当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「企業を愛し、企業とともに歩み、企業繁栄に奉仕する」という経営理念(創業時からの不変の志)を起点とし、「その決断を、愛でささえる、世界を変える。」というパーパス(貢献価値)を掲げております。
大企業から中堅企業のトップマネジメント(経営層・リーダー)を主要顧客とし、全国主要都市10地域に常駐する業種・戦略課題・地域に精通したプロフェッショナルがチームとなり、経営戦略の策定からプロフェッショナルDXサービスによる経営オペレーションの実装・実行まで、経営の上流から下流までを一気通貫で支援しております。
この「チームコンサルティング」「一気通貫の経営コンサルティングモデル」により、トップマネジメントの「決断」に寄り添い(トップマネジメントアプローチ)、企業等の成功とその従業員・家族等の豊かさの実現のみならず、その企業等の商品・サービスを利用する顧客にも良い影響を与え、結果として社会全体・地域全体の発展にも貢献していきたいと考えております。
(2)経営環境及び中長期的な経営戦略
2025年3月期も、引き続き世界的な地政学的紛争リスクやサプライチェーンの混乱、金融引締め継続による急激な為替相場の変動等により先行き不透明な状況が続くと予想され、当社グループの主要顧客である大企業から中堅企業にも、大きな変化が求められております。パーパスの策定やサステナビリティ・DX・M&A・グローバル戦略等を組み込んだ長期ビジョン・中期経営計画の策定・推進、人的資本経営の実装、事業承継・グループ経営、ブランディング・PR、CX(顧客体験価値)デザイン、コーポレート・ガバナンスの強化等、その経営ニーズはますます多様化・専門化しております。
一方で、産業競争力強化法の一部改正により「中堅企業者」が新たに定義され、特に賃金水準が高く、国内投資にも積極的な特定中堅企業者が、認定により税制・金融面で優遇される動きがあることから、国内における中堅企業の活性化が予想されます。
このような環境下において、創業66年間で培ってきた17,000社を超える経営コンサルティング実績及び成功済みのメソッドを駆使し、企業等の経営全般を支援できる当社グループの役割は、より一層増してきていると認識しております。コンサルティング業界においては、特定の業種や機能に特化するコンサルティング企業は多く存在しますが、多様な業種の大企業から中堅企業に対し、経営戦略の策定からプロフェッショナルDXサービスによる経営オペレーションの実装・実行まで、経営の上流から下流までを一気通貫で支援できる経営コンサルティング企業は稀であり、競合他社も比較的少なく、独自のポジションを構築できていると認識しております。
以上を踏まえ、企業等の多様化・専門化する経営ニーズに応えるための経営コンサルティング領域の多角化を推進することが、当社グループの中長期的な経営戦略であります。事業会社として、戦略・経営コンサルティングを提供する株式会社タナベコンサルティングのほか、2019年以降、BtoB企業向けデジタルマーケティングを提供する株式会社リーディング・ソリューション、クロスボーダーを含むM&A全般の支援やバックオフィス部門のBPR/DX支援を提供するグローウィン・パートナーズ株式会社、ブランディングやCXデザインを提供する株式会社ジェイスリー、国内外で戦略PRコンサルティングを提供する株式会社カーツメディアワークスの4社をグループ化いたしました。今後も、引き続き積極的にM&Aを実施し、経営コンサルティング領域の開発・多角化を推進してまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
前述の経営方針や経営環境及び中長期的な経営戦略も踏まえ、今後の当社グループの対処すべき課題については、次のとおりであります。
①グループ経営の強化
当社グループは現在、純粋持株会社である当社、事業会社として戦略・経営コンサルティングを提供する株式会社タナベコンサルティング、BtoB企業向けデジタルマーケティングを提供する株式会社リーディング・ソリューション、クロスボーダーを含むM&A全般の支援やバックオフィス部門のBPR/DX支援を提供するグローウィン・パートナーズ株式会社、ブランディングやCXデザインを提供する株式会社ジェイスリー、国内外で戦略PRコンサルティングを提供する株式会社カーツメディアワークスのTCG(タナベコンサルティンググループ)6社体制で、グループ経営を推進しております。
純粋持株会社である当社が、グループ全体の成長戦略や資本戦略をリードし、経営コンサルティング領域の多角化戦略のもと、今後もM&Aにより事業会社をスピーディーに増やしてまいります。そして、グループ横断での経営資源の最適配分・効率的活用を実施してまいります。
一方で、東証プライム上場企業に求められるトップマネジメント体制を志向しながら、サステナビリティ経営を推進していくために、各事業会社に権限を適切に委譲し、各社が迅速な意思決定や業績責任を果たす経営を通じて次世代経営者・リーダー人材を多く登用・育成し、グループ全体の人的資本価値の向上を実現してまいります。
結果、グループ全体のガバナンスは維持しつつ最大限のシナジーを発揮し、企業価値を最大化してまいります。
②中期経営計画(2021~2025)「TCG Future Vision 2030」の推進
中長期的に持続的成長及び企業価値の向上を加速させるために、「One&Only 世界で唯一無二の新しい経営コンサルティンググループ TCGの創造」をスローガンとした中期経営計画(2021~2025)「TCG Future Vision 2030」を推進しております。中期経営計画の最終年度である2026年3月期目標としての売上高150億円・営業利益18億円・株主資本当期純利益率(ROE)10%・従業員数800名を実現するべく、以下の5点を成長モデルと設定し、推進してまいります。
a.トップマネジメントアプローチで大企業から中堅企業向けに圧倒的な競争力を持つ一気通貫の経営コンサルティングモデルを強化するために、「プロフェッショナルDXサービス」(デジタル技術で現場における経営オペレーションを支援)を拡大する。
b.経営コンサルティング領域の開発・多角化のために、手元現預金10億円以上を活用し、積極的な成長M&A投資を実施する。
c.商品・サービスの契約継続率70%以上(Life Time Value)を実現するために、顧客体験価値を重視したデジタルマーケティングやCRM、クライアントサクセスを推進する。
d.経営コンサルティング領域の開発・多角化に伴い、コンサルティングチーム及びチームを率いるパートナーリーダーシップを100以上に拡大する。
e.グループ全体の人的資本価値を拡大させる「TCGアカデミー」(企業内大学)のカリキュラム・コンテンツ(学部)を充実させる。
③経営コンサルティングバリュー(専門価値)の強化
大企業から中堅企業の多角化・専門化する経営課題を解決するための経営コンサルティングバリュー(専門価値)を強化し、全国、そしてグローバルに展開してまいります。領域別の強化すべき経営コンサルティングバリューは、以下のとおりであります。
a.ストラテジー&ドメインコンサルティング
「長期ビジョン・中期経営計画(ビジネスモデル)の策定・推進」を主軸に、「グローバル戦略」「地域活性化戦略」「ESG・サステナビリティ対応」等、また「行政/公共コンサルティング」を強化していく。
b.デジタル・DXコンサルティング
「DXビジョン&IT化構想の策定」を推進していくとともに、アライアンスネットワークを拡大することにより、ERP導入やCRM・デジタルマーケティング等、経営オペレーションの実装・実行における業種別のプロフェッショナルDXサービスを拡充・強化していく。
c.HRコンサルティング
「戦略人事」「アカデミー(企業内大学)設立」「HR KARTE(人材アセスメントツール)」等、人的資本価値の向上を実現するトータルコンサルティングサービスを拡充・強化していくとともに、経営者人材を育成するトップマネジメントプログラムも拡大していく。
d.ファイナンス・M&Aコンサルティング
顧客の企業価値向上のために、「企業価値ビジョン」「ホールディングス化・グループ経営」に加えて、「MIRAI承継」(M&A仲介やFA等による事業承継支援)や「戦略×成長M&A」(ビジョンや戦略を実現するM&A支援)を推進していく。
e.ブランド&PRコンサルティング
「ブランド構築」「Global PR Wire」(海外プレスリリース配信)「クリエイティブ」等の重点サービスを推進していくとともに、ブランディング・戦略PR領域での新規サービスを開発し、業種別に専門特化したチームも設計していく。
④コーポレート戦略
a.プライム上場企業として、さらなる企業価値の向上を実現していくための株式・資本政策を推進していく。
b.サステナビリティ経営を実現していくために、統合報告書等を通じてパーパス&バリューや価値創造、マテリアリティ(社会課題の解決と持続可能な発展に向けた重要課題)等を広く発信し、その取り組みを推進していく。
c.DX認定事業者としてスマートDX投資を推進することにより、グループ各社のバックオフィスオペレーションを効率化し、より一層の生産性向上を実現していく。
d.コーポレートブランディングや、商品・サービス、コンサルタント等の戦略PRを推進することにより、「One&Only 世界で唯一無二の新しい経営コンサルティンググループ」というブランドポジションを確立していく。
e.多様な人材がお互いを知り、尊重し合い、より活躍できるためのオフィス環境投資や健康経営等を積極的に実施するTD&I(タナベ ダイバーシティー&インクルージョン)を推進していく。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが、経営コンサルティングの提供により企業等の持続的成長に貢献し、延いては社会全体・地域全体の発展にも寄与していくこと、そして当社グループ自身も持続的成長及び中長期的な企業価値の向上を実現していくうえで、売上高成長率と営業利益額及び売上高営業利益率の向上を目標としております。また、売上高成長率の向上を推進する従業員数の増加も目標としております。そして、安定的な利益確保により有事にも動じない高い安定性を備えた最適資本構成を実現し、そのうえで中期経営計画において目標としているROE(株主資本当期純利益率)10%を実現してまいります。結果、成長性・収益性・効率性のバランスが取れた企業を目指してまいります。
そのために、「売上高」「営業利益」「売上高営業利益率」「ROE」「従業員数」を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における売上高は127億39百万円、営業利益は10億9百万円、売上高営業利益率は7.9%、ROEは5.8%、期末従業員数は600名でした。引き続き、これら指標の改善に向けて取り組んでまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティに関する基本的な考え方
当社グループは、「企業を愛し、企業とともに歩み、企業繁栄に奉仕する」という経営理念(創業時からの不変の志)を起点とし、「その決断を、愛でささえる、世界を変える。」というパーパス(貢献価値)を掲げております。
大企業から中堅企業のトップマネジメント(経営層・リーダー)を主要顧客とし、全国主要都市10地域に常駐する業種・戦略課題・地域に精通したプロフェッショナルがチームとなり、経営戦略の策定からプロフェッショナルDXサービスによる経営オペレーションの実装・実行まで、経営の上流から下流までを一気通貫で支援しております。この「チームコンサルティング」「一気通貫の経営コンサルティングモデル」により、トップマネジメントの「決断」に寄り添い(トップマネジメントアプローチ)、企業等の成功とその従業員・家族等の豊かさの実現のみならず、その企業等の商品・サービスを利用する顧客にも良い影響を与え、結果として社会全体・地域全体の発展にも貢献していきたいと考えております。そして、当社グループ自身も持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上を実現していきたいと考えております。
これらの実現に向けて、当社グループが不可欠と考えるサステナビリティに関する取り組みを推進してまいります。
(2)サステナビリティに関する取組
①ガバナンス
当社グループでは、サステナビリティに関する重要事項を適切にマネジメントするために、当社代表取締役社長を責任者とするサステナビリティ委員会を設置しております。そして、目標とする指標の決定、推進体制の整備、活動計画の策定及び進捗状況のモニタリングを行ってまいります。これらの結果は、取締役会や経営会議等へ報告し、適切に管理・監督を行ってまいります。
②戦略
当社グループでは、現状以下の3点をサステナビリティ重要項目と設定し、取り組みを推進しております。
a.気候変動対応
気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)の各報告書、国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)の世界エネルギー展望(World Energy Outlook)、その他関連情報を参照し、気候変動のリスク及び機会がもたらす組織のビジネス・戦略・財務計画への影響を1.5℃シナリオ(IEAのNZE2050)及び4℃シナリオ(IPCCのRCP8.5)の下で識別しております。また、リスクに関しては移行リスクと物理的リスクに大別してシナリオ分析を行っています。1.5℃(IPCC NZE2050)シナリオでは移行リスクと機会、4℃(IEA RCP 8.5)シナリオでは物理的リスクのみが対象となっており、移行リスク・機会・物理リスクの3項目を網羅するために2つのシナリオを使用しています。
気候関連のリスク及び機会を識別するにあたっては、上記の通りリスクを移行リスクと物理的リスクに大別したうえで、さらに移行リスクを現行の規制、新たな規制、法規制、技術リスク、市場リスク、評判リスクに、また物理的リスクを急性リスクと慢性リスクに分類しております。機会については、市場、レジリエンス、資源の効率性、エネルギー源、製品・サービスに分類しております。これら分類ごとに、当社グループの調達と売上高に対する財務的影響の大きさを短期(0~1年)、中期(1~3年)、長期(3~10年)の時間軸で定性的に評価・分析し、リスクと機会が組織に与える影響を把握しております。
以下のとおり、1.5℃シナリオでは、新たな政策や技術の導入や市場価格の変動、原材料価格の高騰等による影響が中期から長期にわたって生じ、調達コストの増加や顧客の購買力の低下を通じて財務的なリスクになると認識しております。同時に、低炭素サービスや製品の開発が各企業に求められることに伴い、気候変動に適応した新たな技術やエネルギー開発が進むことから、その点では機会の向上を通じて中期から長期にわたり財務への好影響も生じると認識しております。4℃シナリオでは、自然災害や気温上昇による影響が長期に及び、調達においても販売においても長期的なリスクが生じると認識しております。
シナリオ分析結果(移行リスク・機会:1.5℃シナリオ、物理的リスク:4℃シナリオ)
リスク・機会 |
指標 |
サプライ チェーン |
影響度 (短期) |
影響度 (中期) |
影響度 (長期) |
|
移行 リスク |
現行の規制 |
・カーボンプライシングの仕組み ・排出量報告義務の強化 ・製品・サービスの排出量報告の義務付けと規制 |
調達 |
低 |
低 |
中 |
売上 |
低 |
低 |
中 |
|||
新たな規制 |
・カーボンプライシングの仕組み ・排出量報告義務の強化 ・製品・サービスの排出量報告の義務付けと規制 |
調達 |
低 |
中 |
高 |
|
売上 |
低 |
中 |
高 |
|||
法規制 |
・訴訟問題 |
調達 |
低 |
中 |
中 |
|
売上 |
低 |
低 |
低 |
|||
技術リスク |
・低排出製品・サービスへの移行 ・新技術への投資失敗 ・低排出技術への移行 |
調達 |
低 |
中 |
高 |
|
売上 |
低 |
低 |
高 |
|||
市場リスク |
・顧客行動の変化 ・需要の不確実性 |
調達 |
低 |
低 |
高 |
|
売上 |
低 |
低 |
高 |
|||
・原材料価格の上昇 |
調達 |
高 |
低 |
低 |
||
売上 |
高 |
低 |
低 |
|||
評判リスク |
・消費者の嗜好の変化 ・業種・業界への非難 ・利害関係者の懸念の高まりまたは否定的な利害関係 者のフィードバック |
調達 |
低 |
中 |
中 |
|
売上 |
低 |
中 |
中 |
|||
物理的 リスク |
急性リスク |
・台風、豪雨 ・洪水 ・熱波 ・山火事 |
調達 |
低 |
低 |
中 |
売上 |
低 |
低 |
中 |
|||
慢性リスク |
・温度変化(空気・淡水・海水) ・降水パターンと降水の種類の変化(雨、雹、雪) ・海岸浸食 |
調達 |
低 |
低 |
低 |
|
売上 |
低 |
低 |
中 |
リスク・機会 |
指標 |
サプライ チェーン |
影響度 (短期) |
影響度 (中期) |
影響度 (長期) |
|
機会 |
市場 |
・新市場への参入 ・インセンティブ導入 ・新たな資産及び場所への参入 |
調達 |
低 |
低 |
中 |
売上 |
低 |
中 |
中 |
|||
レジリエンス |
・再エネプログラムへの参加及び省エネ対策実施 |
調達 |
低 |
中 |
中 |
|
・再エネプログラムへの参加及び省エネ対策実施 ・リソースの代替・多様化 |
売上 |
低 |
中 |
中 |
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資源の効率性 |
・効率的な輸送手段の利用 ・生産・流通プロセスの効率化 ・リサイクルの利用 ・効率的な建物への移転 ・水の使用量・消費量の削減 |
調達 |
低 |
中 |
高 |
|
売上 |
低 |
低 |
中 |
|||
エネルギー源 |
・低排出エネルギー源の利用 ・支援的な政策インセンティブの利用 ・新技術の活用 ・炭素市場への参画 |
調達 |
低 |
低 |
中 |
|
売上 |
低 |
低 |
中 |
|||
製品・サービス |
・低排出製品・サービスの開発及び拡大 ・気候適応・レジリエンス・保険リスクへのソリ ューション開発 ・R&D・技術革新を通じた新製品やサービスの開発 ・事業活動の多様化 ・消費者の嗜好の変化 |
調達 |
低 |
低 |
高 |
|
売上 |
低 |
低 |
高 |
b.人材戦略
中期経営計画(2021~2025)「TCG Future Vision 2030」を実現していくうえで、「Business Doctors」(経営コンサルタント)の一人ひとりが新しい変化に挑戦して自律的に成長し、さらに協働を通してお互いを高め合えるような取り組みを推進しております。
・高度な専門性を有する多様なプロフェッショナル人材が集う採用の強化
・TCGアカデミー(企業内大学)による育成カリキュラムにより、業種・業界の戦略・オペレーションに強い経営コンサルタントを育成
・多様な人材が活躍するための評価システムと成果に基づく評価により、成長意欲をモチベート
・一人ひとりが自律性を持ち、柔軟な働き方を通して、自分らしく働きがいを実現できる風土を醸成
<人材の多様性の確保を含む人材育成の方針及び社内環境整備に関する方針>
当社グループでは、人材がすべての価値創造の源泉であると考え、一人ひとりが新しい変化に挑戦して自律的に成長し、さらに協働を通してお互いを高め合えるようなキャリア形成を、グループ全体で推進しております。「One&Only 世界で唯一無二の新しい経営コンサルティンググループ」をスローガンとした中期経営計画の実現に向けた人的資本投資を実行することで、個人の成長と共に企業価値向上を牽引してまいります。また、グループ各社の特性を踏まえた人材育成を支援してまいります。
当社グループで働く多様な個性を互いに尊重し、認め合い、ともに活躍することができる職場環境・風土づくりはもちろんのこと、社員一人ひとりが自身の個性・強みを発揮し、経営や組織運営に自ら参画することでプロフェッショナルなチームワークを発揮できることを目指し、社内環境整備に取り組んでおります。
c.コーポレート・ガバナンスの強化
当社グループの経営コンサルティング事業を通じて社会全体・地域全体の持続的な発展を実現し、また当社グループ自身の持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上も実現していくためには、各業務執行取締役が全社的な経営視点を持ちつつ、各地域の経済・企業の実情をタイムリーに把握し、戦略的な意思決定を公正且つスピーディーに行い、リーダーシップを発揮する必要があります。これを適確且つ迅速に実行するために、当社は独立社外取締役を中心とした監査等委員が、経営の監査・監督機能を発揮する監査等委員会設置会社という機関設計の下、取締役会は業務執行取締役への大幅な権限委譲により経営の意思決定機能の機動性・迅速性を高めると共に、取締役会の監督機能も強化してまいります。
なお、コーポレート・ガバナンスの状況については、「
③リスク管理
a.気候関連リスクの管理
当社グループでは、気候変動に関わるリスクと機会について、1.5℃シナリオ及び4℃シナリオの分析結果を基に、サステナビリティ委員会にて詳細な検討を行ってまいります。当社グループにとって重要な気候変動に関わるリスクと機会については、取締役会へ報告を行ってまいります。
b.総合的リスク管理への統合
当社グループでは、発生しうるリスクの発生防止に係る管理体制の整備、発生したリスクへの対応等を行うために、危機管理マネジメントを主導する全社横断組織である「コンプライアンス委員会」を設置しております。
コンプライアンス委員会では、気候関連リスクを含めた全業務に係るリスク管理状況や法令遵守に関する課題を把握し、必要に応じて支援及び提言を行うと共に、対策やその有効性を検討・検証しております。コンプライアンス委員会で協議された内容は、取締役会による管理・監督の下、当社グループの戦略に適切に反映しております。
④指標及び目標
a.気候変動対応
<気候関連のリスク及び機会を評価する際に用いる指標>
当社グループでは、「②戦略」のシナリオ分析結果に示すとおり、気候関連のリスクと機会ごとに指標を設定し、これら指標の動向を分析して財務に対する影響度を評価しております。例えば、政策・法規制リスクでは、政府によるCO2排出規制の影響を指標とし、規制が強化されて調達コストが大きくなる場合には当社グループの財務に対するマイナスの影響が大きくなると判断しております。また、機会についても、例えば資源の効率性では交通・流通・建物の効率性が向上することの影響を指標とし、仮に効率性が向上して顧客の購買力が伸びると予想されれば、当社グループの財務に好影響をもたらすと評価しております。
温室効果ガス排出量(以下、GHG排出量)は、気候関連のリスク及び機会による財務的影響を測定するうえで重要な指標となります。また、その排出量を炭素価格(カーボンプライシング)貨幣価値に換算し、当社グループの財務に対する影響を分析・把握するよう努めております。炭素価格については、現在日本国内における税や取引制度が導入されていないことから、当社ではJクレジットにおける入札販売価格や欧州連合域内排出量取引制度(European Union Emissions Trading System)における炭素取引価格を参照してインターナルカーボンプライシング(ICP)を行い、CO2排出が財務に与える影響を分析しております。
<Scope別のGHG排出量と関連リスク>
Scope別の温室効果ガス排出量について、当社グループではGHGプロトコルに基づいて排出量を算定しております。2023年3月期については、主要5社(株式会社タナベコンサルティンググループ、株式会社タナベコンサルティング、株式会社リーディング・ソリューション、グローウィン・パートナーズ株式会社、株式会社ジェイスリー)を対象としてScope別1,2,3の全項目を算定いたしました。GHG排出量実績は、以下のとおりであります。
各Scopeの算定結果については、Scope3の割合が非常に多くなっております。また、Scope3の中でも特にカテゴリ1(購入した製品・サービス)、カテゴリ2(資本財)、カテゴリ6(出張)の排出量が多く、それぞれScope3の83.6%、4.7%、5.4%を占めております。
カテゴリ1は、当社グループの排出量の大部分を占めており、今後炭素税が導入された際、組織の大きな財務リスクになると考えられます。また、カテゴリ1は原材料調達に関わる部分であり、調達コストと直結していることを踏まえれば、GHG排出規制の強化が市場における価格変動と連動し、当社グループの財務リスクとして顕在化する可能性があると認識しております。
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<気候関連リスク及び機会を管理する目標及び実績>
当社グループでは、シナリオ分析において明確化された指標を用いて気候関連のリスクを低減し、機会を最大化するため、気候関連のリスク及び機会の管理に取り組んでおります。また、当社のGHG排出量については、1.5℃水準に配慮し、Scope1と2のGHG排出量を基準年の2021年から2030年までに100%削減することを目標としております。目標達成のためにこれまで行ってきたビルのLED化やDX推進による紙・複合機の削減をさらに進めることでScope2を削減してまいります。また、今後は事業所内での使用電力の中で、再生エネルギー由来の電力の割合を増やすことでScope2の排出量を削減してまいります。そのうえで、削減しきれない排出量については、非化石証書や再生エネルギー由来クレジットを購入することにより、オフセット(相殺)いたします。
Scope3については、調達先への働きかけ等を通じて排出量の削減を進め、カーボンニュートラル実現を目指してまいります。その際、価格ベースの排出原単位を用いたGHG算定方法では、事業規模の拡大と共にGHG排出量が自動的に増加してしまうことから、炭素強度の考え方を参考に売上高に占めるGHG排出量のトレンドから客観的な分析を行う等、算定手法の改善にも努めてまいります。
b.人材戦略
以下に記載のアウトプット指標を目標に掲げ、その実績をマネジメントしております。
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INPUT |
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ACTION |
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OUTPUT |
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OUTCOME |
多 彩 な プ ロ フ ェ シ ョ ナ ル 人 材
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人的資本を高めるための 主な投資テーマ |
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主な取り組み |
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2024年3月期取り組み成果等
( |
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セグメント&リージョン 組織に対応する 採用強化 |
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・注力領域、グループ経営強化に向けた採用 ストラテジー&ドメイン、デジタル・DX、HR ファイナンス・M&A、ブランディング&PR 行政/公共、グローバルなど |
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・
・
・ |
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Purpose
・・・・・・・
その決断を、 愛でささえる、 世界を変える。
・・・・・・・ |
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TCGアカデミー (企業内大学)による プロフェッショナル 人材育成 |
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・パートナー向けリーダーシップアカデミー研修(全4回) ・プロフェッショナルアカデミーの拡充 ・コンサルティングのナレッジ集約への取り組み ・セグメント別の専門性向上 |
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・ ・M&A・デジタル・アシスタントの3学部開講、10 学部へ拡大 ・コンサルティングナレッジを集約したナレッジのポ ータルサイトの開設 ・6セグメント毎にプロフェッショナル研修の実施 (リアル開催) |
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ダイバーシティー& インクルージョン |
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・リーダー向けにダイバーシティー& インクルージョン研修の実施 |
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・
・
・ |
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多様で柔軟に 働ける ワークスタイル デザイン |
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・多様な働き方の推進‐新ハイブリッドワーク制度 ・従業員向けインナーブランディング策の推進 ・積極的なオフィス環境投資 |
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・ ・各種制度や福利厚生をまとめたワークライフサポー トガイドの新設 ・大阪本社マルチモニター・サブモニターの設置(会 議の効率向上) |
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エンゲージメント |
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・ワークエンゲージメントを高める取り組みを推進 |
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・全社員参加のパーパス&バリューのワークショップ を開催 ・TCG WAYBookの作成・配布 ※ ・Web社内報を通じ社員の活躍をタイムリーに発信 |
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健 康 |
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・健康管理システム導入による積極的な健康管理 ・職場のコミュニケーション活性化 |
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・健康経営アカデミーの新設
・ ・運動施策‐10事業所にバランスクッション配置 |
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※は当社グループ全般に関する目標指標及び成果であり、その他は当社及び株式会社タナベコンサルティングに関する目標指標及び成果を表記しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、重要性等が高いと考えられる項目から記載しております。
(1) コンサルタント人材について
当社グループでは、顧客企業ごとの経営課題に応じて複数名の最適なコンサルタントがチームを組成する「チームコンサルティング」を提供しており、特定のコンサルタントへの業務・ノウハウの属人化を避けております。しかし万一、人材の大量流出が発生した場合や顧客の評価を得られる人材の採用及び育成・活躍・定着が進まない場合には事業拡大の制約となり、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
前記のリスクの顕在化を避けるために、採用においては採用ブランディング投資等により新卒採用とキャリア採用を共に強化しており、育成においてはオンラインで場所と時間を選ばず学習できるデジタル教育コンテンツを用いてコンサルタントを養成する「TCGアカデミー」により、新入社員の早期戦力化を推進しております。活躍においては「ファーストコールカンパニー 100年先も一番に選ばれる会社(FCC)」の創出がコンサルタント個人の成果へと反映される人事制度によりモチベーションアップ・パフォーマンスアップを推進すると共に、積極的なスマートDX投資により労働環境等も整備し、コンサルタントが活躍できる体制を強化しております。そして、定着においては各コンサルタントがグレード・キャリア・ライフステージ等に応じて長く活躍できる制度等を構築しております。
(2) 機密情報及び顧客情報の管理について
当社グループでは、提携先やコンサルティングを通じて顧客から得た機密情報の他に、過去に当社グループと取引を行った企業に関する情報を収集、整理し顧客情報として管理しております。万一、外部からの不正手段によるコンピュータ内への侵入や会社関係者の過誤等により、機密情報や顧客情報が漏洩し、信用の低下を招いた場合、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
前記のリスクの顕在化を避けるために、「情報管理」を経営の最重要事項の一つと位置付け、情報管理体制の強化、情報管理に対する社内啓発及び意識向上の活動を推進する等、様々な角度から機密情報及び顧客情報の漏洩防止策を検討し実行しております。また、社内では個人情報保護規則、情報システム管理規則及び情報システム利用者規則等に則した情報管理に関する社員への意識付けを行うと共に、データを取り扱う外部委託先との間で秘密保持の契約を取り交わし、当該外部委託先に対して必要かつ適切な監督を行っております。
(3) インサイダー取引
当社グループは情報管理の徹底を図ると共に、当社「コンプライアンス倫理憲章」においてインサイダー取引禁止や業務上知り得た情報の取り扱いについて定める等、インサイダー取引防止の観点から役員・従業員に対し守秘義務遵守のための指導・教育を行っております。しかし、万一当社グループの役員・従業員が当社または顧客企業の機密情報を元にインサイダー取引を行った場合、当社グループの信用を著しく毀損し、当社グループの事業戦略及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
(4) グループ企業管理について
当社グループでは、「経営コンサルティング」により顧客課題・社会的課題を解決することを通じて、持続的成長及び中長期的な企業価値の向上を実現するために、経営コンサルティング領域の多角化戦略を推進しており、M&Aを重要な戦略オプションの1つと位置付けております。
しかし万一、M&Aによるグループ企業の急速な拡大により、グループ経営管理において問題が生じる場合には、適切な事業運営が困難となり、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
前記のリスクの顕在化を避けるために、当社及び当社の100%子会社で主要な事業会社である株式会社タナベコンサルティングより、取締役や幹部従業員をグループ企業の役員として派遣し、適切に監督を行っております。また、コーポレート戦略本部も関係各部門と連携し、グループ企業の取締役会・経営会議等に出席して営業成績及びそれに係る重要事項等について定期的に報告を受け、進捗を当社取締役会及び経営会議にて確認する等、適切なグループ企業管理を実施しております。
(5) 重大な不良品の発生について
当社グループは、外部の加工業者に委託して商品と手帳を製造し、顧客や一般消費者に提供しております。不良品の発生防止のため、品質管理、生産管理等には十分注意しておりますが、何らかの事情により不良品が発生した場合、値引きや製品の再生産、再検品、回収、廃棄等の負担が発生し、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
商品の欠陥が理由で事故が生じた場合、商品の種類によっては製造物責任法(PL法)により損害賠償請求を受ける可能性があります。当社グループでは、このような事故が生じないように、仕入先の管理を含め品質管理体制の整備に注力すると共に、万一、事故が生じた時のために、製造物賠償責任保険(PL保険)に加入しております。もし当該法律に抵触する事態が生じた場合、顧客企業からの信用及び社会的信用の失墜等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) システムトラブルについて
当社グループでは、FCCアカデミー会員向けに、クラウドシステムを通じて各種の教育コンテンツを提供しております。通常の運用において、想定されるシステム障害に対する対応策(外部アクセス制御、認証、ウイルスチェック、データのバックアップ等)と障害時の復旧体制を講じており、システムへの信頼性向上に努めております。
万一、災害や停電等で通信ネットワークにシステム障害が発生し、それが長期化した場合、教育コンテンツの提供ができず、顧客の離反を招き、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 知的財産権
当社グループは知的財産権(著作権等)の保護について、当社コーポレート戦略本部法務部において専門的知見に基づき、細心の注意を払って対応しております。しかし万一、当社グループが認識していない第三者の所有する知的財産権を侵害した場合、または当社グループのコンサルティングに関わるノウハウ、顧客企業へ提案するブランディングにまつわる意匠デザイン、DXに関する技術等、当社が保有する知的財産権について第三者から侵害された場合は、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 海外での事業活動
当社グループで行う、クロスボーダーM&A、海外PR等、海外領域での事業活動において、当社が予見し得ない法令の改廃・新設や各種規制の変更、テロ・戦争・地域紛争その他の要因による社会的又は政治的混乱、為替変動等、海外事業が持つ特有のリスクが顕在化することにより、海外での事業活動に支障が生じ、当社グループの事業戦略及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
(9) デジタル分野での新技術に関するリスク
当社グループでは、顧客企業のDXを推進させるため、デジタルマーケティングやバックオフィス部門のBPR/DX等による支援を行い、新たな情報技術に基づくコンサルティング活動を遂行しております。今後、更なる技術革新により、予測できない不具合や情報管理上のリスクが発生することにより事業に支障が生じる、あるいは顧客企業へ損害を生じさせる可能性があり、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 法的規制等について
現在のところ、特に関係省庁の許認可等の制限を受けることはありませんが、今後、法令等の制定改廃により何らかの制限を受けることとなった場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における連結経営成績は以下のとおりであります。
当社グループは、大企業から中堅企業のトップマネジメント(経営層・リーダー)を主要顧客に、グループ約680名の業種・戦略課題・地域に精通するプロフェッショナルがチームとなり、経営戦略の策定からプロフェッショナルDXサービスによる経営オペレーションの実装・実行まで、経営の上流から下流までを一気通貫で支援する経営コンサルティングモデルを提供しております。この一気通貫の支援モデルの下で、各経営コンサルティング領域における専門性と総合性を同時に追求し、中期ビジョン「One&Only 世界で唯一無二の新しい経営コンサルティンググループ」の実現を目指しております。
当連結会計年度においては、国内で社会経済活動が活発化し、雇用・所得環境や個人消費が改善する等、緩やかな景気回復基調にありましたが、世界的な地政学的紛争リスクやサプライチェーンの混乱、金融引締めに伴う為替相場への影響等により全般的な物価上昇が進み、先行き不透明な経営環境が続きました。
このような環境下で、ストラテジー&ドメイン、デジタル・DX、HR、ファイナンス・M&A、ブランド&PRといった全ての経営コンサルティング領域で増収となり、結果、3期連続となる過去最高売上高127億39百万円(対前期増減率+8.3%)を達成いたしました。一方で、中期経営計画と持続的成長を実現していくための戦略投資(人的資本投資や新規事業開発投資、デジタル投資等)を積極的に実施した結果、対前期比で減益となり、営業利益10億9百万円(同比△12.3%)、経常利益10億12百万円(同比△12.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益6億41百万円(同比△11.5%)となりました。
また、当社グループは、2023年12月末時点において、プライム市場の上場維持基準である「1日平均売買代金」の基準を達成し、プライム市場の全ての上場維持基準に適合しております。
(単位:千円)
|
2023年3月期 連結会計年度 |
2024年3月期 連結会計年度 |
対前期 増減額 |
対前期 増減率 |
売上高 |
11,759,518 |
12,739,254 |
+979,735 |
+8.3% |
売上総利益 |
5,202,580 |
5,465,219 |
+262,639 |
+5.0% |
売上総利益率 |
44.2% |
42.9% |
△1.3pt |
- |
販売費及び一般管理費 |
4,050,484 |
4,455,315 |
+404,830 |
+10.0% |
営業利益 |
1,152,095 |
1,009,904 |
△142,191 |
△12.3% |
営業利益率 |
9.8% |
7.9% |
△1.9pt |
- |
経常利益 |
1,163,255 |
1,012,996 |
△150,258 |
△12.9% |
税金等調整前当期純利益 |
1,170,455 |
1,040,639 |
△129,815 |
△11.1% |
当期純利益 |
770,102 |
687,088 |
△83,014 |
△10.8% |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
724,466 |
641,026 |
△83,440 |
△11.5% |
※ 上記減益要因については「戦略投資(人的資本投資や新規事業開発投資、デジタル投資等)に関する分析」に後述しております。
<経営コンサルティング領域別の売上高分析>
経営コンサルティング領域別の売上高概況は、次のとおりであります。当社グループは、経営コンサルティング事業の単一セグメントであるため、経営コンサルティング領域別に記載しております。
なお、当連結会計年度より、経営コンサルティング領域の集計方法と名称を以下のとおり変更しております。
①集計方法の変更
当連結会計年度の組織変更により、株式会社タナベコンサルティングにおける全国の事業所(中部本部、九州本部、北海道支社、東北支社、新潟支社、北陸支社、中四国支社、沖縄支社)を、経営コンサルティング領域別の組織に細分化しております。これに伴い、各事業所における売上高区分を当期の組織単位に合わせて集計しております。前連結会計年度の売上高については、各事業所における経営コンサルティング領域別のコンサルタント人数に応じて再配分し、当連結会計年度の売上高との比較可能性を担保しております。
②経営コンサルティング領域の名称変更
株式会社カーツメディアワークスの連結子会社化に伴い、事業領域をPRまで拡大したことから、当連結会計年度より「ブランディング&マーケティング」を「ブランド&PR」の表記に変更しております。
また、当社グループ全体の売上高に占める割合が相対的に低下していることから、当連結会計年度より「プロモーション商品」を「その他」の表記に変更しております。
(単位:千円)
経営コンサルティング 領域 |
内容 |
2023年3月期 連結会計年度 |
2024年3月期 連結会計年度 |
対前期 増減額 |
対前期 増減率 |
ストラテジー&ドメイン |
業種別ビジネス戦略やビジョンの策定、サステナビリティ経営に必要なイノベーション・SDGs・新規事業等、最適なビジネスモデル変革を実現 |
2,195,660 |
2,281,940 |
+86,279 |
+3.9% |
デジタル・DX |
DXビジョンを策定し、4つのDX領域(ビジネスモデル、マーケティング、HR、マネジメント)の具体的な実装・実行、システム導入までを支援 |
2,610,956 |
2,741,395 |
+130,439 |
+5.0% |
HR |
HRビジョンを策定し、人材ポートフォリオ(人的資本の最適配分、組織開発判断基準等)を定義し、採用・育成・活躍・定着から成る戦略人事システムを構築 |
2,261,521 |
2,418,953 |
+157,432 |
+7.0% |
ファイナンス・M&A |
企業価値向上の実現のために、事業承継・グループ経営や、クロスボーダーも含めたFA、デューデリジェンス、PMIまでの一気通貫のM&Aを提供 |
1,922,912 |
1,932,685 |
+9,772 |
+0.5% |
ブランド&PR |
パーパスや経営戦略に基づき、国内外でのブランドコミュニケーション戦略の立案から実行支援、クリエイティブ、PR・広報までを一気通貫で提供 |
2,105,330 |
2,649,062 |
+543,731 |
+25.8% |
その他 |
ブルーダイアリー(手帳)やプロモーション商品 |
663,137 |
715,216 |
+52,079 |
+7.9% |
計 |
― |
11,759,518 |
12,739,254 |
+979,735 |
+8.3% |
[ストラテジー&ドメイン]
当該領域における当連結会計年度の売上高は、22億81百万円(対前期増減額+86百万円、対前期増減率+3.9%)となりました。
主に、大企業・上場企業(業種:商社、総合電機メーカー、物流、食品メーカー、SaaS、メディア、観光等)向けの「長期ビジョン・中期経営計画(ビジネスモデル)の策定・推進」「グローバル戦略の策定・推進」「地域活性化戦略」「ESG・サステナビリティ対応」等、また行政/公共向けの経営コンサルティングが好調に推移し、全体のチームコンサルティング契約数が伸長いたしました。当社独自の「長期ビジョン・中期経営計画策定」専門サイトを通じたリード情報も、コンサルティング案件の創出に貢献いたしました。
[デジタル・DX]
当該領域における当連結会計年度の売上高は、27億41百万円(対前期増減額+1億30百万円、対前期増減率+5.0%)となりました。
主に、大企業・上場企業(業種:建設、インフラ、金融、消費財製造、運輸、商社、コンサルティング等)向けの「DXビジョン」「デジタルマーケティング」「ブランディングDX(Webサイト・SNS等)」「マネジメントDX(ERP導入・IT化構想・業務改善等)」等、また行政/公共向けのDX人材育成が好調に推移し、全体のチームコンサルティング契約数が伸長いたしました。当社独自の「デジタル・DXの戦略・実装」専門サイトを通じたリード情報も、コンサルティング案件の創出に貢献いたしました。
[HR]
当該領域における当連結会計年度の売上高は、24億18百万円(対前期増減額+1億57百万円、対前期増減率+7.0%)となりました。
主に、上場企業を含む大企業や中堅企業(業種:化学製造、エネルギー、物流、情報システム、金融、小売、建設等)向けの「組織・人事戦略の策定(人事PMI)」「人事制度構築」「アカデミー(企業内大学)設立」「タレントマネジメント(HRテック含む)」「経営者人材の育成」等が好調に推移し、全体のチームコンサルティング契約数が大きく伸長いたしました。また、人材育成セミナーとして「ファーストコールカンパニーフォーラム2023-人材価値を創造する」と「経営戦略セミナー2024-クオリティリーダーシップ戦略」に、合計約4,400名の経営者・経営幹部がご参加されました。当社独自の「HR戦略」専門サイトを通じたリード情報も、コンサルティング案件の創出に貢献いたしました。
[ファイナンス・M&A]
当該領域における当連結会計年度の売上高は、19億32百万円(対前期増減額+9百万円、対前期増減率+0.5%)となりました。
主に、上場企業を含む大企業や中堅企業(業種:建設、総合レンタル、エネルギー、情報通信、ヘルスケア、メディア、金融等)向けの「企業価値ビジョン」「ホールディングス化・グループ経営」「成長M&A・事業承継M&A(戦略策定からFA、デューデリジェンス、PMIまで)」「コーポレートガバナンス・コード対応」等が好調に推移し、全体のチームコンサルティング契約数が伸長いたしました。当社独自の「コーポレートファイナンス・M&A」「事業承継・M&A」専門サイトを通じたリード情報や、金融機関等のアライアンス先からの紹介も、コンサルティング案件の創出に貢献いたしました。
[ブランド&PR]
当該領域における当連結会計年度の売上高は、26億49百万円(対前期増減額+5億43百万円、対前期増減率+25.8%)となりました。
M&A投資により、新たに当社グループに加わった株式会社カーツメディアワークスの業績貢献を含め、主に上場企業を含む大企業や中堅企業(業種:ビューティー・コスメ、小売、ヘルスケア、SaaS、観光、教育、外食等)向けの「ブランド構築」「メディアPR(Global PR WireやTV企画等)」「海外PR」「コンテンツマーケティング」「クリエイティブ」「ハイブリッド(リアル×デジタル)プロモーション」等、また行政/公共向けのプロモーションが好調に推移し、全体のチームコンサルティング契約数が伸長いたしました。加えて、新たに立ち上げた当社独自の「ブランディング・戦略PR情報」専門サイトを通じたリード情報も、コンサルティング案件の創出に貢献いたしました。
[その他]
当該領域における当連結会計年度の売上高は、7億15百万円(対前期増減額+52百万円、対前期増減率+7.9%)となりました。
ウィズコロナでの各種イベント等の再開に伴うプロモーション商品の受注が増加し、また原材料の高騰に伴う価格改定を実施した結果、増収となりました。
<戦略投資(人的資本投資や新規事業開発投資、デジタル投資等)に関する分析>
中期経営計画(2021~2025)「TCG Future Vision 2030」の達成のためには、数多くのプロフェッショナル人材の採用・育成・活躍・定着と新規事業開発が不可欠であると考えております。
まずは、高度な専門性を有する人材の定着を図るべく、期初に既存従業員の昇給率をさらに向上させ、全体的な給与水準の引き上げを実施いたしました。そして、各業界・職種における実務経験者を全国で採用し、自社で経営コンサルタントへと育成する採用・育成投資も積極的に実施いたしました。「デジタル・DX」コンサルティング領域や新規事業としての「グローバル戦略」「行政/公共」コンサルティング領域のプロフェッショナル人材、また経営コンサルタントの生産性向上を実現する「コンサルタントアシスタント」人材も積極的に採用いたしました。
合わせて、健康経営を推進する働く環境及びシステムへの投資も積極的に実施し、業界水準では高い定着率(約90%)を実現できております。加えて、新規の「プロフェッショナルDXサービス」開発のためのデジタル投資も実施いたしました。
これらの主な戦略投資の内容は以下のとおりであり、積極的な投資の結果、当連結会計年度においては、対前期比で売上原価に含まれる人件費と販売費及び一般管理費が増加いたしました。
(単位:千円)
|
2023年3月期 連結会計年度 |
2024年3月期 連結会計年度 |
対前期 増減額 |
対前期 増減率 |
人的資本投資額 |
5,135,886 |
5,823,917 |
+688,030 |
+13.4% |
デジタル投資額 |
209,924 |
252,861 |
+42,936 |
+20.5% |
(注)人的資本投資額では売上原価と販売費及び一般管理費に含まれる人件費と人材募集費並びに福利厚生費等の科目を集計しており、デジタル投資額では販売費及び一般管理費に含まれるシステムライセンス料とソフトウエアの減価償却費並びに社内インフラ整備費等の科目を集計しております。
<その他の経営活動>
[グローバル]
・グローバル戦略コンサルティング機能の強化
当社グループの主要顧客である大企業から中堅企業のグローバル展開支援をより一層強化していくために、グループ横断のグローバルチームを組成する等の基盤整備を行うとともに、グローウィン・パートナーズ株式会社によるクロスボーダーM&Aや、株式会社カーツメディアワークスによる「Global PR Wire」(同社独自の海外向けプレスリリース配信サービス)及び海外PRコンサルティング等、グローバル戦略コンサルティング機能を強化しております。
[行政/公共]
・行政/公共コンサルティング機能の強化
行政/公共が取り組む地域創生・DX・SDGs等に対し、持続可能なより良い社会の実現を目指してこれまで培ってきた経営コンサルティングメソッドや豊富な経験に基づく支援を推進しております。創業66年間の歴史の中で、全国で地域密着型の事業所を展開し、経営コンサルティングを展開してきたことで各地域経済・地域企業の変遷・特性・課題等を把握できている当社グループの強みを生かせる領域として注力しております。
[デジタル・DX]
・「DX認定事業者」として認定
当社グループ企業である株式会社タナベコンサルティングが、経済産業省が定めるDX認定制度に基づき「DX認定事業者」として認定されました。当制度は「情報処理の促進に関する法律」に基づき、経済産業省が定める「デジタルガバナンス・コード」の基本的事項に対応する企業を国が認定する制度となります。当社グループでは、先述のプロフェッショナルDXサービスを強化していくとともに、事業活動の効率化を実現するDXを推進してまいります。また、ChatGPTの社内用システムや契約書レビュー等、AIの開発・活用も進めてまいります。
[コーポレート]
・パーパス&バリューの策定
「企業を愛し、企業とともに歩み、企業繁栄に奉仕する」という経営理念を起点に創業の原点、現在の社会との関係性、顧客に向き合う姿勢や提供価値、求められる期待等、TCGの核心を構築するファクターを抽出し、未来の社会に向けて「その決断を、愛でささえる、世界を変える。」というパーパス(貢献価値)を定めました。合わせて、それらを目指すための行動指針としてバリュー(私たちの価値観)も定めました。
・資本政策
中期経営計画(2021~2025)「TCG Future Vision 2030」の最終年度である2026年3月期までに、ROE10%の達成を確実にするために、積極的な株主還元を実行しており、東京証券取引所における市場買付による機動的な自己株式の取得も実施いたしました。
・人的資本投資
先述のとおり、様々な業界における実務経験者の採用を強化していくとともに、グループ全社員向けのデジタル教育コンテンツ「TCGアカデミー」のリーダーシップ学部、ストラテジー&ドメイン学部、HR学部、ファイナンシャル学部、M&A学部、マーケティング学部等により、プロフェッショナル人材の育成を継続しております。また、「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」の認定企業として、D&Iを実現する取り組みも推進しております。
・情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証を取得
当社グループ企業である株式会社タナベコンサルティングのコーポレート戦略本部において、2024年1月30日付で情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格「ISO/IEC 27001:2022」及び国内規格「JIS Q 27001:2023」の認証を取得いたしました。情報セキュリティを経営の最重要事項の一つと位置付け、引き続き高度なセキュリティレベルを維持し、さらなる強化にも取り組んでまいります。
・コーポレートコミュニケーション
当社グループのパーパス&バリューの社内外浸透をこれから進めていくとともに、「One&Only 世界で唯一無二の新しい経営コンサルティンググループ」を実現するためのコーポレートブランディングや商品・サービス、コンサルタント等の戦略PR活動を推進しております。
②キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報」に記載のとおりであります。
③仕入及び売上実績
ⅰ.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績を示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
対前期増減率(%) |
金額(千円) |
|
2,175,945 |
△8.6 |
(注)1.当社グループは単一セグメントであるため、グループ全体の仕入実績を記載しております。
2.仕入品目が複雑多岐にわたるため数量表示は省略しております。
3.仕入金額には原材料費を含んでおります。
ⅱ.売上実績
当連結会計年度の売上実績を経営コンサルティング領域ごとに示すと、次のとおりであります。
|
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
|
対前期増減率(%) |
金額(千円) |
||
ストラテジー&ドメイン |
2,281,940 |
+3.9 |
デジタル・DX |
2,741,395 |
+5.0 |
HR |
2,418,953 |
+7.0 |
ファイナンス・M&A |
1,932,685 |
+0.5 |
ブランド&PR |
2,649,062 |
+25.8 |
その他 |
715,216 |
+7.9 |
合計 |
12,739,254 |
+8.3 |
(注)サービス・商品の内容が多岐にわたるため、数量表示は省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、141億39百万円となり、前連結会計年度末比2億71百万円減少いたしました。
流動資産は93億47百万円となり、前連結会計年度末比3億26百万円減少いたしました。主な要因は、有価証券が増加した一方で、現金及び預金が減少したためであります。
固定資産は47億89百万円となり、前連結会計年度末比55百万円増加いたしました。主な要因は、投資有価証券やのれんが減少した一方で、退職給付に係る資産が増加したためであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、28億34百万円となり、前連結会計年度末比1億34百万円増加いたしました。
流動負債は22億9百万円となり、前連結会計年度末比55百万円増加いたしました。主な要因は、未払法人税等や買掛金が減少した一方で、未払金や前受金が増加したためであります。
固定負債は6億25百万円となり、前連結会計年度末比79百万円増加いたしました。主な要因は、繰延税金負債が増加したためであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、113億4百万円となり、前連結会計年度末比4億6百万円減少いたしました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を計上した一方で、剰余金の配当や自己株式の取得を行ったことによるものであります。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高の概況は、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は、72億74百万円となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上高から売上原価を控除した売上総利益は54億65百万円となり、売上総利益率は42.9%となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、44億55百万円となりました。主な内訳は、給料及び手当11億49百万円、役員報酬5億48百万円、広告宣伝費4億97百万円、地代家賃3億63百万円、支払手数料2億60百万円です。
(営業利益)
売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益は10億9百万円となり、売上高営業利益率は7.9%となりました。
(営業外収益・費用)
営業外損益は、純額3百万円の利益となりました。
(経常利益)
営業利益に営業外収益・費用を加減算した経常利益は10億12百万円となり、売上高経常利益率は8.0%となりました。
(特別利益・損失)
特別損益は、貸倒引当金戻入額19百万円、債務保証損失引当金戻入額12百万円や固定資産除売却損6百万円により、純額27百万円の利益となりました。
(税金等調整前当期純利益)
経常利益から特別利益・損失を加減算した税金等調整前当期純利益は、10億40百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計が3億53百万円となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は6億41百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は56億38百万円となり、前連結会計年度末比10億34百万円減少いたしました。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、6億32百万円の収入(前連結会計年度は9億54百万円の収入)となりました。
これは、法人税等の支払額4億22百万円の減少要因があった一方で、税金等調整前当期純利益10億40百万円等の増加要因があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、4億39百万円の支出(前連結会計年度は10億96百万円の支出)となりました。
これは、有価証券の売却及び償還による収入74億円の増加要因があった一方で、有価証券の取得による支出77億円等の減少要因があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、12億28百万円の支出(前連結会計年度は5億82百万円の支出)となりました。
これは、自己株式の取得による支出4億円と配当金の支払8億62百万円等の減少要因があったことによるものです。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業活動のための適切な資金を確保し、資金の流動性を維持すると共に、健全な財政状態を目指すための安定的な営業キャッシュ・フローの創出が資本財源の最優先事項と考えております。
当社グループにおいては、大きく分けて運転資金と設備投資、及びM&Aを含む事業領域拡大のための資金需要があり、主に自己資金を充当しております。運転資金需要の主なものは、コンサルタントの人件費やセミナー等を開催する際の会場費、デザインプロモーション商品等の商品仕入、ブルーダイアリー(手帳)等の生産のための原材料仕入やそれらに係る外注加工費と、事務所の維持費(家賃)や新規採用・育成に関わる人材募集費等の管理費があります。また、設備投資需要の主なものは、事務所の建物附属設備、情報システム関連や器具備品等の固定資産購入によるものであります。さらに、経営コンサルティング領域の多角化戦略の推進のため、M&Aを含む事業投資を積極的に行っていく方針であり、既存事業で得た自己資金を新たな事業領域の拡大のために活用してまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りに不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。
以下の会計方針が当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な見積りと判断に大きな影響を及ぼすものと認識しております。
a.のれん
のれんの減損については、少なくとも1年に一回、又は事業環境や将来の業績見通しの悪化、事業戦略の変化等、減損の兆候が発生した場合に減損の判定を行っております。報告単位の回収可能額を評価し、回収可能額が報告単位の帳簿価額を下回っていると判断される場合には、その下回る額について減損損失として計上することになります。
b.繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の利益計画に基づく課税所得の十分性を慎重に検討し、回収可能性を判断したうえで計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
c.固定資産の減損
「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会 平成14年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号 平成15年10月31日)を適用しております。減損を判定する際のグルーピングは各事業所単位で行い、減損の兆候が認められる場合は、各事業所単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて行っております。
将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能なビジネスの前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。