文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき当社グループが判断したものであります。
当社グループは「クラウドで 世界をもっと はたらきやすく」のビジョンのもと、お客様の抱える課題や要望を正しく把握し、最大の強みであるクラウド基盤構築技術を活かし、顧客視点に立ったソリューションを提供することで、魅力的な就労環境の整備と生産性向上の実現に貢献していくことを経営の基本方針としております。
当社グループは、「クラウドで、世界をもっと、はたらきやすく」のビジョンを実現すべく、常に変化する経営環境、市場動向に対して的確に対処しながら、企業価値の更なる向上に向けて事業展開を進めてまいります。加えて、社内開発のほか他社との協業・業務提携・M&A(投資含む)等により、次なる収益の柱となる新規事業と当社グループのケーパビリティ強化及び経営基盤の強化を積極的に進めてまいります。
当社グループの属するクラウド市場は、複数のクラウドサービスを適材適所に使い分けるハイブリッド/マルチクラウドを利用してビジネスの強化を図るエンタープライズ分野の大規模ユーザーを中心に拡大し、本格的な普及期に入ったと認識しております。「技術の新規性」を訴求し「機能的価値」を提供して成長を実現した初期市場とは異なり、成長市場で持続的な成長を続けるためには環境の変化を見越した事業戦略の立案・実行と持続的成長を支える経営基盤の強化が課題と認識しております。
このような状況を踏まえ、次のような目標と課題を掲げて計画的かつ迅速に取り組んでまいります。
当社グループでは、企業価値向上のため、売上高、営業利益、当期純利益を重視し、その向上に努めてまいります。当社の属する成長市場であるクラウド業界においては、優秀な人材の確保が最重要課題であり、人件費・採用費などの中長期的な成長に資するための先行的なコストが発生することで、短期的には利益率は限定的になりますので利益率よりも売上高や利益額という絶対額の向上を重要な指標としてとらえております。
当社グループの対処すべき課題としましては、既存事業の拡大、収益性の向上ならびに中長期的な成長に資する経営基盤の強化が重要であると認識しており、特に以下を重要課題として取り組んでおります。
当社グループはいち早くパブリッククラウド(注1)市場に参入し、AWSにおいてはAPN(注2)最上位の「AWS プレミアティアサービスパートナー」の地位を継続して取得し、多数の新規顧客企業を獲得してまいりましたが、今後より一層クラウドの普及が進み、様々な分野に浸透していくことは確実な状況にあります。こうした中で、非クラウド市場において既存顧客企業を保有する大手企業のクラウド市場への参入も増えており、成熟市場で成長を持続するためには、既存顧客企業との長期にわたる関係構築と、それに伴う利用量(料)の増加によるストック型ビジネスの強化が課題と認識しております。多数の案件の中から『ストック型案件』『収益規模』『潜在成長性』の三要素を満たす顧客企業に対しては、上流のビジネスコンサルティングから運用負荷の軽減や最適化のためのマネージドサービスの提供まで、一貫したサービス提供を積極的に行ってまいります。
また、2023年4月にAWSと締結した4年におよぶ戦略的協業契約において、注力領域をエンタープライズのクラウドインフラ共通基盤の整備・構築支援、中小企業(SMB)のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進、クラウドコンタクトセンター構築支援、デジタル人財のさらなる強化の4領域に定め、お客さまのクラウドリフト・シフトへの支援を拡充してまいります。
当社グループが属するクラウド業界は、特に技術者(エンジニア)の人材不足が深刻化しております。当社グループの提供するサービスは、特に技術者の技術力に依るところが大きく、今後も市場拡大が見込まれる中で当社グループが成長を持続していくためには、優秀な技術者を安定的に確保し続けることが重要な課題であると認識しております。
また、事業拡大に伴う顧客・引き合いの増加、マーケティング・アライアンス戦略の強化、収益性向上のための事業・経営指標の分析の必要性など、技術者(エンジニア)に限らず幅広い人材の必要性が増しております。
そのため、当社グループでは、リモートワーク・時短勤務制度の導入など、ダイバーシティ(働き方の多様性)に対応した施策を積極的に推進し、ワークライフバランスの実現を率先的に図ることにより、次世代を担う優秀な人材の獲得に努めてまいります。また同時に、社員の能力開発・向上のための研修、AWS認定資格(注3)取得補助の実施など、従業員の能力を最大限に発揮させる仕組みを確立してまいります。
また、2023年10月にパーソルクロステクノロジー株式会社と設立したパーソル&サーバーワークス株式会社において、AWS領域における高スキルITエンジニアの育成と高品質なサービス提供を目指し、喫緊の課題である技術者(エンジニア)の創出・育成・確保を目指してまいります。
当社グループのAWS運用自動化サービス「Cloud Automator」は、顧客企業がクラウド導入パートナーを選定するにあたり当社グループを選択する、他社ベンダーとの差別化要因となっており、クラウドインテグレーション案件受注率向上に貢献していると認識しています。当社グループが今後も成長を持続していくためには他社ベンダーとの差別化が急務であり、サービスの優位性を高めるための機能強化・追加が必要不可欠であると認識しております。
また、クラウドコンピューティングの進展によって、企業は複雑化していくシステム開発への迅速な対応と、運用業務の品質・効率改善とコスト削減を同時並行的に高めていく必要に迫られています。これを解決する手段として、当社グループではAWS運用自動化サービス「Cloud Automator」を提供することで、顧客がクラウド上に展開したシステムの運用を自動化し、クラウドの運用にかかるコスト総額の削減に貢献しております。
当社グループでは、今後も市場環境や技術動向の変化に俊敏に対応し、顧客ニーズに迅速に対応するため、自社クラウドサービスの機能強化、またそれが実現可能な開発体制の強化を図ってまいります。
当社グループでは日本国内において継続的な事業拡大を図っておりますが、中長期的な視点での事業展開を見据えた更なる業容の拡大を図るにあたり、日本国内のみならずアジア太平洋(APAC)、北米市場をにらんだグローバル市場への進出が重要になると考えており、海外のベンチャーキャピタルが運営するファンドへの投資やグローバル企業とのアライアンスなどを通じて、海外マーケットにおける情報収集と当社サービスの認知度向上のための活動を開始しております。
また、技術者(エンジニア)確保の観点からも、外部企業との連携を通じたオフショアでの開発体制の構築なども検討してまいります。
当社グループは、クラウド専業インテグレーターとして、クラウド基盤に関するコンサルティング、基盤構築、運用支援サービスを提供しておりますが、AWSがインフラプロバイダーから本格的なアプリケーションスタック(注4)を提供する企業に進化していることに伴い、当社グループもIaaS(注5)だけでなく、プラットフォームサービス(注6)の拡充を図っていく必要があると考えております。また、今後より一層多様化・複雑化する顧客ニーズを的確に把握し、顧客ニーズを満たす適切な商品・サービスを提供し続けていくことや、連結子会社である株式会社G-gen及び株式会社トップゲートが展開するGoogle Cloud事業との連携によるマルチクラウドへの対応の必要があると認識しております。
そのため、ビッグデータ、AIなど、将来的に成長が期待される事業分野におけるクラウド導入コンサルティングサービスや導入支援サービス等、提供サービスのポートフォリオを強化していく方針であります。具体的には、AWSが提供するサービスを活用したサーバーレス開発、仮想デスクトップサービス、AIコンタクトセンター等の開発及びコンサルティング・導入支援サービスを開始しております。
当社グループは、事業拡大・営業活動の促進、ケーパビリティ強化などのために、様々な企業との協業や資本・業務提携及び、M&Aを進めてまいりました。
今後も、必要に応じて経営資源とノウハウを補完し合えるパートナーとの協業を図り、また、既存事業の強化と新たな事業軸を創出することを目的とするM&Aを積極的に検討・実施してまいります。常に変化する市場環境と多様化する顧客ニーズにスピード感を持って的確に対処しながら企業価値の更なる向上に向けて事業展開を進めてまいります。
⑦ パートナーエコシステム(注7)構築
当社グループは、AWSのパートナープログラムであるAWSパートナーネットワーク(APN)に加盟して、国内パブリッククラウド市場において高いシェアを有するAWSと強固なリレーションを構築しております。AWSと「パートナーエコシステム」を構築することでAWSから技術・ビジネス・販売及びマーケティング面における様々な支援を得ることが可能となり、相互に成長が加速する好循環を目指しております。今後も双方にメリットのある取組みを進め、強固なエコシステムの構築を目指してまいります。
現在、地球温暖化をはじめとする気候変動や人権問題など、サステナビリティに関する様々な社会課題が存在しております。
当社グループは、「クラウドで 世界をもっと はたらきやすく」のビジョンに基づき、問題を抱える社会に対する当社の果たすべき役割や義務を明確にし、具体的な活動において社会貢献を実践することで社会課題の解決と企業価値の向上の両立を目指してまいります。単なる「法令や規則を守る」というコンプライアンスの遵守にとどまらず、顧客・従業員・取引先・株主など全てのステークホルダーの声を活動に活かすことで信頼に応えるとともに、当社のビジネスドメインであるクラウドを活用した持続可能な社会の実現と持続可能な成長に積極的に取り組んでまいります。
(注1) パブリッククラウドとは、ソフトウェア、データベース、サーバー及びストレージ等をインターネットなどのネットワークを通じてサービスの形式で必要に応じて利用する方式のことを意味し、「IaaS」「PaaS」「SaaS」の大きく3つの種別に分類されます。
(注2) APNとは、AWS Partner Network の略称であります。AWSパートナー企業のビジネス、技術、マーケティング、市場開拓等における活動を支援・促進するためのさまざまなサポートを提供する制度であります。AWSの活用を支援する「コンサルティングパートナー」と、AWSを使ったソフトウェア・サービスを提供する「テクノロジーパートナー」の2つに大分されます。APNコンサルティングパートナーは、AWSに関する営業体制を保有し、AWSを活用したシステムインテグレーションやアプリケーション開発能力をAmazon Web Services, Inc.に認定されたパートナーの総称であり、営業・技術力、導入実績、貢献度等に応じて「レジスタード」「スタンダード」「アドバンスド」「プレミア」の4階層が存在します。最上位のプレミアコンサルティングパートナーは、APNコンサルティングパートナーの中でも最も優れた実績を残したパートナーとして位置づけられております。
(注3) AWS認定資格とは、AWS(Amazon Web Services)上でアプリケーション開発やオペレーションが行えるだけの技術的な専門知識を持っていることを認定する資格であります。
(注4) アプリケーションスタックとは、AWSのサービス提供範囲が、従来から提供しているインフラ層(インターネット経由でハードウェアやICTインフラをサービスとして提供)にとどまらず、インフラ層と相互運用性のある上層のプラットフォーム層(インターネット経由でOSやミドルウェア等のプラットフォームをサービスとして提供)に至るまで、サービスラインアップを拡充していることを意味しています。
(注5) IaaS とは、Infrastructure-as-a-Serviceの略称であります。インターネットを経由して、CPUやメモリなどのハードウェア、サーバーやネットワークなどのITインフラを提供するサービスであります。
(注6) プラットフォームサービスとは、商品やサービス・情報を集めた「場」を提供することで利用客を増やし、市場での優位性を確立するビジネスモデルであります。
(注7) パートナーエコシステムとは、さまざまなパートナー制度を提供することによって戦略的な事業拡大を図る仕組みであります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
現在、地球温暖化をはじめとする気候変動や人権問題など、サステナビリティに関する様々な社会課題が存在しております。当社グループは、「クラウドで、世界を、もっと、はたらきやすく」のビジョンに基づき、問題を抱える社会に対する当社の果たすべき役割や義務を明確にし、具体的な活動において社会貢献を実践することで社会課題の解決と企業価値の向上の両立を目指してまいります。
単なる「法令や規則を守る」というコンプライアンスの遵守にとどまらず、顧客・従業員・取引先・株主など全てのステークホルダーの声を活動に活かすことで信頼に応えるとともに、当社のビジネスドメインであるクラウドを活用した持続可能な社会の実現と持続可能な成長に積極的に取り組んでまいります。
当社グループでは、持続可能な社会の実現と持続可能な成長(収益機会)の観点からサステナビリティ推進体制を強化しております。
代表取締役社長・大石良がサステナビリティ課題に関する経営判断の最終責任を有しており、当社の取締役会がサステナビリティ全般に関する報告を受け、リスク及び収益機会・取組を監督する責任を担っております。
また、当社グループのサステナビリティに関する議論を集約し、実行の質・スピードをさらに高めることを目的として、代表取締役社長、当社経営管理部IRチーム、常勤監査等委員を構成メンバーとする毎月一回程度のサステナビリティ定例会を開催しており、当社グループのサステナビリティのリスク及び収益機会・取組への対応方針および実行計画等についての審議を行っております。
さらに、リスクのマテリアリティに関する事項は、当社グループの経営上のリスクとも密接に関わることから、リスク管理委員会とも連携して対処しております。
<マテリアリティの特定>
社会のサステナビリティに関する課題に対して、SDGs及びESGに関する各種ガイドライン等を参照しながら、リスク減少のみならず収益機会にも通じる重要な社会課題・経営課題を抽出し、対象となる重点領域を当社グループが本業を通じて解決すべき最も重要な課題=マテリアリティとして特定しております。
<当社グループのマテリアリティ>
<人的資本に関する方針等>
当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
①人材の多様性の確保を含む人材の育成方針
当社グループは、今後の労働力人口減少や市場の変化へ対応し、持続的な成長を実現するためには人材の確保と組織の生産性を高めることを重要な課題と考えております。これらの課題解決のため、次の「成長サイクル」を繰り返し続けることで多様な人材確保と組織の活性化を目指します。
<成長のサイクル>
「優秀な人材が集まり、従業員の成長によって高いモチベーションが維持され、業績拡大することで待遇の向上や働きがいを感じられる環境とすることで、さらに当社の採用力を強化していくサイクル」
また、顧客のクラウド化・DX推進への貢献、さらには日本のデジタル人材不足という課題解決のため高品質な技術支援を行えるハイスキルエンジニアの育成において、当社のAWS 認定資格保有数を、現在の約916(2024年2月末)から3年間で新たに1300追加することを目指します。さらにCCoE(Cloud Center of Excellence、クラウド活用を推進するための全社横断型)組織の設立、社員の技術レベル向上のために社内にトレーニングを施す部署を設けることによる積極的な推進、インフラ共通基盤に必要なガイドライン作成を支援できる人材の育成を強化します。
② 社内環境整備方針
様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材が意欲をもって活躍する活力ある組織の構築を推進していくために具体的には以下の環境を整備しております。
(a) 即戦力と未来戦力の人材確保
即戦力として期待できる中途採用のほか新卒を対象とした定期採用も引き続き積極的に行ってまいります。あわせて、確保した人材を早期戦力化させる社内トレーニング人材の人員拡大を図ってまいります。
(b) 主体的な行動“挑戦とキャリア”の支援
多種多様な自主学習への支援や資格取得奨励に加え、多様な経験やスキルを持った人材の能力が発揮され、適切に評価され、待遇が向上する仕組みを目指します。
(c) 多様な人材の活躍
女性活躍を促すことに加え、男性の育児休業の推進など、希望する誰もが安心して育児休業を取得できる環境づくりに取り組んでまいります。
(d) 競争力ある報酬水準
人材獲得競争が激化するなかで、採用競争力ある報酬水準を検討するため、報酬サーベイの実施と分析を行います。
また、従業員エンゲージメントを向上させるため、ワークライフ・バランスを整えながら、従業員一人一人が働きがいを持って能力を十分に発揮できる仕組みづくりと、安心して働き続けることができる働きやすい職場環境、時間や場所にとらわれない働き方ができる環境の整備に努めてまいります。
具体的には以下を整備しております。
(a) 社員のエンゲージメントレベルの把握
中期的な組織力の維持・向上を目指し、自社にとって重要なエンゲージメント項目を整理し、社員のエンゲージメントレベルを把握する仕組みを導入します。
(b) 副業・兼業等の多様な働き方の推進
社員が企業・社会に貢献しようとする主体的な意思を最大限に尊重し、社内外の副業・兼業を含む多様な働き方を選択できるよう、環境を整備しております。
(c) 働き方、働く場所の選択
新型コロナウイルスが5類に移行し、原則出社へ戻す企業が増えているなか当社は今後も出社を強制することなく、社員が自身に適した仕事環境やライフスタイルにあわせて勤務方法を選べる自由な働き方を継続することで生産性の向上を追求するとともに、働く場所や時間の制約をなくすることにより地方在住の優秀な人材を着実に採用していく環境を整備しております。
当社グループにおいて、全社的なリスク管理は、リスク管理委員会でリスクを抽出したものを当社の経営会議に報告・討議しておりますが、サステナビリティにかかるリスクの識別、優先的に対応すべきリスクの絞り込みについては、当社グループに与える財務的影響、当社グループの活動が環境・社会に与える影響、発生可能性等を踏まえ、当社経営管理部IRチームで事前に検討を行い、サステナビリティ定例会に報告・討議のうえ当社の経営会議及び取締役会に報告・共有することとしております。
また、サステナビリティに関するリスクへの対応状況は、経営管理部IRチームでモニタリングされ、その内容は重要度に応じて当社の経営会議または取締役会へ報告・共有することとしております。
当社グループでは、上記「(2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項を以下に記載しております。あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であると当社グループが考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。
当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、本項記載の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.事業展開に関するリスク
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、リセール、MSPを強化し、ストックビジネス拡大を進めることで、収益基盤の強化に努め、持続的な成長と企業価値の向上に努めています。
(2) 製品・サービスの関連性について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは、クラウドインテグレーションにおいてクラウド環境の設計・構築を行うだけでなく、環境構築後のリセールやMSPのサービスを継続して顧客企業に提供することをメインとしております。そのため、クラウドインテグレーションの案件獲得が困難になった場合には、クラウドインテグレーションの売上高が減少するだけではなく、リセールやMSPの売上高の成長が鈍化し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループにおいては、クラウンドインテグレーション案件獲得のためには、クラウンドインテグレーションに関する知見を有した人材の採用と教育が重要となります。そのため、リモートワーク・時短勤務制度の導入など、ダイバーシティ(働き方の多様性)に対応した施策を積極的に推進し、ワークライフバランスの実現を率先的に図ることにより、次世代を担う優秀な人材の獲得に努めてまいります。また同時に、社員の能力開発・向上のための研修、各種認定資格取得補助の実施など、従業員の能力を最大限に発揮させる仕組みを確立してまいります。
(3) AWSへの依存について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループはAWSを主軸としたクラウドインテグレーターとして、AWSのリセールおよびその周辺ビジネスの拡大により売上高の持続的成長を実現してまいりました。従いまして、当社グループの成長はAWSの市場拡大に大きく依存しております。当社グループは、AWSを含めたパブリッククラウドの市場規模は継続的に拡大していくものと認識しており、今後もAWSを主軸として事業展開を進めて行く方針であります。また、近年においては、AWSは事業ポートフォリオをIaaSからPaaSまで拡げ、今後も更なる成長と市場の拡大が見込まれると考えております。しかしながら、AWSの市場規模が縮小する場合やAmazon Web Services, Inc.の経営戦略に変更がある場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、AWSの市場動向、Amazon Web Services, Inc.の経営戦略について情報収集を行い、適切な経営判断ができるよう努めております。
(4) Amazon Web Services, Inc. との契約について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社のAWSリセールについては、Amazon Web Services, Inc.とのSPA契約に基づいて行われております。当該契約は、当社又は同社のいずれかが解除事由への抵触を理由に解除を申し出た場合のほか、理由の如何に関わらず事前に解除を申し出た場合を除いて、継続するものとされております。現時点では当該契約の解除事由に該当する事実は生じておらず、良好な関係を築いておりますが、今後当社が解除事由に抵触したこと等を理由に契約を解除された場合には、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、低いものと認識しております。当社グループにおいては、今後もAmazon Web Services, Inc.との関係が良好なものとなるよう努めております。
(5) クラウドインテグレーションにおける業績変動の可能性について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは、クラウドインテグレーションにおいて、クラウド環境の設計・構築及びアプリケーション開発を行っております。同事業におけるプロジェクトは、想定される工数や難易度を基に見積りを作成し受注をしておりますが、見積り作成時に想定されなかった不測の事態等により、工数が大幅に増加し、プロジェクトの採算が悪化する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループにおいては、プロジェクトごとの進捗管理を徹底し、計画通りに売上高及び利益の計上ができるように努めております。また、顧客企業との認識のずれや想定工数が大幅に乖離することがないように工数の算定を行い、プロジェクトの採算が悪化しないよう努めております。
(6) クラウドインテグレーション及びMSPサービスにおける不具合・瑕疵について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループが提供するクラウドインテグレーション及びMSPサービスの納品・検収完了後において、重大な不具合・瑕疵等が発見された場合には、当社グループに対する信頼性を著しく毀損する可能性があり、取引先からの信用を失うとともに、不具合・瑕疵等に対する対応費用の発生、損害賠償責任の発生等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、低いものと認識しております。当社グループにおいては、クラウドインテグレーション及びMSPサービスの提供・開発過程において、提供・開発手順の標準化と標準化プロセスを遵守すること等により不具合・瑕疵の発生防止に努めております。
(7) 通信回線等の外部依存について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループが提供するリセール及びMSPにおけるクラウドサービスは、顧客企業からAWS及びGoogle Cloudまでの接続サービス等の提供にあたり、他社の通信キャリアから通信回線を調達しております。通信キャリアの提供する電気通信サービスに障害が生じ代替手段の調達ができずに、サービスが長時間にわたり中断する等の事象が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループにおいては、障害に対して迅速に対応するべく、日次のシステム監視及び障害検出に関して、管理体制を強化し障害発生の未然防止及び障害発生時の影響極小化の体制を整えております。
(8) サービス中断の可能性について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループが提供するクラウドサービスは、地震等の自然災害、電力不足、停電、通信障害、テロ等の予見し難い事由により、停止或いは遅延等の影響を受ける可能性があります。また、コンピュータクラッキング、コンピュータウイルス、人的過失及び顧客企業等の偶発的或いは故意による行為等に起因するサービスの中断も、当社グループのサービスの提供を妨げる可能性があります。サービスの提供が中断し当社グループの信用失墜又は事業機会の逸失が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、2020年年初に顕在化した新型コロナウイルスの感染拡大は世界中に蔓延しており、当社グループは感染拡大を防止するため、衛生管理の徹底や時差出勤及び在宅勤務等の効率的な事業運営を実施しております。しかし、さらに感染が拡大した場合、従業員の感染による操業停止やサプライチェーンの停滞等により、当社グループの事業運営、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、事業継続管理規程を策定し、社内周知徹底や運用テストの実施に継続的に取り組み、リモートワーク環境の整備などの事前準備を整えておくことにより、有事の際の影響を最小限に留めるよう努めております。
(9) AWS及びGoogle Cloudのシステム障害について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループの事業は、AWS及びGoogle Cloudの各種サービスをインターネットを介して顧客企業に提供することを前提としております。従いまして、自然災害や事故などによる不測の事態が発生し、万が一、AWS及びGoogle Cloud自体にシステム障害が起こるような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループにおいては、障害に対して迅速に対応するべく、日次のシステム監視及び障害検出に関して、管理体制を強化し障害発生の未然防止及び障害発生時の影響極小化の体制を整えております。
(10) クラウドインテグレーションにおける外部協力先の確保について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは必要に応じて、クラウドインテグレーションにおいて複数の外部協力先に委託を行っておりますが、万が一適切な協力先、技術者数が確保できない場合又は委託単価が高騰した場合には、費用の増加又は納期遅延等が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、今後も外部協力先との安定的な取引関係を保つとともに、十分な技術力を有する新規協力先の開拓を行ってまいります。
(11) MSPにおける特定の外注先への依存について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社のMSPサービスにおいては、株式会社テラスカイとの合弁会社である株式会社スカイ365に対し、障害監視等の基本的な定型業務を委託しております。株式会社スカイ365は株式会社テラスカイの子会社であるため、今後株式会社スカイ365及び株式会社テラスカイの経営方針の変更等により、突発的に株式会社スカイ365との取引関係継続が困難になった場合には、当社グループリソースによって相応のカバーは可能ながら、追加的な人員や他の協力先確保に伴う想定外の費用増加によって、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社においては、自社においても当該業務を一部行っており、今後も自社における運用代行機能を拡大することにより、適正な外注比率を維持し、突発的な事象に対する影響度の低減を図る方針であります。
(12) 新規事業展開について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは今後、更なる収益拡大を図るため、既存事業の周辺領域での新たな事業展開や海外市場における事業展開についても取り組んで参りたいと考えております。しかしながら、新規事業展開や海外展開は構想段階であり、先行投資として人件費等の追加的な支出が発生する場合や、これまで想定していない新たなリスクが発生する等、当社グループの想定通りに進捗せず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、新規事業の概況や市場動向を注視しながら、適切なタイミングで事業の再編や構造改革を実施するように努めております。
(13) M&Aについて
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは、既存の事業基盤を拡大するため、あるいは新たな事業への進出等のため、事業戦略の一環としてM&A戦略を推進してまいります。買収後において予期せぬ偶発債務等の発生や、事業環境の変化等により、当社グループが想定したシナジーや事業拡大の成果が得られず、減損損失が発生するなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、対象企業の経営内容や財務内容等について厳密にデューデリジェンスを行うことにより、買収によるリスクを極力回避することが必要と認識しております。
2.外部環境に関するリスク
(1) 価格競争について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループが属するクラウド市場における価格競争は、競合企業の新規参入により今後更に激しくなることが予測されます。低価格競争が更に進展し、競合他社との差別化が有効に図れず、当社グループが提供するサービスの売上高が想定どおりに増加しない、または利益水準が悪化する場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、技術力の強化、サービス品質の向上等により、競争力の維持に努めております。
(2) 競合について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループが事業を展開するクラウド市場は、規模の大小を問わず競合企業が複数存在しており、クラウドの普及に伴い、今後も競合企業の新規参入が予測されます。これら競合他社の中には、当社グループに比べ大きな資本力、技術力、販売力等の経営資源及び顧客基盤等を保有している企業が含まれ、競合企業の動向は市場に大きな影響を与える可能性があり、新規参入の拡大等により競争が激化し、類似サービスの出現により当社グループが競合企業との差別化を有効に図ることが出来ない場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、自社開発のAWS運用自動化サービス「Cloud Automator」を提供し、APNコンサルティングパートナーを含む他社との差別化を図っております。
(3) 技術革新への対応について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループが属するクラウド業界においては、市場及び顧客ニーズ、技術の変化が非常に速く、それに基づく新サービス等の開発・導入が相次いで生じております。また、AWSの特性としてサービスの仕様変更、新サービスの追加等頻繁にアップデートを実施しており、AWSエンジニアの育成プロセスは長期化かつ高難度化しておりますが、技術革新、またはそれに伴い変化する顧客ニーズを捉えた新サービスの開発、導入及び品質確保等にかかる対応が遅れた場合には、当社グループサービスの競争力が低下する可能性があります。また、技術革新に対応するために必要となる追加投資等の支出が拡大した場合には採算悪化による利益の低下に繋がり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、このような変化に対して迅速にキャッチアップすべく、最新の技術動向等を注視し、最新の技術情報の収集とノウハウの習得に積極的に取り組んでおります。
(4) 為替相場の変動について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社のAWSリセールにおいて、当社とAmazon Web Services, Inc.との取引にかかるAWS月額利用料は米ドル建てで計算されます。日本円と米ドル間の為替相場が円高となった場合には売上高・仕入高が共に減少し、円安となった場合には売上高・仕入高が共に増加する為、利益率への影響は緩和されておりますが、急激な為替変動があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、為替予約を行うことにより為替リスクの極小化を図っております。
(5) 法的規制について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは電気通信事業法上の電気通信事業者として届出を行い受理されております。現在において、当社グループの事業に対する同法による規制強化等が行われるという認識はありませんが、社会情勢の変化等により当社グループの事業運営を制約する規制強化等が行われる可能性は否定できません。万が一、かかる規制の強化がなされた場合には、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。また、近年、インターネット関連事業を規制する法令は度々変更・追加がなされており、今後新たな法令等の規制がなされた場合には、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、低いものと認識しております。当社グループにおいては、法令改正の動向などの情報収集を適宜行い、適時に対応できるようにすることによりリスクの軽減を図っております。
3.事業運営に関するリスク
(1) 特定人物への依存について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社の代表取締役社長大石良は、当社の創業者であり、経営方針・経営戦略の策定やその実行において重要な役割を果たしております。今後何らかの理由で同氏が当社の業務を遂行することが困難になった場合には、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、低いものと認識しております。当社グループにおいては、同氏に過度な依存をしない経営体制を構築すべく、幹部社員の情報共有や権限委譲等によって同氏への過度な依存の脱却に努めております。
(2) 小規模組織であることについて
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは急速に規模が拡大しているものの、未だ小規模な組織であると認識しております。現状はこれに応じた内部管理体制となっておりますが、今後の成長に伴う事業規模の拡大によっては、内部管理体制とのアンバランスが生じ、適切な業務運営が困難となり当社グループの事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、低いものと認識しております。当社グループにおいては、事業規模の拡大に応じて人員の増強や内部管理体制の一層の充実を図ってまいります。
(3) 優秀な人的資源の確保について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループの提供するサービスは、技術部門を中心とした従業員による継続した役務に依存しております。当社グループの事業拡大に伴い、優秀な経営陣及び従業員を内部育成し、技術・営業・企画及び管理面において適切な人材を適切な時期に確保又は維持できなかった場合、必要以上の人員数採用により労務費用を適切にコントロールすることができなかった場合、労働市場において想定よりも人件費が高騰した場合には、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、様々な採用チャネルを活用して多様な人材の確保に努めるとともに、教育制度の充実等による適切な人材育成に努めております。また、魅力的な報酬制度や公正な人事評価制度の構築、リモートワークの推進をはじめとした働きやすい労働環境の整備等、従業員の働きがいを維持・向上させるための取り組みを実施しております。
(4) 知的財産権について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループはこれまで、第三者の知的財産権を侵害したとして損害賠償や使用差し止めの請求を受けたことはなく、知的財産権の侵害を行っていないものと認識しております。当社グループは、第三者の特許権その他の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っておりますが、万が一、第三者の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償の負担が生じる可能性があります。当社グループが属するクラウド市場において知的財産権の状況を完全に把握することは困難であり、当社グループの事業に関連する知的財産権について第三者の特許取得が認められた場合、あるいは将来特許取得が認められた場合、当社グループの事業遂行の必要上これらの特許権者に対してライセンス料を負担する等の対応を余儀無くされる可能性があります。このような損害賠償及びライセンス料の多額の負担が生じた場合、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、低いものと認識しております。当社グループにおいては、社内担当部門で慎重に調査を行うとともに、必要に応じて専門家と連携を取り調査可能な範囲で対応を行うことでリスクの軽減を図っております。
(5) 情報管理体制について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社グループは、AWS及びGoogle Cloudの導入や運用、又はクラウドサービス提供の過程において、顧客企業の機密情報やユーザーの個人情報を取り扱う可能性がありますが、外部からの不正アクセス、システム運用における人的過失、従業員の故意等による機密情報や個人情報の漏洩、消失、改竄又は不正利用等が発生し、当社グループがそのような事態に適切に対応できず信用失墜又は損害賠償による損失や不正利用による想定外の通信料負担の発生等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。当社グループにおいては、システム上のセキュリティ対策やアクセス権限管理の徹底に加え、2012年12月に情報セキュリティマネジメントシステム「ISO /IEC 27001(JIS Q 27001)」の認証を取得し、当該公的認証に準拠した規程・マニュアルの整備・運用等を行うことで、情報管理体制の強化に努めております。
4.その他
(1) 株式会社テラスカイとの関係について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社は2013年9月に株式会社テラスカイと資本・業務提携を行い、当社の主要株主となっております。同社は将来において保有する当社株式を売却する可能性があります。同社が将来において保有する当社株式を市場で売却した場合、当社株式の需給関係及び株価形成に影響を及ぼす可能性があります。なお、同社とは、当社の代理店販売(当社の売上高)や社内利用クラウドサービスの購入(当社の費用)等の取引がありますが、当社グループと同社の間において、役職員の兼任及び出向は現時点ではございません。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、今後も株式会社テラスカイとの関係が良好なものとなるよう努めております。
(2) 投資有価証券について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社は、法人主要株主である株式会社テラスカイの株式及び同社の子会社である株式会社BeeX、資本業務提携先である株式会社モンスター・ラボ、ウイングアーク1st株式会社等の株式を保有しております。株式市場の変動及び経営状況により、当該株式の時価が大きく変動した場合、又は当該株式にかかる保有有価証券の評価損計上等による損失が生じた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社グループが、当該株式の売却を行う場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社グループにおいては、中長期的な視点に立ち、業務提携等に基づく協業を行うことを目的とし、株式を保有する場合があります。保有メリットのある株式については、事業拡大のため保有を継続する方針ですが、保有目的及び保有に伴う便益やリスク、並びに当該株式の取得原価及び株価の状況等をふまえて、取締役会において、その保有目的並びに経済合理性を精査し、保有の適否を検証します。
(3) 配当政策について
・リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容
当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題と認識しており、経営成績及び財政状態を勘案して、株主への利益配当を実現することを基本方針としておりますが、今後の配当実施の可能性及びその時期等については現在未定であり、業績悪化等の要因によりその時期が遅れる可能性があります。
・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。当社においては、現在事業の拡大過程にあり、将来の事業展開と財務体質強化のために必要な内部留保の確保を優先することが株主への最大の利益還元につながると判断しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度末における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
当連結会計年度末における流動資産は13,527,799千円となり、前連結会計年度末に比べて2,694,472千円増加しました。これは主に、売掛金及び契約資産が1,279,207千円増加、現金及び預金が1,238,228千円増加したことによるものであります。また、固定資産は4,529,055千円となり、前連結会計年度末に比べて618,451千円増加しました。これは主に、投資有価証券が775,934千円増加した一方で、のれんが138,964千円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は7,389,518千円となり、前連結会計年度末に比べて2,329,181千円増加しました。これは主に、買掛金が1,301,756千円増加、契約負債が549,625千円増加、賞与引当金が207,493千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は10,667,336千円となり、前連結会計年度末に比べて983,743千円増加しました。これは主に、利益剰余金が611,215千円増加、その他有価証券評価差額金が346,386千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当連結会計年度(自 2023年3月1日 至 2024年2月29日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する中で、各種政策の効果により緩やかに回復することが期待されています。一方で、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが国内景気を下押しするリスクとなっています。また、物価上昇、金融資本市場の変動等が与える影響により依然として先行き不透明な状態が続くと想定されます。
当社グループを取り巻く日本国内のクラウド市場は、クラウド事業者が様々なサービスを提供し続けており、また、セキュリティやコンプライアンスなどの面でもクラウドサービスの信頼性が向上していることで、企業が自社のニーズに合わせたクラウドソリューションを豊富に選択できるようになり急速に成長をしております。その背景には、業務効率化や顧客サービス・顧客サポートの向上、顧客接点の多様化などを目的としたデジタルトランスフォーメーション(DX)(注1)やオムニチャネル(注2)化の推進、また、IoT(注3)やAI(注4)、特に大規模言語モデル(注5)に代表される生成AI(注6)などの最新技術が急激に進化したことによるデータ収集や処理・分析など、様々な分野でクラウド技術やクラウドサービスを活用することが急速に増加していることが要因として挙げられます。
世界的には、パブリッククラウド市場をけん引するAmazon Web Services(以下「AWS(注7)」)が、技術の進化とイノベーションを繰り返しながら、依然高い成長率と圧倒的シェアを維持して順調に市場を拡大していますが、追随するGoogleやMicrosoftとの競争は、それぞれが独自の強みを活かしてクラウドサービスの拡充や改善に力を入れることで多様な選択・オプションが利用可能になり、顧客にとって多くの利益をもたらすとともにクラウドサービスの性能向上やクラウド市場の拡大に大きく寄与しております。
このような状況の中、当社グループは、クラウド専業インテグレーターとして、AWSを中心としたクラウド基盤に関するコンサルティング、基盤構築・運用、クラウドサービスの機能強化、並びにシェア獲得によるビジネスの拡大に尽力してまいりました。また、2024年1月にAWSより発表された「2027年までに2兆円を超える日本国内へのクラウドインフラ投資計画」と歩調を合わせるように、2023年4月にAWSと締結した4年におよぶ戦略的協業契約の取り組みも、当初想定以上の成果を生み出し順調に滑り出しております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は27,510,746千円(前期比59.1%増)、営業利益は897,485千円(前期比62.6%増)、経常利益は1,032,687千円(前期比65.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は638,359千円(前期比40.7%増)となりました。
なお、当社グループの事業はクラウド事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりませんが、製品・サービス別の業績の概要は以下のとおりであります。
(クラウドインテグレーション)
クラウドインテグレーションは、AWSとの戦略的協業契約による営業活動推進のほか、更なるクラウド需要の加速に伴い、顧客獲得と受注が堅調に推移しました。以上の結果、売上高は1,836,963千円(前期比61.3%増)となりました。
リセールは、恒常的な円安に加え、既存顧客からの継続的な受注及び大口顧客のAWS利用料の増加によりARPU(注8)が堅調に推移するとともに、新規顧客の獲得もあってアカウント数も増加、また、セキュリティを中心とするサービス・ソフトウェアのライセンス販売、自社サービスの販売も堅調に推移しました。以上の結果、売上高は24,171,027千円(前期比62.5%増)となりました。
MSPは、既存顧客からの継続的な受注により堅調に増加しました。また、大型顧客や案件に対しては専任チームを編成して対応にあたるなど、標準対応以上のサービス提供をMSPの役割として担うことが増えております。以上の結果、売上高は1,495,554千円(前期比17.5%増)となりました。
その他は、特定顧客向けサービスの縮小により、売上高は7,201千円(前期比20.2%減)となりました。
(注1) デジタルトランスフォーメーション(DX): 企業がデジタルテクノロジーを活用して、ビジネスプロセスやカスタマーエクスペリエンス、組織文化などの様々な領域において革新的な変革を実現する取り組みのことを指します。
(注2) オムニチャネル: 企業が複数の販売チャネル(店舗、ウェブサイト、モバイルアプリなど)を統合して、顧客にとってシームレスな購買体験を提供する戦略のことを指します。
(注3) IoT:「Internet of Things」の略称であります。コンピュータなどの情報通信機器だけでなく、世の中に存在する様々な物体(モノ)に通信機能を持たせ、相互に通信を行うことにより認識や制御を自動的に行うことを意味します。
(注4) AI:「Artificial Intelligence」の略称であります。日本では「人工知能」として知られております。従来から概念として広く知られた言葉ですが、膨大なデータの分析・解析・学習処理をクラウドベースで実現することにより現実味を帯び始めています。
(注5) 大規模言語モデル:自然言語処理の分野で使用される深層学習モデルの一種であり、大量のテキストから言語パターンを学習するAIモデルで、テキスト生成や質問応答など多様なタスクに使用されます。
(注6) 生成AI:コンピュータが学習したデータを元に、新しいデータや情報をアウトプットする技術で、データからパターンを学び新しい情報やアイディアを生成するAIの一分野です。これには、テキスト、画像、音楽などの生成が含まれます。
(注7) AWS:「Amazon Web Services」の略称であります。Amazon.comの関連会社であるAmazon Web Services, Inc.が提供する、Webサービスを通じてアクセスできるよう整備されたクラウドコンピューティングサービス群の総称であります。
(注8) ARPU:「 Average Revenue Per User 」の略称であります。1社あたりの平均売上金額を表す数値であります。
(注9) MSP:「Managed Service Provider」の略称であります。顧客がAWS上に展開した仮想サーバーやネットワークの監視・運用・保守等を請け負うサービスであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ10,215,028千円増加し、27,510,746千円(前期比59.1%増)となりました。これは主に、リセールが9,295,994千円増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、前連結会計年度に比べ8,978,954千円増加し、23,975,390千円(前期比59.9%増)となりました。これは主に、リセール売上にかかる仕入高の増加によるものであります。
以上の結果、売上総利益は前連結会計年度に比べ1,236,074千円増加し、3,535,355千円(前期比53.8%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ890,597千円増加し、2,637,870千円(前期比51.0%増)となりました。これは主に、人件費の増加によるものであります。
以上の結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ345,476千円増加し、897,485千円(前期比62.6%増)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ87,462千円増加し、191,870千円(前期比83.8%増)となりました。これは主に、受取利息が49,732千円、為替差益が33,761千円増加したことによるものであります。
また、営業外費用は、前連結会計年度に比べ24,405千円増加し、56,668千円(前期比75.6%増)となりました。これは主に、投資事業組合運用損が25,320千円増加したことによるものであります。
以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ408,533千円増加し、1,032,687千円(前期比65.5%増)となりました。
(特別損益)
当連結会計年度における特別損失は、前連結会計年度に比べ132,290千円増加し、162,274千円(前期比441.2%増)となりました。これは、主に特別功労金が49,100千円、投資有価証券評価損が42,615千円、役員退職特別功労引当金繰入額が34,000千円、減損損失が6,575千円増加したことによるものであります。また、特別利益の発生はありません。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における法人税等合計は、前連結会計年度に比べ10,850千円増加し、245,430千円(前期比4.6%増)となり、非支配株主に帰属する当期純損失は80,612千円減少し、13,377千円(前期比85.8%減)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ184,779千円増加し、638,359千円(前期比40.7%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は6,880,619千円となり、前連結会計年度末に比べて1,238,228千円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果獲得した資金は1,725,470千円(前連結会計年度は81,520千円の収入)となりました。これは主に仕入債務の増加額1,344,452千円、税金等調整前当期純利益870,412千円、契約負債の増加額576,816千円、賞与引当金の増加額196,373千円、のれん償却額113,476千円等があった一方で、売上債権及び契約資産の増加額1,259,261千円、法人税等の支払額256,988千円、前渡金の増加額189,750千円等があったことによるものであります。
投資活動の結果使用した資金は439,401千円(前連結会計年度は799,590千円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出385,100千円等があったことによるものであります。
財務活動の結果獲得した資金は121,436千円(前連結会計年度は437,334千円の支出)となりました。これは主に短期借入れによる収入100,000千円等があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループは受注から販売までの期間が短いため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当社グループは「クラウド事業」の単一セグメントとしておりますが、当連結会計年度の販売実績を製品・サービス区分ごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1.製品・サービス区分間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」及び「② 経営成績の状況」に記載しております。また、当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、リセールにおける仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資、継続的なソフトウエアの開発及び投資有価証券の取得等によるものであります。なお、当社グループの資金の源泉は主に新株の発行及び営業活動によるキャッシュ・フローによるものであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りに関しては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関しては、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
a.受注損失引当金
受注損失引当金は、受注契約に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における受注契約のうち、将来の損失発生が見込まれ、かつ、当該損失を合理的に見積ることが可能なものについては、翌連結会計年度以降の損失見込額を計上しております。当該損失見込額は将来の工数等の見積りに依存するため、見積りの前提となる条件や仮定に変更が生じた場合には引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
b.投資有価証券
投資有価証券のうち時価のあるものについては、期末時点で市場価格が取得価額に対して著しく下落している場合、時価のないものについては、投資先の純資産価額の当社持分が当社の帳簿価額に対して著しく下落している場合につき、将来の回復の可能性を検討し、評価損を計上することとしております。将来、時価又は実質価額が下落し、回復可能性がないと判断した場合には、減損処理する可能性があります。
c.株式会社トップゲート株式ののれんの評価
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(注)当社は、2024年4月26日の取締役会決議に基づきべスピン・グローバル・ジャパン合同会社、株式会社トップゲート、株式会社G-genによる株主間契約および、当社、べスピン・グローバル・ジャパン合同会社、株式会社トップゲートによる出資契約書を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(重要な後発事象)をご参照ください。
該当事項はありません。