文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、2022年12月に新たな企業理念を以下のとおり制定いたしました。新たな企業理念は、「お客さまの今を支え、未来への挑戦、そして夢の実現に貢献するために、常にお客さまと伴走し、金融で未来を拓く、ファイナンシャルパートナーを目指す」という、いつの時代においても当社が果たすべき使命を明確に表したものとなります。
当社は、上記の企業理念のもと今後も企業価値の向上に努めてまいります。
(2)経営環境、中長期的な経営戦略及び優先的に対処すべき課題
当社は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行などによる環境変化を、収益構造の多角化や構造改革を図る好機と捉え、第1の柱であるリースファンド事業に加え、第2の柱として国内不動産ファンド事業の拡大、さらには、第3の柱とすべく、海外不動産ファンド事業を立ち上げるなど、新たな成長に向けた取り組みを推進しました。
第1の柱であるリースファンド事業においては、好調な出資金販売が通期で継続し、通期の過去最高の売上高を更新しました。第2の柱である不動産ファンド事業の国内不動産においては、通期の不動産小口化商品販売額が過去最高を更新し、不動産ファンド事業の海外不動産も第3の柱として大幅な増益に貢献しました。
この結果、過去最高の連結売上高(2022年9月期591.9億円)と最高益(2019年9月期の営業利益144.3億円、経常利益143.9億円、親会社株主に帰属する当期純利益100.3億円)を更新する等、ポストコロナの成長路線をまい進しました。
中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題は、以下のとおりであります。
前年度の有価証券報告書に掲げた2023年9月期から2025年9月期を対象とする中期経営計画では、第2の柱である国内不動産の成長や第3の柱とすべく海外不動産の取り組みを拡大し、早期に連結ベースでの過去最高益(経常利益143.9億円、親会社株主に帰属する当期純利益100.3億円)の更新を目指すとともに、企業価値向上のためのSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを進めるものとしておりました。
2023年9月期においては、リースファンド事業において過去最高の売上高を更新したことに加え、不動産ファンド事業 国内不動産についても、不動産小口化商品販売額が通期ベースで過去最高となり、不動産ファンド事業 海外不動産も販売が好調に推移する等、売上高が拡大し、その結果、経常利益179.8億円、親会社株主に帰属する当期純利益124.6億円となり、連結ベースでの過去最高益を更新いたしました。
これらの成果を踏まえたうえで、当社は中長期的な経営戦略として、中期経営計画に代えて、事業運営方針を策定し、さらなる成長に向けて、各種施策を実施してまいります。
当該事業運営方針の概要は、以下のとおりであります。
<方針>
・リースファンド・不動産ファンド(国内・海外)分野でリーディングカンパニーとしての地位を維持・獲得
・第4の柱の構築
<戦略>
・人員増強と育成
・IT化の推進による事業領域の拡大
・金融・不動産等のライセンスを活用した新たな商品・サービスを創出
・SDGsへの取り組みの継続
<コミットメント>
・連結ベースでの過去最高益の更新を継続し、連結配当性向50%を目安とする株主還元方針を維持
・各分野で最適な事業ポートフォリオを構築
・社会への貢献
なお、当社のSDGs(持続可能な開発目標)への取組状況は、「第2 事業の状況 2. サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)戦略、並びに指標及び目標 ②指標及び目標」をご参照ください。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組の状況は、次の通りです。
(1)ガバナンス及びリスク管理
①ガバナンス
当社グループは、株主をはじめ、顧客・従業員・地域社会等の各種のステークホルダーの立場を踏まえた上で、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行う仕組みであるコーポレート・ガバナンスの強化が、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために重要であるとの認識に立ち、そのための経営体制の実現に取り組んでおります。
こうした中、当社グループはサステナビリティ基本方針を制定し、同方針のもと、中長期的な企業価値向上の観点から、サステナビリティを意識した経営及びサステナビリティを巡る具体的な取り組みを推進しております。
具体的には、サステナビリティ基本方針にて、SDGsに関連した4つの重点項目(地域経済・地域社会への貢献、地球環境にやさしい取り組みの実践、人権・ダイバーシティの尊重及び人材育成・働き方の改革、ガバナンスの強化)を設定しており、これらの取組の進捗状況を経営企画部にてモニタリングし、その結果については取締役会に報告する体制を構築しております。
②リスク管理
当社グループではサステナブルな企業経営を実現するために、経営上のリスクの把握、監視、評価といったリスク全般に係る事項について定期的に検討・審議を行う「リスクマネジメント委員会」を設置するなど、リスク管理体制の強化に努めております。
リスクマネジメント統括部署であるリスク管理部は、当社グループの企業価値の毀損に繋がる恐れのあるリスク(気候変動リスクを含む)の状況や予兆を監視するために、当該リスクが所在する業務を所管する部署に対してヒアリング等を実施したうえで資料を作成し、定期的にリスクマネジメント委員会に報告しております。これを受けて、リスクマネジメント委員会では(1)主要リスクのモニタリング、(2)当社グループの事業特性・リスクプロファイル等の変化を踏まえた主要リスクの見直し、(3)リスクに対する必要な対策の検討及び対策実施の検証について審議するなど、総合的にリスクの監督及び管理を行っております。そして、リスクマネジメント委員会にて報告・審議された内容については、取締役会に報告されております。
(2)戦略、並びに指標及び目標
①戦略
当社グループは、2021年10月に、中長期的な企業価値向上の観点から、サステナビリティを意識した経営及びサステナビリティを巡る具体的な取り組みを推進していく上で、「サステナビリティ基本方針」を制定いたしました。
「サステナビリティ基本方針」の内容は次の通りです。
<サステナビリティ基本方針>
FPGグループは、「金融で未来を拓く」という企業理念の下、事業活動を通じて、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指しております。取り組みにあたっては、「Environment(環境)」、「Social(社会)」、「Governance(ガバナンス)」を意識した経営をステークホルダーの皆さまと推進してまいります。これに伴い、“SDGs(Sustainable Development Goals)”(持続可能な開発目標)の達成に貢献できるように、SDGsに関連した4つの重点項目を設定し、積極的に取り組んでまいります。
(4つの重点項目)
1. 地域経済・地域社会への貢献
2. 地球環境にやさしい取り組みの実践
3. 人権・ダイバーシティの尊重及び人材育成・働き方の改革
4. ガバナンスの強化
②指標及び目標
当社グループは、重点項目の「3. 人権・ダイバーシティの尊重及び人材育成・働き方の改革」において取り組むべき具体的な指標を設定し、多様な価値観を尊重し合える人材の育成及び多様な人材が活躍できる職場環境の整備を推進しております。具体的な指標は、「(3)人的資本・多様性②指標及び目標」をご参照ください。
(3)人的資本・多様性
①戦略
当社グループは、サステナビリティ基本方針で定めた重点項目の一つに「人権・ダイバーシティの尊重及び人材育成・働き方の改革」を掲げており、2023年10月に「ダイバーシティ及び人材育成基本方針」を制定いたしました。
「ダイバーシティ及び人材育成基本方針」の内容は次の通りです。
<ダイバーシティ及び人材育成基本方針>
私たちは、多様な金融商品・サービスを通じてお客さまの課題を解決し、お客さまの夢の実現に貢献するファイナンシャルパートナーです。これからも創造性豊かな独自の金融商品やサービスの提供を通じて、挑戦するお客さまに寄り添いながら、強く豊かな社会の創造に貢献します。このために多様な価値観を尊重し合える人材の育成および多様な人材が活躍できる職場環境の整備を推進します。
1. 多様な人材の活躍推進:国籍、人種、宗教、性別、性的指向・性自認、障がい、年齢に関わらず、多様な人材の採用・育成・登用を推進し、全ての従業員に対して社内のあらゆる制度を公正に運用します。
2. キャリア形成支援:従業員一人ひとりのキャリア形成と能力開発を支援し、個人の保有する能力および個性が発揮できる組織づくりを促進します。
3. 仕事と生活の調和支援:従業員一人ひとりの情況に合わせ、多様で柔軟な働き方ができるよう、仕事と生活の調和を支援します。
4. 企業風土・文化の創造:従業員一人ひとりが本方針に共感し、目的を理解することで、多様な人材が活躍できる企業風土を醸成し、企業文化を創造します。
②指標及び目標
当社グループは、人材育成・社内環境整備に係る重点項目と指標を掲げて、人的資本・多様性の取り組みを推進しております。
重点項目 |
指標 |
実績 (2023年9月期) |
多様な人材の活躍推進 |
女性社員比率(単体) |
36.3% |
女性採用比率(単体) |
38.3% |
|
女性管理職比率(単体) |
8.3% |
|
育児休業後の復職率(単体) |
100.0% |
|
障がい者雇用率(単体) |
1.6% |
|
キャリア形成支援 |
資格取得支援制度利用率(単体) |
62.9% |
仕事と生活の調和支援 |
月平均残業時間(注1)(単体) |
12.2時間 |
年次有給休暇取得率(単体) |
79.7% |
|
男性の育児休業取得率(単体) |
20.0% |
|
企業風土・文化の創造 |
― |
― |
(注1)管理職を除く(時間管理対象者のみ)
(注2)人材育成・社内環境整備は連結子会社各社で行われていますが、規模・制度の違いから一律に記載せず、人材の大多数が所属する当社単体について開示しています。
(注3)目標については今後の検討課題とし現時点では開示しておりません。
当社グループの業績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクは以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)リースファンド事業のリスクについて
オペレーティング・リース事業案件について
当社は、匿名組合方式又は任意組合方式、金銭の信託方式によるオペレーティング・リース事業案件の組成及び管理並びに投資家への匿名組合出資持分・任意組合出資持分・信託受益権の販売を行うことで、手数料等の収益を得ております。
当社が提供するオペレーティング・リース事業案件は、主に匿名組合方式又は金銭の信託方式であり、匿名組合方式においては匿名組合の営業者となる当社子会社(SPC)が、また、金銭の信託方式の場合は信託の受託者である株式会社FPG信託が、それぞれリース物件を取得し、オペレーティング・リース事業を行います。当該オペレーティング・リース事業の事業収支・損益は、投資家に匿名組合出資持分又は信託受益権を譲渡することで投資家に帰属することになります。投資家に帰属する当該事業収支・損益が、当初想定したものよりも悪化し、損失が発生する場合、投資家の投資意欲が減退し、今後の出資金販売額が減少する等して、当社の手数料等の収益が減少し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
オペレーティング・リース事業の事業収支・損益が、当初想定したものよりも悪化する主な要因として、①為替変動、②リース物件賃借人のリース料支払の不履行、③将来のリース物件の価額変動があげられます。①について、将来のリース物件の売却や投資家への出資金等の償還が外貨で行われる場合で、リース組成時点よりも為替レートが円高傾向にある場合、円換算後のオペレーティング・リース事業の事業収支・損益が悪化し、投資家が損失を被る可能性があります。②について、賃借人が法的倒産手続の開始を含む何らかの理由で当社子会社(SPC)又は受託者に対して契約条件どおりにリース料を支払わない場合、オペレーティング・リース事業の事業収支・損益が悪化して、投資家が損失を被る可能性があります。③について、リース期間終了時に賃借人がリース物件を購入しない場合には、当社子会社(SPC)又は受託者は市場を通じて第三者にリース物件を売却又は再リースを行うことになりますが、当初想定したリース物件の売却価額より低い価額で売却する場合又は再リースの条件によっては、オペレーティング・リース事業の事業収支・損益が悪化し、投資家が損失を被る可能性があります。
当社グループは、当該リスクへ対応するため、オペレーティング・リース事業のリスクを投資家に十分に説明するとともに、賃借人のリース料支払の不履行リスクを減少させるため、賃借人には、信用力の高い世界的に大手の海運会社、航空会社及びリース会社を選定し、また、リース物件価格の変動リスク等に対処するため、当社グループのリース物件のリマーケティング能力を向上させるとともに、案件によっては、リース物件の売却価額について、残価保証会社による残価保証を利用することにより一定額以上でのリース物件の換価を確保するなどの対策を行っております。もっとも、これらの対処にもかかわらず、オペレーティング・リース事業の事業収支・損益が悪化し、投資家に損失が発生する可能性はあり、この場合、投資家の投資意欲が減退し、今後の出資金販売額が減少する等して、当社の手数料等の収益が減少し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループが一時的に取得する匿名組合出資持分、任意組合出資持分又は信託受益権について
当社グループは、オペレーティング・リース事業の組成時に、投資家に譲渡することを前提に匿名組合出資持分又は任意組合出資持分(以下併せて「出資持分」といいます。)を一時的に取得する場合があり、当該出資持分を(連結)貸借対照表に「商品出資金」として計上いたします。また、金銭の信託方式の場合、信託受益権の未販売相当額を、(連結)貸借対照表に「金銭の信託(組成用航空機)」として計上いたします。
出資持分又は信託受益権を投資家へ譲渡するまでに、リース物件の価値の下落、賃借人の信用の悪化、為替相場が円高になる等の事由により当該出資持分又は信託受益権の価値が低下し、実質的に損失が発生する場合には、当社は当該出資持分又は信託受益権の価額を切り下げたうえ、損失を計上する可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社は匿名組合出資持分を投資家に円建で譲渡する場合、譲渡価格をオペレーティング・リース事業案件の組成時点の為替レートの水準を基礎として決定しております。このため、当該匿名組合出資案件の組成後に急激に為替相場が円高傾向になった場合には、譲渡価格が、譲渡時点における為替レートの水準で算定される匿名組合出資持分の価格に比して割高になり、投資家の投資意欲が減退し、当該匿名組合出資持分を購入する投資家が減少するなどの事由により、当初の販売計画に遅れが生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、出資持分又は信託受益権を外貨建で投資家に譲渡する場合は、当社グループが為替リスクを負います。
譲渡する投資家を最終的に見つけることができなかった場合には、当社グループが投資家として、オペレーティング・リース事業案件に関与することになるため、リース物件の価額の下落等の事情が生じる場合等において、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、保有する出資持分又は信託受益権について、賃借人には信用力の高い世界的に大手の海運会社、航空会社及びリース会社を選定し、短期間で投資家に譲渡することが可能な案件の組成に努めております。
案件組成用資産について
当社グループは、オペレーティング・リース事業の案件組成を行うため、組成用の航空機を取得する場合があり、この場合(連結)貸借対照表上に計上いたします。これらの資産は、取得後、短期間のうちに投資家等へ譲渡することを想定しておりますが、経済環境の急激な変化が生じた場合や、当初想定どおりに譲渡できない場合等、資産の価値が変動し、場合によっては、評価損を計上すること等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
特定業種への依存について
リースファンド事業におけるオペレーティング・リース事業案件のリース物件は、航空機、海上輸送用コンテナ及び船舶であり、航空業界及び海運業界の設備投資動向にオペレーティング・リース事業案件の組成動向が影響を受ける可能性があり、結果として当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、海運業界や航空業界の業績次第では、投資家の賃借人に対する信頼度の低下や、リース期間終了時の物件売却価額の低下が生じる可能性があるため、投資家の投資意欲が減退し、出資金販売額が減少する等して、当社の収益が減少し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
販売用航空機について
当社グループは、販売目的で保有する航空機について、販売用航空機として(連結)貸借対照表上に計上いたします。当該販売用航空機の実質価値が変動した場合には、評価損を計上すること等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2)不動産ファンド事業のリスクについて
当社グループでは、不動産ファンド事業において、国内不動産を対象とした不動産小口化商品を投資家に提供するため、不動産(不動産信託受益権を含む。)を取得し、「組成用不動産」として(連結)貸借対照表上に計上いたします。また、海外不動産を対象とする集団投資事業案件については、事業開始日時点で、当社子会社である株式会社FPG証券は、投資家に譲渡することを前提に、一時的に任意組合出資持分を立替取得し、「商品出資金」として(連結)貸借対照表に計上いたします。
当社は投資対象とする不動産の投資方針を定め、その方針に合致する優良物件を取得し、取得後短期間のうちに投資家へ譲渡することが可能な案件の組成に努めております。しかしながら経済環境の急激な変化が生じた場合や、当初想定どおりに譲渡できない場合等、資産の価値が変動し、場合によっては、評価損を計上すること等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3)リースファンド事業及び不動産ファンド事業以外の事業のリスクについて
プライベートエクイティ事業
プライベートエクイティ事業において、未上場企業を対象に投資を行っておりますが、これらの未上場企業等は、成長過程にある企業であり、収益基盤や財務基盤が不安定であったり、経営資源も限られるといったリスク要因があるため、投資額については一定限度に抑制しているものの、投資から株式上場もしくは第三者等への売却までは通常長期間を要するため、企業価値が当初の見込みより悪化する可能性があるというリスクが存在するとともに、投資先企業の業績が、当社の見込みどおりに推移しない場合には営業投資有価証券について評価損を計上することで当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
航空事業
連結子会社である株式会社FPGエアサービス(現 株式会社オンリーユーエア)が、航空運送事業者及び航空機使用事業者として離島に所在する病院へのドクター搬送に特化したチャーターフライト事業を行っております。航空機の運用については、法令に従った機体の点検・整備の確実な実施を図ることで、安全運航の確保に努めておりますが、航空機の喪失又は損傷等につながる重大な航空機事故等が発生した場合で、その損失を保険で適切にカバーできない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4)法的規制について
事業遂行に関連する法令
当社がリースファンド事業で取り扱う出資持分及び信託受益権は、金融商品取引法第2条第2項の有価証券に該当し、私募の取扱いや売買により投資家に譲渡するためには、金融商品取引法及び金融商品販売法その他法的規制を遵守する必要があります。当社は、金融商品取引法第29条に基づく第二種金融商品取引業の登録を行っておりますが、同法第52条にて、登録の取消、業務の停止等となる要件を定めており、これに該当した場合、当社に対して登録の取消、業務の停止が命じられることがあります。
また、当社グループは、リースファンド事業に加えて、不動産ファンド事業、保険事業、証券事業、信託事業、航空事業等を遂行しておりますが、これらの多角的な事業を遂行するために、宅地建物取引業法に基づく宅地建物取引業者の免許取得、不動産特定共同事業法に基づく許可取得、保険業法に基づく特定保険募集人の登録、金融商品取引法に基づく第一種金融商品取引業及び投資運用業の登録、貸金業法に基づく貸金業者の登録、信託業法に基づく信託業の免許取得、航空運送事業及び航空機使用事業の許可取得を行っており、保険業法、宅地建物取引業法、不動産特定共同事業法、金融商品取引法、貸金業法、信託業法、航空法その他関連する法令等を遵守する必要があります。
当社グループは、事業を遂行するにあたり役職員への企業倫理・コンプライアンス教育を定期に実践し、グループ全体の法令遵守意識の啓発に努める等により各法令等の遵守を徹底しており、本書提出日現在において、かかる登録・許可・免許の取消事由に該当する事実はないと認識しておりますが、今後、何らかの事由により当社グループが業務停止命令や登録・許可・免許の取消等の行政処分等を受けた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
なお、連結子会社である株式会社FPG証券は、第一種金融商品取引業者として、金融商品取引法に基づき、同法に定める自己資本規制比率を120%以上に維持する必要があります。本書提出日現在において、自己資本規制比率を120%以上に維持していると認識しておりますが、今後、何らかの事由により、維持できない場合には、業務停止命令や登録の取消等の行政処分等を受けること等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
税務その他関連する法令
リースファンド事業におけるオペレーティング・リース事業案件を含む当社グループが提供する商品・サービスは、現行の税務、会計その他当該商品・サービスに関連する法令等に基づきその設計を行っております。当社は、必要に応じて、個別に税理士、弁護士等から意見書を取得することなどにより、関連する法令等の内容及びその法解釈について必要な検証を行っております。しかしながら、将来、当該法令等が改正され又は新たに制定されることにより課税の取扱いに変更が生じる場合等、当社グループが提供する商品・サービスに対する投資家の投資・購入意欲が減退して、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
過去においては、2005年度税制改正における「租税特別措置法第67条の12(組合事業に係わる損失がある場合の課税の特例)」により、匿名組合の営業者から投資家へ分配される損失及び利益のうち、投資家が損金として計上できる額は出資額を上限とするなど、税当局による規制強化が図られております。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、事業や商品の多角化に努め、関係法令等の動向について適宜情報収集及びその分析を行い、関連部署を中心に適切に対応することとしております。
(5)個人情報・機密情報の取扱いについて
当社グループは、各事業の遂行にあたり、顧客・紹介者の個人情報・機密情報を取得・保有しております。
当社グループは、外部からの不正アクセス及びウイルス感染の防御、内部管理体制の強化等の対策を行っておりますが、万一、当社グループが扱う個人情報・機密情報が外部に漏洩した場合は、行政処分、損害賠償、当社グループの信用力の低下等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(6)金融資本市場及び経済状況の混乱による影響について
過去、リーマンショックが発生した際には、世界的な金融システムの混乱が生じ、金融業界の事業環境に深刻な信用収縮、金融システムへの信頼性の低下、また、それを原因とした世界経済の悪化等、様々な影響が生じました。当社グループではリスクモニタリング体制を整備するなど、今後、世界経済の悪化や金融システムが不安定となる状況が発生した場合の影響を最小化するための体制整備に努めておりますが、当社の想定を超える状況となった場合には、リースファンド事業や不動産ファンド事業における商品組成・販売が困難になる可能性がある等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(7)資金調達に関するリスク
当社グループは、リースファンド事業及び不動産ファンド事業における案件組成資金その他運転資金の一部を金融機関からの借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーによって調達しております。
また、主に案件組成資金を機動的に調達するため、金融機関と、また、コミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結しております。これら契約の大半は、その契約期間が概ね1年です。
世界経済の悪化等何らかの理由により、個別の借入れができなくなる場合、コミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結できなくなる場合、適時に資金調達ができなくなる可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、コミットメントライン契約及び当座貸越契約には、財務制限条項が付されているものがあり当社グループの業績が悪化した場合には、財務制限条項に抵触し、借入について期限の利益を喪失する可能性があります。期限の利益を喪失し、一括返済が求められた場合、当社グループの事業運営に重大な影響が生じる可能性があります。
なお、当連結会計年度末における資金調達枠の総額及び財務制限条項の内容については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係)」をご参照下さい。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、流動性を管理し、資金調達方法の多様化に努め、適時に必要な資金調達が実施できる体制を整備しております。
(8)連結の範囲決定に関する事項
当社は 、リースファンド事業におけるオペレーティング・リース事業の匿名組合営業者として利用する子会社について、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第5条第1項第2号に基づき、連結の範囲に含めることで利害関係人の判断を著しく誤らせるおそれがある子会社と判断し、連結の範囲から除いております。また、リースファンド事業及び不動産ファンド事業において当社及び当社の子会社が業務執行組合員となる任意組合については、その業務執行権が管理業務に準ずるものに過ぎないため、実務対応報告第20号「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会 )に基づき、連結の範囲に含めておりません。海外不動産の集団投資事業案件で投資ビークルとして利用する子会社については、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第5条第1項第1号に基づき、子会社に対する支配が一時的であると判断し、連結の範囲から除いております。当社は、上記会計基準等に照らし、匿名組合営業者として利用する子会社、任意組合及び投資ビークルとして利用する子会社の運営についての当社グループの関与状況を検討したうえで、連結の範囲から除外しておりますが、今後、新たな基準の設定や、実務指針等の公表により、特別目的会社(SPC)に関する連結範囲の決定について、当社が採用している方針と大きく異なる会計方針が確立された場合や、当社グループの関与状況に変更が生じた場合には、当社グループの連結範囲決定方針においても大きな変更が生じ、子会社の判断や連結の範囲の判断に変更が生じる可能性があります。また連結の範囲に含めることによって、当社の個別財務諸表においてもリース事業の損益及び資産・負債を計上する可能性があります。
(9)重要な訴訟事件等に関わるリスク
当社グループは、オペレーティング・リースを利用したリースファンド事業及びその他事業を展開していますが、これらに関連して、投資家・紹介先を含めた取引先等より法的手続等を受ける可能性があります。当社グループは法令や契約条件の遵守に努めており、今後当事者となる可能性のある訴訟及び法的手続の発生や結果を予測することは困難ではありますが、当社グループに不利な結果が生じた場合は、当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(10)代表取締役社長への依存及び当社の事業推進体制について
当社の代表取締役社長である谷村尚永は、当社の創業者であるとともに、設立時より最高経営責任者であり、また、本書提出日現在、当社の発行済株式総数の2.47%(HTホールディングス株式会社(同氏が代表取締役を務める資産管理会社)の保有割合27.28%と合計した保有割合は29.75%)を保有する大株主であります。同氏は、オペレーティング・リース事業案件の組成・販売に関する豊富な経験と知識や、取引先、投資家等各分野にわたる人脈を有しており、また、経営方針や事業戦略等の立案及び決定を始め、当社グループの事業推進の中心的役割を担っていることから、当社グループにおける同氏への依存度は高いものとなっております。
このため当社グループでは、取締役会や社内会議において、役職員の情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかし、現時点においては、何らかの理由により同氏が当社グループの経営者として業務執行が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
上記の主要なリスクが顕在化する可能性の程度や時期を合理的に予測することは困難でありますが、(1)リースファンド事業のリスクに記載した信託受益権に係るリスクについて、当社は、信託受益権を投資家に譲渡する目的で、貸借対照表上、商品として流動資産「金銭の信託(組成用航空機)」に計上しておりますが、当連結会計年度末において、会計上の評価を見直した結果、評価損を計上する等、リスクが顕在化し、当社グループの業績及び財政状態に影響を与えました。
当該信託受益権は、外貨建で販売する大口投資家向け商品として組成したものですが、組成後の新型コロナウイルス感染拡大による航空業界の経営環境への悪影響や、近年の対ドル円安の影響により投資家の必要資金が多額になることもあって、当社の保有期間が長期化しているもので、前連結会計年度においても評価損を計上しておりました。当該信託受益権は、航空会社の与信に問題はなく、組成後から現在に至るまで、安定したリース料収入を得ており、商品性に問題はないと考えておりますが、当社の保有期間がさらに長期化している事実を踏まえ、様々な販売可能性を検討したところ、入手した機体の業者間取引見込価額が外貨建ての帳簿価額を下回っていたため、当該信託受益権の正味売却価額がさらに低下していると判断し、当該業者間取引見込価額を基礎として、会計上の評価額を切り下げることにしたものです。
また、(8)連結の範囲決定に関する事項に記載した匿名組合営業者として利用する子会社に係るリスクについて、リスクが顕在化し、当社は当連結会計年度において、前連結会計年度においては非連結子会社であった株式会社FLIP第281号を連結子会社とすることとなり、当社グループの業績及び財政状態に影響を与えました。
匿名組合の営業者である子会社については、当社が当該匿名組合出資持分を投資家に譲渡することで、当該匿名組合事業の損益・収支は当社ではなく投資家に帰属することになるため、当社は、当該子会社を「連結することにより利害関係人の判断を著しく誤らせるおそれがあると認められる子会社」に該当するものとして「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第5条第1項第2号に基づき非連結子会社としており、当該子会社についても同様としておりました。
しかしながら、当社は、対象事業にかかる匿名組合出資持分を投資家に譲渡することなく、当該リース事業のリース物件を市場で売却し、対象事業を終了させることとしたため、結果として対象事業の損益・収支は当社に帰属することになったことから、上記条項の規定が適用されないと判断し、株式会社FLIP第281号を連結子会社とすることにしたものです。
今後については、当社は新型コロナウイルスのような大規模な感染症の発生や匿名組合営業者として利用する子会社の運営についての当社グループの関与状況の変更を、現時点において想定しておりませんが、今後、当社の想定と異なる状況となった場合には、評価損の計上や匿名組合営業者として利用する子会社を連結の範囲に含めるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
(単位:百万円)
|
2022年9月期 連結会計年度 |
2023年9月期 連結会計年度 |
増減率 |
売上高 |
59,193 |
71,149 |
20.2% |
売上原価 |
40,564 |
44,841 |
10.5% |
売上総利益 |
18,628 |
26,307 |
41.2% |
販売費及び一般管理費 |
6,883 |
8,041 |
16.8% |
営業利益 |
11,744 |
18,265 |
55.5% |
営業外収益 |
1,874 |
3,495 |
86.5% |
営業外費用 |
1,152 |
3,771 |
227.4% |
経常利益 |
12,466 |
17,989 |
44.3% |
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
8,475 |
12,466 |
47.1% |
当連結会計年度においては、世界経済は、世界的な金融引締めが続く中での金融資本市場の変動や物価上昇等がありましたが、景気は総じて回復基調が続きました。一方、日本経済においても、各種政策の効果もあって、景気は緩やかな回復が続きました。このような状況のもと、当社グループは、中期経営計画に従い、各種施策の実施に努め、ポストコロナの成長路線をまい進しました。
当社事業の第1の柱であるリースファンド事業においては、好調な出資金販売が通期で継続し、通期の過去最高の売上高を更新しました。第2の柱である不動産ファンド事業の国内不動産においては、通期の不動産小口化商品販売額が過去最高を更新し、不動産ファンド事業の海外不動産も第3の柱として大幅な増益に貢献しました。
この結果、連結売上高は71,149百万円(前年度比20.2%増)、営業利益は18,265百万円(前年度比55.5%増)、経常利益は17,989百万円(前年度比44.3%増)及び親会社株主に帰属する当期純利益は12,466百万円(前年度比47.1%増)となり、通期の過去最高の連結売上高(2022年9月期の59,193百万円)と過去最高益(2019年9月期の営業利益14,432百万円、経常利益14,394百万円、親会社株主に帰属する当期純利益10,035百万円)を更新する大幅な増収増益を達成しました。
売上高/売上原価/売上総利益
(単位:百万円)
|
2022年9月期 連結会計年度 |
2023年9月期 連結会計年度 |
増減率 |
売上高 |
59,193 |
71,149 |
20.2% |
リースファンド事業 |
14,232 |
22,184 |
55.9% |
不動産ファンド事業 |
43,691 |
47,900 |
9.6% |
国内不動産 |
42,890 |
45,076 |
5.1% |
海外不動産 |
801 |
2,823 |
252.5% |
その他事業 |
1,268 |
1,064 |
△16.1% |
売上原価 |
40,564 |
44,841 |
10.5% |
売上総利益 |
18,628 |
26,307 |
41.2% |
(単位:百万円)
|
2022年9月期 連結会計年度 |
2023年9月期 連結会計年度 |
増減率 |
リースファンド事業 |
|
|
|
リース事業組成金額 |
308,922 |
359,218 |
16.3% |
出資金販売額 |
68,720 |
136,334 |
98.4% |
不動産ファンド事業 国内不動産 |
|
|
|
不動産ファンド事業組成金額 |
56,260 |
47,060 |
△16.4% |
不動産小口化商品販売額 |
42,570 |
44,570 |
4.7% |
不動産ファンド事業 海外不動産 |
|
|
|
不動産ファンド事業組成金額 |
18,492 |
18,049 |
△2.4% |
出資金販売額(海外不動産) |
5,010 |
17,030 |
239.9% |
用語の説明
[リース事業組成金額]
組成したオペレーティング・リース事業案件のリース物件の取得価額の合計額であります。
[出資金販売額][出資金販売額(海外不動産)]
出資金(オペレーティング・リース事業の匿名組合出資持分及び任意組合出資持分並びに海外不動産を対象とした集団投資事業案件に係る任意組合出資持分)について、リース開始日までに投資家へ私募の取扱いを行ったもの及びリース開始日時点で当社又は当社子会社が一旦立替取得し、(連結)貸借対照表の「商品出資金」に計上したものについて、投資家へ譲渡したものの合計額であります。なお、[出資金販売額]には、信託機能を活用した航空機リース事業案件に係る信託受益権譲渡価額を含めております。
[不動産ファンド事業組成金額]
国内不動産の不動産小口化商品について信託受益権1個当たりの価額に組成個数を乗じた額及び海外不動産についてのリース物件の取得価額であります。
[不動産小口化商品販売額]
信託受益権1個当たりの価額に販売個数を乗じた額となります。
売上高は71,149百万円(前年度比20.2%増)となりました。
(リースファンド事業)
投資家からの旺盛な需要と潤沢な在庫を背景に積極的な販売を継続した結果、出資金販売額は、コロナ禍前の水準にほぼ回復する136,334百万円(前年度比98.4%増)となり、売上高は通期の過去最高の売上高(2019年9月期の21,127百万円(注))を更新し、22,184百万円(前年度比55.9%増)となりました。
また、リースファンド事業における組成金額は、航空機案件は厳選して組成を行う方針を継続しつつ、CO2削減に関連したトランジション・ファイナンスに係る大型案件を中心に、船舶やコンテナの海運案件を積極的に組成した結果、359,218百万円(前年度比16.3%増)となりました。
(注)2019年9月期の事業区分に基づくリースアレンジメント事業の売上高20,806百万円と航空機投資管理サービス事業の売上高321百万円の合計額であります。
(不動産ファンド事業 国内不動産)
国内不動産は、不動産小口化商品販売額が通期ベースで過去最高となる44,570百万円(前年度比4.7%増)となった結果、売上高は45,076百万円(前年度比5.1%増)となりました。
また国内不動産の不動産ファンド事業における組成金額は、2022年10月に当社における過去最大の大規模案件となる「FPGリンクス渋谷道玄坂」を組成する等、47,060百万円(前年度比16.4%減)となりました。
(不動産ファンド事業 海外不動産)
海外不動産は、2023年3月より販売を開始した集団投資事業案件の第2号案件である、米国ハワイ州ホノルル市の大規模リゾートホテル「Queen Kapiolani Hotel」案件の販売が好調に推移し、第4四半期には四半期ベースで過去最高販売額を更新する等、出資金販売額が17,030百万円(前年度比239.9%増)となった結果、売上高は2,823百万円(前年度比252.5%増)となりました。
また、海外不動産の不動産ファンド事業における組成金額は、2022年12月に「Queen Kapiolani Hotel」案件を組成した結果、18,049百万円(前年度比2.4%減)となりました。
(その他事業)
その他事業の売上高は1,064百万円(前年度比16.1%減)となりました。
(注)保険事業、M&A事業、プライベートエクイティ事業及び航空事業等を総称して、「その他事業」としております。
売上原価は44,841百万円(前年度比10.5%増)となりました。これは主に、前年度に引き続き金銭の信託(組成用航空機)に関する評価損を1,695百万円計上(前年度は1,217百万円)したこと、顧客紹介に係る手数料が増加したこと、不動産小口化商品の販売増加に伴って原価が増加したことによるものです。
上記の結果、売上総利益は、26,307百万円(前年度比41.2%増)となりました。
販売費及び一般管理費
(単位:百万円)
|
2022年9月期 連結会計年度 |
2023年9月期 連結会計年度 |
増減率 |
販売費及び一般管理費 |
6,883 |
8,041 |
16.8% |
人件費 |
3,970 |
4,446 |
12.0% |
その他 |
2,912 |
3,594 |
23.4% |
(注)人件費には、給料手当、賞与(引当金繰入額含む)、法定福利費、福利厚生費、退職給付費用、人材採用費等を含めております。
販売費及び一般管理費は、8,041百万円(前年度比16.8%増)となりました。
これは、人件費が4,446百万円(前年度比12.0%増)、その他の費用が3,594百万円(前年度比23.4%増)となったことによるものであります。
営業利益
上記の結果、営業利益は、18,265百万円(前年度比55.5%増)となりました。
営業外収益/営業外費用
(単位:百万円)
|
2022年9月期 連結会計年度 |
2023年9月期 連結会計年度 |
増減率 |
営業外収益 |
1,874 |
3,495 |
86.5% |
受取利息 |
234 |
779 |
232.5% |
金銭の信託運用益 |
797 |
208 |
△73.8% |
為替差益 |
143 |
- |
- |
不動産賃貸料 |
634 |
1,735 |
173.5% |
持分法による投資利益 |
38 |
222 |
483.3% |
航空機賃貸収入 |
- |
544 |
- |
その他 |
25 |
4 |
△81.4% |
営業外費用 |
1,152 |
3,771 |
227.4% |
支払利息 |
413 |
1,064 |
157.5% |
支払手数料 |
569 |
727 |
27.8% |
為替差損 |
- |
1,574 |
- |
その他 |
169 |
404 |
139.0% |
営業外収益は3,495百万円(前年度比86.5%増)となりました。これは主に、組成用不動産が増加したことにより不動産賃貸料が1,735百万円(前年度比173.5%増)となったこと、また投資家から収受している商品出資金の立替利息相当額の増加に伴い受取利息が779百万円(前年度比232.5%増)、持分法による投資利益が222百万円(前年度比483.3%増)、さらに賃貸資産に係る航空機賃貸収入が544百万円となったことによるものであります。
営業外費用は、3,771百万円(前年度比227.4%増)となりました。これは主に、支払利息が1,064百万円(前年度比157.5%増)、支払手数料が727百万円(前年度比27.8%増)、外貨建ノンリコースローンの換算差額や外貨建資産の為替変動リスクをヘッジするための為替予約コスト等による為替差損が1,574百万円(前年度は143百万円の為替差益)となったことによるものであります。
経常利益/特別損益/親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益は17,989百万円(前年度比44.3%増)となりました。
特別利益は294百万円となりました。これは主に当社の完全子会社であった株式会社FPGテクノロジー(現 株式会社カタクラ・クロステクノロジー)の全株式を売却したことに伴い関係会社株式売却益を計上したことによるものであります。
特別損失は427百万円(前年度比134.6%増)となりました。これは主にFPG Amentum Limitedに係るのれん等の減損損失357百万円を計上したことによるものであります。
上記の結果、法人税等を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は12,466百万円(前年度比47.1%増)となりました。
なお、当社グループの事業セグメントは「ファンド・金融サービス事業」及び「航空サービス事業」でありますが、全セグメントに占める「ファンド・金融サービス事業」の割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント別の情報の記載を省略しております。
②財政状態の状況
(単位:百万円)
|
2022年 9月末 |
2023年 9月末 |
増減額 |
資産合計 |
158,052 |
183,675 |
25,623 |
流動資産 |
152,737 |
168,290 |
15,553 |
(現金及び預金) |
13,119 |
15,984 |
2,864 |
(組成資産) |
133,190 |
139,416 |
6,226 |
(その他) |
6,427 |
12,889 |
6,461 |
固定資産 |
5,315 |
15,384 |
10,069 |
負債合計 |
121,892 |
139,377 |
17,484 |
流動負債 |
107,859 |
120,997 |
13,137 |
(借入金・社債) |
86,358 |
94,907 |
8,549 |
(契約負債) |
12,932 |
13,713 |
781 |
(その他) |
8,568 |
12,375 |
3,807 |
固定負債 |
14,032 |
18,379 |
4,346 |
(借入金・社債) |
13,489 |
18,038 |
4,548 |
(その他) |
542 |
341 |
△201 |
純資産合計 |
36,159 |
44,298 |
8,138 |
自己資本比率 |
22.8% |
24.1% |
|
資産合計は183,675百万円(前年度末比25,623百万円の増加)となりました。これは主に、積極的な商品組成によって組成資産が増加したこと、また賃貸資産(航空機)を取得したことによるものです。
負債合計は、139,377百万円(前年度末比17,484百万円の増加)となりました。これは主に、組成資産及び賃貸資産取得のための資金調達の増加に伴い借入金・社債が増加したことによるものです。
純資産合計は44,298百万円(前年度末比8,138百万円の増加)となりました。これは主に前年度の期末配当4,270百万円を実施した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益を12,466百万円計上したことによるものです。
組成資産及び借入金・社債の状況は以下のとおりです。
組成資産の状況
(単位:百万円)
|
2022年 9月末 |
2023年 9月末 |
増減額 |
組成資産合計 |
133,190 |
139,416 |
6,226 |
リースファンド事業 |
96,057 |
99,516 |
3,458 |
商品出資金 |
75,189 |
81,130 |
5,940 |
金銭の信託(組成用航空機)(注) |
20,868 |
18,386 |
△2,481 |
不動産ファンド事業 国内不動産 |
31,632 |
37,630 |
5,998 |
組成用不動産 |
31,632 |
37,630 |
5,998 |
不動産ファンド事業 海外不動産 |
5,500 |
2,270 |
△3,230 |
商品出資金 |
5,500 |
2,270 |
△3,230 |
(注)当社が組成する信託機能を活用した航空機リース事業案件は、当該リース事業を遂行する特定金外信託契約に係る受益権を投資家に譲渡するものであり、当社は、この法的実態を鑑み、未販売の当該受益権相当額を「金銭の信託(組成用航空機)」に計上しております。当該信託契約は、当社が信託の受託者である株式会社FPG信託に金銭を信託し、同社が当初委託者である当社の指図に基づき、当該金銭をもって航空機を購入したうえで、航空会社にリース・市場売却等を行うものであります。信託受益権を、投資家に譲渡することで、委託者の地位が承継されると共に、信託財産から生じる譲渡後の損益が投資家に帰属いたします。
(リースファンド事業)
未販売の匿名組合出資持分・任意組合出資持分を計上する商品出資金は、海運案件を中心に2024年9月期の販売も見据えた過去最高の期末在庫額を確保した結果、前年度末に比べ増加しました。金銭の信託(組成用航空機)は、評価損の計上等により、前年度末に比べ減少しました。
(不動産ファンド事業 国内不動産)
国内不動産のさらなる拡大に向けて、2022年10月に過去最大の大規模案件となる「FPGリンクス渋谷道玄坂」の組成を行う等、投資家からの旺盛な需要に応えるため、過去最高となる期末在庫額を確保した結果、組成用不動産は、前年度末に比べ増加しました。
(不動産ファンド事業 海外不動産)
海外不動産を対象とした集団投資事業案件に係る任意組合出資持分を計上する商品出資金は、2022年12月に第2号案件となる米国ハワイ州ホノルル市の大規模リゾートホテル「Queen Kapiolani Hotel」を組成した一方で、旺盛な需要に応えるため販売を進めた結果、前年度末に比べ減少しました。
借入金・社債の状況
(単位:百万円)
|
2022年 9月末 |
2023年 9月末 |
増減額 |
借入金・社債合計 |
99,848 |
112,946 |
13,097 |
流動負債 |
86,358 |
94,907 |
8,549 |
短期借入金 |
72,842 |
75,372 |
2,530 |
コマーシャル・ペーパー |
9,000 |
9,000 |
- |
1年以内返済予定の長期借入金 |
4,516 |
10,163 |
5,647 |
1年以内返済予定の長期ノンリコースローン |
- |
371 |
371 |
固定負債 |
13,489 |
18,038 |
4,548 |
長期借入金 |
12,389 |
11,531 |
△858 |
社債 |
1,100 |
1,100 |
- |
長期ノンリコースローン |
- |
5,407 |
5,407 |
コミットメントライン契約 及び当座貸越契約の総額 |
117,495 |
134,635 |
17,140 |
組成資産及び賃貸資産取得のための資金調達の増加に伴い借入金・社債の残高が増加いたしました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて2,864百万円増加し、14,584百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
積極的な組成により、商品出資金、組成用不動産が増加した一方で、税金等調整前当期純利益を計上したため、営業活動から得られた資金は4,774百万円(前年度は50,872百万円の資金支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
賃貸資産を取得したこと等から、投資活動において使用した資金は9,359百万円(前年度は552百万円の資金支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払をした一方で、手元現預金の確保並びに組成資産及び賃貸資産取得のための資金調達を進めたことから、財務活動から得られた資金は7,342百万円(前年度は43,646百万円の資金収入)となりました。
④生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当社グループでは生産活動は行っておりません。また、当社グループの事業セグメントは「ファンド・金融サービス事業」及び「航空サービス事業」でありますが、全セグメントのうち「ファンド・金融サービス事業」の割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しており、セグメント別の生産実績の記載は行っておりませんが、代替的指標として、売上高の多くを占めるリースファンド事業におけるリース事業組成金額及び不動産ファンド事業における不動産ファンド事業組成金額は、以下のとおりであります。
|
当連結会計年度 (自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) |
前年度比 |
リースファンド事業 |
|
|
リース事業組成金額 (百万円) |
359,218 |
16.3% |
不動産ファンド事業 国内不動産 |
|
|
不動産ファンド事業組成金額 (百万円) |
47,060 |
△16.4% |
不動産ファンド事業 海外不動産 |
|
|
不動産ファンド事業組成金額 (百万円) |
18,049 |
△2.4% |
(注)1.「リース事業組成金額」とは、組成したオペレーティング・リース事業案件のリース物件の取得価額の合計額であります。
2.オペレーティング・リース事業の組成は主に外貨建で行われており、本邦通貨への換算レートは組成
時の為替レートを採用しております。
3. 「不動産ファンド事業組成金額」とは、国内不動産については不動産小口化商品の信託受益権1個当たりの価額に組成個数を乗じた額であり、海外不動産についてはリース物件の取得価額の合計額であります。
(b) 受注実績
当社グループは受注生産形態をとっていないため、該当事項はありません。
(c) 販売実績
当社グループの事業セグメントは「ファンド・金融サービス事業」及び「航空サービス事業」でありますが、全セグメントのうち「ファンド・金融サービス事業」の割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しており、セグメント別の販売実績の記載は行っておりませんが、当社グループの売上高の多くを占めるリースファンド事業において当社が販売した出資金及び不動産ファンド事業において当社グループが販売した不動産小口化商品販売額・出資金販売額(海外不動産)の最近2連結会計年度の販売額は、以下のとおりです。
|
前連結会計年度 (自 2021年10月1日 至 2022年9月30日) |
当連結会計年度 (自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
|
リースファンド事業 |
|
|
出資金販売額 |
68,720 |
136,334 |
不動産ファンド事業 |
|
|
不動産小口化商品販売額 |
42,570 |
44,570 |
出資金販売額(海外不動産) |
5,010 |
17,030 |
上記の用語の意味は以下のとおりです。
[出資金販売額][出資金販売額(海外不動産)]
出資金(オペレーティング・リース事業の匿名組合出資持分及び任意組合出資持分並びに海外不動産を対象とした集団投資事業案件に係る任意組合出資持分)について、リース開始日までに投資家へ私募の取扱いを行ったもの及びリース開始日時点で当社又は当社子会社が一旦立替取得し、(連結)貸借対照表の「商品出資金」に計上したものについて、投資家へ譲渡したものの合計額であります。なお、[出資金販売額]には、信託機能を活用した航空機リース事業案件に係る信託受益権譲渡価額を含めております。
[不動産小口化商品販売額]
信託受益権1個当たりの価額に販売個数を乗じた額となります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績
当社は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行などによる環境変化を、収益構造の多角化や構造改革
を図る好機と捉え、第1の柱であるリースファンド事業に加え、第2の柱として国内不動産ファンド事業の拡
大、さらには、第3の柱とすべく、海外不動産ファンド事業を立ち上げるなど、新たな成長に向けた取り組みを推進しました。
第1の柱であるリースファンド事業においては、好調な出資金販売が通期で継続し、通期の過去最高の売上高を更新しました。第2の柱である不動産ファンド事業の国内不動産においては、通期の不動産小口化商品販売額が過去最高を更新し、不動産ファンド事業の海外不動産も第3の柱として大幅な増益に貢献しました。
この結果、連結売上高は71,149百万円(前年度比20.2%増)、営業利益は18,265百万円(前年度比55.5%増)、経常利益は17,989百万円(前年度比44.3%増)及び親会社株主に帰属する当期純利益は12,466百万円(前年度比47.1%増)となり、通期の過去最高の連結売上高(2022年9月期の59,193百万円)と過去最高益(2019年9月期の営業利益14,432百万円、経常利益14,394百万円、親会社株主に帰属する当期純利益10,035百万円)を更新する大幅な増収増益を達成しました。
なお詳細は「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載したとおりであります。
財政状態
当社は、リースファンド事業において、匿名組合方式又は任意組合方式、金銭の信託方式によるオペレーティング・リース事業の案件組成、匿名組合出資持分又は任意組合出資持分並びに信託受益権の譲渡を行っております。匿名組合方式又は任意組合方式のオペレーティング・リース事業について、リース開始日時点で、当社は、投資家に譲渡することを前提に、一時的に当該匿名組合出資持分又は任意組合出資持分を立替取得します。当社は、その立替取得した権利を「商品出資金」として(連結)貸借対照表に計上し、投資家に譲渡いたします。金銭の信託方式のオペレーティング・リース事業については、当社が受託者である株式会社FPG信託に金銭を信託し、その取得した信託受益権の未販売相当額を「金銭の信託(組成用航空機)」として、(連結)貸借対照表に計上し、投資家に譲渡いたします。
また不動産ファンド事業において、国内不動産については、不動産小口化商品を投資家に提供するため、不動産(不動産信託受益権を含む。)を取得し、「組成用不動産」として(連結)貸借対照表上に計上し、投資家に譲渡します。海外不動産を対象とする集団投資事業案件については、事業開始日時点で、当社子会社である株式会社FPG証券は、投資家に譲渡することを前提に、一時的に任意組合出資持分を立替取得します。FPG証券は、その立替取得した権利を「商品出資金」として(連結)貸借対照表に計上し、投資家に譲渡いたします。
当社グループは、これらの匿名組合出資持分、任意組合出資持分、信託受益権、組成用不動産の取得資金といった案件組成資金は、手元資金の他、金融機関からの借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーによって調達しております。このため当社の連結財務諸表の資産の総額及び負債の総額は、組成資産の組成や販売の状況、その資金調達の状況によって大きく影響を受けます。
当連結会計年度においては、積極的な商品組成によって組成資産が増加したこと、また賃貸資産(航空機)を取得したこと等により、資産合計は183,675百万円(前年度末比25,623百万円の増加)となりました。組成資産及び賃貸資産取得のための資金調達の増加に伴い借入金・社債が増加し、負債合計は、139,377百万円(前年度末比17,484百万円の増加)となりました。前年度の期末配当4,270百万円を実施した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益12,466百万円を計上したことによって、純資産合計は、44,298百万円(前年度末比8,138百万円の増加)となりました。
なお詳細は「第2 事業の状況 4. 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分
析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載したとおりであります。
また、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3. 事業等のリスク」に記載したとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループにおける主な資金需要は、投資家に販売する目的で一時的に保有する組成資産の取得資金、人件費その他費用を含む運転資金及びその他法人税等の支払資金等の営業活動によるもの、配当金の支払資金や借入金の返済資金といった財務活動によるものであります。なお当連結会計年度においては、株式会社FLIP第281号を連結子会社としたことにより、賃貸資産の取得と、その資金調達がありました。設備投資は、主に当社グループにおける各拠点の維持・拡大、その他事業拡大に関するものであります。また、主な資金の源泉は、組成資産の投資家への譲渡代金や当社グループが収受する各種手数料等といった営業活動によるもの、資金需要を賄うための金融機関からの借入の実行やコマーシャル・ペーパーの発行等により調達する資金等の財務活動によるものであります。
当連結会計年度の資金の状況につきまして、賃貸資産の取得があった一方で、税金等調整前当期純利益の計上、組成資産及び賃貸資産取得のための資金調達を進めたこと等から、資金の残高は、前連結会計年度末に比べて2,864百万円増加し、14,584百万円となりました。詳細は、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。資金需要につきましては、リースファンド事業、国内不動産ファンド事業及び海外不動産ファンド事業のさらなる成長を見据えた組成資産の取得のための資金需要が、今後も継続して発生する想定です。
資金調達につきましては、当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーの発行等を行っております。
当連結会計年度末において、有利子負債の残高は 113,054百万円であります。また、当連結会計年度末において、金融機関との間で総額134,635百万円のコミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結しております(借入実行残高66,149百万円、借入未実行残高68,486百万円)。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
コミットメントライン契約等の締結
当社グループは、主にリースファンド事業及び不動産ファンド事業における案件組成資金を効率的に調達するため、金融機関と、コミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結しております。これらの契約に基づく当連結会計年度末の資金調達枠の総額は、134,635百万円であります。
これらの契約のうち、主なものは、以下のとおりであります。
相手方の名称 |
契約内容及び 資金調達枠の総額 |
契約締結日 |
株式会社三井住友銀行 及びその他2金融機関 (注)1 |
コミットメントライン契約 総額20,000百万円 |
2022年12月28日 |
株式会社三菱UFJ銀行 及びその他2金融機関 (注)2 |
コミットメントライン契約 総額15,495百万円 |
2023年3月28日 |
株式会社三井住友銀行 及びその他6金融機関 (注)3 |
コミットメントライン契約 総額23,000百万円 |
2023年9月26日 |
(注)1.当社において、2021年12月に締結(2022年1月に増額変更)した株式会社三井住友銀行及びその他2金融機関とのコミットメントライン契約について、その契約期間が終了することに伴い、2022年12月28日付で、同行及びその他2金融機関と、コミットメント期限が2023年12月29日までの資金調達枠20,000百万円の新たなコミットメントライン契約を締結いたしました。
2.当社において、2022年3月に締結した株式会社三菱UFJ銀行及びその他3金融機関とのコミットメントライン契約について、その契約期間が終了することに伴い、2023年3月28日付で、同行及びその他2金融機関と、コミットメント期限が2024年3月29日までの資金調達枠15,495百万円の新たなコミットメントライン契約を締結いたしました。
3.当社において、2022年9月に締結した株式会社三井住友銀行及びその他3金融機関とのコミットメントライン契約について、その契約期間が終了することに伴い、2023年9月26日付で、同行及びその他6金融機関と、コミットメント期限が2024年9月27日までの資金調達枠23,000百万円の新たなコミットメントライン契約を締結いたしました。
株主間契約
当社は、MARCUS JUNG氏及びMICHIEL MULLER氏との間で、FPG Asset & Investment Management B.V.の運営に
関する株主間契約を締結しております。当社は、FPG Asset & Investment Management B.V.及びその子会社から、オペレーティング・リース事業案件の組成サポートを受けております。
該当事項はありません。