当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「マーケティングで人・企業・社会をより良くする」というミッションのもと、「究極の生産性を実現するデジタルマーケティング業界No.1のDXカンパニー(注)1.」を目指しております。また、マーケティングにおける企業の「デジタル・デバイド(格差)」を無くしたいと考えております。良質なデジタルマーケティングサービスを受けられていない、潤沢な広告予算を有さない企業に対して、当社が有するデジタルマーケティング技術を駆使して、質の高いサービスを提供することで、クライアントのマーケティング成果を向上させることに努めてまいります。
究極の生産性を実現するには、クライアントへの提供サービスの質を維持しながら、業務効率化を並行して推進する必要があり、それを実現するための自社開発ツールへの開発投資を継続的に実施していく方針です。自社開発ツールを活用することで、高品質のサービスを、属人化させず組織的、かつ効率的に提供することが可能になります。
(注)1.DXとは、デジタルトランスフォーメーションの略であり、ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させるという仮説であります。
(2)経営環境
当社事業が属するデジタルマーケティング市場は、インターネット利用者の増加やスマートフォンの普及に伴い、急速に拡大してまいりました。日本のインターネット広告費は、2018年に2兆円を超え、以降も堅調に拡大しております。2022年は、新型コロナウイルス感染症に対する各種制限の緩和により、経済活動の正常化の動きが見られました。このような経済情勢のなか、あらゆる産業界においてデジタルトランスフォーメーションのトレンドが継続しており、インターネットを用いた販促・マーケティング活動が前年度比さらに活発となった結果、当社の所属するデジタルマーケティング業界に対する需要はより一層高まっております。株式会社電通「2022年 日本の広告費」によると、インターネット広告の市場規模は2022年に3兆912億円となりました。広告のデジタル化の流れは今後も継続するものと判断しております。
このような市場環境においては、需要が拡大する中で、広告代理店各社が新規クライアントを獲得する機会が多い状況であり、当社が提供するインターネット広告サービスやSEOコンサルティングサービスの需要や必要性は益々高まっていくものと考えております。
日本のデジタルマーケティング市場においては、大規模広告代理店がマーケティング予算が大きい顧客(単月5,000万円以上)に注力し、さらにコンサルティング・ファームの参入も著しくなっており、今後もこの状況が続くと推察しております。なお、単月マーケティング予算5,000万円以上という基準は、当社が定義したものであります。単月5,000万円以下の中小規模の顧客に対しては、当社を含む多くの中小規模広告代理店が対峙しており、当社が提供するデジタルマーケティングサービスの需要が益々高まっていくと考えております。
当社の強みは、代表取締役社長の市原をはじめ、幹部社員が豊富な経験量・実績を基にメディア運営会社のアルゴリズムの理解を深めており、さらにこれらのノウハウを人材育成や自社開発ツールを通して短期間での組織知化を可能としていることであると考えております。
(3)経営戦略
当社の主要な経営戦略は以下のとおりであります。
① クライアント基盤の拡大
質の高いデジタルマーケティングサービスを提供することで、直接取引クライアントとの取引拡大、大手総合型広告代理店との協業の拡大に取組んでまいります。特に、直接取引クライアントについては、単月マーケティング予算5,000万円以下の中小規模の顧客領域でのシェアを高めていきたいと考えております。
広告効果の向上のためには、動画広告クリエイティブの品質向上・差別化が非常に重要となっており、広告効果の向上はクライアント単価の向上に直接的に繋がります。その取組みの1つとして、動画広告の広告効果を上げるための分析からプランニング及び制作までを、最新AI技術を駆使して高精度に行うことができるソリューションサービス「Cre Tech Force(クリテクフォース)」を開発及び展開することで、更なる運用型広告領域における広告効果の向上・他社との差別化を目指してまいります。
また、クライアントへの提供サービスの質を維持しながら、業務効率化を並行して推進するために、DX化の余地が大きく生産性向上の効果が大きい事業領域から優先的に、自社開発ツールの開発に取組んでまいります。これまでも継続的に開発済のツールにビッグデータ分析機能の付加、AI分析機能の付加等を行っておりますが、今後もより質の高いサービスを提供すべく、機能向上に注力してまいります。
② 人材の採用・育成
クライアントへの提供サービスの質を維持することを大前提に、「採用→育成」をサステナブルに機能させ、優秀な人材の確保に取組んでまいります。人材の即戦力化のための研修制度の一層の充実や、イネーブルメント・プロジェクト(注)2.等、人材育成施策に積極的に取組んでまいります。
(注)2.当社独自の呼称で、当社の費用の過半以上を占める人件費を「有効化(イネーブルメント)」するための取組みのことです。従業員の能力を項目化・言語化し、各従業員を項目ごとに採点した上で、ギャップが大きい項目に対して重点的に育成施策を打つことで計画的かつ早期育成化を実現する取組みを行っております。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
社員1人当たりの生産性(注)3.及び社員数を経営指標として重視しております。当社の自社開発ツールの活用とイネーブルメント・プロジェクトに基づく育成により、未経験社員がスピーディに戦力化し、会社としての生産性が継続的に維持・向上します。その結果として、売上高・各段階利益の成長が実現され、持続的な企業価値の向上に繋がるものと考え、上記の指標を重視しております。
(注)3.各期の売上高を各期末の人員数で除して算出します。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社の優先的に対処すべきと考える事業上の課題は以下のとおりであります。当社は、急速な成長段階にあり、クライアント基盤を拡大させながら、現在のサービス品質の維持・持続的な向上をさせることが、重要な課題であると認識しております。そのため、自社開発ツールの開発促進や、人材の採用と育成に取組んでまいります。また、業務運用の効率化やリスク管理のための内部管理体制のさらなる強化が重要な課題であると認識しております。このため、バックオフィス業務の整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取組んでまいります。なお、財務上の課題については、内部留保が十分確保されており、借入等による機動的な資金調達も可能であることから、特段の該当事項はありません。
① サービス品質の維持・持続的な向上
デジタルマーケティングサービスの維持・持続的な品質向上を図っていくことが重要であると考えております。そのためには、継続的な自社開発ツールの開発、人材の採用・育成が必要であると考えております。
② クライアント基盤の拡大
既存クライアントとの継続的な関係構築、新規クライアントの開拓推進が重要であると考えております。継続的な自社開発ツールの開発、人材の採用・育成をすることによるサービス品質の持続的な向上により、達成されるものと考えております。
③ 人材の採用と育成
新卒採用を中心とした積極的な人材採用と、人材育成の推進が重要であると考えております。現在、実施している、未経験社員を早期戦力化するための社内研修制度の充実(具体的には座学、OJT、内定承諾者アルバイト制度)、短期的な成果でなく、安定的に質の高いサービスを提供できるかどうかを評価基準とした人事評価を行う現行の人事評価制度の継続・ブラッシュアップを行ってまいります。
④ コーポレート・ガバナンス体制の強化
当社が持続的な成長を維持していくためには、内部管理体制の強化を通じた業務の標準化・効率化が重要であると考えております。それらの実効性を高めるための環境を整備し、組織的な統制・管理活動を通じてリスク管理を徹底するとともに、業務の標準化と効率化を目指しております。また、コーポレートガバナンス・コードの基本原則に従い、株主の皆様をはじめとする全てのステークホルダーからの社会的信頼に応えていくことを企業経営の基本的使命とし、コンプライアンス体制の強化、迅速かつ正確な情報開示の充実に努め、コーポレート・ガバナンスの強化に取組んでまいります。その取組みの1つとして2021年12月には監査等委員会設置会社へ移行しました。また、取締役の過半数が社外取締役で構成されており、取締役会の監督機能を強化するとともに、業務執行の適法性、妥当性の監査・監督を通じた透明性の高い経営を実現しております。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社は、中長期的な企業の価値向上を目指した経営を推進する基盤として、コーポレート・ガバナンス体制の構築とさらなる高度化に取り組んでおります。取締役会を中心とした経営基盤を強化し、事業を成長させることが、社会の持続的な発展につながるものであると考えております。
(2)戦略
当社は、持続的な成長や事業価値の向上を実現していくうえで、人材を最も重要な経営資源と位置付けております。多様性に富んだ優秀な人材を採用し、事業の成長に取り組める人材の育成及び社内環境整備に努めてまいります。
人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下の通りです。
当社は、人材を最優先すべき資本のひとつと位置付け、継続的な投資を続けております。実務スキルの習得及び向上に向けた社内研修制度の充実を図る一方、従業員の働き方については、多様化する価値観や従業員の様々なライフステージに合わせて、生産性高く働ける仕組みを構築し、全ての人材が活躍できる社内環境整備に努めております。
(3)リスク管理
当社はリスク管理規程を定め、主に取締役および監査等委員から構成されるリスク管理委員会を定期的に開催することにより、当社が直面する可能性のあるリスクを識別すると共に予防策を講じております。そのような中で、サステナビリティ関連のリスクを含めて全体的に管理し、必要な対策を講じております。
(4)指標及び目標
当社は具体的な目標数値は特に定めておりませんが、優秀な人材の確保と生産性の向上を目的として、社員一人一人がやりがいを感じて働けるような職場環境・仕組みづくり、多様性を尊重した人材の活用・育成に積極的に取り組んでまいります。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容は、以下の通りです。
人材の育成及び社内環境に関する方針としては、フレックスタイム制、入社時に有給休暇を20日付与するなど、働き方の柔軟性を充実させ、様々なライフステージの人材が活躍できる職場環境の整備に取り組んでおります。また、社内の女性従業員の比率は33.8%であり、女性の管理職比率も11.8%となっており、今後も能力のある女性を積極的に雇用し、管理職にも登用することを目指します。また、毎月の締め会や各四半期の戦略共有会、半年に1回の社員総会を通して、代表自らの考えを直接発信する場を設けると共に、従業員間の交流の機会を増やすことで、社内コミュニケーションの活性化も図っております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
また、当社におけるリスクの把握及び管理の体制は、後述の「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりであります。
(1)インターネット広告を巡る事業環境について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)
新型コロナウイルス感染症に対する各種制限の緩和により、経済活動の正常化の動きが見られました。このような経済情勢のなか、あらゆる産業界においてデジタルトランスフォーメーションのトレンドが継続しており、インターネットを用いた販促・マーケティング活動が前年度比さらに活発となった結果、当社の所属するデジタルマーケティング業界に対する需要はより一層高まっております。株式会社電通「2022年 日本の広告費」によると、インターネット広告の市場規模は2022年に3兆912億円となりました。
このように、インターネット広告市場は拡大傾向にありますが、景気変動や広告主の広告戦略等の影響を受けるため、景況感が悪化した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、顧客の分散を積極的に進めることで、当該リスクに対応してまいります。
(2)技術革新への対応について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
当社が扱うインターネット広告業界は、急速に技術革新が進んでいる分野であり、技術革新に伴って、広告主のニーズも常に変化し、多様化する傾向にあります。当社は、このような事業環境にあることを踏まえて、最新の技術・動向を常に取り入れながら、新しい技術の開発や研修を行い、技術力の向上を目指しています。
しかしながら、何らかの事情により当社の対応が遅れた場合等には、当社の競争力が低下し、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)競合他社との関係について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
インターネット広告の業界には、既に多数の競合他社が存在しますが、他の広告市場に比べて拡大傾向にあることから、今後も新規参入企業が増加する可能性があります。今後、競合他社が革新的な技術を開発した場合や、新規参入によって競争が激化した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす恐れがあります。
当社は、メディア運営会社のアルゴリズムの理解をベースとしたサービス品質の維持・持続的な向上を、自社開発ツールの更なる進化や科学的な社員育成を継続し組織レベルで図ることで、当該リスクに対応してまいります。
(4)特定人物への依存について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
当社代表取締役社長である市原創吾をはじめとする幹部社員は、インターネット広告の業界に精通し、多くのノウハウを有しております。また、経営戦略及び事業戦略の決定等において、重要な役割を有しております。このため、他の社員への権限委譲や、ノウハウの組織知化を推進することで、出来る限り当社の事業に対する影響を軽減できるような体制を構築しておりますが、市原創吾をはじめとする幹部社員が何らかの理由により退任、退職等をした場合には当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)人材の確保・育成について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)
デジタルマーケティング事業は、サービス業であるため、メディア運営会社のアルゴリズムを正確に理解した適切な施策を実行する能力のある優秀な人材の確保・育成が当社事業の価値を産み出す源泉となります。当社は、優秀な人材の積極的な採用や育成に力を入れています。
しかしながら、優秀な人材の確保が困難になる又は社外流出するような場合には、競争力の低下や事業拡大に支障を来たす可能性があり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)メディア運営会社との取引関係について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
デジタルマーケティング事業に関しては、メディア運営会社からの広告枠の仕入れがサービスの基盤になるため、当社は、より多くのメディア運営会社と良好な取引関係を維持できるように努めております。
しかしながら、一部のメディア運営会社との取引関係に変化が生じた場合には、必要かつ十分な広告枠の調達が困難となり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、「販売管理規程」、「広告取扱ガイドライン」、「SEOコンテンツ取扱ガイドライン」を定め、広告出稿、クライアントへの納品等が行われる前に、適切な内容であるかの複層的なチェック体制を構築することで、当該リスクに対応してまいります。
(7)新規事業について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):新規事業展開時(頻度:低)、影響度:中)
当社は、事業規模拡大及び収益基盤拡充のため、現時点において具体的に構想しているものはありませんが、新規事業を積極的に展開する方針です。その場合、新しい人材の採用など追加投資が必要になる一方、安定した収益を生み出すには一定程度の期間を要することが想定されます。新規事業が当初の計画通りに進まない場合には、投資回収が出来なくなる可能性があり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、新規事業を展開する際には、事前に十分な市場調査や必要な投資と回収の見込みを精緻に実施することで、当該リスクに対応してまいります。
(8)通信ネットワークについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)
当社は、主にインターネット通信を利用してサービスを提供しておりますが、通信ネットワーク機器の故障、ソフトウエアの不具合、コンピュータウイルス、人為的ミスその他の事故等により、通信ネットワークに障害が発生する可能性があります。当社においては、強固なバックアップシステムを構築するとともに、障害の発生を未然に防ぐように努めておりますが、万が一通信ネットワークに障害が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、当該リスクに対応するために、メインルーターの冗長化、アクセスポイントの複数配置、MDM(注)1.(Mobile Device Management)の導入、EDR(注)2.(Endpoint Detection and Response)の導入等を行っております。また、障害発生の未然の防止として、クラウドストレージやネットワーク機器のアクセス権管理、ログ取得(ルーター、AP、Dropbox、Googleについてシステムがデフォルトで実施)、死活監視(注)3.等運用面での管理を行っております。
(注)1.MDMとは、モバイルデバイスを、ツールを用いて適切に管理し、企業のセキュリティを維持・向上させるツールです。
2.EDRとは、デバイスの不正な挙動の検知及びマルウェアに感染した後の対応を迅速に行うことを目的としたツールです。
3.死活監視とは、コンピュータやシステムが正常に稼働しているかどうかを、外部から継続的に監視する機能です。
(9)法令等による規制について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)
インターネット広告事業は、許認可業種ではなく、当社の事業を直接的に規制する法令や業界の自主規制はありませんが、広告の内容によっては、広告主において、「不当景品類及び不当表示防止法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」等の規制を受ける可能性があります。当社においては、広告主が各種法令等による規制に抵触することを回避し、また、当社としてのレピュテーションリスクにつながることのないように、具体的な注意点を記したチェックリストを整備し、複層的なレビュー体制を構築しております。また、当社自身が、企業の事業活動に関わる各種法律に抵触しないように、当社では「リスク管理規程」及び「コンプライアンス規程」を制定し、当社の役職員が遵守すべき法的規制の周知徹底を図り、また、「内部通報規程」の制定等によって速やかに法令違反行為等の情報を収集する体制を構築しております。また、定期的に社内研修等を行い、当社の役職員が遵守すべき各種法律の周知徹底を図っております。
しかしながら、上記の対策を講じているにもかかわらず、万が一何らかの理由により関係法令等の規制が遵守できなかった場合や、現時点において想定するものはありませんが、今後インターネットの利用や関連するサービス及びインターネット広告を含むインターネット関連事業を営む事業者を規制対象とする新たな法令等の規制や既存法令等の解釈変更がなされた場合には、当社の事業が新たな制約を受け、又は既存の規制が強化された場合には、当社の事業活動ならびに財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。当社による法令違反又はレピュテーションが害されること等があった場合には、企業イメージの悪化等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)第三者の知的財産権(特許、著作権等)侵害に関するリスク(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)
当社は、当社が関わる広告物等が他人の写真や文章を盗用することがないように、具体的な対応策として、「販売管理規程」、「広告取扱ガイドライン」、「SEOコンテンツ取扱ガイドライン」を定め、広告出稿、クライアントへの納品等が行われる前に、他社の知的財産を侵害しないための業務フローを定めております。
本書提出日現在、当社は第三者より知的財産権の侵害に関して第三者の知的財産権を侵害した事実や損害賠償及び使用差止の請求を受けた事実はありません。今後においても、侵害を回避すべく監視及び管理を行ってまいりますが、当社の事業領域において当社の認識していない知的財産権が既に成立している可能性又は新たに第三者の知的財産権が成立する可能性もあり、当該侵害のリスクを完全に排除することは極めて困難であります。万が一、当社が第三者の知的財産権等を侵害した場合には、損害賠償請求、差止請求や使用許諾料の支払請求等により、当社の事業活動ならびに財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)自然災害等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)
地震、台風等の自然災害などの事象が発生する場合には、当社事業も大きな影響を受け、円滑な事業活動に支障を来たす可能性があります。当社は、そのような事態に備えて、事業継続計画(BCP)を策定し、定期的に社内研修等を実施しています。
(12)小規模組織であることに関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:大)
当社の人員体制は、事業の急成長に伴い人材採用を積極的に進めた結果、2023年9月末現在、取締役6名、従業員60名(2022年9月末比+9名)となっております。当社は、事業の急成長や変化並びに人員の増加に合わせて、最適な組織構築を迅速かつ柔軟に行っております。継続的に業務執行体制及び内部管理体制の強化を進めておりますが、事業や組織の変化に対し、最適な組織構築がなされない場合においては、当社の業務推進に支障が生じ、今後の事業拡大に影響を及ぼす可能性があります。今後の組織の拡大に応じて、業務執行体制及び内部管理体制の一層の充実を図ってまいりますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)社歴・業歴が浅いことに関するリスク(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):十分な社歴を重ねるまで常時、影響度:中)
当社の実質的な創業は2018年3月であり、社歴・業歴の浅い会社であります。社歴の浅い会社であるため当社の過年度の経営成績は期間業績比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。
(14)のれん及び顧客関連資産の減損について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
当社は、企業買収に伴い発生したのれん及び顧客関連資産を貸借対照表に計上しております。当該のれん及び顧客関連資産については将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、事業環境の変化等により期待する成果が得られない場合は、当該のれん及び顧客関連資産について減損損失を計上し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)配当を行っていないことについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)
当社は、将来の事業展開と経営基盤の強化を図るため、内部留保の充実を優先し、現在のところ利益配当を行っておりません。しかし、一方で株主に対する利益還元についても経営の重要課題の1つと認識しており、経営成績及び財政状態を勘案しつつ、将来的には配当による利益還元を検討する所存であります。
(16)ストックオプションに関するリスク(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)
当社は、取締役、従業員に対するインセンティブとして新株予約権を発行しております。この新株予約権が権利行使された場合には、他の既存株主の保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。
なお、提出日の前月末現在(2023年11月30日)の新株予約権による潜在株式数は、提出日の前月末現在(2023年11月30日)で時価発行新株予約権信託243,000株を含め377,700株であり、発行済株式総数6,132,300株の6.16%に相当しております。
(17)当社株式の流動性に関するリスク(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:中)
当社の株主構成は市原創吾・ミダス投資事業有限責任組合、岩田匡平・ミダス投資事業有限責任組合及び吉村英毅・ミダスA投資事業有限責任組合の大株主、ベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合及び当社役職員であります。株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は、当事業年度の末日(2023年9月30日)において、36.16%となっております。今後は、当社大株主への一部売出しの要請、当社の事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、ストックオプションの行使による流通株式数の増加分を勘案し、これらの組み合わせにより、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
(18)当社の大株主である市原創吾・ミダス投資事業有限責任組合、岩田匡平・ミダス投資事業有限責任組合及び吉村英毅・ミダスA投資事業有限責任組合について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期(又は頻度):常時、影響度:小)
① 市原創吾・ミダス投資事業有限責任組合との関係について
当社の筆頭株主である市原創吾・ミダス投資事業有限責任組合(以下「市原創吾・ミダスLPS」といいます。)は、提出日の前月末現在(2023年11月30日)において、当社発行済株式総数の35.5%を保有しております。
市原創吾・ミダスLPSは、株式会社ミダスキャピタル、株式会社市原ホールディングス(当社代表取締役社長である市原創吾の資産管理会社)及び株式会社吉村ホールディングス(株式会社ミダスキャピタルの代表取締役である吉村英毅の資産管理会社)の3者で構成されており、本書提出日現在において、株式会社市原ホールディングスは市原創吾・ミダスLPSの99.7%の投資口数を保有しております。
株式会社吉村ホールディングスは、適格機関投資家等特例業務の要件を満たすために市原創吾・ミダスLPSに出資しております。市原創吾・ミダスLPSの根拠法となっているLPSを含む集団投資スキーム持分の自己募集又は集団投資スキームの自己運用を行う場合、無限責任組合員において、原則として金融商品取引業(第二種金融商品 取引業者・投資運用業者)の登録が必要となりますが、適格機関投資家等特例業務に該当する場合は金融商品取引業の登録が不要となるため、実務的な利便性の観点からこのような形態をとっております。
なお、市原創吾・ミダスLPSの概要は以下のとおりであり、組合員の状況及び業務執行の状況から、議決権の保有主体は実態として株式会社市原ホールディングスとなっております。市原創吾・ミダスLPSは、株式会社市原ホールディングスが当社株式を現物出資する仕組みで組成されております。
a.組合員(投資口数)
無限責任組合員:株式会社市原ホールディングス(580口)、株式会社ミダスキャピタル(1口)
有限責任組合員:株式会社吉村ホールディングス(1口)
b.本組合の存続期間
2018年9月28日から2038年3月31日まで。ただし、無限責任組合員が全組合員の出資口数の2分の1以上の出資口数を有する組合員から書面による同意を得た場合には、かかる期間満了の翌日から5年間、延長される。
c.本組合の業務執行
株式会社市原ホールディングス及び株式会社ミダスキャピタルは、無限責任組合員としての業務執行に当たり、それぞれ以下に掲げる業務を主たる担当者として主導して行うものとする。主たる担当として定められた業務については、その業務を主導して行うものとし、両者の一致をもって決定したものとみなしてかかる業務を自ら単独で執行することができる。
(a)株式会社市原ホールディングスが主たる担当者である業務
・投資証券等の処分の決定に関する業務
・投資証券等の保有に伴う議決権の行使に関する業務
(b)株式会社ミダスキャピタルが主たる担当者である業務
・株式会社市原ホールディングスが主たる担当者である業務以外の本組合の一切の業務
d.報酬
分配可能額の累計が組合員の出資履行金額の総額を超えた場合で、かつ当社株式を売却した時点において、市原創吾・ミダスLPSより当該超過部分の10%を株式会社ミダスキャピタルが成功報酬として受領する。
e.組合員の脱退
以下のいずれかの事由が生じた場合には組合員は脱退する。ただし、やむを得ない事由が生じた場合には、他の組合員全員の書面による同意を得ることによって、直ちに本組合を脱退することができる。なお、脱退時には、組合員に対する持分の払戻しがなされるものとする。
・解散
・破産手続、特別清算手続、更生手続及び再生手続開始
・除名
・反社会的勢力に該当することになったとき
② 岩田匡平・ミダス投資事業有限責任組合との関係について
当社の大株主である岩田匡平・ミダス投資事業有限責任組合(以下「岩田匡平・ミダスLPS」といいます。)は、本書提出日現在において、当社発行済株式総数の23.0%を保有しております。
岩田匡平・ミダスLPSは、株式会社ミダスキャピタル、岩田匡平氏及び株式会社吉村ホールディングスの3者で構成されており、提出日の前月末現在(2023年11月30日)において、岩田匡平氏は岩田匡平・ミダスLPSの99.5%の投資口数を保有しております。
株式会社吉村ホールディングスは、適格機関投資家等特例業務の要件を満たすために岩田匡平・ミダスLPSに出資しております。岩田匡平・ミダスLPSの根拠法となっているLPSを含む集団投資スキーム持分の自己募集又は集団投資スキームの自己運用を行う場合、無限責任組合員において、原則として金融商品取引業(第二種金融商品 取引業者・投資運用業者)の登録が必要となりますが、適格機関投資家等特例業務に該当する場合は金融商品取引業の登録が不要となるため、実務的な利便性の観点からこのような形態をとっております。
なお、岩田匡平・ミダスLPSの概要は以下のとおりであり、組合員の状況及び業務執行の状況から、議決権の保有主体は実態として岩田匡平氏となっております。岩田匡平・ミダスLPSは、岩田匡平氏が当社株式を現物出資する仕組みで組成されております。
a.組合員(投資口数)
無限責任組合員:岩田匡平氏(372口)、株式会社ミダスキャピタル(1口)
有限責任組合員:株式会社吉村ホールディングス(1口)
b.本組合の存続期間
2018年9月28日から2038年3月31日まで。ただし、無限責任組合員が全組合員の出資口数の2分の1以上の出資口数を有する組合員から書面による同意を得た場合には、かかる期間満了の翌日から5年間、延長される。
c.本組合の業務執行
岩田匡平氏及び株式会社ミダスキャピタルは、無限責任組合員としての業務執行に当たり、それぞれ以下に掲げる業務を主たる担当者として主導して行うものとする。主たる担当として定められた業務については、その業務を主導して行うものとし、両者の一致をもって決定したものとみなしてかかる業務を自ら単独で執行することができる。
(a)岩田匡平氏が主たる担当者である業務
・投資証券等の処分の決定に関する業務
・投資証券等の保有に伴う議決権の行使に関する業務
(b)株式会社ミダスキャピタルが主たる担当者である業務
・岩田匡平氏が主たる担当者である業務以外の本組合の一切の業務
d.報酬
分配可能額の累計が組合員の出資履行金額の総額を超えた場合で、かつ当社株式を売却した時点において、岩田匡平・ミダスLPSより当該超過部分の10%を株式会社ミダスキャピタルが成功報酬として受領する。
e.組合員の脱退
以下のいずれかの事由が生じた場合には組合員は脱退する。ただし、やむを得ない事由が生じた場合には、他の組合員全員の書面による同意を得ることによって、直ちに本組合を脱退することができる。なお、脱退時には、組合員に対する持分の払戻しがなされるものとする。
・解散
・破産手続、特別清算手続、更生手続及び再生手続開始
・除名
・反社会的勢力に該当することになったとき
③ 吉村英毅・ミダスA投資事業有限責任組合との関係について
当社の大株主である吉村英毅・ミダスA投資事業有限責任組合(以下「吉村英毅・ミダスLPS」といいます。)は、本書提出日現在において、当社発行済株式総数の4.5%を保有しております。
吉村英毅・ミダスLPSは、株式会社ミダスキャピタル、吉村英毅氏及び株式会社吉村ホールディングスの3者で構成されており、提出日の前月末現在(2023年11月30日)において、吉村英毅氏及び株式会社吉村ホールディングスは吉村英毅・ミダスLPSの99.97%の投資口数を保有しております。
株式会社吉村ホールディングスは、適格機関投資家等特例業務の要件を満たすために吉村英毅・ミダスLPSに出資しております。吉村英毅・ミダスLPSの根拠法となっているLPSを含む集団投資スキーム持分の自己募集又は集団投資スキームの自己運用を行う場合、無限責任組合員において、原則として金融商品取引業(第二種金融商品 取引業者・投資運用業者)の登録が必要となりますが、適格機関投資家等特例業務に該当する場合は金融商品取引業の登録が不要となるため、実務的な利便性の観点からこのような形態をとっております。
なお、吉村英毅・ミダスLPSの概要は以下のとおりであり、組合員の状況及び業務執行の状況から、議決権の保有主体は実態として吉村英毅氏となっております。
a.組合員(投資口数)
無限責任組合員:吉村英毅氏(3,450口)、株式会社ミダスキャピタル(8口)
有限責任組合員:株式会社吉村ホールディングス(23,339口)
b.本組合の存続期間
2017年9月14日から2037年8月31日まで。ただし、無限責任組合員が全組合員の出資口数の2分の1以上の出資口数を有する組合員から書面による同意を得た場合には、かかる期間満了の翌日から5年間、延長される。
c.本組合の業務執行
吉村英毅氏及び株式会社ミダスキャピタルは、無限責任組合員としての業務執行に当たり、それぞれ以下に掲げる業務を主たる担当者として主導して行うものとする。主たる担当として定められた業務については、その業務を主導して行うものとし、両者の一致をもって決定したものとみなしてかかる業務を自ら単独で執行することができる。
(a)吉村英毅氏が主たる担当者である業務
・投資証券等の処分の決定に関する業務
・投資証券等の保有に伴う議決権の行使に関する業務
(b)株式会社ミダスキャピタルが主たる担当者である業務
・吉村英毅氏が主たる担当者である業務以外の本組合の一切の業務
d.報酬
分配可能額の累計が組合員の出資履行金額の総額を超えた場合で、かつ当社株式を売却した時点において、吉村英毅・ミダスLPSより当該超過部分の10%を株式会社ミダスキャピタルが成功報酬として受領する。
e.組合員の脱退
以下のいずれかの事由が生じた場合には組合員は脱退する。ただし、やむを得ない事由が生じた場合には、他の組合員全員の書面による同意を得ることによって、直ちに本組合を脱退することができる。なお、脱退時には、組合員に対する持分の払戻しがなされるものとする。
・解散
・破産手続、特別清算手続、更生手続及び再生手続開始
・除名
・反社会的勢力に該当することになったとき
④ 株式会社ミダスキャピタルとの関係
株式会社ミダスキャピタルは、吉村英毅氏が代表を務めるプライベートエクイティファンドの運営会社という形を取っておりますが、一般的なプライベートエクイティファンドとは異なり、吉村英毅氏が中心となって、今後成長を志向し、他の起業家との連携強化を求める国内外の起業家又は実業家を参画メンバーとして集め、原則として、外部からの資金拠出は受けず、当該参画メンバーのみが無限責任組合員又は有限責任組合員として同社が組成するファンドに出資する形態を基本としております(株式会社ミダスキャピタルの概要、経営理念、出資先等の詳細については同社のホームページ(https://midascapital.jp)をご覧ください)。
当社、市原創吾及び岩田匡平氏は、株式会社ミダスキャピタルが掲げるビジョンに賛同するとともに、市原創吾・ミダスLPSの議決権の保有主体は実態として株式会社市原ホールディングスであり、当該意思決定に当たっては株式会社市原ホールディングスの株式の100%を保有する市原創吾の意向が反映されること及び岩田匡平・ミダスLPSの議決権の保有主体は実態として岩田匡平氏であり、当該意思決定に当たっては岩田匡平氏の意向が反映されることで当社としても引き続き安定的な経営が可能となる点や、株式会社ミダスキャピタルのビジョン等に賛同して参画したメンバーとの間における、知見の共有や人材の紹介、参画メンバーが経営する企業間での取引関係の強化等によって、当社及び株式会社ミダスキャピタルに参画する企業群全体の企業価値向上を図ろうとする理念にも魅力を感じ、株式会社市原ホールディングス及び岩田匡平氏が保有していた株式をそれぞれ現物出資することによって市原創吾・ミダスLPS及び岩田匡平・ミダスLPSを組成するに至っております。
なお、本書提出日現在において、株式会社ミダスキャピタルから当社に対して派遣されている役員は存在せず、また、市原創吾・ミダスLPSの議決権の保有主体が実態として株式会社市原ホールディングスであり、岩田匡平・ミダスLPSの議決権の保有主体は岩田匡平氏であることから、当社の株主総会又は取締役会等における意思決定手続きにおいて、株式会社ミダスキャピタルから直接影響を受けている事実はありません。
このように、市原創吾・ミダスLPSは株式会社市原ホールディングス、岩田匡平・ミダスLPSは岩田匡平氏が主たる業務執行者になっております。なお、上記に記載したとおり、株式会社市原ホールディングス及び岩田匡平氏が投資証券等の保有に伴う議決権の行使に関する業務をそれぞれ主導的に行うこととなっているため、株式会社市原ホールディングスの意に反する市原創吾・ミダスLPSの意思決定がなされる可能性及び岩田匡平の意に反する岩田匡平・ミダスLPSの意思決定がなされる可能性は相当程度低いものと考えております。
しかしながら、市原創吾・ミダスLPS又は岩田匡平・ミダスLPSの業務執行に当たり、万が一、株式会社ミダスキャピタルの経営方針の変更等によって市原創吾・ミダスLPSにおける株式会社市原ホールディングスの意向又は岩田匡平・ミダスLPSにおける岩田匡平氏の意向が反映されなくなった場合には、当社の役員の選解任、他社との合併等の組織再編、減資、定款の変更等の当社の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、株式会社ミダスキャピタルは、市原創吾・ミダスLPS及び岩田匡平・ミダスLPS以外にも類似のスキームを採用することによって複数のファンドを組成しており、いずれも、基本的には、ファンドの出資先となっている企業の経営者が実質的な出資者となっている状況にありますが、株式会社ミダスキャピタル、当該他のファンドが出資する企業又はその出資者が、法令違反その他の事由により社会的信用を失墜することになった場合には、当社と各社等の間に直接的な関係は無いものの、「ミダス」を名称に冠するファンドが株主に存在しているという共通点から生じる風評等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
本書提出日現在において、当社、株式会社市原ホールディングス及び岩田匡平氏は、ミダス企業群の一員として、市原創吾・ミダスLPS及び岩田匡平・ミダスLPSを通じて強固な関係を築いておりますが、万が一、経営方針の相違等によって、株式会社市原ホールディングスがミダス投資事業有限責任組合から脱退することになった場合や、岩田匡平氏が岩田匡平・ミダスLPSから脱退することになった場合などは、LPSの形態から各LPSの大株主による直接的な出資形態に切り替えることが可能です。しかしながら、ミダス企業群からの脱退により、ミダス企業群に参画している企業との間での知見の共有や人材の紹介、取引関係の強化等のメリットが得られなくなった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社は、今後において市原創吾・ミダスLPS及び岩田匡平・ミダスLPSの出資者の内訳や上記各事項に変更が生じた場合には、速やかに開示を行う方針であります。
⑤ 株式会社ミダスキャピタルにおけるガバナンス原則の内容及び当社とミダス企業群との関係について
株式会社ミダスキャピタルにおいて、ミダス企業群全体に適用されるガバナンス原則が定められており、各社同士の営業取引、資本取引、人的交流について規則を設けモニタリングが実施されています。具体的なガバナンス原則の主な内容と当社の状況は以下のとおりです。
a.営業取引
(a)株式会社ミダスキャピタルにおけるガバナンス原則の主な内容
ミダス企業群に属する事業会社同士で営業取引を行う場合は、ミダス企業群以外の第三者との取引や市場取引から合理的な範囲で乖離しない経済条件(取引内容、取引開始の経緯、取引価格)で実施します。また、ミダス企業群に属する事業会社同士で営業取引を開始する際には、取引の双方における取締役会決議又はそれに準ずる機関決定を経るものといたします。原則として、各投資先事業会社において、売上高合計、売上原価合計、販売費及び一般管理費合計、資産合計、負債合計について、ミダス企業群の他の事業会社を相手方とする計上金額の構成比は一定の基準を超えないものとし、相互にモニタリングを実施することといたします。
(b)当社の状況
当社は、ミダス企業群と以下の取引を実施しております。なお、当社がミダス企業群に参画している企業と取引を実施する際は、その取引価額については独立第三者との取引価額と同等の経済条件で取引を実施することとしております。
取引先名 |
取引の内容 |
取引開始の経緯 |
取引金額(注) |
株式会社GENDA Games |
オンラインクレーン事業のWeb集客の支援(売上高) |
Web集客に関するノウハウを求める同社と当社が提供可能なソリューションの一致 |
2,571千円 (0.2%) |
株式会社ゼスト |
サイトリニューアルやWeb集客の支援(売上高) |
Web集客に関するノウハウを求める同社と当社が提供可能なソリューションの一致 |
1,720千円 (0.1%) |
株式会社GENDA GiGO Entertainment |
オンラインクレーン事業のWeb集客の支援(売上高) |
Web集客に関するノウハウを求める同社と当社が提供可能なソリューションの一致 |
1,404千円 (0.1%) |
株式会社イングリウッド |
新卒・中途採用に関する業務委託の費用(販売費及び一般管理費) |
同社が人材紹介事業に関するノウハウを有していたことによる |
1,000千円 (0.2%) |
(注)金額は2023年9月期の実績値であり、括弧書きは2023年9月期の売上高合計、販売費及び一般管理費合計に占める割合を記載しております。
b.資本取引
(a)株式会社ミダスキャピタルにおけるガバナンス原則の主な内容
ミダス企業群に属する事業会社が新たにミダス企業群の他の事業会社に対して出資や融資を行うことはありません。
(b)当社の状況
当社は、ミダス企業群に参画している企業は独立した会社であることを踏まえ、各参画企業と資本取引又は金銭貸借やそれと同様の効果を生じさせうるような資金融通にかかる取引(以下、「資金融通取引」という。)に対し、以下の基本方針を有しております。
ⅰ.原則として、ミダスキャピタル参画企業との間の資本取引又は資金融通取引は行わない。仮に取引を行う場合においては、取締役会において当該取引の必要性・合理性等について慎重に確認・検討を行うと共に、当該内容について開示を行う。
ⅱ.資本取引又は資金融通取引を実施した場合においても、当該取引に起因して、当社やミダス企業群の与信を歪めうる等、資本市場の健全性を損なうおそれのあるコーポレートアクションは一切行わない。
なお、当社は、ミダス企業群からの出資、融資を受けておりません。
c.人的交流
(a)株式会社ミダスキャピタルにおけるガバナンス原則の主な内容
原則として、ミダス企業群の常勤役職員は、ミダス企業群の他の事業会社との兼務を致しません。また、株式会社ミダスキャピタルの役職員が投資先事業会社の役員に就任する場合には、非常勤非業務取締役又は監査役に限るものとし、役員報酬は市場取引から合理的な範囲で乖離しない経済条件といたします。
(b)当社の状況
当社は、ミダス企業群に参画している企業は独立した会社であることを踏まえ、上場後においては、原則として他のミダス企業群及び株式会社ミダスキャピタルとの役員兼務等の人的交流は行わないとの基本方針を有しております。
なお、当社には、他のミダス企業群及び株式会社ミダスキャピタルとの兼務を行っている役職員はおりません。
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社はデジタルマーケティング事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末の総資産は1,665,708千円となり、前事業年度末に比べ210,090千円の増加となりました。
流動資産は42,898千円増加し、1,408,837千円となりました。主たる要因は、現金及び預金が25,798千円、売掛金が2,392千円、前払費用が14,889千円増加したことによるものであります。
固定資産は167,192千円増加し、256,870千円となりました。主たる要因は、敷金の追加差入により敷金が124,740千円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末の負債は686,946千円となり、前事業年度末に比べ55,661千円の減少となりました。
流動負債は144,473千円減少し、581,926千円となりました。主たる要因は、買掛金が198,652千円減少し、未払金が53,553千円、短期借入金が50,000千円増加したことによるものであります。
固定負債は88,812千円増加し、105,020千円となりました。要因は、新規の借入により長期借入金が88,812千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産は978,762千円となり、前事業年度末に比べ265,752千円の増加となりました。主たる要因は、当期純利益の計上に伴い利益剰余金が219,269千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
新型コロナウイルス感染症に対する各種制限の緩和により、経済活動の正常化の動きが見られました。このような経済情勢のなか、あらゆる産業界においてデジタルトランスフォーメーションのトレンドが継続しており、インターネットを用いた販促・マーケティング活動が前年度比さらに活発となった結果、当社の所属するデジタルマーケティング業界に対する需要はより一層高まっております。株式会社電通「2022年 日本の広告費」によると、インターネット広告の市場規模は2022年に3兆912億円となりました。
こうした環境の下、当社はデジタルマーケティングサービスを提供しており、クライアントの旺盛なインターネットを用いた販促・マーケティングニーズに応えた結果、当社の当事業年度の売上高は1,488,596千円(前事業年度比19.5%増)、営業利益は318,211千円(同0.6%増)、経常利益は291,149千円(同4.6%減)、当期純利益は219,269千円(同3.1%減)となりました。
当社はデジタルマーケティング事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ25,798千円増加の749,929千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、減少した資金は5,534千円(前事業年度は324,084千円の資金増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上294,681千円による資金の増加に対し、仕入債務の減少額198,652千円、法人税等の支払額109,192千円による資金の減少があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は166,324千円(前事業年度は33,510千円の資金減少)となりました。これは主に、敷金の差入による支出122,399千円、事業譲受による支出40,000千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は197,658千円(前事業年度は105,041千円の資金増加)となりました。これは、長期借入れによる収入150,000千円、短期借入れによる収入50,000千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入46,502千円及び長期借入金の返済による支出48,844千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社の事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当社は、デジタルマーケティング事業の単一セグメントのため、当事業年度の販売実績をサービス区分別に示すと、次のとおりであります。
サービスの名称 |
当事業年度 (自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) |
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
インターネット広告 |
992,180 |
124.3 |
SEOコンサルティング |
496,416 |
110.9 |
合計 |
1,488,596 |
119.5 |
(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項」に記載しておりますが、重要な会計上の見積りを要する項目はないと判断しております。
② 経営成績の分析
(売上高、売上原価、売上総利益)
営業体制の強化による業容拡大の結果、売上高が1,488,596千円(前事業年度比242,807千円増)となりました。
当事業年度における売上原価は、689,956千円(前事業年度比105,066千円増)となりました。以上の結果、売上総利益は、798,639千円(前事業年度比137,740千円増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、内部管理体制の強化による人員増強により480,427千円(前事業年度比135,895千円増)となりました。
以上の結果、当事業年度の営業利益は318,211千円(前事業年度比1,845千円増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外損益については、営業外収益はクレジットカード還元額等があり2,557千円(前事業年度比1,711千円減)、営業外費用は本社移転による支出があり29,619千円(前事業年度比14,110千円増)となりました。
以上の結果、当事業年度の経常利益は291,149千円(前事業年度比13,976千円減)となりました。
(特別利益、特別損失、税引前当期純利益)
特別損益については、特別利益は3,532千円(前事業年度比2,526千円増)となりました。特別損失は発生しませんでした。
以上の結果、税引前当期純利益は294,681千円(前事業年度比11,450千円減)となりました。
(法人税等、当期純利益)
法人税、住民税及び事業税は80,376千円(前事業年度比2,680千円減)となりました。
以上の結果、当事業年度の当期純利益は219,269千円(前事業年度比6,959千円減)となりました。
③ 財政状態の分析
財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載の通りであります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社事業の資金需要の主なものは、広告枠の購入のほか、当社従業員に支払う給与手当などの販売費及び一般管理費等の営業資金によるものです。投資を目的とした資金需要は、主に、社内の業務システムの構築などのシステム改修によるものです。これらの資金需要については、内部資金で不足する場合には、借入金等による調達を行う方針です。
なお、キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 経営方針、経営戦略又は経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等の分析
経営方針、経営戦略又は経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、社員1人当たりの生産性及び社員数を経営指標として重視しております。
社員1人当たりの生産性については、受注案件の採算性の精査・確保、適切な工数・品質管理、業務委託の積極的な活用、育成システムを機能させることによる従業員の能力開発、自社開発ツールの活用等を継続して実施したことで、2023年9月期において、24,809千円(前期比1.6%増)となっております。これは、予定通りの進捗となっており、堅調に推移しているものと認識しております。なお、2019年9月期は15,051千円、2020年9月期は20,550千円(前期比36.5%増)、2021年9月期は22,171千円(前期比7.9%増)、2022年9月期は24,427千円(前期比10.2%増)となっております。
社員数については、積極的な採用活動により、2023年9月期において、60人となっております。これは、予定通りの進捗となっており、堅調に推移しているものと認識しております。なお、2019年9月期は10人、2020年9月期は21人、2021年9月期は31人、2022年9月期は51人となっております。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因
当社は、当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、人材の確保・育成によるリスクを認識しております。
これらのリスクに対応するため、当社では、積極的な新卒採用や社員の定着率の高まるような健全な組織作りに取組んでまいります。
⑦ 売上高に係る参考情報
当社は、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を、第10期の期首から適用している影響で、当社の役割が代理人に該当する取引について総額表示から純額表示に変更を行った結果、第9期から第10期にかけて売上高が大きく減少しております。なお、売上総利益、営業利益、経常利益及び税引前当期純利益には影響ありません。
各期の売上高に係る比較可能性を担保するための参考情報として、以下をご参照ください。
(単位:千円)
|
第7期 |
第8期 |
第9期 |
第10期 |
第11期 |
|
決算年月 |
2019年9月 |
2020年9月 |
2021年9月 |
2022年9月 |
2023年9月 |
|
取扱高(注)4. |
|
236,302 |
696,577 |
1,329,789 |
3,400,852 |
3,992,351 |
売上高(注)5. |
|
236,302 |
696,577 |
1,329,789 |
1,245,789 |
1,488,596 |
売上高(注)6. |
|
150,517 |
431,558 |
687,320 |
1,245,789 |
1,488,596 |
(注)4.収益認識会計基準等を適用しないと仮定した場合の売上高であり、売上高にインターネット広告サービスにおける媒体費を加えた値になります。
5.収益認識会計基準等を第10期の期首より適用した財務諸表上の売上高であります。
6.収益認識会計基準等を第7期の期首より適用したと仮定した場合の売上高であります。
7.(注)4.、(注)6.及び(注)5.の第7期の数値に関しては、ひびき監査法人の監査を受けておりません。
(1)取得による企業結合(事業譲受)
当社は、2022年12月27日開催の取締役会において、株式会社overflowのSEOコンサルティング事業を譲り受けることを決議しました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
(2)簡易株式交換による企業結合
当社は、2023年8月14日開催の取締役会において、株式会社FACTとの間で、当社を株式交換完全親会社、FACT社を株式交換完全子会社とする株式交換をすることを決議し、簡易株式交換契約を締結いたしました。当該契約に基づき、2023年10月1日に同社を完全子会社化しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。