当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、「不動産の活性化を追求し、新たな価値を創造してまいります」を企業理念として、不動産のコーディネート&マネジメントに特化した企画開発及び販売事業を行っております。
今後につきましても、「コーディネート&マネジメントの強化・拡大」を経営方針に掲げるとともに、事業ポートフォリオの組み替えによる企業価値の最大化を図ってまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、不動産事業開始以降、一貫して少人数経営が可能なビジネスモデルを構築し、事業展開しております。
今後も全員参画型経営体制を一層強化して少数精鋭集団を確立し、「売上高営業利益率10%」を目指してまいります。
(3) 経営環境
当社グループは、継続的かつ安定的に成長できる事業基盤の構築を目指し、不動産の賃貸・管理事業として商業施設の賃貸及び運営管理を中心とした「ストック型ビジネス」を強化してまいりました。
しかし、世界的なITの発展に伴い、小売業態は店舗販売からインターネットショップ販売に大きく変貌している経済環境の中で、当社収益の要となる商業施設のテナント構成も、小売業中心から徐々にサービス業へと変化しつつあり、実店舗の出店ニーズが年々下がってきております。
また、当社グループの属する不動産業界は、ここ数年で、特に新型コロナウイルス感染症の影響もあり、生活様式や働き方の変化で不動産へのニーズが多様化しており、さらにDX化の動きも加速するなど、大きな転換期を迎えていると言っても過言ではありません。
このような経営環境のもと、当社グループは、開発・販売事業として宅地及び建売物件、並びに中古戸建てのリフォームの販売活動を行うとともに、賃貸・管理事業として商業施設の運営活動を行いました。また新たなビジネスモデル構築の一環として、不動産コンサルティング事業への取り組みを行ってまいりました。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 賃貸・管理事業の再構築
保有不動産の売却により、財政状態は大幅に改善されましたが、主力事業である賃貸・管理事業の収益力が低下したため、早期に収益力を向上させることが最重要課題となっております。
その一環として、ストック事業においては、これまでの商業施設を中心とした建物活用から土地(更地)活用にシフトをすべく、当事業年度において、土地を1件購入したほか、2024年3月7日に公表いたしました「新たな事業の開始及び固定資産の取得に関するお知らせ」のとおり、37か所分の駐車場機器類を購入し、2024年4月1日より駐車場事業を開始いたしました。
② デベロップメント事業及びリセール事業の推進
既存プロジェクトにつきましては、販売計画に対し、遅れが生じております。つきましては、引き続き既存物件の早期販売を目指すとともに、新たな不動産の仕入や販売を積極的に行ってまいります。また、2023年11月にトライアルで開始した太陽光発電物件の開発・販売の事業化を図ってまいります。
③ 新たなビジネスモデルの構築
当社グループでは、これまでのストック事業、デベロップメント・リセール事業のみならず、引き続き新たなビジネスモデルの構築を図ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは持続可能な地域社会環境づくりのため、従業員の成長と共に地方における経済・社会・地域環境に応じたインフラ整備に注力し、ステークホルダーの皆様と共に成長し続ける企業を目指します。
(1)ガバナンス
当社では、現状、サステナビリティに係る基本方針は定めておらず、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し、及び管理するためのガバナンスの過程、統制及び手続き等の体制をその他のコーポレートガバナンスの体制と区別しておりません。
なお、当社のコーポレート・ガバナンスの状況の詳細は、「
(2)戦略
当社グループは小規模な組織体制であることから、今後当社グループが大きく発展をするためには、以下4点が不可避だと認識をしておりますので、今後これらの環境整備を積極的に進めてまいります。
①年齢、国籍、性別等にとらわれない多様な人材の採用
②従業員のポテンシャルを最大限引き出すための成長機会の提供
③能力や役割、成果と連動し、従業員が期待感、納得感を持てる評価制度の再構築
④未来を見据えたダイナミックな登用
(3)リスク管理
当社グループでは、取締役会と経営管理本部が緊密な連携を図ることにより、また内部監査室及び監査役による監査により、リスクの早期発見、未然防止及び会社損失の最小化を図っております。また必要に応じ、弁護士、公認会計士、税理士等の外部専門家からアドバイスを受けられる体制を構築しております。
詳細については、「
(4)指標及び目標
当社グループの経営成績及び事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項には、次のようなものがあります。
なお、当社グループではこれらリスクの発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限努める方針ですが、本項目の記載は、当社グループの事業または本株式の投資に関するリスクの全てを網羅するものではありませんので、予めご留意願います。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) 法的規制について
当社グループの属する不動産業界における不動産取引については、「国土利用計画法」「宅地建物取引業法」「建築基準法」「都市計画法」等の法的規制があります。当社は、宅地建物取引業者として宅地建物取引業者免許(免許証番号:国土交通大臣(3)第7782号)の交付を受け、不動産の企画開発・販売事業を行っております。今後、これらの規制の改廃や新たな法的規制が設けられる場合、または何らかの理由により免許の取消等があった場合は、当社グループの主要な事業活動に支障をきたすとともに業績に重大な影響を与える可能性があります。
①改正建築基準法について
2005年11月に国土交通省より公表された構造計算書偽装事件の教訓を踏まえ、建築物の安全・安心の確保を目的に2007年6月20日に建築確認・検査の厳格化を柱とする改正建築基準法が施行されました。これにより構造計算適合性判定制度の導入、確認審査等に関する指針及びそれに基づく審査の実施等により、建築確認手続方法が変わりました。その後、2007年11月14日に建築基準法施行規則の一部改正が行われましたが、今後も同法及び施行規則等の改正が行われ、当社グループの開発計画の変更を余儀なくされた場合は、業績に重大な影響を与える可能性があります。
②金融商品取引法の施行について
2006年6月7日に「証券取引法の一部を改正する法律」が成立しており、開示書類の虚偽記載・不公正取引の罰則強化、公開買付制度・大量保有報告制度等、緊急性の高い項目から順次施行され、2007年9月30日に「金融商品取引法」が施行されました。
信託受益権や匿名組合持分については、みなし有価証券として同法の適用対象となるため、当社は第二種金融商品取引業者として登録いたしております(東海財務局長(金商)第105号)。今後予定される政令等につきましても内容に従って適時適切な対応をしてまいります。
(2) 不動産市況、金利動向等の影響について
不動産業は、景気動向、金利動向及び住宅税制等の影響を受けやすいため、景気見通しの悪化や大幅な金利の上昇、税制の変化等が発生した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、経済情勢の変化により、事業用地の購入代金、建築費等の上昇、ならびに供給過剰により販売価格が大幅下落した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 小規模組織であることについて
当社は、当連結会計年度末現在、取締役5名、監査役3名、従業員3名の小規模組織であり、また、当社子会社は当社役員及び従業員の兼任により運営しているため、内部管理体制も当該組織の規模に応じたものになっております。今後の業容拡大に合わせて内部管理組織の一層の充実を図っていく方針でありますが、管理体制の構築が順調に進まなかった場合は、当社の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。また、現状は小規模組織であるために、役員及び従業員に何らかの業務遂行上の支障が生じた場合、あるいは役員及び従業員が社外へ流出した場合には、当社グループの業務に一時的な支障をきたす可能性があります。
(4) 販売用不動産(土地等)の仕入について
当社グループの不動産販売事業は、土地(買取再販物件については建物含む)の仕入の成否が業績に重要な影響を及ぼします。土地等の仕入情報は、不動産業者、建設業者、設計事務所、金融機関等より入手し、価格・立地条件・周辺環境・権利関係・購入条件等を確認・調査するとともに、事業プランを作成して事業採算を検証したうえで購入の是非を判断しております。しかしながら、良質・安価な不動産の不足や同業他社との競合等により土地等の仕入が計画通りに実施できなかった場合や突発的な市況の変化、購入者の購入意欲の低下などにより販売が計画通りに実施できなかった場合は、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(5) 業務委託について
当社グループは、デベロップメント及びリセール事業において設計、建設工事、販売業務等をそれぞれ設計会社、建設会社、販売会社等に業務委託しております。この方法により、当社は事業遂行に伴う固定的なコストを抑制できるほか、委託先が持つノウハウや情報を有効に活用できるものと考えておりますが、委託先との取引条件、取引関係等に変化が生じた場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
なお、建築工事委託先の選定にあたっては施工能力、施工実績、財務内容、市場の評価等を総合的に勘案したうえで行っており、工事着工後においても、品質・工程管理のため当社社員が随時委託業者との会議に参加して進捗確認を行うとともに、当社の要求する品質や工期に合致するよう、工程毎の監理を行っておりますが、委託先が経営不振に陥った場合や物件の品質に問題が発生した場合は、計画に支障をきたす可能性があり、その場合は、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 不動産引渡し時期等による業績の変動について
当社グループの売上計上基準は、物件の売買契約を締結した時点ではなく、購入者へ物件を引渡した時点で売上を計上する引渡基準としております。そのため、四半期毎の業績については、物件の引渡し時期や規模により売上高や利益が変動するため、月毎あるいは四半期毎の業績が大きく変動する可能性があります。また、天災その他予想し得ない事態による建築工期の遅延、不測の事態により引渡し時期が遅延した場合は、当社グループの業績が変動する可能性があります。
(7) 瑕疵担保リスクについて
当社グループは、デベロップメント事業における建設工事を外部の建設工事業者に委託するとともに、国の定める第三者評価機関による「設計住宅性能評価書」及び「建設住宅性能評価書」を全物件に対して取得し、品質及び安全の確保に努めております。
また、当社は財団法人住宅保証機構による住宅性能保証制度の登録業者となっており、2006年度以降に着工した自社開発の分譲マンションは、全て住宅性能保証制度に登録しております。住宅性能保証制度に登録したマンションは、財団法人住宅保証機構が定める「性能保証住宅設計施工基準」に基づく現場検査に合格し、保証住宅として登録されると、新築住宅に10年間義務付けられている瑕疵(構造耐力上主要な部分、または雨水の浸入を防止する部分)について登録業者(当社)による保証がなされます。また、当社の保証の履行をより確実なものとするため、財団法人住宅保証機構の保険を付保し、これにより補修費用の95%が補償されます。
さらに、当社は既存住宅売買瑕疵保証責任任意保険の登録事業者となっており、リセール事業において中古物件を購入する場合、住宅瑕疵担保責任保険法人が定める現場検査に合格する物件であることを前提に仕入れております。また、当該責任保険は既存住宅の販売に際して2年間義務付けられている瑕疵(構造耐力上主要な部分、または雨水の浸入を防止する部分)について売主(当社)が負う責任保証を補償するものであります。なお、当社の保証の履行をより確実なものとするため、住宅瑕疵担保責任保険法人の保険を付保し、これにより補修費用の80%(最大10,000千円)が補償されます。
(8) 土壌汚染等の対策について
当社グループは事業用地を仕入れる場合には、土壌汚染や地中埋設物等による建築スケジュールへの影響を回避するために必要に応じて土壌調査を行い、売買契約書においては土壌汚染があった場合の対策費用を売主負担としております。しかしながら、使用履歴上は問題のない土地であっても購入後または分譲後に近隣地域から土壌汚染物質が流入するなど土壌汚染問題が発生し、当社が予期しない土壌汚染対策が求められた場合は、事業化スケジュールの遅延が生じ、もって当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 保有する資産について
当社グループが保有している販売用不動産及び固定資産について、時価の下落や賃貸収益の悪化等により減損処理の対象になった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 気候変動・自然災害について
地球温暖化等の気候変動により、過去経験したことのないような自然災害(地震・洪水・豪雨等)の発生頻度が著しく高まるなか、当社所有商業施設の資産毀損が発生し、資産価値や担保価値が低下するリスクがあります。
当該自然災害により、商業施設の事業存続が不可能となった場合、大規模修繕工事を要した場合、ならびに一時的な休業によるテナントへの営業補償等が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 感染症・テロ等について
国内外で発生する可能性のある感染症やテロ等は人々の消費行動を控えたり、消費者心理を低下させる最も懸念すべきリスクであります。
パンデミックに及んでいる新型コロナウイルス感染症の感染拡大により商業施設の営業活動が制限され、テナントの家賃滞納や大幅な減額措置等を講じた場合、ならびにテナントが退店し稼働率が低下した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) テナントのリーシングについて
当社グループが保有している商業施設において、キーテナント等の退店の後、次期テナント誘致までに相当の期間を要する場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 商業施設について
当社グループが保有している商業施設は、竣工から一定の期間が経過しているため、機器の故障、建物の劣化により大規模な修繕を必要とする場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 電気料金上昇に伴うリスクについて
今後予想を上回る原油価格の高騰等や天災などを起因とした電気料金値上げ等の事態に至った場合には、当社グループの業績に影響を及す可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴い、様々な制限が緩和され、経済活動の正常化が進み続けてまいりました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化により、エネルギー価格や原材料価格が高騰するなど、依然として、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが属する不動産業界においては、ここ数年で、特に新型コロナウイルス感染症の影響により、生活様式や働き方に変化が生じたことで、ニーズがさらに多様化しており、またDX化の動きも加速するなど、大きな転換期を迎えていると言っても過言ではありません。
このような状況のもと、当社グループは、開発・販売事業として宅地及び建売物件の販売活動、ならびに中古戸建のリフォームの販売活動を行うとともに、賃貸・管理事業として商業施設の運営活動をいたしました。また新たなビジネスモデル構築の一環として、不動産コンサルティング事業への取り組みを行ってまいりました。
売上高は、当連結会計年度において、保有商業施設5施設のうち4施設を売却したことや、販売事業における宅地及び建売販売が計画に対し未達であったことから、前連結会計年度に対して減収となりました。他方、営業利益及び経常利益は、当連結会計年度より開始したコンサルティング事業にて、大型の契約を含めた3契約を獲得できたことなどに起因し、前連結会計年度に対して増益となりました。また前述の通り、当連結会計年度において、保有商業施設4施設を売却したことにより、固定資産売却益1,410,127千円を計上いたしました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高708,065千円(前連結会計年度比49.2%減)、営業利益139,383千円(同92.6%増)、経常利益123,066千円(同388.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,421,256千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失2,359,588千円)となりました。
また、当連結会計年度末における総資産につきましては、前連結会計年度末に対し5,133,313千円減少の1,141,059千円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に対し6,554,570千円減少の1,080,767千円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に対し1,421,256千円増加の60,291千円となりました。
セグメント別経営成績は、次のとおりとなります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメント区分の変更を行っております。変更の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等) セグメント情報」の「1.報告セグメントの概要」をご参照ください。
a.開発・販売事業
開発・販売事業は、当社において潜在価値を引き出すことが可能な用地を取得し、物件毎に地域特性や立地環境に最適な企画を付加し、分譲マンションや商業施設の開発または宅地開発を行う「デベロップメント事業」と他のデベロッパーが開発した物件を1棟または区分所有で購入し、これを効率的・効果的な販売手法をもって再販、ならびに中古戸建てや中古マンション等を購入し、市場ニーズに合致したリノベーションを施して再販する「リセール事業」があります。
「デベロップメント事業」については、引き続き神奈川県横須賀市(1物件)の宅地及び建売販売を行いましたが、当連結会計年度において、売上高は計上できませんでした。
他方、商業施設や宅地の開発といった、これまでの事業モデルに加え、新たな事業モデルの構築を図るべく、土地付き太陽光発電物件の開発・販売に着手し、2023年11月に9区画の土地及び発電設備の契約を締結し、現在販売に向けた準備を進めております。
「リセール事業」については、長野県伊那市(1物件)及び長野県駒ヶ根市(1物件)の建売及び栃木県宇都宮市(11区画)の宅地の販売活動を行いましたが、当連結会計年度において、売上高は計上できませんでした。また、2023年8月に仕入れた神奈川県横浜市保土ヶ谷区(9区画)の開発物件については、早期の販売開始を目指し、準備を進めております。
この結果、セグメント損失は19,741千円(前連結会計年度はセグメント損失425千円)となりました。
b.賃貸・管理事業
賃貸・管理事業は、当社が所有する土地や建物等を第三者に貸し付ける賃貸事業であります。
当社は、これまで北海道北斗市(1物件)、北海道札幌市厚別区(1物件)、北海道苫小牧市(1物件)、神奈川県横浜市中区(1物件)、石川県河北郡(1物件)の5物件の商業施設を所有しており、当該施設の賃貸及び運営管理を行っておりましたが、2023年6月に北海道苫小牧市の物件を除く4物件を売却いたしました。
この結果、売上高は497,199千円(前連結会計年度比62.4%減)となり、セグメント利益は98,987千円(同57.4%減)となりました。
また2023年10月、神奈川県川崎市高津区の土地を購入し、駐車場用地として賃貸を開始しております。
c.不動産コンサルティング事業
当連結会計年度より開始した不動産コンサルティング事業は、デベロップメント事業やリセール事業を長年にわたり展開してきたノウハウを活かし、旧来の相場を基準とした売り手と買い手を繋ぐだけの仲介ではなく、それぞれの不動産が持つエリアや立地特性などを多様な視点で分析し、また専門的な知見・技術や独自のネットワークを有すパートナーとの提携により、それぞれの不動産が有す潜在的な価値を最大限まで引き出し、最良な価格で取引を実現することをコンセプトとしております。
当連結会計年度においては、コンサルティング業務委託契約を締結しているアークホールディングス株式会社との間で、計3件のコンサルティング業務を完結いたしました。
この結果、当連結会計年度の売上高は193,152千円となり、セグメント利益は193,152千円となりました。
なお、不動産コンサルティング事業における原価及び販管費について、現時点では人件費のみを想定しておりましたが、当連結会計年度においては、開発・販売事業及び賃貸・管理事業と兼務であり、不動産コンサルティング事業単独で人件費を計上しなかったため、売上高とセグメント利益は同額となっております。
また、不動産コンサルティング事業については、前連結会計年度の実績がないため、比較情報を記載しておりません。
d.その他
「その他」区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、主として店舗運営事業及び不動産仲介事業であります。
店舗運営事業につきましては、現在、神奈川県横浜市中区(1物件)、北海道苫小牧市(1物件)の2物件において、連結子会社の株式会社リユニオンが店舗運営事業を行っております。
この結果、売上高は23,440千円(前連結会計年度比31.1%増)となり、セグメント利益は10,423千円(前連結会計年度比110.8%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は629,953千円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は357,522千円(前年同期は257,830千円の獲得)となりました。これは税金等調整前当期純利益1,449,763千円に加えて、非資金取引である減価償却費47,517千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、獲得した資金は6,699,556千円(前年同期は60,512千円の使用)となりました。これは有形固定資産の売却による収入6,687,312千円及び担保預金の払戻による収入100,000千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は6,107,528千円(前年同期は179,272千円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出4,790,593千円及び関係会社長期借入金の返済による支出1,305,700千円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、不動産のコーディネート&マネジメントに特化した企画開発・販売事業を行っており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績は記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) |
前年同期比(%) |
開発・販売事業(千円) |
- |
- |
賃貸・管理事業(千円) |
497,199 |
△62.4 |
不動産コンサルティング事業(千円) |
193,152 |
- |
そ の 他 (千円) |
23,440 |
31.1 |
調 整 額 (千円) |
△5,726 |
9.1 |
合 計 (千円) |
708,065 |
△49.2 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) |
当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
アークホールディングス株式会社 |
- |
- |
193,152 |
27.28 |
株式会社トライアルカンパニー |
226,168 |
16.2 |
77,940 |
11.01 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載しております。
②財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産につきましては、前連結会計年度末に対し5,133,313千円減少の1,141,059千円となりました。これは主に保有物件売却等による現金及び預金の増加134,505千円、同じく保有物件売却等による有形固定資産の減少5,339,651千円、また販売用不動産及び仕掛販売用不動産の増加129,489千円、売掛金の減少54,683千円によるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末に対し6,554,570千円減少の1,080,767千円となりました。これは主に長期借入金の減少4,788,093千円、長期預り保証金の減少473,962千円、関係会社長期借入金の減少1,305,700千円によるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末に対し1,421,256千円増加の60,291千円となりました。これは主に利益剰余金の増加1,421,256千円によるものであります。
③経営成績の分析
(売上高、売上総利益)
当連結会計年度は、開発・販売事業として、神奈川県横須賀市(1物件)の宅地及び建売の販売活動ならびに長野県伊那市(1物件)、長野県駒ヶ根市(1物件)の建売及び栃木県宇都宮市(11区画)の宅地の販売活動を行いましたが、当連結会計年度において、売上高は計上できませんでした。
また賃貸・管理事業として、2023年3月から同年6月までは北海道北斗市(1物件)、北海道札幌市厚別区(1物件)、北海道苫小牧市(1物件)、神奈川県横浜市中区(1物件)、石川県河北郡(1物件)の商業施設合計5物件の賃貸及び運営管理を行い、北海道苫小牧市(1物件)を除く4物件を売却した同年7月以降は、北海道苫小牧市(1物件)の賃貸及び運営管理を行いました。
当連結会計年度より開始した不動産コンサルティング事業は、アークホールディングス株式会社との間で、計3件のコンサルティング業務を完結いたしました。
この結果、売上高は前連結会計年度に対して687,039千円減少の708,065千円となりました。これは主に保有商業施設5施設のうち4施設を売却したことや、販売事業における宅地及び建売の販売実績が無かったことよる減少であります。
売上総利益は、前連結会計年度に対して64,450千円増加の309,723千円となりました。また、売上総利益率は26.2ポイント増加の43.7%となりました。これは主に売上総利益率の高い不動産コンサルティング事業において、3件のコンサルティング業務を完結したことによる増加であります。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に対して2,564千円減少の170,340千円となりました。これは主に従業員数の減少に伴う給与手当の減少と、保有商業施設の売却に伴う租税公課や支払手数料の増加との差額によるものであります。
(営業利益)
営業利益は、前連結会計年度に対して67,015千円増加の139,383千円となりました。
なお、従業員1人当たりの営業利益は、前連結会計年度に対して36,122千円増加の46,461千円であります。
(営業外収益・費用及び経常利益)
営業外収益は、前連結会計年度に対して10,075千円減少の11,876千円となりました。これは主に受取保険金の減少によるものであります。
営業外費用は、前連結会計年度に対して40,918千円減少の28,193千円となりました。これは主に借入金の返済による支払利息等の減少によるものであります。
この結果、経常利益は前連結会計年度に対して97,857千円増加の123,066千円となりました。
(税金等調整前当期純利益)
主に保有商業施設4物件の売却に伴い、1,410,127千円を特別利益として計上したことから、前連結会計年度の税金等調整前当期純損失2,363,408千円に対して、税金等調整前当期純利益1,449,763千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益から法人税等の税負担を加減算した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,421,256千円となりました。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
(キャッシュ・フローの状況の分析)
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(資金需要)
当社グループの資金需要の主なものは、保有物件の維持費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
(財務政策)
当社グループの事業活動に必要な資金については、自己資金によることを基本としておりますが、物件の購入や大規模な修繕など、多額の資金需要が見込まれる場合は、必要に応じ、金融機関等からの借入により調達しております。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(和解契約)
当社は、当社の主要株主であるストーク株式会社より、2022年1月25日に当社名で振り出された約束手形について、当該約束手形に記載された金1,296,100千円の支払いを求める訴訟を、2022年4月20日に名古屋地方裁判所に提起されており、また本件手形訴訟提起前に同社が行った不動産仮差押命令申立てに基づき、2022年4月25日付で、名古屋地方裁判所より仮差押命令が発せられておりましたが、2023年3月23日付で同社との間で和解契約を締結し、2023年4月26日に裁判所にて裁判上の和解が成立いたしました。
当該和解契約の締結に伴い、同社との間で平成28年1月13日に締結した根抵当権設定契約における極度額を835,000千円から1,300,000千円に、被担保債権の範囲を金銭消費貸借取引から金銭消費貸借取引・手形債権に、それぞれ変更することとなりました。
また上記に加え、同社が当社に対し有する債権のうち551,679千円が、当社の主要株主であるアークホールディングス株式会社に対して譲渡されました。
(不動産売買契約)
当社は、ストーク株式会社との和解契約の内容に基づき、また財務体質の健全化を図るため、2023年4月11日開催の臨時取締役会において下記4物件を譲渡する方針を決議し、下記「2.譲渡資産の内容」(1)~(3)の3物件については2023年4月11日に、同(4)の1物件については2023年4月28日に売買契約の締結が完了しております。なお、当該4物件の譲渡については、2023年5月25日開催の第51回定時株主総会において、承認可決されております。
1.譲渡先の概要等
取引の譲渡先につきましては、いずれも国内法人となりますが、譲渡先、譲渡金額につきましては、当該売買契約の守秘義務条項により公表を控えさせていただきます。なお、当社と譲渡先との間には、資本関係、人的関係、取引関係、関連当事者として特筆すべき事項はありません。
2.譲渡資産の内容
下記(1)~(3)は同一の売却先となります。
(1)内灘物件
所在地 石川県河北郡内灘町字千鳥台五丁目1番 他
施設名称 コンフォモール内灘
種類 土地、建物及び付属設備等
譲渡前の使途 賃貸用不動産
(2)上磯物件
所在地 北海道北斗市七重浜七丁目189番3 他
施設名称 トライアル上磯店
種類 土地、建物及び付属設備等
譲渡前の使途 賃貸用不動産
(3)厚別物件
所在地 北海道札幌市厚別区厚別西四条2丁目611番363 他
施設名称 トライアル厚別店
種類 土地、建物及び付属設備等
譲渡前の使途 賃貸用不動産
(4)本牧物件
所在地 神奈川県横浜市中区本牧原12番1 他
施設名称 ベイタウン本牧 5番街、10番街
種類 土地、建物及び付属設備等
譲渡前の使途 賃貸用不動産
3.譲渡の日程
物件(1)~(3)
取締役会決議日 2023年4月11日
株主総会承認決議日 2023年5月25日
売買契約締結日 2023年4月11日
引渡日(譲渡日) 2023年6月30日
物件(4)
取締役会決議日 2023年4月11日
株主総会承認決議日 2023年5月25日
売買契約締結日 2023年4月28日
引渡日(譲渡日) 2023年6月30日
該当事項はありません。