第2【事業の状況】

(注)百万円未満の端数を切捨てて表示している。

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりである。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

 当期については、アフターコロナの下、社会経済活動の正常化、価格転嫁や円安の進行などにより、企業収益に改善の動きがみられた。建設業界においても、資材価格や労務費の高騰等、一部厳しさは残るものの、企業の設備投資意欲を追い風に、建設需要は堅調に推移している。

 当社グループにおいては、2026年度の成長Vision『連結7,000億円規模の経営』を目指し、中期経営計画『Sustainable Growth 2026 ~人、心、そして未来へ~』を展開している。前半の3年間においては、事業基盤の整備を着実に進めてきた。2024年度は「大きな飛躍へ挑戦する期間」と位置付けた、後半3年の初年度となる。事業基盤を更に強化していくため、主となる「事業戦略」と、それを支える各戦略をグループ大で進めていく。

 「事業戦略」については、既存事業の更なる拡大に向けて、事業基盤の整備・拡充を含め、地域間の連携を強化しながら、首都圏拡大・地域密着深化への取り組みを進めるとともに、エンジニアリング力の更なる向上、DX推進も含めた、生産性向上等に取り組んでいる。また、これまで培ってきた技術と新たな技術を活かし、再生可能エネルギー工事をはじめとするGX関連工事の拡大等、新しい分野にも挑戦している。

 「環境戦略」については、当社の事業活動におけるCO₂排出量削減目標を掲げ、カーボンニュートラルに向けた取り組みを進めている。また、当社の技術力を活かし、再エネ・省エネ分野への更なる事業展開により、お客様のカーボンニュートラルにも寄与すべく取り組んでいる。

 「人財・働き方戦略」については、当社において最も大切な経営資源は人財であるとの考えのもと、従業員がやりがい・働きがいをもって、活き活きと働けるよう、労働環境・職場環境の整備を進めている。そして、エンゲージメント・モチベーションの向上を図るとともに、生産性向上も含めた働き方改革を進めている。

 「コーポレート戦略」では、更なる社会からの信頼を得るため、コンプライアンス・ガバナンスの強化を図り、コーポレート機能のより一層の発揮に向け取り組んでいる。きんでんブランドの認知・浸透に向けては、コーポレートスローガンやステートメントを活用した、ブランディング戦略も展開していく。

 さらに、当社は「中期経営計画における成長投資と企業価値向上への取り組み」を2024年1月31日に公表した。首都圏での事業基盤の整備・拡充に向けた「首都圏新事業所の開設」、未来を担う人財の確保・育成のための「きんでん学園の移転・建て替え」等の『人財を軸とした成長投資』に加えて、新たな事業の開拓に向けた「成長領域への投資」を進めることで、中長期的な利益創出能力の強化を図っていく。また、資本政策においては、株主還元強化による自己資本の効率化を進めていく。このように当社はあらゆるステークホルダーと向き合い、価値を共創していくことで、持続的な成長・発展を目指していく。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1)中期経営計画の推進によるサステナビリティへの取り組み

  当社グループにおけるサステナビリティに関する考え方は、企業理念のもと「環境に優しい、持続可能な、より良い社会」の実現への貢献に向けて、これからも「社会のインフラを支える企業」として持続的成長・発展していくことであり、そのために、2021年4月に「目指すべき経営の方向性」「目指す会社像」を設定した上で、その実現に向けて中期経営計画『Sustainable Growth 2026 ~人、心、そして未来へ~』を策定し、取り組みを進めている。

 最も大切な経営資源は人財であるとの考えのもと、人と心を経営の根幹におき、長期的な視点に立ち、人財を中心とした事業基盤の整備・強化を進め、「事業戦略」「環境戦略」「人財・働き方戦略」「コーポレート戦略」を展開し、成長指標として『2026年度成長Vision:連結7,000億円規模の経営』を掲げ、持続的成長・発展に向けた取り組みを続けている。当社グループの持続的な事業運営上のリスクとなり得る要因や課題等については、ESG・SDGsの観点を踏まえたマテリアリティ(重点課題)とし、それらも踏まえたアクションプランを策定・実践している。戦略・課題毎に責任役員を定め、定期的なモニタリングや経営陣への報告プロセスを含め、PDCAサイクルをまわすことで、中期経営計画の実効性の確保及び向上を図っている。

 

(2)気候変動への取り組み

  当社グループは、中期経営計画「環境戦略」において、事業活動におけるエネルギー使用抑制等、カーボンニュートラルに取り組んでおり、その一環としてTCFD提言への賛同を表明し、提言に基づく情報開示を行っている。

 

①  ガバナンス

・当社グループにおける気候変動を含む事業活動に伴うリスクを適切なレベルに管理し、持続的な成長を実現するために、社長が任命した役員を委員長とした「リスク管理委員会」を設置している。

・リスク管理委員会は、リスクに関する事項を把握、評価し、必要に応じて業務執行箇所に対して改善指導を行っている。取締役会は、リスク管理委員会でのリスク管理状況について定期的に報告を受け、監督している。

・なお、当社では中期経営計画に基づき、カーボンニュートラル達成に向けての対策計画の策定・推進を目的として、社長が任命した役員を委員長とした「カーボンニュートラル推進委員会」を設置しており、カーボンニュートラル達成への進捗状況については、取締役会へ定期的に報告している。

 

0102010_001.png

 

②  戦略

シナリオの設定

・国際エネルギー機関(IEA)および、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)などを参照し、今世紀末までに産業革命以前と比較し世界の平均気温上昇が「1.5℃」と「4℃」の2つのシナリオにおける2050年の社会を想定し、各シナリオにおけるリスクと機会の分析を行った。

・「1.5℃シナリオ」・・・気候変動に対し厳しい対策が取られ、2100年時点において、産業革命時期比の気温上昇が1.5℃程度に抑制されるシナリオ

・「4℃シナリオ」  ・・・気候変動への厳格な対策が取られず、2100年時点において、産業革命時期比で4℃程度気温が上昇するシナリオ

・気候変動に関連する物理的リスク、移行リスクを適切に選定し、企業としての対策を策定することで、レジリエンスを高めていく一方、事業機会を特定し戦略的に取り組んでいる。ZEBをはじめとした建物の省エネ化に関わる工事需要拡大、再生可能エネルギー関連工事需要の拡大を移行リスク・機会として特定している。また、自然災害や気温上昇による労働環境や生産性への影響を物理リスク、災害に備えたインフラや建物のレジリエンスの必要性の高まりを事業機会として特定している。

 

 

シナリオ分析結果(1.5℃シナリオ)

シナ
リオ

 

気候関連事象

当社への影響

当社としての対応

1.5




リスク

温室効果ガス排出抑制に関する規制強化

CO₂排出量の削減要請が高まる中で、当社の削減目標を達成できないこと

中/長期

・事業所への環境関連投資(太陽光パネル設置、省エネ機器導入等)の推進

・車両のEV化の推進

・グループ会社が所有する風力発電所の活用促進(環境付加価値証書の活用)

・再生可能エネルギー由来の電力購入

顧客からの、環境に配慮した施工に対する要求の高度化

中/長期

・環境に配慮した低炭素資材・再生資材の調達推進

・環境負荷の少ない新技術、新工法の開発

ステークホルダーの環境意識向上や情報開示要求強化

当社のCO₂削減活動・情報開示対応不十分によるレピュテーションリスク

中/長期

・目標達成に向けた具体的施策の確実な実施と、ステークホルダーへの適切な情報開示

機会

再生可能エネルギーの利用拡大

再生可能エネルギー関連工事需要の増加

中/長期

・風力、太陽光、バイオマス等、関連工事需要の増加に対応できる組織・体制の強化

・当社の優位性を高めるための再生可能エネルギー関連工事に関する技術開発の促進、技術力の向上

建物の省エネ化

省エネ関連工事需要の増加

短/中期

・エネルギーマネジメントなど省エネに繋がる提案メニューの充実

・顧客の持続可能な省エネ化に向けて、積極的な提案活動の実施

非化石燃料の
利用拡大

化石燃料の電化促進に伴うインフラ工事(充電ステーションなど)需要の増加

中/長期

・新たな社会インフラに対応できる技術開発の促進、技術力の向上

 

 

シナリオ分析結果(4℃シナリオ)

シナ
リオ

 

気候関連事象

当社への影響

当社としての対応

4℃



リスク

自然災害の激甚化

台風や水害等の自然災害被害による当社事業所機能の停止

中/長期

・当社事業継続確保に向けた確実なBCP対応

社会インフラやお客様の建物等の被害に対する緊急対応の増加

中/長期

・災害発生時に柔軟な対応ができる体制の維持

気温上昇

酷暑期の現場作業における熱中症発生リスクの増大

短/中期

・暑熱対策の徹底による熱中症の未然防止

作業環境悪化による現場における作業効率の低下

短/中期

・作業者の疲労度軽減や作業安全に寄与する新工法、新工具の開発

・施工効率向上に向けた工事部材のプレハブ化・ユニット化の推進

機会

国土強靭化政策の
強化

防災・減災に向けた社会インフラの強靭化関連工事需要の増加

中/長期

・社会インフラ強靭化関連工事需要の増加に対応できる施工体制の構築

防災・減災に向けた建物のメンテナンス・リニューアル工事需要の増加

中/長期

・顧客のBCP対応に向けた技術開発の促進、技術力の向上

・メンテナンス・リニューアル工事需要の増加に対応できる組織・体制の構築

 

③  リスク管理

・当社グループの気候変動を含む事業活動に伴うリスクについては、業務執行箇所が自律的に管理することを基本とし、組織横断的リスク状況の監視及び全社的対応のために設置されたリスク管理委員会が、リスクを統括的に管理している。

・具体的には、各業務執行箇所がリスクを認識した上で、その影響度、発生可能性の観点から重要性を評価し、必要な対策を実施するとともに、対策後に評価を行い改善していく一連のプロセスを確立している。

・なお、リスク管理委員会は、適宜カーボンニュートラル推進委員会と連携し、必要な情報の共有を図っている。

 

④  指標及び目標

・当社グループは、カーボンニュートラル推進委員会において、CO₂排出量を分析した上で、カーボンニュートラル達成に向けての対策計画を策定、推進している。

・地球温暖化対策推進法の遵守、当社の企業理念、中期経営計画に沿った環境戦略といった観点から、CO₂排出量削減への取組みは必須と考えている。その取組みに実効性を持たせるため、当社は、Scope1、2 の2030年度における削減目標を設定している。具体的には、2030年度にCO₂排出量2020年度比50%削減を目指す。

 

当社のCO₂削減目標

 

 

目標年

対象

削減率

2030年度

きんでん単体

Scope1、2

2020年度比

50%

 

当社のCO₂削減実績

 

 

(単位:t-CO₂)

 

2020年度

2021年度

2022年度

2030年度

Scope1

16,969

17,081

15,121

Scope2

11,606

12,097

10,543

CO₂排出量

28,575

29,178

25,664

14,287

削減率

△2.1%

10.2%

50%

 

(3)人的資本

  当社グループにおいて、最も大切な経営資源は人財であるとの考えのもと、人的資本の持続的な価値向上を図り、更なる成長・発展に向け、中期経営計画「人財・働き方戦略」に取り組んでいる。ダイバーシティ&インクルージョンを進め、多様な人財が活き活きと働き、その能力を最大限に発揮できるように、労働環境・職場環境の整備、エンゲージメント・モチベーション向上を図るとともに、生産性向上を含めた働き方改革を進めている。

 

①  戦略

<ダイバーシティ&インクルージョン>

・女性・外国人・高齢者・障がい者・中途採用等の多様な能力、価値観、発想を持った人財を活用することで、多様化、複雑化する顧客ニーズへの対応や業務の効率化を推進し、更なる企業価値向上、持続的成長・発展を目指している。性別、年齢、国籍、障がいの有無を問わず適性ある人財の採用や高齢者の継続雇用を積極的に行っており、社内における昇格・昇進等の処遇についても中途採用等による区別はなく、多様性の確保を進めている。

<人財育成>

・「企業の持続的成長・発展を支え、社会に貢献できる人財を育成する」の基本方針の下、長期的な視点に立ち、強固な事業基盤を継続、成長・発展させていくために、「必ずやり遂げる精神」を持つプロ集団を目指し、体系的な教育カリキュラムを策定し人財育成を実践している。

・また、未来を担う人財を確保・育成するための教育インフラ投資として、基幹教育施設「きんでん学園」を移転・建替えする計画を進めており、お客様から支持される「きんでんブランド」のさらなる確立に努め、社会インフラを支える企業として持続的成長・発展を目指している。

<社内環境整備>

・高い技術力を持った人財が活き活きと働けるように、人権意識の高い、ハラスメントがない風通しの良い職場整備を継続するとともに、やりがい・働きがい醸成に向け、エンゲージメント・サーベイの実施と1on1ミーティングをはじめとする様々な取り組みにより、コミュニケーション・相互理解を促進することで、更なるエンゲージメント・モチベーションの向上を目指している。

・また、「健康経営ビジョン」を策定し、従業員が心身ともに健康であり続け、一人ひとりがより活力を持って働けることが会社の持続的成長の源であるとの考えに立ち、2022年10月に「健康経営」を宣言した。引き続き、健康意識を高め行動変容につながるような健康維持・増進施策を実施していく。

・ハード面においても、人財を軸とした成長投資による事業基盤の整備・強化を行っており、快適性・機能性を備え、仕事がしやすく、社会の流れや変化にも対応できる、より快適な職場環境を実現するため、目指す事業所(あるべき姿)コンセプトを策定し、事業所リニューアル等を積極的に進めている。

 

②  指標及び目標

・ダイバーシティ&インクルージョンへの取り組みにおいて、特に女性の活躍推進に向け、女性技術職の採用人員を増やすとともに、女性の個性と能力が発揮できるステージを提供し、また仕事と育児等の両立を引き続き支援することにより、男女の勤続年数の差異が少ない状態を維持していく。

・従業員一人ひとりが活き活きと働き、その能力が最大限に発揮できるよう、定期健康診断及び再検査対象者の完全受診を維持し、疾病予防と早期発見に取り組む。

指   標

目  標

実 績

(当連結会計年度)

新卒採用の女性技術者数

2以上(2021年度比)

4.2

男女の平均勤続年数の差異

70以上を維持

105.3

定期健康診断の受診率

100を維持

100

再検査対象者の再検査受診率

100を維持

100

 

 

3【事業等のリスク】

  有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。

  当社グループは、リスクの管理体制を「第4  提出会社の状況  4  コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおり整備し、リスク管理機能の強化を図っている。

  なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものである。

(1)経済状況

  当社グループの営業収入のうち、重要な部分を占める電気設備工事の需要は、当社グループが受注している地域及び各国の経済状況の影響を受ける。当社グループでは「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、中期経営計画『Sustainable Growth 2026 ~人、心、そして未来へ~』を策定し、当社財産である「人と心」を経営の根幹に置き、人財を中心とした事業基盤の整備・強化を進めつつ、SDGs・ESGの観点も踏まえた「事業戦略」及び「環境戦略」「人財・働き方戦略」「コーポレート戦略」を展開している。

①  民間工事の価格競争の激化

  受注における最大の要素が価格となっており、熾烈な価格競争が行われている。建設需要が低迷・縮小を続けた場合、価格競争がより一層熾烈化し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになる。

②  政府、自治体等官公庁の方針による建設投資抑制

  政府、自治体等の建設投資抑制方針により、官公庁からの発注工事が減少した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになる。

③  海外における経済情勢、法令・規則等の変更

  当社グループは、海外のインフラ設備を中心とする海外工事にも積極的に進出している。海外工事においては、当該国の経済情勢の変化や法令・規則等に変更があった場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになる。

④  資材費及び外注費の高騰

  予想以上の急激な為替変動等による資材価格及び外注労務単価の高騰は、工事の採算性を低下させることもあり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになる。

⑤  関西電力グループの設備投資抑制

  当社グループは、大口得意先である関西電力グループから配電工事・電力工事等を受注して施工を行っている。そのために施工員、工事用車両、機械器具、事業所等を保有しており固定的に費用が生じている。今後、設備投資が抑制されると、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになる。

(2)得意先の倒産等による不良債権の発生

  当社グループは、得意先と契約を締結して、契約条項に基づいて工事を施工し、入金を受けている。与信管理を強化しているが、得意先に倒産等があった場合、不良債権が発生することが予想され、多額の不良債権が発生すれば、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになる。

(3)大規模自然災害及び感染症の発生

  大規模自然災害や感染症の大流行により、当社グループの設備(社屋、車両、工事機材等)や従業員が被害を受けたり、あるいは経済・社会が混乱した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになる。

  新型コロナウイルス感染症については、感染症法上の分類が変更され、社会経済活動も回復に向かっている。しかしながら、今後再流行した場合は、建設市場の動向等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになる。

(4)機密情報の漏洩

  当社グループは、事業活動を通じて得意先情報や個人情報等の機密情報を保有している。各情報の取扱いについては、法令等に則り適切に管理し、また情報セキュリティ確保に向けたシステムの構築及び従業員の意識向上に取り組んでいるが、外部からのサイバー攻撃等により機密情報が漏洩した場合、社会的信用の低下や損害賠償の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになる。

(5)気候変動

  気候変動を含む環境課題への対応を重要な経営課題の一つと認識し、2022年5月にTCFD提言への賛同を表明するとともに、「TCFDの枠組みに基づく情報開示」の中で気候変動に関連するリスクを特定しているが、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになる。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

  当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。

 

  ①財政状態及び経営成績の状況

ア)経営成績

当社グループの完成工事高は、前連結会計年度に比べ453億8千4百万円増加し、6,545億1千6百万円(前期比7.5%増)となった。期首を過去最高水準の手持工事高でスタートし、好調な受注環境に支えられ、当社及び国内・海外子会社共に完成工事高は増加した。

完成工事総利益は、前連結会計年度に比べ85億5千5百万円増加し、1,075億8千1百万円(前期比8.6%増)となった。完成工事高が増加したことなどによる。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ33億8百万円増加し、649億3百万円(前期比5.4%増)となった。ベースアップ等による人件費の増加や働き方改革関連費用、情報システム関連費用が増加したことなどによる。

営業利益は、前連結会計年度に比べ52億4千6百万円増加し、426億7千7百万円(前期比14.0%増)となった。

経常利益は、前連結会計年度に比べ57億3千8百万円増加し、459億8千2百万円(前期比14.3%増)となった。

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ48億3千万円増加し、335億5千3百万円(前期比16.8%増)となった。

完成工事高及び各利益は、前連結会計年度を上回った。

 

イ)財政状態

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末と比べ46億5千8百万円増加し、4,822億1千6百万円(前年度末比1.0%増)となった。受取手形・完成工事未収入金等が増加したことが主な要因である。

固定資産は、前連結会計年度末と比べ683億8千6百万円増加し、3,336億7千1百万円(前年度末比25.8%増)となった。株価上昇に伴う投資有価証券の増加や建設仮勘定の増加が主な要因である。

これらの結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ730億4千5百万円増加し、8,158億8千7百万円(前年度末比9.8%増)となった。

 

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末と比べ235億4千3百万円増加し、2,053億5千万円(前年度末比12.9%増)となった。支払手形・工事未払金等や未成工事受入金の増加が主な要因である。

固定負債は、前連結会計年度末と比べ81億6千2百万円増加し、364億8千3百万円(前年度末比28.8%増)となった。繰延税金負債の増加が主な要因である。

これらの結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ317億6百万円増加し、2,418億3千4百万円(前年度末比15.1%増)となった。

 

(純資産)

株主資本は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や剰余金の配当、自己株式取得の結果、前連結会計年度末と比べ178億3千2百万円増加し、5,062億6千4百万円となった。その他の包括利益累計額は、株価上昇に伴うその他有価証券評価差額金の増加等により、前連結会計年度末と比べ235億6千5百万円増加し、670億3千1百万円となった。

また、非支配株主持分は7億5千7百万円となった。

これらの結果、純資産は、前連結会計年度末に比べ413億3千9百万円増加し、5,740億5千3百万円(前年度末比7.8%増)となった。なお、自己資本比率は、前連結会計年度末より1.3ポイント下落し、70.3%となった。

 

  ②キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払等があったものの、税金等調整前当期純利益の計上等により、385億2千万円のプラス(前期は301億5千3百万円のプラス)となった。

投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得等により、221億7千9百万円のマイナス(前期は273億9千3百万円のマイナス)となった。

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得や配当金の支払等により、159億7千8百万円のマイナス(前期は93億4千万円のマイナス)となった。

以上の結果、現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より10億4千万円増加(前期は50億2千4百万円減少)し、1,805億1千7百万円となった。

 

  ③生産、受注及び販売の実績

  当社グループが営んでいる事業の大部分を占める設備工事業(建設事業)では生産実績を定義することが困難であり、設備工事業(建設事業)においては請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐわない。

  なお、当社グループにおける受注及び販売の実績の大部分を提出会社が占めているため、提出会社個別の状況を参考のため記載すると、次のとおりである。

 

 

  設備工事業(建設事業)における受注工事高及び完成工事高の状況

a.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

工事種別

前期繰越

工事高

(百万円)

当期受注

工事高

(百万円)

(百万円)

当期完成

工事高

(百万円)

 

次期繰越

工事高

(百万円)

 

第109期

(自  2022年4月1日

至  2023年3月31日)

配電工事

11,191

73,485

84,676

70,375

14,301

一般電気工事

304,067

364,940

669,007

329,873

339,134

情報通信工事

21,180

55,747

76,928

53,003

23,924

環境関連工事

37,013

47,843

84,857

45,344

39,513

電力その他工事

40,858

16,304

57,163

25,636

31,526

414,312

558,320

972,633

524,233

448,400

第110期

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

配電工事

14,301

72,957

87,258

73,969

13,289

一般電気工事

339,134

368,922

708,056

372,944

335,112

情報通信工事

23,924

44,715

68,639

52,032

16,607

環境関連工事

39,513

52,097

91,611

41,421

50,189

電力その他工事

31,526

21,723

53,250

19,586

33,664

448,400

560,416

1,008,816

559,954

448,862

(注)1  前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。

2  次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)である。

 

b.受注工事高の受注方法別比率

  工事の受注方法は、特命と競争並びに関西電力株式会社または関西電力送配電株式会社との配電関係工事請負契約によるものに大別される。

期別

特命

競争

請負契約

(百万円)

(%)

(百万円)

(%)

(百万円)

(%)

(百万円)

(%)

第109期

(自  2022年4月1日

至  2023年3月31日)

214,486

38.4

274,123

49.1

69,711

12.5

558,320

100.0

第110期

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

246,498

43.9

244,131

43.6

69,787

12.5

560,416

100.0

 

c.完成工事高

期別

得意先

完成工事高

(百万円)

(%)

第109期

(自  2022年4月1日

至  2023年3月31日)

関西電力株式会社(注)

78,492

15.0

官公庁

10,266

1.9

一般民間会社

435,473

83.1

524,233

100.0

第110期

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

関西電力株式会社(注)

81,542

14.5

株式会社大林組

61,681

11.0

官公庁

16,073

2.9

一般民間会社

400,656

71.6

559,954

100.0

(注)関西電力株式会社には関西電力送配電株式会社を含む。

 第109期の完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先は、関西電力株式会社である。また、第110期の完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先は、関西電力株式会社及び株式会社大林組である。

 

〇第109期完成工事のうち5億円以上の主なもの

注文者

工事名

工事場所

清水建設・東急建設共同企業体

(仮称)歌舞伎町一丁目地区開発計画新築電気設備工事

東京都

中部国際空港㈱

旅客ターミナルビル地区・貨物地区等防災設備更新工事

愛知県

㈱竹中工務店

梅田一丁目一番地計画に伴う電気設備工事

大阪府

㈱大林組

(仮称)梅田曽根崎計画新築電気設備工事

大阪府

東芝エネルギーシステムズ㈱

関谷4案件太陽光 自営線工事

栃木県

 

〇第110期完成工事のうち5億円以上の主なもの

注文者

工事名

工事場所

日本銀行

日本銀行金沢支店営業所新築電気設備工事

石川県

鹿島建設㈱

JASM新築工事のうちCUP棟電気設備工事

熊本県

㈱大林組

京都競馬場整備に伴う電気設備工事(スタンド工区)

京都府

清水建設㈱

(仮称)大阪医誠会国際総合病院新築に伴う電気設備工事(北棟)

大阪府

juwi自然電力㈱

パシフィコ・エナジー三田メガソーラー発電所自営線工事一式

兵庫県

 

d.手持工事高(2024年3月31日現在)

得意先

手持工事高

(百万円)

(%)

関西電力株式会社

28,471

6.3

官公庁

20,175

4.5

一般民間会社

400,215

89.2

448,862

100.0

(注)関西電力株式会社には関西電力送配電株式会社を含む。

 

〇手持工事のうち5億円以上の主なもの

注文者

工事名

工事場所

完成予定年月

大成建設㈱

虎ノ門2丁目地区(再)特定業務代行施設建築物建設工事(電気設備工事)

東京都

2025年2月

㈱竹中工務店

NHK放送センター建替に伴う電気設備工事

東京都

2024年10月

法務省

大阪医療刑務所新営(電気設備)工事

大阪府

2024年12月

㈱大林組

うめきた2期区域開発事業のうち南街区賃貸棟建設に伴う建築工事

大阪府

2024年11月

関西電力送配電㈱

若狭幹線改良工事(第一期)2工区ならびに除却工事

滋賀県

2027年1月

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要  ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりである。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「第2  事業の状況  1  経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであり、「第2  事業の状況  3  事業等のリスク」に記載している各要因が、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があると認識している。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資本政策については、下記のとおりである。

 

資本政策について ~株主資本コストを上回るROEの確保~

当社の財務ポリシー「安定した財務基盤」を堅持しつつ、中期経営計画に基づき、当社の持続的成長・発展に必要となる「人財を軸とした成長投資」を実行することで、“きんでんブランドの向上”、中長期的なReturnの成長を図り、また、配当水準の段階的向上等のEquityの効率化により、株主資本コストを上回るROEを確保する。

 

当社グループの資金需要のうち主なものは材料費、外注費等の施工に係る工事原価、販売費及び一般管理費等の営業経費である。また、投資を目的とした資金需要のうち主なものは設備投資等である。当連結会計年度の固定資産の取得による支出額は275億2千2百万円であり、その主なものは、首都圏新事業所に関する支出や、建物、工事用車両及び機械・工具の購入等であった。

今後の投資については、「第2  事業の状況  1  経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「きんでんグループ中期経営計画」に記載のとおり、利益創出能力の強化のため、事業基盤投資(首都圏新事業所800億円規模)、教育インフラ投資(新教育関連施設400億円規模)、成長領域への投資(事業出資・M&A等200億円規模)など、当社の持続的成長・発展に必要となる「人財を軸とした人財投資」を実行する方針である。

株主還元については、「第2  事業の状況  1  経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「きんでんグループ中期経営計画」に記載のとおり、配当水準の段階的向上(2023~2026年度の総額において配当性向40%を目安)及び財務状況等に応じた更なる株主還元強化(機動的な自己株式取得)(2023~2026年度の総額において総還元性向50~60%を目安)を実行し、株主還元強化による自己資本の効率化を進めていく。当政策に基づく当連結会計年度の年間配当金は、1株当たり63円とし、連結配当性向は38.1%、配当金総額は127億1千3百万円となった。また、当連結会計年度の自己株式取得額は、72億9千7百万円となり、連結総還元性向は、59.6%となった。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主に自己資金及び営業活動によるキャッシュ・フローを基本としている。当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローは385億2千万円の資金増加となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は1,805億1千7百万円となった。この現金及び現金同等物は、主に普通預金、定期預金及び有価証券(譲渡性預金)であり、流動性及び安全性を確保している。

また、当連結会計年度末の株主資本は、5,062億6千4百万円となり、前連結会計年度末と比較し、178億3千2百万円増加した。自己資本比率については、前連結会計年度末より1.3ポイント下落し70.3%となった。

以上のような資金及び資本の状況から、現時点において当社グループは、円滑に事業活動する上で必要な資金の流動性及び財務の健全性を確保していると認識している。

 

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであり、中期経営計画の2026年度成長visionである「連結7,000億円規模の経営」を目指し、あらゆるステークホルダーと向き合い、価値を創造することで、持続的な成長・発展を目指していく。

  セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、当社の報告セグメントは設備工事業(建設事業)のみであり、当社グループにおける受注及び販売の実績の大部分を提出会社が占めているため、参考として、提出会社個別の事業の状況について記載する。

 

(個別の完成工事高)

完成工事高は、前期より357億2千1百万円増加し、5,599億5千4百万円(前期比6.8%増)となった。

得意先別は、関西電力㈱(関西電力送配電㈱を含む)が前期より30億4千9百万円増加し815億4千2百万円(前期比3.9%増)、関西電力グループが前期より19億2千1百万円減少し164億9千9百万円(前期比10.4%減)となり、一般得意先は前期より345億9千3百万円増加し4,619億1千2百万円(前期比8.1%増)となった。

工事種別は、配電工事が前期より35億9千4百万円増加し739億6千9百万円(前期比5.1%増)、一般電気工事が前期より430億7千1百万円増加し3,729億4千4百万円(前期比13.1%増)、情報通信工事が前期より9億7千1百万円減少し520億3千2百万円(前期比1.8%減)、環境関連工事が前期より39億2千2百万円減少し414億2千1百万円(前期比8.7%減)、電力その他工事が前期より60億4千9百万円減少し195億8千6百万円(前期比23.6%減)となった。配電工事の増加の主な要因は、関西電力送配電㈱の工事量が増加したこと、一般電気工事が増加した主な要因は、事務所ビルや工場等が増加したこと、情報通信工事の減少の主な要因は、構内通信等が増加したものの携帯電話関連やCATV設備等が減少したこと、環境関連工事の減少の主な要因は、商業・娯楽施設や工場等が減少したこと、電力その他工事の減少の主な要因は、発・変電所工事等が減少したことによる。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。

 

5【経営上の重要な契約等】

  特記事項なし。

 

6【研究開発活動】

  当社グループにおいては、社会並びに顧客の複雑化、多様化するニーズに対応するとともに、安全、高品質、効率的施工の実現のために、工法・工具の改善から新技術の研究まで幅広い技術・技能の研究開発活動を行っている。

  当連結会計年度における研究開発費は649百万円であった。また、当社は京都研究所をはじめ、技術企画室、技術本部、環境設備本部、情報通信本部及び電力本部に研究開発の部署を置き、研究開発活動に取り組んでいる。また、電力関係については関西電力㈱及び関西電力送配電㈱の支援・協力のもと研究開発活動に取り組んでいる。

  当連結会計年度における当社グループの研究開発活動の主な結果は、次のとおりである。

 

(設備工事業)

 (1)EMS-AI向けKindenergy Box(K-BOX)

 AIを活用したエネルギー・マネジメント・サービスであるEMS-AI事業において、従来は案件ごとにAIコントローラ盤を設計製作していた。しかし、小規模店舗への導入では経済合理性確保のためのコスト削減が必要であり、低コストでコンパクトな標準インターフェースを開発する必要があった。

 そこで、コンピュータ機能や通信機能などをオールインワンとしたEMS-AIのキーデバイスであるKindenergy Box(以下、K-BOX)を開発した。

 今回、K-BOXに搭載されたコントローラPCの動作が止まった場合や不安定となった場合を検知して自動復旧させる機能を主に提供するサブ基板の開発を行った。この開発において、「管理システム及びサブ基板」(特許第7402371)で特許登録を行い、K-BOXを安定的に運用する仕組みを完成させた。

 また、コントローラPCの発熱を効率的に処理できるK-BOX筐体の開発を行った。この開発において、CPU処理能力に制限がかからない温度範囲で運用が行える筐体を完成させた。

 以上の開発成果から、当事業年度末において量産試作品を完成させており、完成品の出荷に向けてさらなる調整を進めている。

 

 (2)単相/三相配線チェッカー

 電気工事において、幹線及びコンセントで送電後に誤結線が見つかると、停電したうえで手直しをする必要があり、工期遅延などのリスクがある。このリスクを軽減するために、行先確認や結線確認などの送電前チェックを行うが、回路種別や試験内容に応じて複数の試験器(テスター、コンセント試験器など)を使い分ける必要があり、多くの作業時間を要していた。また、動力コンセント用の送電前試験器は市販されていなかった。

 そこで、小型かつ軽量で持ち運びしやすく、送電前に1つの試験器で回路種別を問わず幹線及びコンセントのチェックが可能な「単相/三相配線チェッカー」を株式会社昭和電業社と共同開発した。

 この試験器は、単相3線、3相3線、3相4線に適応可能であり、最大で同時に4本のケーブルの対応関係を確認できる。本製品を用いることで、送電前の安全な状態で行先確認、導通確認、結線確認ができ、送電を待たずに効率的にチェックを行えるため、生産性向上を実現できる。

 

(特 徴)

・送電前に幹線及び電灯・動力コンセントの安全なチェックが可能

・行先確認、導通確認、結線確認が可能

・誤って活線に接続した場合に光と音で警告

 

(仕 様)

○送信器

・サイズ:[W]101mm×[D]40mm×[H]162mm

・重 量:約470g

・電源:単3乾電池×4本

・連続使用可能時間:48時間

○受信器

・サイズ:[W]81mm×[D]40mm×[H]152mm

・重 量:約330g

・電源:単3乾電池×2本

・連続使用可能時間:12時間