第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

なお、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行による事業への影響については、未だ予断を許さない状況であるため、今後も注視してまいります。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2021年3月1日~2021年11月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の局面での経済活動の制限と収束局面での経済活動再開の動きが繰り返され、一部の設備投資に回復がみられたものの、オミクロン株の世界的な広がりも見られつつあり、依然として不透明な状況で推移いたしました。

このような状況のもと、当社グループは、2023年3月の創業100周年を節目に、次なるステージを目指すべく2021年度をスタートさせておりますが、引き続きグループ一丸となって新型コロナウイルスの感染拡大防止に努めるとともに、全力で持続的な成長と安定的な収益確保のための取り組みを進めております。

当社の事業の成長を支えるのは主力事業である試験機事業でありますが、併せて商事事業、エンジニアリング事業、海外事業といった事業とともに企業としての収益基盤を強固にしていくことに注力してまいりました。この4事業は異なるビジネスモデルではありますが、社会の「安全・安心」を支え、人々の暮らしに寄与する価値提供であると考えており、これらを踏まえ、引き続き企業価値の向上を図るべく、すべての事業において業績の向上・改善の取り組みも行っております。

しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大という厳しい環境やそれに伴う先行き不透明な状況のもと、主力の試験機事業において、顧客企業における設備投資の中止や先送りが想定以上に発生したことにより、売上高、利益ともに厳しい結果となりました。

また、新潟県長岡市所在の工場の建物および土地については、以前から他社に賃貸しておりましたが、2021年11月25日付で売却いたしました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高2,806,929千円(前年同期比1.6%減)、経常利益173,510千円(前年同期比28.7%減)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は140,100千円(前年同期比21.4%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

①試験機事業

試験機事業では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が長引く中、設備投資の一部に回復の兆しが見られるものの、顧客企業における設備投資の中止や先送りと、それに伴う競合企業との競争の激化も発生しており、売上高、営業利益ともに前年同期を下回りました。

以上の結果、試験機事業の売上高は1,919,863千円(前年同期比12.1%減)、営業利益は230,568千円(前年同期比31.1%減)となりました。

 

 

商事事業

商事事業では、インバウンド需要を見込んだ量販店向け商品の販売は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により訪日観光客が激減したことで減少したことや、海外向けの商品の販売については、競争の激化により苦戦を強いられました。

以上の結果、商事事業の売上高は9,977千円(前年同期比114.6%増)、営業損失は1,292千円(前年同期は5,879千円の営業損失)となりました。

 

③エンジニアリング事業

エンジニアリング事業では、主力のゆるみ止めナット・スプリングについては、高速道路や橋梁、エネルギー関係等の社会インフラ向けや国内建設市場向けに製品の浸透と市場シェアの拡大に引き続き努めましたが、2021年開催のイベントに伴う前年度受注の反動を解消できず、前年同期を上回ることはできませんでした。

以上の結果、エンジニアリング事業の売上高は281,855千円(前年同期比7.3%減)、営業利益は96,153千円(前年同期比23.7%減)となりました。

 

④海外事業

海外事業では、米中経済を中心とする世界経済の復調もあり、日本企業や中国国内の企業向けの家具部品や生活用品部品、家電部品等のプラスチック成型品の製造・販売にも注力し、売上の拡大に努めました。加えて、販売先や仕入先との価格交渉の強化や、人員体制の見直しを含めた事業の再構築も併せて実施し、原価と人件費を含めた経費の大幅な見直しを行うといった施策により事業全体を「筋肉質化」したことで、今年度は引き続き、黒字体質への転換を実現させております。

以上の結果、海外事業の売上高は589,222千円(前年同期比67.4%増)、営業利益は31,469千円(前年同期は62,413千円の営業損失)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末における総資産は5,442,326千円となり、前連結会計年度末に比べ984,883千円増加いたしました。

流動資産は4,137,137千円となり、前連結会計年度末に比べ911,619千円増加いたしました。これは主に現金及び預金の増加124,992千円、受取手形及び売掛金の増加397,130千円、仕掛品の増加187,614千円によるものであります。

固定資産は1,305,189千円となり、前連結会計年度末に比べ73,263千円増加いたしました。これは主に建物及び構築物の増加26,857千円、工具、器具及び備品の減少9,126千円、土地の増加64,110千円によるものであります。

流動負債は2,501,606千円となり、前連結会計年度末に比べ961,840千円増加いたしました。これは主に短期借入金の増加1,080,410千円、1年内返済予定の長期借入金の減少107,575千円によるものであります。

固定負債は777,407千円となり、前連結会計年度末に比べ117,014千円減少いたしました。これは主に長期借入金の減少115,613千円によるものであります。

純資産は2,163,312千円となり、前連結会計年度末に比べ140,057千円増加いたしました。これは主に四半期純利益140,100千円の計上によるものであります。なお、2021年7月1日付で資本金2,213,552千円及び資本準備金95,977千円を減少し、その他資本剰余金に振り替え、また、同日付でその他資本剰余金2,309,529千円を減少し、繰越利益剰余金に振り替え、欠損填補に充当しております。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、10,263千円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5) 生産、受注及び販売の実績

当第3四半期連結累計期間において、海外事業の販売の実績が増加しております。詳細につきましては、「(1) 経営成績の状況」をご参照ください。

 

(6) 主要な設備

新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第3四半期連結累計期間に著しい変動があった設備(前連結会計年度末に計画中であった設備も含む)は、次のとおりであります。

 

① 取得

会社名

事業所名
(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

取得価額(千円)

資金調達方法

着手年月

完了年月

建物

及び構築物

土地

(面積㎡)

合計

提出
会社

新本社
(神奈川県
相模原市南区)

土地・建物

38,428

111,430

(174.55)

149,858

自己資金及び
借入金

2021年
2月

2021年
9月

 

 

② 売却

会社名

事業所名
(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

帳簿価額(千円)

売却年月

建物

及び構築物

土地

(面積㎡)

工具、器具

及び備品

合計

提出
会社

長岡工場

(新潟県長岡市)

その他

土地・建物

12,370

47,320

(7,495.51)

518

60,209

2021年
11月

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。