第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

(継続企業の前提に関する重要事象等について)

当社は、前事業年度におきまして、8期連続して営業損失を計上しており、また、当第1四半期累計期間においても、59,146千円の営業損失を計上していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

しかしながら、これらを解消し業績回復を実現するため、以下の対応策を進めております。

 

①事業収益の改善

2024年12月期事業年度においては、クオンタムリープ株式会社を中心とする資本業務提携先からの協力を受け発足した新経営体制の元、当社の中核事業であるメディア事業及びIP&コマース事業(旧ストア事業)の成長により、売上高の増加を図ってまいります。

具体的には、メディアサイト「AppBank.net」においては、インターネットメディアを取り巻く環境変化の激しさを鑑み、人員削減等の合理化を含む運営体制の縮小を図りました。今後は、コスト削減後の効率化された運営体制の元での売上高の獲得を目指します。

「マックスむらいチャンネル」等の動画チャンネルにおいては、当社が培ってきた動画制作ノウハウ及び最新トレンドの研究を反映した魅力的な動画を作成することで、動画視聴回数並びに広告収益の向上を図っております。また、引き続き、成長分野であるショート動画の制作も行っており、YouTubeに加えてTikTokでの配信にも取り組んでおります。これらの取り組みを通じて、収益性の高いBtoB案件広告の獲得も進めております。「マックスむらいチャンネル」のゲームプレイ動画やドッキリ動画シリーズ、トーク動画が好きな従来のファン、また、TikTok等の動画を通じて獲得できた新たなファンに対して、魅力的な動画を提供すると同時に、当社が運営するIP&コマース事業等の他サービスへの送客や採用面での連携を図ってまいります。あわせて、外部パートナーと連携して、新たな収益の獲得を目的としたサービスの立ち上げも進めております。

IP&コマース事業では、原宿の自社店舗を起点とするIPコラボレーション並びにインバウンド需要の取り込みを軸に売上の拡大を目指しております。現在は、原宿竹下通りの3店舗及びECサイトを運営しており、「YURINAN -ゆうりんあん-」は、2023年12月にどら焼きと抹茶ドリンク専門の和カフェとしてリニューアルし、直近ではインバウンド観光客の利用が増加しております。IPコラボレーションの拠点として「YURINAN -ゆうりんあん-はなれ」「原宿friend」を運営しており、「はなれ」でのコラボレーションスイーツの販売及び「原宿friend」でのIPの公式及び当社オリジナルグッズの販売も順調に推移しております。原宿竹下通りの訪問客に加えてIPの集客力も活かした集客増加を図ることで、売上高の拡大を目指しております。今後は、原宿竹下通りにおける取り組みをモデルケースとして、他地域への横展開や他社へのOEM提供を進める他、外部パートナーとの連携による新たな商品開発及びIPコラボレーションの拡大やECサイトを通じた販売強化に取り組むことで、売上高の拡大を図ってまいります。

これまでに公表いたしました株式会社CANDY・A・GO・GO、株式会社STPR、クオンタムリープ株式会社及び株式会社PLANAとの資本業務提携は、これらの施策の実効性を高めるものと考えております。

一朝一夕にという訳にはまいりませんが、上述の既存事業の選択及び集中により、新たな事業の方向性が定まり、再成長軌道に入ったと考えております。これらの施策を着実に実行していくことで、売上の拡大と早期黒字化を目指してまいります。

 

 

②営業費用の適正化

当第1四半期会計期間において、前連結会計年度までに削減した販売費及び一般管理費について、引き続き、現在の事業規模に見合う適正な水準でのコストコントロールを進めてまいりました。当第1四半期会計期間末にかけて、事業の進捗状況や将来の見通し、投資の効率性の観点並びにコストコントロールの観点から、事業部門における費用の見直しを実施いたしました。その結果、赤字部門の売却や運営体制の変更を実施しております。具体的には、2023年12月18日の取締役会にて決定した子会社3bitter株式会社(DXソリューション事業を構成しております)の全株式譲渡、及び2024年1月31日の取締役会にて決定したメディアサイト「AppBank.net」の人員削減を含む運営体制縮小と合理化により、大幅な費用の削減が見込まれます。その他の事業部門につきましても、継続的に費用の見直しとコントロールを図ってまいります。

 

③運転資金の確保

当社は、2023年4月10日の取締役会にて第12回新株予約権及び新株式の発行決議を行っており、2023年3月31日時点までに第12回新株予約権の全部が行使され、当第1四半期会計期間において8,550千円の調達を行いました。2024年2月16日の取締役会にて総額858,889千円となる第13回新株予約権及び新株式の発行決議を行っており、当第1四半期会計期間外となりますが、2024年4月1日に98,972千円を調達しております。

当第1四半期会計期間末において、47,780千円の現金及び現金同等物を有し、上記の資金調達とあわせて当面の事業資金を確保できている状況であることから、資金繰りの懸念はありません。

 

以上により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況

当社は、2024年1月1日付で連結子会社であった3bitter株式会社の全株式を譲渡いたしました。これにより、当第1四半期累計期間より非連結決算に移行したことから、従来連結で行っておりました開示を個別開示に変更いたしました。なお、当第1四半期累計期間は単独決算初年度にあたるため、前年同四半期の数値及びこれに係る増減率等の比較分析は行っておりません。

 

① 財政状態の状況

(資産の部)

当第1四半期会計期間末における総資産は128,154千円となり、前事業年度末に比べ33,345千円減少いたしました。これは主に、「現金及び預金」が28,411千円減少、「売掛金」が4,439千円減少したことによるものであります。

 

(負債の部)

当第1四半期会計期間末における負債は105,838千円となり、前事業年度末に比べ22,313千円増加いたしました。これは主に、「買掛金」が6,095千円減少、「未払費用」が16,488千円減少、「短期借入金」が50,000千円増加したことによるものであります。

 

(純資産の部)

当第1四半期累計期間末における純資産は22,315千円となり、前事業年度末に比べ55,658千円減少いたしました。これは主に、「資本金」及び「資本剰余金」がそれぞれ4,338千円増加、「四半期純損失(△)」が60,795千円となったためであります。

 

  ② 経営成績の状況

当社は、メディア事業とIP&コマース事業の2種のセグメントを軸に事業を展開しております。

なお、当第1四半期会計期間より、事業内容をより適正に表示するためにセグメント名称の変更をしており、従来の「ストア事業」を「IP&コマース事業」へ名称を変更しております。

当第1四半期累計期間における当社を取りまく経営環境としまして、足元では雇用・所得環境が改善する下で、緩やかな回復が続くことが期待されております。しかしながら、不安定な世界情勢等により物価上昇が継続するほか、急激に進行した円安の流れも継続する等の要因から、個人消費の停滞を始めとして、当社を取り巻く経営環境は不透明な状況が続いております。

このような環境下において、当社は、2024年3月29日の第12回定時株主総会での承認を得て発足した新経営体制の元、業績及び株主価値の向上に務めております。特に、上場後10年経過後から適用される東証グロース市場の上場維持基準の1つである時価総額40億円以上の早期達成を強く意識しております。当第1四半期累計期間においては、資本業務提携先である株式会社PLANA、クオンタムリープ株式会社及び株式会社STPRからの協力を受ける形での新経営体制への移行準備に注力いたしました。それに伴い、新経営体制発足に向けた株式会社PLANAとの資本業務提携及び事業成長に集中するために十分な資金の獲得を目的として、第13回新株予約権及び新株式発行の準備も進めてまいりました。

メディア事業においては、サイト運営、インターネット動画配信、これらと連動する広告枠販売等のビジネス、BtoBコンテンツ提供事業を行っております。サイト運営では、メディアサイト「AppBank.net」を運営しております。動画配信の分野では、「YouTube」、「ニコニコ」及び「TikTok」を通じて動画コンテンツの提供・公開を行っており、うちYouTubeでは、チャンネル登録者が約141万人の「マックスむらいチャンネル」等を提供・公開しております。

IP&コマース事業においては、実店舗の「YURINAN -ゆうりんあん-」「YURINAN -ゆうりんあん-はなれ」「原宿friend」を起点として、他社が保有するコンテンツ・IPとのコラボレーション(以下、「IPコラボレーション」)を行っております。IPコラボレーションでは、「YURINAN -ゆうりんあん-」や「YURINAN -ゆうりんあん-はなれ」でコラボレーションスイーツ等を提供する他、「原宿friend」にてグッズの販売を行っております。

当社では、前事業年度において成長事業の選択と集中を実施し、特にIP&コマース事業に注力する方針としております。当第1四半期累計期間においても、IP&コマース事業において様々なIPとのコラボレーションを実施いたしましたが、従前、ゴールデンウィークや夏休み期間等に原宿竹下通り商店街をジャックして実施してきた大型コラボレーションの実施がなく、また、メディア事業の体制縮小やDXソリューション事業を構成していた3bitter株式会社の株式譲渡による売上高の減少に伴い、売上高は減少いたしました。営業赤字も継続しておりますが、コスト削減の効果もあり、赤字幅は前年同期比で縮小いたしました。今後、売上高拡大とコスト削減により損失は縮小するものと考えております。あわせて、投資の内容について適宜見直しを行うことで、収益性の向上にも取り組んでまいります。

当第1四半期累計期間における業績は、売上高62,820千円営業損失59,146千円経常損失63,868千円四半期純損失60,795千円となりました。

 

各セグメントの業績は、次のとおりであります。
 

 

(メディア事業)

メディア事業においては、主に検索エンジン経由の集客減少による「AppBank.net」のPV数及び広告売上高の減少を前提とした運営体制の最適化に取り組んでまいりました。当第1四半期累計期間末までに運営体制の最適化は一巡しており、今後は、安定的な記事執筆体制の再構築とPV数及び売上高の獲得を進めてまいります。一方で、「マックスむらいチャンネル」等の動画メディアにおいては、2023年10月末から人気シリーズ「ドッキリ動画」を中心とした制作体制に変更した結果、再生回数並びにチャンネル登録者数が増加しております。

営業面では、「AppBank.net」の広告売上高が前年同期と比べて大きく減少いたしました。これは、先述の検索エンジン経由の集客減及び運営体制を縮小に伴って、PV数が減少したことが主な要因です。

利益面では、「AppBank.net」運営体制の最適化によって製造原価が減少したことから、損失は縮小しております。販売費及び一般管理費は前会計年度と同水準を維持しております。

以上の結果、当第1四半期累計期間におけるセグメント合計では、売上高19,495千円、セグメント損失は4,205千円となりました。

 

(IP&コマース事業)

IP&コマース事業においては、IPとのコラボレーションを多数実施し、実店舗「YURINAN -ゆうりんあん-」「YURINAN -ゆうりんあん-はなれ」「原宿friend」におけるコラボレーションスイーツ等の提供や、コラボレーショングッズの販売等を行いました。

営業面では、IPコラボレーションにおいて、主に株式会社サンリオの人気キャラクターとの連続コラボレーションを実施いたしました。有名アニメ作品「ラブライブ!スーパースター!!」等とのコラボレーションを継続して実施した他、「YURINAN -ゆうりんあん-」はリニューアル後の売上が増加する等、営業活動が順調に進みましたが、前年同期に実施したアニメ専門局「AT-X」コラボレーションのような大型コラボレーションを実施しなかった影響で、売上高はわずかに減少いたしました。

以上の結果、当第1四半期累計期間におけるセグメント合計では、売上高43,324千円、セグメント損失は10,796千円となりました。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(3) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

(4) 主要な設備

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。