(1)経緯
2024年3月期決算における最終確認で、当社の連結子会社であるニデックドライブテクノロジーにおいて、連結決算手続における当社グループの連結子会社間取引を伴う売上高等の連結調整の一部について調整対象を誤認し、売上高が過大に計上されていることが判明しました。本件につき、会計監査人であるPwC Japan有限責任監査法人と事実確認の結果および影響額について協議を行い、その影響の重要性を鑑みて過年度の有価証券報告書等および決算短信を訂正することといたしました。また、金融商品取引法第24条の4の5第1項に基づき、内部統制報告書を訂正することといたしました。
企業結合等の実施により、暫定的な会計処理により開示を行っていたものに関しましても、その処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額へ修正をしております。
さらに、過年度の有価証券報告書等および決算短信を訂正するにあたり、個々に重要性のなかった未修正事項についても把握し、訂正後の連結財務諸表に適切に反映しております。
当社は、上記事項の修正等を行い、2022年度から2023年度に係る各四半期における連結財務諸表を訂正いたしました。
(2)概要
①売上高等の調整処理に係る会計処理の修正
当社の連結子会社であるニデックドライブテクノロジーにおいて、連結決算手続における当社グループの連結子会社間取引を伴う売上高等の連結調整の一部について誤りがあったことが判明したため、修正をしております。
②PAMA S.p.A.社及び㈱緑測器の公正価値評価完了による修正
2023年3月期のPAMA S.p.A.社及び㈱緑測器の株式取得により取得した資産、引き継いだ負債に関する公正価値評価が2024年3月期第4四半期連結会計期間に完了しております。2023年3月期の連結財務諸表については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額へ修正をしております。
③自主チェック等による修正
自主チェック等により判明した事象及びその他重要性の観点から修正を行わなかった事項につきましても、併せて修正をしております。
④法人税等の修正
上記の過年度会計処理の修正にともなう一時差異の変動により、繰延税金資産及び負債の修正をしております。
これらの決算訂正により、2023年6月21日に提出いたしました第50期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)有価証券報告書の記載事項の一部を訂正すべき事項がありましたので、金融商品取引法第24条の2第1項の規定に基づき、有価証券報告書の訂正報告書を提出するものであります。
なお、訂正後の連結財務諸表については、PwC Japan有限責任監査法人により監査を受けており、その監査報告書を添付しております。
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
訂正箇所は を付して表示しております。なお、訂正箇所が多数に及ぶことから、上記の訂正事項については、訂正後のみを記載しております。
(注)1.国際会計基準(以下、「IFRS」)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
2.百万円単位で記載している金額は、百万円未満を四捨五入して表示しております。
3.基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益については、親会社の所有者に帰属する当期利益の数値を基に算出しております。
4.基本的1株当たり当期利益の算定及び1株当たり親会社所有者帰属持分の算定において、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式を自己株式として処理していることから、期中平均発行済株式総数及び期末発行済株式総数から当該株式数を控除しております。
5.希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
6.第50期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、第49期の連結財務諸表については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額によっております。
7.当社は、2020年4月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行っております。第46期の期首に当該株式分割が行われたものと仮定して、1株当たり情報を算定しております。
(注)1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.当社は、2020年4月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行っております。第46期の期首に当該株式分割が行われたものと仮定して、1株当たり情報を算定しております。
3.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。また※印は、2020年4月1日付で行った株式分割による権利落後の最高株価及び最低株価を記載しております。
4.1株当たり当期純利益の算定及び1株当たり純資産額の算定において、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式を自己株式として処理していることから、期中平均発行済株式総数及び期末発行済株式総数から当該株式数を控除しております。
当社グループ(当社、連結子会社343社、持分法適用関連会社4社を中心に構成)は、精密小型モータ、車載用製品、家電・商業・産業用製品、機器装置、電子・光学部品等の製造・販売を主な事業内容としております。
当社は、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しており、関係会社の範囲についてもIFRSの定義に基づいております。セグメント区分に関しては、9つの報告対象セグメントとその他により構成されております。
各セグメントの内容は次のとおりであります。なお、このセグメント区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の連結財務諸表注記に掲げるセグメントをはじめ、本有価証券報告書の当連結会計年度に関するセグメントの区分と全て同一であります。また、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記5.セグメント情報」に記載のとおりであります。
当社グループの主要な製品の内容に係る当社及び主要な連結子会社の位置づけは次のとおりであります。
[事業系統図]
(注)1.2022年11月1日付で、「日本電産(香港)有限公司」は「ニデック(香港)有限公司」に社名変更しております。
2.2023年4月1日付で、「日電産(上海)国際貿易有限公司」は「ニデックモータ(上海)有限公司」に社名変更しております。
3.2023年4月1日付で、「タイ日本電産㈱」は「ニデックエレクトロニクスタイランド㈱」に社名変更しております。
4.2023年2月1日付で、「日本電産(東莞)有限公司」は「ニデックモータ(東莞)有限公司」に社名変更しております。
5.2023年4月1日付で、「ベトナム日本電産会社」は「ニデックベトナム会社」に社名変更しております。
6.2023年3月1日付で、「日本電産自動車モータ(浙江)有限公司」は「ニデック自動車モータ(浙江)有限公司」に社名変更しております。
7.2023年4月1日付で、「ドイツ日本電産モーターズアンドアクチュエーターズ㈲」は「ニデックモーターズアンドアクチュエーターズドイツ㈲」に社名変更しております。
8.2023年4月1日付で、「日本電産GPM㈲」は「ニデックGPM㈲」に社名変更しております。
9.2022年11月29日付で、「日本電産(大連)有限公司」は「ニデックモータ(大連)有限公司」に社名変更しております。
10.2023年4月1日付で、「日本電産自動車モータ・アメリカ合同会社」は「ニデック自動車モータ・アメリカ合同会社」に社名変更しております。
11.2023年4月1日付で、「日本電産モータ㈱」は「ニデックモータ㈱」に社名変更しております。
12.2023年4月1日付で、「日本電産ASI㈱」は「ニデックASI㈱」に社名変更しております。
13.2023年4月1日付で、「日本電産グローバル・アプライアンス・コンプレッサー・ブラジル社」は「ニデックグローバル・アプライアンス・ブラジル社」に社名変更しております。
14.2023年4月1日付で、「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
15.2023年4月1日付で、「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
16.2023年4月1日付で、「日本電産シバウラ(浙江)有限公司」は「ニデックテクノモータ(浙江)有限公司」に社名変更しております。
17.2023年4月1日付で、「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
18.2023年4月1日付で、「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
19.2023年4月1日付で、「日本電産ミンスター㈱」は「ニデックミンスター㈱」に社名変更しております。
20.2023年4月1日付で、「日本電産マシンツール㈱」は「ニデックマシンツール㈱」に社名変更しております。
21.2023年4月1日付で、「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
22.2023年3月2日付で、「日本電産東測(浙江)有限公司」は「ニデックパワートレインシステムズ(浙江)有限公司」に社名変更しております。
23.2023年4月1日付で、「日本電産コパル電子㈱」は「ニデックコンポーネンツ㈱」に社名変更しております。
24.2023年4月1日付で、「日本電産トーソク㈱」は「ニデックパワートレインシステムズ㈱」に社名変更しております。
25.2023年4月1日付で、「日本電産サーボ㈱」は「ニデックアドバンスドモータ㈱」に社名変更しております。
26.2023年4月1日付で、「日本電産コパル㈱」は「ニデックプレシジョン㈱」に社名変更しております。
27.2023年4月1日付で、「日本電産グローバルサービス㈱」は「ニデックグローバルサービス㈱」に社名変更しております。
(1)連結子会社
(注)※1.特定子会社に該当しております。
尚、その他に含まれる会社のうち特定子会社に該当する会社は次のとおりであります。
日本電産ヨーロッパ㈱
※なお、2023年4月1日付で、「日本電産ヨーロッパ㈱」は「ニデックヨーロッパ㈱」に社名変更しております。
2.子会社の議決権に対する所有割合の( )内は、間接所有の割合で内数であります。
3.2022年11月1日付で、「日本電産(香港)有限公司」は「ニデック(香港)有限公司」に社名変更しております。
4.2023年4月1日付で、「日電産(上海)国際貿易有限公司」は「ニデックモータ(上海)有限公司」に社名変更しております。
5.2023年4月1日付で、「日本電産モータ㈱」は「ニデックモータ㈱」に社名変更しております。
6.2023年4月1日付で、「日本電産グローバル・アプライアンス・コンプレッサー・ブラジル社」は「ニデックグローバル・アプライアンス・ブラジル社」に社名変更しております。
7.2023年4月1日付で、「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
8.2023年4月1日付で、「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
9.2023年4月1日付で、「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
10.2023年4月1日付で、「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
11.2023年4月1日付で、「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
12.2023年4月1日付で、「タイ日本電産㈱」は「ニデックエレクトロニクスタイランド㈱」に社名変更しております。
13.2023年2月1日付で、「日本電産(東莞)有限公司」は「ニデックモータ(東莞)有限公司」に社名変更しております。
14.2023年4月1日付で、「ベトナム日本電産会社」は「ニデックベトナム会社」に社名変更しております。
15.2023年3月1日付で、「日本電産自動車モータ(浙江)有限公司」は「ニデック自動車モータ(浙江)有限公司」に社名変更しております。
16.2023年4月1日付で、「ドイツ日本電産モーターズアンドアクチュエーターズ㈲」は「ニデックモーターズアンドアクチュエーターズドイツ㈲」に社名変更しております。
17.2023年4月1日付で、「日本電産GPM㈲」は「ニデックGPM㈲」に社名変更しております。
18.2022年11月29日付で、「日本電産(大連)有限公司」は「ニデックモータ(大連)有限公司」に社名変更しております。
19.2023年4月1日付で、「日本電産自動車モータ・アメリカ合同会社」は「ニデック自動車モータ・アメリカ合同会社」に社名変更しております。
20.2023年4月1日付で、「日本電産ASI㈱」は「ニデックASI㈱」に社名変更しております。
21.2023年4月1日付で、「日本電産シバウラ(浙江)有限公司」は「ニデックテクノモータ(浙江)有限公司」に社名変更しております。
22.2023年4月1日付で、「日本電産ミンスター㈱」は「ニデックミンスター㈱」に社名変更しております。
23.2023年4月1日付で、「日本電産マシンツール㈱」は「ニデックマシンツール㈱」に社名変更しております。
24.2023年3月2日付で、「日本電産東測(浙江)有限公司」は「ニデックパワートレインシステムズ(浙江)有限公司」に社名変更しております。
25.2023年4月1日付で、「日本電産コパル電子㈱」は「ニデックコンポーネンツ㈱」に社名変更しております。
26.2023年4月1日付で、「日本電産トーソク㈱」は「ニデックパワートレインシステムズ㈱」に社名変更しております。
27.2023年4月1日付で、「日本電産サーボ㈱」は「ニデックアドバンスドモータ㈱」に社名変更しております。
28.2023年4月1日付で、「日本電産コパル㈱」は「ニデックプレシジョン㈱」に社名変更しております。
29.2023年4月1日付で、「日本電産グローバルサービス㈱」は「ニデックグローバルサービス㈱」に社名変更しております。
30.2023年4月1日付で、「フィリピン日本電産㈱」は「ニデックフィリピン㈱」に社名変更しております。
31.2023年4月1日付で、「日本電産トーソク・ベトナム会社」は「ニデックパワートレインシステムズ(ベトナム)会社」に社名変更しております。
(2)持分法適用関連会社
持分法適用関連会社が4社ありますが、重要性が乏しいため記載を省略しております。
(1)連結会社の状況
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.2023年4月1日付で、日本電産サンキョーグループの中核をなす「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
3.2023年4月1日付で、日本電産テクノモータグループの中核をなす「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
4.2023年4月1日付で、日本電産モビリティグループの中核をなす「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
5.2023年4月1日付で、日本電産シンポグループの中核をなす「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
6.2023年4月1日付で、日本電産リードグループの中核をなす「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
(2)提出会社の状況
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.平均年間給与は、基準外賃金及び賞与を含んでおります。
3.前連結会計年度末に比べ従業員数が335名減少しておりますが、主として固定構造改革及び長野技術開発センターを日本電産シンポ㈱(現 ニデックドライブテクノロジー㈱)の研究開発、生産拠点へ転換したことに伴う連結子会社への出向や自己都合退職によるものであります。
(3)労働組合の状況
当社及び当社の連結子会社(以下、「NIDEC」)のうち、一部の連結子会社において労働組合が結成されております。
労使関係については良好であり、特記すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.パート・有期労働者には定年後再雇用の社員を含んでおります。
当社はジョブ型人事制度(職務等級制度)を導入しており、年齢に関わらず「職責・職務(責任)の大きさ」、「成果」に応じて処遇を行っております。
②国内連結子会社
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.2023年4月1日付で、「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
4.2023年4月1日付で、「東北日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ秋田㈱」に社名変更しております。
5.2023年4月1日付で、「日本電産サンキョーシーエムアイ㈱」は「ニデックマテリアル㈱」に社名変更しております。
6.2023年4月1日付で、「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
7.2023年4月1日付で、「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
8.2023年4月1日付で、「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
9.2023年4月1日付で、「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
10.2023年4月1日付で、「日本電産マシンツール㈱」は「ニデックマシンツール㈱」に社名変更しております。
11.2023年4月1日付で、「日本電産コパル電子㈱」は「ニデックコンポーネンツ㈱」に社名変更しております。
12.2023年4月1日付で、「日本電産トーソク㈱」は「ニデックパワートレインシステムズ㈱」に社名変更しております。
13.2023年4月1日付で、「日本電産サーボ㈱」は「ニデックアドバンスドモータ㈱」に社名変更しております。
14.2023年4月1日付で、「日本電産コパル㈱」は「ニデックプレシジョン㈱」に社名変更しております。
15.2023年4月1日付で、「日本電産エレシス㈱」は「ニデックエレシス㈱」に社名変更しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)会社の経営の基本方針
さて、当社は2023年7月に創業満50周年を迎えるにあたり、100年を超えて成長し続けることを展望して「新企業理念」を制定しました。「新企業理念」は「社是」を根幹とし、当社グループの50年の成長の源であった、価値観・行動規範・行動指針を継承しつつも、当社グループの成長の目的や存在意義を「使命(Mission)」として明確にし、またNo.1に拘る中で、当社グループの営為を通じて地球環境の保全や世界の人々の豊かな生活に寄与するソリューション企業集団を「目指す姿(Vision)」として新たに制定の上、すべてを一体としました。
「使命(Mission)」、「目指す姿(Vision)」は以下のとおりです;
「使命(Mission)」:
世界一高性能なモータで地球に貢献する
(全社員の弛まざる努力により、当社が世に送り出すモータを中心とした製品を通じて、地球環境の保全を始めとする様々な課題を解決すると共に、世界の人々のより良い生活の実現に貢献する。)
「目指す姿(Vision)」:
■100年を超えて成長し続けるグローバル企業
■人類が抱える多くの課題を解決する世界No.1のソリューション企業集団
このような状況下、当社は2025年度をターゲットとする中期戦略目標(Vision2025)を設定しており、事業環境変化に力強く適応する成長企業を目指します。
その骨子は次のとおりです。
2021年度~2022年度
①連結売上高目標 2兆円
②生産性向上:従業員一人当たりの売上高と営業利益を3割増(2020年度比)
③ROIC(投下資本利益率) 10%以上
④ESGで評価される企業に
2023年度~2025年度
①連結売上高目標 4兆円
②生産性向上:従業員一人当たりの売上高と営業利益を倍増(2020年度比)
③ROIC(投下資本利益率) 15%以上
④ESGで評価される企業に
さらに、当社は脱炭素社会の実現に寄与するべく、マテリアリティ推進の大きな軸の一つとして「2040年度カーボンニュートラルの実現」を据えています。目標達成に向けた取り組みとして、自社事業のエネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの積極導入により、まずは現在当社が事業を通じて直接排出しているCO2(Scope1)と事業活動で使用した熱・エネルギーの生産段階で排出しているCO2(Scope2)の大幅な低減を図ります。再エネ主導のCO2排出抑制基盤を確かなものとした後、省エネ・低炭素燃料へのシフトやカーボンオフセット投資などの手段を用いることで、2040年度に当社事業活動のカーボンニュートラル化を達成する計画です。
なお、サプライチェーンにおいて排出されるCO2(Scope3)については2025年度までにその削減計画を決定する方針です。
(2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
現在、当社が人類共通の課題に対してソリューションを提供出来ると考えている分野として「脱炭素化」「省人化」「省電力化」「サーマルソリューション」「デジタルデータ爆発的増大」の5つがあります。「クルマの電動化」「ロボット活用の広がり」「高効率モータへの需要増加」といったCO2排出抑制、労働力不足、省電力化といった人類共通の課題へのソリューションが求められている分野に経営資源を集中的に投下します。
①精密小型モータ
精密小型モータ事業の既存ビジネスの多くで最終製品の売上成長がピークアウトしており、今後の成長には事業ポートフォリオ転換が必要となります。今後成長が期待できる分野として、省電力関連やサーマルマネジメントに加えて、車載向けモータ(小型EVおよび電動二輪車向け)に注力しています。小型EVは中国市場において見られた低価格化による新規需要喚起が今後中国以外の地域でも想定され、モータ需要の拡大が期待されます。また、二輪車にも四輪車同様の電動化の波が押し寄せており、駆動ユニット向けモータ需要の拡大が見込まれます。
HDD用モータに関しては収益性の確保に努めます。HDD市場出荷台数は2022年暦年で前年比3割以上減少しており、2023年暦年でも前年比台数減少は避けられない見通しとなっております。一方で画像や動画などの高画質・高容量化、ソーシャルメディアやゲームの普及拡大やメタバースの出現等を背景にデータ需要は今後も拡大してゆくと考えられます。今後もサーバ用途ではHDD用モータ需要は成長すると見込まれ、高付加価値製品の構成比が高まることが想定されます。
②車載
気候変動による影響が深刻さを増すなか、自動車業界は脱炭素化へ向けた取り組みを加速させております。乗用車、トラック等が世界のCO2排出量に占める割合は約1/5にのぼることから、主要各国は相次いでガソリン車・ディーゼル車の将来における販売禁止を発表し、自動車の電動化シフトを後押ししております。EUにおける合成燃料ベースのガソリン車は2035年以降も販売を認められるといった発表もあるものの、電動化シフトの波は今後も変わらないと考えられます。このような流れから当社の電気自動車用駆動モータ「E-Axle」は高い売上成長が見込まれており、車載部門の2020年度から2025年度の平均売上成長率想定は29%と全部門の中で最も高くなっております。中国を筆頭に成長してきた電気自動車市場ですが、今後は欧州、北米を中心に他地域での成長も加速してゆくフェーズと見込まれます。「E-Axle」のみならず、モータを筆頭とした「E-Axle」向けの部品供給にも力を入れ、自動車の電動化シフトを強力にサポートしてまいります。
③家電・商業・産業用
現在、世界の電力使用量の約半分をモータが占めていると言われており、特に産業用モータによる消費量が大きいことから、より高効率なモータへの置き換えが急務となっております。当社は家電関連では、洗濯機、乾燥機、食洗機用モータや冷蔵庫用のコンプレッサー及びコンプレッサー用のモータ等を手掛けており、効率に優れるブラシレスDCモータへの需要の更なる高まりが今後期待されます。商業部門ではエアコン向けモータやECの配送センターで使用されるロボット向けのモジュール等を提供しており、産業部門では農業、ガス、鉱業、上下水道、海洋といったマーケットを中心に事業を展開しております。世界的な省エネ・省電力化の流れが進んでいますが、当社はこの流れを追い風に、家電・商業・産業用事業の更なる発展を目指します。
④その他
世界的な課題となっている労働人口不足から、中国を中心にファクトリーオートメーション(FA)需要が高まっています。「ロボット活用の広がり」を背景に拡大傾向にあるロボット基幹部品(減速機)の需要を取り込むことを通じて、事業拡大を推進しております。将来の需要大幅拡大に備え、ロボット用減速機向けの新工場の稼動を開始し、生産能力を大幅に増強しております。加えて、減速機関連製品のモジュール化を加速し、より付加価値の高い製品の供給を目指します。さらに当社は、工作機械事業分野でも買収を積極的に進めており、買収した会社の収益性も、短期間で大幅に改善しております。プレス機械事業同様、買収により製品ラインアップを揃え、収益改善活動を進めてゆくことにより、工作機械事業は今後も更なる成長が見込まれます。
⑤M&A
上記の目標を達成するために、精密小型モータでは、2018年11月にベイパーチャンバーを中心としたサーマルソリューション製品を持つChaun-Choung Technology Corp.(現 ニデックCCI股份有限公司)を買収しました。当社の既存技術であるファンモータを中心とした冷却技術と組み合わせて、より付加価値の高いサーマルソリューションを提供してまいります。車載では2019年10月に電子制御ユニット(ECU)の技術をもつオムロンオートモーティブエレクトロニクス㈱(現 ニデックモビリティ㈱)を買収しました。日本電産エレシス㈱(現 ニデックエレシス㈱)が持つECUのキャパシティを増強するとともに、当社既存の車載モータとのシナジー効果を追求します。家電・商業・産業用では、2019年7月に冷蔵庫用コンプレッサーの技術をもつエンブラコ社を買収しました。当社の既存技術であるコンプレッサー用モータと組み合わせて、より省エネ性能に長ける冷蔵庫の実現に貢献します。
その他では、2021年8月に高精度・高効率の歯車加工技術を持つ三菱重工工作機械㈱(現 ニデックマシンツール㈱)を買収しました。日本電産シンポ㈱(現 ニデックドライブテクノロジー㈱)がもつ減速機及びプレス機の既存2事業と要素技術開発、製造、営業面等においてシナジー効果を追求します。加えて、ニデックマシンツール㈱の技術がNIDEC内における、将来的な内製化に向けた取り組みに寄与するものと想定しております。現在、当社が最も注力しているモータ・インバータ・減速機を三位一体にしたEV用トラクションユニットである「E-Axle」は今後更なる需要を見込んでおり、その中核部品の一つである、ギアの強化に同社技術は必要不可欠になります。さらに、2022年2月に工作機械の設計・製造・販売、製品に関わる製品の据付、技術指導、アフターサービス等を行っているOKK㈱(現 ニデックオーケーケー㈱)を買収しました。当社の既存事業である工作機械の分野で、製品の相互補完が可能となり、工作機械事業の要素技術開発、製造、営業面等においてシナジーがあると見込んでおります。当社とニデックオーケーケー㈱のそれぞれが持つ技術力、ブランド力、顧客基盤を相互に活用して当社工作機械事業を拡大させて行きたいと考えております。加えて、2023年2月に工作機械(横中ぐり盤、門型機他)の製造・販売を行っているPAMA S.p.A.社(以下、「PAMA社」)を買収しました。PAMA社をグループ会社に加えることによって、当社は販売における広範な品揃えとクロスセルによるアジア市場と欧米市場での売上拡大、製品開発における既存会社との得意技術の組み合わせによる新たな製品やコンポーネントの開発、製造における欧州・米国・アジアのグローバルな生産最適化による納期とコストの改善等、販売・開発・製造全ての面においてシナジーを追求することができます。
当社が考える持続可能な経営の在り方とは、「会社が追求する事業戦略の方向性と世界が求める社会的課題解決への道筋を一致させ力強く芯のある成長を続けること」です。
気候危機、パンデミック、地政学的緊張等に代表される今日のグロ―バルリスクは、世界経済の基本構造に根本的な変化をもたらし、それに応じてビジネスにおけるヒト、モノ、カネ、情報も従来とは異なる指向性を示し始めております。社会が企業に求める役割が新たな転換点を迎えた今日、当社はこうした構造変化への適応力を高めながら経営資源を効果的に活用していくうえで必須と判断する持続的経営の要素(“マテリアリティ”と呼称)を5分野・15項目に分類し、社長以下全ての執行役員の参加を原則とする執行組織(ESG マテリアリティ Steering Committee)においてテーマ毎に実行責任を担う各担当役員が進捗状況を報告しております。同会議で討議された内容のうち、特に重要な案件は独立社外取締役が過半数を占める「サステナビリティ委員会」の議論を経て実効性が評価されております。
(マテリアリティの詳細につきましては当社ウェブサイトhttps://www.nidec.com/jp/sustainability/principle/materiality/actionをご参照ください。)
サステナビリティ委員会の開催履歴
マテリアリティ活動項目のうち、当社は特に「脱炭素社会の実現」「国際競争力が高い人材の確保・育成」は当社の企業価値に長期的インパクトをもたらす領域と考えております。以下、「脱炭素社会の実現」において当社が注視する気候変動と当社事業の関係性をTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース提言)の視点から述べるとともに、「国際競争力が高い人材の確保・育成」の基礎となる人的資本の考え方および施策を概説します。
(1)TCFD提言に基づく気候変動と事業の関係性認識
当社は2022年4月にTCFD提言への賛同を表明しました。同イニシアティブに沿って気候関連リスク・機会が及ぼし得る財務インパクトを把握し、それらを経営戦略に組み込むことで脱炭素社会の実現に向けた取り組みを充実させていきます。
①ガバナンス
サステナビリティに関する業務執行組織であるESG マテリアリティ Steering Committee、並びに同執行組織の活動を監督するサステナビリティ委員会が気候変動対策のガバナンス機能を担っています。独立社外取締役3名、社内取締役2名で構成されるサステナビリティ委員会は四半期に一度開催しております。
②戦略
当社戦略上の要の一つである車載事業は、世界的気候変動対策の進展に伴う豊富な成長機会を享受すると同時に周到なリスクへの備えを要する領域でもあります。当社は車載事業を気候変動による実質的影響が最も発現しやすい事業と定義し、このたび気候変動インパクトに関するシナリオ分析を実施しております。企画、開発から生産、品質管理、購買、営業、財務に至る各プロセスに従事する従業員がワークショップに参加し、以下手順に沿ってシナリオ分析を実施しております。
<シナリオ分析ステップ>
ステップ1 シナリオ分析の前提条件の決定
シナリオ
・移行リスクシナリオ(2℃/1.5℃シナリオ)
・物理的リスクシナリオ(4℃シナリオ)
時間軸 短期:2025年 中期:2030年 長期:2050年
対象範囲 車載事業
ステップ2 気候変動リスク・機会の把握
TCFD提言にて例示されている気候変動リスク・機会を参考に、合計40の気候変動リスク・機会を列挙
ステップ3 事業インパクト評価
事業への影響度、気候変動リスク・機会が顕在化する時期、早期対応の必要性の観点から事業インパクト評価を実施
ステップ4 対応策の検討
事業インパクトが大きいと評価した気候変動リスク・機会に対して対応策を検討
<事業インパクトの大きい気候変動リスク・機会および対応策>
今後は車載事業で特定した気候変動リスク・機会の定量分析を進めると共に、他事業部門でのシナリオ分析実施を進めていきます。
③リスク管理
下図に示した階層毎にリスク調査を行い、調査結果を相互利用していく仕組みを構築しております。
事業中断を招きかねない重大偶発リスクについては、事業本部レベル(L2)が傘下の主要事業所※レベル(L1)のBCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)の整備状況を定期的に確認し、リスク低減に向けた継続的な改善活動の定着を図っております。
※主要事業所:所属する事業本部・グループ会社の売上の80%をカバーするように選定された事業所
また、世界の各拠点に設置したリスク管理者を中心に、事業継続を妨げる要因の早期の察知と的確な対応に努めております。地震、洪水、干ばつなどのリスク発生を想定し、BCPのシミュレーション訓練を国内外の拠点で実施しております。2022年度には車載事業においてシナリオ分析を実施し、事業インパクトの大きい気候変動リスク(移行リスク・物理的リスク)を特定しました。今後は特定した気候変動リスクを全社的なリスク管理項目に組み込むことを検討していきます。
④指標と目標
「持続可能な地球環境への貢献」をマテリアリティの一つとして特定し、以下のようなKPIを定めております。
また、中期戦略目標Vision2025及びESGマテリアリティ対策の大きな軸の一つとして、2040年度カーボンニュートラルの実現を目標に掲げております。目標達成に向けた取り組みとして、自社事業のエネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの積極導入により、まずは現在当社が事業を通じて直接排出しているCO2(Scope1)と事業活動で使用した熱・エネルギーの生産段階で排出しているCO2(Scope2)の大幅な減少を図ります。再エネ主導のCO2排出抑制基盤を確かなものとした後、省エネ・低炭素燃料へのシフトやカーボンオフセット投資などの手段を用いることで、2040年度までに当社事業活動のカーボンニュートラル化を達成する計画であります。なお、サプライチェーンにおいて排出されるCO2(Scope3)については2025年度までにその削減計画を確定する方針であります。
(2)人的資本拡充に向けた取り組み
当社は、2023年7月23日に創業満50周年を迎えるにあたり、2023年4月1日より、日本電産グループからニデックグループへと社名を変更し、今後、第2創業期としてさらなる進化を図って参ります。創業当時4名でスタートした当社は、この50年間の企業としての着実な歩みの中で、自律成長とM&A戦略の両輪でグローバルに事業展開を果たし、大いなる成長とともに直近の2022年度売上高においては、2兆円超を達成するに至りました。
会社・事業の成長サイクル(導入期・成長期・成熟期・衰退期)において、将来の事業ポートフォリオを見据えながら、第2創業期として、次の50年に向けて新たなステージに入る当社では、更なる飛躍(経営目標:2025年度4兆円、2030年度10兆円)を達成するために、旧来の連邦経営(個々の会社の自主性を重んじ、グループ内といえども競い合いながら成長を促す経営)からグループ一体化経営(One Nidec:全体最適にてグループシナジーを創出しながら成長する経営)によるグループシナジー創出のための人事施策・基盤整備を進めております。
これまでの50年は、創業者:永守重信の強いリーダーシップによって会社・事業の成長を牽引して参りましたが、次の50年に向けての成長においては、“永守イズム““Nidec Way(全社員の行動指針・規範)”を次世代へ継承しつつ、企業理念・目指す姿(「100年を超えて成長し続けるグローバル企業」「人類が抱える多くの課題を解決する世界No.1のソリューション企業集団」)を実現するためグローバルで戦うことができる企業集団づくりに邁進しております。ニデックの企業集団づくりは、多様性の中にもしっかりとした軸をもち「One Nidec」として、常にその中心となる「組織」や「ヒト」に着目しつつ、人的資本の観点(人事上のソフト面・ハード面における多面的な観点)に基づき、人事戦略・施策として具体的な活動へと落し込みを行っております。
なお、人的資本における人事戦略上の大きな柱となる「人材マネジメント」及び「人事施策・基盤整備」に関する目的は、次のとおりであります。
①戦略
「人材マネジメント」の目的
100年後も成長し続けるグローバル企業を目指し、次世代の変革リーダーを輩出しつづける。
<目標>
ニデックグループ全体で次世代の変革リーダー人材の発掘・把握と計画的・効果的な育成を行う仕組みづくり(リーダーシップパイプライン)を構築する。
<ゴールイメージ>
(ⅰ)ビジネスリーダーがリーダーシップパイプラインのもと、切れ目なく輩出されている。
(ⅱ)各部門のリーダーがリーダー育成を自身の重要ミッションと捉え、時間を割き取り組んでいる。
(ⅲ)共通の仕組み、言語によりグループの育成が実施されている。
「人事施策・基盤整備」の目的
実力・実績主義を徹底し、世界No.1の社員集団として、称賛・尊敬される企業を目指す。
<目標>
「強い会社・組織づくり」「信賞必罰・メリハリのある処遇」「適所適材の人材育成」「人材の流動化・ガバナンス強化」をコンセプトにOne Nidecでの人事施策展開および運営体制を構築する。
<ゴールイメージ>
(ⅰ)グローバル競争に打ち勝つために、会社事業の変化に対応できる組織・人材の強化に資する人事施策の展開(導入・浸透・定着)及びその運営に取り組んでいる。
(ⅱ)社会・市場・業界などの動向を見極め、ニデックグループ一体での人事ポリシーのもとに人事施策及びその運営に取り組んでいる。
<人事戦略上の大きな柱に対する目的の具体化>
「人材マネジメントの目的」「人事施策・基盤整備の目的」に沿って、主に次のような具体的な取組みを進めております。
「人材マネジメント(目的の具体化)」
人材育成方針のもとに「経営層および重要ポストの育成」「次世代リーダー(管理職層・担当者層)の育成」、これを根本から支える「理念の浸透」からリーダーシップパイプラインを構築すると共に、「多様性の中での組織活性化」を図ることで、グローバル規模での人材の早期可視化・育成・強化を推進しております。
<経営層及び重要ポストの育成>
ニデックグループ全体の重要ポストを可視化し、経営幹部がサクセッションプラン(後継者育成計画)の妥当性を議論すると共に、次世代の経営人材候補となりうる人材を発掘し、戦略的な早期育成の取り組みを推進しております。また、経営人材候補については、企業再建や抜擢登用等のタフアサインメントに加え、当社理念や経営マインドの浸透を目的とした創業者による育成塾(毎月1回開催)や、グローバル企業のトップとして高いレベルの経営知識習得のための「グローバル経営大学校」「次世代グローバル経営大学校」を開校し、知識習得と実践の場を組み合わせながら育成強化を図っております。両経営大学校には、これまで世界14カ国(日本、米国、カナダ、メキシコ、中国、タイ、フィリピン、シンガポール、インド、イタリア、ドイツ、フランス、イギリス、ポーランド)もの国から受講者が選ばれており、受講後は各地でグローバルリーダーとして活躍しております。
なお、ニデックグループの重要ポストのサクセッションプラン(後継者育成計画)等は、2020年度より「人材開発委員会」を設置し、経営幹部が四半期毎に議論を行っております。さらに、2022年11月には上部の委員会として、「指名委員会」を設置し、経営層(取締役・執行役員)の選任に繋がる仕組みを構築しております。
<次世代リーダーの育成>
将来のリーダーを担う人材の候補者を養成すべく、様々な育成施策に取り組んでおります。
a)管理職層に対しては、自己のリーダーとしての強み、弱みを洗い出すための研修を実施しております。研修の結果として作成される個人別のフィードバックレポートを本人および上司にも共有し、OJTに活用できるようにしております。また、日頃の上司・部下との対話(1on1ミーティング)についての教育動画を全社的に展開し、自組織の部下育成やマネジメント力の強化を図っております。
b)担当者層においては、新卒入社者に対して約2年間の若手育成プログラムを実施し、実務遂行力やビジネスパーソンとしての基礎的な力を養成するための各種研修を実施しています。このプログラム期間は、研修だけでなく、職場にて具体的な育成計画を立て、OJTにより現場での経験を通じた人材育成にも取り組んでおります。さらに、新卒入社4年目社員に対して、キャリア研修を実施し、短期的な実務面の力だけでなく、自律的なキャリア形成を促すことにも取り組んでおります。
c)社員全般に対しては、社員個人が自ら選択した通信教育(修了者への補助あり)等を受講できる自己啓発プログラムを用意しており、リスキリングの促進にも取り組んでおります。
d)プロフェッショナル人材の育成・強化を行うために、会社機能別での切り口から多様な経験を支援する「機能軸人材マネジメント制度」の導入を管理部門からスタートさせており、プロ人材となる過程において経験すべき職場・業務を通じた育成を加速させております。
<理念の浸透/多様性の中での組織活性化>
創業以来大切にしてきたニデックの三大精神(「情熱・熱意・執念」「知的ハードワーキング」「すぐやる・必ずやる・できるまでやる」)をはじめとした、“ニデックらしさ(理念)”を時代に合わせて磨き上げ、全社員に浸透させながら、多様性の中にも組織として目指すべきもの、その中での社員の一体感(ベクトルの一致)を醸成する取り組みを進めております。
a)理念浸透では、創業者の想い(ニデックの理念や考え方など)をまとめた「挑戦への道」を社員に配布し、ニデック内で共有すべき理念として日々浸透させることで、企業風土・組織文化の醸成からベクトルの合った組織づくりを行っております。
b)One Nidecとして社員の力が最大限に発揮されるように、社員間の関係性を活性化させ、各職場から組織全体へと繋がるパフォーマンスの向上を目指し、「組織パフォーマンスサーベイ」を実施しております。
c)「組織パフォーマンスサーベイ」の結果を活用した組織開発の取り組みとして、各職場にて本音で話し合う「職場ワークショップ」を導入し、多様な意見を尊重しながらビジョンに基づく意思決定を進めることができる組織風土の醸成・組織の構築を進めております。
これらの取り組みにより、ニデックグループを支える「組織」「ヒト」を中心とした持続的な企業成長を目指して参ります。
「人事施策・基盤整備(目的の具体化)」
グローバル競争が加速する中、10兆円企業という目標達成のためには、国際競争力の強化や働き方改革の推進による生産性向上、実力・実績主義の徹底を通じた競争力の強化が必要不可欠であると考えております。世界情勢・社会動向・諸外国との関係においても、特に生産性向上の強化が望まれる日本国内において、当社では人事制度改革に着手し、One Nidecでの強固な基盤(組織・人材)づくりを目指しております。なお、基盤整備においては、多様性のある組織(職場)風土や労働環境づくりにも注力し、日頃の円滑な企業活動の土台を築き上げながら進めることとしております。
<人事施策:強い会社・組織づくり/信賞必罰・メリハリのある処遇/適所適材の人材育成/人材の流動化・ガバナンス強化>
2019年より人事制度改革に向けた検討を開始のうえ、その後の各種人事施策の展開等により経営層から一般社員までの体系的な組織・仕組みを構築することで、人材の流動化・ガバナンス強化を促進し、「組織」「ヒト」の活性化を実現することを目指しております。
a)当社では、取締役会の諮問機関として「報酬委員会(2021年2月~)」「指名委員会(2022年11月~)」を設置(委員の過半数を独立社外取締役にて構成)しております。取締役および執行役員等の選任方針・選任基準・候補者案の決定等や役員報酬に関して、独立社外取締役の適切な関与・助言を得ることで、公正性・透明性・客観性を担保し、当社のコーポレート・ガバナンス体制のより一層の充実を図ることを目指しております。
(ⅰ)「指名委員会」では、取締役及び執行役員等の選任方針・選任基準や継承プラン及びサクセッションプランの考え方、副社長の候補者案、社長選定方法等を審議しております。
(ⅱ)「報酬委員会」では、役員の報酬に係る報酬決定方針の策定、報酬制度の設計(業績目標の設定、業績連動報酬の合理性、報酬構成の妥当性、報酬制度に基づく個別報酬額)等を審議しております。当社グループのグローバルでの競争力強化と事業の持続的な成長・発展につなげるべく、グループ経営・グループガバナンスをより一層強化し、安定した経営継承を行うべく進めてまいります。
b)国内主要グループ会社を含めた約1万人を対象に、2020年度には、グループ統一での評価制度を先行して導入、さらに、2021年~2022年度に掛けて段階的に新等級・報酬制度を導入しております。
(ⅰ)評価制度は、実力・実績主義を徹底するため、2020年~2022年度(3年間)においては、四半期ごとの相対評価を実施、組織への貢献(該当業務(職務)に対してのパフォーマンス(行動・アウトプット・成果))を総合評価し、その評価結果を月例給・賞与へ反映させております。さらに、この3年間で制度導入当初の目的(売上高2兆円超)を果たし、次の段階として2023年度からは、評価制度の一部改定・運用の見直しを実施することとしております。
(ⅱ)新等級・報酬制度は、管理職・非管理職のリーダークラス以上に、ジョブ型人事制度(職務等級制度)を導入のうえ、職責・職務を明確化にし、ポジションベースでの適所適材の人事異動を実現しております。報酬(賃金)は、月例給を職務給に一本化し、外部機関の報酬調査・ベンチマーク(75%ile・50%ile・25%ile)を参考に市場水準に基づいた金額を設定のうえ、職務等級制度により明確化した「職責・職務の大きさ」と「成果(評価結果)」に応じて月例給を決定しております。非管理職の担当者クラスは、日本のジョブ型市場の動向(市場としては未成熟)を踏まえ、担当としての職務(役割)段階の違いを定義づけすることに留め、ある程度の職能要素を残した形で、過去の評価の積み上げから昇降給や昇格候補者としての推薦、昇格を行う仕組みとすることで、着実な人材育成・強化を進めるものとしております。月例給だけでなく、会社・個人業績の結果などによる賞与も含め、メリハリのある処遇を実現させるにあたっては、その基本的な考え方として、「儲けてくれる人が一番偉い」「会社によい変化をもたらしてくれる人がその次に偉い」という当社のポリシーに基づき、年齢、学齢、社歴、性別、国籍等は関係なく、常に公正・公明・公平に正しく評価することを目指しております。
c)退職金制度においても実力・実績主義を徹底し、貢献度の高い社員により報いるべく、次の3点をコンセプトとしております。
(ⅰ)総報酬の一部として毎年の貢献をその年の対価として報いること(=報酬感)
(ⅱ)優秀な人材の採用・定着、パフォーマンスの向上に資する制度とすること(=リテンション)
(ⅲ)ニデックグループのガバナンスを確保し、円滑な異動を担保する仕組みとすること(=グループ内の流動性確保)
これらのコンセプトの下、具体的には、勤続年数による退職金の逓増を廃止し、基本給(毎年の評価を反映)に応じて、退職掛金が変動・決定する仕組みとしております。また、グループ各社においても、様々な退職金制度の仕組みがありましたが、確定給付企業年金(以下、DBという)及び確定拠出企業年金(以下、DCという)の2本立ての退職金制度から、DCのみの退職金制度へ変更しております。退職金制度をDCに一本化することで、DCのポータビリティ制を活かし、ニデックグループ内の人材の流動化を円滑に進めるようにしております。その他にも、DBの凍結及び終身部分の確定年金化等も行い、将来的な債務上昇のリスクを回避しております。
d)ポジションベースの人事制度をより機能させる(社内での人材の流動化を促進する)ために、「社内公募制度」を年2回・定期的に実施することとしております。旧来から実施してきた会社主導の人事異動だけでなく、4月と10月の異動時期に合わせて部門単位でポジションの募集を行い、応募があった場合は各部門で選考し、マッチングが成立すれば、配属としております。社員の自発的な行動を促し、積極的にチャレンジしてもらうことでキャリア形成を支援するとともに、組織としての活性化を期待しております。なお、「社内公募制度」は、人事制度の導入とともにニデック単体からスタートし、順次、グループ会社にも展開・運用を広げる予定であります。
e)人事異動においては、グローバルベースでの組織強化・キャリア形成支援などを目的とし、戦略的・計画的な異動が実現できるように制度・仕組みの整備に着手しております。国内だけでなく、グローバルに活躍する人材がより多く生まれる環境を整えることによりOne Nidecを更に推進します。
f)当社は絶えず成長を希求し、「世界No.1の総合モーターメーカー」として、世の中になくてはならないソリューションを提供してまいりました。今後も、時代の変化や社会のニーズに即応できる社員集団であるために、“永守イズム”“Nidec Way(全社員の行動指針・規範)”に共感し、高い目標に向かって絶えず挑戦し続けられる人材が、ニデックグループの一員として加わることにより、ベクトルのあった少数精鋭の社員集団であり続けたいと考えております。
(ⅰ)2022年度は、当社を含む国内グループ会社において355名の中途採用をいたしました。厳しい競争を勝ち抜くために、生え抜き社員だけでなく様々なバックグラウンドを持った社員が協働することで、社員の多様性を重視しながら、常に進化し続ける組織として人材の硬直化を防止すると共に、事業の拡大に応じて、その時々に必要なスキル・経験を持った即戦力人材の採用を行っております。
(ⅱ)2023年度4月入社において、248名(国内連結)の新卒採用をいたしました。若手のうちから裁量を持って仕事に取組み、様々な教育や業務経験を通して将来のニデックグループの経営幹部候補へと成長してもらうことを期待しております。
(ⅲ)日本国内は、特に先端技術開発などを担うプロフェッショナル集団として、正規雇用が大半を占めております。非正規社員で要件を満たした社員は、積極的に正社員として登用しております。当社の「仕事に年齢は関係ない」というポリシーに基づき、役職定年という考え方はなく、ポジションや役割によって、社員一人ひとりが活躍できる会社・組織を目指しています。
<基盤整備:多様性のある組織(職場)風土・労働環境づくり>
ニデックグループは、世界40か国以上に拠点を持つグローバル企業として成長をし続けております。国を跨いだ社員の往来、交流を行っておりますが、多様性のあることが当たり前な組織(職場)・労働環境の整備を進めることで、世界情勢・市場の変化に対しても迅速に対応できる組織・人材となることを目指しております。
a)多様な社員の活躍を促進し、組織全体で新たな価値を創造していく上で、柔軟な働き方や多様性を受け入れる組織(職場)風土の醸成を図っております。
(ⅰ)2005年頃からダイバーシティ推進に取り組み、その後、仕事と家庭の両立支援から活躍支援へと段階的にフェーズを移しつつ、男女問わない働き方として、時差勤務制度や在宅勤務制度、時間単位年次有給休暇制度を設けると共に、時短勤務等各種制度拡充やキャリア支援などを行っております。その結果、育児休暇からの復帰率向上や女性の管理職、管理職候補層の増加、男性の育児参画度の向上等が成果として出ております。女性管理職比率については、ニデック単体では2022年度で7.0%(女性従業員比率16.85%)となっております。
(ⅱ)LGBTQ社員に対する取り組みとして、当社の就業規則では、性差、性的指向、性自認等に関係なく人格を尊重し、互いに一致協力することを明文化しており、その一環として、配偶者に適用される人事規程を同性パートナーにも適用しております。
(ⅲ)2022年4月には、外国籍役員2名を登用しており、性別だけでなく、国籍をはじめとした個人の属性や価値観にかかわらず人材が活躍できる会社を目指して働き方の柔軟性の確保に努めております。
b)会社と社員の様々な対話の場から、適切な共有・建設的な議論を意識しつつ、コミュニケーションの活性化にも取り組んでおります。
(ⅰ)当社の社員代表組織である親睦会との間では、月に1回、双方向での情報共有・意見交換の場を設けており、社員が働き甲斐のある職場環境を作るため、親睦会から集約した社員の声なども踏まえながら、年に2回社員満足度向上委員会を開催し、親睦会と会社が議論を交わしております。
(ⅱ)2021年度からは、人事部門の社員が各事業所を訪問し、社員との質疑応答等を通じて現場での課題認識に努めながら、人事施策や取り組みについての周知徹底・理解浸透を図るようにしております。
c)当社の持続的な成長を実現するにあたり、社員の健康と働き甲斐を重要な源泉と位置づけ、多様な人材が活躍できる職場づくりと、社員が長く活躍できる持続可能な働き方が不可欠であるという考え方に基づき、健康経営に取り組んでおります。また、健康経営においては、「生産性」と「エンゲージメント」の向上を戦略の柱として掲げております。
(ⅰ)生産性向上の観点では、心身の健康を維持・増進することで、欠勤や休職等による損失の最小化や健康問題によるパフォーマンス低下の防止を図っております。健康上の高リスク者への対策として、健康診断結果に応じた個別保健指導の実施や精密検査受診勧奨等を効果的に実施するほか、傷病の発生予防として、当社産業医・保健師によるオンラインセミナーの実施により社員の健康リテラシーを高めると共に、敷地内完全禁煙の実施や運動習慣の推奨を通じて社員の行動変容を図っております。メンタルヘルス対策として、ストレスチェック実施後集団分析等、フォロー強化を進めております。加えて、労働安全の観点から、管理職を含む従業員の労働時間を管理し、長時間労働に伴う健康障害発生リスクの抑制に努めております。
(ⅱ)エンゲージメント向上の観点では、当社内の健康意識調査である「NIDECヘルスサーベイ」の分析結果から、「エンゲージメント」と「働きやすさ」のスコアの相関関係に着目し、特に「働きやすさ」スコアの改善につながる施策を推進していきます。「働きやすさ」スコアの改善には、1on1ミーティングやキャリア面談の導入による上司・部下間のコミュニケーションの活性化や、職場課題の解決について話し合うワークショップ導入による組織活性化を図っております。また、時差勤務制度や在宅勤務制度の拡充等、制度面での環境整備にも取り組んでおります。
d)当社は、グローバルな事業環境における人権への配慮の重要性を認識しており、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」「国連グローバル・コンパクト」「国連世界人権宣言」「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」をはじめとする国際的ガイドラインを支持し、人権を取り巻く課題の多様化に対応しております。
(ⅰ)ニデックグループCSR憲章では「人権の尊重」を掲げ、またCSR憲章を補完する「NIDECグループCSR行動宣言」では、強制労働の禁止、児童労働の禁止、差別と非人道的な扱いの禁止、適切な賃金の保証、労働時間と休日・休暇の保証、結社の自由と団体交渉権の保証を規定しております。現在、当社グループはグローバルに300を超える事業所を有し、その何倍もの取引先が各国・地域で当社の事業活動を支えておりますが、労働者の保護等に関する法整備が不十分と言われる国々でも操業をしております。
(ⅱ)こうした環境下において、当社グループに留まらずサプライチェーンで発生する労働・倫理問題に関しても自社の責任と認識し、2021年11月には、当社の人権尊重に関する姿勢と取り組みを整理し、「日本電産(現 ニデック)グループ人権基本方針」を策定しております。人権に関する基本的な考え方を明示するほか、「強制労働の禁止」「児童労働の禁止」「ハラスメントの禁止」「職場の安全・衛生の確保」など8つの遵守すべき行動指針を謳っております。本方針は当社グループ及びサプライヤーを含め、当社グループのビジネスパートナー全体をスコープに展開しており、人権侵害のリスク特定と改善に継続的に取り組むと共に、全社eラーニング等の啓発活動を行っております。
(ⅲ)人権リスク・アセスメントについては、当社従業員の70%以上が集中するアジア地域を最重視し、重点的に取り組んでおります。アジアの主要な生産工場を対象にRBA(※)行動規範を参照した自社基準に基づく監査を第三者認証機関との提携によって定期的に実施しており、従業員の人権に関しては「雇用の自由選択」「若年労働」「労働時間」など7側面に設けられた監査項目を厳しくチェックしております。本方針を元に人権を尊重する責任を果たし、多様な人材が活躍することができる安全・安心な職場づくりを進めていきます。
(※)RBA(責任ある企業同盟)行動規範:電子業界が定めたサプライチェーン全体の事業活動に対する行動規範
②指標と目標
以下の指標は、特に記載がない限りニデック㈱の数値(2022年3月末時点)を掲載しております。また、掲載数値は、小数点第一位を四捨五入して表示しております。そのため、合計値と一致しない場合があります。
<人材の多様性>
<<年代>>
<<男女比率>>
<<女性活躍>>
※女性管理職比率については、2023年度に8.0%を目指しています。
<<新卒、中途採用数>>
※対象範囲:当社及び国内グループ会社
※2023年度の中途採用数は計画値
<働き方の多様性>
<<育児休業に関する指標>>
<<制度>>
※国内で勤務する社員に限っております。海外赴任者は赴任先の現地法人の就業規則に準拠しております。
<<健康経営>>
<人材育成>
<<経営幹部育成状況>>
<<研修・教育>>
<コンプライアンス>
<<労働安全>>
<<コンプライアンス>>
※解雇には諭旨解雇を含んでおります。
NIDECの経営成績、株価、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてNIDECが判断したものであります。
①政治・経済状況の変動に係るリスク(特に重要なリスク)
NIDECの製品及びNIDECの製品を搭載した製品は主に中国を主とするアジア、米国、欧州及び日本で生産、消費されており、これらの国または地域の予期せぬ景気変動、政治・政策動向は、NIDECの製品需要や生産状況に悪影響を及ぼす可能性があります。特にNIDECの製品はPCやスマートフォン等の最終製品に組み込まれているため消費動向に左右され、一般消費水準の減退はNIDECの売上に悪影響を与える可能性があります。同様に、製造部門における設備投資の水準は景気動向によって左右され、設備投資水準の減退がNIDECの産業用製品に係る売上に悪影響を及ぼす恐れがあります。今後経済環境の悪化が進んだ場合、NIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
2022年度は米中貿易摩擦とウクライナ危機を発端とした地政学上のリスクの高まりによるサプライチェーンの不安定化等が世界経済の悪化や原材料価格や物流費の高騰を招き、NIDECの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼしました。
技術変遷を背景とした需要の変容、それに呼応する顧客動向の変化がNIDECの想定を上回るスピードで生じた場合に、同市場におけるNIDECの経営環境に影響を及ばす場合があります。
例えばHDD用モータ事業はNIDECの主要事業の一つであり長期に亘り当社の収益基盤をなしてきましたが、半導体メモリーSSDやクラウドコンピューティングの定着によるストレージ市場の構造変化が顧客のビジネスモデル変化を招き、当社HDD用モータの需要低下に繋がっています。今後はクラウド市場の拡大に牽引されるサーバー向けのHDD用モータに注力し一定の収益を確保すると同時に、端末向けHDD用モータの開発・生産に振り分けていたリソースをモビリティソリューション分野をはじめとする新規商材へ集中投下し、ビジネスポートフォリオ転換のスピードを早めます。
NIDECは事業を行う様々な市場で激しい競争にさらされております。特に車載、家電市場においては、新興国の地場メーカーの台頭で競争が激化する傾向があります。市場で競争力を高めるため、NIDECは研究開発分野への多額な投資の維持・増強、製造能力・販売力・マーケティング力の拡大、サービス力とサポート源の拡大、タイムリーな新製品の開発、既存製品の更なる改善を実施していく必要があると考えております。また、利益性を確保するためのコスト削減活動もNIDECにとって必要です。
NIDECは次のような場合に、市場における競争力が低下したり収益力を損なう可能性があります。
・市場がNIDECの予測を超える速度で発展した結果、需要拡大等の市場変化への対応において競合他社がNIDECの能力を上回った場合
・NIDECのコスト削減活動が、市場販売価格の減少や原材料費の上昇による悪影響を吸収するには不十分となった場合
・競合他社が技術革新、製造効率の改善または研究開発能力の強化を行った結果、NIDECの製品や技術が陳腐化した場合
・NIDECの競合企業同士の合併によりNIDECの競争力が相対的に弱まった場合
・必要な投資を継続・強化するための財産的、技術的、人的な資源を調達できない場合
例えば現在、EV用トラクションモータシステムに関してNIDECの主な市場は中国です。中国は国策により自動車のEV化を推進しており、現在世界最大のEV市場を擁しています。NIDECは現在、EVのエンジンに相当するトラクションモータを重要な戦略製品と位置付けており、コスト競争力と開発スピードに優れる地場メーカーの台頭により同市場における競争力を失うと、NIDECの成長戦略全体に重大な影響が及ぶ可能性があります。対策として、同市場における影響力が大きい中国企業との提携を強化しています。2019年にはEV用トラクションモータシステムに関しては、同国の有力自動車メーカーである広州汽車グループと提携を結びました。更に、同国における生産能力を増強することで急激な需要の高まりを想定した供給体制を整備しています。既に平湖市、広州市では工場が稼働していますが、今後、大連市でも生産を予定しています。開発におきましても2019年に蘇州市に蘇州開発センターを設立し、開発の現地化により顧客要求に迅速に対応する体制を整えております。
④先行投資に係るリスク(特に重要なリスク)
NIDECは需要の拡大を予想した場合、受注に先駆けて生産設備を拡張することがあります。従って需要が生産能力を下回ると、稼動損による償却負担の増加または過剰在庫による棚卸資産の評価減が収益を圧迫する可能性があります。例えば、急速な市場規模拡大が予想されるEV用トラクションモータシステムの生産工場が既に中国平湖市で稼働しております。今後、平湖地区に新建屋を建設予定で、需要拡大に備えた体制を構築中です。また、欧州のセルビアにEV用モータ、インバータの生産工場を建設済みで今後も拡張を予定しており、脱炭素化を追い風にEV需要拡大が見込まれる欧州での供給体制を強化してまいります。
しかし、競合他社の開発・市場参入動向、最終製品の需要動向の変化により、当初予想した受注量を確保できない場合には、NIDECの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
更に工場に導入した設備が急速な技術革新によって陳腐化や用途変更が発生した場合には、現在の見積耐用年数を短縮させる必要性が生じ、連結会計期間あたりの償却負担が増加する可能性があります。他方、もしNIDECが需要を過小に見積もり必要な設備投資を行わなかった場合、顧客の需要を満たせずにシェアを失う可能性があります。
また、部品や材料を調達する際のリードタイムを考慮してサプライヤーへ材料を先行注文することがあるため、実際の受注数量が予想に満たない場合は過剰在庫が生じ予期せぬ棚卸資産の評価減を招く可能性があります。
⑤M&Aに係るリスク(特に重要なリスク)
NIDECは事業の成長に必要な技術、製品、販売網、顧客基盤を所有する他社の買収や他社への資本提携を通じて大幅な成長を達成してまいりました。買収や投資活動を継続的に成功させることは、NIDECの事業戦略を達成する上で極めて重要な要素です。そして車載事業を中心とした技術・商流の獲得が益々重要度を増しています。車載事業の中でも特にEV用トラクションモータシステムは今後の成長の柱となることが大きく期待されています。EV市場はグリーンリカバリーの動きの中で拡大ペースが急加速すると見込まれることから、EV用トラクションモータシステムの製造に必要な技術・商流・設備等の買収を市場の成長スピードに追随する適切なタイミングで実施出来なかった場合に、NIDECの競争力が低下する可能性があります。更に、2030年度売上高10兆円を目指す中で、NIDECのビジネスモデルがモータ単品売りからモジュール、システムへと転換していくことが予想されます。市場が急速に変化する中で、ビジネスモデルの転換に必要な技術を適確に選択・買収することが出来なかった場合に、市場の成長スピードに追随できなくなる可能性があります。
また、NIDECの買収や出資活動が成就しなかった場合、NIDECの製品ラインナップ、販売網、顧客基盤の拡大計画が停滞したり、成長率が低下したりする可能性があります。買収や資本提携を成功させるためには、買収した事業の効率的な統合が重要です。しかし、買収した事業がNIDECの予想どおりに収益を生むという確証はありません。
NIDECは今後の買収や資本提携を成功させるために必要な条件を次のように考えております。
・買収対象企業の正確な事前調査(各種デューデリジェンス)
・事前調査の過程でNIDECに悪影響を与える買収対象企業の負債を特定する能力
・買収した事業に係る製品を製造・販売する能力及び買収した事業に係る技術を既存技術と統合して新製品を開発する能力
・買収した事業の経営、製品、社員に関するNIDECの統合能力
・買収した事業におけるキーパーソンの保持
・買収した事業における財務面や経営面でのNIDECの管理能力
・買収した事業からの報告体制及び買収した事業の法令遵守体制の整備
こうした買収、出資活動はNIDECの事業に重要な影響を与え得る不確定要素です。例えば、出資先企業の業績が悪化した場合、投資価値が毀損する可能性があります。出資先企業が拠点を置く国の政府による経済政策、法律、規制、または会計基準の変更が出資先企業に適用されることでNIDECの業績へ多大な影響が及ぶ可能性があります。
買収や出資の効果が得られないか、または適切な買収や出資の対象会社を見つけることができない場合、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、NIDECは、買収に伴い取得した多額ののれん及び無形資産を計上しており、当連結会計年度末現在、のれん及び無形資産はそれぞれ、3,624億円及び2,234億円計上しております。NIDECは、これらの資産については、買収した事業の効率的な統合により得られる将来の収益力を適切に反映したものと考えておりますが、事業環境の悪化等により予想どおりの収益が得られないと判断された場合、NIDECはこれらの資産について減損を認識しなければならず、NIDECの経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥法令・規制に係るリスク
NIDECの事業は、事業運営を行っている国内外における法令、規制、政策、行動規範、会計基準等の変更や解釈の差異、適用誤りに起因するコンプライアンスリスクを負っており、製品ラインナップの拡充またはビジネスの地理的拡大により、NIDECは各種産業、市場及び行政地区特有のリスクにさらされることになります。よって、NIDECのリスク管理体制によっても、これらのコンプライアンスに完全に対処することができない可能性があります。
NIDECは日本、アジア、北米、欧州、その他地域の環境法令を遵守しております。これら環境法令は大気汚染、水質汚濁、危険物質の対応、水質管理、リサイクル、温暖化防止、土壌及び地下水の汚染等に関連する規則を含みます。
欧州委員会は2050年に温室効果ガス排出を実質ゼロにする目標を法制化することで合意しました。それに付随して、2030年に向けた目標も、1990年の水準から少なくとも55%削減する新たな目標で合意しています。更にEUを始め米国や日本でも輸入品のCO2排出量に応じて関税を課す国境炭素税の導入が検討されている等、脱炭素に向けた全世界的な取り組みが急激に加速しています。また、NIDECの事業の多くは環境法令に基づく営業許可を必要とし、それにより製造活動は制約され、法令遵守のための費用が発生します。こうした環境法令は当局により修正、改定、廃止される可能性があります。これらの法令が厳格化することにより環境法令の継続的遵守に必要な投資やその他の支出が増加したり、事業の見直しを行う必要が生じ、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
また、NIDECの事業は国内外において独占禁止法、贈賄防止条約、反テロ法、知的財産権、消費者保護法、税法、輸出規制、関税法、海外貿易規制及び為替規制等の取引規制や市場規制を遵守する必要があります。
更に、我々は新規市場開拓を行い続けており、法令遵守体制をより強化する必要があります。NIDECは東京証券取引所に上場しているため、金融商品取引法その他法令の適用を受け、財務報告の適正性の遵守が求められます。NIDECは、事業成長に伴い、業務拡大を継続しており、財務報告の適正性に関する法令遵守体制をより強化する必要があります。これら規制を遵守できない場合、その結果生じる罰金、社会的制裁、信用毀損、営業停止、更には営業許可の剥奪がNIDECの事業に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
こうした法律、規制、政策、自主行動規範、会計基準等の変更及びその影響を予測することは困難であり、新たな遵守体制整備のために追加的な財務、管理、人的資源が必要になる可能性があります。
①高度な専門性を有した人材の採用・保持に係るリスク(特に重要なリスク)
NIDECの事業は、代替することが非常に困難な多数の上層部経営者、エンジニア等の継続的な雇用に依存しております。技術革新の大波が押し寄せ、その波に乗れるかどうかの瀬戸際である昨今、NIDECはAI、IoT等の新市場に対する高い知見を持つ人材、大多数の高度なスキルを持つ人材を追加雇用し、育成し、意識統一し、そして活用する体制づくりを進めていく必要があります。世界的にこのような人材の獲得競争は極めて激しいため、NIDECがこのような追加の人材を引き付けることが出来ない場合は、技術革新の大波に乗れる機会を失う可能性があります。
NIDECは2030年度売上高10兆円を目指すにあたって、3つの人事制度改革(評価制度・等級制度・報酬制度)を段階的に進め、国内主要グループ会社にて導入を完了・運用を開始しています。実力・実績主義を徹底するため、成果に応じたメリハリのある評価・報酬、適所適材でのスムーズな人事異動、人材育成を行うことで専門性の高い人材の採用、幹部人材の確保、育成プロセスの強化を図ります。
②研究開発に係るリスク
NIDECは基礎研究、新製品開発、製品改良、生産工程の改善、低コストの製品開発等を研究開発活動として継続的に行っております。NIDECが製品を提供する市場では継続的に急速な技術革新が起きており、脱炭素化、省電力化、省人化、5Gやサーマルソリューション、デジタルデータ爆発といった5つの分野を中心にリソースを投入しています。特に脱炭素化を背景にEV向けトラクションモータの需要は今後益々高まることが予想されますが、欧米を中心に環境規制強化が進んでいることから、法規制を発端とする製品の環境性能(高効率・省資源)や納期に関する顧客からの要求は今後も高まり続けると予想されます。そのような市場環境下で、NIDECの成功の成否は、顧客の要求をタイムリーかつ効果的に満たせるような、より優れた技術、製品、生産工程を開発し続けることができるかどうかにかかっています。もしNIDECが、市場動向を正確に予測できなかったり、適時に効果的な研究開発活動を実施できず、他社が、NIDECより優れた技術、製品、生産工程を開発すれば、NIDECの製品は陳腐化し、販売シェアが縮小すると同時に、新製品の事業及び市場の拡大が妨げられることになります。そのような変化を的確に予測し、求められる技術、製品、生産工程の開発をタイムリーに行うことは非常に困難です。特に基礎研究については、研究活動の方向性を定めることには一層の困難を伴うため、研究開発に要した費用を回収することへの不確実性が高いと考えられます。研究開発活動がうまく成果を出すことができなければ、NIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③製品の品質に係るリスク
昨今、品質に対する捉え方が大きく変化しています。製品に使用される材料の調達過程における人権や労働環境、含有している物質の環境規制、発掘時のCO2排出量等の観点を含めて、製品の品質を定義する必要があります。
NIDECは最先端のモータやその他の電気製品を製造しており、事業活動を行う上でNIDECの製品に欠陥がある、もしくは欠陥の疑いがあることや、顧客システムの高度化により発生する想定外の問題を理由として、保証や製造責任を訴訟で問われる可能性があります。特に、NIDECの製品が組み込まれている最終製品が万一大量に故障した場合、消費者からの苦情、不良品の回収、更に損害賠償請求訴訟等が起こり得ます。事業拡大を試みている車載及び家電・商業・産業用モータ及びその他の部品の市場では、安全で高品質な製品を提供できない場合、深刻な物損や人命に係る事故へ繋がる可能性があり、法令上のリコールが適用される他、社会的要請としても特に高い安全性が要求されます。このような問題がNIDECの作る製品を原因として発生すれば、顧客からの重大な法的要求や顧客との紛争、行政処分につながる恐れがあり、その結果不良品回収等の損失費用発生、ブランドイメージの悪化及び販売の落込みによりNIDECの経営成績が悪影響を受ける可能性があります。更に、訴訟に伴う人的・財務的負担が正確な経営判断の阻害要因となる可能性があります。
NIDECは損害賠償請求訴訟等に備え、保険を付しておりますが、これらの保険では対応しきれない賠償請求が将来的に発生する、またはNIDECの希望どおりに保険が適用されない可能性があります。保険の適用範囲を超える賠償請求や、大規模な製品回収が発生した場合、NIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④原材料・部品調達に係るリスク
NIDECは製品の製造に必要な原材料及び部品の多くを外部から調達していることから、それらの需給環境が極端に悪化するとNIDECの生産能力は低下します。直近では、ウクライナ危機に端を発するグローバルエネルギー供給体制の再編並びに米中貿易問題の激化が原材料・組立部品価格の世界的高騰を誘発し、NIDECの製品供給能力を圧迫する結果となりました。また、原材料の種類や部品の使用条件等に関わる各国政府政策の変更や顧客による調達方針の変更もNIDECの原材料・部品調達能力を制約する要因になります。部品の調達過程における環境、人権、労働環境、資源入手可能性への配慮に基づき、NIDECは代替材料の確保及び当該原材料・部品の使用量低減を目指す設計思想の見直しを継続的に実施していますが、諸要因により調達資材の質的・量的不足が長期間に及ぶとNIDECの生産活動が遅滞し、事業、経営成績、財政状態に悪影響が及ぶ可能性が高まります。
⑤海外拠点での事業活動に係るリスク
NIDECは事業活動の相当部分を米国、欧州及び中国を含むその他地域で行っております。NIDECは海外生産比率が圧倒的に高い為、こうした海外市場で事業を行う際には、例えば以下のような特有のリスクがあります。
・海外市場における関係産業の景気悪化または沈滞
・国際通貨の変動
・中国、東南アジア等における労働力不足や労働紛争、賃金水準の上昇
・政治不安
・貿易規制や関税の変更
・グローバルな経営活動を行える人材の確保の困難
・一般的に長期の債権回収期間
・不利に取り扱われる恐れのある税制
・文化、商習慣の相違
・投資効果の実現までに要する長い期間と多額の資金
NIDECでは、事業活動拠点を分散させ、カントリーリスクによる経営への影響低減に努めております。
⑥知的財産権に係る訴訟リスク
NIDECは自社技術及びその他の知的財産を、特許権、商標権、著作権及びその他の知的財産権、更には機密管理や個別契約により保護しておりますが、一部の地域では、法制度が不十分な場合もあり、NIDECはこれらの知的財産権に関して次のようなリスクを負っております。
・NIDECは第三者からの知的財産権侵害の主張に対して反論をしていくためコストが必要になる場合があります。また、当該主張の結果、予め認識していない第三者の知的財産権を利用してしまったことによりNIDECに賠償責任が発生する場合や、差止命令によりNIDECの事業の継続が妨げられる場合があります。その結果、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
・NIDECの知的財産権の保護対策は十分でない可能性があります。
・NIDECより大規模な資源を有する競合他社を含むその他の企業が、独自に技術を開発するか、または優越する技術を獲得した場合、NIDECはこれら企業の知的財産を使用するためのロイヤリティを支払わなければならなくなる可能性があります。
・現行または将来の特許出願に関して、特許権を取得できなかったり、NIDEC自身が保有するまたは使用を許諾されている特許が無効になったり回避されたりすることで技術戦略上困難な状況に陥る可能性があります。
・特定の特許権の下で認められている権利では、NIDECに競争上の優位をもたらさない可能性や、適切に保護されない可能性、技術力の維持に繋がらない可能性があります。
・第三者による特許、重要な営業秘密、その他の知的財産権に関する侵害や無断使用に対して提起する訴訟に伴い多大なコストが必要になる可能性があります。
・NIDECの製品を製造及び販売している諸外国の法律が、NIDECの製品や知的財産権を、日本の法律と同じ範囲で保護していない場合や、法律が存在したとしても効果的に施行されていない可能性があります。
⑦情報の流出に係るリスク
NIDECは事業活動において顧客、他企業の機密情報及び取引先関係者、従業員の個人情報を保有しております。NIDECはこれらの機密情報に関してセキュリティ対策、研究開発拠点における入退室管理、CADデータ厳格管理等を行っておりますが、同情報が人的及び技術的な過失や違法または不正なアクセス等により漏洩した場合、機密情報を保護できなかったために発生する責任や規制措置の対象となる可能性があり、NIDECは競争上の優位性を喪失し、顧客や市場の信頼が失われ、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。加えてNIDECの営業活動やシステム、ブランドイメージに対する社会的信頼を落とすことになります。
これらへの対策として、2019年にNIDECは情報セキュリティ管理室を発足するとともに、情報セキュリティに関する方針を定め同領域の活動を監視する情報セキュリティ委員会や、各組織に情報セキュリティ管理責任者及び情報セキュリティ推進責任者を設置し、グループ横断のセキュリティ管理体制を構築しています。
2022年度も引き続き、情報セキュリティ管理部門が主体となって社員に対する情報セキュリティeラーニングを実施する他、情報セキュリティ強化月間を設けて情報セキュリティ意識の向上を目的とした情報発信を行うとともに、M&Aによりグループ入りした企業も含めて情報セキュリティ対策の強化を進めており、グループ全体の情報セキュリティの均質化・高位平準化に取り組んでいます。
なお、M&A関連の情報流出防止の策として、社内関係者とは個別案件ごとに守秘義務契約を締結し情報管理をしております。
⑧年金制度に係るリスク
NIDECの一部では、一定の要件を満たす従業員のための確定給付年金制度と確定拠出年金制度を併用している会社があります。特に、確定給付年金制度に関しては、年金資産の公正価値や年金資産の収益率が下落した場合、または、退職給付債務の計算の基礎となる想定値が変動した場合、損失が発生する可能性があります。また将来、既存の年金制度を変更し、従来は認識していない勤務費用が発生する可能性があります。そして、利率の変動、NIDECをとりまく環境の変化やその他の要因により、年金資産の積立状況等に悪影響を与える可能性があります。更に、将来の年金費用の計算に使用される想定値も変動する可能性があります。
なお、国内の主要グループ会社においては、退職金制度を確定拠出年金に一本化するとともに、過去分の確定給付企業年金制度および確定拠出年金の運営においては、年金制度のガバナンス体制を構築し、第三者機関から専門的・客観的見地のアドバイスを得ながら進めています。
⑨為替に係るリスク
NIDECの海外への売上の大部分は日本円以外の米国ドル、ユーロ、中国元、タイバーツ等の通貨で構成されており、各通貨に対する円の上昇は一般的に、NIDECの売上、営業利益、当期利益に悪影響を及ぼします。このリスクを軽減するため、売上と仕入の通貨を合わせることにより為替リスクの軽減に取り組んでおります。例えば、もしある製品の売上が米国ドル建てであれば、この製品の生産に使用する材料や資源の購入を米国ドル建てで購入するようにしております。それでもなお、NIDECは為替リスクにさらされています。
加えて、日本円以外の通貨で運営している子会社の業績を連結財務諸表として統合した際、為替変動が大きく影響する可能性があります。
NIDECは固定利率と変動利率の長期債権や有利子負債を保有しており、それらの金利変動やキャッシュ・フロー増減リスクを防ぐため、金利スワップや他の契約を締結することがあります。その場合、ヘッジされていない部分に関して、支払利息や受取利息、金融資産・負債の価値に影響する金利の変動リスクにさらされる可能性があります。
⑪資金の流動性に係るリスク
NIDECは自社の資本支出やM&Aに関する資金を金融機関からの借入や金融市場からの直接調達に依存しております。
2030年度売上高10兆円を目指す当社で、今後資金調達規模の拡大が予想されるため、調達ソースの多様化を図っております。そのために、格付の維持・向上等により資金調達力を一層高める必要があるとともに、近年定着しつつあるESGを加味した企業価値判断基準への適合が重要となります。
金融市況の変化やその他の要因により金融機関が貸付枠、信用供与枠額や条件を圧縮した場合、またはNIDECがそれまでと同等またはより良い条件で取引可能な代替的資金調達源を見つけることができない場合、そのことがNIDECの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、NIDECの財政状態が悪化した結果、信用格付機関がNIDECの信用格付けを大幅に引下げた場合や経済状況の後退により投資家の意欲が減少した場合、NIDECが必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない可能性があり、資金調達がより制限されるとともに、資金繰り費用が大幅に増加する可能性があります。この場合、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
NIDECは繰延税金資産が将来の課税所得から回収される可能性を評価しなければならず、回収可能性が見込めない場合は繰延税金資産を減少させることとなります。経済状況や経営成績が悪化した場合、繰延税金資産の全てまたはその一部に関して回収可能性が見込めないと判断し、繰延税金資産を減少させることによりNIDECの利益が減少する可能性があります。
(3)ガバナンスリスク
NIDECの継続的な成功は主にNIDECの創業者である永守重信氏の能力と手腕に依存してきました。これを脱却すべく、後継者候補も含め、これまで外部人材を中心とした幹部登用などを積極的に進めて参りましたが、様々な経済的・政治的なリスクが顕在化している昨今の状況下においては、NIDECの創業精神でもある「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」という成長を牽引する原動力となる新たなリーダーを輩出することはできませんでした。そのうえで、この難局を乗り越えるだけの判断・スピード感を持った人材として、永守氏(最高経営責任者)とともに、NIDECを創業当時から支えてきた小部氏を代表取締役社長(最高執行責任者)といたしました。永守氏・小部氏による経営体制のもと、NIDEC本来のスピード感のある経営を行い、2025年売上4兆円、2030年売上10兆円の実現を目指して参ります。
また、本体制は、後継者計画を踏まえた短期的なものであり、NIDECの企業文化を身に着けた内部人材から副社長を5名選任しております。2024年度には、選任した副社長から次期社長を決定する方針にあります。将来に向けた強固な経営基盤を築くことで、創業者依存体制の変革を進め、当社グループ経営陣が組織的な連携を強化(チーフオフィサー制を強化)してまいります。
②内部統制に係るリスク
NIDECは上場企業として、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制に関する要件を満たさなければなりません。そして、事業運営及び資産管理に必要で効果的な内部統制システム、コンプライアンス機能、会計システムの整備は極めて重要であると認識しております。
また、内部統制システムの設計、実施には多くの管理、人材、その他資源が必要になります。内部統制上の重要な不備、弱点が認められた場合、改善に要する新たな資源投入により追加的コストが発生する可能性があります。
NIDECはグローバルな内部統制システムの強化を図るべく不断の検討・見直しを続けておりますが、財務報告に関わる内部統制に重要な不備がある場合、内部統制の逸脱により、適時開示義務を充足できなかったり、投資家及び経営者等の利害関係者の正確な意思決定を妨げる可能性があり、その結果、市場におけるNIDECの評価が毀損する恐れがあります。また、不備の重要性や原因等の内容に応じて様々な法的責任が課せられ、金融市場における資金調達力が制限される可能性があります。
NIDECは2020年度に更なる内部統制の強化並びに持続的な企業価値の拡大を図るため、監査等委員会設置会社へ移行いたしました。取締役会の監督機能を強化するとともに、経営の効率性を高めることによる意思決定の迅速化や、取締役会における議論の充実に努めることにより、内部統制の一層の充実に取り組んでいます。また、コーポレート・ガバナンス体制において、着実な体制構築・運営を目指し、段階的な取り組みを進めています。まず、2021年2月に報酬委員会を設置のうえ、役員報酬に関して独立社外取締役の適切な関与・助言を得ることで、公正性・透明性・客観性を担保することとしており、この仕組み化・運営が軌道に乗ったことを見極め、さらに次の段階として、2022年11月の指名委員会の設置に至っています。報酬委員会、指名委員会ともに取締役会の決議によって選定された5名の取締役で構成し、そのうち3名を独立社外取締役としております。なお、指名委員会においては、取締役候補者の選任などの重要な事項について、報酬委員会同様、独立社外取締役の適切な関与・助言を得ながら、運営を進めることができており、取締役会の諮問機関としての位置づけを十分に発揮するものです。今後もコーポレート・ガバナンス体制のより一層の充実を図ってまいります。
①自然災害・人的災害に係るリスク
NIDECやサプライヤーが事業を展開する国内外において、自然災害、火災、公衆衛生、戦争、テロ行為やその他の人的災害が発生した場合、NIDECやサプライヤー、顧客に損害が及ぶ可能性があります。交通・エネルギーインフラへ甚大な損害を及ぼす大規模な自然災害や広域感染症が発生すると、被災地におけるNIDEC及びサプライチェーンによる生産・営業活動は安全が確保されるまでの間停止することになります。NIDECの生産・開発拠点及びその顧客、サプライチェーンの多くが活動している中国等の海外地域や、NIDECの本社機能、その他重要研究開発施設が集中する日本で大規模な災害が発生した場合は特に大きな被害が想定されます。また、NIDECの事業に必要不可欠なネットワーク及び情報システムは、停電、自然災害、テロ行為、ハードウエアやソフトウエアの不具合、コンピュータウィルスによる攻撃、不正侵入により被害を受ける可能性があります。これらの事態の全てを回避することは困難です。これらの事態が発生した場合には、NIDECの生産活動及び販売活動に大きな支障をきたし、製品の納入が遅れ、サプライヤーから材料や部品を入手することが困難となり、製造工場の修復に多大な費用が必要となります。
更に、NIDECは資産の損害及びその他のリスクに対し、様々な種類の第三者保険を付しております。これらの保険の種類及び保険額はその有用性、コスト、自家保険による補償範囲を勘案し決定します。NIDECの保険契約は、控除条件、適用範囲及び除外項目の対象となる場合があり、その結果、自家保険と同等の補填金額に留まる可能性もあります。NIDECが加入する保険の適用範囲と補償金額はほぼ業界水準と考えておりますが、保険対象外の損失が増加すればNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
新型コロナウイルスの世界的蔓延は、NIDECの事業、サプライチェーン機能に影響を与えていました。2022年度は中国政府の厳格なゼロコロナ政策により、NIDECの一部工場が操業停止、あるいは稼働率が低下することとなりましたが、本稿開示時点において回復しております。
②気候変動に係るリスク
2015年12月にCOP21がパリ協定を採択して以降、気候変動問題はあらゆる国・地域、企業が取り組むべき地球規模の優先事項と位置付けられるようになりました。製品の開発・生産活動を主軸に世界各地で事業を展開するNIDECにとって、気候変動はビジネス創出の機会であると同時に、広範にわたる中長期的事業リスクの源泉でもあります。気候変動に関わる政策および規制、技術開発、市場動向、市場評価等の変化に起因する間接的損失リスクを「移行リスク」と定義し、気候変動がもたらす災害等による直接的損失リスクを「物理的リスク」と定義した場合、以下に挙げるリスク事象の現実化はNIDECの財務状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
「移行リスク」
a)炭素税その他脱炭素社会実現へ向けた各国のエネルギー転換施策への対応が遅れることによる税負担の上昇
b)既存製品・サービスに適用される規制の厳格化や新基準への不適合に伴う市場機会の損失およびコンプライアンスコストの増加
c)世界的「電化」傾向に起因する電子部品原材料(希少鉱物、鋼材、その他ハイエンドアルミや銅等の非鉄金属)の入手困難あるいは調達コストの上昇
d)新たな低炭素製品が要求する代替原材料の研究・開発の遅れおよび付帯コストの増加
e)非効果的な気候変動対策に起因する企業価値の低下とそれに伴う投資誘引力の減退および信用格付けの低下
これら「移行リスク」へ対処するため、NIDECは以下の施策を実施しています。
◇2040年度カーボンニュートラルの実現を目指す新たな環境目標を2021年7月に策定。具体的な取り組み内容は以下の通り。
・省エネルギーの推進
・再生可能エネルギーへのシフト
(再生可能エネルギーの導入比率については2025年度に40%、2030年度に80%を予定。)
・低炭素燃料への移行
◇SDGsコンセプトに基づく研究・開発活動の推進
◇複数購買ルートの確保
◇2022年4月に「環境統括部」を設立
◇2022年8月にサステナビリティ委員会を設置
「物理的リスク」
a)台風・多雨等がもたらす広域水害の頻発による事業活動の停止
‐浸水・その他電力・ガス供給網の機能停止
‐家屋倒壊や道路寸断等による従業員生活へのダメージ
‐運輸サービス機能の停止による製品輸送の停滞
b)渇水による事業活動への制約
‐行政当局による取水制限の強化に起因する工場用水の不足
‐水価格の上昇による生産性の低下(洗浄・冷却・従業員寮の生活水、等)
c)気温上昇による健康被害
‐熱中症件数の増加
‐感染症の伝達速度上昇
d)上記事由によるサプライチェーンの混乱
これら「物理的リスク」へ対処するため、NIDECは以下の施策を実施しています。
◇グローバル・ロケーション戦略を通じた生産リスクの分散
◇気候変動リスクが高い国・地域で操業する事業所を対象とする認識度調査の実施
◇生産ラインのイノベーション
◇サプライチェーンの可視化ならびに柔軟性の強化
◇国内外事業所におけるBCPトレーニングの継続
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
この連結財務諸表の作成において、連結決算日における資産・負債の金額と連結会計年度の収益・費用に影響を及ぼす見積り・判断・仮定が必要となります。これらの実際の結果は見積り・判断・仮定と異なる場合があります。
もし会計上の見積りが行われる時点で高い不確実性に対する見積りを作成しなければならない場合、その会計上の見積りは、直近の会計期間にて合理的に見積った見積りや、該当する発生期間において合理的に見積ることができる場合とは異なり、財政状態やその変化、経営成績に重要な影響を与えると予想されます。
重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り、判断及び仮定」に記載しております。
IMFは2023年の世界経済成長率を2023年4月時点で+2.8%と予想しています。当期においては、世界主要各国の経済指標には改善の傾向が見られた一方、米国での銀行破綻や欧州での金融不安から金融市場が不安定となる局面も発生しました。当社を取り巻く事業環境は、IT機器の出荷ピークアウトが継続し、グローバル自動車生産台数の回復遅れ、設備投資関連需要のピークアウト、中国EV市場の台数成長率低下等、厳しい状況が継続しています。当社は2023年7月に創業満50周年を迎えることから、足許の市場環境悪化に伴い、「WPR-X」活動(「コストは技術が造る」との考えの下、技術力で圧勝できる製品開発を実施し、大幅な固定費の低減を実現することが目標)による抜本的な収益構造改革を実現し、2023年度のV字回復実現を目指して固定費の大幅な低減を図るため、当期に構造改革費用を計上致しました。
当連結会計年度における主な経営成績は次のとおりであります。
当期の継続事業からの連結売上高は、ロシアによるウクライナ侵攻の影響や顧客における半導体等電子部品の調達困難な状況が続く中、トラクションモータシステム(E-Axle)をはじめとする車載製品や工作機械事業への参入を含めた機器装置での増収により、為替の影響(前期比約2,709億円の増収)を含め、前期比16.3%増収の2兆2,300億27百万円となり、過去最高を更新致しました。
このような状況下、当期に構造改革費用を計上した結果、営業利益は、為替の影響(前期比約245億円の増益)を含め、前期比47.2%減益の899億23百万円となりました。
税引前当期利益は、為替差益約200億円を計上した影響も含め、前期比35.1%減益の1,104億35百万円となりました。
継続事業からの当期利益は、法人所得税費用約728億円を計上した影響も含め、前期比72.3%減益の376億83百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、非継続事業からの当期損失約20億円を計上した影響も含め、前期比72.8%減益の369億82百万円となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)1.総売上高は外部顧客に対する売上高とセグメント間の売上高の合計です。
2.第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおりであります。
3.2023年4月1日付で、日本電産サンキョーグループの中核をなす「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
4.2023年4月1日付で、日本電産テクノモータグループの中核をなす「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
5.2023年4月1日付で、日本電産モビリティグループの中核をなす「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
6.2023年4月1日付で、日本電産シンポグループの中核をなす「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
7.2023年4月1日付で、日本電産リードグループの中核をなす「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
「SPMS」の総売上高は3,426億55百万円(前年度比11億86百万円減)となりました。これは、為替影響による増収があったものの、販売数量の減少によるHDD用モータの売上減少によるものであります。また、営業利益は170億83百万円(前年度比173億12百万円減)となりました。これは、当期に構造改革費用を計上した結果であります。
「AMEC」の総売上高は3,051億43百万円(前年度比776億37百万円増)となりました。これは、トラクションモータシステム(E-Axle)の増収等及び為替影響による増収であります。また、営業損益は当期に構造改革費用を計上した結果、646億63百万円の営業損失となりました。
「MOEN」の総売上高は3,962億21百万円(前年同期比751億38百万円増)となりました。これは、発電機事業及び為替影響による増収であります。また、営業利益は385億81百万円(前年同期比53億70百万円増)となりました。これは、当期に構造改革費用を計上したものの、為替影響による増益であります。
「ACIM」の総売上高は4,374億2百万円(前年度比433億22百万円増)となりました。これは、為替による増収であります。また、営業利益は213億49百万円(前年度比120億51百万円減)となりました。これは、当期に構造改革費用を計上した結果であります。
「日本電産サンキョー(現 ニデックインスツルメンツ)」の総売上高は1,658億91百万円(前年度比165億17百万円増)となりました。これは、液晶ガラス基板搬送用ロボット、半導体ロボット及び電子光学部品の売上増加によるものであります。また、営業利益は180億円(前年度比54億1百万円増)となりました。これは、売上の増加によるものであります。
「日本電産テクノモータ(現 ニデックテクノモータ)」の総売上高は975億51百万円(前年度比86億57百万円増)となりました。これは、為替影響による増収であります。一方、営業利益は106億80百万円(前年度比8億72百万円減)となりました。これは、当期に構造改革費用を計上した結果であります。
「日本電産モビリティ(現 ニデックモビリティ)」の総売上高は1,201億68百万円(前年度比210億44百万円増)となりました。これは、為替影響による増収であります。また、営業利益は114億10百万円(前年度比11億28百万円増)となりました。これは、売上の増加によるものであります。
「日本電産シンポ(現 ニデックドライブテクノロジー)」の総売上高は1,643億52百万円(前年度比471億38百万円増)となりました。これは、脱プラスチック化の波をとらえた製缶プレス機の増収及び為替影響による増収に加え、工作機械事業への参入による売上増加によるものであります。また、営業利益は89億69百万円(前年度比92億77百万円減)となりました。
「日本電産リード(現 ニデックアドバンステクノロジー)」の総売上高は608億36百万円(前年同期比86億18百万円増)となりました。これは、半導体検査装置の売上増加によるものであります。また、営業利益は161億1百万円(前年同期比15億83百万円増)となりました。これは、売上の増加によるものであります。
「その他」の総売上高は2,184億47百万円(前年度比152億38百万円増)となりました。また、営業利益は273億58百万円(前年度比11億75百万円減)となりました。
製品グループ別の経営成績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
「精密小型モータ」製品グループの売上高は、為替の影響(前期比約634億円の増収)を含め、前期比0.1%増収の4,252億98百万円となりました。HDD用モータの売上高は、販売数量の減少を主因として、為替の影響(前期比約210億円の増収)を含め、前期比20.6%減収の784億62百万円となりました。その他小型モータの売上高は、為替の影響(前期比約424億円の増収)を含め、前期比6.4%増収の3,468億36百万円となりました。このような状況下、当期に構造改革費用を計上した結果、営業利益は、為替の影響(前期比約47億円の増益)を含め、前期比37.1%減益の266億74百万円となりました。
「車載」製品グループの売上高は、ロシアによるウクライナ侵攻の影響や顧客における半導体等電子部品の調達困難な状況が続く中、トラクションモータシステム(E-Axle)等の増収により、為替の影響(前期比約466億円の増収)を含め、前期比24.4%増収の5,196億54百万円となりました。このような状況下、当期に構造改革費用を計上した結果、営業損益は、為替の影響(前期比約29億円の増益)を含め、前期比529億66百万円減少の422億91百万円の損失となりました。
「家電・商業・産業用」製品グループの売上高は、ロシアによるウクライナ侵攻の影響が続く中、大型案件を数多く受注した発電機事業の増収等により、為替の影響(前期比約1,405億円の増収)を含め、前期比16.2%増収の9,139億86百万円となりました。このような状況下、当期に構造改革費用を計上した結果、営業利益は、為替の影響(前期比約156億円の増益)を含め、前期比9.4%減益の708億17百万円となりました。
「機器装置」製品グループの売上高は、5G向け需要が好調な半導体検査装置や脱プラスチック化の波をとらえた製缶プレス機の増収に加え、工作機械事業への参入により、為替の影響(前期比約158億円の増収)を含め、前期比31.6%増収の2,837億20百万円となりました。このような状況下、当期に構造改革費用を計上した結果、営業利益は、為替の影響(前期比約12億円の増益)を含め、前期比14.2%減益の353億86百万円となりました。
「電子・光学部品」製品グループの売上高は、為替の影響(前期比約47億円の増収)を含め、前期比19.1%増収の830億11百万円となりました。営業利益は、為替の影響(前期比約1億円の増益)を含め、前期比23.1%増益の135億82百万円となりました。
「その他」製品グループの売上高は、前期比16.2%増収の43億58百万円、営業利益は、前期比41.9%増益の4億74百万円となりました。
(3)財政状態の状況
NIDECの現金及び現金同等物は、当連結会計年度末は1,860億98百万円であり、前連結会計年度末は1,996億55百万円で135億57百万円減少致しました。この主な要因は、営業キャッシュ・フローが1,434億85百万円の収入となった一方で、有形固定資産の取得等による投資キャッシュ・フローが1,649億43百万円の支出と、財務キャッシュ・フローが192億38百万円の支出となったことによります。また、手元現金の有効活用のため、日本、中国及び米国等各地域内においてキャッシュマネジメントシステム(CMS)を活用したグループ間での余剰資金活用を継続しており、さらに各国を結ぶCMSを既に導入し、全世界ベースでCMS網を拡大させております。なお、当連結会計年度末時点において、現金及び現金同等物の約78%を日本以外の子会社で保有しております。
NIDECの資金の効率化を高めるため、海外子会社を含めたグループ間のノーショナルプーリングシステムを特定の金融機関と構築しており、特定の金融機関に対する預入総額を上限に参加会社は借入を行っております。そのため、現金及び現金同等物に含まれる銀行預金には、単一の会計単位として認識したノーショナルプーリングシステムにおける預入金及び借入金の純額が含まれております。
グループ会社間での送金には、一部の特定された状況下において制限事項があります。特定地域における送金制限は、資金の効率的なグループ内移動、特に海外子会社から当社への送金を妨害する場合がありますが、後述の継続的なキャッシュ・フロー、外部借入を通じて流動性の需要を満たすように努めております。なお、この制限によるNIDECの流動性や財政状態、経営成績への重大な影響はございません。
短期借入金は前年度比286億44百万円増加の1,592億79百万円となりました。この主な増加理由は、円建需要のための借入を行ったことによります。当連結会計年度末時点での短期借入金は主に、銀行からの円建の借入で構成されております。当連結会計年度末時点ではコマーシャル・ペーパーの残高はありません。
1年以内返済予定長期債務は前年度比834億36百万円減少の597億65百万円となりました。この主な要因は、主に1年内返済予定社債1,350億円の償還による減少によるものであります。当連結会計年度末時点での1年以内返済予定長期債務は主に、無担保社債で構成されております。
長期債務は前年度比1,644億31百万円増加の4,863億5百万円となりました。この主な要因は、社債発行による1,200億円の増加であります。当連結会計年度末時点での長期債務は主に、無担保社債及び銀行からの円建の借入で構成されております。
社債について、期末時点で連結財政状態計算書に含まれる額面総額は次のとおりです。
なお、ユーロ建無担保普通社債を除く上記社債は2019年3月に関東財務局長へ提出した2019年4月5日から2020年4月4日の期間に有効となる3,000億円の社債発行登録書及び2020年4月に関東財務局長へ提出した2020年4月9日から2021年4月8日期間に有効となる3,000億円の社債発行登録書及び2022年4月に関東財務局長へ提出した2022年4月9日から2024年4月8日の期間に有効となる6,000億円の社債発行登録書を基に発行しております。本発行登録は、資金調達手段の多様化による財務安定性の向上を企図し、金融機関からの間接金融による資金調達等と合わせて、NIDECの必要資金を機動的に調達できる体制を構築することを目的としております。NIDECの無担保資金調達の大部分は、当社が調達した後、それぞれのグループ会社の資本要件を満たすために貸与しております。NIDECは、資金調達コストの低減及び十分な信用枠を維持し、グループ会社全体の機動的な資金を確保致します。
NIDECは、将来のM&A、研究開発活動、設備投資のために追加融資を検討しています。また、今後もM&A、研究開発活動、及び設備投資を機動的に行う基盤構築のため、追加的な資金を得ることを検討しております。
有価証券報告書の提出日現在において、2023年1月25日から2024年1月24日の期間に5百万株及び350億円を上限とする自己株式取得が決議されております。当プログラムにおいて2023年1月25日から2023年3月31日の期間に約69億円で1,020,000株を取得しております。なお、2022年4月22日から2023年1月24日の期間に5百50万株及び500億円を上限とする自己株式取得が決議されております。当プログラムにおいて2022年4月22日から2023年3月31日の期間に約467億円で5,500,000株を取得しております。
NIDECは、これらの資金源と営業活動から得るキャッシュ・フロー及び未実行の与信枠は、将来の資金需要に十分対応するものであると考えております。
NIDECの資産合計は2兆8,627億49百万円で前年度比1,842億66百万円の増加となりました。この主な要因は、有形固定資産が713億56百万円、棚卸資産が645億87百万円、営業債権及びその他の債権が207億91百万円増加したことによります。
負債合計は1兆4,969億95百万円で前年度比1,352億10百万円の増加となりました。この主な要因は、有利子負債が1,096億39百万円増加したことによります。有利子負債の内訳は、短期借入金が286億44百万円増加の1,592億79百万円、1年以内返済予定長期債務が834億36百万円減少の597億65百万円、長期債務が1,644億31百万円増加の4,863億5百万円であります。
ワーキングキャピタル(流動資産-流動負債)は4,740億13百万円で前年度比1,201億39百万円の増加となりました。
売上債権(営業債権及びその他の債権)回転率(売上÷売上債権)は3.8で、前年度比0.4ポイントの増加となりました。また、棚卸資産回転率(売上原価÷棚卸資産)は3.5で、前年度比0.2ポイントの増加となりました。
親会社の所有者に帰属する持分合計は1兆3,465億65百万円で前年度比543億24百万円の増加となりました。この主な要因は、その他の資本の構成要素が1,029億18百万円、利益剰余金が25億97百万円増加したことによります。親会社所有者帰属持分比率は47.0%(前期末48.2%)となりました。
①資金需要の状況
NIDECの資金需要は、主に設備投資・研究開発費・材料購入のための支払・従業員への給料、賃金やその他人件費の支払・M&A・関係会社に対する投資・長期及び短期債務の返済・自己株式の取得があります。当連結会計年度末時点において、NIDECは営業債務及びその他の債務を4,939億80百万円、短期借入金を1,592億79百万円、1年以内返済予定長期債務を含む長期債務を5,460億70百万円保有しております。
当連結会計年度の設備投資による支払は1,378億14百万円であり、翌連結会計年度は1,000億円を計画しております。また、当連結会計年度末の固定資産購入契約残高は185億21百万円であります。
当連結会計年度の研究開発費は813億37百万円であり、翌連結会計年度は約880億円を計画しております。
当連結会計年度に、NIDECは下記の会社を買収完了しております。
NIDECは今後も子会社への追加投資と新たな買収の機会を模索し続けます。
②資金調達の状況
NIDECの必要資金については、営業活動によるキャッシュ・フローに加えて、良好な取引関係にある複数の金融機関からの借入や、6,000億円の国内社債発行登録枠及び1,000億円のコマーシャル・ペーパー発行枠に基づく社債の発行等により調達を行っており、資金調達手段の多様化を図っております。なお、グループ会社については原則として金融機関からの資金調達を行わず、統括会社のキャッシュマネジメントシステム等を利用したグループ内ファイナンスにより、資金調達の一元化と資金効率化を継続して推進しております。
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.2023年4月1日付で、日本電産サンキョーグループの中核をなす「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
3.2023年4月1日付で、日本電産テクノモータグループの中核をなす「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
4.2023年4月1日付で、日本電産モビリティグループの中核をなす「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
5.2023年4月1日付で、日本電産シンポグループの中核をなす「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
6.2023年4月1日付で、日本電産リードグループの中核をなす「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2. 「日本電産モビリティ」セグメントは見込生産を行っております。
3. 2023年4月1日付で、日本電産サンキョーグループの中核をなす「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
4. 2023年4月1日付で、日本電産テクノモータグループの中核をなす「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
5. 2023年4月1日付で、日本電産モビリティグループの中核をなす「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
6. 2023年4月1日付で、日本電産シンポグループの中核をなす「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
7. 2023年4月1日付で、日本電産リードグループの中核をなす「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.「日本電産シンポ」セグメントは製缶プレス機の大幅増収に加え、前第2四半期連結会計期間において三菱重工工作機械㈱(現 ニデックマシンツール㈱)、前第4四半期連結会計期間においてOKK㈱(現 ニデックオーケーケー㈱)の買収により、販売実績が著しく増加しております。
3.2023年4月1日付で、日本電産サンキョーグループの中核をなす「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
4.2023年4月1日付で、日本電産テクノモータグループの中核をなす「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
5.2023年4月1日付で、日本電産モビリティグループの中核をなす「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
6.2023年4月1日付で、日本電産シンポグループの中核をなす「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
7.2023年4月1日付で、日本電産リードグループの中核をなす「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
(1)相互技術供与契約
※1.当社は対価を一括して受領しております。
※2.当社が対価を年2回、継続して支払う契約です。
※3.当社が対価を一括して支払う契約です。
(2)合弁契約
(ニデックエナジーAS)
当社は2022年8月30日(日本時間)にノルウェーの半固体リチウムイオン電池メーカーであるFREYR BATTERY SA(以下、「FREYR」)と合弁契約を締結致しました。
1.目的
FREYRは、2018年に創業されたリチウムイオン電池メーカーで、2021年に米ニューヨーク証券取引所に上場、2024年から量産を計画しております。同社は品質、製造工程において革新的な半固体リチウムイオン電池製造技術を有していると共に、脱炭素先進国であるノルウェーで再生可能な水力発電のみを使用して環境負荷の小さい電池を製造致します。
当社のBESS(Battery Energy Storage System)ソリューションは送電事業者に向けてサービスを提供しており、再生可能エネルギーで発電した電力を蓄電し、安定的に供給することでカーボンニュートラル社会の実現に貢献しております。FREYRはStatkraft(欧州最大の再生可能エネルギー供給業者)より100%再生可能なエネルギーの供給を受ける電力調達契約を締結し、環境に配慮した半固体リチウムイオン電池(CO2フリー電池)の製造を行う計画であります。
本提携により、当社は競争力のあるクリーンな半固体リチウムイオン電池を安定的に供給することが可能となると共に、FREYRのバッテリーを使用した当社のBESSソリューションをお客様に供給することで、当社が送電事業者向けのBESS分野においてリーディングポジションを確立するだけでなく、電池製造工程からお客様による当社BESSソリューションの利用に至るまで一貫してCO2排出量の大幅な削減が可能となります。合弁契約を締結することでFREYRとの戦略的パートナーシップを強化、今後のBESSソリューション事業の更なる拡大を目指してまいります。
並行して、当社は必要なバッテリー量を確保し、今後数年間の成長を確固たるものにするために、主要なリチウムイオン電池サプライヤーとのパートナーシップの強化にも引き続き取り組んでおります。
2.合弁会社の概要
(注)2023年4月1日付で、「日本電産ヨーロッパ㈱」は「ニデックヨーロッパ㈱」に社名変更しております。
3.FREYR BATTERY SAの概要
(Nidec Aerospace LLC)
当社グループは、2023年6月15日の取締役会において、ブラジル航空機メーカーのEmbraer S.A.と電動垂直離着型航空機向けの電機駆動システムに関する合弁会社設立に向けた契約を締結することを決議致しました。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 42.重要な後発事象」に記載のとおりであります。
(3)株式譲渡契約
(PAMA S.p.A.)
当社は2022年11月28日(日本時間)開催の取締役会において、イタリアの工作機械メーカーであるPAMA S.p.A.及び同関連会社9社(以下、総称して「PAMA社」)の株式取得(以下、「本株式取得」)等を決議し、2022年11月30日付(日本時間)で本株式取得等に係る譲渡契約を締結致しました。
1.目的
当社は、2021年8月に三菱重工工作機械㈱(現 ニデックマシンツール㈱ 以下、「ニデックマシンツール」)を買収し、また昨年2月にOKK㈱(現 ニデックオーケーケー㈱ 以下、「ニデックオーケーケー」)の第三者割当増資の引き受けを実施し、工作機械事業に本格参入致しました。今般のPAMA社買収により、既存2社も含めたグループ内の工作機械メーカー間で、製品補完及び販売、開発・製造等におけるシナジー創出がより効率的に加速できるようになります。
PAMA社は、大形機、特に横中ぐり盤において、幅広い製品と高い技術力を有し、欧州を中心に中国、米国及びインドに強力な販売・サービス網を有する業界屈指の工作機械メーカーであります。
ニデックマシンツールとニデックオーケーケーの主要製品は、歯車機械、大形機およびマシニングセンタであり、複合加工や5軸加工技術の強化、大形機の中では、横中ぐり盤の更なる製品ラインアップの拡充が課題でありました。また、両社とも日本国内市場を中心とした販売をしており、欧米市場及び今後の成長が期待される中国市場等の海外での売上実績は国内大手工作機械メーカー各社と比して劣後しておりました。
本株式取得によって、PAMA社と当社グループ工作機械メーカー2社との経営資源の相互利用により
(1)販売における、広範な品揃えとクロスセルによるアジア市場と欧米市場での売上拡大
(2)製品開発における、3社の得意技術の組み合わせによる新たな製品やコンポーネントの開発
(3)製造における、欧州・米国・アジアのグローバルな生産最適化による納期とコストの改善
等、販売・開発・製造全ての面においてシナジーを追求することができます。
当社は、本株式取得を完了後、PAMA社への積極的な資源提供と必要な投資を進め、工作機械事業の成長を加速させると共に、グローバルベースでの工作機械市場の発展に貢献したいと考えております。
2.PAMA S.p.A.の概要
(㈱緑測器)
当社は、2023年3月15日(日本時間)開催の取締役会において、当社子会社である日本電産コパル電子㈱(現 ニデックコンポーネンツ㈱ 以下、「ニデックコンポーネンツ」)によるポテンショメータをはじめ電子部品の開発、製造、販売を事業とする㈱緑測器(以下、「緑測器」)の株式100%を取得(以下、「本株式取得」)することを決議し、2023年3月15日付(日本時間)で本株式取得等に係る譲渡契約を締結致しました。
1.目的
ニデックコンポーネンツは1967年に創業し、1998年に当社グループ入りしたスイッチ、半固定抵抗器、圧力センサ、ポテンショメータ、エンコーダ、小型精密モータ、ポリゴンミラー等の開発・製造・販売を主たる事業とする電子部品メーカーであります。現在はセンシング事業に注力し、事業ポートフォリオの転換や成長市場への積極的な取組を進めており、2023年3月期の連結売上高(417億円)、営業利益共に過去最高を更新するなど、当社グループ入り後、グループ力も活用しながら長年にわたり安定した成長を続けております。
緑測器とニデックコンポーネンツのポテンショメータ・エンコーダ製品ラインナップには重複がないため、相乗効果を出しやすい関係にあり、両社共に売上拡大を図ることが可能となります。また両社の開発リソースを結集することで新製品開発の相乗効果も期待できると考えております。
本株式取得により、緑測器のもつ技術の強みと、ニデックコンポーネンツのもつ生産・製造技術とグローバルな販売チャネルの強みを活用して相互シナジーを創出するだけでなく、緑測器への投資を適時適切に続け、ポジションセンシング(ポテンショメータ・エンコーダ)事業をニデックコンポーネンツグループのセンシング事業の新たな柱として共に築き、共に歩む所存であります。そして、グローバルでのセンサ需要の高まりの下、社会の成長の一翼を担うべく企業活動を展開してまいります。
2.㈱緑測器の概要
(4)株式交換契約
当社及びニデックオーケーケー㈱(以下、「ニデックオーケーケー」)は、2022年12月12日開催の両社の取締役会において、当社を株式交換完全親会社、ニデックオーケーケーを株式交換完全子会社とする株式交換(以下、「本件株式交換」)を行うことを決議し、同日株式交換契約を締結致しました。
1.目的
当社は、1973年の創業以来、「省エネ・長寿命・低騒音」という特性を持つブラシレスDCモータを中心に、事業を展開してきました。同時に、積極的なM&Aを実行し、「世界No.1の総合モーターメーカー」として、精密小型モータから超大型の産業システム向けのモータまで、モータラインナップを拡充すると共に、応用製品である機器装置や電子光学部品等へ製品領域を拡大し、情報通信機器、OA分野にとどまらず、家電製品、自動車、産業機器など幅広く事業を展開してまいりました。
一方、ニデックオーケーケーは、創業100年を超える老舗の機械メーカーとして、創業期の渦巻ポンプ、水道メーターの製造に始まり、繊維等時代に必要とされる事業を営み成長しており、近年ではあらゆる産業の基盤となる工作機械事業を中心に展開し、そのマザーマシンとしての汎用性を伴う基礎的加工能力の高さで、幅広い業種のお客様の信頼を得ております。
当社は、NIDECの既存事業である工作機械の分野でシナジーを発揮することを目的とし、昨年2月1日にニデックオーケーケーの第三者割当増資の引き受けをし、2022年12月12日時点でニデックオーケーケー株式を15,853,444株(2022年9月30日時点の発行済株式総数23,798,708株(自己株式を除く)に占める議決権数の割合にして66.61%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、保有割合の計算において同じです。))所有しておりました。
当社とニデックオーケーケーは、グループ企業となってからは、経営戦略を共有し、特に日本電産マシンツール㈱(現 ニデックマシンツール㈱ 以下、「ニデックマシンツール」)の工作機械事業との要素技術開発、製造、営業面等においてシナジーを発揮すべく、NIDECの総力を挙げた活動を展開しております。
しかしながら、経済のグローバル化が加速する状況において、厳しいグローバル競争に打ち勝ち飛躍的な事業成長を果たすためには、これまで以上に開発投資や人材投資を果敢に実行し、新製品・新市場・新技術への取組みを一段と加速していくことが重要となっております。このような状況において、当社とニデックオーケーケーが共に上場会社として独立した事業運営を行っている状態では、両社の共同事業運営、経営資源の相互活用に関して、ニデックオーケーケーの少数株主の利益を考慮した慎重な検討を要する等、NIDEC全体として最適な意思決定を迅速かつ柔軟に行うことが十分にできない点があり、グローバルベースでのさらなる事業展開や新規事業開発、技術開発をスピーディに実行するための課題となっておりました。このような認識のもと、本件株式交換の実行によりニデックオーケーケーを当社の完全子会社とすることは、より迅速な意思決定や経営リソースの有効活用の実現に寄与し、当社及びニデックオーケーケー両社にとって企業価値向上の観点から最適な選択であると考えるに至りました。
2.株式交換の効力発生日
2023年3月1日
3.株式交換の方法
当社を株式交換完全親会社、ニデックオーケーケーを株式交換完全子会社とする株式交換となります。本件株式交換は、当社については会社法第796条第2項の規定に基づく簡易株式交換の手続により株主総会の承認を得ずに、ニデックオーケーケーについては2023年2月15日開催の臨時株主総会において承認を受けた上で、2023年3月1日を効力発生日として実施致しました。
4.株式交換の比率
ニデックオーケーケーの株式1株に対して、当社の株式0.128株を割当て交付致しました。ただし、当社が保有するニデックオーケーケー株式については、本件株式交換による株式の割当ては行っておりません。
5.株式交換比率の算定根拠
本件株式交換における株式交換比率の公正性・妥当性を確保するため、当社は㈱KPMG FAS(以下、「KPMG」)を、ニデックオーケーケーは㈱AGSコンサルティング(以下、「AGSコンサルティング」)を株式交換比率の第三者算定機関として選定致しました。
KPMGは、当社については、当社が東京証券取引所プライム市場に上場しており市場株価が存在していることから、市場株価法を用いて算定を行いました。ニデックオーケーケーについては、同社が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており市場株価が存在していることから市場株価法を、また、将来の事業活動の状況を算定に反映するためディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法を用いて算定を行いました。
AGSコンサルティングは、当社については、当社が東京証券取引所プライム市場に上場しており市場株価が存在していることから、市場株価法を用いて算定を行いました。また、ニデックオーケーケーについては、同社が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており市場株価が存在していることから市場株価法を、また、将来の事業活動の状況を評価に反映させるため、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法を用いて算定を行いました。
これらの算定結果を参考として両社で真摯に交渉・協議を行い、本件株式交換比率を決定しております。
6.株式交換完全子会社となる会社の概要
7.株式交換完全親会社となる会社の概要
当社は研究開発活動の長期的主眼を「社会の脱炭素化に寄与する駆動技術の高効率化」と「省資源を促進するモータの小型・軽量化」に置くと共に、基幹部品同士の最適な擦り合わせを通じた機能(モジュール)単位の付加価値創出を追求しております。急変する社会ニーズと当社の持続的成長を確実にリンクさせる研究・開発組織間の技術融合が体制面の重要テーマであります。
注目している市場トレンドは「クルマの電動化」、「ロボット活用の広がり」、「家電製品のブラシレスDC化」、「農業・物流の省人化」、「5G通信に起因する次世代技術の普及」であります。いずれも二酸化炭素排出量の削減や交通事故の低減、高齢化への対処といった世界的課題を背景に生まれた新たなニーズであり、当社の技術的蓄積が活かせる有望市場として経営資源を集中的に投下していく計画であります。2020年に入り世界的脅威へと発展した新型コロナウイルスの感染拡大はこうした市場の志向性を決定づける分水嶺となり、市場構造の変化をもたらしております。省人化・自動化の急速な進展は自動車や無人搬送用ロボット、ドローン等に使用される駆動技術の要求水準を厳格化させ、テレワークの普及拡大と定着を背景とするデータ通信量の増大は、サーバ用途のHDD用モータや冷却モジュールの需要を押し上げると同時にデジタル家電等の多様化を促す要因になります。加えて、5G通信の普及がインフラ面から新技術の実効性を担保します。
また、昨今の地政学リスクやサプライチェーンの混乱を背景に原材料価格が高騰していることから、主要原材料の入手可能性に関わる中長期的リスクの軽減を念頭に置いた製品設計の抜本的見直しを図っております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は81,337百万円であります。また、無形資産に計上された内部開発費は、9,812百万円であります。
なお、各事業本部内に設置している開発部門のほか、各セグメントに帰属しない「全社(共通)」として、中央モーター基礎技術研究所(注1)、台湾モーター基礎技術研究所において将来の会社事業に必要なモータ全般の要素技術研究を行っており、グローバル技術開発戦略の中核となる電子回路技術、熱、騒音/振動技術、制御等の要素技術研究の一層の高度化を推進しております。また、生産技術研究所(注2)においては、ロボットやIoTを利用したスマートファクトリーの実現、新素材や新システムの開発、検査技術革新、データ解析、シミュレーション等、既存の製造方法の枠にとらわれない生産技術の進化に主軸を置く研究開発を行っております。これらの研究所ではそれぞれの開発部門と多様化する国内外グループ会社間の技術シナジーを推進し、成長を促進させてまいります。
当連結会計年度に係る研究開発費は5,284百万円であります。
セグメント別の研究開発活動の状況及び研究開発費の金額は次のとおりであります。
当セグメントにおいては、精密小型DCモータ及びファンモータ等、精密小型モータ全般にわたる基礎及び応用研究、新製品の研究開発及び各拠点の技術的支援研究を行っております。主な研究開発の内容は次のとおりであります。
ファンモータについては、従来HDD用モータに採用してきたFDB技術をファンモータへ応用した新モデルの開発を行っております。更に、サーバー水冷モジュール、空調ヒートポンプ等の熱ソリューション技術や、小型EV用、電動バイク用、電動自転車用モータ等といったモビリティソリューション分野の開発も行っております。
当連結会計年度に係る研究開発費は15,653百万円であります。
当セグメントにおいては、脱炭素社会の実現に貢献する電気自動車(EV)向けの駆動用をはじめとする各種車載用モータ等に関する新製品及び新機種量産化、製品の品質向上を目的とした研究開発を行っております。主な研究開発の内容は次のとおりであります。
車載用モータについては、中国や欧州の顧客を中心とした電気自動車(EV)向けの駆動用モータの開発を強化しております。原材料の使用量を大幅に低減し、小型・軽量化を実現した第2世代EV向け駆動用モータを市場投入すると同時に、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が脱炭素社会の実現に向けて創立したグリーンイノベーション基金事業として、磁石フリーの次世代EV向け駆動用モータの開発も進めております。その他にも、小型・高性能の次世代パワーステアリング用モータ、パワーステアリング以外のアプリケーション(シート・ブレーキ・サンルーフ等)用のモータ及び付帯する電子制御ユニットの開発、デュアル・クラッチ・トランスミッションや油圧・電動システムに使用されるブラシレスモータ等の開発を行っております。また最近では、電気自動車(EV)向けの駆動用モータや車載用モータを、センサー・制御装置と組み合わせたパッケージ開発を行っております。
当連結会計年度に係る研究開発費は25,244百万円であります。
(3)MOEN
当セグメントにおける主な研究開発対象は以下のとおりであります。
・電力貯蔵装置
‐BESS(電力貯蔵システム)
‐電気自動車充電スタンド
‐再生可能エネルギー用電力品質ソリューション
・産業用オートメーション
‐自動倉庫システム用モバイルロボット
‐ロボットアーム
・産業用・データセンター用発電機
‐産業/商業/住宅/建設用発電機
‐通信基地局用発電機
・建機・商用車電動化装置
‐大型トラクションモータ
‐マテリアルハンドリング、高所作業者用モータ・ギア・制御装置
・駆動装置
‐マイクロドライブ(コマンダーS)
‐ポンプ用及びHVAC用ドライブ
‐インフラ用高出力ドライブ
・エレベーター
‐MRL(マシーンルームレス・エレベーター)用スリム巻上機、貨物エレベーター用ギアレス巻上機
‐制御機器及び周辺機器
‐巻上機及び制御機器のパッケージソリューション
・電気自動車関連部品
‐EVトラクションモータ
・その他、新市場向け開発製品
‐電動トレーラー/冷蔵ユニット駆動用モータ
‐高高度(亜成層圏)対応プラットフォームシステム
‐電動垂直離陸・着陸機体用モータ
脱炭素社会の実現を目指す世界的潮流は産業界の電動化・省エネ化を急速に促し、とりわけエネルギー効率の高い産業用機器の必要性が高まっております。同時に、労働人口の不足を反映した生産自動化システムの需要も拡大しております。
こうした市場環境を背景に、現在、電力の効率的利用を可能にするバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)や、データセンター用発電機、自動倉庫用モバイルロボット、産業車両駆動用モータ等の研究開発に重点を置いております。特に脱炭素化に資する製品の開発は急速に重要度を増しており、その筆頭と言えるBESS開発の主眼は安価な電力の安定供給並びに産業設備が排出する温室効果ガスの低減にあり、再生可能エネルギーの発電、蓄電、送配電までを統合するソリューションを開発しております。2022年8月にはノルウェーの半固体リチウムイオン電池メーカーである FREYR BATTERY SA と合弁契約を締結し、蓄電池技術の強化を図っております。また、産業車両駆動用モータの開発においては建機・農機等大型車両のハイブリッド化・電動化への寄与を主軸に据えると同時に、地政学上・人権上の問題に関与しがちなレアアースを使わないSRモータ(Switched Reluctance Motor)をエンコーダ等の制御部品と組み合わせるモジュール化を進めております。
当連結会計年度に係る研究開発費は5,085百万円であります。
(4)ACIM
当セグメントにおいては、主に住宅/商業・家電・産業用モータの研究開発を行っております。主な研究開発対象は以下のとおりであります。
・住宅/商業用:空調設備や商業冷蔵機器に使用されるモータ、その他
・家電用:洗濯機、乾燥機、食洗機、コンプレッサーに使用されるモータ、及び冷蔵庫コンプレッサー
・産業用:IE3(プレミアム効率)・IE4・IE5対応モータ、及び上下水道・灌漑施設・ガス採掘に使用される各種ポンプ用モータ
同事業では特にスーパープレミアムクラス(IE4・IE5)の高効率モータの研究開発に焦点を置いており、モータによる電力消費量の低減を通じて産業設備の省エネルギー化に寄与しております。
当連結会計年度に係る研究開発費は7,062百万円であります。
(5)日本電産サンキョー(注3)
当セグメントにおいては、メカのカラクリ技術と事業多角化の中で構築されたモータ技術、サーボ技術を融合させた「カラクリ・トロニクス」製品として、ステッピングモータ、スマートフォン・ゲーム関連、モータ駆動ユニット商品群、システム機器関連の開発を行っております。
ステッピングモータについては、車載用への展開において、小型化・高性能化・コストパフォーマンスの改善に向けた開発を行っております。また、当社独自のスマートフォン用光学手ブレ補正機能(TiltAC)、並びにゲーム機器やAR/VR用途で使われる触覚デバイスの開発を進めております。モータ駆動ユニット商品群については、車の電動化に伴う熱冷却需要を充たす車載サーマルマネージメント商材や、産業機器市場への参入を目指し、小型高出力モータ、センサー、サーボ制御、制御ソフトウエアをメカニカルユニットに融合させる商品群への展開を進めております。システム機器関連事業においては、各種カードメディアに対する周辺機器のセキュリティ強化、液晶・有機EL ディスプレイ関連、半導体ロボット分野、真空装置内搬送への積極的な展開を行っております。
当連結会計年度に係る研究開発費は4,063百万円であります。
(6)日本電産テクノモータ(注4)
当セグメントにおいては、空調・家電用モータの開発を福井及び中国、産業用モータの開発を福岡で行っております。
空調・家電用モータについては、グローバル視点での新製品開発及びバリューエンジニアリング(VE)開発について取り組みを強化しております。特に中国を中心とした省エネ規制の引き上げによるDCモータの需要拡大や、主要素材となる銅線・鋼材・樹脂材の高騰という背景により、モータ構造を一新した軽薄短小モータの新製品を業界に先立ち投入する事で事業拡大を加速しております。
当連結会計年度に係る研究開発費は1,224百万円であります。
当セグメントにおいては、電子制御並びにモータ制御技術を軸に自動車のボディ制御事業とパワーエレクトロニクス事業を展開しており、日本・米国・カナダ・ブラジル・中国・韓国の6か国で、開発または設計機能を有しております。
ボディ制御事業では、ボディコントロールモジュール、パワーウィンドウスイッチを含むドア周辺制御ユニット、二輪車用スマートシステムなどを主に、パワーエレクトロニクス事業では、電動パワーステアリング、電動車向けDC/DCコンバータ、車載充電器などを主に開発しております。また、最近ではNIDECグループシナジーを発揮し、車載用モータを組みあわせた電動ウォーターポンプ、電動オイルポンプ、電気自動車向けトラクションユニットの構成要素の1つであるインバータなどの技術開発とパワーパック化による商品開発も進めております。
当連結会計年度に係る研究開発費は7,289百万円であります。
(8)日本電産シンポ(注6)
当セグメントにおいては、機械、電気一体の技術を用いた減速機関連製品の開発を日本、中国及びドイツで行っており、また、プレス機関連製品については、小型高速精密プレス機から超大型サーボプレス機、更には周辺機器である高速送り装置まで幅広い製品ラインナップの開発を日本、米国及びスペインにて行っております。
減速機関連製品としては、精密制御用減速機であるFLEXWAVE や各種物流の無人化、省人化や工場のFA化に貢献するAGV用のモータドライバ、S-CARTの開発を行っており、特にFLEXWAVEについては日本のみならずアジア・欧米の市場をターゲットとして、ロボット・半導体装置等の産業機器、民生機器への搭載を目的とした製品開発に注力しております。プレス機関連製品としては、EVプレスラインの中国・韓国・欧米の電気自動車駆動用モータコア等の市場に向け、コイル材供給装置の研究等を行っております。
当連結会計年度に係る研究開発費は2,012百万円であります。
当セグメントにおいては、半導体パッケージ基板やプリント回路基板上に配線された電子回路の良否を判定するための検査装置の開発を行っております。
電子機器、自動車等に使用される電子デバイスの機能や性能、搭載数量は増加、多様化しており、様々な基板を正確に高速に検査できる新型検査装置の開発を行っているほか、それら検査装置に搭載する検査治具の生産効率改善、納期短縮を目的として工程自動化のための研究開発を進めております。
また、拡大するEV市場をターゲットとして、トラクション(駆動用)モーターの性能試験、耐久試験を行う装置の開発、IGBTモジュールの各特性検査を常温・高温環境下において自動で行うための装置の開発も行っております。
当連結会計年度に係る研究開発費は2,531百万円であります。
(10)その他
当セグメントにおいては、車載用製品、機器装置、電子部品及びその他小型モータ等の研究開発活動を行っております。
当連結会計年度に係る研究開発費は5,888百万円であります。
(注)1.2023年4月1日付で、「中央モーター基礎技術研究所」は「ニデック新川崎テクノロジーセンター」に事業所名を変更しております。
2.2023年4月1日付で、「生産技術研究所」は「ニデックけいはんなテクノロジーセンター」に事業所名を変更しております。
3.2023年4月1日付で、日本電産サンキョーグループの中核をなす「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
4.2023年4月1日付で、日本電産テクノモータグループの中核をなす「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
5.2023年4月1日付で、日本電産モビリティグループの中核をなす「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
6.2023年4月1日付で、日本電産シンポグループの中核をなす「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
7.2023年4月1日付で、日本電産リードグループの中核をなす「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
当連結会計年度中の設備投資の総額は137,814百万円となりました。主なものは、京都府向日市新拠点の建設等、国内の研究開発強化及び海外子会社の生産能力増強のための投資であります。
セグメント別の設備投資額は、以下のとおりであります。
(注)1.2023年4月1日付で、日本電産サンキョーグループの中核をなす「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
2.2023年4月1日付で、日本電産テクノモータグループの中核をなす「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
3.2023年4月1日付で、日本電産モビリティグループの中核をなす「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
4.2023年4月1日付で、日本電産シンポグループの中核をなす「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
5.2023年4月1日付で、日本電産リードグループの中核をなす「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
NIDECにおける主要な設備は次のとおりであります。
(注)1.帳簿価額は、日本の会計基準に基づく個別財務諸表の帳簿価額を記載しております。
2.従業員数の( )は、年間平均臨時従業員数を外書きしております。
3.2023年4月1日付で、「中央モーター基礎技術研究所」は「ニデック新川崎テクノロジーセンター」に事業所名を変更しております。
4.2023年4月1日付で、「生産技術研究所」は「ニデックけいはんなテクノロジーセンター」に事業所名を変更しております。
(注)1.帳簿価額は、日本の会計基準に基づく個別財務諸表の帳簿価額を記載しております。
2.従業員数の( )は、年間平均臨時従業員数を外書きしております。
3.土地の[ ]は、借地面積(単位千㎡)を外書きしております。
4.2023年4月1日付で、日本電産サンキョーグループの中核をなす「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
5.2022年7月1日付で、「OKK㈱」は「ニデックオーケーケー㈱」に社名変更しております。
6.2023年4月1日付で、日本電産シンポグループの中核をなす「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
7.2023年4月1日付で、「日本電産コパル㈱」は「ニデックプレシジョン㈱」に社名変更しております。
8.2023年4月1日付で、日本電産モビリティグループの中核をなす「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
(3)在外子会社
(注)1.帳簿価額は、IFRSに基づく金額を記載しております。
2.従業員数の( )は、年間平均臨時従業員数を外書きしております。
3.土地の[ ]は、借地面積(単位千㎡)を外書きしております。
4.2023年3月1日付で、「日本電産自動車モータ(浙江)有限公司」は「ニデック自動車モータ(浙江)有限公司」に社名変更しております。
5.2023年3月2日付で、「日本電産東測(浙江)有限公司」は「ニデックパワートレインシステムズ(浙江)有限公司」に社名変更しております。
6.2022年11月29日付で、「日本電産(大連)有限公司」は「ニデックモータ(大連)有限公司」に社名変更しております。
7.2023年4月1日付で、「日本電産グローバル・アプライアンス・コンプレッサー・ブラジル社」は「ニデックグローバル・アプライアンス・ブラジル社」に社名変更しております。
8.2023年4月1日付で、「ポーランド日本電産モーターズアンドアクチュエーターズ㈲」は「ニデックモーターズアンドアクチュエーターズポーランド㈲」に社名変更しております。
NIDECの設備投資については、景気予測、業界動向、投資効率等を総合的に勘案して策定しております。設備計画は原則的に連結会社各社が個別に策定しております。
なお、当連結会計年度末現在における重要な設備の新設、除却計画は次のとおりであります。
(2)重要な設備の除却等
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(3)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(注)株式分割(1:2)によるものであります。
(注)1.自己株式21,059,236株は、「個人その他」に210,592単元を、「単元未満株式の状況」に36株を含めて記載しております。なお自己株式には、2023年3月1日を効力発生日とするニデックオーケーケー㈱との株式交換により生じた端数株式の合計3,531株が含まれております。
2.上記「その他の法人」及び「単元未満株式の状況」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が、それぞれ
712単元及び72株含まれております。
2023年3月31日現在
(注)1.所有株式数は、千株未満を切り捨てて表示しております。
2.日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)及び㈱日本カストディ銀行(信託口)の信託業務に係る株式数は、当社として把握することができないため記載しておりません。
3.㈱三菱UFJフィナンシャル・グループから2018年4月16日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2018年4月9日現在でそれぞれ次のとおり株式を保有している旨の報告を受けておりますが、当社として議決権行使基準日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況は、株主名簿の記載内容に基づいて記載しております。
なお、当該大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりであります。当社は2020年4月1日付で普通株式を1株につき2株の割合で分割しておりますが、所有株式数については、当該株式分割前の所有株式数を記載しております。
4.三井住友信託銀行㈱から2022年1月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2021年12月31日現在でそれぞれ次のとおり株式を保有している旨の報告を受けておりますが、当社として議決権行使基準日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況は、株主名簿の記載内容に基づいて記載しております。
なお、当該大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりであります。
5.ベイリー・ギフォード・アンド・カンパニーから2022年11月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2022年11月15日現在でそれぞれ次のとおり株式を保有している旨の報告を受けておりますが、当社として議決権行使基準日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況は、株主名簿の記載内容に基づいて記載しております。
なお、当該大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりであります。
6.キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニーから2020年4月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2020年3月31日現在でそれぞれ次のとおり株式を保有している旨の報告を受けておりますが、当社として議決権行使基準日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況は、株主名簿の記載内容に基づいて記載しております。
なお、当該大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりであります。
7.野村證券㈱から2022年10月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、2022年9月30日現在でそれぞれ次のとおり株式を保有している旨の報告を受けておりますが、当社として議決権行使基準日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況は、株主名簿の記載内容に基づいて記載しております。
なお、当該大量保有報告書の内容は次のとおりであります。
8.ブラックロック・ジャパン㈱から2023年3月3日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、2023年2月28日現在でそれぞれ次のとおり株式を保有している旨の報告を受けておりますが、当社として議決権行使基準日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況は、株主名簿の記載内容に基づいて記載しております。
なお、当該大量保有報告書の内容は次のとおりであります。
(注)1.「完全議決権株式(その他)」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が71,200株、日本電産シンポ㈱名義(2003年10月1日付で当社と株式交換をした際の失念株分)の株式が400株含まれております。
また、「議決権の数」欄には、同機構名義の完全議決権株式に係る議決権の数712個、日本電産シンポ㈱名義(2003年10月1日付で当社と株式交換をした際の失念株分)の議決権の数4個が含まれております。なお、当該日本電産シンポ㈱名義の株式400株(議決権の数4個)については、同社は実質的には株式を所有しておりません。2023年4月1日付で、「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
2.「単元未満株式」の欄の普通株式には、当社の自己保有株式36株が含まれております。なお当該自己株式には、2023年3月1日を効力発生日とするニデックオーケーケー㈱との株式交換により生じた端数株式の31株が含まれております。
3.「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式315,200株(議決権の数3,152個)及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式156,700株(議決権の数1,567個)が含まれております。
(注) 上記自己株式には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式は含まれておりませんが、2023年3月1日を効力発生日とするニデックオーケーケー㈱との株式交換により生じた端数株式の3,500株が含まれております。
①当社グループの取締役等に対する業績連動型株式報酬制度
当社グループは2018年度より、当社の社外取締役を除く取締役、執行役員及び同等の地位を有する者、及び各グループ会社の社外取締役を除く取締役及び執行役員を対象として、業績連動型株式報酬制度(以下、「本制度」)を導入し、2020年度に当社が監査等委員会設置会社へ移行したことに伴い、当社の監査等委員でない取締役(社外取締役を除く)、執行役員及び同等の地位を有する者(以下、併せて「対象取締役等」)を対象としておりましたが、2021年6月22日開催の第48期定時株主総会において、本制度の内容の一部を変更いたしました。
1)制度の概要
本制度は、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下、「BIP信託」)の仕組みを採用致します。BIP信託は、欧米の業績連動型株式報酬(Performance Share)制度及び譲渡制限付株式報酬(Restricted Stock)制度と同様に、役位及び業績目標達成度等に応じて対象取締役等に当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭を交付及び給付する、役員向けの株式報酬制度です。
2)信託契約の内容
信託の種類 特定単独運用の金銭信託以外の金銭の信託(他益信託)
信託の目的 対象取締役等に対するインセンティブの付与
委託者 当社
受託者 三菱UFJ信託銀行株式会社
(共同受託者 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)
受益者 対象取締役等のうち受益者要件を満たす者
信託管理人 当社グループ会社と利害関係のない第三者(公認会計士)
信託延長契約日 2021年7月26日
信託の期間 2018年7月26日~2024年8月末日(予定)
制度開始日 2018年7月26日
議決権行使 行使しないものとします。
取得株式の種類 当社普通株式
追加信託金の金額 25.3億円
株式の取得時期 2021年8月5日
株式の取得方法 当社自己株式の第三者割当により取得
帰属権利者 当社
残余財産 帰属権利者である当社が受領できる残余財産は、信託金から株式取得資金を控除した信託費用
準備金等の範囲内とします。
(注)上記において予定されている時期については、適用法令等に照らして適切な時期に変更されることがあります。
3)BIP信託から受益者に交付する予定の株式の総数又は総額
約30万株(3年分・グループ会社分を含む)
②国内外の当社グループ幹部に対する業績連動型株式付与制度
当社は、2018年4月24日開催の取締役会において、国内外の当社グループ幹部(以下、「グループ幹部」)を対象とする業績連動型株式付与制度(以下、「本制度」)の導入を決議しておりますが、2021年7月21日の取締役会において、本制度の内容の一部を変更いたしました。
1)制度の概要
本制度は、株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託(以下、「ESOP信託」)の仕組みを採用致します。ESOP信託は、米国のESOP制度を参考にした従業員インセンティブ・プランであり、役職及び業績目標達成度等に応じてグループ幹部に当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭を交付及び給付する、株式付与制度です。
2)信託契約の内容
信託の種類 特定単独運用の金銭信託以外の金銭の信託(他益信託)
信託の目的 グループ幹部に対するインセンティブの付与
委託者 当社
受託者 三菱UFJ信託銀行株式会社
(共同受託者 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)
受益者 グループ幹部のうち受益者要件を満たす者
信託管理人 当社グループと利害関係のない第三者(公認会計士)
信託延長契約日 2021年7月26日
信託の期間 2018年7月26日~2024年8月末日(予定)
制度開始日 2018年7月26日
議決権行使 行使しないものとします。
取得株式の種類 当社普通株式
追加信託金の金額 15.8億円
株式の取得時期 2021年8月5日
株式の取得方法 当社自己株式の第三者割当により取得
帰属権利者 当社
残余財産 帰属権利者である当社が受領できる残余財産は、信託金から株式取得資金を控除した信託費用
準備金等の範囲内とします。
(注)上記において予定されている時期については、適用法令等に照らして適切な時期に変更されることがあります。
3)ESOP信託から受益者に交付する予定の株式の総数又は総額
約16万株(3年分・グループ会社分含む)
該当事項はありません。
(注)1.当期間における取得自己株式には、2023年6月1日から有価証券報告書提出日までの自己株式の取得による株式数は含まれておりません。
2.2022年4月21日の取締役会決議に基づき2022年9月に取得した自己株式1,715百万円及び、2023年1月24 日の取締役会決議に基づき2023年2月15日から2023年3月20日までに取得した自己株式6,883百万円につきましては、会社法及び会社計算規則に基づき算定される分配可能額を超えて取得がなされていたことが判明しました。取得した自己株式は、連結持分変動計算書及び株主資本等変動計算書の自己株式の取得及び2023年3月31日の残高に含まれています。
(注)当期間における取得自己株式には、2023年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含まれておりません。
(注)当期間における保有自己株式数には、2023年6月1日から有価証券報告書提出日までの取締役会決議に基づく自己株式の取得による株式数及び単元未満株式の買取りによる株式数は含まれておりません。
当社の配当政策は、安定配当を維持しながら連結純利益額の状況に応じて配当額の向上に取り組むと同時に、企業体質の一層の強化と積極的な事業展開の促進に備えて内部留保を充実することとしております。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。これらの剰余金の配当の決定機関は、取締役会であります。
当期の配当は、別記のとおりの業績に鑑み、株主・投資家の皆様のご支援に応えるため、中間配当35円に加え、期末配当35円の実施を決定致しました。この結果、当期の連結ベースの配当性向は108.9%となりました。
内部留保資金については、経営体質の一層の強化と事業拡大投資に活用し収益向上に取り組んでまいります。
当社は、会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨、及び会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる旨を定款に定めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は次のとおりであります。
※当社は、2022年10月24日開催の取締役会において、一株当たり35 円の配当(以下、「本件中間配当」)を行うことを決議し実施しましたが、今般、2023年3月期の分配可能額の精査を行う過程において、本件中間配当は、結果として会社法および会社計算規則により算定した分配可能額を超過していたことが判明しました。
また、その後の調査において、2022年9月1日以降2023年3月31日までに信託契約に基づき信託銀行が実施した当社株式の取得についても分配可能額を超過していたことが判明しました。このような事態を受け、当社において、社外の弁護士による外部調査を実施し、2023年6月16日に外部調査委員会の調査結果を受領いたしました。詳細については、当社ホームページに掲載しております調査報告書を参照ください。当社は、外部調査委員会の提言を踏まえた再発防止策を講じ、さらなるコーポレート・ガバナンスの向上に取り組んでまいります。2023年3月期末の配当決定額につきましては、2023年3月期の分配可能額の範囲内であることを確認しております。
本件による上記配当政策への影響はありません。
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
NIDECは「高成長、高収益、高株価」をモットーに、「社是」及び「経営三原則」のもと、経営及び経営体制の強化に努めることを基本方針としております。
②企業統治の体制
1)企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社の主な機関としましては、会社法に規定する取締役会、監査等委員会及び会計監査人のほか、執行機関として経営会議とManagement Committeeを設置しております。また、取締役会の諮問機関として指名委員会、報酬委員会を設置しております。
取締役会は、経営に関わる重要な事項についての意思決定、業務執行の監督に関して、2023年3月31日現在、代表取締役会長である永守重信氏を含み、過半数を独立社外取締役で構成する取締役10名で行っております。監査等委員会は、監査等委員である取締役5名で取締役の職務執行の監査を行うと共に会計監査人から監査報告を受けております。取締役と監査等委員である取締役は、当社と特別な利害関係が無く独立性の高い社外取締役を招聘することにより、経営に対する監査・監督機能を強化しております。監査等委員でない社外取締役は3名選任しており、豊かな経験と高い見識に基づき、客観的・中立的な立場から経営に関わる重要な事項について意思決定を行うと共に業務執行の監督を行っております。また、監査等委員である社外取締役は3名選任しており、豊かな経験と高い見識に基づき、客観的・中立的な立場から経営を監査・監視しております。
経営会議は代表取締役会長である永守重信氏を含む取締役、役員で月1回開催され、月次決算の総括や管理部門、関係会社、事業本部等の重要事案を全社横断的に審議する会議により業務執行状況を把握すると共に、今後の業務執行についての判断を行っております。Management Committeeは代表取締役社長執行役員(最高執行責任者)である小部博志氏を含む社内取締役、役員で代表取締役会長の諮問機関として月2回開催されております。代表取締役社長が議長を務め、全般的な業務執行方針や計画の審議及び個別重要案件の審議を行っております。
指名委員会は、委員の過半数を独立社外取締役にて構成し、社内取締役2名、独立社外取締役3名の5名で構成しております。指名委員会では、取締役及び執行役員等の選任に係る基本方針や基準、候補者案の決定等について、取締役会の諮問に応じて審議を行い、その結果を取締役会に対して答申しております。報酬委員会は、委員の過半数を独立社外取締役にて構成し、社内取締役2名、独立社外取締役3名の5名で構成しております。報酬委員会では、役員報酬に係る基本方針や報酬体系等について、取締役会の諮問に応じて審議を行い、その結果を取締役会に対して答申しております。指名委員会及び報酬委員会は、独立社外取締役の適切な関与・助言を得ることで、公正性・透明性・客観性を担保し、グローバルでの競争力強化と事業の持続的な成長・発展につなげるべく、当社のコーポレート・ガバナンス体制のより一層の充実を図っております。
更に経営の効率性を高めるため、執行役員制と事業本部制を採用しております。執行役員制により、企業の経営・監督に法的な責任を負う取締役と業務執行を担当する執行役員との役割分担を明確にし、取締役会の役割を全社的な経営判断に集中させ議論を活発化すると共に、取締役から執行役員への権限委譲による意思決定の迅速化を図っております。また、事業本部制により経営責任の所在を明確にし、実効的な内部統制体制の維持・強化を図っております。
2)企業統治に関するその他の事項
当社は、会社法及び会社法施行規則に基づき、当社及び当社子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制として、以下のような体制を構築しております。
ⅰ)当社及び当社子会社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
法令・諸規則、社内規則・基準、社会倫理規範等を遵守することにより社会の信頼を獲得すると同時に役職員の倫理意識を高め、企業の誠実さを確立すべく以下の体制を確保しております。
・当社は、当社グループ全体のコンプライアンスに関する基本的な考え方並びに組織及び運営方法等を定め、法令等に基づく適正な業務執行とそのプロセスの継続的な検証と改善を通じてコンプライアンス体制の確立と意識の徹底を図ることを目的として「ニデックグループコンプライアンス規程」を定めております。
・取締役会の下にコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンスに関する基本方針を策定し、当社グループのコンプライアンス状況を監視しております。
・具体的な行動指針として、「ニデックグループコンプライアンス行動規範」を作成し、当社グループの全ての役職員に周知徹底しております。
・コンプライアンス推進活動の一環として、「ニデックコンプライアンス・ハンドブック」を作成・活用するなどして、コンプライアンス研修を当社グループ各社に実施し、当社グループ各社の役職員のコンプライアンス意識の向上に努めております。
・コンプライアンス徹底のために当社グループ全社を対象とする内部通報制度(Nidec Global Compliance Hotline)を設置し、法令・社内規則違反に関する社員からの報告や問題提起を奨励すると共に、通報者の保護を図っております。
・このような活動を推進するため、当社に設置した法務コンプライアンス部とNIDECグループの各地域(米州・中国・欧州・東南アジア)に置いた地域コンプライアンスオフィサーが連携して、当社グループ各社のコンプライアンスを確保する体制(グローバル・コンプライアンス体制)を構築しております。
・コンプライアンス違反に関しては、法務コンプライアンス部または内部通報窓口への報告・通報等に基づき調査・解決し再発防止を図っております。コンプライアンス違反事案のうち、処分が必要なものは、懲戒委員会、取締役会の審議を経て処分を決定しております。
・当社は、本社各部門からグループ全体の内部統制システム構築の指導・支援を実施すると共に、適法・適正で効率的な事業運営を管理・監査しております。
・当社及び当社子会社の内部監査部門は、当社グループ各社の内部監査を実施し、業務の改善策の指導及び支援助言を行っております。
ⅱ)取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役及び執行役員の職務の執行に係る文書については、「文書規程」により保存年限を定めて整理・保存するものとし、監査等委員は常時閲覧可能であります。
ⅲ)当社及び当社子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
・当社は、当社グループ全体のリスク管理体制確立のため「リスク管理規程」を制定し、リスク管理委員会とリスク管理室を設置しております。リスク管理委員会は取締役会の下に設置し年度方針を策定し、その下に当社リスク主管部署の部門長及び当社グループ各社がリスクの管理・対応・報告の徹底を図るための年度計画を作成・実行しております。リスク管理室はこれを支援し経過報告を集約する一方、経営管理監査部がこのリスク管理体制の整備状況を適宜監査しております。
・日常のリスク管理に関して定めた「リスク管理規程」とは別に、リスクが顕在化し現実の危機対応が必要となった際に備え、当社グループ全体の危機管理について記載した「危機管理規程」を定めております。
・当社は、当社グループ全体の情報セキュリティリスクの管理のため、情報セキュリティに関する基本的な考え方並びに管理体制及び運営方法等を定め、企業活動を行う上で重要な経営資産である当社グループの情報資産を適切に保護すると共に、その適正な使用を行うことを目的として「情報セキュリティ基本規程」を定めております。
・当社は、取締役会の下に情報セキュリティ委員会を設置し、情報セキュリティに関する基本方針を策定し、情報セキュリティ諸施策の遂行状況を監督、指導しております。
・当社に設置する情報セキュリティ管理部門は諸施策実施の支援並びに情報セキュリティに関する事故または問題発生時における対応を行う一方、経営管理監査部は情報セキュリティ監査の実施、指導及び支援を適宜行っております。
ⅳ)当社及び当社子会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
・当社では、「取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制」の基礎として、執行役員制度を採用し、業務執行権限を執行役員に委譲しております。取締役会は、当社の経営方針及び経営戦略等に係る重要事項を決定し、執行役員の選任・解任と業務執行の監督を行っております。
・当社グループでは、具体的な数値目標・定性目標として設定された長期ビジョンを実現するための中期経営計画を策定し、年度事業計画の基礎としております。策定にあたり、中期達成目標としての実行可能性、長期ビジョンとの整合性、及び達成のために克服すべき課題やリスクを含め検討し決定しております。なお、マーケット状況の変化・進捗状況の如何により定期的に見直しローリングを行っております。
・当社及び当社グループ各社では、業務処理の判断及び決定の権限関係を明確にして経営効率と透明性の向上を図るため、稟議事項及び稟議手続きについて「稟議規程」を定めております。
・当社及び当社グループ各社では、重要な情報については、毎日のリスク会議で迅速に報告・共有し、リスク会議の議事録は毎日各部門長に配信され日々の業務に活用します。また必要に応じて、Management Committee、経営会議の場でも幅広く討議・共有しております。
ⅴ)当社子会社の取締役の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する事項
・当社の取締役及び執行役員は、当社グループ会社の取締役及び執行役員を兼務してグループ各社の経営会議に出席し、四半期ごとにグループCEO会議を開催する等、グループ内での方針・情報の共有化と指示・要請の伝達を効率的に実施しております。
・当社グループ各社の業務を所管する管理部署は、当社グループ各社との連携強化を図ると共に、経営内容を的確に把握するため、必要に応じて報告を求め、書類等の提出を求めております。
ⅵ)監査等委員会の職務を補助すべき使用人に関する事項並びに当該使用人の他の取締役(監査等委員である取締役を除く)からの独立性及び監査等委員会の当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
・監査等委員会の要請に従い経営管理監査部は監査等委員会が求めた事項の監査を実施し、その結果を監査等委員会に報告しております。
・当該監査においては監査等委員の指揮命令の下にその職務を補助しております。その報告に対して他の取締役(監査等委員である取締役を除く)及び執行役員は一切不当な制約をしておりません。
ⅶ)当社グループの取締役及び使用人並びに子会社監査役またはこれらの者から報告を受けた者が当社監査等委員会に報告をするための体制及び通報者保護の体制
・当社取締役及び執行役員または使用人は、当社監査等委員会に対して法定の事項に加え、全社的に重大な影響を及ぼす事項、内部監査の実施状況、内部通報制度による通報状況及びその内容を速やかに報告しております。報告の方法については、他の取締役(監査等委員である取締役を除く)及び執行役員と監査等委員会との協議により決定する方法によっております。
・当社経営管理監査部は、定期的に当社監査等委員会に対する報告会を実施し、当社グループにおける内部監査の結果を報告しております。
・当社法務コンプライアンス部は、当社グループの役職員からの内部通報の状況について、定期的に当社監査等委員会に対して報告しております。
・当社グループでは、グループ全社を対象とする内部通報制度(Nidec Global Compliance Hotline)において通報者が報告をしたことを理由として不利益を被らないよう通報者保護を図っております。
ⅷ)監査等委員の職務の執行(監査等委員会の職務の執行に関するものに限る)について生ずる費用の前払または償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用または債務の処理に係る方針に関する事項
当社監査等委員会は、監査等委員会規程及び監査等委員会監査等基準に従い、監査費用の予算等の監査等委員がその職務を執行する上で必要と認めた事項について、独立して決議する権限を有し、緊急または臨時に支出した費用については、事後、会社に償還を請求しております。
ⅸ)その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
・監査等委員は経営陣と意見交換を実施します。
・監査等委員は毎月の活動を監査報告書にまとめ、取締役会に報告します。
・監査等委員は各社の現場にも足を運び入れ、業務監査等を実施します。
3)取締役会の活動状況
当社は取締役会を原則として毎月1回開催し、必要に応じて随時開催することとしております。当事業年度においては取締役会を26回開催しており、個々の取締役の出席状況については次のとおりであります。
(注)1.開催回数が異なるのは、就任時期の違いによるものであります。
2.2022年6月17日開催の定時株主総会における取締役及び取締役(監査等委員)の異動は次のとおりであります。
(1)取締役に小部博志氏、佐藤慎一氏及び小松弥生氏、取締役(監査等委員)に赤松玉女氏が新たに選任され、就任しております。
(2)酒井貴子氏は、取締役(監査等委員)を退任、新たに監査等委員でない取締役に選任され就任したことから、同氏の出席回数は取締役(監査等委員)として出席した回数を含んでおります。
(3)佐藤禎一氏及び清水治氏は取締役を退任致しました。
3.当事業年度中に退任した取締役及び取締役(監査等委員)は、次のとおりであります。
(1)関潤氏は、2022年9月2日付で取締役を辞任致しました。
(2)中根猛氏は2022年10月12日に逝去され、同日付で取締役(監査等委員)を退任致しました。これを受け、補欠の取締役(監査等委員)である渡邊純子氏が同年10月13日付で取締役(監査等委員)に就任しております。
4.豊島ひろ江氏は、2023年6月20日開催の定時株主総会で新たに選任された取締役(監査等委員)であるため、当事業年度における出席状況は記載しておりません。
取締役会における具体的な検討内容は以下のとおりであります。
取締役会では、法令で定められた事項及び会社経営・グループ経営に関する重要事項等、取締役会規程に定めた事項を決定すると共に、取締役及び執行役員から職務執行状況の報告を受けること等により、取締役及び執行役員の職務執行を監督しております。
4)指名委員会の活動状況
当事業年度において当社は指名委員会を3回開催しており、個々の指名委員の出席状況については次のとおりであります。
指名委員会における具体的な検討内容は以下のとおりであります。
指名委員会では、取締役及び執行役員等の選任方針・選任基準や継承プラン及びサクセッションプランの考え方、副社長の候補者案、社長選定方法等を審議しております。
5)報酬委員会の活動状況
当事業年度において当社は報酬委員会を1回開催しており、個々の報酬委員の出席状況については次のとおりであります。
(注)1.開催回数が異なるのは、就任時期の違いによるものであります。
2.関潤氏、中根猛氏、佐藤禎一氏及び清水治氏につきましては、退任までの状況を記載しております。
報酬委員会における具体的な検討内容は以下のとおりであります。
報酬委員会では、役員の報酬に係る報酬決定方針の策定、報酬制度の設計(業績目標の設定、業績連動報酬の合理性、報酬構成の妥当性、報酬制度に基づく個別報酬額)等を審議しております。
6)責任限定契約の内容の概要
当社は社外取締役及び社外取締役(監査等委員)との間では損害賠償責任を限定する契約を締結しており、その内容の概要は次のとおりであります。
・社外取締役及び社外取締役(監査等委員)が任務を怠ったことによって当社に損害賠償責任を負う場合、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度としてその責任を負う。
・上記の責任限定が認められるのは、社外取締役及び社外取締役(監査等委員)が責任の原因となった職務の遂行について善意かつ重大な過失がないときに限るものとする。
7)役員等賠償責任保険契約の内容の概要
ⅰ)被保険者の範囲
当社及び当社の全ての子会社の取締役、監査役、執行役員、会計参与、管理監督者の地位にある従業員
(既に退任及び保険期間中当該役職に就くものを含む)、及びこれらの相続人。
ⅱ)保険契約内容の概要
被保険者がⅰの立場での業務につき行った行為(不作為を含む)に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金や争訟費用等を補償するもの。但し、贈収賄などの犯罪行為や意図的に違法行為を行った役員自身の損害等は補償対象外とすることにより、役員等の職務の執行の適正が損なわれないように措置を講じている。保険料は全額会社が負担する。
③取締役に関する事項
1)取締役の定数
当社の監査等委員でない取締役は15名以内、監査等委員である取締役は5名以内とする旨定款に定めております。
2)取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行い、監査等委員である取締役と監査等委員でない取締役とを区別して行う旨定款に定めております。また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨定款に定めております。更に、法令に定める監査等委員である取締役の員数を欠くことになる場合に備え、株主総会において補欠の監査等委員である取締役を選任することができ、補欠の監査等委員である取締役の選任に係る決議が効力を有する期間は、当該決議後2年以内に終了する最終の事業年度に関する定時株主総会の開始の時までとする旨定款に定めております。
④株主総会決議に関する事項
・当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号並びに会社法第454条第5項に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定める旨定款に定めております。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
・当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
①役員一覧
男性5名 女性5名 (役員のうち女性の比率50.0%)
※1.所有株式数は、千株未満を切り捨てて表示しております。
2.取締役 佐藤慎一氏、小松弥生氏、酒井貴子氏、山田文氏、渡邊純子氏、豊島ひろ江氏は、社外取締役であります。
3.当社は、法令に定める監査等委員である取締役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定める補欠の監査等委員である取締役1名を選任しております。補欠の監査等委員である取締役の略歴は次のとおりであります。
(注)補欠の監査等委員の任期は、就任した時から退任した監査等委員の任期の満了の時までであります。
4.2023年6月20日開催の定時株主総会の終結の時から1年間
5.2022年6月17日開催の定時株主総会の終結の時から2年間
6.2023年6月20日開催の定時株主総会の終結の時から2年間
7.補欠の監査等委員である取締役 滝口広子氏の戸籍上の氏名は玉泉広子であります。
8.2023年4月1日付で、「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
9.2023年4月1日付で、「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
10.2023年4月1日付で、「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
11.2023年4月1日付で、「日本電産グローバルサービス㈱」は「ニデックグローバルサービス㈱」に社名変更しております。
12.2023年4月1日付で、「日本電産マシナリー㈱」は「ニデックマシナリー㈱」に社名変更しております。
13.2023年4月1日付で、「日本電産マシンツール㈱」は「ニデックマシンツール㈱」に社名変更しております。
14.2023年4月1日付で、「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
15.2023年4月1日付で、「日本電産コパル電子㈱」は「ニデックコンポーネンツ㈱」に社名変更しております。
16.2023年4月1日付で、「日本電産コパル㈱」は「ニデックプレシジョン㈱」に社名変更しております。
17.2023年4月1日付で、「日本電産サーボ㈱」は「ニデックアドバンスドモータ㈱」に社名変更しております。
18.2023年4月1日付で、「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
19.2023年4月1日付で、「日本電産トーソク㈱」は「ニデックパワートレインシステムズ㈱」に社名変更しております。
20.2023年4月1日付で、「日本電産エレシス㈱」は「ニデックエレシス㈱」に社名変更しております。
②社外取締役及び監査等委員である社外取締役
取締役10名のうち社外取締役は6名(うち監査等委員である社外取締役は3名)であります。
社外取締役は、経営や法律の分野における専門的知識や経験に基づき、客観的・中立的な立場から経営に関わる重要な事項について意思決定を行うとともに業務執行の監督を行っております。
社外取締役は、当社との人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係がなく、一般株主との利益相反を生じるおそれのない、独立性の高い人材とするために、東京証券取引所の独立役員の独立性に関する判断基準を参考に選任しており、社外取締役6名は独立役員として東京証券取引所に届け出ております。
2023年6月20日開催の株主総会終結後の社外取締役6名につき、当社と社外取締役本人及びその所属する法人団体等との関係は次のとおりです。
社外取締役の佐藤慎一氏は、財務省にて事務次官等の要職の経歴を有し、他事業会社の顧問等を現任しております。現在及び過去において、当社と社外取締役本人及びその所属する法人団体等との間には特別の利害関係はありません。
社外取締役の小松弥生氏は、文部科学省にて研究振興局長等の要職の経歴を有し、独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館館長等を現任しております。現在及び過去において、当社と社外取締役本人及びその所属する法人団体等との間には特別の利害関係はありません。
社外取締役の酒井貴子氏は、大阪公立大学大学院法学研究科の教授等を現任しております。現在及び過去において、当社と社外取締役本人及びその所属する法人団体等との間には特別の利害関係はありません。
社外取締役(監査等委員)の山田文氏及び渡邊純子氏は、それぞれ京都大学大学院法学研究科教授、京都大学大学院経済学研究科教授等を現任しております。当社は教育及び研究活動のため、京都大学大学院工学研究科寄付講座へ寄付しておりますが、その額は2018年度45百万円(同大学における寄付収入総額 5,163百万円)、2019年度39百万円(同 5,352百万円)、2020年度39百万円(同 5,766百万円)、2021年度39百万円(同 5,416百万円)、昨年度2022年度49百万円となっております。この2022年度の寄付には、125周年記念事業への寄付を含んでおります。いずれの年度も当社の寄付額は同大学寄付収入総額と比較して僅少と考えております。また、当社と同大学大学院工学研究科との間には共同研究に関する契約があり、昨年度2022年度において同大学に対して18百万円の研究費を支払っております。いずれも両氏の所属する学部と寄付先・支払先の学部が異なること及び両氏が大学を代表する立場にないことから直接の利害関係はなく、両氏の独立性に問題はないと考えております。その他についても現在及び過去において、当社と社外取締役本人及びその所属する法人団体等との間には特別の利害関係はありません。
社外取締役(監査等委員)の豊島ひろ江氏は、中本総合法律事務所パートナー等を現任しております。現在及び過去において、当社と社外取締役本人及びその所属する法人団体等との間には特別の利害関係はありません。
なお、各社外取締役の経歴及び所有する当社株式の数は、「①役員一覧」に記載しております。
以上のとおり、当社と特別な利害関係が無く独立性の高い社外取締役を招聘することにより、経営に対する監督機能を強化し経営の透明性・客観性を高めております。
①監査等委員会監査の状況
1)監査等委員会監査の組織、人員及び手続
監査等委員会は5名(うち3名は監査等委員である社外取締役)で構成され、監査等委員会が定めた監査の方針及び実施計画に従って取締役の職務執行の監査を行い、監査報告書を作成しております。監査等委員会の議長を務める村上和也氏は、財務省で要職としての経歴があり、財務及び会計に関する相当程度の知見を有するものであります。落合裕之氏は、経済産業省等で要職としての経歴があり、豊富な経験と高い知見を有するものであります。山田文氏は、大学教授として法律分野における高い知見を有するものであります。渡邉純子氏は、大学教授として経済学における高度な学識・専門知識を有するものであります。豊島ひろ江氏は、弁護士として企業法務・コンプライアンス・M&A等の分野における豊富な経験・専門知識を有する者であります。監査等委員山田文氏、渡邊純子氏及び豊島ひろ江氏は、会社法第2条第15号及び第331条第6項に規定する社外取締役であります。監査等委員である社外取締役は、経営や法律の分野における専門的知識や経験に基づき、客観的・中立的な立場から経営を監査・監視しております。なお、監査等委員である社外取締役は、当社との人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係がなく、一般株主との利益相反を生じるおそれのない、独立性の高い人材とするために、東京証券取引所の独立役員の独立性に関する判断基準を参考に選任しており、経営に対する監査・監視機能を強化し経営の透明性・客観性を高めております。また、監査等委員である社外取締役3名は、独立役員として東京証券取引所に届け出ております。
(注)1.社外取締役(監査等委員)であった中根猛氏は2022年10月12日に逝去され、同日付で取締役(監査等委員)を退任しました。これを受け、補欠社外取締役(監査等委員)である渡邊純子氏が同年10月13日付で社外取締役(監査等委員)に就任致しました。
2.豊島ひろ江氏は、2023年6月20日開催の定時株主総会において社外取締役(監査等委員)に選任され就任致しました。
3.社外取締役(監査等委員)であった赤松玉女氏は、2023年6月20日付で取締役(監査等委員)を辞任致しました。
2)監査等委員及び監査等委員会の活動状況
監査等委員会は、原則として毎月1回開催し、必要に応じて随時開催することとしております。当事業年度である2022年度においては監査等委員会を合計14回開催しており、個々の監査等委員の出席状況については次のとおりであります。
(注)1.開催回数が異なるのは、就任時期の違いによるものであります。
2.酒井貴子氏は、2022年6月17日開催の定時株主総会終結の時をもって監査等委員を退任、新たに監査等委員でない社外取締役に選任され就任しております。
3.渡邊純子氏は、中根猛氏の退任により、2022年10月13日付で新たに社外取締役(監査等委員)に就任しております。
4.豊島ひろ江氏は、2023年6月20日開催の定時株主総会で新たに選任された監査等委員であるため、当事業年度における出席状況は記載しておりません。
監査等委員会の活動の概要は以下のとおりであります。
監査等委員会における具体的な検討内容は以下のとおりであります。
当社監査等委員は、社外取締役と取締役会の議案の確認を行うと共に、監査等委員全員が取締役会に出席し、取締役会において十分な議論に基づく意思決定がなされていることのモニタリングを実施しております。
監査等委員会は、代表取締役社長執行役員等の執行役員から直接ヒアリングを実施しております。常勤監査等委員は、経営会議等の重要な会議に出席するほか、リスク会議等の議事録並びに重要な稟議書類等を閲覧しております。また、当社及び当社子会社の取締役・執行役員及び主要な使用人に対するヒアリング及び実地監査を行うなどの方法により、業務執行の状況等を監査し、その結果を監査等委員会に報告すると共に、事業リスクに関する重要な問題等を必要に応じて取締役会へ報告しております。
また、監査等委員会は、当社経営管理監査部及び当社会計監査人と情報共有及び意見交換をすると共に、常勤監査等委員は、内部監査部門である経営管理監査部との間で毎月監査情報の交換を行っているほか、経営管理監査部から監査等委員会に対しても定期的並びに必要に応じて報告を求めております。
監査等委員会は会計監査人との間で、四半期ごとの会合に加え、必要に応じ会合を行っており、監査及びレビュー結果、監査体制、監査計画、監査実施状況等について情報・意見交換を行っております。会計監査人との連携については以下のとおりであります。
会計監査人との連携(2022年‐2023年)
このうち、当期のKAMとして認識された「AMECセグメントに帰属するのれんの評価」、「開発資産の評価」(いずれも連結財務諸表)及び「市場価格のない関係会社株式及び関係会社出資金の評価」(単体財務諸表)並びにその他の重要事項については、執行部門及び会計監査人より詳細な説明を受け質疑を行いました。
また、監査等委員会は、従前から会計監査人の監査の方法及び結果の相当性の判断を行ううえで、会計監査人の独立性が確保されているかについての確認を行って参りましたが、特に、2023年1月以降は、当社及び当社の子会社が会計監査人またはそのネットワーク・ファームから非保証業務の提供を受ける場合には、かかる業務提供に合意する前に、まず会計監査人が独立性に問題がないことの判断を行った上で、個別に監査等委員会による了解を行うとの手続きを実施しています。
これらのほか、監査等委員会は、監査等委員でない取締役等の選任及び報酬等について、取締役会の諮問機関である指名委員会並びに報酬委員会での議論の確認を含めて検討を行い、監査等委員会としての意見を決定しております。
②内部監査の状況
1)内部監査の組織、人員及び手続
当社では、代表取締役社長直属の経営管理監査部の人員27名が監査計画に基づいて内部監査を実施し、当社及び当社グループ各社に対して業務の改善策の指導及び支援・助言を行っております。また、内部統制等に関して識別した問題点については、必要に応じて経営者、リスク会議等へ報告・説明し、関係部署への改善の徹底を図っております。
2)内部監査、監査等委員会監査及び会計監査の相互連携
当社経営管理監査部は、当社監査等委員会に対し、定期的に当社グループにおける内部監査の結果を報告しております。また、当社監査等委員会との間で、必要に応じて意見交換、情報共有を行い、監査等委員会の要請に従い実地監査を行っております。更に、会計監査人より監査結果の報告を受け、意見交換、改善事項等の提言を受けております。
3)内部監査の実効性を確保するための取組
上記1)及び2)で述べた通り、当社の内部監査部門である経営管理監査部は、代表取締役社長直属の組織として、体制面・運営面で独立性を確保すると共に、監査結果等について、代表取締役社長のみならず、監査等委員会に対しても直接報告を行うことにより、内部監査の信頼性・実効性を確保しております。
③会計監査の状況
1)監査法人の名称
会計監査について、当社はPwC京都監査法人と監査契約を締結し、会社法監査及び金融商品取引法監査を受けております。PwC京都監査法人は、独立の第三者としての立場から財務諸表監査を実施し、当社は監査結果の報告を受け、意見交換、改善事項等の提言を受けております。
2)継続監査期間
38年
(注)上記記載の期間は、調査が著しく困難であったため、当社が株式上場した時期を踏まえて調査した結果について記載したものであり、継続監査期間はこの期間を超える可能性があります。
3)監査業務を執行した公認会計士
4)監査業務に係る補助者の構成
公認会計士 9名、日本公認会計士協会準会員 6名、その他 21名
5)監査法人を選定した理由及び評価
監査等委員会にて当社の財務・経理関係部門及び内部監査関係部門並びに会計監査人から情報を収集した上で、監査に関する品質管理基準に基づき監査体制が整備されていること、また会計監査人の監査の対応等を相当と認め、現任会計監査人を再任することが適当であると判断しました。
6)監査等委員会が行った提出会社の監査法人の評価内容
監査等委員会は、監査法人の品質管理の状況、監査チームの独立性・専門性、監査報酬の妥当性、監査等委員・経営者とのコミュニケーション状況、グループ監査の体制等をふまえ、再任の要否を検討しています。また、監査等委員会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号のいずれかに該当し、解任が相当と認められる場合には、監査等委員全員の同意により会計監査人を解任します。会計監査人に適正な監査の遂行に支障をきたす事由が生じたと認められる場合等には、監査等委員会は、株主総会に提出する会計監査人の解任または不再任の議案の内容を決定します。以上を踏まえ、当事業年度の会計監査人の職務執行に問題はないと評価し、再任を決議しております。
④監査報酬の内容等
1)監査公認会計士等に対する報酬
(前連結会計年度)
非監査業務に基づく報酬は、該当事項はありません。
(当連結会計年度)
当社は監査法人に対して、公認会計士法第2条第1項の業務以外の業務(非監査業務)である「コンフォートレター作成業務」を委託し、その対価を支払っております。
2)監査公認会計士等と同一のネットワーク(プライスウォーターハウスクーパース・インターナショナル・リミテッドのメンバーファーム)に対する報酬
(前連結会計年度)
当社及び連結子会社における非監査報酬の内容は、コンフォートレター作成業務、税務関連業務等であります。
(当連結会計年度)
連結子会社における非監査報酬の内容は、税務関連業務等であります。
3)監査報酬の決定方針
監査報酬の決定方針については、監査計画の妥当性等を検証した上で決定しております。
4)監査等委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査等委員会は、監査計画、監査の実施状況、当事業年度の監査計画に係る監査時間・配員計画から見積もられた報酬額の算出根拠等について、監査業務と報酬との対応関係が詳細かつ明瞭であることから合理的なものであると認め、会社法第399条第1項に基づき、同意しております。
①役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項及び決定プロセス
1)決定の方針及び決定プロセス
ア)基本方針
当社の役員報酬は、グローバルな競争力の強化と事業の持続的な成長を目的とし、以下の方針に基づき決定するものとしております。
・企業価値向上へのモチベーションを高めるものであること
・優秀な経営人材確保に資するものであること
・当社の企業規模と事業領域において適正な水準であること
イ)報酬構成の概要
<社外取締役(監査等委員である取締役を除く)>
社外取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬は、その独立性を確保するため固定報酬のみとし、月例で支給しております。
<取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く)>
取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く)の報酬は、①職位に応じた固定報酬、②前年度の業績達成度等の評価に基づく変動報酬(賞与)、③3事業年度の業績達成度等に基づく業績連動型株式報酬であります。
②変動報酬(賞与)は、毎年度の連結売上高・連結営業利益の計画達成度及び役員の業績等を考慮した上で決定し、変動報酬の中間値(固定報酬の50%)に対して0(不支給)から2倍までの範囲で変動します。
③業績連動型株式報酬は、対象期間を連続する3事業年度とし、職位及び毎年度の連結売上高・連結営業利益の計画達成度に応じて0%から200%の範囲で変動するポイントを付与し、対象期間経過後に、付与されたポイントの累積値に基づいて算出される数の当社株式の交付及び当社株式の換価処分金相当額の金銭の給付を行っております(1ポイント=1株)。
取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く)の①固定報酬、②変動報酬(賞与)、③業績連動型株式報酬の割合は、概ね「3:1.5:1」であります。
ウ)報酬の決定プロセス
取締役(監査等委員である取締役を除く)の個人別の固定報酬及び変動報酬の額については、本方針に定める基準に従って、任意の諮問機関である報酬委員会の答申を踏まえ、取締役会が決定しております。また、業績連動型株式報酬の内容についても、同様に報酬委員会の答申を踏まえ、取締役会が決定しております。
エ)報酬の没収等(クローバック・マルス)
固定報酬及び変動報酬については、会社に重大な損害を与えた場合は、対象者の同意を得て減額することがあります。
また、業績連動型株式報酬については、受益権確定日以降、株式交付対象者が職務や社内規程への重大な違反等の非違行為があった場合、会社は、その者に対して賠償を求めることができます。
2)2021年度より開始する業績連動型株式報酬の内容
当社グループは2018年度より、当社の社外取締役を除く取締役、執行役員及び同等の地位を有する者、及び各グループ会社の社外取締役を除く取締役及び執行役員を対象として、業績連動型株式報酬制度(以下「本制度」)を導入し、2020年度に当社が監査等委員会設置会社へ移行したことに伴い、当社の監査等委員でない取締役(社外取締役を除く)、執行役員及び同等の地位を有する者(以下、併せて「対象取締役等」)を対象としておりましたが、2021年6月22日開催の第48期定時株主総会において、本制度の内容の一部を変更しております(当該株主総会決議後に本制度の対象となる取締役の員数は2名であります)。本制度内容変更後も、当社グループの中長期的な企業価値拡大に向けて業績計画達成等の意欲を高めることを本制度の目的とする点は変わっておりませんが、年度計画で掲げる連結売上高及び連結営業利益の計画達成度に応じて報酬が変動する仕組みとしております。具体的には、下記の方法に基づき、連続する3事業年度(2022年3月で終了する事業年度から2024年3月で終了する事業年度までの3事業年度とし、信託期間の延長が行われた場合には以降の3事業年度を対象とします。以下「対象期間」)に関して対象取締役等に付与するポイント数(株式数)を算定の上、確定します。原則として累積したポイント数に相当する株式数が対象期間終了後の7月に対象取締役等に交付されます。なお、原則として、当該ポイントに対応する株式の50%(単元未満株数は切り捨て)については株式を交付し、残りについては納税資金確保の観点から売却の上、金銭で支給します。
なお、当社は同様の株式交付制度を当社の幹部社員の一部にも導入しております。
<業績連動型株式報酬にかかる指標>
ア)基準ポイントの業績連動に使用する指標及び評価ウェイト
※近年の世界情勢を踏まえ、為替影響を含めることの合理性について2022年5月に開催した報酬委員会にて審議を行った結果、為替影響なしとすべきとなりましたため、上記FY21実績を修正しております。
イ)指標の選択の理由
上記指標は当社の中期経営計画でも掲げている指標であり、当社の中長期的な企業価値向上に繋がる指標であると考えているため選択しております。
ウ)当該報酬の額の決定方法
当社は対象取締役等に対して、対象取締役等の役位に応じた基準ポイントに対して上記指標の計画達成度に応じて0%~200%の業績連動係数を乗じることにより、業績連動ポイントを算出し、当該ポイントを毎年付与、累積加算します。原則として累積したポイント数に相当する株式数が対象期間終了後の7月に対象取締役等に交付されます。ただし、対象期間中に非居住者になる場合や死亡した場合、任期満了により退任した場合等はこの限りではありません。
3)制度改定前(2018年度~2020年度を対象とした期間)に付与したポイントの取り扱い
当社グループは2018年より本制度を導入しておりますが、2018年度~2020年度を対象期間とした本制度については2018年6月20日開催の第45期定時株主総会(当該株主総会決議後に本制度の対象となる取締役の員数は7名)及び2020年6月17日開催の第47期定時株主総会(当該株主総会決議後に本制度の対象となる取締役の員数2名)での決議を踏まえ、当社グループ一体となって中期経営計画「Vision 2020」の実現及び中長期的な企業価値拡大に向けて業績計画達成等の意欲を高めることを本制度の目的として、中期経営計画で掲げる連結売上高及び連結営業利益の計画達成度に応じて対象取締役等の報酬が変動する仕組みとしておりました。具体的には、下記の方法に基づき、当社の掲げる中期経営計画の対象となる事業年度(中期経営計画「Vision 2020」の残存期間である2019年3月で終了する事業年度から2021年3月で終了する事業年度までの3事業年度)に関して対象取締役等に付与するポイント数(株式数)を算定の上、確定するものとし、原則として累積したポイント数に相当する株式数が対象取締役等の退任時に交付されるものとしておりました。
当該制度改定前に付与されたポイントについては、当初より対象取締役等の退任時に当該ポイント数に相当する株式を交付することを予定しておりましたため、本制度改定後も当該ポイント分については退任時に交付する取り扱いを変更しないものとしております。なお、原則として、当該ポイントに対応する株式の50%(単元未満株数は切り捨て)については株式を交付し、残りについては納税資金確保の観点から売却の上、金銭で支給します。
i)支給対象役員
対象取締役等には、法人税法第34条第1項に定める「業務執行役員」を含んでおります。
ii)支給対象役員に対する総支給水準
対象期間(3事業年度)あたりに支給対象役員に付与する株式数(当社株式1株あたり1ポイント)の合計の上限は、次のとおりであります。なお、支給対象役員に付与する株式数の個別の上限は、iii)以降に定める算定式によって計算しております。
なお、2020年4月1日を効力発生日として行われた株式分割により当社株式2株当たり1ポイントになることから、当初の対象期間については、当社株式2株当たり1ポイントとして算定することを予定しております。
(注)1.当社は、2020年4月1日付で株式分割を行っており、当該株式分割前の上限株数を記載しております。
2.日本電産モビリティ㈱は、当社グループとなった2019年11月より本制度を導入することを2020年6月の定時株主総会にて決議しており、対象期間分の上限株数を記載しております。
3.日本電産セイミツ㈱は、日本電産コパル㈱へ事業譲渡を2019年5月31日までに完了しております。そのため、日本電産コパル㈱の上限株数に日本電産セイミツ㈱の上限株数を合算して記載しております。
4.2023年4月1日付で、「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
5.2023年4月1日付で、「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
6.2023年4月1日付で、「日本電産エレシス㈱」は「ニデックエレシス㈱」に社名変更しております。
7.2023年4月1日付で、「日本電産トーソク㈱」は「ニデックパワートレインシステムズ㈱」に社名変更しております。
8.2023年4月1日付で、「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
9.2023年4月1日付で、「日本電産コパル電子㈱」は「ニデックコンポーネンツ㈱」に社名変更しております。
10.2023年4月1日付で、「日本電産コパル㈱」は「ニデックプレシジョン㈱」に社名変更しております。
11.2023年4月1日付で、「日本電産サーボ㈱」は「ニデックアドバンスドモータ㈱」に社名変更しております。
12.2023年4月1日付で、「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
13.2023年4月1日付で、「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
14.2023年4月1日付で、「日本電産マシナリー㈱」は「ニデックマシナリー㈱」に社名変更しております。
15.2023年4月1日付で、「日本電産グローバルサービス㈱」は「ニデックグローバルサービス㈱」に社名変更しております。
iii)算定方法及び個別支給水準
対象取締役等の個別のポイント数は以下の算定式によって個別に決定します。
算定式
■1事業年度あたりに付与する基準ポイント数は、以下の算定式で決定する。
・短期業績ポイント=会社・職位別株式報酬金額(※1)÷基準株価(※2)×60%
・中期業績ポイント=会社・職位別株式報酬金額(※1)÷基準株価(※2)×40%
※小数点以下切り捨て
■対象期間(3事業年度)のポイント数の累積値は以下の総和とする。
<短期業績ポイント>
・1事業年度目の短期業績ポイント×短期業績連動係数(※3)
・2事業年度目の短期業績ポイント×短期業績連動係数(※3)
・3事業年度目の短期業績ポイント×短期業績連動係数(※3)
<中期業績ポイント>
・(1事業年度目の中期業績ポイント+2事業年度目の中期業績ポイント+3事業年度目の中期業績ポイント)×中期業績連動係数(※4)
(※1)会社・職位別株式報酬金額
■ニデック㈱
■グループ会社
(注)1.ポイントの適用にあたっては、毎年3月31日時点の職位に基づきます。
2.次年度以降に取締役に就任する者がいる場合、上表が適用されます。
3.対象会社に出向の上、当該対象会社の業務執行役員に就任する者は、出向元である会社の職位に基づく株式報酬金額がある場合は、その金額が適用されます。
4.2023年4月1日付で、「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
5.2023年4月1日付で、「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
6.2023年4月1日付で、「日本電産エレシス㈱」は「ニデックエレシス㈱」に社名変更しております。
7.2023年4月1日付で、「日本電産トーソク㈱」は「ニデックパワートレインシステムズ㈱」に社名変更しております。
8.2023年4月1日付で、「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
9.2023年4月1日付で、「日本電産コパル電子㈱」は「ニデックコンポーネンツ㈱」に社名変更しております。
10.2023年4月1日付で、「日本電産コパル㈱」は「ニデックプレシジョン㈱」に社名変更しております。
11.2023年4月1日付で、「日本電産サーボ㈱」は「ニデックアドバンスドモータ㈱」に社名変更しております。
12.2023年4月1日付で、「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
13.2023年4月1日付で、「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
14.2023年4月1日付で、「日本電産マシナリー㈱」は「ニデックマシナリー㈱」に社名変更しております。
15.2023年4月1日付で、「日本電産グローバルサービス㈱」は「ニデックグローバルサービス㈱」に社名変更しております。
(※2)基準株価
本制度で用いる信託が、2018年7月に会社株式の取得を行った時の当社株式の平均取得単価(小数点第5位を四捨五入)である16,946.8896円であります。
(※3)短期業績ポイントの業績連動方法
ア)短期業績ポイントの業績連動に使用する指標、数値及び評価ウェイト
イ)短期業績ポイントの業績連動に使用する業績連動係数
(※4)中期業績ポイントの業績連動方法
ア)中期業績ポイントの業績連動に使用する指標、及び評価ウェイト
※実績の金額は2018年度から2020年度までの各年度実績の合計金額を記載しております。
イ)中期業績ポイントの業績連動に使用する業績連動係数
4)当事業年度に係る監査等委員でない取締役の個人別の報酬等の内容が決定方針に沿うものであると取締役会が判断した理由
取締役の個人別の報酬等の内容の決定に当たっては、報酬委員会が原案について決定方針との整合性を含めた多角的な検討を行っているため、取締役会も基本的にその答申を尊重し、決定方針に沿うものであると判断しております。
②役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の決定に関与する委員会
1)委員会の名称:報酬委員会
2)報酬委員会で議論された主な内容
2023年5月に計1回開催し、以下の内容について議論しております。
・監査等委員でない取締役、執行役員報酬の決定方針及び内容
③役員の報酬等に関する株主総会の決議年月日及び当該決議の内容
1)監査等委員でない取締役等
2)監査等委員である取締役
④提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注)1.上記業績連動型株式報酬には、第48期中に退任した取締役2名及び50期中に退任した1名分を含んでおります。
2.2018年6月20日開催の第45期定時株主総会において、業績連動型株式報酬制度の導入を決議されております。上記は日本基準により当事業年度に費用計上した金額を記載しております。なお、社外取締役は制度の対象外となっております。
⑤提出会社の役員ごとの連結報酬等の総額等
(注)1.報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しております。
①投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、次のとおりとしております。
純投資目的:専ら株式の価値の変動又は配当の受領によって利益を得ることを目的とするもの。
純投資目的以外:貸借対照表に計上されている投資有価証券に該当する株式のうち、保有目的が「純投資目的以外の目的」であるもの。
②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
1)保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
政策保有株式に関する方針
当社は事業上やその他分野で取引・協力関係にある企業と将来にわたり取引・協力関係の維持・強化を図ることで中長期的な観点から事業の安定化などを通じ当社の企業価値向上に資すると期待される株式を保有しております。なお、個々の政策保有株式については、毎年取締役会において、保有目的等の定性面に加え、保有に伴う便益などを経済合理性の観点から定量的に検証し、保有の意義が希薄と考えられる株式については縮減を図っております。
2)銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
3)特定投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
③保有目的が純投資目的である投資株式
(1)当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」)第93条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS」)に準拠して作成しております。
(2)当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下、「財務諸表等規則」)に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)の財務諸表について、PwC京都監査法人による監査を受けております。
なお、金融商品取引法第24条の2第1項の規定に基づき、有価証券報告書の訂正報告書を提出しておりますが、訂正後の連結財務諸表について、PwC Japan有限責任監査法人による監査を受けております。
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っております。その内容は、具体的には次のとおりであります。
(1)会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応できる体制を整備するため、
公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、セミナー等へ参加することを含め、社内における専門知識の蓄
積に努めております。
(2)IFRSに基づく適正な連結財務諸表を作成するために、IFRSに準拠したグループ会計方針を作成し、これに
基づき会計処理を行っております。グループ会計方針は、国際会計基準審議会(IASB)が公表するプレス
リリース及び基準書を随時入手し、最新の基準についての情報の把握並びに当社への影響の検討を行い、
適時適切に内容を更新しております。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注)ニデックオーケーケー㈱の完全子会社化を実施したことによる、株式交換の変動を含みます。
1.報告企業
ニデック㈱(以下、「当社」)は日本に所在する株式会社であり、東京証券取引所に株式を上場しております。登記されている当社の本社及び主要な事業所の住所は、ホームページ(https://www.nidec.com/jp/)で開示しております。
連結財務諸表は、2023年3月31日を期末日とし、当社及び当社の連結子会社(以下、「NIDEC」)、並びにNIDECの関連会社に対する持分により構成されております。グループ企業の構成については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」を参照ください。
NIDECは、主に以下の製品の設計、開発、生産及び販売に従事しております。
①精密小型モータ(HDD用モータ、ブラシレスモータ、ファンモータ、振動モータ、ブラシ付モータ、モータ応用製品等)
②車載(車載用モータ及び自動車部品、トラクションモータシステム)
③家電・商業・産業用(家電・商業・産業用モータ及び関連製品)
④機器装置(産業用ロボット、カードリーダ、検査装置、プレス機器、変減速機、工作機械等)
⑤電子・光学部品(スイッチ、センサ、レンズユニット、カメラシャッター等)
⑥その他(オルゴール、サービス等)
NIDECの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
連結財務諸表は、注記「3.重要な会計方針」で記載のとおり、デリバティブ金融商品、退職後給付における確定給付制度の制度資産及び公正価値で測定する金融商品等の一部の資産及び負債を除き、取得原価を基礎として作成しております。
連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、特に注釈の無い限り、百万円未満を四捨五入して表示しております。
(4)未適用の公表済み基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている基準書及び解釈指針の新設または改訂のうち、NIDECが早期適用していない主なものは次のとおりであります。新しいIFRS適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。
なお、訂正前の有価証券報告書の提出日(2023年6月21日)時点の情報を記載しております。
3.重要な会計方針
適用する重要な会計方針は、連結財務諸表に記載されている全ての期間に適用しております。
この連結財務諸表は、NIDECの財務諸表並びに関連会社の持分相当額を含んでおります。
子会社とは、NIDECにより支配されている企業をいいます。企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ、企業に対するパワーによりそのリターンに影響を及ぼす能力を有している場合、NIDECはその企業を支配していると判断しております。子会社の財務諸表は、NIDECがその子会社に対する支配を獲得した日から当該支配を喪失する日まで連結の対象に含めております。
子会社が適用する会計方針がNIDECの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表の調整を行っております。
当社グループ内の債権債務残高及び内部取引高、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
NIDECは子会社株式の追加購入または一部売却を行うことがあります。支配が継続する子会社に対するNIDECの持分変動は、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しております。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得及び損失は純損益で認識しております。
連結子会社の非支配持分は、NIDECの持分とは別個に識別されております。非支配持分は、当初の企業結合日での持分額及び企業結合日からの非支配持分の変動から構成されております。包括利益は非支配持分が負となる場合であっても親会社の所有者と非支配持分に帰属させております。
関連会社とは、NIDECがその企業の財務及び経営方針に対して重要な影響力を行使する能力を有しているものの、支配していない企業をいいます。
関連会社については、NIDECが重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日まで、持分法によって処理しております。当該投資には、取得時に認識したのれんが含まれております。
企業結合は支配獲得日に取得法によって会計処理しております。取得関連費用は発生時に純損益として処理されます。企業結合において取得した識別可能資産、並びに引き受けた負債及び偶発負債は、取得日の公正価値で測定されます。
移転された対価、被取得企業の非支配持分、及び段階取得の場合にはNIDECが以前に保有していた被取得企業の資本持分の取得日における公正価値の合計額が、取得した識別可能な純資産の公正価値を超過する額は、のれんとして計上されます。割安購入により、この金額が取得した被取得企業の識別可能な純資産の公正価値を下回る場合、差額は連結損益計算書で直ちに純損益として直接認識されます。
非支配持分は、NIDECの持分とは別個に識別されます。被取得企業に対する非支配持分の測定については、以下のいずれかを個々の企業結合取引ごとに選択しております。
①非支配持分を公正価値で測定
②取得事業の識別可能な資産・引受負債の純額に対する非支配持分の比例割合で測定
企業結合が生じた期間の末日までに企業結合の当初の会計処理が完了していない場合には、暫定的な金額で会計処理を行い、取得日から1年以内の測定期間において、暫定的な金額の遡及修正を行います。
NIDECと非支配持分の所有者との間で行われる子会社持分取引について、子会社に対する支配の喪失を伴わない場合には、非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額を資本剰余金に計上しており、のれん、または利得及び損失としては計上しておりません。
NIDECグループ内の各企業はそれぞれ独自の機能通貨を定めており、各企業の取引はその機能通貨により測定しております。
外貨建取引は、取引日の為替レート、または、それに近似する為替レートにより機能通貨に換算されます。取引の決済並びに外貨建貨幣性資産及び負債の期末日の為替レートによる換算から生ずる為替差損益は、有効なキャッシュ・フロー・ヘッジとして資本で繰延べられる場合を除き、連結損益計算書の純損益で認識しております。
在外子会社及び関連会社の財務諸表項目の換算については、資産及び負債を決算日の為替相場により円貨に換算し、収益及び費用を期中平均相場により円貨に換算しております。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額はその他の包括利益で認識しております。在外営業活動体を処分し、支配または重要な影響力を喪失する場合には、この営業活動体に関連する為替換算差額の累積金額を、処分にかかる利得または損失の一部として純損益で認識しております。
現金及び現金同等物は、現金、随時引き出し可能な預金及び取得日から3ヶ月以内に満期の到来する流動性の高い投資で、表示された金額に換金可能であり、かつ、満期まで短期間であるため、金利の変化による価値変動が僅少なものから構成されております。NIDECの資金の効率化を高めるため、海外子会社を含めたグループ間のノーショナルプーリングシステムを特定の金融機関と構築しており、特定の金融機関に対する預入総額を上限に参加会社は借入を行っております。当システムは、会計上は単一の会計単位として認識しております。
棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定し、原価の算定に当たっては、平均法を使用しております。ただし、顧客との契約に基づくFA機器等の生産に関連する仕掛設備は個別法を使用しております。また、正味実現可能価額は、通常の事業過程における予想売価から、完成に要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除して算定しております。
有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、解体、除去及び原状回復に関する初期見積費用及び資産計上の要件を満たす借入費用を含めております。
当初取得以降に追加的に発生した支出については、その支出により将来の経済的便益がNIDECに流入する可能性が高く、金額を信頼性をもって測定することができる場合にのみ、当該取得資産の帳簿価額に算入するか個別の資産として認識するかのいずれかにより会計処理しております。他の全ての修繕並びに維持にかかる費用は、発生時の費用として処理しております。
取得原価から残存価額を控除した償却可能額は、各資産の見積耐用年数にわたって定額法で減価償却しております。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は次のとおりであります。
建物 3~50年
機械及び装置 2~15年
なお、見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
のれんは取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しております。のれんは償却を行わず、企業結合からの便益を享受できると期待される資金生成単位に配分し、毎年または減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。のれんの減損損失は連結損益計算書において認識され、その後の戻入は行っておりません。
当初認識時における測定については、(2)企業結合 に記載しております。
無形資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
個別に取得した無形資産は当初認識時に取得原価で測定されます。企業結合で取得した無形資産は、無形資産の定義を満たし、識別可能であり、かつ公正価値が信頼性をもって測定できる場合、のれんとは別個に識別され、取得日の公正価値で認識されます。
新しい科学的または技術的な知識や理解を得るために行われる研究活動に対する支出は、発生時に費用処理しております。
開発活動に対する支出については、開発費用が信頼性をもって測定でき、技術的かつ商業的に実現可能で、将来的に経済的便益をもたらす可能性が高く、開発を完了し、それを使用または販売する意図及びそのための十分な資源をNIDECが有している場合は資産計上を行い、それ以外は発生時に費用処理しております。
耐用年数を確定できる無形資産は見積耐用年数に基づき主として定額法で償却しております。主な無形資産の見積耐用年数は次のとおりであります。
顧客関係 5~30年
専有技術 10~20年
ソフトウエア 2~10年
開発資産 2~11年
有限の耐用年数を有する無形資産の見積耐用年数及び償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
耐用年数を確定できる無形資産について、減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産については、償却せず、年1回(1月1日)の減損判定を行うほか減損の可能性を示す事象が発生または状況が変化した時点で減損判定を行います。
契約の開始時に特定された資産の使用を支配する権利が一定期間にわたって対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるかまたはリースを含んでいると判定しております。
①借手
契約がリースであるかまたはリースを含んでいる場合、リース開始日において使用権資産及びリース負債を連結財政状態計算書に計上しております。
使用権資産の測定においては、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除し、リース負債の再測定について調整した金額で表示しております。取得原価には、リース負債の当初測定の金額、リース開始日以前に支払ったリース料、当初直接コストを含めております。使用権資産は、見積耐用年数とリース期間のいずれか短い期間にわたって、定額法で減価償却を行っております。当社グループが借手として購入オプションを行使することが合理的に確実である場合には、原資産の耐用年数にわたって使用権資産を償却しております。
リース負債は、リース開始日における未決済リース料の割引現在価値として当初測定しており、リースの計算利子率(当該利子率が容易に算定できる場合)または当社グループの追加借入利子率を用いて割り引かれます。
リース期間はリースの解約不能期間にリース期間を延長するオプション及び解約するオプションを考慮し決定しております。なお、リース期間が12ヶ月以内のリース及び原資産が少額であるリースについては、使用権資産とリース負債を認識せず、リース期間にわたり定額法により費用として認識しております。
②貸手
当該リース取引のうち、所有に伴うリスクと経済価値を実質的にすべて当社グループから移転しているものはファイナンス・リースに分類し、ファイナンス・リース以外のリースはオペレーティング・リースに分類しております。
ファイナンス・リースについては、正味リース投資未回収額をリース債権(「営業債権及びその他の債権」勘定に表示)として認識し、受取リース料総額をリース債権元本相当部分と利息相当部分とに区分し、受取リース料の利息相当部分への配分額は、利息法により算定しております。
オペレーティング・リースについては、受取リース料をリース期間にわたって純損益にて認識しております。
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られたときに公正価値で認識しております。
政府補助金が費用項目に関する場合は、当該補助金の金額を関連費用から控除しております。資産に関する政府補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除しております。
NIDECは各年度において、各資産についての減損の兆候の有無の判定を行い、何らかの兆候が存在する場合または毎年減損テストが要求されている場合、その資産の回収可能価額を見積っております。のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産は、年次で、また、減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを行っております。
個々の資産について回収可能価額を見積ることができない場合には、その資産の属する資金生成単位ごとに回収可能価額を見積っております。開発資産については各開発プロジェクトを資金生成単位としており、開発プロジェクト毎の計画(売上高、原材料費、減価償却費予測を含む)を用いて、回収可能価額を算定しております。
回収可能価額は、資産または資金生成単位の売却費用控除後の公正価値とその使用価値のうち高い方の金額で算定しております。資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超える場合は、その資産について減損を認識し、回収可能価額まで評価減しております。
また、使用価値の評価における見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値に関する現在の市場評価及び当該資産に固有のリスク等を反映した税引前割引率を使用して、現在価値まで割引いております。
のれん以外の資産に関しては、過年度に認識された減損損失について、その回収可能価額の算定に使用した想定事項に変更が生じた場合等、損失の減少または消滅の可能性を示す兆候が存在しているかどうかについて評価を行っております。そのような兆候が存在する場合は、当該資産または資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、その回収可能価額が、資産または資金生成単位の帳簿価額を超える場合、算定した回収可能価額と過年度で減損損失が認識されていなかった場合の減価償却控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失を戻し入れております。
金融資産は、NIDECが金融商品の契約上の当事者になった時点(取得日)で認識しております。ただし、営業債権及びその他の債権は発生日に当初認識しております。金融負債は、NIDECが発行した負債性金融商品については発行日、その他の金融負債はNIDECが契約の当事者になった時点(取引日)で認識しております。
金融資産及び金融負債は、当初認識時において公正価値で測定しております。金融資産の取得及び金融負債の発行に直接起因する取引コストは、純損益を通じて公正価値で測定する(以下「FVTPL」)金融資産及びFVTPLの金融負債を除き、当初認識時において、金融資産の公正価値に加算または金融負債の公正価値から減算しております。なお、NIDECは現在、FVTPLの非デリバティブ金融負債は保有しておりません。FVTPLの金融資産の取得に直接起因する取引コストは純損益で認識しております。
NIDECは当初認識時に、非デリバティブ金融資産を、償却原価で測定される金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される(以下「FVTOCI」)金融資産及びFVTPLの金融資産に分類しています。
償却原価で測定される金融資産
金融資産は、以下の要件を満たす場合に償却原価で事後測定しております。
・NIDECのビジネスモデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローを回収することを目的として保有している場合
・契約条件が、特定された日に元本及び元本残高にかかる利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる場合
償却原価で測定する金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用を含む)で当初認識し、当初認識後は実効金利法を用いて帳簿価額を算定しています。また、償却原価で測定する金融資産にかかる利息発生額は連結損益計算書の金融収益に含めて表示しています。
FVTOCIの金融資産
(a)FVTOCIの負債性金融資産
金融資産は、以下の要件を満たす場合にその他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルに基づいて保有されている場合
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる場合
FVTOCIの負債性金融資産に係る公正価値の変動額は、減損利得または減損損失及び為替差損益を除き、当該金融資産の認識の中止が行われるまで、その他の包括利益として認識しております。当該金融資産の認識の中止が行われる場合、過去に認識したその他の包括利益は純損益に振り替えております。
(b)FVTOCIの資本性金融資産
NIDECは当初認識時に、売買目的以外で保有する資本性金融資産に対して、公正価値の変動をその他の包括利益で認識するという選択(撤回不能)を行う場合があります。
FVTOCIの資本性金融資産は当初認識後に公正価値で測定し、その変動をその他の包括利益で認識し、直ちにその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えており、事後的に純損益に振り替えることはありません。ただし、FVTOCIの資本性金融資産からの配当金については、金融収益の一部として純損益で認識しております。
FVTPLの金融資産
上記の償却原価で測定する区分の要件を満たさない金融資産のうち、FVTOCIの金融資産を除く金融資産はFVTPLの金融資産に分類されます。資本性金融資産は、NIDECが当初認識時に公正価値の変動をその他の包括利益で認識するという選択(撤回不能)を行う場合を除き、FVTPLの金融資産に分類されます。
FVTPLの金融資産は当初認識後に公正価値で測定し、その変動を純損益で認識しております。
償却原価で測定される金融資産について、毎期末日に予想信用損失に対する損失評価引当金を評価して認識しております。
期末日に、当該金融商品に係る信用リスクが当初認識後に著しく増大している場合には、予測情報を含めた合理的で裏付け可能な情報を全て考慮して、当該金融商品に係る損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。そのような情報には、特に、以下の指標が組み込まれております。
・外部信用格付(入手可能な範囲)
・事業状況、財務状況または経済状況の実際のまたは予想される不利な変化のうち、借手が債務を履行する能力の著しい変化を生じさせると予想されるもの
・同一の借手の他の金融商品に係る信用リスクの著しい増大
一方、信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る損失評価引当金を12か月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
ただし、営業債権については、上記にかかわらず常に損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
予想信用損失または戻入れの金額は、減損損失または減損戻入として、純損益に認識しております。
NIDECは、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が失効した場合、または、当該金融資産の所有にかかるリスク及び便益を実質的にすべて移転する取引において、金融資産から生じるキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を移転する場合に、当該金融資産の認識を中止しております。移転した金融資産に関してNIDECが創出した、またはNIDECが引き続き保有する持分については、別個の資産・負債として認識しております。
NIDECはデリバティブ以外の金融負債として、営業債務及びその他の債務、並びにその他の金融負債を有しており、当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しております。また、償却原価で測定する金融負債にかかる利息発生額は連結損益計算書の金融費用に含めて表示しております。
当該金融負債は義務を履行した場合、もしくは債務が免責、取消しまたは失効となった場合に認識を中止しております。
NIDECは、為替、金利及び商品価格の変動によるリスクを管理するために、先物為替予約、金利スワップ、通貨スワップ、商品先物契約等のデリバティブを利用しております。NIDECはデリバティブを売買目的で保有しておりません。
デリバティブ取引は公正価値で当初認識し、関連する取引費用は発生時に純損益で認識しております。当初認識後は公正価値で測定し、その変動は基本的に当期の純損益で認識しております。ただし、ヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動が、ヘッジ手段のキャッシュ・フローの変動により相殺される程度を客観的に判定し、ヘッジの有効性があると認められる場合にはヘッジ会計を適用することもあります。
当初にデリバティブをヘッジ指定する時点において、ヘッジ取引に係るヘッジ手段とヘッジ対象の関係、リスクの管理目的、ヘッジ取引を実行する際の戦略、及びヘッジ関係の有効性の評価方法、有効性及び非有効性の測定方法は、全て文書化しております。具体的には、以下の項目を全て満たす場合に、ヘッジが有効と判断しております。
・ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係があること
・信用リスクの影響が、当該経済的関係から生じる価値変動に著しく優越するものではないこと
・ヘッジ関係のヘッジ比率が、企業が実際にヘッジしているヘッジ対象の量と企業がヘッジ対象の当該量を実際にヘッジするのに使用しているヘッジ手段の量から生じる比率と同じであること
ヘッジの開始時及び継続期間中に、ヘッジ取引に利用しているデリバティブがヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動を相殺する上で有効性があるか否かを評価しております。ヘッジの有効性がないか、またはなくなったと判断した時点で、将来を見越してヘッジ会計を停止します。
キャッシュ・フロー・ヘッジの会計処理は次のとおりであります。
デリバティブを、認識済み資産・負債、または当期利益に影響を与え得る発生可能性の非常に高い予定取引に関連する特定のリスクに起因するキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのヘッジ手段として指定した場合、デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ有効部分は、「キャッシュ・フロー・ヘッジ」として、その他の資本の構成要素に含めております。デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ非有効部分は、即時に純損益で認識しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジの残高は、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが当期利益に影響を及ぼす期間と同一期間において、連結包括利益計算書においてその他の包括利益から控除し、ヘッジ手段と同一の項目で当期利益に振り替えられております。ただし、ヘッジ対象である予定取引が非金融資産(棚卸資産、有形固定資産など)もしくは負債の認識を生じさせるものである場合には、それまで資本に繰り延べていた利得又は損失を振り替え、当該資産もしくは負債の測定額に含めております。
ヘッジ会計の要件を満たさない場合、ヘッジ手段が失効、売却、終了または行使された場合、あるいはヘッジ指定が取り消された場合には、ヘッジ会計の適用を将来に向けて中止しております。ヘッジ会計を中止した場合、すでにその他の包括利益で認識したキャッシュ・フロー・ヘッジの残高は、予定取引が当期利益に影響を与えるまで引き続き計上しております。予定取引の発生が予想されなくなった場合は、キャッシュ・フロー・ヘッジの残高は、即時に純損益で認識されます。
(i)当期税金
法人所得税費用は、当期税金と繰延税金から構成されております。これらは、直接資本またはその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益として認識しております。
報告期間の期末日の未払法人所得税及び未収法人所得税は、税務当局に対する納付または税務当局からの還付が予想される金額で測定しております。税額の算定に使用する税率及び税法は、決算日までに制定または実質的に制定されたものであります。
その他の包括利益に認識される項目に関する当期税金は、その他の包括利益として認識しており、資本に直接認識される項目に関する当期税金は、資本として直接認識しております。
未収法人所得税と未払法人所得税を相殺する法的強制力のある権利が存在し、かつNIDECが純額により決済するか、または資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合には、未収法人所得税と未払法人所得税は相殺しております。
(ⅱ)繰延税金
繰延税金資産及び繰延税金負債は、帳簿価額と税務上の資産と負債との間の将来調整一時差異に係る税効果において資産負債法により認識されております。繰延税金資産及び繰延税金負債の測定に当たっては、一時差異等が解消されると見込まれる年度における課税所得に適用されると予想される法定実効税率を使用して測定されます。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識し、各報告期間の期末日ごとに回収可能性について見直しを行い、課税所得を稼得する可能性が高くなくなった範囲で繰延税金資産を減額しております。
また、未認識の繰延税金資産についても各報告期間の期末日でその回収可能性について再検討され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しております。
繰延税金負債は、以下を除き、原則として、全ての将来加算一時差異について認識しております。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から生じる将来加算一時差異
・企業結合取引を除く、会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えない取引によって発生する資産及び負債の当初認識から生じる一時差異
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異のうち、予見可能な範囲内に一時差異が解消されない可能性が高い場合
繰延税金資産と繰延税金負債は非流動資産または非流動負債として表示しております。
また、繰延税金資産及び繰延税金負債は、未収法人所得税と未払法人所得税を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ以下のいずれかの要件を満たす場合のみ相殺しております。
・繰延税金資産と繰延税金負債とが、同一の税務当局によって、同一の納税主体に対して課された法人所得税に関するものである場合
・繰延税金資産と繰延税金負債とが、同一の税務当局によって、別々の納税主体に対して課された法人所得税に関するものであり、その納税主体が未収法人所得税と未払法人所得税を純額により決済すること、または資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合
当社は、第2の柱の法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して認識及び情報開示に対する例外を適用しております。
短期従業員給付である賃金及び給料、社会保険料並びにその他の非貨幣性給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しております。
賞与については、NIDECが、従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的または推定的債務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しております。
NIDECは、従業員の退職給付制度として確定給付制度と確定拠出制度を運営しております。
確定給付型制度に係る資産または負債の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除したものであり、資産または負債として連結財政状態計算書で認識しております。確定給付制度債務は、予測単位積増方式に基づいて算定され、その現在価値は、将来の予想支払額に割引率を適用して算定しております。割引率は、給付が見込まれる期間に近似した満期を有する優良社債の利回りを参照して決定しております。勤務費用及び確定給付負債(資産)の純額に係る純利息費用は純損益として認識しております。数理計算上の差異、純利息費用に含まれる部分を除く制度資産に係る収益及び資産上限額の影響の変動については、それらが生じた期間において「確定給付制度に係る再測定」としてその他の包括利益に認識し、直ちに利益剰余金へ振り替えております。
確定拠出型の退職給付に係る費用は、拠出が確定した時点で費用として認識しております。
NIDECは、過去の事象の結果として現在の債務(法的債務または推定的債務)を有しており、債務の決済を要求される可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼できる見積りが可能である場合に引当金を認識しております。
主な引当金の説明は次のとおりであります。
製品保証引当金
NIDECは、ある一定期間において、一部の製品及びサービスに対する保証を行っております。見積りは主として過去の実績額に基づいております。これらの費用のほとんどは翌年度に発生するものと見込まれます。
NIDECは、業績連動型株式報酬制度(以下、「本制度」)を導入しております。本制度として持分決済型と現金決済型を採用しております。
(i)持分決済型
本制度により算定された持分決済型の株式報酬は、受領したサービスを付与日における当社株式の公正価値で測定し、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しております。
(ⅱ)現金決済型
本制度により算定された現金決済型の株式報酬は、受領したサービスを負債の公正価値で測定し、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を負債の増加として認識しております。なお、当該負債の公正価値を期末日及び決済日に再測定し、公正価値の変動を純損益として認識しております。
(16)収益認識
NIDECは、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
精密小型モータ、車載、家電・商業・産業用の一部、機器装置の一部、電子・光学部品の製造・販売については、物品の引き渡しが完了した時点において顧客が当該物品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しております。従って、当該物品の引渡時点で収益を認識しております。
家電・商業・産業用の一部、機器装置の一部については工事契約が存在し、財又はサービスに対する支配が一定の期間にわたり移転することから、一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断しております。当該履行義務は完全な充足に向けての進捗度を合理的に測定できることから、報告期間の末日現在の進捗度をもって収益を認識しております。進捗度の測定についてはインプット法の使用が適切であると考えており、契約ごとの見積総原価に対する発生原価の割合を用いております。
(ⅲ)契約資産及び契約負債
(ⅳ)顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産
顧客との契約を獲得するための増分コストは、顧客との契約を獲得するために発生したコストで、当該契約を獲得しなければ発生しなかったであろうものです。契約履行コストは、顧客との契約を履行する際に発生したコストのうち、他の基準の範囲に含まれない、契約又は企業が具体的に特定できると予想される契約に直接関連しており、将来において履行義務の充足(又は継続的な充足)に使用される企業の資源を創出するか又は増価するものです。
意図された使用又は販売が可能になるまでに相当の期間を必要とする資産の取得、建設又は生産に直接起因する借入費用は、意図された使用又は販売が可能となるまで当該資産の取得原価の一部として資産計上しております。その他の借入費用は、発生時に連結損益計算書に費用として認識しております。
当社が発行した普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、取引コストは、関連する税効果を控除後に資本剰余金から控除しております。
再取得された自己の資本性金融商品(自己株式)は取引コストを含む支払対価で評価し、資本から控除しております。当社の自己株式の購入、売却又は消却においていかなる利得及び損失も損益としては認識しておりません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は資本剰余金として認識しております。
NIDECは、デリバティブ金融商品及び公正価値で測定する金融商品を、期末日時点の公正価値で測定しております。公正価値の定義、及び測定に利用するインプット(諸般の仮定)については、注記「35.公正価値」を参照ください。
経常的に公正価値で認識されている資産及び負債について、NIDECは、各期末日までに区分を再評価することにより、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振り替えが生じていないかを判断しております。
基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を報告期間の自己株式を調整した普通株式の加重平均発行済株式数で除すことにより計算しております。
希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益は、加重平均発行済株式数に転換社債や新株予約権の潜在普通株式からもたらされる希薄化の影響を考慮していること以外は、基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益の計算と同様です。
4.重要な会計上の見積り、判断及び仮定
連結財務諸表の作成は、マネジメントによる決算日における資産・負債の報告金額並びに偶発的な資産・負債の開示、報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を必要としております。実際の結果は、それらの見積りと異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直され、会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した会計期間と将来の会計期間において認識されます。
翌連結会計年度において資産や負債の帳簿価額に重要な修正を生じる要因となる著しいリスクを伴う判断及び見積りは次のとおりであります。
・のれん及び無形資産(注記「3. 重要な会計方針(7)」、注記「15. のれん及び無形資産」)
・債権の回収可能性(注記「3. 重要な会計方針(11)」、注記「10. 営業債権及びその他の債権」、注記「39. 金融商品」)
・退職給付に係る債務 (注記「3. 重要な会計方針(13)」、注記「23.従業員給付」)
・繰延税金資産の回収可能性の評価 (注記「3. 重要な会計方針(12)」、注記「25. 法人所得税」)
・引当金(注記「3. 重要な会計方針(14)」、注記「26. 引当金」)
・金融商品の公正価値(注記「35. 公正価値」)
・偶発負債(注記「3. 重要な会計方針(14)」、注記「40. 偶発負債」)
(オペレーティング・セグメント情報)
NIDECの報告セグメントは、NIDECの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、マネジメントが経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているセグメントであります。NIDECは、現在の利益管理単位である事業本部及び国内グループ会社を報告セグメントとしております。
第1四半期連結会計期間においてセグメント区分を一部変更しております。これは、最高意思決定者が業務上の意思決定及び業績評価に用いる報告資料の見直しを行ったことによります。従来の「ACIM」セグメントを「ACIM」セグメントと「MOEN」セグメントに分割しております。また、従来「その他」セグメントに含まれておりました日本電産リードグループは、重要性が増したことにより、「日本電産リード」セグメントとして開示しております。
これらの変更に伴い、過年度の数値を当期の表示に合わせて組替再表示しております。
NIDECのオペレーティング・セグメントの内容は次のとおりであります。
(注)1.2023年4月1日付で、日本電産サンキョーグループの中核をなす「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
2.2023年4月1日付で、日本電産テクノモータグループの中核をなす「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
3.2023年4月1日付で、日本電産モビリティグループの中核をなす「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
4.2023年4月1日付で、日本電産シンポグループの中核をなす「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
5.2023年4月1日付で、日本電産リードグループの中核をなす「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
セグメント別の外部顧客に対する売上高及びその他の財務情報は次のとおりであります。
外部顧客に対する売上高
(注)非継続事業に分類した事業は含まれておりません。
当連結会計年度及び前連結会計年度において、連結売上高の10%を超える特定の顧客グループへの売上はありません。
セグメント間の売上高
(注)非継続事業に分類した事業は含まれておりません。
セグメント損益
(注)1.消去又は全社には、各報告セグメントに帰属しない全社が当連結会計年度において137億19百万円、前連結会計年度において132億96百万円含まれております。全社の主な内容は、基礎研究費及び本社管理部門費であります。
2.非継続事業に分類した事業は含まれておりません。
減価償却費
(注)各セグメントの減価償却費には無形資産の償却費も含まれておりますが、連結キャッシュ・フロー計算書上の有形固定資産減価償却費には無形資産の償却費が含まれておりません。従って、当該金額を控除しております。
NIDECには、前述の減価償却費以外に重要な非資金項目はありません。セグメント間の取引は市場価格にて行われております。
製品別売上高情報
製品別売上高情報は次のとおりであります。
(注)1.「精密小型モータ」は、「HDD用モータ」及び「その他小型モータ」により構成されており、「その他小型モータ」は、ブラシレスモータ、ファンモータ、振動モータ、ブラシ付モータ、モータ応用製品等により構成されております。
「車載」は、車載用モータ及び自動車部品、トラクションモータシステムにより構成されております。
「家電・商業・産業用」は、家電・商業・産業用モータ及び関連製品により構成されております。
「機器装置」は、産業用ロボット、カードリーダ、検査装置、プレス機器、変減速機、工作機械等により構成されております。
「電子・光学部品」は、スイッチ、センサ、レンズユニット、カメラシャッター等により構成されております。
「その他」は、オルゴール、サービス等により構成されております。
2.非継続事業に分類した事業は含まれておりません。
地域別セグメント情報
地域別の売上高及び非流動資産は次のとおりであります。なお、売上高は外部顧客に販売している連結会社の所在国をベースにしております。
売上高
(注)1.従来の区分を変更しております。
これに伴い、過年度の数値を当期の表示に合わせて組替えております。
2.各区分に属する主な国は、次のとおりであります。
その他アジア:タイ、韓国、インド
欧州 :イタリア、ドイツ、フランス
その他 :ブラジル、メキシコ、カナダ
非流動資産(有形固定資産・のれん・無形資産・長期前払費用)
(注)1.従来の区分を変更しております。
これに伴い、過年度の数値を当期の表示に合わせて組替えております。
2.各区分に属する主な国は、次のとおりであります。
その他アジア:ベトナム、タイ、フィリピン
欧州 :イタリア、ドイツ、フランス
その他 :ブラジル、メキシコ、カナダ
当社は、ワールプール社の保有するコンプレッサー事業Embraco(以下、「エンブラコ社」)の買収の条件として、コンプレッサー事業(セコップ社)の売却を欧州委員会から命じられました。当社は欧州委員会からの命令に従い、セコップ社に対する実効的な支配権を経営の独立執行者(Hold Separate Manager)及び監視機関(Monitoring Trustee)へ2019年4月12日に譲渡致しました。この結果、当社はセコップ社に対する実効的な支配権を喪失したことにより、セコップ社を連結の範囲から除外し、これによる損失を連結損益計算書上、継続事業から分離し非継続事業に分類致しました。そして、当社は、2019年9月9日にセコップ社をOrlando Management AGが投資助言するESSVP IV L.P.、ESSVP IV (Structured) L.P.及びSilenos GmbH & Co. KG(以下、総称して「ESSVP IV」)に譲渡(以下、「本取引」)致しました。本取引は、売却価額の価格調整等についてOrlando Management AG並びに譲渡先関係者との協議の結果、合意に至らず、2021年1月12日にドイツ仲裁協会に仲裁裁判の申し立てを行い、セコップ社と仲裁を開始しました。約26か月間協議の末、2023年3月にセコップ社と和解合意に至り、仲裁が終了いたしました。しかしながら、一部の売却コストについては今後も発生する見込みであります。
(1)本取引の理由
当社は、家電・商業・産業用モータ事業を戦略的に重要な事業のひとつと位置づけ、成長、強化に努めてまいりました。セコップ社は家庭用・商業用冷蔵庫のコンプレッサーの開発・製造・販売を行っており、2017年のセコップ社買収によりグローバルアプライアンス部門は、売上高の飛躍的な成長機会が期待できる冷蔵庫市場に本格的に参入致しました。しかしながら、当社によるワールプールのコンプレッサー事業エンブラコ社の買収に関する欧州委員会の条件付承認を2019年4月12日に取得し、セコップ社を譲渡することとなりました。更に、ESSVP IVがセコップ社の適切な購入者であることについての欧州委員会からの認可取得を経て、2019年6月26日に欧州委員会よりエンブラコ社買収認可を取得致しました。本取引は、当社がセコップ社を適切な購入者に売却するという、当該承認の条件に基づいて行われたものです。
(2)譲渡した相手会社の名称及び本取引の時期
(3)子会社の名称、事業内容及び当該子会社が含まれていたセグメントの名称
(4)子会社に対する持分の推移
(5)非継続事業からの損益
(注) 2019年4月12日において、セコップ社に対する実効的な支配権の喪失により、連結の範囲より除外しております。
(6)非継続事業から生じたキャッシュ・フロー
(注) 1.2019年4月12日において、セコップ社に対する実効的な支配権の喪失により、連結の範囲より除外しております。
2.当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローには、セコップ社の売却に関連する当連結会計年度末日時点の入出金額が含まれております。
2023年2月1日にNIDECはイタリアのPAMA S.p.A.社(以下、「PAMA社」)の株主から、PAMA社の株式100%を9,385百万円で取得しました。PAMA社は、工作機械の製造・販売を行っており、大型機、特に横中ぐり盤において、幅広い製品と高い技術力を有し、欧州を中心に中国、米国及びインドに強力な販売・サービス網を有しております。本件取引を通じて、既存2社も含めたグループ内の工作機械メーカー間で、製品補完及び販売、開発・製造等におけるシナジー創出がより効率的に加速できると見込んでおります。この企業結合によるNIDECの財政状態及び経営成績に与える重要な影響はありません。
2023年3月31日にNIDECは㈱緑測器(以下、「緑測器」)の株主から、緑測器の株式100%を現金4,053百万円で取得しました。緑測器は、ポテンショメータ及びエンコーダの開発、製造、販売を行っております。本件取引を通じて、当社グループの既存事業であるポジションセンシングの分野において、ポテンショメータ・エンコーダの製品ラインナップの拡充が可能になります。この企業結合によるNIDECの財政状態及び経営成績に与える重要な影響はありません。
買収価額の資産負債への配分
前連結会計年度の三菱重工工作機械㈱(現 ニデックマシンツール㈱)の株式の取得及び工作機械事業を専業とする海外子会社3社の三菱重工グループが保有する株式の全持分、並びに海外子会社が営む工作機械事業の事業買収により取得した資産、引き継いだ負債に関する公正価値評価が当第1四半期連結会計期間に完了致しました。これにより前連結会計年度の連結財務諸表については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額によっております。更に、前連結会計年度のOKK㈱(現 ニデックオーケーケー㈱)の株式取得により取得した資産、引き継いだ負債に関する公正価値評価が第3四半期連結会計期間に完了致しました。これによる前連結会計年度の連結財務諸表の金額に与える影響はありません。
前連結会計年度の買収により取得した資産、引き継いだ負債の修正による前連結会計年度の連結財政状態計算書への影響額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度の買収により取得した資産、引き継いだ負債の修正による前連結会計年度の連結損益計算書への影響額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
その他、2022年度のPAMA社の株式取得により取得した資産、引き継いだ負債に関する公正価値評価が2023年度第4四半期連結会計期間に完了しました。これにより2022年度の連結財務諸表については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額によっております。また、2022年度の緑測器の株式取得により取得した資産、引き継いだ負債に関する公正価値評価が2023年度第4四半期連結会計期間に完了しました。これにより2022年度の連結財務諸表については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額によっております。
2022年度の買収により取得した資産、引き継いだ負債の修正による2022年度の連結財政状態計算書への影響額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
のれんの増減については、注記「15.のれん及び無形資産」に記載しております。なお、上記無形資産は下記で構成されております。
(単位:百万円)
2022年度の買収により取得した資産、引き継いだ負債の修正による2022年度の連結損益計算書への影響額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
現金及び現金同等物の内訳は次のとおりであります。
銀行預金には、単一の会計単位として認識したノーショナルプーリングシステムにおける預入金及び借入金の純額が含まれております。
現金同等物は、主に3ヶ月未満の定期預金及び短期投資で構成されております。
キャッシュ・フローに関する補足情報は次のとおりであります。
営業債権及びその他の債権の内訳は次のとおりであります。
11.その他の金融資産
その他の金融資産の内訳は次のとおりであります。
12.棚卸資産
棚卸資産の内訳は次のとおりであります。
当連結会計年度に費用として認識された棚卸資産の取得価額は主に「売上原価」に含まれております。棚卸資産の評価損の金額は、前連結会計年度2,785百万円、当連結会計年度9,506百万円であります。
その他の流動資産の内訳は次のとおりであります。
連結財政状態計算書の「有形固定資産」の内訳は次のとおりであります。
使用権資産の増減表につきましては、注記「38.リース」を参照ください。
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は次のとおりであります。
(取得原価)
(減価償却累計額及び減損損失累計額)
(帳簿価額)
(注)「建設仮勘定」には、建設中の有形固定資産に関する支出額が含まれます。
有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」に含まれております。また、有形固定資産の減損損失は、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれております。
連結財政状態計算書の「のれん」及び「無形資産」の内訳は次のとおりであります。
使用権資産の増減表につきましては、注記「38.リース」を参照ください。
のれん及び無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減、並びに帳簿価額は次のとおりであります。
(取得原価)
(償却累計額及び減損損失累計額)
(帳簿価額)
(注)その他の主な内容は、商標権になります。
無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」に含まれております。また、無形資産の減損損失は、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれております。
企業結合で生じたのれんは、企業結合のシナジーから便益を得ることが期待される資金生成単位グループに配分しております。のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の資金生成単位グループへの配分額は、次のとおりであります。
のれん
(注)1.2023年4月1日付で、「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
2.2023年4月1日付で、「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
3.2023年4月1日付で、「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
4.2023年4月1日付で、「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
5.2023年4月1日付で、「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
6.2023年4月1日付で、「日本電産コパル㈱」は「ニデックプレシジョン㈱」に社名変更しております。
耐用年数を確定できない無形資産
(注)2023年4月1日付で、「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
耐用年数を確定できない無形資産の内容は、主に商標権であります。これらの商標権は企業結合時に取得したものであり、事業が継続する限り基本的に存続するため、耐用年数を確定できない無形資産と判断しております。
NIDECは、のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産の減損テストを最低年に1回行っており、更に減損の兆候がある場合には、その都度、減損テストを行っております。
減損テストの回収可能価額は、過去の経験と外部の情報を反映させて作成され、マネジメントが承認した5年を限度とする事業計画(売上高予測及び費用予測を含む)と成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割引いた使用価値にて算定しております。のれんの減損テストにおいて用いる割引率は、各資金生成単位グループの税引前の加重平均資本コストを基礎に算定しており(4.25%~10.29%)、成長率は、各資金生成単位グループの属する産業もしくは国における長期の平均成長率を勘案して決定しております(0.69%~3.83%)。
のれんに重要性のある資金生成単位グループにおいて回収可能価額の算定に使用している割引率は次の通りであります。
(注)1.2023年4月1日付で、「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
2.2023年4月1日付で、「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
3.2023年4月1日付で、「日本電産コパル㈱」は「ニデックプレシジョン㈱」に社名変更しております。
減損テストに用いた主要な仮定が合理的に予測可能な範囲で変化したとしても、使用価値が帳簿価額を下回ることはありませんでした。
その他の投資の帳簿価額の内訳は次のとおりであります。
NIDECが保有する公正価値で測定する金融商品のうち、主として取引関係の維持、強化を目的として保有する投資については、FVTOCIの資本性金融資産として分類されたものであります。当該FVTOCIの資本性金融資産は主に普通株式であり、主な株式銘柄及び公正価値の内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度(2022年3月31日)
当連結会計年度(2023年3月31日)
期中に処分したFVTOCIの資本性金融資産は次のとおりであります。
その他の非流動資産の内訳は次のとおりであります。
営業債務及びその他の債務の内訳は次のとおりであります。
19.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は次のとおりであります。
その他の流動負債の内訳は次のとおりであります。
21.短期借入金及び長期債務
短期借入金の内訳は次のとおりであります。
当連結会計年度末におけるNIDECの未使用借入枠は1,248,000百万円であります。この融資・信用枠により、NIDECは一般に適用されている利率で短期の資金調達を行うことができます。
(2)長期債務の内訳
長期債務の内訳は次のとおりであります。
長期債務の年度別満期返済予定額は次のとおりであります。
(注) 契約上のキャッシュ・フローを記載しております。
日本の銀行との取引約定書として、銀行からの短期及び長期借入金については、NIDECは当該銀行から要求があれば、現在及び将来の債務に対して直ちに担保(当該銀行に対する預金を含む)を提供し、あるいは保証人を立てる義務を負っています。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在、以下の資産を借入契約等の担保として供しております。
担保に差し入れた資産に対応する債務は次のとおりであります。
財務活動から生じた負債の調整表は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
①確定給付制度
当社及び一部の子会社の年金及び退職金制度では通常、従業員に対して退職時点における給与と勤続年数またはこれらを基礎とするポイントに基づいて計算された退職一時金または年金の受給資格を付与します。定年前に退職した場合の最低支給額は通常、自己都合による退職に基づいた金額となります。定年を含む会社都合による退職の場合は加算金を加えた額が支給されます。確定給付制度により、価格変動リスク、金利リスク、余命率リスク等の数理計算上のリスクに晒されております。
確定給付制度の連結財政状態計算書上の金額は次のとおりであります。
前連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
確定給付制度に関して、連結損益計算書上、費用として認識した金額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
確定給付制度債務の現在価値に係る変動は次のとおりであります。
(単位:百万円)
制度資産の公正価値に係る変動は次のとおりであります。
(単位:百万円)
NIDECは、翌連結会計年度において確定給付制度に対し約2,439百万円の拠出を見込んでおります。
資産カテゴリー別の制度資産(国内制度)の公正価値は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)※1.前連結会計年度は約61%を国内債券、約39%を外国債券、当連結会計年度は約29%を国内債券、約71%を外国債券に投資しております。
※2.前連結会計年度は約10%を国内株式、約24%を海外株式、約13%を国内債券、約34%を外国債券、当連結会計年度は約18%を国内株式、約48%を海外株式、約14%を国内債券、約9%を外国債券に投資しております。
資産カテゴリー別の制度資産(海外制度)の公正価値は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)※1.すべて外国債券に投資しております。
※2.前連結会計年度は約24%を海外株式、約46%を外国債券、当連結会計年度は約24%を海外株式、約48%を外国債券に投資しております。
NIDECは将来にわたって年金給付、一時金給付の支払いを行うため、許容できるリスクの下で必要とされる収益を長期的に確保することを基本方針としております。実際の資産運用に当たっては上記の方針に適合する最適な資産の組み合わせである基本ポートフォリオを策定しております。その実際運用収益は検証され、必要に応じて基本ポートフォリオの見直しを行っております。
NIDECの資産ポートフォリオは大きく3つの資産区分に分類されます。約7%を資本性金融商品で運用し、約 8%を負債性金融商品で運用し、約85%を合同運用信託や生保一般勘定等のその他資産で運用しております。
資本性金融商品は証券取引所に上場されている株式であります。負債性金融商品は国内外の国債、公債及び社債から構成されております。その他資産に含まれる合同運用信託については資本性金融商品及び負債性金融商品で運用され、上記の資本性金融商品及び負債性金融商品と同内容で構成されております。また、その他資産に含まれる生保一般勘定は一定の予定利率と元本が保証されております。
給付債務の見積りに使用した数理計算上の仮定は次のとおりであります。
重要な仮定に対する確定給付制度債務の感応度は、連結財政状態計算書で認識される退職給付に係る負債を算定する際に使用される方法と同一の方法を用いて算定されており、分析の対象となる数理計算上の仮定以外の全ての数理計算上の仮定が一定であることを前提としております。なお、感応度分析の作成に使用された方法及び仮定について、前連結会計年度から変更はありません。
主要な数理計算上の仮定が変動した場合に、各連結会計年度末の確定給付制度債務が変動する額は、次のとおりであります。なお、昇給率については重要な変動を見込んでおりません。
(単位:百万円)
確定給付債務の加重平均デュレーションは次のとおりであります。
②確定拠出制度
確定拠出年金制度への拠出に係る費用認識額は前連結会計年度5,028百万円、当連結会計年度5,808百万円であり、翌連結会計年度に約6,021百万円の拠出を見込んでおります。
その他の資本の構成要素(税引後)の変動は次のとおりであります。
(単位:百万円)
非支配持分を含むその他の包括利益の当期発生額及び組替調整額、並びに税効果額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
法人所得税費用の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
NIDECは、所得に対する種々の税金を課されており、当連結会計年度における国内の法定実効税率は約30.5%となりました。法定実効税率と連結損益計算書上の法人所得税費用の実効税率との差異の内容は次のとおりであります。
(表示方法の変更)
前連結会計年度において、「その他」に含めていた「配当源泉税」は、重要度が増したため、当連結会計年度より独立掲記することとしております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の注記の組替えを行っております。
この結果、前連結会計年度の「その他」に表示していた△0.6%は「配当源泉税」0.0%,、「その他」△0.6%として組替えております。
繰延税金資産及び繰延税金負債の主な発生原因別の内訳及び増減は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
純損益を通じて認識された額の合計と繰延税金費用合計との差額は、為替の変動によるものであります。
その他の内容は、主に企業結合によるものであります。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
純損益を通じて認識された額の合計と繰延税金費用合計との差額は、為替の変動によるものであります。
その他の内容は、主に企業結合によるものであります。
NIDECは、繰延税金資産の認識に当たり、将来減算一時差異または繰越欠損金の一部または全部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しております。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される繰延税金負債の取崩、予測される将来課税所得及びタックスプランニングを考慮しております。
NIDECは、認識された繰延税金資産については、過去の課税所得水準及び繰延税金資産が認識できる期間における将来課税所得の予測に基づき、税務便益が実現する可能性は高いと判断しております。ただし、認識可能と考えられる繰延税金資産の金額は、控除可能である期間における将来課税所得見込が減少すれば、同様に減少することとなります。繰延税金資産は回収可能性の評価により、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ42,953百万円及び67,795百万円減額しております。
連結財政状態計算書上の繰延税金資産及び繰延税金負債は次のとおりであります。
(単位:百万円)
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金は次のとおりであります。
(単位:百万円)
NIDECは、一部の税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異について、繰延税金資産を認識しておりません。これらは、主に国内子会社にて発生した繰越欠損金に係るものであります。NIDECはこうした繰延税金資産の回収可能性を評価するため、当該子会社を個別に分析し、税務便益が実現する可能性が高くなくなった部分について減額しております。将来の課税所得の発生可能性が高くないため繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ139,585百万円及び240,508百万円であります。将来減算一時差異は現行の税法上は失効することはありません。
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の失効期限は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、NIDECは一部の子会社等の投資に係る将来加算一時差異については、繰延税金負債を認識しておりません。これは、NIDECが一時差異の取崩しの時期をコントロールする立場にあり、このような差異を予測可能な期間内に取崩さないことが確実であるためであります。前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、繰延税金負債を認識していない子会社等の投資に係る将来加算一時差異は、881,951百万円及び903,625百万円であります。
引当金の内訳及び増減は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
製品保証引当金
NIDECは、ある一定期間において、一部の製品及びサービスに対する保証を行っております。見積りは主として過去の実績額に基づいております。これらの費用は概ね翌年度に発生するものと見込まれます。
その他の引当金
その他の引当金は主に賞与引当金、有給休暇引当金等により構成されております。これらの費用は概ね翌年度に発生するものと見込まれます。
NIDECは中長期的な企業価値拡大に向けて、対象取締役等の報酬と当社の株式価値との連動性をより明確にし、中期経営計画における業績目標達成等の意欲を高めること及び、対象取締役等による自社株保有の促進を通じて持続的な企業価値(株式価値)向上への貢献意欲を高めることを目的として、業績連動型株式報酬制度を導入しております。
対象取締役等に対して、持分決済型としてBIP信託及びESOP信託の仕組みを採用しております。また、一部の海外居住者に対しては、現金決済型として当社株価を基礎とする金額で現金を支給する株式報酬制度を採用しております。
本制度は、連続する3事業年度を対象期間とし、対象期間にわたり継続して勤務していることが権利確定条件となっており、業績目標達成度に応じて、各連結会計年毎に付与ポイント数を確定致します。
持分決済型の株式に基づく報酬に関して、前連結会計年度で計上された費用は404百万円であり、当連結会計年度で計上された費用は450百万円であります。
付与されたポイントの付与日の公正価値及びポイント数の変動は次のとおりであります。付与日の公正価値は、付与日の当社株式の株価に近似していると判断されたことから、付与日の株価を使用して算定しており、予想配当を考慮に入れた修正およびその他の修正は行っておりません。
なお、制度改定前(2018年度~2020年度を対象とした期間)に付与したポイントは1ポイントあたり2株、制度改定後(2021年度~2023年度を対象とした期間)に付与したポイントは1ポイントあたり1株の交付となります。
制度改正前
(注)前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるポイントの残存契約年数は0年であります。
制度改正後
(注)当連結会計年度末におけるポイントの残存契約年数は約1.2年であります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、BIP信託として保有する株式はそれぞれ317,052株、315,223株であり、ESOP信託として保有する株式はそれぞれ158,476株、156,746株であります。
現金決済型の株式に基づく報酬に関して、前連結会計年度で計上された費用は34百万円であり、当連結会計年度で計上された費用は76百万円であります。また、前連結会計年度末において認識された負債は34百万円であり、当連結会計年度末において認識された負債は96百万円であります。
当社の前連結会計年度及び当連結会計年度における発行可能株式総数、発行済株式総数及び変動は次のとおりであります。
(注) 上記の発行済株式総数に含まれる自己株式数は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、16,023,034株及び21,527,674株であります。
資本剰余金は主に資本準備金から構成されております。前連結会計年度及び当連結会計年度における資本剰余金の変動は次のとおりであります。
(単位:百万円)
利益剰余金は、利益準備金及びその他利益剰余金から構成されております。
わが国の会社法では、資本準備金と利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、各事業年度に剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金又は利益準備金として積立てることが規定されております。
(3)自己株式
(注) 2022年4月21日の取締役会決議に基づき2022年9月に取得した自己株式1,715百万円及び、2023年1月24日の取締役会決議に基づき2023年2月15日から2023年3月20日までに取得した自己株式6,883百万円につきましては、会社法及び会社計算規則に基づき算定される分配可能額を超えて取得がなされていたことが判明しました。取得した自己株式は、連結持分変動計算書及び株主資本等変動計算書の自己株式の取得及び2023年3月31日の残高に含まれています。
所有者への分配として認識された普通株式に関する配当額は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(注)1.2021年5月27日取締役会決議による配当の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式に対する配当金5百万円が含まれております。
2.2021年10月26日取締役会決議による配当の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式に対する配当金14百万円が含まれております。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注)1.2022年5月26日取締役会決議による配当の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式に対する配当金16百万円が含まれております。
2.2022年10月24日取締役会決議による配当の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式に対する配当金17百万円が含まれております。
3.2022年10月24日取締役会決議による配当の総額については、会社法及び会社計算規則に基づき算定される分配可能額を超えて配当がなされていたことが判明しております。
基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるものは次のとおりであります。
(注)2023年5月26日取締役会決議による配当の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式に対する配当金17百万円が含まれております。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1.外部顧客に対する売上高を表示しております。
2.( )内は、一定の期間にわたり履行義務を充足する工事契約から生じる収益で内数であります。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1.外部顧客に対する売上高を表示しております。
2.( )内は、一定の期間にわたり履行義務を充足する工事契約から生じる収益で内数であります。
3.2023年4月1日付で、日本電産サンキョーグループの中核をなす「日本電産サンキョー㈱」は「ニデックインスツルメンツ㈱」に社名変更しております。
4.2023年4月1日付で、日本電産テクノモータグループの中核をなす「日本電産テクノモータ㈱」は「ニデックテクノモータ㈱」に社名変更しております。
5.2023年4月1日付で、日本電産モビリティグループの中核をなす「日本電産モビリティ㈱」は「ニデックモビリティ㈱」に社名変更しております。
6.2023年4月1日付で、日本電産シンポグループの中核をなす「日本電産シンポ㈱」は「ニデックドライブテクノロジー㈱」に社名変更しております。
7.2023年4月1日付で、日本電産リードグループの中核をなす「日本電産リード㈱」は「ニデックアドバンステクノロジー㈱」に社名変更しております。
NIDECは、精密小型モータ、車載製品、家電・商業・産業用製品、機器装置、電子・光学部品等の製造・販売を主な事業内容にしています。これらの事業から生じる収益は、顧客との契約に基づき、計上しております。また、変動対価等を含む収益の額に重要性はなく、重要な金融要素は含まれていません。
①精密小型モータ
精密小型モータ製品グループにおいては、HDD用モータ、その他小型モータの製造・販売を行っております。その他小型モータは、ブラシレスモータ、ファンモータ、振動モータ、ブラシ付モータ、モータ応用製品等により構成されております。このような販売については、物品の引き渡しが完了した時点において顧客が当該物品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しております。従って、当該物品の引渡時点で収益を認識しております。
②車載製品
車載製品グループにおいては、車載用モータ及び自動車部品の製造・販売を行っております。このような販売については、物品の引き渡しが完了した時点において顧客が当該物品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しております。従って、当該物品の引渡時点で収益を認識しております。
③家電・商業・産業用製品
家電・商業・産業用製品グループにおいては、家電・商業・産業用モータ及び関連製品の製造・販売を行っております。このような販売については、物品の引き渡しが完了した時点において顧客が当該物品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しております。従って、当該物品の引渡時点で収益を認識しております。顧客との契約の一部については工事契約が存在し、財またはサービスに対する支配が一定の期間にわたり移転することから、一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断しております。当該履行義務は完全な充足に向けての進捗度を合理的に測定できることから、報告期間の末日現在の進捗度をもって収益を認識しております。進捗度の測定についてはインプット法の使用が適切であると考えており、契約ごとの見積総原価に対する発生原価の割合を用いております。
④機器装置
機器装置製品グループにおいては、産業用ロボット、カードリーダ、検査装置、プレス機器、変減速機等の製造・販売を行っております。このような販売については、物品の引き渡しが完了した時点において顧客が当該物品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しております。従って、当該物品の引渡時点で収益を認識しております。顧客との契約の一部については工事契約が存在し、財又はサービスに対する支配が一定の期間にわたり移転することから、一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断しております。当該履行義務は完全な充足に向けての進捗度を合理的に測定できることから、報告期間の末日現在の進捗度をもって収益を認識しております。進捗度の測定についてはインプット法の使用が適切であると考えており、契約ごとの見積総原価に対する発生原価の割合を用いております。
⑤電子・光学部品
電子・光学部品製品グループにおいては、スイッチ、トリマポテンションメータ、レンズユニット、カメラシャッター等の製造・販売を行っております。このような販売については、物品の引き渡しが完了した時点において顧客が当該物品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しております。従って、当該物品の引渡時点で収益を認識しております。
⑥その他
その他製品グループにおいては、サービス等を提供しております。サービス等については、サービス等の提供が完了した時点において履行義務が充足されると判断しております。従って、サービス等の提供時点で収益を認識しております。
契約資産及び契約負債の残高は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
契約資産は、主に一定の期間にわたり履行義務を充足する工事契約から生じる収益と交換に受取る対価に対する権利のうち、債権を除いたものであります。契約資産は、顧客が対価を支払う前もしくは支払期限が到来する前に、財又はサービスに対する支配が移転した時に計上しております。また顧客に対価を請求する時点でその権利が時の経過だけが要求される無条件な状態となったと判断し、債権に振り替えております。
契約負債は、主に顧客からの前受金に関するものであります。契約負債は、財又はサービスに対する支配が顧客に移転する前に、顧客から対価を受領した時に計上し、履行義務を充足し財又はサービスに対する支配が顧客に移転した時に収益に振り替えております。
また、前連結会計年度及び当連結会計年度の期首時点の契約負債残高は、それぞれ前連結会計年度及び当連結会計年度の収益として認識しております。なお、当連結会計年度における、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の金額には重要性はありません。
顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産の残高は以下のとおりであります。なお、当連結会計年度における当該資産の償却費は500百万円、減損損失は1,522百万円であります。
(単位:百万円)
工事契約に関する残存履行義務に配分した取引金額及び充足時期は以下のとおりであります。なお、個別の予想契約期間が1年以内の取引は含んでおりません。
(単位:百万円)
当連結会計年度の営業費用(売上原価、販売費及び一般管理費、研究開発費)には、有形固定資産減価償却費99,769百万円、その他の償却費19,753百万円、従業員給付費用379,974百万円が含まれております。また、前連結会計年度の営業費用(売上原価、販売費及び一般管理費、研究開発費)には、有形固定資産減価償却費87,287百万円、その他の償却費17,645百万円、従業員給付費用320,983百万円が含まれております。
金融収益の内訳は次のとおりであります。
金融費用の内訳は次のとおりであります。
33.1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益(△損失)の算定上の基礎は次のとおりであります。
なお、希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
(注)基本的1株当たり当期利益(△損失)の算定において、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式を自己株式として処理していることから、加重平均株式数から当該株式数を控除しております。
NIDECは為替、金利及び商品価格の変動によるリスクを管理するために、先物為替予約、金利スワップ、通貨スワップ、商品先物契約等のデリバティブを利用しております。NIDECはデリバティブを売買目的で保有しておりません。また、NIDECはデリバティブの契約相手が契約を履行しなかった場合に生じる信用リスクにさらされておりますが、契約相手の信用度が高く、そのようなリスクは僅少であると考えております。
NIDECは一部の購入契約等の予定取引に関し、為替レート及び商品価格の変動によるキャッシュ・フローの変動を抑える目的で、先物為替予約及び商品先物契約を利用しております。
NIDECはデリバティブに対して、ヘッジ会計を適用することができない、もしくは適用することを選択しないことがあります。これらの公正価値の変動は「デリバティブ関連損益」に計上されます。
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されているデリバティブは次のとおりであります。
前連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
ヘッジとして指定されていないデリバティブは次のとおりであります。
前連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金の帳簿価額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されているデリバティブの損益への影響は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
前連結会計年度及び当連結会計年度にヘッジの効果が有効でないため、又はヘッジの有効性の評価から除外されたために損益に計上された金額に重要性はありません。
当連結会計年度末において、予定取引に係るNIDECの将来キャッシュ・フローの変動をヘッジする最長期間は約23ヶ月であります。
ヘッジとして指定されていないデリバティブの損益への影響額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
公正価値は、測定日における市場参加者間の通常の取引において、資産の売却により受け取るであろう価格または負債を移転するのに支払うであろう価格と定義されます。
なお、公正価値ヒエラルキーは、以下のように定義付けられております。
レベル1-活発な市場における同一の資産・負債の市場価格
レベル2-活発な市場における類似の資産・負債の市場価格、活発でない市場における同一または類似の資産・負債の市場価格、観察可能な市場価格以外のインプット、相関関係その他の方法により観察可能な市場データに裏付けられるインプット
レベル3-観察が不能なインプット
NIDECは、各期末日までに区分を再評価することにより、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振り替えが生じていないかを判断しております。
償却原価で評価される金融商品の公正価値
(単位:百万円)
金融商品の公正価値の見積方法は次のとおりであります。
(1)短期投資及び短期貸付金、短期借入金
通常の事業において、ほとんどの短期投資(定期預金)、短期貸付金、短期借入金はきわめて流動性が高く、その簿価はおおむね公正価値と同額であります。
(2)長期投資
長期投資の公正価値は、主に満期保有目的の債権であり、期待される将来のキャッシュ・フローを現在価値に割引いた金額で見積っており、レベル2に分類しております。
(3)長期貸付金
長期貸付金の公正価値は、期待される将来のキャッシュ・フローを現在価値に割引いた金額で見積っており、レベル2に分類しております。
(4)長期債務
長期債務(含1年以内返済予定長期債務、除リース負債及び社債)の公正価値は、それらと類似した負債をNIDECが新たに借入れる場合に適用される利子率を使って、将来の返済額を現在価値に割り引いた金額で見積っており、レベル2に分類しております。
(5)社債
NIDECが発行した社債(含1年以内償還予定社債)の公正価値は、活発でない市場における同一負債の市場価格により評価しており、レベル2に分類しております。
なお、「現金及び現金同等物」、「営業債権及びその他の債権」、「営業債務及びその他の債務」については短期間で決済され、帳簿価額と近似しているため、上記の表には含めておりません。
経常的に公正価値で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーに基づくレベル別分類
以下は金融商品を当初認識した後、公正価値で測定された金融商品の分析であります。
分析に使用する公正価値ヒエラルキーの各レベルに分類された、金融資産及び金融負債の内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
(注)前連結会計年度においてレベル1、レベル2及びレベル3の間における振り替えはありません。
当連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注)当連結会計年度においてレベル1、レベル2及びレベル3の間における振り替えはありません。
レベル1の有価証券や商品先物等のデリバティブ金融商品は主に時価のあるもので、十分な取引量と頻繁な取引がある活発な市場における調整不要な市場価値で評価しております。
レベル2の有価証券は、活発でない市場における同一資産の市場価格により評価しております。レベル2のデリバティブは先物為替予約等のデリバティブ金融商品であり、取引相手方または第三者から入手した相場価格に基づき評価され、外国為替レート及び金利等の観察可能な市場インプットを使用した価格モデルに基づき定期的に検証しております。
レベル3の有価証券は、主に非上場株式により構成されております。非上場株式の公正価値は、割引キャッシュ・フロー・アプローチ等を適用して算定しております。レベル3の有価証券について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合の重要な公正価値の変動は見込まれておりません。
レベル3に分類されている金融商品の調整表は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)連結包括利益計算書の「FVTOCI資本性金融資産の公正価値の純変動」及び「在外営業活動体の換算差額」に含まれております。
(1)報告期間中に行われた、関連当事者との取引は次のとおりであります。
(製品及びサービスの販売)
(単位:百万円)
(注)※1.役員が理事長を兼任している財団
※2.役員が理事長を兼任している法人
※3.役員が代表理事を兼任している財団
関連当事者に対する製品及びサービスの販売は、市場価格を勘案して一般取引条件と同様に決定しております。
(製品及びサービスの購入)
(単位:百万円)
(注)※4.役員が議決権の過半数を所有している会社
関連当事者からの製品及びサービスの購入は、市場価格を勘案して一般取引条件と同様に決定しております。学校法人永守学園への共同研究費の支払いについては、両者協議の上で締結した共同研究契約に基づき決定しております。
(製品及びサービスの販売及び購入から発生した未決済残高)
(単位:百万円)
関連当事者に対する債権については、当連結会計年度末、前連結会計年度末において、損失評価引当金は認識しておりません。また、関連当事者に対する債権について、当連結会計年度もしくは前連結会計年度において認識された費用はありません。
(2)NIDECの主要な経営幹部に対する報酬は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
37.子会社及び関連会社
企業集団の構成については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」を参照ください。
重要な非支配持分を有する子会社はありません。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
1.借手側
NIDECは、リース契約を締結し一部の資産を賃借しております。リースに係る概要は次のとおりであります。
(1)使用権資産の帳簿価額
(単位:百万円)
(注)1.連結財政状態計算書上で土地、建物、機械及び装置、車両及び運搬具は「有形固定資産」に含まれます。
2.連結財政状態計算書上でソフトウエアは「無形資産」に含まれます。
3.その他にはリース契約の解約等が含まれております。
(2)リース負債
(注)連結財政状態計算書における表示項目「1年以内返済予定長期債務」「長期債務」に含みます。
(3)純損益で認識された金額
(4)連結キャッシュ・フロー計算書で認識された金額
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるリースのキャッシュ・アウトフローの合計は、それぞれ7,992百万円、8,980百万円であります。
2. 貸手側
(1)オペレーティング・リース
NIDECは建物及び設備の一部を賃貸しております。受取賃貸料は前連結会計年度及び当連結会計年度は、それぞれ22百万円、35百万円であります。
解約不能期間が残っているリースにおける将来の最低受取賃貸料は次のとおりであります。
(2)ファイナンス・リース
NIDECは設備の一部を賃貸しております。前連結会計年度末及び当連結会計年度末のファイナンス・リース契約に係るリース投資未回収総額と正味リース投資未回収額及びこれらの調整額は、次のとおりです。
ファイナンス・リースに係る収益の内訳は、次のとおりです。
NIDECは、持続的な企業価値の向上と配当性向30%を見据えて、資本効率と財務健全性を両立した最適な資本構成を、資本管理の基本方針としております。
NIDECの親会社所有者帰属持分比率及び親会社所有者帰属持分当期利益率は次のとおりであります。
なお、NIDECが適用を受ける重要な資本規制はありません。
NIDECは、営業債権に関する債務不履行を「債務者である顧客が債務を履行せず回収が不能となること」と定義しております。そのためNIDECは、営業債権について、債務者の財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図るため、与信管理規定に従い、主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理しております。
なお、NIDECでは、特定の相手先に対する過度に集中した信用リスクはありません。
金融資産の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、連結財務諸表に表示されている減損後の帳簿価額となります。
各年度末において期日が経過している債権の年齢分析及び、予想信用損失は次のとおりであります。
前連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
損失評価引当金の増減は次のとおりであります。
(単位:百万円)
NIDECは、運転資金や設備投資資金の調達を、金融機関からの借入や直接金融市場からの資金調達に依存しております。金融市況の変化やその他の要因により金融機関が貸付枠、信用供与枠額や条件を圧縮した場合、NIDECの財政状態が悪化した結果、信用格付機関がNIDECの信用格付けを大幅に引下げた場合、または、経済状況の後退により投資家の意欲が減少した場合、NIDECが必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない可能性があります。
NIDECは、かかる流動性リスクに備えるため、定期的に手元流動性及び有利子負債の状況等を把握し、資金調達計画を作成しております。また、作成した計画に従って機動的な資金調達が可能となるよう、取締役会で借入枠設定の承認を行っております。
NIDECの長期債務の年度別満期返済予定額については、「21.短期借入金及び長期債務」を参照ください。
①為替リスク管理
NIDECの海外売上の大部分は米国ドル・ユーロ・人民元・タイバーツ等の外貨で構成されており、円に対する各通貨の下落はNIDECの売上・営業利益・当期利益等に悪影響を及ぼすリスクがあります。また、在外子会社の財務諸表の連結に際しても為替変動の影響が生じます。
これらの為替リスク管理のため、NIDECは通貨ごとの金銭債権債務バランスのコントロールや売上・仕入通貨のマリー等のナチュラルヘッジを基本としております。なお、一部取引については為替変動の影響を抑制するため先物為替予約等を利用しております。
NIDECが連結会計年度末において保有する外貨建金融商品において、その他全ての変数を一定とすることを前提に、米国ドル、ユーロに対してそれぞれ1%円高となった場合に、連結損益計算書の税引前利益に与える影響は次のとおりであります。
(単位:百万円)
②金利リスク管理
NIDECは重要性のある有利子資産を有していないため、NIDECの損益及びキャッシュ・フローが市場金利に左右されることは実質的にありません。
NIDECは有利子負債を保有しており、それらの金利変動やキャッシュ・フロー増減リスクを管理するため、金利スワップ取引等を利用するとともに、金利の動きを適宜モニタリングしております。その結果、利息の支払いがNIDECに与える影響は小さいため、金利感応度分析は行っておりません。
③株価変動リスク管理
NIDECが保有する株式については、定期的に時価や発行体の財務状況等を把握し、評価損益を把握している他、発行体との関係を勘案の上、保有状況を継続的に適宜見直しております。
当連結会計年度末において、NIDECは持分法適用会社の銀行借入に対し、総額13,523百万円の債務保証を行っております。NIDECは現在、これらの保証に抵触するような重要な要求は認識しておらず、また今後、重要な要求をされるような事象も認識しておりません。
当連結会計年度末において、NIDECはBid bonds(入札保証)、Advance payment bonds(前払金保証)、Performance bonds(契約履行保証)、Warranty bonds(契約不適合保証)及びPayment bonds(支払保証)に関連して総額18,000百万円の偶発債務を認識しております。これらは主にNIDECのプロジェクトに関連するパフォーマンスに対して負うものであり、現在実行中、もしくは保証期間中のものであります。NIDECは現在、これらの保証に抵触するような重要な要求は認識しておらず、また今後、重要な要求をされるような事象も認識しておりません。
当連結会計年度末において、NIDECは車載事業にて一部の自動車メーカーと製品保証に関して意見の相違があり、費用負担の要否について話合いを実施しております。なお、NIDECの立場が著しく不利になる可能性があるため、IAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」の第92項に従い、詳細な開示は行っておりません。
決算日以降の支出に関するコミットメントは次のとおりであります。
(単位:百万円)
(1)ニデックPSAイーモーターズへの貸付
当社グループは、2023年4月24日の取締役会決議に基づき、持分法適用会社であるニデックPSAイーモーターズに対し貸付を行いました。
(2)Embraer S.A.との合弁会社設立に関する契約締結
当社グループは、ブラジルの航空機メーカーのEmbraer S.A.と電動垂直離着陸航空機(以下、「eVTOL」)向けの電機駆動システムに関する合弁会社設立を実施することに合意し、2023年6月17日(現地時間)に合弁契約を締結致しました。
なお、訂正前の有価証券報告書の提出日(2023年6月21日)までを対象に後発事象の評価を行っています。
43.連結財務諸表の承認
連結財務諸表は、2023年6月21日に、当社の代表取締役社長執行役員小部博志及び常務執行役員(最高財務責任者)佐村彰宣によって承認されております。
また、訂正報告書の連結財務諸表は、2024年5月24日に、当社の代表取締役グローバルグループ代表永守重信及び常務執行役員(最高財務責任者)佐村彰宣によって承認されております。
当連結会計年度における四半期情報等
(注)1.当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度の要約四半期連結財務諸表及び連結財務諸表については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額によっております。
2.基本的1株当たり四半期(当期)利益(△損失)については、親会社の所有者に帰属する四半期(当期)利益の数値を基に算出しております。
(注)1.当社定款の定めにより、単元未満株主は、会社法第189条第2項各号に掲げる権利、株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利以外の権利を有しておりません。
2.単元未満株式の買取の請求は、証券会社等の口座管理機関(特別口座の場合は、上記三井住友信託銀行株式会社)を通じて行うものとします。
当社には、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
事業年度(第49期)(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)2022年6月20日関東財務局長に提出
2022年6月20日関東財務局長に提出
(第50期第1四半期)(自 2022年4月1日 至 2022年6月30日)2022年8月9日関東財務局長に提出
(第50期第2四半期)(自 2022年7月1日 至 2022年9月30日)2022年11月11日関東財務局長に提出
(第50期第3四半期)(自 2022年10月1日 至 2022年12月31日)2023年2月13日関東財務局長に提出
(4)発行登録書(普通社債)及びその添付書類
2022年4月1日関東財務局長に提出
2022年6月21日関東財務局長に提出
金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2の規定に基づく臨時報告書であります。
2022年9月6日関東財務局長に提出
金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の規定に基づく臨時報告書であります。
2022年12月13日関東財務局長に提出
金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第6号の2の規定に基づく臨時報告書であります。
(6)訂正発行登録書
2022年6月21日関東財務局長に提出
2022年9月6日関東財務局長に提出
2022年12月13日関東財務局長に提出
(7)発行登録追補書類(株券、社債券等)
2022年7月6日近畿財務局長に提出
2022年11月17日近畿財務局長に提出
(8)自己株券買付状況報告書
報告期間 (自 2022年6月1日 至 2022年6月30日)2022年7月6日関東財務局長に提出
報告期間 (自 2022年7月1日 至 2022年7月31日)2022年8月4日関東財務局長に提出
報告期間 (自 2022年8月1日 至 2022年8月31日)2022年9月6日関東財務局長に提出
報告期間 (自 2022年9月1日 至 2022年9月30日)2022年10月6日関東財務局長に提出
報告期間 (自 2022年10月1日 至 2022年10月31日)2022年11月7日関東財務局長に提出
報告期間 (自 2022年11月1日 至 2022年11月30日)2022年12月6日関東財務局長に提出
報告期間 (自 2022年12月1日 至 2022年12月31日)2023年1月10日関東財務局長に提出
報告期間 (自 2023年1月1日 至 2023年1月31日)2023年2月6日関東財務局長に提出
報告期間 (自 2023年2月1日 至 2023年2月28日)2023年3月6日関東財務局長に提出
報告期間 (自 2023年3月1日 至 2023年3月31日)2023年4月6日関東財務局長に提出
報告期間 (自 2023年4月1日 至 2023年4月30日)2023年5月11日関東財務局長に提出
報告期間 (自 2023年5月1日 至 2023年5月31日)2023年6月6日関東財務局長に提出
該当事項はありません。