当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化により、個人消費や企業収益が堅調に推移しており、雇用や所得環境の改善による賃上げ傾向や、株式市場の活況など、緩やかな景気回復の動きが続いております。一方で、長期化するウクライナ情勢や中東情勢の緊迫化継続など不安定な国際情勢を背景に、資源・エネルギー価格の高騰や物価の上昇、また、世界的な金融引き締め等を背景とした景気の後退懸念など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
不動産業界においては、インバウンド需要の回復や円安の継続を背景に、国内外の投資家の投資意欲は依然として高く、不動産に対する需要も底堅く推移しました。また、引き続き政府による各種支援制度も継続して実施されておりますが、一方で日本銀行のマイナス金利解除による住宅ローン金利への影響や、建築コストの高止まりや人手不足による不動産価格への更なる影響等が懸念される状況が続いております。
このような状況のなかで、当社グループの主力事業である分譲マンション事業におきましては、2024年1月1日を効力発生日として、首都圏を中心に「グローリオ」シリーズの分譲マンション事業や新築一棟収益マンション事業を行う当社の特定子会社かつ完全子会社であったあなぶきホームライフ株式会社を吸収合併いたしましたが、これに伴い、従来の当社関東支社を東日本支社へと名称変更し、東日本エリアのさらなる事業基盤の確立を図るとともに、新たに首都圏支社を設置して、首都圏における分譲マンションや新築一棟収益マンションの開発に注力いたしました。
当社グループでは、多様な事業セグメントの経営基盤を活用した新規事業や新たなサービス開発、事業領域の拡大にも取り組んでおります。また、お客様の生涯価値を向上させるためのデジタル技術の活用や、デジタルを前提とした業務改善を継続的に実施することによる業務の効率化や生産性の向上など、DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みも加速させております。
当第3四半期連結累計期間における売上高は98,235百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益6,305百万円(同19.5%減)、経常利益6,699百万円(同12.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益5,153百万円(同4.0%減)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
① 不動産関連事業
不動産関連事業におきましては、主力である分譲マンションの販売について、当第3四半期連結累計期間における新規販売開始マンション及び完成引渡マンションが前期に比して少なかったことにより、当第3四半期連結累計期間における契約戸数は1,203戸(前年同期比10.1%減)、売上戸数は1,469戸(同14.3%減)となりました。また、通期売上予定戸数2,020戸のうち、当第3四半期連結会計期間末における未契約住戸は14戸を残すだけとなっており、引き続き堅調な状況で推移いたしました。なお、通期売上予定戸数については、あなぶきホームライフ株式会社の吸収合併に伴い、当期首の通期売上予定戸数1,947戸から73戸増加しております。
また、吸収合併したあなぶきホームライフ株式会社の当第3四半期連結対象期間(2023年4月1日から2023年12月31日)における分譲マンションの販売については、契約戸数が101戸、売上戸数が145戸、これに加えて新築一棟収益マンションの販売については、5棟の引渡しとなりました。
この結果、不動産関連事業の売上高は、71,493百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益は5,760百万円(同26.9%減)となりました。
なお、分譲マンションにおける他社との共同事業における戸数については、当社事業割合で計算しております。
② 人材サービス関連事業
人材サービス関連事業におきましては、経済活動の正常化が進み、人材需要は回復基調にある中、マッチング事業の高付加価値化とBPO事業の拡大に取り組みましたが、前期に拡大していた新型コロナウイルス感染症の対策に係る人材需要が減少し、BPO事業の新規案件開拓が伸び悩みました。
この結果、人材サービス関連事業の売上高は4,214百万円(前年同期比2.2%減)、営業利益は164百万円(同7.4%増)となりました。
③ 施設運営事業
施設運営事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響から回復基調が続いており、インバウンド需要が堅調であるなど、主力であるホテル事業を中心に好調に推移いたしました。なお、岡山県の倉敷美観地区にある「旅館くらしき」を改装のために休館しており、2024年8月にリニューアルオープンを予定いたしております。
この結果、施設運営事業の売上高は5,241百万円(前年同期比7.8%増)、営業利益は251百万円(同35.9%減)となりました。
④ 介護医療関連事業
介護医療関連事業におきましては、2023年7月に兵庫県西宮市で介護付き有料老人ホーム『アルファリビング西宮北口』、2023年12月に大阪府吹田市でサービス付き高齢者向け住宅『アルファリビング吹田千里丘』を開設いたしましたが、需要拡大が見込め、且つ顧客単価の高い関西圏中心部における開発に引き続き取り組みました。また、終末期ケアの他、特定疾患や重度要介護者の受け入れを可能とする運営体制の構築などに取り組みました。
この結果、介護医療関連事業の売上高は4,706百万円(前年同期比4.7%増)、営業利益は192百万円(同14.0%増)となりました。
⑤ 小売流通関連事業
小売流通関連事業におきましては、長崎県にて事業展開を行っているスーパーマーケット事業(11店舗※2024年2月に1店舗閉鎖)において、引き続き各店舗の安定運営の確立や新商品・新規事業の開発強化、また無人店舗やネットスーパー事業の拡充を推進し、収益体制の確立を目指しました。
この結果、小売流通関連事業の売上高は6,197百万円(前年同期比0.2%増)、営業損失は53百万円(前年同期は営業損失133百万円)となりました。
なお、営業損失の主な要因は、物価高に影響された買い控えと、店舗閉鎖に伴う一時的な経費増加によるものであります。
⑥ エネルギー関連事業
エネルギー関連事業におきましては、高圧一括受電により分譲マンション等へ割安な電力提供を行う電力提供事業において、引き続きサービス提供戸数の拡大と収益の安定化に注力いたしました。また、政府の実施する電気・ガス価格激変緩和対策事業が継続する中、燃料費調整額や卸市場価格は安定的に推移し、電力提供事業の収益が安定化いたしました。
この結果、エネルギー関連事業の売上高は4,928百万円(前年同期比2.4%増)、営業損失は102百万円(前年同期は営業損失656百万円)となりました。
なお、営業損失の主な要因は、補助金制度における電力料金削減によるものであります。
⑦ 観光事業
観光事業におきましては、アフターコロナへと移行し、日本人向け企画募集ツアーや一般団体旅行が好調に推移し、顕著に収益の回復が見られております。また、コロナ禍においても積極的に進めた、欧米富裕層向けインバウンド事業や、高付加価値なサステナブルツーリズムなどの新規事業の拡大にも引き続き注力いたしました。
この結果、観光事業の売上高は1,450百万円(前年同期比90.5%増)、営業利益は86百万円(前年同期は営業利益0百万円)となりました。
(2)財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末の資産、負債及び純資産の状況は、次のとおりであります。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は116,799百万円となり、前連結会計年度末に比べ18,873百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が10,356百万円増加したことによるものであります。固定資産は29,529百万円となり、前連結会計年度末に比べ847百万円増加いたしました。これは主に、投資有価証券が829百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、146,329百万円となり、前連結会計年度末に比べ19,720百万円増加いたしました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は55,035百万円となり、前連結会計年度末に比べ15,005百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が9,549百万円増加したことによるものであります。固定負債は50,515百万円となり、前連結会計年度末に比べ187百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が1,568百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債は、105,550百万円となり、前連結会計年度末に比べ15,192百万円増加いたしました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は40,779百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,527百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益5,153百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は27.8%(前連結会計年度末は28.6%)となりました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において新たに発生した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。