当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
また、重要事象等は存在しておりません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第1四半期連結累計期間の世界経済は、一部の国や地域で引き続き内需の底堅さがみられ、長らく続いていた物価上昇にも沈静化の兆候がみられるなど前向きな動きがみられた一方で、インフレの高止まりへの警戒感も根強く、インフレ抑制と金融緩和の綱引き状態が続く脆弱な経済情勢で推移いたしました。また、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に加えて、中東情勢の緊迫化など地政学リスクは一層高まってきており、先行きに対する不透明感が増す状況となっております。
このような経済情勢のなか、物流業界におきましても、海外に関しては、デジタル関連財を中心に部分的に荷動きが回復している産業や地域があるものの、主要国における設備投資の低迷など製造業の弱含みが継続する中、荷動きは力強さに欠ける状況で推移いたしました。また、紅海の情勢不安によるスエズ運河の航行回避といった国際物流に直接影響を与えるリスクも顕在化しております。国内に関しても、製品価格高騰による消費マインド低下などの影響を受け、総じて力強さに欠ける荷動きで推移いたしました。
引き続き、地政学リスクに加え、国内では円安に伴う各種調達コストの上昇など、その動向に注視が必要な状況にあります。
こうした経営環境のもと、当社グループの当第1四半期連結累計期間の業績は、前年同四半期に比べ、cargo-partner社グループを新たに連結の範囲に含めたことやデジタル関連財を中心に部分的な荷動きの回復などを受け、増収となったものの、全体的に航空輸送・海上輸送の需給逼迫状況の緩和の影響を受け販売単価が低下したことなどから、減益となりました。
この結果、売上収益は6,176億円と前年同四半期に比べ395億円、6.8%の増収となり、営業利益は34億円と前年同四半期に比べ208億円、85.7%の減益、税引前四半期利益は42億円と前年同四半期に比べ191億円、82.0%の減益となり、親会社の所有者に帰属する四半期利益は8億円と前年同四半期に比べ124億円、93.8%の減益となりました。
報告セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(売上収益の明細)
(セグメント利益の明細)
A 日本(ロジスティクス)
国内物流が継続して低調に推移し、航空貨物、海運貨物の取扱いが減少したことに加え、販売単価の下落の影響があり、売上収益は3,054億円と前年同四半期に比べ242億円、7.4%の減収となり、セグメント利益は63億円と前年同四半期に比べ49億円、44.0%の減益となりました。
B 米州(ロジスティクス)
倉庫配送では、アパレルや自動車関連等の取扱いが好調を維持するも、航空貨物、海運貨物の取扱いが減少したことに加え、販売単価の下落の影響があり、売上収益は370億円と前年同四半期に比べ1億円、0.4%の減収となり、セグメント利益は10億円と前年同四半期に比べ17億円、62.6%の減益となりました。
C 欧州(ロジスティクス)
航空貨物は紅海危機による海運輸送からのシフト貨物等もあり取扱いが増加し、航空貨物及び海運貨物の販売単価の下落は継続しているものの、cargo-partner社グループを新たに連結の範囲に含めたことにより、売上収益は1,129億円と前年同四半期に比べ679億円、151.0%の増収となり、セグメント利益は31億円と前年同四半期に比べ9億円、46.4%の増益となりました。
D 東アジア(ロジスティクス)
航空貨物は電機・電子関連の取扱いが減少し、海運貨物は販売単価の下落の影響を受け、売上収益は373億円と前年同四半期に比べ18億円、4.7%の減収となり、セグメント利益は4億円と前年同四半期に比べ10億円、70.5%の減益となりました。
E 南アジア・オセアニア(ロジスティクス)
航空貨物、海運貨物ともに主要顧客の取扱いが減少し、販売単価の下落の影響もあり、売上収益は347億円と前年同四半期に比べ32億円、8.5%の減収となり、セグメント利益は10億円と前年同四半期に比べ20億円、66.7%の減益となりました。
F 警備輸送
一部業務において設定便の減便はあったものの、新紙幣切替に伴う改刷対応や金融機関アウトソーシング業務の受託拡大等により、売上収益は176億円と前年同四半期に比べ6億円、3.9%の増収となり、セグメント利益は13億円と前年同四半期並みとなりました。
G 重量品建設
風力発電関連やシャットダウンメンテナンスの取扱いが減少し、売上収益は106億円と前年同四半期に比べ5億円、5.1%の減収となり、セグメント利益は7億円と前年同四半期に比べ1億円、13.7%の減益となりました。
H 物流サポート
物流商品部門及び整備製作部門の取扱いの減少等により、売上収益は1,079億円と前年同四半期に比べ14億円、1.3%の減収となり、セグメント利益は24億円と前年同四半期に比べ8億円、26.0%の減益となりました。
②財政状態
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は2兆1,827億円となり、前連結会計年度末に比べ755億円、3.6%増となりました。
流動資産は8,378億円で前連結会計年度末に比べ582億円、6.5%減、非流動資産は1兆3,449億円で前連結会計年度末に比べ1,338億円、11.1%増となりました。
流動資産減少の主な要因は、現金及び現金同等物の減少等によるものです。
非流動資産増加の主な要因は、のれん及び無形資産の増加等によるものです。
流動負債は6,622億円で前連結会計年度末に比べ711億円、12.0%増、非流動負債は6,913億円で前連結会計年度末に比べ68億円、1.0%減となりました。
流動負債増加の主な要因は、社債及び借入金の増加等によるものです。
非流動負債減少の主な要因は、社債及び借入金の減少等によるものです。
当第1四半期連結会計期間末の資本合計は8,291億円で、前連結会計年度末に比べ113億円、1.4%増となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、2,135億円となり、前連結会計年度末に比べ1,015億円減となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、523億円の収入となり、前年同四半期に比べ301億円収入が増加しました。その主な要因は、法人所得税の支払額が減少したこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,175億円の支出となり、前年同四半期に比べ1,078億円支出が増加しました。その主な要因は、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が増加したこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、435億円の支出となり、前年同四半期に比べ18億円収入が増加しました。その主な要因は、長期借入金の返済による支出が減少したこと等によるものです。
(3) 研究開発活動
該当事項はありません。
当第1四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
当第1四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
当第1四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の計画の著しい変更はありません。
当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。