第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

重要事象等について

当社グループは、2016年1月期以降、売上高が減少傾向にあったところに、さらに新型コロナウイルス感染症の拡大が影響し、売上高は大きく減少、前連結会計年度を含めると6期連続した営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスの計上、並びに8期連続した親会社株主に帰属する当期純損失を計上している状況にあります。当第1四半期連結累計期間においては、売上高は240,677千円で前第1四半期連結累計期間に比較して4.9%減少し、営業損失123,406千円及び親会社株主に帰属する四半期純損失96,595千円を計上いたしました。

また、当面の先行きも不透明である状況から継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

当社グループでは当該状況を解消すべく、以下の事業施策により収益性を高め、財務施策により資金繰りの改善を図ります。

 

事業施策

1.直営店舗および百貨店店舗の効率化と収益の確保

直営店舗や百貨店における不採算店舗の撤退を進めてきた事により一定の効果を得ているものの、引き続き各店舗の採算性を注視し効率化と収益の確保を目指します。百貨店との取引においては、短期の催事への出店を積極的に検討し売上増大に取り組みます。EC事業の売上が婦人靴事業の中核となる中で、直営店舗および百貨店店舗については、お客様との接点を活かしながらブランドを発信する拠点として活用していきます。

 

2.EC事業を軸とした事業収益の改善

これまで、当社主力事業であった小売事業を縮小させ、ECサイト販売を重視する方向で諸施策を展開した結果、EC事業は一定の伸びを示し、売上全体にしめる割合も上昇しております。全社の事業収益の改善に向けて、EC事業を軸として、更なるオムニチャネル化体制及びセールスプロモーションの強化に取り組み積極的な販売活動を実施してまいります。

 

3.販売方法の見直しと強化、在庫管理の徹底

シーズン毎に提案し仕入れた商品の販売について、想定する販売期間内にてしっかり売り切れるよう販売戦略を見直し強化します。顧客の需要を分析しタイムリーな販売価格の決定と迅速な判断で翌シーズンへ持ち越す在庫数を極力少なくし在庫回転率を向上させる取り組みを行い、マーチャンダイザーや在庫コントローラーの役割を明確にし在庫管理を徹底します。

 

4.事業領域拡大

既存の主力事業である婦人靴の小売事業及びEC事業だけでなく、主力事業に付随する新たな事業を模索・展開していくことで将来的な売上高の増加・収益確保を図ってまいります。既に取り組みを開始しているSDGs関連商品等の販売においては、取扱商品や顧客へのアプローチ方法等を再検討し、新たな事業の領域拡大を目指してまいります。

 

財務施策

継続した資金調達の実施による財務基盤の安定化

当社は、2020年1月、2021年4月及び2022年4月に第三者割当による新株予約権の発行を行い、円滑な権利行使が進む中、資本の充実を図ってまいりました。当第1四半期連結会計期間の末日において当該新株予約権による資金調達額は32,160千円となり、事業領域拡大資金等に充当しております。なお、2024年4月末時点の未行使新株予約権が行使された場合の払込金額は392,620千円であり、当社としては、継続して既存の新株予約権未行使分における行使状況の把握を行い、また、必要であると判断した場合は行使価額の引き下げや追加的な資本増強による資金調達を検討するなど財務基盤の安定化に取り組んでまいります。

 

以上の施策をもって抜本的な改善をしていく予定でおりますが、事業施策及び財務施策の実現可能性は市場の状況、需要動向等の今後の外部環境の影響を受け、新株予約権による調達について行使が確約されるものではないことから、現時点においては継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと認識しております。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

 当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に移行したことに伴い、人流回復、雇用・所得環境の改善による個人消費の持ち直しや、インバウンド需要の増加等により緩やかな回復の動きが見られた一方で、エネルギー価格、原材料費の高騰及び為替変動による景気への影響が懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。

婦人靴業界におきましては、生活様式の変化や物価高騰を背景にした個人の消費スタイルが、より慎重なものに変化するなど、婦人靴の市場規模は縮小傾向にあり、引き続き厳しい経営環境が続いております。

このような状況の中、当第1四半期連結累計期間につきましては、事業再生のための基盤の整備と事業モデルの変革に向けた取り組みに努めました。

これらの結果、売上高240百万円(前年同四半期4.9%減)、営業損失123百万円(前年同四半期は93百万円の営業損失)、経常損失124百万円(前年同四半期は94百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失96百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失96百万円)となりました。

 

当第1四半期連結累計期間におけるセグメントの経営成績は以下のとおりであります。なお、セグメントの経営成績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しております。

(小売事業)

小売事業におきましては、直営店の新規出店はなく、4月30日現在における直営店舗数は3店舗であります。また、既存店舗の販売減少により、小売事業における売上高は82百万円(前年同四半期20.4%減)、営業損失は10百万円(前年同四半期は営業損失3百万円)となりました。

(EC事業)

EC事業におきましては、SNSを経由した顧客コミュニケーションの強化や販促、サイトへの流入を促す広告の強化、自社サイトでは新規会員の獲得とその維持のための施策としてメールマガジンやLINEの配信などを積極的に行いました。しかしながら、材料費、人件費の高騰、輸入に伴う円安の影響により売上原価率が高くなりました。その結果、EC事業における売上高は155百万円(前年同四半期4.2%増)、営業利益4百万円(前年同四半期66.2%減)となりました。

(その他事業)

その他事業におきましては、主力である婦人靴以外の事業領域の拡大のため、美術品販売等の事業、SDGs関連商品の販売に取り組んできました。現状では、いずれの事業においても費用が先行している状態であり、売上高は3百万円(前年同四半期660.1%増)、営業損失は3百万円(前年同四半期は営業損失7百万円)となりました。

 

(2) 財政状況

(資産)

当第1四半期連結会計期間末における流動資産の残高は、502百万円(前連結会計年度末は566百万円)となり、 64百万円減少しました。主な理由は、現金及び預金の減少(310百万円から262百万円へ48百万円減)、受取手形及び売掛金の増加(86百万円から101百万円へ15百万円増)に対して、商品及び製品の減少(133百万円から97百万円へ36百万円減)であります。

また、固定資産の残高は、29百万円(前連結会計年度末は29百万円)となり、ほぼ増減はありませんでした。

(負債)

当第1四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、264百万円(前連結会計年度末は254百万円)となり、10百万円増加しました。主な理由は、支払手形及び買掛金の増加 (16百万円から39百万円へ23百万円増)、電子記録債務の増加(1百万円から13百万円へ11百万円増)、及び賞与引当金の増加(4百万円)に対して、未払法人税等の減少(15百万円から4百万円へ11百万円減)であります。

また、固定負債の残高は、221百万円(前連結会計年度末は228百万円)となり、7百万円減少しました。主な理由は、長期借入金の減少(181百万円から173百万円へ8百万円減)であります。

(純資産)

当第1四半期連結会計期間末における純資産の残高は、46百万円(前連結会計年度末は113百万円)となり、67百万円減少しました。主な理由は、新株予約権の行使による新株の発行に伴い資本金、資本準備金がそれぞれ16百万円増加した一方、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により96百万円減少したためであります。

 

(3)  優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。