1.連結財務諸表および財務諸表の作成方法について
(2)当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
(3)連結財務諸表および財務諸表は、百万円未満の端数を切り捨てて表示しております。
2.監査証明について
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みおよびIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みおよびIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っております。その内容は、以下のとおりであります。
(1)会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応できる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、会計基準に関する情報を入手しております。また、同機構および監査法人等が主催するセミナー等に参加しております。
(2)IFRSの適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っております。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表等を作成するために、IFRSに準拠したグループ基準を作成し、これに基づきグループ全体で統一的な会計処理を行っております。
|
|
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
|
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
|
注記 |
百万円 |
|
百万円 |
資産 |
|
|
|
|
流動資産 |
|
|
|
|
現金及び現金同等物 |
7,34 |
|
|
|
売上債権及びその他の債権 |
8,34 |
|
|
|
棚卸資産 |
9 |
|
|
|
未収法人所得税 |
|
|
|
|
その他の金融資産 |
10,34 |
|
|
|
その他の流動資産 |
11 |
|
|
|
流動資産合計 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
非流動資産 |
|
|
|
|
有形固定資産 |
12,15,20 |
|
|
|
無形資産 |
13 |
|
|
|
投資不動産 |
14 |
|
|
|
持分法で会計処理されている投資 |
|
|
|
|
退職給付に係る資産 |
22 |
|
|
|
その他の金融資産 |
10,34 |
|
|
|
その他の非流動資産 |
11 |
|
|
|
繰延税金資産 |
16 |
|
|
|
非流動資産合計 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
資産合計 |
|
|
|
|
|
|
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
|
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
|
注記 |
百万円 |
|
百万円 |
負債及び資本 |
|
|
|
|
負債 |
|
|
|
|
流動負債 |
|
|
|
|
仕入債務及びその他の債務 |
17,34 |
|
|
|
未払法人所得税 |
|
|
|
|
社債、借入金及びリース負債 |
18,20,34 |
|
|
|
その他の金融負債 |
34 |
|
|
|
引当金 |
19 |
|
|
|
その他の流動負債 |
21,25 |
|
|
|
流動負債合計 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
非流動負債 |
|
|
|
|
社債、借入金及びリース負債 |
18,20,34 |
|
|
|
その他の金融負債 |
34 |
|
|
|
退職給付に係る負債 |
22 |
|
|
|
引当金 |
19 |
|
|
|
その他の非流動負債 |
21,25 |
|
|
|
繰延税金負債 |
16 |
|
|
|
非流動負債合計 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
負債合計 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
資本 |
|
|
|
|
資本金 |
23 |
|
|
|
資本剰余金 |
23 |
|
|
|
自己株式 |
23 |
△ |
|
△ |
その他の資本の構成要素 |
23 |
|
|
|
利益剰余金 |
23 |
|
|
|
親会社の所有者に帰属する持分合計 |
|
|
|
|
非支配持分 |
|
|
|
|
資本合計 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
負債及び資本合計 |
|
|
|
|
|
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|
注記 |
百万円 |
|
百万円 |
売上収益 |
6,25 |
|
|
|
売上原価 |
9,12,13,27 |
△ |
|
△ |
売上総利益 |
|
|
|
|
販売費及び一般管理費 |
12,13,26,27 |
△ |
|
△ |
その他の営業収益 |
28 |
|
|
|
その他の営業費用 |
12,15,29 |
△ |
|
△ |
営業利益 |
|
|
|
|
金融収益 |
30 |
|
|
|
金融費用 |
30 |
△ |
|
△ |
持分法による投資利益 |
|
|
|
|
税引前利益 |
|
|
|
|
法人所得税費用 |
16 |
△ |
|
△ |
当期利益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
当期利益の帰属 |
|
|
|
|
親会社の所有者 |
|
|
|
|
非支配持分 |
|
|
|
|
当期利益 |
|
|
|
|
|
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|
注記 |
百万円 |
|
百万円 |
その他の包括利益 |
|
|
|
|
純損益に振り替えられることのない項目 |
|
|
|
|
確定給付制度の再測定 |
31 |
|
|
|
資本性金融商品の公正価値の純変動 |
31 |
|
|
|
純損益に振り替えられることのない項目合計 |
|
|
|
|
純損益に振り替えられる可能性のある項目 |
|
|
|
|
在外営業活動体の換算差額 |
31 |
|
|
|
キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分 |
31 |
|
|
|
持分法適用会社に対する持分相当額 |
31 |
|
|
|
純損益に振り替えられる可能性のある項目合計 |
|
|
|
|
税引後その他の包括利益合計 |
|
|
|
|
当期包括利益合計 |
|
|
|
|
|
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|
|
当期包括利益の帰属 |
|
|
|
|
親会社の所有者 |
|
|
|
|
非支配持分 |
|
|
|
|
当期包括利益合計 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
1株当たり当期利益 |
|
|
|
|
基本的1株当たり当期利益(円) |
32 |
|
|
|
希薄化後1株当たり当期利益(円) |
32 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
親会社の所有者に帰属する持分 |
||||||||||
|
|
資本金 |
|
資本剰余金 |
|
自己株式 |
|
その他の資本の構成要素 |
||||
|
|
|
|
|
確定給付制度の再測定 |
|
資本性金融商品の公正価値の純変動 |
|
在外営業活動体の換算差額 |
|||
|
注記 |
百万円 |
|
百万円 |
|
百万円 |
|
百万円 |
|
百万円 |
|
百万円 |
2022年4月1日 残高 |
|
|
|
|
|
△ |
|
|
|
|
|
|
当期利益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
その他の包括利益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
当期包括利益合計 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
自己株式の取得 |
23 |
|
|
|
|
△ |
|
|
|
|
|
|
自己株式の消却 |
23 |
|
|
△ |
|
|
|
|
|
|
|
|
配当金 |
24 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
株式報酬取引 |
33 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
その他の資本の構成要素 から利益剰余金への振替 |
|
|
|
|
|
|
|
△ |
|
|
|
|
所有者との取引額等合計 |
|
|
|
△ |
|
△ |
|
△ |
|
|
|
|
2023年3月31日 残高 |
|
|
|
|
|
△ |
|
|
|
|
|
|
当期利益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
その他の包括利益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
当期包括利益合計 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
自己株式の取得 |
23 |
|
|
|
|
△ |
|
|
|
|
|
|
自己株式の消却 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
配当金 |
24 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
株式報酬取引 |
33 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
その他の資本の構成要素 から利益剰余金への振替 |
|
|
|
|
|
|
|
△ |
|
△ |
|
|
所有者との取引額等合計 |
|
|
|
|
|
|
|
△ |
|
△ |
|
|
2024年3月31日 残高 |
|
|
|
|
|
△ |
|
|
|
|
|
|
|
|
親会社の所有者に帰属する持分 |
|
非支配持分 |
|
資本合計 |
||||||
|
|
その他の資本の構成要素 |
|
利益剰余金 |
|
合計 |
|
|
||||
|
|
キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分 |
|
合計 |
|
|
|
|
||||
|
注記 |
百万円 |
|
百万円 |
|
百万円 |
|
百万円 |
|
百万円 |
|
百万円 |
2022年4月1日 残高 |
|
△ |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
当期利益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
その他の包括利益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
当期包括利益合計 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
自己株式の取得 |
23 |
|
|
|
|
|
|
△ |
|
|
|
△ |
自己株式の消却 |
23 |
|
|
|
|
△ |
|
|
|
|
|
|
配当金 |
24 |
|
|
|
|
△ |
|
△ |
|
△ |
|
△ |
株式報酬取引 |
33 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
その他の資本の構成要素 から利益剰余金への振替 |
|
|
|
△ |
|
|
|
|
|
|
|
|
所有者との取引額等合計 |
|
|
|
△ |
|
△ |
|
△ |
|
△ |
|
△ |
2023年3月31日 残高 |
|
△ |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
当期利益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
その他の包括利益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
当期包括利益合計 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
自己株式の取得 |
23 |
|
|
|
|
|
|
△ |
|
|
|
△ |
自己株式の消却 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
配当金 |
24 |
|
|
|
|
△ |
|
△ |
|
△ |
|
△ |
株式報酬取引 |
33 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
その他の資本の構成要素 から利益剰余金への振替 |
|
|
|
△ |
|
|
|
|
|
|
|
|
所有者との取引額等合計 |
|
|
|
△ |
|
△ |
|
△ |
|
△ |
|
△ |
2024年3月31日 残高 |
|
△ |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|
注記 |
百万円 |
|
百万円 |
営業活動によるキャッシュ・フロー |
|
|
|
|
当期利益 |
|
|
|
|
減価償却費及び償却費 |
|
|
|
|
減損損失及び減損損失戻入益(△は益) |
|
|
|
|
金融収益及び金融費用(△は益) |
|
△ |
|
△ |
持分法による投資損益(△は益) |
|
△ |
|
△ |
固定資産除売却損益(△は益) |
|
△ |
|
|
法人所得税費用 |
|
|
|
|
売上債権の増減額(△は増加) |
|
△ |
|
|
棚卸資産の増減額(△は増加) |
|
△ |
|
|
仕入債務の増減額(△は減少) |
|
△ |
|
△ |
退職給付に係る負債の増減額(△は減少) |
|
△ |
|
|
その他 |
|
|
|
△ |
小計 |
|
|
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|
利息及び配当金の受取額 |
|
|
|
|
利息の支払額 |
|
△ |
|
△ |
法人所得税の支払額 |
|
△ |
|
△ |
営業活動によるキャッシュ・フロー |
|
|
|
|
|
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|
注記 |
百万円 |
|
百万円 |
投資活動によるキャッシュ・フロー |
|
|
|
|
投資有価証券の取得による支出 |
|
△ |
|
△ |
投資有価証券の売却による収入 |
|
|
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|
有形固定資産の取得による支出 |
|
△ |
|
△ |
有形固定資産の売却による収入 |
|
|
|
|
無形資産の取得による支出 |
|
△ |
|
△ |
無形資産の売却による収入 |
|
|
|
|
投資不動産の売却による収入 |
|
|
|
|
その他 |
|
△ |
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△ |
投資活動によるキャッシュ・フロー |
|
△ |
|
△ |
|
|
|
|
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
|
|
|
|
短期借入金の純増減額(△は減少) |
18 |
|
|
|
長期借入金の返済による支出 |
18 |
△ |
|
|
社債の償還による支出 |
18 |
|
|
△ |
リース負債の返済による支出 |
18 |
△ |
|
△ |
配当金の支払額 |
24 |
△ |
|
△ |
非支配持分への配当金の支払額 |
|
△ |
|
△ |
自己株式の取得による支出 |
23 |
△ |
|
△ |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
|
△ |
|
△ |
現金及び現金同等物の為替変動による影響 |
|
|
|
|
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
|
△ |
|
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
7 |
|
|
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
7 |
|
|
|
1.報告企業
セイコーエプソン株式会社(以下「当社」という。)は日本国にある株式会社であります。当社の登記されている本店および主要な事業所の住所は、当社ウェブサイト(https://corporate.epson)で開示しております。
当社および当社の関係会社(以下「エプソン」という。)の事業内容および主要な活動は、「6.セグメント情報」に記載しております。
2.作成の基礎
(1)連結財務諸表がIFRSに準拠している旨の記載
エプソンの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
(2)測定の基礎
エプソンの連結財務諸表は、「3.重要性がある会計方針」に記載している金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3)機能通貨および表示通貨
エプソンの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、特に注釈の無い限り単位を百万円としております。また、百万円未満の端数は切り捨てて表示しております。
(4)子会社の報告期間
一部の在外連結子会社の決算日は12月31日であり、連結財務諸表作成にあたっては連結決算日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しております。
(5)会計方針の変更
エプソンは、当連結会計年度から以下の基準書を適用しております。
IFRS |
新設・改訂の概要 |
IAS第12号 法人所得税 |
リースおよび廃棄義務に係る繰延税金の会計処理を明確化 |
(IAS第12号「法人所得税」の適用)
エプソンは、IAS第12号「法人所得税」(2021年5月改訂)を当連結会計年度から適用しております。なお、当該基準書の適用が連結財務諸表に与える影響は軽微であります。
3.重要性がある会計方針
(1)連結の基礎
エプソンの連結財務諸表は、当社および子会社の財務諸表ならびに関連会社およびジョイント・ベンチャー(共同支配企業)の持分相当額を含んでおります。
① 子会社
子会社とは、エプソンにより支配されている企業をいいます。エプソンが投資先に対するパワー、投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利、および投資先に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力のすべてを有している場合、エプソンが当該投資先を支配していると判断しております。子会社については、エプソンが支配を獲得した日を取得日とし、その日よりエプソンが支配を喪失する日まで連結しております。
グループ内の債権債務残高および取引、ならびにグループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させております。
② 関連会社
関連会社とは、エプソンが当該企業の財務および営業の方針に重要な影響力を有している企業をいいます。関連会社については、エプソンが重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日まで、持分法によって処理しております。
③ ジョイント・ベンチャー(共同支配企業)
ジョイント・ベンチャー(共同支配企業)とは、投資先の重要な事業活動に関する意思決定に際して、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする事業体であり、かつ、エプソンが取決めに対する契約上合意された支配を共有している当事者として、当該事業体にかかる純資産に対する権利を有しているジョイント・アレンジメント(共同支配の取決め)をいいます。ジョイント・ベンチャーについては、持分法によって処理しております。
(2)企業結合
企業結合は、取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債およびエプソンが発行する資本性金融商品の取得日公正価値の合計として測定されます。取得対価が識別可能な資産および負債の公正価値を超過する場合は、のれんとして計上しております。反対に下回る場合には、直ちに純損益として認識しております。発生した取得関連費用は、負債性金融商品および資本性金融商品の発行に関連する費用を除いて、純損益として認識しております。
(3)外貨換算
エプソンの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しております。また、グループ内の各企業はそれぞれ独自の機能通貨を定めており、各企業の取引はその機能通貨により測定しております。
外貨建取引は、取引日における直物為替相場またはそれに近似するレートにより機能通貨に換算しております。外貨建の貨幣性資産および負債は、連結会計年度末日の直物為替相場により機能通貨に換算しております。当該換算および決済により生じる換算差額は純損益として認識しております。ただし、在外営業活動体(海外子会社等)に対する純投資のヘッジ手段として指定された金融商品、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産、およびキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しております。
在外営業活動体の資産および負債は連結会計年度末日の直物為替相場により、収益および費用は取引日の直物為替相場またはそれに近似するレートにより、それぞれ円貨に換算しており、その換算差額はその他の包括利益として認識しております。在外営業活動体が処分された場合には、その他の包括利益として認識していた当該在外営業活動体に関連する累積換算差額を、処分した期の純損益として認識しております。
(4)金融商品
① 金融資産
(i)当初認識および測定
金融資産は、公正価値に当該金融資産の取得に直接起因する取引費用を加算した金額で当初認識しております。ただし、当初認識後の測定(事後測定)において純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の当該取引費用は、純損益として認識しております。
金融資産は、当該金融商品の契約条項の当事者になった取引日に当初認識しております。
(ⅱ)分類および事後測定
金融資産は、当初認識時に、事後測定において償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産および純損益を通じて公正価値で測定する金融資産のいずれかに分類しております。
(a)次の条件がともに満たされる金融資産は、償却原価で測定するものに分類しております。
1)当該金融資産が、契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている。
2)金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
(b)次の条件がともに満たされる金融資産は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものに分類しております。
1)当該金融資産が、契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有されている。
2)金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
(c)上記を除く金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定するものに分類しております。
ただし、資本性金融商品のうち、売買目的保有でないなど特定の投資でその他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定したものについては、公正価値の変動はその他の包括利益として認識し、認識を中止した場合あるいは公正価値が著しく下落した場合にはその他の包括利益累計額に累積された評価損益を利益剰余金に振り替えております。なお、当該金融資産からの配当金については各連結会計年度の純損益として認識しております。
(ⅲ)認識の中止
金融資産は、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合または当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合に認識を中止しております。
(ⅳ)減損
金融資産に係る減損については、予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しております。
エプソンは、各報告日において、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しております。
金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を12か月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。一方で、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
ただし、営業債権、契約資産およびリース債権については、貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
金融商品の予想信用損失は、次のものを反映する方法で見積っております。
(a)一定範囲の生じうる結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
(b)貨幣の時間価値
(c)過去の事象、現在の状況および将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
減損が認識された金融資産の帳簿価額は貸倒引当金を通じて減額し、減損損失を純損益として認識しております。減損認識後に生じた事象により減損損失が減少する場合は、当該減少額を貸倒引当金を通じて純損益に戻入れております。
② 金融負債
(i)当初認識および測定
金融負債は、当初認識時に公正価値で測定しております。事後測定において償却原価で測定する金融負債については、当初認識時に当該金融負債の発行に直接起因する取引費用を控除した金額で測定しております。
金融負債は、当該金融商品の契約条項の当事者になった取引日に当初認識しております。
(ⅱ)分類および事後測定
金融負債は、当初認識時に、事後測定において純損益を通じて公正価値で測定する金融負債と償却原価で測定する金融負債のいずれかに分類しております。金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、公正価値で測定しております。当初認識時に純損益を通じて公正価値で測定すると指定した金融負債を含んでおります。
(b)償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債は、実効金利法による償却原価で測定しております。
(ⅲ)認識の中止
金融負債は、契約上の義務が履行されたか、債務が免除されたかまたは失効した場合に認識を中止しております。
③ 金融資産と金融負債の相殺
金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する法的に強制可能な権利を現在有しており、かつ純額で決済するかまたは資産の実現と負債の決済を同時に実行しようとする場合にのみ相殺し、連結財政状態計算書において純額で表示しております。
④ デリバティブ
エプソンは、為替リスクや金利リスクをそれぞれヘッジするために、為替予約取引および直物為替先渡取引(NDF)等のデリバティブを利用しております。これらのデリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初認識され、その後も公正価値で事後測定しております。
デリバティブの利得または損失は、純損益として認識しております。ただし、キャッシュ・フロー・ヘッジおよび在外営業活動体の純投資ヘッジの有効な部分は、その他の包括利益として認識しております。
⑤ ヘッジ会計
エプソンは、ヘッジ開始時に、ヘッジ関係ならびにヘッジを実施するにあたってのリスク管理目的および戦略を公式に指定し、文書化を行っております。当該文書は、具体的なヘッジ手段、ヘッジ対象となる項目または取引、ヘッジされるリスクの性質およびヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値またはキャッシュ・フローの変動に対するエクスポージャーを相殺するに際してのヘッジ手段の有効性の評価方法等を含んでおります。これらのヘッジは、公正価値またはキャッシュ・フローの変動を相殺する上で非常に有効であることが見込まれますが、指定した財務報告期間にわたって実際に非常に有効であったか否かを判断するために、継続的に評価しております。
エプソンは、ヘッジ会計の要件を満たすヘッジ関係を以下の様に分類し、会計処理しております。
(i)公正価値ヘッジ
デリバティブの利得または損失は、純損益として認識しております。ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象に係る利得または損失は、ヘッジ対象の帳簿価額を修正して、純損益として認識しております。
(ⅱ)キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る利得または損失のうち、ヘッジ対象に対して有効なヘッジと判定される部分は、その他の包括利益として認識し、有効でない部分は、純損益として認識しております。その他の包括利益に計上されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振り替えております。ヘッジ対象が非金融資産または非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益として認識されている金額は、非金融資産または非金融負債の当初の帳簿価額の修正として振り替えております。
予定取引または確定約定の発生がもはや見込まれない場合には、従来その他の包括利益を通じてその他の資本の構成要素として認識していた累積損益を純損益に振り替えております。ヘッジ手段が失効、売却、または他のヘッジ手段への入替えや更新が行われずに終了または行使された場合もしくはヘッジ指定を取り消された場合には、従来その他の包括利益を通じてその他の資本の構成要素として認識されていた金額は、予定取引または確定約定が発生するまで引き続きその他の資本の構成要素に計上しております。
(ⅲ)在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
在外営業活動体に対する純投資のヘッジについては、キャッシュ・フロー・ヘッジと同様の方法で会計処理しております。ヘッジ手段に係る利得または損失のうち、ヘッジ対象に対して有効なヘッジと判定される部分は、その他の包括利益として認識し、有効でない部分は、純損益として認識しております。在外営業活動体の処分時には、その他の包括利益として認識していた累積損益を純損益に振り替えております。
⑥ 金融商品の公正価値
各連結会計年度末日現在、活発な市場が存在する金融商品の公正価値は、市場における公表価格またはディーラー価格を参照しております。
活発な市場が存在しない金融商品の公正価値は、適切な評価技法を使用して算定しております。
(5)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金および容易に換金可能でありかつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(6)棚卸資産
棚卸資産の取得原価には、購入原価、加工費、および棚卸資産が現在の場所および状態に至るまでに発生したその他のコストのすべてを含んでおります。
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定し、原価の算定にあたっては、主として総平均法を使用しております。また、正味実現可能価額は、通常の事業過程における予想売価から、完成までに要する見積原価および販売に要する見積費用を控除して算定しております。
(7)有形固定資産
エプソンは、有形固定資産の取得原価に、資産の取得に直接関連する費用、解体、除去および原状回復費用ならびに資産計上の要件を満たす借入費用を含めております。
有形固定資産の認識後の測定において原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
土地等の減価償却を行わない資産を除き、各資産はそれぞれの見積耐用年数にわたって定額法で減価償却を行っております。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、以下のとおりであります。
・建物及び構築物:10~35年
・機械装置及び運搬具:4~17年
なお、見積耐用年数、減価償却方法および残存価額は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更の影響は将来に向かって認識しております。
(8)無形資産
① のれん
企業結合により取得したのれんは、取得日時点で認識し、減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
のれんは、償却を行わず、事業の種類に基づいて識別された資金生成単位に配分し、毎年および減損の兆候がある場合にはその時点で減損テストを実施しております。のれんについて認識した減損損失は、純損益として認識し、以降の期間において戻入れを行っておりません。
② 無形資産
個別に取得した無形資産は、取得原価で当初測定しております。企業結合において取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定しております。自己創設の無形資産の取得原価は、無形資産が認識規準を最初に満たした日以降に発生した支出の合計額で測定しております。
無形資産の認識後の測定において原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額および減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
耐用年数を確定できる無形資産は、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却を行っております。耐用年数を確定できる無形資産の主な見積耐用年数は、以下のとおりであります。
・ソフトウエア:3~10年
なお、見積耐用年数および償却方法は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更の影響は将来に向かって認識しております。
耐用年数を確定できない無形資産および未だ使用可能でない無形資産は償却を行わず、各連結会計年度ごとおよび減損の兆候がある場合はその時点で減損テストを実施しております。
(9)リース
エプソンは、契約時に、特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたって対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースである(またはリースを含んでいる)と判定し、リース開始日にリース負債と使用権資産を認識しております。
リース負債は、リース開始日において支払われていないリース料を、リースの計算利子率または当該利子率を容易に算定できない場合には借手の追加借入利子率を用いて割り引いた現在価値で測定しております。使用権資産は、リース負債の当初測定額に、当初直接コスト、前払リース料および原状回復費用等を加えた額で測定しております。使用権資産は、通常、リース期間にわたって定額法で減価償却を行っております。リース負債に係る金融費用は、連結包括利益計算書上、使用権資産に係る減価償却費と区分して表示しております。また、使用権資産は、連結財政状態計算書において、「有形固定資産」に含めて表示しております。
なお、リース期間が12か月以内の短期リースおよび少額資産のリースについては、リース負債と使用権資産を認識せず、当該リースに関連したリース料を、リース期間にわたって定額法により純損益として認識しております。
(10)投資不動産
投資不動産は、賃貸収益もしくは資本増価またはその両方を目的として保有する不動産であります。
投資不動産の認識後の測定において原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
投資不動産は、土地等の減価償却を行わない資産を除き、見積耐用年数にわたって定額法で減価償却を行っております。減価償却を行う投資不動産のうち主要な投資不動産の見積耐用年数は35年であります。
なお、見積耐用年数、減価償却方法および残存価額は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更の影響は将来に向かって認識しております。
(11)非金融資産の減損
エプソンは、有形固定資産、のれん、無形資産、投資不動産および使用権資産(以下「資産」という。)について減損の兆候の有無の判定を行い、何らかの兆候がある場合または減損の兆候の有無を問わず減損テストが要求されている場合、当該資産の回収可能価額を見積っております。個々の資産について回収可能価額を見積ることができない場合は、その資産の属する資金生成単位の回収可能価額を見積っております。回収可能価額は、資産または資金生成単位の処分費用控除後の公正価値または使用価値のいずれか高い金額で算定しております。資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超える場合は、その資産について減損を認識し、当該帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を純損益として認識しております。資産の使用価値は、資産から得られると期待されるキャッシュ・フローを、貨幣の時間価値および当該資産に固有のリスク等に関する現在の市場評価を反映した税引前割引率で現在価値まで割引いて見積っております。
のれんについて認識した減損損失は、純損益として認識し、以降の期間において戻入れを行っておりません。のれん以外の資産については、過年度に認識した減損損失がもはや存在しないかまたは減少している可能性を示す兆候があるか否かを評価しております。そのような兆候がある場合は、当該資産の回収可能価額の見積りを行い、その回収可能価額が当該資産の帳簿価額を超える場合、算定した回収可能価額と過年度において減損損失を認識しなかった場合の償却または減価償却控除後の帳簿価額とのいずれか低い金額を上限として、減損損失を戻入れております。
(12)売却目的で保有する非流動資産および非継続事業
エプソンは、非流動資産または処分グループの帳簿価額が継続的使用よりも主として売却取引により回収される場合は、当該資産または処分グループを売却目的保有に分類しております。売却目的保有に該当する非流動資産または処分グループは、現在の状態で直ちに売却可能で、エプソンの経営者が売却を確約しているなどその売却の可能性が非常に高い非流動資産または処分グループであります。売却目的保有に分類した非流動資産または処分グループは、帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しております。非流動資産が売却目的保有に分類されている間または売却目的保有に分類されている処分グループの一部である間は、当該非流動資産は減価償却または償却を行っておりません。
非継続事業は、すでに処分されたかまたは売却目的保有に分類された企業の構成単位すなわち単一の資金生成単位または資金生成単位のグループであります。企業の構成単位が次のいずれかに該当する場合、非継続事業として認識しております。
・独立の主要な事業分野または営業地域
・独立の主要な事業分野または営業地域を処分する統一された計画の一部
・転売のみのために取得した子会社
(13)退職後給付
エプソンは、従業員の退職後給付制度として確定給付制度と確定拠出制度を有しております。エプソンは、確定給付制度債務の現在価値および関連する当期勤務費用ならびに過去勤務費用を、予測単位積増方式を用いて各制度ごとに個別に算定しております。割引率は、将来の毎連結会計年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した連結会計年度末日時点の優良社債の市場利回りを参照して決定しております。確定給付負債(資産)の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値(必要な場合には、確定給付資産の純額を資産上限額に制限することによる影響の調整を含む)を控除して算定しております。確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額は、純損益として認識しております。
確定給付負債(資産)の純額の再測定は、発生した期においてその他の包括利益として認識しており、直ちに利益剰余金に振り替えております。過去勤務費用は、制度改訂または縮小が発生した時、あるいは関連するリストラクチャリング費用または解雇給付を認識した時のいずれか早い期において、純損益として認識しております。
確定拠出制度に支払うべき掛金は、純損益として認識しております。
(14)株式に基づく報酬
当社は、当社取締役および当社と委任契約を締結している執行役員(社外取締役および監査等委員である取締役などの業務執行から独立した立場にある者ならびに海外居住者を除く。)を対象にした持分決済型の株式に基づく報酬制度として、譲渡制限付株式報酬制度および役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託を採用しております。
受領したサービスの対価は、付与日における当社株式の公正価値で測定しており、付与日から権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。
なお、役員報酬BIP信託が所有する当社株式は自己株式として処理しております。
(15)引当金
エプソンは、過去の事象の結果として現在の法的債務または推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高くかつ当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に引当金を認識しております。
貨幣の時間価値の影響に重要性がある場合には、債務を決済するために要すると見積られた支出の現在価値で測定しております。
(16)収益
エプソンは、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5:履行義務の充足時に収益を認識する。
エプソンは、プリンティングソリューションズ事業、ビジュアルコミュニケーション事業、マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業に係る製品の製造、販売を主な事業としており、こうした製品の販売については、通常は製品の引渡時点において当該製品に対する支配が顧客に移転し、エプソンの履行義務が充足されるため、当該製品の引渡時点で収益を認識しております。また、収益は、顧客との契約において約束された対価の金額から、値引、割戻等を控除した金額で測定しております。なお、顧客との契約において複数の履行義務が含まれる場合においては、個々の製品の独立販売価格に基づいて取引価格を配分しております。独立販売価格が直接的に観察可能でない場合は、個々に販売された場合における販売価格を見積り、それらに基づき取引価格を配分しております。
(17)政府補助金
エプソンは、政府補助金について補助金交付のための付帯条件を満たしかつ補助金を受領するという合理的な保証が得られた時に公正価値で認識しております。
資産に関する政府補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除しております。収益に関する政府補助金は、補助金で補償することを意図している関連費用を認識する期間にわたって規則的に収益認識しております。
(18)借入費用
借入費用は、資金の借入れに関連して発生する利息およびその他の費用であります。意図した使用または販売が可能となるまでに相当の期間を要する資産(適格資産)の取得、建設または生産に直接起因する借入費用は、当該資産の取得原価の一部として資産化しております。その他の借入費用は発生した期間の純損益として認識しております。
(19)法人所得税
法人所得税費用は、当期税金費用と繰延税金費用の合計として表示しております。
当期税金費用は、納付または還付が予想される税額であり、その他の包括利益または資本において直接認識される項目から生じる税金および企業結合から生じる税金を除き、純損益として認識しております。税額の算定に使用する税率および税法は、連結会計年度末日までに制定または実質的に制定されているものであります。
繰延税金費用は、資産および負債の連結財務諸表上の帳簿価額と税務基準額との一時差異に基づいて算定しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除および繰越欠損金について、それらを利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識し、繰延税金負債は、将来加算一時差異について認識しております。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産または負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から生じる場合
・企業結合ではなく、取引時に会計上の利益にも課税所得(税務上の欠損金)にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引から発生する資産または負債の当初認識から生じる場合
・子会社、関連会社に対する投資およびジョイント・ベンチャーに対する持分に関連して生じる将来減算一時差異に関しては、予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合または当該一時差異を活用できる課税所得が稼得される可能性が低い場合
・子会社、関連会社に対する投資およびジョイント・ベンチャーに対する持分に関連して生じる将来加算一時差異に関しては、当該一時差異の解消の時点をコントロールすることができ、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産および負債は、連結会計年度末日までに制定または実質的に制定されている税率および税法に基づいて、当該資産が実現される期または負債が決済される期に適用されると予想される税率で算定しております。
税法の解釈等に基づき、法人所得税の不確実な税務ポジションが発生する可能性が高い場合には、合理的な見積額を資産または負債として認識しております。
エプソンは、OECDが公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定または実質的に制定された税法(「グローバル・ミニマム課税」)から生じる法人所得税に係る繰延税金資産および負債に関して、認識および情報開示に対する例外を適用しております。
(20)自己株式
自己株式は、取得原価で評価し、資本から控除しております。自己株式の購入、売却または消却において利得または損失は認識しておりません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は資本として認識しております。
(21)1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期損益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。計算においては、役員報酬BIP信託が所有する当社株式を自己株式として処理していることから、当該株式数を控除しております。
なお、希薄化後1株当たり当期利益の計算においては、同信託が所有する自己株式のうち、役員が受け取る権利について調整しております。
(22)配当金
当社の株主に対する配当のうち、期末配当は当社の株主総会により承認された日、中間配当は取締役会により承認された日の属する期間の負債として認識しております。
4.重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断
エプソンの連結財務諸表は、収益および費用、資産および負債の測定ならびに連結会計年度末日現在の偶発事象の開示等に関する経営者の見積りおよび仮定を含んでおります。これらの見積りおよび仮定は過去の実績および連結会計年度末日において合理的であると考えられる様々な要素を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。しかし、その性質上、将来において、これらの見積りおよび仮定とは異なる結果となる可能性があります。
見積りおよび仮定は経営者により継続して見直されております。これらの見積りおよび仮定の見直しによる影響は、その見積りおよび仮定を見直した期間およびそれ以降の期間において認識しております。
見積りおよび仮定のうち、エプソンの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積りおよび仮定は、以下のとおりであります。
(1)非金融資産の減損
エプソンは、有形固定資産、のれん、無形資産、投資不動産および使用権資産(以下「資産」という。)について、回収可能価額が帳簿価額を下回る兆候がある場合または資産の減損テストを毎年行う必要がある場合、減損テストを実施しております。
減損テストは、資産または資金生成単位の帳簿価額と回収可能価額を比較することにより実施し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には減損損失を計上することとなります。回収可能価額は、資産または資金生成単位の処分費用控除後の公正価値または使用価値のいずれか高い金額で算定しており、その算定に際しては、資産の耐用年数や将来キャッシュ・フロー、割引率、長期成長率等について一定の仮定を設定しております。使用価値は、見積り将来キャッシュ・フローの割引現在価値として算定しており、将来キャッシュ・フローの見積りにあたっては、売上収益の成長見込み等の仮定を含めた、経営者によって承認された事業計画等を基礎としております。事業計画等の策定以降の期間において見積りを要する場合には、将来の不確実性を考慮しております。なお、当該将来キャッシュ・フローには、資産または資金生成単位の処分により受け取る正味のキャッシュ・フローも含めております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
非金融資産の減損に関連する内容および金額については「12.有形固定資産」、「13.無形資産」、「14.投資不動産」、「15.非金融資産の減損」および「20.リース」に記載しております。
(2)退職後給付
エプソンは、確定給付型を含む様々な退職後給付制度を有しております。
これらの各制度に係る確定給付制度債務の現在価値および関連する勤務費用等は、数理計算上の仮定に基づいて算定されております。数理計算上の仮定には、割引率など様々な変数についての見積りおよび判断が求められます。
数理計算上の仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
これらの数理計算上の仮定およびそれに関連する感応度については「22.退職後給付」に記載しております。
(3)引当金
エプソンは、製品保証引当金や資産除去債務等、種々の引当金を計上しております。
これらの引当金は、連結会計年度末日における債務に関するリスクおよび不確実性を考慮に入れた、債務の決済に要する支出の最善の見積りに基づいて計上されております。
債務の決済に要する支出額は、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しておりますが、予想しえない事象の発生や状況の変化によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
計上している引当金の性質および金額については「19.引当金」に記載しております。
(4)法人所得税
エプソンは、世界各国において事業活動を展開しており、各国の税務当局に納付することになると予想される金額を、法令等に従って合理的に見積り、未払法人所得税および当期税金費用を計上しております。
未払法人所得税および当期税金費用の算定に際しては、課税対象企業および管轄税務当局による税法規定の解釈や過去の税務調査の経緯等、様々な要素を勘案した見積りおよび判断が必要となります。
そのため、計上された未払法人所得税および当期税金費用と、実際に納付する法人所得税の金額が異なる可能性があり、その場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
また、繰延税金資産は、将来減算一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しております。
繰延税金資産の認識に際しては、課税所得が生じる可能性の判断において、売上収益の成長見込み等の仮定を含めた事業計画等に基づいて将来獲得しうる課税所得の時期およびその金額を合理的に見積り、金額を算定しております。
課税所得が生じる時期および金額は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、実際に生じた時期および金額が見積りと異なった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
法人所得税に関連する内容および金額については「16.法人所得税」に記載しております。
(5)偶発事象
偶発事象は、連結会計年度末日におけるすべての利用可能な証拠を勘案し、その発生可能性および金額的影響を考慮した上で、将来の事業に重要な影響を及ぼしうる項目を開示しております。
偶発事象の内容については「38.偶発事象」に記載しております。
5.未適用の新基準書
連結財務諸表の承認日までに新設または改訂が行われた基準書および解釈指針のうち、エプソンが適用していない主なものは以下のとおりであります。なお、以下の基準書等を適用することによる連結財務諸表への影響は検討中であります。
IFRS |
強制適用時期 (以降開始年度) |
エプソン適用時期 |
新設・改訂の概要 |
IFRS第18号 財務諸表における表示及び開示 |
2027年1月1日 |
2028年3月期 |
財務諸表における表示及び開示に関する現行の会計基準であるIAS第1号を置き換える新基準 |
6.セグメント情報
(1)報告セグメントの概要
エプソンの報告セグメントは、エプソンの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定および業績の評価をするために定期的に検討を行う対象となっている事業セグメントを基礎に決定されております。
エプソンは、製品の種類、性質、販売市場等から総合的に区分されたセグメントから構成される「プリンティングソリューションズ事業」、「ビジュアルコミュニケーション事業」および「マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業」の3つを報告セグメントとしております。
なお、報告セグメントに属する主要な製品等は次のとおりであります。
報告セグメント |
主要な製品等 |
プリンティングソリューションズ事業 |
オフィス・ホーム用インクジェットプリンター、シリアルインパクトドットマトリクスプリンター、ページプリンター、カラーイメージスキャナー、乾式オフィス製紙機、商業・産業用インクジェットプリンター、インクジェットプリントヘッド、POSシステム関連製品、ラベルプリンター、およびこれらの消耗品 等 |
ビジュアルコミュニケーション事業 |
液晶プロジェクター、スマートグラス 等 |
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業 |
産業用ロボット、小型射出成形機、ウオッチ、ウオッチムーブメント、水晶デバイス、半導体、金属粉末、表面処理加工、PC 等 |
(2)セグメント収益および業績
エプソンの報告セグメントによる収益および業績は、以下のとおりであります。セグメント間の取引はおおむね市場実勢価格に基づいております。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
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(単位:百万円) |
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報告セグメント |
調整額 (注2) |
連結 |
|||
|
プリンティングソリューションズ事業 |
ビジュアルコミュニケーション事業 |
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業 |
計 |
||
売上収益 |
|
|
|
|
|
|
外部収益 |
|
|
|
|
|
|
セグメント間収益 |
|
|
|
|
△ |
|
収益合計 |
|
|
|
|
△ |
|
セグメント損益 (事業利益)(注1) |
|
|
|
|
△ |
|
その他の営業損益 |
|
|
|
|
|
|
営業利益 |
|
|
|
|
|
|
金融収益及び金融費用 |
|
|
|
|
|
|
持分法による投資利益 |
|
|
|
|
|
|
税引前利益 |
|
|
|
|
|
|
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
|
報告セグメント |
調整額 (注3) |
連結 |
|||
|
プリンティングソリューションズ事業 |
ビジュアルコミュニケーション事業 |
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業 |
計 |
||
減価償却費及び償却費 |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
減損損失(非金融資産) |
△ |
△ |
(注4)△ |
△ |
△ |
△ |
報告セグメント資産 |
|
|
|
|
|
|
資本的支出 |
|
|
|
|
|
|
(注1)セグメント損益(事業利益)は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
(注2)セグメント損益(事業利益)の「調整額」△57,389百万円には、セグメント間取引消去493百万円および全社費
用・その他△57,883百万円が含まれております。全社費用・その他は、主に基礎研究に関する研究開発費および
報告セグメントに帰属しない新規事業・本社機能に係る収益、費用であります。
(注3)報告セグメント資産の「調整額」406,049百万円には、セグメント間の内部取引に係る消去額△6,849百万円のほか、報告セグメントに帰属しない全社資産などが含まれております。
(注4)マニュファクチャリングソリューションズ事業において、市場環境の変化等の影響により投資額の回収が一部見込めない状況となったことにともない、減損損失△1,850百万円を計上しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
報告セグメント |
調整額 (注2) |
連結 |
|||
|
プリンティングソリューションズ事業 |
ビジュアルコミュニケーション事業 |
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業 |
計 |
||
売上収益 |
|
|
|
|
|
|
外部収益 |
|
|
|
|
|
|
セグメント間収益 |
|
|
|
|
△ |
|
収益合計 |
|
|
|
|
△ |
|
セグメント損益 (事業利益)(△は損失)(注1) |
|
|
△ |
|
△ |
|
その他の営業損益 |
|
|
|
|
|
△ |
営業利益 |
|
|
|
|
|
|
金融収益及び金融費用 |
|
|
|
|
|
|
持分法による投資利益 |
|
|
|
|
|
|
税引前利益 |
|
|
|
|
|
|
その他の項目 |
|
|
|
|
|
|
|
報告セグメント |
調整額 (注3) |
連結 |
|||
|
プリンティングソリューションズ事業 |
ビジュアルコミュニケーション事業 |
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業 |
計 |
||
減価償却費及び償却費 |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
減損損失(非金融資産) |
△ |
△ |
(注4)△ |
△ |
△ |
△ |
報告セグメント資産 |
|
|
|
|
|
|
資本的支出 |
|
|
|
|
|
|
(注1)セグメント損益(事業利益)は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
(注2)セグメント損益(事業利益)の「調整額」△61,400百万円には、セグメント間取引消去497百万円および全社費
用・その他△61,898百万円が含まれております。全社費用・その他は、主に基礎研究に関する研究開発費および
報告セグメントに帰属しない新規事業・本社機能に係る収益、費用であります。
(注3)報告セグメント資産の「調整額」464,124百万円には、セグメント間の内部取引に係る消去額△6,523百万円のほか、報告セグメントに帰属しない全社資産などが含まれております。
(注4)マニュファクチャリングソリューションズ事業において、中国における景気低迷やローカルメーカーの台頭等の市場環境の変化に加え、成長に向けた人的投資の継続により、収益性の改善に時間を要する見込みであることから、減損損失△606百万円を計上しております。
(3)地域別に関する情報
各連結会計年度の非流動資産および外部顧客からの売上収益の地域別内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
非流動資産 |
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
日本 |
210,741 |
214,342 |
フィリピン |
44,528 |
47,844 |
インドネシア |
33,737 |
33,637 |
中華人民共和国 |
26,261 |
30,619 |
その他 |
74,339 |
80,887 |
合計 |
389,609 |
407,331 |
(注)非流動資産は資産の所在地によっており、持分法で会計処理されている投資、その他の金融資産、繰延税金資産および退職給付に係る資産を含んでおりません。
(単位:百万円)
外部顧客からの売上収益 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
日本 |
232,005 |
223,396 |
米国 |
309,741 |
287,541 |
中華人民共和国 |
186,314 |
167,545 |
その他 |
602,269 |
635,514 |
合計 |
1,330,331 |
1,313,998 |
(注)売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国に分類しております。
(4)主要な顧客に関する情報
エプソンの収益全体の10%を超える単一の外部顧客との取引はありません。
7.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
現金及び預金 |
226,879 |
257,355 |
短期投資 |
40,500 |
71,125 |
合計 |
267,380 |
328,481 |
8.売上債権及びその他の債権
売上債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
受取手形及び売掛金 |
181,624 |
192,250 |
未収入金 |
21,237 |
21,540 |
貸倒引当金 |
△1,061 |
△1,009 |
合計 |
201,801 |
212,781 |
連結財政状態計算書では、貸倒引当金控除後の金額で表示しております。
売上債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
9.棚卸資産
棚卸資産の内訳は、以下のとおりであります。
|
|
(単位:百万円) |
|
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
商品及び製品 |
|
|
仕掛品 |
|
|
原材料 |
|
|
貯蔵品 |
|
|
合計 |
|
|
前連結会計年度および当連結会計年度において費用認識され、売上原価に含まれている棚卸資産の金額は、それぞれ△830,772百万円および△822,184百万円であります。
前連結会計年度および当連結会計年度において、売上原価には、それぞれ△38,998百万円および△47,488百万円の棚卸資産の評価減が含まれております。なお、担保に差し入れている棚卸資産はありません。
10.その他の金融資産
(1)その他の金融資産の内訳
その他の金融資産の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
デリバティブ資産 |
475 |
649 |
株式 |
16,180 |
20,153 |
債券 |
- |
151 |
定期預金 |
879 |
467 |
その他 |
8,648 |
9,982 |
貸倒引当金 |
△43 |
△38 |
合計 |
26,141 |
31,365 |
流動資産 |
2,164 |
1,995 |
非流動資産 |
23,976 |
29,369 |
合計 |
26,141 |
31,365 |
デリバティブ資産は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産(ヘッジ会計が適用されているものを除く)、株式はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、債券は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産、定期預金は償却原価で測定する金融資産にそれぞれ分類しております。
(2)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性の金融資産の主な銘柄および公正価値等は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
銘柄 |
公正価値 |
受取配当金 |
||
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|
㈱みずほフィナンシャルグループ |
2,818 |
4,571 |
123 |
138 |
日本碍子㈱ |
2,202 |
2,564 |
82 |
72 |
株式は主に政策投資目的で保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しております。
なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性の金融資産の公正価値が著しく下落した場合に、その他の包括利益として認識されていた損失の累計額を利益剰余金に振り替えており、当連結会計年度において、95百万円(税引後)を振り替えております。前連結会計年度における振替額はありません。
11.その他の資産
その他の資産の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
前払費用 |
18,256 |
14,496 |
前渡金 |
1,622 |
2,891 |
その他 |
6,371 |
6,362 |
合計 |
26,250 |
23,750 |
流動資産 |
24,030 |
21,923 |
非流動資産 |
2,220 |
1,827 |
合計 |
26,250 |
23,750 |
12.有形固定資産
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額および減損損失累計額の増減、ならびに帳簿価額は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
取得原価 |
土地、建物及び構築物 |
機械装置及び運搬具 |
工具、器具及び備品 |
建設仮勘定 |
その他 |
合計 |
2022年4月1日 残高 |
610,389 |
536,940 |
227,770 |
13,647 |
68 |
1,388,816 |
取得 |
16,853 |
9,802 |
5,320 |
39,117 |
1 |
71,095 |
投資不動産との振替 |
△5,425 |
- |
- |
- |
- |
△5,425 |
売却又は処分 |
△9,372 |
△10,649 |
△11,459 |
△39 |
△32 |
△31,553 |
在外営業活動体の換算差額 |
11,277 |
10,475 |
13,206 |
988 |
2 |
35,951 |
建設仮勘定からの振替 |
8,571 |
19,192 |
13,631 |
△41,396 |
- |
- |
その他の増減 |
△35 |
△70 |
64 |
△138 |
- |
△179 |
2023年3月31日 残高 |
|
|
|
|
|
|
取得 |
12,621 |
6,849 |
5,168 |
38,777 |
22 |
63,439 |
投資不動産との振替 |
△28 |
- |
- |
- |
- |
△28 |
売却又は処分 |
△18,214 |
△12,122 |
△9,855 |
△243 |
△19 |
△40,455 |
在外営業活動体の換算差額 |
21,535 |
19,569 |
23,910 |
925 |
4 |
65,944 |
建設仮勘定からの振替 |
12,114 |
15,518 |
11,264 |
△38,897 |
- |
- |
その他の増減 |
△63 |
△251 |
32 |
△81 |
△13 |
△375 |
2024年3月31日 残高 |
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円)
減価償却累計額および減損損失累計額 |
土地、建物及び構築物 |
機械装置及び運搬具 |
工具、器具及び備品 |
建設仮勘定 |
その他 |
合計 |
2022年4月1日 残高 |
△392,460 |
△453,131 |
△199,754 |
△229 |
△68 |
△1,045,643 |
減価償却費(注) |
△20,767 |
△22,350 |
△17,884 |
- |
△1 |
△61,003 |
減損損失 |
△244 |
△813 |
△594 |
△143 |
- |
△1,795 |
投資不動産との振替 |
4,456 |
- |
- |
- |
- |
4,456 |
売却又は処分 |
8,330 |
10,427 |
11,258 |
- |
32 |
30,048 |
在外営業活動体の換算差額 |
△4,654 |
△7,671 |
△11,770 |
△10 |
△2 |
△24,109 |
建設仮勘定からの振替 |
- |
△69 |
△27 |
96 |
- |
- |
その他の増減 |
△61 |
217 |
41 |
10 |
- |
208 |
2023年3月31日 残高 |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
減価償却費(注) |
△22,534 |
△23,608 |
△16,436 |
- |
△3 |
△62,583 |
減損損失 |
△551 |
△423 |
△346 |
△9 |
- |
△1,331 |
投資不動産との振替 |
20 |
- |
- |
- |
- |
20 |
売却又は処分 |
15,889 |
11,777 |
9,720 |
97 |
14 |
37,500 |
在外営業活動体の換算差額 |
△9,981 |
△14,748 |
△21,337 |
△2 |
△3 |
△46,074 |
建設仮勘定からの振替 |
- |
△148 |
△6 |
154 |
- |
- |
その他の増減 |
△6 |
369 |
48 |
0 |
- |
411 |
2024年3月31日 残高 |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
(注)有形固定資産の減価償却費は、連結包括利益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」および「その他の営業費用」に含まれております。
(単位:百万円)
帳簿価額 |
土地、建物及び構築物 |
機械装置及び運搬具 |
工具、器具及び備品 |
建設仮勘定 |
その他 |
合計 |
2022年4月1日 残高 |
217,929 |
83,809 |
28,016 |
13,417 |
0 |
343,172 |
2023年3月31日 残高 |
|
|
|
|
|
|
2024年3月31日 残高 |
|
|
|
|
|
|
13.無形資産
無形資産の取得原価、償却累計額および減損損失累計額の増減、ならびに帳簿価額は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
取得原価 |
ソフトウエア |
特許権 |
製品開発資産 |
のれん |
その他 |
合計 |
2022年4月1日 残高 |
55,145 |
9,490 |
17,439 |
5,163 |
5,896 |
93,135 |
取得 |
7,350 |
336 |
770 |
- |
145 |
8,602 |
売却又は処分 |
△2,627 |
△65 |
△912 |
- |
△127 |
△3,732 |
在外営業活動体の換算差額 |
1,240 |
- |
17 |
224 |
179 |
1,660 |
その他の増減 |
△18 |
8 |
- |
- |
△741 |
△750 |
2023年3月31日 残高 |
|
|
|
|
|
|
取得 |
6,531 |
3 |
291 |
- |
13 |
6,840 |
売却又は処分 |
△3,213 |
△76 |
△992 |
- |
△118 |
△4,401 |
在外営業活動体の換算差額 |
2,564 |
- |
23 |
442 |
312 |
3,342 |
その他の増減 |
3 |
8 |
- |
- |
△0 |
11 |
2024年3月31日 残高 |
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円)
償却累計額および減損損失累計額 |
ソフトウエア |
特許権 |
製品開発資産 |
のれん |
その他 |
合計 |
2022年4月1日 残高 |
△42,497 |
△7,881 |
△14,266 |
- |
△4,270 |
△68,916 |
償却費(注) |
△4,534 |
△485 |
△2,314 |
- |
△357 |
△7,692 |
減損損失 |
△167 |
- |
- |
- |
△2 |
△170 |
売却又は処分 |
2,611 |
65 |
889 |
- |
126 |
3,693 |
在外営業活動体の換算差額 |
△947 |
- |
△17 |
- |
△158 |
△1,123 |
その他の増減 |
△14 |
△8 |
- |
- |
741 |
717 |
2023年3月31日 残高 |
△ |
△ |
△ |
|
△ |
△ |
償却費(注) |
△4,287 |
△418 |
△1,122 |
- |
△269 |
△6,097 |
減損損失 |
△8 |
- |
- |
- |
- |
△8 |
売却又は処分 |
3,117 |
76 |
992 |
- |
116 |
4,303 |
在外営業活動体の換算差額 |
△2,025 |
- |
△23 |
- |
△277 |
△2,326 |
その他の増減 |
△14 |
△8 |
- |
- |
- |
△23 |
2024年3月31日 残高 |
△ |
△ |
△ |
|
△ |
△ |
(注)無形資産の償却費は、連結包括利益計算書の「売上原価」および「販売費及び一般管理費」に含まれております。
(単位:百万円)
帳簿価額 |
ソフトウエア |
特許権 |
製品開発資産 |
のれん |
その他 |
合計 |
2022年4月1日 残高 |
12,648 |
1,608 |
3,172 |
5,163 |
1,625 |
24,218 |
2023年3月31日 残高 |
|
|
|
|
|
|
2024年3月31日 残高 |
|
|
|
|
|
|
14.投資不動産
(1)増減表
投資不動産の帳簿価額の増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
期首残高 |
1,108 |
1,097 |
有形固定資産との振替 |
969 |
7 |
減価償却費 |
△0 |
△1 |
売却又は処分 |
△979 |
- |
在外営業活動体の換算差額 |
0 |
0 |
期末残高 |
1,097 |
1,103 |
期首残高内訳 |
|
|
取得原価 |
3,148 |
3,096 |
減価償却累計額および減損損失累計額 |
△2,040 |
△1,999 |
合計 |
1,108 |
1,097 |
期末残高内訳 |
|
|
取得原価 |
3,096 |
3,125 |
減価償却累計額および減損損失累計額 |
△1,999 |
△2,021 |
合計 |
1,097 |
1,103 |
(2)公正価値
投資不動産の帳簿価額と公正価値は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
||
|
帳簿価額 |
公正価値 |
帳簿価額 |
公正価値 |
投資不動産 |
1,097 |
2,482 |
1,103 |
2,557 |
投資不動産の公正価値については、将来キャッシュ・フロー等のレベル3のインプットを用いて収益還元法に
より評価した不動産鑑定評価額等を参照して算定しております。
15.非金融資産の減損
エプソンは、原則として、資産に対応して継続的に収支の把握を実施している管理会計上の事業区分を基準に、資金生成単位をグルーピングしております。処分予定資産(廃棄・売却による処分等が予定されている資産)および遊休資産については、個別に減損の要否を検討しております。
前連結会計年度に計上した減損損失の総額は1,966百万円であり、その主な内訳は機械装置813百万円、工具、器具及び備品594百万円、土地、建物及び構築物244百万円であります。
当該減損損失は、主としてマニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメントに含まれるマニュファクチャリングソリューションズ事業において、市場環境の変化等の影響により投資額の回収が一部見込めない状況となったため、同事業の事業用資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額したものであり、減損損失1,850百万円を計上しております。回収可能価額(4,838百万円)は処分コスト控除後の公正価値により測定しております。処分コスト控除後の公正価値は不動産鑑定評価額等に基づいており、公正価値のヒエラルキーはレベル3であります。
当連結会計年度に計上した減損損失の総額は1,339百万円であり、その主な内訳は土地、建物及び構築物551百万円、機械装置423百万円、工具、器具及び備品346百万円、であります。
当該減損損失は、主としてマニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメントに含まれるマニュファクチャリングソリューションズ事業において、中国における景気低迷やローカルメーカーの台頭等の市場環境の変化に加え、成長に向けた人的投資の継続により、収益性の改善に時間を要する見込みであることから、同事業の事業用資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額したものであり、減損損失606百万円を計上しております。回収可能価額(5,044百万円)は処分コスト控除後の公正価値により測定しております。処分コスト控除後の公正価値は不動産鑑定評価額等に基づいており、公正価値のヒエラルキーはレベル3であります。
なお、減損損失は、連結包括利益計算書の「その他の営業費用」に計上しております。
16.法人所得税
(1)繰延税金資産および繰延税金負債
繰延税金資産および繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
繰延税金資産 |
|
|
棚卸資産(未実現利益および評価減) |
20,666 |
22,826 |
リース負債 |
- |
8,080 |
固定資産(減損損失および償却超過) |
8,269 |
7,385 |
退職後給付 |
6,493 |
7,306 |
未払賞与 |
7,859 |
6,716 |
繰越欠損金 |
2,097 |
3,230 |
その他 |
23,548 |
27,144 |
合計 |
68,935 |
82,691 |
繰延税金負債 |
|
|
在外連結子会社等未分配利益 |
△22,789 |
△24,198 |
退職後給付 |
△11,122 |
△13,114 |
使用権資産 |
- |
△7,750 |
固定資産(償却不足) |
△6,207 |
△6,079 |
その他 |
△3,927 |
△4,584 |
合計 |
△44,046 |
△55,727 |
繰延税金資産の純額(注) |
24,888 |
26,963 |
(注)当連結会計年度および前連結会計年度に認識された繰延税金資産の純額の差額から、資本にて直接認識された繰延税金資産および負債、その他の包括利益で認識される繰延税金資産および負債を控除した金額と、繰延税金費用の差額は、主として為替の変動による影響であります。
エプソンは、取締役会で承認された中期計画および業績見通しに基づき、税務上の繰越欠損金を将来利用できる可能性を毎期定期的に評価しております。この評価に際しては、エプソンの中長期的な戦略および業績計画、ならびに将来の経済見通しを考慮しております。また、将来減算一時差異および税務上の繰越欠損金に対する繰延税金資産の認識にあたり、重要な税務調整項目、将来課税所得計画および繰越欠損金の期限が到来する時期についても考慮しております。認識された繰延税金資産については、過去の課税所得水準および繰延税金資産が認識できる期間における将来課税所得の予測に基づき、税務便益が実現する可能性は高いと判断しております。
エプソンは、一部の税務上の繰越欠損金および将来減算一時差異について、繰延税金資産を認識しておりません。こうした繰延税金資産の回収可能性を評価するため、該当する会社を個別に分析し、税務便益が実現する可能性が低くなった部分について減額しております。
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金および将来減算一時差異は、それぞれ15,643百万円(前連結会計年度13,531百万円)、75,181百万円(前連結会計年度81,795百万円)であります。将来減算一時差異は現行の税法上失効することはありません。なお、税務上の繰越欠損金の失効予定は次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
1年目 |
- |
- |
2年目 |
- |
- |
3年目 |
- |
- |
4年目 |
- |
- |
5年目以降および無期限 |
13,531 |
15,643 |
合計 |
13,531 |
15,643 |
前連結会計年度および当連結会計年度において繰延税金負債として認識されていない子会社に対する投資に係る将来加算一時差異はありません。
(2)法人所得税費用
純損益として認識された法人所得税費用は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当期税金費用 |
△25,834 |
△22,644 |
繰延税金費用 |
△2,869 |
5,170 |
合計 |
△28,703 |
△17,473 |
前連結会計年度および当連結会計年度における税率変更の影響による繰延税金費用の増減額は、それぞれ261百万円(増加)および79百万円(増加)であります。
当期税金費用および繰延税金費用には、以前は認識されていなかった税務上の欠損金または過去の期の一時差異から生じた便益の金額と、繰延税金資産の評価減または以前に計上した評価減の戻入による金額が含まれております。これにともなう前連結会計年度および当連結会計年度における当期税金費用および繰延税金費用の増減額は、それぞれ1,032百万円(増加)および17百万円(増加)であります。
(3)実効税率の調整
法定実効税率と実際負担税率との差異について、原因となった主要な項目の内訳は、以下のとおりであります。
前連結会計年度および当連結会計年度において、エプソンは、主に法人税、住民税および事業税を課されており、これらを基礎として計算した法定実効税率はいずれも30.5%となっております。ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されております。
(単位:%)
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
法定実効税率 |
30.5 |
30.5 |
海外連結子会社の税率差異 |
△2.9 |
△2.9 |
一時差異に該当しない項目 |
0.6 |
1.2 |
繰延税金資産の回収可能性の評価による影響 |
1.0 |
0.0 |
税額控除 |
△3.8 |
△2.2 |
税率変更による影響 |
0.3 |
0.1 |
その他 |
2.1 |
△1.7 |
実際負担税率 |
27.7 |
24.9 |
(4)グローバル・ミニマム課税に係る潜在的な影響
当社が所在する日本において、グローバル・ミニマム課税のルールを含めた税制改正法(「所得税法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第3号))が2023年3月28日に成立しております。これにより、2024年4月1日以後開始事業年度から、一部の在外子会社等に係る税負担が最低税率(15%)に至るまで、親会社である当社に対して上乗せ課税される可能性があります。
なお、グローバル・ミニマム課税の対象となる各構成事業体の税務情報および財務情報に基づき潜在的な影響を評価した結果、連結財務諸表に与える影響は軽微であると判断しております。
17.仕入債務及びその他の債務
仕入債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
支払手形及び買掛金 |
88,636 |
89,461 |
未払金 |
71,022 |
70,366 |
合計 |
159,658 |
159,827 |
仕入債務及びその他の債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。
18.社債、借入金及びリース負債
(1)社債、借入金及びリース負債の内訳
社債、借入金及びリース負債の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
平均利率(%) (注1) |
返済期限 |
短期借入金 |
- |
589 |
4.94 |
- |
1年内返済予定の長期借入金 |
- |
8,998 |
0.42 |
- |
1年内償還予定の社債(注2) |
29,989 |
9,996 |
(注2) |
(注2) |
長期借入金 |
48,467 |
39,481 |
0.35 |
2027年 |
社債(注2) |
119,699 |
109,784 |
(注2) |
(注2) |
リース負債 |
35,124 |
35,932 |
2.12 |
2024年~2068年 |
合計 |
233,281 |
204,783 |
|
|
流動負債 |
38,613 |
29,688 |
|
|
非流動負債 |
194,668 |
175,095 |
|
|
合計 |
233,281 |
204,783 |
|
|
(注1)平均利率については、当連結会計年度末残高に対する加重平均利率を記載しております。
(注2)社債の発行条件の要約は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
会社名 |
銘柄 |
発行年月日 |
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
利率(%) |
担保 |
償還期限 |
当社 |
第14回無担保社債(社債間限定同順位特約付) |
2016年 9月21日 |
20,000 (20,000) |
- |
0.27 |
なし |
2023年 9月21日 |
当社 |
第15回無担保社債(社債間限定同順位特約付) |
2016年 9月21日 |
10,000 |
10,000 |
0.34 |
なし |
2026年 9月18日 |
当社 |
第16回無担保社債(社債間限定同順位特約付) |
2017年 9月6日 |
10,000 |
10,000 (10,000) |
0.26 |
なし |
2024年 9月6日 |
当社 |
第17回無担保社債(社債間限定同順位特約付) |
2017年 9月6日 |
10,000 |
10,000 |
0.36 |
なし |
2027年 9月6日 |
当社 |
第18回無担保社債(社債間限定同順位特約付) |
2019年 7月19日 |
10,000 |
10,000 |
0.20 |
なし |
2026年 7月17日 |
当社 |
第19回無担保社債(社債間限定同順位特約付) |
2019年 7月19日 |
20,000 |
20,000 |
0.30 |
なし |
2029年 7月19日 |
当社 |
第20回無担保社債(社債間限定同順位特約付) (グリーンボンド) |
2020年 7月16日 |
10,000 (10,000) |
- |
0.02 |
なし |
2023年 7月14日 |
当社 |
第21回無担保社債(社債間限定同順位特約付) (グリーンボンド) |
2020年 7月16日 |
40,000 |
40,000 |
0.23 |
なし |
2025年 7月16日 |
当社 |
第22回無担保社債(社債間限定同順位特約付) (グリーンボンド) |
2020年 7月16日 |
20,000 |
20,000 |
0.45 |
なし |
2030年 7月16日 |
合計 |
150,000 (30,000) |
120,000 (10,000) |
|
|
|
※ 残高の( )内は内書きで、1年内償還予定の金額であります。
社債、借入金及びリース負債は償却原価で測定する金融負債に分類しております。
社債および借入金に関し、エプソンの財務活動に重大な影響を及ぼす財務制限条項は付されておりません。
(2)財務活動から生じた負債の調整表
財務活動から生じた負債の増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
短期借入金 |
長期借入金 |
社債 |
リース負債 |
合計 |
2022年4月1日 残高 |
- |
66,452 |
149,580 |
27,117 |
243,151 |
キャッシュ・フローを伴う変動 |
9 |
△18,000 |
- |
△10,003 |
△27,993 |
キャッシュ・フローを伴わない変動 |
|
|
|
|
|
新規リース |
- |
- |
- |
17,050 |
17,050 |
為替変動による換算差額 |
△9 |
- |
- |
1,280 |
1,270 |
その他 |
△0 |
15 |
108 |
△320 |
△196 |
2023年3月31日 残高 |
- |
48,467 |
149,689 |
35,124 |
233,281 |
キャッシュ・フローを伴う変動 |
502 |
- |
△30,000 |
△10,033 |
△39,531 |
キャッシュ・フローを伴わない変動 |
|
|
|
|
|
新規リース |
- |
- |
- |
9,637 |
9,637 |
為替変動による換算差額 |
87 |
- |
- |
3,353 |
3,440 |
その他 |
- |
12 |
91 |
△2,150 |
△2,045 |
2024年3月31日 残高 |
589 |
48,480 |
119,781 |
35,932 |
204,783 |
長期借入金、社債には1年内返済予定または償還予定の残高および変動を含めて表示しております。
19.引当金
引当金の内訳および増減は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (単位:百万円)
|
製品保証引当金 |
資産除去債務 |
訴訟損失引当金 |
その他引当金 |
合計 |
2022年4月1日残高 |
12,489 |
4,073 |
564 |
1,908 |
19,035 |
期中増加額 |
3,811 |
50 |
207 |
419 |
4,488 |
目的使用による減少 |
△1,932 |
△377 |
△116 |
△468 |
△2,895 |
戻入による減少 |
△1,304 |
- |
△120 |
△304 |
△1,729 |
在外営業活動体の換算差額 |
573 |
44 |
30 |
31 |
680 |
2023年3月31日残高 |
13,636 |
3,790 |
565 |
1,586 |
19,579 |
流動負債 |
10,452 |
34 |
462 |
378 |
11,327 |
非流動負債 |
3,183 |
3,755 |
103 |
1,208 |
8,252 |
合計 |
13,636 |
3,790 |
565 |
1,586 |
19,579 |
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (単位:百万円)
|
製品保証引当金 |
資産除去債務 |
訴訟損失引当金 |
その他引当金 |
合計 |
2023年4月1日残高 |
13,636 |
3,790 |
565 |
1,586 |
19,579 |
期中増加額 |
4,448 |
160 |
247 |
1,563 |
6,419 |
目的使用による減少 |
△3,769 |
△113 |
△162 |
△604 |
△4,649 |
戻入による減少 |
△1,101 |
- |
△77 |
△110 |
△1,289 |
在外営業活動体の換算差額 |
1,354 |
104 |
71 |
△30 |
1,500 |
2024年3月31日残高 |
14,567 |
3,942 |
645 |
2,404 |
21,560 |
流動負債 |
10,708 |
133 |
543 |
1,318 |
12,703 |
非流動負債 |
3,858 |
3,809 |
101 |
1,086 |
8,856 |
合計 |
14,567 |
3,942 |
645 |
2,404 |
21,560 |
製品保証引当金
将来の製品保証にともなう支出にそなえ、過年度のアフターサービス費の売上高に対する発生率による見積額のほか、支出が具体的に見積り可能な特定事業について、当該見積額を計上しております。これらの支出のほとんどは翌連結会計年度に支払われることが見込まれております。
資産除去債務
有形固定資産の取得、建設、開発または通常の使用によって生じ、エプソンによる当該有形固定資産の除去費用の支出が要求されているものにそなえ、過去の実績に基づき将来支払うと見込まれる金額を計上しております。これらの支出は主に5年以上経過した後に支払われることが見込まれておりますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
訴訟損失引当金
訴訟中または訴訟のおそれがある案件等の支出にそなえ、損害賠償金・訴訟費用等について、各連結会計年度末において必要と認めた合理的な見積額を計上しております。これらの支出のほとんどは翌連結会計年度に支払われることが見込まれております。
20.リース
(1)リース活動
エプソンは、借手として、主に事務所や倉庫等の不動産について、リース契約を締結しております。延長オプションおよび解約オプションは、主としてこれら不動産に係るリースに含まれており、リース契約主体が不動産を事業に活用する上で、必要に応じて使用されております。
(2)使用権資産
使用権資産の帳簿価額の増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
土地、建物及び構築物 |
機械装置及び運搬具 |
工具、器具及び備品 |
合計 |
2022年4月1日 残高 |
29,195 |
1,688 |
382 |
31,265 |
取得 |
14,747 |
1,625 |
634 |
17,006 |
減価償却費 |
△8,205 |
△1,016 |
△320 |
△9,543 |
在外営業活動体の換算差額 |
1,671 |
97 |
3 |
1,772 |
その他の増減 |
△250 |
△48 |
△3 |
△301 |
2023年3月31日 残高 |
37,158 |
2,346 |
695 |
40,200 |
取得 |
7,785 |
1,616 |
222 |
9,624 |
減価償却費 |
△9,218 |
△1,218 |
△371 |
△10,808 |
在外営業活動体の換算差額 |
3,744 |
232 |
15 |
3,992 |
その他の増減 |
△2,009 |
△79 |
△13 |
△2,102 |
2024年3月31日 残高 |
37,461 |
2,896 |
549 |
40,907 |
(3)リース取引に係る損益の内訳
リース取引に係る損益の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
リース負債に係る支払利息 |
△417 |
△821 |
短期リース料 |
△5,675 |
△6,114 |
少額リース料 |
△62 |
△59 |
変動リース料 |
△472 |
△595 |
(4)リース負債の満期分析
リース負債の満期分析については、「34.金融商品 (4)流動性リスク」に記載しております。
21.その他の負債
その他の負債の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
未払費用 |
27,378 |
27,094 |
未払賞与 |
35,176 |
29,775 |
未払有給休暇 |
29,418 |
31,381 |
契約負債 |
28,415 |
30,742 |
返金負債 |
32,266 |
37,811 |
その他 |
15,860 |
19,723 |
合計 |
168,515 |
176,529 |
流動負債 |
152,900 |
159,163 |
非流動負債 |
15,615 |
17,365 |
合計 |
168,515 |
176,529 |
22.退職後給付
当社および一部の国内連結子会社は、確定給付型の制度として確定給付企業年金制度および退職一時金制度、ならびに確定拠出年金制度を設けております。また、一部の海外連結子会社は、確定給付型の制度および確定拠出年金制度を設けております。
エプソンの主要な確定給付制度は、確定給付企業年金法(平成13年法律第50号)に基づき、企業年金基金によって運営されております。
確定給付制度における給付額は、勤続年数、基準給与の額(在職中の平均標準給与月額または最終退職金基礎給)を基にした給与比例方式と資格等に応じたポイントを基にした掛金積立方式、およびその他の条件に基づき設定されております。
企業年金基金は、企業年金基金規約に則って代議員会を置いており、会社の代表と加入者の代表から構成されております。代議員会は、規約の変更、給付に充てるべき積立金の管理および運用に関する基金の業務を執行する理事を含む役員の解任、毎事業年度の事業報告および決算等の議決を行っております。
英国所在の主要な年金制度にて、年金バイアウト(Buy-out)を実施する意思決定をしております。年金バイアウトの実施に向けて、2024年3月期においては、保有していた制度資産の一部を保険会社に対して拠出し、保険会社との間で将来にわたって年金受給者への年金給付に相当する金額の受領を保証する保険契約を締結しております(年金バイイン(Buy-in))。なお、年金バイアウトの実施は2025年を予定しております。
年金バイインの実施により、当該年金制度は、制度資産の運用リスクおよび受給者の長寿化等による確定給付制度債務の増加リスクから解放されております。なお、年金バイアウトが実施されるまでの間、保険会社が保険証券に定められている従業員給付を従業員に対し支払わない場合、エプソンが追加で支払う法的または推定的債務を引き続き有します。
(1)確定給付制度債務の調整表
確定給付制度債務の増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
期首残高 |
319,899 |
295,666 |
勤務費用 |
8,907 |
9,066 |
利息費用 |
3,813 |
5,227 |
再測定 |
|
|
人口統計上の仮定の変化により生じた 数理計算上の差異の当期発生額 |
116 |
141 |
財務上の仮定の変化により生じた 数理計算上の差異の当期発生額 |
△25,058 |
△11,849 |
在外営業活動体の換算差額 |
1,213 |
3,706 |
給付の支払額 |
△13,225 |
△13,464 |
期末残高 |
295,666 |
288,494 |
(2)制度資産の調整表
制度資産の増減は、以下のとおりであります。
エプソンの主要な確定給付制度におきましては、将来の拠出に影響を与える企業年金資産の積立てについて、財政検証を通じ、年金債務に対して制度資産が一定の積立水準を確保するよう規制しております。
なお、エプソンは2025年3月期に5,657百万円の掛金を拠出する予定であります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
期首残高 |
297,966 |
283,950 |
利息収益 |
3,108 |
4,457 |
再測定 |
|
|
制度資産に係る収益(注) |
△13,901 |
8,364 |
在外営業活動体の換算差額 |
846 |
2,908 |
事業主からの拠出額 |
7,576 |
10,469 |
制度加入者からの拠出額 |
1,089 |
1,079 |
給付の支払額 |
△12,735 |
△13,164 |
期末残高 |
283,950 |
298,065 |
(注)当連結会計年度の制度資産に係る収益には、年金バイインの実施に伴い発生した制度資産の公正価値の再測定による差額△4,270百万円が含まれております。
(3)補填の権利の調整表
エプソンの主要な確定給付制度は企業年金基金制度であるため、第三者からの拠出はありません。
(4)資産上限額の影響の調整表
資産上限額の影響の増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
期首残高 |
- |
- |
再測定 |
|
|
資産上限額の影響の変動 |
- |
18,863 |
期末残高 |
- |
18,863 |
(5)確定給付制度債務および制度資産の調整表
確定給付制度債務および制度資産と連結財政状態計算書に計上された退職給付に係る負債および資産との関係は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
積立型の確定給付制度債務 |
287,359 |
279,112 |
制度資産 |
△283,950 |
△298,065 |
小計 |
3,409 |
△18,952 |
非積立型の確定給付制度債務 |
8,307 |
9,382 |
資産上限額の影響 |
- |
18,863 |
連結財政状態計算書に計上された 退職給付に係る負債(資産)の純額 |
11,716 |
9,293 |
退職給付に係る負債 |
13,164 |
13,836 |
退職給付に係る資産 |
△1,447 |
△4,543 |
連結財政状態計算書に計上された 退職給付に係る負債(資産)の純額 |
11,716 |
9,293 |
(6)制度資産の主な内訳
制度資産合計に対する主な分類ごとの内訳は、以下のとおりであります。制度資産として保有しているエプソン自身の譲渡可能な金融商品、および制度資産のうちエプソンが保有している不動産または使用している他の資産はありません。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
活発な市場における公表市場価格があるもの |
|
|
株式 |
13,868 |
15,237 |
債券 |
5,709 |
188 |
代替投資(注1) |
312 |
428 |
現金及び預金 |
3,772 |
1,874 |
その他 |
3,389 |
3,835 |
合計 |
27,053 |
21,563 |
活発な市場における公表市場価格がないもの |
|
|
合同運用信託(株式) |
35,866 |
45,103 |
合同運用信託(債券) |
44,206 |
47,252 |
生保一般勘定(注2) |
135,840 |
135,648 |
代替投資(注1) |
40,536 |
31,689 |
その他(注3) |
446 |
16,808 |
合計 |
256,896 |
276,501 |
(注1)代替投資は、ヘッジファンド、マルチアセット、証券化商品等の投資ファンドを通じて運用されている投資であります。
(注2)生保一般勘定は、生命保険会社により一定の予定利率と元本が保証されております。
(注3)当連結会計年度のその他16,808百万円は、年金バイインの契約締結に伴う保険契約に係るものであります。
エプソンの主要な制度に係る資産運用方針は、以下のとおりであります。
エプソンの主要な確定給付制度に係る制度資産の運用方針は、企業年金基金規約に従い、将来にわたる確定給付制度債務の支払を確実に行うために、中長期的に安定的な収益を確保することを目的としております。その目的を達成するため、外部機関が実施する年金ALM(資産・負債の総合管理)を踏まえて政策アセットミックス(資産構成割合)を策定し、その割合を維持することにより資産運用を行っております。
(7)数理計算上の仮定に関する事項
主要な数理計算上の仮定は、以下のとおりであります。
(単位:%)
|
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
割引率 |
1.7 |
2.2 |
確定給付制度債務の評価は、将来の不確実な事象への判断を含んでおります。割引率が1%変化した場合の当連結会計年度における確定給付制度債務に与える感応度は、以下のとおりであります。この分析は、他のすべての変数が一定であると仮定しております。なお、マイナスは確定給付制度債務の減少を、プラスは確定給付制度債務の増加を表しております。
(単位:百万円)
|
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
割引率(1%の上昇) |
△35,097 |
割引率(1%の低下) |
40,615 |
なお、当連結会計年度における主要な確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、13.5年であります。
(8)確定拠出年金制度
確定拠出年金への要拠出額等に係る費用は、前連結会計年度において23,529百万円、当連結会計年度において24,477百万円であります。
23.資本およびその他の資本項目
(1)資本金および資本剰余金
授権株式数、発行済株式総数および資本金等の残高の増減は以下のとおりであります。
|
授権株式数(株) (注1) |
発行済株式総数(株) (注1) |
資本金(百万円) |
資本剰余金(百万円) |
2022年4月1日 残高 |
1,214,916,736 |
399,634,778 |
53,204 |
84,010 |
増減(注2) |
- |
△14,612,500 |
- |
△30 |
2023年3月31日 残高 |
1,214,916,736 |
385,022,278 |
53,204 |
83,979 |
増減 |
- |
- |
- |
62 |
2024年3月31日 残高 |
1,214,916,736 |
385,022,278 |
53,204 |
84,042 |
(注1)当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式であります。
(注2)前連結会計年度の発行済株式総数の減少は、自己株式の消却によるものであります。
(2)自己株式
自己株式数および残高の増減は、以下のとおりであります。
|
株式数(株) |
金額(百万円) |
2022年4月1日 残高 |
53,616,006 |
40,808 |
増減(注1) |
△109,371 |
14,777 |
2023年3月31日 残高(注3) |
53,506,635 |
55,586 |
増減(注2) |
△107,723 |
△131 |
2024年3月31日 残高(注4) |
53,398,912 |
55,455 |
(注1)前連結会計年度における自己株式の増減は、取締役会決議による自己株式の取得による増加14,612,500株(※1)、取締役会決議による自己株式の消却による減少14,612,500株(※2)、譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分による減少81,477株、役員報酬BIP信託の受益者に対する交付にともなう減少28,352株、単元未満株式の買取請求による増加458株から生じたものであります。
(注2)当連結会計年度における自己株式の増減は、譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分による減少75,422株、役員報酬BIP信託の受益者に対する交付にともなう減少33,085株、単元未満株式の買取請求による増加784株から生じたものであります。
(注3)2023年3月31日残高の株式数には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式142,255株が含まれております。
(注4)2024年3月31日残高の株式数には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式109,170株が含まれております。
(※1)前連結会計年度における自己株式の取得
当社は、2022年5月19日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式の取得およびその具体的な取得方法について決議し、以下の通り実施しました。
・2022年5月19日開催の取締役会における決議内容
① 取得対象株式の種類 当社普通株式
② 取得し得る株式の総数 33,000,000株(上限)(発行済株式総数(自己株式除く)に対する割合:9.53%)
③ 株式の取得価額の総額 30,000百万円(上限)
④ 取得期間 2022年5月20日~2023年5月19日
⑤ 取得方法 東京証券取引所における市場買付け(証券会社による取引一任方式)
・上記取締役会決議に基づき取得した自己株式
① 取得対象株式の種類 当社普通株式
② 取得した株式の総数 14,612,500株
③ 株式の取得価額の総額 29,999,962,900円
④ 取得期間 2022年5月20日~2023年1月16日
⑤ 取得方法 東京証券取引所における市場買付け(証券会社による取引一任方式)
(※2)前連結会計年度における自己株式の消却
当社は、2023年2月21日開催の取締役会において、会社法第178条の規定に基づき、自己株式の消却について決議し、以下の通り実施しました。
① 消却した株式の種類 当社普通株式
② 消却した株式の総数 14,612,500株
③ 消却実施日 2023年3月8日
(3)資本剰余金
日本における会社法(以下「会社法」という。)では、株式の発行に対しての払込みまたは給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されております。また、会社法では、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
(4)利益剰余金
会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金および利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金または利益準備金として積み立てることが規定されております。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。
(5)その他の資本の構成要素
① 確定給付制度の再測定
確定給付制度債務の現在価値に係る数理計算上の差異および制度資産に係る収益(利息の純額に含まれる金額を除く)であります。これについては、発生時にその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から利益剰余金に直ちに振り替えております。
② 資本性金融商品の公正価値の純変動
資本性金融商品の公正価値の評価差額であります。
③ 在外営業活動体の換算差額
外貨建で作成された在外営業活動体の財務諸表を連結する際に発生した換算差額であります。
④ キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分
エプソンは、将来キャッシュ・フローの変動リスクを回避するためのヘッジを行っており、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたデリバティブ取引の公正価値の変動のうち有効と認められる部分であります。
24.配当金
配当金の支払額は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(決議) |
株式の種類 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
基準日 |
効力発生日 |
2022年6月28日 定時株主総会 |
普通株式 |
(注1)10,731 |
31 |
2022年3月31日 |
2022年6月29日 |
2022年10月28日 取締役会 |
普通株式 |
(注2)10,591 |
31 |
2022年9月30日 |
2022年11月30日 |
(注1)配当金の総額には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式に対する配当金5百万円が含まれております。
(注2)配当金の総額には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式に対する配当金4百万円が含まれております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(決議) |
株式の種類 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
基準日 |
効力発生日 |
2023年6月27日 定時株主総会 |
普通株式 |
(注1)13,597 |
41 |
2023年3月31日 |
2023年6月28日 |
2023年10月27日 取締役会 |
普通株式 |
(注2)12,274 |
37 |
2023年9月30日 |
2023年11月30日 |
(注1)配当金の総額には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式に対する配当金5百万円が含まれております。
(注2)配当金の総額には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式に対する配当金4百万円が含まれております。
また、基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるものは、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(決議) |
株式の種類 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
基準日 |
効力発生日 |
2023年6月27日 定時株主総会 |
普通株式 |
(注)13,597 |
41 |
2023年3月31日 |
2023年6月28日 |
(注)配当金の総額には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式に対する配当金5百万円が含まれております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(決議) |
株式の種類 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
基準日 |
効力発生日 |
2024年6月25日 定時株主総会 |
普通株式 |
(注)12,274 |
37 |
2024年3月31日 |
2024年6月26日 |
(注)配当金の総額には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式に対する配当金4百万円が含まれております。
25.売上収益
(1)収益の分解
「6.セグメント情報」で記載しているセグメント別の売上収益を、事業別に分解しています。これらの分解した売上収益とセグメント別の売上収益との関連は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
プリンティングソリューションズ事業セグメント |
902,368 |
918,656 |
|
|
オフィス・ホームプリンティング事業 |
653,477 |
650,833 |
|
商業・産業プリンティング事業 |
248,919 |
267,936 |
|
事業間売上収益 |
△28 |
△113 |
ビジュアルコミュニケーション事業セグメント |
216,869 |
217,462 |
|
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業 セグメント |
215,490 |
179,914 |
|
|
マニュファクチャリングソリューションズ事業 |
30,542 |
24,770 |
|
ウエアラブル機器事業 |
35,881 |
34,753 |
|
マイクロデバイス事業 他 |
130,792 |
104,333 |
|
PC事業 |
21,917 |
19,639 |
|
事業間売上収益 |
△3,642 |
△3,582 |
その他(注1) |
△4,396 |
△2,035 |
|
合計 |
1,330,331 |
1,313,998 |
|
顧客との契約から認識した収益 |
1,326,901 |
1,310,348 |
|
その他の源泉から認識した収益(注2) |
3,430 |
3,649 |
(注1)「その他」には、セグメントに帰属しない売上収益およびセグメント間取引消去が含まれております。
(注2)「その他の源泉から認識した収益」には、IFRS第16号に基づくリース収益等が含まれております。
エプソンは、プリンティングソリューションズ事業、ビジュアルコミュニケーション事業、マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業に係る製品の製造、販売を主な事業としており、こうした製品の販売については、通常は製品の引渡時点において当該製品に対する支配が顧客に移転し、エプソンの履行義務が充足されるため、当該製品の引渡時点で収益を認識しております。一部の製品において機器の設置や据付等の作業を伴う場合がありますが、そうした場合は当該作業が完了し顧客の受け入れが得られた時点で、エプソンの履行義務が充足されると判断し、当該時点で収益を認識しております。
また、エプソンは、製品販売時に延長保証等の保守に関するオプションを提供しております。こうした保守契約については、履行義務が時の経過につれて充足されると判断しており、顧客との契約において約束された対価の金額を契約期間にわたり均等に収益認識しております。
なお、当該製品の販売にかかる取引の対価を製品の引渡前に前受金として受領する場合や当該保守契約にかかる取引の対価を締結時に一括で前受けにより受領している場合等について、履行義務が充足するまで契約負債を認識しております。
エプソンは、顧客である販売代理店等に対し、所定の目標の達成等を条件としたリベート等を付けて販売する場合がありますが、その場合の取引価格は、顧客との契約において約束された対価からリベート等の見積りを控除した金額で算定しております。なお、リベート等の見積りは、過去の傾向や直近の情報などに基づく合理的な方法により算定しており、収益は重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ認識しております。
取引の対価は、履行義務の充足後、主として1年以内に、顧客ごとに定める条件に応じ受領しており、重大な金融要素は含んでおりません。
(2)契約残高
顧客との契約から生じた債権および契約負債の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 期首 (2022年4月1日) |
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
顧客との契約から生じた債権 |
168,221 |
201,801 |
212,781 |
契約負債 |
23,743 |
28,415 |
30,742 |
流動負債 |
12,289 |
14,814 |
15,364 |
非流動負債 |
11,454 |
13,601 |
15,377 |
連結財政状態計算書において、契約負債は、「その他の流動負債」および「その他の非流動負債」に含まれております。
前連結会計年度および当連結会計年度において、過去の期間に充足(または部分的に充足)した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。
(3)残存履行義務に配分した取引価格
当初の予想契約期間が1年を超える重要な取引がないため、実務上の便法を適用し、残存履行義務に関する情報は記載しておりません。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
26.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりであります。
|
|
(単位:百万円) |
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
従業員給付費用 |
△ |
△ |
研究開発費 |
△ |
△ |
販売促進費 |
△ |
△ |
広告宣伝費 |
△ |
△ |
運送費 |
△ |
△ |
アフターサービス費 |
△ |
△ |
減価償却費及び償却費 |
△ |
△ |
その他 |
△ |
△ |
合計 |
△ |
△ |
27.従業員給付費用
連結包括利益計算書の「売上原価」および「販売費及び一般管理費」に含まれる従業員給付費用の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
給与手当 |
△258,094 |
△258,419 |
法定福利費 |
△25,534 |
△26,951 |
福利厚生費 |
△13,320 |
△13,316 |
退職後給付制度に係る費用 |
|
|
確定拠出制度に係る費用 |
△23,529 |
△24,477 |
確定給付制度に係る費用 |
△8,453 |
△8,955 |
合計 |
△328,931 |
△332,120 |
28.その他の営業収益
前連結会計年度において、連結包括利益計算書の「その他の営業収益」には、為替差益
当連結会計年度において、連結包括利益計算書の「その他の営業収益」には、補助金収入
29.その他の営業費用
前連結会計年度において、連結包括利益計算書の「その他の営業費用」には、減損損失
当連結会計年度において、連結包括利益計算書の「その他の営業費用」には、英国現地法人の年金バイアウトの実施に向けた関連費用
30.金融収益および金融費用
金融収益および金融費用の内訳は、以下のとおりであります。
|
|
(単位:百万円) |
金融収益 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
為替差益(注1) |
|
|
受取利息 |
|
|
受取配当金 |
|
|
合計 |
|
|
|
|
(単位:百万円) |
金融費用 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
支払利息 |
△ |
△ |
従業員給付費用(注2) |
△ |
△ |
その他 |
△ |
△ |
合計 |
△ |
△ |
(注1)通貨デリバティブの公正価値の変動は、為替差損益に含めております。
(注2)従業員給付費用は、従業員給付に関連する損益のうち、利息費用および利息収益の純額であります。
31.その他の包括利益
その他の包括利益に含まれている各内訳項目の当期発生額、純損益への組替調整額、および税効果の影響は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (単位:百万円)
|
当期発生額 |
組替調整額 |
税効果調整前 |
税効果額 |
税効果調整後 |
確定給付制度の再測定 |
11,041 |
- |
11,041 |
△3,278 |
7,762 |
資本性金融商品の公正価値の純変動 |
2,399 |
- |
2,399 |
△542 |
1,857 |
在外営業活動体の換算差額 |
27,827 |
- |
27,827 |
- |
27,827 |
キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分(注) |
898 |
△310 |
587 |
△176 |
410 |
持分法適用会社に対する持分相当額 |
3 |
- |
3 |
- |
3 |
合計 |
42,170 |
△310 |
41,859 |
△3,998 |
37,861 |
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (単位:百万円)
|
当期発生額 |
組替調整額 |
税効果調整前 |
税効果額 |
税効果調整後 |
確定給付制度の再測定 |
5,313 |
- |
5,313 |
△1,921 |
3,392 |
資本性金融商品の公正価値の純変動 |
3,658 |
- |
3,658 |
△629 |
3,029 |
在外営業活動体の換算差額 |
49,580 |
- |
49,580 |
- |
49,580 |
キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分(注) |
△6,146 |
7,066 |
920 |
△282 |
637 |
持分法適用会社に対する持分相当額 |
64 |
- |
64 |
- |
64 |
合計 |
52,470 |
7,066 |
59,537 |
△2,832 |
56,704 |
(注)組替調整額は、ヘッジ対象が純損益に影響を与えたことにより振り替えた金額であり、連結包括利益計算書において主に「売上収益」として認識しております。
32.1株当たり利益
(1)基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) |
75,043 |
52,616 |
親会社の普通株主に帰属しない当期利益(百万円) |
- |
- |
基本的1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益(百万円) |
75,043 |
52,616 |
期中平均普通株式数(千株) |
339,952 |
331,589 |
基本的1株当たり当期利益(円) |
220.75 |
158.68 |
(2)希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
基本的1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益(百万円) |
75,043 |
52,616 |
損益調整額(百万円) |
- |
- |
希薄化後1株当たり当期利益の計算に使用する 当期利益(百万円) |
75,043 |
52,616 |
期中平均普通株式数(千株) |
339,952 |
331,589 |
希薄化性潜在的普通株式の影響 |
|
|
役員報酬BIP信託(千株) |
77 |
44 |
希薄化後の期中平均普通株式数(千株) |
340,029 |
331,634 |
希薄化後1株当たり当期利益(円) |
220.70 |
158.66 |
(注)基本的1株当たり当期利益および希薄化後1株当たり当期利益の算定において、役員報酬BIP信託が所有する当社株式を自己株式として処理していることから、期中平均普通株式数から当該株式数を控除しております。
33.株式に基づく報酬
(1)譲渡制限付株式報酬制度
① 譲渡制限付株式報酬制度の概要
当社は、株主との一層の価値共有を進め、株価上昇および持続的な成長と中長期的な企業価値向上へのインセンティブを従来以上に高めることを目的として、当社取締役および当社と委任契約を締結している執行役員(社外取締役および監査等委員である取締役などの業務執行から独立した立場にある者ならびに海外居住者を除く。以下、「対象取締役等」という。)を対象にした持分決済型の株式に基づく報酬制度として、譲渡制限付株式報酬制度を導入しております。
本制度は、一定期間の職務執行を条件に対象取締役等に譲渡制限付株式を事前交付するものであります。
対象取締役等は、年1回、当社取締役会決議に基づき、譲渡制限付株式に関する報酬として金銭報酬債権の支給を受け、当該金銭報酬債権を当社に対し現物出資することにより、譲渡制限付株式の交付を受けます。
対象取締役等は、当該株式の交付日から当社の取締役、執行役員または使用人のいずれかの地位からも退任または退職する日までの間、当該株式の第三者への譲渡、質権の設定、譲渡担保権の設定、生前贈与、遺贈その他一切の処分行為はできないこととされています。
また、対象取締役等が定められた職務執行の期間が経過する前に当社の取締役、執行役員または使用人のいずれかの地位からも退任または退職した場合など一定の事由が生じた場合には、当社取締役会が正当と認める理由がある場合を除き、当社が当該株式を無償取得することとしております。
② 期中に付与された株式数と公正価値
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
付与日 |
2022年7月20日 |
2023年7月19日 |
付与数(株) |
81,477 |
75,422 |
付与日の公正価値(注) |
2,012円 |
2,214.5円 |
(注)株式交付に係る取締役会決議の日の前営業日における東京証券取引所における当社普通株式の終値を基礎としております。
(2)業績連動型株式報酬制度
業績連動型株式報酬制度の概要
当社は、当社取締役および当社と委任契約を締結している執行役員(社外取締役および監査等委員である取締役などの業務執行から独立した立場にある者ならびに海外居住者を除く。以下、「本制度対象役員」という。)を対象に、株主の皆様との利益共有意識を強化するとともに、持続的な成長と中長期的な企業価値向上へのコミットメントを示すことを目的とし、業績連動型株式報酬制度として、持分決済型の役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託を採用しております。
本制度対象役員は、毎年、役位などに応じた一定のポイント数(1ポイント=1株)の付与を受け、当該ポイントが当社の中長期的な業績目標の達成度等に応じて変動します。権利確定条件は、原則として、ポイントの付与日から3年経過後の権利確定日まで勤続していることとなっております。
なお、当社は2023年3月期から譲渡制限付株式報酬制度を導入したことにともない、業績連動型株式報酬制度については、今後追加拠出を行わないものとし、既に付与済みのポイントに係る当社普通株式および当該普通株式の換価処分金相当額の金銭の交付および給付が完了次第、終了を予定しております。
(3)株式報酬費用
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
譲渡制限付株式報酬 |
151 |
169 |
業績連動型株式報酬 |
28 |
26 |
合計 |
180 |
195 |
34.金融商品
(1)資本管理
エプソンは、資金運用については資金の保全を前提とした上で、安全性および流動性を考慮し、資金効率を最も高められる運用手段を適宜選択しております。また資金調達については、現在、銀行借入および社債等によって行っております。デリバティブは後述するリスクを回避するために利用しており、投機的な取引は行わない方針であります。
エプソンは、有利子負債から現金及び現金同等物を控除した純有利子負債、および資本(親会社の所有者に帰属する持分)を管理対象としており、各残高は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
有利子負債 |
233,281 |
204,783 |
現金及び現金同等物 |
△267,380 |
△328,481 |
純有利子負債 |
△34,098 |
△123,697 |
資本(親会社の所有者に帰属する持分) |
727,352 |
810,992 |
エプソンは、財務の健全性・柔軟性および資本収益性のバランスある資本構成を維持するため財務指標のモニタリングを行っております。財務の健全性・柔軟性については格付け、資本収益性についてはROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)ならびにROIC(投下資本利益率)を内外環境の変化を注視しながら適宜モニタリングしております。
(2)リスク管理に関する事項
エプソンは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・為替リスク・金利リスク・市場価格の変動リスク)に晒されており、当該リスクを回避または低減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っております。また、当社財務部門は、主要な財務上のリスク管理の状況について、定期的に当社の経営会議に報告しております。
また、エプソンの方針として、デリバティブは、実需取引のリスク緩和を目的とした取引に限定しており、投機目的やトレーディング目的の取引は行っておりません。
(3)信用リスク
エプソンの営業活動から生ずる債権である受取手形及び売掛金は、顧客の信用リスクに晒されております。
また、主に、余資運用のためまたは政策的な目的のため保有している株式・債券等は、発行体の信用リスクに晒されております。
さらに、エプソンが為替変動リスクおよび金利変動リスクをヘッジする目的で行っているデリバティブ取引については、これら取引の相手方である金融機関の信用リスクに晒されております。
エプソンは、債権管理規程に基づき、営業債権について、取引先の信用リスクの発生を未然に防止すべく、与信限度額または取引条件を定めることを原則としております。また、回収懸念の軽減を図るべく日常的に取引先ごとの残高管理を行うとともに、当社財務部門は、定期的に、不良債権の発生とその回収状況を把握し、集約した結果を当社の経営会議に報告しております。
エプソンは、余資運用・デリバティブ取引について、信用リスクの発生を未然に防止すべく、資金管理規程に基づき、一定の格付基準を満たす債券等での運用、あるいは高い格付を有する金融機関との取引を基本としております。また、当社財務部門は、定期的に、これらの取引の実績を把握し、集約した結果を当社の経営会議に報告しております。
連結財政状態計算書に表示されている金融資産の帳簿価額は、エプソンの金融資産の信用リスクに係るエクスポージャーの最大値であります。また、特定の取引先について、重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を有する信用リスクの過度の集中はありません。なお、信用リスクに係るエクスポージャーに関し、担保として保有する物件およびその他の信用補完するものはありません。
金融資産に係る減損については、予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しております。予想信用損失の見積りにあたっては、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しております。信用リスクが著しく増大しているか否かについては、債務不履行発生のリスクの変動に基づいて判断しており、その判断にあたっては、内部信用格付や、取引先の財政状況、期日経過等の契約違反の有無等を考慮しております。
エプソンの金融資産の大部分を占める営業債権等に対する貸倒引当金の計上にあたっては、全期間の予想信用損失を過去の実績率等に基づき集合的に測定しておりますが、取引先が深刻な財政困難にある場合や破産、著しい延滞等の客観的証拠がある場合は、当該金融資産に信用減損が発生しているものと判断し、個別に予想信用損失を測定しております。なお、ある金融資産の全部または一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合には、当該金融資産の総額での帳簿価額を直接減額しております。
これらの金融資産に係る貸倒引当金は、連結財政状態計算書上、売上債権及びその他の債権およびその他の金融資産に含まれております。
売上債権及びその他の債権およびその他の金融資産の貸倒引当金の増減は、以下のとおりであります。なお、前連結会計年度および当連結会計年度において、貸倒引当金の変動に影響を与えるような総額での帳簿価額の著しい増減はありません。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
期首残高 |
1,209 |
1,104 |
期中増加額 |
430 |
487 |
期中減少額(目的使用) |
△213 |
△358 |
期中減少額(戻入) |
△497 |
△323 |
その他の増減 |
174 |
137 |
期末残高 |
1,104 |
1,047 |
(4)流動性リスク
エプソンは、借入金、社債等により資金を調達しておりますが、それら負債は、資金調達環境の悪化などにより支払期日にその支払を実行できなくなる流動性リスクに晒されております。
エプソンは、年度事業計画に基づく資金調達計画を策定するとともに、当社財務部門は、定期的に、手許流動性および有利子負債の状況等を把握・集約し、当社の経営会議に報告しております。エプソンは、適時に資金繰計画を作成・更新することにより、手許流動性を適正に維持し、さらに外部金融環境等も勘案したうえで、流動性リスクを管理しております。
金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年3月31日) (単位:百万円)
|
帳簿価額 |
契約上のキャッシュ・フロー |
1年以内 |
1年超 2年以内 |
2年超 3年以内 |
3年超 4年以内 |
4年超 5年以内 |
5年超 |
非デリバティブ金融負債 |
|
|
|
|
|
|
|
|
仕入債務及びその他の債務 |
159,658 |
159,658 |
159,658 |
- |
- |
- |
- |
- |
借入金 |
48,467 |
48,500 |
- |
9,000 |
30,000 |
500 |
9,000 |
- |
社債 |
149,689 |
150,000 |
30,000 |
10,000 |
40,000 |
20,000 |
10,000 |
40,000 |
リース負債 |
35,124 |
37,256 |
8,981 |
7,530 |
5,739 |
3,997 |
3,122 |
7,884 |
その他 |
4,089 |
4,010 |
371 |
494 |
7 |
297 |
1,018 |
1,820 |
合計 |
397,029 |
399,425 |
199,012 |
27,025 |
75,746 |
24,794 |
23,141 |
49,704 |
デリバティブ金融負債 |
|
|
|
|
|
|
|
|
為替予約取引 |
2,715 |
2,715 |
2,715 |
- |
- |
- |
- |
- |
通貨オプション取引 |
249 |
249 |
249 |
- |
- |
- |
- |
- |
合計 |
2,965 |
2,965 |
2,965 |
- |
- |
- |
- |
- |
当連結会計年度(2024年3月31日) (単位:百万円)
|
帳簿価額 |
契約上のキャッシュ・フロー |
1年以内 |
1年超 2年以内 |
2年超 3年以内 |
3年超 4年以内 |
4年超 5年以内 |
5年超 |
非デリバティブ金融負債 |
|
|
|
|
|
|
|
|
仕入債務及びその他の債務 |
159,827 |
159,827 |
159,827 |
- |
- |
- |
- |
- |
借入金 |
49,070 |
49,089 |
9,589 |
30,000 |
500 |
9,000 |
- |
- |
社債 |
119,781 |
120,000 |
10,000 |
40,000 |
20,000 |
10,000 |
- |
40,000 |
リース負債 |
35,932 |
38,702 |
10,711 |
8,295 |
5,900 |
3,922 |
2,755 |
7,116 |
その他 |
5,406 |
5,237 |
150 |
742 |
18 |
1,664 |
428 |
2,233 |
合計 |
370,017 |
372,857 |
190,278 |
79,037 |
26,419 |
24,587 |
3,183 |
49,349 |
デリバティブ金融負債 |
|
|
|
|
|
|
|
|
為替予約取引 |
2,581 |
2,581 |
2,581 |
- |
- |
- |
- |
- |
通貨オプション取引 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
合計 |
2,581 |
2,581 |
2,581 |
- |
- |
- |
- |
- |
(5)為替リスク
エプソンは、グローバルに事業を展開していることから、為替変動を起因として、主に以下のリスクに晒されております。
① エプソンの各機能通貨とは異なる通貨による外部取引および、配当の受け渡しを含むグループ内取引の結果、エプソンの各機能通貨建ての損益およびキャッシュ・フローが為替変動の影響を受けるリスク
② エプソンの各機能通貨建ての資本を日本円に換算し連結する際に、エプソンの資本が為替変動の影響を受けるリスク
③ エプソンの各機能通貨建ての損益を日本円に換算し連結する際に、エプソンの損益が為替変動の影響を受けるリスク
①のリスクに対しては、将来キャッシュ・フローを予測した時点または債権債務確定時点において、デリバティブ等を利用したヘッジを行っております。原則として外貨建て営業債権債務をネットしたポジションについて主に為替予約を利用してヘッジしております。②および③のリスクに対しては、原則としてヘッジは行っておりません。
エプソンは、為替変動を起因とする上記リスクを緩和すべく、為替管理規程に基づき、為替相場の現状および見通しに基づいて外国為替ヘッジ方針を策定し、当社の為替管理委員会の管理監督の下で上記ヘッジを実行し、当社財務部門は、定期的にその実績を当社の経営会議に報告しております。
通貨デリバティブの詳細は、以下のとおりであります。
ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
前連結会計年度(2023年3月31日) (単位:百万円)
|
契約額等 |
うち1年超 |
帳簿価額 |
平均レート |
||
資産 |
負債 |
|||||
為替予約取引 |
|
|
|
|
|
|
売建 |
|
|
|
|
|
|
ユーロ(円買) |
11,244 |
- |
- |
345 |
140.67 |
円/ユーロ |
豪ドル(円買) |
3,382 |
- |
83 |
- |
91.25 |
円/豪ドル |
人民元(米ドル買) |
17,014 |
- |
- |
211 |
0.14 |
米ドル/人民元 |
直物為替先渡取引(NDF) |
|
|
|
|
|
|
売建 |
|
|
|
|
|
|
インド・ルピー(米ドル買) |
3,999 |
- |
- |
31 |
0.01 |
米ドル/インド・ルピー |
台湾ドル(米ドル買) |
2,876 |
- |
4 |
- |
0.03 |
米ドル/台湾ドル |
韓国ウォン(米ドル買) |
402 |
- |
- |
23 |
0.00 |
米ドル/韓国ウォン |
通貨オプション取引(注) |
|
|
|
|
|
|
売建・買建 |
|
|
|
|
|
|
ユーロ(円買) |
4,305 |
- |
- |
217 |
136.81 |
円/ユーロ |
合計 |
43,225 |
- |
87 |
829 |
|
|
当連結会計年度(2024年3月31日) (単位:百万円)
|
契約額等 |
うち1年超 |
帳簿価額 |
平均レート |
||
資産 |
負債 |
|||||
為替予約取引 |
|
|
|
|
|
|
売建 |
|
|
|
|
|
|
ユーロ(円買) |
18,708 |
- |
- |
1,056 |
153.83 |
円/ユーロ |
豪ドル(円買) |
2,729 |
- |
- |
206 |
91.06 |
円/豪ドル |
人民元(米ドル買) |
8,858 |
- |
88 |
- |
0.14 |
米ドル/人民元 |
直物為替先渡取引(NDF) |
|
|
|
|
|
|
売建 |
|
|
|
|
|
|
インド・ルピー(米ドル買) |
5,446 |
- |
- |
27 |
0.01 |
米ドル/インド・ルピー |
台湾ドル(米ドル買) |
2,339 |
- |
59 |
- |
0.03 |
米ドル/台湾ドル |
韓国ウォン(米ドル買) |
1,156 |
- |
39 |
- |
0.00 |
米ドル/韓国ウォン |
通貨オプション取引(注) |
|
|
|
|
|
|
売建・買建 |
|
|
|
|
|
|
ユーロ(円買) |
- |
- |
- |
- |
- |
|
合計 |
39,238 |
- |
187 |
1,291 |
|
|
(注)通貨オプション取引はゼロコストオプションであり、コールオプションおよびプットオプションが一体の契約のため、一括して記載しております。
ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引
前連結会計年度(2023年3月31日) (単位:百万円)
|
契約額等 |
うち1年超 |
帳簿価額(注1) |
平均レート |
||
資産 |
負債 |
|||||
為替予約取引 |
|
|
|
|
|
|
売建 |
|
|
|
|
|
|
ユーロ(円買) |
52,184 |
- |
- |
1,325 |
140.01 |
円/ユーロ |
豪ドル(円買) |
4,538 |
- |
22 |
- |
88.30 |
円/豪ドル |
人民元(米ドル買) |
29,020 |
- |
- |
293 |
0.15 |
米ドル/人民元 |
直物為替先渡取引(NDF) |
|
|
|
|
|
|
売建 |
|
|
|
|
|
|
インド・ルピー(米ドル買) |
10,383 |
- |
- |
99 |
0.01 |
米ドル/インド・ルピー |
台湾ドル(米ドル買) |
2,968 |
- |
- |
8 |
0.03 |
米ドル/台湾ドル |
韓国ウォン(米ドル買) |
4,616 |
- |
- |
10 |
0.00 |
米ドル/韓国ウォン |
通貨オプション取引(注2) |
|
|
|
|
|
|
売建・買建 |
|
|
|
|
|
|
ユーロ(円買) |
829 |
- |
- |
32 |
138.54 |
円/ユーロ |
合計 |
104,542 |
- |
22 |
1,770 |
|
|
当連結会計年度(2024年3月31日) (単位:百万円)
|
契約額等 |
うち1年超 |
帳簿価額(注1) |
平均レート |
||
資産 |
負債 |
|||||
為替予約取引 |
|
|
|
|
|
|
売建 |
|
|
|
|
|
|
ユーロ(円買) |
46,335 |
- |
- |
1,115 |
156.88 |
円/ユーロ |
豪ドル(円買) |
4,199 |
- |
- |
95 |
94.41 |
円/豪ドル |
人民元(米ドル買) |
30,752 |
- |
212 |
- |
0.14 |
米ドル/人民元 |
直物為替先渡取引(NDF) |
|
|
|
|
|
|
売建 |
|
|
|
|
|
|
インド・ルピー(米ドル買) |
10,980 |
- |
- |
18 |
0.01 |
米ドル/インド・ルピー |
台湾ドル(米ドル買) |
3,650 |
- |
94 |
- |
0.03 |
米ドル/台湾ドル |
韓国ウォン(米ドル買) |
4,649 |
- |
94 |
- |
0.00 |
米ドル/韓国ウォン |
通貨オプション取引(注2) |
|
|
|
|
|
|
売建・買建 |
|
|
|
|
|
|
ユーロ(円買) |
- |
- |
- |
- |
- |
|
合計 |
100,569 |
- |
401 |
1,230 |
|
|
(注1)キャッシュ・フロー・ヘッジの適用により、連結財政状態計算書において「その他の金融資産」または「その他の金融負債」に公正価値で計上しております。
(注2)通貨オプション取引はゼロコストオプションであり、コールオプションおよびプットオプションが一体の契約のため、一括して記載しております。
為替感応度分析
エプソンが当連結会計年度末において保有する金融商品において、機能通貨に対して、機能通貨以外の各通貨が10%増価した場合の連結包括利益計算書の税引前利益に与える影響は、以下のとおりであります。
なお、機能通貨建ての金融商品、在外営業活動体の資産および負債、ならびに収益および費用を円貨に換算する際の影響は含んでおりません。また、算定に使用した各通貨以外の通貨は変動しないことを前提としております。
(単位:百万円)
|
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
税引前利益 |
14,734 |
(6)金利リスク
エプソンの金利リスクは、現金同等物等および有利子負債から生じます。借入金および社債のうち、変動金利によるものは、市場金利の変動による将来キャッシュ・フローの変動の影響を受ける可能性があります。固定金利によるものは、市場金利の変動による公正価値の変動の影響を受ける可能性があります。
エプソンは、市場金利の変動に対応して、金利スワップ取引の利用や、資金調達の変動金利・固定金利の適切な割合調整を行うことで、金利リスクを抑制しております。なお、金利スワップ取引等につきましては、資金管理規程に基づき、財務担当役員による承認を受けたうえで、実行しております。
金利感応度分析
エプソンが当連結会計年度末において保有する金融商品において、金利が100bp上昇した場合の連結包括利益計算書の税引前利益に与える影響は、以下のとおりであります。
金利変動の影響を受ける金融商品を対象としており、為替変動の影響等その他の要因は一定であることを前提としております。
(単位:百万円)
|
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
税引前利益 |
710 |
(7)市場価格の変動リスク
エプソンは、投資有価証券について、定期的に時価や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、また取引先企業との関係を勘案して、保有状況を継続的に見直しております。なお、短期売買目的で保有する資本性金融商品はなく、政策投資目的で保有しているため、活発に売却することはしておりません。
エプソンは、株価変動リスクについて当連結会計年度末の資本性金融商品の価格を基礎に計算しております。株価が5%上昇または下落した場合には、その他の包括利益(税効果考慮前)は、公正価値の変動により2024年3月31日現在の金額から1,007百万円増減いたします。
(8)公正価値
① 公正価値の算定方法
金融商品の公正価値は、以下のとおり算定しております。
(デリバティブ)
取引先金融機関等から提示された価格等に基づき算定しております。
(株式および債券)
市場価格が入手できる場合は、市場価格を用いております。市場価格が入手できない金融商品の公正価値は、入手可能なデータ等を勘案し、類似企業の直近取引価格および将来キャッシュ・フローを割り引く方法等の評価方法により見積っております。
(借入金)
短期借入金は、短期間で決済されるため公正価値は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によっております。長期借入金のうち変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映し、また、エプソンの信用状態は実行後大きく異なっていないことから、公正価値は帳簿価額と近似していると考えられるため、当該帳簿価額によっております。なお、固定金利によるものは、当該長期借入金の元利金の合計額を新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。
(社債)
当社の発行する社債の公正価値は、取引先金融機関から提示された価格等に基づき算定しております。
② 公正価値ヒエラルキー
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、レベル1からレベル3までを以下のように分類しております。
レベル1: 活発な市場における公表価格により測定された公正価値
レベル2: レベル1以外の、観察可能な価格を直接または間接的に使用して算出された公正価値
レベル3: 観察可能な市場データに基づかないインプットを含む、評価技法から算出された公正価値
エプソンは、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替を、各連結会計年度の末日に発生したものとして認識しております。
(ⅰ)償却原価で測定する金融商品
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値ヒエラルキーに基づくレベル別分類は、以下のとおりであります。なお、以下の表に表示されていない償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値は近似しております。
前連結会計年度(2023年3月31日) (単位:百万円)
|
帳簿価額 |
公正価値 |
|||
レベル1 |
レベル2 |
レベル3 |
合計 |
||
償却原価で測定する金融負債 |
|
|
|
|
|
借入金 |
48,467 |
- |
48,362 |
- |
48,362 |
社債 |
149,689 |
- |
148,960 |
- |
148,960 |
合計 |
198,157 |
- |
197,322 |
- |
197,322 |
当連結会計年度(2024年3月31日) (単位:百万円)
|
帳簿価額 |
公正価値 |
|||
レベル1 |
レベル2 |
レベル3 |
合計 |
||
償却原価で測定する金融負債 |
|
|
|
|
|
借入金 |
49,070 |
- |
48,963 |
- |
48,963 |
社債 |
119,781 |
- |
118,571 |
- |
118,571 |
合計 |
168,851 |
- |
167,534 |
- |
167,534 |
借入金、社債には1年以内返済予定または償還予定の残高を含めて表示しております。
(ⅱ)公正価値で測定する金融商品
公正価値で測定する金融商品の公正価値のヒエラルキーに基づくレベル別分類は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年3月31日) (単位:百万円)
|
公正価値 |
|||
レベル1 |
レベル2 |
レベル3 |
合計 |
|
公正価値で測定する金融資産 |
|
|
|
|
デリバティブ資産 |
- |
475 |
- |
475 |
株式 |
10,828 |
- |
5,351 |
16,180 |
債券 |
- |
- |
- |
- |
合計 |
10,828 |
475 |
5,351 |
16,656 |
公正価値で測定する金融負債 |
|
|
|
|
デリバティブ負債 |
- |
2,965 |
- |
2,965 |
合計 |
- |
2,965 |
- |
2,965 |
当連結会計年度(2024年3月31日) (単位:百万円)
|
公正価値 |
|||
レベル1 |
レベル2 |
レベル3 |
合計 |
|
公正価値で測定する金融資産 |
|
|
|
|
デリバティブ資産 |
- |
649 |
- |
649 |
株式 |
12,623 |
- |
7,529 |
20,153 |
債券 |
- |
- |
151 |
151 |
合計 |
12,623 |
649 |
7,681 |
20,953 |
公正価値で測定する金融負債 |
|
|
|
|
デリバティブ負債 |
- |
2,581 |
- |
2,581 |
合計 |
- |
2,581 |
- |
2,581 |
前連結会計年度および当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間の振替が行われた金融商品はありません。
レベル3に分類された金融商品の増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
期首残高 |
3,795 |
5,351 |
利得及び損失 |
|
|
純損益(注) |
- |
16 |
その他の包括利益 |
878 |
941 |
購入 |
827 |
1,371 |
売却 |
△150 |
- |
期末残高 |
5,351 |
7,681 |
(注)連結包括利益計算書の「その他の営業収益」および「その他の営業費用」に含まれております。
35.重要な子会社
重要な子会社については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりであります。
36.関連当事者
当社グループの子会社は当社の関連当事者でありますが、子会社との取引は連結財務諸表上消去されているため、開示しておりません。当社および当社の連結子会社とそのほかの関連当事者との間に重要な取引はありません。
主要な経営幹部に対する報酬は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
短期報酬 |
397 |
303 |
株式報酬 |
47 |
51 |
合計 |
445 |
355 |
(注)報酬と株主価値との連動性を高める観点から役員持株会制度を導入しており、任意で短期報酬の一部を当社株式の取得に充てております。
37.コミットメント
決算日以降の資産の取得に係るコミットメントは、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
前連結会計年度 (2023年3月31日) |
当連結会計年度 (2024年3月31日) |
有形固定資産の取得 |
12,614 |
14,156 |
無形資産の取得 |
1,393 |
1,338 |
合計 |
14,007 |
15,495 |
38.偶発事象
重要な訴訟
訴訟については、一般的に不確実性を含んでおり、経済的便益の流出可能性についての信頼に足る財務上の影響額の見積りは困難です。経済的便益の流出可能性が高くない、または財務上の影響額の見積りが不可能な場合には引当金は計上しておりません。
エプソンに係争している重要な訴訟は、以下のとおりであります。
(インクジェットプリンターの著作権料に関する民事訴訟)
当社の連結子会社であるEpson Europe B.V.(以下「EEB」という。)は、2010年6月にベルギーにおける著作権料徴収団体であるLa SCRL REPROBELに対して、マルチファンクションプリンターに関する著作権料の返還などを求める民事訴訟を提起しました。その後、La SCRL REPROBELがEEBを提訴したことにより、これら二つの訴訟は併合され、かかる訴訟の第1審ではEEBの主張を棄却する判決がなされましたが、EEBは、これを不服として上訴する方針です。
39.後発事象
(自己株式の取得)
当社は、2024年4月26日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式取得(以下、「本取得」という。)に係る事項を決議いたしました。
(1)本取得を行う理由
資本効率のさらなる向上および積極的な株主還元
(2)本取得に係る事項の内容
① 取得対象株式の種類 当社普通株式
② 取得し得る株式の総数 17,000,000株(上限)(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合5.12%)
③ 株式の取得価額の総額 30,000百万円(上限)
④ 取得期間 2024年7月18日~2025年3月31日
⑤ 取得方法 東京証券取引所における市場買付け(証券会社による取引一任方式)
なお、今回新たに取得する自己株式につきましては、今後、全株式を消却する方針であります。
(子会社の設立)
当社は、2024年5月16日開催の取締役会において、米国ハワイ州に自家保険会社(以下、「新会社」という。)を設立することを決議いたしました。
なお、新会社は、出資が完了しますと、資本金が当社の資本金の額の100分の10以上に相当し、当社の特定子会社に該当することになります。
(1)新会社設立の目的
更なるリスクコントロール強化と損害保険コスト上昇への対応
(2)設立する新会社の概要
① 名称 Epson Global Reinsurance, Inc.
② 所在地 米国ハワイ州
③ 代表者の役職・氏名 代表取締役社長 渡辺 潤一
④ 事業内容 エプソングループの再保険事業
⑤ 資本金 8,100百万円(予定)
⑥ 設立年月日 2024年9月2日(予定)
⑦ 出資者および出資比率 当社100%
⑧ 上場会社と新会社との関係 資本関係:当社の100%出資の子会社として設立いたします。
人的関係:当社執行役員2名および当社従業員1名が当該子会社の役員を兼務する予定です。
取引関係:新会社は、当社およびグループ企業に関する保険の引受けを行う予定です。
なお、新会社設立による連結財務諸表に与える影響は軽微であります。
40.連結財務諸表の承認
連結財務諸表は、2024年6月25日に当社代表取締役社長 小川 恭範および執行役員経営管理本部長 水上 昌治によって承認されております。
1.当連結会計年度における四半期情報等
(累計期間) |
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
当連結会計年度 |
売上収益(百万円) |
314,840 |
638,533 |
992,101 |
1,313,998 |
税引前四半期利益又は税引前利益 (百万円) |
28,273 |
38,363 |
59,644 |
70,094 |
親会社の所有者に帰属する 四半期(当期)利益(百万円) |
20,188 |
27,479 |
42,468 |
52,616 |
基本的1株当たり 四半期(当期)利益(円) |
60.90 |
82.88 |
128.08 |
158.68 |
(会計期間) |
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
基本的1株当たり四半期利益(円) |
60.90 |
21.99 |
45.20 |
30.60 |
2.重要な訴訟事件等
エプソンに関する重要な訴訟事件等については、「(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 38.偶発事象」に記載のとおりであります。