2【財務諸表等】

(1)【財務諸表】

①【貸借対照表】

 

 

(単位:百万円)

 

前事業年度

(2023年3月31日)

当事業年度

(2024年3月31日)

資産の部

 

 

流動資産

 

 

現金及び預金

430,103

575,347

受取手形

208

売掛金

242,763

367,220

有価証券

59,985

159,970

商品及び製品

83,725

88,406

原材料

94,010

191,455

前払費用

3,316

3,717

短期貸付金

5,924

14,786

未収入金

36,162

28,232

その他

37,308

68,910

貸倒引当金

2,623

2,974

流動資産合計

990,883

1,495,071

固定資産

 

 

有形固定資産

 

 

建物

53,577

56,809

構築物

1,551

1,692

機械及び装置

376

321

車両運搬具

0

0

工具、器具及び備品

8,656

10,340

土地

13,822

16,473

建設仮勘定

6,004

1,363

有形固定資産合計

83,989

87,000

無形固定資産

 

 

特許権

266

201

ソフトウエア

1,195

1,432

その他

24,784

26,751

無形固定資産合計

26,246

28,385

投資その他の資産

 

 

投資有価証券

49,773

61,240

関係会社株式

304,772

310,035

関係会社出資金

106,040

154,505

長期貸付金

105,342

138,043

前払年金費用

29,778

31,445

繰延税金資産

94,343

113,807

その他

74,670

144,580

貸倒引当金

134

134

投資その他の資産合計

764,587

953,523

固定資産合計

874,824

1,068,909

資産合計

1,865,707

2,563,981

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前事業年度

(2023年3月31日)

当事業年度

(2024年3月31日)

負債の部

 

 

流動負債

 

 

買掛金

46,088

53,742

短期社債

20,000

短期借入金

55,980

27

未払金

135,316

206,073

未払費用

62,818

30,077

未払法人税等

1,031

36,673

未払消費税等

1,665

預り金

93,687

70,065

契約負債

26,047

56,259

環境対策引当金

964

6,624

その他

13,171

48,892

流動負債合計

455,106

510,101

固定負債

 

 

社債

100,000

100,000

長期未払金

286

1,835

契約負債

290,233

678,519

環境対策引当金

15,068

13,015

その他

27,453

155,988

固定負債合計

433,041

949,360

負債合計

888,147

1,459,461

純資産の部

 

 

株主資本

 

 

資本金

50,000

50,000

資本剰余金

 

 

資本準備金

179,858

179,858

その他資本剰余金

252,284

254,156

資本剰余金合計

432,142

434,014

利益剰余金

 

 

その他利益剰余金

 

 

固定資産圧縮積立金

4,669

4,378

繰越利益剰余金

507,795

625,099

利益剰余金合計

512,464

629,478

自己株式

36,808

36,629

株主資本合計

957,798

1,076,863

評価・換算差額等

 

 

その他有価証券評価差額金

18,749

27,328

繰延ヘッジ損益

403

232

評価・換算差額等合計

19,152

27,096

新株予約権

608

560

純資産合計

977,560

1,104,519

負債純資産合計

1,865,707

2,563,981

 

②【損益計算書】

 

 

(単位:百万円)

 

前事業年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

当事業年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

売上高

858,974

1,214,732

売上原価

264,980

305,414

売上総利益

593,994

909,317

販売費及び一般管理費

 

 

販売促進費

160,984

268,663

広告宣伝費

560

424

給料及び手当

44,120

45,521

退職給付費用

2,522

1,838

福利厚生費

7,124

7,314

減価償却費

1,482

1,498

賃借料

8,390

8,338

旅費及び交通費

4,119

5,057

業務委託費

33,566

37,666

研究開発費

338,752

387,022

その他

29,458

41,889

販売費及び一般管理費合計

631,082

805,236

営業利益又は営業損失(△)

37,088

104,081

営業外収益

 

 

受取利息

1,694

9,379

有価証券利息

19

42

受取配当金

125,135

69,677

受取賃貸料

3,923

4,118

為替差益

2,572

2,932

その他

394

1,229

営業外収益合計

133,740

87,380

営業外費用

 

 

支払利息

792

3,948

社債利息

1,076

984

賃貸収入原価

1,683

1,612

休止固定資産減価償却費

4

4

その他

1,479

2,181

営業外費用合計

5,036

8,731

経常利益

91,615

182,730

特別利益

 

 

固定資産売却益

1,171

37

投資有価証券売却益

1,405

9,831

関係会社株式売却益

※2 7,230

補助金収入

※3 3,957

※3 1,385

偶発損失引当金戻入益

1,219

その他

88

22

特別利益合計

7,842

18,505

特別損失

 

 

固定資産処分損

493

730

環境対策引当金繰入額

4,571

損失補償金

1,343

事業譲渡価格調整金

677

その他

9

383

特別損失合計

1,180

7,029

税引前当期純利益

98,277

194,206

法人税、住民税及び事業税

1,716

33,035

法人税等調整額

4,253

22,951

法人税等合計

5,969

10,084

当期純利益

104,247

184,122

 

【製造原価明細書】

 

 

前事業年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

当事業年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

区分

注記

番号

金額(百万円)

構成比

(%)

金額(百万円)

構成比

(%)

Ⅰ.原材料費

 

 

43,964

65.6

 

75,960

63.4

Ⅱ.経費

 

 

23,061

34.4

 

43,885

36.6

(うち外注加工費)

 

 

(23,061)

(34.4)

 

(43,885)

(36.6)

当期総製造費用

 

 

67,026

100.0

 

119,846

100.0

  合計

 

 

67,026

 

 

119,846

 

他勘定振替高

※1

 

34,599

 

 

62,246

 

当期製品製造原価

 

 

32,426

 

 

57,599

 

※1 原材料への振替及びその他の振替高であります。

 

(原価計算の方法)

 原価計算の方法は、組別総合原価計算(標準原価計算)であります。

 

③【株主資本等変動計算書】

前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

株主資本

 

資本金

資本剰余金

利益剰余金

自己株式

株主資本合計

 

資本準備金

その他資本剰余金

資本剰余金合計

その他利益剰余金

利益剰余金合計

 

固定資産圧縮積立金

繰越利益剰余金

当期首残高

50,000

179,858

252,478

432,337

4,969

457,880

462,849

37,482

907,703

当期変動額

 

 

 

 

 

 

 

 

 

固定資産圧縮積立金の取崩

 

 

 

 

300

300

-

 

-

剰余金の配当

 

 

 

 

 

54,632

54,632

 

54,632

当期純利益

 

 

 

 

 

104,247

104,247

 

104,247

自己株式の取得

 

 

 

 

 

 

 

24

24

自己株式の処分

 

 

194

194

 

 

 

698

503

株主資本以外の項目の当期変動額(純額)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当期変動額合計

-

-

194

194

300

49,915

49,615

674

50,094

当期末残高

50,000

179,858

252,284

432,142

4,669

507,795

512,464

36,808

957,798

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

評価・換算差額等

新株予約権

純資産合計

 

その他有価証券評価差額金

繰延ヘッジ損益

評価・換算差額等合計

当期首残高

21,217

523

21,740

822

930,266

当期変動額

 

 

 

 

 

固定資産圧縮積立金の取崩

 

 

 

 

-

剰余金の配当

 

 

 

 

54,632

当期純利益

 

 

 

 

104,247

自己株式の取得

 

 

 

 

24

自己株式の処分

 

 

 

 

503

株主資本以外の項目の当期変動額(純額)

2,468

120

2,588

213

2,801

当期変動額合計

2,468

120

2,588

213

47,293

当期末残高

18,749

403

19,152

608

977,560

 

当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

株主資本

 

資本金

資本剰余金

利益剰余金

自己株式

株主資本合計

 

資本準備金

その他資本剰余金

資本剰余金合計

その他利益剰余金

利益剰余金合計

 

固定資産圧縮積立金

繰越利益剰余金

当期首残高

50,000

179,858

252,284

432,142

4,669

507,795

512,464

36,808

957,798

当期変動額

 

 

 

 

 

 

 

 

 

固定資産圧縮積立金の取崩

 

 

 

 

290

290

-

 

-

剰余金の配当

 

 

 

 

 

67,109

67,109

 

67,109

当期純利益

 

 

 

 

 

184,122

184,122

 

184,122

自己株式の取得

 

 

 

 

 

 

 

25

25

自己株式の処分

 

 

156

156

 

 

 

204

360

その他株主資本の変動

 

 

1,716

1,716

 

 

 

 

1,716

株主資本以外の項目の当期変動額(純額)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当期変動額合計

-

-

1,872

1,872

290

117,303

117,013

178

119,064

当期末残高

50,000

179,858

254,156

434,014

4,378

625,099

629,478

36,629

1,076,863

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

評価・換算差額等

新株予約権

純資産合計

 

その他有価証券評価差額金

繰延ヘッジ損益

評価・換算差額等合計

当期首残高

18,749

403

19,152

608

977,560

当期変動額

 

 

 

 

 

固定資産圧縮積立金の取崩

 

 

 

 

-

剰余金の配当

 

 

 

 

67,109

当期純利益

 

 

 

 

184,122

自己株式の取得

 

 

 

 

25

自己株式の処分

 

 

 

 

360

その他株主資本の変動

 

 

 

 

1,716

株主資本以外の項目の当期変動額(純額)

8,579

635

7,943

48

7,894

当期変動額合計

8,579

635

7,943

48

126,959

当期末残高

27,328

232

27,096

560

1,104,519

 

【注記事項】
(重要な会計方針)

1.資産の評価基準及び評価方法

(1) 有価証券

① 満期保有目的の債券

 …償却原価法(定額法)

② 子会社株式及び関連会社株式

 …移動平均法による原価法

③ その他有価証券

 市場価格のない株式等以外のもの

 …決算日の市場価格等に基づく時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動

  平均法により算定)

 市場価格のない株式等

 …主として移動平均法による原価法

(2) 棚卸資産

通常の販売目的で使用する棚卸資産

…総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)

 

2.固定資産の減価償却の方法

(1) 有形固定資産

 定額法によっております。

 なお、主な耐用年数は次のとおりであります。

  ・建物        : 15~50年

  ・機械及び装置    : 4~17年

  ・工具、器具及び備品 : 2~15年

(2) 無形固定資産

 定額法によっております。

 なお、将来の費用削減効果が確実な自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づいております。

 

3.引当金の計上基準

(1) 貸倒引当金

 売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。

(2) 退職給付引当金

 従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき退職給付引当金又は前払年金費用を計上しております。なお、退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。

 過去勤務費用は、発生時から1年(12ヶ月)で費用処理しております。

 数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理しております。

(3) 環境対策引当金

 土壌浄化対策に係る損失に備えるため、土地の一部における浄化対策費用等の見積額を計上しております。

 

4.外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準

 外貨建金銭債権債務は、決算時の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しております。

 

5.ヘッジ会計の方法

(1) ヘッジ会計の方法

 原則として繰延ヘッジ処理によっております。

 なお、振当処理の要件を満たしている為替予約については、振当処理によっております。

 また、金利スワップの特例処理の要件を満たしている金利スワップについては、特例処理によっております。

(2) ヘッジ手段とヘッジ対象

ヘッジ手段…為替予約、金利スワップ

ヘッジ対象…外貨建金銭債権債務、借入金、外貨建予定取引

(3) ヘッジ方針

 輸出入取引等に係る為替変動リスク及び金利変動リスクをヘッジし、投機目的によるデリバティブ取引は行わない方針であります。

(4) ヘッジ有効性評価の方法

 為替予約及び特例処理によっている金利スワップは取引の重要な条件が同一であり、ヘッジ効果が極めて高いことから、有効性の評価を省略しております。

(「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い」を適用しているヘッジ関係)

 上記ヘッジ関係のうち、「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い」(実務対応報告第40号 2022年3月17日)の適用範囲に含まれるヘッジ関係のすべてに、当該実務対応報告に定められる特例的な取扱いを適用しております。当該実務対応報告を適用しているヘッジ関係の内容は、以下のとおりであります。

 ヘッジ会計の方法:金利スワップの特例処理

 ヘッジ手段:金利スワップ

 ヘッジ対象:借入金

 ヘッジ取引の種類:キャッシュ・フローを固定するもの

 

6.収益及び費用の計上基準

 当社は、医薬品等の製造販売を主な事業内容としており、顧客との契約に基づく主な履行義務の内容及び収益を認識する通常の時点は次のとおりであります。

(1) 製商品の販売

 当社が顧客に移転を約束した財又はサービスの内容は、医療用医薬品の販売であります。このような販売については、顧客へ製商品を引き渡し、検収が完了した時点で、製商品への支配が顧客に移転し、履行義務が充足されることから、当該時点で収益を認識しております。

 対価については、履行義務の充足時点から概ね3ヶ月以内に支払を受けております。なお、重大な金融要素は含んでおりません。

 契約条件によっては、当社は割引、値引、割戻、返品等に応じる義務を負っております。この場合の取引価格は、顧客との契約において約束された対価からこれらの見積りを控除した金額で算定しており、顧客に返金すると見込んでいる対価を返金負債として計上しております。当該返金負債の見積りにあたっては、契約条件や過去の実績などに基づき計算しております。

(2) 技術料収入

 当社は、第三者に製品の研究開発、製造や販売、技術の使用等を許諾する契約を締結することにより、契約一時金、マイルストーン収入、ランニング・ロイヤリティー等の対価を得ております。

 契約一時金は、履行義務が一時点で充足される場合には、ライセンスを付与した時点で収益を認識しており、マイルストーン収入は、事後に収益の重大な戻入が生じる可能性を考慮し、規制当局への承認申請等の当事者間で合意したマイルストーンが達成された時点で収益を認識しております。履行義務が一時点で充足されないものについては、当該対価を契約負債として計上し、個々の契約に関連する製造及び供給サービスや研究開発協力等の履行義務の充足に従い一定期間にわたって収益として認識しております。ランニング・ロイヤリティーは、契約相手先の売上等を算定基礎として測定し、その発生時点を考慮して収益を認識しております。

 対価については、対価の受領要件を満たした後、概ね3ヶ月以内に支払を受けております。なお、重大な金融要素は含んでおりません。

 

7.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項

 該当事項はありません。

 

(重要な会計上の見積り)

引当金及び偶発債務

(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額

(単位:百万円)

 

前事業年度

当事業年度

環境対策引当金

16,032

19,639

 

(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報

 引当金は、将来の特定の費用又は損失であって、その発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合に計上しております。また、債務の保証、係争事件に係る賠償義務その他現実に発生していない債務で、将来において事業の負担となる可能性のあるものについては、偶発債務として開示しております。

 引当金の計算及び偶発債務の判断は、期末日における将来の経済的便益の流出時期及び流出金額に関する最善の見積りに基づいて行っております。見積りに使用した仮定と異なる結果が生じることにより、翌事業年度の財務諸表において引当金の金額に重要な修正を行う可能性があります。

 

(追加情報)

(環境対策引当金)

 環境対策引当金は、主として野洲川工場跡地の土壌浄化対策に係る損失に備えるため、当該費用の見積り額を計上したものであります。

 当事業年度において、野洲川工場跡地に設置している保管施設の撤去工事等の関連コストについて、工事代金等の支払いに伴い1,006百万円を取り崩す一方、現時点での最善の見積りに基づき、2,270百万円を追加計上し、3,196百万円を環境対策引当金として計上しております。

 また、野洲川工場跡地及び野洲川河川敷での対策について、工事設計費用等の支払いに伴い11百万円を取り崩す一方、確定した工事計画に要する工事費用の現時点での最善の見積りに基づき、1,861百万円を追加計上し、15,949百万円を環境対策引当金として計上しております。

 支払時期は、行政等との協議によって決定される工事計画により影響を受けます。

 

(貸借対照表関係)

1.関係会社に対する金銭債権、債務

 

前事業年度

(2023年3月31日)

当事業年度

(2024年3月31日)

 短期金銭債権

151,991百万円

254,093百万円

 長期金銭債権

105,941

138,581

 短期金銭債務

210,932

199,550

 

2.偶発債務

(1) 債務保証

 関係会社の事業所等賃貸契約に対する保証並びに関係会社及び従業員の金融機関からの借入金に伴う支払債務に対して債務保証を行っております。

 

 

前事業年度

(2023年3月31日)

当事業年度

(2024年3月31日)

 第一三共Inc.

9百万円

10百万円

 プレキシコンInc.

5,474

5,525

 従業員(住宅資金等)

180

137

5,663

5,672

 

 

(2) 訴訟

Seagen Inc.保有の米国特許に関する訴訟等

 2020年10月、Seagen Inc.は、エンハーツを含む当社ADCがSeagen Inc.の保有する米国特許10,808,039を侵害するとして特許侵害訴訟をテキサス州東部地区連邦地方裁判所に提起しました。2022年4月、同裁判所で陪審審理が行われ、エンハーツが当該米国特許を侵害しているとの陪審評決が下されました。陪審員は、陪審審理に至る前の2020年10月から2022年3月までの期間のSeagen Inc.の損害額が41.8百万米ドルであると判断し、また、当該米国特許の故意侵害があったと認定しました。同年7月、同裁判所は、前記陪審評決を確認する判決を下しましたが、陪審が故意侵害であると認定した一方で、状況を総合的に判断し、損害賠償額を増額しませんでした。2023年10月、同裁判所は、2022年7月の判決を不服とする当社の申立(post-trial motions)を棄却し、当該判決で決定された41.8百万米ドルの損害賠償額に加え、2022年4月1日からSeagen Inc.の当該米国特許が満了する2024年11月4日までのエンハーツの米国売上に対する8%のロイヤリティーの支払を命じる一審判決を下しました。2023年11月、当社は、同年10月の一審判決に対し、米国連邦巡回区控訴裁判所に控訴を提起いたしました。なお、仮にSeagen Inc.に当該米国特許の侵害に係る賠償金及びロイヤリティーを支払うこととなった場合には、アストラゼネカ社と締結したエンハーツの共同開発及び販売提携に関する契約に基づき、これをアストラゼネカ社と折半して負担いたします。

 一方で、2020年12月、当社らは、Seagen Inc.の当該米国特許が無効であるとして、米国特許商標庁に当該米国特許の有効性を審査する特許付与後レビュー(Post Grant Review、以下「PGR」という。)の請求手続を行いましたが、2021年6月、当該PGRの審理を開始しない旨の決定がなされておりました。当該決定を受け、同年7月、当社らは、米国特許商標庁への再審理請求を行うとともに、同年8月、バージニア州東部地区連邦地方裁判所に行政訴訟を提起し、その結果、2022年4月、米国特許商標庁は上記再審理請求を認めPGRの開始を決定しました。同年7月、米国特許商標庁はSeagen Inc.の再審理請求を認め、PGRを進めないことを決定しましたが、当社の再審理請求を受け、2023年2月、PGRの再開を決定しました。2024年1月、米国特許商標庁は、Seagen Inc.の当該米国特許は無効であるとの決定を下しました。同年2月、Seagen Inc.は、同年1月の米国特許商標庁の決定に対して長官レビューを申請しましたが、同年3月、米国特許商標庁は当該申請を棄却しました。

 当該米国特許は、米国連邦巡回区控訴裁判所に控訴中の特許侵害訴訟においてSeagen Inc.が主張の根拠としている唯一の特許ですが、当社は、当該米国特許は無効であり、賠償金を支払う可能性は低いと考えているため、当該米国特許の侵害に係る賠償金の引当金を計上しておりません。

 

3.貸出コミットメント契約

 当社は、運転資金の効率的な調達を行うため取引金融機関5行と貸出コミットメントライン契約を締結しております。

 事業年度末における貸出コミットメントに係る借入未実行残高は次のとおりであります。

 

前事業年度

(2023年3月31日)

当事業年度

(2024年3月31日)

コミットメントラインの総額

20,000百万円

20,000百万円

借入実行残高

差引額

20,000

20,000

 

(損益計算書関係)

1.関係会社との取引高

 

前事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

当事業年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

営業取引による取引高

 

 

 売上高

328,636百万円

583,536百万円

 仕入高

184,896

195,721

 販売費及び一般管理費

303,383

369,923

営業取引以外の取引高

127,059

73,809

 

※2. 関係会社株式売却益

当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 第一三共エスファ株式会社の株式売却に係るものであります。

 

※3. 補助金収入

前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの開発に係るものであります。

 

当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの開発に係るものであります。

 

(有価証券関係)

子会社株式及び関連会社株式

前事業年度(2023年3月31日現在)

 子会社株式及び関連会社株式で市場価格のあるものはありません。

 

当事業年度(2024年3月31日現在)

 子会社株式及び関連会社株式で市場価格のあるものはありません。

 

 (注)市場価格のない株式等の貸借対照表計上額

(単位:百万円)

 

 

区分

前事業年度

(2023年3月31日)

当事業年度

(2024年3月31日)

子会社株式

303,752

309,790

関連会社株式

1,020

245

合計

304,772

310,035

 

(税効果会計関係)

1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳

 

前事業年度

(2023年3月31日)

 

当事業年度

(2024年3月31日)

繰延税金資産

 

 

 

前払委託研究費・共同開発費等

19,275百万円

 

20,671百万円

前払費用等

16,534

 

19,444

減価償却費

15,948

 

16,341

棚卸資産評価損等

14,772

 

16,907

税務上の繰越欠損金

38,446

 

948

未払賞与

4,183

 

4,539

有価証券等評価損

1,344

 

1,208

投資簿価修正

 

6,306

未払事業税等

278

 

2,942

契約負債

287

 

41,884

貸倒引当金

841

 

948

環境対策引当金

4,891

 

5,992

その他

5,883

 

4,352

繰延税金資産小計

122,686

 

142,488

税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額

△2,345

 

将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額

△3,226

 

△3,014

評価性引当額小計

△5,572

 

△3,014

繰延税金資産合計

117,114

 

139,474

繰延税金負債

 

 

 

その他有価証券評価差額金

△8,231

 

△11,998

前払年金費用

△9,085

 

△9,593

固定資産圧縮積立金

△4,262

 

△4,074

その他

△1,191

 

繰延税金負債合計

△22,771

 

△25,667

繰延税金資産(負債)の純額

94,343

 

113,807

 

2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳

 

前事業年度

(2023年3月31日)

 

当事業年度

(2024年3月31日)

法定実効税率

30.5%

 

30.5%

(調整)

 

 

 

交際費等永久に損金に算入されない項目

0.7

 

0.7

受取配当金等永久に益金に算入されない項目

△37.6

 

△10.6

評価性引当額増減

△0.3

 

△1.2

試験研究費の法人税額特別控除

△3.7

 

△11.2

外国子会社からの配当に係る外国源泉税

3.6

 

0.2

投資簿価修正

 

△4.6

その他

0.7

 

1.4

税効果会計適用後の法人税等の負担率

△6.1

 

5.2

 

3.法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理

 当社は、グループ通算制度を適用しております。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っております。

 

(収益認識関係)

 連結財務諸表注記の「24.売上収益」にて記載しているため、記載を省略しております。

 

(重要な後発事象)

1.第一三共エスファ株式会社の株式の譲渡

 2024年4月1日、当社は2023年5月16日に締結したクオールホールディングス株式会社との株式譲渡契約に基づき、当社が保有する第一三共エスファ株式会社の発行済株式総数の21%をクオールホールディングス株式会社に譲渡いたしました。

 この結果、2025年3月期の損益計算書において「関係会社株式売却益」約51億円を計上する予定です。

 

2.自己株式取得及び消却

 連結財務諸表注記「39.後発事象 (2)自己株式取得及び消却」をご参照ください。

 

 

④【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】

(単位:百万円)

区分

資産の種類

当期首残高

当期増加額

当期減少額

当期償却額

当期末残高

減価償却

累計額

有形固定資産

建物

53,577

7,263

3

4,028

56,809

103,884

構築物

1,551

319

0

177

1,692

5,211

機械及び装置

376

125

0

180

321

8,073

車両運搬具

0

           -

           -

          -

0

17

工具、器具及び備品

8,656

5,239

7

3,549

10,340

47,558

土地

13,822

2,681

29

          -

16,473

          -

建設仮勘定

6,004

11,252

15,893

          -

1,363

          -

83,989

26,881

15,934

7,935

87,000

164,744

無形固定資産

特許権

266

           -

           -

65

201

          -

ソフトウエア

1,195

1,002

           -

764

1,432

          -

その他

24,784

7,409

1,002

4,440

26,751

          -

26,246

8,412

1,002

5,271

28,385

          -

 

 

【引当金明細表】

(単位:百万円)

科目

当期首残高

当期増加額

当期減少額

当期末残高

貸倒引当金

2,757

351

3,108

環境対策引当金

16,032

4,829

1,221

19,639

 

(2)【主な資産及び負債の内容】

 連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。

(3)【その他】

 当社に関する重要な訴訟については、注記事項(貸借対照表関係)「2.偶発債務」に記載のとおりであります。