文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
経営の基本方針
当社は「独創の技術と最高の製品で世界に貢献する」という経営理念を掲げ、1946年の創業以来、世界中のお客様に最高の製品をお届けするとともに、スポーツを楽しむ人を一人でも増やすため、競技の普及発展に努めてきました。この創業の精神は、これから先も私たちが目指すべき姿として変わりません。一方で、人々の価値観やライフスタイルなどの大きな変化に対応し、よりグローバルに、より多くのお客様に製品やサービスを届けていくため、私たちのコアとして守るべきものを明確にすることが重要であるとの認識のもと、世界中のヨネックス社員が理解し同じ方向に進んでいくために、これまでの経営理念を「パーパス(存在意義)」と「ミッション(使命)」として改めて定義しました。
●パーパス(存在意義) 独創の技術と最高の製品で世界に貢献する
私たちは、創業当時から受け継がれる「ものづくり」の精神と最新の技術を融合させながら、長年にわたりお客様の最高のプレーを支える製品を生み出してきました。この創業の精神は、これから先も私たちの存在意義として変わりません。イノベーションを追求し、お客様の想像を超える製品をお届けすることで、世界に貢献していきます。
●ミッション(使命) スポーツと人、人と人をつなぎ、よりよい未来を創造する
私たちがより豊かな世界の実現に貢献していくための手段はスポーツです。そして、スポーツは平和に競い合える素晴らしいものです。世界中の人々にスポーツの楽しさをお届けし、より多くの人をスポーツでつないでいくこと。そして、スポーツと人、人と人とのつながりを深めていくことで、世界をつなぎ、よりよい未来を創っていきます。
私たちは、この「パーパス&ミッション」を実現するために、中長期ビジョン「グローバル成長戦略 Global Growth Strategy(GGS)」を推進し、スポーツを通じたよりよい未来の実現を目指してまいります。
中長期ビジョン「グローバル成長戦略 Global Growth Strategy(GGS)」
世界中の人々の価値観、ライフスタイルは大きな変化を続けています。人々の健康志向やスポーツの重要性はますます高まり、体を動かす喜び、スポーツを通して得られる人とのつながり等、その大きな力が再認識されている一方で、当社のお客様はさらにグローバルに広がり多様化しています。そうした外部環境とともに、当社の事業規模もこの数年で大きく変化し、2024年3月期の連結売上高116,442百万円は2020年3月期の61,967百万円と比べて87.9%増、海外売上高比率は52%から70%となり、会社の歴史を振り返っても例のない大きな変化を経験しています。
こうした環境において、今後中長期的に、より多くの世界中のお客様に製品やサービスを通じてスポーツの楽しさをお届けしていくために、またその基盤を作るための新たな戦略として、2023年5月に「中長期ビジョン グローバル成長戦略 Global Growth Strategy」を策定し、その戦略に沿った取り組みを推進しています。
地域構成
長く業績の大部分を担ってきた日本に加え、近年大きな成長を遂げた中国や台湾、韓国など東アジアの売上高比率が高まっている現状から、中長期的には東アジア地域を引き続き伸ばしながら、その他地域をさらに成長させることで地域別構成比をよりバランスの取れたものにしていきます。特に重点地域・分野としているのが北米のテニス事業とインドのバドミントン事業です。大きな潜在需要が見込まれる地域での取り組みを強化していきます。
マーケティングの再構築
ますます多様化する世界各地のお客様の嗜好、行動、価値観等を理解し、その知見を起点に製品開発、ものづくり、プロモーション、販売、フィードバックというサイクルをスムーズにかつ効果的に回していくための体制づくりを行っていきます。主要地域での徹底したリサーチ活動やお客様のセグメンテーションに基づき、それぞれのお客様に合わせた高品質の製品を提案することでファンを増やしていく仕組みを強化していきます。
DTCとデジタル戦略
お客様を理解し双方向のつながりを持つ重要な手段の一つとしてDTCを位置づけています。当社の強みである選手のサポートや販促活動の現場でお客様の声を直接聞くことや店舗でのサービス、それらリアルのつながりに加えて、SNSやデジタルツールを活用しながら様々な形でお客様やプレーヤーとつながる「ヨネックスのDTCエコシステム」を構築します。
IT変革
国内で導入したグローバル標準の新基幹システムを海外子会社へ順次導入し、効率的な生産販売体制の構築をグローバルで進めています。加えて、グローバル成長戦略(GGS)の推進に向けて事業に関わる様々な分野、そしてグループ全体のIT変革を目指し「GGS IT変革プログラム」をスタートし、ヨネックスグループ全体としてのIT戦略とロードマップを策定し進めていきます。外部環境、当社の事業規模の変化を乗り越えさらにお客様を増やしていくために不可欠な変革と位置づけ、グループ全体で推進に注力します。
ものづくりの進化
さまざまな層のプレーヤーのニーズに応えるものづくりの体制構築の一環として新潟県長岡市に竣工を予定している新研究開発施設「Yonex Performance Innovation Center」を、同敷地内に建設中の新工場とともに、先進的な研究開発と製造を結び付けたより高度なものづくりの拠点とします。また、Made by Yonexの品質を備えた世界の製造拠点の強化に取り組み、台湾、タイ、インドの自社工場や様々な地域の協力工場における高品質なものづくりを行い、お客様のニーズによりタイムリーにお応えする体制としていきます。
<コーポレートカルチャー(企業文化)の進化>
グローバル成長戦略を成功させるための原動力である「人財」が力を発揮するためのカギとなる「コーポレートカルチャーの進化」を最重要課題と位置づけています。目指すカルチャーを「世界のお客様のために楽しみながら競い合う会社」と表現し、それに沿った価値観と行動の浸透、制度、プログラム等の導入に取り組みながら様々な活動を行っています。
具体的には、経営理念を「パーパス&ミッション」として再定義するにあたり、国内拠点の社員を中心に「パーパスとは何か、ミッションとは何か」から考えるための「パーパス&ミッションワークショップ」の実施や、オールハンズミーティング(全社集会)、日常的には社内ブログやビデオメッセージなどでの社長やその他の部門からの発信などを行っています。これからも継続的に、また新たな活動や仕組みの導入も行いながらカルチャーの進化に取り組んでいきます。
<資本配分>
グローバル成長戦略(GGS)の推進に伴う投資を含めた資本配分については、以下図の通りを計画しています。事業から創出される営業キャッシュ・フローおよび金融機関からの借入等の外部資金を有効に活用し、成長投資と長期安定的な株主還元に配分してまいります。
資本配分計画(GGS策定後:2024年3月期~2026年3月期)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社では、2019年11月に「ヨネックスのサステナビリティ」という方針・考え方を取締役会で決議し、経営理念を基本に、考え方を4つの柱に定めています。
ヨネックスのサステナビリティ(方針・考え方)
パーパス(存在意義) 独創の技術と最高の製品で世界に貢献する
ミッション(使命) スポーツと人、人と人をつなぎ、よりよい未来を創造する
●いいものづくり
当社は1946年に創業し、時代が多様に変化する中、世界中のお客様に最高の製品を提供することで、スポーツの喜びと感動をお届けするべく活動しています。また、環境に優しく安心・安全にご使用いただける製品の開発・生産を目指し、地球環境の保全と品質向上を推進しています。パーパス&ミッションにもとづく「いいものづくり」は当社の事業活動に携わるすべての人の努力が結集して初めて完成します。その製品がスポーツを通じて人々の健康や、社会を元気にすることにつながっていきます。
●グローバルな競技の普及・発展
スポーツの素晴らしさは国境や言語、性別や年齢を超えて私たちが共有できるものです。当社はスポーツ用品メーカーとして、スポーツの楽しさを世界の人々にお伝えし、競技の普及・発展に努めるとともに、地域の活性化、多様性の尊重や、健全で豊かな人間形成に貢献していきます。
●人権とダイバーシティ
国境、言語、性別、年齢、障がいの有無を超えて人々をつなぐ力を持つスポーツに携わる企業として、すべての人の人権を尊重し、さまざまな国籍、性別、年齢の人々が、その個性を活かしながら活躍できる場をつくります。そして多様な意見の集合を事業成長の原動力として活かしていきます。
●すべてのステークホルダーとの協働
当社はパーパス&ミッションの実現を追求し、製品やサービスの提供による新たな価値の創造を通じて、サステナビリティの観点からも社会課題の解決に貢献すべく活動していきます。そして100年先も社会から必要とされる企業であるために、当社を支える「お客様」「お取引先」「従業員」「地域社会」「株主・投資家」に、「将来世代」を加えた6つのステークホルダーとのかかわりを大切にしてまいります。これまでも当社は国内外でジュニアクリニックやプロジェクト等を通じ、子供たちの心身の健やかな成長と未来を応援してまいりました。次世代を担っていく子供たちに必要とされる企業であるよう、今後も当社の事業活動を通じてすべてのステークホルダーの方々との対話を深め、持続可能な社会の発展に資する企業を目指してまいります。
(1)ガバナンス
サステナビリティ推進体制として、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置し、その傘下に「環境」「サプライチェーン」「ダイバーシティ」の3つのワーキンググループを設けています。また、各ワーキンググループ内には個別の課題ごとのサブグループを作り、具体的に取り組みを進める体制としています。
委員会の事務局はコーポレートコミュニケーション部が担い、委員は各ワーキンググループ、サブグループのリーダー、サブリーダーによって構成されています。各ワーキンググループにはそれぞれの課題に関連する部門から、社内横断的に多様なメンバーが参加していることで、事業現場におけるリスクと機会を把握しやすい体制としています。
グループ全体のサステナビリティ課題に対する取り組みや、目標とすべき指標等についても議論を行い、取締役会に報告、提案を行います。そして重要な方針については取締役会で検討、議論、決議を実施します。
(ご参考)サステナビリティ推進体制
(2)戦略
●環境
当社では、これまで環境目標として2030年に向けたCO2排出量削減目標を掲げておりましたが、新たに2050年までの環境ビジョンを設定しました。当社のコーポレートカラーにちなんで「ブルーの空とグリーンの大地、そしてスポーツの未来のために」を掲げ、「脱炭素」「廃棄物」「エコ設計」を三つの柱として2050年の目指す姿とそれに向けての2030年の目標・アクションプランを定めています。
今後上記ビジョンに沿って自社拠点での再生可能エネルギー比率100%を目指すとともに、現在算定を進めているスコープ3の排出量削減にも取り組みます。
エコ設計についても、環境負荷の少ないシューズボックスへの切り替えや、テニスラケットの付属ケースの廃止と環境配慮素材のカバーへの切り替えなど、包装の簡素化、環境負荷低減素材への切り替えも実施しています。
●サプライチェーン
持続可能なサプライチェーンの構築に向け、当社は法令遵守や人権の尊重、安全衛生の整備、環境への配慮などの取り組みの基準を「ヨネックス サプライヤー・サステナビリティ・ガイドライン」に定め、世界各国のサプライヤーへ配布し、ガイドラインの遵守と適切な取り組みを要請しています。
なかでも化学物質については、安全な製品の提供と環境負担軽減のため、サプライヤーとともに化学物質を適切に管理するための取り組みを進めております。
引き続きサプライヤーとのコミュニケーションに努め、持続可能なサプライチェーンの構築に取り組みます。
●人財/ダイバーシティ
当社はグローバル成長戦略(GGS)を成功させる原動力である「人財」が力を発揮するために、「コーポレートカルチャーの進化」を最重要課題と位置づけています。
目指すカルチャーを「世界のお客様のために楽しみながら競い合う会社」と表現し、その目指すカルチャーに不可欠な要素のひとつをDE&I ダイバーシティ(多様性)・エクイティ(公正性)・インクルージョン(受け入れること)と位置づけ、女性活躍はもちろん、様々な年齢、国籍、価値観を持つ人財が最大限の能力を発揮できる組織にするための取り組みを進めております。社員によるワーキンググループの活動を通して、社員一人ひとりが尊重され、自分らしく働ける環境を醸成し、魅力的な企業にすることをパーパスとして、DE&Iの啓発活動や取り組みを通して多様性を受容できる環境を作っていきます。
なお、単体の女性管理職比率は2030年度の目標30%に対し、当期末時点で23.5%、国内における外国籍社員も44名となり2019年度の28名と比べて57%増加するなど、実際の取り組みも進捗しています。
(3)リスク管理
サステナビリティ関連のリスクと機会については、社内各部門に所属するサステナビリティ委員会のメンバー及び事務局において、事業活動をはじめとする様々な場面における情報を収集、取得し、それを取締役会に報告、議論することで、経営戦略を踏まえた取り組みについての検討や意思決定を行っています。
(4)指標及び目標
●環境
ヨネックス 環境ビジョン2050
「ブルーの空とグリーンの大地、そしてスポーツの未来のために」
脱炭素
2050年:サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルを目指す
2030年:
・スコープ1・2のCO2排出量を2016年比で50%削減
・自社拠点の再生可能エネルギー比率100%を目指す
廃棄物
2050年:自社製造拠点における埋立廃棄物排出実質ゼロ
2030年:自社製造拠点の埋立廃棄物を2016年度比で50%削減
エコ設計
2050年:
・ウェア・シューズ・バッグにおけるサステナブル素材使用モデル比率100%
・包装資材のプラスチック使用量ゼロ
2030年:
・ウェア・シューズ・バッグにおけるサステナブル素材使用モデル比率50%
・包装の簡素化、環境負荷低減素材への切り替え
・商品回収システム、3R(Reduce, Reuse, Recycle)の推進
●ダイバーシティ/人財
当社は、多様な社員が能力を最大限に発揮し活躍できる企業を目指し、女性だけでなく、さまざまな年齢、国籍、性別、価値観を持つ人財が活かされる組織作りを目指しています。
① 役員に占める女性の割合
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2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
取締役 |
12.5% (8名中1名) |
12.5% (8名中1名) |
25.0% |
28.6% (7名中2名) |
25.0% |
監査役 |
33.3% (3名中1名) |
33.3% (3名中1名) |
33.3% (3名中1名) |
33.3% (3名中1名) |
33.3% (3名中1名) |
執行役員 |
15.4% |
15.4% |
16.7% |
18.2% |
28.6% |
② 女性管理職比率(単体における課長以上の割合)
目標
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2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
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16.0% |
16.1% |
18.6% |
21.8% |
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※将来の管理職候補(係長、班長、主任)の女性比率:35.9%
③ 単体における外国籍社員の人数と管理職比率
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2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
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28名 |
26名 |
25名 |
35名 |
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1.2% |
1.2% |
2.1% |
2.5% |
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④ 単体における中途採用者の管理職比率
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2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
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19.1% |
26.2% |
28.7% |
28.7% |
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サステナビリティ、人財に関する取り組みの詳細は当社ホームページをご参照ください。
https://www.yonex.co.jp/company/esg/
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業環境に関するリスク(人口動態、競争環境、消費者の購買行動や嗜好の変化)
今後のスポーツ用品事業について、国内は中長期的な少子高齢化による人口の減少が予測されます。当社グループの一部製品については、国内における若年層の学校体育及びクラブ活動が主要な需要を担っているものがあり、若年層の人口減少による需要減少で売上・利益が減少する可能性があります。
海外については国や地域によって事業環境が異なり、国内同様、少子高齢化や市場の成熟によって需要の大きな伸びが見込めない地域と、今後の人口増加、所得水準の向上、競技の普及により市場の拡大が見込まれる地域が混在しています。
市場の成熟が見られる地域では、お客様の購買行動や嗜好の変化のスピードが加速しており、素早くその変化を捉えてお客様の期待や予想を超える製品を提案することが必要です。それらに対応できない場合、また競合他社に遅れを取った場合、当社の売上・利益が減少する可能性があります。市場の拡大が見込まれる地域においては、当社のお客様を大きく増やす機会がある一方、平均的な購買単価が低いため参入障壁が低く、競争が激化する可能性があります。
(2)感染症、災害、事故等に関するリスク
当社の事業はスポーツ用品の中でも競技に特化した製品が中心となっており、スポーツ活動自体が消費と密接に結びついているため、感染症によるパンデミック、地震や洪水等の大規模自然災害、事故、紛争やテロ等が発生し人々の活動が停止した場合には、当社の販売市場の需要動向に大きな影響を受ける可能性があります。また自社や委託先の製造工場、倉庫や運送機関も含めたサプライチェーンが影響を受け、製造、販売を含めた当社事業全体が大きな影響を受ける可能性があります。
(3)販売構成に関するリスク
当社の事業はある特定の時期、地域において売上が大きく計上される事業上の特性があります。国内においては、学校体育やクラブ活動の需要が高まる4月以降に備えて、それに先立つ前期の第4四半期(1~3月)の売上が他の四半期に比べて大きく計上されます。また国内の売上自体の構成比も連結売上の約30%を占めております。
海外においてはバドミントン市場規模の大きい中国向けが、連結売上の約40%を占めております。
こうした販売構成の特徴により、売上構成比の大きな時期、もしくは地域で災害、事故等不測の事態、また該当地域において、法律の改正や規制の強化、政治的・社会的・経済的な混乱が起こった場合、また競争環境に大きな変化があった場合は、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(4)原材料調達、サプライチェーンに関するリスク
当社グループは国内外の仕入先から様々な原材料や商品の調達を行っており、原材料価格の高騰により当社の業績が影響を受ける可能性があります。また、大規模自然災害やパンデミック、倒産、ストライキ、事故、不法行為等により供給が停止あるいは遅延する場合、当社グループの生産、販売活動に重大な影響を与える可能性があります。
なお、サプライチェーンにおける環境面や人権等の社会面については、「ヨネックス サステナビリティ ガイドライン」を制定してサプライヤーに送付し周知を促すとともに、当ガイドラインをベースに取り組みを進めていますが、当社グループ及びそのサプライチェーンにおいて人権侵害等が発生した場合には、顧客や取引先の信用低下を招き、当社の調達、販売に影響を及ぼす可能性があります。
(5)為替レートの変動
当社グループの外貨建取引は為替レートの変動の影響を受けるため、業績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの主要な地域の販売活動は各国の子会社が行っており、各子会社における収益、費用、資産、負債等を含む現地通貨建の項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。為替レートの変動により、これらの項目は現地通貨での価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値に影響を及ぼす可能性があります。
(6)製品の品質に関するリスク
当社グループは、各工場で当社独自の品質管理基準に従って各種の製品を製造しております。しかし、将来に亘ってすべての製品について欠陥が無く、欠陥に伴う損失が発生しないという保証はありません。当社グループの製品に欠陥等が生じた場合には、当該欠陥等から生じた損害について責任を負う可能性があるとともに、当社グループの製品に対する信頼性が低下し、業績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)知的財産権に関するリスク
当社グループの製品は、バドミントンを中心にグローバルブランドとして一般に広く認知されております。一方で近年、中国、東南アジアを中心に当社製品の模倣品が年々増加しております。各国においても知的財産権について、法整備等に力を入れているところではありますが、未だ完全とは言えない状況にあります。当社グループの知的財産権を第三者が侵害し、当社ブランドの模倣品を製造・販売することを防止できない場合には、ブランド力の低下により、業績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、顧客等の個人情報や技術情報等の重要な機密情報を保有しております。これらの情報の外部への流出を防止するため、セキュリティシステムの強化や社員教育の徹底等の対策を講じておりますが、不測の事態によりこれらの情報が漏洩した場合、当社グループの企業価値の毀損、社会的信用の失墜、流出の影響を受けた顧客等への補償等により、業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(9)設備投資、買収等に関するリスク
当社グループは、自社工場を中心に設備投資を行っており、また、第三者との間で買収等を行っております。これらの設備投資や買収等の実施にあたっては、事前に収益性や回収可能性等の検討を行っておりますが、必ずしも期待したとおりの成果が得られる保証はありません。事業計画からの大幅な乖離や市場の変化等により、期待される投資の成果が得られない場合、固定資産の減損損失等が発生し、業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
当連結会計年度末の資産につきましては、91,226百万円となり、前連結会計年度末に比べて11,805百万円の増加となりました。その主な要因は、現金及び預金、有形固定資産、売掛金の増加及び商品及び製品の減少によるものであります。
当連結会計年度末の負債につきましては、30,325百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,004百万円の増加となりました。その主な要因は、短期借入金、長期借入金、未払法人税等の増加及び支払手形及び買掛金の減少によるものであります。
当連結会計年度末の純資産につきましては、60,901百万円となり、前連結会計年度末に比べて7,801百万円の増加となりました。その主な要因は、利益剰余金及び為替換算調整勘定の増加によるものであります。
②経営成績の状況
当連結会計年度は、各種大会の開催が戻りスポーツ活動が活発化していることに加え、当社の草の根販促活動も奏功しスポーツ需要が堅調に推移しました。また、当社契約選手の活躍や新製品の販売好調等、当社製品への注目も高まり、連結売上高は過去最高値を計上しました。海外子会社では前期に比べ為替が円安に推移したことで業績の円換算による上押し効果もあり、スポーツ用品事業の各地域セグメントで増収となりました。
利益については、増収に加え、主に日本セグメントにおける売上総利益率の改善により売上総利益が増加しました。販管費は、体制強化等による人件費の増加や、システム関連費用、さらなる競技のすそ野拡大に向けたグローバルでの広告宣伝費の増加に加え、円安による外貨建て費用の上昇もあり増加しました。しかし、売上総利益の増加が販管費の増加を上回り増益となりました。
以上のことから連結売上高は116,442百万円(前期比8.8%増)、営業利益は11,611百万円(前期比15.4%増)となりました。為替差益の発生等により経常利益は12,195百万円(前期比22.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,859百万円(前期比20.8%増)となりました。なお、当社現地法人(中国、台湾、北米、ドイツ、イギリス子会社及びインド、タイの製造子会社)は2023年1月から12月の業績を連結対象としており、2023年12月31日現在の財務諸表を使用しています。
当社は2023年5月に策定した「中長期ビジョン グローバル成長戦略 Global Growth Strategy (GGS)」をもとに、「マーケティングの再構築」「DTCとデジタル戦略」「IT変革」「ものづくりの進化」そしてこれらを実行していくための基礎となる「コーポレートカルチャー(企業文化)の進化」に向けて取り組みを進めております。
そして、グローバル成長戦略(GGS)に向けた取り組みを進めていく中で、改めて私たちのコアとして守るべきものを明確にし、世界中のヨネックス社員が同じ方向に進んでいくために、2024年4月に、これまで「経営理念」としていた「独創の技術と最高の製品で世界に貢献する」を「パーパス(存在意義)」に名称変更し、新たに「ミッション(使命)」として「スポーツと人、人と人をつなぎ、よりよい未来を創造する」を定めました。この「パーパス&ミッション」をもとに、引き続きグローバル成長戦略(GGS)を推進し、中長期でのさらなる成長を目指してまいります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
[スポーツ用品事業]
(日本)
国内では、バドミントン用品は引き続き需要が堅調なことに加え、第4四半期は3月に発売した新製品ラケットの好評もあり、増収となりました。テニス用品は、下期は回復が見られたものの、ここ数年の販売増加が一段落し、通期では微減収となりました。国内全体ではバドミントン用品の増収が寄与し増収となりました。
海外代理店向けは、大幅な伸びとなった前期と比べて伸び率は落ち着いているものの、引き続きバドミントン市場が活発なアジア地域を中心に増収となりました。
利益面については、引き続き円安の進行による仕入価格の上昇等の影響があるものの、セールスミックスや販売価格見直し等により為替の影響を大きく受けた前期に比べ売上総利益率が改善したことに加え、増収により売上総利益は増加しました。販管費は、グローバルでの広告宣伝費や、人件費、システム関連の費用の増加に加え、円安に伴う外貨建て費用の上昇も影響し増加しましたが、売上総利益の増加が販管費の増加を上回り増益となりました。
この結果、売上高は51,039百万円(前期比6.9%増)、営業利益は1,641百万円(前期比11.0%増)となりました。
(アジア)
中国販売子会社では、第1四半期前半は前年第4四半期からの感染症拡大の影響が残ったものの、その後早期にスポーツ活動が回復しました。特に第4四半期はネットセールでの販売好調も加わり、前年同期比で売上高が大幅に伸長しました。
台湾子会社では、国際大会での地元選手の活躍を活かしたマーケティングや当社主催大会の開催等、さらなる市場活性化に向けた活動にも注力し、バドミントン用品の販売が増加しました。
利益については、中国販売子会社において競技層の拡大に伴い幅広い価格帯の製品の販売が増加し売上総利益率が前期を下回る水準で推移したものの、第4四半期は大幅増収により売上総利益が増加しました。販管費は主に体制強化に伴う人件費が増加したものの、中国販売子会社の第4四半期の売上総利益の増加や、円安による換算の上押し効果もあり増益となりました。
この結果、売上高は54,849百万円(前期比10.4%増)、営業利益は8,883百万円(前期比0.7%増)となりました。
(北米)
北米販売子会社では、バドミントンにおいて下期は競技の再開により大幅増収となった前年同期と比べて減収となったものの、上期の増収幅が大きく通期では増収となりました。カナダでは国際大会の開催も市場を活性化し需要が堅調に推移しました。テニスについては、引き続き競技は活発に行われているものの、前年下期からの市場全体の在庫増加の影響と前期までの大幅な販売増加の反動もあり、減収となりました。全体ではバドミントン用品の販売増に伴う牽引と円安による換算の上押しにより増収となりました。
利益については、増収により売上総利益は増加しましたが、マーケティング強化による広告宣伝費や、体制強化に伴う人件費等の販管費の増加が上回り減益となりました。
利益については、増収による売上総利益の増加が、広告宣伝費、人件費等の販管費の増加を上回り増益となりました。
この結果、売上高は5,512百万円(前期比4.9%増)、営業利益は251百万円(前期比40.7%減)となりました。
(ヨーロッパ)
ドイツ、イギリス販売子会社において、バドミントン、テニスともに需要が堅調となったことに加え、円安による換算の上押しもあり増収となりました。特にドイツ販売子会社においては、テニス用品が市場からの当社製品への評価も高く大幅増収となりました。
利益については、増収に加え、セールスミックスの改善や販売価格の見直し等により売上総利益率が大幅に改善し売上総利益が増加しました。人件費や広告宣伝費等の販管費は増加したものの、売上総利益の増加が上回り、大幅増益となりました。
この結果、売上高は4,518百万円(前期比18.4%増)、営業利益は533百万円(前期比211.4%増)となりました。
これらの結果、各地域セグメントを合計したスポーツ用品事業の売上高は115,919百万円(前期比8.9%増)、営業利益は11,309百万円(前期比3.8%増)となりました。
[スポーツ施設事業]
スポーツ施設事業の中核をなすヨネックスカントリークラブでは、各種コンペやPGAプロを迎えたプロアマ大会、新製品ゴルフクラブの試打会等を実施し集客を行いました。第4四半期は1月の能登半島地震による休業や3月の積雪の影響もあり、累計入場者数は前年を下回りました。
この結果、スポーツ施設事業の売上高は522百万円(前期比2.0%減)、営業利益は21百万円(前期比63.0%減)となりました。
(注)セグメント別の記載において、売上高については、「外部顧客への売上高」について記載し、営業損益については、「調整額」考慮前の金額によっております。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6,761百万円増加し、23,180百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は12,489百万円(前期比317.7%増)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益12,710百万円、棚卸資産の減少2,870百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払3,008百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は7,373百万円(前期比65.4%増)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得6,574百万円、無形固定資産の取得901百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は764百万円(前連結会計年度は480百万円の資金使用)となりました。収入の主な内訳は、短期借入金の純増減額2,281百万円、長期借入れによる収入2,140百万円であり、支出の主な内訳は、配当金の支払1,228百万円、自己株式の取得1,061百万円であります。
④生産、仕入及び販売の実績
スポーツ用品事業については、金額的な重要性を勘案し、用品区分ごとに記載するため、報告セグメントを集約しております。
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
区分 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前期比(%) |
スポーツ用品事業 |
バドミントン用品(百万円) |
26,428 |
135.1 |
テニス用品(百万円) |
9,841 |
108.7 |
|
ゴルフ用品(百万円) |
1,464 |
107.5 |
|
その他(百万円) |
1,256 |
166.1 |
|
計(百万円) |
38,991 |
126.8 |
|
スポーツ施設事業(百万円) |
- |
- |
|
合計(百万円) |
38,991 |
126.8 |
(注) 金額は標準販売価格によっており、セグメント間の振替を含んでおります。
ロ.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
区分 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前期比(%) |
スポーツ用品事業 |
バドミントン用品(百万円) |
22,494 |
84.3 |
テニス用品(百万円) |
3,676 |
56.7 |
|
ゴルフ用品(百万円) |
540 |
53.7 |
|
その他(百万円) |
15,083 |
110.8 |
|
計(百万円) |
41,795 |
87.4 |
|
スポーツ施設事業(百万円) |
56 |
98.8 |
|
合計(百万円) |
41,851 |
87.5 |
(注)金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
ハ.受注実績
当社グループは販売計画に基づいて生産計画を立て、これにより生産を行っており、受注生産は行っておりません。
ニ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
区分 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前期比(%) |
スポーツ用品事業 |
バドミントン用品(百万円) |
72,666 |
111.3 |
テニス用品(百万円) |
17,244 |
98.6 |
|
ゴルフ用品(百万円) |
1,900 |
94.8 |
|
その他(百万円) |
24,109 |
111.1 |
|
計(百万円) |
115,919 |
108.9 |
|
スポーツ施設事業(百万円) |
522 |
98.0 |
|
合計(百万円) |
116,442 |
108.8 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高116,442百万円、営業利益11,611百万円、経常利益12,195百万円、親会社株主に帰属する当期純利益8,859百万円となりました。
上記のほか、当連結会計年度における経営成績の前連結会計年度との比較分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況 及び ②経営成績の状況」に記載のとおりです。また、経営者の課題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
また、資本の財源及び資金の流動性については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 金融商品関係」に記載のとおりです。資本配分については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
③重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国で一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。連結財務諸表作成にあたり、当社の経営者は売上債権、棚卸資産、投資、退職金等に関する見積りや判断に対して継続的な評価を行っております。当社の経営者はこれらの評価にあたり、過去の実績や現在の状況から判断して合理的と考えられる諸要因を総合的に分析して、見積りや判断の基礎にしています。しかしながら実際の結果は、見積りに含まれる不確定要素によりこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループでは、以下の重要な会計方針が、連結財務諸表を作成するにあたり特に考慮されるべき見積りや判断に影響を及ぼす項目と考えています。
イ.貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。顧客の財政状態が過去の実績等で見積もった範囲を超えて悪化した場合には、追加の引当が必要となる場合があります。
ロ.棚卸資産
当社グループは、棚卸資産の評価基準に原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。製品及び商品については、それぞれの販売可能性について推定される将来需要及び市場状況を踏まえて、販売見込額まで減額しています。当該製品及び商品に関する実際の販売価格が、販売見込額を下回った場合には追加の損失が発生する場合があります。
ハ.固定資産の減損
当社グループは、減損会計の対象となる建物及び構築物、土地、並びにソフトウエア等を有しており、回収可能額が帳簿価額を下回る兆候がある場合には、減損の有無を判定しています。減損判定を実施する契機となる重要な要素には、過去あるいは見込まれる営業成績に対して著しい実績の悪化等により決定しています。減損の判定には、グルーピングした各事業単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づき実施しております。現状、減損損失の認識が必要な資産はありませんが、今後、将来において当社グループを取り巻く環境に大きな変化等が生じた場合には、減損損失の計上が必要となる場合があります。
ニ.投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する少数持分を所有しております。これらの株式には価格変動が高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれております。当社グループは著しい投資価値の下落について、回復可能性がないと判断した場合、投資の減損損失を計上しております。
ホ.繰延税金資産の評価
当社グループは、将来の事業計画に基づき、課税所得が十分に確保できることを慎重に判断した上で計上しております。したがって、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対しては、評価性引当額を設定し適切な繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は各社、各納税主体で実績情報とともに不確実性を考慮し、肯定的及び否定的証拠を適切に検討することにより定期的に評価しております。将来において当社グループを取り巻く環境に大きな変化等が生じた場合には、繰延税金資産に対する評価を見直す可能性があります。
ヘ.退職給付債務及び費用
従業員に対する退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されます。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率及び直近の統計数値に基づいて算出される死亡率等が含まれております。また、年金資産は過去の実績を踏まえて算出された収益率が含まれております。
該当事項はありません。
当社グループは、「独創の技術と最高の製品で世界に貢献する」とのパーパス(存在意義)に基づき、常にお客様のニーズと安全・安心に対応しつつ、研究開発活動を行っております。
現在の研究開発活動は、スポーツ用品事業で行っており、提出会社の本社製品開発部・ウェア開発部、新潟工場技術開発第一部・第二部、研究開発室及び東京工場技術開発部、研究開発室を中心に協力提携しながら、新製品、新商品及び新技術の開発を推進しております。
なお、スポーツ施設事業では、研究開発活動は行っておりません。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
(1)正確な打球感覚で自由自在にコントロールするテニスラケットの開発
(品名:PERCEPTシリーズ)
シャフト部を長くし、断面構造を逆Rにするとともに「2G-Namd™ Flex Force」(※1)と振動減衰性と柔軟性に優れる新素材「サーボフィルター」を採用した「フレックスコン システム」搭載。ホールド性が向上することで柔らかい打球感と球持ちを実現。さらに、フレーム全体はカーボン量を増やし剛性を高める新設計で面安定性が高まり打球軌道が安定。オフセンターでも高い面安定性で正確なコントロールショットを可能にしたラケットを開発、発売。
(2)最速のスマッシュを追求したバドミントンラケットの開発
(品名:NANOFLARE1000Z)
ナノフレアシリーズは、フレームトップに高弾性カーボン、フレーム下部に「M40X」(※2)を配置した「ソニックフレアシステム」を採用し、ヘッドライト設計・エアロ形状で優れた弾きと素早い振り抜きを特徴としたシリーズです。新フレーム形状「エアロコンパクトフレーム」を採用。側面を厚く、剛性を高め弾き性能を向上。従来比でラケット面積を約5%小さくし、振り抜きの良さと面圧をさらに高め、スマッシュスピードを向上させたラケットを開発、発売。
(3)反発力・耐久性・打球音を高めたハードヒッター向けバドミントンストリングの開発
(品名:EXBOLT68)
側糸に通常ナイロンと比較して1.5倍高い熱に耐えられ、打球時の変形が少ないヨネックス独自の素材「楕円形フォージドファイバー」を採用することで、スウィング時のパワーをロスなくシャトルに伝えスマッシュパワーを増大。
加えて、比重の軽いナイロン素材を「ナノアロイ®」(※3)技術で柔軟性を高めた「エラスティシティアウター」でコーティングし、打球時の一瞬の掴みと素早い復元力を発揮するストリングを開発、発売。
(4)撓り戻りの速さを高めた先進のカーボン素材と、新ソール構造によるフェースの全面反発性能を高め飛距離性能をアップさせたゴルフクラブドライバーの開発
(品名:4代目 EZONE GT ドライバー)
ソールアーチ部分に採用した新構造「ストライクスピードカーボン」とクラウン部のカーボン複合部分に反発性に優れた素材「2G-Namd™ Speed」(※1)を搭載することで、インパクトの衝撃で発生した撓みからの素早い撓り戻りエネルギーを獲得することで、フェース上部と下部のオフセンター部分での打撃でも高いボール初速を実現し、つかまりの良い高弾道と低スピンの"理想的な弾道の飛び"を実現したドライバーを開発、発売。
※1 2G-Namd™は、ニッタ㈱が開発した「ナノ分散カーボンナノチューブを炭素繊維へ均一複合化」する技術です。2G-Namd™はニッタ㈱の日本における登録商標です。
※2 M40Xは、東レ㈱が開発した、相反する「高強度と高弾性率」の両立を極限追求した次世代カーボン繊維です。
※3 「ナノアロイ®」は、東レ㈱の登録商標です。