第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

(はじめに)

本項目では、本書の判読性の観点から当社設立から現在に至るまで当社の変遷状況等について説明します。

 

[変遷図]


 

上記変遷図の通り、当社は設立以降複数回の企業再編を実施していますが、当社の実質上の存続会社は、太線枠の会社となります。

そのため、本書において当社における過去の事象を記載する項目については、実質上の存続会社である太線枠の会社に係る事象について記載しています。

 

(注) 日本テレコム㈱は、2006年10月1日付で商号を「ソフトバンクテレコム㈱」に変更しました。また、同社は、2007年2月1日付でソフトバンクテレコム販売㈱との合併により消滅し、ソフトバンクテレコム販売㈱は、商号を「ソフトバンクテレコム㈱」に変更しています。

 

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

回次

国際会計基準

第34期

第35期

第36期

第37期

第38期

決算年月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

売上高

(百万円)

4,861,247

5,205,537

5,690,606

5,911,999

6,084,002

営業利益

(百万円)

911,725

970,770

965,553

1,060,168

876,068

税引前利益

(百万円)

811,195

847,699

858,011

862,868

805,912

親会社の所有者に帰属する純利益

(百万円)

473,135

491,287

517,075

531,366

489,074

親会社の所有者に帰属する包括利益

(百万円)

468,217

529,890

525,762

654,503

499,960

親会社の所有者に帰属する持分

(百万円)

1,000,546

1,535,723

1,960,621

2,224,945

2,377,074

資産合計

(百万円)

9,792,258

12,207,720

13,097,464

14,682,181

15,521,906

1株当たり親会社所有者帰属持分

(円)

211.03

327.69

416.51

470.24

479.72

親会社の所有者に帰属する
基本的1株当たり純利益

(円)

99.27

103.85

110.04

112.53

103.17

親会社の所有者に帰属する
希薄化後1株当たり純利益

(円)

97.94

102.66

108.18

111.00

101.16

親会社所有者帰属持分比率

(%)

10.2

12.6

15.0

15.2

15.3

親会社所有者帰属持分純利益率

(%)

37.9

38.7

27.3

25.4

21.3

株価収益率

(倍)

13.8

13.9

13.0

13.6

18.9

営業活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

1,249,535

1,338,949

1,215,918

1,155,750

1,239,689

投資活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

900,145

511,295

957,693

154,773

927,607

財務活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

143,613

388,462

305,072

495,260

357,098

現金及び現金同等物の期末残高

(百万円)

1,143,808

1,584,892

1,546,792

2,059,167

1,992,873

従業員数

(名)

37,821

47,313

49,581

54,986

55,400

(13,129)

(18,607)

(21,096)

(21,954)

(23,941)

 

(注1) 第36期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、第35期の連結経営指標等については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映しています。

(注2) 共通支配下の取引として取得した子会社については、第37期より、非支配株主が存在する中で行われた共通支配下の取引について、取得法に基づいて会計処理する方法に変更し、当該会針処理を遡及適用しています。そのため、第36期の連結経営指標は、遡及修正後の数値を記載しています。

(注3) 1株当たり親会社所有者帰属持分に使用する親会社所有者帰属持分は、「親会社の所有者に帰属する持分」から当社の普通株主に帰属しない金額を控除し、算定しています。

(注4) 親会社の所有者に帰属する基本的1株当たり純利益に使用する純利益は、「親会社の所有者に帰属する純利益」から当社の普通株主に帰属しない金額を控除し、算定しています。

(注5) 親会社の所有者に帰属する希薄化後1株当たり純利益に使用する純利益は、「親会社の所有者に帰属する純利益」から当社の普通株主に帰属しない金額を控除し、算定しています。

(注6) 百万円未満を四捨五入して表示しています。

(注7) 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員です。

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

日本基準

第34期

第35期

第36期

第37期

第38期

決算年月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

営業収益

(百万円)

3,257,789

3,407,542

3,339,776

3,226,319

3,331,529

経常利益

(百万円)

615,504

671,342

526,760

518,944

649,324

当期純利益

(百万円)

406,871

419,021

364,219

355,094

520,243

資本金

(百万円)

204,309

204,309

204,309

204,309

214,394

発行済株式総数

(普通株式)

(株)

4,787,145,170

4,787,145,170

4,787,145,170

4,787,145,170

4,756,200,770

発行済株式総数

(第1回社債型種類株式)

(株)

30,000,000

純資産額

(百万円)

948,485

881,528

865,387

839,657

1,009,818

総資産額

(百万円)

4,952,699

5,229,676

5,155,971

5,181,126

5,581,362

1株当たり純資産額

(円)

198.71

186.64

181.87

175.21

186.70

1株当たり配当額
(普通株式)

(1株当たり中間配当額)

(円)

85.00

86.00

86.00

86.00

86.00

(42.50)

(43.00)

(43.00)

(43.00)

(43.00)

1株当たり配当額
(第1回社債型種類株式)

(1株当たり中間配当額)

(円)

(-)

(-)

(-)

(-)

41.53

(-)

1株当たり当期純利益

(円)

85.37

88.57

77.51

75.20

109.76

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

84.23

87.57

76.69

74.55

108.75

自己資本比率

(%)

19.0

16.7

16.6

16.0

17.9

自己資本利益率

(%)

43.3

46.1

42.1

42.1

56.9

株価収益率

(倍)

16.1

16.2

18.4

20.3

17.8

配当性向

(%)

99.6

97.1

111.0

114.4

78.4

従業員数

(名)

17,299

18,173

18,929

19,045

18,889

(3,819)

(4,149)

(4,474)

(4,523)

(4,695)

株主総利回り(普通株式)

株主総利回り(第1回社債型種類株式)

(比較指標:TOPIX)

(%)

120.0

132.1

138.1

153.1

193.9

(88.2)

(122.8)

(122.3)

(125.9)

(173.9)

最高株価(普通株式)

(円)

1,554.5

1,504.5

1,620

1,574.5

2,064.5

最低株価(普通株式)

(円)

1,215

1,158

1,392

1,418

1,485

最高株価(第1回社債型種類株式)

(円)

4,040

最低株価(第1回社債型種類株式)

(円)

3,888

 

 

(注1) 百万円未満を四捨五入して表示しています。

(注2) 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員です。

(注3) 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)および「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)を第36期の期首から適用しており、第36期以降に係る主要な経営指標等については、当会計基準等を適用した後の指標等となっております。

(注4) 1株当たり純資産額は、「純資産」から当社の普通株主に帰属しない金額を控除し、算定しています。

(注5) 1株当たり当期純利益は、「当期純利益」から当社の普通株主に帰属しない金額を控除し、算定しています。

(注6) 株価収益率および配当性向は、当社の普通株主に帰属しない金額を控除し、算定しています。

(注7) 当社株式は、2018年12月19日から東京証券取引所市場第一部に上場したため、第34期から第38期の株主総利回りおよび比較指標は、2019年3月期末を基準として算定しています。

(注8) 最高・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部における株価を、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場における株価を記載しています。ただし、第1回社債型種類株式は、2023年11月2日から東京証券取引所プライム市場に上場しており、それ以前の株価については該当事項がありません。

(注9) 第1回社債型種類株式は2023年11月2日に東京証券取引所プライム市場に上場しましたので、株主総利回りについては記載していません。

 

2 【沿革】

 

年月

概要

1986年12月

日本国有鉄道の分割民営化に伴い、電話サービス・専用サービスの提供を目的として、鉄道通信㈱(現 当社)を資本金3,200百万円で設立

1987年3月

第一種電気通信事業許可を取得

1987年4月

日本国有鉄道から基幹通信網を承継し、電話サービス・専用サービスの営業開始

1989年5月

(旧)日本テレコム㈱を吸収合併、日本テレコム㈱(注)1に商号変更

1991年7月

携帯・自動車電話事業への参入を目的として㈱東京デジタルホン(関連会社)を設立

1994年9月

東京証券取引所市場第二部、大阪証券取引所市場第二部に上場

1996年9月

東京証券取引所市場第一部、大阪証券取引所市場第一部銘柄に指定

1997年10月

日本国際通信㈱を吸収合併

1999年10月

㈱東京デジタルホン等デジタルホン3社、㈱デジタルツーカー四国等デジタルツーカー6社の計9社が、各商号を変更(J-フォン9社(注)2)

2001年10月

ボーダフォン・グループPlcの間接保有の子会社であるボーダフォン・インターナショナル・ホールディングスB.V.およびフロッグホールB.V.(2001年12月にボーダフォン・インターナショナル・ホールディングスB.V.と合併)が実施した当社株式の公開買付の結果、同社は、当社株式の66.7%を保有し、当社の親会社となる

2002年7月

移動体通信事業におけるシステム・ソリューション事業の承継を目的として、会社分割により㈱ジャパン・システム・ソリューション(子会社)を設立

2002年7月

携帯端末の販売代理店事業の承継を目的として、会社分割により㈱テレコム・エクスプレス(子会社)を設立

2002年8月

持株会社体制に移行し、日本テレコムホールディングス㈱に商号変更するとともに、会社分割により日本テレコム㈱(子会社)(注)3を設立

2003年6月

委員会等設置会社に移行

2003年12月

ボーダフォンホールディングス㈱に商号変更

2004年7月

ボーダフォン・インターナショナル・ホールディングスB.V.(親会社)が実施した当社株式の公開買付の結果、同社が保有する当社株式の持株比率が96.1%となる

2004年10月

(旧)ボーダフォン㈱を吸収合併、ボーダフォン㈱(注)4に商号変更

2005年8月

東京証券取引所市場第一部、大阪証券取引所市場第一部上場廃止

2006年4月

ソフトバンク㈱(注)5の間接保有の子会社であるBBモバイル㈱が実施した当社株式の公開買付の結果、同社は、当社株式の97.6%を保有し、当社の親会社となる。また、BBモバイル㈱は、当社の株主であるメトロフォン・サービス㈱(2006年8月にBBモバイル㈱と合併)の全株式を取得した結果、同社が保有する当社株式の持株比率が99.5%となる

2006年8月

BBモバイル㈱(親会社)を完全親会社とする株式交換により、同社の100%子会社となる

2006年10月

ソフトバンクモバイル㈱に商号変更。ブランド名を「ソフトバンク」に変更

2007年6月

委員会設置会社から監査役会設置会社にガバナンス体制を変更

2010年4月

㈱ジャパン・システム・ソリューション(子会社)、他2社(子会社)を吸収合併

2015年4月

通信ネットワーク、販売チャンネル等の相互活用、サービスの連携強化により通信事業の競争力を強化することを目的として、ソフトバンクBB㈱、ソフトバンクテレコム㈱、ワイモバイル㈱を吸収合併

2015年7月

ソフトバンク㈱に商号変更

2015年7月

当社販売代理店管理業務再編を目的として、㈱テレコム・エクスプレス(子会社)を吸収合併

2015年12月

ソフトバンクグループ㈱がモバイルテック㈱と合併し、その後同日に、モバイルテック㈱の子会社であったBBモバイル㈱(親会社)と合併したことにより、同社の直接保有の子会社となる

 

 

年月

概要

2016年7月

ソフトバンクグループ㈱(親会社)が、同社保有の当社の全株式を、ソフトバンクグループジャパン合同会社へ現物出資の方式で譲渡し、ソフトバンクグループジャパン合同会社の子会社となる

2017年4月

ソフトバンクグループジャパン合同会社(親会社)が、ソフトバンクグループ㈱の子会社であるソフトバンクグループインターナショナル合同会社に吸収合併され、ソフトバンクグループインターナショナル合同会社(注)6の子会社となる

2017年5月

通信事業と流通事業の連携強化を図ることを目的として、IT関連製品の製造・流通・販売、IT関連サービスの提供を行っているソフトバンクコマース&サービス㈱(注)7の親会社である、SB C&S ホールディングス合同会社(注)8を子会社化

2018年3月

通信ネットワーク基盤の強化を図ることを目的として、Wireless City Planning㈱を子会社化

2018年4月

事業シナジーの追求および幅広い領域への事業展開を目的として、SBメディアホールディングス㈱、ソフトバンク・テクノロジー㈱(注)9、SBプレイヤーズ㈱等を子会社化

2018年4月

通信事業のサービス拡充・事業拡大を目的として仮想移動体通信事業者であるLINEモバイル㈱を子会社化

2018年5月

クラウドコンピューティングサービスの強化を目的として、㈱IDCフロンティアを子会社化

2018年12月

東京証券取引所市場第一部に上場

2019年6月

FinTech(注)10を含む様々な事業分野での連携およびシナジー強化を目的として、ヤフー㈱(注)11、13を子会社化

2019年11月

当社の子会社であるZホールディングス㈱(注)13は、eコマース事業のさらなる成長のためにファッションECを強化することを目的として、㈱ZOZOを子会社化

2021年3月

当社の子会社であるZホールディングス㈱は、日本・アジアから世界をリードするAIテックカンパニーとなることを目指し、LINE㈱(注)12、13を子会社化

2021年6月

インターネット広告事業での連携およびシナジー創出を目的として、㈱イーエムネットジャパンを子会社化

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行

2022年10月

金融事業での連携強化およびシナジー強化を目的として、PayPay㈱を子会社化

2023年11月

第1回社債型種類株式を東京証券取引所プライム市場に上場

2024年3月

コネクテッドカーやSDCV(注)14、IoTモビリティ領域においてグローバル規模で主導していくことを目的として、Cubic Telecom Ltd.を子会社化

 

(注1) 鉄道通信㈱は同社を存続会社として、日本テレコム㈱を1989年5月1日付で吸収合併し、商号を「日本テレコム㈱」に変更しました。なお、合併前の「日本テレコム㈱」と合併後の「日本テレコム㈱」との区別を明確にするため、合併前の会社名は(旧)の文字を付しています。

 

(旧)日本テレコム㈱の沿革は次の通りです。

1984年10月 (旧)日本テレコム㈱を設立

1985年6月 第一種電気通信事業許可を取得

 

(注2) ジェイフォン東京㈱、ジェイフォン関西㈱、ジェイフォン東海㈱、ジェイフォン九州㈱、ジェイフォン中国㈱、ジェイフォン東北㈱、ジェイフォン北海道㈱、ジェイフォン北陸㈱、ジェイフォン四国㈱

 

(注3) 日本テレコム㈱(子会社)は、2006年10月1日付で商号を「ソフトバンクテレコム㈱」に変更しました。また、同社は、2007年2月1日付でソフトバンクテレコム販売㈱との合併により消滅し、ソフトバンクテレコム販売㈱は、商号を「ソフトバンクテレコム㈱」に変更しています。

 

(注4) ボーダフォンホールディングス㈱は同社を存続会社として、ボーダフォン㈱を2004年10月1日付で吸収合併し、商号を「ボーダフォン㈱」に変更しました。なお、合併前の「ボーダフォン㈱」と合併後の「ボーダフォン㈱」との区別を明確にするため、合併前の会社名は(旧)の文字を付しています。

 

(旧)ボーダフォン㈱の沿革は次の通りです。

1998年11月

㈱アイエムティ二千企画を設立

2000年4月

ジェイフォン㈱に商号変更

2000年5月

J-フォン9社の持株会社に移行

2000年10月

J-フォン9社を、ジェイフォン東日本㈱、ジェイフォン東海㈱、ジェイフォン西日本㈱に合併再編

2001年11月

ジェイフォン東日本㈱、ジェイフォン東海㈱、ジェイフォン西日本㈱と合併

2003年10月

(旧)ボーダフォン㈱に商号変更

 

 

 

(注5) ソフトバンク㈱は、2015年7月1日付で商号を「ソフトバンクグループ㈱」に変更しています。

 

(注6) ソフトバンクグループインターナショナル合同会社は、2018年6月15日付で株式会社に組織変更し、「ソフトバンクグループジャパン㈱」に商号変更しています。

 

(注7) ソフトバンクコマース&サービス㈱は、2019年1月1日付で商号を「SB C&S㈱」に変更しています。

 

(注8) SB C&S ホールディングス合同会社は、2018年3月23日付でSB C&S ホールディングス㈱に組織変更しています。また、同社は、同社を存続会社として、SB C&S㈱を2020年4月1日付で吸収合併し、商号を「SB C&S㈱」に変更しました。

 

(注9) ソフトバンク・テクノロジー㈱は、2019年10月1日付で商号を「SBテクノロジー㈱」に変更しています。

 

(注10) FinTechとは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融サービスと情報通信技術を結び付けた様々な革新的なサービスのことを意味します。

 

(注11) ヤフー㈱は、2019年10月1日付で商号を「Zホールディングス㈱」に変更しており、同日付で紀尾井町分割準備㈱は商号を「ヤフー㈱」に変更しています。

 

(注12) LINE㈱は、旧LINE分割準備㈱であり、旧LINE㈱(現Aホールディングス㈱)の全事業(Zホールディングス㈱株式ならびにZホールディングス㈱および旧LINE㈱の対等な精神に基づく経営統合に関して旧LINE㈱が締結した契約に係る契約上の地位その他吸収分割契約において定める権利義務を除く。)を吸収分割により承継した法人です。

 

(注13) 2023年10月1日付でZホールディングス㈱を存続会社とし、同社ならびにLINE㈱およびヤフー㈱を中心としたグループ内再編が行われました。同日をもって、Zホールディングス㈱はLINEヤフー㈱に、LINE㈱はZ中間グローバル㈱に商号変更され、ヤフー㈱は消滅しました。

 

(注14) SDCV(Software-Defined Connected Vehicle)とは主にインターネットに接続されたソフトウエアを通じて機能を更新することができる車両のことを指します。

 

 

 

3 【事業の内容】

(1) 事業内容の概要

当企業集団は、2024年3月31日現在、当社と子会社239社(以下「当社グループ」)、関連会社57社および共同支配企業20社により構成されています。当社の親会社はソフトバンクグループ㈱です。以下、「ソフトバンクグループ㈱」はソフトバンクグループ㈱単体、「ソフトバンクグループ」はソフトバンクグループ㈱およびその子会社を含む企業集団、「LINEヤフーグループ」はLINEヤフー㈱およびその子会社を含む企業集団とします。

ソフトバンクグループは、創業以来一貫して、情報革命を通じ人類と社会に貢献してきました。「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、世界の人々が最も必要とするテクノロジーやサービスを提供する企業グループとなることを目指すとともに、企業価値の最大化を図ってきました。

その中において、当社グループはソフトバンクグループの日本における中心的な事業会社として、ソフトウエアの卸販売、ブロードバンド、固定通信等の事業を受け継ぎつつ、最先端テクノロジーを用いて快適で利便性の高い通信サービスを競争力のある価格で提供し、日本における通信と社会の発展に貢献してきました。当社グループは、成長戦略「Beyond Carrier」を推進することにより、日本でも有数の通信ネットワークに加え、総合インターネットサービス「Yahoo! JAPAN」やコミュニケーションアプリ「LINE」、キャッシュレス決済サービス「PayPay」など日本最大級のユーザー基盤を有する通信・IT企業グループとなりました。今後も、成長戦略「Beyond Carrier」の下、コアビジネスである通信事業の持続的な成長を図りながら、通信キャリアの枠を超え、情報・テクノロジー領域のさまざまな分野で積極的にグループの事業を拡大することで、企業価値の最大化を目指します。また、通信事業とこれらのグループ事業との連携を強化することを通じて、通信事業の競争力を強化するとともに、グループ事業のサービス利用者数の拡大やユーザーエンゲージメントの向上などのシナジーの創出を推進します。

なお、当社グループは2023年6月30日に終了した3カ月間より報告セグメントの名称を一部見直し、「コンシューマ」、「法人」、「流通」、「ヤフー・LINE」、「金融」から「コンシューマ」、「エンタープライズ」、「ディストリビューション」、「メディア・EC」、「ファイナンス」へ変更しています。この変更はセグメント名称のみを変更するものであり、セグメントの区分、範囲、測定方法への変更はありません。

 

a. コンシューマ事業

主として、日本国内の個人のお客さまに対し、モバイルサービス、ブロードバンドサービスおよび「おうちでんき」などの電力サービスを提供しています。また、携帯端末メーカーから携帯端末を仕入れ、ソフトバンクショップ等を運営する代理店または個人のお客さまに対して販売しています。

(a) モバイルサービス

モバイルサービスでは、次の3つのブランドを展開しています。

-「SoftBank」ブランド  :

最新のスマートフォンや携帯端末、大容量データプランを求めるスマートフォンユーザー向け高付加価値ブランド

-「Y!mobile」ブランド  :

低価格かつ安心のサービスを特徴とするブランド/ライトユーザーや月々の通信料を抑えることを重視するお客さま向けのスマートフォン、Pocket Wi-Fi等を提供するブランド

-「LINEMO」ブランド   :

メッセンジャーアプリ「LINE」がデータ容量を消費せずに使い放題となるプランを提供するほか、全ての手続きをオンライン上で完了できるオンライン専用ブランド

 

 

「SoftBank」および「Y!mobile」のスマートフォンユーザーに対しては、追加料金を支払うことなく、LINEヤフー㈱提供の「LYPプレミアム」(注1)をご利用いただけるサービスを提供しています。

これに加え、「SoftBank」スマートフォンユーザーは、PayPayポイントがたくさんもらえる「ソフトバンクプレミアム」の特典として、PayPayポイントが戻ってくる「スーパーPayPayクーポン」の提供を受けられます。また、長く対象プランに加入頂いているお客さまに対する長期継続特典として、PayPayポイントの付与等を実施しています。

 

(b) ブロードバンドサービス

ブロードバンドサービスでは、主として、個人のお客さま向けの高速・大容量通信回線サービスである「SoftBank 光」(注2)、「フレッツ光」とセットで提供するISPサービス(注3)である「Yahoo! BB 光 with フレッツ」を展開しています。

 

また、2015年より、「SoftBank 光」等のブロードバンドサービスを移動通信サービスとセットで契約するお客さまに対し、移動通信サービスの通信料金を割り引くサービス「おうち割 光セット」を提供しています。

 

(c) 電力サービス

電力サービスでは、主として、個人のお客さま向けに「おうちでんき」、「自然でんき」などの電力供給サービスを提供しています。

 

(主要な関係会社)

当社、Wireless City Planning㈱、SBモバイルサービス㈱、SBパワー㈱

 

b. エンタープライズ事業

法人のお客さまに対し、モバイル回線提供や携帯端末レンタルなどのモバイルサービス、固定電話やデータ通信などの固定通信サービス、データセンター、クラウド、セキュリティ、グローバル、AI(注4)、IoT(注5)、デジタルマーケティング等のソリューションサービスなど、多様な法人向けサービスを提供しています。

 

(主要な関係会社)

当社、Wireless City Planning㈱、SBエンジニアリング㈱、㈱IDCフロンティア、㈱イーエムネットジャパン、Cubic Telecom Ltd.(注6)

 

c. ディストリビューション事業

ディストリビューション事業は、変化する市場環境を迅速にとらえた最先端のプロダクトやサービスを提供しています。法人のお客さま向けには、クラウドサービス、AIを含めた先進テクノロジーを活用し商材を提供しています。個人のお客さま向けには、メーカーあるいはディストリビューターとして、ソフトウエアやモバイルアクセサリー、IoTプロダクト等、多岐にわたる商品の企画・提供を行っています。

 

(主要な関係会社)

SB C&S㈱

 

d. メディア・EC事業

メディア・EC事業は、メディアおよびコマースを中心としたサービスを展開し、オンラインからオフラインまで一気通貫でサービスを提供しています。メディア領域においては、総合インターネットサービス「Yahoo! JAPAN」やコミュニケーションアプリ「LINE」での広告関連サービス、コマース領域においては「Yahoo!ショッピング」、「ZOZOTOWN」などのオンラインショッピングサービスや「Yahoo!オークション」などのリユースサービス、戦略領域においては、メディア・コマースに次ぐ新たな収益の柱となるよう取り組んでいるFinTech(注7)サービス等の提供を行っています。

 

(主要な関係会社)

LINEヤフー㈱(注8)、アスクル㈱、㈱ZOZO、㈱一休、バリューコマース㈱(注9)、PayPay銀行㈱、LINE Pay㈱、LINE Financial Corporation(注10)、LINE Plus Corporation、LINE SOUTHEAST ASIA CORP.PTE.LTD.

 

 

e. ファイナンス事業

ファイナンス事業では、QRコード決済やクレジットカードなどのキャッシュレス決済サービス、加盟店のマーケティングソリューションの開発・提供、資産運用などの金融サービス、およびクレジットカード・電子マネー・QRコードなど多様化する決済を一括で提供する決済代行サービスなどを提供しています。

 

(主要な関係会社)

PayPay㈱、PayPayカード㈱、SBペイメントサービス㈱、PayPay証券㈱

 

f. その他の事業

その他の事業として、クラウドサービス、セキュリティ運用監視サービス、IoTソリューションの提供、IoT、Linux/OSS、認証・セキュリティサービスの提供、およびデジタルメディア・デジタルコンテンツの企画・制作などを行っています。当社グループでは最先端の技術革新をビジネスチャンスとして常に追求しており、FinTech、IoT、クラウドなどの分野に積極的に投資を行い、事業展開を図っています。

 

(主要な関係会社) (注11)

当社、SBテクノロジー㈱、サイバートラスト㈱、アイティメディア㈱

 

 

(注1) 「LYPプレミアム」(月額会員費508円(税込)から)は、旧「Yahoo!プレミアム」で提供していた、「Yahoo!ショッピング」利用によるPayPayポイント(譲渡不可)の付与などに加え、「LINE」でLINEスタンプ プレミアムのベーシックコースが適用されるなど、様々なサービスで特典を受けられる会員サービスです。「SoftBank」ユーザーは「スマートログイン」設定により、また、「Y!mobile」ユーザーは初期登録により、追加料金の支払いなしに利用できます。

(注2) 「SoftBank Air」を含みます。

(注3) ISPサービスとは、ユーザーのコンピューターをインターネットに接続するための手段を提供するサービスを意味します。ISPはInternet Service Providerの略称です。

(注4) AIとは、Artificial Intelligenceの略称で、人工知能のことです。

(注5) IoTとは、Internet of Thingsの略称で、モノがインターネット経由で通信することです。

(注6) 2024年3月6日付で、当社はCubic Telecom Ltd.の株式の54.3%(議決権所有割合)を取得しました。

(注7) FinTechとは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融サービスと情報通信技術を結び付けたさまざまな革新的なサービスのことです。

(注8) 2023年10月1日付でZホールディングス㈱を存続会社とし、同社ならびにLINE㈱およびヤフー㈱を中心としたグループ内再編に関する手続きが完了しました。同日をもって、Zホールディングス㈱はLINEヤフー㈱に、LINE㈱はZ中間グローバル㈱に商号変更され、ヤフー㈱は消滅しました。また、LINEヤフーグループの国内金融事業領域の中間持株会社は、これまでLINE Financial㈱とZフィナンシャル㈱の2社体制でしたが、グループ内再編により、Zフィナンシャル㈱にその機能が集約されました。

 

 

下図は、2024年3月31日現在における議決権所有割合を示しています。

 


 

(注9) バリューコマース㈱が実施した自己株式の公開買付けに当社子会社であるZホールディングス中間㈱が応募しました。その結果、2024年5月2日付でバリューコマース㈱は当社の子会社に該当しないこととなり、新たに当社の持分法適用関連会社となりました。

(注10) 2023年10月1日付で、LINE Financial Plus CorporationはLINE Financial Corporationへ商号変更しています。

(注11) 2023年10月1日付で、当社は完全子会社であるHAPSモバイル㈱を吸収合併しました。これに伴い、HAPSモバイル㈱は解散しました。

 

 

事業系統図は次の通りです。(2024年3月31日現在)

 


 

(2) 事業に係る法的規制

当社グループのうち、国内において電気通信サービスを提供する会社は電気通信事業に係る登録電気通信事業者および認定電気通信事業者であるため、電気通信事業を行うにあたり、電気通信事業法に基づく法的規制事項があります。

また、無線局に係る電気通信設備の設置にあたっては、電波法に基づく免許等を受ける必要があります。

事業に係る法的規制の概要は以下の通りです。

 

a. 電気通信事業法

(a) 登録電気通信事業に係る規制

ⅰ.電気通信事業の登録(第9条)

電気通信事業を営もうとする者は、総務大臣の登録を受けなければならない。

ⅱ.登録の拒否(第12条)

総務大臣は、第10条第1項(電気通信事業の登録)の申請書を提出した者が次の各号のいずれかに該当するとき、または当該申請書もしくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、もしくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。

(ⅰ) 電気通信事業法、有線電気通信法もしくは電波法またはこれらに相当する外国の法令の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、またはその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者。

 

(ⅱ) 第14条第1項(登録の取消し)の規定により登録の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者または電気通信事業法に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録(当該登録に類する許可その他の行政処分を含む。)の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者。

(ⅲ) 法人または団体であって、その役員のうちに前2号のいずれかに該当する者があるもの。

(ⅳ) 外国法人等であって国内における代表者又は国内における代理人を定めていない者。

(ⅴ) その電気通信事業が電気通信の健全な発達のために適切でないと認められる者。

ⅲ.登録の更新(第12条の2)

第9条(電気通信事業の登録)の登録は、第12条の2第1項各号に掲げる事由が生じた場合において、当該事由が生じた日から起算して3箇月以内にその更新を受けなかったときは、その効力を失う。

ⅳ.変更登録等(第13条)

第9条(電気通信事業の登録)の登録を受けた者は、業務区域または電気通信設備の概要の事項を変更しようとするときは、総務大臣の変更登録を受けなければならない。ただし、総務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。

ⅴ.登録の取消し(第14条)

総務大臣は、第9条(電気通信事業の登録)の登録を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、同条の登録を取り消すことができる。

(ⅰ) 当該第9条の登録を受けた者が電気通信事業法または同法に基づく命令もしくは処分に違反した場合において、公共の利益を阻害すると認めるとき。

(ⅱ) 不正の手段により第9条の登録、第12条の2第1項の登録の更新または第13条第1項の変更登録を受けたとき。

(ⅲ) 第12条(登録の拒否)第1項第1号から第4号まで(第2号にあっては、電気通信事業法に相当する外国の法令の規定に係る部分に限る。)のいずれかに該当するに至ったとき。

ⅵ.承継(第17条)

電気通信事業の全部の譲渡しがあったとき、または電気通信事業者について合併、分割(電気通信事業の全部を承継させるものに限る。)があったときは、当該電気通信事業の全部を譲り受けた者または合併後存続する法人もしくは合併により設立した法人、分割により当該電気通信事業の全部を承継した法人は、電気通信事業者の地位を承継し、電気通信事業者の地位を承継した者は、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

ⅶ.事業の休止および廃止ならびに法人の解散(第18条)

(ⅰ) 電気通信事業者は、電気通信事業の全部または一部を休止し、または廃止したときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

(ⅱ) 電気通信事業者は、電気通信事業の全部または一部を休止し、または廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、当該休止または廃止しようとする電気通信事業の利用者に対し、その旨を周知させなければならない。

ⅷ.基礎的電気通信役務の契約約款(第19条)

基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、その提供する基礎的電気通信役務に関する料金その他の提供条件について契約約款を定め、総務省令で定めるところにより、その実施前に、総務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、契約約款で定める料金その他の提供条件については、届け出た契約約款によらなければ基礎的電気通信役務を提供してはならない。

(ⅰ)災害時など総務省令で定める基準に従い、届出契約約款に定める当該基礎的電気通信役務の料金を減免する場合

(ⅱ)当該基礎的電気通信役務(第二号基礎的電気通信役務に限る。)の提供の相手方と料金その他の提供条件について別段の合意がある場合

(注) 基礎的電気通信役務とは、国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべきサービスとして、電気通信事業法施行規則において指定されています。第一号基礎的電気通信役務としては「アナログ電話の加入者回線」や「公衆電話」等が該当し、第二号基礎的電気通信役務としては「FTTHアクセスサービス」等が指定されています。

当社の主たるサービスで該当するものは、第一号基礎的電気通信役務としては「おとくライン」の基本料、第二号基礎的電気通信役務としては「SoftBank光」です。

ⅸ.電気通信回線設備との接続(第32条)

電気通信事業者は、他の電気通信事業者から当該他の電気通信事業者の電気通信設備をその設置する電気通信回線設備に接続すべき旨の請求を受けたときは、次に掲げる場合を除き、これに応じなければならない。

(ⅰ) 電気通信役務の円滑な提供に支障が生ずるおそれがあるとき。

(ⅱ) 当該接続が当該電気通信事業者の利益を不当に害するおそれがあるとき。

(ⅲ) 前2号に掲げる場合のほか、総務省令で定める正当な理由があるとき。

ⅹ.第一種指定電気通信設備との接続(第33条)

第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、当該第一種指定電気通信設備と他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関する接続料および接続条件について接続約款を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

(注1) 第一種指定電気通信設備とは、加入者回線およびこれと一体として設置される設備であって、他の電気通信事業者との接続が利用者の利便の向上および電気通信の総合的かつ合理的な発達に欠くことができない電気通信設備をいいます。現在、第一種指定電気通信設備には、東日本電信電話㈱(以下「NTT東日本」)と西日本電信電話㈱(以下「NTT西日本」)が設置するNGN、加入光ファイバー等が指定されています。

(注2) 当社は、当連結会計年度末現在、第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者に該当していません。

 ⅺ.外国政府等との協定等の認可(第40条)

電気通信事業者は、外国政府または外国人もしくは外国法人との間に、電気通信業務に関する協定または契約であって総務省令で定める重要な事項を内容とするものを締結し、変更し、または廃止しようとするときは、総務大臣の認可を受けなければならない。

 

(b) 認定電気通信事業に係る規制

ⅰ.事業の認定(第117条)

電気通信回線設備を設置して電気通信役務を提供する電気通信事業を営む電気通信事業者または当該電気通信事業を営もうとする者は、次節の規定(土地の使用)の適用を受けようとする場合には、申請により、その電気通信事業の全部または一部について、総務大臣の認定を受けることができる。

ⅱ.欠格事由(第118条)

次の各号のいずれかに該当する者は、前条の認定を受けることができない。

(ⅰ) 電気通信事業法または有線電気通信法もしくは電波法またはこれらに相当する外国の法令の規定により罰金以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その執行を終わり、またはその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者。

(ⅱ) 第125条(認定の失効)第2号に該当することにより認定がその効力を失い、その効力を失った日から2年を経過しない者または第126条(認定の取消し)第1項の規定により認定の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者。

(ⅲ) 法人または団体であって、その役員のうちに前2号のいずれかに該当する者があるもの。

(ⅳ) 外国法人等であって国内における代表者等又は国内における代理人を定めていない者。

ⅲ.変更の認定等(第122条)

(ⅰ) 認定電気通信事業者は、業務区域、電気通信設備の概要を変更しようとするときは、総務大臣の認定を受けなければならない。ただし、総務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。

(ⅱ) 認定電気通信事業者は、前項ただし書の総務省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

ⅳ.承継(第123条)

(ⅰ) 認定電気通信事業者たる法人が合併または分割(認定電気通信事業の全部を承継させるものに限る。)をしたときは、合併後存続する法人もしくは合併により設立された法人または分割により当該認定電気通信事業の全部を承継した法人は、総務大臣の認可を受けて認定電気通信事業者の地位を承継することができる。

(ⅱ) 認定電気通信事業者が認定電気通信事業の全部の譲渡しをしたときは、当該認定電気通信事業の全部を譲り受けた者は、総務大臣の認可を受けて認定電気通信事業者の地位を承継することができる。

ⅴ.事業の休止および廃止(第124条)

認定電気通信事業者は、認定電気通信事業の全部または一部を休止し、または廃止したときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

ⅵ.認定の取消し(第126条)

総務大臣は、認定電気通信事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消すことができる。

(ⅰ) 第118条(欠格事由)第1号、第3号または第4号に該当するに至ったとき。

(ⅱ) 第120条(事業の開始の義務)第1項の規定により指定した期間(同条第3項の規定による延長があったときは、延長後の期間)内に認定電気通信事業を開始しないとき。

(ⅲ) 前2号に規定する場合のほか、認定電気通信事業者が電気通信事業法または同法に基づく命令もしくは処分に違反した場合において、公共の利益を阻害すると認めるとき。

 

(c) 電気通信事業者の禁止行為

ⅰ.電気通信事業者の禁止行為(第27条の2)

(ⅰ) 電気通信事業者は、次に掲げる行為をしてはならない。

(1) 利用者に対し、第26条第1項各号に掲げる電気通信役務の提供に関する契約に関する事項であって、利用者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為

(2) 第26条第1項各号に掲げる電気通信役務の提供に関する契約の締結の勧誘に先立って、その相手方(電気通信事業者である者を除く。)に対し、自己の氏名若しくは名称又は当該契約の締結の勧誘である旨を告げずに勧誘する行為(利用者の利益の保護のため支障を生ずるおそれがないものとして総務省令で定めるものを除く。)

(3) 第26条第1項各号に掲げる電気通信役務の提供に関する契約の締結の勧誘を受けた者(電気通信事業者である者を除く。)が当該契約を締結しない旨の意思(当該勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の意思を含む。)を表示したにもかかわらず、当該勧誘を継続する行為(利用者の利益の保護のため支障を生ずるおそれがないものとして総務省令で定めるものを除く。)

(4)  前3号に掲げるもののほか、利用者の利益の保護のため支障を生ずるおそれがあるものとして総務省令で定める行為

 

(d) 移動電気通信役務を提供する電気通信事業者の禁止行為

ⅰ.移動電気通信役務を提供する電気通信事業者の禁止行為(第27条の3)

(ⅰ) 総務大臣は、総務省令で定めるところにより、電気通信役務の提供の状況その他の事情を勘案して電気通信事業者間の適正な競争関係を確保する必要があるものとして総務大臣が指定する移動電気通信役務を提供する電気通信事業者を(ⅱ)の規定の適用を受ける電気通信事業者として指定することができる。

(注) 当連結会計年度末現在、電気通信役務の提供の状況その他の事情を勘案して電気通信事業者間の適正な競争関係を確保する必要があるものとして総務大臣が指定する移動電気通信役務として、携帯電話端末サービスおよび無線インターネット専用サービス(一定の電気通信役務を除く。)が指定されています(2019年9月6日号外総務省告示第166号)。

(ⅱ) 指定された電気通信事業者は、次に掲げる行為をしてはならない。

(1) その移動電気通信役務の提供を受けるために必要な移動端末設備となる電気通信設備の販売等(販売、賃貸その他これらに類する行為をいう。)に関する契約の締結に際し、当該契約に係る当該移動電気通信役務の利用者に対し、当該移動電気通信役務の料金を当該契約の締結をしない場合におけるものより有利なものとすることその他電気通信事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがある利益の提供として総務省令で定めるものを約し、または第三者に約させること。

(2) その移動電気通信役務の提供に関する契約の締結に際し、当該移動電気通信役務の利用者に対し、当該契約の解除を行うことを不当に妨げることにより電気通信事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがあるものとして総務省令で定める当該移動電気通信役務に関する料金その他の提供条件を約し、または届出媒介等業務受託者に約させること。

 

(e) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者に係る規制

 当連結会計年度末現在、当社の有する電気通信設備が第二種指定電気通信設備に指定されており、当社は、第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者として以下のような規制の適用を受けます。

(注) 第二種指定電気通信設備とは、電気通信事業法第34条第1項に基づき総務大臣が指定する電気通信設備をいいます。

ⅰ.第二種指定電気通信設備との接続(第34条)

(ⅰ) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、当該第二種指定電気通信設備と他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、当該第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が取得すべき金額および接続条件について接続約款を定め、総務省令で定めるところにより、その実施前に、総務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

(ⅱ) 総務大臣は、届け出た接続約款が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者に対し、相当の期限を定め、当該接続約款を変更すべきことを命ずることができる。

(1) 次に掲げる事項が適正かつ明確に定められていないとき。

a.他の電気通信事業者の電気通信設備を接続することが技術的および経済的に可能な接続箇
  所のうち標準的なものとして総務省令で定める箇所における技術的条件

b.総務省令で定める機能ごとの第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が取得す
  べき金額

c.第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者およびこれとその電気通信設備を接続
  する他の電気通信事業者の責任に関する事項

d.電気通信役務に関する料金を定める電気通信事業者の別

e.a.からd.までに掲げるもののほか、第二種指定電気通信設備との接続を円滑に行うために
  必要なものとして総務省令で定める事項

(2) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が取得すべき金額が能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを算定するものとして総務省令で定める方法により算定された金額を超えるものであるとき。

(3) 接続条件が、第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者がその第二種指定電気通信設備に自己の電気通信設備を接続することとした場合の条件に比して不利なものであるとき。

(4) 特定の電気通信事業者に対し不当な差別的な取扱いをするものであるとき。

(ⅲ) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、届け出た接続約款によらなければ、他の電気通信事業者との間において、第二種指定電気通信設備との接続に関する協定を締結し、または変更してはならない。

(ⅳ) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、総務省令で定めるところにより、届け出た接続約款を公表しなければならない。

(ⅴ) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、総務省令で定めるところにより、第二種指定電気通信設備との接続に関する会計を整理し、およびこれに基づき当該接続に関する収支の状況その他総務省令で定める事項を公表しなければならない。

(ⅵ) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、他の電気通信事業者がその電気通信設備と第二種指定電気通信設備との接続を円滑に行うために必要な情報の提供に努めなければならない。

ⅱ.第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供(第38条の2)

(ⅰ) 第一種指定電気通信設備又は第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、当該第一種指定電気通信設備又は第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始したときは、総務省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨、総務省令で定める区分ごとの卸電気通信役務の種類その他総務省令で定める事項を総務大臣に届け出なければならない。届け出た事項を変更し、又は当該業務を廃止したときも、同様とする。

(ⅱ) 特定卸電気通信役務(第一種指定電気通信設備又は第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務のうち、電気通信事業者間の適正な競争関係に及ぼす影響が少ないものとして総務省令で定めるもの以外のものをいう。以下同じ。)を提供する電気通信事業者は、正当な理由がなければ、その業務区域における当該特定卸電気通信役務の提供を拒んではならない。

(ⅲ) 特定卸電気通信役務を提供する電気通信事業者は、当該特定卸電気通信役務の提供に関する契約の締結の申入れを受けた場合において、当該特定卸電気通信役務に関し、当該申入れをした電気通信事業者の負担すべき金額その他の提供の条件について提示をする時までに、当該申入れをした電気通信事業者から、当該提示と併せて当該金額の算定方法その他特定卸電気通信役務の提供に関する契約の締結に関する協議の円滑化に資する事項として総務省令で定める事項を提示するよう求められたときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。

(ⅳ) 総務大臣は、特定卸電気通信役務を提供する電気通信事業者が前項の規定に違反したときは、当該電気通信事業者に対し、公共の利益を確保するために必要な限度において、業務の方法の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができる。

 

b. 電波法

ⅰ.無線局の開設(第4条)

無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。

ⅱ.欠格事由(第5条第3項)

次の各号のいずれかに該当する者には、無線局の免許を与えないことができる。

(ⅰ) 電波法または放送法に規定する罪を犯し罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、またはその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者。

(ⅱ) 無線局の免許の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者。

(ⅲ) 特定基地局の開設計画に係る認定の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者。

(ⅳ) 無線局の登録の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者。

ⅲ.免許の申請(第6条)

(ⅰ) 無線局の免許を受けようとする者は、申請書に、次に掲げる事項を記載した書類を添えて、総務大臣に提出しなければならない。

(1) 目的

(2) 開設を必要とする理由

(3) 通信の相手方および通信事項

(4) 無線設備の設置場所

(5) 電波の型式ならびに希望する周波数の範囲および空中線電力

(6) 希望する運用許容時間

(7) 無線設備の工事設計および工事落成の予定期日

(8) 運用開始の予定期日

(9) 他の無線局の免許人等との間で混信その他の妨害を防止するために必要な措置に関する契約を締結しているときは、その契約の内容

(ⅱ) 次に掲げる無線局であって総務大臣が公示する周波数を使用するものの免許の申請は、総務大臣が公示する期間内に行わなければならない。(第6条第8項)

(1) 電気通信業務を行うことを目的として陸上に開設する移動する無線局(1または2以上の都道府県の区域の全部を含む区域をその移動範囲とするものに限る。)。

(2) 電気通信業務を行うことを目的として陸上に開設する移動しない無線局であって、前号に掲げる無線局を通信の相手方とするもの。

(3) 電気通信業務を行うことを目的として開設する人工衛星局。

ⅳ.免許の有効期間(第13条)

免許の有効期間は、免許の日から起算して5年を超えない範囲内において総務省令で定める。ただし、再免許を妨げない。

ⅴ.変更等の許可(第17条)

免許人は、無線局の目的、通信の相手方、通信事項、無線設備の設置場所を変更し、または無線設備の変更の工事をしようとするときは、あらかじめ総務大臣の許可を受けなければならない。

ⅵ.免許の承継(第20条)

(ⅰ) 免許人たる法人が合併または分割(無線局をその用に供する事業の全部を承継させるものに限る。)をしたときは、合併後存続する法人もしくは合併により設立された法人または分割により当該事業の全部を承継した法人は、総務大臣の許可を受けて免許人の地位を承継することができる。

(ⅱ) 免許人が無線局をその用に供する事業の全部の譲渡しをしたときは、譲受人は、総務大臣の許可を受けて免許人の地位を承継することができる。

ⅶ.無線局の廃止(第22条)

免許人は、その無線局を廃止するときは、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

ⅷ.検査等事業者の登録(第24条の2)

無線設備等の検査または点検の事業を行う者は、総務大臣の登録を受けることができる。

ⅸ.登録の取消し等(第24条の10)

総務大臣は、登録検査等事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、または期間を定めてその登録に係る検査または点検の業務の全部もしくは一部の停止を命ずることができる。

(ⅰ) 電波法に規定する罪を犯し、罰金以上の刑に処せられることに至ったとき(第24条の2第5項各号(第2号を除く。))。

(ⅱ) 登録検査等事業者の氏名、住所等の変更(第24条の5第1項)または登録検査等事業者の地位継承の届出(第24条の6第2項)の規定に違反したとき。

(ⅲ) 総務大臣による適合命令(第24条の7第1項または第2項)に違反したとき。

(ⅳ) 工事落成後の検査(第10条第1項)、無線局の変更検査(第18条第1項)もしくは定期検査(第73条第1項)を受けた者に対し、その登録に係る点検の結果を偽って通知したことまたは第73条第3項に規定する証明書に虚偽の記載をしたことが判明したとき。

(ⅴ) その登録に係る業務の実施の方法によらないでその登録に係る検査または点検の業務を行ったとき。

(ⅵ) 不正な手段により第24条の2第1項の登録(検査等事業者の登録)またはその更新を受けたとき。

ⅹ.特定基地局の開設指針(第27条の12)

(ⅰ) 総務大臣は、既に開設されている電気通信業務用基地局(以下「既設電気通信業務用基地局」という。)が現に使用している周波数を使用する電気通信業務用基地局については、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものに限り、特定基地局とすることができる。

(1) 電波法第26条の3第4項の規定により有効利用評価の結果の報告を受けた場合において、既設電気通信業務用基地局(電波法第27条の15第3項に規定する認定計画に従って開設されているものであって、当該認定計画に係る認定の有効期間が満了していないものを除く。)が現に使用している周波数に係る当該結果が総務省令で定める基準を満たしていないと認めるとき

(2) 申出に係る開設指針を定める必要がある旨を決定したとき

(3) 電波に関する技術の発達、需要の動向その他の事情を勘案して、既設電気通信業務用基地局が現に使用している周波数の再編を行い、当該周波数の再編により新たに区分された周波数を使用する電気通信業務用基地局の開設を図ることが電波の公平かつ能率的な利用を確保するために必要であると認めるとき

ⅺ.開設指針の制定の申出(第27条の13)

既設電気通信業務用基地局が現に使用している周波数を使用する電気通信業務用基地局を特定基地局として開設することを希望する者(当該既設電気通信業務用基地局の免許人を除く。)は、総務省令で定めるところにより、当該特定基地局の開設指針について、制定すべきことを総務大臣に申し出ることができる。

ⅻ.開設計画の認定(第27条の14)

特定基地局を開設しようとする者は、通信系(通信の相手方を同じくする同一の者によって開設される特定基地局の総体をいう。)ごとに、特定基地局の開設に関する計画(以下「開設計画」)を作成し、これを総務大臣に提出して、その開設計画が適当である旨の認定を受けることができる。

xⅲ.認定の取消し等(第27条の16)

(ⅰ) 総務大臣は、認定開設者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消さなければならない。

(1) 電気通信業務を行うことを目的とする特定基地局に係る認定開設者が電気通信事業法第14条第1項の規定により同法第9条の登録を取り消されたとき。

(ⅱ) 総務大臣は、認定開設者が次に該当するときは、その認定を取り消すことができる。

   (1) 正当な理由がないのに、認定計画に係る特定基地局を当該認定計画にしたがって開設せず、または認定計画に係る既に開設されている特定基地局であって、その無線設備に電波の有効利用に資すると認められる機能を付与した基地局を当該認定計画に従って運用していないと認めるとき。

(2) 正当な理由がないのに、認定計画に係る開設指針に定める納付の期限までに第27条の13の規定による認定を受けた者が納付すべき金銭を納付していないとき。

(3) 不正な手段により開設計画の認定を受け、または周波数指定の変更を行わせたとき。

(4) 認定開設者が電波法に規定する罪を犯し、罰金以上の刑に処せられることに至ったとき。

(5) 電気通信業務を行うことを目的とする特定基地局に係る認定開設者が次のいずれかに該当するとき。

a.電気通信事業法第12条第1項の規定により同法第9条の登録を拒否されたとき

b.電気通信事業法第12条の2第1項の規定により同法第9条の登録がその効力を失ったとき

c.電気通信事業法第13条第4項において準用する同法第12条第1項の規定により同法第13条第1項の変更登録を拒否されたとき(当該変更登録が認定計画に係る特定基地局に関する事項の変更に係るものである場合に限る。)

xⅳ.無線局の免許の取消し等(第75条)

(ⅰ) 総務大臣は、免許人等が電波法、放送法もしくはこれらの法律に基づく命令またはこれらに基づく処分に違反したときは、3箇月以内の期間を定めて無線局の運用の停止を命じ、または期間を定めて運用許容時間、周波数もしくは空中線電力を制限することができる。

(ⅱ) 総務大臣は、包括免許人または包括登録人が電波法、放送法もしくはこれらの法律に基づく命令またはこれらに基づく処分に違反したときは、3箇月以内の期間を定めて、包括免許または第27条の29第1項の規定による登録に係る無線局の新たな開設を禁止することができる。

(ⅲ) 総務大臣は、(ⅰ)および(ⅱ)の規定によるほか、登録人が電波法第3章に定める技術基準に適合しない無線設備を使用することにより他の登録局の運用に悪影響を及ぼすおそれがあるとき、その他登録局の運用が適正を欠くため電波の能率的な利用を阻害するおそれが著しいときは、3箇月以内の期間を定めて、その登録に係る無線局の運用の停止を命じ、運用許容時間、周波数もしくは空中線電力を制限し、または新たな開設を禁止することができる。

(ⅳ) 総務大臣は、免許人(包括免許人を除く。)が次の各号のいずれかに該当するときは、その免許を取り消すことができる。

(1) 正当な理由がないのに、無線局の運用を引き続き6箇月以上休止したとき。

(2) 不正な手段により無線局の免許もしくは変更の許可(第17条)を受け、または周波数の指定の変更(第19条)を行わせたとき。

(3) 第76条第1項の規定による命令または制限に従わないとき。

(4) 免許人が電波法に規定する罪を犯し、罰金以上の刑に処されるに至ったとき。

(ⅴ) 総務大臣は、包括免許人が次の各号のいずれかに該当するときは、その包括免許を取り消すことができる。

(1) 第27条の5第1項第4号の期限(第27条の6第1項の規定による期限の延長があったときは、その期限)までに特定無線局の運用を全く開始しないとき。

(2) 正当な理由がないのに、その包括免許に係るすべての特定無線局の運用を引き続き6箇月以上休止したとき。

(3) 不正な手段により包括免許もしくは第27条の8第1項の許可を受け、または第27条の9の規定による指定の変更を行わせたとき。

(4) (ⅰ)の規定による命令もしくは制限または(ⅱ)の規定による禁止に従わないとき。

(5) 免許人が電波法に規定する罪を犯し、罰金以上の刑に処されるに至ったとき。

(ⅵ) 総務大臣は、(ⅳ)および(ⅴ)の規定によるほか、電気通信業務を行うことを目的とする無線局の免許人等が次の各号のいずれかに該当するときは、その免許等を取り消すことができる。

(1) 電気通信事業法第12条第1項の規定により同法第9条の登録を拒否されたとき。

(2) 電気通信事業法第13条第4項において準用する同法第12条第1項の規定により同法第13条第1項の変更登録を拒否されたとき(当該変更登録が無線局に関する事項の変更に係るものである場合に限る。)。

(3) 電気通信事業法第15条の規定により同法第9条の登録を抹消されたとき。

(ⅶ) 総務大臣は、(ⅳ)((4)を除く。)および(ⅴ)((5)を除く。)の規定により免許の取消しをしたときは、当該免許人等であった者が受けている他の無線局の免許等または第27条の14第1項の開設計画の認定を取り消すことができる。

 

(3) その他

ⅰ.NTT東日本およびNTT西日本と、当社をはじめとする他の電気通信事業者との接続条件等の改善については、公正競争条件を整備し利用者の利便性向上に資する観点から、電気通信事業法(1997年法律第97号、1997年11月17日改正施行)により、NTT東日本およびNTT西日本は指定電気通信設備を設置する第一種指定電気通信事業者として接続料金および接続条件を定めた接続約款の認可を受けることが必要とされています。

また、㈱NTTドコモ、KDDI㈱、沖縄セルラー電話㈱、Wireless City Planning㈱、UQコミュニケーションズ㈱および当社は、接続約款を届け出る義務等を負う第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者に指定されています。

ⅱ.NTT東日本とNTT西日本の第一種指定電気通信設備と接続する際の接続料は、電気通信事業法第33条に基づく「接続料規則」に拠って算定されています。

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金又は
出資金

主要な事業の内容

議決権の所有
又は被所有
割合(%)

関係内容

(親会社)

 

 

 

 

 

ソフトバンクグループ㈱

(注4)、(注5)

東京都港区

238,772

百万円

持株会社

 被所有

 40.7

(40.7)

役員の兼任 3名

ソフトバンクグループジャパン㈱

(注5)

東京都港区

188,798

百万円

持株会社

 被所有

40.5

役員の兼任 2名

(子会社)

 

 

 

 

 

Wireless City Planning㈱

(注6)

東京都港区

110

百万円

コンシューマ事業

エンタープライズ事業

31.8

役員の兼任 1名

当社はAXGP卸サービス(パケット通信による電気通信サービス)の提供を受けている。

SBパワー㈱

東京都港区

3,000

百万円

コンシューマ事業

100.0

役員の兼任 1名

SBモバイルサービス㈱

東京都港区

10

百万円

コンシューマ事業

100.0

Cubic Telecom Ltd.

アイルランド共和国

ダブリン市

240

千ユーロ

エンタープライズ事業

54.3

㈱イーエムネットジャパン

(注4)(注6)

東京都新宿区

328

百万円

エンタープライズ事業

41.2

SBエンジニアリング㈱

東京都江東区

100

百万円

エンタープライズ事業

100.0

役員の兼任 1名

当社から借入を行っている。

㈱IDCフロンティア

東京都千代田区

100

百万円

エンタープライズ事業

100.0

当社から借入を行っている。

SB C&S㈱

東京都港区

500

百万円

ディストリビューション事業

100.0

役員の兼任 1名

当社から借入を行っている。

Aホールディングス㈱

(注3)(注6)

東京都港区

100

百万円

メディア・EC事業

50.0

役員の兼任 3名

LINEヤフー㈱

(注3)(注4)(注7)

東京都千代田区

248,144

百万円

メディア・EC事業

64.4

(64.4)

アスクル㈱

(注4)(注6)

東京都江東区

21,234

百万円

メディア・EC事業

45.0

(45.0)

バリューコマース㈱

(注4)(注8)

東京都千代田区

1,728

百万円

メディア・EC事業

51.9

(51.9)

㈱ZOZO

(注4)

千葉市稲毛区

1,360

百万円

メディア・EC事業

51.5

(51.5)

㈱一休

東京都千代田区

400

百万円

メディア・EC事業

100.0

(100.0)

PayPay銀行㈱

(注3)(注6)

東京都新宿区

72,217

百万円

メディア・EC事業

46.6

(46.6)

Z中間グローバル㈱

(注3)(注7)

東京都新宿区

1

百万円

メディア・EC事業

100.0

(100.0)

LINE SOUTHEAST ASIA CORP.PTE.LTD.

(注3)

シンガポール

220,500

千米ドル

メディア・EC事業

100.0

(100.0)

LINE Financial Corporation

(注3)(注9)

大韓民国

京畿道城南市

244,638

百万ウォン

メディア・EC事業

100.0

(100.0)

LINE Pay㈱

(注3)

東京都品川区

21,535

百万円

メディア・EC事業

100.0

(100.0)

LINE Plus Corporation

大韓民国

京畿道城南市

25,032

百万ウォン

メディア・EC事業

100.0

(100.0)

PayPay㈱

(注3)

東京都港区

94,180

百万円

ファイナンス事業

69.8

(63.9)

役員の兼任 2名

 

 

名称

住所

資本金又は
出資金

主要な事業の内容

議決権の所有
又は被所有
割合(%)

関係内容

PayPay証券㈱

東京都千代田区

100

百万円

ファイナンス事業

66.0

(35.4)

PayPayカード㈱

東京都千代田区

100

百万円

ファイナンス事業

100.0

(100.0)

SBペイメントサービス㈱

東京都港区

6,075

百万円

ファイナンス事業

100.0

役員の兼任 1名

当社へ貸付を行っている。

アイティメディア㈱

(注4)

東京都千代田区

1,883

百万円

IT総合情報サイト「ITmedia」の運営

53.4

(53.4)

SBテクノロジー㈱

(注4)

東京都新宿区

1,270

百万円

クラウドサービス、セキュリティ運用監視サービス、IoTソリューションの提供

54.0

サイバートラスト㈱

(注4)

東京都港区

820

百万円

IoT事業、認証・セキュリティ事業、Linux/OSS事業

57.6

(57.6)

その他212社

 

 

 

 

 

(関連会社および共同支配企業)

 

 

 

 

 

C Channel㈱

(注4)

東京都港区

10

百万円

メディア事業、eコマース事業、海外事業

29.0

役員の兼任 1名

㈱ジーニー

(注4)

東京都新宿区

1,553

百万円

マーケティングテクノロジー事業

31.3

㈱出前館

(注4)

東京都渋谷区

100

百万円

インターネットサイト「出前館」の運営、およびそれに関わる事業

36.8

(36.8)

LINE Bank Taiwan Limited

台湾台北市

15,000

百万台湾ドル

台湾の銀行サービス運営

49.9

(49.9)

Webtoon Entertainment Inc.

米国

カリフォルニア州

32

千米ドル

モバイルコンテンツサービスの運営

28.7

(28.7)

DiDiモビリティジャパン㈱

東京都港区

100

百万円

「DiDi」の日本市場での提供およびそれに付帯する事業

50.0

WeWork Japan合同会社

東京都港区

6

百万円

コワーキングスペースの提供

25.0

役員の兼任 1名

MONET Technologies㈱

東京都千代田区

2,500

百万円

オンデマンドモビリティサービス、データ解析サービス、Autono-MaaS事業

37.3

役員の兼任 1名

その他69社

 

 

 

 

 

 

 

(注1) 「主要な事業の内容」欄には、報告セグメントに属している子会社についてはセグメント情報に記載された名称を記載しています。また、親会社、その他の事業に属している子会社、関連会社および共同支配企業については事業の内容を記載しています。

(注2) 「議決権の所有又は被所有割合」欄の(内書)は間接所有割合又は間接被所有割合です。また、合同会社については、「議決権の所有又は被所有割合」欄に当社の出資割合を記載しています。

(注3) 特定子会社に該当します。

(注4) 発行者情報または有価証券報告書の提出会社です。

(注5) ソフトバンクグループ㈱はソフトバンクグループジャパン㈱の議決権を100%所有しています。

(注6) 議決権の所有割合は100分の50以下ですが、当社が支配していると判断し、子会社としました。

(注7) 2023年10月1日にZホールディングス㈱ならびにLINE㈱およびヤフー㈱を中心としたグループ内再編を実施し、Zホールディングス㈱からLINEヤフー㈱に、LINE㈱からZ中間グローバル㈱に商号変更しています。

(注8) バリューコマース㈱は、2024年3月11日開催の同社取締役会において自己株式の公開買付け(以下、本公開買付け)を行うことを決議しています。2024年5月2日に本公開買付けの決済が完了したことに伴い、同社を子会社から関連会社に変更しています。詳細は「注記13.売却目的保有に分類された処分グループ」をご参照ください。

(注9) LINE Financial Corporationは、2023年10月1日にLINE Financial Plus Corporationから商号変更しています。

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

コンシューマ

7,359

(6,725)

エンタープライズ

7,277

(2,100)

ディストリビューション

2,364

(479)

メディア・EC

24,613

(11,896)

ファイナンス

4,053

(599)

その他

3,005

(1,494)

全社(共通)

6,729

(648)

合計

55,400

(23,941)

 

(注1) 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数です。

(注2) 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員です。

(注3) 全社(共通)は、当社の技術部門および管理部門の従業員です。

 

(2) 提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

18,889

41.3

14.1

8,105

(4,695)

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

コンシューマ

6,237

(2,854)

エンタープライズ

5,923

(1,193)

全社(共通)

6,729

(648)

合計

18,889

(4,695)

 

(注1) 従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数です。

(注2) 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員です。

(注3) 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。また、休職者・休業者は含みません。

(注4) 全社(共通)は、当社の技術部門および管理部門の従業員です。

 

(3) 労働組合の状況

当社の労働組合には、ソフトバンク労働組合および国鉄労働組合があります。また、連結子会社の一部に労働組合が結成されています。労使関係は良好であり、特記する事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異の状況

当事業年度の多様性に関する指標は、以下のとおりです。

 

提出会社

管理職に占める
女性労働者の
割合(%)

(注1)、(注2)

男性労働者の
 育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の差異(%)
 (注1)、(注3)

全労働者

うち正規

うちパート・有期

ソフトバンク㈱

9.2

総合職:

71.2

(注1)

76.1

76.8

83.1

一般職:

76.1

契約社員等:

0.0

アルバイト等:

19.5

 

(注1) 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出した実績を記載しています。

(注2) 2024年4月1日時点の実績です。

(注3) 男女で同一の給与体系を適用していますが、現状等級構成などに起因して報酬総額に男女差が発生しています。これらの状況も踏まえ、女性の活躍推進の各種取り組みを進めています。

 

連結子会社

管理職に占める
女性労働者の
割合(%)

(注1)

男性労働者の
 育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の差異(%)
 (注1)

全労働者

うち正規

うちパート・有期

SBモバイルサービス㈱

25.0

 

正社員:50.0

 

(注1)

61.1

 

82.2

 

78.7

 

非正規社員:75.0

 

テレニシ㈱(注5)

16.7

 

83.3

 

83.9

 

42.0

 

㈱イーエムネットジャパン(注6)

39.1

 

0.0

 

(注2)

84.6

 

84.0

 

*(注4)

SBエンジニアリング㈱(注5)

9.6

 

70.5

 

87.9

 

48.6

 

㈱IDCフロンティア(注5)

11.3

 

84.0

 

83.8

 

*(注4)

SB C&S㈱(注5)

8.2

 

正社員:43.8

 

(注1)

66.3

 

66.2

 

80.6

 

SBフレームワークス㈱(注5)

15.8

 

正社員:0.0

 

(注1)

74.0

 

81.1

 

92.7

 

LINEヤフー㈱(注7)

18.5

 

正規雇用:97.0

 

(注3)

77.8

 

80.4

 

86.3

 

非正規雇用:128.0

 

アスクル㈱(注8)

23.0

 

78.6

 

(注3)

78.9

 

82.4

 

98.7

 

バリューコマース㈱(注6)

30.6

 

50.0

 

(注3)

85.1

 

85.7

 

44.3

 

㈱ZOZO

24.2

 

正規雇用:67.4

 

(注2)

56.4

 

73.0

 

103.9

 

非正規雇用:77.8

 

㈱一休

24.4

 

PayPay銀行㈱(注9)

17.3

 

正社員:54.5

 

(注1)

71.1

 

72.5

 

48.1

 

ASKUL LOGIST㈱(注8)

10.0

 

(注2)

61.5

 

71.1

 

90.9

 

㈱チャーム(注10)

12.1

 

100.0

 

(注2)

69.6

 

78.3

 

97.8

 

dely㈱

26.6

 

正社員:60.0

 

(注1)

46.0

 

77.6

 

46.8

 

㈱アルファパーチェス(注6)

25.8

 

正社員:100.0

 

(注1)

LINEヤフーコミュニケーションズ㈱(注5)

23.6

 

正規雇用:62.5

 

(注2)

81.7

 

84.3

 

96.4

 

非正規雇用:46.2

 

PayPay㈱

16.0

 

正規雇用:44.9

 

(注1)

71.6

 

74.6

 

95.9

 

非正規雇用:0.0

 

PayPayカード㈱

21.0

 

72.0

 

(注2)

77.4

 

71.1

 

77.8

 

SBペイメントサービス㈱

75.8

 

75.6

 

60.5

 

アイティメディア㈱

19.8

 

50.0

 

(注2)

72.6

 

77.0

 

84.7

 

SBテクノロジー㈱(注5)

7.6

 

61.5

 

(注2)

82.1

 

83.7

 

51.8

 

サイバートラスト㈱(注5)

10.3

 

正社員:50.0

 

(注1)

72.6

 

78.3

 

40.9

 

SBプレイヤーズ㈱(注5)

12.7

 

31.3

 

(注2)

73.7

 

77.4

 

147.9

 

SBアットワーク㈱(注5)

50.0

 

正社員:*(注4)

(注1)

61.2

 

69.8

 

36.3

 

 

 

(注1) 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出した実績を記載しています。

(注2) 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出した実績を記載しています。

(注3) 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等および育児目的休暇の取得割合を算出した実績を記載しています。

(注4) 対象となる従業員がいないこと(一部がいないことを含む)を示しています。

(注5) 管理職に占める女性労働者の割合は2024年4月1日時点の実績です。

(注6) 管理職に占める女性労働者の割合は2023年12月31日時点、男性労働者の育児休業取得率・労働者の男女の賃金の差異は2023年1月1日~2023年12月31日の実績です。

(注7) 2023年4月1日~9月30日はZホールディングス㈱、LINE㈱、ヤフー㈱、2023年10月1日~2024年3月31日はLINEヤフー㈱の従業員に関するデータを集計しています。

(注8) 管理職に占める女性労働者の割合は2023年5月20日時点、男性労働者の育児休業取得率・労働者の男女の賃金の差異は2022年5月21日~2023年5月20日の実績です。

(注9) 管理職に占める女性労働者の割合は2024年3月1日時点、男性労働者の育児休業取得率・労働者の男女の賃金の差異は2023年4月1日~2024年3月31日の実績です。

(注10) 管理職に占める女性労働者の割合は2023年11月30日時点、男性労働者の育児休業取得率・労働者の男女の賃金の差異は2023年1月1日~2023年12月31日の実績です。