独立監査人の監査報告書

 

 

 

2024年5月29日

 

 

イ   オ   ン   株   式   会   社

取     締     役     会   御中

 

 

 

有限責任監査法人 トーマツ

東 京 事 務 所

 

 

指定有限責任社員

 

業務執行社員

 

公認会計士

丸    山    友    康

 

 

 

 

 

 

指定有限責任社員

 

業務執行社員

 

公認会計士

淡  島  國   和

 

 

 

 

 

 

指定有限責任社員

 

業務執行社員

 

公認会計士

辻     伸  介

 

 

 

 

<財務諸表監査>

監査意見

当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているイオン株式会社の2023年3月1日から2024年2月29日までの第99期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。

当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、イオン株式会社の2024年2月29日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

監査上の主要な検討事項

監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

 

 

関係会社株式等の評価

 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

会社は、純粋持株会社であり、中期経営計画において、リージョナルシフトの完遂、アジアシフトの更なる加速及びデジタルシフトの加速と進化を掲げており、関連する投資を継続的に行っている。2024年2月29日現在、309社の連結子会社及び25社の持分法適用関連会社を有しており、市場価格のない関係会社への投資(以下、「関係会社株式等」という。)の帳簿価額(関係会社株式529,649百万円、関係会社出資金36,202百万円)が、当事業年度における貸借対照表の総資産の33.1%を占めている。また、当該投資に関連する投資等損失引当金が、当事業年度における貸借対照表の投資その他の資産に△17,193百万円、固定負債に108,893百万円、それぞれ計上されており、投資等損失引当金繰入額が損益計算書の営業外費用及び特別損失に合わせて22,664百万円計上されている。

【注記事項】(重要な会計上の見積り)に記載のとおり、関係会社株式等は取得原価をもって貸借対照表価額とするが、投資先の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には、実質価額の回復可能性が十分な証拠によって裏付けられるときを除いて相当の減額を行い、評価差額は当事業年度の損失として処理を行っている。また、【注記事項】(重要な会計方針) 3 (4)に記載のとおり、関係会社等に対する投資等に伴う損失に備え、当該会社の実情を勘案し、株式等の実質価額の低下額を固定資産の投資その他の投資等損失引当金として、投資先の債務超過相当額のうち会社負担見込額を固定負債の投資等損失引当金として、それぞれ計上している。

実質価額の回復可能性の見積りにおいて用いられる将来計画は、経営者により承認された中期経営計画に基づいている。将来の中期経営計画の見積りにおける重要な仮定は、売上高の成長率、営業利益率の予測等である。これらの重要な仮定は、外部環境の変化に加えて、グループ内での経営統合や事業再編、グループ全体のデジタル施策の実行等を含む中期経営計画における投資先の事業戦略に影響を受け、不確実性が高く、経営者による主観的な判断を伴う。

以上から、当監査法人は、関係会社株式等の評価を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。

 

 監査上の対応

当監査法人は、関係会社株式等の評価に関し、主として以下の手続を実施した。

 (1)内部統制の評価

 会社の株式及び出資金の減損や債務超過相当額に対する引当に関する規程を閲覧し、各投資先への投資の実質価額、債務超過相当額の算定プロセス及び回復可能性の検討プロセスについて、一連の業務フロー、利用されたデータの正確性、網羅性及び目的適合性を判断した方法等について理解し、内部統制の整備状況の有効性を評価した。

 (2)実質価額の回復可能性の検討

 財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した投資先に関しては、当該投資先の外部環境及び今後の事業戦略について、親会社に提出された中期経営計画の資料等を閲覧し、必要に応じて経営者等へ質問することにより、その内容を理解した。実質価額が著しく低下しているが回復可能性があると会社が判断している投資先の検討においては、会社が作成した将来計画について、経営者により承認された中期経営計画との整合性、仮定の合理性及び実行可能性を検証するとともに、回復可能性に関する会社の判断が適切であるかを評価した。中期経営計画に含まれる重要な仮定の合理性を検証するために、計画している営業施策等の内容、過去実績に基づく分析、設定されたKPIの達成状況等に関する経営者への質問を実施した。

 (3)関係会社株式等の実質価額の検討

 投資等損失引当金を計上している投資先の検討に際しては、投資先の財政状態等に基づき適切に評価されているかどうかについて、投資先の財務諸表や関連書類の査閲等を実施した。

 

 

その他の記載内容

 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。

 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。

 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。

 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。

 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

 

財務諸表に対する経営者及び監査委員会の責任

経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

監査委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。

 

財務諸表監査における監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。

・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。

・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。

・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。

監査人は、監査委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。

監査人は、監査委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

 

<報酬関連情報>

報酬関連情報は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている。

 

利害関係

会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

以  上

※1  上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は有価証券報告書提出会社が別途保管しております。

  2  XBRLデータは監査の対象には含まれていません。

 

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