第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社は、「消費者の毎日の食生活を豊かにするためのお手伝いをする」という、スーパーマーケットの社会的役割の実現を経営の基本としております。お客様の「普段の食生活の向上」をキーワードに商品の品質・鮮度の向上、品揃えの強化、接客サービスの向上等を重点目標とし、お客様の暮らしに欠かすことのできない店作りを通じて、売上の拡大と利益の追求を図ってまいりました。

 今後におきましても、お客様をはじめ株主様などのステークホルダー(利害関係者)との良好な関係を維持するとともに、地域社会への更なる貢献に努めてまいります。

 

(2) 経営戦略等

当社の経営戦略等は、下記のとおりであります。

① 出店戦略について

 出店につきましては、店舗開発基準の確立による同業他社との競争力の確保、快適な買い物空間の提供による顧客満足の実現、ローコストオペレーションの実現による人時生産性の向上などを図るため、店舗の大型化・標準化を推進しております。

② 商品戦略について

 商品につきましては、お客様の立場に立った商品作りと品揃えの徹底、コア商品の開発とベーシック商品の充実、プライベート商品を中心として戦略商品の導入を図っております。

③ 成長戦略について

 成長戦略につきましては、ドミナント戦略を基本方針とし、帯広及び旭川地区においては、スクラップ&ビルドを中心に売上高シェアの向上を図るとともに、札幌地区においては、10店舗売上高200億円の体制を早急に確立すべく努力いたします。

④ 人事戦略について

 人事戦略につきましては、人材の育成が企業成長の源泉と考えております。社外セミナーへの積極的な参加はもとより、社内勉強会の充実、専門講師による技術者指導等、教育投資の充実を図り、社員一人一人の能力開発の推進に努めております。

(3) 経営環境

 今後のわが国経済の見通しにつきましては、ロシア・ウクライナなどの国際情勢の緊張継続による原材料価格、エネルギー価格の高止まり、世界的なインフレ・金融引き締めの影響、中国経済の更なる減速など、引き続き、下押し圧力が強い、不透明な状況が続くものと予想されます。

 スーパーマーケット業界におきましては、物価が上昇幅は鈍化するものの、高止まりの状況が長期化することにより、「節約志向」、「選別志向」が一層強まることが見込まれます。また、企業間の競争が業種・業態を超えて更に激化することに加え、人件費や水道光熱費などの各種経費の更なる増加が見込まれるなど、経営環境は厳しい状況が続くものと予想されます。

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 このような状況の下、当社は、社是である「お客様の普段の食生活のお役に立つ」の精神に立ち返り、本業を通じて全てのステークホルダーと共に持続的に発展していくことを目指し、『普段の食生活を通じて、地域を笑顔に』を基本方針とする中期経営計画をスタートしました。

 『普段の[=その場限りでない、地域やお客様の日常に根差した、あてになる(信用・信頼される)企業として]食生活[=本業]を通じて、地域[=地域社会、お客様、株主、従業員などの全てのステークホルダー]を笑顔に[=豊か、幸せ、発展を追求]』の実現に向けて、商品力・販売力の向上、お客様利便性の向上、労働環境の改善、環境保全・地域活性化、効率化の推進、株主還元の強化などに取り組んでまいります。

 中期経営計画の初年度である第70期に関しては、①コンプライアンスの徹底とガバナンス強化、②出店戦略推進、③競合店対策強化、④商品力強化(コア商品の開発推進等)、⑤セブン&アイ・ホールディングスとの連携強化、⑥人財の増強(採用・育成強化、労働環境改善)、⑦効率化・オペレーションコストの削減、⑧社会貢献、地域貢献を通じた地域密着型企業の深化、を重点取組事項とし、取り組んでまいります。

(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、総資産経常利益率(ROA)の向上を経営の目標としております。当面の目標として10%超を掲げ、総資産回転率と経常利益率の改善に努めてまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

1.当社のサステナビリティに対する考え方

 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものです。

 

 当社は、社是である「お客様の普段の食生活のお役に立つ」に基づき、本業である「人が生きていくために欠かせない食の提供」を通じて、全てのステークホルダーと共に持続的に発展していくことを目指し、取り組んでおります。

 第70期をスタートとする2023年11月10日に公表しました中期経営計画(2024年9月期から2026年9月期を対象とする)においても、『普段の食生活を通じて、地域を笑顔に』を基本方針とし、「普段(その場限りでない、地域やお客様の日常に根差した、信用・信頼される企業として)の食生活(本業)を通じて、地域(地域社会、お客様、株主、従業員などの全てのステークホルダー)を笑顔に(豊か、幸せ、発展)」の実現に向けて、取り組んでまいります。

 

 なお、業界の人財不足が極めて厳しい状況にあり、多様性を意識した計画的な採用・登用等が困難なことから、具体的な数値目標は設定しておりません。

 

(1) ガバナンス

 当社は、自身のサステナビリティに関する組織として、社外取締役が過半を占める指名・報酬諮問委員会、昨年の不適切会計処理事案を踏まえ経営改善に取組む再発防止委員会、コンプライアンスやリスク管理について協議するコンプライアンス委員会等を設置し、ガバナンス態勢の維持・強化に取り組んでおります。

 当社におけるサステナビリティ全般に係る監督責任と権限は取締役会が有しており、サステナビリティに関する重要課題や進捗等を共有、管理、議論する組織として、上記各委員会のほか、全常勤役員が参加する常勤役員会、全部門長が参加する経営会議等を設置しております。

 

(2)戦略

 当社の中期経営計画に掲げるステークホルダー別の具体的な取組みは、以下のとおりです。

①“お客様を笑顔に”の実現に向けて、

 変化するお客様ニーズに柔軟、適時、適格に対応した高品質・安心・安全な商品の提供、お客様利便性の更なる向上などに取り組んでまいります。

 例えば、新規出店の積極推進(3カ年で3店舗程度)や、高齢化の進展を踏まえた移動スーパーとくし丸の増車を含むデリバリーサービスの拡充などに取り組んでいます。

②“従業員を笑顔に”の実現に向けて、

 キャリアアップサポート・人財育成強化(雇用形態に応じたキャリアパスの再構築、研修制度の再構築、採用強化など)に取り組んでまいります。

③“地域社会を笑顔に”を目指し、

 環境保全への取組み(リサイクル推進、廃棄物削減、排出ガス削減等)、地域活性化(本業を通じた食育支援や地域ブランドの商品化等)に取り組んでまいります。

④“株主を笑顔に”を目指し、

 収益力の向上、株主還元強化(増配、自己株式の取得など)、ガバナンス態勢強化に取り組んでまいります。

 

(3)リスク管理

 当社のリスク管理としましては、「中期経営計画」にSWOT分析(詳細は「中期経営計画」をご参照願います)を実施したほか、事業戦略等に係るリスクや事業遂行上発生したインシデントを各担当部門が 適宜把握・評価し、対応策も含め毎月の営業会議もしくはコンプライアンス委員会において協議しています。なお、緊急を要する場合や重大なリスクに関しては、それら会議体の臨時での開催を検討するほか、常勤役員会や取締役会を臨時開催するなど、迅速かつ適切に対応できる態勢を構築しております。

 

(4)指標及び目標

① 環境保全への取組み

 当社が取り扱う食品の供給は気候変動の影響を大きく受けることから、当社事業の安定かつ持続的な発展においては、気候変動の抑制、そのための温室効果化ガスの削減が重要課題となっています。

 当社では、温室効果ガス(CO2)の削減に向けて、フードロス削減、リサイクルの推進、廃棄物の削減、省エネ機器への入替えや節電、節水等に取り組んでおります。

 なお、温室効果化ガスの削減につきましては、中期経営計画上のスコープ1ベースのエネルギー使用量に限定した売り場面積当たりの目標値は設定しているものの、ここ数年間は出店戦略を進めていく方針であるなど、絶対量の正確な目標設定が困難なことから、本報告書での数値目標の記載はしておりません。

②  人財の多様性の確保を含む人財の育成への取組み

 労働集約型産業であるスーパーマーケット事業を展開する当社にとって、人財は最重要な経営資産の一つであるとの認識の下、人事諸制度の見直しに加え、女性や外国人、中途採用者など多様な人財の採用・登用強化、様々な雇用形態に対するキャリアアップサポート強化、並びに研修制度の拡充など、人財への投資を積極的に実施し、質・量両面での人財強化に努めてまいります。

 なお、業界の人財不足が極めて厳しい状況にあり、多様性を意識した計画的な採用・登用等が困難なことから、具体的な数値目標は設定しておりません。

指標

目標

実績(当事業年度)

管理職に占める女性労働者等の割合(中途採用者、外国人を含む)

前事業年度実績

よりも改善

5.3%

労働者の男女間の賃金の差異

前事業年度実績

よりも改善

63.4%

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、発生の予見及び先行きを正確に見通すことが困難なため、記載しておりません。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 競合等の影響について

 当社は、帯広市を中心に9店舗、旭川市に7店舗、札幌市を中心に6店舗の合計22店舗の食料品の販売を中心としたスーパーマーケットを展開しております。

 スーパーマーケット業界は、同業他社との競争に加え、他業態との競合状況も激しさを増しております。当社の営業基盤においても他社の新規出店が続いております。今後も新たな競合店舗の出現により一時的に、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、競合店調査や店舗競争力の強化などにより、当該リスクに対応しております。

 

(2) 食品の安全性について

 当社は、お客様に安全な食品を提供するため、基準書に基づいて衛生管理、鮮度管理等を行っておりますが、将来において食中毒の発生する可能性は否定できません。また、BSE問題、高病原性鳥インフルエンザの発生や残留農薬問題等、予期せぬ事態が発生した場合には、一時的に当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、食品の安全性に細心の注意を払うとともに、お客様に正確な情報を速やかに提供することで、当該リスクに対応しております。

 

(3) 品質表示基準に関する法的規制について

 当社は、「食品表示法」「景品表示法」等の順守に加え、管理責任者による自主点検を行い、適切な品質表示に努めておりますが、万一、販売する商品に問題が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、食品表示・衛生管理担当者を設置し、定期的に食品表示調査を実施するなどにより、当該リスクに対応しております。

 

(4) 災害等の発生による影響について

 当社は、北海道内において店舗または事務所、惣菜センター、配送センター等の施設を保有しており、これらの施設が、大規模自然災害や感染症、犯罪等の発生による被害を蒙る可能性があり、その被害の程度によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、大規模災害対策マニュアル等を整備し、防災訓練の定期的実施や防災用品の備蓄などの対策を講じております。

 

(5) 人財の確保について

 当社において更なる成長を実現するためには、優秀な人財の確保及び育成が重要な課題となります。当社では社員の配置転換、新卒及び中途採用の強化、パートタイマーの確保や外国人技能実習生の受け入れなど、人財の確保に注力しておりますが、今後、人財確保が予定どおり進まない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、新卒の通年採用の実施、中途採用とパートナー社員の採用強化、雇用環境の改善に努めるなどにより、当該リスクに対応しております。

 

(6) 出店に関する法的規制について

 当社店舗の新規出店及び既存店増床に際しては「大規模小売店舗立地法」の規制対象となっております。店舗面積1,000㎡を超える店舗の出店及び増床については、都道府県又は政令指定都市に届出が義務付けられております。届出後、交通安全対策、騒音対策、廃棄物処理等について、地元住民の意見を踏まえて審査が進められます。

 従って、審査の状況及び規制の変更等により計画どおりの出店ができない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、正確な情報の収集と関係機関への詳細な説明などにより、計画どおりの出店に努めております。

 

(7) 個人情報の保護について

 個人情報の保護については、個人情報に関する規程の整備や従業員教育により、その保護の徹底を図っておりますが、万一、個人情報が流出した場合には、社会的信用が低下し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、個人情報の適正な管理のために、社内規程に基づき、情報のセキュリティ対策等を行っております。

 

(8) 減損会計の適用について

 当社は、小売店舗を展開しておりますが、事業環境の変化等により各店舗の採算性が低下した場合、減損会計の適用に伴う損失処理が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社は、既存店の改装とスクラップ&ビルドの推進により減損損失が発生しないよう収益管理を徹底し、対策を講じております。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が今年に入りようやく鎮静化し、5月には感染症法上の位置付けが「5類感染症」に移行した結果、インバウンド含む人流の回復、経済活動の正常化が進みました。一方で、ウクライナ・ロシア情勢の影響、円安の進行などによる原材料価格やエネルギーコストの上昇等に伴い、物価の上昇が続いていることに加え、世界的な金融引き締めの影響など、景気の先行きは不透明な状況が続いております。

 スーパーマーケット業界におきましては、新型コロナウイルス感染症による行動規制等を経て、お客様の生活スタイルやニーズの多様化が更に進んでいることに加え、度重なる物価上昇により、お客様の「選別志向」、「節約志向」が一層強まりました。また、企業間の競争が、業種・業態の垣根を越えて激しさを増しており、電気代・人件費などの諸経費の増加も相俟って、経営環境は厳しい状況が続いております。

 このような状況の下、当社は、これまで通り食品スーパーマーケット事業に資源を集中し、当事業年度の重点実施事項である、①新型コロナウイルス感染予防対策の徹底、②札幌ブロック6店舗目「平岸店」を早期に軌道に乗せる、③コンプライアンスの徹底と職場環境の改善、④人材確保と職階別教育の推進、⑤売上高対経常利益率と売上総利益率の目標達成、⑥商品力の強化(コア商品の開発)による差別化戦略の推進、⑦社会貢献、地域貢献による地域密着企業へのさらなる挑戦、の7項目を徹底し、お客様の確固たる信頼と支持を得るため、安心・安全で魅力ある商品の提供に努め、引き続き地域のお客様の食文化と食のライフラインに貢献できる店舗作りに取り組みました。

 また、コーポレート・ガバナンスの一層の強化を図るとともに、「フレッシュ&ハート」をモットーに、①地域No.1の店づくり、人づくり、商品づくりの徹底、②従業員が活き活きと仕事ができ、お客様や共に働く仲間に感謝と思いやりを持てる職場環境の醸成、③自由活発で、風通しの良い企業風土の醸成、に努めました。

 店舗の状況につきましては、2023年11月に、札幌ブロック7店舗目となる「すすきの店」をオープンし、2024年秋以降には、「千歳店」のオープンも予定しております。また、2023年4月には、「東旭川店(旭川ブロック)」を改装・リニューアルオープンいたしました。なお、当事業年度末現在の店舗数は、帯広ブロック9店舗、旭川ブロック7店舗、札幌ブロック6店舗、合計22店舗であります。

 「移動スーパー(とくし丸)」事業は、2023年9月末現在で15台が稼働しております。当事業は、日頃のお買い物にご不便されている方々に商品をお届けする社会貢献及び地域貢献の一環として取り組んでおり、今後も地域のニーズに積極的に対応すべく、増車を検討してまいります。

 イトーヨーカ堂との協働につきましては、セブンプレミアム商品の取り組み強化と、帯広地区における共同販促の実施、リスク管理など有用な情報の交換に努めております。

 当事業年度における売上高につきましては、地域別・店舗別のきめ細やかな販売戦略、お客様の期待に応える商品戦略(品質、品揃え、価格)、並びに接客などのレベルアップに継続的に取組んだ結果、前期に比べ3.2%増加となりました。また、地域別の売上高につきましては、帯広ブロックは199億円(前期比1.2%増)、旭川ブロックは137億54百万円(前期比2.4%増)、札幌ブロックは2021年に新規出店した平岸店の営業が軌道に乗ったことなどにより143億87百万円(前期比6.8%増)となりました。

 売上総利益率につきましては、引き続き商品ロスの削減や在庫管理の強化に取り組み、前期に比べ0.5ポイント増加し、25.2%となりました。

 販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は、人件費や電気代の上昇等により、0.8ポイント増加し、22.6%となりました。

 これらの結果、当事業年度における売上高は480億47百万円(前期比3.2%増)、営業利益は17億88百万円(前期比5.0%減)、経常利益は18億20百万円(前期比5.2%減)、当期純利益は12億34百万円(前期比6.1%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、72億47百万円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、19億54百万円(前期比0.2%減)となりました。これは主に、法人税等の支払額5億40百万円、役員退職慰労引当金の減少1億6百万円等の一方で、税引前当期純利益17億12百万円、減価償却費6億75百万円、退職給付引当金の増加1億67百万円等によるものであります。また、得られた資金が前期比減少した要因は、棚卸資産が増加したことなどによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、2億44百万円(前期比15.7%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出3億2百万円、敷金及び保証金の差入による支出60百万円等によるものであります。また、使用した資金が前期比減少した要因は、有形固定資産の売却(旧本社ビル売却)による収入が発生したことなどによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、6億15百万円(前期比1.1%減)となりました。これは主に、リース債務の返済による支出3億31百万円、配当金の支払額2億28百万円等によるものであります。また、使用した資金が前期比減少した要因は、リース債務の返済による支出が減少したことなどによるものであります。

 

③ 仕入及び販売の実績

 当社は、単一セグメントであるため、商品別及び地域別により記載しております。

a.商品仕入実績

  当事業年度における商品仕入実績を示すと、次のとおりであります。

商品別

当事業年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

前期比(%)

青果(千円)

5,632,792

99.0

水産(千円)

3,075,930

103.0

畜産(千円)

4,841,806

105.4

惣菜(千円)

2,685,112

104.7

デイリー(千円)

6,100,693

102.6

一般食品(千円)

11,988,245

104.3

日用雑貨(千円)

835,698

101.0

その他(千円)

886,348

101.0

合計(千円)

36,046,626

103.0

(注)その他は、たばこ、書籍等であります。

 

b.販売実績

 当事業年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。

① 商品別売上高

商品別

当事業年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

前期比(%)

青果(千円)

7,353,092

99.1

水産(千円)

4,235,418

102.2

畜産(千円)

6,869,286

104.6

惣菜(千円)

4,492,161

103.6

デイリー(千円)

8,049,250

104.7

一般食品(千円)

14,990,224

104.5

日用雑貨(千円)

1,071,279

97.3

その他(千円)

987,115

102.7

合計(千円)

48,047,828

103.2

(注)その他は、たばこ、書籍等であります。

 

② 地域別売上高

地域別

当事業年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

前期比(%)

帯広ブロック(9店舗)(千円)

19,900,681

101.2

旭川ブロック(7店舗)(千円)

13,754,901

102.4

札幌ブロック(6店舗)(千円)

14,387,649

106.8

その他(千円)

4,596

114.1

合計(千円)

48,047,828

103.2

(注)その他は、惣菜センター(直売)であります。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

(資産)

 当事業年度末の資産につきましては、前事業年度末に比べ12億5百万円増加の234億83百万円となりました。流動資産においては、主に現金及び預金の増加10億78百万円、商品及び製品の増加99百万円、売掛金の増加98百万円等により、前事業年度末に比べ12億71百万円増加の101億92百万円となりました。固定資産においては、繰延税金資産の増加66百万円、建設仮勘定の増加1億60百万円等に対し、建物の減少2億75百万円及び長期貸付金の減少44百万円等により、前事業年度末に比べ65百万円減少の132億91百万円となりました。

(負債)

 当事業年度末の負債につきましては、前事業年度末に比べ1億82百万円増加の76億29百万円となりました。流動負債においては、預り金の増加1億59百万円、買掛金の増加1億52百万円等に対し、未払金の減少4億20百万円等により、前事業年度末に比べ50百万円増加の55億93百万円となりました。固定負債においては、長期未払金の増加1億6百万円、退職給付引当金の増加1億67百万円等に対し、役員退職慰労金引当金の減少1億6百万円等により、前事業年度末に比べ1億32百万円増加の20億35百万円となりました。

(純資産)

 当事業年度末の純資産につきましては、前事業年度末に比べ10億23百万円増加の158億54百万円となりました。

これは、利益剰余金の配当2億28百万円、当期純利益12億34百万円によるものであります。この結果、自己資本比率は67.5%となりました。

 

b.経営成績の分析

(売上高)

 「第2〔事業の状況〕 4〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕(1)経営成績等の状況の概要 ③仕入及び販売の実績」をご参照ください。

(売上原価)

 当事業年度の売上原価は、359億47百万円(前期比2.6%増)となりました。これは主に、商品仕入原価の上昇による仕入コストの増加等によるものであります。売上原価率は、前期より0.5ポイント減少し、74.8%であります。

(販売費及び一般管理費)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は、108億60百万円(前期比6.8%増)となりました。これは主に、従業員給料及び賞与、水道光熱費等の増加によるものであります。

(営業利益)

 当事業年度の営業利益は、17億88百万円(前期比5.0%減)となりました。これは主に、売上高の増加よりも、売上原価及び販売費及び一般管理費の増加が上回ったものによるものであります。売上高営業利益率は前期に比べ0.3ポイント減少し3.7%であります。

(経常利益)

 当事業年度の経常利益は、18億20百万円(前期比5.2%減)となりました。これは主に、営業利益が減少したことによるものであります。売上高経常利益率は前期に比べ0.3ポイント減少し3.8%であります。

(当期純利益)

 当事業年度の当期純利益は、12億34百万円(前期比6.1%増)となりました。これは主に、特別損失の減少によるものであります。売上高当期純利益率は前期に比べ0.1ポイント増加し2.6%であります。

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フロー

 当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2〔事業の状況〕 4〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社の主な資金需要は、商品仕入に伴う決済資金、販売費及び一般管理費等の営業費用及び新規出店費用、既存店の改装費用等の設備投資によるものであり、営業活動によるキャッシュ・フローを財源とすることを基本とし、必要に応じて銀行借入により資金調達を行うこととしております。

 

b.契約債務

2023年9月30日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。

 

年度別要支払額(千円)

契約債務

合計

1年以内

1年超3年以内

3年超5年以内

5年超

長期借入金

153,991

56,004

97,987

リース債務

979,782

324,521

495,479

159,781

上記の表において、貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。

 

c.財務政策

 当社は、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備投資などの長期資金は、金利動向を見極めながら有利な条件にて長期借入金で調達しております。

 2023年9月30日現在、長期借入金の残高は153,991千円であります。また、当事業年度末において、複数の金融機関との間で合計3億50百万円の当座貸越契約及び合計30億円のコミットメントライン契約を締結しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債及び収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なる場合があります。

 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

④ 目標とする経営指標に基づく経営成績等に関する分析

 当社の目標とする経営指標につきましては、安定的な利益率の確保と業容の伸長による利益の拡大を図り、総資産経常利益率(ROA)10%超の確保を目指しております。

 直近の状況を示すと、次のとおりであります。

回次

第65期

第66期

第67期

第68期

第69期

決算年月

2019年9月

2020年9月

2021年9月

2022年9月

2023年9月

総資産経常利益率(%)

7.7

9.7

9.6

8.8

8.0

(注)総資産経常利益率=(経常利益)÷((期首総資産額+期末総資産額)÷2)

 当社は、総資産回転率と経常利益率の改善のため、投資計画の精緻化と資本政策の適正化に努めるとともに、新規出店と既存店のリニューアルによる売上高の増加、ロス対策と在庫管理の徹底による売上総利益率の改善、コストコントロールの強化と予算対実績の詳細な分析による経費の削減に取り組んでおります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。