「今までの日本にない証券会社をつくろう」を合言葉に、企業理念の中心に「いちよしのクレド」(2006年制定)を置き、その実現に取り組んでいます。「クレド」とは「企業の信条や行動指針を記したもの」で、当社が社会に存在する意義についての全役職員共通の価値観となっています。
① 経営の基本方針
当社はクレド(企業理念)の下、経営の公正性及び透明性を高め、機動的かつ適切な意思決定を行うことにより、業績の向上と企業価値の最大化を図りつつ、コーポレート・ガバナンスの強化充実に努めていくことを経営上の重要課題の一つとしております。また、指名委員会等設置会社の形態を採用し、加えて執行役員制度を導入することにより、業務執行の迅速性、実効性を高めるとともに業務執行に対する監督の強化を図っております。
② 20年振りの「改革の断行」
当社は、「いちよしのクレド」の経営理念を実現するために経営目標として「金融・証券界のブランド・ブティックハウス」の構築を目指しております。また、「お客様からの信頼」と「いちよしの基礎体力」のバロメーターである「預り資産」を経営の最重要指標として位置づけ、預り資産の拡大を図ることにより、持続的な成長の実現に努めております。
こうしたなか、当社は創業以来、お客様との信頼関係を何より一番としたサービスのご提供を続けて参りましたが、急速な環境変化に迅速に対応すべく、現在、お客様本位の業務運営をさらに推進するため2019年より20年振りの「改革の断行」を進めております。
この「改革の断行」は、最重要経営指標である「預り資産」の拡大をさらに進め、お客様本位の「ストック型ビジネスモデル」への転換をより一層推進することを目標にしており、当社が20年来掲げて参りました「仕組み債は取り扱わない」「個別外国株は勧誘しない」などの「お客様のためにならない商品は取り扱わない」という7つの原則「いちよし基準」にもとづく「売れる商品でも、売らない信念」に加えて、お客様のために為すべきこととして「お客様独自のオーダーを仕立てる信念」を新たに掲げ、お客様 1 人 1 人のニーズに即したオーダーメイドのポートフォリオ提案に取り組んでおります。
〔「改革の断行」の基本戦略〕
1.クレドの徹底
いちよしの永続的な成長のベースになる経営理念
2.預り資産の拡大
預り資産は経営の最重要指標
預り資産はお客様からの信頼といちよし基礎体力のバロメーター
「顧客戦略」「チャネル戦略」「商品戦略」
3.収支構造の改善の継続
株式市場の変動に影響されない収支構造の促進
「安定収益」「ドリコレ・投信によるコストカバー率の向上」
「コストカバー率は、ストック型ビジネスモデルの進捗状況のメルクマール」
「生産性向上、コスト削減、小さな本社作り」
4.いちよしグループの総合力
トライアングル・ピラミッド経営
「富裕層ビジネス特化」「中小型成長株特化」
5.コンプライアンスの実践
コンプライアンスは競争力の源泉
お客様本位のよりグレードアップしたコンプライアンス
「法令遵守は絶対」「クレドの精神に合ったお客様目線の適合性重視」
6.人材の増強と育成
人材こそが成長の源泉
「アドバイザーの質の向上」「若手アドバイザー、次期管理職の育成」
「女性・シニア層の積極的活用・登用」「本社・本部のバックアップ力強化」
7.「働きやすい・やりがいがある職場」作り、「誇りを持てる会社」
社員のやる気アップ
意欲を持って仕事をやる人にとってはずっといたい会社
「縦・横のコミュニケーションの充実」「人事制度・評価制度の見直し」
「職場環境の改善」「仕事のやり方見直し」
この数年来、低金利の長期化や100年人生の進捗を背景として「貯蓄から投資へ」の流れが本格化していく中で、我が国の金融・証券界は、お客様本位のビジネスを展開することが強く求められて参りました。
当社は20年来、仕組み債などリスク・リターンの仕組みなどが複雑でお客様による理解が難しい、お客様のためにならない商品は取り扱わないという7つの原則「いちよし基準」を「売れる商品でも、売らない信念」として掲げ、売買手数料中心の「フロー型ビジネスモデル」から、投資信託の信託報酬やラップフィーの安定収益を中心とした「ストック型ビジネスモデル」への転換を目指して参りました。2019年からは、急速な環境の変化に対応し、お客様本位の業務運営をより一層進めるための20年振りの「改革の断行」に取り組んでおります。この度の「改革の断行」は、最重要経営指標である「預り資産」の拡大をさらに進め、「ストック型ビジネスモデル」への転換をより一層推進することを目標にしており、新たに、「売れる商品でも、売らない信念」に加えて、お客様のために為すべきこととして「お客様独自のオーダーを仕立てる信念」をもう一つの柱として掲げております。そして、この20年振りの「改革の断行」におきましては、社長交代や経営陣の大幅な若返りとスリム化を実施するとともに、当社の経営において相対的に重要性が低下してきた引受け業務の取り止めを行いました。また、地区アドバイザー本部制を廃止し、営業推進体制を従来の本社本部主導から支店主導の体制に切り替え、地域特性に沿った1人1人のお客様のニーズに細やかにお応えできるような体制を整えるなど、真にお客様本位といえる業務運営のための様々な改革を現在進めております。
さらに、現在、お客様本位の観点から、お客様の利便性向上のための店舗再編を行っており、既存店舗を分支店化した小型店舗(プラネットプラザ)を出店するなど、今後もお客様に対してより身近な存在となれるような店舗網の充実を目指して参ります。
また、当社はかねてより人材こそが成長の源泉であると位置づけ、人材育成を経営の最重要課題としてきました。今回の「改革の断行」においても「人材の増強と育成」・「働きやすい・やりがいがある職場」作りを基本戦略として、引き続き具体的な取組みを実施して参ります。
当社の経営目標である「金融・証券界のブランド・ブティックハウス」への登頂を目指すための「改革の断行」は現在6合目位という状況です。引き続き、「ブランド・ブティックハウス」の山頂を目指して、昨年4月より「改革の断行」の第2ステージとしてスタートさせました中期経営計画「3・D」を達成すべく、当社の強みであるいちよしのグループ力(いちよし証券のアドバイス力、いちよし経済研究所のリサーチ力、いちよしアセットマネジメントの運用力)とコンプライアンス力(お客様満足度)を活かし、預り資産の拡大を核とした成長の実現に努めて参ります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
<サステナビリティ推進のための基本方針と運営体制>
当社では、より一層の取組みを強化するとともに、サステナブルな社会の実現に貢献するための基本的な考え方として「サステナビリティ基本方針」を策定しております。
業務執行の監督機能を有する取締役会の傘下に、サステナビリティ推進への取組みを企画・実行・検証・改善を行う会議体として「サステナビリティ推進会議」を設置しています。議長は執行役社長が務め、取締役会への定期的な報告を行います。事務局である「サステナビリティ推進室」は、専門部署として当社のサステナビリティ推進の中核を担います。
(1) 社員のために(人的資本について)
当社は、「いちよしのクレド」を2006年に制定し、証券業を通じて様々なステークホルダーとのエンゲージメントを重視するとともに、持続的な企業価値の向上に取り組んで参りました。
「いちよしのクレド」には当社の存在意義が掲げてありますが、人材こそが成長の源泉であり、最大の先行投資の対象であると認識しております。
そして、重要課題(マテリアリティ)の具体的な取組みとして「時代の変化に対応できる人材教育の充実と社員研修の強化」を掲げ、取組みを継続しております。
当社が目指すお客様本位の「ストック型ビジネスモデル」では、お客様一人一人に信頼され、投資意向に沿ったアドバイスを行う必要があるため、アドバイザーの質の向上を目的とした社内研修等の充実に努めています。また、社員のスキルアップ支援として「自己成長プログラム」を設け、証券アナリストやCFPなどの資格取得の通信教育等を補助し、資格取得者には報奨金を授与し、自己研鑽を奨励しております。加えて、資格取得以外のスキルアップにつながる通信教育講座に対しても受講料の補助制度を設けております。
当社は、人材育成を目的として同業種・異業種を問わず、積極的に社員をトレーニーとして他社に派遣し、それによって得た知見・経験を社内の業務の効率化や改善に活かしております。
社内環境整備につきましては、2017年より「働きやすい・やりがいがある職場作り」を目指し、50を超える項目について半年に一度、その進捗を精査して参りました。重要課題(マテリアリティ)の具体的な取組みとして「社員の働きがいを醸成する企業文化の浸透とエンゲージメントの強化」、「ジェンダーに配慮した働きやすさの実現」、「多様な働き方を考慮した人事、給与制度の構築」を掲げておりますが、「働きやすい・やりがいがある職場作り」の項目につきましても取組みを継続して参ります。
当社では、多様化する社会に対応して持続的な企業価値の発展を図るためには、女性の活躍が不可欠と考えております。女性がいきいきと活躍するための雇用環境の整備に取り組んでおり、継続勤続年数等の男女差縮小に向けた環境整備と管理職に占める女性割合を高めるための施策等を実施しています。
家庭と仕事を両立させるための制度を充実させ利用を促していることに加え、実際に休業や退職をした社員に対して復職アシスト制度やリターン・トゥー・ワーク制度などにより復職しやすい環境を整えています。また、定年後もモチベーションを高く維持し、安心して長く働くことができるように、ジョブ型再雇用制度を設けています。
「働きやすい・やりがいがある職場作り」の取組みには、実際に社員がどのように感じ業務に取り組んでいるのかを把握するエンゲージメントが重要となります。当社では部支店長と社員との1on1ミーティングを定期的に実施するとともに、エンゲージメントツールを利用し、定期的に社員へのアンケートを行っています。さらに、上記アンケートに加えて、自己申告による人事アンケートと人事部による面談をベースに、各人の能力に合わせた配置やキャリアアップについて協議されます。
多様性に対する取組みの進捗状況
なお、上記のほかに当社が注視している指標は以下のとおりです。
a.管理職に占める中途採用者の割合の推移
b.その他
(2) お客様のために(お客様本位の業務運営について)
いちよしグループは、「今までの日本にない証券会社をつくろう」を合言葉とし、「金融・証券界のブランド・ブティックハウス」を目指しています。当社は創業以来「お客様第一」を理念として業務を行ってきました。1990年代後半の「日本版金融ビッグバン」を契機に、「貯蓄から投資へ」の推進に向け、お客様の資産を安全・着実にじっくりと増やすために、お役に立てる証券会社を目指し、お客様本位の「ストック型ビジネスモデル」(資産管理型ビジネスモデル)への転換を図っております。
[いちよしグループの「トライアングル・ピラミッド経営」]
いちよしグループの業務運営体制は「トライアングル・ピラミッド経営」を推進しています。「お客様サービス」、「商品・運用」、「リサーチ」、「バックアップ」の正三角形4面体がそれぞれを支えあうことにより各部門及び関係会社の機能を最大限に発揮させることを目的とした経営スタイルです。さらに各部門のコ・ワーク(共同業務推進)によるシナジー効果により、お客様により良い商品、より良い情報、より良いサービスをご提供し、その結果として、お客様の大切な金融資産の運用及び企業経営のお役に立つことになると考えております。
いちよしグループはこれからも、「売れる商品でも、売らない信念」と「お客様独自のオーダーを仕立てる信念」のもと、お客様本位のアドバイス活動を実践し、お客様本位の対面アドバイスにこだわり抜いた「金融・証券界のブランド・ブティックハウス」の実現を目指して参ります。
(3) 株主のために(資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について)
当社は、かねてより、株主を始めとするあらゆるステークホルダーの期待に応えるため、中長期的な企業価値の向上を計り持続的な成長の実現を目指し、P/L(損益計算書)の売上や利益水準を意識するのみでなく、B/S(バランスシート)をベースとする資本コストや資本収益性を十分に意識した経営に取り組んで参りました。
B/Sをベースとした企業価値の指標の一つであるPBR(株価純資産倍率)は、ROE(自己資本利益率)とPER(株価収益率)の積で求められますが、当社は、ROEの向上、特に自己資本比率を高い水準で維持した上での資本収益性の向上が、PBRの改善のためにも最も重要であると考えております。
具体的には、当社の経営目標であるお客様本位の「ストック型ビジネスモデル」の確立を目指す中で、中長期的に継続して資本コストを上回る資本収益性を達成し持続的成長を実現するために、安定収益の源泉となる投資信託やラップを中心とした預り資産の拡大を計っております。
また、預り資産の増加と営業収益の増加は相関関係にあることが検証されていることから、この預り資産の拡大こそが営業収益を増加させると考えております。そして、この営業収益のなかでも信託報酬やラップフィー等のいわゆる安定収益の増加がコストカバー率(安定収益の販売費・一般管理費に対する比率)を高め、ROEの上昇に繋がり、PBRの向上に資すると考えております。
よって、「預り資産残高」とストック型ビジネスモデル確立の進捗状況を計る指標としての「コストカバー率」を経営の最重要指標としており、中期経営計画におきましても「預り資産」「コストカバー率」「ROE」を目標値として掲げております。
[中期経営計画「3・D(スリーディー)」]
昨年4月よりお客様本位の「ストック型ビジネスモデル」への転換を一層加速させるべく、新たに2026年3月末をターゲットとする中期経営計画「3・D」をスタートしております。「3・D」では、預り資産を3兆円へと拡大することに挑戦するとともに、ファンドラップと投資信託によるストック型資産を倍増させることを目標としており、「預り資産3兆円」の「3」と、「ストック型資産の倍増(Double)」の「D」を合わせて略称といたしました。
中期経営計画「3・D」におきましては、「預り資産3兆円」、「コストカバー率70%」、「ROE10%」を目標値とし、目標達成時のPBRは、およそ1.2倍(2024年3月末1.0倍)になると推計しております。
〔3・Dの計画目標〕
※コストカバー率=(信託報酬+ラップフィー)/販売費・一般管理費
[剰余金の配当等の決定に関する方針と実績]
当社の配当は、業績連動型の配当方針を基本とし、配当性向をベースとした配当を行っておりますが、株主の皆様への適切な利益還元を継続して充実させていくことを目的として、純資産配当率(DOE)についても勘案して配当額を決定しています。
具体的には、連結ベースでの配当性向(50%程度)と純資産配当率(DOE2%程度)を配当基準とし、半期毎に算出された金額について、いずれか高いものを採用して配当金を決定しております。
上記①の配当方針に基づき、当期の剰余金の配当は、中間配当、期末配当ともに連結純資産配当率を算出基準として採用し、当期の1株当たりの配当金は中間配当17円、期末配当17円の年間34円とさせていただきました。
過去3年間 配当金推移
(4) 社会のために(気候変動について)
当社顧客の中長期的な資産運用において適正な資産評価と資産配分を実現するためには、投資対象企業による気候変動関連のリスクや収益機会に関する一貫性のある適切な情報開示が必要であり、これがなければ、当社顧客の金融資産運用に支障をきたす要因になります。その結果、顧客の金融資産運用の安定性や中長期パフォーマンスが低くなれば、当社との取引機会が減り、当社の業績が悪化することにつながります。
反対に、投資対象企業による一貫性のある適切な情報開示がなされれば、これによる当社顧客の金融資産運用の安定性や中長期パフォーマンスの向上が見込まれ、当社業績の拡大につながります。
こうした観点から、中小型成長株のリサーチに長年、特化している当社グループのいちよし経済研究所(IRI)においては、気候変動を含むESG達成に向けた対象企業の取組みをリサーチ銘柄選別の際の重要な基準の一つとし、そのリサーチ結果を当社顧客の資産運用に活かしています。
また、当社グループのいちよしアセットマネジメント(IAM)においても、IRIによるESG関連のリサーチ結果を投資信託運用に活かしています。
さらに、IAMはESG達成に向け積極的に取り組む企業を投資対象に組み入れた「いちよしSDGs中小型株ファンド」を運用しています。
従って、気候変動に係るリスク及び収益機会が当社の事業活動や収益等に与える影響を検証する有力な指標の一つは、当社の預り資産とIAMの公募投信運用資産残高の推移と考えています。
当社は、サステナブルな社会の実現に貢献するための基本的な考え方として「サステナビリティ基本方針」を策定し、社会全体に存在する課題の中から、当社として取り組むべき課題を重要課題(マテリアリティ)として特定しておりますが、そのうち「社会のために」として「CO2排出量削減への取組み強化」を掲げ、気候変動に取り組む社会の一員として貢献していきたいと考えております。
そして、この取組みを社内外に伝える気候関連財務情報開示の重要性に鑑み、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同し、これに基づく情報開示の拡充にも取り組んで参ります。
当社は、業務執行の監督機能を有する取締役会の傘下に、サステナビリティ推進への取組みを企画・実行・検証・改善を行う会議体として「サステナビリティ推進会議」を設置しています。議長は執行役社長が務め、取締役会への定期的な報告を行います。事務局である「サステナビリティ推進室」は、専門部署として当社のサステナビリティ推進の中核を担います。
複数の気候変動の将来予測シナリオ(※1)を参照し、当社のサステナビリティに関する考え方やビジネスモデルにおいて気候変動がどのような影響を与えるかを検証いたしました。
気候変動が当社の事業に与えるリスクと機会のうち、リスクについては、低炭素経済への「移行」に関するリスクと、気候変動による「物理的」変化に関するリスクを想定し、想定される事態や影響についての評価を検討いたしました。また、機会については、「商品/サービス」、「市場」の側面を捉え、想定される状況や影響について検討いたしました。
検証の結果、リスクについては当社の事業に重大な影響を与えるものではないと認識しておりますが、状況変化を監視し定期的な検証を続けて参ります。
GHG排出規制の強化により、新たな税金の発生や既存エネルギー使用料金等の増加、または代替手段への移行に伴いコストが増加すること等が想定されます。短期から中期の期間(※2)での影響が想定され、環境に配慮したエネルギーの利用等による対応を検討して参ります。
・市場リスク
投資家行動が低炭素経済に大きく急速に変化することにより、既存の商品・サービスが陳腐化し販売額が減少すること等が想定されます。短期から中期の期間での影響が想定され、リサーチやモニタリングを強化すること等による対応を検討して参ります。
低炭素経済の移行に対応ができず、評判の低下により預り資産や口座数が減少すること等が想定されます。長期での影響が想定され、サステナビリティ推進を強化すること等による対応を検討して参ります。
台風・洪水等の増加や激甚化により、当社施設やデータセンターなど関連施設の使用停止や復旧などの対応でコストが増加すること等が想定されます。中期から長期の期間での影響が想定され、事業継続計画(BCP)における各種対策を強化すること等による対応を検討して参ります。
低炭素経済を指向するお客様ニーズに合致した商品・サービスの提供により、預り資産・口座数が増加し、販売額が増加すること等が想定されます。短期から中期の期間での影響が想定され、引き続きグループの強みを活かしたリサーチ力、運用力、アドバイス力の強化、商品・サービスの開発力の強化を図って参ります。
気候変動や低炭素に対して積極的に取り組んだ企業や当該企業を組み入れた投資信託への資金流入や株価・基準価額等の上昇による預り資産の増加等が想定されます。中期から長期の期間での影響が想定され、上記同様、引き続きグループ力の強化を図って参ります。
※1 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)、国際エネルギー機関(IEA)、気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク(NGFS)、気象庁が公表しているシナリオ・予想等を参照しています。
※2 短期(0~3年)、中期(4年~10年)、長期(11年超)を想定しています。
c.リスク管理
気候変動関連リスクは単独で当社に影響を与えるのではなく、金融商品取引業者としての業務上のリスクに広範かつ複雑に関連することが想定されることから、当社の主要なリスクの一つとして全社的なリスク管理の協議機関である「リスク管理会議」にて管理を行います。リスク管理会議での協議の内容は「内部統制委員会」に報告され、同委員会での審議・検討を経て取締役会に報告されます。
具体的には財務的に影響があるリスクとして、低炭素経済への「移行」に関するリスクと気候変動による「物理的」変化に関するリスクを想定し、主にリーガルリスクやレピュテーショナルリスク、災害リスクの軽減を図ります。
サプライチェーン排出量に関する国際的基準であるGHGプロトコル等との整合を図るため環境省と経済産業省が策定した「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」に基づき、当社のGHG排出量(Scope1、2)を算出しました。この指標により気候変動のリスクと機会を評価し、当社の取組みの進捗状況などを測って参ります。
なお、削減目標の策定につきましては、当指標の算出を継続し、排出量の推移や削減方法等を検討したうえで行う方針です。
GHG排出量(単位:t-CO2)
(注)算定の対象は当社及び連結子会社。社員寮は対象外としています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには以下のようなものがあり、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項として考えております。
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える影響につきましては、合理的に予見することは困難であるため記載しておりませんが、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対処に努める方針であります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月25日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 金融商品取引業の収益変動リスク
国内及び海外株式・債券相場が下落または低迷した場合、流通市場での売買高が減少し、結果として当社の売買委託手数料が減少する可能性があります。また、これに付随して、発行市場においても同様の影響を受ける可能性があります。
(2) 市場リスク
当社では、投資有価証券の保有の他、自己勘定でトレーディング業務を行っており、株価、金利及び外国為替相場等の変動により、保有する有価証券等の価格が変動し、損失が発生する可能性があります。
(3) 信用(取引先)リスク
取引先の債務不履行等(信用状態の変化を含む)により、損失を被る可能性があります。
(4) 流動性リスク
金融情勢または当社グループの財務内容の悪化等により、資金調達面で制約を受け、資金の流動性に障害が生じる可能性、及び通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失が発生する可能性があります。
(5) 事務リスク
当社グループでは、各種マニュアルの整備やコンプライアンス体制の整備強化に努めておりますが、事務処理プロセスで発生する事務ミス、事故、または不正等により損失が発生する可能性があります。
(6) システムに関するリスク
コンピュータシステムのダウン、誤作動、または災害や停電による障害等により損失が発生する可能性、及びコンピュータが不正に使用されることにより損失が発生する可能性があります。
(7) リーガルリスク
法令違反等があった場合、損失が発生する可能性、訴訟の提起を受ける可能性、及び監督当局から行政処分等を受ける可能性があります。
(8) 情報関連リスク
インサイダー取引、内部情報の漏洩、及び不適切な情報開示により、損失が発生する可能性、及び社会的信用が低下する可能性があります。
(9) 競争によるリスク
金融・証券業界は本格的な競争時代を迎えており、今後ますます競争は激化していくことが予想され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 法制度等の変更によるリスク
昨今の金融・証券業界を取り巻く各種法制度等の改正により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 災害等によるリスク
地震・火災などの災害等により、当社グループの業務体制に支障が生じる可能性、及び役職員が被害を受けた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 気候変動リスク
低炭素経済への移行に伴う、気候変動に関する政策や法規制等の変化、投資家行動の変化による既存の商品・サービスの陳腐化、あるいは低炭素経済への移行に対応できないことによる評判の低下により損失が発生する可能性(移行リスク)及び気候変動を起因とした、保有する資産に対して生じる損害や事業活動の停滞等により損失が発生する可能性(物理リスク)があります。
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度(以下、当期)の日本経済は、緩やかな回復を辿りました。物価高の影響から、個人消費には足踏みが見られました。一方、企業は良好な業績を背景にDX(デジタルトランスフォーメーション)などへの投資を進め、設備投資は堅調に推移しています。世界経済は一部地域に弱さが見られながらも米国では底堅さを維持しています。
日本の株式市場は、歴史的な節目を迎えました。日本経済がデフレを脱しつつあるとの見方や日本企業の企業価値向上への取り組みが好感されたことなどから7月上旬にかけて上昇傾向を維持し、日経平均株価は7月3日に3万3,753円と、約33年ぶりの水準まで回復しました。その後は年末まで一進一退の推移でしたが、2024年の年明け以降は海外投資家の積極的な買いが再びけん引し、日本株は騰勢を強めました。日経平均株価は2月22日に3万9,098円まで上昇し、1989年12月以来、約34年ぶりに最高値を更新、3月4日には初めて4万円台に乗せました。日銀は3月19日の金融政策決定会合で、マイナス金利政策を解除し、同時に長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の撤廃も決めました。2013年4月から約11年続いた大規模な金融緩和を終了し、金融政策は新たな段階に入りましたが、日銀は当面、緩和的な金融政策を継続する意向です。日経平均株価は3月22日の取引時間中に一時4万1,000円台まで上昇する場面もありましたが、4万369円で当期末を迎え、当期の1年間の上昇率は44%と3年ぶりの大きさとなりました。
外国為替市場で、対ドルの円相場は期初1ドル=130円台でしたが、米長期金利の上昇から11月13日には一時1ドル=151円94銭をつけました。しかし、米利下げへの思惑が強まったことから11月中旬以降、米長期金利が低下に転じ、1ドル=140円台まで円高が進みましたが、年明け以降は米利下げ観測の後退などから円安が進み、当期末は1ドル=151円台前半で終えました。
高い成長可能性を有する企業向けの市場である東証グロース市場で、東証グロース市場指数は6月21日に1,092まで上昇し、2022年4月の指数算出以来の高値をつけましたが、その後は動きが冴えず938で当期末を迎えました。東証グロース市場250指数(旧東証マザーズ指数、2023年11月6日に名称変更)も6月21日に864と、およそ1年5カ月ぶりの高値をつけましたが、746で当期末を迎えました。
当期における東証プライム市場の一日平均売買代金は4兆3,804億円、スタンダード市場の一日平均売買代金は1,384億円、グロース市場の一日平均売買代金は1,554億円となりました。
当社は、このような環境下、お客様本位の「ストック型ビジネスモデル」の構築を目指し、中期経営計画「3・D」の目標である預り資産3兆円への拡大をするため、ファンドラップと投資信託によるストック型資産の倍増に取り組んでおります。
株式につきましては、低金利環境、インフレの下で安定性と配当に注目した資産株のご提案に加え、当社グループの強みであるリサーチ力を生かした中小型成長企業への投資のご提案をするなど、引き続きお客様の中長期における資産形成としての株式投資をお勧めして参りました。
いちよしファンドラップ「ドリーム・コレクション(愛称:ドリコレ)」につきましては、お客様の保守的な資産の中長期運用商品としてのニーズが引き続き拡がっており、当期末の残高は2,694億円(前期末比30.0%増)となりました。
投資信託(ラップを除く)につきましては、「いちよし・グローバル株式ファンド(愛称:いちばん星)」や「ブラックロック世界好配当株式オープン(愛称:世界の息吹)」「いちよし日本好配当株&Jリートファンド(愛称:明日葉(あしたば))」等、お客様のニーズに即した提案に努めて参りました。
当期末の残高は、7,962億円(前期末比11.9%増)となりました。
グループのいちよしアセットマネジメントにおきましては、運用資産残高が引き続き増加し、当期末の運用資産残高は5,418億円(前期末比22.9%増)となりました。
以上の結果、当社グループの純営業収益は187億98百万円(前期比13.1%増)となりました。また、販売費・一般管理費は159億95百万円(同3.5%増)となり、差し引き営業利益は28億3百万円(同140.4%増)となりました。
なお、当期末の預り資産は、2兆2,617億円(前期末比18.5%増)となりました。
また、当社が目指している「ストック型ビジネスモデル」への転換進捗状況を示す重要な経営指標の一つと位置付けておりますコストカバー率(投資信託の信託報酬やラップフィー等のいわゆる安定収益の販管費に対する比率)は、61.2%(前期比7.7ポイント増)となりました。
① 受入手数料
受入手数料の合計は183億72百万円(前期比13.3%増)となりました。
委託手数料:
株券の委託手数料は53億36百万円(前期比19.4%増)となりました。
このうち、中小型株式(東証スタンダード、東証グロース、名古屋メイン、名古屋ネクスト)の委託手数料は6億61百万円(同7.5%減)となり、株券委託手数料に占める中小型株式の割合は12.4%となりました。
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料:
投資信託に係る手数料が25億63百万円(前期比3.0%減)となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料の合計は25億84百万円(同3.6%減)となりました。
その他の受入手数料:
その他の受入手数料は、当社の受益証券残高に係る信託報酬が43億23百万円(前期比8.9%増)、いちよしアセットマネジメントの運用に係る信託報酬が22億31百万円(同13.3%増)となり、これに当社のファンドラップに係るフィー等32億30百万円(同38.4%増)等を加え、合計103億65百万円(同17.9%増)となりました。
② トレーディング損益
株券等のトレーディング損益は、75百万円(前期比45.8%増)の利益となりました。債券・為替等のトレーディング損益は、15百万円(同21.1%減)の利益となりました。その結果、トレーディング損益合計は91百万円(同27.8%増)の利益となりました。
③ 金融収支
金融収益は、信用取引貸付金の期中平均残高の減少により1億59百万円(前期比5.6%減)、金融費用は、39百万円(同5.6%減)となり、差し引き金融収支は1億20百万円(同5.6%減)となりました。
以上の結果、当期の純営業収益は187億98百万円(前期比13.1%増)となりました。
④ 販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、人件費の増加等により、159億95百万円(前期比3.5%増)となりました。
⑤ 営業外損益
営業外収益が、受取保険金及び配当金23百万円等で84百万円となり、差し引き72百万円(前期比44.3%増)の利益となりました。
以上の結果、当期の経常利益は28億75百万円(前期比136.4%増)となりました。
⑥ 特別損益
特別利益は、投資有価証券売却益40百万円、受取補償金31百万円等で94百万円、特別損失は金融商品取引責任準備金繰入れ19百万円、減損損失19百万円等で51百万円となり、差し引き42百万円(前期比41百万円の増加)の利益となりました。
これらにより、税金等調整前当期純利益は29億17百万円(前期比139.8%増)となりました。これに法人税、住民税及び事業税10億94百万円及び法人税等調整額1億6百万円を加減算した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は19億29百万円(同154.5%増)となりました。
① 資産
前期末に比べて39億76百万円(9.3%)増加し、466億47百万円となりました。これは、現金・預金が31億31百万円及び募集等払込金が15億3百万円増加したこと等によるものです。
② 負債
前期末に比べて27億95百万円(18.8%)増加し、176億39百万円となりました。これは、預り金が27億57百万円増加
したこと等によるものです。
③ 純資産
前期末に比べて11億81百万円(4.2%)増加し、290億8百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期
純利益19億29百万円を計上した一方で、配当金の支払い11億48百万円があったこと等によるものです。
この結果、自己資本比率は62.1%(前期末は65.2%)となりました。また、当社の自己資本規制比率は518.0%(前期は505.8%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益29億17百万円を計上、預り金及び受入保証金の増加による25億87百万円の増加、募集等払込金の増加による15億3百万円の減少等により、37億93百万円(前期比21億84百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出、無形固定資産の取得による支出の一方で、投資有価証券の売却による収入、投資有価証券の償還による収入等により、△5億24百万円(同2億3百万円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額11億45百万円等により、△11億37百万円(同16億81百万円の増加)となりました。
以上により、当期末における現金及び現金同等物残高は、前期末残高に比べ、21億31百万円増加し、174億95百万円となりました。
トレーディング商品:
最近2連結会計年度末におけるトレーディング商品残高は以下のとおりであります。
トレーディングに係るリスク管理体制:
当社グループにおけるトレーディングに係るリスク管理体制は、株価、金利、外国為替相場等の変動を適切に認識し、「リスク管理規程」及び「市場リスク管理細則」に準じて市場リスクの管理を行っております。
具体的には、主として顧客との取引から発生するトレーディング業務に係わる有価証券について、取引を行う部門毎及び商品毎に許容可能なリスク量(ポジション枠)をロスカット基準等と合わせて定めております。また、市場リスク相当額は標準的方式により算出され、状況を把握して確認を行っております。なお、内部統制委員会の下部組織であるリスク管理会議においては、運用環境や当社の財務状況等を勘案してポジション枠等の見直しや今後の対応等の協議を行っております。
市場リスクの管理は、日々、リスク管理室がモニタリングを行い、経営陣その他の関係者に対して報告を行っております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月25日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針等が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 固定資産の減損損失
翌連結会計年度の将来キャッシュ・フローの算定にあたり、市場動向や経済情勢の変化により翌連結会計年度の営業収益が悪化した場合、その影響により翌連結会計年度の営業損益が減少する可能性があります。
② 繰延税金資産
当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、証券市場の変動の影響を大きく受ける市況産業であるため、業績変動の幅が大きく、長期にわたり安定的な課税所得の発生を予測することが困難であります。
この具体的な計算方法は、当社グループの課税所得を見積り、短期に回収が可能なものを判断し繰延税金資産を算出しております。
③ 賞与引当金
当社グループの賞与引当金は、従業員に対する賞与の支払いに備えるため、所定の計算方法により算出した支払見込額を計上しております。この具体的な計算方法は、賞与の前支給対象期間の業績対比等の係数を基礎として算出しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績等について
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、純営業収益は前期比13.1%増の187億98百万円、経常利益は同136.4%増の28億75百万円となりました。
当社グループは「金融・証券界のブランド・ブティックハウス」の構築を目指して従来築いてきた土台をさらに拡大するために、2026年3月末をターゲットとする中期経営計画「3・D」を策定し、数値目標は預り資産3兆円、コストカバー率70%、ROE10%と設定いたしました。
また、数値目標のうち特に、預り資産を「お客様からの信頼」と「いちよしの基礎体力」のバロメーターと位置付け、預り資産の拡大を最も重要な経営目標であり成長の源泉として持続的な成長の実現に努めています。
営業収益のうち主な科目別の経営成績の分析は、以下のとおりであります。
(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)
投資信託(ラップを除く)につきましては、「いちよし・グローバル株式ファンド(愛称:いちばん星)」や「ブラックロック世界好配当株式オープン(愛称:世界の息吹)」「いちよし日本好配当株&Jリートファンド(愛称:明日葉(あしたば))」等、お客様のニーズに即した提案に努めて参りました。
その結果、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料の合計は前期比3.6%減の25億84百万円となりました。
(その他の受入手数料)
その他の受入手数料は、全体では前期比17.9%増の103億65百万円となりました。主な内訳は、「受益証券残高に係る信託報酬」が同8.9%増の43億23百万円、「運用に係る信託報酬」が同13.3%増の22億31百万円、「ファンドラップに係るフィー等」が同38.4%増の32億30百万円です。
「ファンドラップに係るフィー等」のうち、「投信のベース資産」として位置付けているいちよしファンドラップ「ドリーム・コレクション(愛称:ドリコレ)」につきましては、お客様の保守的な資産の中長期運用商品としてのニーズが引き続き拡がっており、当期末の残高は2,694億円(前期末比30.0%増)となりました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、主たる事業である金融商品取引業は、国内外の証券市場の変動に大きな影響を受ける可能性があり、当社グループの経営成績に重要な影響を与えます。
③ 資本の財源及び資金の流動性について
資金需要
当社の資金需要の主な要因は、信用取引貸付金の自己融資の増減による資金、及び投信買付(追加設定)により、投資信託委託会社への払込日とお客様買付代金入金日との相違による一時的に立替金となる資金、並びに、お客様分別金により入金確認日とお客様分別金に信託する日の相違による一時的に立替金になる資金、人件費をはじめとする販売費・一般管理費、当社株式配当金及び法人税等の納付による資金があります。
資金の流動性
資金の流動性については、上記資金需要による流動性と、有価証券売買に伴うお客様買付代金を業者に払込する資金、お客様売却代金をお客様に払込する資金の流動性を確保する必要があります。
なお、当社グループの資本の財源については、(経営成績等の状況の概要)(3) キャッシュ・フローの状況に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。