第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

なお、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行による事業への影響については、未だ予断を許さない状況であるため、今後も注視してまいります。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第2四半期連結累計期間(2021年3月1日~2021年8月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が本格化されましたが、主要都市での緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が長期間発出され、依然として不透明な状況にあります。

このような状況のもと、当社グループは、2023年3月の創業100周年を節目に、次なるステージを目指すべく2021年度をスタートさせておりますが、グループ一丸となって新型コロナウイルスの感染拡大防止に努めるとともに、全力で持続的な成長と安定的な収益確保のための取り組みを進めております。

また、当社の事業の成長を支えるのは主力事業である試験機事業でありますが、併せて商事事業、エンジニアリング事業、海外事業といった事業とともに企業としての収益基盤を強固にしていくことに注力してまいりました。この4事業は異なるビジネスモデルではありますが、社会の「安全・安心」を支え、人々の暮らしに寄与する価値提供であると考えており、これらを踏まえ、引き続き企業価値の向上を図るべく、すべての事業において業績の向上・改善の取り組みも行っております。

しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大という厳しい環境のもと、主力の試験機事業において営業体制の見直し、営業活動の強化といった対策を行いましたが、顧客企業における設備投資の中止や先送りが想定以上に発生しており、非常に厳しい結果となりました。

以上の結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高1,812,033千円(前年同期比10.8%減)、経常利益118,183千円(前年同期比39.6%減)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は86,875千円(前年同期比41.0%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

①試験機事業

試験機事業では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が長引く中、鉱工業生産指数の低下および生産の基調判断が下方修正されるという厳しい環境のもと、顧客企業における設備投資の中止や先送りが引き続き発生しており、営業活動や製品の据付工事、修理、メンテナンスサービスの制約を受け、売上高、営業利益ともに前年同期比を大きく下回りました。

以上の結果、試験機事業の売上高は1,236,964千円(前年同期比21.4%減)、営業利益は156,661千円(前年同期比41.6%減)となりました。

 

 

商事事業

商事事業では、インバウンド需要を見込んだ量販店向け商品の販売は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により訪日観光客が激減したことで大幅に減少したものの、その一方で海外向けの商品の販売については堅調な伸びとなりました。

以上の結果、商事事業の売上高は9,533千円(前年同期比217.9%増)、営業利益は1,773千円(前年同期は4,573千円の営業損失)となりました。

 

③エンジニアリング事業

エンジニアリング事業では、主力のゆるみ止めナット・スプリングについては、高速道路や橋梁、エネルギー関係等の社会インフラ向けや国内建設市場向けに製品の浸透と市場シェアの拡大に努めましたが、前年の公共工事関連受注の反動もあり、前年比を上回ることはできませんでした。

以上の結果、エンジニアリング事業の売上高は183,405千円(前年同期比11.1%減)、営業利益は463,103千円(前年同期比26.9%減)となりました。

 

④海外事業

海外事業では、米中経済を中心とする世界経済の復調もあり、日本企業や中国国内の企業向けの家具部品や生活用品部品、家電部品等のプラスチック成型品の製造・販売にも注力し、売上の拡大に努めました。加えて、販売先や仕入先との価格交渉の強化や、人員体制の見直しを含めた事業の再構築も併せて実施し、原価と人件費を含めた経費の大幅な見直しを行うといった施策により事業全体を「筋肉質化」し、黒字体質への転換を実現させることができました。

以上の結果、海外事業の売上高は378,121千円(前年同期比54.4%増)、営業利益は15,299千円(前年同期は57,356千円の営業損失)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

当第2四半期連結会計期間末における総資産は4,552,873千円となり、前連結会計年度末に比べ95,429千円増加いたしました。

流動資産は3,194,494千円となり、前連結会計年度末に比べ31,023千円減少いたしました。これは主に受取手形及び売掛金の減少96,659千円、商品及び製品の増加118,611千円によるものであります。

固定資産は1,358,378千円となり、前連結会計年度末に比べ126,452千円増加いたしました。これは主に建設仮勘定の増加133,752千円によるものであります。

流動負債は1,622,439千円となり、前連結会計年度末に比べ82,673千円増加いたしました。これは主に短期借入金の増加424,130千円、支払手形及び買掛金の減少154,713千円、未払消費税等の減少49,511千円、前受金の減少66,432千円によるものであります。

固定負債は820,883千円となり、前連結会計年度末に比べ73,538千円減少いたしました。これは主に長期借入金の減少68,639千円によるものであります。

純資産は2,109,550千円となり、前連結会計年度末に比べ86,295千円増加いたしました。これは主に四半期純利益86,875千円の計上によるものであります。なお、2021年7月1日付で資本金2,213,552千円及び資本準備金95,977千円を減少し、その他資本剰余金に振り替え、また、同日付でその他資本剰余金2,309,529千円を減少し、繰越利益剰余金に振り替え、欠損填補に充当しております。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ12,761千円減少し、873,322千円となりました。

当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローの減少は123,919千円(前年同期は182,938千円の増加)となりました。これは主に税金等調整前四半期純利益97,053千円、たな卸資産の増加△109,913千円、仕入債務の減少△166,460千円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローの減少は187,365千円(前年同期は34,761千円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出△123,697千円、定期預金等の預入による支出△64,500千円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローの増加は297,376千円(前年同期は81,964千円の増加)となりました。これは主に短期借入れによる収入2,689,600千円、短期借入金の返済による支出△2,268,935千円等によるものであります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対応すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、7,037千円であります。

なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6) 生産、受注及び販売の実績

当第2四半期連結累計期間において、試験機事業の販売の実績が減少しております。詳細につきましては、「(1) 経営成績の状況」をご参照ください。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。