【要約四半期連結財務諸表注記】
1.報告企業
ルネサスエレクトロニクス株式会社(以下「当社」)は日本の会社法に基づいて設立された株式会社であり、日本に所在する企業であります。当第1四半期連結会計期間(2024年1月1日から2024年3月31日まで)および当第1四半期連結累計期間(2024年1月1日から2024年3月31日まで)の要約四半期連結財務諸表は、当社およびその子会社(以下「当社グループ」)で構成されております。当社グループは、半導体専業メーカーとして、各種半導体に関する研究、開発、設計、製造、販売およびサービスを行っております。当社グループの主な事業内容は、「6.事業セグメント」に記載しております。
当社グループの2024年3月31日に終了する要約四半期連結財務諸表は、2024年5月9日に代表執行役社長兼CEO 柴田英利および執行役員兼CFO 新開崇平によって承認されております。
2.作成の基礎
当社グループは、四半期連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同規則第93条の規定を適用しており、当社グループの要約四半期連結財務諸表はIAS第34号「期中財務報告」に準拠して作成しております。
要約四半期連結財務諸表は、連結会計年度の連結財務諸表で要求されているすべての情報が含まれていないため、前連結会計年度の連結財務諸表と併せて利用されるべきものであります。
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円(百万円単位、単位未満四捨五入)で表示しております。
3.重要な会計方針
当社グループが本要約四半期連結財務諸表において適用する重要な会計方針は、前連結会計年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同一であります。
なお、当第1四半期連結累計期間の法人所得税は、年間の見積実効税率に基づいて算定しております。
4.重要な会計上の見積り及び判断
当社グループは、要約四半期連結財務諸表の作成において、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積りおよび仮定を用いております。これらの見積りおよび仮定は、過去の経験および利用可能な情報を収集し、決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。しかしながら、その性質上、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
見積りおよびその基礎となる仮定は継続して見直しております。これらの見積りの見直しによる影響は、当該見積りを見直した期間および将来の期間において認識しております。
本要約四半期連結財務諸表における重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断は、原則として前連結会計年度に係る連結財務諸表と同様であります。
5.連結の範囲に関する事項
当第1四半期連結会計期間に、連結の範囲の変更はありません。
6.事業セグメント
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっております。
当社グループは、「自動車向け事業」および「産業・インフラ・IoT向け事業」から構成されており、セグメント情報はこれらの区分により開示しております。自動車向け事業には、自動車のエンジンや車体などを制御する半導体を提供する「車載制御」と、車内外の環境を検知するセンサリングシステムや様々な情報を運転者などに伝えるIVI・インストルメントパネルなどの車載情報機器に半導体を提供する「車載情報」が含まれております。当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラ、SoC、アナログ半導体およびパワー半導体を中心に提供しております。産業・インフラ・IoT向け事業には、スマート社会を支える「産業」、「インフラストラクチャー」および「IoT」が含まれております。当事業において、当社グループはそれぞれマイクロコントローラ、SoC、アナログ半導体およびパワー半導体を中心に提供しております。加えて、当社の設計および生産子会社が行っている半導体の受託開発、受託生産などを「その他」に分類しております。
(報告セグメントの変更等に関する事項)
当第1四半期連結会計期間における組織変更に伴い、報告セグメントの集計方法について、従来の製品軸による集計方法から、売上収益を実際の用途に基づき集計する方法に変更しております。なお、前第1四半期連結累計期間のセグメント情報については、変更後の集計方法に基づき作成したものを開示しております。
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は「3.重要な会計方針」における記載と同一であります。報告セグメントに関する情報として、外部顧客への売上収益のほか、セグメント売上総利益、ならびにセグメント損益であるセグメント営業利益を開示しております。
セグメント売上総利益ならびにセグメント営業利益は、経営者が意思決定する際に使用する社内指標であり、IFRSに基づく売上収益、売上総利益および営業利益から、企業結合に関連する無形資産および有形固定資産の償却費、株式報酬費用、その他非経常的な項目を除いたものであります(調整2)。その他非経常的な項目には、企業買収関連費用や当社グループが控除すべきと判断した一過性の利益や損失が含まれます。その他非経常的な項目のうち、各報告セグメントが負担すべきと判断したものなどについては、各報告セグメントのセグメント売上総利益およびセグメント営業利益に含めております(調整1)。なお、当社の取締役会はグループ内取引を消去した後の業績を用いて評価していることから、セグメント間の振替高はありません。
当社グループの報告セグメントごとの情報は次のとおりであります。
前第1四半期連結累計期間(自 2023年1月1日 至 2023年3月31日)
当第1四半期連結累計期間(自 2024年1月1日 至 2024年3月31日)
製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しております。
外部顧客への売上収益の地域別内訳は、次のとおりであります。
(注)売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。
7.企業結合
なお、個別にも全体としても重要性が乏しい企業結合については記載を省略しております。
前第1四半期連結累計期間(自 2023年1月1日 至 2023年3月31日)
(Celeno Communications Inc.)
条件付対価は、Celeno Communications Inc.(以下「Celeno社」)の今後の製品開発、量産の進捗に応じて合意されたいくつかの条件(マイルストン)を特定の期限までに充足した場合にそれぞれに対して支払われるものであり、契約上、最大で45百万米ドルを支払う可能性があります。
条件付対価の公正価値は、Celeno社に支払う可能性がある金額について、その発生確率を加味した現在価値で算定しております。
条件付対価の公正価値のヒエラルキーのレベルは、レベル3になります。レベル3に分類した条件付対価の期首残高から期末残高への調整表は次のとおりであります。
(単位:百万円)
また、条件付対価に係る公正価値変動額のうち、貨幣の時間的価値の変動に基づく部分を「金融費用」に計上するとともに、貨幣の時間的価値以外の変動に基づく部分を「その他の収益」または「その他の費用」に計上しております。前第1四半期連結累計期間は公正価値の変動などにより、その他の収益が1,232百万円発生しております。
なお、Celeno社は、2023年9月29日付でCeleno Communications Inc.からRenesas Semiconductor Design US Inc.に商号変更しました。
(Steradian Semiconductors Private Limited)
前々連結会計年度末においては、取得日時点における識別可能資産および負債の特定ならびに公正価値の算定が未了であり、取得原価の配分が完了していなかったため、前々連結会計年度末時点において入手可能な合理的な情報等に基づき暫定的な会計処理を行っておりました。前第1四半期連結累計期間において、確定した取得原価の配分額に基づき、発生したのれんの金額を次のとおり修正しております。なお、前第1四半期連結累計期間において取得対価の調整をしております。
取得日(2022年10月17日)における取得資産および引受負債の公正価値
(単位:百万円)
(注) Steradian Semiconductors Private Limited(以下「Steradian社」)の取得から生じることが期待される既存事業とのシナジー効果と超過収益力を反映したものであります。なお、税務上損金算入可能と見込まれるのれんの額はありません。
当第1四半期連結累計期間(自 2024年1月1日 至 2024年3月31日)
(Steradian Semiconductors Private Limited)
条件付対価は、Steradian社の今後の製品開発、量産の進捗に応じて合意されたいくつかの条件(マイルストン)を特定の期限までに充足した場合にそれぞれに対して支払われるものであり、契約上、最大で11百万米ドルを支払う可能性があります。
条件付対価の公正価値は、Steradian社に支払う可能性がある金額について、その発生確率を加味した現在価値で算定しております。
条件付対価の公正価値のヒエラルキーのレベルは、レベル3になります。レベル3に分類した条件付対価の期首残高から期末残高への調整表は次のとおりであります。
(単位:百万円)
また、条件付対価に係る公正価値変動額のうち、貨幣の時間的価値の変動に基づく部分を「金融費用」に計上するとともに、貨幣の時間的価値以外の変動に基づく部分を「その他の収益」または「その他の費用」に計上しております。当第1四半期連結累計期間は公正価値の変動などにより、「その他の収益」が606百万円発生しております。
なお、Steradian社は、2024年3月26日付でSteradian Semiconductors Private LimitedからRenesas Design India Private Limitedに商号変更しました。
(Panthronics AG)
条件付対価は、Panthronics AG(以下「Panthronics社」)の今後の製品開発、量産の進捗に応じて合意されたいくつかの条件(マイルストン)を特定の期限までに充足した場合にそれぞれに対して支払われるものであり、契約上、最大で61百万米ドルを支払う可能性があります。
条件付対価の公正価値は、Panthronics社に支払う可能性がある金額について、その発生確率を加味した現在価値で算定しております。
条件付対価の公正価値のヒエラルキーのレベルは、レベル3になります。レベル3に分類した条件付対価の期首残高から期末残高への調整表は次のとおりであります。
(単位:百万円)
なお、Panthronics社は、2023年10月12日付でPanthronics AGからRenesas Design Austria GmbHに商号変更しました。
8.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は、次のとおりであります。
(注)営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
9.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は、次のとおりであります。
(注)営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。
10.社債及び借入金
前第1四半期連結累計期間(自 2023年1月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当第1四半期連結累計期間(自 2024年1月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
前第1四半期連結累計期間(自 2023年1月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当第1四半期連結累計期間(自 2024年1月1日 至 2024年3月31日)
当社は、2024年3月に、2019年1月15日付コミットメントライン設定契約に基づいて、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、三井住友信託銀行㈱を借入先とする30,000百万円の短期借入を実行しました。
11.資本金及びその他の資本項目
前第1四半期連結累計期間(自 2023年1月1日 至 2023年3月31日)
当社は、ストック・オプションの行使およびリストリクテッド・ストック・ユニット(RSU)の権利確定に基づく自己株式の処分を行い、前第1四半期連結累計期間において自己株式は2,591,789株減少しました。これにより、自己株式は3,084百万円減少しております。
この結果、前第1四半期連結会計期間末において、自己株式は189,087百万円となっております。
当第1四半期連結累計期間(自 2024年1月1日 至 2024年3月31日)
当社は、2024年2月8日付の取締役会決議に基づき、2024年2月29日に自己株式87,839,138株の消却を行いました。また、ストック・オプションの行使、リストリクテッド・ストック・ユニット(RSU)およびパフォーマンス・シェア・ユニット(PSU)の権利確定に基づく自己株式の処分などを行い、当第1四半期連結累計期間において自己株式は2,644,824株減少しました。これらにより、自己株式は107,676百万円減少しております。
この結果、当第1四半期連結会計期間末において、自己株式は110,015百万円となっております。
12.配当金
前第1四半期連結累計期間(自 2023年1月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当第1四半期連結累計期間(自 2024年1月1日 至 2024年3月31日)
前第1四半期連結累計期間(自 2023年1月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当第1四半期連結累計期間(自 2024年1月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
13.売上収益
売上収益はすべて外部顧客との契約から生じたものであります。また、外部顧客との契約から認識した売上収益の分解は、「6.事業セグメント (2)報告セグメントに関する情報、(4)地域に関する情報」に記載しております。
14.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、次のとおりであります。
(注)販売費及び一般管理費に研究開発費が含まれております。なお、研究開発費の主な内訳は、研究開発に係る外注費、従業員給料手当、減価償却費及び償却費、材料費であります。
15.その他の収益
その他の収益の内訳は、次のとおりであります。
(注)1 詳細は、「7.企業結合」をご参照ください。
2 前第1四半期連結累計期間において計上された受取保険金は、2021年3月19日に当社連結子会社であるルネサスセミコンダクタマニュファクチュアリング㈱の那珂工場で発生した火災に伴う保険金の受取額などであります。なお、この保険金には、火災により被害を受けた際の逸失利益に対する受取額が含まれております。
16.その他の費用
その他の費用の内訳は、次のとおりであります。
17.1株当たり利益
親会社の普通株主に帰属する基本的1株当たり四半期利益および希薄化後1株当たり四半期利益は、次のとおりであります。
18.株式報酬
当社は、2021年4月よりリストリクテッド・ストック・ユニット(RSU)およびパフォーマンス・シェア・ユニット(PSU)を導入しております。当第1四半期連結累計期間において付与したRSUおよびPSUは、次のとおりであります。
(注) 1 権利確定時に、確定したユニット数に対応した当社普通株式(1ユニット当たり1株)を交付します。株式交付時に付与対象者からの払込みはありません。
2 RSUの公正価値は2,461.5円であり、付与日の当社株価に基づき算定しております。
19.金融商品
金融商品の公正価値の算定方法は、次のとおりであります。
これらは主に短期間で決済されるものであるため、公正価値は帳簿価額と近似しております。
(b) 営業債務及びその他の債務
短期で満期が到来する営業債務及びその他の債務については、公正価値は帳簿価額と近似しております。短期で満期が到来しない営業債務及びその他の債務の公正価値は、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しており、レベル2に分類しております。
活発な市場における同一銘柄の市場価格が入手できる場合は、当該市場価格を使用して公正価値を測定しており、レベル1に分類しております。市場価格が入手できない場合の公正価値は、主として純資産に基づく方式(株式発行会社の純資産に基づき、必要に応じて時価修正を加えて算出する方法)などにより測定しており、レベル3に分類しております。
(d) 貸付金
貸付金の公正価値は、信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しており、レベル3に分類しております。
(e) 長期借入金
長期借入金の公正価値は、元利金の合計額を、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しており、レベル2に分類しております。
為替予約、通貨オプションおよび通貨スワップについては、取引先の金融機関から提示された価格等に基づいて算定しており、レベル2に分類しております。また、観察不能なインプットを使用して評価した場合はレベル3に分類しております。
社債の公正価値は、公表されている市場価格を参照して算定しており、レベル2に分類しております。
(h) 条件付対価
企業結合による条件付対価は、適切な評価技法を用いて将来の支払額について、その発生確率を加味した現在価値により算定しており、レベル3に分類しております。
(i) その他の金融資産、その他の金融負債
償却原価で測定する3ヶ月超の定期預金、長期未収入金、敷金または預り保証金は、レベル2に分類しております。なお、公正価値は帳簿価額と近似しているため、注記を省略しております。
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、レベル1からレベル3までを次のように分類しております。
レベル1: 活発な市場における公表価格により測定された公正価値
レベル2: レベル1以外の観察可能なインプットを直接または間接的に使用して算出された公正価値
レベル3: 観察可能な市場データに基づかないインプットを含む、評価技法から算出された公正価値
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各報告期間の期末に発生したものとして認識しております。
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値は、次のとおりであります。なお、公正価値で測定する金融商品および帳簿価額と公正価値が極めて近似している金融商品については、次の表には含めておりません。また、リース負債については、次の表には含めておりません。
前連結会計年度(2023年12月31日)
(単位:百万円)
当第1四半期連結会計期間(2024年3月31日)
(単位:百万円)
② 公正価値で測定する金融商品
公正価値ヒエラルキーのレベルごとに分類された、経常的に公正価値で測定する金融資産および金融負債の内訳は、次のとおりであります。
前連結会計年度(2023年12月31日)
当第1四半期連結会計期間(2024年3月31日)
③ レベル3に分類された金融資産および金融負債の増減は、次のとおりであります。
(注) 1 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、「金融収益」および「金融費用」に含まれております。
2 在外営業活動体の換算差額およびその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に関するものであり、要約四半期連結包括利益計算書上の「在外営業活動体の換算差額」または「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産」に表示しております。
3 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に関するものであり、「金融費用」、「その他の費用」および「その他の収益」に含まれております。
4 レベル3に分類されている金融商品は、非上場株式、貸付金および企業結合による条件付対価により構成されております。公正価値測定結果については、適切な権限者がレビュー、承認をしております。
非上場株式は、主にファンドへの出資であり、評価技法としては純資産価値により公正価値を算定しております。
貸付金は、満期までの期間および信用リスクを加味した利率、ならびに契約内容の履行状況をもとに、将来予測されるキャッシュ・フローを現在価値に割り引いて公正価値を算定しております。なお、見積りには不確実性を伴うため、重大な観察可能でないインプットの変動により公正価値が増減するなどの影響があります。
条件付対価の公正価値は、開発マイルストンの達成される可能性や貨幣の時間的価値を考慮して公正価値を測定しております。なお、見積りには不確実性を伴うため、重大な観察可能でない開発マイルストンの達成される可能性が高くなった場合、公正価値は増加するなどの影響があります。
④ 期首および期末において純損益にまだ認識していない当初認識時の公正価値と取引価格の差額の総額およびこの差額の変動は、次のとおりであります。
20.偶発債務
当社グループは、グローバルに事業活動を展開しており、様々な国や地域で訴訟、仲裁の申し立て、規制当局の調査その他の法的手続の当事者となることがあります。
当社グループが現在当事者となり、または今後当事者となる可能性のある法的手続について、その解決には相当の時間、費用などを要する可能性があり、結果を予測することは困難ですが、その結果が、当社グループの事業、業績、財政状態、キャッシュ・フロー、評判および信用に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、国際会計基準第37号「引当金、偶発債務及び偶発資産」の第92項に従い、当社グループの立場が不利になる可能性があるため、これらの法的手続に関する詳細な内容は開示しておりません。
当社グループは、合理的に見積りが可能な限りにおいて、以下に記載する事案のいくつかについて訴訟損失引当金を計上しております。また、以下に記載する事案以外にも他社との訴訟や損害賠償請求案件などの支払に備えた訴訟損失引当金を計上しております。
(特許侵害およびトレード・シークレットの不正使用等に関する民事訴訟)
当社米国子会社は、2008年11月、米国テキサス州東部地区連邦地方裁判所(以下「第一審裁判所」)において特許侵害およびトレード・シークレットの不正使用等に関連して、他社から民事訴訟を提起されました。2016年6月の第一審裁判所判決に対し、米国連邦巡回控訴裁判所(以下「第二審裁判所」)に控訴し、2018年7月、第二審裁判所は、第一審裁判所の判決による賠償額を取り消し、第一審裁判所での再審理を命じました。再審理を経て2022年3月、第一審裁判所は48.3百万米ドルの賠償を命ずる判決を出しております。その後、2022年8月に当社米国子会社は第二審裁判所に控訴しております。
(環境汚染問題に関する請求)
当社台湾子会社は、事業承継元の会社が過去に保有していた台湾の工場において生じた環境汚染問題に関連して、損害賠償請求を受けております。
2004年6月以降、当社台湾子会社は、事業承継元の会社が過去に保有していた台湾の工場において生じた環境汚染問題に関する汚染浄化費用ならびに当該工場に勤務していた元従業員等が提起した環境汚染問題に関する集団訴訟における賠償責任および訴訟費用について、他社から損害賠償請求権を留保している旨の通知を受けておりました。当社台湾子会社は当該集団訴訟の被告ではありませんが、2017年12月、上記請求について、当該請求者から当社台湾子会社に対して仲裁の申し立てがなされました。その後当該請求者の要求により仲裁手続は停止されております。
21.後発事象
(株式報酬の付与)
当社は、2021年4月よりリストリクテッド・ストック・ユニット(RSU)およびパフォーマンス・シェア・ユニット(PSU)を導入しております。
2024年4月8日付の取締役会において、当社の取締役および執行役員、ならびに当社および子会社の従業員に対して、RSUおよびPSUを付与することを決議しました。
(注) 1 権利確定時に、確定したユニット数に対応した当社普通株式(1ユニット当たり1株)を交付します。株式交付時に取締役や執行役員、従業員からの払込みはありません。
2 PSUは付与されたユニット数を基礎に、3年間における当社の株主総利回りの伸長率等に応じて定められた一定の係数に従ってユニット数を確定します。
(1) 決算日後の状況
特記事項はありません。
(2) 訴訟等
「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 20.偶発債務」に記載のとおりであります。