第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結累計期間末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績に関する説明

当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、賃上げ・雇用情勢の改善が進むなど各種政策の効果により、経済活動は徐々に正常化へ向かっており、景気は今後も緩やかな回復が継続していくことが期待されております。また、高い水準での物価上昇が続く中、春闘の賃上げ率が5%を超えるなどの明るい材料も見られ、賃金と物価の上昇による好循環の形成が期待されております。このような状況を踏まえ、3月には日本銀行がマイナス金利政策を解除し、政策金利を引き上げました。しかしながら、急激な円安による為替相場の変動、世界的な金融引き締め、中国経済の先行き懸念など、海外経済の減速による影響も懸念され、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

当社グループが属するインターネット業界・オンラインゲーム業界においては、大手企業を中心に「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」と呼ばれる既存のビジネスモデルや業界構造を大きく変化させる新たなデジタル化の流れが、引き続き力強いものとなっております。デジタル化による新しい生活様式への対応などのニーズは底堅く、企業におけるIT投資も拡大し続けております。

このような経営環境において、当社グループは「ザ・インターネットカンパニー」というビジョンのもと、「セカイに愛されるインターネットサービスをつくり続ける」をミッションに掲げ、その実現に向けてWebソリューション事業・デジタル人材育成派遣事業・オンラインゲーム事業を展開し、DXの追い風のもと収益拡大を図っております。

活況な市場環境の下、前連結会計年度末に掲げた中期ビジョンである「アピリッツVISION2030」の取り組みを開始しております。当社グループには若手エンジニアを始めデジタル人材が多数在籍しており、今後も採用を強化する方針であることから、長期的な人材への投資・教育が必要であると考えております。従業員1人1人の成長が事業成長及び社会貢献へ繋がる事を鑑み、人と事業が継続して成長できる環境作りを行うことを目的としております。具体的には、組織における横串のコミュニティを活性化し、相互理解や助け合い文化の促進を行う「共創・共学」、学びの継続ができる環境構築によりデジタル人材の育成を行う「人材育成」、学びを継続することによる「生産力向上」の3つの要素により実現できるものと考えており、最終的には多くのサービス開発を通して、事業・収益拡大を実現させ、社会に多数のデジタル人材を輩出することで「豊かな社会」の実現を目指してまいります。なお、4月には59名の新卒社員が当社グループへ入社しております。

また、当社グループが成長戦略として掲げるM&A戦略の面では、2022年1月にファンコミュニティサイトの企画・開発・運営事業を手掛ける株式会社ムービングクルーを、2022年7月にIT人材派遣事業及びWEB制作事業を手掛ける株式会社Y’sをそれぞれ完全子会社化し、デジタル人材の確保・育成と事業領域の拡大に取り組んでおります。

なお、2024年6月1日にBee2B株式会社の株式を取得し、完全子会社化しました。Bee2B株式会社は当社グループの「Webソリューション事業」と親和性が高い事業を展開しており、さらには自社における外国人の採用と活用、ベトナムにおける人材活用等のノウハウも有しております。今回の株式取得により、顧客の多様化、人員やノウハウの共有、海外における事業展開等が期待できると考えております。詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」及び2024年5月31日の適時開示である「Bee2B株式会社の株式の取得(完全子会社化)に関するお知らせ」をご参照ください。

引き続き、デジタル人材の確保・育成と事業領域の拡大へ向けて、当連結会計年度においても継続して積極的なソーシングを行ってまいります。

 

 

以上の結果、当第1四半期連結累計期間における当社グループの業績は、以下のとおりとなりました。

売上高 2,136,454千円(前年同期比 6.2%増)

営業利益 124,492千円(前年同期比17.8%増)

経常利益 123,950千円(前年同期比17.5%増)

親会社株主に帰属する四半期純利益 76,317千円(前年同期比21.9%増)

 

当第1四半期連結累計期間におけるセグメント別の業績は次のとおりです。

なお、セグメント間取引消去前の金額を記載しております。

 

 Webソリューション事業

Webソリューション事業においては、顧客のニーズに合わせたサービス設計から開発・保守までの一連の流れで業務を請け負うことによりロイヤリティループを形成し、継続受注や複合サービスの提供案件を順調に伸ばしてまいりました。また、開発を担う若手の成長を事業拡大の重要課題と捉えており、責任あるポジションを経験させることで開発エンジニアとしての技能の向上を図り、それをまた新たな若手につなげていくという循環により成長スパイラルを形成しております。加えて、IT投資が引き続き活況な市場環境下で、継続顧客からの安定的な受注、また、新規顧客との接点を増やすため、インターネット広告の出稿を積極的に行うなど新規案件の獲得も推し進めております。

前連結会計年度は、第1四半期連結会計期間から第3四半期連結会計期間において、大型案件の納品が続いたことで売上高及びセグメント利益ともに順調に伸長しておりましたが、第4四半期連結会計期間において、売上高及びセグメント利益に一時的な落ち込みが見られました。この一時的な落ち込みは、大型案件の納品が一段落したこと、他の大型案件の要件定義が集中したことで、製造要員の稼働が減少したことが主な要因であります。

当第1四半期連結累計期間においては、要件定義の集中が落ち着き、案件獲得への積極的な投資が奏功したことで、売上高及びセグメント利益ともに回復しております。

その結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は838,235千円(前年同期比0.1%増)、セグメント利益は183,901千円(前年同期比33.7%減)となりました。
 

 デジタル人材育成派遣事業

デジタル人材育成派遣事業においては、急速に進むデジタルビジネスの進展とそれを支えるデジタル人材の需給ギャップが構造的に問題となっており、質の高いデジタル人材に対するニーズがますます高まっております。

当社グループでは、未経験に近い人員の採用を行い、過去から積み上げた質の高い教育を積極的に行うことで、質の高いデジタル人材を顧客に提供しております。当第1四半期連結累計期間においてもデジタル人材の派遣の需要は引き続き堅調に推移しており、それに伴って稼働人数も増加しました。

その結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は538,916千円(前年同期比17.6%増)、セグメント利益は49,921千円(前年同期比326.2%増)となりました。

 

 

③ オンラインゲーム事業

オンラインゲーム事業は、運営移管タイトルにおいては、『けものフレンズ3』及び『UNI’S ON AIR(ユニゾンエアー)』がいずれも3月にサービス開始4.5周年を迎えたことを記念して周年イベントを開催し、売上に貢献いたしました。また、運営移管後に運営体制の効率化や外注の内製化を継続して行っていることで、原価は低減しております。

受託開発・運営においては、他社開発ゲームの受託開発及び運営保守並びに共同運営を行ってまいりました。自社ゲームタイトルや運営移管タイトルの開発で獲得したノウハウを活かし、他社ゲーム開発の受注が安定的に推移しました。また、4月には株式会社ブシロードが提供する『新テニスの王子様 RisingBeat』の運営に参画するなどを行いました。

自社ゲームタイトルにおいては、『ゴエティアクロス』において各種イベントの開催や新キャラクターの追加等を行い、売上維持に努めてまいりました。また、「式姫Project」の新作ゲームタイトルの開発も、当期中のリリースに向けて鋭意進めております。

その結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は776,719千円(前年同期比8.4%増)、セグメント利益は79,232千円(前年同期はセグメント損失6,655千円)となりました。

 

(2)財政状態に関する説明

(資産)

当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、4,870,053千円と前連結会計年度末に比べて284,211千円の増加となりました。流動資産は316,864千円増加し、3,698,574千円となりました。これは主に、現金及び預金の増加328,649千円等によるものです。固定資産は32,652千円減少し、1,171,479千円となりました。これは主に、のれんの減少16,914千円、有形固定資産の減少14,422千円等によるものです。
 

(負債)

当第1四半期連結会計期間末の負債合計は、2,343,261千円と前連結会計年度末に比べて225,793千円の増加となりました。これは主に、長期借入金が207,500千円、1年内返済予定の長期借入金が60,000千円、それぞれ増加した一方で、未払法人税等が51,397千円減少したことによるものです。

 

(純資産)

当第1四半期連結会計期間末の純資産合計は、2,526,792千円と前連結会計年度末に比べて58,417千円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が76,317千円増加した一方で、配当金の支払により利益剰余金が24,759千円減少したことによるものです。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当第1四半期連結累計期間における研究開発費の総額は35,998千円です。なお、当第1四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。

なお、当社は、2024年5月31日に会社法第370条及び当社定款第25条第2項の規定による決議によって、Bee2B株式会社の全株式を取得し、完全子会社化することを決議いたしました。

また、同日付で株式譲渡契約を締結し、2024年6月1日に全株式を取得いたしました。

詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください