種類 |
発行可能株式総数(株) |
普通株式 |
6,000,000,000 |
第1種優先株式 |
200,000,000 |
第2種優先株式 |
200,000,000 |
第3種優先株式 |
200,000,000 |
第4種優先株式 |
200,000,000 |
計 |
6,000,000,000 |
(注) 「発行可能株式総数」の欄には、株式の種類ごとの発行可能種類株式総数を記載し、「計」の欄には、定款に規定されている発行可能株式総数を記載しております。
種類 |
事業年度末現在発行数(株) (2024年3月31日現在) |
提出日現在発行数(株) (2024年6月26日現在) |
上場金融商品取引所名 又は登録認可金融 商品取引業協会名 |
内容 |
|
|
|
東京証券取引所 プライム市場 名古屋証券取引所 プレミア市場 シンガポール証券取引所 ニューヨーク証券取引所 |
単元株式数 100株 |
計 |
|
|
- |
- |
(注) 提出日(2024年6月26日)現在の発行数には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの間に新
株予約権の行使があった場合に発行される株式数は含まれておりません。
新株予 約権の 名称 |
決議 年月日 |
付与対象者の区分及び人数 |
割当日 |
新株予約権の数 (注)1、2 2024年3月 2024年5月 |
新株予約権の 行使期間 |
行使価額(1株当たり) |
資本 組入れ額 |
|||||
第71回 |
2016年 5月16日 |
当社および当社の子会社の取締役、 執行役および使用人等721名 |
2016.6.7 |
1,853 |
個 |
- |
個 |
2019.4.20~2024.4.19 |
1 |
円 |
198 |
円 |
第76回 |
2017年 5月12日 |
当社および当社の子会社の取締役、 執行役および使用人等859名 |
2017.6.9 |
1,519 |
個 |
- |
個 |
2019.4.20~2024.4.19 |
1 |
円 |
334 |
円 |
第77回 |
2017年 5月12日 |
当社および当社の子会社の取締役、 執行役および使用人等868名 |
2017.6.9 |
5,536 |
個 |
4,166 |
個 |
2020.4.20~2025.4.19 |
1 |
円 |
325 |
円 |
第78回 |
2017年 5月12日 |
当社使用人ならびに当社の子会社の取締役、 執行役および使用人等131名 |
2017.6.9 |
1,428 |
個 |
1,194 |
個 |
2021.4.20~2026.4.19 |
1 |
円 |
312 |
円 |
第79回 |
2017年 5月12日 |
当社使用人ならびに当社の子会社の取締役、 執行役および使用人等131名 |
2017.6.9 |
1,777 |
個 |
1,543 |
個 |
2022.4.20~2027.4.19 |
1 |
円 |
303 |
円 |
第80回 |
2017年 5月12日 |
当社使用人ならびに当社の子会社の取締役、 執行役および使用人等12名 |
2017.6.9 |
470 |
個 |
336 |
個 |
2023.4.20~2028.4.19 |
1 |
円 |
282 |
円 |
第81回 |
2017年 5月12日 |
当社使用人ならびに当社の子会社の取締役、 執行役および使用人等12名 |
2017.6.9 |
1,321 |
個 |
1,321 |
個 |
2024.4.20~2029.4.19 |
1 |
円 |
273 |
円 |
第84回 |
2017年 10月27日 |
当社の子会社の使用人1,203名 |
2017.11.17 |
18,052 |
個 |
15,662 |
個 |
2019.11.17~2024.11.16 |
684 |
円 |
398 |
円 |
第85回 |
2018年 10月30日 |
当社の子会社の使用人1,204名 |
2018.11.20 |
17,282 |
個 |
15,797 |
個 |
2020.11.20~2025.11.19 |
573 |
円 |
329 |
円 |
(注)1 新株予約権の目的となる株式の種類、内容および数は新株予約権1個あたり普通株式1単元(100株)です。
2 5月末の内容は新株予約権の数を除き3月末と同一であるため、記載を省略します。
3 1個の新株予約権の一部の行使は行うことができません。
4 譲渡による本新株予約権の取得については、当社取締役会の決議による承認を要するものとします。
5 本新株予約権の割当日後、当社が当社普通株式の分割または当社普通株式の株式併合を行う場合は、行使価額は、次の算式により調整されるものとし、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げます。
調整後行使価額=調整前行使価額× |
1 |
株式の分割または株式併合の比率 |
また、当社が行使価額調整式に使用する時価を下回る払込金額をもってその発行する当社普通株式またはその処分する当社の保有する当社普通株式を引き受ける者の募集をする場合(当社普通株式の交付を請求できる新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを含む。)その他の証券もしくは権利の転換、交換または行使および単元未満株式の買増請求による場合を除く。)または取得請求権付株式であって、その取得と引換えに行使価額調整式に使用する時価を下回る対価をもって当社普通株式を交付する定めがあるものを発行する場合(無償割当ての場合を含む。)、または行使価額調整式に使用する時価を下回る対価をもって当社普通株式の交付を請求できる新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを含む。)その他の証券もしくは権利を発行する場合(無償割当ての場合を含む。)は、次の算式(行使価額調整式)により行使価額の調整を行い、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げます。
|
既発行株式数+ |
交付株式数×1株当たり払込金額 |
調整後行使価額=調整前行使価額× |
1株当たり時価 |
|
既発行株式数+交付株式数 |
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
年月日 |
発行済株式総数増減数(株) |
発行済株式総数残高(株) |
資本金増減額 (百万円) |
資本金残高 (百万円) |
資本準備金増減額(百万円) |
資本準備金残高 (百万円) |
2020年12月1日(注1) |
△260,000,000 |
3,233,562,601 |
- |
594,493 |
- |
559,676 |
2023年6月1日(注1) |
△70,000,000 |
3,163,562,601 |
- |
594,493 |
- |
559,676 |
(注)1 自己株式の消却による減少であります。
|
|
|
|
|
|
|
|
2024年3月31日現在 |
|
区分 |
株式の状況(1単元の株式数 |
単元未満株式の状況 (株) |
|||||||
政府および地方公共団体 |
金融機関 |
金融商品取引業者 |
その他の法人 |
外国法人等 |
個人その他 |
計 |
|||
個人以外 |
個人 |
||||||||
株主数(人) |
|
|
|
|
|
|
|
|
- |
所有株式数(単元) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
所有株式数の割合 (%) |
|
|
|
|
|
|
|
100.00 |
- |
(注)1 自己株式192,432,164株のうち、1,924,321単元は「個人その他」に、64株は「単元未満株式の状況」に含まれております。
2 「その他の法人」の欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が20単元含まれております。
|
|
2024年3月31日現在 |
|
氏名または名称 |
住所 |
所有株式数 (千株) |
発行済株式(自己株式を除く)の総数に対する所有株式数の割合(%) |
日本マスタートラスト 信託銀行株式会社(信託口) |
|
|
|
|
|
|
|
STATE STREET BANK WEST CLIENT-TREATY 505234 (常任代理人 株式会社みずほ銀行) |
1776 HERITAGE DRIVE, NORTH QUINCY, MA 02171 U.S.A. (東京都港区港南2丁目15-1) |
|
|
THE BANK OF NEW YORK MELLON AS DEPOSITARY BANK FOR DR HOLDERS (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行) |
240 GREENWICH STREET, 8TH FL WEST, NEW YORK, NY 10286, U.S.A. (東京都千代田区丸の内2丁目7-1) |
|
|
JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行) |
25 BANK STREET CANARY WHARF LONDON E14 5JP, UK (東京都港区港南2丁目15-1) |
|
|
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行) |
P.O.BOX 351 BOSTON MASSACHUSETTS 02101, U.S.A (東京都港区港南2丁目15-1) |
|
|
|
|
|
|
SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT (常任代理人 香港上海銀行東京支店) |
ONE CONGRESS STREET, SUITE 1, BOSTON, MASSACHUSETTS (東京都中央区日本橋3丁目11-1) |
|
|
NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE SILCHESTER INTERNATIONAL INVESTORS INTERNATIONAL VALUE EQUITY TRUST (常任代理人 香港上海銀行東京支店) |
50 BANK STREET CANARY WHARF LONDON E14 5NT, UK (東京都中央区日本橋3丁目11-1) |
|
|
|
|
|
|
計 |
- |
|
|
(注)1 当社は、2024年3月31日現在、自己株式を192,432千株保有しておりますが、上記大株主からは除外しております。
2 所有株式数は千株未満を切り捨てております。
3 2024年2月6日付で米国証券取引委員会へ提出された開示書類において、BlackRock, Inc.が、2023年12月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されておりますが、当社として2024年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主には含めておりません。
2023年12月31日現在
氏名または名称 |
住所 |
所有株式数 (千株) |
発行済株式総数に対する所有株式数の割合(%) |
BlackRock, Inc. |
50 Hudson Yards NEW YORK, NY 10001 |
246,082 |
7.80 |
4 2024年2月5日付で米国証券取引委員会へ提出された開示書類において、三井住友トラスト・ホールディングス株式会社が、2023年12月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されておりますが、当社として2024年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主には含めておりません。
2023年12月31日現在
氏名または名称 |
住所 |
所有株式数 (千株) |
発行済株式総数に対する所有株式数の割合(%) |
三井住友トラスト・ホールディングス株式会社 |
東京都千代田区丸の内1丁目4-1 |
171,021 |
5.40 |
|
|
|
|
2024年3月31日現在 |
区分 |
株式数(株) |
議決権の数(個) |
内容 |
|
無議決権株式 |
|
- |
|
|
議決権制限株式(自己株式等) |
|
- |
|
|
議決権制限株式(その他) |
|
|
|
|
完全議決権株式(自己株式等) |
(自己保有株式) |
- |
|
|
普通株式 |
|
|||
(相互保有株式) |
- |
|
||
普通株式 |
|
|||
完全議決権株式(その他) |
普通株式 |
|
|
|
単元未満株式 |
普通株式 |
|
- |
|
発行済株式総数 |
|
- |
- |
|
総株主の議決権 |
- |
|
- |
(注) 「完全議決権株式(その他)」の欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が2,000株含まれております。また、「単元未満株式」の欄には、当社所有の自己株式が64株、相互保有株式が79株含まれております。
|
|
|
|
2024年3月31日現在 |
|
所有者の氏名または名称 |
所有者の住所 |
自己名義所有株式数(株) |
他人名義所有株式数(株) |
所有株式数の合計(株) |
発行済株式総数に対する所有株式数の割合 (%) |
(自己保有株式) |
|
|
|
|
|
|
|||||
計 |
|
|
|
|
|
(注) 上記のほか、当社の子会社が有価証券関連業務として自己の名義で保有している株式が1,726,000株あります。
譲渡制限株式ユニット(以下「RSU」)の名称 |
付与日 |
RSUの数 (注)1 2024年3月 2024年5月 |
払込期間 |
|||
第6回RSU |
2018.5.14 |
102,800 |
個 |
- |
個 |
2024.4.20~2024.5.19 |
第7回RSU |
2018.5.14 |
102,600 |
個 |
102,600 |
個 |
2025.4.20~2025.5.19 |
第12回RSU |
2019.5.16 |
597,100 |
個 |
- |
個 |
2024.4.20~2024.5.19 |
第13回RSU |
2019.5.16 |
48,000 |
個 |
48,000 |
個 |
2025.4.20~2025.5.19 |
第14回RSU |
2019.5.16 |
47,400 |
個 |
47,400 |
個 |
2026.4.20~2026.5.19 |
第18回RSU |
2020.5.27 |
1,413,800 |
個 |
- |
個 |
2024.4.20~2024.5.19 |
第19回RSU |
2020.5.27 |
1,410,600 |
個 |
1,410,600 |
個 |
2025.4.20~2025.5.19 |
第20回RSU |
2020.5.27 |
179,800 |
個 |
179,800 |
個 |
2026.4.20~2026.5.19 |
第21回RSU |
2020.5.27 |
179,400 |
個 |
179,400 |
個 |
2027.4.20~2027.5.19 |
第24回RSU |
2021.5.17 |
16,479,920 |
個 |
- |
個 |
2024.4.20~2024.5.19 |
第25回RSU |
2021.5.17 |
1,394,000 |
個 |
1,394,000 |
個 |
2025.4.20~2025.5.19 |
第26回RSU |
2021.5.17 |
1,390,000 |
個 |
1,390,000 |
個 |
2026.4.20~2026.5.19 |
第27回RSU |
2021.5.17 |
123,600 |
個 |
123,600 |
個 |
2027.4.20~2027.5.19 |
第28回RSU |
2021.5.17 |
123,400 |
個 |
123,400 |
個 |
2028.4.20~2028.5.19 |
第30回RSU |
2022.5.19 |
27,374,890 |
個 |
- |
個 |
2024.4.20~2024.5.19 |
第31回RSU |
2022.5.19 |
28,328,090 |
個 |
28,251,510 |
個 |
2025.4.20~2025.5.19 |
第32回RSU |
2022.5.19 |
3,183,200 |
個 |
3,181,000 |
個 |
2026.4.20~2026.5.19 |
第33回RSU |
2022.5.19 |
1,582,400 |
個 |
1,582,400 |
個 |
2027.4.20~2027.5.19 |
第34回RSU |
2022.5.19 |
172,800 |
個 |
172,800 |
個 |
2028.4.20~2028.5.19 |
第35回RSU |
2022.5.19 |
172,600 |
個 |
172,600 |
個 |
2029.4.20~2029.5.19 |
第36回RSU |
2023.5.15 |
23,929,100 |
個 |
- |
個 |
2024.4.20~2024.5.19 |
第37回RSU |
2023.5.15 |
23,912,400 |
個 |
23,800,600 |
個 |
2025.4.20~2025.5.19 |
第38回RSU |
2023.5.15 |
24,053,500 |
個 |
23,942,200 |
個 |
2026.4.20~2026.5.19 |
第39回RSU |
2023.5.15 |
3,286,400 |
個 |
3,277,600 |
個 |
2027.4.20~2027.5.19 |
第40回RSU |
2023.5.15 |
1,583,600 |
個 |
1,583,600 |
個 |
2028.4.20~2028.5.19 |
第41回RSU |
2023.5.15 |
206,000 |
個 |
206,000 |
個 |
2029.4.20~2029.5.19 |
第42回RSU |
2023.5.15 |
205,600 |
個 |
205,600 |
個 |
2030.4.20~2030.5.19 |
第43回RSU |
2024.5.16 |
- |
個 |
15,244,800 |
個 |
2025.4.20~2025.5.19 |
第44回RSU |
2024.5.16 |
- |
個 |
15,179,700 |
個 |
2026.4.20~2026.5.19 |
第45回RSU |
2024.5.16 |
- |
個 |
15,243,000 |
個 |
2027.4.20~2027.5.19 |
第46回RSU |
2024.5.16 |
- |
個 |
2,089,100 |
個 |
2028.4.20~2028.5.19 |
第47回RSU |
2024.5.16 |
- |
個 |
1,081,200 |
個 |
2029.4.20~2029.5.19 |
第48回RSU |
2024.5.16 |
- |
個 |
135,000 |
個 |
2030.4.20~2030.5.19 |
第49回RSU |
2024.5.16 |
- |
個 |
134,800 |
個 |
2031.4.20~2031.5.19 |
(注)1 5月末の内容はRSUの数を除き3月末と同一であるため、記載を省略します。
業績連動型株式ユニット(以下「PSU」)の名称 |
付与日 |
PSUの数 (注)2 2024年3月 2024年5月 |
払込期間 |
|||
第1回PSU |
2024.5.16 |
- |
個 |
1,173,200 |
個 |
2027.4.20~2027.9.30 |
(注)2 上記株式数は基準株数782,100株を基準として算出される最大割当株式数(基準株数の150%の株数)であるため、業績指標の実績等に応じて、減少することがあります。
制度の概要につきましては「第4[提出会社の状況]4[コーポレート・ガバナンスの状況等](4)[役員の報酬等]2.役員報酬(3)株式関連および非金銭報酬等に関する事項」をご参照ください。
【株式の種類等】 会社法第155条第3号および第7号に基づく普通株式の取得
該当事項はありません。
区分 |
株式数(株) |
価額の総額(円) |
取締役会(2023年4月26日)での決議状況 (取得期間2023年5月16日~2024年3月29日) |
35,000,000 |
20,000,000,000 |
当事業年度前における取得自己株式 |
- |
- |
当事業年度における取得自己株式 |
34,368,500 |
19,999,965,060 |
残存決議株式の総数及び価額の総額 |
631,500 |
34,940 |
当事業年度の末日現在の未行使割合(%) |
1.8 |
0.0 |
当期間における取得自己株式 |
- |
- |
提出日現在の未行使割合(%) |
1.8 |
0.0 |
区分 |
株式数(株) |
価額の総額(円) |
取締役会(2024年1月31日)での決議状況 (取得期間2024年2月16日~2024年9月30日) |
125,000,000 |
100,000,000,000 |
当事業年度前における取得自己株式 |
- |
- |
当事業年度における取得自己株式 |
46,223,600 |
41,012,828,060 |
残存決議株式の総数及び価額の総額 |
78,776,400 |
58,987,171,940 |
当事業年度の末日現在の未行使割合(%) |
63.0 |
59.0 |
当期間における取得自己株式(注1) |
58,919,900 |
54,506,861,480 |
提出日現在の未行使割合(%) |
15.9 |
4.5 |
(注)1 2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの取得にともなう株式数は含まれておりません。
区分 |
株式数(株) |
価額の総額(円) |
当事業年度における取得自己株式(注1) |
25,043 |
16,112,671 |
当期間における取得自己株式(注2) |
3,659 |
3,350,820 |
(注)1 単元未満株式の買取請求にともなう取得であります。
2 2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる取得は含まれておりません。
区分 |
当事業年度 |
当期間(注2) |
||
株式数(株) |
処分価額の総額 (円) |
株式数(株) |
処分価額の総額 (円) |
|
引き受ける者の募集を行った取得自己株式 |
- |
- |
- |
- |
消却の処分を行った取得自己株式 |
70,000,000 |
36,104,698,000 |
- |
- |
合併、株式交換、株式交付、会社分割にかかる移転を行った取得自己株式 |
- |
- |
- |
- |
その他(注1) |
47,695,807 |
24,870,622,898 |
46,691,797 |
28,478,797,187 |
保有自己株式数 |
192,432,164 |
- |
204,663,926 |
- |
(注)1 単元未満株式の買増にともなう処分および新株予約権の行使やRSUの割当にともなう処分を行ったものであります。
2 2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買増にともなう処分および新株予約権の行使やRSUの割当にともなう処分は含まれておりません。
当社は、株主価値の持続的な向上を目指し、拡大する事業機会を迅速かつ確実に捉えるために必要となる十分な株主資本の水準を保持することを基本方針としております。必要となる資本の水準につきましては、以下を考慮しつつ適宜見直してまいります。
・事業活動にともなうリスクと比較して十分であること
・監督規制上求められる水準を充足していること
・グローバルに事業を行っていくために必要な格付を維持すること
当社は、株主の皆様への利益還元について、株主価値の持続的な向上および配当を通じて実施していくことを基本と考えています。
配当につきましては、半期毎の連結業績を基準として、連結配当性向40%以上を重要な指標のひとつとします。各期の配当額については、バーゼル規制強化をはじめとする国内外の規制環境の動向、連結業績をあわせて総合的に勘案し、決定してまいります。
なお、配当回数につきましては、原則として年2回(基準日:9月30日、3月31日)といたします。
また自己株式取得による株主還元分を含めた総還元性向を50%以上とすることを、株主還元上の目処といたします。
内部留保金については、前記規制環境の変化に万全の対応を行うとともに、株主価値の向上につなげるべく、システムや店舗などのインフラの整備も含め、高い収益性と成長性の見込める事業分野に有効投資してまいります。
(当期の剰余金の配当)
上記の剰余金の配当等の決定に関する方針を踏まえ、2023年9月30日を基準日とする配当金は、1株当たり8円をお支払いいたしました。2024年3月31日を基準日とする配当金につきましては、1株当たり15円をお支払いいたしました。これにより年間での剰余金の配当は1株につき23円となります。
当期にかかる剰余金の配当の明細は以下のとおりです。
決議 |
基準日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額(円) |
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コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、「社会からの信頼および株主、お客様をはじめとしたステークホルダーの満足度の向上を通じて企業価値を高める」という経営目標を達成するうえで、コーポレート・ガバナンスの強化を最重要課題の1つと認識し、経営監督の実効性と経営の透明性を確保しつつ、持続的な成長と機動的なグループ経営を追求した体制の強化・充実に取り組んでおります。
当社は、株主、お客様をはじめとするさまざまなステークホルダーの立場を踏まえたうえで、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みとしての実効性のあるコーポレート・ガバナンスの枠組みを示し、その実現に資することを目的として、「野村ホールディングス コーポレート・ガバナンス・ガイドライン」を定めております。
「野村ホールディングス コーポレート・ガバナンス・ガイドライン」は当社ホームページからご覧いただけます。
(https://www.nomuraholdings.com/jp/company/cg/data/cg_guideline.pdf)
また、当社は、野村グループの役員・社員一人ひとりが遵守すべき行動規範として、「野村グループ行動規範」を策定しております。これは、野村グループの役職員が、野村グループ企業理念を具体的な行動に移すための指針となるものであり、あらゆる企業活動を野村グループ行動規範に基づいて実行、その遵守を徹底し、株主のみならず、あらゆるステークホルダーに対する責任を果たすべく努めております。
「野村グループ行動規範」は当社ホームページからご覧いただけます。
(https://www.nomuraholdings.com/jp/company/basic/coc.pdf)
企業統治の体制の概要および当該企業統治の体制を採用する理由
当社は指名委員会等設置会社であり、以下の理由からこれが当社にとって現時点における最適な機関設計であると判断しております。
指名委員会等設置会社は、社外取締役を過半数とする指名・監査・報酬の三委員会を設置し、経営の監督と業務執行の分離による監督機能の強化および透明性の向上を図るとともに、取締役会が執行役に業務執行の決定の権限を大幅に委任することで意思決定の迅速化が図られる体制です。また、指名委員会等設置会社は、当社が上場するNYSEの上場会社マニュアルに規定されるコーポレート・ガバナンスに関する基準に最も近いものであると考えております。
当社の企業統治の体制の概要は以下のとおりです。
<取締役会および委員会について>
経営の監督と業務執行が制度的に分離された指名委員会等設置会社である当社では、取締役会および法定の指名・監査・報酬の三委員会に加え、リスク管理に関して取締役会による監督の深化を目的とする委員会である「リスク委員会」、ならびに社外取締役が当社の事業およびコーポレート・ガバナンスに関する事項について定期的に議論するための「社外取締役会議」を設置しております。
当社の取締役会は、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の最大化を図ることを目的とし、その主たる役割を経営の監督としております。取締役会は、経営の公正性・透明性を確保するとともに、「経営の基本方針」を決定し、当該方針を踏まえたグループCEOその他の会社を経営する執行役の選任および当社の重要な業務執行の決定を行っております。
当社の取締役会は、多角的な視点から活発な議論を行うことができるよう、性別、国際性および職歴等の多様性と、財務、企業経営、法律等の専門性を備えた人員で構成することを原則としております。また、その監督機能を適切に発揮するため、社外取締役を過半とすることを原則としております。
当社の現在の取締役会は、全12名のうち8名が社外取締役であり、そのうち外国人取締役が4名、女性取締役が3名という多様な人員構成となっております。また、経営、グローバル、金融業、会計財務、法制度・規制、内部統制(リスク管理含む)、デジタル・IT・DXおよびサステナビリティなどの専門性や経験を備えた人員構成となっております。特に、米国ビジネスの拡大を受けて、米国の金融業界、マクロ経済、規制環境に精通する取締役を選任しております。さらに、取締役の地理的分散を考慮し、アジアから金融に精通する取締役を選任するとともに、グローバルな経営的知見の重要性に鑑みて、グローバルに事業展開する日本企業の経営者である取締役を選任しております。
当社の取締役会については、執行役を兼務しない取締役を議長とすることで、執行役の業務執行に対する監督に専念できる体制の強化を図っております。また、指名・監査・報酬・リスクの各委員会については、社外取締役を委員長とすることで、業務執行からの独立性を一層明確にしております。
現在の当社の取締役会および委員会の構成
(提出日現在)
役職および氏名 |
委員会 |
取締役会長 永井浩二 |
指名委員、報酬委員 |
取締役 代表執行役社長グループCEO 奥田健太郎 |
- |
取締役 代表執行役副社長 中島豊 |
- |
取締役 小川祥司 |
監査委員(常勤)、リスク委員 |
社外取締役 Laura Simone Unger(ローラ・アンガー) |
リスク委員(委員長) |
社外取締役 Victor Chu(ビクター・チュー) |
監査委員 |
社外取締役 J. Christopher Giancarlo (クリストファー・ジャンカルロ) |
リスク委員 |
社外取締役 Patricia Mosser(パトリシア・モッサー) |
リスク委員 |
社外取締役 高原豪久 |
指名委員、報酬委員 |
社外取締役 石黒美幸 |
リスク委員 |
社外取締役 石塚雅博 |
監査委員(委員長) |
社外取締役 大島卓 |
指名委員(委員長)、報酬委員(委員長) |
当社の取締役会は、3か月に1回以上の頻度で2024年月3月期には合計11回開催されております。
2024年3月期における各取締役の取締役会への出席状況
(2024年3月31日現在)
役職および氏名 |
出席状況(2024年3月期) |
取締役会長 永井浩二 |
11回/11回 |
取締役 代表執行役社長グループCEO 奥田健太郎 |
11回/11回 |
取締役 代表執行役副社長 中島豊 |
9回/9回 (就任後の開催回数) |
取締役 小川祥司 |
11回/11回 |
社外取締役 島崎憲明(※) |
11回/11回 |
社外取締役 石村和彦(※) |
11回/11回 |
社外取締役 Laura Simone Unger (ローラ・アンガー) |
11回/11回 |
社外取締役 Victor Chu(ビクター・チュー) |
11回/11回 |
社外取締役 J. Christopher Giancarlo (クリストファー・ジャンカルロ) |
11回/11回 |
社外取締役 Patricia Mosser(パトリシア・モッサー) |
11回/11回 |
社外取締役 高原豪久 |
11回/11回 |
社外取締役 石黒美幸 |
9回/9回 (就任後の開催回数) |
社外取締役 石塚雅博 |
9回/9回 (就任後の開催回数) |
(※)社外取締役 島崎憲明および社外取締役 石村和彦は、2024年6月25日開催の当社定時株主総会の終結の時をもって取締役を退任しております。
2024年3月期における当社の取締役会の具体的な検討内容
取締役会では、業務執行全般に加えて、サステナビリティ等の特定の領域について、執行側からの定期的な報告を実施しました。また、経営戦略、各部門の戦略、情報開示等の重要課題についても審議を実施しました。その概要は以下のとおりです。
主たる検討内容 |
|
野村グループのパーパス策定 |
野村グループのパーパス策定、企業理念体系の再定義 |
営業部門(※)の戦略 (※2024年4月以降ウェルス・マネジメント部門) |
競合環境、目指すべきビジネス・モデル、リソース再配置と戦略等 |
ホールセール部門の戦略 |
戦略プランの進捗、ホールセール部門の業績と優先課題 |
インベストメント・マネジメント部門の戦略 |
インベストメント・マネジメント部門の概況、目指すべき姿、伝統的ビジネスの積み上げ、オルタナティブ資産残高の拡大等 |
クロスディビジョナル/グループプレミアムを創出するための取組みの状況 |
クロスディビジョナル戦略、各施策の概要等 |
帰属資本 資本余力の状況と活用 |
帰属資本の状況、バーゼルⅢの影響、リソースアロケーション等 |
2025年3月期グループ予算 |
2025年3月期のグループ予算の考え方、各部門の戦略等 |
構造改革委員会報告 |
構造改革委員会(グループの構造改革を加速させ、将来の成長を支える持続可能な財務・経営基盤を確保するために設置)の進捗状況等 |
株主との対話実施 |
主要な国内・国外機関投資家および議決権行使助言会社との対話状況 |
2023年株主総会の議決権行使状況分析 |
2023年株主総会における議決権行使結果の概要 |
株主還元 |
株主還元方針の方向性、国内他社との株主構成比較、投資家属性に基づく投資行動と選好、国内競合他社の状況等 |
インベスター・デー |
インベスター・デーの内容を踏まえた、グループワイド・ビジネス・その他のカテゴリーについての2024年3月期の主要トピック |
開示書類の報告 |
有価証券報告書、Form20-F、統合報告書、資本コストや株価を意識した経営の実現への対応等 |
情報開示の高度化 |
非財務情報(ESG等)の開示拡充、企業価値に対する効果等 |
サステナビリティ関連報告 |
サステナビリティに関する国内外の制度・政策の状況、野村グループの取組み等 |
政策保有株式検討委員会報告 |
政策保有株式検討委員会の審議状況、政策保有株式の保有方針等 |
オペレーショナル・レジリエンス等 |
オペレーショナル・レジリエンス等に関する外部環境、当社の現状等 |
取締役会評価に関する報告 |
2024年3月期に実施した取締役会の実効性強化に向けた取組み等(※) |
(※)取締役会評価については社外取締役会議においても議論を行いました。なお、最新の取締役会評価の結果については、当社「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」で開示しております。
(URL)https://www.nomuraholdings.com/jp/company/cg/data/cg_report.pdf
当社の各委員会の役割および活動状況は以下のとおりです。
① 指名委員会
株主総会に提出する取締役の選任および解任に関する議案を決定する法定の機関であり、取締役会で3名の委員を選定しております。指名委員会においては、グループCEOの後継者計画について、今後の経営環境を踏まえて求められる資質や候補者案について議論を行うなどガバナンスの更なる発展に取り組んでおります。
当社の指名委員会は、1年に1回以上の頻度で必要に応じて随時開催され、2024年3月期には合計7回開催されております。
2024年3月期における各取締役の指名委員会への出席状況
(2024年3月31日現在)
役職および氏名 |
出席状況(2024年3月期) |
|
指名委員(委員長) |
社外取締役 石村和彦(※) |
7回/7回 |
指名委員 |
社外取締役 高原豪久 |
7回/7回 |
指名委員 |
取締役会長(非業務執行) 永井浩二 |
7回/7回 |
(※)社外取締役 石村和彦は、2024年6月25日開催の当社定時株主総会の終結の時をもって退任しております。
同日付で、大島卓が社外取締役および指名委員(委員長)に就任しております。
2024年3月期における当社の指名委員会の具体的な検討内容
主たる検討内容 |
|
グループCEOの後継者計画 |
・グループCEOの後継者計画について議論 ・経営環境等を踏まえたグループCEOに求められる資質や後継者計画の主要なプロセスについて執行側より委員会に報告し、議論 |
社外取締役候補者の決定 |
・社外取締役候補者の決定について議論 ・選定にあたって、以下の観点を考慮 ・性別、国際性および職歴等の観点を踏まえて多様性を備えた構成となること ・経営監督機能を適切に発揮すべく、社外取締役が過半数となること ・社外取締役の独立性基準を原則として満たす者であること ・財務、企業経営、法律等の専門家を含むこと ・上場会社の取締役・監査役・執行役の兼任数の基準(社外取締役は当社の他に原則3社まで)を満たすこと ・2024年3月期において複数回議論を重ねた結果、新任の社外取締役候補者として大島卓氏を選定することを決定 |
社内取締役候補者の決定 |
・社内取締役候補者の決定について議論 ・選定にあたって、以下の観点を考慮 ・取締役会が会社の業務執行の状況を把握することを容易にし、もって取締役会の経営監督の実効性確保に資するため、グループCEOを含む執行役複数名が取締役を兼ねることを原則とすること ・監査委員会による監査の実効性を高めるため、取締役会が、野村グループの業務に精通した社内出身の執行役を兼務しない取締役を常勤監査委員または監査特命取締役として選定することとしていること |
② 監査委員会
取締役および執行役の職務の執行の監査ならびに監査報告の作成、株主総会に提出する会計監査人の選任および解任ならびに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定を行う法定の機関であり、取締役会で3名の委員を選定しております。すべての委員は、米国企業改革法に基づく独立性の要件を満たしております。また、石塚雅博は同法に基づく財務専門家であり、財務および会計に関する相当程度の知見を有するものであります。
2024年3月期における各取締役の監査委員会への出席状況
(2024年3月31日現在)
役職および氏名 |
出席状況(2024年3月期) |
|
監査委員(委員長) |
社外取締役 島崎憲明(※) |
13回/13回 |
監査委員 |
社外取締役 Victor Chu(ビクター・チュー) |
11回/13回 |
監査委員 |
社外取締役 石塚雅博 |
9回/9回 (就任後の開催回数) |
監査委員(常勤) |
取締役(非業務執行) 小川祥司 |
13回/13回 |
(※)社外取締役 島崎憲明は、2024年6月25日開催の当社定時株主総会の終結の時をもって退任しております。
同日付で、社外取締役 石塚雅博が委員長に就任しております。
当社の監査委員会の活動状況については、「第4[提出会社の状況]4[コーポレート・ガバナンスの状況等](3)[監査の状況]」に記載のとおりです。
③ 報酬委員会
取締役および執行役の報酬等の内容にかかる決定に関する方針ならびに個人別の報酬等の内容を決定する法定の機関であり、取締役会で3名の委員を選定しております。
当社の報酬委員会は、1年に1回以上の頻度で必要に応じて随時開催され、2024年3月期には合計11回開催されております。
2024年3月期における各取締役の報酬委員会への出席状況
(2024年3月31日現在)
役職および氏名 |
出席状況(2024年3月期) |
|
報酬委員(委員長) |
社外取締役 石村和彦(※) |
11回/11回 |
報酬委員 |
社外取締役 高原豪久 |
11回/11回 |
報酬委員 |
取締役会長(非業務執行) 永井浩二 |
11回/11回 |
(※)社外取締役 石村和彦は、2024年6月25日開催の当社定時株主総会の終結の時をもって退任しております。
同日付で、大島卓が社外取締役および報酬委員(委員長)に就任しております。
当社の報酬委員会の具体的な検討内容については、「第4[提出会社の状況]4[コーポレート・ガバナンスの状況等](4)[役員の報酬等]」に記載のとおりです。
④ リスク委員会
取締役会による野村グループのリスク管理の監督を補助し、リスク管理の高度化に資することを目的とする任意の機関であり、取締役会で5名の委員を選定しております。
当社のリスク委員会は、1年に4回以上の頻度で必要に応じて随時開催され、2024年3月期には合計5回開催されております。
2024年3月期における各取締役のリスク委員会への出席状況
(2024年3月31日現在)
役職および氏名 |
出席状況(2024年3月期) |
|
リスク委員(委員長) |
社外取締役 Laura Simone Unger (ローラ・アンガー) |
5回/5回 |
リスク委員 |
社外取締役 島崎憲明(※) |
5回/5回 |
リスク委員 |
社外取締役 Victor Chu(※) (ビクター・チュー) |
3回/5回 |
リスク委員 |
社外取締役 J. Christopher Giancarlo (クリストファー・ジャンカルロ) |
5回/5回 |
リスク委員 |
社外取締役 Patricia Mosser (パトリシア・モッサー) |
5回/5回 |
リスク委員 |
社外取締役 石黒美幸 |
5回/5回 |
リスク委員 |
取締役(非業務執行) 小川祥司 |
5回/5回 |
(※)社外取締役 島崎憲明は、2024年6月25日開催の当社定時株主総会の終結の時をもって退任しております。
同日付で、社外取締役 Victor Chuは、リスク委員を退任しております。
2024年3月期における当社のリスク委員会の具体的な検討内容
主たる検討内容 |
|
リスク・アペタイト |
リスク・アペタイトの定期的な見直し、リスク・アペタイト・ステートメントの改定 |
リスク管理の高度化・強化 |
資金流動性リスク、レピュテーショナル・リスク、ITやサイバーに関するリスク等のリスク管理の高度化や強化に向けた取組み |
トップリスク/エマージングリスク |
当社の経営戦略や財務面に重大な影響を及ぼす可能性の高いリスクテーマに関するアップデート |
ストレス・テスト |
地政学リスクの高まり等を想定したストレス・シナリオの検証 |
(※)上記検討内容を踏まえた当社のリスク管理の詳細については、「第4[提出会社の状況]4[コーポレート・ガバナンスの状況等](1)[コーポレート・ガバナンスの概要]リスク管理体制の整備」に記載のとおりです。
<業務執行の仕組み>
当社は指名委員会等設置会社であることから、取締役会は業務執行の決定の権限を法律で認められる限りにおいて執行役に対して原則として委任し、執行役が当社の業務を機動的に執行する体制をとっております。取締役会の決議により執行役に委任された事項のうち、特に重要な業務執行については「経営会議」、「グループ・リスク管理委員会」、「野村グループ・コンダクト委員会」、「サステナビリティ委員会」、「内部統制委員会」といった会議体における審議を経て決定することとしております。また、経営会議等での審議状況について、取締役会は各会議体から3か月に1回以上の報告を受けることとしております。
各会議体の役割および構成については以下のとおりです。
① 経営会議
代表執行役社長 グループCEO 奥田健太郎を議長とし、執行役および代表執行役社長 グループCEOが指名する者から構成される会議体であり、野村グループの経営戦略、事業計画および予算ならびに経営資源の配分をはじめとする、野村グループの経営にかかる重要事項について審議・決定しております。
② グループ・リスク管理委員会
代表執行役社長 グループCEO 奥田健太郎を議長とし、代表執行役社長 グループCEO以外の代表執行役のうち議長が指名する者、コンプライアンス統括責任者(CCO)、リスク管理統括責任者(CRO)、財務統括責任者(CFO)、部門長(ビジネスを行う部門の責任者)および議長が指名する者から構成される会議体であり、経営会議からの委任を受けて、野村グループの統合リスク管理に関する重要事項について審議・決定しております。
③ 野村グループ・コンダクト委員会
執行役副社長 飯山俊康を委員長とし、コンプライアンス統括責任者(CCO)および代表執行役社長 グループCEOが指名する者から構成される会議体であり、野村グループ行動規範の浸透ならびに野村グループにおけるコンプライアンスおよびコンダクト・リスク管理について審議しております。
④ サステナビリティ委員会
代表執行役社長 グループCEO 奥田健太郎を議長とし、代表執行役社長 グループCEOが指名する者から構成される会議体であり、野村グループにおけるサステナビリティ推進にかかる戦略等について審議・決定しております。
⑤ 内部統制委員会
代表執行役社長 グループCEO 奥田健太郎を議長とし、代表執行役社長 グループCEOが指名する者、監査委員会が選定する監査委員、および取締役会が選定する取締役から構成される会議体であり、野村グループの業務にかかる内部統制、監査活動およびリスク管理等に関する重要事項について審議しております。
また、高度化・専門化する金融業務における業務執行体制の一層の強化を図るため、執行役から業務執行権限の一部の委任を受け、個々の担当分野のビジネス、オペレーションに専念する役割を担う「執行役員」を設置しております。
コーポレート・ガバナンス体制
(提出日現在)
内部統制システム整備の状況および提出会社の子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
当社は、経営の透明性・効率性の確保、法令・諸規則の遵守、リスク管理、事業・財務報告の信頼性の確保、適時・適切な情報開示の促進といった観点から、グループ全体にわたる企業行動の適正化を推進するための内部統制システムの強化・充実に努めております。
当社における内部統制システムは、取締役会において、「野村ホールディングスにおける業務の適正を確保するための体制」として決議しており、当該体制にはグループとしての内部統制システムの整備に関する事項も含まれております。また、野村グループ各社においても、当社の決議内容を踏まえ、それぞれ自社の実情に合った内部統制システムの整備を行っております。
■内部統制システムの構造
取締役の定数
当社の取締役は20名以内とする旨を定款に定めております。
取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めております。また、取締役の選任決議は、累積投票によらない旨を定款に定めております。
株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うため、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議については、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う旨を定款に定めております。
剰余金の配当等の決定機関
当社は、経営環境の変化に機動的に対応した株主への利益還元や資本政策を遂行できるよう、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議によって定める旨を定款に定めております。
取締役および執行役の責任免除
当社は、取締役および執行役が職務の遂行にあたり期待される役割を十分に発揮することができるよう、会社法第426条第1項の規定により、会社法第423条第1項に定める取締役(取締役であった者を含む。)および執行役(執行役であった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨を定款に定めております。
責任限定契約
当社は、取締役 小川祥司および社外取締役全員と会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく責任の限度額は、2,000万円または法令が規定する額のいずれか高い額となります。
役員等賠償責任保険契約
当社は、当社およびその子会社等の取締役、執行役、執行役員、監査役および幹部社員等を被保険者として、会社法第430条の3第1項に定める役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。当該保険契約では、被保険者が会社の役員等の地位に基づき行った行為(不作為を含む。)に起因して損害賠償請求がなされたことにより被保険者が被る損害賠償金や訴訟費用等が塡補されることとなり、被保険者のすべての保険料を当社が全額負担しております。ただし、役員等個人の故意かつ詐欺的もしくは不誠実な行為に起因するもの等一定の免責事由があります。
種類株式について
資金調達の選択肢を可能な限り広く確保し、将来にわたり経済やビジネスの環境変化に迅速に対応していくことが可能となるよう、当社は、普通株式のほか、無議決権優先株式を発行できる旨を定款に定めております。優先株式の単元株式数は普通株式と同数の100株であり、優先株主は、普通株主に先立ち優先配当金を受けている限り、すべての事項につき株主総会において議決権を行使することができません。
なお、提出日現在、現に発行している株式は普通株式のみであります。
リスク管理体制の整備
リスク・マネジメント
野村の事業活動は、市場リスク、信用リスク、オペレーショナル・リスク、その他外生的事象に起因するリスクなどのさまざまなリスクに晒されております。野村では、財務の健全性を確保し、企業価値を維持・向上するために、これらのリスクを総合的にコントロールし、モニタリングし、報告するためのリスク管理体制を構築しております。
グローバル・リスク管理体制
リスク管理
野村では、市場リスク、信用リスク、オペレーショナル・リスク、モデル・リスクなど業務運営によって生じる不測の損失により野村グループの資本が毀損する可能性、および野村グループの信用力の低下または市場環境の悪化により必要な資金の確保が困難になる資金流動性リスク、さらに誤った経営判断、拙速な事業の推進、または業界や外部環境の変化に対する不作為により、現在および将来の収益、自己資本、資金流動性、企業価値、または野村グループのレピュテーションが被る戦略リスクなどを管理しております。
そのうえで、野村では全社員が自らリスク管理を行う主体であると認識し、能動的にリスク管理に取り組むことを基本方針としております。野村では、組織内の全階層において積極的なリスク管理がなされるよう推進し、かつリスクをリスク・アペタイトの範囲内に抑制するよう努めております。野村のリスク管理の枠組みはリスク・アペタイト、リスク管理のガバナンスおよび監督、財務的経営資源の管理、すべてのリスク・カテゴリーの管理、リスクの計測および管理プロセスで構成されています。これら主要な項目については次に詳述いたします。
野村は、三つの防衛線による管理体制により、リスク管理を行うこととしております。
・ 第一の防衛線: 財務リスクについてはフロント部署の役職員、非財務リスクについてはすべての役職員が、リスク管理に一義的な責任を負い、業務遂行から生じるリスクにともなう結果のみならず、そのリスクを許容することがリスク・アペタイトに沿っていることの説明責任を負います。
・ 第二の防衛線: リスク管理を行う部署は、第一の防衛線での管理活動をサポート・監視し、取締役および経営陣等へ報告します。また、第一線が自ら策定したリスク管理体制を、独立した立場から評価します。
・ 第三の防衛線: 内部監査部署は、独立した立場からリスク管理に対する検証・評価を行い、改善のための助言を行うと共に、検証・評価結果を監査委員会に報告します。
リスク・アペタイト
野村は、規制資本、資金流動性、業務環境に関する制約等を勘案した上で、経営戦略の目的と事業計画を達成するために許容するリスクの種類および水準を、リスク・アペタイトとして定めています。リスク・アペタイトは、リスク管理統括責任者(CRO)および財務統括責任者(CFO)により提案され、経営会議の承認により決定されます。リスク・アペタイトはその後、執行側からの提案に対して同意を与える権限を有するリスク委員会でさらに審議されます。
リスク・アペタイトには、資本充実度と資金流動性、財務リスク、および非財務リスクを含め、野村グループの事業遂行により生じうるリスクが記載されています。またリスク・アペタイトの各項目の主管部署は、定期的にモニタリングを行い、違反が発生することがないよう、適切に管理を行うこととしています。
野村のリスク・アペタイトは、経営会議において、少なくとも年一回見直しを実施しております。また、見直しは必要に応じて随時、特に当社の戦略に重大な変更があった場合には必ず実施しております。リスク・アペタイトは、野村のリスク管理体制の基礎をなすものです。
リスク管理の組織体制
野村では、効果的な事業運営とリスク管理のための会議体を設置しています。リスク管理体制は以下の通りです。
取締役会
取締役会は、野村グループの経営の基本方針、その他法令に定められた事項について決定し、取締役および執行役の職務執行状況を監督します。また取締役会は、経営会議規程の制定、改廃について決定する権限を有しております。
リスク委員会
リスク委員会は、取締役会の監督機能を更に強化するための専門監督機関です。執行からの独立性を確保するため、社外取締役を委員長としています。主として下記の事項に関し、取締役会による監督の深化に努め、 グループのリスク管理の高度化に資することを目的とします。
・ リスク・アペタイト・ステートメントの改廃
・ リスク管理フレームワークの変更
・ リスク環境の分析・検証結果および今後の予測
・ リスク管理全般の執行状況および中長期的なリスク戦略
経営会議
経営会議は、経営戦略および経営資源の配分並びに経営に係る重要事項を審議もしくは決定し、以て経営資源の有効活用と業務執行の意思統一を図ることにより、株主価値の増大に努めます。またリスク管理に関する審議事項の決定権限をグループ・リスク管理委員会に委譲しています。経営会議の主要な役割は以下の通りです。
・ 経営資源の配賦-各年度の開始にあたり、経営会議はリスク・ウェイティド・アセットや社内資金等の各種経営資源の配賦や経営資源のリミットの設定を行います。
・ 事業計画-各年度の開始にあたり、経営会議は野村の事業計画や予算を承認します。また、期中における、重要な新規ビジネス、事業計画の変更、予算や経営資源の配賦を承認します。
・ レポーティング-経営会議は経営会議の内容等を取締役会へ報告します。
グループ・リスク管理委員会
グループ・リスク管理委員会は、経営会議の委任を受け、野村の統合リスク管理に係る重要事項を審議もしくは決定し、以て業務の健全かつ円滑な運営に努めます。
アセット・ライアビリティ・コミッティー
アセット・ライアビリティ・コミッティーは、経営会議およびグループ・リスク管理委員会の委任を受け、経営会議が定める野村のリスク・アペタイトに基づきバランス・シート管理体制、財務的経営資源の配賦、流動性管理などを審議します。
リスク管理統括責任者
CROは、取締役会または経営会議の委任を受け、第二の防衛線として野村の財務リスク及び非財務リスクを管理します。また、財務リスクの管理に係る事項の審議及び決定を行う会議体、及び財務リスクの管理を担う担当者に、自らの権限を委任することができます。CROは、非財務リスクの管理において、他のコーポレート機能が構築する管理体制を検証し、適宜牽制をおこなうことでその妥当性を担保しております(非財務リスクについて責任を負う「その他の責任者」の欄も別途ご参照ください)。更に、資金流動性リスクの管理に関しましては、必要に応じて牽制を行います(資金流動性リスクについて責任を負う「財務統括責任者」の欄も別途ご参照ください)。CROは、財務統括責任者と共同でリスク・アペタイトの管理に責任を負います。
財務統括責任者
CFO は、取締役会または経営会議の委任を受け、第二の防衛線として野村グループの財務的経営資源及び資金流動性リスクを管理し、CRO と共同でリスク・アペタイトの管理に責任を負います。
CFO は、財務的経営資源及び資金流動性リスクの管理に係る事項の審議及び決定を行う会議体、及び財務的経営資源及び資金流動性リスクの管理を担う担当者に、自らの権限を委任することができます。
その他の責任者
三つの防衛線によるリスク管理に関する基本方針に基づき、オペレーショナル・リスクに責任を負う部署の責任者は、担当するオペレーショナル・リスクについて、自らが所管となるリスクについて、第二の防衛線としての管理体制を構築し、リスク・アペタイトの設計を主導するとともに、リスク・アペタイトのモニタリング及びその有効性維持の責任を負うCRO に協力します。
コンプライアンス統括責任者(CCO)は、CROと協同し、レピュテーショナル・リスクについて、適切な管理の枠組みを設置するほか、主導的にリスク・アペタイトを策定する責任を負います。
リスク・ポリシー管理の枠組み
ガバナンス上必要不可欠なツールの規程、スタンダード、実施手続には、野村のリスク管理を円滑に行うための基本方針、規則、基準や特定のプロセスが定義されております。リスク管理の実務は、これらの規程、スタンダードおよび実施手続に基づいて運営されています。
モニタリング、報告およびデータ管理
リスクに関する経営情報の算出と集計、報告およびモニタリングは、適切なリスク管理体制に不可欠です。リスクに関する経営情報の目的は、適切な上申と意思決定、および対応策の策定に資する情報を提供することです。リスク・マネジメント部門およびファイナンス部門は、リスク・アペタイトに対応するポジションの状況に関する経営情報を定期的に取りまとめる責任を有します。リスクに関する経営情報は、リスク・カテゴリー全般にわたる情報を含み、また各リスクの特定および評価のためのさまざまなリスク管理手法を使用して作成されます。上記両部門は、リスクに関する経営情報に関するデータを適切に管理する責任を有します。
野村は、財務的経営資源を適切に使用するため、財務的経営資源の管理体制を構築しております。経営会議は、期初に、各部門に財務的経営資源の配賦を行います。各部門では、財務的経営資源の配賦により収益予算の策定を行います。財務的経営資源の主要な構成要素は以下のとおりです。
リスク・ウェイティド・アセット
経営会議は毎年、連結自己資本比率(連結Tier1比率)の最低基準値を決定します。自己資本比率を算出する際の重要な構成要素はリスク・ウェイティド・アセット(RWA)となり、このRWAは経営会議により、各部門やそれ以下の階層に配賦されております。また、RWAを補完する、非リスク・ベースの指標であるレバレッジ比率の枠組みにおいて、エクスポージャー水準に関するリスク・アペタイトを経営会議にて決定しております。詳しくは「第2[事業の状況] 4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (5)流動性資金調達と資本の管理」の「連結自己資本規制」の項目をご参照ください。
社内資金
財務統括責任者は、野村グループ内に無担保で提供される資金の上限額を決定し、経営会議は各部門へ配分を行います。グローバル・トレジャリーは部門毎の資金使用量をモニタリングし、経営会議に報告します。
リスク・カテゴリーと定義
野村では、リスクを以下のとおり分類、定義したうえで、各リスクを管理する部署または組織を設置しております。
リスク・カテゴリー |
定義 |
財務リスク |
|
市場リスク |
市場のリスク・ファクター(金利、為替、有価証券の価格等)の変動により、保有する金融資産および負債(オフ・バランスを含む)の価値が変動し、損失を被るリスクをいいます。 |
信用リスク |
債務者が、債務不履行、破産、または法的手続き等の結果として、予め合意した条件通りに契約上の義務を履行できないことにより、損失を被るリスクをいいます。信用リスクは、カウンターパーティの信用力低下を反映したクレジット・バリュエーション・アジャストメント(CVA)により損失を被るリスクを含みます。 |
モデル・リスク |
モデルの誤謬、またはモデルの不正確もしくは不適切な適用により、財務的損失を被るリスク、意思決定を誤るリスク、または顧客からの信頼低下を引き起こすリスクをいいます。 |
非財務リスク |
|
オペレーショナル・リスク |
内部プロセス・システム・役職員の行動が不適切であること、機能しないこと、もしくは外生的事象から生じる財務上の損失、または法令諸規則の違反や野村グループの評判の悪化といった非財務的影響を被るリスクをいいます。オペレーショナル・リスクには、野村グループの非財務リスク分類に定義されているコンプライアンス、リーガル、ITおよびサイバーセキュリティ、不正、外部委託先に関わるリスクその他の非財務リスクが含まれます。 |
レピュテーショナル・リスク |
野村グループのステークホルダーから見た場合に、不適切、非倫理的、または野村の価値観や企業理念と矛盾していると判断される行為等が行われた結果、野村グループの評判を損なうリスク、またそれにともない当社の利益、資本、流動性が影響を受けるリスクをいいます。 |
資金流動性リスク |
|
資金流動性リスク |
野村グループの信用力の低下または市場環境の悪化により必要な資金の確保が困難になる、または通常より著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスクをいいます。 |
その他のリスク |
|
ESG: 環境、社会、ガバナンス |
ESGとは、環境(E)、社会(S)、およびガバナンス(G)の総称であり、「環境」とは気候変動を含む自然環境に関する課題、「社会」とは人権、労働環境に関する課題への対応、その他のステークホルダーおよび地域社会との関係、そして「ガバナンス」とは企業統治、企業行動、および開示の透明性確保への取組みなどに関する課題を指します。 |
戦略リスク
|
誤った経営判断、拙速な事業の推進、または業界や外部環境の変化に対する不作為により、現在および将来の収益、自己資本、資金流動性、企業価値、または野村グループのレピュテーションが被るリスクをいいます。 |
市場リスク管理
市場リスクは、市場のリスク・ファクター(金利、為替、有価証券の価格等)の変動により、保有する金融資産および負債(オフ・バランスを含む)の価値が変動し、損失を被るリスクです。
市場リスク管理プロセス
市場リスクを適切に管理するためには、複雑かつ不断に変動する市場環境をグローバルに分析し、損失に繋がる可能性のある傾向を把握したうえで、適時に適切な対応を取る能力が必要となります。
野村では継続して市場リスクを統計的に計測・モニタリングする主要な手段として、バリュー・アット・リスク(VaR)、ストレスVaR(SVaR)および追加的リスクを利用しております。また、感応度分析やストレス・テストも市場リスクを評価・分析する手段として利用しております。感応度は、市場リスク・ファクターの単位当たりの変動によるポートフォリオ価値変化を示す尺度として利用されます。感応度は、資産種別によって異なり、通常、異なるリスク・ファクターに関する感応度を合算することはできません。ストレス・テストにおいては、ポートフォリオ・リスクやテイル・リスクをその非線形な性質を含めて分析し、グループ全体から各部門、個々のトレーディング・デスクに到るあらゆる階層で、市場リスク・ファクターを横断した合算が可能となります。市場リスクは、ビジネス部門やシニア・マネジメントに報告される日次レポートその他の経営情報により、社内手続きに基づいて承認されたリミット内であるかどうかモニタリングされます。
VaR
VaRは、株価、金利、クレジット・スプレッド、為替レート、コモディティ価格とこれらのボラティリティや相関を含む市場要因の不利な動きにより発生しうる損失額を計測するものです。
VaRメソドロジーの前提
野村は、グループ全体のトレーディングに関するVaRの計測にあたり、グローバルに実装された単一のVaRモデルを利用しています。野村は、このVaRモデルにおいてヒストリカル・シミュレーション法を採用しており、過去2年間のヒストリカルな市場の動きを、野村の現在のエクスポージャーに適用することにより収益分布を構成します。この分布を利用して、将来発生しうる損失を必要な信頼水準(確率)において推定することができます。市場変動性の変化を反映するようシナリオの重みを付ける手法を採用した、保有期間1日のVaR(以下に掲載)は、リスク管理やリスク・リミットに対するモニタリングに利用されます。市場変動性の変化を過度に反映しないようシナリオの重みを均等にする方法の保有期間10日のVaRは、規制資本の計算に利用されます。保有期間10日のVaRは、実際の10日間における市場変動のヒストリカル・データを利用して計算されます。野村は、これらのVaRの計算に加え、バーゼル2.5規制のもとでVaRを補完するためにSVaRの計算を行っています。SVaRはストレス下にある金融市場のある1年間のデータを利用して計測されます。このSVaRの対象期間は、定期的に調整されますが、SVaRに利用されるヒストリカル・データは、重みを付けていません。
野村のVaRモデルは、個々のヒストリカル・データを利用します。しかし、高品質な個別データが存在しない場合、代理変数ロジックにしたがって当該エクスポージャーに適切なヒストリカル・データを割り当てます。代理変数の妥当性は、内部のリスク管理プロセスを通じて慎重にモニタリングされると共に、VaR計算に利用されるヒストリカル・データの拡大にも継続的に取り組んでおります。
VaRバックテスティング
野村のVaRモデルのパフォーマンスが、目的に合致しているかは、注意深くモニタリングされております。VaR検証の主な方法は、1日分の損失とそれに対応するVaR値の比較(バックテスティング)です。野村は、VaRモデルのバックテスティングを、さまざまな異なるレベルで行っており、バックテスティングの結果はリスク・マネジメント部門が月次でレビューしております。2024年3月31日以前の12か月においては、野村グループの1日分の損失が、(現在の自己資本比率規制の要件である)信頼水準99%VaRを超過した日はございませんでした。
VaRの限界と利点
VaRの主な利点は、さまざまな資産区分のリスクの合算が可能であることです。しかしながら、リスク計測方法としてのVaRには、リスク計測に利用する際に留意すべき点としてよく知られている限界があります。主な限界のひとつは、過去データに基づいたリスク計測であることです。つまり、目先の市場変動を推測する場合、直近の変動要因に基づく分布および相関から推測することが適していることを暗黙のうちに仮定しております。また、VaRは流動性のある市場におけるリスクの把握に適しておりますが、急に不連続に変動する市場要因の把握には適しておりません。それゆえに、VaRは厳しい事象の影響について、すべてを表しているとはいえません。野村はVaRモデルが有する限界を認識しており、VaRを多様なリスク管理プロセスのひとつの要素としてのみ利用しております。
ストレス・テスト
野村は、VaRや感応度分析がすべてのポートフォリオ・リスクやテイル・リスクを捕捉できないという限界を有することから、市場リスクのストレス・テストを行っております。このストレス・テストは定期的に行われ、ストレス・シナリオはトレーディング・ストラテジーの特性に応じて柔軟に設定されます。野村では、デスク・レベルのみならず、市場変動が野村全体に与える影響を反映するためにグローバルに統一されたシナリオによるグループ・レベルでのストレス・テストも行っております。
ノン・トレーディング・リスク
野村におけるノン・トレーディング・ポートフォリオの主な市場リスクは、取引関係維持やビジネス推進を目的として長期的に保有している投資有価証券にかかるもので、主に日本の株式市場の変動の影響を受けます。このポートフォリオの市場リスクを推定する手法のひとつに、東京証券取引所上場銘柄に対する主要インデックスであるTOPIXの変化に対する市場感応度分析があります。
野村では、TOPIXとビジネス推進を目的として保有する株式の直近90日間の市場価格の変動に基づく回帰分析を行います。野村の試算では、取引関係維持やビジネス推進を目的として保有する株式は、TOPIXが10%変動すると、2023年3月末で約69億円、2024年3月末で約83億円の損失が予想されました。TOPIXは2023年3月末は2,003.50ポイント、2024年3月末は2,768.62ポイントで引けております。このシミュレーションは、TOPIXとの回帰分析により算出された結果です。したがって、投資有価証券の個々の株式の価格変動により、実際の結果はこの試算とは異なる点にご留意ください。
信用リスク管理
信用リスクとは、債務者が、債務不履行、破産、または法的手続き等の結果として、予め合意した条件どおりに契約上の義務を履行できないことにより、損失を被るリスクをいい、オフ・バランス資産にかかる損失を含みます。当該リスクはまた、カウンターパーティの信用力低下を反映したCVAにより損失を被るリスクを含みます。なお、野村では、グローバルおよびリーガル・エンティティ単位で信用リスクを管理しています。
信用リスク管理体制
野村における信用リスクの計測、モニタリングおよび管理に関する事項は、グローバル・ポリシー、スタンダード、プロシージャーで規定しています。クレジット・リスク・マネジメント(CRM)は、リスク・マネジメント部門内のグローバルな組織として、これらのポリシー等の実装、および維持、管理に責任を負います。これらのポリシー等は、グループ・リスク管理委員会、グループ・リスク審査委員会、またはグローバル・リスク・ストラテジック・コミッティの承認を受けて制定され、信用リスク管理の基本方針のほか、クレジット・リミット設定にかかる承認権限を定めています。
信用リスクは、CRMならびに、グローバルおよび地域の各種リスク・コミッティにより管理されており、重大な信用リスクの把握やクレジット・リミットの遵守の徹底のほか、多額の与信の提供に関する承認や、シニア・マネジメントがリスクの集中に関する承認を行う体制を確保しています。
信用リスク管理プロセス
CRMは、リスク・マネジメント部門内の信用リスクを管理するための組織であり、CROに報告します。野村における信用リスク管理プロセスには、以下を含みます。
・ カウンターパーティの債務不履行の可能性の評価
・ すべてのアクティブなカウンターパーティに対する内部格付の付与
・ 与信の供与およびクレジット・リミットの設定に関する承認
・ 時価および将来のポテンシャル・エクスポージャーの計測、モニタリングおよび管理
・ 契約書における信用リスクに関する条件の設定
・ 一括清算、担保徴求およびヘッジを含む適切な信用リスク削減手法の活用
信用リスク管理の対象には、カウンターパーティとの取引に加えて、ローン、プライベート・エクイティ投資、ファンド投資、投資有価証券のほか、信用リスク管理が必要と考えられる各種の債券や株式商品を含みます。
カウンターパーティの信用力の評価は、対象先の事業環境、競争力、経営陣や財務面での強みや柔軟性に関する詳細なデュー・ディリジェンスや分析に基づき行います。また、クレジット・アナリストは、対象先の組織体制や、明示的なまたは暗黙の信用補完も考慮します。なお、CRMは、カウンターパーティのみでなく、カウンターパーティ・グループ単位でも信用リスクを評価します。
CRMは、信用分析の結果に基づき、カウンターパーティまたは債務者のデフォルト確率を評価し、格付機関と同様のアルファベット記号や所定の番号を付与します。クレジット・アナリストは、内部格付を付与するとともに、年1回以上、見直しを行う責任を負います。
野村の内部格付制度では、さまざまな格付モデルを使用して、グローバルに一貫性と正確性を確保しています。これらのモデルは、リスク・メソドロジー・グループにより開発され、見直しが行われています。内部格付は、野村におけるカウンターパーティの信用リスク管理における重要な構成要素として、以下のプロセスで幅広く活用されています。
・ 個々のカウンターパーティまたはカウンターパーティ・グループに対して野村が許容するカウンターパー ティ・クレジット・リスクの上限額の設定(クレジット・リミットの設定)
・ クレジット・リミット設定の承認権限の委譲に係る基準額の決定(テナーを含む)
・ クレジット・レビュー(クレジット・リミットの見直し)の頻度の決定
・ カウンターパーティ・クレジット・リスクに関する野村のシニア・マネジメント向けの報告
・ カウンターパーティ・クレジット・リスクに関する社外ステークホルダー向けの報告
クレジット・リスク・コントロール・ユニット(CRCU)はリスク・モデル・バリデーション・グループ内に設置されており、CRMから独立した立場で、野村の内部格付制度に関する検証が適切に実施される体制を確保し、制度に問題があればその速やかな解決のために、シニア・マネジメントに報告します。CRCUは、内部格付制度が正確、かつリスクを予知できるものであることを確認し、シニア・マネジメントに対して定期的に制度に関する報告を行います。
野村は、規制自己資本を算出するための信用リスク・アセットの計算において、2011年3月より基礎的内部格付手法を採用しています。なお、信用リスク・アセットの計算において、重要性の低い一部のビジネスまたは資産については、標準的手法を採用しています。尚、2025年4月以降の規制変更について対応準備中です。
内部格付はデフォルト確率(PD)と紐付けされ、信用リスク・アセット額算出に使用されています。PDは毎年リスク・メソドロジー・グループによって推計され、CRCUによるその保守性のチェックと使用されたPDのバックテストを通じ検証されています。
クレジット・リミット/リスク計測
内部格付は、カウンターパーティに対してクレジット・リミットを設定するために必要不可欠なものです。また、野村のクレジット・リミットの枠組みは、リスク・アペタイトに沿って、適切に信用リスクを取ることができるように設計されています。グローバルのクレジット・ポリシーでは、内部格付に基づき、個々のカウンターパーティ・グループに対して設定できるクレジット・リミットおよびテナーの上限を定めた承認権限の表を定めています。
野村では、カウンターパーティ・エクスポージャーは、主にデリバティブ取引、証券貸借取引(総称して「デリバティブ等取引」)により発生しています。カウンターパーティに対して発生するクレジット・エクスポージャーは、個々のカウンターパーティの信用力の分析に基づき設定するクレジット・リミットにより管理しています。信用リスクは、設定したクレジット・リミットによるクレジット・エクスポージャーのモニタリングや、カウンターパーティの信用力に関する継続的なモニタリングを通して、日次で管理しています。特定のカウンターパーティ、セクター、産業または国に対する野村のリスク・アペタイトを変更させるような状況下では、その内容、程度に応じて、内部格付やクレジット・リミットの変更を行います。
野村のグローバル・クレジット・マネジメント・システムには、カウンターパーティに対するクレジット・リミットおよびクレジット・エクスポージャーが記録されています。これにより、CRMは、クレジット・リミットの使用状況を把握、監視、管理し、リミット超過が発生した場合、適切に報告を行う体制を確保しています。
野村では、デリバティブ等取引については、主に所定の信頼水準でのポテンシャル・エクスポージャーを計測するモンテ・カルロ・シミュレーション・モデルで信用リスクを計算しています。信用リスク管理に使用されるエクスポージャー計測モデルは、2012年12月末より、期待エクスポージャー方式による連結自己資本規制比率の算出にも利用されています。なお、ローンおよびローン・コミットメントは、使用分および未使用分の双方について、計測およびモニタリングを行っています。
ロング・ウェイ・リスク
ロング・ウェイ・リスクは、カウンターパーティに対するエクスポージャーが、当該カウンターパーティの信用力の悪化と高い相関関係にある場合に発生するリスクをいいます。野村は、ロング・ウェイ・リスクを管理するためのグローバルのポリシーを設置しています。また、ポートフォリオのロング・ウェイ・リスクの評価ではストレス・テストも活用し、クレジット・エクスポージャーや規制自己資本について必要に応じて調整を行っています。
ストレス・テスト
ストレス・テストは、野村の信用リスク管理において必要不可欠であり、定期的に実施するストレス・テストにより、カウンターパーティ、セクター、および地域ごとの信用リスクの評価を行っています。なお、ストレス・テストには、リスク・ファクター、デフォルト確率または格付遷移に一定のストレスを与えることでリスクの集中度合いを確認するテストも含まれます。
リスク削減手法
野村では、信用リスク管理において、金融商品、契約書、さらに一般的な取引慣行を活用しています。野村は、多くのカウンターパーティとの間で、国際スワップデリバティブ協会の基本契約書、またはそれに準ずる契約書(総称して「マスター・ネッティング契約」)を締結しています。マスター・ネッティング契約を締結することで、債権、債務を相殺し、カウンターパーティのデフォルトにより発生する潜在的な損失額を減少させています。また、信用リスクをさらに削減するため、担保契約も活用し、取引開始時、またはエクスポージャーの水準、もしくはその他の事由が発生した際に、カウンターパーティから担保を受領できるようにしています。
デリバティブ等取引における与信相当額
以下は、2024年3月末における野村のトレーディング目的のデリバティブ等取引における与信相当額になります。カウンターパーティの信用格付と満期までの年限ごとに公正価値で表示しており、これらの信用格付は野村のCRMが付与した内部格付です。
|
(単位:十億円) |
|||||||||||||||||
信用格付 |
|
満期までの年限 |
|
異なる満期間の相殺(1) |
|
公正価値の合計 (a) |
|
受入担保額(b) |
|
再構築コスト(3) (a)-(b) |
||||||||
|
1年未満 |
|
1年から3年 |
|
3年から5年 |
|
5年から7年 |
|
7年超 |
|
|
|
|
|||||
AAA |
|
16 |
|
13 |
|
5 |
|
12 |
|
52 |
|
△85 |
|
13 |
|
1 |
|
12 |
AA |
|
359 |
|
336 |
|
156 |
|
100 |
|
712 |
|
△1,272 |
|
391 |
|
103 |
|
288 |
A |
|
517 |
|
397 |
|
209 |
|
219 |
|
864 |
|
△1,748 |
|
458 |
|
168 |
|
290 |
BBB |
|
302 |
|
109 |
|
65 |
|
39 |
|
315 |
|
△492 |
|
338 |
|
157 |
|
181 |
BB以下 |
|
161 |
|
92 |
|
67 |
|
8 |
|
52 |
|
△238 |
|
142 |
|
568 |
|
- |
その他(2) |
|
63 |
|
82 |
|
104 |
|
128 |
|
831 |
|
△1,246 |
|
△38 |
|
90 |
|
- |
小計(店頭取引デリバティブ) |
|
1,418 |
|
1,029 |
|
606 |
|
506 |
|
2,826 |
|
△5,081 |
|
1,304 |
|
1,087 |
|
771 |
上場デリバティブ |
|
587 |
|
38 |
|
13 |
|
5 |
|
0 |
|
△423 |
|
220 |
|
244 |
|
- |
合計 |
|
2,005 |
|
1,067 |
|
619 |
|
511 |
|
2,826 |
|
△5,504 |
|
1,524 |
|
1,331 |
|
771 |
(1)同一のカウンターパーティとのデリバティブ等取引の異なる満期の債権、債務の相殺額を表示しています。また、同一のカウンターパーティとの同一の満期の取引については、債権、債務の相殺後の金額を各年限の欄に表示しています。なお、編纂書210-20「貸借対照表-相殺」および編纂書815「デリバティブとヘッジ」に基づき、デリバティブ等取引にかかる現金担保による相殺効果も勘案されています。
(2)「その他」は、無格付のカウンターパーティおよび特定のカウンターパーティを対象としない、ポートフォリオ・レベルでの評価調整を含んでいます。
(3)受入担保額がデリバティブ等取引の公正価値の合計を上回っている場合、野村の与信相当額を適切に表示しないためゼロと表記しております。
カントリー・リスク
カントリー・リスクは、ある国に影響を及ぼす重大な事象(政治、経済、法制度にかかるイベント等)に起因したビジネス上の不確実性をいいます。野村において、カントリー・リスク管理の枠組みは、その他のリスク管理の枠組みを補完する役割を果たしていますが、この枠組みは、特定国に対するクレジット・エクスポージャーの集中を制限するためのカントリー・リミット、カントリー・レーティング、さらに役割分担や承認権限およびその委任等について定めたカントリー・リスク管理のポリシーやプロシージャーなど多数の管理ツールで構成されています。
野村のクレジット・ポートフォリオは、高格付の国・地域別に十分に分散されております。エクスポージャーの95%以上は投資適格国・地域からのものであり、エクスポージャー残高の上位10か国・地域の内訳は、以下のとおりとなっております。
カントリー・エクスポージャー上位10か国・地域(1) |
( 単位 : 十億円 ) |
(2024年3月31日) |
|
米国…………………………………………………………………………………… |
7,477 |
日本…………………………………………………………………………………… |
2,635 |
英国…………………………………………………………………………………… |
1,105 |
シンガポール………………………………………………………………………… |
301 |
カナダ………………………………………………………………………………… |
257 |
インド………………………………………………………………………………… |
249 |
韓国…………………………………………………………………………………… |
223 |
ドイツ………………………………………………………………………………… |
217 |
ルクセンブルク……………………………………………………………………… |
186 |
香港特別行政区……………………………………………………………………… |
169 |
(1) 上表には、2024年3月末時点のカントリー・エクスポージャーの上位10か国・地域を記載しています。カントリー・エクスポージャーは、カウンターパーティ・エクスポージャーとインベントリー・エクスポージャーを合算して算出します。
- カウンターパーティ・エクスポージャーには、現金・現金同等物、清算参加者として当社から中央清算機関に預託される清算基金・当初証拠金の残高、デリバティブ取引および有価証券貸借取引の公正価値(法的に有効な担保契約に基づく担保考慮後)、引当金考慮後のコミットメント総額の公正価値が含まれます。
- インベントリー・エクスポージャーには、債券、株式、エクイティ・デリバティブ、クレジット・デリバティブの公正価値が含まれ、ロング・ポジションとショート・ポジションをネットしたものとなっています。
オペレーショナル・リスク管理
野村はオペレーショナル・リスクを、内部プロセス・システム・役職員の行動が不適切であること、機能しないこと、もしくは外生的事象から生じる財務上の損失、または法令諸規則の違反や野村グループの評判の悪化といった非財務的影響を被るリスクと定義しています。オペレーショナル・リスクには、野村グループの非財務リスク分類に定義されているコンプライアンス、リーガル、IT およびサイバーセキュリティ、不正、外部委託先に関わるリスクその他の非財務リスクが含まれます。この定義は、戦略リスク(経営陣の不適切な意思決定により損失を被るリスク)およびレピュテーショナル・リスクを含みませんが、上記オペレーショナル・リスクの顕在化の結果として野村グループ各社の評判の悪化に至ることもあるため、オペレーショナル・リスクとレピュテーショナル・リスクは密接に関連します。
野村におけるオペレーショナル・リスク管理の枠組み
野村は、オペレーショナル・リスクの特定、評価、管理、モニタリング、報告が可能となるオペレーショナル・リスク管理の枠組みを整備しております。経営会議より委任を受けたグループ・リスク管理委員会がこの枠組みに基づくオペレーショナル・リスク管理全般を監督しています。オペレーショナル・リスク管理の枠組みは、以下のように構成されております。
管理の枠組みの基盤
・ ポリシー・フレームワークの構築と維持:オペレーショナル・リスク管理に関して定められた各種基本的事項をポリシー等として明文化します。
・ 研修および理解の促進:オペレーショナル・リスク管理について、野村内の認識を高めるための取組みです。
主要な管理活動
・ オペレーショナル・リスク事象等の報告:オペレーショナル・リスクに起因して損失または利益、もしくはその他の影響が発生した、あるいは発生する可能性があった事件および事故、あるいは他社事例についての情報を収集・報告するプロセスです。
・ RCSA(Risk & Control Self Assessment、リスクとコントロールの自己評価):自らの業務におけるオペレーショナル・リスクや、リスク削減のために導入されているコントロールを特定、評価し、更なるリスク削減に向けた対応策を策定するために、ビジネス・ユニットが用いるプロセスです。オペレーショナル・リスク管理部署は、RCSAプロセスを構築し、ビジネス・ユニットへの導入を支援します。
・ KRI(Key Risk Indicator、リスク指標):オペレーショナル・リスクにかかる主要な計数の収集と監視を行い、予め定めた水準を超えた場合には必要な対応を行うプロセスです。
・ シナリオ分析 :テール・リスク(低頻度大規模損失が発生する可能性)を評価し、必要に応じて統制の改善を行うプロセスです。
管理活動結果の活用
・ 分析および報告:オペレーショナル・リスク管理部署の主要な役割として、ビジネス・ユニットからもたらされるオペレーショナル・リスク情報について事実確認や原因分析を行ったうえで経営陣等へ報告を行います。
・ 所要資本の計算と配賦:バーゼル規制および地域規制当局の要件に基づき、オペレーショナル・リスクにかかる所要自己資本を計算しております。
オペレーショナル・リスクの所要自己資本額計算
野村は、金融庁告示に定められた粗利益配分手法によりオペレーショナル・リスクにかかる所要自己資本額を算出しております。粗利益配分手法では、業務区分に配分した粗利益に金融庁に定められた一定の掛目を乗じたものの過去3年間の平均値を計算し、オペレーショナル・リスク相当額としております。尚、2025年4月以降の規制変更について対応準備中です。
野村では、所要自己資本額を算出する際に用いる粗利益として、連結ベースの金融費用控除後の収益を用います。ただし、一部の子会社については、売上総利益を粗利益として用いております。これら粗利益を、管理会計上のセグメント情報を用いて、下表の業務区分に配分します。
業務区分 |
内容 |
掛目 |
リテール・バンキング |
リテール向け預貸関連業務等 |
12% |
コマーシャル・バンキング |
リテール向け以外の預貸関連業務等 |
15% |
決済業務 |
顧客の決済にかかる業務 |
18% |
リテール・ブローカレッジ |
主として小口の顧客を対象とする証券関連業務 |
12% |
トレーディングおよびセールス |
特定取引にかかる業務および主として大口の顧客を対象とする証券・為替・金利関連業務等 |
18% |
コーポレート・ファイナンス |
企業の合併・買収の仲介、有価証券の引受け・売出し・募集の取扱い、その他顧客の資金調達関連業務等 |
18% |
代理業務 |
顧客の代理として行う業務 |
15% |
資産運用 |
顧客のために資産の運用を行う業務 |
12% |
・ 各業務区分に配分された金融費用控除後の収益額と、上表のとおり各区分に設定された掛目をそれぞれ乗じることにより「業務区分配分値」を算出します。いずれの業務区分にも配分されない収益額については18%を乗じ、「配分不能値」を算出します。
・ これらの業務区分配分値と配分不能値をすべての業務区分について合計することにより、「年間合計値」を算出します。この年間合計値を直近3年間について計算し、それらの平均値がオペレーショナル・リスクに相当する所要自己資本の額となります。年間合計値が負の場合にはゼロとして平均値を算出します。業務区分配分値を合計する際、ある業務区分配分値が負であった場合には、他の区分における正の業務区分配分値と相殺します。ただし、配分不能値が負の場合には、相殺は行わず、ゼロとして取り扱います。
・ オペレーショナル・リスク所要自己資本額の計算基準時点は3月末と9月末であり、年2回計算されます。
モデル・リスク管理
モデル・リスクとは、モデルの誤謬、またはモデルの不正確もしくは不適切な適用により、財務的損失を被るリスク、意思決定を誤るリスク、または顧客からの信頼低下を引き起こすリスクをいいます。
野村では、モデル・リスクを効果的に管理するため、モデルの開発、管理、検証、承認、使用、継続的モニタリング、定期レビューを監督するモデル・リスク管理の枠組みを整備しています。また、規程および実施手続において、当社のリスク・アペタイトに照らしたモデル・リスクのモニタリングをはじめとする、モデルの開発、検証、使用、および維持管理に至るまでの各段階における各種手続きの要件を定めています。
新規モデルの導入および承認済みモデルの重要な変更にあたっては、正式使用の前に、モデル開発チームから独立したチームによる検証を受ける必要があります。モデル変更の重要度の判定基準は、モデル・リスク管理の実施手続に定めています。独立検証において、モデル検証チームは、複数の分析を通しモデルの適切性を評価、モデルの限界を特定し、モデル・リスクの定量化を図ります。モデル・リスクは、モデルの承認時にモデルの使用制限、モデル・リザーブ、資本調整等の条件を適用することにより低減されます。モデルが適切であることを継続的に評価するため、承認されたモデルに対して定期検証手続き、およびモデルのパフォーマンスのモニタリングを実施しています。モデル・リスク管理を担う委員会において、全体の監督、精査、ガバナンス、検証済みモデルの最終承認を行います。
リスク計測と管理手法
リミット管理の枠組み
堅牢なリミット・モニタリングおよび管理を構築することは、リスクの適切なモニタリングおよび管理の要となります。リミット管理の枠組みにおいては、適正な水準の権限を有する組織階層においてリミットの承認が行われるように、エスカレーションの方針が策定されます。リスク・マネジメント部門およびファイナンス部門は、リミットの承認、モニタリング、必要に応じて実施する報告を含む、日々のリミット管理の運用に責任を有します。ビジネス部門は、当該リミットを遵守する責任を有します。リミットは、市場リスク、信用リスク、モデル・リスクなどの定量的指標に適用されます。
ニュー・ビジネス・リスク管理
ニュー・ビジネス承認プロセスは、野村にとっての新規ビジネスに取り組む際の最初の手続きであり、経営陣の意思決定を支援し、新商品および案件に関連して確実にリスクを認識し適切な管理を行うためのものです。ニュー・ビジネス承認プロセスは以下のとおり2つのプロセスで構成されます。
(1)案件の承認プロセス:案件のレビューを実施し、意思決定をするプロセスであり、権限を有する各種の案件会議が設置されます。遵守されない場合の責任についても文書として明確に定められています。
(2)新商品承認プロセス:ビジネス部門のスポンサーが新商品の取扱を申請し、関連部署からさまざまな意見を得ることができるプロセスです。新商品の組成および取引を実施した結果生じるあらゆるリスクを横断的に把握し、分析することを目的とします。
野村は、市場環境におけるさまざまな変化に適切に対応するため、今後もニュー・ビジネス承認プロセスを通じて、健全かつ実効性のある管理を継続して参ります。
ストレス・テスト
野村グループでは、さまざまな階層におけるリスクを網羅し、さまざまなストレス期間、ショック水準、蓋然性、およびメソドロジーを使ったストレス・テストを実施しております。ストレス・テストの結果は、資本計画、資本の十分性評価、流動性の十分性評価、再建・破綻処理計画の策定、リスク・アペタイトの適切性の評価、および通常のリスク管理において利用します。
ストレス・テストは定期的に実施する他、外部環境、または野村のリスク・プロファイルに大きな変化が生じた場合には必要に応じ行います。ストレス・テストの結果は、ストレス・テストの種類に応じて、詳細な分析と共にシニア・マネジメントおよび他のステークホルダーへ適切に報告します。
ストレス・テストの手法は、大きく以下に分類されます。
・ 感応度分析は、他のリスク・モデルでは計測が容易でないリスクを補足するために、1種類、ないしは関連する2種類のリスク・ファクター(株価、または株価とそのボラティリティ等)における市場変動の影響を計測する目的で行われます。
・ シナリオ分析は、複数の資産区分およびリスク区分にわたり定義されたイベントによる影響を計量化する目的で利用されます。また野村のさまざまな階層に対してストレス・テストを行う際の主たる方法として利用されます。
シナリオ分析の実施例としては、以下のものがあります。
・ 事業環境とビジネスのリスク・プロファイルや、国内外の経済環境とその見通しを勘案したストレス・シナリオを複数策定し、資本充実度と手許流動性に関するリスク・アペタイトの妥当性の検証。
・ 少なくとも四半期に一度実施する、野村グループの資本充実を評価するための、蓋然性が一定程度ある厳しいシナリオを採用したストレス・テスト。
・ 少なくとも年に一度実施する、リバース・ストレス・テスト(当社の事業継続が困難となる状況を引き起こす可能性のある脆弱性がどこにあり、そのような状況でいかに対応するかを分析し、当該分析の結果を検証するプロセス)。
野村グループでは、ストレス・テストを、グループ全体のガバナンスの重要な機能と位置付け、コーポレート機能、ビジネス部門、および経営陣の間の意思疎通をもとに実施し、将来を見据えたリスク管理や、意思決定のプロセスにおいて活用しています。
① 役員一覧
男性
(1)取締役の状況
役職名 |
氏名 |
生年月日 |
略歴 |
任期 |
所有株式数 (百株) (注4) |
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役職名 |
氏名 |
生年月日 |
略歴 |
任期 |
所有株式数 (百株) (注4) |
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Laura Simone Unger 〔ローラ・ アンガー〕 |
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(ADR 1,000) (注5) |
役職名 |
氏名 |
生年月日 |
略歴 |
任期 |
所有株式数 (百株) (注4) |
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Victor Chu [ビクター・チュー] |
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J.Christopher Giancarlo [クリストファー・ジャンカルロ] |
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役職名 |
氏名 |
生年月日 |
略歴 |
任期 |
所有株式数 (百株) (注4) |
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Patricia Mosser [パトリシア・モッサー] |
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(ADR 100) (注5) |
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役職名 |
氏名 |
生年月日 |
略歴 |
任期 |
所有株式数 (百株) (注4) |
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計 |
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3 当社は指名委員会等設置会社であります。また、当社は法定の三委員会(指名委員会、報酬委員会および監査委員会)に加え、野村グループのリスク管理の高度化に資することを目的として、社外取締役と非業務執行取締役により構成される「リスク委員会(英文名称:Board Risk Committee)」を設置しております。委員会体制につきましては次のとおりであります。
指名委員会 |
委員長 |
大島 卓 |
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委員 |
高原 豪久 |
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委員 |
永井 浩二 |
報酬委員会 |
委員長 |
大島 卓 |
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委員 |
高原 豪久 |
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委員 |
永井 浩二 |
監査委員会 |
委員長 |
石塚 雅博 |
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委員 |
Victor Chu |
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委員(常勤) |
小川 祥司 |
リスク委員会 |
委員長 |
Laura Simone Unger |
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委員 |
J.Christopher Giancarlo |
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委員 |
Patricia Mosser |
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委員 |
石黒 美幸 |
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委員 |
小川 祥司 |
(2)執行役の状況
役職名 |
氏名 |
生年月日 |
略歴 |
任期 |
所有株式数 (百株) (注3) |
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代表執行役 執行役社長 グループCEO |
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(注1) |
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代表執行役 執行役副社長 |
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(注1) |
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執行役 執行役副社長 チーフ・オブ・スタッフ |
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執行役 財務統括 責任者(CFO) チーフ・トランスフォーメーション・ オフィサー(CTO) |
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執行役 リスク管理統括 責任者(CRO) |
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執行役 コンプライアンス 統括責任者(CCO) |
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役職名 |
氏名 |
生年月日 |
略歴 |
任期 |
所有株式数 (百株) (注3) |
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執行役 ホールセール部門長 |
Christopher Willcox [クリストファー・ウィルコックス] |
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計 (注4) |
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② 社外役員の状況
<社外取締役>
当社の社外取締役は、その経験と知見を活かして必要に応じて経営に対する助言を行い、独立した客観的な立場から執行役の職務執行を監督することを、その主たる役割としています。
当社の指名委員会は、人格・識見、企業経営の経験や専門性などの一定の選任基準を定め、当該基準を踏まえて、取締役の選任を行っております。さらに、社外取締役の独立性については、野村グループに対する独立性を保つため、「独立性基準」を指名委員会において定めています。当社の社外取締役の「独立性基準」は、以下のとおりです。なお、社外取締役は全員、取引所が定めている独立性に疑義があるとされる類型には一切該当しておらず、一般株主と利益相反が生じるおそれはないことから、当社は社外取締役8名全員を「独立役員」として指定し、取引所に届け出ております。
<野村ホールディングスの社外取締役「独立性基準」>
当社の社外取締役は、野村グループ(*1)に対する独立性を保つため、以下に定める要件を満たす者とする。
(1)本人が、現在または過去3年間において、原則として以下に掲げる者に該当しないこと。
① 当社関係者
以下に定める要件を満たす者を当社関係者とする。
A)当社の業務執行者(*2)が役員に就任している会社の業務執行者
B)当社の大株主(直接・間接に10%以上の議決権を保有する者)またはその業務執行者
C)当社の会計監査人のパートナーまたは当社の監査に従事する従業員
② 野村グループの主要な借入先(*3)である者もしくはその業務執行者または野村グループを主要な借入先とする者もしくはその業務執行者
③ 野村グループの主要な取引先(*4)である者もしくはその業務執行者または野村グループを主要な取引先とする者もしくはその業務執行者(パートナー等を含む)
④ 野村グループより、役員報酬以外に年間1,000万円(外貨の場合は12万米ドル相当)を超える報酬を受領している者
⑤ 一定額を超える寄付金(*5)を当社より受領している団体の業務執行者
(2)本人の配偶者、二親等内の親族または同居者が、現在、以下に掲げる者(重要でない者を除く)に該当しないこと。
① 野村グループの業務執行者
② 上記(1)①~⑤に掲げる者(*6)
(注)*1 野村グループとは、当社および当社の事業報告に重要な子会社として記載されているものをいう。
*2 業務執行者とは、業務執行取締役および執行役ならびに執行役員等の重要な使用人をいう。
*3 主要な借入先とは、連結総資産の2%以上に相当する金額の借入(代替性や返済可能性等の観点から重要でないものを除く)を行っている場合の相手方をいう。
*4 主要な取引先とは、最終事業年度における年間連結売上の2%を超える金額の取引(一般的な条件で行われるもの等、重要でないものを除く)を行っている場合の相手方をいう。
*5 一定額を超える寄付金とは、ある団体に対する、年間1,000万円(外貨の場合は12万米ドル相当)または当該団体の総収入もしくは経常収益の2%のいずれか大きい方の金額を超える寄付金をいう。
*6 (1)①C)に掲げる事項は、本人が監査委員ではなく、かつ、当社の会計監査人において当該関係が会計監査人としての独立性に影響がないと判断している場合には適用しない。
当社の取締役会は、取締役12名のうち8名を社外取締役が占めております。また、社外取締役は、独立性基準を満たすとともに、性別、国際性および職歴等の多様性と、経営、グローバル、金融業、会計財務、法制度・規制、リスク管理を含む内部統制、デジタル・IT・DXおよびサステナビリティなどの専門性や経験を備えた人員で構成されています。それぞれの専門分野における豊富な経験や知見を活かし意見を述べていただくことで、取締役会および指名・監査・報酬の各委員会の議論が多角化、活性化していると考えております。また、取締役会とは別に定期的に開催する社外取締役会議において、当社の事業およびコーポレート・ガバナンスに関する事項などについて議論し、監督機能の強化に努めています。これらの活動を通じて、社外取締役はその求められる役割を果たしており、当社として社外取締役の選任状況は適切であると考えております。
③ 社外取締役または社外監査役による監督または監査と内部監査、監査役監査および会計監査との相互連携ならびに内部統制部門との関係
詳細につきましては、「(3)監査の状況」をご参照ください。
① 監査委員会監査の状況
監査委員会監査の組織、人員および手続き
本有価証券報告書提出日現在、当社の監査委員会は、2名の社外取締役および執行役を兼務せず業務執行を行わない1名の常勤取締役で構成されています。監査委員会は、米国企業改革法ならびに関連する米国証券取引委員会規則およびニューヨーク証券取引所規則で定めるところにより、委員の全員は独立でなければならないとしており、また、原則として委員のうち1名以上は財務専門家としています。
役職 |
氏名 |
監査委員 在任年数 |
経験・知見 |
監査委員長 |
石塚 雅博 |
1年 |
長年の公認会計士としての経験から国際的な会計制度に精通し、米国企業改革法上の財務専門家に該当する高い専門性を有しております。 |
監査委員 |
Victor Chu [ビクター・チュー] |
2年 |
企業経営および金融業についての豊富な経験を有しており、法律、規制およびコーポレート・ガバナンスに関する高い専門性を有しております。 |
監査委員 |
小川 祥司 |
3年 |
グループ・インターナル・オーディット担当を務めるなど、野村グループのガバナンス、内部統制および内部監査分野における豊富な経験と知見を有しております。 |
なお、監査委員長であった島崎 憲明(監査委員在任年数8年)が2024年6月25日に退任し、石塚 雅博が監査委員長に就任しております。
監査委員会は、監査活動を通じて野村グループの企業価値向上に貢献することを使命とし、価値観として「高度化」「連携」「誠実」を掲げております。監査の方針、職務の分担等に従い、野村グループの内部統制システムの構築・運用の状況を監視・検証し、取締役および執行役の職務の執行の適法性・妥当性・効率性について監査を行います。
高度化 |
監査委員会に対する社会的期待、最良のグローバルスタンダード、先端のテクノロジーに対応して、監査活動の高度化に取り組む |
連携 |
内外のステークホルダーとの連携を深めて監査活動の実効性を高めていく |
誠実 |
独立性と客観性を保ち、高い倫理観と公正性を持って監査の責務を果たす |
当社は、監査委員会による監査の実効性を高めるため、監査委員の中から常勤監査委員を選定することおよび執行役を兼務しない常勤の取締役を「監査特命取締役」として任命することができるとしています。また、監査委員会および取締役の職務を補助する専任の部署として「取締役会室」を設置しております。取締役会室の業務執行からの独立性を確保するため、同室の使用人の人事考課は、監査委員会または監査委員会が選定する監査委員が行っており、同室の使用人にかかる採用・異動・懲戒についてもその同意を必要としております。
<当社の監査委員会の特徴>
・監査委員会は、監査活動を通じ特に重要と判断される事項について、取締役会への四半期に一度の定期的な職務執行
状況報告の中で「監査活動所見」という形で指摘または提案し、監査委員以外の取締役とも意見の交換を行っており
ます。
・監査委員長は、主たる子会社である野村證券の監査等委員長を兼務しております。野村證券においても、業務執行取
締役を除く常勤の取締役を「監査特命取締役」として任命することができるとしており、監査委員会は、野村證券の
社外の監査等委員2名を含む監査等委員会および3名の監査特命取締役と連携して監査活動を行っております。
・監査委員会は、社内の内部統制部門等および野村證券以外の国内外の子会社の監査委員、監査等委員、監査役等とも
連携するとともに、内部監査部門および会計監査人と協働して実効的かつ効率的に監査を行っております。また、金
融当局とのコミュニケーションを適宜実施しております。
・内部監査部門の主たるレポーティング・ラインは監査委員会としております。監査委員会または監査委員会の選定す
る監査委員は、内部監査に係る実施計画および予算の策定について承認しており、内部監査部門の責任者の選解任に
ついては、監査委員会または監査委員会の選定する監査委員の同意を必要としております。
・監査委員会は、毎年自己評価を実施し、課題を明確にすることで監査活動の高度化につなげております。
常勤の監査委員および野村證券の3名の監査特命取締役は、他の監査委員との間で職務を分担し、取締役会、リスク委員会、内部統制委員会のほか、経営会議、グループ・リスク管理委員会、野村グループ・コンダクト委員会等の重要な会議への出席または陪席、執行役、執行役員および内部統制関連部署等の主要な社員等に対するヒアリング、営業部店および本社部署ならびに海外拠点へのヒアリングまたは往査を行うなどの方法により、業務執行の状況等を監査し、その結果を監査委員会に報告しています。
さらに、常勤の監査委員、野村證券の3名の監査特命取締役、および取締役会室員は、主要な子会社について当該会社の取締役または監査役等を務め業務執行の状況等を監視するなどの方法により、野村グループの監査活動の充実に努めております。
監査委員会の活動状況
当期において監査委員会は、海外地域を統括する持株子会社の監査委員長が参加するグローバル会議を含め13回開催され、1回あたりの平均所要時間は約3時間20分でした。監査委員の出席状況は以下のとおりです。
島崎 憲明 監査委員長(社外) |
園マリ 監査委員 (社外) |
Victor Chu 監査委員 (社外) |
石塚 雅博 監査委員 (社外) |
小川 祥司 監査委員 (常勤) |
13回/13回 |
4回/4回 |
11回/13回 |
9回/9回 |
13回/13回 |
なお、園 マリは、退任した2023年6月27日までに開催された会議について、石塚 雅博は、監査委員に就任した2023年6月27日以降に開催された会議について記載しております(以下同じ)。
監査委員会は、代表執行役をはじめとする執行役、執行役員、内部統制関連部署等の主要な社員等および会計監査人等に延べ42回のヒアリングを実施し、常勤監査委員および野村證券の3名の監査特命取締役から監査活動の報告を受けたほか、監査委員自らが重要な会議への出席や、執行役、執行役員等および会計監査人へのヒアリング等を行い、取締役および執行役等の職務執行の状況や内部統制システムの整備・運用状況について検討いたしました。
監査委員会の主な内容 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
10月 |
12月 |
1月 |
2月 |
3月 |
監査基本計画およびその後の進捗に関する審議 |
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取締役会への職務執行状況報告、監査活動所見に関する審議 |
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監査報告書に関する審議 |
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会計監査人の評価に関する審議 |
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内部監査に係る実施計画と予算の承認(計画変更の承認は随時実施) |
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内部監査部門の責任者の選任同意 |
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監査委員会の自己評価に関する審議 |
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執行役、執行役員等からの報告(内部監査部門以外) |
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内部監査部門からの報告 |
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会計監査人からの報告 |
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外部アドバイザーからの報告 |
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常勤監査委員等からの監査活動報告 |
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国内外子会社地域監査委員長等とのディスカッション |
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(9月と11月は監査委員会の開催はありませんでした。)
当期における監査委員会の主な活動と内容は、次のとおりです。
主な活動 |
内容 |
執行役、執行役員等からの報告 |
・代表執行役社長グループCEO、代表執行役副社長、執行役副社長チーフ・オブ・スタッフ、ホールセール部門長、インベストメント・マネジメント部門長、コンテンツ・カンパニー長、CFO、CRO、CCO、企画・戦略統括、CTO、グループCIO等の職務執行状況報告 ・グループCEO、CFOからの年次報告書(フォーム20-F)に添付される宣誓書、有価証券報告書に関する確認書および内部統制報告書についての報告 ・CFOからの四半期決算概要報告 ・CFO、グループ・ファイナンス担当執行役員からの過年度の連結キャッシュ・フロー計算書の一部区分と表示の訂正に関する経緯および対応についての報告 ・内部監査部門報告(内部監査に係る実施計画および予算の申請を含む。) |
会計監査人からの報告 |
・監査および四半期レビュー計画(日本基準および米国基準) ・四半期レビュー結果 ・過年度の連結キャッシュ・フロー計算書の一部区分と表示の訂正に関する経緯および対応、ならびに訂正財務諸表の監査およびレビュー結果 ・会社法監査結果 ・CAM/KAM(監査上の主要な検討事項) ・連結財務諸表ならびに財務報告に係る内部統制に関する統合監査の状況および結果 ・日本公認会計士協会の品質管理レビューおよび公認会計士・監査審査会検査の結果等 ・先端デジタル技術を活用した監査の推進状況 |
外部アドバイザーからの報告 |
・リスクアペタイトフレームワーク、ITおよびAIに関するリスク・マネジメント ・内部監査部門の外部評価 |
当期の各監査委員の監査委員会以外の重要な会議への出席の主な状況は、次のとおりです。
会議 |
島崎 憲明 監査委員長(社外) |
園マリ 監査委員 (社外) |
Victor Chu 監査委員 (社外) |
石塚 雅博 監査委員 (社外) |
小川 祥司 監査委員 (常勤) |
取締役会 |
11回/11回 |
2回/2回 |
11回/11回 |
9回/9回 |
11回/11回 |
リスク委員会 |
5回/5回 |
- |
3回/5回 |
- |
5回/5回 |
内部統制委員会 |
4回/4回 |
- |
- |
- |
4回/4回 |
当期において常勤の監査委員、野村證券の監査特命取締役、または国内子会社の監査役を務める取締役会室員は、執行役、執行役員、それらの傘下の国内外の主要な社員等および会計監査人等との延べ205回のヒアリング等を行ったほか、国内の営業部店および本社部署22部店ならびに欧州、米国、アジアの海外拠点への往査を行いました。
<内部監査部門および会計監査人との連携>
上記のとおり、監査委員会は、内部監査部門担当執行役員および会計監査人から報告を受ける一方、内部監査部門担当執行役員は監査委員会のほぼすべての議事に出席し、会計監査人は監査委員会で行うヒアリングに出席しており、それぞれ監査委員会の問題意識について理解を深めております。
また、監査委員長と常勤監査委員は、会計監査人および内部監査部門担当執行役員との月次会議(三様監査定例)を行い、監査に限らずさまざまなテーマについて情報共有等を行っております。当期において月次の三様監査定例は12回開催され、島崎 憲明と小川 祥司は、そのすべてに出席しております。
この他にも、常勤監査委員と野村證券の監査特命取締役は内部監査部門担当執行役員から月次で報告を受けており、監査委員は会計監査人と適宜にコミュニケーションを実施しております。
<監査基本計画および重点監査項目>
監査委員会は、事業年度に合わせて監査基本計画を策定しております。
当期の監査基本計画では、野村グループの経営戦略、野村グループを取り巻く経営環境、および前期までの監査活動の結果を踏まえ、1)健全な企業文化の定着、2)ガバナンス態勢の実効性強化、3)内部統制システムの高度化とリスクへの対応、4)中長期的な経営戦略の実現に向けた取り組み、を重点監査項目とし、監査を行いました。
重点監査項目 および監査の主なポイント |
主な監査内容 および監査活動の結果を踏まえた監査委員会の認識 |
1)健全な企業文化の定着 ①グローバルに連携したコンダクト推 進 ②リスク・カルチャーの浸透、1線の オーナーシップ |
(主な監査内容) ・経営陣は、グローバルかつグループワイドにコンダクトの定着を図り、望ましいコンダクトを積極的に評価する取り組みをグローバルに展開しているか。 ・経営陣は、すべての役職員一人ひとりにリスク管理の当事者であることを自覚させ、リスク・カルチャーを浸透させるとともに、1線にオーナーシップ意識を定着させているか。 |
(監査委員会の認識) ・コンダクト・コンプライアンスおよびリスク・カルチャーは、グループワイドな継続的な取り組みの結果、役職員に意識の浸透が進展してきました。引き続き、更なる浸透と質の向上に取り組むことが重要です。 |
|
2)ガバナンス態勢の実効性強化 ①取締役会の監督機能の充実・強化 ②資本収益性に基づくビジネスのモニ タリングおよび経営戦略への反映 ③グローバルに一貫性のある統制体制 構築および3線管理の強化 |
(主な監査内容) ・取締役会は、監督機能の充実を図り、経営陣への牽制を強化しているか。 ・経営陣は、資本収益性に基づきビジネスのモニタリングを行い、その結果を踏まえた経営戦略を策定・実行しているか。 ・経営陣は、業務運営においてグローバルに一貫性のある統制体制を構築するとともに、3線管理を強化しているか。 |
(監査委員会の認識) ・取締役会の自己評価の結果は概ね高評価でしたが、長期的な視野での会社業績の分析、各ステークホルダーに対する情報提供に関する取り組みの充実、サステナビリティに関する取り組みの強化等、さらに高度化していく余地があると考えます。取締役会では、中長期的なグループ戦略等に関して活発な意見交換が行われていますが、監査委員会としても、戦略の進捗状況やグループ横断的な課題を解決するための取り組みを注視してまいります。 ・ビジネス部門とコーポレートとのグローバルな連携が進んだほか、3線管理の強化も行われています。引き続きグローバルに一貫性のある統制体制の構築と実効性の確保に取り組むことが重要です。 |
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3)内部統制システムの高度化とリスク への対応 ①さまざまなリスクへのプロアクティ ブな対処 ②人材・テクノロジー活用などによる 内部統制体制の強化・高度化資本収 益性に基づくビジネスのモニタリン グおよび経営戦略への反映 ③中長期的なグループ全体のオペレー ショナル・レジリエンス強化 |
(主な監査内容) ・経営陣は、財務リスクやレピュテーショナル・リスクのほか、リーガル・コンプライアンス・コンダクト、IT・サイバー、業務継続などのさまざまなリスクへ備え、プロアクティブに対処しているか。 ・経営陣は、専門性や実務遂行能力の高い人材の採用・再配置や新たなテクノロジー活用などにより、内部統制体制を強化・高度化しているか。 ・経営陣は、中長期的にグループ全体のオペレーショナル・レジリエンスを高めるための施策に取り組んでいるか。 |
(監査委員会の認識) ・各コーポレート・ファンクションは、さまざまなリスクの管理を高度化するとともに、中長期的にグループ全体のオペレーショナル・レジリエンス体制の実効性を高めていくことが重要です。 ・過年度の連結キャッシュ・フロー計算書の一部区分と表示の訂正に関し、財務報告にかかる内部統制に重要な不備があったことが判明しましたが、今後拡充が求められる非財務情報を含め、適切な情報開示のための体制の整備と運用の強化を図る必要があります。 |
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4)中長期的な経営戦略の実現に向けた 取り組み ①ROE・PBR向上に向けた、最適なリ ソースの配賦・有効活用 ②業務効率の高いグローバルなオペ レーティング・モデル確立に向けた インフラ整備 ③次世代を見据えた総合的な人材戦略 の強化と適切な評価の実施 |
(主な監査内容) ・経営陣は、ROE・PBR向上に向けてリソースの最適な配賦と有効活用を図っているか。各部門・カンパニーおよびコーポレートは、グループワイドな連携を強化しているか。 ・経営陣は、業務効率の高いグローバルなオペレーティング・モデルを確立するため、基盤となるシステムやデータなどのインフラ整備を経営戦略として実行しているか。 ・経営陣は、次世代を見据えた人材確保のため、各地域におけるブランド力を高め、キャリア形成や育成プラン等の仕組みを充実させるなど、総合的な人材戦略を強化するとともに、適切な評価を実施しているか。 |
(監査委員会の認識) ・経営陣は、先般策定されたパーパスを含む企業理念に基づきありたい姿を明確化するとともに、市場の期待に応える中長期的な価値創造ストーリーを策定し、具体的な成果を示すことが求められます。 ・将来を見据えた果断な投資も含めた施策を実行することで、グループを取り巻く環境変化に対応できる強靭な財務・経営基盤を確保することが重要です。 |
<監査活動のPDCA>
監査委員会は、監査基本計画に沿って監査を行い、四半期毎に取締役会へ監査活動所見による指摘または提案を行うほか、期中と期末に監査活動の振り返りを実施しております。また、常勤監査委員および野村證券の監査特命取締役は、執行側から監査活動所見への対応状況を四半期に一度聴取し、その内容を監査委員会へ報告することで、執行との双方向のコミュニケーションを確保し、監査活動所見による執行の対応の監視・検証の実効性を高めております。
監査活動の振り返りでは、確認または発見された事項や今後確認が必要なポイントなどを整理し、監査基本計画から始まる個々の監査活動や監査活動所見などの報告の有機的なつながりを強化するとともに、問題認識を翌期の監査基本計画に反映しております。また、監査委員会は、その問題認識を内部監査部門の担当執行役員に伝え、翌期の内部監査に係る実施計画にも反映させるなど、内部監査部門との連携を図っております。
<監査委員会の自己評価>
監査委員会は、監査委員会運営、リスク・ベースでの監査、監査活動PDCAの定着、会計監査人の評価などにおいて、高度化を推進しております。これらの活動について自己評価を行うことで、課題を明確にし、更なる高度化に向けた取組みを検討しております。
当期に実施した自己評価では、①監査委員会の監査活動、②取締役会との連携、③内部監査部門からの報告、④監査法人との連携、⑤内部統制部門との連携、⑥監督当局とのコミュニケーション、⑦監査委員会の実効性、の7項目について、3段階評価および評価が低い場合の理由について、各監査委員に対し意見を求めました。
自己評価の結果、認識された課題と今後の取り組みの主な内容は、以下のとおりです。
・国内の主要グループ会社や海外拠点の監査等委員会等とのより積極的な連携
・リスク・ベースでのアプローチの徹底および監査委員会において適時・適切に監査活動内容の共有が図られる体制
の構築
・幅広く必要な情報を適時に入手できる体制の構築および内部監査部門との連携の更なる深化
・資本コストや株価を意識した経営を実現するための経営計画やROE目標達成に向けたプロセスの確認
・野村證券の監査特命取締役と事務局との更に密接な連携および問題意識の共有
② 内部監査の状況
内部監査部門は、独立した客観的立場で、業務の改善を通じて組織の価値を高め、保全することをその使命としており、アシュアランス行為(入手した事項等の客観的検証)を実施します。また、リスク・マネジメント、業務に関する管理、およびガバナンスのプロセスに係る有効性等を評価し、改善のために、体系的かつ規律の高い手法によって、組織の目標達成を支援することを目的としております。
内部監査の組織、人員および手続き
当社は内部統制の有効性および妥当性を確保するため、業務執行から独立し監査委員会に直接報告を行う内部監査部門を設置しており、当社にグループ・インターナル・オーディット部を置くとともに、傘下の国内外の主要な子会社にも同様に内部監査専任部署(人員)を設置し、野村グループにおけるビジネスやコーポレート機能を横断的に監査する態勢を構築しております。
内部監査部門は、国内外合わせ総勢約220名の陣容で、機能と地域によるグローバル・マトリックス体制で運営しております。監査対象となるビジネスやコーポレート機能単位に、内部監査等のスキルが高く経験豊かな人材を、Global Portfolio Directorとして指名し、グループ全体の整合性を高めることで、グローバルにグループ全体の内部統制を、一貫性をもって評価しております。
近年、内部監査活動におけるテクノロジー活用をグループ全体で推進すべく、専任のデータ・アナリティクスチームを組成、上述のGlobal Portfolio Directorの他、データ分析・管理に長けた人材を各地域にも配置の上、各内部監査活動でのデータ分析活用を進めるほか、データ分析による継続的なモニタリング等への取組みを図っております。
[グループ内部監査運営]
野村グループの内部監査部門では、監査資源を有効かつ効率的に活用するために、原則としてリスク・ベース・アプローチをとっており、内部監査の対象となるビジネスや業務毎にリスク・アセスメントを行い、内在するリスクの種類や程度に応じて監査資源を割り当てるべく、内部監査実施計画の策定や実施に努めております。また、上述のグループ全体での内部監査対応を支える内部監査業務の基盤として、グローバルに統一された内部監査手法(The Institute of Internal Auditors(以下、「IIA」)が定める「専門職的実施の国際フレームワーク」(以下、「IPPF」)に準拠)の他、各種内部監査に係る活動や承認等のプロセスに係るワークフロー機能、または内部監査活動に関連する内部監査報告書、調書、証跡等の保存といった機能を備えたプラットフォームを全地域で導入しており、グループ全体の内部監査活動の状況や結果が容易に確認、分析できる環境を整備しています。
内部監査、監査委員会監査および会計監査の相互連携ならびにこれらの監査と内部統制部門との関係
<内部監査と監査委員会との連携>
内部監査部門の主たるレポーティング・ラインは監査委員会であり、内部監査部門は、各監査の結果を監査委員会へ報告する他、定期的に監査委員会へ内部監査体制の整備・運用状況、内部監査の実施状況の報告を行うなど、監査委員会との連携を図っており、特筆すべき事項については、監査委員会から取締役会への定期的な報告の中で内部監査部門の状況について報告しています。なお、内部監査に係る実施計画および予算の策定については、監査委員会または監査委員会の選定する監査委員の承認が必要であり、内部監査の実施計画の策定に際し、別途、監査委員会より考慮すべき事項等が内部監査部門に対して連携されています。
当期においては、内部監査部門から監査委員会への報告は計11回あり、年間を通じタイムリーな報告が行われています。主な報告内容として、内部監査活動を通じて得られる、内部統制全般に係る重要事項および傾向の他、年度の内部監査の実施計画やその変更等、監査委員会への付議事項が含まれます。なお、監査委員会への報告以外にも、常勤の監査委員、野村證券の監査特命取締役に対しては、月次で内部統制全般に係る重要事項および傾向等の報告を行っております。
<内部監査と監査委員会、会計監査人との連携>
会計監査人について、監査委員会は、会計監査人の年次監査計画を承認し、会計監査人から四半期に一度以上の頻度で会計監査に関する報告および説明を受けるほか、随時会計監査人と情報交換を行い、会計監査人の監査の方法および結果の相当性について監査するとともに、計算書類等につき検証しています。なお、内部監査部門の担当執行役員は、監査委員会に出席し、監査委員会からの報告の他、会計監査人からの報告内容についても連携されています。加えて、内部監査部門から監査委員会への報告時には、会計監査人も出席しており、内部監査部門からの報告内容について連携を受ける等の相互連携を図っております。
更に、内部監査部門は、監査委員長と常勤の監査委員および会計監査人が参加する月次会議(三様監査定例)に参加しており、監査上の問題認識、リスク・統制環境、内外規制動向などについて情報共有・意見交換等を行っており、内部監査活動の充実に努めております。
<内部監査と会計監査人との連携>
内部監査部門は会計監査人と定例の会議を設け毎月連携しており、双方の主たる責任者が出席の上、双方の監査活動にともなうトピックスや直近でのリスク評価等について共有し、監査活動における活用を図っております。また、双方の監査活動の効率化を高めるべく、往査のタイミングや被監査部署等からの受領資料およびデータの共有等、業務レベルでの連携も図っており、内部監査による監査報告書も会計監査人と共有しております。
<内部監査と内部統制部門との連携>
内部監査部門は、監査委員会において承認された内部監査にかかる実施計画にもとづいた監査活動以外にも、継続的なモニタリングを実施しており、内部統制部門へのヒアリングや資料確認等を通じてリスク概況を確認の上、その結果、必要に応じて内部監査にかかる実施計画の変更を監査委員会へ申請しております。
内部監査の実効性を確保するための取組み
上述のとおり、内部監査部門の主たるレポーティング・ラインは監査委員会であり、内部監査を担当する執行役員から監査委員会に対し直接に、内部監査体制の整備・運用状況、内部監査の実施状況の報告を行うほか、監査委員会から今後確認が必要と考える監査のポイントを踏まえた内部監査計画の策定を内部監査部門に要請するなど、内部監査部門と監査委員会の連携を図ることで内部監査の実効性を確保しております。なお、内部監査を担当する執行役員は、グループCEOを議長とする内部統制委員会のメンバーであり、また、経営会議にも陪席しており、経営レベルでの情報を受領する他、定期的に内部監査を通じて得られた内部統制に係る事項を報告しております。
さらに、内部監査にかかる実施計画および予算の策定については、監査委員会または監査委員会の選定する監査委員の承認を得るものとし、また内部監査部門の責任者の選解任については、監査委員会または監査委員会の選定する監査委員の同意を必要としており、内部監査の業務執行からの独立性・客観性を確保しています。
加えて、内部監査部門は、内部規定ならびにIPPFの基準に則り、概ね5年毎に外部専門家による内部監査に対する品質評価を受けており、直近では当年度に外部品質評価を受け、一般的にIIAが制定した国際基準に対して総合的に適合していると評価されました。また、当評価では、金融庁が求める内部監査態勢、バーゼル銀行監督委員会における内部監査部門の有効性評価、連邦準備制度理事会(FRB) ガイダンスSR13-1、シンガポール金融管理局(MAS) 内部監査基準、香港金融管理局(HKMA) 監督政策マニュアルも評価目線として考慮されています。
グループ全体の内部監査部門としての外部品質評価の受検は今回で3回目であり、各種基準への準拠に留まらず、同業他社と比較したパフォーマンスと有効性、および業界のベストプラクティスや内部監査部門の改善に役立つ推奨事項等の提供を受け、今後更なる内部監査の高度化に向けた取組みとして、内部監査部門の中期戦略策定にも活かしております。
③ 会計監査の状況
a.監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
b.継続監査期間
1973年以降(1978年から2002年までの他の監査人との共同監査期間を含む)
c.業務を執行した公認会計士
業務を執行した公認会計士の氏名 |
所属する監査法人名 |
指定有限責任社員 業務執行社員 松村 洋季 |
EY新日本有限責任監査法人 |
指定有限責任社員 業務執行社員 湯原 尚 |
EY新日本有限責任監査法人 |
指定有限責任社員 業務執行社員 林 慎一 |
EY新日本有限責任監査法人 |
指定有限責任社員 業務執行社員 桒田 俊郎 |
EY新日本有限責任監査法人 |
(注)監査年数については7年以内であるため記載を省略しております。
d.監査業務にかかる補助者の構成
公認会計士 |
42 |
名 |
その他 |
156 |
名 |
(注) その他は、公認会計士試験合格者、システム監査担当者等であります。
e.監査法人の選定方針と理由
監査委員会は、監査委員会が定めた「監査法人に関する評価基準」に基づき、会計監査人の法令等の遵守の状況、独立性および審査体制を含む品質管理体制、監査の有効性等について年次評価を実施しております。監査委員会は、会計監査人から直接、過年度の連結キャッシュ・フロー計算書の一部区分と表示にかかる有価証券報告書等の訂正に関する経緯および対応を含め、職務の執行状況等を聴取するとともに、社内のファイナンス部門、内部監査部門からも意見を聴取するなどにより、会計監査人の職務執行状況等を確認、検証しました。その結果、監査委員会の定める「会計監査人の解任又は不再任の決定の方針」に該当する事実は認められないため、再任するのが妥当と判断しました。
f.会計監査人の解任または不再任の決定の方針
1.会計監査人が会社法第340条第1項各号のいずれかに該当する場合、監査委員会は会計監査人の解任を検討し、解任が相当であると認められるときは、監査委員会の委員全員の同意により会計監査人を解任します。この場合、監査委員会が選定した監査委員は、解任後最初に招集される株主総会において、会計監査人を解任した旨および解任の理由を報告します。
2.監査委員会が、会計監査人に適正性の面で問題があると判断する場合、またはより適切な監査体制の整備が必要であると判断する場合は、会計監査人の解任または不再任を株主総会の提出議案とします。
g.監査委員会による監査法人の評価
監査委員会は、上記「監査法人の選定方針と理由」に記載のとおり、会計監査人について年次評価を行った結果、会計監査人が野村グループの監査を行うために必要とされる金融商品の評価や米国会計基準等に関する専門的能力とともにグローバルなネットワークを備えており、当期において適切な監査が実施されたものと認識しております。
④ 監査報酬の内容等
a.監査公認会計士等に対する報酬
区分 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
監査証明業務に 基づく報酬(百万円) |
非監査業務に 基づく報酬(百万円) |
監査証明業務に 基づく報酬(百万円) |
非監査業務に 基づく報酬(百万円) |
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提出会社 |
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連結子会社 |
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計 |
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当社および連結子会社における非監査業務の内容は、公認会計士法第2条第1項に規定する業務以外の会計事項にかかる助言等の役務提供等およびコンフォートレター作成業務等があります。
b.監査公認会計士等と同一のネットワークに属する組織に対する報酬(a.を除く)
区分 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
監査証明業務に 基づく報酬(百万円) |
非監査業務に 基づく報酬(百万円) |
監査証明業務に 基づく報酬(百万円) |
非監査業務に 基づく報酬(百万円) |
|
提出会社 |
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連結子会社 |
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計 |
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当社および連結子会社における非監査業務の内容は、税務申告サポート業務および税務コンプライアンスに関するアドバイザリー業務等があります。
c.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
d.監査報酬の決定方針
監査公認会計士等に対する監査報酬については、財務統括責任者(CFO)が、過年度の実績、監査の実施範囲、監査手続、監査体制、年間計画等を勘案し、品質の高い会計監査を実施するために妥当な金額であるかを検討の上、監査委員会の同意または事前承認を経て決定しております。また、EY新日本有限責任監査法人、その提携会計事務所であるアーンスト アンド ヤングならびに同一のネットワークに属している関係会社等が野村に対して提供する非監査業務の内容および報酬については、CFOの申請を受け、監査委員会で協議・事前承認および事前了解を行う手続きを定めております。
e.監査委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査委員会は、財務統括責任者(CFO)、社内関係部署および会計監査人から必要な資料を入手し報告を受け、会計監査人の監査チーム体制、監査計画、監査の実施状況、監査法人の品質管理体制の整備状況および報酬見積もりの算出根拠等について確認しました。また、監査委員会は、米国企業改革法(サーベンス・オクスリー法)第202条等に基づく事前承認手続きならびにIFAC倫理規程(Code of Ethics for Professional Accountants)および関連する諸規則に基づく事前了解手続きを行っております。監査委員会は、これらの確認および手続きの結果を踏まえ、会計監査人の報酬等について検証を行い、監査品質を維持向上していくために合理的な水準であると判断し、会社法第399条第1項の同意をいたしました。
当社における役員の報酬制度は、以下のとおりです。役員は、取締役および執行役を指しております。
1.報酬の方針
当社は、野村グループの持続的な成長と株主価値の長期的な増加、顧客への付加価値の提供ならびにグローバルな競争力と評価の向上等に資するため、野村グループ人材(当社の取締役および執行役を含め、野村グループのすべての役職員をいう。以下同様)に対する報酬の基本方針としての「野村グループの報酬の基本方針」(以下「グループの基本方針」)および「取締役および執行役にかかる報酬の方針」(以下「役員の方針」)を定めております。これらの方針は、報酬委員会において、その妥当性を審議した上で決定しております。また、「報酬返還に関する方針」を別途定めております。
さらに、当社の役員を除く野村グループの役職員を対象とする「野村グループ役職員の報酬の方針」(以下「役職員の方針」)を定め、役職員に対する報酬のあり方、具体的な運用指針等を明確化しております。
(1) 「グループの基本方針」は以下のとおりです。
報酬のガバナンス
当社は指名委員会等設置会社であり、会社法の定めるところにより、その過半を社外取締役とする委員で構成される独立性の高い報酬委員会を設置している。報酬委員会は、本基本方針および「野村ホールディングスの取締役および執行役にかかる報酬の方針」を定め、これらの方針に従い、当社の取締役および執行役の個人別の報酬の内容を審議・決定する。
当社の取締役および執行役以外の野村グループの役職員の報酬に関する各種方針および報酬総額等は、経営会議から人事・報酬に関する一定の権限を委任され、代表執行役社長グループCEOを委員長、財務およびリスク管理の観点も踏まえて委員長が選任する者を委員とする「人事委員会」が、各地域における人事・報酬に関する委員会等と連携のうえ、これを審議・決定する。
報酬委員会は、1934年米国証券取引所法等を遵守するために「報酬返還に関する方針」を定め、日本法に基づく当社の法定の役員である対象役員の報酬に関する事項を決定するものとし、人事委員会は当該方針の管理、運用、解釈および運営を行うものとする。
野村グループ人材に対する報酬のあり方
野村グループは、野村グループのパーパスに定める「金融資本市場の力で、世界と共に挑戦し、豊かな社会を実現する」という存在意義を追求するうえで、人材こそが最も重要であると認識している。
野村グループ人材に対する報酬は、野村グループの持続的な成長の実現と中長期的な企業価値の向上および健全かつ効果的なリスク管理を達成しつつ、株主との利益の一致を実現することを目的として設計する。また、報酬の水準と体系は、優秀な人材を確保・維持し、動機付け、育成するため、個人の役割・責任および国内外それぞれの報酬規制・水準等を加味したものとする。
①持続的な成長と中長期的な企業価値の向上
野村グループ人材に対する報酬は、企業理念の実現、「野村グループ行動規範」に沿った企業文化・行動の促進およびより広範な「ESG(環境・社会・ガバナンス)」への幅広い取組みに資するものとする。また、ペイ・フォー・パフォーマンスの原則に基づき、健全かつ市場競争力のある報酬慣行を確保しつつ、野村グループのビジネス戦略および長期的な利益の実現を支援し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指すものとする。
②健全かつ効果的なリスク管理
野村グループは、適切なリスク・アペタイトを設定のうえ健全かつ効果的なリスク管理態勢を構築し、報酬を決定する際に参照する主要なビジネスの業績の測定基準および指標について各ビジネスにおける財務および非財務リスクの多寡に応じて調整を行う。また、これらの定量的な要因に加え、最終的な報酬額の決定および減額に際しては、コンダクト、コンプライアンス、職業倫理および企業理念といった定性的な要因を重視する。また、報酬の付与にあたっては、財務諸表の重大な修正、適用法令および野村グループの規程に対する重大な違反等に該当する場合、報酬が減額、停止、権利喪失、取消し、他の報酬との相殺または支給後の返還の対象となること(いわゆる「クローバック」)を定める。
③株主との利益の一致
一定以上の報酬を受け取る野村グループ人材については、その報酬の一部を、当社の株式に連動し、かつ適切な繰延期間を設けた株式関連報酬等とすることで、株主との利益の一致を図る。
グループの基本方針の改廃
グループの基本方針の改廃は、当社の報酬委員会の決議による。
(2) 「役員の方針」は以下のとおりです。
取締役および執行役の報酬は固定報酬と業績連動報酬等に区分され、固定報酬はベースサラリー、業績連動報酬等は年次賞与と長期インセンティブプランで構成されるものとする。なお、中長期的な企業価値向上のインセンティブを付与し、かつ株主との利益の一致を図ることを目的として、報酬の一部を所定の繰延期間を設けた株式関連報酬によって支払う。
<取締役および執行役の報酬の構成>
固定報酬 |
業績連動報酬等 |
|
ベースサラリー |
年次賞与 |
長期インセンティブプラン |
固定報酬
ベースサラリーは、各取締役・執行役の経歴・職歴および職位ならびに関連する業界の水準等を参考に、現金による固定報酬額として決定する。
業績連動報酬等
代表執行役社長グループCEOについては、野村グループの業務執行の責任を負う職責にあることから、野村グループ経営上の重要指標やその算定基礎となる業績指標の実績値に基づき報酬の基礎額を算定し、これに国内外の主要競争地域における報酬水準等の定性的な要素も考慮して、金額を決定する。
その他の取締役および執行役については、代表執行役社長グループCEOの報酬を基準として、職位・職責および国内外それぞれの報酬規制・水準等を加味し、定性的な要素も考慮のうえ、金額を決定する。
監査委員である取締役および社外取締役については、業務執行からの独立性を維持および担保する観点から、支給対象外とする。
① 年次賞与
年次賞与の支払いにおいては、一定の割合を将来に繰延べることを原則とする。
② 長期インセンティブプラン
長期インセンティブプランは、一定の業績を達成した場合に支払われるものとする。
長期インセンティブプランの支払いにおいては、株式関連報酬等を利用する。
報酬の付与にあたっては、自己都合での退任、財務諸表の重大な修正、適用法令および野村グループの規程に対する重大な違反等に該当する場合、報酬が減額、停止、権利喪失、取消し、他の報酬との相殺または支給後の返還の対象となること(いわゆる「クローバック」)を定める。
(3) 「役職員の方針」は以下のとおりです。
「グループの基本方針」を踏まえ、当社の取締役および執行役以外の野村グループの役職員(当社の執行役員、子会社等の取締役等を含む。以下「役職員」)に関する「役職員の方針」を以下のとおり定める。
役職員の方針に定めのない事項は、「グループの基本方針」の定めに従うものとする。
報酬のガバナンス
各地域における報酬に関する委員会は、当社の人事委員会の監督の下、財務、リスク管理、コンプライアンス、人事および必要に応じてほかの部門とともに、野村グループのグローバルな報酬に関するガバナンスルールを実践する。
コントロールファンクション(リスク管理、コンプライアンス、内部監査部門)の役職員の報酬案はビジネス部門によって決定されず、また、これらの役職員の業績評価はそれらの役職員が担当するビジネスの財務上の業績のみによって決定されないものとする。
役職員に対する報酬のあり方
野村グループは、野村グループのパーパスに定める「金融資本市場の力で、世界と共に挑戦し、豊かな社会を実現する」という存在意義を追求するうえで、人材こそが最も重要であると認識している。
役職員に対する報酬は、野村グループの持続的な成長の実現と中長期的な企業価値の向上および健全かつ効果的なリスク管理を達成しつつ、株主との利益の一致を実現することを目的として設計する。また、報酬の水準と体系は、優秀な人材を確保・維持し、動機付け、育成するため、個人の役割・責任および国内外それぞれの報酬規制・水準等を加味したものとする。
① 持続的な成長と中長期的な企業価値の向上
役職員に対する報酬は、「金融資本市場の力で、世界と共に挑戦し、豊かな社会を実現する」というパーパス、および「挑戦」「協働」「誠実」という価値観という野村グループの企業理念の体現、「野村グループ行動規範」に沿った健全かつ多様性のある企業文化・正しい行動の促進およびより広範な「ESG(環境・社会・ガバナンス)」への幅広い取組みに資するものとする。
また、ペイ・フォー・パフォーマンスの原則に基づき、健全かつ市場競争力のある報酬慣行を確保しつつ、野村グループのビジネス戦略および長期的な利益の実現を支援し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指すものとする。
役職員に対する報酬は、原則として、野村グループのビジネス戦略と市場競争力を考慮しながら、野村グループ全体、部門および個人の業績に基づいて決定される。
② 健全かつ効果的なリスク管理
野村グループは、適切なリスク・アペタイトを設定のうえ健全かつ効果的なリスク管理態勢を構築し、報酬を決定する際に参照する主要なビジネスの業績の測定基準および指標について各ビジネスにおける財務および非財務リスクの多寡に応じて、総合的な調整を行う。また、これらの定量的な要因に加え、最終的な報酬額の決定および減額に際しては、コンダクト、コンプライアンス、職業倫理および企業理念といった定性的な要因を重視する。
役職員に支給される報酬は、主に以下の2つに分けられる。
・ 固定報酬:基本的な報酬として、役職員の役割、責任および経験等を反映する。
・ 変動報酬:役職員に対し、パフォーマンスを動機づけ、正しい行動および能力開発を促進することを目的とする。また、野村グループの中長期の利益とのバランスをとるため、一定以上の報酬を受け取る役職員に対する変動報酬の一部は繰り延べられることがある。
固定報酬と変動報酬の組み合わせは、役職員の役割、責任等に応じて適切に調整される。
変動報酬における繰延報酬の比率(繰延比率)は、原則として、役職員の報酬額に応じて決定する。
報酬額の保証は、一部の新規採用や戦略的な事業目的等の限られた場合にのみ行う。複数年の報酬額の保証は原則として行わない。
また、報酬の付与にあたっては、財務諸表の重大な修正、適用法令および野村グループの規程に対する重大な違反等に該当する場合、報酬が減額、停止、権利喪失、取消し、他の報酬との相殺または支給後の返還の対象となること(いわゆる「クローバック」)を定める。
③ 株主との利益の一致
繰延変動報酬は、役職員と当社の株主との利益の一致を図り、当社の重要な役職員および一定以上の報酬を受け取る役職員による当社の業務執行が持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するものとなることを目的とする。一定以上の報酬を受け取る役職員については、原則として、変動報酬の一部を、当社の株式に連動し、かつ適切な繰延期間を設けた株式関連報酬等とすることで、株主との利益の一致を図る。
役職員の方針の改廃
役職員の方針の改廃は、当社の人事委員会の決議による。
(4) 「報酬返還に関する方針」は以下のとおりです。
第1条(目的)
本野村ホールディングス株式会社(以下「NHI」という。)報酬返還に関する方針(以下「本方針」という。)は、「野村グループの報酬の基本方針」 、「野村ホールディングスの取締役および執行役にかかる報酬の方針」、及び「野村グループ役職員の報酬の方針」とともに、対象役員(以下に定義する。)である者又は対象役員であった者が受領した過誤の報酬(以下に定義する。)を返還させるための方針について定める。本方針は、1934年米国証券取引所法(その後の改正を含み、以下「取引所法」という。)、取引所法に基づくRule 10D-1、及びニューヨーク証券取引所上場会社マニュアルのSection 303A.14(以下「Section 303A.14」という。)を遵守するために策定されており、これらに従って解釈及び適用される。本方針において使用される用語は、本方針の定めに従って定義される。
第2条(定義)
1.「報酬」とは、財務報告指標の達成に基づき、その全部又は一部が付与、獲得又は権利確定する報酬をいう。
2.「対象事由」とは、NHIが米国連邦証券法に基づく財務報告要件の重大な違反に起因する財務諸表修正再表示が求められる場合であって、過去に発行済みの財務諸表における誤りを訂正するための再表示であり、当該誤りがかかる過去の財務諸表において重大であるもの、又は当該誤りが当期中に修正された場合、若しくは当期中に修正されなかった場合のいずれかにおいて、重大な虚偽表示をもたらすものである場合を含む。
3.「財務報告指標」とは、(a)NHIの財務諸表の作成に適用される会計基準に従い決定及び表示される指標、及びその全部又は一部が当該指標から派生した指標、並びに(b)NHIの株価又はNHIの株主総利回りをいう。ただし、財務報告指標は、財務諸表とともに提示され、又は米国証券取引委員会 (以下「SEC」という。)への提出書類に含まれている指標に限られない。
4.「対象役員」とは、Section 303A.14に従い決定されたNHIの「役員」である者、又は「役員」であった者をいう。
5.「修正再表示日」とは、(i)NHIの取締役会が、対象事由が発生したと判断したか、又は合理的に判断すべきであった日、又は(ii)裁判所、規制当局又はその他の法的権限のある機関が、対象事由の定義に記載されているように、NHIに対して財務諸表修正再表示を行うよう指示した日のうち、いずれか早い方の日をいう。
第3条(適用範囲)
1.本方針は、対象役員である者又は対象役員であった者(以下「対象者」という。)が2023年10月2日以降且つ次の各号に該当する場合に受領した報酬に適用されるものとする。
(1)対象役員就任後
(2)報酬の職務対象期間中のいずれかの時点において対象役員として職務を遂行した者
(3)NHIが、SECに登録されている証券取引所又は証券業協会にその有価証券を上場している間
(4)修正再表示日の直前に終了した3会計年度中(又はNHIがその会計年度を変更した場合には、Section 303A.14に基づき要求される期間)
2.報酬は、報酬の支払い又は付与が当該期間の終了後に行われたとしても、報酬に適用される財務報告指標が達成されたNHIの会計期間中に受領されたものとみなす。
第4条(返還)
1.対象事由が発生した場合、NHIは、対象者から次の金額の返還を徴求しなければならない。対象者が受領した報酬の額が、修正された財務報告指標に基づき再計算した場合に対象者が受領していたであろう報酬の額を超過する額(当該報酬に対して支払われた税金は考慮せず算出するものとする)
2.対象者が受領した報酬の額が、NHIの株価又は株主総利回りに基づき算定されており、対象事由に記載の財務諸表修正再表示での情報を直接用いた数字上の再計算の対象とならない場合には、返還金額は、受領された報酬がその根拠とした、NHIの株価又は株主総利回りへの財務諸表修正再表示の影響についての合理的な見積もりに基づき決定するものとする。NHIは、かかる合理的な見積もりの決定に関する全ての資料を入手及び保持するものとし、必要に応じて当該資料をNYSEに提供するものとする。
3.本方針に基づく報酬の返還は、不正行為の有無又は対象事由を生じさせた違反の責任が対象者にあるか否かにかかわらず、「無過失」の場合でも行われるものとする。
4.NHIは、以下のいずれかの理由により返還が実行不可能であるとNHIの独立取締役の過半数が決定した場合を除き、第1項に基づく金額の返還を徴求しなければならない。
(1)本方針の実施を支援するために第三者に支払われる直接費用が、返還される金額を超える場合。ただし、本号に基づき企図された例外に基づいて報酬の返還が実行不可能であると判断する前に、NHIは、当該報酬の返還につき合理的な努力を尽くすものとし、返還のための当該合理的な努力について書面での記録を残し、必要に応じてNYSEに当該書面を提供するものとする。
(2)返還が、2022年11月28日以前に制定された適用ある準拠法に違反する場合。ただし、本号に基づき企図された例外に基づいて報酬額の返還が実行不可能であると判断する前に、NHIは、返還が法律違反となるとの意見書を取得するために、適用法域において弁護士としての経験及び資格を有する法律専門家(当該法律専門家がNYSEに認められる場合)を雇い、NYSEに当該意見書を提出するものとする。
(3)返還により、NHIの税制適格退職金制度が、米国内国歳入法典のSection 401(a)(13)又は411(a)A及びそれらに基づく規則の要件を満たさなくなる可能性がある場合。
5.本方針に基づく返還を徴求する権利は、報酬契約の条件に従ってNHIに認められるその他の救済又は返還を徴求する権利及びNHIに認められるその他の法的救済に追加されるものであり、これらに代わるものではない。
第5条(返還の方法)
1.第4条に従って過誤の報酬を返還するために、NHIは、自ら又はNHIの子会社をして、(a)既に授与された報酬の権利未確定部分を取り消すこと、(b)既に授与された報酬のうち、権利確定したが未払いの部分を没収すること、(c)対象者に対し、返還すべき報酬に相当する金額の支払いを要求すること、(d)株式報酬の権利確定、行使、決済、売却、譲渡その他の処分により得られた利益の返還を要求すること、(e)返還すべき金額を、NHIが対象者に対して支払うべき報酬(NHIが対象者に対して支払うべき退職金を含むがこれに限らない)から相殺すること、適用法令又は契約により認められるその他の救済及び返還の方法を用いることができる。
2.NHIは、その単独の裁量において、過誤の報酬が返還されなければならない条件及びプロセスを決定する。本方針に基づきNHIに支払われるべき金額は、適用法令に従い、かつ契約により認められる場合には、本人の給与又はNHI若しくはその子会社から支払われるべき未払い金から差し引くことができる。
第6条(非補償)
NHI又はNHIの子会社若しくは関連会社のいずれも、本方針に基づき返還された報酬の損失について、対象者に補償してはならないものとする。更に、NHI又はNHIの子会社若しくは関連会社のいずれも、本方針に基づく返還義務の全部又は一部を補償するための保険契約について、いかなる対象者に対しても当該保険契約の保険料の負担又は払戻しを行ってはならないものとする。
第7条(開示)
1.NHIは、適用法令に従って、本方針及びその修正を開示するものとする。
2.本方針に従い報酬の返還が必要となる対象事由が生じた場合、NHIは、適用法令に従って必要な事項を開示するものとする。
第8条(委員会)
適用法令により許容される範囲において、NHIの人事委員会(以下「委員会」という。)は、本方針の管理、運用、解釈及び運営する責任を負うものとする。なお、NHIの報酬委員会は、日本法に基づくNHIの法定の役員である対象役員の報酬に関する事項を決定するものとする。NHIの報酬委員会及び人事委員会は、適用法令に従い本方針の条件を解釈し、これに基づき決定を行う裁量を有するものとし、本方針に従い各委員会が講じる措置は、各委員会の絶対的な裁量により行われるものとする。各委員会又はその代理人による解釈又は決定は、最終的なものでありかつ当事者全てを拘束するものとする。
第9条(変更)
本方針の変更又は終了は、NYSEの規則に基づき許容される範囲に限り、NHIの報酬委員会の決議により行われるものとする。
2. 役員報酬
(1)役員報酬の体系
役員報酬の構成と報酬項目別の決定方法は以下のとおりです。
(2) 業績連動報酬等の算定方法
取締役および執行役の報酬は固定報酬と業績連動報酬等に区分され、固定報酬はベースサラリー、業績連動報酬等は年次賞与と長期インセンティブプランで構成されております。代表執行役社長グループCEOについては、野村グループの業務執行の責任を負う職責にあることから、定量的な要素および国内外の主要競争地域における報酬水準等の定性的な要素を勘案し、固定報酬および業績連動報酬等から構成される総報酬額(TC:Total Compensation)を決定しております。その他の取締役および執行役については、代表執行役社長グループCEOの報酬を基準として、職位・職責および国内外のそれぞれの報酬規制・水準などを加味し、定性的な要素も考慮のうえ、TCを決定しております。なお、長期インセンティブプランについての詳細は「(3)株式関連報酬および非金銭報酬等に関する事項 3)PSUの導入」をご参照ください。
定量的な要素
野村グループの経営ビジョンやビジネス戦略との整合性を担保するため、野村グループ経営上の重要指標やその算定基礎となる業績指標を選定しております。また、株主との利益の一致を促進するため、株価関連指標を選定しております。
区分 |
概要 |
実績値 |
区分 |
概要 |
実績値 |
損 益 |
収益合計 (金融費用控除後) |
15,620億円 |
一株当たり情報 |
EPS |
52.69円 |
経費率(注1) |
82.5% |
資本効率 |
ROE |
5.1% |
|
税引前当期純利益 |
2,739億円 |
株主還元 |
株主総利回り (以下「TSR」)(注2) |
196.3% |
(注)1 金融費用以外の費用を収益合計(金融費用控除後)で除した値
2 当事業年度における株価の変動および配当金の合計を前事業年度末の株価で除した値
定性的な要素
野村グループの企業価値向上および持続可能な社会の実現を促すための戦略マネジメント、およびコミュニティ、人材ならびにDEIに関する取組みを評価項目として選定しております。
(3) 株式関連報酬および非金銭報酬等に関する事項
1)現在の株式関連報酬
現在の株式関連報酬は下表のとおりです。
種類 |
概要 |
譲渡制限株式ユニット (以下「RSU」) |
・2018年3月期より繰延報酬の基本的な支給方法として導入しております。 ・1ユニット当たり当社普通株式1株を株式報酬として支給します。 ・原則として繰延期間は3年としております。 |
ファントム・ストックプラン (以下「NSU」) |
・当社の株価に連動する現金決済型の報酬制度です。 ・繰延期間は原則として3年としております。 |
業績連動型株式ユニット (以下「PSU」) |
・2024年3月期より長期インセンティブプランの支給方法として導入しております。 ・付与後3年間の業績指標に基づき最終的な支給株数を決定します。 ・業績評価期間は原則として3年以上としております。 |
2)非金銭報酬等に該当する株式関連報酬
当社においては、原則として、取締役および執行役の年次賞与の半額を繰延報酬としており、支給にあたっては、非金銭報酬等に該当するRSUを用いております。また、2024年3月期より長期インセンティブプランとしてPSUを導入いたしました。
3)PSUの導入
2024年3月29日の当社報酬委員会において、長期インセンティブプランとしてPSU(Performance Share Unit)の導入を決議しました。PSUの導入は、当社の中長期的な企業価値の向上および株主の皆様との利益の一致をより一層図ることを目的としています。当社のPSUでは、始めに、前事業年度の業績等に応じて支給する基準株数を決定します。その後、3事業年度の業績指標の実績に応じ、基準株数に0%~150%の支給率を乗じて最終的な支給株数を確定します。確定した支給株数分の当社の普通株式等を、主に自己株式の処分により交付します。なお、評価に使用する業績指標はROEおよびTSRを選定しています。詳細は下記をご参照ください。
評価に使用する業績指標
当社の中長期的な企業価値の向上および株主の皆様との利益を一致させるため、ROE(業績評価期間の平均値)とTSR(業績評価期間の絶対値)を組み合わせて使用することとします。
基準株数および支給株数の算定方法
基準株数の算定方法
対象事業年度の業績および国内外の主要競争地域における報酬水準等の定性評価を勘案して決定した金額を、付与時期における当社の普通株式の株価により除し得られた株数を基準株数とします。
支給株数の算定方法
業績評価期間終了後、下記の算定方法に従って支給株数を算出します。
業績指標および支給率
業績指標 |
構成比 |
支給率の変動幅 |
評価方法 |
ROE |
50% |
0%~150% |
業績評価期間3年間の実績値(平均値)により算出 |
TSR |
50% |
0%~150% |
業績評価期間3年間の実績値(絶対値)により算出 |
業績評価の基礎となるROEおよびTSRの計算方法は以下のとおりです。
<ROE>
業績評価期間3年間の実績値(平均値)が野村グループの経営指標として掲げる8%に達した場合、基準株数が支給されます。一方、当該実績値が付与対象年度を含む過去3事業年度の最低値または3%のいずれか大きい値を超えない場合は支給が発生しません。なお、当該実績値が5%に達した場合に基準株数の50%が支給され、12%以上に達した場合には基準株数の150%が支給されます。
<TSR>
業績評価期間3年間の実績値(絶対値)が125%に達した場合、基準株数が支給されます。一方、当該実績値が100%以下の場合は支給が発生しません。また、当該実績値が150%以上に達した場合、基準株数の150%が支給されます。当該実績値の計算過程は下記のとおりです。
3年保有TSR=(最終株価(B)+業績評価期間中の配当額)÷当初株価(A)
A:当初株価(業績評価期間開始前1ヵ月の平均株価終値)
B:最終株価(業績評価期間終了前1ヵ月の平均株価終値)
支給株数の算定方法
支給株数は、基準株数にROEに基づく支給率とTSRに基づく支給率の平均を乗じることで算出します。なお、2024年3月期のPSUにかかる基準株数は782,100株であり、支給率150%の株数は1,173,200株です。
業績評価期間および支給スケジュール
業績評価期間は、PSUの基準株数を決定した事業年度より3年間とします。業績評価期間が終了し評価項目の実績が確定した後、上記の算定方法により確定した支給株数分の当社の普通株式等を株式報酬として支給します。
交付方法
主に自己株式の処分により交付するものとします。
4)株式関連報酬を繰延報酬として支給することによる効果
株式関連報酬を繰延報酬として支給することにより、報酬の経済的価値が当社の株価にリンクされ、一定の受給資格確定期間が設けられること等によって、以下の効果を期待できます。
・株主との利益の一致
・付与から受給資格確定までの一定の期間に、株価の上昇により受給時の繰延報酬の経済的価値が増大し得る機会を与えることによる中期インセンティブ、およびリテンション
・中長期的な企業価値の向上という共通の目標を与えることによる部門を越えた連携・協力の推進
繰延報酬にはこのようなメリットがあるため、主要各国の規制当局からも積極的な活用が推奨されています。
なお、当社グループにおける繰延報酬については、FSB(金融安定理事会)が公表している「健全な報酬慣行に関する原則」の推奨に基づき、繰延期間を原則として翌事業年度以降から3年以上としております。
3.取締役および執行役の報酬(役員区分別・社内外別・種類別の報酬額)
上記の報酬に関する基本的な考え方や枠組みのもと、日本の会社法上の指名委員会等設置会社である当社では、法定の報酬委員会が、グループの基本方針および役員の方針に基づき、取締役および執行役の報酬等の額を決定しております。
(1) 取締役・執行役の報酬等の総額
2024年3月期の報酬として支給された金額は下記のとおりです。
|
|
|
(単位:百万円) |
||||||
役員区分 |
人数(注1) |
固定報酬 |
業績連動報酬等 |
総額 |
|||||
ベースサラリー |
現金賞与 |
NSU(注4) |
RSU(注4) |
||||||
取締役 |
|
|
名 |
|
|
|
|
|
|
(うち、社外) |
( |
|
名 |
) |
( |
( |
( |
( |
( |
執行役 |
|
|
名 |
|
|
|
|
|
|
合計 |
|
21 |
名 |
|
987 |
1,322 |
2,633 |
241 |
5,183 |
(注)1 上記人数には、2023年6月に退任した取締役1名、ならびに6月に就任した取締役2名を含んでおります。期末日現在の人員は、取締役11名、執行役8名です。なお、取締役と執行役の兼任者については、上表では執行役の欄に人数と報酬を記入しております。
2 ベースサラリーのほか、その他の報酬(通勤定期券代等)として支給された報酬27万円が含まれております。
3 執行役に対して社宅関連費用(社宅課税額および課税調整額等)として16百万円を支給しております。
4 当事業年度以前に付与された繰延報酬のうち、当事業年度において会計上の費用として計上された金額を示しております。NSUの金額は貸借対照表日ごとに公正価値により再評価され、RSUの金額は付与日の公正価値により評価されます。詳細は連結財務諸表注記「1 会計処理の原則および会計方針の要旨」をご参照ください。なお、2024年3月29日の報酬委員会において適用開始を決議した長期インセンティブプランの費用は、2025年3月期より業績評価期間にわたり計上されるため、上記には含まれておりません。
5 上記のほか、当事業年度において、社外取締役に対し、当社の子会社の役員としての報酬等を当該子会社が合計76百万円支給しております。
(2) 連結報酬等の総額が1億円以上の役員の報酬等
2024年3月期を対象とした報酬総額が1億円以上である取締役および執行役の内訳は以下のとおりです。報酬委員会における決議金額を記載しているため、会計上の費用として計上された金額を示している上記(1)取締役・執行役の報酬等の総額とは合計金額が一致しません。
報酬の水準と体系は、優秀な人材を確保・維持し、動機付け、育成するため、個人の役割・責任および国内外それぞれの報酬規制・水準等を加味し決定しております。また、中長期的な企業価値向上のインセンティブを付与し、かつ株主との利益の一致を図ることを目的として、報酬の一部を所定の繰延期間を設けた株式関連報酬によって支払うこととしています。詳細は上記「1.報酬の方針(1)グループの基本方針および(2)役員の方針」をご参照ください。
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|||||||
氏名 |
会社 |
役員区分 |
固定報酬 |
業績連動報酬等 |
合計 |
||||||
現金 |
RSU |
現金賞与 |
株式関連報酬 |
||||||||
永井 浩二 |
提出会社 |
取締役会長 |
91.2 |
0.0 |
116.0 |
116.0 |
|
||||
奥田 健太郎 (注1) |
提出会社 |
代表執行役 (グループCEO) |
102.0 |
17.4 |
183.7 |
202.9 |
|
||||
中島 豊 |
提出会社 |
代表執行役 |
75.6 |
14.4 |
106.3 |
106.3 |
|
||||
飯山 俊康 |
提出会社 |
執行役 |
72.0 |
14.4 |
85.1 |
85.1 |
|
||||
北村 巧 |
提出会社 |
執行役 |
60.0 |
13.2 |
45.9 |
45.9 |
|
||||
加藤 壮太郎 |
提出会社 |
執行役 |
54.0 |
9.6 |
38.2 |
38.2 |
|
||||
稲井田 洋右 |
提出会社 |
執行役 |
54.0 |
9.6 |
35.7 |
35.7 |
|
||||
大塚 徹 |
提出会社 |
執行役 |
54.0 |
9.6 |
35.7 |
35.7 |
|
||||
クリストファー・ウィルコックス (注2) |
提出会社 |
執行役 |
108.4 |
9.6 |
675.8 |
940.6 |
|
||||
(米ドル換算額 単位:千米ドル) |
(750.0) |
(66.9) |
(4,675.8) |
(6,507.3) |
(12,000.0) |
(注)1 上記の報酬金額のほかに、社宅関連費用(社宅課税額および課税調整額等)として16百万円を支給しております。
2 2022年10月より執行役に就任したため、2023年3月期の有価証券報告書においては6か月分の報酬を円貨換算した金額を記載しておりました(原則として1米ドル=135.44円)。上表においては2024年3月期の12か月分に相当する報酬を記載しております(原則として1米ドル=144.54円)。
(3) 当事業年度における報酬委員会の活動状況
(ア)報酬委員会の委員構成
報酬委員会は、3名の委員で構成されます。
委員長: |
石村 和彦 |
(社外取締役) |
委員: |
高原 豪久 |
(社外取締役) |
委員: |
永井 浩二 |
(取締役会長・業務非執行) |
(イ)報酬委員会における審議事項および出席状況
2024年3月期に開催された報酬委員会の出席状況と概要は以下のとおりです。
開催日 |
決議・討議の概要 |
委員の 出席状況 |
2023年4月21日 |
討議:2023年3月期の業績とグループCEO報酬水準について |
全員出席 |
2023年4月24日 |
討議:2023年3月期のグループCEO報酬水準について |
全員出席 |
2023年4月26日 |
決議:当期(2023年3月期)の賞与案について :「取締役および執行役の報酬の方針」の一部改訂について |
全員出席 |
2023年6月27日 |
決議:取締役会の招集権を有する取締役の選定について :委員会の職務執行状況を取締役会に報告する取締役の選定について :野村グループの報酬の基本方針および野村ホールディングスの取締役および執行役にかかる報酬の方針について :取締役および執行役の個人別の報酬(年次賞与を除く)について :取締役および執行役に本年度付与するRSU(譲渡制限株式ユニット)について 報告:今期の年間スケジュールについて |
全員出席 |
2023年8月29日 |
討議:役員報酬の決定方法見直しについて |
全員出席 |
2023年9月27日 |
討議:役員報酬の決定方法見直しについて :社外取締役の報酬について |
全員出席 |
2023年11月6日 |
決議:米国SECクローバック規制の導入と当社の対応について |
全員出席 |
2023年12月5日 |
報告:国内外の主要地域における役員の報酬水準について |
全員出席 |
2024年1月31日 |
討議:2024年3月期における役員の報酬水準および役員報酬の決定方法見直しについて |
全員出席 |
2024年2月20日 |
討議:役員報酬決定方法の見直しについて |
全員出席 |
2024年3月29日 |
決議:取締役および執行役の4月以降のベースサラリーについて :長期インセンティブプラン(LTI)の導入について 討議:2024年3月期の業績見込みと報酬水準イメージについて |
全員出席 |
かかる審議等を経て、報酬委員会は、2024年3月期にかかる役員報酬は、グループの基本方針および役員の方針に沿ったものであり、かつ、妥当であるものと判断しております。また、審議内容は取締役会にも報告しております。
① 投資株式の区分の基準および考え方
保有目的が純投資目的とは、専ら株式の価値の変動または株式にかかる配当によって利益を受けることを目的とする場合をいいます。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a. 保有方針および保有の合理性を検証する方法ならびに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社の株式の政策保有に関する基本方針ならびに保有の合理性を検証する方法は以下のとおりです。
・野村グループにおける政策保有株式については、株式の保有にともなうリスクやコストに留意しつつ、株式保有先企業との取引の拡大や事業上の連携などによる当社ビジネスの収益拡大の機会などの事業戦略的な観点を考慮したうえで、株式の保有が野村グループの企業価値の維持・向上に資する場合のみ、同株式を保有するものとする。
・取締役会は、野村グループにおける政策保有株式の保有の意義について継続的な検討を行うことを目的として政策保有株式検討委員会を設置する。
・政策保有株式検討委員会は政策保有株式の保有状況を検討し、売却することが合理的と判断される株式については、市場への影響やその他考慮すべき事情にも配慮しつつ売却を進める。
・取締役会は、政策保有株式検討委員会において検討された内容を検証する。
当社は、市場への影響やその他考慮すべき事情にも配慮しつつ、原則政策保有株式については、売却を進める方針ですが、継続保有とする株式については、社内検証プロセスに基づき、その保有の合理性を検証、対応を検討しております。
具体的には、当社は、保有するすべての政策保有目的の株式について、定期的に定量分析を実施しております。必要資本に対するリターン(株式保有先企業との取引による収益や受取配当金等)が目安となる水準を上回るかどうかを検証し、基準を満たしていれば継続保有の検討可とした上で、保有状況の継続的なモニタリングを実施します。基準を満たしていない場合、定性分析を実施いたします。定性分析では、中長期を含む今後の収益見込み、保有目的や保有期間、発行体や地域経済との関係性、その他有意な要素を考慮して、継続保有の検討可または売却推進を検討いたします。
当社は、政策保有株式検討委員会を年2回を目安に開催しております。同委員会においては、先述の定量的、定性的な要素について、個別に検証し、保有の意義について確認、追加の対応の方針を議論しております。2023年8月29日と2024年3月7日に開催した取締役会においては、政策保有株式検討委員会において検討された内容を踏まえ、保有の適否を検証するとともに、同委員会における検討結果としての保有株式の削減、売却の進捗の状況について確認いたしました。
b. 銘柄数および貸借対照表計上額
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銘柄数 (銘柄) |
貸借対照表計上額の 合計額(百万円) |
非上場株式 |
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非上場株式以外の株式 |
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(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
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銘柄数 (銘柄) |
株式数の増加にかかる取得 価額の合計額(百万円) |
株式数の増加の理由 |
非上場株式 |
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非上場株式以外の株式 |
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(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
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銘柄数 (銘柄) |
株式数の減少にかかる売却 価額の合計額(百万円) |
非上場株式 |
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非上場株式以外の株式 |
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c. 特定投資株式およびみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
銘柄 |
当事業年度 |
前事業年度 |
保有目的、業務提携等の概要、 定量的な保有効果 および株式数が増加した理由 |
当社の株式の 保有の有無 |
株式数(千株) |
株式数(千株) |
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貸借対照表計上額 (百万円) |
貸借対照表計上額 (百万円) |
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銘柄 |
当事業年度 |
前事業年度 |
保有目的、業務提携等の概要、 定量的な保有効果 および株式数が増加した理由 |
当社の株式の 保有の有無 |
株式数(千株) |
株式数(千株) |
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貸借対照表計上額 (百万円) |
貸借対照表計上額 (百万円) |
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銘柄 |
当事業年度 |
前事業年度 |
保有目的、業務提携等の概要、 定量的な保有効果 および株式数が増加した理由 |
当社の株式の 保有の有無 |
株式数(千株) |
株式数(千株) |
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貸借対照表計上額 (百万円) |
貸借対照表計上額 (百万円) |
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銘柄 |
当事業年度 |
前事業年度 |
保有目的、業務提携等の概要、 定量的な保有効果 および株式数が増加した理由 |
当社の株式の 保有の有無 |
株式数(千株) |
株式数(千株) |
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貸借対照表計上額 (百万円) |
貸借対照表計上額 (百万円) |
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銘柄 |
当事業年度 |
前事業年度 |
保有目的、業務提携等の概要、 定量的な保有効果 および株式数が増加した理由 |
当社の株式の 保有の有無 |
株式数(千株) |
株式数(千株) |
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貸借対照表計上額 (百万円) |
貸借対照表計上額 (百万円) |
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銘柄 |
当事業年度 |
前事業年度 |
保有目的、業務提携等の概要、 定量的な保有効果 および株式数が増加した理由 |
当社の株式の 保有の有無 |
株式数(千株) |
株式数(千株) |
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貸借対照表計上額 (百万円) |
貸借対照表計上額 (百万円) |
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銘柄 |
当事業年度 |
前事業年度 |
保有目的、業務提携等の概要、 定量的な保有効果 および株式数が増加した理由 |
当社の株式の 保有の有無 |
株式数(千株) |
株式数(千株) |
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貸借対照表計上額 (百万円) |
貸借対照表計上額 (百万円) |
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銘柄 |
当事業年度 |
前事業年度 |
保有目的、業務提携等の概要、 定量的な保有効果 および株式数が増加した理由 |
当社の株式の 保有の有無 |
株式数(千株) |
株式数(千株) |
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貸借対照表計上額 (百万円) |
貸借対照表計上額 (百万円) |
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銘柄 |
当事業年度 |
前事業年度 |
保有目的、業務提携等の概要、 定量的な保有効果 および株式数が増加した理由 |
当社の株式の 保有の有無 |
株式数(千株) |
株式数(千株) |
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貸借対照表計上額 (百万円) |
貸借対照表計上額 (百万円) |
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(注)1 定量的な保有の効果については、多岐にわたるため記載は困難です。検証した方法については、「(5)[株
式の保有状況] ②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 a.保有方針および保有の合理性を検証
する方法ならびに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容」をご参照ください。
2 「*」は、当該銘柄の貸借対照表計上額が当社の資本金額の100分の1以下であり、かつ貸借対照表計上額の
大きい順の60銘柄に該当しないために記載を省略していることを示しております。
3 保有先企業は当社の株式を保有しておりませんが、同社子会社が信託口保有分も含め、当社の株式を保有して
おります。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
区分 |
当事業年度 |
前事業年度 |
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銘柄数 (銘柄) |
貸借対照表計上額の 合計額(百万円) |
銘柄数 (銘柄) |
貸借対照表計上額の 合計額(百万円) |
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非上場株式 |
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非上場株式以外の株式 |
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区分 |
当事業年度 |
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受取配当金の 合計額(百万円) |
売却損益の 合計額(百万円) |
評価損益の 合計額(百万円) |
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非上場株式 |
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(注) |
非上場株式以外の株式 |
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(注)非上場株式については、市場価格がないことから、評価損益の合計額は記載しておりません。
④ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの
該当事項はありません。
⑤ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資以外の目的から純投資目的に変更したもの
該当事項はありません。