文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営基本方針
当社グループは、『信は万事の本を為す』に則り、社業を通じて豊かな社会の実現に貢献することを企業理念としております。また、経営理念として山種経営三原則「分に応じた経営」「積み上げ主義」「予算経営」を定め、その企業理念、経営理念のもと中長期的に企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。
当社グループはコーポレートメッセージとして“「続く」を支える。” を掲げており、パートナー企業として信頼の絆を深め、プロフェッショナルとして、常に最適な「解」を提供し、お客様と社会と共にまっすぐ歩み続け、顧客、株主、社員など全てのステークホルダーの「続く」を支えていくことが当社グループのミッションと考えております。
また、当社グループは、企業理念とコーポレートメッセージの考え方を基本とし、持続可能な社会の実現への貢献と持続的な企業価値の向上を目指し、「サステナビリティ方針」を策定し、4つの取り組むべき行動指針を掲げ、その実効性を高めるため当社グループが取り組むべき「環境」「社会」「ガバナンス」に関するマテリアリティ(重要課題)を特定し、2030年目標を策定しております。
<サステナビリティ方針 行動指針>
a.長期ビジョンを掲げ、その達成のために「環境」「社会」「経済」の持続可能性の側面から課題を抽出し、事
業を通じてその解決に取組みます
b.攻めと守りのガバナンス強化と多様な人財の活躍推進のため組織基盤の整備に取組みます
c.適正な情報開示を行い、ステークホルダーの皆様と積極的な対話を行います
d.パートナーシップを強固にし、バリューチェーン全体を通して持続可能な社会の実現に取組みます
<マテリアリティ 取組み重点テーマ及び2030年目標>
※1 重篤な労働災害事故
①死亡、長期療養を要する(または可能性のある)疾病、障がいの残る(または可能性のある)怪我、特定伝染病
②一時に3人以上の労働者が業務上死傷または罹病した災害(不休含む)
※2 対象範囲:株式会社ヤマタネ
(2) 経営戦略及び業績目標
当社グループでは、2024年7月に創業100周年を迎えます。新型コロナウイルス流行による経済や社会環境の変化やSDGsに対する意識の高まりなど、変貌する外部環境の中でサステナビリティ経営の高度化を目指し、目指すべき企業像を描いた「ヤマタネ2031ビジョン」を策定しております。
「ヤマタネ2031ビジョン」においては、当社グループの企業理念である「信は万事の本を為す」に則り、当社グループのパーパス(存在意義)を見つめ直し、9年間で目指すべきビジョンを策定しております。そして、当社グループのバリュー(提供する価値)を示すとともに基本戦略を策定しております。基本戦略では既存事業を「コア事業領域」とし、新たに進出する領域は「チャレンジ領域」と位置づけ、将来の収益源育成を図ることとし、また、攻めと守りのガバナンス体制により、社会的価値と経済的価値の両立を図ってまいります。
また、「ヤマタネ2031ビジョン」に基づき、第1フェーズとして2022年4月~2025年3月までの中期経営計画「ヤマタネ2025プラン」を策定しております。中期経営計画では、スローガンを「創業100周年に向けて、豊かな社会づくりにチャレンジしていく」とし、方針を定め、事業別目標を「チャレンジ領域」と「コア事業領域」に分類し策定しております。なお、長期ビジョンの達成に向け、来年度から始まる次期中期経営計画も検討してまいります。次期中期経営計画につきましては、その内容が確定しましたら速やかに公表いたします。
当社グループは、新たなビジョン実現に向け、グループ一丸となって取り組んでまいります。
「ヤマタネ2031ビジョン」の概要
a.パーパス(存在意義)
「多様な人財が集い、社会に貢献する力を生み出す」
b.ビジョン(9年間で目指す姿)
「物流と食の流通を通じ、より豊かな社会づくりにチャレンジしていく」
c.バリュー(提供する価値)
企業理念に基づく「信義・信頼・信用」のサイクルを原点に、バリューチェーン上の各ステークホルダーとの適切な連携・協働を通じて、社会に安心と安全、効率性を提供する。
d.基本戦略
<チャレンジ領域>
コア事業領域の中でも新たに取り組むサービスはチャレンジ領域とし、成長が見込まれる分野への参入を目指し、また持続可能な消費と生産に貢献する「食の安定供給ソリューション」と「循環資源ソリューション」の2つのソリューションを社会に提供することによって、今まで以上に社会から必要とされる企業を目指す。
<コア事業領域>
顧客ニーズに合わせた市場開拓を推進することで、既存の4事業(物流・食品・情報・不動産)を維持・強化し、持続可能な社会の実現に貢献する企業を目指す。
「ヤマタネ2025プラン」の概要
a.スローガン
「創業100周年に向けて、豊かな社会づくりにチャレンジしていく」
b.方針
・事業活動を「チャレンジ領域」と「コア事業領域」に分け、経営資源を適切に配分し規模を最適化すること
により効果的な業務推進を実施する。
・環境に配慮した事業活動を推進し、社会に安心と安全、効率性を提供する。
・これまで築いてきた資本(財務、製造、知的、人的、社会関係、自然)を基盤に、長期的な展望に基づいた
事業展開を行う。
c.財務目標
d.事業別目標
チャレンジ領域
コア事業領域
(3) 経営環境及び対処すべき課題
今後を展望いたしますと、国内の雇用、所得環境の改善はみられるものの、世界的なエネルギー価格や資源価格の高騰等や急激な円安の進行による国内物価の上昇等、日本経済の先行きは不透明な状況にあります。
そのような状況下で、当社グループは、中期経営計画「ヤマタネ2025プラン」の最終年度にあたる2025年3月期に創業100周年を迎えます。
当社グループが運営する事業は、社会の流通基盤を支える物流関連事業、社会の食生活の基盤であるコメや総菜の流通事業、また首都圏を中心に人々の働く環境を支える不動産関連事業が中心となっており、持続可能な社会の実現に向けて、その基盤を担うものと認識しております。当社グループとしては、事業の特性を踏まえ、中長期的に企業価値の向上を図る基本方針のもと成長基盤を構築することが注力するべき課題と考えており、以下5項目を対処すべき課題と考えております。なお、中期経営計画の最終年度にあたる2025年3月期の連結業績予想につきましては、売上高は765億円(前期比18.6%増)を予想し、営業利益は35億円(同0.3%増)、経常利益は33億10百万円(同3.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は26億40百万円(同8.1%増)を予想しております。売上高につきましては、食品関連において新たに100%連結子会社となった株式会社ショクカイ(以下、ショクカイという。)が通期で業績に寄与すること等により増収を予想しておりますが、営業利益はショクカイの業績は寄与するものの、物価上昇の影響による諸経費の増加、人的資本投資の拡充に向けた研修費用等の人件費の増加、DX推進及び情報セキュリティ対応等のIT投資の拡充等、将来に向けた基盤整備のための各種投資による費用の増加があり、微増の計画を予想しております。経常利益は、前期に計上したM&Aに伴うシンジケートローン手数料の計上がなくなることから増益を予想し、親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、投資有価証券の売却等により増益を予想しております。中期経営計画「ヤマタネ2025プラン」の最終財務目標のうち、売上高、営業利益、EBITDA、ROEの各項目については達成を予想しております。しかしながら、計画を上回ってM&A等の成長投資を実施したことから、総資産の圧縮、有利子負債の削減の財務目標を達成することは困難であると判断しております。
<対処すべき課題>
a.「100周年事業の推進」
b.「パーパス経営の推進」
c.「企業価値向上に向けた取組」
d.「中期経営計画2025の達成と次期中期経営計画の策定」
e. 「DX推進」
中期経営計画の最終年度にあたる2025年3月期では、創業100周年を迎えるにあたり、改めて創業当時のエネルギーに思いをはせ、次の100年に向けてチャレンジ精神溢れる企業文化の醸成を目指すとともに、顧客・地域・従業員等、全てのステークホルダーへの感謝の気持ちを忘れずに、グループ社員全員が一丸となり100周年事業の成功に向け取組んでまいります。
当社グループのパーパス(存在意義)である「多様な人財が集い、社会に貢献する力を生み出す」を実現すべく、個性溢れる一人一人の社員が、自由に意見を発信し、チャレンジ出来る職場環境を作るとともに、社会貢献を事業活動の中心に据え、コア事業の強化とチャレンジ領域の拡大を図ってまいります。
更なる企業価値向上へ向けて、「チャレンジ領域」の取組の加速、「コア事業領域」の強化を実現すべく事業戦略部を中心に、新規ビジネスに関連したM&Aや業務提携等の検討を行い、着実に推進してまいります。昨年10月に100%連結子会社となったショクカイとのシナジー創出に向け更に検討を進めてまいります。本社が所在する越中島開発計画につきましては、本年4月に新設した越中島開発推進室を中心に都市開発やCRE戦略機能を持つ外部専門業者と連携しながら来年度のグランドビジョン公表に向け、CRE戦略の観点を持って経済的価値と社会的価値を両立する開発計画の検討を推進してまいります。さらに、経営戦略の実行をより確実にするため、グループ全社員を対象とした譲渡制限付株式報酬制度の導入、人財育成のための充実した研修制度の構築、外部人財の積極的な登用、エンゲージメント向上への取組等、人的資本投資を拡充してまいります。
中期経営計画の最終年度である2025年3月期において、各事業目標を着実に実行し、最終財務目標である売上高565億円・営業利益32億円・EBITDA66億円の達成を目指してまいります。また、長期ビジョンの達成に向け、来年度から始まる次期中期経営計画を策定してまいります。
管理業務の効率化やデジタル推進本部を中心に情報システムの最適化を目指し、経営資源を投入してDXを推進してまいります。
サステナビリティ方針のもと各マテリアリティ(重要課題)の解決に向けて着実に取組み、物流と食の流通を通じ、より豊かな社会づくりにチャレンジして行くことで、持続可能な社会の実現への貢献とともに当社グループの持続的な企業価値向上を図れると考えております。
セグメント別の経営環境及び対処すべき課題は以下のとおりであります。
(物流関連事業)
物流業界におきましては、賃金上昇等、所得環境は改善が見込まれるものの、資源価格の高止まりや物価上昇により消費関連・生産関連貨物輸送量は低調に推移し、建設関連貨物輸送量も減少し、総輸送量は前期を下回るものと見込まれます。
このような状況下で、物流関連におきましては、顧客の物流パートナーからSCM(サプライチェーンマネジメント)パートナーを担うべく、本年4月に新設したSCM推進部において物流の効率化や高度化へのサービスの拡充を更に検討してまいります。また、6月竣工予定の本牧埠頭新倉庫を順調に稼働させ収益力の更なる拡充を図ってまいります。2024年問題により外注コスト等が上昇する中で、更なる業務の標準化、サービスの効率化を推進するとともに高品質なサービスを提供し、顧客CS向上に努め適正な利潤の確保を図ってまいります。
(食品関連事業)
コメ流通業界におきましては、外食消費の増加傾向が続き、需給が引き締まるとともに物価上昇等の影響により取引価格は更に上昇すると見込まれます。冷凍卸売業界におきましても、外食消費が増加する中、産業給食事業者向け需要は底堅く、また、消費者のライフスタイルの変化等により中食(総菜)需要は更なる増加が見込まれます。
このような状況下で、食品関連におきましては、コメ卸売販売業では、販売においては、既存顧客のニーズにきめ細かく対応し、適正な利潤の確保とシェアの拡大に努めるとともに新規顧客の開拓に最注力してまいります。仕入においては「産地シンコウ(親交/深耕/振興)戦略」を掲げ、産地における人財不足等の課題に対するソリューションを提供することで営農と産地の活性化を実現し、産地との関係強化を進めてまいります。また、事業戦略部と協働し、新たな事業領域への進出も検討してまいります。加工食品卸売業では、給食事業得意先の業態変化への対応、デリカ事業の一層の成長とビジネスモデル確立、商品ブランドの再構築と育成等の戦略を掲げ事業を推進してまいります。さらに、コメ卸売販売業、加工食品卸売業のそれぞれの強みを生かしシナジーを創出してまいります。
(情報関連事業)
情報サービス業界におきましては、大企業を中心に企業競争力を高めるためDX投資が加速する中でAIによるビッグデータ活用や5Gの普及によるIoTの進展等デジタル化への投資は継続して増加すると見込まれますが、一方で、IT人財不足も更に進むと考えられます。
このような状況下で、情報関連におきましては、技術者の確保、提携先との更なる関係強化を図りながら、汎用機基盤の開発や運用業務の新規獲得、拡大等を図ってまいります。また、棚卸機器レンタル事業においてはスマホアプリサービスへの転換を進める等、更に提供サービスの拡張を図ります。また、グループのシステムにおいては、デジタル推進本部を中心に事業戦略に基づくDXとセキュリティへの対応を更に推進してまいります。
(不動産関連事業)
不動産業界におきましては、社会経済活動の正常化が進む中、賃貸オフィスビル市場の需要は緩やかに回復すると見込まれます。今後、国内の主要都市ではオフィスビルの大量供給が見込まれるものの、事務所移転や拡大の需要もあることから、賃料は底堅く推移するものと予想されます。
このような状況下で、不動産関連におきましては、中長期修繕計画に基づき、物件の付加価値や安全性の向上を図るとともに再生可能エネルギーの積極的な活用等、環境に配慮したオフィスビル運営により、既存物件の品質、サービスの高度化を図り、高稼働率の維持を図ってまいります。更にグループ全体の企業価値の向上をめざし、資産の有効活用、流動化等のCRE戦略の検討を進めてまいります。越中島開発計画においても、越中島開発推進室と協働で計画を推進してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、環境・社会・経済の観点から持続可能な社会への貢献と企業価値向上のため、サステナビリティ方針を策定し、事業上のマテリアリティの特定と2030年目標を設定しております。取締役会では、当社グループの長期ビジョンや中期経営計画、年度経営方針、年度計画の審議において、サステナビリティ方針と目標に基づいてその適切性を検証し、その監督権限によって取組みが有効になされることを常勤役員及び執行役員に求めています。
サステナビリティ経営課題に対する社長の役割は下記の通りです。
a.サステナビリティ方針に基づき特定されたマテリアリティの承認
b.経営会議で審議されたサステナビリティ目標や重要課題の承認
c.マテリアリティや2030年目標に基づく長期ビジョンの承認
d.マテリアリティや2030年目標に基づく中期経営計画の承認
e.毎年度のサステナビリティ関連計画や予算の承認
f.計画の進捗確認と、執行役員や関係部署への周知と指導
g.その他のサステナビリティに関する重要事項の指導
当社グループにおける、気候変動問題に対処するための取組及び人的資本に関する取組みは、以下のとおりであります。
<気候変動に対処するための取組>
気候変動に関するリスクと機会について、確からしさと影響の大きさの観点から、重要度評価を行いました。このうち重要度が高く、試算可能なリスクについて、移行リスクと物理的リスクによる追加コスト・被害額を対象とし、2030年(短期)2050年(中期)2100年(長期)時点での当社グループへの財務的影響を試算しました。シナリオ分析は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)と国際エネルギー機関(IEA)の情報に基づき、1.5℃/2℃上昇、4℃上昇を想定しました。当社グループでは、特に重要度の高いリスクの軽減及び機会獲得に向けて、対応策を検討・実行しており、1.5℃/2℃、4℃シナリオに対して十分なレジリエンスを有していることを確認しています。
移行リスク
・税制度導入による追加コスト
① 炭素税等
物理的リスク
・自然災害による追加コスト・被害額
① 洪水・高潮による拠点の浸水
② 気候変動に伴う一等米の収量予測
<人的資本に関する取組>
企業理念に基づき、持続的な企業価値の向上に向けて、事業変革に取り組んでいくためには、多様な人財を確保・育成していく必要があると認識しております。このため、サステナビリティ方針に基づき特定したマテリアリティの取組み重点テーマの一つに「人財の多様性と活躍の促進」を掲げ、生産性の向上による働き方改革、人財育成及び教育、女性活躍を含む多様な人財の活躍推進、差別防止及び社会的弱者への配慮に取り組むこととしております。また、中期経営計画においては、教育・研修などの人的資本への投資を拡充するとともに、専門能力や経験を有する高齢者雇用や女性管理職の登用を推進し、多様な人財基盤を構築することを目標としております。これらの重点テーマや目標に取り組んでいくため、人財の多様性を含む人財の育成に関する方針(人財育成方針)及び社内環境整備に関する方針(社内環境整備方針)を定め、着実に取組みを推進してまいります。
人財育成方針
当社の最も重要な資本は人財であり、教育や研修あるいは日々の業務等を通じて、それぞれの能力を高めることにより、企業の活性化と中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。当社は人と組織のレベルアップのために社員に自己啓発の努力を求めると共に、教育体制を整え、教育・研修・自己啓発支援等を通じて社員一人一人の成長を支援してまいります。そのために必要な施策や投資を積極的に行ってまいります。
具体的には、以下の取組みを推進しております。
①戦略的な人事制度の構築
人事管理や評価等の取組みはこれまで、人事関係者や所属長の主観的な所見に基づいて行われる傾向がありました。しかし、主観に頼った人事管理だけでは、個人の能力を正しく把握できないだけでなく、誤った判断を招きやすくなります。そのような状況から、社員のデータを収集・蓄積するデータ基盤としてカルテ化し、データ分析に基づく適切な人員配置の実施や、離職因子の分析に取り組んでおります。
②社員の成長支援のための研修制度の拡充
社員に対して、等級要件に定められた期待される役割を積極的に果たし、次等級の役割を積極的に挑戦していくことを求めています。社員がその期待に応え、能力を最大限発揮できるように、必要な知識技能の習得を支援し、成果と成長を実感できるようにする必要があります。そのために、職位別新任研修や等級別スキル研修などの研修制度の拡充を図っております。
③次世代経営人財の育成強化
中長期的な視点で事業を捉え、ヤマタネの企業価値向上や持続可能性について包括的に考えることができ、理念や自分の理想に加え、ヤマタネの社会的使命を自覚し、推進できる将来の経営人財(マネジメント人財・オペレーショナルエクセレンス人財)となり得るリーダーを意図的・計画的に輩出していくために、執行役員・部長・課長層から候補者を選抜し、経営人財育成プログラム(ヤマタネ経営塾)を通じて徹底的に鍛え上げていく育成カリキュラムを実施しています。また、当該人財となるべく次の世代に向けた育成プログラムも導入しています。
社内環境整備方針
当社は全ての社員等がその能力を十分に発揮できるようにすると共に、仕事と生活の調和された「ワークライフバランス」をめざし、職場環境の整備と多様な人財が活躍できる雇用環境の整備に取り組んでまいります。
具体的には以下の環境を整備しております。
①生産性向上による働き方改革への取組み
各部門において、業務改革及びクロストレーニングの推進を図るとともに経営会議で時間外労働実績の報告を行う他、社内会議体を通じて、時間外労働の削減に向けた意識啓発を図っております。また、物流現場や生産工場においては生産性向上に向けた各種アプリの開発、RFIDやデジタルサイネージ等を導入。また、深刻化する人員不足への対応としてAGVや無人フォークリフトの導入検討を進めており、今後自動化、省人化を加速させてまいります。
②女性が活躍できる雇用環境の整備
創業者である山﨑種二の活躍を支えた妻「ふう」の名前より、当社の女性活躍推進プロジェクトを「ふうさんプロジェクト」と称しています。プロジェクトでは女性同士のネットワーク構築、キャリア教育を目的としたフォーラムの開催、職種転換推進、社外研修への参加促進、また、社外で活躍されている方々を招いての講演会を実施し、活発な意見交換が行われています。また、女性の活躍に必要な社内制度設計や意識改革に向けた改善策等の検討を行い、経営会議へ提言を行っております。
③定年後も働き続けられる高齢者雇用体制の構築
物流業などのエッセンシャルサービスを提供する当社にとって、人口減少に伴う現場の人員不足は大きな課題です。そのため、社員が高齢になっても引き続き倉庫現場や精米工場で働けるために、高齢者雇用安定法の理念に沿って高齢者雇用体制の構築を図っております。
④キャリア採用者の活躍推進
事業環境の変化や経営戦略の転換等に伴い必要な人財を外部から登用・確保する観点からキャリア採用については、毎年一定数の採用を目標としています。2017年から本格的なキャリア採用を開始し、非正規社員から正社員への登用も積極的に行っております。なお、管理職登用については採用時期や国籍での差は生じないと認識しております。
<パーパス(存在意義)への取組>
当社グループは、創業100周年を迎えるにあたり、改めて創業当時のエネルギーに思いをはせ、次の100年に向けてチャレンジ精神溢れる企業文化の醸成を目指すことを基本方針としております。当社グループのパーパス(存在意義)は、「多様な人財が集い社会に貢献する力を生み出す」です。個性溢れる一人一人の社員が、自由に意見を発信し、チャレンジ出来る職場環境を作っていきます。社会貢献を事業活動の中心に据え、コア事業の強化とチャレンジ領域の拡大を図ります。その結果として、企業価値の極大化を図り、社員のエンゲージメント向上、処遇改善、株価向上を目指します。
①大切にすべき価値観(バリュー)の共有
行動規範の策定及び理念体系の再整備
次の100年に向けてチャレンジ精神溢れる企業文化を築くため、理念の浸透は欠かせないと考えています。
「パーパス経営の推進」を図る具体策として、当グループが大切にする価値観(バリュー)を言語化し、その価値観を基とした行動規範を策定し、これらを総括した理念体系を再構築してまいります。
②心理的安全性の確保
心理的安全性の確保を目的としたマネジメントシステムを構築することで、エンゲージメントは向上し、パーパスも「確かなもの」になるという考えに基づき、外部機関と連携し、心理的安全性確保プログラム(研修)を継続して参ります。これは、心理的安全性確保についての理解や、年代や職場の垣根を超えた場でのマインドリセットに繋がる新鮮な対話の体験することが目的で、社員全員の受講を目指してまいります。
③社内コミュニケーション活性化
各部拠点の月例会議において、社員個々人が作成した「マイパーパス」をお互いに共有することで、パーソナリティの相互理解を促進します。また、当社グループのパーパスと「マイパーパス」の接点を見つけ、具体的行動目標を設定することで行動変容を促してまいります。また、「関係の質」向上のために必要な相互理解の機会創出を目的に部門間やグループ会社間等の垣根を超えた部活動・懇親会等の活性化を図ってまいります。
④社員のエンゲージメントレベルの把握
中長期的な組織力の維持・向上を目指し、自社にとって重要なエンゲージメント項目を整理し、社員のエンゲージメントレベルを定期的に把握することといたしました。
⑤社内活性化に向けた各種プロジェクト活動への参画公募制化
2024年7月に迎える創業100周年や越中島地区再開発等に関して各種プロジェクトを発足させています。プロジェクトメンバーについては可能な限り公募を行い、社員が自律的にキャリアを形成し、高いエンゲージメントレベルで働ける環境を整備しております。
⑥社会貢献活動の推進
ヤマタネ創業の地「深川」で開催している障がい者のアート作品を中心とした芸術祭「アートパラ深川おしゃべりな芸術祭」は、芸術の地域活性化と福祉の課題解決を同時に実現するCSV型の価値づくりを目指しており、「地域コミュニティの一員として文化事業等を通じた地域社会への貢献」をサステナビリティ方針の取組テーマとして掲げている当社グループは、同芸術祭へ協賛しおります。また、中学・高校等からの職場体験受入や清掃活動を通じて地域貢献活動を推進しております。
当社グループでは、リスクに対応するため、社長を委員長とするリスクマネジメント委員会を設置しております。同委員会ではサステナビリティ課題を含む当社グループ全体のリスクマネジメントにあたるとともに、リスクマネジメント方針の策定、体制の整備、運用状況の確認を行っています。実務面では、環境経営戦略に関しては経営企画部長を担う執行役員が責任を負い、人的資本戦略などに関しては管理本部長を担う執行役員が責任を負います。
リスク管理のプロセス
現在、下記①~④に示す手順に従い、3年に1回の中期経営計画の策定時及び必要に応じて、バリューチェーン全体のサステナビリティ関連のリスクと機会の特定及び評価を行っております。そのプロセスは取締役会が決定した「内部統制システムの整備に関する基本方針」に基づくリスクマネジメント方針のリスク管理プロセスと統合しております。
①マテリアリティの特定プロセス
経営企画部が課題候補リストを作成し、セグメントごとに執行役員がバリューチェーンにおける課題の抽出を実施します。抽出した課題をセグメントの重要度と社会的重要度を判定して、両方の重要度が高いものが各部門のマテリアリティとして特定されます。マテリアリティは経営会議で審議され、社長が承認後、取締役会で決議されます。現在、マテリアリティに人的資本の価値向上や気候変動問題への対応は含まれています。
②マテリアリティの経営戦略への統合プロセス
まずマテリアリティに対処するため3ヵ年の中期経営計画が策定されます。それに基づき、リスクマネジメント委員会は、リスク毎の対応方針として年度経営方針を決定します。執行役員はそれに基づき、部門ごとの年度計画を作成します。計画の適切性は経営会議で審議され、社長の承認後、取締役会で決議されます。
③実行と実績評価のプロセス
活動の進捗や成果を、社長が出席する年二回のレビュー会議で評価します。社長は評価に応じて修正や是正といった処置を執行役員に指示します。それらの内容は、社長の職務執行状況として取締役会に報告されます。
④見直しと修正のプロセス
3ヵ年の中期経営計画期間中に経営環境に大きな変化があった場合、リスクマネジメント委員会は各部門に対策を指示します。指示を受けた各部門の担当執行役員は、対応方針を決定して計画を策定します。計画の適切性は経営会議で審議し、社長の承認後、取締役会で決議されます。
<気候変動>
当社グループでは「温室効果ガス排出量削減」を事業活動のマテリアリティの一つとして特定しており、GHGプロトコルに沿ってScope1~3までの排出量の算定を実施し、目標としてGHG排出量(Scope1・2)を「2030年までに2013年度対比50%削減」を掲げております。
□GHG排出量実績
(注) 1.Σ(各燃料の年間使用量×各燃料の単位発熱量×各燃料のCO2排出係数) 各燃料の単位発熱量、各燃料のCO2
排出係数は、「地球温暖化対策の推進に関する法律」 の「温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度」
に基づく値を採用
IPCC報告書における最新のフロン等の地球温暖化係数(IPCC第6次報告書)に基づき算定
2.平均的な排出係数(令和2年度全国平均係数)に基づき算定
3.「地球温暖化対策の推進に関する法律で定められた」電気事業者別の調整後排出係数 (令和4年度報告
用)に基づき算定
4.「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース_ver3.2」
「産業連関表ベースの排出原単位(GLIO:2005年表)」、「IDEAv2.3」に基づき算定
<人的資本・多様性>
上記(2)戦略において記載した、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針については、次の指標を設定しております。また、各指標の目標は、中期経営計画(ヤマタネ2025プラン)最終年度となる2024年度としております。なお、連結グループ全体での目標設定が困難なため、当社単体での指標及び目標を設定しております。
人財育成方針に関する指標を次のように定めております。研修制度を拡充するための費用を投資と位置付け、一人当たりの研修費用を研修の拡充度を表す指標としております。また、誰もが研修を受ける環境となっているかを確認する指標として職位別新任研修受講修了率と等級別スキル研修受講率を設定しております。さらに、社員のキャリアプランの設定が重要であるとの認識の下、非管理職を中心にキャリアプランについて人事部長が直接面談を実施するキャリア面談実施率を指標としております。
(注) 1.職位別新任研修とは、ヤマタネの現状や理念を再確認し、職位別に必要な共通スキルを習得する研修です
(職位別新任研修受講修了率は、同研修受講修了者数(2022~2024年度累計)を同研修受講対象者数で除し
て算出しております)。
2.等級別スキル研修とは、等級毎に必要なスキルを習得する研修であり、職位別新任研修の補完的位置づけの
研修としております(等級別スキル研修受講率は、年度毎の同研修受講者数を同研修受講対象者で除して算
出しております)。
3.キャリア面談とは、毎年1度、執行役員管理本部人事部長が、キャリアプランに関して社員と行う面談を示
しております。なお、同面談の結果を社員データとして収集・蓄積するとともに人事異動等へ反映させてお
ります(キャリア面談実施率は、1等級から3等級の全社員、4等級の面談希望者を加算した人数を1等級
から4等級全社員で除して算出しております)。
社内環境整備方針に関する指標を次のように定めております。生産性向上による働き方改革に取組んでおりますが、その成果を確認するため、一人当たり時間外労働時間及び年次有給休暇取得率を指標としております。また、女性が活躍できる雇用環境の整備を確認するため、女性管理職比率を指標としております。また、高齢者雇用体制の構築については、定年後再雇用者継続雇用率を、またキャリア採用者の活躍推進については、キャリア採用者管理職比率をそれぞれ指標として設定しております。
(注) 1.当社が策定した一般事業主行動計画では、一人当たり時間外労働時間(月平均)の2027年度目標を21時間以
内としております。
2.正社員の年次有給休暇の総取得日数を年次有給休暇総付与日数(前年度繰越分含まず)で除して算出してお
ります。なお、当社が策定した一般事業主行動計画では、年次有給休暇取得率の2027年度目標を73%以上と
しております。
3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律64号)の規定に基づき算出したもので
あります。なお、当社が策定した一般事業主行動計画では女性管理職比率の2027年度目標を17%以上として
おります。
4.当事業年度内に定年後再雇用社員になった正社員数を当事業年度内に定年を迎えた正社員数で除して算出し
ております。
5.キャリア採用者の4等級以上の人数を総管理職数で除して算出しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあると考えられる主な事項は、以下のようなものがあります。当社グループにおいては、事業に関連する様々なリスクを適切に管理し、事業の遂行とリスク管理のバランスを取りながら持続的成長による企業価値向上をめざしております。このため、取締役会が決定した「内部統制システムの整備に関する基本方針」に基づき、リスクマネジメント方針を制定し、全社的なリスクマネジメントを計画・実行するために「リスクマネジメント委員会」を設置しております。事業を遂行していく上で生じる可能性のある様々なリスクへ適切な対応を行うために、現状を正しく評価し、発生可能性とその影響度を分析し、リスク対策の実施等を行い、リスクマネジメントの継続的な改善に努めてまいります。
なお、文中に記載されている将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 事業セグメントごとの経営成績の変動リスク
当社グループは、物流関連事業、食品関連事業、情報関連事業、不動産関連事業の各事業を営んでおり、各セグメントの主要なリスクは以下のとおりです。
(物流関連事業のリスク)
当社グループの主要顧客基盤は大手の食品、家電、医療分野と生活必需品となっております。しかしながら、顧客の市場環境は様々であり、市場環境に対応し各顧客の物流戦略が変わる可能性があります。その影響を受け、当社グループでの取扱量の変動による収益への影響、運営方法の変動による運営コストへの影響、また、運営拠点の見直し等、事業採算が悪化するリスクが考えられます。当社グループとしては、顧客との連携を図り顧客ニーズを速やかにとらえ、採算と顧客ニーズのバランスを考慮した提案を行うことにより、リスクの低減を図れると考えております。
(食品関連事業のリスク)
人口減少や消費者の消費性向の変動により米の消費量は減少していくことが想定されます。この市場環境の影響により競合との価格競争リスクが高まることが考えられます。一方で米の生産地における高齢化の進展と昨今の気候変動の影響により生産量が減少していくことも想定され、調達価格の変動リスクも高まることが考えられます。当社グループとしては、生産地との協業を強化していくことによって調達力を高めていくことにより、販売、調達両面での価格リスクの低減を図れると考えております。製造している商品につきましては、品質管理の徹底を目的とした「CS向上委員会」を設置し、商品管理を徹底しておりますが、万が一製品の表示や品質に問題があった場合には社会的信用の低下を招くとともに商品回収や交換、弁金等大きな損失が発生する可能性があります。
(情報関連事業のリスク)
当社グループは汎用系システムを主力事業としてまいりました。しかしながら、AI、IoT等の先端IT技術が急速に進展する中で、汎用系システム事業は一定程度の需要は見込まれるものの、技術競争力が低下していくリスクが考えられます。当社グループとしては、専門部署において先端技術をキャッチアップすると共に外部システム会社との連携を強化していくことにより、リスクの低減が図れると考えております。
(不動産関連事業のリスク)
当社グループは首都圏を中心に保有しているオフィスビルの賃貸事業を主力事業としております。しかしながら、首都圏では大型オフィスビルの供給が続いており、テナント退去による空室リスクや価格競争リスクが考えられます。当社グループとしては計画的な修繕や再開発により競争力を維持し、リスクの低減を図れると考えております。
(各事業に共通するリスク)
取引をしている顧客の属する業界の環境変化あるいは顧客独自の理由による事業の状況変化により取引を継続することができない事態になる可能性があります。また、その様な際には、突然の取引停止により損失を被る可能性もあります。
(2) 財政状態の変動について
当社グループは、有利子負債の削減を進めるとともに、変動金利借入の金利変動リスクを低減するため、主に固定金利による調達を図ってまいりました。しかしながら、変動金利借入利息及び借換時における資金調達に関しては、金利情勢の影響を受け、業績が変動する可能性があります。また、当社グループが保有する資産について、今後経済価値が低下した場合には必要な減損処理を実施する必要が生じ、財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3) 情報セキュリティについて
情報セキュリティに対しては、社内情報管理体制の整備に努め、情報流出の防止、社内情報システムへの外部からの侵入防御等適切な対応をしております。また、個人情報の取扱いについてもプライバシーマークの認証を取得する等適切な対応をしております。しかしながら、情報システムの一時的な操作不能状態や情報流出、喪失等の事態が生じた場合には当社グループのみならず取引先企業等への影響が予想され、当社グループの信用低下並びに業績への影響を招く可能性があります。
(4) 自然災害等について
大規模地震等の自然災害や新型インフルエンザ等の感染症につきましては、対応策を検討し、対応マニュアルを整備し、事業継続計画(BCP)を策定しておりますが、当社グループのみならず取引先企業等に多大な被害が発生した場合には、業績への影響を招く可能性があります。
(5) コンプライアンスについて
当社グループにおいては、企業の社会的使命を認識し、関係法令及び社内規程遵守の徹底により全ての企業活動が健全な商習慣と企業倫理に適合するよう、「コンプライアンス推進委員会」を設置し、コンプライアンス・マニュアルを作成するとともに、行動規範、行動原則を制定しています。しかしながら、この様な活動を実施していても、関連法令、規制などに抵触する事態が発生する可能性があり、その場合には社会的信用の低下と多額の費用発生あるいは損害賠償が請求されるなど、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 人財について
当社グループにとって人財は重要な経営資源であり、グループの成長のためには、人財の活用が大きな課題となります。またグループではそれぞれ異なる事業を展開しており、様々な人財を必要としております。この様な状況において、優秀な人財の採用、確保と人財の育成が出来ない場合、あるいは人財の流出等を防止できない場合には当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、適切な労務管理ができない等により従業員に重大な労働災害が発生した場合など社会的信用の低下などの問題が生じる可能性があります。
(7) エネルギー価格や外注コスト等の高騰について
ウクライナ情勢の長期化や円安の進行等によりエネルギー価格等の高騰が更に進み、長期化する可能性があります。当社グループでは、物流事業での運送事業コスト等の上昇や食品事業での製造コストの上昇、また、設備投資額の上昇等により業績に影響を及ぼす可能性があります。また、物流2024年問題の顕在化等により、懸念されるドライバー不足の傾向はさらに強くなることが予想され、外注コスト等の上昇により業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは可能な限り顧客への価格転嫁を進め、また、効率的な事業運営や生産工程の効率化等により、業績への影響の低減を図ってまいります。
(8) M&A等について
当社グループでは、企業買収や出資を行う際、事前にリスクを把握・回避するために、対象となる企業の財務内容や事業等についてデューデリジェンスを実施しております。しかしながら、買収や出資後に予期しない債務が発覚する可能性や、事業環境や競合状況の変化等により当社グループの事業計画に支障をきたす可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における経営成績の状況については、次のとおりであります。
当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染法上の位置付けが5月より5類へ移行され、社会経済活動の正常化が進み景気は緩やかに回復いたしました。一方で、エネルギー価格や資源価格の高騰等による国内物価上昇の影響等、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況下におきまして、当連結会計年度の連結業績は、物流関連での海外引越業務が堅調であったことや、食品関連でのコメの販売量増加やM&Aによるショクカイの連結子会社化等により増収となりましたが、人件費等のコスト増加により、営業利益では減益となっております。なお、親会社株主に帰属する当期純利益については、固定資産の売却等もあり増益となっております。
この結果、売上高は645億12百万円(前期比26.3%増)となり、営業利益は34億89百万円(同2.8%減)となりました。経常利益は31億84百万円(同9.0%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は24億42百万円(同13.6%増)となりました。なお、当連結会計年度の業績計画に対しましては、全ての項目で上回っております。
当社グループのセグメントごとの業績は以下のとおりであります。
(物流関連事業)
売上高は244億1百万円(前期比0.2%増)となり、営業利益は23億2百万円(同7.7%減)となりました。
(食品関連事業)
売上高は341億43百万円(前期比62.9%増)となり、営業利益は7億83百万円(同949.6%増)となりました。
(情報関連事業)
売上高は17億35百万円(前期比2.4%増)となり、営業利益は1億9百万円(同6.5%増)となりました。
(不動産関連事業)
売上高は42億32百万円(前期比3.7%増)となり、営業利益は20億58百万円(同1.0%増)となりました。
当連結会計年度末における財政状態の状況については、次のとおりであります。
総資産は前連結会計年度末比274億99百万円増の1,536億87百万円 (21.8%増)となりました。負債は前連結会計年度末比193億71百万円増の976億80百万円 (24.7%増)となりました。純資産は前連結会計年度末比81億27百万円増の560億6百万円 (17.0%増) となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動による収入36億83百万円や財務活動による収入112億21百万円がありましたが、M&Aや不動産などの成長戦略への積極的な投資を行い、投資活動による支出は169億73百万円となり、その結果、前連結会計年度より20億68百万円減少し、当連結会計年度末には63億47百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの業種・業態は多分野にわたっており、また、取引形態も一様ではないので、セグメントごとに生産・受注及び販売の規模については金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の状況については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」における各セグメントの経営成績の分析に関連付けて示しております。
(注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の状況に関する認識及び分析・検討は以下のとおりであります。
当連結会計年度の経営成績は、物流関連では、海外引越の取扱いが前期を上回って推移し、食品関連においてもコメ卸売販売業では販売数量が増加いたしました。また、「物流と食の流通を通じ、より豊かな社会づくりにチャレンジしていく」という長期ビジョンに基づき昨年10月に実施したM&Aにより100%連結子会社となったショクカイの業績が予定どおり堅調に推移し連結業績に大きく寄与することとなりました。この結果、売上高は645億12百万円(前年同期比26.3%増)となりました。営業利益は、ショクカイの業績が概ね計画通りに推移し寄与しましたが、人件費の増加、物流関連における外注コストの増加、また、M&Aに伴う費用計上等があり34億89百万円(同2.8%減)となりました。経常利益は、印西精米センターでの補助金収入はありましたが、M&Aに伴うシンジケートローン手数料の計上等もあり、31億84百万円(同9.0%減)となりました。一方で親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産除却損等の計上はありましたが、さいたま市岩槻区に保有していた遊休不動産の売却による固定資産売却益や投資有価証券売却益等により24億42百万円(同13.6%増)となり、ROEは5.1%となりました。
なお、中期経営計画「ヤマタネ2025プラン」の2年目となる当連結会計年度において、当中期経営計画の最終年度の財務目標の内、売上高、営業利益、EBITDA、ROEの各項目の計数目標を達成いたしました。
当連結会計年度で重点的に取組んだ対処すべき課題は以下のとおりです。
a.「経営のスピードアップ」
b.「コア事業領域の更なる進化」
c.「情報システム部門の強化と進化」
d.「人的資本の投資の拡充」
当連結会計年度においては、経営のスピードアップを図るべく2023年6月に監査役会設置会社から監査等委員会へ移行いたしました。また、中期経営計画の基本戦略である「チャレンジ領域」の取組みを推進すべく、新たに事業戦略部を設置し、M&Aや業務提携等の検討を着実に実行してまいりました。その結果、2023年10月にショクカイの全株式を取得し連結子会社化することにより、当社グループの業績に大きく貢献しております。
コア事業領域の更なる進化を目指し、グループ一体となり課題に取り組んでまいりました。物流関連においては、収益力向上のため横浜市本牧に建設中の新倉庫は、2024年6月稼働に向け計画通りに進捗しております。不動産関連においては、所有物件の不動産価値向上のため、東京都江東区の精米工場跡地や東京都立川市の所有地等の開発に着手いたしました。また、本社が所在する越中島再開発の検討も外部専門家との連携を行い、不動産資本の最大活用に向け検討が進行中であります。食品関連においては、「日本の農業で、世界を驚かす」をミッションに掲げ、生産から輸出まで手掛ける株式会社日本農業への出資を行いました。今回の出資により、生産・流通コストの低減を追求し産地との結び付きを強化し、地域農業の成長と持続的な社会づくりに貢献してまいります。また、ショクカイとのシナジー効果として新たな販路を開拓しており、商品開発にも着手しております。
情報システム部門の強化と進化を推進すべく、新たにデジタル推進本部を設置しました。当本部を中心に、既存システムの更新や情報セキュリティ対策への対応など、グループ業務の効率化(守りのDX)と付加価値の向上(攻めのDX)に向け取組んでおります。
人的資本投資の拡充のため、研修等によりパーパス浸透やエンゲージメント向上への取組みを強化してまいりました。
また、積極的な外部人材の採用や充実した研修体制の構築にも取組んでおります。
当社グループのセグメントごとの経営成績の分析は以下のとおりであります。
(物流関連事業)
物流業界におきましては、社会経済活動の正常化が進む一方で、物価上昇に伴い消費関連貨物の輸送量は前年並みの水準となり、生産関連、建設関連貨物は前年を下回り、通年では国内貨物の総輸送量は減少いたしました。また、国際貨物は円安の進行を受け輸出貨物輸送量は回復したものの、輸入貨物輸送量は減少し総輸送量も減少いたしました。
このような状況下で、物流関連におきましては、国内物流では、社会経済活動の正常化が進む中で、前期に見られた荷主が安定的な供給体制確保のため保管在庫を増加させる傾向は縮小し、倉庫事業における入庫トン数は前期を下回りました。一方で、国際業務においては、海外引越を中心として取扱件数は前年同期を上回り堅調に推移しました。この結果、売上高は244億1百万円(前期比0.2%増)となりましたが、コスト面において、庸車費用や外注作業費用等が増加する状況となり、営業利益は23億2百万円(同7.7%減)となりました。
(食品関連事業)
コメ流通業界におきましては、令和5年産米において各都道府県の定めた「生産の目安」は達成されましたが、夏場の猛暑の影響もあり供給量は減少しました。また、生産資材や燃料価格の上昇により生産者に支払われる概算金も上昇いたしました。加えて、社会経済活動の正常化が進む中で外食需要は回復傾向となり、需給の引き締まりにより、取引価格は上昇いたしました。
このような状況下で、食品関連では、コメ卸売販売業においては、中食や外食向けを中心に需要の復調が続いたことから、精米販売は、量販店向け販売、外食向け販売共に前年同期を上回って推移し、71千玄米トン(前年同期比14.5%増)となりました。一方で、玄米販売は、米価上昇で市場流通量が減少した影響を受け、21千玄米トン(同11.4%減)となり、総販売数量は92千玄米トン(同7.2%増)となりました。また、昨年10月より100%連結子会社となった加工食品卸売業のショクカイは、産業給食事業向け及びデリカ事業向け卸売販売共に堅調に推移しました。この結果、売上高は341億43百万円(前年同期比62.9%増)となりました。営業利益は、コメ卸売販売業において、販売が堅調に推移したことに加え、印西精米センターでの太陽光発電システム活用による動力費の抑制や同センターの減価償却費の費用減等の要因もあり増益となり、更にショクカイの業績が概ね計画通りに推移して寄与したことから、7億83百万円(同949.6%増)となりました。
(情報関連事業)
情報サービス業界におきましては、クラウド、セキュリティ関連への投資等、半導体不足で停滞していたIT投資案件の再開や大手企業を中心としたデジタル技術を活用した新たなビジネスモデルの創造、経営環境の改善を目的としたデジタルシフト案件が増加し、また、電子帳簿保存法やインボイス制度等法改正へのシステム対応等、各企業のIT投資は増加する状況となりました。
このような状況下で、情報関連におきましては、棚卸機器レンタル事業においては、モバイルアプリによるサービスへの転換を進めましたが、顧客の店舗削減等の影響を受けて売上高は減少することとなりましたが、常駐型ビジネスでは汎用機基盤の開発や運用業務の新規獲得、拡大等があり、また、顧客のインボイス対応へのシステム開発請負案件等もあり、部門全体の売上高は17億35百万円(前期比2.4%増)となり、営業利益は1億9百万円(同6.5%増)となりました。
(不動産関連事業)
不動産業界におきましては、社会経済活動の正常化が進む中、都市部を中心とした地価の上昇が地方に波及し、特に半導体工場誘致などがなされた地域においては急激な地価上昇も見受けられ、公示地価は全国的に用途を問わず3年連続で上昇しました。一方で、賃貸オフィスビル市場は、在宅勤務の浸透や新築ビルの供給増から、空室率は大きく上昇すると見込まれていましたが、オフィスビル需要は底堅く、空室率の上昇傾向は下半期に入り収まり横ばいで推移致しました。
このような状況下で、不動産関連におきましては、期中に一部テナントの退去はありましたが、テナント誘致を積極的に進めることにより高稼働率を維持いたしました。また、新規賃貸不動産を取得したこともあり、売上高は42億32百万円(前期比3.7%増)となりました。営業利益はKABUTO ONEの不動産取得税が減少したこと等により20億58百万円(同1.0%増)となりました。
財政状態の状況に関する認識及び分析・検討は以下のとおりであります。
(資 産)
当連結会計年度末における流動資産は224億72百万円となり、前連結会計年度末比27億90百万円増加いたしました。これは主に食品関連でのショクカイの子会社化等により受取手形、売掛金及び契約資産が24億46百万円増加したこと、また棚卸資産が17億18百万円増加したことによるものであります。固定資産は1,311億27百万円となり、前連結会計年度末比247億22百万円増加いたしました。これは主に不動産関連での賃貸ビル購入等により有形固定資産が72億5百万円増加したこと、ショクカイの子会社化等により無形固定資産が90億円増加したこと、また時価評価による投資有価証券の増加等により投資その他の資産が85億16百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は1,536億87百万円となり、前連結会計年度末比274億99百万円増加いたしました。
(負 債)
当連結会計年度末における流動負債は213億55百万円となり、前連結会計年度末比43億23百万円減少いたしました。これは主にリファイナンスにより1年以内償還予定の社債が80億45百万円減少したことによるものであります。当連結会計年度末における固定負債は763億25百万円となり、前連結会計年度末比236億94百万円増加いたしました。これは主にグリーンボンドによる発行等により社債が50億61百万円増加したこと、M&Aや賃貸不動産等の投資における資金調達等により長期借入金が157億45百万円増加したこと、また有価証券の時価評価等により繰延税金負債が26億49百万円増加にしたことによるものであります。
この結果、負債合計は976億80百万円となり、前連結会計年度末比193億71百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は560億6百万円となり、前連結会計年度末比81億27百万円増加いたしました。これは主に剰余金の配当5億78百万円はあったものの、親会社株主に帰属する当期純利益24億42百万円や有価証券評価差額金が54億81百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は33.7%(前連結会計年度末は35.4%)となりました。
当連結会計年度は、長期的戦略への計画的な取組みに基づき、投資資金の調達を借入により行い、食品関連のM&Aや物流関連の新規開発投資及び不動産関連の投資を実施した結果、資産及び負債は増加いたしましたが、各投資計画の稼働により、のれんや減価償却費の負担は増加したものの、EBITDA等キャッシュベースの収益力は向上しており、企業価値の向上に寄与しているものと考えております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産除売却損益10億92百万円や法人税等の支払い12億19百万円及び利息の支払い5億18百万円等がありましたが、税金等調整前当期純利益44億39百万円や減価償却費27億30百万円等があったことから、36億83百万円の収入(前期比32億98百万円の収入減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の売却による収入14億1百万円等がありましたが、有形及び無形固定資産の取得による支出123億61百万円や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出62億56百万円等があったことから、169億73百万円の支出(前期比139億21百万円の支出増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出72億84百万円や社債の償還による支出99億83百万円等がありましたが、長期借入による収入207億76百万円や社債の発行による収入69億62百万円等があったことから、112億21百万円の収入(前期は29億74百万円の支出)となりました。
中期経営計画「ヤマタネ2025プラン」2年目であった当連結会計年度は長期的戦略の計画的な取組みに基づく成長投資の実施により、現金及び現金同等物は前期比20億68百万円減少いたしました。
資本の財源及び資金の流動性についての情報については以下のとおりであります。
(資金需要)
当社グループの資金需要の主なものは、各セグメント事業活動に必要な営業費用(コメや加工食品仕入資金含む)、設備維持更新資金、販売費及び一般管理費等の各運転資金及び成長設備投資資金があります。また、銀行借入金及び社債の返済資金があります。
(資金調達方法)
当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、営業キャッシュ・フローに加え銀行借入金並びに社債の発行による資金を調達しております。また、運転資金の効率的な調達を行うため、金融機関と当座貸越契約を締結しており、一部成長投資資金の効率的な資金調達のためコミットメントライン契約を締結しております。一部借入金については、将来の金利上昇リスクを避けるため、金利スワップ契約を締結しております。
(財務方針)
当社グループでは、不動産関連の連結子会社では一部個別に資金調達を行っておりますが、それ以外の連結子会社は当社において資金調達を一元管理しております。当社グループは、基本的に営業キャッシュ・フローにより設備維持更新資金を含む各事業資金を賄っており、一部余剰資金については信用力向上のため、銀行借入金等の有利子負債の返済資金に充当しております。また、成長投資資金については、案件ごとに採算管理を行い、調達した銀行借入金等の有利子負債は個別に管理する体制を取っております。また、株主還元支出については、安定配当の基本方針のもと、2024年の創業100周年に向けて段階的に増配していく「累進配当」を行うこととしており、中期経営計画における連結配当性向目標を35%以上としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(固定資産の減損)
当社グループは、物流関連、不動産関連においては複数の事業用物件を所有し事業を運営しており、食品関連においても工場を所有し生産・販売を行っております。所有する固定資産の減損損失の認識においては、物流、不動産関連においては主に個々の事業用物件を資産グループとして捉え、また、食品関連では米穀卸売業と加工食品卸売業をそれぞれの資産グループとして捉えております。当社グループでは、長期戦略のもと新規物件投資を進めており、また、総資産に占める有形及び無形固定資産割合は68.8%となっており、固定資産の減損損失の認識の判定に係る会計上の見積りは経営上重要と考えております。なお、当該見積りに用いた仮定等については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」をご参照ください。
(のれんの評価)
当社グループは、経営戦略の一環として、M&Aを実施しております。これらの企業結合取引により生じた対象会社の取得価額と被取得企業の識別可能資産及び負債の企業結合日時点の時価との差額をのれんとして計上しており、のれんの減損の兆候の把握、減損損失の認識の判定は、対象会社ごとに行っております。今後、経営環境の変動等により、対象会社の業績が大幅に悪化した場合、財務諸表におけるのれんの金額に重要な影響を与える可能性があり、のれんの評価に係る会計上の見積りは経営上重要と考えております。なお、当該見積りに用いた仮定等については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」をご参照ください。
該当事項はありません。
該当事項はありません。