エコ革の連結子会社化によるものです。営業利益は、前連結会計年度に比べ673,614千円増加し、842,500千円(前連結会計年度比498.86%)となっております。

 

(経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ514,281千円増加し、675,170千円(前連結会計年度比419.65%)となりました。

当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ31,564千円増加し、106,202千円(前連結会計年度比142.29%)となりました。これについては主に、株式会社エコ革の連結子会社化により、非支配株主に帰属する当期純利益を443,257千円計上したためであります。

 

④ キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に含めて記載しております。

 

⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

⑦ 資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、従業員の給与手当のほか、販売費及び一般管理費の営業費用であります。当社は、事業運営上必要な資金を安定的に確保するために、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入等でバランスよく調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位については、調達時期における資金需要の額、用途、市場環境、調達コスト等を勘案し、最適な方法を選択する方針であります。

 

⑧ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等についての分析

当社グループは、売上高と営業利益を経営指標として重視しております。

当連結会計年度における売上高は7,129,535千円(前連結会計年度比662.90%)、営業利益は842,500千円(前連結会計年度比498.86%)となりました。なお、売上高及び営業利益の分析については「③ 経営成績の分析」をご参照ください。

また、当社グループは、ITソリューション事業においては受注契約高、SaaS事業(jobs)においては売上高、再エネソリューション事業においては売上高及び営業利益率をKPIとして選択しております。

当連結会計年度におけるITソリューション事業の受注契約高は、エンタメ映像ソフトウェア開発案件、AI等のデジタル技術に関する案件共に、契約時期のずれ等、当期中の契約獲得とする事ができなかったことにより、806,339千円(前連結会計年度比107.80%)となりました。

当連結会計年度におけるSaaS事業(jobs)の売上高は、営業活動・営業体制の強化や2022年1月期から開始した代理店による販路の引き続きの拡大により、119,645千円(前連結会計年度比187.95%)となりました。

当連結会計年度における再エネソリューション事業においては、第4四半期において、大型案件に係る工事の進捗に応じた収益の認識が可能となった他、受注が好調であった為、売上高は6,027,144千円、営業利益率は15.2%となりました。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

6 【研究開発活動】

(ITソリューション事業)

該当事項はありません。

 

(SaaS事業)

該当事項はありません。

 

(再エネソリューション事業)

該当事項はありません。

 

(その他)

該当事項はありません。