【連結財務諸表注記】
1.報告企業
日鉄ソリューションズ㈱(以下、「当社」という。)は、日本に所在する株式会社であります。登記されている本店及び主要な事業所はホームページ(https://www.nssol.nipponsteel.com)で開示しております。連結財務諸表は当社及び子会社(以下、「当社グループ」という。)により構成されております。また、当社の最終的な親会社は日本製鉄㈱であります。
当社グループの事業内容は、単一セグメントの情報サービス事業でありますが、顧客・マーケット及び主たるサービスの性質を勘案し、「ビジネスソリューション」、「コンサルティング&デジタルサービス」に区分しております。詳細については、注記「22.売上収益」に記載しております。
2.作成の基礎
当社グループは、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たしているため、同第93条の規定により、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しております。
当社グループの連結財務諸表は、「3.重要性がある会計方針」に記載している公正価値で測定されている金融商品及び退職給付制度に係る資産・負債等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しております。日本円で表示しているすべての財務情報は、百万円未満を切り捨てて記載しております。
当社グループの連結財務諸表は、2024年6月19日に、取締役会によって承認されております。
3.重要性がある会計方針
当社グループの重要な会計方針は次のとおりであり、他の記載がない限り、連結財務諸表が表示されているすべての期間について適用しております。
子会社とは、当社グループにより支配されている企業であります。支配とは、投資先に対するパワーを有し、投資先への関与により生じるリターンの変動に晒され又は権利を有し、かつ投資先に対するパワーを通じてリターンに影響を与える能力を有する場合をいいます。
子会社の財務諸表は、支配獲得日から支配喪失日までの間、連結財務諸表に含まれております。支配を喪失した場合には、支配の喪失に関連した利得又は損失を純損益で認識しております。支配の喪失を伴わない当社グループの持分変動は、資本取引として会計処理し、非支配持分の修正額と支払又は受取対価の公正価値との差額を資本に直接認識し、親会社の所有者に帰属させております。
子会社が適用する会計方針が当社グループの会計方針と異なる場合には、必要に応じて当社グループの会計方針と整合させるため当該子会社の財務諸表に調整を加えております。当社グループ内の債権債務残高、取引高、及びグループ会社間取引によって発生した未実現損益は、全額を相殺消去しております。ただし、未実現損失については、減損が生じていると認められる部分は消去しておりません。
関連会社とは、当社グループが投資先の財務及び経営の方針決定等に対し、支配には至らないものの重要な影響力を有している企業であります。通常、当社グループが投資先の議決権の20%以上50%以下を保有する場合には、原則として該当する企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。保有状況のほかにも経営機関への参画等の諸要素を総合的に勘案し、重要な影響力を行使し得る場合には関連会社に含めております。
関連会社に対する投資は、当社グループが重要な影響力を有することとなった日からその影響力を喪失する日まで、持分法を用いて会計処理しております。持分法では、当初認識時に関連会社に対する投資は取得原価で認識され、投資日における投資が、これに対応する被投資会社の識別可能な資産及び負債の正味の公正価値を超える場合には、当該差額はのれんとして投資の帳簿価額に含めております。それ以降は投資先である関連会社の純損益及びその他の包括利益の持分の変動に応じて当社グループ持分相当額を認識しております。損失に対する当社グループの負担が、持分法適用会社に対する投資を上回った場合には、当該投資の帳簿価額をゼロまで減額し、当社グループが持分法適用会社に代わって債務を負担又は支払を行う場合を除き、それ以上の損失を認識しておりません。
関連会社に該当しなくなり、持分法の適用を中止した場合には、持分法の適用を中止したことから生じた利得又は損失を純損益として認識しております。
関連会社に対する投資の帳簿価額の一部を構成するのれんは区別して認識されないため、個別に減損テストを行っておりません。その代わり、関連会社に対する投資額が減損している可能性が示唆される場合には、投資全体の帳簿価額について減損テストを行っております。減損については注記「3.重要な会計方針 (10) 非金融資産の減損」に記載のとおりであります。
企業結合は、支配が獲得された時点で取得法を用いて会計処理しております。被取得企業における識別可能資産及び負債は、支配獲得日の公正価値で認識しております。
当社グループは、取得対価と被取得企業の非支配持分の金額、及び取得企業が以前に所有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計額が、支配獲得日における被取得企業の識別可能な取得資産から引受負債を差し引いた正味金額を上回る場合には、その超過額をのれんとして認識しております。反対に下回る場合には、その下回る金額を純損益として認識しております。
取得対価は、取得企業が移転した資産、取得企業に発生した被取得企業の旧所有者に対する負債及び取得企業が発行した資本持分の公正価値の合計で算定されます。なお、段階取得の場合には当社グループが支配獲得日以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値を含みます。
取得関連コストは、発生した期間において費用として認識しております。
非支配持分は、個々の企業結合取引ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分の比例的持分として測定しております。
当社グループは、純損益及びその他の包括利益の各内訳項目を、当社の所有者と非支配持分に帰属させております。
共通支配下における企業結合、すなわち、企業結合の前後で結合企業又は結合事業のすべてが同じ企業によって支配されている企業結合は、帳簿価額に基づき会計処理をしております。
当社グループの各企業の個々の財務諸表は、その企業が事業活動を行う主たる経済環境の通貨である機能通貨で表示しております。当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としております。
外貨建取引は、取引日における直物為替レートまたそれに近似するレートを用いて当社グループの各機能通貨に換算しております。
各報告期間の末日において、外貨建の貨幣性項目は、各報告期間の末日現在の決算日レートで機能通貨に換算しております。取得原価で測定する外貨建の非貨幣性項目は、取引日の為替レートにより機能通貨に換算しております。公正価値で測定する外貨建の非貨幣性項目は、公正価値が測定された日の為替レートにより機能通貨に換算しております。当該換算及び決済により生じる換算差額は、その他の包括利益として認識する場合を除き、純損益として認識しております。
表示通貨とは異なる機能通貨を使用しているすべての在外営業活動体の業績及び財政状態は、下記の方法で表示通貨に換算しております。
(ⅰ)資産と負債は、期末日現在の決算日レートで換算
(ⅱ)収益及び費用は、為替レートに著しい変動がある場合を除き平均レートで換算
(ⅲ)結果として生じるすべての為替換算差額はその他の包括利益で認識
在外営業活動体の処分時には、その他の包括利益に認識された換算差額は利得又は損失として純損益に振り替えております。
当社グループは、契約の当事者となった時点で金融資産を認識しております。金融資産はその当初認識時に、償却原価で測定する金融資産、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
(a) 償却原価で測定する金融資産
次の条件がともに満たされる金融資産を償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、金融資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
償却原価で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値にその取得に直接起因する取引コストを加算して測定しております。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権は取引価格で測定しております。また、当初認識後は実効金利法を適用した総額の帳簿価額から減損損失を控除しております。
(b) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定する金融資産のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類されたもの以外の金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値により測定し、その取得に直接起因する取引コストは、発生時に純損益で認識しております。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動を純損益として認識しております。
(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は、公正価値で測定する金融資産に分類しております。
売買目的ではない資本性金融資産への投資については、当初認識時に、その公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行うことが認められており、当社グループでは金融商品ごとに当該指定を行い、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に分類しております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産は、当初認識時に公正価値にその取得に直接起因する取引コストを加算して測定しております。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しております。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合もしくは公正価値が著しく低下した場合にその累積額を利益剰余金に振り替えており、純損益には振り替えておりません。なお、配当については、当該配当金が明らかに投資の取得原価の回収を示している場合を除いて純損益として認識しております。
金融資産は、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてが移転している場合において、認識を中止しております。
当社グループは、償却原価で測定する金融資産及び契約資産の減損の認識に関して期末日ごとに予想信用損失の見積りを行っております。
予想信用損失の金額は次のように測定しております。
・営業債権、契約資産
IFRS第9号に規定される単純化したアプローチに基づき、全期間の予想信用損失を測定しております。
・償却原価で測定されるその他の金融資産
原則的なアプローチに基づき、信用リスクが著しく増加していると判断されていない債権については、同種の資産の過去の信用損失の実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を総額の帳簿価額に乗じて12か月の予想信用損失に等しい金額で算定しております。信用リスクが著しく増加していると判定された金融資産及び信用減損金融資産については、見積将来キャッシュ・フローを当該資産の当初の実効金利で割り引いた現在価値の額と、総額の帳簿価額との差額をもって全期間の予想信用損失を算定しております。
信用リスクが著しく増大しているかどうかは、債務不履行発生リスクの変動に基づき判断しており、債務不履行の発生リスクに変動があるかどうかの判断にあたっては、以下を考慮しております。
・発行体又は債務者の著しい財務状態の悪化
・利息又は元本の支払不履行又は遅延等の契約違反
・債務者が破産又は他の財務的再編成に陥る可能性が高くなったこと
信用リスクが著しく増大している金融資産のうち、債務者が深刻な財政難を理由に弁済条件の大幅な見直しを要請してきた場合等、債権の全部又は一部について回収が極めて困難であると判断された場合には債務不履行とみなしております。当社グループは債務者が債務不履行と判断される場合や債務者の破産等による法的整理手続の開始等があった場合には、当該金融資産は信用減損したものと判断しております。
また、あらゆる回収手段を講じても金融資産が回収不能であると合理的に判断される場合は、金融資産の帳簿価額を直接償却しております。
当社グループは、非デリバティブ金融負債について、契約条項の当事者となった取引日に公正価値で当初認識しております。また、当初認識後は償却原価で測定しております。
当社グループは、契約上の義務が免責、取消し又は失効となった時に認識を中止しております。
金融資産と金融負債は、認識した金額を相殺する法的に強制力のある権利を有しており、かつ、純額で決済する又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合に、相殺して純額で表示しております。
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額とのいずれか低い金額で測定しております。取得原価には、購入原価、加工費及び棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他のコストのすべてを含んでおり、原価の算定にあたっては、仕掛品については主として個別法、原材料及び貯蔵品については主として総平均法を用いております。正味実現可能価額は、通常の営業過程における見積売価から、完成までの見積原価及び販売に要する見積コストを控除した額であります。
有形固定資産については、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で計上しております。
取得原価には資産の取得に直接関連するコスト、資産の解体及び除去コスト、原状回復コストの当初見積額が含まれております。
土地、建設仮勘定以外の有形固定資産は、使用が可能となった時点から、それぞれの耐用年数にわたって定額法で減価償却しております。主要な有形固定資産の耐用年数は次のとおりであります。
建物及び構築物 :6~50年
工具、器具及び備品 :4~15年
なお、減価償却方法、残存価額及び耐用年数は毎年見直し、必要に応じて調整しております。
当社グループは、取得対価と被取得企業の非支配持分の金額、及び取得企業が以前に所有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計額が、支配獲得日における被取得企業の識別可能な取得資産から引受負債を差し引いた正味金額を上回る場合には、その超過額をのれんとして認識しております。
のれんは償却を行わず、資金生成単位又は資金生成単位グループに配分し、毎年同時期及び減損の兆候を識別した時はその都度、減損テストを実施しております。のれんの減損損失は純損益として認識されますが、戻入れは行っておりません。
当初認識後、のれんは取得原価から減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
無形資産については、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
個別に取得した無形資産は取得原価で測定しており、企業結合により取得した無形資産の取得原価は支配獲得日の公正価値で測定しております。また、自己創設の無形資産については、資産化の要件を満たす開発支出を除き、その支出額をすべて発生した期の費用として認識しております。
耐用年数を確定できる無形資産はそれぞれの耐用年数にわたり、定額法で償却しております。主要な無形資産の耐用年数は次のとおりであります。
・ソフトウェア :3~5年
・その他無形資産 :10年
耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産は償却を行わず、毎年同時期に、加えて減損の兆候が存在する場合にはその資産の回収可能価額を見積っております。
なお、償却方法、残存価額及び耐用年数は毎年見直し、必要に応じて調整しております。
当社グループは、契約がリースであるか否か、又は契約にリースが含まれているか否かについては、法的にはリースの形態をとらないものであっても、契約の実質に基づき判断しております。
当社グループは、リース又は契約にリースが含まれていると判定したリース契約の開始時に使用権資産とリース負債を認識しております。リース負債は、リース開始日におけるリース料総額の未決済分の割引現在価値として測定を行っております。使用権資産については、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整し、契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを加えた額で当初の測定を行っております。また、リース期間は、リースの解約不能期間に、行使することが合理的に確実な延長オプションの対象期間及び行使しないことが合理的に確実な解約オプションの対象期間を加えたものとしております。使用権資産は、リース期間にわたり定額法により減価償却を行っております。金利費用は連結損益計算書上、使用権資産に係る減価償却費と区分して表示しております。
なお、当社グループは、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及び少額資産リースについて、IFRS第16号「リース」の免除規定を適用し、使用権資産及びリース負債を認識しないことを選択しております。これらのリースに関連したリース料を、リース期間にわたり主として定額法により費用として認識しております。
棚卸資産及び繰延税金資産を除く非金融資産については、資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを評価しております。
減損の兆候が存在する場合には、個別の資産又は資金生成単位ごとの回収可能価額を測定しております。なお、のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産は償却を行わず、毎期同時期及び減損の兆候を識別した時はその都度、減損テストを実施しております。
減損テストにおいて、資産は、継続的な使用により他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資産グループ(資金生成単位)に集約しております。企業結合から生じたのれんは、結合のシナジーが得られると期待される資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しております。当社グループの全社資産は、独立したキャッシュ・インフローを生成しないため、全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額を見積っております。
回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方で測定しております。使用価値は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間価値及びその資産の固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いて算定しております。
個別の資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を上回る場合には純損益にて減損損失を認識し、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその資金生成単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分しております。
のれんに係る減損損失は、戻入れを行っておりません。のれん以外の非金融資産に係る減損損失の戻入れは、過去の期間に認識した減損損失を戻し入れる可能性を示す兆候が存在し、回収可能価額の見積りを行った結果、回収可能価額が帳簿価額を上回る場合に行っております。戻し入れる金額は、過年度に減損損失を認識した時点から戻入れが発生した時点まで減価償却又は償却を続けた場合における帳簿価額を上限としております。
従業員給付には、短期従業員給付、退職給付及びその他の長期従業員給付が含まれております。
短期従業員給付については、割引計算を行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として認識しております。
賞与については、当社グループが、従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的又は推定的義務を負っており、かつその金額が信頼性をもって見積ることができる場合、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しております。
退職給付制度は、退職一時金制度及び確定拠出年金制度からなっております。また、一部の子会社では確定給付制度に分類される複数事業主による年金制度に加入しております。
確定給付制度に関連する負債又は資産の金額は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した金額で認識しております。
確定給付制度債務の現在価値は、毎年、予測単位積増方式を用いて算定しております。この算定に用いる割引率は、将来の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の利回りに基づいております。
数理計算上の差異を含む確定給付負債(資産)の純額の再測定は、発生時にその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金に振り替えております。また、過去勤務費用は純損益として認識しております。
確定拠出年金制度への拠出は、従業員が役務を提供した期間に費用として認識しております。
確定給付の会計処理を行うために十分な情報を入手できないことから、従業員が関連するサービスを提供した期間に費用として認識する確定拠出年金制度と同様の処理を行っております。
退職給付制度以外の長期従業員債務として、一定の勤続年数に応じた特別休暇や報奨金制度を有しております。その他の長期従業員給付に対する債務額は、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として稼得した将来給付の見積額を現在価値に割り引いた額で計上しております。
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが現在の法的義務又は推定的義務を有し、その義務を決済するために経済的便益を有する資源の流出の可能性が高く、かつその資源の流出の金額について信頼できる見積りができる場合に認識しております。
当社グループは引当金として、主に受注損失引当金及び資産除去債務を認識しております。
受注契約に係る将来の損失に備えるため、各連結会計年度末における受注契約による義務を履行するための不可避的なコストが、当該契約により受け取ると見込まれる経済的便益を上回る可能性が高く、かつ上回る金額について信頼性をもって見積もることができる場合に、当該金額を受注損失引当金として計上しております。
資産除去債務は、資産の解体・除去費用、原状回復費用、並びに資産を使用した結果生じる支出に関して引当金を認識するとともに、当該資産の取得原価に加算しております。将来の見積費用及び適用された割引率は毎年見直され、修正が必要と判断された場合は会計上の見積りの変更として処理しております。
普通株式は資本に分類しております。普通株式の発行に直接関連して発生したコスト(税効果考慮後)は資本から控除して認識しております。
自己株式を取得した場合には、直接関連して発生したコスト(税効果考慮後)を含めた支払対価を資本から控除して認識しております。自己株式を処分した場合には、受取対価と自己株式の帳簿価額との差額を資本として認識しております。
当社の株主に対する配当は取締役会により承認された日の属する期間の負債として認識しております。
当社グループは、当社の取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)及び執行役員(以下、「対象者」という。)に対する持分決済型の株式に基づく報酬制度として、譲渡制限付株式報酬制度を採用しております。
対象者に付与される譲渡制限付株式は、受領したサービスの対価を付与日における当該株式の公正価値で測定したうえで、権利確定までの期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。なお、当該株式の公正価値は、取締役会決議日の前営業日の東京証券取引所における当社の普通株式の終値を基礎として算定しております。
収益は、次の5つのステップを適用し認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:契約における履行義務に取引価格を配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時に又は充足するにつれて収益を認識する。
当社グループは、約束した財又はサービスを顧客に移転することによって履行義務を充足した時に、又は充足するにつれて、収益を認識します。具体的な収益認識基準は、次のとおりであります。
なお、取引の対価は履行義務を充足してから概ね1年以内に回収しているため、重大な金融要素の調整は行っておりません。
また、複数の財又はサービスを提供する取引に係る収益については、契約に含まれる履行義務を識別し、対価の額を配分する必要がある場合には、取引価格を主に予想コストにマージンを加算するアプローチにより見積った独立販売価格に基づき配分しております。
当社グループにおいては機器の販売等がありますが、これらは、主として顧客への引渡時に当該機器に対する支配が移転し、履行義務が充足されると判断していることから、当該時点で収益を認識しております。
当社グループにおいて、一定の期間にわたり充足される履行義務に関する収益としては、開発請負契約、保守・運用サービスの履行義務等があります。開発請負契約については、開発の進捗によって履行義務が充足されていくものと判断しており、支配が一定期間にわたり移転することから、履行義務の進捗に応じて収益を認識しております。進捗度は、原価の発生が開発の進捗を適切に表すと判断しているため、見積総原価に対する実際発生原価の割合で算出しております(インプット法)。
保守・運用サービスについては、日常的又は反復的なサービスであり、契約に基づき顧客にサービスが提供される時間の経過に応じて履行義務が充足されると判断しているため、役務を提供する期間にわたり定額で収益を認識しております。
金融収益は、受取利息、受取配当金、為替差益、投資事業組合運用益等から構成されております。受取利息は、実効金利法を用いて発生時に認識しております。受取配当金は、当社グループの受領権が確定した時点で認識しております。
金融費用は、支払利息、為替差損、投資事業組合運用損等から構成されております。支払利息は、実効金利法を用いて発生時に認識しております。
法人所得税は、当期税金と繰延税金の合計として表示しております。これらは、企業結合に関連するもの及び直接資本又はその他の包括利益で認識される項目を除き、当期の純損益にて認識しております。
当期税金は、決算日において制定され又は実質的に制定されている税率を用いて、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付の見積りに、前年までの未払法人所得税及び未収法人所得税を調整したものであります。未収法人所得税と未払法人所得税は、特定の要件を満たす場合に相殺しております。
繰延税金資産及び負債は、決算日までに制定又は実質的に制定されている税法に基づいて、資産が実現する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率で算定しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除に対して、それらを利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲で認識し、繰延税金負債は、原則としてすべての将来加算一時差異について認識しております。
なお、以下の一時差異については、繰延税金資産及び繰延税金負債を認識しておりません。
・のれんの当初認識から生じる将来加算一時差異
・取引時に、会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えず、かつ、同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引(企業結合取引を除く)によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異のうち、当該一時差異から便益を利用するのに十分な課税所得が稼得される可能性が高くない場合、又は予測可能な将来に当該一時差異が解消する可能性が高くない場合
繰延税金資産及び繰延税金負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に対して課される法人所得税に関するものである場合に相殺しております。
当社グループは「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール(IAS第12号「法人所得税」の改訂)(2023年5月公表)」を適用しており、第2の柱の法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債の認識及び情報開示に関しては、本基準書に定められた例外を適用しております。
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の期中平均株式数で除して算定しております。
4.重要な会計上の見積り及び判断
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定をすることが義務付けられております。ただし、実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの変更は、見積りが変更された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。
当社グループの連結財務諸表で認識した金額に重要な影響を与える会計方針の適用に関する判断、見積り及び仮定は、次のとおりであります。
当社グループは、有形固定資産、使用権資産、のれんを含む無形資産について、概ね独立したキャッシュ・インフローを生成させるものとして識別される資産グループの最小単位に基づきグルーピングを行い、減損テストを実施しております。減損テストにおける回収可能価額の算定においては、資産の耐用年数、将来キャッシュ・フロー、税引前割引率について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、将来の不確実な経済条件の変動により影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な修正を生じさせるリスクがあります。
当社グループは、確定給付制度債務について、年金数理計算により算定しており、年金数理計算の前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率等の見積りが含まれております。これら前提条件は、金利変動の市場動向、人口統計に関する指標等、入手可能なあらゆる情報を総合的に判断して決定しております。これら年金数理計算の前提条件には将来の不確実な経済環境あるいは社会情勢の変動等によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、確定給付制度債務の測定額に重要な修正を生じさせるリスクがあります。
当社グループは、各連結会計年度末日における受注請負契約等のうち、契約による義務を履行するための不可避的なコストが、当該契約により受け取ると見込まれる経済的便益を上回る可能性が高く、かつ上回る金額について信頼性をもって見積もることができる場合に、当該金額を受注損失引当金として計上しております。
見積総原価は、契約ごとに当該請負契約等の契約内容、要求仕様、過去の類似契約における発生原価実績等の様々な情報に基づいて算定しております。特に受託開発案件については契約仕様や作業内容が顧客の要求に基づき定められており、契約内容の個別性が強く、システムへの要求が年々高度化かつ複雑化するとともに、短工期の完成・納品が求められる傾向にあります。そのような環境の下、契約当初に予見しなかったプロジェクト進捗の阻害要因が発生した場合には、その変化した状況や緊急対応要素の程度を判断したうえで、その対応に必要な工数を追加的に見積り、当該工数を反映させた見積総原価への見直しが必要となることがあります。
こうした仮定の予測は個別のプロジェクトの状況変化により高い不確実性を伴い、総原価の見積りに重要な影響を及ぼす可能性があることから、受注損失引当金の計上額に重要な修正を生じさせるリスクがあります。
当社グループは、開発請負契約について、開発の進捗によって履行義務が充足されていくものと判断しており、支配が一定期間にわたり移転することから、履行義務の進捗に応じて収益を認識しております。進捗度は、原価の発生が開発の進捗を適切に表すと判断しているため、見積総原価に対する実際発生原価の割合で算出しております(インプット法)。
見積総原価は、契約ごとに当該請負契約等の契約内容、要求仕様、過去の類似契約における発生原価実績等の様々な情報に基づいて算定しております。特に受託開発案件については契約仕様や作業内容が顧客の要求に基づき定められており、契約内容の個別性が強く、システムへの要求が年々高度化かつ複雑化するとともに、短工期の完成・納品が求められる傾向にあります。そのような環境の下、契約当初に予見しなかったプロジェクト進捗の阻害要因が発生した場合には、その変化した状況や緊急対応要素の程度を判断したうえで、その対応に必要な工数を追加的に見積り、当該工数を反映させた見積総原価への見直しが必要となることがあります。
こうした仮定の予測は個別のプロジェクトの状況変化により高い不確実性を伴い、総原価の見積りに重要な影響を及ぼす可能性があることから、契約資産の計上額に重要な修正を生じさせるリスクがあります。
当社グループは、繰延税金資産について、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しておりますが、当該回収可能性の判断は、当社グループの事業計画に基づいて決定した各将来事業年度の課税所得の見積りを前提としております。当該将来事業年度の課税所得の見積りは、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、繰延税金資産の計上額に重要な修正を生じさせるリスクがあります。
5.未適用の新基準
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、当連結会計年度において当社グループが早期適用していない主なものは、次のとおりであります。新しいIFRS適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。
6.追加情報
(実在性を確認できない取引に関する事項)
当社は2019年11月中旬、国税当局による税務調査の過程で、当社の一部の物販仕入販売型取引に関し、その実在性に疑義が生じたことから特別調査委員会を設置し調査をいたしました。その結果、実在性を確認できない取引が明らかとなったため、当該取引を取り消し、入金額及び出金額を仮受金46,404百万円及び仮払金44,753百万円として計上するとともに、その純額をその他の非流動負債に含めて表示しております。
上記仮払金の対象となった取引のうち、2021年7月27日付で一部の取引先から1,275百万円の返還を受けたため、上記仮払金残高は同額減少しており、当連結会計年度末における純額2,926百万円を、その他の非流動負債に含めて表示しております。
また、上記の他、受発注済みの未処理案件があり、当該案件に関連して2020年3月31日に訴訟を提起されております。詳細は注記「35.偶発事象」をご参照ください。
これらの今後の状況によっては当社グループの財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
7.セグメント情報
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
注記「22.売上収益 (1) 売上収益の分解」に記載のとおりであります。
当社グループは、外部顧客からの国内売上収益が、連結損益計算書の売上収益の大部分を占めるため、地域別の売上収益の記載を省略しております。
また、国内所在地に帰属する非流動資産の帳簿価額が、連結財政状態計算書の非流動資産の大部分を占めるため、地域別の非流動資産の記載を省略しております。
外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先は次のとおりであります。
8.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、次のとおりであります。なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末の連結財政状態計算書上における「現金及び現金同等物」の残高と連結キャッシュ・フロー計算書上における「現金及び現金同等物」の残高は一致しております。
現金及び現金同等物は、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
9.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は次のとおりであります。
営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
10.棚卸資産
棚卸資産の内訳は次のとおりであります。
(注) 前連結会計年度及び当連結会計年度において主に連結損益計算書の「売上原価」として費用認識された棚卸資産の金額はそれぞれ224,415百万円、235,537百万円であります。
11.その他の資産
その他の資産の内訳は、次のとおりであります。
(表示方法の変更)
その他の資産の内訳は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より注記をしております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度についても注記しております。
12.有形固定資産
有形固定資産の帳簿価額の増減並びに取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額は、次のとおりであります。
(注) 1 有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めております。
2 取得は外部購入による取得額のほか、完成に伴う建設仮勘定からの振替額を含めた純額で表示しております。
13.のれん及び無形資産
のれん及び無形資産の帳簿価額の増減並びに取得原価、償却累計額及び減損損失累計額は、次のとおりであります。
(注) 1 ソフトウェアには内部開発によるものも含まれており、内部開発による増加は個別取得に含めております。
2 無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めております。
14.リース
当社グループでは、事業活動のために建物及び構築物、工具、器具及び備品、ソフトウェア等の資産をリースしております。リース契約の一部については、延長オプションが付与されております。また、リースによって課されている制限又は特約はありません。
使用権資産の内訳は、次のとおりであります。
使用権資産の減価償却費は、次のとおりであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度における使用権資産の増加額はそれぞれ1,730百万円及び18,081百万円であります。当連結会計年度の増加は、主に本社オフィスの再契約によるものであります。
借手のリースに関連する費用及びキャッシュ・アウト・フローは、次のとおりであります。
リース負債の満期分析は、注記「31.金融商品」に記載のとおりであります。
15.非金融資産の減損
のれんの帳簿価額の残高は次のとおりであります。
のれんが配分された資金生成単位の回収可能価額は、使用価値によって算出しており、使用価値とは過去の経験と外部の情報を反映し、経営者によって承認された5年以内の事業計画と、事業計画後は将来の不確実性を考慮した成長率(1%)を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しております。
割引率は、資金生成単位の税引前加重平均資本コストを基礎に算定しており、主として7.35%(前連結会計年度末7.72%)であります。
なお、減損テストに使用した主要な仮定が変更された場合、減損損失が発生するリスクがありますが、使用価値は資金生成単位又は資金生成グループの帳簿価額を十分に上回っており、主要な仮定が合理的に予想可能な範囲で変化した場合でも減損損失の可能性は低いと判断しております。
減損損失は、連結損益計算書上、「その他費用」に計上しております。
(前連結会計年度)
前連結会計年度において、一部のデータセンターの資産について、今後の収益見通しを評価した結果、減損損失を認識しております。回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値であり、当該不動産の所在する国の評価基準に従った、社外の独立した不動産鑑定士による主にインカムアプローチを用いた鑑定評価等に基づき算定しており、公正価値ヒエラルキーはレベル3であります。
なお、前連結会計年度における上記以外の減損損失については、重要性が乏しいため、記載を省略しております。
(当連結会計年度)
重要な減損損失の発生はありません。
16.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は次のとおりであります。
営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。
17.その他の負債
その他の負債の内訳は、次のとおりであります。
18.従業員給付
当社グループは、主に退職一時金制度と確定拠出年金制度を採用しております。なお、退職一時金制度について退職給付信託を設定しております。確定給付制度における給付の水準は、主として退職時点における給与と勤務期間により決定されます。
退職給付信託における制度資産は健全な運用を基礎としておりますが、金融商品に係る投資リスクに晒されております。また、確定給付制度債務は割引率等の様々な年金数理計算上の仮定に基づき測定されているため、それらの仮定の変動によるリスクに晒されております。
確定拠出年金制度は、雇用主が一定額の掛金を他の独立した企業に拠出し、その拠出額以上の支払について法的又は推定的義務を負わない退職給付制度であります。
また、一部の国内連結子会社は、複数事業主制度による企業年金基金に加入しております。
連結財政状態計算書で認識した金額は、次のとおりであります。
確定給付制度債務の現在価値の調整表は次のとおりであります。
(注) 確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、前連結会計年度末は主として15.2年、当連結会計年度末は主として14.2年であります。
制度資産の公正価値の調整表は次のとおりであります。
制度資産の公正価値の内訳は次のとおりであります。
制度資産の運用は、受給者に対する給付の支払を将来にわたり安定的に行うため、許容されるリスクのもとで必要とされる総合収益を長期的に確保することを目的としております。この目的を達成するため、長期にわたって安定的な資産構成で運用を行う方針としております。また、資産構成割合は、必要に応じて見直しを行うものとしております。
確定給付制度債務の測定に用いられる重要な数理計算上の仮定は、次のとおりであります。
他の仮定に変更がないとして、以下に示された割合で割引率が変動した場合、確定給付制度債務は次のとおり変動します。感応度分析はその他の仮定に変更がないことを前提としておりますが、実際には他の仮定の変化が感応度分析に影響する可能性があります。
確定拠出年金制度への拠出額及び前払退職金制度の支給額は次のとおりであります。
一部の国内連結子会社は、企業年金基金制度に加入しております。当該制度は総合設立型の確定給付制度であり、自社の拠出に対応する年金資産の額を合理的に計算することができないため、要拠出額を退職給付費用として会計処理しております。
当該制度は、以下の点で単一事業主制度と異なります。
a 事業主が複数事業主制度に拠出した資産は、他の加入事業主の従業員の給付に使用される可能性があります。
b 一部の事業主が掛金拠出を中断した場合、他の加入事業主に未積立債務の負担が求められる可能性があります。
企業年金基金への掛金の額は、加入員の標準給与等の額に一定の率を乗ずる方法により算定されます。また、将来にわたって財政の均衡を保つことができるように、少なくとも5年ごとに掛金の額が見直されます。
同基金が解散し清算する場合は、算定された最低積立基準額等に基づき、不足金の徴収もしくは残余財産の分配が行われます。また、事業者が脱退する場合は、脱退により生ずると見込まれる債務及び不足金が徴収されます。
拠出額は、次のとおりであります。
翌連結会計年度における予想拠出額は10百万円であります。
直近で入手可能な情報に基づく制度全体の積立状況は、次のとおりであります。
短期従業員給付及び退職給付制度以外の長期従業員給付として、連結財政状態計算書で認識した金額は次のとおりであります。
(3) 従業員給付費用
前連結会計年度及び当連結会計年度において連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれている従業員給付費用の合計は、それぞれ71,710百万円及び76,481百万円であります。
従業員給付費用には、給与、賞与、法定福利費及び退職給付費用等が含まれております。
19.引当金
引当金の帳簿価額の調整表及び内訳は次のとおりであります。
引当金の測定は、決算日における将来の経済的便益の流出金額に関する最善の見積りに基づいて行っております。見積りに使用した仮定と異なる結果が生じることにより、翌年度以降の連結財務諸表において引当金の金額に重要な修正を行う可能性があります。
当社グループが認識している引当金の概要及び経済的便益の流出が予測される時期は次のとおりであります。
受注契約に係る将来の損失に備えるため、各連結会計年度末における受注契約による義務を履行するための不可避的なコストが、当該契約により受け取ると見込まれる経済的便益を上回る可能性が高く、かつ上回る金額について信頼性をもって見積もることができる場合に、当該金額を受注損失引当金として計上したものであります。経済的便益の流出が予測される時期は、将来のプロジェクトの進捗等により影響を受けますが、主に各連結会計年度末日より1年以内になることが見込まれております。
当社グループが使用する賃借事務所・建物等に対する原状回復義務に備え、過去の原状回復実績に基づき将来支払うと見込まれる額を計上しております。これらの債務は主に1年以上経過した後に支払われる見込みでありますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
20.資本及びその他の資本項目
当社の授権株式数、発行済株式数は次のとおりであります。
(注)1 授権株式及び発行済株式は、いずれも無額面の普通株式であります。発行済株式はすべて全額払込を受けております。
(注)2 当社は、2024年4月26日開催の取締役会において、2024年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合で株式分割すること及び株式分割に伴う定款の一部変更について決議いたしました。詳細は注記「36.後発事象」をご参照ください。
自己株式数は次のとおりであります。
資本剰余金は、資本取引から生じた金額のうち資本金に含まれない金額で構成され、主な内訳は資本準備金であります。
会社法では、株式の発行に際しての払込又は給付に係る額の2分の1以上を資本金に組み入れ、資本金として計上しないこととした金額は資本準備金として計上することが規定されております。また、会社法では、資本準備金は株主総会の決議により、資本に組み入れることができます。
利益剰余金は、当連結会計年度及び過年度に純損益として認識されたもの及びその他の包括利益から振り替えられたものからなります。
会社法では、剰余金の配当により減少する剰余金の額の10分の1を、資本準備金及び利益剰余金に含まれる利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されております。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。
その他の資本の構成要素の内容は次のとおりであります。
確定給付制度に係る再測定による変動部分であります。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の公正価値の純変動額の累積額であります。ただし、既に認識が中止されたもの及び公正価値が著しく低下することにより利益剰余金に振り替えられたものを除きます。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額であります。
21.配当金
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
22.売上収益
売上収益は顧客・マーケット及び主たるサービスの性質を勘案し、「ビジネスソリューション」、「コンサルティング&デジタルサービス」に分解しております。なお、売上収益はすべて顧客との契約から生じたものであり、売上収益の分解は次のとおりであります。
(注) グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しております。
ビジネスソリューション
「ビジネスソリューション」においては、業種・業務に関する豊富な知識と経験をもとに、データとデジタル技術を駆使し、顧客ニーズに応えるシステムライフサイクルトータルでのソリューションを提供しております。日本製鉄㈱向けには、複雑な鉄鋼製造プロセスをノンストップで支える生産管理システムをはじめ、デジタル化ニーズを踏まえた各種情報システムの企画・開発・運用管理を含め、ソリューションをトータルで提供するとともに、そのなかで獲得した知見を多くの顧客へ展開しております。
コンサルティング&デジタルサービス
「コンサルティング&デジタルサービス」においては、ミッションクリティカルな要求に応えるITインフラソリューションやITアウトソーシングに加え、顧客ニーズを踏まえた的確なDXコンサルティングに基づき、業種・業務を跨る汎用性の高いデジタルソリューションを提供しております。具体的には、厳格なセキュリティを要求されるクラウドプラットフォームやデジタルプラットフォームの導入、AIを活用したソリューションや高度なデータマネジメントソリューションの提供等高付加価値のデジタルサービスを提供しております。
契約資産は、主として一定の期間にわたり履行義務が充足される契約において、収益を認識しましたが、未請求の作業に係る対価に関連するものであります。契約資産は支払に対する権利が無条件になり、請求した時点で営業債権に振り替えられます。
また、主として一定の期間にわたり履行義務が充足される契約において、顧客からの前受対価に対して契約負債を計上しております。
顧客との契約から生じた債権、契約資産及び契約負債の金額は次のとおりであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度における契約負債の期首残高のうち、報告期間中に認識した売上収益の金額はそれぞれ8,421百万円、10,773百万円であります。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。
未充足の履行義務に配分した取引価格の金額のうち、将来収益として認識されると見込まれる時期別内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
当連結会計年度末(2024年3月31日)
(注) 当初の予想期間が1年以内の契約の一部である履行義務に配分された取引価格を含めております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産はありません。
(表示方法の変更)
当連結会計年度より、当社グループの中期事業方針の戦略に則り、顧客・マーケット及び主たるサービスの性質を勘案して、売上収益の分解を従来の「業務ソリューション」、「サービスソリューション」から、「ビジネスソリューション」、「コンサルティング&デジタルサービス」に変更しております。
なお、前連結会計年度は、当該変更を反映して作成したものを開示しております。
23.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は次のとおりであります。
24.その他収益及び費用
その他収益の内訳は次のとおりであります。
(表示方法の変更)
前連結会計年度において、その他収益の「その他」に含めて表示しておりました「助成金収入」は、当連結会計年度において金額的重要性が増したため、独立掲記しております。また、前連結会計年度において、独立掲記していた「解約違約金収入」は、金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「その他」に含めて表示しております。これらの表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の注記の組替えを行っております。
その他費用の内訳は次のとおりであります。
25.金融収益及び金融費用
金融収益の内訳は次のとおりであります。
受取利息は、主として償却原価で測定する金融資産から発生しております。受取配当金は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産から発生しております。投資事業組合運用益及び有価証券評価益は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産から発生しております。
(表示方法の変更)
前連結会計年度において、金融収益の「その他」に含めて表示しておりました「有価証券評価益」は、当連結会計年度において金額的重要性が増したため、独立掲記しております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の注記の組替えを行っております。
金融費用の内訳は次のとおりであります。
支払利息は、主としてリース負債から発生しております。投資事業組合運用損は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産から発生しております。
26.法人所得税
(表示方法の変更)
前連結会計年度において、独立掲記していた「連結会社間内部利益消去」及び「受注損失引当金」は、金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「その他」に含めて表示しております。これらの表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の注記の組替えを行っております。
(注) その他には換算差額等に伴う増減額等が含まれております。
連結財政状態計算書上の繰延税金資産及び繰延税金負債は次のとおりであります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末の連結子会社及び関連会社に対する投資に係る繰延税金負債を認識していない一時差異に重要性はありません。
法人所得税費用の内訳は、次のとおりであります。
2024年4月1日以後開始する事業年度より、日本に所在する親会社の子会社等が所在する国・地域での税負担が最低税率(15%)に至るまで、親会社に対して追加で上乗せ課税されることとなります。
一部の子会社の所在する国での税負担が最低税率15%に至るまで課税される可能性がありますが、当社グループの連結財務諸表へ与える影響は軽微であると判断しております。
法定実効税率と平均実際負担税率との調整は次のとおりであります。平均実際負担税率は税引前利益に対する法人所得税の負担割合を表示しております。
(注) 当社は日本における法人税、住民税及び事業税に基づき、前連結会計年度及び当連結会計年度の法定実効税率を主に30.6%として算出しております。ただし、在外子会社については、その所在地における法人税等が課されております。
27.1株当たり利益
当社の普通株主に帰属する基本的1株当たり当期利益の算定基礎は次のとおりであります。
なお、希薄化後1株当たり当期利益については、希薄化効果を有する潜在的普通株式が存在しないため記載しておりません。
28.その他の包括利益
その他の包括利益の内訳と対応する税効果額(非支配持分を含む)は次のとおりであります。
29.キャッシュ・フロー情報
財務活動から生じる、主な負債残高の変動は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
重要な非資金取引(現金及び現金同等物を使用しない投資及び財務取引)については、注記「14. リース」に使用権資産の増加額を記載しております。
30.株式報酬
当社グループは、当社の取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)及び執行役員(以下、「対象者」という。)に対して当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを付与するとともに、株主の皆さまと一層の価値共有を進めることを目的として、譲渡制限付株式報酬制度を導入しております。本制度は、対象者に対して譲渡制限付株式の割当てのために金銭報酬債権を報酬として支給し、当該金銭報酬債権の全部を現物出資の方法で給付するものであります。
当社は、対象者との間で譲渡制限付株式割当契約を締結するものとし、その内容としては、①あらかじめ定められた期間、割当てを受けた当社の普通株式について譲渡、担保権の設定その他の処分をしてはならないこと、②一定の事由が生じた場合には当社が当該普通株式を無償で取得すること等が含まれております。
(注)譲渡制限付株式報酬制度の詳細な内容は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」に記載しております。
期中に付与された譲渡制限付株式の内容は、以下のとおりであります。
連結損益計算書に計上された金額は、以下のとおりであります。
31.金融商品
当社グループは将来にわたり競争力を維持強化し、企業価値を高めていくことが重要と考えております。
そのため、進展するDXニーズの着実な取り込み、高付加価値事業と総合的な企業価値の持続的向上、優秀な人材の獲得・育成の一層の強化、内部統制・リスクマネジメント徹底の継続等による事業成長に伴う資金需要及び広域災害等の事業リスクに備えて内部留保を確保するとともに、利益配分につきましては株主の皆様に対する適正かつ安定的な配当等を行うことを基本としております。
なお、資本効率の観点から親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)の維持・向上を図っております。親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は、「第1 企業の概況 1.主要な経営指標等の推移 (1)連結経営指標等」に記載のとおりであります。
また、当社グループが適用を受ける重要な資本規制はありません。
当社グループの事業活動は、事業環境・金融市場環境による影響を受けます。事業活動の過程で保有する金融商品は固有のリスクに晒されます。リスクには、主に①市場リスク、②信用リスク、③流動性リスクが含まれます。
当社グループの営業活動において商品価格の変動により影響を受ける重要な取引はありません。そのため、商品価格の変動が当社グループの純損益に与える影響はありません。
(a) 株価変動リスクの内容及び管理方針
当社グループは、主に取引先企業との業務又は資本提携等を目的として資本性金融資産を保有しており、市場価格の変動リスクに晒されております。当該リスクに対しては、定期的に市場価格や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、取引先企業との関係を勘案して、保有状況を継続的に見直しております。
(b) 株価変動リスクの感応度分析
当社グループが保有する上場株式について、市場価格が10%下落した場合のその他の包括利益に与える影響額は次のとおりであります。なお、当該分析は他のすべての変数が一定であると仮定しております。
営業債権(受取手形及び売掛金)及びその他の債権、並びに契約資産は、顧客等の信用リスクに晒されております。当社は、与信管理規程に従い、営業債権及び契約資産について、主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理するとともに、財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握に努め、信用リスクの軽減を図っております。連結子会社についても、当社の与信管理規程に準じて、同様の管理を行っております。
償却原価で測定する負債性金融資産は、債券の発行体等の信用リスクに晒されております。債券の運用については資金運用管理方針に従い、格付の高い相手先のみを対象とし、リスクの集中を最小限にとどめております。
上記以外に重要な信用リスクに晒されている金融商品は認識しておりません。
決算日における、保証や獲得した担保の評価額を考慮に入れない信用リスクに対する最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示されている帳簿価額になります。なお、特定の取引先について、重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を有する信用リスクの過度の集中はありません。
期日経過している貸倒引当金算定の対象となる重要な金融資産はありません。
貸倒引当金の増減は次のとおりであります。
その他の金融資産に係る貸倒引当金の金額は重要性がないため、貸倒引当金の増減等の記載は省略しております。
流動性リスクとは、当社グループが現金又はその他の金融資産により決済する金融負債に関連する債務を履行するにあたり、支払期日にその支払いを実行できなくなるリスクであります。
営業債務及びその他の債務、リース負債、その他の金融負債は流動性リスクに晒されておりますが、当社グループでは、適時資金計画を作成・更新し、流動性リスクを管理しております。また、突発的な資金需要に対しては、大手各行及び親会社である日本製鉄㈱に対し当座借越枠を確保することにより、流動性リスクに備えております。
非デリバティブ金融負債の期日別内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
当連結会計年度末(2024年3月31日)
金融商品の分類ごとの帳簿価額は次のとおりであります。
金融資産及び金融負債の公正価値は、次のとおり測定しております。
営業債権及びその他の債権(受取手形、売掛金)、営業債務及びその他の債務(支払手形、買掛金、未払金)
主に短期間で決済されるため、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっていることから、公正価値の開示を省略しております。
その他の金融資産、その他の金融負債
その他の金融資産のうち、3ヶ月超の定期預金については、短期間で決済されるため、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産のうち、上場株式の公正価値は、市場価格によって算定しております。非上場株式の公正価値は、当該株式の独立の第三者間取引による直近の取引価格を用いる評価技法及び将来キャッシュ・フローの割引現在価値に基づく評価技法等により算定しております。
純損益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産は、活発な市場での公表価格が入手できる場合は、公表価格を用い、活発な市場での公表価格が入手できない場合は、金利及びデフォルト率等を使用した利用可能な情報に基づく適切な評価方法により見積っております。純損益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産のうち、投資事業組合への出資金については、組合財産の公正価値を見積った上、当該公正価値に対する持分相当額を算定しております。
それ以外の金融資産及び金融負債は、その将来キャッシュ・フローを見積り、その信用リスクを加味した割引率で現在価値に割り引いて公正価値を測定しております。
金融商品の公正価値のヒエラルキーは、次のとおり分類しております。
レベル1:活発な市場における同一の資産又は負債の公表市場価格により測定した公正価値
レベル2:レベル1以外の資産又は負債について、直接又は間接的に観察可能なインプットにより測定した公正価値
レベル3:観察可能な市場データに基づかない、観察不能なインプットにより測定した公正価値
金融商品のレベル間の振替は、四半期連結会計期間末において認識しております。前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル間の重要な振替が行われた金融商品はありません。
公正価値で測定する金融資産の公正価値のレベル別内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
当連結会計年度末(2024年3月31日)
当社グループでは、顧客や取引ベンダーとの関係強化等を通じた当社グループの中長期的な企業価値の向上を目的として保有する資本性金融資産に対する投資について、その保有目的を鑑み、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に指定しております。
活発な市場がある主な銘柄の公正価値
当社グループは、資産の効率化及び有効活用を図るため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の一部を売却等により処分し、認識を中止しております。
利益剰余金に振り替えたその他の包括利益の累計利得又は損失(税効果考慮後)は、前連結会計年度2,357百万円、当連結会計年度4,591百万円であります。
レベル3に区分されたその他の金融資産は、主として非上場資本性金融資産であります。非上場資本性金融資産の公正価値は、対象となる金融商品の性質、特徴及びリスクを最も適切に反映できる評価手法及びインプットを用いて入手可能なデータにより測定しております。その結果は適切な権限者がレビュー及び承認をしております。
レベル3の金融商品に係る公正価値の測定は、関連する社内規程に従い実施しております。
なお、レベル3に分類される金融商品について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合の公正価値の増減は重要ではありません。
レベル3に分類された金融商品の期首残高から期末残高への調整表
純損益に認識した利得又は損失は、連結損益計算書の「金融収益」又は「金融費用」に含めております。その他の包括利益に認識した利得又は損失のうち税効果考慮後の金額は、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の公正価値の純変動」に含めております。
公正価値で測定しているもの以外の金融商品は、次のとおりであります。
なお、短期間で決済され帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている金融資産及び金融負債については、記載を省略しております。
上記は「①金融商品の分類ごとの帳簿価額」で開示している償却原価で測定する金融資産に含まれており、公正価値ヒエラルキーはレベル2で区分しております。
32.関連当事者
当社グループと関連当事者との取引及び債権債務の残高は次のとおりであります。なお、当社グループの子会社は、当社の関連当事者ですが、子会社との取引は連結財務諸表上消去されているため、開示の対象に含めておりません。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 製品の販売等における取引条件及び取引条件の決定方針等については、市場価格を参考に個別交渉のうえ決定しております。
2 資金の預託・貸付による利率については、市場金利を勘案し、個別交渉のうえ決定しております。
3 2024年4月1日付で日鉄テックスエンジ㈱からテックスエンジソリューションズ㈱(同日付で日鉄ソリューションズビズテック㈱へ商号変更)の株式の取得をしております。これに先立ち、日鉄テックスエンジ㈱へ前払を実施いたしました。詳細は注記「36.後発事象」をご参照ください。
主要な経営幹部に対する報酬は次のとおりであります。
(注) 主要な経営幹部は、各連結会計年度における当社の取締役であります。
33.主要な子会社
主要な子会社は「第一部 企業情報 第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりであります。
34.コミットメント
重要なものはありません。
35.偶発事象
当社は、みずほ東芝リース㈱より、2020年3月31日付(当社への訴状送達日は、2020年6月24日)で、東京地方裁判所にて、違約金請求訴訟の提起を受けました。なお、同訴訟については、2021年1月18日付で、予備的請求として、売買契約に基づく代金支払請求を追加する旨の訴えの変更がなされております。
同訴訟は、同社が、2019年8月、当社との間で、当社が同社よりサーバ及びその周辺機器等を購入する旨の売買契約(以下、「本売買契約」という。)を締結したところ、同年11月に当社が本売買契約を解約した旨主張して、当社に対し、当該売買代金と同額の違約金を請求するとともに、予備的に、本売買契約に基づき当該売買代金を請求するものであり、請求額は10,926百万円及びこれに対する遅延損害金であります。
当社としましては、当該請求の棄却を求めるなど、適切に対応して参ります。
当事実が今後の当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性がありますが、現時点ではその影響額を合理的に見積もることは困難であるため、連結財務諸表には反映しておりません。
36.後発事象
(株式取得による子会社化)
当社は、2023年12月20日開催の取締役会において、日鉄テックスエンジ㈱の所有するテックスエンジソリューションズ㈱(以下、「TEXSOL」という。)の発行済株式1,000株(発行済株式総数の100%)を取得し、当社のグループ会社とすることを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結しました。また、本取引は共通支配下の取引に該当します。共通支配下の取引とは、結合当事企業(又は事業)のすべてが、企業結合の前後で同一の株主により最終的に支配され、かつ、その支配が一時的ではない場合の企業結合であります。なお、共通支配下における企業結合取引について、帳簿価額に基づき会計処理をすることとなります。
(1)被取得企業の名称及び事業の内容
被取得企業の名称:テックスエンジソリューションズ株式会社
事業の内容 :ソフトウェアの開発、情報システムの運用・保守等
(2)取得日
2024年4月1日
(3)取得する株式数、取得価額及び取得後の持分比率
取得する株式数 :1,000株
取得価額 :約81億円
当連結会計年度において本株式取得についての前払を行っておりますが、実際の取得価額は、株式取得日におけるTEXSOLの貸借対照表等に基づいて調整されるため、変動する可能性があります。
なお、本株式取得についての前払金は連結財政状態計算書において「その他の流動資産」に含めて表示しており、連結キャッシュ・フロー計算書において「関係会社株式取得のための前払金の支出」に表示しております。
取得後の持分比率:100%
(4)主要な取得関連費用の内容及び金額
アドバイザー等に対する報酬・手数料等:48百万円
(5)企業結合を行った主な理由
当社とTEXSOLが活動する国内ITサービス市場では、近年、企業各社のDXニーズの加速に加えて、労働人口の減少に伴い、優秀なITエンジニアの獲得競争が激化しております。そのような中で、顧客企業のDXニーズにタイムリーに対応し、今後も両社が持続的な事業拡大を実現させるために、両社一体となって人材の再生産力を高めていくことが有効であることから、TEXSOLを当社のグループ会社とすることといたしました。今後、当社は、TEXSOLをグループ会社として、①当社ブランドを活用した人材採用力の強化、及び当社グループの人材育成施策の適用等を通じて人材再生産力の強化を図るとともに、②当社の獲得した先端技術の伝承、及び当社のプロジェクト管理機構への参画等を通じて、総合的なシステムインテグレータとしての能力をさらに強化します。そして、旺盛な顧客のDXニーズに対して、当社グループとして対応力を強化してまいります。
なお、本件は日本製鉄グループ内のシステムインテグレーション力を当社グループに結集し、そのさらなる事業成長を通じて、日本製鉄グループのシステムソリューション事業の最大化を狙うという側面を持ちます。
(6)被取得企業の支配を獲得した方法
現金を対価とする株式取得
(7)取得資産及び引受負債の帳簿価額
(百万円)
なお、上記は、2024年3月31日現在の貸借対照表に基づいた暫定額であり、実際に承継する金額は上記と異なる可能性があります。
(注)テックスエンジソリューションズ㈱は2024年4月1日付で、「日鉄ソリューションズビズテック㈱」に商号変更しております。
(株式分割及び株式分割に伴う定款の一部変更)
当社は、2024年4月26日開催の取締役会において、2024年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合で株式分割すること及び株式分割に伴う定款の一部変更について決議いたしました。
1. 株式分割の目的
株式分割を行い投資単位当たりの金額を引き下げることにより、当社株式の流動性の向上と投資家層の更なる拡大を図ることを目的とするものです。
2. 株式分割の内容
(1)分割の方法
2024年6月30日(当日は株主名簿管理人の休業日につき、実質的には2024年6月28日)を基準日として、同日最終の株主名簿に記載または記録された株主の所有する普通株式を、1株につき2株の割合をもって分割します。
(2)分割により増加する株式数
(3)分割の日程
※当日は株主名簿管理人の休業日につき、実質的には2024年6月28日
3. 1株当たり情報に及ぼす影響
当該株式分割が前連結会計年度の期首に行われたと仮定した場合の前連結会計年度及び当連結会計年度における1株当たり情報は、以下のとおりです。
4. 定款の一部変更
(1)変更の理由
今回の株式分割に伴い、会社法第184条第2項の規定に基づき、2024年7月1日をもって当社定款第6条の発行可能株式総数を変更いたします。
(2)変更の内容
※下線部分は変更箇所を示しております。
(3)日程
5. その他
今回の株式分割に際し、資本金の額の変更はありません。
(投資有価証券の売却)
当社は、2022年4月に開示した「成長投資の資金確保に向けた政策保有株式の売却予定金額設定に関するお知らせ」のとおり、成長投資の原資とすることを目的に、政策保有株式の売却を進めており、2024年5月29日に当社保有の投資有価証券の一部売却を決定しました。
(1)投資有価証券の売却理由
DX加速投資、M&A等の投融資等の成長投資の原資とするため。
(2)投資有価証券の売却の内容
当該投資有価証券売却益は2025年3月期第1四半期の個別決算において、特別利益に計上いたします。なお、当社グループはIFRSを適用しており、連結決算において当該事象による当期利益への影響はありません。