第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

当社グループは、遊休不動産を再生し、社会ニーズに応じた付加価値を加え、空間サービスを創出する「空間再生流通企業」として、社会に貢献してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、売上高の拡大に注力する一方、コストの最適化を図り、利益体質と資本効率の向上を図ってまいります。その経営成果の指標として、営業利益とROE(自己資本利益率)の向上を中期的な目標として活動しております。

なお、当社は2024年2月期を初年度とし、2026年2月期までの期間を対象とした新中期経営計画を策定してります。計画は以下の通りです。

 

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新中期経営計画の進捗は以下の通りです。

 

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(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループの主な事業分野である貸会議室の需要は、企業の働き方の多様化が促進され、固定オフィスの柔軟化が進んだことで、大幅に拡大しております。当社グループは創業以来、遊休不動産を活用した空間再生により全国の施設ネットワークを拡大してまいりましたが、その市場規模は大きく、全国の不稼働オフィスのTAM(Total Addressable Market、獲得可能な最大市場規模)は約7,000億円(注)と想定しております。

現在当社グループは、国内貸会議室市場において圧倒的なネットワーク力と多様なブランド展開を競争優位としており、必要な場所や目的に合わせた最適なスペースのサービス提供が可能となっております。

今後も貸会議室を中心としたフレキシブルスペース事業を中核に料飲・バンケットウェビナー等の幅広い会議室オプションサービスやホテル・宿泊研修サービス等周辺サービスを拡充しながら付加価値の高い総合サービスの実現と効率的な資源配分を目指してまいります

(注)令和3年度 固定資産の価格等の概要調書」、「東京の土地 2021」、オフィス利用に関する各種調査をもとに国内オフィスの不稼働共有部面積およびその利用状況を推定し年間貸会議室利用金額に換算した金額を当社が推計する貸会議室市場値に加算して推計

 

(4)会社の対処すべき課題

当社グループの中核事業はフレキシブルスペース事業であり、それに付随するサービスを付加価値として提供することで、事業拡大を目指してまいります。

事業拡大のため、当社グループは以下の課題に取り組んでまいります。

 

① 効率的な出退店戦略の実施

当社グループの事業の強みは、遊休不動産を保有せずに賃貸契約により確保する不動産開発であります。当社グループは、継続的に不動産開発機能の強化を行い、不動産市況に応じて敏捷に新規出店や撤退の判断を行うことで、賃借する不動産ポートフォリオの入れ替えを行い、事業モデルの向上を図ってまいります。

② 付加価値サービスの見直し・拡充による利益率の向上

当社グループは、これまでフレキシブルスペースに付随する様々なサービスを開発し、顧客にワンストップで提供することで付加価値を生み出してまいりました。社会が変化する中で求められるサービスを敏感に捉えて商品化し、利用顧客へ提案していくことで、顧客満足度と利益率の向上を図ります。

③ システムを駆使した営業・予約の最適化

フレキシブルスペースの需要拡大のためには、顧客データベースに基づく付加価値の高い提案営業と、より容易な予約システムの整備による予約管理の効率化が重要と考えております。当社はシステム構築に適切な投資を行うことで、適時適切なコンサルティング提案を行い、企業のフレキシブルスペース需要を獲得してまいります。また、予約システムの簡略化により、フレキシブルスペース事業の運営効率の向上を図ります。

④ 人材の確保と育成

社会の環境が大きく変化する中、多様な能力や経験が必要とされるようになり、営業・オペレーション・不動産開発・管理等各部門において、当社グループに最適な人材を獲得していく必要があります。当社グループは中長期的視点に基づき、新卒・通年採用を強化して採用活動を行っていくとともに、有能な人材の確保及び従業員育成を継続的に強化してまいります。

⑤ 管理体制の強化

上場企業としての市場の信頼を獲得し続けるため、事業規模や事業展開にあわせた組織体制及び内部管理体制の改善・強化を図ることが重要かつ基礎的な課題であると認識しております。当社は管理体制の更なる改善を目指し、実効性のあるシステムの整備、経営の効率化や経営資源の最適化を図ってまいります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社およびその子会社(以下、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」において「当社グループ」という。)のサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 

「サステナビリティ方針」

 

ティーケーピーは、「空間再生流通企業(遊休資産を再生し、シェアリングすることで社会に価値を創造する)」の企業理念のもと、事業を通じて持続可能な社会の実現を目指します。空間シェアリングビジネスのリーディングカンパニーとして培ってきた既存事業のノウハウを活かし、今後はアジア各国をはじめとした海外からの人・企業の流れを商機に換え、さらなる付加価値向上を目的とした提携・M&Aに注力するとともに、以下に定めるサステナビリティ方針に基づいた企業活動を推進してまいります。

また、これらの活動をウェブサイト等により適切に開示し、社内外のステークホルダーとの対話を通じて継続的な改善を図ることで、サステナビリティ経営の透明性と信頼性の向上に努めます。

 

1.サービス×イノベーション

顧客や時代のニーズが変化する中で、新たな価値を創出し続けるため、技術革新を継続的に取り入れつつ、組織全体で変革を図りながら、高品質なサービスを開発・提供します。サービスの高品質化に留まらず新たなビジネスを生み出していくため、多様な人材の活躍を促し、従業員のスキル向上や知財戦略の強化を通じてイノベーションを推進していきます。これらの取組により、当社社員行動指針に掲げるティーケーピーの目標“IT・金融ツールを活用して社会の価値を創造する革命企業”を体現し続けます。

 

2.人材育成・人権尊重

人が経営の根幹と考え、当社社員行動指針(※)を実現できる人材を育成することに努めます。従業員のWell-beingを重視し、従業員一人ひとりが働きやすく、個々の能力を最大限に発揮できる職場環境を整備することで、従業員満足度とエンゲージメントの向上に努めます。

また「世界人権宣言」や「国連グローバルコンパクト」等の人権に関する国際的な規範や基準を支持・尊重し、人種、信条、宗教、皮膚の色、国籍、年齢、性別、性的指向、性自認、身体障害、社会的身分などを理由とする一切の差別を禁止します。様々な背景を持つ多様な人材が、互いを尊重し、チームワークを重視して働く、楽しく前向きな組織風土を醸成します。事業活動に関わる全てのステークホルダーの人権についても尊重し、その保護に努めます。

※ティーケーピー社員行動指針:

①スピード重視 チャンスはGet!挑戦・撤退の決断

②Yes We Can! 顧客満足の最大化・感動を与える

③常に創造!改善!革命!

 

3.空間シェアリングによる環境配慮

当社は、気候変動への対応や循環型社会の実現、また生物多様性への配慮が世界的な課題であることを認識しています。コアビジネスである空間シェアリングは、社会全体の温室効果ガス削減および資源消費の削減、生物多様性への負の影響の低減につながるものと考えております。遊休スペースを活用し、新たな価値を付与した空間をシェアリングサービスとして提供することで、環境に配慮した持続可能なビジネスの実現を目指します。

 

4.地域社会との共生

当社がもつ全国各地の拠点ネットワークを活用し、地域の発展や社会課題の解決に貢献します。空間シェアリングビジネスを通じて、遊休スペースから地域経済や文化の発展に寄与する空間を創出し、地域の活気と魅力を高め、地域住民や利用者にとっての新たな価値を創造することを目指します。そのために様々なステークホルダーとの広範なコミュニケーションと協働を行うことで共存共栄の関係性を構築し、共に豊かな地域社会を築いていくことを目指します。

 

5.コンプライアンス

事業活動に関連する法令・規則を把握し遵守することの重要性を理解し、確実に実行します。また、教育・研修を通じ、役員および従業員一人ひとりの法令遵守意識の向上や企業倫理の浸透を図ります。さらに、社会規範や企業の社会的責任について理解を深め、企業活動全般においてコンプライアンスを実践してまいります。

 

上記の方針に基づいて事業に邁進し、企業と社会の持続可能な発展を実現してまいります。

以上

 

 

(1)ガバナンス

当社グループは、持続可能な社会の実現、および持続的な成長と中長期的な企業価値・株主価値の最大化を実現するために、当社代表取締役社長の下、機動的に組織されるプロジェクトチームによってサステナビリティに関する取組を実施しております。その基盤としてコ一ポレート・ガバナンスを位置付けており、経営の透明性・公平性・迅速性の維持向上や適切な情報開示に努めております。

当社グループ全体に影響を及ぼす重要事項については、取締役会において決定するとともに、適宜必要な委員会等を設置し、「グループ全体の適法かつ公正な企業活動の推進」や「リスク対策」など、企業品質向上に向けた活動を統治してまいります。

 

(2)戦略

策定したサステナビリティ方針に沿って「ダイバーシティ推進」「コンプライアンス」「イノベーション」「ステークホルダーとの繋がり」「情報セキュリティ」「気候変動への対応」「人材開発・確保」の7つのマテリアリティ(重要課題)を特定いたしました。

本マテリアリティは、国際ガイドライン(GRI、ISO26000等)や取引先からの要請を踏まえて抽出した101の重要課題候補の中から、「ステークホルダーにとっての重要度」と「自社にとっての重要度」の2軸で定量的に評価を行い、優先的に取り組むべき課題を特定し、取締役会で承認されております。

特定したマテリアリティ項目は、当社グループにおける収益機会及びリスクとして認識し、事業戦略として取り組むことで社会課題解決への貢献及び企業価値向上を目指したサステナビリティ経営の推進に取り組んでまいります。

また当社グループにおいて持続的な企業価値の向上には、イノベーションの創発および人的資本への取組が重要であると考えております。すべての従業員が協力し合い最大限に創造性を発揮するために「多様な人材の確保」・「職場環境の整備」を主テーマとして以下2方針を策定し、人材育成及び職場環境の整備に取り組んでおります。

 

Ⅰ)人材育成方針

人材育成におけるMissionとして“「社会」「社員」「会社」三方よしの実現”を掲げ、Valueであるティ―ケーピー社員行動指針を浸透させ、会社・部署・社員の目標を連動させます。その達成に向けて主体的に行動できるよう必要な教育を体系的・計画的に実施し、“ビジネスを楽しみながら挑戦し続ける人材”を育成してまいります。それにより人材育成におけるVisionである“Well-beingへ 組織エンゲージメントの向上”を実現してまいります。

 

Ⅱ)職場環境の整備に関する方針

当社グループでは「職場環境の整備に関する方針」を定め、職場環境の改善に取り組んでおります。以下の4つの項目を定め、安全で働きやすい職場環境づくりへ取り組み続けます。

ⅰ)安全で働きやすい職場環境づくり

社員のゆとりと豊かさを実現し、働きやすい安全な職場環境を確保するとともに、社員の人格、個性を尊重します。

ⅱ)過重労働の防止

勤務時間の見える化を徹底し、人事労務管理のマネジメントを高度化することにより、働き方改革実現に向けて積極的に取り組みます。

ⅲ)健康の維持、メンタルヘルスケア

企業の健全さは、そこで働く社員が健全であることが大前提であると考え、定期健康診断による疾病の早期発見・早期措置やメンタルヘルスケアに積極的に取り組みます。

ⅳ)ハラスメント対策

「ハラスメント防止規程」に基づき、あらゆるハラスメント防止に取り組みます。また、相談窓口の設置によりハラスメントの早期発見と是正に努めます。

 

(3)リスク管理

当社グループの持続可能な企業運営方針として定めた「サステナビリティ方針」を実現し、適法かつ公正な企業活動を推進するため、組織横断的リスク状況の監視及び全社的な対応は、当社代表取締役社長によって指名された執行役員・部門責任者が行い、各部門所管業務に付随するリスク管理は、担当部署がより高い倫理基準をもって取り組みます。

 

 

(4)指標及び目標

特定したマテリアリティにおけるサステナビリティ指標(KPI)及び目標については、現在設定を検討しております。

 

3【事業等のリスク】

 

以下において、当社グループの状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。

なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

 (1)特に重要な事業等のリスク

リスク項目

リスクの内容

主要な取り組み

影響度

蓋然性

感染症の流行、自然災害、不景気等に伴う需要の減少

以下のような事象が発生した際の、フレキシブルスペース等の利用キャンセル及び新規予約の減少が発生する可能性

・新型コロナウイルス感染症を例とするような治療方法が確立されていない感染症が流行

・大地震等の自然災害が発生

・景気後退により、企業が支出を抑える動きが広がった場合

<家賃を柔軟に減額することが可能な体制>

・定期借家契約では、契約期間中の解約が基本的に不可能な中、当社では全契約の約4割を短期間(半年等)で解約可能な契約としている

<市況に応じた柔軟なサービス提供>

・左記のような状況となった場合、当社の既存の枠組み・不動産を活用した新サービスを組成し、新たな需要への対応を実施

固定資産の減損

・当初想定していた収益が見込めず減損となる可能性

・各施設における稼働率向上施策や固定費削減の実施

フレキシブルスペース事業の競争激化

・競争激化に伴う販売単価の低下により利幅が縮小する可能性

・競合に対応するための各種方策の実施に伴うコストが増加する可能性

・マルチブランド戦略により競合他社よりも幅広い顧客層を取り込む

・付随する多様なサービスを展開

・申し込みから予約確定までをオンライン化し、短時間で完結できる仕組みを構築

 

 

 (2)その他の重要な事業等のリスク

リスク項目

リスクの内容

主要な取り組み

影響度

蓋然性

フレキシブルスペース事業の物件・スペース確保の難化

・不動産市況その他の要因により新規物件が計画どおりに確保できない可能性

・既存物件の賃貸借契約が計画どおりに延長できない可能性

・新規物件の確保については、不動産オーナーのニーズを的確に把握

・既存物件の賃貸借契約の延長については、不動産オーナーによる再開発計画の進捗等を的確に把握し、延長交渉を実施

個人情報等の取扱い

個人情報を含む顧客及び取引先の機密情報が、外部からの不正アクセスや社内管理体制の不備、災害の発生等により外部へ漏洩、消滅、改ざんや不正利用が発生した場合に社会的信頼を失い、顧客の利用が減少する可能性

・情報の取扱いに関わる社内規定の整備

・定期的な従業員教育の実施

・システムのセキュリティ強化

・インシデントが発覚した際の対応フローの整備

採用の難化

サービス業界における採用環境が悪化し、採用計画が達成できず、グループ全体の事業計画に支障がでる可能性

・採用活動と企業ブランディングの強化

・人事制度の見直し/改定や研修の充実化

M&A

及びのれんの減損

以下のように、M&Aにおいて当社グループが当初期待していた成果が得られず、買収時に発生したのれん及び無形資産や取得した有価証券等を減損する必要が生じる可能性

・買収した事業において継続的な需要を維持することが困難な場合

・当社グループのサービスと買収した事業との間でシナジー効果が得られない場合

・買収時に想定しなかった重大な問題点が買収後に発見された場合

・当社グループのサービスと親和性の高い企業との業務・資本提携やM&Aを実施することでシナジー効果を発生させる

・事前に財務・税務・法務等詳細なデューデリジェンスを実施

・経営会議等において買収価格の適切性に関する審議を実施

・不要な固定費を削減する等、効率的な運営を実施

・買収後のシナジー実現に向けたフォローアップや定期的なモニタリング

 

 

 

 

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度(2023年3月1日~2024年2月29日)における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度における我が国の経済は、行動制限の緩和と経済活動の正常化が進んだことにより、雇用・所得環境が改善する下で緩やかな回復が続くことが期待されております。一方で、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があり、依然として将来的な見通しは不透明な状況が継続しております。そのような中において、当社グループ事業を取り巻く環境は、昨年5月に新型コロナウイルス感染症の位置づけが「5類感染症」に分類移行されたことを受け、対面イベントの再開やインバウンド需要の急速な回復・増加を含め人流の回復基調が一段と進むなど、市場は概ね好転しております。

こうした状況のもと、当連結会計年度において賃借物件の契約満了等に伴う退店が発生する一方、新規出店・既存施設増床を行うことで拠点ポートフォリオの入替を推進した結果、2024年2月末時点での当社が運営する貸会議室は前期末に比べ8施設減少し235施設となりました(注1)が、有効会議室面積(注2)は830坪増となりました。

当社グループの主力である貸会議室事業は、会議やセミナー、研修等を対面で実施する需要が高まり、売上高の回復基調が通年で継続いたしました。とりわけ飲食を伴う懇親会の受注水準は通年で回復基調にあり、コロナ禍以前の水準までは届かないものの、前期と比較し着実に改善しております。

ホテル・宿泊研修事業につきましては、旅行や出張等のビジネス利用、さらにはインバウンド需要の急速な回復・増加により、当社リゾートホテル・ビジネスホテル等の宿泊サービス売上高は過去最高を更新いたしました。

以上の取組みの結果、当連結会計年度における売上高は36,545百万円(前期比27.6%減)、営業利益は4,607百万円(前期比28.9%増)、経常利益は4,517百万円(前期比47.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,975百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失4,936百万円)となりました。なお、2023年2月1日に全株式譲渡を完了した日本リージャス・台湾リージャスは、2024年2月期より連結業績の対象から外れております。

なお、法人税等調整額3,260百万円を当連結会計年度の第1四半期に計上しておりますが、これはリージャス事業売却により発生した子会社(特別目的会社)における繰越欠損金を親会社が承継したことにより、親会社において当該繰越欠損金に係る繰延税金資産を計上したことによるものです。

(注1)当連結会計年度の第3四半期において、当社運営施設数のカウント定義を見直したことにより、当資料における2024年2月末時点の施設数から、前期「2023年2月期 有価証券報告書」資料内に記載している2023年2月末時点の施設数を差し引いた数値と、上記記載の当連結会計年度における出退店数は整合しません。

(注2)会議室としてレンタル可能な面積の合計を指し、施設の共用部分や宿泊施設の客室等、会議室として利用されない面積は含まれません。

 

 

② 連結業績                                (単位:百万円)

 

2023年2月期

2024年2月期

前期比

売上高

50,504

36,545

△27.6%

EBITDA

8,748

5,949

△32.0%

営業利益

3,575

4,607

+28.9%

経常利益

3,062

4,517

+47.5%

親会社株主に帰属する当期純利益又は

親会社株主に帰属する当期純損失(△)

△4,936

6,975

 

    調整後業績比較(2023年2月1日に売却したリージャス事業を除いた前年同期比較)(単位:百万円)

 

2023年2月期

2024年2月期

前期比

売上高

31,059

36,545

+17.7%

EBITDA

6,057

5,949

△1.8%

営業利益

4,737

4,607

△2.7%

経常利益

4,197

4,517

+7.6%

(注)EBITDAは、営業利益に減価償却費、のれん償却費、長期前払費用償却及び顧客関連資産等の無形資産償却費を加算して算出しています。

(注)調整後業績比較(2023年2月1日に売却したリージャス事業を除いた前年同期比較)」の前期数値は、監査法人による監査を受けておりません。

 

貸会議室事業のKPI(重要業績評価指標)である有効会議室面積1坪あたり売上高は、前年同四半期と比較して+4,259円となっております。

 

貸会議室事業のKPIである有効会議室面積1坪あたり売上高の推移           (単位:円)

 

第1四半期

連結会計期間平均

第2四半期

連結会計期間平均

第3四半期

連結会計期間平均

第4四半期

連結会計期間平均

2023年2月期(A)

31,780

27,168

28,658

29,027

2024年2月期(B)

33,687

32,141

35,464

33,286

(B)-(A)

+1,907

+4,973

+6,806

+4,259

(注)売上高:会議室の室料、オプション料、料飲等会議室利用に付随する月次売上高合計の四半期平均

 

 

 

③財政状態の状況

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ865百万円減少し、37,436百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の減少592百万円があったことによるものです。

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ8,102百万円増加し、41,890百万円となりました。主な要因は、投資有価証券の増加3,352百万円、繰延税金資産の増加3,267百万円があったことによるものです。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,883百万円減少し、10,584百万円となりました。主な要因は、1年内返済予定の長期借入金の減少1,293百万円があったことによるものです。

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ2,098百万円増加し、28,852百万円となりました。主な要因は、長期借入金の増加2,321百万円があったことによるものです。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ7,021百万円増加し、39,890百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加6,975百万円があったことによるものです。

 

④キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ592百万円減少し、32,069百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、3,722百万円(前期比23.2%減)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益4,419百万円があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は、5,006百万円(前期は36,963百万円の収入)となりました。主な要因は、投資有価証券の取得による支出3,259百万円、敷金及び保証金の差入による支出1,567百万円があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により得られた資金は、692百万円(前期は23,162百万円の支出)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入7,500百万円があった一方で、長期借入金の返済及び社債の償還による支出6,956百万円があったことによるものです。

 

 

⑤生産、受注及び販売の実績

当社グループの事業は空間再生流通事業の単一セグメントですが、連結グループにおける売上高のうち大部分をTKP貸会議室・宿泊事業が占めるため、サービス別売上高を記載いたします。

 

a.生産実績

当社グループは生産実績が僅少であるため、記載しておりません。

 

b.受注実績

当社グループは概ね受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績の記載を省略しております。

 

c.販売実績

TKP貸会議室・宿泊事業のサービス別売上高は以下のとおり推移しております。

 

サービス別売上高四半期推移

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(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成には、資産・負債及び収益・費用に影響を与える見積りを必要とする箇所がございます。

当社グループが採用している重要な会計方針及び重要な見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

「(1)経営成績等の状況の概要 ③財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

2)経営成績

「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

3)キャッシュ・フローの状況の分析

「(1)経営成績等の状況の概要 ④キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

4)資本の財源及び資金の流動性

(資金需要)

空間再生流通事業を推進するにあたって、オフィスビル等の不動産に関しては賃貸借契約を締結し、土地・建物を直接保有しないことで設備投資を抑制する運営を行っております。

 

(財務政策)

貸会議室・宿泊施設に適した不動産を適時、機動的に取得するため、手許流動性を比較的厚めに保っております。これらの資金は、主に金融機関からの借入により調達しております。

また、資金調達コストの低減に努める一方、過度に金利変動リスクに晒されないよう、金利スワップ等の手法を活用しております。

 

b.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状態を判断するための客観的な指標等

経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状態を判断するための客観的な指標等につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。

 

5【経営上の重要な契約等】

 

1.フランチャイズ契約

 当社が日本国内の各ホテル所在地においてのアパホテルブランドの運営権などを取得することを目的として、アパホテル株式会社との間でアパホテルズ&リゾーツフランチャイズ加盟契約書を締結しております。

2014年5月30日付で締結したアパホテル<TKP札幌駅前>を対象とする契約をはじめとして、他10拠点で契約を締結しております。

 

2.公開買付けに関連する契約

 当社は、会社法第370条及び当社の定款の規定に基づく取締役会の決議に代わる2024年5月17日付の書面決議により、持分法適用関連会社であるリリカラ株式会社(以下「対象者」といいます。)の普通株式を公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)により取得することを決定いたしました。

 本公開買付けに際して、当社は、2024年5月17日付で、本件の応募に合意する株主との間で、公開買付応募契約を締結しております。

 また、当社は、2024年5月17日付で、対象者との間で、資本業務提携契約を締結しております。

 詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(重要な後発事象)に記載のとおりであります。

6【研究開発活動】

該当事項はありません。