当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、社是に「誠実」を掲げ、堅実経営に徹し、お取引先をはじめとするステークホルダーと対話することにより信頼関係を築くことを基本方針としてまいりました。企業価値の向上を図るため産業界のニーズを先取りし、絶えず未来を拓く新分野に目を向け、環境問題にも配慮しながら製造業全般の高度化、合理化、省力化、安全性の向上を通して社会に貢献してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、景気に左右されない自立成長型企業を目指しており、生産性と効率性を重視しております。具体的には、中長期的に安定して営業利益率5.0%以上、1人当たりの営業利益額7百万円以上、総資産経常利益率6.5%以上を目標指標としております。
また、2025年3月期から開始する3年間の中期経営計画策定に伴い、企業価値及び株主共同の利益を確保・向上させるため、自己資本利益率8.0%以上を新たな目標指標に加えることといたします。
(3)経営環境
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の位置付けが5類感染症に移行したことを契機に経済活動が正常化し、一部では緩やかな回復の動きをみせましたが、中国をはじめとした海外景気の停滞も影響し、総じて厳しい状況で推移いたしました。
当社グループを取り巻く機械器具関連業界におきましては、円安や原材料高、人件費の増加等に加え、年明けに発生した能登半島地震での部品調達の混乱や自動車メーカーの不正問題による生産停止などにより、底堅かった企業の設備投資意欲が慎重な姿勢となりました。
(4)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2024年度(第74期)から2026年度(第76期)までの第4次中期経営計画
『New Dedication2026』~新たな貢献へ~を策定いたしました。
今回策定した「第4次中期経営計画」では、『つくる人・つかう人の想いを繋ぎ、誠実にモノづくりの未来に貢献する』ことを存在意義として設定し、これまでに創り上げてきた「提供価値」と磨き上げてきた「商社機能」にサステナビリティの視点も加え、継続的な成長と持続可能な社会の実現に取り組んでまいります。
(5)会社の対処すべき課題
当社グループが事業を展開するモノづくりのマーケットでは、多様で複雑な課題への対応が求められております。将来にわたり「なくてはならない企業・日伝」であり続けるために、第74期は第4次中期経営計画『New Dedication2026』~新たな貢献へ~の初年度として、策定した以下の重点施策を着実に推進し取り組んでまいります。
重点施策
◆市場戦略
・パートナーシップ戦略
・成長市場でのビジネス拡大
・社会・環境課題ビジネスの取り組み
◆コーポレート戦略
・サステナビリティ経営
・人財戦略
・投資・財務戦略
・業務改革・DX
・BCP
これらの取り組みによって、将来にわたり「なくてはならない企業・日伝」を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
当社グループは、経営理念のもと、持続可能な社会の成長・発展の実現に向け、ステークホルダーとの協働のもとで多様な社会課題の解決に貢献してまいりました。
昨今、こうした社会課題の解決による持続可能な社会の実現と継続的な企業価値向上の両立を図ることの重要性が一層高まっており、サステナビリティに関するガバナンス体制を強化するため、横断的かつ機動的な推進体制の構築を図ることを目的として、代表取締役社長執行役員を委員長とした「サステナビリティ委員会」を設置しております。
サステナビリティ委員会では、サステナビリティに関する基本方針の策定や重要な社会課題の解決に向けた目標の設定、目標に対する進捗管理や評価及び個別施策の審議などを行い、定期的に取締役会及び経営会議に報告・提言を行っております。また、当社グループのサステナビリティ推進のための方針を策定し、グループ内の連携・調整を行っております。
日伝グループ サステナビリティ基本方針
私たち日伝グループは、社是・経営理念のもと、ステークホルダーとの積極的なコミュニケーションを通じて、『モノづくりの仕組み』を創造し、『産業の基盤』を支える企業集団としてグループ全体の価値向上に取り組むことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
当社グループは、リスク管理体制として、事業を遂行するにあたり、移り行く様々な社会・事業環境への対応により変化する潜在的なリスク及び機会を識別するために、短期的及び中長期的な視点で、サステナビリティ委員会のメンバーが定期的に検討することとしております。それぞれの検討課題についてサステナビリティ委員会において、社会課題の解決への貢献度合いやその方法、また、当社グループの事業を永続的に発展させていくにあたって認識したリスクの金額的重要性、発生可能性やその許容度等を総合的に勘案することでリスク及び機会を管理しております。識別されたリスク及び機会については、その重要度に応じ、取締役会や経営会議等でその対応方法を決定し、全社的な取り組みとして推進することで企業価値の向上につなげてまいります。
(2)人的資本についての取り組み
①ガバナンス、リスク管理
②戦略
多様な人財が成長・活躍できる環境づくり
当社が求める人物像は、まず日伝の社是である「誠実」であること。「誠実」とは挨拶をする、約束を守るなど、人として当たり前のことを当たり前にできる人のことであります。
当社の人財は、その「誠実」のもとに社業を通じた人格錬磨を経て会社とともに成長し続けてまいりました。
この当社にとっての重要な経営資源である人財が最大限に活躍できる人財育成体制の構築並びに働きがいと心の豊かさを感じられる社内環境を創出することで、社会の持続的な発展に貢献してまいります。
この人財戦略を実現していくための人財育成方針、社内環境整備方針を定めるとともに具体的なアクションの設定とそれに付帯する指標と目標を定め、サステナビリティ委員会を中心に推進してまいります。
人財育成方針
先行き不透明な時代の中で日伝が、モノづくり業界の発展に寄与し続けていくため、社員には自立して前例のない路を切り拓いていく能力が求められています。そのために、社是と行動指針の本質を理解しポジティブかつ柔軟な思考で新たなことにチャレンジしていく人財を育成してまいります。
社内環境整備方針
多様な価値観や個性を持った社員のニーズを尊重し、一人ひとりが社業の発展に貢献しているという実感が持てるよう対話を重視し、社内制度や福利厚生を充実させることで、快適で安全な、活気溢れる職場環境を整え、「朝起きて、“さあ今日も元気に頑張って仕事をしよう”と思える会社」づくりを目指してまいります。
③指標・目標
当社は多様な人財が成長・活躍できる環境づくりを推進するために、人財育成及び社内環境整備に関する指標・目標を次のとおり設定しております。
指標 |
当事業年度実績 |
目標( |
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男性 |
男性 |
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女性 |
女性 |
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(注)1 指標について、連結子会社においては目標として設定していないため、提出会社の実績及び目標を開示して
おります。
2 1人当たり社内研修受講件数とは、当社従業員が当事業年度中に受講した社内研修受講者のべ人数を全従業員数で除したものであります。
3 働きがい指標、働きやすさ指標の各指標の最高点は7ポイントであります。
(3) 気候変動についての取り組み
①ガバナンス、リスク管理
②戦略
当社グループにおける気候変動に関連する主なリスク・機会について、以下のように特定し、環境課題への対応とともに、当社グループのさらなる発展を目指してまいります。なお、リスクシナリオの作成にあたっては、IPCC SSP1-2.6(2℃未満シナリオ)、IPCC AR6 SSP5-8.5(4℃シナリオ)を参照しております。
<期間の定義> 短期:3年以内 中期:3年超10年以内 長期:10年超
リスク
リスク分類 |
要因 |
期間 |
リスク |
対応 |
|
移行リスク |
政策・ 法規制リスク |
炭素税やCO2排出量規制の導入 |
中長期 |
炭素税、CO2排出規制による税負担額の増加や仕入価格、電力料等の上昇 |
・社内外におけるCO2排出抑制策推進 |
技術リスク |
CO2排出削減技術のさらなる発展 |
中長期 |
CO2排出削減技術における新技術の取り扱い等対応の遅れによる機会損失の発生 |
・技術革新によるCO2排出削減技術商品の開拓と販売強化 ・CO2排出削減技術関連企業とのアライアンスによる販売・技術連携 |
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市場リスク |
商品市場の変化 |
短期 ~長期 |
主要商品の取り扱いの減少 市場予測の不適合 新規取扱商品・新規取引サプライヤーの開拓の遅れ |
・ソリューションビジネスのさらなる展開 ・マーケティング強化による新規取扱製品の増加 |
|
評判リスク |
脱炭素社会への 対応 |
短期 ~長期 |
ステークホルダーからの信用の毀損による収益の減少 |
・サステナビリティに積極的なサプライヤとの協業によるCO2排出削減貢献商品の取り扱いの充実 ・気候変動への対応の開示の充実 |
|
物理的リスク |
急性リスク |
甚大な災害の 発生 |
短期 ~長期 |
受発注業務・物流機能や システムの停止 サプライチェーンの分断 による受発注業務並びに物流機能の停止 |
・BCP構築とBCM(事業継続マネジメント)への取り組み強化によるサプライチェーン確保 |
慢性リスク |
慢性的な 気温上昇 |
短期 ~長期 |
水不足や商品保管コストの上昇 商品管理の複雑化 |
・気候変動に対応可能な商品の充実と品質保持体制の構築 |
機会
リスク分類 |
要因 |
期間 |
機会 |
対応 |
|
移行リスク |
政策・ 法規制リスク |
炭素税やCO2排出量規制の導入 |
中長期 |
メーカー工場等の省力化の設備投資ニーズへの対応 メーカー等の営業手段の集約化 |
・社内におけるCO2排出抑制策推進 ・CO2排出削減貢献商品の取り扱い拡大 |
技術リスク |
CO2排出削減技術のさらなる発展 |
中長期 |
新たな商圏の開拓やCO2排出削減貢献商品の販売機会の増加 |
・新たなユーザー・サプライヤーとのつながりを持つことによるCO2排出削減貢献商品の取り扱い拡大 |
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市場リスク |
商品市場の変化 |
短期 ~長期 |
ユーザー課題へのソリューションビジネスへの対応や新たな市場の開拓 販売体制の整備による競合他社との差別化 |
・マーケティング強化によるユーザーのCO2排出課題へのアプローチと対応商品の取り扱い拡大 |
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評判リスク |
脱炭素社会への 対応 |
短期 ~長期 |
CO2排出削減貢献商品の取り扱いの増加 |
・CO2排出削減貢献商品に積極的なサプライヤーとの協業拡大 ・サステナビリティに積極的なユーザーへのCO2排出削減貢献商品の販売による社会貢献 |
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物理的リスク |
急性リスク |
甚大な災害の 発生 |
短期 ~長期 |
BCPへの取り組みによるサプライチェーン確保 |
・BCPへの取り組みによる社内体制整備とサプライチェーンマネジメントの強化 |
慢性リスク |
慢性的な 気温上昇 |
短期 ~長期 |
ノウハウを生かした物流機能の規模の拡大 顧客ニーズへの対応の強化 |
・気候変動に対応可能な商品の充実と品質保持体制の構築 |
なお、将来的な炭素税の導入による当社の財務影響度については、以下を想定しております。
2030年度:約30百万円(為替レートは期末日レートにて換算)
※IEA World Energy Outlook 2023のNZEシナリオを参照し、140USD/t-CO2にて算出しております。また、2030年度におけるScope1及びScope2の排出量目標をもとに試算しており、当社のScope1及びScope2の排出量のすべてに対して課税がなされるものと仮定して算出しております。
③指標・目標
当社グループは、気候変動関連に係る指標として、二酸化炭素排出量(Scope1及びScope2)のモニタリングの実施及び削減目標を設定しております。当社における二酸化炭素排出量(Scope1及びScope2)は、以下のとおりであります。
Scope1及びScope2 排出実績(当社単体 単位:t-CO2)
指標 |
基準年度(2022年度) |
当事業年度実績 |
Scope1 |
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Scope2 |
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合 計 |
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Scope1及びScope2 削減目標(当社単体 単位:t-CO2)
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2030年度 |
2050年度 |
削減目標 |
2022年度実績値比30%削減 |
実質カーボンニュートラル |
(注)指標・目標については、連結子会社においては目標として設定していないため、提出会社の実績及び目標を開示しております。
当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性のある様々なリスクの中で、投資家が判断する上で重要と考えられる事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが合理的であると判断したものであります。
(1)景気変動リスクについて
当社グループは多様な生産財を取扱っており、我が国の様々な業種にわたって取引をしております。しかしながら、鉱工業生産指数や稼働率指数(製造工業)等の統計数値と関連性が高く、製造業の需給の不均衡や景気変動、在庫調整のいかんによっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)カントリーリスクについて
当社グループの業績は、予期しない法規の変更やテロ・戦争などによる社会的混乱などがあった場合には、間接的に影響を受ける可能性があります。また、当社グループは中国、タイ、ベトナム、アメリカに現地法人を設けており、政治、経済状況の変化等により将来の事業の遂行に問題が生じる可能性があります。
当社は現地法人の管理体制を強化するために当社から役員又は担当者を派遣し、海外情勢の把握及び法規の変更等に対応しております。
(3)為替変動リスクについて
当社グループは、海外に現地法人を有しており、外貨建ての財務諸表を作成しております。また、当社及び海外の現地法人は外貨建ての取引を行っており、これらを円換算する際、為替レートの変動による影響を受けます。当社は、為替変動リスクに対して、重要な外貨建て取引が発生した場合には、為替の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした為替予約取引を行うことで、為替リスクに対応する方針としております。
(4)信用リスクについて
当社グループの販売先は、小口分散化されております。当社グループの主な取扱商品は動力伝導機器、産業機器、制御機器といった生産財であり、主に国内外の景気の動向によっては、今後貸倒引当金の積増しを要する事態が生じる可能性があります。債権管理においては、取引先ごとに与信限度額を定め、信用状態を継続的に把握するなど、不良債権の発生が極力少なくなるよう努めております。
(5)コンプライアンスリスクについて
当社グループは、事業活動に関する法規制など様々な公的規制の適用を受けて事業を行っております。これらの公的規制などを遵守するため、「コンプライアンス・リスク管理委員会」を設置し、法令遵守のみならず、役員及び従業員が遵守すべき行動憲章等を定めた「コンプライアンス行動ガイドブック」を作成し、法令違反等の予防に努めております。しかしながら、このような取り組みによっても、事業活動におけるコンプライアンスリスクを完全に排除することはできるものではなく、関係する法規制等の大幅な変更、予期しない想定外の適用・解釈の違い等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)情報システム及び情報セキュリティに関するリスクについて
当社グループは、情報システムの稼働の安全性を確保するため「情報管理規程」等を定め、情報セキュリティを強化、バックアップ体制の構築等に取り組んでおりますが、外部からの予期せぬ不正アクセスやコンピュータウイルス侵入による個人情報・企業機密情報漏洩、また、自然災害、事故等による情報システム設備の損壊や通信回線のトラブルにより情報システムが不稼働となる可能性があります。このような場合には業務の停止による機会損失や社会的信用失墜につながり当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)気候変動及び自然災害等に関するリスクについて
当社グループは、支店・営業所、物流センターを全国に分散して設けておりますが、気候変動による異常気象及び地震等の災害の発生により、当該施設等に影響を受けた場合や、仕入先が被害を受け納期等で商品供給に影響を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは、重大な災害が発生した場合においても被害を最小限にとどめ、事業継続が可能となるように対策を講じております。
(8)新たな感染症等に関するリスクについて
新たな感染症等に関するリスクへの対応について、当社グループは各拠点を分散させることで物理的リスクの軽減を図っております。また、各地域の実情に応じてテレワークの推進、時差出勤を実施することで当該リスクへの対応を行い、感染症の拡大による売上高等への影響が軽減できるよう努めております。今後、新たに重大な影響を及ぼす感染症が蔓延した場合には、事業活動に制限がかかることも想定され、当社グループが販売する生産財の仕入先等の事業継続が不可能となることや、当社グループの物流拠点にて大規模な感染が発生することにより、商品供給が滞り、売上高等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、期末日における資産及び負債の残高、収益及び費用等に影響を与える仮定や見積りを必要としております。当社グループの連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。また当社グループにおける重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 経営成績の状況
当社グループの当連結会計年度の経営環境につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境」に記載のとおりであります。
当社グループは、第3次中期経営計画『New Dedication2023』~新たな貢献へ~の最終年度の取り組みを着実に実行し、継続的な成長と持続可能な社会の実現に取り組んでまいりました。
具体的には、国内各地で開催された総合展示会への出展を継続的に行い、人手不足・労働力不足といった社会課題の解決策として、工程間搬送や設備管理の自動化提案を実施いたしました。また、最新技術(AI・IoT)を活用した省エネ・外観検査、人と協働で行える半自動化・工程改善等のソリューション提案も行いました。
設備面では、9月に手狭となっておりました神戸営業所を新築移転いたしました。
この結果、売上高は、円安や原材料高の影響などから、一部の企業では設備投資を先送りする動きがみられたため、前連結会計年度に比べ46億9千7百万円減少し1,269億1千2百万円(前年同期比3.6%減)となりました。
売上総利益は、前連結会計年度に比べ4億7千1百万円減少し190億9千6百万円(前年同期比2.4%減)とな
りました。売上総利益率は15.0%と前連結会計年度と同水準を維持しております。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ6百万円増加し、132億8千6百万円(前年同期比0.0%増)となりました。
営業利益は、前連結会計年度に比べ4億7千7百万円減少し、58億9百万円(前年同期比7.6%減)とな
りました。営業利益率は4.6%と前連結会計年度より0.2ポイント低下いたしました。
営業外収益は、前連結会計年度に比べ9千3百万円増加し8億8千7百万円(前年同期比11.8%増)となり、営業外費用は、5千8百万円減少し2億6千5百万円(前年同期比18.0%減)となりました。
経常利益は、前連結会計年度に比べ3億2千5百万円減少し64億3千1百万円(前年同期比4.8%減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ2億9千2百万円減少し46億7千4百万円(前年
同期比5.9%減)となりました。
商品別としましては、動力伝導機器分野では、精密減速機、伝導用ベルト、クラッチ・ブレーキ等が伸び悩んだ結果、売上高530億1千4百万円(前年同期比7.3%減)となりました。 産業機器分野では、コンベヤ関連機器、システム関連機器が伸び悩んだ結果、売上高297億5千7百万円 (前年同期比0.7%減)となりました。 制御機器分野では、サーボモータ、センサ、ロボット関連機器等が伸び悩んだ結果、売上高441億4千万円(前年同期比0.7%減)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ47億5千万円増加し、1,275億5千6百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ26億8千8百万円増加し、848億6千8百万円となりました。これは、現金及び預金が8億2千9百万円、受取手形が14億5百万円それぞれ減少したものの、電子記録債権が31億1百万円、有価証券が20億7百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ20億6千2百万円増加し、426億8千8百万円となりました。これは、投資有価証券が7億9千8百万円減少したものの、土地が6億4千7百万円、のれんが25億3千4百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ28億7千6百万円増加し、393億6千3百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ21億4百万円増加し、306億8千6百万円となりました。これは支払手形及び買掛金が6億4千9百万円減少したものの、電子記録債務が26億9千5百万円増加したこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ7億7千1百万円増加し、86億7千6百万円となりました。
純資産は、資本剰余金が9億9千9百万円減少したものの、利益剰余金が16億8千7百万円、その他有価証券評価差額金が14億6千1百万円それぞれ増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ18億7千4百万円増加し、881億9千3百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ18億1千万円減少し135億5千7百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、50億2千3百万円(前年同期において得られた資金21億1千6百万円)となりました。これは主に、売上債権の増加額が19億5千7百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が68億4千7百万円、仕入債務の増加額が21億3千7百万円、減価償却費が12億7千万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、24億3千2百万円(前年同期において得られた資金4千6百万円)となりました。これは主に、有価証券の償還による収入が10億円、投資有価証券の売却及び償還による収入が16億5千3百万円あったものの、定期預金の預入れによる支出が10億円、有形固定資産の取得による支出が16億6千1百万円、無形固定資産の取得による支出が3億2千4百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が18億9千9百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、48億9千万円(前年同期において使用した資金24億9千1百万円)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出が25億2百万円、配当金の支払額が20億4千1百万円あったこと等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a 販売実績
当連結会計年度における商品区分別の販売実績は、次のとおりであります。
商品区分 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
動力伝導機器 |
53,014 |
92.7 |
産業機器 |
29,757 |
99.3 |
制御機器 |
44,140 |
99.3 |
合計 |
126,912 |
96.4 |
(注)1 総販売実績に対する輸出高の割合は、100分の10未満であります。
2 総販売実績に対し、100分の10以上に該当する主要な販売先はありません。
b 仕入実績
当連結会計年度における商品区分別の仕入実績は、次のとおりであります。
商品区分 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
動力伝導機器 |
43,377 |
90.0 |
産業機器 |
25,197 |
95.6 |
制御機器 |
39,207 |
96.6 |
合計 |
107,782 |
93.6 |
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑥ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが、目標とする経営指標は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおりであります。
営業利益率については当連結会計年度4.6%と前連結会計年度の4.8%より0.2ポイント低下し、1人当たりの営業利益は目標とする7百万円に対して85.2%となり、前連結会計年度より7.0%の減少となりました。
総資産経常利益率については目標とする6.5%に対し5.1%となり、自己資本利益率については目標とする8.0%に対し5.4%となりました。引き続き生産性と効率性の向上に取り組んでまいります。
また、当社グループは、当連結会計年度を第3次中期経営計画『New Dedication2023』~新たな貢献へ~ の最終年度として、「新たな商社機能」の強化と提供価値及び貢献力の向上に取り組んでまいりました。当連結会計年度の業績予想に対する達成状況は次のとおりであります。
|
第73期予想 (2024年3月期) |
第73期実績 (2024年3月期) |
達成率 |
売上高 |
132,000百万円 |
126,912百万円 |
96.1% |
営業利益 |
5,600百万円 |
5,809百万円 |
103.7% |
営業利益率 |
4.2% |
4.6% |
- |
当連結会計年度の業績予想に対する達成状況は、一部の企業で設備投資を先送りする動きがみられたこともあり、売上高は1,320億円に対して1,269億1千2百万円、達成率は96.1%となりました。営業利益は56億円に対して58億9百万円、達成率は103.7%となり、営業利益率は4.6%と0.4ポイント上回りました。
次年度におきましては、新たに策定しました3か年計画の第4次中期経営計画『New Dedication2026』~新たな貢献へ~のもと、市場戦略及びコーポレート戦略を推進してまいります。
⑦ 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループのキャッシュ・フローの状況については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金は、原則として自己資金を原資としております。また、設備投資資金は原則として自己資金又はファイナンス・リースにより資金調達しております。今後も適切な資金確保、流動性の維持及び財務体質の健全性を堅持してまいります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。