当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結累計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態に関する説明
(資産)
流動資産は19,343百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,764百万円の増加となりました。これは、販売用不動産が1,142百万円、現金及び預金が989百万円それぞれ増加し、売掛金が324百万円減少したことなどによります。現金及び預金の比率が高い理由は、ADVANTAGE CLUB販売時に何らかの経済危機が発生し、不動産在庫リスクが発生する場合に備えるためであります。また、自己資本比率を高め、継続的に経営を維持できるよう、まさかのリスクに備えた保守的な財務運営によるものであります。但し、株主還元については資本コストを約8%と想定しROEを継続的に高い水準に維持し、かつ、配当性向を50%に設定することで資本コストを上回る純資産配当率にしております。なお、ADVANTAGE CLUB用の不動産仕入については、不動産の仕入決済時にADVANTAGE CLUBを組成するなど不動産在庫リスクを発生させない方針を継続しております。
固定資産は5,796百万円となり、前連結会計年度末に比べて116百万円の減少となりました。これは、繰延税金資産が127百万円減少したことなどによります。
これらにより、資産合計は25,139百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,647百万円の増加となりました。
(負債)
流動負債は6,851百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,391百万円の増加となりました。これは、短期借入金が2,394百万円増加し、未払法人税等が666百万円、未払金が417百万円それぞれ減少したことなどによります。
固定負債は8,668百万円となり、前連結会計年度末に比べて222百万円の増加となりました。これは、長期預り敷金保証金が144百万円増加したことなどによります。
これらにより、負債合計は15,520百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,614百万円の増加となりました。
(純資産)
純資産合計は9,618百万円となり、前連結会計年度末に比べて33百万円の増加となりました。これは、利益剰余金が親会社株主に帰属する四半期純利益により608百万円増加し、配当金の支払いにより632百万円減少したことなどによります。
これらにより自己資本比率は37.9%(前連結会計年度末は40.4%)となりました。
(2)経営成績に関する説明
当社グループは2022年からの3ヵ年を「拡大成長期」と位置付けた第三次中期経営計画を策定し、8つの「戦略的個別サービス」と「総合財産コンサルティングサービス」の両輪によるお客様サービスの品質向上と、量的拡大を実現する施策に取り組んでおります。
当第1四半期連結累計期間においては、経済活動の正常化や賃上げの動きなどを背景に日経平均が最高値を更新するなど国内景気は回復傾向が見られるものの、物価や金利の上昇、急激な為替の変動など、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社のお客様である個人資産家や企業オーナーの財産コンサルティングサービスのニーズ、とりわけ財産承継、事業承継、資産保全並びに資産運用ニーズは大幅に増大しております。
金融機関等との連携の拡大及び各社との協業の深化によりお客様の紹介は堅調に推移しており、お客様数は増加し続けております。既存のお客様と長期継続的な関係を構築するとともに、新規のお客様の長期的なアカウントプラン(個社・個人別中長期コンサルティング計画)の策定を行ってまいりました。
また、8つの「戦略的個別サービス」についての進捗は以下の通りでございます。
ADVANTAGE CLUBについては、過去のトラックレコードや他社との差別化が周知され、販売開始後、数営業日で完売している状況が続いております。今後もお客様の財産の承継・財産の運用に資するためには、厳格に当社の商品基準に合致させる必要があり、当連結会計年度の組成計画は商品基準に合致した積上げベースで288億円を予定しております。
STO事業においては、ADVANTAGE CLUBにつぐ第2の不動産を裏付けとした運用商品の柱と位置付けております。当連結会計年度においては100億円規模の組成を予定しており、第2号案件の組成に向けて積極的に取り組んでまいります。
購入コンサルティング事業においては、首都圏の不動産購入ニーズを持つ資産家に対して積極的に提案しております。インフレ下においては不動産を活用した運用ニーズが高まっており、当社及び地方銀行のお客様からの相談が増加しております。
土地有効活用コンサルティング事業においては、有効活用専門部署を設置しており、不動産の売買、建設に関するコンサルティングからテナントのリーシングまで幅広く提案を行っております。当連結会計年度においては地方銀行及びメガバンク2行からの案件の拡大を目指しております。
ファミリーオフィスサービス事業においては、メガバンク及び有力な地方銀行と連携し、非財産分野のコンサルティングを超巨大企業の同族オーナー向けに行っております。当連結会計年度は従来の事業承継コンサルティングと併せて提案することにより受託件数の増加を目指しております。
地域創生コンサルティング事業については、多くの自治体や金融機関から相談を受けており、複数の案件が進捗しております。当連結会計年度においては、当社第3号案件となる案件を受託する予定です。
事業承継ファンド事業においては、損益が悪化している企業や過剰債務を抱えている企業に対して、事業承継ファンドに限らず財務改善や事業承継など幅広くコンサルティングを提供しております。結果として、事業承継ファンドを選択する企業が増加し、今後ますます投資の増加が見込まれると考えております。
IFAによる金融商品運用サービスについては、グループ会社の㈱青山フィナンシャルサービスの紹介による金融資産コンサルティングを積極的に行ったことから、前連結会計年度末に預かり資産残高は約67億円に到達しました。当連結会計年度は既存のお客様や新NISA開始による金融商品運用サービスに積極的に取組み、預かり資産残高120億円を目指しております。
売上高につきましては、9,301百万円(前年同四半期は7,318百万円)となり、財産コンサルティング及び不動産取引ともに前年同四半期を上回りました。
営業利益につきましては、832百万円(前年同四半期は467百万円)となりました。財産コンサルティングの中でもとりわけ利益率の高い事業承継コンサルティングが大幅に増加したことにより売上総利益が増加しました。
経常利益につきましては、営業外収益27百万円(前年同四半期は23百万円)、営業外費用25百万円(前年同四半期は24百万円)を計上したことから834百万円(前年同四半期は466百万円)となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、608百万円(前年同四半期は291百万円)となりました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、下表の通り、売上高9,301百万円(前年同四半期比27.1%増)、営業利益832百万円(同78.2%増)、経常利益834百万円(同78.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益608百万円(同108.7%増)となりました。
(単位:百万円)
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2023年12月期 第1四半期 |
2024年12月期 第1四半期 |
前年同四半期比 |
2024年12月期 通期業績 予想 |
通期業績予想に対する 進捗率 |
2023年12月期 通期実績 |
売上高 |
7,318 |
9,301 |
27.1% |
38,000 |
24.5% |
36,098 |
営業利益 |
467 |
832 |
78.2% |
3,500 |
23.8% |
3,265 |
経常利益 |
466 |
834 |
78.9% |
3,400 |
24.5% |
3,359 |
親会社株主に帰属する四半期(当期)純利益 |
291 |
608 |
108.7% |
2,240 |
27.2% |
2,062 |
当社グループは、財産コンサルティング事業のみの単一セグメントであります。売上高の区分別業績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
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2023年12月期 第1四半期 |
2024年12月期 第1四半期 |
財産コンサルティング |
1,354 |
1,893 |
不動産取引 |
5,964 |
7,407 |
合計 |
7,318 |
9,301 |
① 財産コンサルティング
当社グループは個人資産家及び企業オーナーに対して財産承継及び事業承継コンサルティングを提供しております。また独自の商品を開発してお客様の財産運用及び財産管理のコンサルティングも手掛ける総合財産コンサルティングファームです。
財産コンサルティングの売上高の内訳は次の通りであります。
(単位:百万円)
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2023年12月期 第1四半期 |
2024年12月期 第1四半期 |
財産承継 |
797 |
843 |
事業承継 |
240 |
702 |
商品組成等 |
316 |
347 |
合計 |
1,354 |
1,893 |
財産承継につきましては、個人資産家に対して相続の事前・事後対策、保有不動産の有効活用、広大地活用、不動産の購入・売却に関するコンサルティングなどから得られる売上を計上しております。当第1四半期連結累計期間においては、既存のお客様の案件に加え、昨年来からご紹介頂いたお客様の案件が堅調に推移したことから売上高は増加しております。
事業承継につきましては、企業オーナーに対して後継者決定支援、組織再編・財務改善・成長戦略支援、転廃業支援、M&A後の財産承継支援やM&A支援、事業承継ファンドを活用したコンサルティングなどから得られる売上を計上しております。当第1四半期連結累計期間においては、大型のM&A案件がクロージングしたことにより売上高が大幅に増加しております。
商品組成等につきましては、当第1四半期連結累計期間においては、ADVANTAGE CLUBの組成額は昨年とほぼ同額ですが、ADVANTAGE CLUBの組成残高の増加に伴い、管理報酬が増加したことから売上高が増加しております。
以上の結果、財産コンサルティングの売上高は1,893百万円(前年同四半期比39.8%増)となりました。また、財産コンサルティングの売上高、売上原価及び売上総利益は下表の通りです。
(単位:百万円)
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2023年12月期 第1四半期 |
2024年12月期 第1四半期 |
売上高 |
1,354 |
1,893 |
売上原価 |
858 |
918 |
売上総利益 |
495 |
975 |
② 不動産取引
当社グループは財産コンサルティングの一環として、顧客の資産運用ニーズへの対応を図る目的から、不動産を仕入れ、不動産に関連した商品の開発を行い当社顧客等への販売を行っております。
不動産取引の売上高の内訳は次の通りであります。
(単位:百万円)
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2023年12月期 第1四半期 |
2024年12月期 第1四半期 |
ADVANTAGE CLUB |
5,733 |
5,610 |
その他不動産取引 |
231 |
1,797 |
合計 |
5,964 |
7,407 |
多くのお客様にご支持いただいておりますADVANTAGE CLUBの当連結会計年度の組成計画は当社の厳格な商品基準に合致した積上げベースで288億円を予定しております。
ADVANTAGE CLUBにつきましては、当第1四半期連結累計期間においては2件組成し5,610百万円の売上を計上いたしました。
その他不動産取引につきましては、1棟ものの不動産の提供や不動産保有時の賃料収入等を計上しております。
以上の結果、不動産取引の売上高は7,407百万円(前年同四半期比24.2%増)となりました。また、不動産取引の売上高、売上原価及び売上総利益は下表の通りです。
(単位:百万円)
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2023年12月期 第1四半期 |
2024年12月期 第1四半期 |
売上高 |
5,964 |
7,407 |
売上原価 |
5,267 |
6,762 |
売上総利益 |
696 |
645 |
当第1四半期連結会計期間における経営上の重要な契約等の変更はありません。