文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当社グループは、タグラインに「Really! Mad+Pure」を掲げており、常識にとらわれない発想で新たなチャレンジを続けるとともに、2022年5月12日に公表いたしました中期経営計画「avex vision 2027」にて企業理念「エンタテインメントの可能性に挑みつづける。人が持つ無限のクリエイティビティを信じ、多様な才能とともに世界に感動を届ける。そして、豊かな未来を創造する。」を新たに掲げ、その実現を目指してまいります。
当社グループは、経営数値目標として、2025年3月期において営業利益20億円・ROE6%、2027年3月期において営業利益90億円・ROE10%、2028年3月期以降において営業利益150億円・ROE15%を掲げ、その達成に向けて努めてまいります。
当社グループは、多様な地域・多様な分野で“愛される”IP(知的財産権)の発掘・育成を重点戦略として、音楽、アニメ・映像、デジタルを中心とした各事業領域での事業強化を図るとともに、事業間シナジーを促進するための全社最適を徹底し、IPの発掘・育成、多くの手段を用いたマネタイズに積極的に取り組むことで、事業拡大と企業価値向上を実現してまいります。
当社グループは、今後も更なる業績の向上と持続的な企業価値創出のために、企業理念「エンタテインメントの可能性に挑み続ける。」の下、今後も経済活動の拡大や事業環境の変化を捉え、更なる業績の向上と持続的な企業価値向上のために、以下の7項目を重点課題として取り組んでまいります。
① ヒットコンテンツの創出
当社グループは、コンテンツホルダーとしてヒットコンテンツを創出することが最大の命題であると認識しております。アーティスト・タレント・クリエイター等の発掘・育成・マネジメントの一貫した体制を構築するとともに、時代や技術の進歩とともに多様化するクリエイティヴのトレンドを捉え、グローバルな展開を視野に入れて新たなIP(知的財産権)の創出に向けた成長投資を継続し、連続性のあるヒットコンテンツの創出を実現してまいります。
② マネタイズ領域の最適化による収益の最大化
当社グループは、IPを様々な手法でお客様に届けるマネタイズ機能も、IPの創出とともに大きな2本の柱として当社グループの価値創造プロセスを構成しております。ファンクラブ、マーチャンダイジング、E-コマース、配信サービス等、当社グループが従来より強みとしてきたエンタテインメントにおける360度ビジネスを、他社との提携等も活用することで更なる充実・最適化を図り、お客様への価値提供の機会を拡充するとともに、アーティスト・タレント・クリエイター等からも選ばれるエンタテインメントカンパニーとなることにより、収益の最大化を目指してまいります。
③ グローバル展開の促進
当社グループは、更なる市場機会の獲得のために、日本のみならず海外においてもビジネスの可能性を追求することが重要であると認識しております。海外の有望な企業やプロデューサーとの連携により、アーティスト・タレント・クリエイター、音楽・映像コンテンツに加え、ライヴ・イベント等の多様なIPをアジア・中東をはじめ世界中のエンタテインメント市場に積極的に展開し、グローバル基準のIP創出を目指してまいります。
④ 人材育成の強化
当社グループは、事業環境の変化と業容拡大に対応し更なる成長を実現するために、人材育成の強化が必要であると認識しております。テレワークによるフリーロケーション・オフィス内のフリーアドレス・コアタイムが無いフレックスタイム制を組み合わせたスマートワークを推進するとともに、職務ごとに決定されたジョブグレードに応じて報酬が決定する「ジョブ型人事制度」の導入等を通じて、個々のキャリアの自律を促し、年齢・性別・国籍等に関係なく、活力ある人材を積極的に登用してまいります。
⑤ 企業風土の醸成
当社グループは、企業理念「エンタテインメントの可能性に挑みつづける。」や、タグライン「Really! Mad+Pure」の下、経営陣と従業員が同じ価値観を共有すべく、社内コミュニケーションを強化するとともに、コンプライアンス・ポリシーを経営陣、従業員及び契約アーティスト・タレント・クリエイターにとっての全ての行動・判断の基準と捉え事業活動を行うことで、お客様への提供価値の向上に努めてまいります。
⑥ ガバナンス体制の強化
当社グループの機関設計は、監査等委員会設置会社としております。これにより、監督機能と業務執行を分離することで、的確な経営の意思決定、迅速かつ適正な業務執行及び充分なモニタリングが機能する経営体制を構築し、あわせて企業倫理の維持・向上を図っていくことをコーポレート・ガバナンスの基本的な考え方としております。今後も当社グループを取り巻く環境の変化に応じながら業績の向上に努めるとともに、新たな取締役の選任による取締役会の職歴・年齢・ジェンダー・スキル等の多様性の確保や、任意の委員会である「報酬委員会」に取締役の指名の機能を追加し「指名・報酬委員会」を設置するなどの取り組みを通じて、コーポレート・ガバナンスの更なる強化を図ってまいります。
⑦ サステナビリティ経営の推進
当社グループは、エンタテインメント企業として「サステナブル(持続可能)な社会」の実現に向けて責任を果たすべく、当社が優先して取り組むべき3つの主要テーマと7つの個別項目からなるマテリアリティ(重要課題)を特定し、サステナビリティポリシーとアクションプランを策定いたしました。
あらゆる人に長くエンタテインメントを楽しんでいただくために、ユニバーサルな環境づくりや環境負荷を考慮し、デジタルを活用したファンコミュニティの形成とチケットの電子化、イベントで排出される廃棄物の分類やリサイクルを行う次世代型スマートライヴを開発するとともに、アーティスト・タレント・クリエイター・取引先・従業員等、当社を取り巻くあらゆるステークホルダーの人権を尊重するための取り組みについても引き続き推進してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「エンタテインメントの可能性に挑みつづける。人が持つ無限のクリエイティビティを信じ、多様な才能とともに世界に感動を届ける。そして、豊かな未来を創造する。」を企業理念に掲げ、エンタテインメント企業として社会の持続可能性が事業活動において重要であることを認識し、サステナビリティポリシーを2022年11月に公表いたしました。
また、サステナビリティ推進を目的とした専門部署(サステナビリティ推進室)を2022年7月に設立し、エンタテインメント企業の強みを生かした、普及・啓発・次世代との協業と社会経験の提供、地域・コミュニティとのパートナーシップ強化、次世代型スマートライヴの推進などを通じて、サステナブルな社会の実現を目指してまいります。
① ガバナンス
当社グループは、今後の気候変動を含むサステナビリティに関する方針や意思決定の迅速化と監督機能の強化を図るため、組織体制の見直しを含むガバナンスの在り方についても継続的に検討してまいります。
原則として毎月1回開催される取締役会では、重要な経営の意思決定・業務執行の監督等を行っております。サステナビリティに関する事項については、サステナビリティ推進室が関連する部署と情報を共有しながら対応し、重要な報告事項が発生した場合、取締役会へ報告し、モニタリングを実施しております。
② リスク管理
当社グループは、「リスク管理規程」に基づき、各部門がリスクに対応する取り組みを実施しております。
③ 戦略
昨今、持続可能な社会の実現に向けて、環境、社会、ガバナンスに関する需要がますます高まっております。当社グループは、2022年11月に、優先して取り組むべき3つの主要テーマと7つの個別項目からなるマテリアリティ(重要課題)を特定いたしました。特定にあたっては、国連グローバルコンパクトなどが作成した「SDG Compass:SDGsの企業行動指針」、日本取引所グループ及び東京証券取引所の「ESG情報開示実践ハンドブック」、経済産業省の「価値協創ガイダンス」などを参考に、サステナビリティに関する活動をスピーディに決定・実行すべく取り組みを進めております。
3つの主要テーマと7つのマテリアリティ(重要課題)は、以下のとおりであります。
④ 指標及び目標
サステナビリティ経営に係る指標及び目標については、現在検討中であります。
当社グループは、マテリアリティ“「次世代」を創る、届ける”の中で、「経済・社会・環境を調和するイノベーション」を主要テーマに掲げており、次世代が担う社会においても、エンタテインメントを楽しむことができるような環境づくりに貢献すべく、気候変動への取り組みも強化しております。
① ガバナンス
気候変動に関するガバナンスについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) サステナビリティ経営 ①ガバナンス」に記載のとおりであります。
② リスク管理
当社グループは、「リスク管理規程」に基づき、各部門がリスクに対応する取り組みを実施しております。気候変動関連のリスクに関しては、サステナビリティ推進室と関連する部署で情報を共有しながら管理を行い、重要なリスクが生じた際には取締役会に報告いたします。
③ 戦略
当社グループは、2017年6月に気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が公表している最終報告書において、2℃以下シナリオを含む複数の温度帯のシナリオを選択・設定する必要があると提言していることから、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が発表した世界平均気温の変化の状況を確認し、気候変動がもたらすリスク・機会について、移行面で影響が顕在化する1.5℃シナリオと物理面での影響が顕在化する4℃シナリオの2つのシナリオを選択いたしました。
台風や豪雨など異常気象の増加、温室効果ガス排出に関する規制等は、当社グループのライヴ事業やサプライチェーンの各領域において、多大な影響を及ぼす可能性があり、事業場のリスクになる一方で、適切な対応を行うことで、事業の発展や、新たな需要の創造につながっていくことを認識しております。
(気候変動に関する主なリスクと機会)
a 移行リスク・機会:脱炭素シナリオ(1.5℃)
移行リスク・機会については、1.5℃目標達成に向けて、様々な規制などが導入される脱炭素シナリオに基づいて検討いたしました。1.5℃以下シナリオにおいては、政府の環境規制強化に伴う炭素税導入や、再生可能エネルギー需要の増加による価格上昇など費用の増加、電力消費量を削減するための設備投資の増加が想定されます。また、環境問題をはじめとしたサステナビリティ意識の高まりもあり、CD・DVDやグッズの簡易的な包装及びチケットレス等のデジタルを活用したスマートライヴなどの取り組みを行い、今後も環境の持続可能性に配慮した活動を推進してまいります。
(△:影響がある、〇:高い、◎:非常に高い)
b 物理的リスク・機会:温暖化進行シナリオ(4℃)
物理的リスク・機会では、異常気象による自然災害の発生に伴う、事業活動の停止やサプライチェーンの断絶が大きなリスクとなります。自然災害は発生の予測が難しく、一度発生すれば甚大な被害をもたらします。現在においても、温暖化の進行により、災害をもたらす大雨などの極端な気象現象の発生が増加しておりますが、温暖化進行シナリオでは、この傾向はさらに強まることが想定されます。当社グループでは、商品の簡易的な包装やスマートライヴ等のデジタル化による環境の持続可能性に配慮した取り組みに加えて、全従業員が時間や場所にとらわれず、自律的に行動する働き方として、フリーアドレス・フレックスタイム・フリーロケーションを導入し「スマートワークができるハイブリッド勤務制度」を実施し、オフィスを効率化することでCO2排出量を削減しております。
(△:影響がある、〇:高い、◎:非常に高い)
④ 指標及び目標
当社グループは、気候変動が社会の緊急課題であると認識し、省エネルギー化に取り組んでおります。2023年度の電力消費による間接CO2排出量は738t-CO2となり、本社ビルの移転等に伴い2018年度より65%削減しております。持続可能な社会の実現に向けて、日本政府が掲げるCO2排出削減目標を考慮し、CO2排出量を2050年までに実質ゼロにすることを2023年6月に目標設定いたしました。
本社オフィスでのCO2排出量が最も多くなっており、削減にあたっては省エネ・節電に継続して取り組むとともに、ハイブリッド勤務制度により効率的なエネルギー使用量の削減に努めております。また、化石燃料を用いない再生可能エネルギーの導入や一般財団法人日本品質保証機構(JQA)が認証するグリーンエネルギー等を積極的に活用し脱炭素社会の実現を目指してまいります。
当社グループCO2排出量の推移(t-CO2)
(注) 1 本社ビル及び当社所有のスタジオを対象としております。
2 2022年3月1日に、南青山エイベックスビルから住友不動産麻布十番ビルへ本社を移転しております。
(3) 人的資本
エンタテインメントの源泉は「人」であると考えております。
当社グループは、企業理念「エンタテインメントの可能性に挑みつづける。人が持つ無限のクリエイティビティを信じ、多様な才能とともに世界に感動を届ける。そして、豊かな未来を創造する。」を策定し、この企業理念に基づく中期経営計画「avex vision 2027」の重点戦略として「多様な地域・多様な分野で"愛される"IPの発掘・育成を目指す」を掲げております。
企業理念のもと、「avex vision 2027」の重点戦略を推進する人材戦略、タグラインである「Really! Mad+Pure」を体現するための環境づくり、また、それらのアップデートを積極的に行うことで、「人」の面からIP創出に注力しております。
① ガバナンス
人的資本に関するガバナンスについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) サステナビリティ経営 ①ガバナンス」に記載のとおりであります。
② リスク管理
人的資本に関するリスク管理については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) サステナビリティ経営 ②リスク管理」に記載のとおりであります。
③ 戦略
人材戦略の骨子として、「専門性」「多様性」「人材競争力」「キャリア自律」の4軸を重要視しながら、各種制度や施策設計を行っております。
a 「専門性」
360度ビジネスを展開し、そのビジネスモデルそのものに優位性を見出しながら事業展開を行ってきましたが、環境変化の早いエンタテインメント業界において連続性のあるIPヒットや成長を図っていくためには、今後はより各事業・各職種における専門性が不可欠であると考えております。
b 「多様性」
IPそのもの、IPを展開する地域、ファンの嗜好性も多様化していることから、従業員においても多様な価値観を持ち1人1人が活躍できる環境・カルチャーの醸成が必要であると考えております。
c 「人材競争力」
エンタテインメントの源泉は人であり、事業戦略を実現しながら長期的な成長を目指すために、人材の獲得、人材への投資は強化・継続すべきポイントの1つであると考えております。
d 「キャリア自律」
“好き”をエネルギーに変え、熱中や夢中を生み出すことと個々人のキャリアとはどうあるべきか、エンタテインメントの世界におけるキャリア形成とは何なのかを、常に追求しております。
④ 指標及び目標
当社グループは、人的資本の価値向上を実現するため、各種施策に取り組んでおります。
a ジョブ型の新人事制度
当社グループは、音楽事業をはじめ、アニメ・映像事業、デジタル事業、海外事業など様々な事業を展開しております。事業や職務ごとに異なる特性(専門性・希少性・市場環境)を考慮したジョブ型の報酬制度を2024年1月に導入いたしました。
約150に及ぶ職務1つ1つにおいてジョブグレードごとの要件(職務内容・必要スキル等)を定め、それらを全従業員に公開することで、エンタテインメント業界の各職務に求められる専門性の向上と、自身のキャリアパスを描き実現していくキャリア自律に繋げていくことを目指しております。
b エキスパート制度
ジョブ型の人事制度に先駆けて、特に希少性の高い専門性・スキル・経験に対し、全体の枠組みにとらわれず個別の報酬形態で報いるエキスパート制度を導入しております。
弾力的な報酬形態とすることで、外部優秀人材の獲得に優位性を持たせたり、やり甲斐と報酬を提示し内部優秀人材の流出抑制に繋げるとともに、マネジメント職にならずともプレーヤーとして自身の強みを極めてグループ貢献していくというキャリアパスを明確化いたしました。
特定の事業・職務に偏ることなく、様々なフィールドでエキスパート人材が活躍しております。
(エキスパート人材の推移)
c 異動制度(今後の取組)
ジョブ型の人事制度やエキスパート制度の導入に伴い、従業員それぞれがよりキャリアや専門性・スキルについて向き合う機会が増加したことで、能動的にアクションに移せる仕組みや受け皿が必要となってきております。
部門と個人のニーズを直接的にマッチングさせ、組織の活性化やポジティブなキャリアチェンジを促す仕組みとして、組織の活性化や意欲のある人材募集を目的とした「公募制度」、他職務へのチャレンジを支援することを目的とした「FA制度」を順次導入予定です。
d 人材獲得
企業理念にもある「世界に感動を届けたい」という純粋な“志”を持つ人材を獲得すべく「“志”採用」と銘打って採用をブランディング化しております。“志”新卒採用、“志”キャリア採用いずれにおいても、学歴・年齢・国籍不問で多様性のある人材獲得を行っております。
高いロイヤリティを持ち中長期で育成を図っていく新卒採用と、豊かなスキルや経験を持ち即戦力として活躍するキャリア採用、それぞれの強みを活かす採用・組織運営を行っております。
(採用人数割合)
(管理職に占める割合)
e グローバル人材
事業戦略においては、海外市場における価値創造に向けた戦略的な取り組みを開始しており、これに伴い、人材についてもグローバルを意識した採用や配置を行っております。
従来からのシンガポール、米国への赴任だけでなく、中東におけるIP展開の新たな可能性を探り事業拡大を図るためにサウジアラビアへの海外赴任や、IPの発掘育成を強化するために育成プログラムの確立している韓国への海外赴任もスピード感を持って行っております。
(グローバル人材)
f FFF制度(トリプルエフ制度)
時間や場所を選ばない働き方の仕組み「FFF制度(※)」を導入しております。
「Free Location」にはシェアオフィスの利用も追加し(全国約700拠点)、より社員が自由で柔軟に働くスタイルを選択できるハイブリッド型の働き方を推進しております。
また、オフィスでのコミュニケーションのあり方についても常にアップデートを図っており、様々なコラボレーションが生まれるよう、オフィス内に新たなコミュニティエリアの増設も進行しております。
オフィスでのコミュニケーションを通じてビジネスの様々な着想を得ること、テレワークやシェアオフィスを活用し利便性や集中力を高め効率的に業務を行うことの両側面を目的とした柔軟な働き方を実現しております。
(※FFF制度)
・Free Location(フリーロケーション)
インターネット等を活用した、場所や時間にとらわれず柔軟に働ける制度
・Free Address(フリーアドレス)
コミュニケーションの活性化を目的とし、固定席を持たずオフィス全体で自由な場所で働ける制度
・Flex Time(フレックス)
定時時間を設けず、月の所定労働時間内で、各従業員が計画を立てて自由に働ける制度
g 女性活躍
「真の女性活躍とは何か」「エンタテインメント業界における女性のキャリアパスとは何か」というテーマのもと、役職のみにとらわれず、熱量をもって様々な観点で活躍する女性にフォーカスをあてる仕組み作りや、ネットワーク作りを推進しております。
FFF制度などの柔軟な働き方により、育児休業復職後からフルタイムで働く選択をする従業員も増えるなど、多様な働き方、多様な活躍の仕方、多様なキャリアパスを支援する仕組みや環境作りを引き続き推進してまいります。
(女性管理職の割合)
(育児休業復職者の就業状況)
h エンゲージメント
企業理念及び事業戦略と人材戦略との連動性や、人事施策の効果を計るために最も重要視している指標の1つが「エンゲージメント」であります。2024年3月期からはさらに詳細な結果が得られるよう調査項目の拡充を実施いたしました。引き続き高いエンゲージメントスコアを維持しており、高エンゲージメント者割合は全国平均を大きく上回る結果となっております。
今後も、単なる働きやすさだけではなく、働き甲斐や刺激、自律及び主体性も併せもった状態での高エンゲージメントを維持しながら、タグライン「Really! Mad+Pure」の体現を追求してまいります。
(エンゲージメントスコア)※2022年3月期を100とした場合
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
① 主要作品及びアーティスト・タレントの動向について
当社グループは、コンテンツホルダーとして自社が保有する権利や、アーティストや他社取引先との協業により得られる権利を様々な事業へ活用しております。そのため、ヒットアーティストやヒットコンテンツの有無、主要アーティスト・タレントの人気、新人アーティスト・タレントの成長が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 災害の発生及び感染症の流行について
当社グループは、アーティスト・タレント・クリエイター及び従業員がエンタテインメントを提供するために全国各地で活動しております。そのため、地震、津波、台風、洪水等の自然災害及び新型コロナウイルスなどの感染症が蔓延しますと、大型ライヴ・イベント及びコンテンツ制作活動等の休止により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 海外市場への事業展開について
当社グループの海外事業は、今後大きく市場の成長が期待されているアジアをはじめ世界中に展開しております。そのため諸外国において、政治的・経済的要因、法律・規則要因、不利な租税要因及びテロ・戦争等による社会的混乱等、予期し得ない事由が発生した場合には、当社グループの海外展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 技術革新への対応について
当社グループは、テクノロジーを活かした新たなビジネスの可能性を追求しておりますが、その遂行過程において、技術革新や競合の出現等による事業環境の急激な変化や、事後的に顕在化する予測困難な問題等によりリスクが発生する可能性は否定できず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ システムリスクについて
当社グループは、当社グループのサービスの提供や当社グループ内の業務等においてシステムを使用した様々なサービスを利用しております。そのためサイバー攻撃、不正アクセス、自然災害、一時的なアクセス過多によるサーバー等への過負荷などを原因とする、重要データの消失、漏洩、改変、システムダウン等へ対応できるよう様々なセキュリティ対策、バックアップ環境構築等の対策を行っております。しかしながら、近年のサイバー攻撃の手口の巧妙化により、情報の消失、改変、漏洩などの対策において、それらの攻撃を完全に阻止できる保証はなく、復旧までのサービス停止やセキュリティ対策コストの増加等により、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 減損損失について
当社グループが保有している資産の時価が著しく下落した場合や事業の収益性が悪化した場合には、減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 個人情報管理について
当社グループは、顧客情報などの個人情報を保有しております。そのため、個人情報保護規程の制定や社員に対する情報セキュリティ研修の実施等により、個人情報保護に努めております。しかしながら、万が一、個人情報の漏洩が発生した場合には損害賠償や信用下落により当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 法的規制及び法令遵守について
当社グループは、「著作権法」「特許法」「商標法」「特定商取引法」「不当景品類及び不当表示防止法」「個人情報の保護に関する法律」「金融商品取引法」「会社法」「下請法」「労働基準法」をはじめ様々な関連法令等の法的規制を受けており、各種法的規制を遵守するため、社内規程の整備やコンプライアンス体制の強化に取り組んでおります。しかしながら、将来における関連法令等の改正や変更は、事業活動に対する制約や法的規制を遵守するための費用の増加に繋がり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 特定経営者への依存について
当社創業メンバーであり代表取締役会長である松浦勝人は、当社の大株主であるとともに、当社グループの経営戦略の立案・決定や、重要な取引先及び所属アーティストとの契約等において重要な役割を果たしております。何らかの理由で同氏が当社グループから離脱した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における我が国経済は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症に移行したことに伴い、経済活動・社会活動の制限が緩和され、景気は緩やかな回復傾向がみられるものの、世界的な物価上昇や為替変動等により、依然として先行き不透明な状態が続いております。
当社グループが属するエンタテインメント業界の環境としましては、ライヴの総公演数が前年同期比6.8%増の34,545公演、総売上高は前年同期比29.0%増の5,140億7百万円(2023年1月~12月。一般社団法人コンサートプロモーターズ協会調べ)、音楽ビデオを含む音楽ソフトの生産金額が前年同期比9.1%増の2,207億22百万円(2023年1月~12月。一般社団法人日本レコード協会調べ)、有料音楽配信売上金額が前年同期比10.9%増の1,164億98百万円(2023年1月~12月。一般社団法人日本レコード協会調べ)となり、当社に関連する市場が大きく成長しております。映像関連市場につきましては、映像ソフトの売上金額が前年同期比0.4%増の1,152億35百万円(2023年1月~12月。一般社団法人日本映像ソフト協会調べ)となり、映像配信市場規模は前年同期比8.0%増の5,250億円(2023年1月~12月。一般財団法人デジタルコンテンツ協会調べ)となり今後も拡大することが予想されます。
このような事業環境の下、当社は中期経営計画「avex vision 2027」の実現に向けて、価値創造の起点となる「才能と出会い、育てること」を重点に積極的な投資を行い、長期的な成長を目指せる体制を構築するとともに、海外市場に向けた戦略的な取組みを推進してまいりました。これらの取組みにより、各セグメントにおいてIPの発掘・育成や開発・獲得が進捗し、IPポートフォリオの拡充が進んでおります。また、当社の注力領域を明確化し、経営資源を最適化するために、事業ポートフォリオを戦略的に見直し、中期経営計画を実現するための基盤整理に努めてまいりました。
以上の結果、音楽事業の売上増加等により、売上高は1,333億87百万円(前年度比9.7%増)となったものの、売上総利益率の低下並びにIP創出のための投資を継続したことに伴う売上原価及び販売費及び一般管理費の増加等により、営業利益は12億65百万円(前年度比62.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億87百万円(前年度比64.0%減)となりました。
セグメントの経営成績は、以下のとおりであります。
① 音楽事業
(単位:百万円)
ライヴ、E-コマース及びマーチャンダイジングの売上が増加したものの、売上原価及び販売費及び一般管理費の増加等により、売上高は1,131億95百万円(前年度比20.2%増)、営業利益は18億88百万円(前年度比19.4%減)となりました。
② アニメ・映像事業
(単位:百万円)
海外向けセールス及びイベント等のノンパッケージ売上が増加したものの、売上総利益率の低下及び販売費及び一般管理費の増加等により、売上高は161億18百万円(前年度比5.7%増)、営業損失は1億29百万円(前年度は営業利益6億21百万円)となりました。
③ デジタル事業
(単位:百万円)
映像配信サービスの合弁会社解消に伴い減収となったため、売上高は29億35百万円(前年度比76.2%減)、営業損失は2億85百万円(前年度は営業損失1億17百万円)となりました。
④ 海外事業
(単位:百万円)
印税収入の増加等により売上が増加したものの、売上原価及び販売費及び一般管理費の増加等により、売上高は56億84百万円(前年度比9.3%増)、営業損失は1億61百万円(前年度は営業利益4億77百万円)となりました。
⑤ その他
(単位:百万円)
売上高は5億86百万円(前年度比28.6%減)、営業損失は45百万円(前年度は営業利益48百万円)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
① 売上高
売上高は、前連結会計年度に対して118億25百万円増加し、1,333億87百万円(前年度比9.7%増)となりました。これは主に、音楽事業における大型ライヴ公演が増加したこと等によるものであります。
② 売上原価、販売費及び一般管理費及び営業利益
売上原価は、前連結会計年度に対して115億23百万円増加し、940億97百万円となりました。また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に対して24億22百万円増加し、380億24百万円となりました。これは主に、売上総利益率の低下及び中期経営計画の実現に向けたIP創出のための投資を継続したこと等によるものであります。
この結果、営業利益は、前連結会計年度に対して21億19百万円減少し、12億65百万円(前年度比62.6%減)となりました。
③ 営業外損益及び経常利益
営業外収益は、前連結会計年度に対して6億34百万円減少し、3億37百万円となりました。また、営業外費用は前連結会計年度に対して1億63百万円増加し、4億65百万円となりました。
この結果、経常利益は、前連結会計年度に対して29億17百万円減少し、11億37百万円(前年度比71.9%減)となりました。
④ 特別損益及び税金等調整前当期純利益
特別利益は、前連結会計年度に対して3億65百万円増加し、20億31百万円となりました。これは主に、投資有価証券売却益等を計上したことによるものであります。また、特別損失は、前連結会計年度に対して6億65百万円減少し、4億4百万円となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に対して18億86百万円減少し、27億64百万円(前年度比40.6%減)となりました。
⑤ 法人税等(法人税等調整額を含む)、非支配株主に帰属する当期純利益及び親会社株主に帰属する当期純利益
法人税等は、前連結会計年度に対して42百万円減少し、15億84百万円となりました。また、非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に対して88百万円減少し、1億93百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に対して17億55百万円減少し、9億87百万円(前年度比64.0%減)となりました。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて9億72百万円増加し、1,098億87百万円となりました。これは主に、未収入金が17億57百万円及び無形固定資産が13億38百万円それぞれ減少したものの、流動資産の「その他」が14億43百万円、土地が10億32百万円及び有形固定資産の「その他」が6億55百万円それぞれ増加したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べて37億11百万円増加し、537億87百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が16億72百万円減少したものの、未払金が54億83百万円増加したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて27億39百万円減少し、560億99百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が17億43百万円及び利益剰余金が15億96百万円それぞれ減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、469億33百万円(前年同期は481億43百万円)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、36億91百万円(前年同期は91億92百万円)となりました。これは主に、法人税等の支払額27億80百万円及び仕入債務の減少17億8百万円により資金が減少したものの、未払金の増加56億72百万円及び税金等調整前当期純利益27億64百万円により資金が増加したことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、△23億99百万円(前年同期は△31億31百万円)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入19億6百万円及び無形固定資産の売却による収入12億71百万円により資金が増加したものの、有形固定資産の取得による支出22億93百万円、無形固定資産の取得による支出12億65百万円及び投資有価証券の取得による支出15億34百万円により資金が減少したことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、△23億60百万円(前年同期は△24億93百万円)となりました。これは主に、配当金の支払額22億58百万円により資金が減少したことによるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)
当社グループは、運転資金及び投資等の資金需要に対して、自己資金を充当することを基本方針とし、必要に応じて主として金融機関からの借入金によって資金を確保しております。
資金の流動性の確保に関しては、安定的かつ機動的な資金調達体制を構築するため、複数の取引金融機関との間でコミットメントライン契約を締結しております。また、流動資金の効率的な運用を目的として、国内子会社(一部を除く)に限り、CPS(キャッシュプーリングシステム)による資金貸借を行っており、資金を当社が一元管理しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。