第5 【経理の状況】

1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について

(1)当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第93条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に準拠して作成しています。

 

(2)当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下、「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しています。

 また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。

 

2.監査証明について

 当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の財務諸表について、PwC Japan有限責任監査法人による監査を受けています。

 なお、従来、当社が監査証明を受けていたPwCあらた有限責任監査法人は、2023年12月1日付でPwC京都監査法人と合併し、同日付で名称をPwC Japan有限責任監査法人に変更しています。

 

3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取り組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について

 当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取り組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っています。その内容は以下のとおりです。

(1)会計基準等の内容を適切に把握し、また会計基準等の変更等について的確に対応するため、公益財団法人財務会計基準機構に加入し、セミナーへの参加等により、会計基準に関する情報を入手しています。

 

(2)IFRSの適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っています。またIFRSに基づく適正な連結財務諸表等を作成するために、IFRSに準拠したグループ会計方針を作成し、それに基づいて会計処理を行っています。

 

1 【連結財務諸表等】

(1) 【連結財務諸表】

① 【連結財政状態計算書】

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

資産

 

 

 

流動資産

 

 

 

現金及び現金同等物

317,693

527,191

営業債権及びその他の債権

740,442

703,708

その他の金融資産

12

44,326

39,375

棚卸資産

534,181

536,600

その他の流動資産

19

77,475

87,269

小計

 

1,714,118

1,894,144

売却目的で保有する資産

15,665

3,608

流動資産合計

 

1,729,784

1,897,753

非流動資産

 

 

 

有形固定資産

1,440,280

1,470,862

無形資産

10

56,081

55,882

使用権資産

24

65,451

67,203

持分法で会計処理されている投資

11

138,105

131,914

その他の金融資産

12

583,573

885,677

繰延税金資産

19

80,324

81,912

その他の非流動資産

18

42,225

51,810

非流動資産合計

 

2,406,041

2,745,263

資産合計

 

4,135,826

4,643,016

負債及び資本

 

 

 

負債

 

 

 

流動負債

 

 

 

営業債務及びその他の債務

13

840,261

908,975

社債及び借入金

14,16

159,880

100,227

リース負債

16,23

18,392

20,905

その他の金融負債

15

3,559

9,373

引当金

17

38,403

44,037

未払法人所得税等

 

13,414

46,670

その他の流動負債

 

42,466

47,652

小計

 

1,116,378

1,177,842

売却目的で保有する資産に直接関連する負債

1,494

312

流動負債合計

 

1,117,873

1,178,154

非流動負債

 

 

 

社債及び借入金

14,16

688,815

626,067

リース負債

16,23

43,378

47,461

その他の金融負債

15

19,938

27,111

退職給付に係る負債

18

206,115

205,801

引当金

17

2,206

2,393

繰延税金負債

19

49,532

142,238

その他の非流動負債

 

16,528

11,758

非流動負債合計

 

1,026,515

1,062,833

負債合計

 

2,144,389

2,240,987

資本

 

 

 

資本金

20

45,049

45,049

資本剰余金

20

74,401

79,352

自己株式

20

115,675

115,627

その他の資本の構成要素

 

307,125

577,590

利益剰余金

20

1,440,425

1,549,472

親会社の所有者に帰属する持分合計

 

1,751,326

2,135,837

非支配持分

 

240,110

266,192

資本合計

 

1,991,437

2,402,029

負債及び資本合計

 

4,135,826

4,643,016

 

② 【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

売上収益

4,25

4,402,823

4,909,557

売上原価

27

4,001,434

4,358,900

売上総利益

 

401,389

550,656

販売費及び一般管理費

26,27

339,175

417,705

その他の収益

28

26,610

28,785

その他の費用

28

30,880

18,340

営業利益

57,942

143,396

金融収益

29

25,036

25,445

金融費用

29

16,569

10,538

持分法による投資利益(△損失)

11

7,332

8,425

税引前利益

 

73,741

149,877

法人所得税費用

19

25,832

37,068

当期利益

 

47,909

112,809

 

 

 

 

当期利益の帰属

 

 

 

親会社の所有者

 

37,670

90,813

非支配持分

 

10,238

21,996

合計

 

47,909

112,809

 

 

 

 

1株当たり当期利益

 

 

 

基本的1株当たり当期利益(円)

31

139.77

336.93

希薄化後1株当たり当期利益(円)

31

139.77

336.93

 

【連結包括利益計算書】

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

当期利益

 

47,909

112,809

その他の包括利益

 

 

 

純損益に振替えられることのない項目

 

 

 

確定給付制度の再測定

18,30

27,237

10,363

その他の包括利益を通じて公正価値で測定

する資本性金融資産の純変動

23,30

49,014

286,827

持分法適用会社のその他の包括利益持分

11,30

506

4

合計

 

22,282

297,187

純損益に振替えられる可能性のある項目

 

 

 

その他の包括利益を通じて公正価値で測定

する負債性金融資産の純変動

23,30

75

52

キャッシュ・フロー・ヘッジ

23,30

132

77

在外営業活動体の換算差額

30

27,867

48,896

持分法適用会社のその他の包括利益持分

11,30

2,843

3,960

合計

 

30,769

52,987

その他の包括利益合計

 

8,487

350,174

当期包括利益

 

56,396

462,984

 

 

 

 

当期包括利益の帰属

 

 

 

親会社の所有者

 

39,353

426,802

非支配持分

 

17,043

36,182

合計

 

56,396

462,984

 

③ 【連結持分変動計算書】

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

親会社の所有者に帰属する持分

 

 

資本金

資本剰余金

自己株式

その他の資本の構成要素

 

注記

確定給付

制度の

再測定

その他の

包括利益を

通じて

公正価値で

測定する

金融資産の

純変動

キャッシュ

・フロー

・ヘッジ

在外営業

活動体の

換算差額

合計

2022年4月1日残高

 

45,049

76,282

115,723

325,493

253

5,084

330,324

超インフレによる調整額

35

2022年4月1日残高

(調整後)

 

45,049

76,282

115,723

325,493

253

5,084

330,324

当期利益

 

その他の包括利益

 

24,617

49,303

138

26,229

1,682

当期包括利益

 

24,617

49,303

138

26,229

1,682

自己株式の取得

20

5

自己株式の処分

20

13

53

剰余金の配当

21

支配継続子会社に対する

持分変動

 

1,867

52

52

利益剰余金への振替

 

24,670

263

24,933

所有者との取引額合計

 

1,880

48

24,617

263

24,881

2023年3月31日残高

 

45,049

74,401

115,675

275,926

114

31,313

307,125

 

 

 

 

 

 

 

 

 

親会社の所有者に帰属する持分

非支配持分

資本合計

 

注記

利益剰余金

合計

2022年4月1日残高

 

1,420,583

1,756,516

239,992

1,996,508

超インフレによる調整額

35

3,055

3,055

3,055

2022年4月1日残高

(調整後)

 

1,423,638

1,759,571

239,992

1,999,563

当期利益

 

37,670

37,670

10,238

47,909

その他の包括利益

 

1,682

6,804

8,487

当期包括利益

 

37,670

39,353

17,043

56,396

自己株式の取得

20

5

5

自己株式の処分

20

39

39

剰余金の配当

21

45,818

45,818

8,491

54,309

支配継続子会社に対する

持分変動

 

1,814

8,433

10,248

利益剰余金への振替

 

24,933

所有者との取引額合計

 

20,884

47,598

16,925

64,523

2023年3月31日残高

 

1,440,425

1,751,326

240,110

1,991,437

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

 

親会社の所有者に帰属する持分

 

 

資本金

資本剰余金

自己株式

その他の資本の構成要素

 

注記

確定給付

制度の

再測定

その他の

包括利益を

通じて

公正価値で

測定する

金融資産の

純変動

キャッシュ

・フロー

・ヘッジ

在外営業

活動体の

換算差額

合計

2023年4月1日残高

 

45,049

74,401

115,675

275,926

114

31,313

307,125

当期利益

 

その他の包括利益

 

8,633

284,752

80

42,522

335,988

当期包括利益

 

8,633

284,752

80

42,522

335,988

超インフレによる調整額

35

自己株式の取得

20

6

自己株式の処分

20

9

55

剰余金の配当

21

支配継続子会社に対する

持分変動

 

4,959

連結範囲の変動

 

90

310

220

利益剰余金への振替

 

8,723

56,579

65,303

所有者との取引額合計

 

4,950

48

8,633

56,579

310

65,523

2024年3月31日残高

 

45,049

79,352

115,627

504,099

34

73,526

577,590

 

 

 

 

 

 

 

 

 

親会社の所有者に帰属する持分

非支配持分

資本合計

 

注記

利益剰余金

合計

2023年4月1日残高

 

1,440,425

1,751,326

240,110

1,991,437

当期利益

 

90,813

90,813

21,996

112,809

その他の包括利益

 

335,988

14,185

350,174

当期包括利益

 

90,813

426,802

36,182

462,984

超インフレによる調整額

35

1,445

1,445

1,445

自己株式の取得

20

6

6

自己株式の処分

20

46

1

47

剰余金の配当

21

48,515

48,515

9,052

57,567

支配継続子会社に対する

持分変動

 

4,959

1,050

3,909

連結範囲の変動

 

220

220

利益剰余金への振替

 

65,303

所有者との取引額合計

 

16,787

43,736

10,100

53,837

2024年3月31日残高

 

1,549,472

2,135,837

266,192

2,402,029

 

④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

 

 

 

税引前利益

 

73,741

149,877

減価償却費及び償却費

 

277,187

274,300

減損損失

 

19,981

4,092

営業債権及びその他の債権の増減額(△は増加)

 

80,483

89,617

棚卸資産の増減額(△は増加)

 

56,910

30,143

営業債務及びその他の債務の増減額(△は減少)

 

35,186

4,753

その他

 

13,964

29,110

小計

 

298,185

514,167

利息の受取額

 

2,958

5,067

配当金の受取額

 

18,397

21,940

利息の支払額

 

11,865

8,516

法人所得税の支払額

 

69,706

32,919

営業活動によるキャッシュ・フロー

 

237,970

499,740

投資活動によるキャッシュ・フロー

 

 

 

定期預金等の増減額(△は増加)

 

26,215

4,891

有形固定資産の取得による支出

 

212,312

228,148

有形固定資産の売却による収入

 

6,560

10,111

無形資産の取得による支出

 

26,558

16,316

投資の取得による支出

 

2,309

2,283

投資の売却及び償還による収入

 

6,458

118,957

リース債権の回収による収入

 

14,874

14,054

子会社又はその他の事業の売却による収入

 

13,075

その他

 

214

2,288

投資活動によるキャッシュ・フロー

 

186,857

93,153

財務活動によるキャッシュ・フロー

 

 

 

短期借入金の増減額(△は減少)

16

22,674

41,939

長期借入れによる収入

16

555

5,359

長期借入金の返済による支出

16

65,249

80,288

社債の償還による支出

14,16

15,000

リース負債の返済による支出

16,24

25,507

25,949

配当金の支払額

21

45,792

48,502

非支配持分への配当金の支払額

 

8,491

9,052

その他

 

5,941

3,672

財務活動によるキャッシュ・フロー

 

127,752

211,699

現金及び現金同等物に係る換算差額

 

8,959

13,207

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

 

67,680

208,094

現金及び現金同等物の期首残高

 

386,906

317,693

売却目的で保有する資産に含まれる

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

1,532

1,403

現金及び現金同等物の期末残高

317,693

527,191

 

【連結財務諸表注記】

1.報告企業

 株式会社アイシン(以下、「当社」という。)は日本に所在する株式会社です。当社の登記している本社及び主要な事業所の所在地は、ホームページ(https://www.aisin.com/jp/)で開示しています。

 当社の連結財務諸表は2024年3月31日を連結会計年度末とし、当社及びその子会社、並びにその関連会社に対する持分(以下、「当社グループ」という。)により構成されています。当社グループの主要な事業は、自動車部品及びエナジーソリューション関連機器の製造・販売です。

 

2.作成の基礎

(1)連結財務諸表がIFRSに準拠している旨

 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しています。

 連結財務諸表は2024年6月20日に取締役社長吉田守孝によって承認されています。

 

(2)測定の基礎

 当社グループの連結財務諸表は、「3.重要性がある会計方針」及び「35.超インフレの調整」に記載のとおり、公正価値で測定する金融商品及びトルコの連結子会社等における超インフレ会計の適用等を除き、取得原価を基礎として作成しています。

 

(3)機能通貨及び表示通貨

 当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を切捨てて表示しています。

 

(4)重要な会計上の判断、見積り及び仮定

 連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。

 見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した会計期間及び将来の会計期間において認識しています。

 連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える会計上の判断、見積り及び仮定は以下のとおりです。

 

① 非金融資産の減損

 棚卸資産及び繰延税金資産を除く当社グループの非金融資産について、資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超える可能性を示す事象や状況の変化が生じた場合には、減損の兆候があるものとして、その資産又は資金生成単位の回収可能価額を見積っています。回収可能価額の見積りには、資産の残存耐用年数や将来のキャッシュ・フローの予想、割引率等の前提条件を使用しています。将来キャッシュ・フローの基礎となる事業計画は当該期間の売上予測及びコスト削減計画等に基づいています減損の兆候が存在する場合は減損テストを実施し、帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、純損益として減損損失を認識しています。

 当社グループは、減損の兆候及び減損損失の認識に関する判断、及び回収可能価額の見積りは合理的であると判断しています。ただし、これらの見積りには不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により非金融資産の評価に関する見積りが変化した場合には、結果として将来追加で減損損失を計上する可能性があります。

 有形固定資産の減損損失については「9.有形固定資産 (2)減損損失」に、無形資産の減損損失については「10.無形資産 (2)減損損失」に記載しています。

 

② 品質保証に係る債務

 品質保証に係る債務には、将来発生することが見込まれるクレームに対する製品保証引当金と、完成車メーカー等の顧客が決定したリコール等の市場処置に係る未払費用があります。

 製品保証引当金は、製品の品質保証期間内に発生するクレームに対する費用の支出に備えるため、過去の実績を基礎として残存保証期間のクレーム発生見積額を計上しています。これらの費用は品質保証期間を通じ、発生することが見込まれます。

 リコール等の市場処置に係る未払費用は、完成車メーカー等の顧客のリコール等の決定に基づき、対象となる台数、台当たりの修理費用、処置率、顧客との責任割合等を勘案し、当社が負担すると合理的に見込まれる金額を見積計上しています。

 当社グループは、これらの費用の算出に係る前提条件の見積りは合理的であると判断しています。ただし、これらの見積りには不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により、実際の費用が見積りと異なり、結果として製品保証引当金や未払費用の追加計上又は戻入れが必要となる可能性があります。

 製品保証引当金については「17.引当金」に、またリコール等の市場処置に係る未払費用については「13.営業債務及びその他の債務」に、それぞれ記載しています。

 

③ 確定給付債務の測定

 確定給付債務の現在価値は、割引率、昇給率、退職率、死亡率等の前提条件を使用した年金数理計算により算定しています。特に、割引率は重要な前提条件であり、当社グループの債務と概ね同じ満期日を有する優良社債の連結会計年度末時点の市場利回りを参照しています。

 当社グループは、確定給付債務の算定に係る前提条件の見積りは合理的であると判断しています。ただし、これらの見積りには不確実性が含まれているため、前提条件と実際の結果が異なる場合、又は前提条件に変化がある場合には、結果として当社グループの確定給付債務の評価額に影響を与える可能性があります。

 確定給付債務の帳簿価額や、割引率の変動により想定される確定給付債務に与える影響については、「18.従業員給付 (1)退職後給付」に記載しています。

 

④ 繰延税金資産の回収可能性

 繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除に対して、それらを回収できる課税所得が生じる可能性が高い範囲で認識し、繰延税金負債は、原則として将来加算一時差異について認識しています。将来の課税所得については、売上予測及びコスト削減計画など、決算日までに入手し得る情報に基づき、最善の見積りを行っています。なお、繰延税金資産は毎期見直され、税務便益の実現が見込めないと判断される部分については減額しています。

 当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価にあたり実施している見積りは合理的であると判断しています。ただし、これらの見積りには不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により繰延税金資産の回収可能性の評価に関する見積りが変化した場合には、結果として将来追加で繰延税金資産を減額する可能性があります。

 繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び繰越欠損金については、「19.法人所得税 (1)繰延税金資産及び繰延税金負債」に記載しています。

 

⑤ 金融商品の公正価値

 特定の資産及び負債の公正価値は、市場価格等の市場の情報や、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチ、コスト・アプローチ等の算出手順に基づき決定しています。公正価値の測定には、入手可能な場合は、活発な市場における公表価格、又は観察可能なインプットを使用します。入手できない場合は、市場参加者が資産又は負債の価格を決定するうえで使用している前提条件についての当社グループの判断を反映した観察不能なインプットを使用しており、インプットの算定は、当社グループ自身のデータを含め、入手可能な最良の情報に基づき実施しています。

 当社グループは、金融商品の公正価値の評価は合理的であると判断しています。ただし、これらの評価には不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により金融商品の評価に関する見積りが変化した場合には、結果として公正価値評価額が変動する可能性があります。

 金融商品の帳簿価額、レベル3に分類された金融商品の重要な観察不能なインプットの内容及び評価技法については、「23.金融商品 (3)金融商品の公正価値」に記載しています。

 

(5)会計方針の変更

(IAS第12号「法人所得税」の改訂)

 当社グループは当連結会計年度よりIAS第12号(改訂)「単一の取引から生じた資産及び負債に係る繰延税金」(2021年5月公表)を適用しています。

 この適用により、「19.法人所得税 (1)繰延税金資産及び繰延税金負債」において、本改訂を遡及適用した結果、前連結会計年度の繰延税金資産と繰延税金負債がそれぞれ14,495百万円増加しています。

 

(IAS第12号「法人所得税」の改訂「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール」)

 当社グループは当連結会計年度よりIAS第12号(改訂)「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール」(2023年5月公表)のうち第2の柱の法人所得税に対するエクスポージャーの開示を適用しています。

 この適用による連結財務諸表に与える重要な影響はありません。

 

(6)未適用の公表済み基準書及び解釈指針

 連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が公表されている基準書及び解釈指針のうち、当社グループが適用していない主なものは以下のとおりです。
 IFRS第18号適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。

基準書及び解釈指針

強制適用時期

(以降開始年度)

当社グループ
適用時期

新設・改訂の概要

IFRS第18号

財務諸表における表示及び開示

2027年1月1日

2028年3月期

財務諸表における表示及び開示に関する現行の会計基準であるIAS第1号を置き換える新基準

 

 

3.重要性がある会計方針

 連結財務諸表の作成にあたって採用した重要性がある会計方針は以下のとおりです。これらの方針は、特段の記載がない限り、表示しているすべての報告期間に継続して適用しています。

 

(1)連結の基礎

① 子会社

 子会社とは、当社グループが支配しているすべての企業をいいます。当社グループが、企業への関与による変動リターンにさらされている、又は変動リターンに対する権利を有している場合で、その企業に対するパワーを通じてこれらの変動リターンに影響を与えることができる場合には、当社グループはその企業を支配しています。

 子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結の対象に含めています。

 子会社の会計方針が、当社グループが採用している会計方針と異なる場合には、当該子会社の財務諸表に調整を行っています。

 当社グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表作成に際して消去しています。

 支配を喪失しない子会社に対する持分の変動は、資本取引として会計処理しています。非支配持分の調整額と支払対価又は受取対価の公正価値との差額を資本に直接認識し、親会社の所有者に帰属させています。

 子会社の支配を喪失する場合、処分損益は受取対価の公正価値及び残存持分の公正価値の合計と子会社の資産(のれんを含む)、負債及び非支配持分の支配喪失時の帳簿価額との差額として算定し、純損益で認識しています。

 

② 関連会社

 関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して、重要な影響力を有しているものの、支配していない企業をいいます。

 関連会社に対する投資は持分法で会計処理を行い、取得時に取得原価で認識しています。その後、重要な影響力を有した日から喪失する日まで、関連会社の純損益及びその他の包括利益に対する当社グループの持分を認識し、投資額を修正しています。

 関連会社との取引から発生した未実現損益は、当社グループの持分を上限として投資額に加減算しています。

 関連会社の会計方針が、当社グループが採用している会計方針と異なる場合には、当該関連会社の財務諸表に調整を行っています。

 関連会社に対する投資について減損の客観的証拠がある場合には関連会社に対する投資の総額を単一の資産として減損テストを実施しています
 関連会社に該当しなくなり、持分法の適用を中止した場合には、持分法の適用を中止したことから生じた利得又は損失を純損益として認識しています。

 

③ 企業結合

 企業結合は取得法によって会計処理しています。

 取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社が発行する資本性金融商品の取得日の公正価値の合計として測定しています。企業結合に関連して発生する取得関連コストは、発生時に費用処理しています。

 企業結合において取得した識別可能な資産及び負債は、取得日の公正価値で測定しています。当社グループは非支配持分を、公正価値又は被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分の比例割合で測定するかについて、個々の取引ごとに選択しています。

 取得対価が、識別可能な資産及び負債の公正価値を超過する場合、その超過額をのれんとして計上しています。反対に下回る場合には、差額を純損益として認識しています。なお、支配獲得後の非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理しており、当該取引からのれんは認識していません。

 

(2)外貨換算

① 外貨建取引の換算

 当社グループの各社の財務諸表は、その企業の機能通貨で作成しています。機能通貨以外の通貨(外貨)での取引については、取引日の為替レートで換算しています。

 外貨建貨幣性項目は、連結会計年度末の為替レートで機能通貨に換算しています。外貨建非貨幣性項目は、取得原価で測定するものは取引日の為替レートで、公正価値で測定するものは当該公正価値の算定日の為替レートで機能通貨に換算しています。

 換算又は決済により生じる為替換算差額は、純損益として認識しています。ただし、その他の包括利益を通じて測定する資本性金融資産及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる為替換算差額は、その他の包括利益として認識しています。

 

② 在外営業活動体の換算

 在外営業活動体の資産及び負債は、連結会計年度末の為替レートで日本円に換算しています。収益及び費用は、超インフレ経済下にある在外営業活動体を除き、期中平均為替レートで日本円に換算しています。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しています。在外営業活動体を処分した場合には、その累積換算差額は処分した期間の純損益として認識しています。

 

(3)現金及び現金同等物

 現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されています。

 

(4)金融商品

① 金融資産(デリバティブを除く)

(ⅰ)当初認識及び測定

 当社グループは、金融商品の契約の当事者となった取引日に金融資産を認識しています。

 すべての金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産を除き、公正価値に当該金融資産に直接帰属する取引コストを加算した額で当初測定しています。

 

(ⅱ)分類

(a)負債性金融資産

(ア)償却原価で測定する金融資産

 以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しています。

・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産を保有している。

・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。

 

(イ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

 以下の要件をともに満たす場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。

・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルに基づいて、資産を保有している。

・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。

 

(ウ)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産

 上記のいずれにも分類されないものについて、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。

 ただし、会計上のミスマッチを解消又は大幅に削減するために、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産以外の金融資産に対し、当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定する場合があります。

 

(b)資本性金融資産

(ア)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

 当初認識時に、公正価値の変動をその他の包括利益を通じて認識すると指定したものについては、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。

 

(イ)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産

 その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産以外の金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。

 

(ⅲ)事後測定

 償却原価で測定する金融資産は、実効金利法により測定しています。

 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、公正価値で測定し、その変動額を純損益として認識しています。

 その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産は、公正価値で測定し、その変動額をその他の包括利益として認識しています。

 また、認識を中止した場合、その他の包括利益として認識していた累積損益について、負債性金融資産は純損益に、資本性金融資産は利益剰余金に振替えています。

 なお、配当金については、純損益で認識しています。

 

(ⅳ)金融資産の減損

 当社グループは、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産及び償却原価で測定する金融資産に係る予想信用損失を、貸倒引当金として認識しています。

 貸倒引当金は、報告期間の末日ごとに金融資産に係る予想信用損失を12ヶ月の予想信用損失と同額で測定しています。ただし、当社グループが客観的な情報に基づき、金融資産に関する信用リスクが当初認識以降に著しく増大していると判断した場合には、全期間の予想信用損失と同額で測定しています。信用リスクが著しく増大しているかどうかについては、金融資産のデフォルトリスクの変化に基づいて判断しています。

 なお、営業債権に係る貸倒引当金については、上記に関わらず、常に全期間の予想信用損失と同額で測定しています。

 

(ⅴ)認識の中止

 金融資産は、投資からのキャッシュ・フローを受け取る権利が消滅したか、あるいは当該投資が譲渡され、当社グループが所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転した時に認識を中止しています。

 

② 金融負債(デリバティブを除く)

(ⅰ)当初認識及び測定

 当社グループは、金融商品の契約の当事者となった取引日に金融負債を認識しています。

 すべての金融負債は当初認識時に公正価値で測定していますが、償却原価で測定する金融負債については、公正価値から直接帰属する取引コストを控除した額で測定しています。

 

(ⅱ)分類

(a)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債

 会計上のミスマッチを解消又は大幅に削減するために、当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定すると指定したものについては、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しています。

 

(b)償却原価で測定する金融負債

 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債以外の金融負債については、償却原価で測定する金融負債に分類しています。

 

(ⅲ)事後測定

 償却原価で測定する金融負債は、実効金利法により測定しています。

 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、公正価値で測定し、その変動額を純損益として認識しています。

 

(ⅳ)認識の中止

 金融負債は、契約上の義務が免責、取消又は失効した場合に認識を中止しています。

 

③ 金融資産及び金融負債の相殺

 金融資産及び金融負債は、認識された金額を相殺する法的強制力のある権利を有し、純額で決済するか、又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合には、相殺して連結財政状態計算書に純額で表示しています。

 

④ デリバティブ及びヘッジ会計

 当社グループは、為替リスクや金利リスクをヘッジするために、為替予約、通貨スワップ、通貨オプション、金利スワップ等を利用しています。これらのデリバティブの当初認識はデリバティブ契約を締結した日の公正価値で行い、当初認識後の再測定も公正価値で行っています。

 ヘッジ会計を適用する取引については、取引開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象との関係及び種々のヘッジ取引の実施に係るリスク管理目的や戦略について文書化を行っています。また、ヘッジ開始時及びヘッジ期間中に、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動を相殺するために非常に有効であるかどうかについても継続的に評価を行っています。

 ヘッジ会計を適用する取引については、以下のように分類し、会計処理を行っています。

(ⅰ)公正価値ヘッジ

 ヘッジ手段であるデリバティブの公正価値の変動は純損益として認識しています。ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値変動については、ヘッジ対象の帳簿価額を修正し、純損益として認識しています。

 

(ⅱ)キャッシュ・フロー・ヘッジ

 ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち、有効部分はその他の包括利益として認識し、非有効部分は純損益として認識しています。その他の資本の構成要素に計上されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振替えています。

 

(5)棚卸資産

 棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い額で評価しています。取得原価は主として総平均法に基づいて算定され、購入原価、加工費、及び現在の場所及び状態に至るまでに要したすべての費用を含んでいます。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び見積販売費用を控除した額です。

 

(6)有形固定資産

 有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で計上しています。取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、解体・除去及び土地の原状回復費用、及び資産計上すべき借入費用を含めています。

 土地及び建設仮勘定以外の有形固定資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で計上しています。

 主要な有形固定資産の見積耐用年数は以下のとおりです。

建物及び構築物       3~60年

機械装置及び運搬具     3~10年

工具、器具及び備品     2~10年

 見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合には会計上の見積変更として将来に向かって適用しています。

 

(7)無形資産

① のれん

 当初認識時におけるのれんの測定は、「(1)連結の基礎 ③ 企業結合」に記載しています。のれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した額で計上しています。

 

② その他の無形資産

 その他の無形資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で計上しています。

(ⅰ)個別に取得した無形資産及び企業結合で取得した無形資産

 個別に取得した無形資産は当初認識時に取得原価で測定しています。企業結合で取得した無形資産は、のれんとは区分して認識し、取得日の公正価値で測定しています。

 

(ⅱ)自己創設無形資産

 開発活動(又は内部プロジェクトの開発段階)で発生した費用は、以下のすべてを立証できる場合に限り、資産計上しています。

(a)使用又は売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性

(b)無形資産を完成させ、さらにそれを使用又は売却するという企業の意図

(c)無形資産を使用又は売却できる能力

(d)無形資産が蓋然性の高い将来の経済的便益を創出する方法

(e)無形資産の開発を完成させ、さらにそれを使用又は売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及びその他の資源の利用可能性

(f)開発期間中に無形資産に起因する支出を、信頼性をもって測定できる能力

 上記の資産計上の要件を満たさない開発費用及び研究活動に関する支出は、発生時に純損益として認識しています。

 

(ⅲ)償却

 耐用年数を確定できる無形資産は、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却しています。

 主要な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりです。

ソフトウェア   3~10年

開発費      2~5年

 見積耐用年数及び償却方法は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合には会計上の見積変更として将来に向かって適用しています。

 

(8)リース

 当社グループは、契約の締結時に契約がリースであるか、又はリースを含んでいるかどうかをIFRS第16号に基づき判断しています。

 

① 借手

 契約の締結時に契約がリースであるか、又はリースを含んでいると判定した場合、リース期間が12ヶ月以内のリース及び原資産が少額であるリースを除いたすべてのリースについて、単一の会計モデルを適用し、リース開始日に原資産を使用する権利を表す使用権資産とリース料を支払う義務を表すリース負債をそれぞれ認識しています。
 リース負債はリース開始日における未決済のリース料を借手の追加借入利子率を使って割引いた割引現在価値で当初測定しています。開始日後は、リース負債に係る金利や、支払われたリース料を反映するようにリース負債の帳簿価額を増減しています。また、リースの条件変更が行われた場合には、リース負債を再測定しています。なお、リース期間は、リースの解約不能期間に、行使することが合理的に確実である延長オプションと行使しないことが合理的に確実である解約オプションの対象期間を加えることにより、決定しています。

 使用権資産はリース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整した金額で当初測定しています。開始日後は、原価モデルを採用し、リース開始日から使用権資産の耐用年数又はリース期間のいずれか短い期間にわたり規則的に償却しています。

 なお、リース期間が12ヶ月以内のリース及び原資産が少額であるリースについては、リース料をリース期間にわたり定額法により費用として認識しています。

 

② 貸手

 ファイナンス・リース取引におけるリース債権は、対象リース取引の正味リース投資未回収額を資産計上しています。製造業者又は販売業者としての貸手となる場合、ファイナンス・リースに係る売上損益は、リース開始日に認識しております。

 

(9)非金融資産の減損

 棚卸資産及び繰延税金資産を除く当社グループの非金融資産について、報告期間の末日ごとに減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が存在する場合は、減損テストを実施しています。のれん及び耐用年数を確定できない無形資産並びに未だ使用可能でない無形資産については、毎年及び減損の兆候がある場合にはその都度、減損テストを実施しています。

 回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としています。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割引いています。個々の資産について回収可能価額の見積りが不可能な場合には、当該資産が属する資金生成単位の回収可能価額を算定しています。

 のれん以外の資産の資金生成単位については、他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資産グループとしています。のれんの資金生成単位は、のれんが内部報告目的で管理される単位に基づき決定し、集約前の事業セグメントの範囲内としています。全社資産は独立したキャッシュ・インフローを生み出していないため、全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を算定して判断しています。

 資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、純損益として減損損失を認識しています。

 過去に認識したのれん以外の資産の減損損失は、報告期間の末日ごとに、損失の減少又は消滅を示す兆候の有無を判断しています。減損の戻入れの兆候があり、回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻し入れています。減損損失は、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費又は償却費を控除した後の帳簿価額を上限として戻し入れています。のれんに関連する減損損失は戻入れしていません。

 

(10)従業員給付

① 退職後給付

(ⅰ)確定給付型制度

 確定給付型制度は、確定拠出型制度以外の退職後給付制度です。確定給付型制度に関連する当社グループの純債務は、制度ごとに区別して、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積り、当該金額を現在価値に割引くことによって算定しています。制度資産の公正価値は当該算定結果から控除しています。確定給付制度が積立超過である場合に、連結財政状態計算書に計上する確定給付資産(退職給付に係る資産)は、確定給付制度に対する将来掛金の減額という利用可能な将来の経済的便益の現在価値を資産上限額としています。

 確定給付負債(資産)の純額に係る純利息費用は、確定給付負債(資産)の純額に割引率を乗じて算定し、従業員給付費用として計上しています。割引率は、当社グループの債務と概ね同じ満期日を有する優良社債の連結会計年度末時点の市場利回りを参照しています。

 制度が改訂又は縮小された場合、従業員による過去の勤務に関連する給付の増減による確定給付債務の現在価値の変動は、即時に純損益として認識しています。

 当社グループは、確定給付型制度から生じるすべての再測定による調整額を即時にその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金に振替えています。

 

(ⅱ)確定拠出型制度

 確定拠出型制度は、雇用主が一定額の掛金を他の独立した企業に拠出し、その拠出額以上の支払いについて法的又は推定的義務を負わない退職後給付制度です。確定拠出型制度の拠出は、従業員がサービスを提供した期間に純損益として認識しています。

 

② 短期従業員給付

 短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で純損益として認識しています。

 賞与及び有給休暇費用については、それらを支払う法的もしくは推定的義務を有し、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を営業債務及びその他の債務として認識しています。

 

③ その他の長期従業員給付

 永年勤続表彰制度に対する債務は、従業員が過年度及び当年度に提供したサービスの対価として獲得した将来給付の見積額を現在価値に割引いて算定しています。

 

(11)株式報酬

 当社は、取締役(社外取締役を除く)に対する持分決済型の株式に基づく報酬制度として、譲渡制限付株式報酬制度を採用しています。受領したサービスの対価は、付与日における当社株式の公正価値で測定しており、付与日から権利確定期間にわたり連結損益計算書において費用として認識し、同額を連結財政状態計算書において資本の増加として認識しています。

 

(12)引当金

 当社グループは、過去の事象の結果として現在の法的又は推定的義務を有し、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額が合理的に見積り可能である場合に引当金を認識しています。貨幣の時間的価値が重要な場合には、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割引いています。時の経過に伴う割引額の割戻しは、金融費用として認識しています。

 

(13)資本

 当社が発行した普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用(税効果考慮後)は資本剰余金から控除しています。

 自己株式を取得した場合は、直接取引費用を含む税効果考慮後の支払対価を、資本の控除項目として認識しています。自己株式を売却した場合は、帳簿価額と受取対価の差額を資本剰余金として認識しています。

 

(14)収益

 当社グループは、IFRS第16号「リース」に基づくリース料収入等を除く顧客との契約について、以下の5ステップアプローチに基づいて収益を認識しています。

ステップ1:顧客との契約を識別する

ステップ2:契約における履行義務を識別する

ステップ3:取引価格を算定する

ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する

ステップ5:企業が履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する

 当社グループは主として自動車部品の製造・販売を行っており、国内外の完成車メーカーを顧客としています。当社グループでは、主に完成した製品を顧客に納入することを履行義務として識別しており、また、IFRS第15号で示されている支配の移転に関する指標を総合的に考慮した結果、自動車部品事業においては、原則として顧客が製品を検収した時点、又は顧客が手配した運送業者に製品を引き渡した時点で当該製品に対する支配が顧客に移転することから、履行義務が充足されると判断し、当該時点で収益を認識しています。収益は、値引き等の事後的な価格調整を考慮した後の顧客との契約において約束された対価で測定しています。仮単価により取引を行う場合は、変動対価として、最頻値法等を用いて適切な方法で見積っています。なお、製品販売の対価は、顧客が製品を検収した時点から概ね3ヶ月以内に回収しており、対価の金額に重要な金融要素は含まれていません。

 

(15)法人所得税

 法人所得税費用は、当期法人所得税費用と繰延法人所得税費用から構成されています。これらは、企業結合に関連するもの及び直接資本の部又はその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益として認識しています。

 当期法人所得税費用は、連結会計年度末時点において制定又は実質的に制定されている税率を使用して、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で算定しています。

 繰延法人所得税費用は、連結会計年度末における会計上の資産及び負債の帳簿価額と、関連する税務基準額との差額により生じる一時差異に基づいて算定しています。繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除に対して、それらを回収できる課税所得が生じる可能性が高い範囲で認識し、繰延税金負債は、原則として将来加算一時差異について認識しています。なお、繰延税金資産は毎期見直され、税務便益の実現が見込めないと判断される部分については減額しています。

 なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上していません。

・のれんの当初認識により生じる将来加算一時差異

・企業結合取引ではなく、取引時に会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引から発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異

・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合

・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異について、当該一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得が稼得される可能性が高くない場合、又は予測可能な将来に当該一時差異が解消する可能性が高くない場合

 繰延税金資産及び負債は、連結会計年度末において制定、又は実質的に制定されている税率に基づいて、資産が実現する期間又は負債が決済される期間に適用されると予想される税率によって測定しています。

 繰延税金資産及び負債は、当期税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合に相殺しています。

 当社及び一部の連結子会社はグループ通算制度を適用しています。

 

 当社グループは、「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール」(IAS第12号「法人所得税」の改訂)を適用しています。これにより、第2の柱の法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して認識及び情報の開示を行っていません。

 

(16)政府補助金

 政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領することに合理的な保証が得られた場合に、公正価値で認識しています。

 資産に関する補助金は、資産の取得原価から控除し、資産の耐用年数にわたって規則的に純損益として認識しています。

 収益に関する補助金は、補助金で補償することを意図している関連費用を費用として認識する期間にわたって、規則的に純損益として認識しています。

 

(17)借入費用

 意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を必要とする資産、つまり適格資産の取得、建設又は生産に直接帰属する借入費用は、その資産が実質的に意図した使用又は販売を可能にする時まで、それらの資産の取得原価に加算しています。

 上記以外のすべての借入費用は、それが発生した期間に純損益として認識しています。

 

(18)1株当たり利益

 基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期損益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しています。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有する潜在株式の影響を調整して計算しています。

 

(19)売却目的で保有する資産

 継続的使用ではなく主に売却取引により回収される非流動資産又は処分グループのうち、1年以内に売却する可能性が非常に高く、かつ現在の状態で即時に売却可能で、当社グループの経営者が売却を確約している場合に限り、当該非流動資産又は処分グループを売却目的保有に分類しています。

 売却目的保有に分類された非流動資産又は処分グループは、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定しており、売却目的保有に分類された後は減価償却又は償却を行っておりません。

 

4.セグメント情報

(1)報告セグメントの概要

 当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。

 当社は、当社グループ全体での持続的な事業価値の最大化に向けた戦略、方針及び目標を立案するとともに、世界の主要自動車メーカーの近くで多様なニーズに対応し、高い付加価値を有する商品を開発・生産・販売するため、各地域を管掌する地域本部長を配置し、担当地域における包括的な戦略の立案等を統括しています。また、当社グループは、主として自動車部品等の製造・販売を行っており、各地域の経済状況や自動車市場の動向、各地域における事業戦略や営業活動に基づき、各地域に属する現地連結子会社が事業活動を展開しています。

 従って、当社グループは、自動車部品等の製造・販売を基礎とした各地域に属する事業セグメントから構成されており、経済的特徴等が類似している事業セグメントで集約した、「日本」、「北米」、「欧州」、「中国」、「アセアン・インド」の5つを報告セグメントとしています。

 各報告セグメントの名称及び各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類は以下のとおりです。

 

報告セグメント

主な製品及びサービス

日本

自動車部品の製造・販売

エナジーソリューション関連機器の製造・販売

北米

主として自動車部品の製造・販売

欧州

主として自動車部品の製造・販売

中国

主として自動車部品の製造・販売

アセアン・インド

主として自動車部品の製造・販売

 

(2)報告セグメントの変更等に関する事項

 当連結会計年度より、当社グループにおける業績管理区分の見直し等に伴い、「日本」、「北米」、「欧州」及び「中国」の4区分としていた報告セグメントを、「日本」、「北米」、「欧州」、「中国」及び「アセアン・インド」の5区分に変更しています。なお、「アセアン・インド」には、タイ、インドネシア、フィリピン、インド、シンガポールに所在する連結子会社が含まれています。

 前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の報告セグメント区分に基づき作成したものを開示しています。

 

(3)報告セグメントに関する情報

 報告セグメントの会計方針は、「3.重要性がある会計方針」で記載している当社グループの会計方針と同一です。

 

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

調整額

連結

 

日本

北米

欧州

中国

アセアン・インド

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上収益

2,219,693

814,368

343,873

531,951

456,826

4,366,713

36,110

4,402,823

セグメント間の

内部売上収益

633,725

14,641

9,640

16,579

35,824

710,410

49

710,460

2,853,419

829,009

353,513

548,530

492,650

5,077,124

36,159

710,460

4,402,823

セグメント利益(△損失)

4,594

32,539

8,369

16,044

58,582

45,862

3,706

8,373

57,942

金融収益

 

 

 

 

 

 

 

 

25,036

金融費用

 

 

 

 

 

 

 

 

16,569

持分法による投資利益

 

 

 

 

 

 

 

 

7,332

税引前利益

 

 

 

 

 

 

 

 

73,741

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費

181,067

36,141

2,408

34,859

21,550

276,028

1,158

277,187

資本的支出

135,038

52,037

1,999

32,552

20,628

242,255

596

242,852

(注1) 「その他」の区分には、各報告セグメントに属さないブラジル等における自動車部品事業が含まれています。

(注2) セグメント間の内部売上収益は、市場価格、総原価を勘案し、価格交渉のうえ決定した取引価格に基づいています。

(注3) セグメント利益(△損失)は、営業利益をベースとした数値です。

(注4) 資本的支出は、有形固定資産と無形資産(のれん及び開発費を除く)の合計です。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

調整額

連結

 

日本

北米

欧州

中国

アセアン・インド

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上収益

2,450,841

982,393

364,773

612,373

456,587

4,866,969

42,587

4,909,557

セグメント間の

内部売上収益

744,423

18,141

11,082

22,943

43,524

840,115

43

840,158

 計

3,195,265

1,000,535

375,855

635,316

500,111

5,707,084

42,631

840,158

4,909,557

セグメント利益(△損失)

62,609

25,154

7,748

36,470

56,164

137,837

4,702

855

143,396

金融収益

 

 

 

 

 

 

 

 

25,445

金融費用

 

 

 

 

 

 

 

 

10,538

持分法による投資利益(△損失)

 

 

 

 

 

 

 

 

8,425

税引前利益

 

 

 

 

 

 

 

 

149,877

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 減価償却費及び償却費

173,525

38,321

2,707

36,783

21,728

273,066

1,234

274,300

 資本的支出

135,656

53,375

4,930

15,273

28,645

237,881

362

238,243

(注1) 「その他」の区分には、各報告セグメントに属さないブラジル等における自動車部品事業が含まれています。

(注2) セグメント間の内部売上収益は、市場価格、総原価を勘案し、価格交渉のうえ決定した取引価格に基づいています。

(注3) セグメント利益(△損失)は、営業利益をベースとした数値です。

(注4) 資本的支出は、有形固定資産と無形資産(のれん及び開発費を除く)の合計です。

 

(4)製品及びサービスに関する情報

 当社グループは、自動車部品の外部顧客への売上収益が連結損益計算書の売上収益の大部分を占めているため、記載を省略しています。

 

(5)地域に関する情報

① 外部顧客に対する売上収益

 

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

日本

1,911,366

2,156,138

米国

649,827

777,493

中国

642,241

675,736

その他

1,199,388

1,300,189

合計

4,402,823

4,909,557

(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎としています。

 

② 非流動資産

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

日本

952,049

930,244

米国

198,507

230,240

中国

250,803

241,830

その他

171,806

205,029

合計

1,573,167

1,607,345

(注) 非流動資産は資産の所在地を基礎とし、金融資産、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を含んでいません。

 

(6)主要な顧客に関する情報

 当社グループの主要な顧客はトヨタ自動車㈱及びそのグループ会社であり、すべての報告セグメントにおいて売上収益を計上しています。

 

 

(単位:百万円)

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

2,375,651

2,755,063

 

5.現金及び現金同等物

 現金及び現金同等物の内訳は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

現金及び預金

314,120

524,442

短期投資

3,572

2,748

合計

317,693

527,191

 

6.営業債権及びその他の債権

 営業債権及びその他の債権の内訳は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

売掛金

624,357

608,816

受取手形及び電子記録債権

78,337

67,887

その他

38,978

28,490

貸倒引当金

△1,231

△1,487

合計

740,442

703,708

(注) 営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しています。

 

7.棚卸資産

 棚卸資産の内訳は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

商品及び製品

205,784

212,247

仕掛品

148,580

151,201

原材料及び貯蔵品

179,817

173,151

合計

534,181

536,600

(注) 前連結会計年度及び当連結会計年度において「売上原価」として費用認識した棚卸資産の評価損は、それぞれ4,731百万円及び7,986百万円です。

 

8.売却目的で保有する資産

 当連結会計年度末における売却目的で保有する資産及び資産に直接関連する負債は、シャワートイレ事業に関して売却する意思決定を行った、当社のシャワートイレ事業に関連する資産及び負債、並びに中国の生産子会社である浙江愛信慧国機電有限公司及び杭州愛信驪住機電有限公司が保有する資産及び負債です。

 なお、前連結会計年度末において売却目的で保有する資産及び資産に直接関連する負債に区分していたアイシンシロキ株式会社の名古屋工場に関連する資産及び負債については、2023年4月1日付で譲渡が完了しています。また、PT. SHIROKI INDONESIA及びSHIROKI AUTOMOTIVE INDIA PVT. LTD.の株式譲渡は、それぞれ2023年11月1日及び2024年3月15日付で完了しています。

 売却目的で保有する資産及び資産に直接関連する負債の内訳は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

売却目的で保有する資産

 

 

現金及び現金同等物

1,532

129

営業債権及びその他の債権

1,935

128

その他の金融資産

1,468

棚卸資産

1,337

1,809

その他の流動資産

261

19

有形固定資産

8,264

1,252

無形資産

341

1

使用権資産

25

37

繰延税金資産

59

227

その他の非流動資産

439

2

合計

15,665

3,608

売却目的で保有する資産に直接関連する負債

 

 

営業債務及びその他の債務

759

312

未払法人所得税等

18

その他の流動負債

59

その他の金融負債

25

退職給付に係る負債

580

繰延税金負債

51

合計

1,494

312

 

9.有形固定資産

(1)有形固定資産の増減明細

 有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は以下のとおりです。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

取得原価

建物及び

構築物

機械装置

及び運搬具

工具、器具

及び備品

土地

建設仮勘定

合計

2022年4月1日残高

1,034,276

2,709,398

386,437

168,959

134,237

4,433,309

取得

5,791

25,100

8,107

15

182,479

221,494

建設仮勘定からの振替

16,208

134,651

30,431

388

△181,680

処分

△2,773

△88,467

△26,387

△196

△2,182

△120,008

外貨換算差額

15,783

52,105

5,828

1,629

4,350

79,698

売却目的で保有する資産への振替

△5,034

△18,935

△6,956

△921

△157

△32,004

その他

△76

580

△163

△24

516

832

2023年3月31日残高

1,064,176

2,814,434

397,296

169,849

137,563

4,583,320

取得

6,720

23,397

7,098

7

192,809

230,033

建設仮勘定からの振替

16,332

143,011

31,219

766

△191,329

処分

△9,539

△96,790

△28,496

△428

△2,802

△138,057

外貨換算差額

31,716

97,148

13,463

2,663

12,461

157,453

売却目的で保有する資産への振替

△509

△3,969

△2,047

△19

△6,546

その他

△16

3,800

△1,510

284

△1,088

1,469

2024年3月31日残高

1,108,879

2,981,034

417,023

173,143

147,592

4,827,672

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

減価償却累計額及び

減損損失累計額

建物及び

構築物

機械装置

及び運搬具

工具、器具

及び備品

土地

建設仮勘定

合計

2022年4月1日残高

△619,054

△2,012,593

△325,576

△3,976

△3,501

△2,964,701

減価償却費

△35,111

△177,265

△34,883

△247,260

減損損失

△125

△11,092

△1,509

△7,228

△19,955

処分

2,488

83,912

25,842

517

112,760

外貨換算差額

△7,454

△36,900

△4,720

△34

100

△49,008

売却目的で保有する資産への振替

3,763

13,377

6,599

23,740

その他

1,430

△213

115

51

1,384

2023年3月31日残高

654,062

2,140,773

334,132

4,010

10,060

3,143,039

減価償却費

△35,887

△171,491

△36,117

△243,496

減損損失

△1,499

△9,169

△245

△65

7,551

△3,428

処分

8,303

91,803

27,671

145

127,924

外貨換算差額

△15,380

△71,507

△10,660

△55

△435

△98,039

売却目的で保有する資産への振替

404

3,048

1,841

5,293

その他

△844

△2,690

1,872

△362

△2,023

2024年3月31日残高

698,966

2,300,779

349,770

4,130

3,162

3,356,810

(注) 有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「その他の費用」に含めています。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

帳簿価額

建物及び

構築物

機械装置

及び運搬具

工具、器具

及び備品

土地

建設仮勘定

合計

2022年4月1日残高

415,222

696,805

60,860

164,983

130,736

1,468,607

2023年3月31日残高

410,113

673,660

63,164

165,839

127,502

1,440,280

2024年3月31日残高

409,912

680,254

67,252

169,012

144,430

1,470,862

 

(2)減損損失

 当社グループは、有形固定資産の資金生成単位について、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小単位として事業グループ単位を基礎としてグルーピングを行い、報告期間の末日ごとに減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が存在する場合は、当該資金生成単位の回収可能価額を見積っています。回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としています。なお、使用価値の算定において、見積キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資金生成単位の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割引いています。
 また、減損損失は、連結損益計算書の「その他の費用」に含めています。

 

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 当社グループが北米及び中国等で保有する有形固定資産の一部について、事業環境の変化等により減損の兆候が認められ、減損損失として19,955百万円を計上しました。将来の電動化に向けた事業転換のための既存事業資産の圧縮、今後の業績の見通し及び回収可能性を考慮した結果、北米で10,762百万円、中国で8,652百万円の減損損失を認識しています。なお、回収可能価額は主として使用価値を基礎としており、割引率10.0%~11.7%を用いて将来キャッシュ・フローを割引くことにより算定しています。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 減損損失として計上した金額に、重要性はありません。

 

10.無形資産

(1)無形資産の増減明細

 無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は以下のとおりです。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

取得原価

のれん

ソフトウェア

開発費

無形資産

仮勘定

その他

合計

2022年4月1日残高

1,314

54,651

33,272

3,358

3,302

95,899

取得

5

3,413

5,193

5,539

12,405

26,558

無形資産仮勘定からの

振替

5,631

△5,637

6

処分

△104

△8,689

△2,437

△19

△37

△11,290

外貨換算差額

8

1,134

△1

△12

1,128

売却目的で保有する資産

への振替

△249

△385

△635

その他

156

△98

51

△97

11

2023年3月31日残高

1,379

55,793

36,028

3,290

15,180

111,672

取得

3,186

7,937

4,768

423

16,316

無形資産仮勘定からの

振替

4,588

△4,705

116

処分

△5

△4,186

△2,972

△0

△32

△7,197

外貨換算差額

50

883

34

857

1,824

売却目的で保有する資産

への振替

△3

△3

その他

8

△1

1

△144

15

△121

2024年3月31日残高

1,432

60,259

40,995

3,243

16,561

122,490

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

償却累計額及び

減損損失累計額

のれん

ソフトウェア

開発費

無形資産

仮勘定

その他

合計

2022年4月1日残高

△38,165

△10,630

△1,356

△50,153

償却費

△6,915

△6,900

△2,513

△16,329

減損損失

△25

△25

処分

8,636

2,437

30

11,105

外貨換算差額

△650

20

△629

売却目的で保有する資産

への振替

53

240

294

その他

50

97

148

2023年3月31日残高

37,016

15,094

3,480

55,590

償却費

△7,514

△5,602

△3,218

△16,335

減損損失

△7

△655

△663

処分

4,147

2,972

11

7,131

外貨換算差額

△995

△204

△1,199

売却目的で保有する資産

への振替

2

2

その他

2

△1

45

46

2024年3月31日残高

41,381

17,725

7,501

66,608

(注) 無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めています。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

帳簿価額

のれん

ソフトウェア

開発費

無形資産

仮勘定

その他

合計

2022年4月1日残高

1,314

16,486

22,641

3,358

1,945

45,745

2023年3月31日残高

1,379

18,776

20,934

3,290

11,700

56,081

2024年3月31日残高

1,432

18,878

23,269

3,243

9,059

55,882

 

(2)減損損失

 当社グループは、ソフトウェア及び特許権等について、個別資産をグルーピングの最小単位としています。

 また、減損損失は、連結損益計算書の「その他の費用」に含めています。

 

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 減損損失として計上した金額に、重要性はありません。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 減損損失として計上した金額に、重要性はありません。

 

11.持分法で会計処理されている投資

 個々に重要性のない関連会社に対する投資の帳簿価額は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

帳簿価額合計

138,105

131,914

 

 個々に重要性のない関連会社の当期包括利益の持分取込額は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

当期利益に対する持分取込額

7,332

△8,425

その他の包括利益に対する持分取込額

2,337

3,956

合計

9,670

△4,469

 

 当連結会計年度において、持分法適用関連会社である株式会社エクセディに対する投資について、減損の兆候を識別したため、株式会社エクセディにおける最新の将来事業計画等に基づき回収可能価額を測定した結果、8,873百万円の減損損失を「持分法による投資損失」として計上しています。当該資産の回収可能価額は使用価値により測定しており、将来キャッシュ・フローを割引率8.0%で割り引いて算定しています。

 

12.その他の金融資産

(1)その他の金融資産の内訳

 その他の金融資産の内訳は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

株式(注1)

560,889

863,755

債券等(注1)

33,555

35,206

定期預金

(預入期間が3ヶ月超)(注2)

3,839

1,903

リース債権(注2)

10,912

15,534

その他

22,548

12,980

貸倒引当金

△3,845

△4,326

合計

627,899

925,052

(注1) 株式及び債券等は、主にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。なお、債券等には一部純損益を通じて公正価値で測定する金融資産が含まれています。

(注2) 定期預金(預入期間が3ヶ月超)及びリース債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しています。

 

(2)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

 その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産のうち、主な株式の銘柄及び公正価値は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

トヨタ自動車㈱

331,704

669,055

㈱豊田自動織機

48,351

102,951

トヨタ不動産㈱

54,102

61,929

スズキ㈱

6,760

9,786

㈱ジェイテクト

2,942

4,114

㈱デンソー

93,364

(注) 株式は主に取引先との協力関係維持を目的に保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。

 

(3)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の認識の中止

 当社グループは政策保有株式の保有方針に従い、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の売却(認識の中止)を行っています。

 株式の売却時の公正価値及びその他の包括利益として認識していた累積損益は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

公正価値

549

111,044

累積損益(税引前)

344

81,057

受取配当金

7

2,760

(注) その他の包括利益として認識していた累積損益は、売却時に利益剰余金に振替えています。利益剰余金への振替額は税引後です。

 

13.営業債務及びその他の債務

 営業債務及びその他の債務の内訳は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

買掛金

380,557

371,240

支払手形及び電子記録債務

76,287

86,820

未払費用

325,777

394,849

その他

57,639

56,065

合計

840,261

908,975

(注1) 営業債務及びその他の債務は、未払費用に含まれる一部の項目を除いて、償却原価で測定する金融負債に分類しています。

(注2) 前連結会計年度及び当連結会計年度の未払費用のうち、リコール等の市場処置に係る未払費用は、それぞれ43,904百万円及び104,390百万円です。

 

14.社債及び借入金

 社債及び借入金の内訳は以下のとおりです。

 

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

(百万円)

平均利率

(%)

(注)

返済期限

短期借入金

73,296

36,668

5.956

1年内返済予定の長期借入金

71,584

53,559

0.606

1年内償還予定の社債

15,000

10,000

0.562

社債

260,000

250,000

0.417

2026年9月~

2080年2月

長期借入金

428,815

376,067

0.495

2025年4月~

2080年3月

合計

848,695

726,295

(注) 平均利率は当連結会計年度末の残高に対する加重平均利率です。

 

 社債の内訳は以下のとおりです。

会社名

銘柄

発行

年月日

前連結会計年度

(2023年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

(百万円)

利率

(%)

償還期限

当社

第13回無担保普通社債

2013年

9月20日

10,000

  0.827

2023年

9月20日

当社

第15回無担保普通社債

2015年

2月26日

10,000

10,000

  0.562

2025年

2月26日

当社

第16回無担保普通社債

2016年

9月26日

20,000

20,000

  0.160

2026年

9月25日

当社

第17回無担保普通社債

2016年

9月26日

10,000

10,000

  0.706

2036年

9月26日

当社

第18回無担保普通社債

2017年

9月6日

10,000

10,000

  0.280

2027年

9月6日

当社

第19回無担保普通社債

2017年

9月6日

10,000

10,000

  0.747

2037年

9月4日

当社

第1回無担保社債(私募債)

2018年

10月2日

5,000

  0.100

2023年

10月2日

当社

第1回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)

2020年

2月28日

130,000

130,000

  0.400

2080年

2月28日

(注2)

  (注1)

当社

第2回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)

2020年

2月28日

19,000

19,000

  0.410

2080年

2月28日

(注4)

  (注3)

当社

第3回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)

2020年

2月28日

51,000

51,000

  0.470

2080年

2月28日

(注6)

  (注5)

合計

275,000

260,000

(注1) 2020年2月28日の翌日から2025年2月28日までは固定利率、2025年2月28日の翌日以降は変動利率です。

(2030年2月28日の翌日及び2045年2月28日の翌日に金利のステップアップが発生)

(注2) 2025年2月28日及び2025年2月28日以降の各利払日に当社の裁量で期限前償還が可能な特約条項が付されています。

(注3) 2020年2月28日の翌日から2027年2月28日までは固定利率、2027年2月28日の翌日以降は変動利率です。

(2030年2月28日の翌日及び2047年2月28日の翌日に金利のステップアップが発生)

(注4) 2027年2月28日及び2027年2月28日以降の各利払日に当社の裁量で期限前償還が可能な特約条項が付されています。

(注5) 2020年2月28日の翌日から2030年2月28日までは固定利率、2030年2月28日の翌日以降は変動利率です。

(2030年2月28日の翌日及び2050年2月28日の翌日に金利のステップアップが発生)

(注6) 2030年2月28日及び2030年2月28日以降の各利払日に当社の裁量で期限前償還が可能な特約条項が付されています。

 

15.その他の金融負債

 その他の金融負債の内訳は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

デリバティブ負債(注)

22,710

36,037

その他

787

447

合計

23,498

36,484

(注) デリバティブ負債は、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しています。

 

16.財務活動から生じた負債の変動

財務活動から生じた負債の変動は以下のとおりです。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

短期借入金

長期借入金(注1)

社債

(注1)

リース負債

デリバティブ(注2)

合計

2022年4月1日残高

47,052

560,617

275,000

61,639

△2,299

942,010

財務キャッシュ・フローによる変動

22,674

△64,694

△25,507

△67,527

非資金変動

 

 

 

 

 

 

外国為替レートの変動

3,569

4,475

19

8,065

新規リース等

24,955

24,955

公正価値の変動

△2,175

△2,175

その他

663

663

2023年3月31日残高

73,296

500,399

275,000

61,771

△4,475

905,991

財務キャッシュ・フローによる変動

△41,939

△74,929

△15,000

△25,949

△157,818

非資金変動

 

 

 

 

 

 

外国為替レートの変動

5,311

4,156

1,469

10,938

新規リース等

30,544

30,544

公正価値の変動

4,768

4,768

その他

531

531

2024年3月31日残高

36,668

429,627

260,000

68,367

293

794,955

(注1) 長期借入金及び社債は、1年内返済又は償還予定の残高を含んでいます。

(注2) デリバティブは、外貨建て借入金の為替変動リスクをヘッジする目的で保有しているものです。

 

17.引当金

 引当金の増減は以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

製品保証引当金

その他

合計

2022年4月1日残高

31,730

3,382

35,113

期中増加額

8,635

3,821

12,457

期中減少額(目的使用)

△430

△297

△727

期中減少額(戻入)

△2,761

△3,760

△6,521

その他

202

85

288

2023年3月31日残高

37,377

3,232

40,609

期中増加額

12,672

811

13,483

期中減少額(目的使用)

△6,748

△675

△7,423

期中減少額(戻入)

△832

△114

△947

その他

602

105

708

2024年3月31日残高

43,070

3,359

46,430

 

18.従業員給付

(1)退職後給付

① 採用している退職給付制度の概要

 当社、国内子会社及び一部の海外子会社は、確定給付型の制度として退職一時金制度(非積立型)、基金型企業年金制度(積立型)、規約型企業年金制度(積立型)、厚生年金基金制度、確定拠出型の制度として確定拠出年金制度、中小企業退職金共済制度を設けています。これらの制度における給付額は、基本的に勤続年数、従業員の給与水準及びその他の条件に基づき設定されています。

 積立型の確定給付型制度は、法令に従い、当社グループとは切り離された年金基金等により運営されています。年金基金の理事会及び年金運用受託機関は、制度加入者の利益を最優先して行動することが法令によって定められており、所定の方針に基づき制度資産の運用を行う責任を負っています。

 当社グループの国内の会社の大部分は、確定給付企業年金法に基づく企業年金基金制度に加入しています。年金基金への拠出は、関係法令の規定に基づき、年金数理人が算出しています。この拠出は、過去期間の給付に加えて、将来期間分の給付を賄うように行われます。

 

② 確定給付型制度

(ⅰ)確定給付制度債務及び制度資産の調整表

 確定給付制度債務及び制度資産と連結財政状態計算書に計上された確定給付負債及び資産の純額との関係は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

積立型の確定給付制度債務の現在価値

△267,099

△257,590

制度資産の公正価値

299,805

324,910

 小計

32,706

67,320

非積立型の確定給付制度債務の現在価値

△207,950

△207,862

資産上限額の影響

△26,845

確定給付制度債務及び制度資産の純額

△175,243

△167,387

連結財政状態計算書上の金額

 

 

退職給付に係る負債

△206,115

△205,801

退職給付に係る資産

30,872

38,414

連結財政状態計算書に計上された確定給付制度債務及び制度資産の純額

△175,243

△167,387

(注) 退職給付に係る資産は、連結財政状態計算書の「その他の非流動資産」に含めています。

 

(ⅱ)確定給付制度債務の現在価値の増減

 確定給付制度債務の現在価値の増減は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

確定給付制度債務の現在価値の期首残高

△505,830

△475,049

勤務費用

△32,043

△28,599

利息費用

△4,475

△6,764

再測定(人口統計上の仮定の変更により生じた数理計算上の差異)

1,472

468

再測定(財務上の仮定の変化により生じた数理計算上の差異)

47,829

22,119

再測定(実績修正)

△2,772

282

給付支払額

20,996

21,112

その他

△225

978

確定給付制度債務の現在価値の期末残高

△475,049

△465,452

 

(ⅲ)制度資産の公正価値の増減

 制度資産の公正価値の増減は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

制度資産の公正価値の期首残高

301,623

299,805

利息収益

2,451

4,067

再測定(制度資産に係る収益)

△7,255

19,036

事業主からの拠出

11,894

12,709

給付支払額

△8,388

△9,136

その他

△520

△1,571

制度資産の公正価値の期末残高

299,805

324,910

(注) 2024年4月1日から2025年3月31日までの1年間の事業主からの制度資産への予定拠出額は12,677百万円です。

 

(ⅳ)制度資産の主な内訳

 制度資産の運用は、将来にわたる給付を確保できるよう許容できるリスクのもとで、中長期的に安定した運用成果を上げることを目的とした基本資産配分に基づいて行われます。具体的には、安全性の高い確定利付債券に投資することで確定給付債務と制度資産のマッチングをはかりつつ、収益源泉の分散とリスク配分を考慮し、運用結果の変動の抑制と下落幅の軽減を目指しています。基本資産配分は、設定当初前提からの市場の変動、負債特性、積立状況の変化を勘案しながら、定期的に見直しを行っています。

 制度資産の主な種類毎の内訳は以下のとおりです。

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

資産分類

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

活発な市場での市場価格があるもの

活発な市場での市場価格がないもの

合計

活発な市場での市場価格があるもの

活発な市場での市場価格がないもの

合計

国内債券

2

22,609

22,612

0

17,212

17,213

海外債券

3,433

100,455

103,888

306

101,286

101,593

国内株式

19,489

3,690

23,179

28,225

6,060

34,285

海外株式

19,445

35,885

55,330

24,350

53,772

78,123

保険資産の一般勘定

47,549

47,549

47,873

47,873

その他(注)

48

47,195

47,244

67

45,753

45,821

合計

42,420

257,385

299,805

52,950

271,959

324,910

(注) その他には、主として短期金融資産を投資対象とした合同運用ファンド及びオルタナティブ投資が含まれています。

 

(ⅴ)数理計算上の仮定

 重要な数理計算上の仮定は以下のとおりです。

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

割引率

1.5%

1.8%

 

(ⅵ)感応度分析

 期末日時点で割引率が変動した場合、確定給付制度債務への影響額は以下のとおりです。本分析は、他のすべての変数が一定であると仮定しています。実際には、ここに示したようなことが単独で発生する可能性は低く、複数の仮定の変化が相互に関連して生じる可能性もあります。

 

 

確定給付制度債務への影響額

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

割引率が0.5%増加

31,879百万円の減少

30,181百万円の減少

割引率が0.5%減少

36,405百万円の増加

34,324百万円の増加

 

(ⅶ)確定給付制度債務の満期分析に関する情報

 確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、前連結会計年度が19.1年、当連結会計年度が18.9年です。

 

③ 確定拠出型制度

 確定拠出型制度に関して費用として認識した金額は、前連結会計年度が5,974百万円、当連結会計年度が6,131百万円です。

 

(2)従業員給付費用

 連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれる従業員給付費用の合計金額は、前連結会計年度が942,350百万円、当連結会計年度が997,858百万円です。

 なお、上記には厚生年金保険料の事業主負担分が含まれます。

 

19.法人所得税

(1)繰延税金資産及び繰延税金負債

 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

繰延税金資産

 

 

未払費用

59,639

70,270

退職給付に係る負債

54,134

52,040

有形固定資産及び無形資産

11,667

10,753

製品保証引当金

10,566

11,989

棚卸資産

21,033

23,802

繰越欠損金

24,019

19,676

リース負債

14,553

15,079

その他

43,706

50,132

 合計

239,321

253,743

繰延税金負債

 

 

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する

金融資産の純変動

△129,003

△229,492

有形固定資産及び無形資産

△40,207

△23,020

子会社及び関連会社の留保利益

△14,457

△16,974

使用権資産

△14,495

△14,930

その他

△10,364

△29,652

 合計

△208,528

△314,069

 (注) 連結財政状態計算書上、繰延税金資産及び負債は、相殺後の金額を計上しています。

 

 繰延税金資産及び繰延税金負債の純額の増減は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

期首残高

4,538

30,791

純損益を通じて認識

19,192

14,280

その他の包括利益を通じて認識

11,395

△107,519

その他

△4,335

2,121

期末残高

30,791

△60,325

 

 繰延税金資産を認識していない繰越欠損金及び将来減算一時差異並びに繰越税額控除は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

繰越欠損金

142,116

142,100

将来減算一時差異

47,125

69,164

繰越税額控除

2,530

2,414

合計

191,772

213,679

 

 繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の失効期限別の内訳は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

1年目

6,443

3,984

2年目

8,432

10,248

3年目

17,063

4,223

4年目

9,088

6,586

5年目以降

101,087

117,058

合計

142,116

142,100

 

 繰延税金負債として認識していない子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ707,650百万円及び817,242百万円です。これらは、当社グループが一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高いことから、当該一時差異に係る繰延税金負債を認識していません。

 

 その他の流動資産には、未収法人税等が、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ21,812百万円及び11,174百万円含まれています。

 

(2)法人所得税費用

 当期法人所得税費用及び繰延法人所得税費用の内訳は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

当期法人所得税費用

 

 

当年度

45,025

51,348

 合計

45,025

51,348

繰延法人所得税費用

 

 

一時差異等の発生及び解消

△26,596

△18,882

未認識の繰延税金資産の変動

7,403

4,602

 合計

△19,192

△14,280

 法人所得税費用合計

25,832

37,068

 

 法定実効税率と実際負担税率との調整は以下のとおりです。

 

 

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

法定実効税率

30.88%

30.88%

試験研究費の税額控除

△3.49

△10.06

未認識の繰延税金資産の変動

13.82

6.53

子会社との税率差異

△7.76

△6.58

子会社及び関連会社の留保利益

△2.90

1.79

子会社からの配当に係る源泉税

3.41

1.90

その他

1.07

0.26

実際負担税率

35.03

24.73

 

 当社は主に、法人税、住民税及び損金算入される事業税を課されており、これらを基礎として計算した前連結会計年度及び当連結会計年度における法定実効税率は、いずれも30.88%です。なお、在外営業活動体については、その所在地における法人税等が課されています。

 

 当社グループは、第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税制により生じる法人所得税に対するエクスポージャーの評価を実施しています。第2の柱モデルルールの法人所得税に対するエクスポージャーに重要性はありません。

 

20.資本

(1)資本金及び自己株式

 前連結会計年度末及び当連結会計年度末における授権株式数は700,000,000株です。

 全額払込済みの発行済株式数及び自己株式数の増減は以下のとおりです。なお、当社の発行する株式は、すべて権利内容に制限のない無額面の普通株式です。

 

 

(単位:株)

 

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

発行済株式数

 

 

期首残高

294,674,634

294,674,634

増減

期末残高

294,674,634

294,674,634

自己株式数

 

 

期首残高

25,160,248

25,151,250

増減

△8,998

△10,662

期末残高

25,151,250

25,140,588

(注) 自己株式数の増減は、譲渡制限付株式報酬制度による処分及び単元未満株式の買取又は売渡請求によるものです。

 

(2)資本剰余金

 資本剰余金の主な内容は当社の資本準備金です。

 日本における会社法(以下、「会社法」という。)では、株式の発行に対しての払込み又は給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本準備金に組み入れることが規定されています。また、会社法では、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。

 

(3)利益剰余金

 会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金又は利益準備金として積み立てることと規定されています。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができると規定されています。

 

21.配当

(1)配当金支払額

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

決議

株式の種類

配当金の総額

(百万円)

1株当たり

配当額(円)

基準日

効力発生日

2022年4月28日

取締役会

普通株式

26,951

100

2022年3月31日

2022年5月30日

2022年10月28日

取締役会

普通株式

18,866

70

2022年9月30日

2022年11月25日

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

決議

株式の種類

配当金の総額

(百万円)

1株当たり

配当額(円)

基準日

効力発生日

2023年4月27日

取締役会

普通株式

26,952

100

2023年3月31日

2023年5月29日

2023年10月31日

取締役会

普通株式

21,562

80

2023年9月30日

2023年11月27日

 

(2)基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの

決議

株式の種類

配当の原資

配当金の総額

(百万円)

1株当たり

配当額(円)

基準日

効力発生日

2024年4月26日

取締役会

普通株式

利益剰余金

24,258

90

2024年3月31日

2024年5月29日

 

22.株式報酬

(1)制度内容

当社は、株主とのさらなる価値共有を進め、企業価値の持続的な向上をはかるためのインセンティブを目的として、譲渡制限付株式報酬制度を導入しています。本制度は、当社の取締役(社外取締役を除く。以下、「対象取締役」という。)、取締役を兼務しない執行役員(CxO職就任者に限る。以下、「対象執行役員」といい、対象取締役と併せて「対象取締役等」と総称します。)に対して譲渡制限付株式の付与のために金銭報酬債権を報酬として支給し、当該金銭報酬債権の全部を現物出資として払込み、当社の普通株式について発行又は処分をうけるものです。当社は、対象取締役等との間で、譲渡制限付株式割当契約(以下、「本割当契約」という。)を締結し、対象取締役等は本割当契約により割当てを受けた日より30年の期間(以下、「譲渡制限期間」という。)、本割当契約により割当てを受けた当社の普通株式について、譲渡、担保権の設定その他の処分ができません。(以下、「譲渡制限」という。)譲渡制限は、対象取締役が譲渡制限期間中、継続して当社の取締役の地位にあったこと、あるいは対象執行役員が譲渡制限期間中、継続して当社の取締役、取締役を兼務しない執行役員(CxO職就任者に限る。)のいずれかの地位にあったことを条件として、本割当株式の全部について、譲渡制限期間の満了をもって解除されます。また、譲渡制限期間中に、法令違反その他当社取締役会が定める事由に該当する場合、割当株式をすべて当社が無償取得する仕組みとしています。

 

(2)期中に付与された株式数と公正価値

 

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

付与日

2022年6月20日

2023年6月19日

付与数(株)

10,273

11,870

付与日の公正価値(円)

3,875

4,000

(注1) 付与日の公正価値は、当社株式の市場価格に基づき算定しています。

(注2) 2024年3月27日開催の当社取締役会において、対象執行役員に対し本制度の導入を決議しておりますが、当連結会計年度における対象執行役員への譲渡制限付株式の付与はありません。

 

(3)株式報酬に係る費用

 株式報酬に係る費用は、前連結会計年度が47百万円、当連結会計年度が77百万円であり、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれています。

 

23.金融商品

(1)資本管理

 当社グループの資本管理については、「財務の安全性」と「資本の効率性」のバランスをとりながら、企業価値の向上を目指すことを基本方針とし、主な資本管理指標としてキャピタリゼーション比率(注)を用いています。

 「財務の安全性」については、格付機関による評価をひとつの目安とし、長期借入債務に対しての高い信用格付けを維持することにより、低コストでの外部資金調達が可能になるよう努めています。

 一方、「資本の効率性」については、上記格付けが維持できる範囲で、負債による資金調達を優先し、資本の規模を抑制することで、全体の資本コストの低減をはかっています。

 なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制はありません。

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

キャピタリゼーション比率(注)

26.7%

20.6%

 

(注)キャピタリゼーション比率は有利子負債/(有利子負債+資本)の算式となり、劣後特約付社債及び劣後特約付借入について、格付会社から資本性を認められた有利子負債は資本とみなして算出しています。

 

(2)財務リスクの管理

 当社グループは事業活動を行ううえで、様々な財務リスクにさらされており、当該リスクを回避又は低減するため、一定の方針に基づくリスク管理を行っています。デリバティブ取引は、これらのリスクを回避するために利用しており、投機的な取引は行わない方針です。

 

① 信用リスク

 営業債権である売掛金、受取手形及び電子記録債権は取引先の信用リスクにさらされています。

 当社グループは、社内業務規程である売掛金管理要領に従い、営業債権については経理部門及び各営業部門において取引先ごとに期日及び残高を管理するとともに、主要取引先の信用状況をモニタリングし、財務状況等の悪化による回収懸念の早期把握や軽減をはかっています。

 営業債権は、主にトヨタ自動車㈱及びそのグループ会社に対するものであり、その信用力は高く信用リスクは限定的です。

 保有する債券等については、社内業務規程である資金運用要領に従い、信用格付の高いもののみに限定しています。

 デリバティブ取引の利用にあたっては、取引金融機関の信用リスクを軽減するため、格付けの高い金融機関とのみ取引を行っています。

 金融資産の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、連結財務諸表に表示されている減損後の帳簿価額になります。

 

(ⅰ)貸倒引当金の増減

 貸倒引当金の増減は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

期首残高

5,348

5,077

期中増加額

3,083

2,818

期中減少額(目的使用)

△181

△206

期中減少額(戻入)

△3,212

△1,939

その他

38

63

期末残高

5,077

5,814

 

(ⅱ)信用リスク・エクスポージャー

 営業債権及びその他の債権に係る信用リスク・エクスポージャーは以下のとおりです。

 

前連結会計年度(2023年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

期日経過期間

貸倒引当金を12ヶ月の予想信用損失と同額で測定している金融資産

貸倒引当金を全期間の予想信用損失と

同額で測定している金融資産

合計

信用リスクが当初認識以降に著しく増大した金融資産

常に全期間の予想信用損失と同額で測定している金融資産

期日経過前

38,537

665,014

703,552

90日以内

279

33,562

33,841

90日超1年以内

80

2,215

2,296

1年超

16

735

751

合計

38,897

16

701,528

740,442

 

当連結会計年度(2024年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

期日経過期間

貸倒引当金を12ヶ月の予想信用損失と同額で測定している金融資産

貸倒引当金を全期間の予想信用損失と

同額で測定している金融資産

合計

信用リスクが当初認識以降に著しく増大した金融資産

常に全期間の予想信用損失と同額で測定している金融資産

期日経過前

27,104

651,120

678,225

90日以内

1,121

13,896

15,017

90日超1年以内

176

7,545

7,721

1年超

27

2,715

2,742

合計

28,402

27

675,277

703,708

 

② 市場リスク

(ⅰ)為替リスク

 外貨建金銭債権債務は、為替変動リスクにさらされています。

 当社グループは、通貨別に把握された為替変動のリスクを軽減するため、デリバティブ取扱要領に従い、為替予約、通貨スワップ、通貨オプションを利用してヘッジをしています。当該デリバティブの詳細は以下のとおりです。

 

 ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

 

契約額等

公正価値

契約額等

公正価値

 

うち1年超

 

 

うち1年超

 

為替予約取引

 

 

 

 

 

 

売建

74,373

△185

85,817

△2,901

買建

21

0

82

通貨スワップ

 

 

 

 

 

 

受取日本円・

 支払外貨

208,772

196,692

△19,154

228,243

202,154

△32,765

受取外貨・

 支払日本円

39,058

4,475

15,141

△293

その他

32,115

154

983

 

 ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

 

契約額等

公正価値

契約額等

公正価値

 

 

うち1年超

 

 

うち1年超

 

為替予約取引

 

 

 

 

 

 

買建

290

△4

779

△12

(注) 上記デリバティブ取引は、キャッシュ・フロー・ヘッジを適用しています。

 

 為替感応度分析

 当社グループが各連結会計年度末において保有する外貨建金融商品について、日本円が米ドル、ユーロ、タイバーツ、人民元に対して、1%円高となった場合に、連結損益計算書の税引後利益に与える影響は以下のとおりです。

 なお、本分析はその他の変動要因は一定であることを前提としています。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

米ドル

△406

△666

ユーロ

△407

△195

タイバーツ

△75

△95

人民元

△294

△297

 

(ⅱ)金利リスク

 変動金利の借入金は、金利変動リスクにさらされています。

 当社グループは、当該金利変動リスクを軽減するために、原則として借入金に係る支払金利の変動リスクに対して、金利スワップを利用してヘッジしています。

 また、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件は一致しており、ヘッジ対象の数量とヘッジ手段の数量が原則として1対1の関係になるよう設定しています。

 なお、支払金利の変動が当社グループの損益に与える影響は軽微です。

 当該デリバティブの詳細は以下のとおりです。

 

 ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引

  該当事項はありません。

 

 ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

 

契約額等

公正価値

契約額等

公正価値

 

 

うち1年超

 

 

うち1年超

 

金利スワップ

 

 

 

 

 

 

受取変動・

 支払固定

25,300

15,300

△162

15,300

6,500

△42

(注) 上記デリバティブ取引は、キャッシュ・フロー・ヘッジを適用しています。

 

(ⅲ)資本性金融商品の価格変動リスク

 当社グループは、事業上の関係等を有する企業の上場株式を保有しており、資本性金融商品の価格変動リスクにさらされています。当社グループは、上場株式の公正価値の変動状況を継続的にモニタリングしています。

 

 資本性金融商品の感応度分析

 当社グループが各連結会計年度末において保有する資本性金融商品について、上場株式の株価が10%下落した場合に連結包括利益計算書のその他の包括利益(税効果考慮後)に与える影響は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

その他の包括利益

△34,388

△54,756

 

③ 流動性リスク

 当社グループは、借入金及び社債により資金調達をしていますが、資金調達環境の悪化等により支払期日にその支払いができなくなるリスクにさらされています。

 当社グループは定期的に資金計画を作成・更新するとともに、手元資金とコミットメントライン契約等により、適切な手元流動性を確保することで流動性リスクを管理しています。

 金融負債の期日別残高は以下のとおりです。

 

前連結会計年度(2023年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

帳簿価額

契約上の

キャッシュ・

フロー

1年以内

1年超

5年以内

5年超

営業債務及びその他の債務(注)

789,210

789,210

789,210

社債

275,000

275,000

15,000

40,000

220,000

借入金

573,695

573,695

144,880

213,659

215,155

デリバティブ負債

22,710

22,710

2,773

17,007

2,930

リース負債

61,771

61,771

18,392

16,118

27,260

その他

787

787

786

1

合計

1,723,175

1,723,175

971,042

286,786

465,345

(注) 連結財政状態計算書に計上の営業債務及びその他の債務のうち、金融負債に該当する項目のみを含んでいます。

 

当連結会計年度(2024年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

帳簿価額

契約上の

キャッシュ・

フロー

1年以内

1年超

5年以内

5年超

営業債務及びその他の債務(注)

858,765

858,765

858,765

社債

260,000

264,234

141,049

50,804

72,379

借入金

466,295

474,144

92,250

295,335

86,557

デリバティブ負債

36,037

36,037

8,926

23,626

3,484

リース負債

68,367

74,238

21,483

31,779

20,975

その他

447

447

446

0

合計

1,689,913

1,707,867

1,122,922

401,547

183,397

(注) 連結財政状態計算書に計上の営業債務及びその他の債務のうち、金融負債に該当する項目のみを含んでいます。

 

 当社グループのコミットメントライン契約に係る借入未実行残高は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

コミットメントライン契約の総額

330,000

280,000

借入実行残高

差引額

330,000

280,000

 

(3)金融商品の公正価値

① 公正価値ヒエラルキー

 金融商品の公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりです。

レベル1:活発な市場における公表価格により測定した公正価値

レベル2:レベル1以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値

レベル3:観察不能なインプットを含む評価技法を用いて測定した公正価値

 

② 公正価値の測定方法

(ⅰ)現金及び現金同等物、定期預金(預入期間が3ヶ月超)、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務

 短期間で決済されるため、公正価値と帳簿価額が近似していることから、帳簿価額によっています。

 

(ⅱ)社債及び借入金

 社債は、市場価格のあるものは市場価格に基づき、市場価格のないものはその将来キャッシュ・フローを新規に同様の社債発行を行った場合に想定される利率で割引いた現在価値により算定しています。

 短期借入金は、短期間で返済されるため、公正価値と帳簿価額が近似していることから、当該帳簿価額によっています。

 長期借入金は、将来キャッシュ・フローを新規に同様の借入れを行った場合に想定される利率で割引いた現在価値により算定しています。

 

(ⅲ)その他の金融資産、その他の金融負債

 上場株式は、連結会計年度末の市場価格によって算定しています。

 非上場株式及び出資金は、類似会社の市場価格に基づく評価技法、純資産に基づく評価技法等適切な評価技法を用いて測定した価格により算定しています。なお、重要な観察不能なインプットである非流動性ディスカウントは30%としています。これらの公正価値の測定は社内規程等に従い投資部門より独立した管理部門が実施しており、当該測定結果について適切な権限者が承認しています。

 債券等は、取引所の価格、観察可能な市場データに基づいて取引金融機関から提供された価格、修正簿価純資産に基づき算定しています。

 為替予約、金利スワップ及び通貨スワップの公正価値は、観察可能な市場データに基づいて取引先金融機関等が算定したデータを使用しています。

 

③ 償却原価で測定する金融商品

 償却原価で測定する金融商品の帳簿価額及び公正価値は以下のとおりです。

 なお、現金及び現金同等物、定期預金(預入期間が3ヶ月超)、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務については公正価値と帳簿価額が近似しているため含んでいません。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

 

帳簿価額

公正価値

帳簿価額

公正価値

社債

275,000

269,343

260,000

254,864

借入金

573,695

567,238

466,295

460,529

(注) 償却原価で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーはレベル2です。

 

④ 公正価値で測定する金融商品

 公正価値で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーは以下のとおりです。

 

前連結会計年度(2023年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

 

レベル1

レベル2

レベル3

合計

公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

株式

497,457

63,431

560,889

出資金

4,469

4,469

債券等

27,920

5,635

33,555

デリバティブ資産

8,662

8,662

 合計

497,457

36,583

73,536

607,577

公正価値で測定する金融負債

 

 

 

 

デリバティブ負債

22,710

22,710

 合計

22,710

22,710

(注) 前連結会計年度において、レベル間の重要な振替えが行われた金融商品はありません。

 

当連結会計年度(2024年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

 

レベル1

レベル2

レベル3

合計

公正価値で測定する金融資産

 

 

 

 

株式

792,037

71,717

863,755

出資金

5,288

5,288

債券等

29,337

5,869

35,206

デリバティブ資産

22

22

 合計

792,037

29,359

82,875

904,272

公正価値で測定する金融負債

 

 

 

 

デリバティブ負債

36,037

36,037

 合計

36,037

36,037

(注) 当連結会計年度において、レベル間の重要な振替えが行われた金融商品はありません。

 

 レベル3に分類した金融商品の期首残高から期末残高への調整表は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

期首残高

71,201

73,536

取得

1,421

230

その他の包括利益(注)

1,230

8,579

処分

△73

△114

その他

△242

642

期末残高

73,536

82,875

(注) その他の包括利益は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、連結包括利益計算書上、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の純変動に含めています。

 

(4)金融資産及び金融負債の相殺

 当社グループでは、一部の金融資産及び金融負債について、認識された金額を相殺する法的強制力のある権利を有し、純額で決済するか、又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有していることから、金融資産と金融負債を相殺し連結財政状態計算書に純額で表示しています。

 

 同一の取引先に対して認識した金融資産及び金融負債のうち、連結財政状態計算書で相殺した金額及び連結財政状態計算書に計上した金額の内訳は以下のとおりです。

 

前連結会計年度(2023年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

 

金融資産の総額

連結財政状態計算書で

相殺した金融負債の総額

連結財政状態計算書に

表示した金融資産の純額

金融資産

 

 

 

営業債権及びその他の債権

54,115

△51,337

2,777

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

金融負債の総額

連結財政状態計算書で

相殺した金融資産の総額

連結財政状態計算書に

表示した金融負債の純額

金融負債

 

 

 

営業債務及びその他の債務

222,853

△51,337

171,515

 

当連結会計年度(2024年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

 

金融資産の総額

連結財政状態計算書で

相殺した金融負債の総額

連結財政状態計算書に

表示した金融資産の純額

金融資産

 

 

 

営業債権及びその他の債権

51,451

△47,792

3,659

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

金融負債の総額

連結財政状態計算書で

相殺した金融資産の総額

連結財政状態計算書に

表示した金融負債の純額

金融負債

 

 

 

営業債務及びその他の債務

196,594

△47,792

148,801

 

24.リース取引

 当社グループは借手として、主として自動車部品事業における建物及び土地並びに金型等を賃借しています。契約期間は、1年~60年です。

 また、貸手として、金型等の賃貸をしています。当該金型のリース期間は主として2年です。

 なお、変動リース料、更新又は購入選択権及びエスカレーション条項、並びにリース契約によって課された制限はありません。

 

(1)借手側

① リースに係る損益

 リースに係る損益の内訳は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

使用権資産減価償却費

 

 

建物及び構築物を原資産とするもの

8,136

8,934

機械装置及び運搬具を原資産とするもの

2,643

2,620

工具、器具及び備品を原資産とするもの

1,587

1,655

土地を原資産とするもの

1,223

1,178

その他

26

80

減価償却費計

13,617

14,469

リース負債に係る金利費用

777

644

短期リース費用

5,558

6,372

少額資産リース費用

219

1,912

サブリースによる収益

6,435

16,608

 

② 使用権資産

 使用権資産の帳簿価額の内訳は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

使用権資産の帳簿価額の内訳

 

 

建物及び構築物を原資産とするもの

37,027

38,151

機械装置及び運搬具を原資産とするもの

5,606

5,641

工具、器具及び備品を原資産とするもの

3,705

4,368

土地を原資産とするもの

18,924

18,894

その他

186

148

合計

65,451

67,203

(注) 前連結会計年度及び当連結会計年度における使用権資産の増加額は、それぞれ16,435百万円及び10,588百万円です。

 

③ リース負債

 リース負債の満期分析については、注記「23.金融商品 (2)財務リスクの管理 ③ 流動性リスク」に記載しています。

 

④ リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額

 リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額は以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

キャッシュ・アウトフローの合計額

32,063

34,878

 

(2)貸手側

① リース収益

 ファイナンス・リース契約に基づくリース収益は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

正味リース投資未回収額に対する金融収益

9,754

19,973

 

② リース料債権

 ファイナンス・リース契約に基づくリース料債権(割引前)の満期分析は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

1年以内

9,037

11,105

1年超2年以内

1,874

4,429

2年超3年以内

3年超4年以内

4年超5年以内

5年超

合計

10,912

15,534

 

25.売上収益

(1)収益の分解

 当社グループは、「4.セグメント情報」で記載のとおり当連結会計年度より、「日本」、「北米」、「欧州」、「中国」、「アセアン・インド」の5つを報告セグメントとしています。

 当社グループの行う主な事業は、自動車部品事業及びエナジーソリューション関連事業です。連結売上収益の大部分を占める自動車部品事業については、売上収益を顧客グループ別に分解しています。

 これらの分解した収益と各報告セグメントの売上収益との関連は、次のとおりです。

 なお、前連結会計年度の情報は、上記変更後の区分に基づき作成したものを開示しています。

 

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

合計

日本

北米

欧州

中国

アセアン・

インド

 

トヨタグループ

1,454,561

661,750

28,769

325,121

337,586

34,322

2,842,112

 

ОEM・その他

652,576

146,716

315,034

205,386

114,758

1,787

1,436,261

自動車部品事業 計

2,107,138

808,467

343,804

530,508

452,345

36,110

4,278,373

エナジーソリューション関連・その他

112,555

5,900

68

1,443

4,481

124,450

合計

2,219,693

814,368

343,873

531,951

456,826

36,110

4,402,823

顧客との契約から

認識した収益

2,209,967

814,267

343,853

531,951

456,826

36,110

4,392,976

その他の源泉から

認識した収益

9,726

100

19

9,846

(注1) 外部顧客への売上収益で表示しています。

(注2) その他の源泉から認識した収益には、IFRS第16号に基づくリース料収入等が含まれており、主に自動車部品事業に含まれています。

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

合計

日本

北米

欧州

中国

アセアン・

インド

 

トヨタグループ

1,683,265

803,956

36,039

328,907

325,292

40,335

3,217,795

 

ОEM・その他

642,967

173,136

328,684

282,114

127,601

2,252

1,556,757

自動車部品事業 計

2,326,233

977,092

364,723

611,021

452,893

42,587

4,774,553

エナジーソリューション関連・その他

124,608

5,301

49

1,351

3,693

135,003

合計

2,450,841

982,393

364,773

612,373

456,587

42,587

4,909,557

顧客との契約から

認識した収益

2,430,894

982,283

364,747

612,373

456,587

42,587

4,889,474

その他の源泉から

認識した収益

19,947

110

25

20,083

(注1) 外部顧客への売上収益で表示しています。

(注2) その他の源泉から認識した収益には、IFRS第16号に基づくリース料収入等が含まれており、主に自動車部品事業に含まれています。

 

(2)契約残高

 顧客との契約から生じた債権及び契約負債の残高は以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度 期首

(2022年4月1日)

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

顧客との契約から生じた債権

635,728

703,544

615,217

契約負債(注)

5,059

7,898

4,555

(注) 契約負債は主に顧客からの前受金に関するものであり、履行義務の充足による収益の計上に伴い、取り崩されます。各連結会計年度期首現在の契約負債残高に含まれていた金額は、すべて各連結会計年度中に収益認識しています。また、前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。

 

(3)残存履行義務に配分した取引価格

 当社グループにおいては、個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引がないため、実務上の便法を適用し、残存履行義務に関する情報の記載を省略しています。

 

(4)契約コストから認識した資産

 前連結会計年度及び当連結会計年度において、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産の額に重要性はありません。なお、認識すべき資産の償却期間が1年以内の場合は、実務上の便法を適用し、契約獲得の増分コストを発生時に費用処理しています。

 

26.販売費及び一般管理費

 販売費及び一般管理費の内訳は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

運賃及び荷造費

66,863

57,610

製品保証費

20,397

83,341

従業員給付費用

120,541

131,165

減価償却費及び償却費

17,352

18,811

その他

114,020

126,775

合計

339,175

417,705

 

27.研究開発費

 連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれる研究開発費は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

研究開発費

218,631

225,594

(注) 資産化された開発費の償却費は含めていません。

 

28.その他の収益及び費用

(1)その他の収益

 その他の収益の内訳は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

補助金収入

6,328

2,368

固定資産売却益

1,956

4,959

その他

18,325

21,457

合計

26,610

28,785

 

(2)その他の費用

 その他の費用の内訳は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

固定資産減損損失

19,981

4,109

固定資産除売却損

2,958

6,324

その他

7,941

7,906

合計

30,880

18,340

 

29.金融収益及び費用

(1)金融収益

 金融収益の内訳は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

受取利息

 

 

償却原価で測定する金融資産

2,343

3,784

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

259

223

受取配当金

 

 

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

13,674

16,460

為替差益

8,061

909

その他

697

4,067

合計

25,036

25,445

(注)前連結会計年度及び当連結会計年度に認識された、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産からの受取配当金には、各報告期間において認識の中止を行ったその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産からの受取配当金(「12.その他の金融資産」参照)が含まれています。

 

(2)金融費用

 金融費用の内訳は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

支払利息

 

 

償却原価で測定する金融負債

10,531

5,835

リース負債

777

644

正味貨幣持高に係る損失

2,442

1,073

その他

2,818

2,985

合計

16,569

10,538

 

30.その他の包括利益

 その他の包括利益の内訳は以下のとおりです。

 

前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

当期発生額

組替調整額

税効果

調整前

税効果額

税効果

調整後

純損益に振替えられることのない項目

 

 

 

 

 

確定給付制度の再測定

39,273

39,273

△12,035

27,237

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の純変動

△72,473

△72,473

23,459

△49,014

持分法適用会社のその他の包括利益持分

△506

△506

△506

合計

△33,706

△33,706

11,424

△22,282

純損益に振替えられる可能性のある項目

 

 

 

 

 

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産の純変動

△110

△110

35

△75

キャッシュ・フロー・ヘッジ

△7

205

197

△64

132

在外営業活動体の換算差額

28,046

△178

27,867

27,867

持分法適用会社のその他の包括利益持分

2,843

2,843

2,843

合計

30,771

26

30,797

△28

30,769

その他の包括利益合計

△2,935

26

△2,908

11,395

8,487

 

当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

当期発生額

組替調整額

税効果

調整前

税効果額

税効果

調整後

純損益に振替えられることのない項目

 

 

 

 

 

確定給付制度の再測定

15,060

15,060

△4,696

10,363

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の純変動

414,022

414,022

△127,194

286,827

持分法適用会社のその他の包括利益持分

△4

△4

△4

 合計

429,078

429,078

△131,891

297,187

純損益に振替えられる可能性のある項目

 

 

 

 

 

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産の純変動

75

75

△23

52

キャッシュ・フロー・ヘッジ

48

66

114

△37

77

在外営業活動体の換算差額

49,207

△310

48,896

48,896

持分法適用会社のその他の包括利益持分

3,960

3,960

3,960

 合計

53,291

△244

53,047

△60

52,987

 その他の包括利益合計

482,370

△244

482,126

△131,951

350,174

 

31.1株当たり利益

 基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定基礎は以下のとおりです。

 

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

基本的1株当たり当期利益算定上の基礎

 

 

親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)

37,670

90,813

親会社の普通株主に帰属しない当期利益

(百万円)

基本的1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益(百万円)

37,670

90,813

期中平均普通株式数(千株)

269,522

269,532

基本的1株当たり当期利益(円)

139.77

336.93

希薄化後1株当たり当期利益算定上の基礎

 

 

基本的1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益(百万円)

37,670

90,813

当期利益調整額(百万円)

希薄化後1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益(百万円)

37,670

90,813

期中平均普通株式数(千株)

269,522

269,532

譲渡制限株式報酬制度による普通株式増加数

(千株)

希薄化後期中平均普通株式数(千株)

269,522

269,532

希薄化後1株当たり当期利益(円)

139.77

336.93

 

32.関連当事者

(1)関連当事者との取引

 当社グループと関連当事者との取引は以下のとおりです。

 関連当事者との取引条件については、市場価格、総原価を勘案して希望価格を提示し、毎期価格交渉のうえ決定しています。

 

 前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

種類

会社等の名称

取引内容

取引金額

未決済残高

重要な影響力を有する企業

トヨタ自動車㈱グループ

自動車部品等の販売

2,375,651

308,121

 

 当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

種類

会社等の名称

取引内容

取引金額

未決済残高

重要な影響力を有する企業

トヨタ自動車㈱グループ

自動車部品等の販売

2,755,063

295,612

 

(2)主要な経営幹部に対する報酬

 主要な経営幹部に対する報酬は以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

基本報酬及び賞与

467

483

株式報酬

47

77

合計

514

560

 

33.主要な子会社

(1)主要な子会社

 当社グループの主要な子会社は以下のとおりです。

名称

所在地

主要な事業

の内容

議決権の

所有割合

(%)

アイシン高丘㈱

愛知県豊田市

自動車部品

51.2

アイシン化工㈱

愛知県豊田市

自動車部品

79.3

アイシン軽金属㈱

富山県射水市

自動車部品

60.0

アイシン開発㈱

愛知県刈谷市

その他

100.0

アイシン機工㈱

愛知県西尾市

自動車部品

100.0

アイシン辰栄㈱

愛知県碧南市

自動車部品

100.0

㈱アイシン福井

福井県越前市

自動車部品

100.0

豊生ブレーキ工業㈱

愛知県豊田市

自動車部品

76.6

㈱アドヴィックス

愛知県刈谷市

自動車部品

51.1

アイシンシロキ㈱

愛知県豊川市

自動車部品

100.0

アート金属工業㈱

長野県上田市

自動車部品

80.2

アイシン・ホールディングス・オブ・アメリカ㈱

アメリカ合衆国

インディアナ州

その他

100.0

アイシン・ワールド・コープ・オブ・アメリカ㈱

アメリカ合衆国

ミシガン州

自動車部品・エナジーソリューション関連

100.0

アイシン・U.S.A.マニュファクチャリング㈱

アメリカ合衆国

インディアナ州

自動車部品

100.0

アイシン・ドライブトレイン㈱

アメリカ合衆国

インディアナ州

自動車部品

100.0

アイシン・オートモーティブ・キャスティング㈲

アメリカ合衆国

ケンタッキー州

自動車部品

100.0

アイシン・オートモーティブ・キャスティング・テネシー㈱

アメリカ合衆国

テネシー州

自動車部品

100.0

アイシン・ノースカロライナ㈱

アメリカ合衆国

ノースカロライナ州

自動車部品

100.0

アイシン・テキサス㈱

アメリカ合衆国

テキサス州

自動車部品

100.0

アドヴィックス・マニュファクチャリング・オハイオ㈱

アメリカ合衆国

オハイオ州

自動車部品

100.0

アドヴィックス・マニュファクチャリング・インディアナ㈲

アメリカ合衆国

インディアナ州

自動車部品

100.0

シロキ・ノースアメリカ㈱

アメリカ合衆国

テネシー州

自動車部品

100.0

 

 

名称

所在地

主要な事業

の内容

議決権の

所有割合

(%)

フェノックス・ベンチャー・カンパニー第20号有限責任組合

アメリカ合衆国

カリフォルニア州

その他

99.0

アイシン・リインシュアランス・アメリカ㈱

アメリカ合衆国

ハワイ州

その他

100.0

アイシン・ヨーロッパ㈱

ベルギー王国

ブレーヌラルー市

自動車部品

100.0

アイシン(中国)投資㈲

中華人民共和国

上海市

自動車部品

100.0

アイシン唐山歯輪㈲

中華人民共和国

河北省唐山市

自動車部品

99.3

アイシン蘇州自動車部品㈲

中華人民共和国

江蘇省蘇州市

自動車部品

100.0

天津アイシン自動変速器㈲

中華人民共和国

天津市

自動車部品

80.0

アイシン天津自動車部品㈲

中華人民共和国

天津市

自動車部品

100.0

浙江吉利アイシン自動変速器㈲

中華人民共和国

浙江省寧波市

自動車部品

60.0

広汽アイシン自動変速器㈲

中華人民共和国

広東省広州市

自動車部品

60.0

アドヴィックス(天津)自動車部品㈲

中華人民共和国

天津市

自動車部品

97.3

アイシン・タイ・オートモーティブ・キャスティング㈱

タイ王国

プラチンブリ県

自動車部品

97.0

アイシン・パワートレイン(タイランド)㈱

タイ王国

チョンブリ県

自動車部品

100.0

アイシン・インドネシア・オートモーティブ㈱

インドネシア共和国

西ジャワ州

自動車部品

100.0

ATインドネシア㈱

インドネシア共和国

西ジャワ州

自動車部品

56.0

トヨタ・アイシン・フィリピン㈱

フィリピン共和国

ラグナ州

自動車部品

61.0

アイシン・オートモーティブ・ハリヤナ・プライベートリミテッド

インド共和国

ハリヤナ州

自動車部品

99.4

ATインディア・オートパーツ・プライベートリミテッド

インド共和国

カルナタカ州

自動車部品

98.0

アイシン・オートモーティブ㈲

ブラジル連邦共和国

サンパウロ州

自動車部品

100.0

 

(2)重要な非支配持分を有する子会社の要約財務情報

① 非支配持分が保有する所有持分の割合

 

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

アイシン高丘㈱

49.8%

49.8%

㈱アドヴィックス

48.9%

48.9%

 

② 非支配持分が保有する議決権の割合

 

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

アイシン高丘㈱

48.8%

48.8%

㈱アドヴィックス

48.9%

48.9%

 

③ 要約財務情報

 以下の要約財務情報は、アイシン高丘㈱及び㈱アドヴィックスがIFRSにより作成した連結財務諸表に基づくものです。

 

(ⅰ)アイシン高丘㈱

(a)要約連結財政状態計算書

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

流動資産

154,488

164,921

非流動資産

170,369

178,070

流動負債

109,736

113,792

非流動負債

55,963

58,296

資本

159,157

170,903

(注) 前連結会計年度及び当連結会計年度における非支配持分の累積額は、それぞれ95,700百万円及び103,112百万円です。

 

(b)要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

売上収益

421,738

426,079

当期利益

11,300

5,491

当期包括利益

15,600

16,458

(注1) 前連結会計年度及び当連結会計年度において、非支配持分に配分された純損益は、それぞれ8,679百万円及び4,700百万円です。

(注2) 前連結会計年度及び当連結会計年度において、アイシン高丘㈱が非支配持分に支払った配当金は、それぞれ1,325百万円及び602百万円です。

 

(c)要約連結キャッシュ・フロー計算書

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

37,602

40,687

投資活動によるキャッシュ・フロー

△18,799

△30,096

財務活動によるキャッシュ・フロー

△31,720

△11,590

現金及び現金同等物に係る換算差額

690

415

 

(ⅱ)㈱アドヴィックス

(a)要約連結財政状態計算書

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

流動資産

258,794

279,250

非流動資産

283,463

309,799

流動負債

262,891

265,000

非流動負債

163,459

184,314

資本

115,907

139,735

(注) 前連結会計年度及び当連結会計年度における非支配持分の累積額は、それぞれ54,460百万円及び66,472百万円です。

 

(b)要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

売上収益

751,847

810,671

当期利益

1,764

19,302

当期包括利益

5,704

26,464

(注1) 前連結会計年度及び当連結会計年度において、非支配持分に配分された純損益は、それぞれ1,750百万円及び10,011百万円です。

(注2) 前連結会計年度及び当連結会計年度において、㈱アドヴィックスが非支配持分に支払った配当金は、それぞれ171百万円及び832百万円です。

 

(c)要約連結キャッシュ・フロー計算書

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

20,061

56,942

投資活動によるキャッシュ・フロー

△37,470

△49,295

財務活動によるキャッシュ・フロー

9,871

△488

現金及び現金同等物に係る換算差額

291

602

 

34.コミットメント

 資産の取得に関して、契約しているものの連結財務諸表上認識していない重要なコミットメントは以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当連結会計年度

(2024年3月31日)

有形固定資産

32,028

44,136

 

35.超インフレの調整

 トルコの3年間の累積インフレ率が100%を超えていることから、トルコ・リラを機能通貨とする連結子会社等が超インフレ経済下にあると判断しました。当該連結子会社等の財務諸表について、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」に従い、報告期間の末日現在の測定単位に修正したうえで、当社グループの連結財務諸表に含めております。
 トルコ・リラを機能通貨とする連結子会社等の財務諸表のうち、取得原価で表示されている有形固定資産等の非貨幣性項目について、取得日を基準に変換係数を用いて修正しています。現在原価で表示されている貨幣性項目及び非貨幣性項目については、報告期間の末日現在の測定単位で表示されていると考えられるため、修正していません。正味貨幣持高に係るインフレの影響は、連結損益計算書の金融収益又は金融費用に表示しています。

 また、トルコ・リラを機能通貨とする連結子会社等の財務諸表は連結会計年度末の為替レートで日本円に換算しています。

 当社グループは、トルコにおける連結子会社等の財務諸表の修正のため、Turkish Statistical Institute が公表するトルコの消費者物価指数(CPI)から算出する変換係数を用いています。

 各財政状態計算書日に対応するトルコの消費者物価指数及び変換係数は以下のとおりです。
 

財政状態計算書日

消費者物価指数

変換係数

2005年3月31日

114.81

1,863

2006年3月31日

124.18

1,723

2007年3月31日

137.67

1,554

2008年3月31日

150.27

1,424

2009年3月31日

162.12

1,320

2010年3月31日

177.62

1,205

2011年3月31日

184.70

1,158

2012年3月31日

203.96

1,049

2013年3月31日

218.83

978

2014年3月31日

237.18

902

2015年3月31日

255.23

838

2016年3月31日

274.27

780

2017年3月31日

305.24

701

2018年3月31日

336.48

636

2019年3月31日

402.81

531

2020年3月31日

450.58

475

2021年3月31日

523.53

409

2022年3月31日

843.64

254

2023年3月31日

1,269.75

168

2024年3月31日

2,139.47

100

 

 

 

36.後発事象

(株式会社エクセディ株式の売却)

 当社は、2024年5月27日開催の取締役会において、当社グループが保有する株式会社エクセディの普通株式の全部(16,230,400 株)を売却することを決議しました。

 

(1)株式売却の理由

 当社グループ及び株式会社エクセディを取り巻く環境変化に対応し、今後も両社の更なる持続的な成長を実現するためには、これまでの資本関係を解消し、それぞれの成長戦略を推進することが双方の企業価値最大化の観点から最善であるとの結論に至り、当社グループが保有する同社普通株式の全部を売却することとしました。

 

(2)売却株式数及び売却総額

① 株式会社エクセディが実施した自己株式取得に応じた売却

売却株式数:1,800,000株

売却総額  :4,658,400,000円

② 株式売出しによる売却

売却株式数:14,430,400株(オーバーアロットメントによる売出し分を含む)

売却総額  :最大35,266,165,952円

 

(3)業績に与える影響

 本株式売却に伴い、2025年3月期の連結財務諸表において持分法適用会社売却損として最大172億円を計上する見込みです。また、2025年3月期において同社を持分法適用の範囲から除外する予定です。

 

(2) 【その他】

当連結会計年度における四半期情報等

(累計期間)

第1四半期

第2四半期

第3四半期

当連結会計年度

売上収益(百万円)

1,191,724

2,454,701

3,728,740

4,909,557

税引前四半期利益又は税引前利益

(百万円)

54,464

108,220

105,528

149,877

親会社の所有者に帰属する四半期

(当期)利益(百万円)

40,990

69,645

67,399

90,813

基本的1株当たり四半期(当期)

利益(円)

152.08

258.39

250.06

336.93

 

(会計期間)

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

基本的1株当たり四半期利益

(△損失)(円)

152.08

106.31

△8.33

86.87