第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「常に豊かな知性と感性を磨き、市場に適応した価値ある製品を創出し、豊かな社会の実現と地球環境の保全に貢献するとともに、私たちの事業に携わるすべての人々が共に繁栄する」を経営理念として掲げ、設立以来、アナログ半導体に特化し、製品の開発・製造・販売を精力的に行ってまいりました。

上記の経営理念に則り、ステークホルダーである株主、顧客、取引先、従業員及び地域社会との関係を常に意識した、ぶれない経営を実践してまいります。

当社はこれまで、高度なIC設計技術と小型パッケージ技術を強みとし、電子機器の超小型・軽量化に貢献してきました。そして、これからも「Powerfully Small!」を製品づくりの目指すべき姿と定め、開発から営業まで電源用ICに特化したアナログ技術のプロ集団として、低消費電力・小型化のための技術と提案能力を磨き、企画・開発・生産・販売・品質・新事業領域にわたってグローバル競争に打ち勝つための競争力及び成長力を強化し、ワールドワイドに存在感のある企業を目指して事業活動を行ってまいります。

子会社であるフェニテックセミコンダクター株式会社は、国内で稀な半導体生産受託専業会社として、ディスクリート製品を中心に今後はパワーデバイスの開発にも力を入れ、受託生産の幅を広げてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、上記の基本方針のもと、永続的な企業価値の向上を図るべく、収益力を確保しつつ戦略的な投資を実行することにより中長期的な競争力及び成長力の向上に取り組んでおります。

経営指標としては、売上、及び、売上総利益、営業利益などの段階利益の最大化に取り組み、ROE二桁を当面の目標とし、更に高めていくための体制を構築してまいります。

 

(3)事業を行う市場の状況と現状の認識について

当社グループの事業領域であるアナログ電源ICの市場は、IoT(モノのインターネット)、5G(第5世代移動通信)の普及による、あらゆる製品の電子制御化やネットワーク化、自動車の電装化の進展に伴い、今後もグローバルに拡大を続けていく見通しであります。

その中で、当社が重点分野と考える産業機器・車載機器の市場においては、市場規模の拡大と同時に、要求される製品及びサービスの性能・品質は、ますます高度化していくことが予想されます。一方で、コンシューマー製品等の市場においては、中華圏等の新興勢力が台頭する中で、価格競争が激化しています。

そのため、当社グループでは、これまで培ってきた小型化・省電力化の技術を活かし、重点分野に向けた高付加価値製品の開発・販売に注力しております。

また、顧客仕様に基づくウエハの生産・販売の市場は、半導体・電子機器業界の専門化・分業化の流れが進展するにつれて、ますます重要性を高めています。同市場においては技術の進展に合わせて絶え間ない投資を要するとともに、同業他社との競争の中で品質・納期等に対する顧客の要求水準はますます高まる傾向にあります。

フェニテックセミコンダクター株式会社は、長期・安定的に製品をお届けすることで、当社を含めた国内外の顧客から高い信頼を得ております。

このような事業環境の中で、当社グループが実現していくべき最重要事項は以下のとおりであると認識しております。

・ステークホルダーである株主、顧客、取引先、従業員及び地域社会との適切な関係の構築

・経営理念に基づいた中長期的な収益性の向上と継続的な企業価値の向上

・経営方針・企業戦略に基づいた適切なリスクテイクと健全な事業運営を実現する環境の整備

 

(4)優先的に対処すべき課題と当社グループの対応について

当社グループの事業領域である半導体デバイス市場は、コロナ特需の反動減や中国市場の長期的な低迷などの影響から在庫調整が生じ、停滞しております。しかしながら、産業機器の自動化・デジタル化、データセンターなどのITインフラの整備・拡大、自動車の電子化などの進展といった傾向は変わらず、中長期的には拡大していく見通しです。

また、世界各国による半導体企業への優遇政策、自国生産の推進、当局による規制や、各半導体企業による投資競争、開発・製造技術の進展及び新興国、新興企業の新規参入などを背景に、競争環境は一層厳しさを増しつつあります。

 

このような中、当社グループは、様々な状況の変化に対応し、ワールドワイドで確固としたブランドと事業基盤に立脚したグローバル企業となるべく、以下の課題に取り組んでおります。

 

・当社グループの強みを活かせる成長性の高い市場として、「産業機器」・「車載機器」・「医療機器」の3市場を集中的に攻略する。

・当社グループの技術力及びノウハウを結集し、技術ロードマップに基づいた「強み」の強化と拡張を図り、差別化された特長のある製品を創造する。

・当社グループの企画・開発・販売・購買・生産・品質に係るリソースの緊密な連携を図り、低コスト・高品質の製品を安定供給することを通じて、顧客へ提供する付加価値を高める。

・戦略的提携を活用して新たな基盤技術や生産技術を積極的に取り込む。

 

上記の課題に対し、着実に成果をあげていくため、2021年度を初年度とする中期経営計画において、「企画」「開発」「生産」「販売」「品質」「新事業領域」の各々について、以下の方針を設定しました。

 

①企画

当社グループは、産業機器のデジタル化、ITインフラ整備・拡大や自動車の電子化などにより拡大していくと予見される半導体デバイス市場において、脱炭素社会の実現に向け、市場や顧客のニーズの変化を的確にとらえ、マーケット志向で差別化のできる高付加価値な製品を、タイムリーにターゲット市場である産機・車載・医療市場へ投入すべく製品企画を行ってまいります。

 

②開発

当社グループの企画力や技術優位性を活かした、省電力・小型、低損失な電源ICやパワーデバイスの製品をタイムリーに市場へリリースできるよう継続した製品開発を行ってまいります。これに向け、IT基盤の強化や、提携先企業における製品開発を推進することで、開発担当部門の機動性を高めてまいります。また、戦略的提携先との共同開発や相互OEM供給のほか、重点分野に向けた当社グループの総力を挙げた研究開発等にも取り組むことによって、社内外の最新技術の活用と迅速な市場投入を図ってまいります。

 

③生産

当社グループは、製品の長期・安定供給体制と競争力のある製品づくりを両立させるため、子会社のフェニテックセミコンダクター株式会社やTOREX VIETNAM SEMICONDUCTOR CO.,LTD及びグループ外の協力工場の双方を活用し、製品の品種・価格・用途および市場の変化に応じた最適な生産リソースの配分を追求します。当社グループ内においては、シナジー効果を高め、製品企画段階からのコスト分析の徹底、生産計画の効率化、原価低減活動等を通じて協力体制を深め、生産方法や生産管理手法を含めた改良・改善に努め、製品の長期・安定供給体制を維持するため、積極的に設備投資を実施してまいります。また、グループ外として、協力工場との協業においては、ファブレス形態のメリットを活かしつつ、様々な形で協力関係を強化し、グループ外の先進的な生産技術・ノウハウを製品づくりに活用します。

2021年頃から世界的に半導体需要が急拡大し、当社においても一時的に需要に供給が追い付かない事態となりました。こうした状況は将来的にも発生する可能性が高く、これを回避するため、グループ内外の製造拠点に対し、積極的な設備投資を行い、生産能力を高める活動をしてまいりました。

当期において、当該設備の一部に減損損失を発生させることとなりましたが、これらの設備は当社の事業拡大に欠かざる投資であり、引き続きこれらの設備を活用し、同業他社に比して安定した需給環境、納期対応の実現と競争力のある製造コストの両立を推進してまいります。

 

④販売

当社グループは、顧客の要望や製品企画を汲み取りながら、幅広い技術・製品情報の提供を通じて製品販売を促進するソリューション提案営業を基本としております。製品をタイムリーにターゲット市場へ投入するためと、適切な納期対応のため、営業情報の社内へのフィードバックと密な連携を強化してまいります。また、当社グループの事業はワールドワイドで展開されており、これに伴う海外事業の比重はますます拡大する傾向にあります。これに対応するために、海外販売子会社のローカル営業体制の強化、フィールド・アプリケーション・エンジニアの配置・増員による顧客サポート強化、当社グループが保有する顧客基盤、ブランド及び販売ネットワークの効果的な組合せに積極的に取り組んでまいります。

 

 

⑤品質

当社グループは、常に顧客の信頼に応えていくため、製品に対して要求される品質の確保に全力で取り組んでまいります。定期的な協力工場監査等を実施するとともに、重点市場を意識した品質保証体制の強化のため、「生産」「開発」「品質」に関わる各部門が密接に協調し、新規技術に対応するための投資も実施いたします。また、当社グループ内で保有する品質管理に関わる技術・設備・ノウハウを持ち寄り、各種の認証制度にも的確に対応した品質管理・保証体制の強化を図ってまいります。

 

⑥新事業領域

アナログ技術に基盤を置きながら、新たな成長市場への参入を目指して、既存の製品ラインナップにない新しい分野の製品を当社グループの新たな柱に育てていくべく、当社グループ内の研究開発体制を強化するとともに、グループ外の企業・大学・研究機関等との戦略的提携や協業を積極的に推進してまいります。

 

なお、中期経営計画設定当初と短期的な市況の変化はありますが、課題と当社の方針・施策については、大きな変更はありません。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社は「価値ある製品を通じた豊かな社会の実現と地球環境の保全」を掲げた企業理念のもと、製品や事業を通じて、環境・社会への貢献を実現するという考えを経営の中心に据えています。

当社におけるサステナビリティ活動をさらに推進するため、2023年12月に代表取締役社長を委員長とするCSR活動推進委員会をサステナビリティ推進委員会に改編いたしました。委員長は引き続き代表取締役社長が務めます。

サステナビリティ推進委員会では、現状の把握と課題解決に向けた議論を行い、サステナビリティに関するガバナンスの取組を推進しています。また、これらの委員会において検討、実施した内容は、取締役会に対して年2回報告を行っています。

 

(2)戦略

当社はサステナビリティ課題に対し、上記企業理念のもと、サステナビリティを推進していくために共存・共栄の精神で、当社だけでなく顧客やサプライチェーンとともに取り組んでまいります。

当社が展開する電源ICやパワーデバイスにより、GX(グリーントランスフォーメーション)を推進し、脱炭素社会の実現に貢献することで、持続可能な社会の実現及び中長期的な企業価値の向上を目指します。

当社では、特に、電力変換効率に優れ機器の省電力化に貢献しやすいDC/DCコンバータの製品開発に取り組んでおります。また、ICの動作電流をナノアンペアレベルに低減する技術や負荷によりICの動作モードを切り替える技術を確立し、省電力製品の開発へ繋げております。更に、電子部品実装面積の縮小に向け、コイル一体型のDC/DCコンバータや小型パッケージの開発にも取り組んでおります。

 

また、当社は、人的資本の向上が当社の持続的な企業価値の向上に繋がるという認識のもと、人材の育成及び社内環境整備に関して次の方針を掲げ、それぞれ具体的な取組みを進めております。

 

①人材の育成及び社内環境整備に関する方針

今後、労働人口の減少と共に、人材獲得競争が激化することが予想されます。また、デジタル社会の発展、SDGsへの取組み等に伴い、多様な人材の採用も必要になってきます。人生100年時代の到来とともに、生涯を通じて特定の仕事のみを継続することが困難となり、個々人においても新たな能力を身につけていくことが求められてくる時代となります。

更に、企業を取り巻く環境も短期間で様変わりするため、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け、既存能力の継承とともに新たな創造が可能な多様な人材の採用、育成体制を構築する必要があります。

当社は、多様な人材の採用に向けて取り組むと共に、OJT、社内・社外での集合研修(Off-JT)、自己啓発などの育成支援の環境構築を通じて、適切な人材確保と継続した能力向上の仕組みを整備してまいります。

また、人材確保のためには、育成体制構築だけでなく、従業員にとって働きやすい環境、やりがいを持って仕事に取組める環境を提供することも重要であります。

当社は、育児・介護など、仕事と家庭の両立に向けた新しい働き方に対応した各種施策を提供し、個々の従業員が働きやすく、やりがいを持って仕事に取り組むことができる社内環境の整備に取り組んでまいります。

 

②人材の育成及び社内環境整備に関する取組み

1)多様な人材の確保

・当社の事業の核となる半導体設計開発エンジニアの育成には相応の年月が必要であるため、計画的な新卒採用を行うとともに、「リファラル採用制度」など採用手法の拡充を図り、多様な分野の人材採用に取り組んでおります。

・多様な価値観を持つ人材一人ひとりの能力が認められ、組織で個人が活かされることによって、新たな創造が生まれるとの考えのもと、女性管理職の登用や海外拠点における人材の活躍を含む人事戦略を策定し、多様な属性及びバックグラウンドの経験者採用に取り組み、人材基盤の強化を図っております。

2)人材育成の支援

・人材育成のテーマに「学ぶ組織風土づくり」を掲げ、教育研修体系の整備に取り組んでおります。

・社員一人ひとりが、現在の業務に必要なスキルを身に付け、さらに自律的なキャリア形成を可能とするため、階層や専門性に応じた外部教育研修機関によるセミナー受講や技術・技能講習等のOff-JTの機会提供の充実を図っております。また、「大学院通学制度」を導入し、次世代経営幹部層の育成に取り組んでおります。

・従業員の自己啓発を援助する制度として、「資格取得支援制度」を導入しております。

3)ワークライフバランスの充実

・「フレックスタイム制度」「在宅勤務制度」などの柔軟な勤務制度を採用し、仕事と家庭の両立支援に取り組んでおります。

4)やりがいを持って働ける環境の整備

・自ら挑戦したい部署への異動を可能とし、社員のチャレンジの機会を創出する「部門間異動制度」を導入しております。

・人事評価制度だけではカバーできない、会社への貢献行動や著しい成果を表彰する「社内表彰制度」を導入しております。

 

(3)リスク管理

当社では、企業の内外の諸要因及びその影響を考慮して識別したリスクに対して、当社グループ全体的な視点で、合理的かつ最適な方法でリスクの評価及び対応を実行するために必要な事項を明確化することを目的として、代表取締役社長を委員長とし、各本部の本部長を委員とするリスク・コンプライアンス委員会を設置しております。

サステナビリティに関するリスクと機会は、サステナビリティ推進委員会で検討するほか、必要に応じ、リスク・コンプライアンス委員会にて審議されます。

 

(4)指標及び目標

当社では、温室効果ガス排出量の算定、目標とすべき指標の設定に向けて検討を進めており、社内での議論を深化させたうえで、開示を行って参りたいと考えております。

当社のサステナビリティに対する課題でもあり、持続可能な成長の機会でもあるマテリアリティについては、現在議論中で、2024年度中の特定を予定しています。

当社グループの人材育成及び社内環境整備に関する方針並びにそれらの指標の目標についても、今後検討を進めてまいります。

なお、当社単体における人材育成及び社内環境整備に関する指標の目標及び実績は、次のとおりであります。当連結会計年度末における当社の管理職に占める女性及び外国人の割合については、一定程度確保されているものと考えております。2026年3月末時点において現状を維持することを目標としており、さらに伸長させていくことを課題として位置付けております。当社は、引き続き多様性の確保に対する取組みを一層強化し、多様な人材が活躍できる環境整備に努めてまいります。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

管理職に占める女性労働者の割合

2026年3月末 5名以上

5名 13.88%

管理職に占める外国人労働者の割合

2026年3月末 1名以上

1名  2.77%

 

 

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(特に重要なリスク)

(1)為替変動リスク

当連結会計年度における当社グループの売上高に占める海外売上高の割合は約7割であり、為替変動の影響を受ける傾向にあります。当社グループでは為替予約等によって為替相場の変動を緩和するべく対策を講じておりますが、このリスクを完全に排除できるものではありません。予想の範囲を超えた急激な為替変動が生じた場合等において、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)販売価格の低下のリスク

当社グループは、スピーディーな新製品の開発、原価管理の徹底による原価改善を常に意識し、収益性の向上に努めております。しかしながら、業界の特性として販売価格の変動が大きく、取引先の値下げ要請や競合他社との間の価格競争の影響を受け、販売価格が予想以上に低下する可能性があります。また、近年においては、当社業界の成熟や新興勢力の台頭等によって価格競争が激化しております。当社グループは、顧客のコスト低減要求に応えるべく最大の努力をいたしてまいりますが、必ずしも応えられるとは限らないことから、販売機会を逃すことも想定されます。したがって、これらが生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)原材料・半製品価格及び販売価格の変動に関するリスク

当社グループは、調達価格の安定化を図るべく、国内外の複数の取引先から原材料、半製品等を購入しております。しかしながら、調達する原材料等の購入価格は市況変動の影響を受け、これら原材料等の価格上昇を当社製品の販売価格に十分に反映出来ない場合、あるいは、当社製品の販売価格引下げを原材料等の購入価格に十分に反映出来ない場合、業績に影響を与える可能性があります。

 

(4)製品需要の変動リスク

当社グループの製品は様々なデジタル機器等に使用されており、当社グループの製品が採用されている取引先各メーカーにおけるアプリケーションの販売状況に応じて当社の売上高が連動いたします。当社グループは複数の製品群を有し、採用される市場、用途も幅広く対応しておりますが、各メーカーの最終製品の需要が経済情勢等の影響により激減した場合や、各メーカーが在庫調整を行った場合等において、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、これらの製品は出荷台数に季節変動のある場合があり、この場合において売上高が特定の時期に偏重する可能性があります。

 

(5)製品の欠陥

当社グループは、品質管理についてメーカーとして最大限対処しておりますが、全ての製品において全く欠陥がなく、製品の回収等が発生しないという保証はできません。これらのリスクについて、当社グループは、必要に応じて、製造物責任賠償保険をはじめとした賠償責任保険の付保により一定のリスクヘッジを行っておりますが、当社グループの製品に大規模な瑕疵等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)同業他社等との競合

当社グループが提供している製品は、総じてグローバルな競合的状況にあります。また、デジタル関連機器製品は、急速な技術革新により製品寿命が短期化する傾向にあります。これらに対応するため、当社グループは、新技術の開発や新方式の採用、市場ニーズにあった製品開発を行っておりますが、競合他社が特定の分野において当社グループより高度な技術と製品供給力を有している場合や、当社グループより親密な関係を構築している場合等があります。また、取引先の求めるニーズは年々多様化・高度化しており、当社グループがそのニーズに対応できない場合等も想定されます。したがって、これらの状況となった場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7)当社製品の生産上の特性と生産拠点の確保について

当社グループの主要製品である「アナログ電源系の半導体」は、「デジタル系の半導体」とは相違して、生産拠点のおかれている環境が製品の性能に与える影響が大きいため、以下の理由により、製造ラインの変更を容易に行うことができません。

・製造プロセスのチューニング等に約2年程度の時間を要する。

・移管した製品を販売する場合は、採用していただいている顧客に対して、再度製品認定を行っていただく必要がある。

当社グループは一部子会社における生産を除くと、ファブレスによる生産を展開しておりますが、一定水準以上かつ市場評価の得られる技術・品質を確保していくために、品質管理面からは一定の基準を設定し、生産拠点の選定に際し基準を満たしているか否かの審査や、選定後は技術指導等をきめ細かく行う等の対策を施しております。しかしながら、当社製品の生産上の特性から需要の変動(増加)に応じて生産数量を確保することが困難になる場合があります。当社グループでは、生産数量の確保を目的とした委託先工場のラインへの投資や、需要予測を通じた連携強化など各生産拠点との親密な関係を構築しておりますが、製造委託先の経営戦略の変更や取引条件の大幅な変更、業績変動などが当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(重要なリスク)

(1)国際的事業について

当社グループは、国内のほか、アジア・北米及び欧州の市場に製品を販売しており、先進国市場のみならず、新興国市場に対しても事業を展開しております。当社グループ取引先または取引先のエンド・ユーザーの所在する国または地域において、法制度・税制の変更や、経済・政治情勢の悪化、テロリズム等の政治不安もしくは暴動等の非常事態又は伝染病の流行による混乱等が発生する可能性があります。当社グループとして、適時適切な対応がとれる体制を整備しておりますが、これらの事象が当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)生産拠点の偏重について

当社グループの主要製品である「アナログ電源系の半導体」は、ウエハの製造においてフェニテックセミコンダクター株式会社への委託比率が大きな割合を占めております。当社製品の生産上の特性により、製造プロセスの変更が困難であるため、製造委託先の偏りは、製品の安定した供給を阻害する可能性があります。

当社は、2019年2月にフェニテックセミコンダクター株式会社を完全子会社化しましたが、これにより製造委託先としての同社との関係は一層強化されております。

同社以外にもウエハ製造の委託先は複数あり、安定供給に努めておりますが、同社に天災等が生じる場合等の事象が発生した場合、当社の製品の生産に支障が生じ、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)子会社の生産工程について

フェニテックセミコンダクター株式会社は、顧客仕様に基づいてウエハを製造し、当社及び当社グループ外の企業へ販売しております。同社の工場は岡山県及び鹿児島県に所在し、受注予測に基づく適正な在庫の確保や事業継続のための体制整備等を進め、当連結会計年度においては鹿児島工場にクリーンルームを増設し、安定供給に努めておりますが、予期せぬ天災等の被災、伝染病の流行、原材料仕入先からの納入遅延、製造装置等の重大な故障等により、製造ラインが停止する事態が発生した場合、当社を含めた顧客への製品供給が滞る可能性があります。これらの状況となった場合、売上高の減少や顧客への損害賠償等を通じて、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)子会社の工場稼働率について

フェニテックセミコンダクター株式会社は、顧客から得る需要見通しに基づいて、工場の適切な稼働率の維持に努めております。しかしながら、顧客の販売動向や在庫調整に伴う急激な受注減少による稼働率の低下、あるいは急激な受注増加に対して生産能力不足による機会損失が発生する可能性があります。したがって、これらの状況が重なった場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)海外拠点における人件費・労務費の上昇に関するリスク

当社グループは、製品の差別化及び原価低減を目的としてベトナムに生産拠点を保有しており、同拠点は人材の流動性が比較的高い傾向にあります。労働環境の改善などに取り組んではおりますが、同国の経済発展に伴う人件費の上昇によって、生産コストが想定を上回って上昇する場合や人材の確保が計画どおりに進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)各種規制等について

当社グループは各国の規制、海外の商取引に関連するリスクにさらされております。例えば、貿易の制限、関税の変更、立法または規制上の要件の変更、知的財産権の抵触、不利益な課税上の取扱いの可能性等にさらされています。それぞれのリスクに対しては、各専門部署が適切に対応しておりますが、事前に予期しえなった事態が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)M&Aにおけるリスク

当社グループは、グローバル競争に打ち勝つための競争力及び成長力を強化し、企業価値の継続的な向上を図るため、中期経営計画に掲げる課題「より強い製品企画につながるコラボレーションとM&Aの推進」を念頭に、必要に応じて資本・業務提携やM&A(以下、M&A)を実施しております。M&Aの実施にあたっては、事前に対象企業の市場動向、財務状況、優位性及び当社グループとの相乗効果を慎重に検証し、実施後は当社グループへの早期融合及び相乗効果の最大化に努めております。

しかしながら、M&A実施後における市場環境の急変、制度・業務プロセスの統合負担の増大、顧客基盤または人材の流出、その他想定外の事態の発生により、予想された通りの相乗効果が得られず、投下した資金の回収ができない場合や追加的費用が発生する可能性があります。これらの事態が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)環境問題

当社グループは、フェニテックセミコンダクター株式会社及びTOREX VIETNAM SEMICONDUCTOR CO.,LTDにおいて、半導体製品の製造・加工を行っております。両社は、大気汚染、水質汚濁、産業廃棄物、有害物質、土壌汚染などに関する様々な環境法令の適用を受けており、これらの規制に細心の注意を払いつつ事業を行っておりますが、過失の有無にかかわらず、環境問題に対して法的もしくは社会的責任を負う可能性があります。これらの事態が生じた場合、対応のための多額の費用負担が発生する可能性や当社グループの社会的信用の低下を招く可能性があり、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)固定資産の減損

当社グループは、研究開発・製造等に要する有形固定資産や無形固定資産を保有しております。資産の購入に際しては、収益性などを慎重に判断してはおりますが、市場環境の変化、技術革新あるいは市場価格の下落等により、これらの資産に減損が生じていると判断される場合には、当該資産に対する減損損失を計上する可能性があります。このような事態が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)取引先による金銭債務の不履行

当社グループは、当社グループの販売先について、財務内容や定性情報等を総合的に勘案し、与信設定により管理しております。しかしながら、販売先の財務情報を完全に掌握することは難しく、完全なリスクの排除はできておりません。したがって、取引先の急激な財政状態の悪化が生じた場合等において、想定以上の貸倒引当金を設定する必要が生じ、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)事業投資等のリスク

当社グループは、既存ビジネスにおいて堅実に経営を行っておりますが、今後、業容拡大を図るために各種の事業投資(子会社の設立を含む。)を行う可能性があります。これらについては、慎重に検討し、しかるべき社内決裁を経た後に実行いたしますが、必ずしも当社グループの業績に寄与するものとは限りません。この場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)有能な人材の確保

当社グループは、製品開発型企業であることから、市場ニーズに適合した製品の開発が不可欠であり、そのためには、開発要員を含め優秀な人材を確保する必要があります。しかしながら、特にアナログ電源ICの開発・設計は、微細化や低電圧化によって雑音やばらつきなどの影響を受けやすい技術の特性上、その調整は容易でなく、さまざまな基礎知識と経験が必須な分野であるため、技術者の能力に強く依存するものの、優れた技術者の育成には時間がかかります。当社グループにおいては、幅広い基礎知識と豊富な経験を持つ技術者を多数確保しており、また継続的に教育・研修を行い、人材の育成に注力しておりますが、有能な人材の確保及び育成ができなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)自然災害等のリスク

当社グループは、事業継続計画(BCP)を策定し、製品の安定供給体制の確立に取り組んでおりますが、当社グループ及び当社グループの取引先(販売先、前工程協力工場、後工程協力工場等)において、自然災害等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)疫病の発生・蔓延等のリスク

当社グループでは疫病に対する感染予防対策を実施しておりますが、当社グループ及び当社グループの取引先(販売先、前工程協力工場、後工程協力工場等)の拠点において、疫病の発生・蔓延が発生した場合、製品の製造及び販売に支障をきたすこととなるため、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)知的財産権に関するリスク

当社グループは、当社グループの事業にとって重要な知的財産権を所有しており、かかる知的財産権には、商標権、特許権その他営業秘密が含まれます。当社グループと第三者の間で、知的財産権に関する紛争が生じた場合、当社グループの事業に支障を及ぼし、当社グループの権利保護又は相手方からの主張に対する防御のために多額の費用を費やさなければならない可能性があります。当社グループは、その知的財産権保護のため、専門家の協力を得て対策を講じておりますが、知的財産権に関する紛争等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済及び日本経済は、地政学リスクや世界的なインフレの進行と欧米での政策金利の高止まりに加え、中国経済の停滞などの影響から、経済の先行き不透明感が継続しております。

当社グループが属するエレクトロニクス市場におきましては、コロナ特需の反動減や中国市場の低迷などの影響から、民生機器市場、通信機器市場を中心に幅広い分野で需要の停滞と在庫調整が生じております。

このような環境のなかで、当社グループは、経営理念にある「市場に適応した価値ある製品を創出し、豊かな社会の実現と地球環境の保全に貢献する」ため、電気機器の小型化・省電力化に「電源」の観点から取組み、収益力の強化と持続的な成長の実現に向けて、以下の諸施策を継続的に推進してまいりました。

 

・製品企画・開発部門において、マーケットインの発想に立脚した、差別化のできる高付加価値な汎用製品、及びターゲット市場として注力する車載機器・産業機器に向け、特長ある製品を迅速に市場へ投入していくため、企画・開発活動を進めました。

・品質向上とコスト削減を両立させるべく、製品企画段階からのコスト分析の徹底、生産計画の効率化を進めるとともに、協力会社や製造子会社との協力体制を深め、同業他社に比して競争力のある製造コストと安定供給、納期対応の実現を進めました。

・顧客訪問に加え、オンラインも活用しながら、各地域に密着した営業活動を継続し、顧客の要望や製品企画への迅速かつ柔軟な対応と営業基盤の維持に努めました。しかしながら、市場環境において、需要の停滞と在庫調整が継続しており、受注は低調に終わりました。

・製品需要に対しては、将来的な半導体需要に備え、生産力を確保するべく設備投資を実施し、一方で、原材料価格の高騰に対しては、製品販売価格の値上げを進めております。

・当社グループのビジネスの成長を加速させるとともに、脱炭素社会へ向け低損失なデバイスとして期待されるパワー半導体分野への製品展開を推進するため、社内に専門組織を設置しました。

・超低損失と低価格の両立が期待されるβ型酸化ガリウムを使用したパワーデバイスの開発を行う株式会社ノベルクリスタルテクノロジーに対して出資を行っており、早期の製品化に向け共同研究開発を進めております。

・グループ収益の最大化につなげるため、フェニテックセミコンダクター株式会社とのシナジー効果を高め、共同プロジェクトを推進しました。

・フェニテックセミコンダクター株式会社においては、製品の長期・安定供給体制と競争力のある製品づくり及び生産性向上に加え、半導体需要の高まりに対応するため、岡山第1工場・鹿児島工場の投資を実施しております。

 

以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

(資産の部)

当連結会計年度末における資産は366億36百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億12百万円の減少となりました。減少の主な要因は、当社連結子会社において、建屋の改修及び製品の増産体制を構築すべく新規設備を導入したこと等により有形固定資産が9億43百万円増加したことや、退職給付に係る資産が4億84百万円増加したものの、商品及び製品、仕掛品が合計で25億75百万円減少したこと等によるものであります。

 

(負債の部)

当連結会計年度末における負債は160億83百万円となり、前連結会計年度末に比べ36億28百万円の増加となりました。増加の主な要因は、借入金の弁済により短期借入金が19億円減少したものの、新規設備投資に充当することを主な目的として追加借入を行った結果、長期借入金が48億59百万円増加したこと等によるものです。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末における純資産は205億52百万円となり、前連結会計年度末に比べ40億41百万円の減少となりました。減少の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失42億97百万円の計上等があったことによるものであります。

この結果、自己資本比率は56.1%となり、1株当たり純資産額は1,868円50銭となりました。

b.経営成績

(売上高)

当連結会計年度における売上高は257億51百万円(前年同期比19.4%減)となりました。コロナ特需の反動減や中国市場の低迷などの影響を受けたこと等が減少の主な要因となりました。当社グループのセグメントごとの内訳は、日本が187億36百万円(前年同期比13.4%減)、アジアが50億89百万円(前年同期比30.3%減)、欧州が14億44百万円(前年同期比25.9%減)、北米が4億81百万円(前年同期比55.5%減)となりました。

 

(営業利益)

営業損失は17億78百万円(前年同期は営業利益39億76百万円)となりました。減少の主な要因は、売上高の減少と棚卸評価損の増加によるものであります。当社グループのセグメントごとの内訳は、日本がセグメント損失23億20百万円(前年同期はセグメント利益30億68百万円)、アジアがセグメント利益1億67百万円(前年同期比62.9%減)、欧州がセグメント利益1億28百万円(前年同期比55.6%減)、北米がセグメント損失13百万円(前年同期はセグメント利益2億24百万円)となりました。

 

(経常利益)

経常損失は24億52百万円(前年同期は経常利益39億81百万円)となりました。減少の主な要因は、売上高の減少と為替差損の発生によるものであります。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純損失は42億97百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益21億79百万円)となりました。減少の主な要因は、売上高の減少と減損損失の発生によるものであります。

 

当事業年度において発生しました2つの大きな損失、棚卸評価損と減損損失について、説明をいたします。

2021年3月期から2022年3月期にかけ、半導体市場は急激に拡大しました。当社も同様に急激に売上を伸ばしましたが、生産キャパシティを確保することができず、2022年3月期に入り、売上が頭打ちとなりました。この反省と、将来拡大する市場予測を基に、当社は生産規模の拡大のための設備投資を決めました。これに伴い、生産拠点の見直しを実施し、旧工場で生産されていた製品については、供給責任などの観点から作り貯めを行いました。

その後、半導体市場は市場の急成長に伴う反動と在庫調整により急激に下降し、横ばいで継続しました。当社においても同様に、前事業年度後半から当事業年度を通じて、受注及び売上が低迷しました。

そのような中、生産拠点の見直しに伴い作り貯めした在庫の評価について、足元の非常に悪い受注環境を反映することとなり、結果として、多額の棚卸評価損を発生させることとなってしまいました。

もう1つは、特別損失として生じた減損損失です。

これについても、前述の生産規模拡大のために、将来の主力製品群の1つとなる中高耐圧を含む高機能・高性能な新製品の展開に必要な8インチ生産枠の確保を目的として外部の協力会社の生産ラインに行った設備投資について、足元の非常に悪い受注環境に基づき、固定資産の減損損失の要否を検討した結果、減損損失を計上することとなりました。加えて、フェニテック岡山第2工場について、第1工場への統合が完了し、生産活動を終了したことから、こちらについても減損損失を計上しております。

 

なお、製品別の売上高及びセグメントの業績は以下のとおりであります。

 

(製品別の売上高)                                     (単位:百万円)

 区 分

当連結会計年度

前年同期比増減額

前年同期比増減率

VD

1,456

△1,016

△41.1%

VR

3,818

△1,997

△34.4%

DCDC

3,880

△1,716

△30.7%

ディスクリート

14,915

△1,835

△11.0%

その他

1,681

360

27.3%

 合 計

25,751

△6,204

△19.4%

(注)1.製品の内容は次のとおりであります。

VD………………ディテクタ(Voltage Ditector)

VR………………レギュレータ(Voltage Regulator)

DCDC…………DC/DCコンバータ

ディスクリート…トランジスタ、ダイオード、IGBT等

その他……………マルチチップモジュール、各種センサー製品等

 

(セグメント業績)

日本

当連結会計年度における売上高は、主に産業機器及び一般民生機器向けの売上が減少したことにより、売上高は187億36百万円(前年同期比13.4%減)、セグメント損失は23億20百万円(前年同期はセグメント利益30億68百万円)となりました。

 アジア

当連結会計年度における売上高は、主に産業機器及び車載機器向けの売上が減少したことにより、売上高は50億89百万円(前年同期比30.3%減)、セグメント利益は1億67百万円(前年同期比62.9%減)となりました。

 

 欧州

当連結会計年度における売上高は、主に産業機器向けの売上が減少したことにより、売上高は14億44百万円(前年同期比25.9%減)、セグメント利益は1億28百万円(前年同期比55.6%減)となりました。

 

 北米

当連結会計年度における売上高は、主に産業機器向けの売上が減少したことにより、売上高は4億81百万円(前年同期比55.5%減)、セグメント損失は13百万円(前年同期はセグメント利益2億24百万円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較し営業活動によるキャッシュ・フローは19億27百万円増加し、投資活動によるキャッシュ・フローは45億52百万円減少し、財務活動によるキャッシュ・フローは27億5百万円増加した結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は91億40百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失が41億59百万円あったものの、減価償却費が23億50百万円あったこと、減損損失の計上が17億5百万円あったこと、棚卸資産の増減額が27億63百万円減少したことなどにより19億27百万円の収入(前年同期比6億32百万円の収入増)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が42億32百万円あったこと等により、45億52百万円の支出(前年同期比14百万円の支出減)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、追加借入により長期借入れによる収入が69億円あったこと、借入金の一部返済により短期借入金の純増減額及び長期借入金の返済による支出の合計が35億3百万円あったこと、また配当金の支払額が6億19百万円あったこと等により、27億5百万円の収入(前年同期比11億95百万円の収入増)となりました。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

 日  本  (千円)

17,735,303

80.5

 合  計  (千円)

17,735,303

80.5

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

b.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

日本

15,587,628

80.5

4,659,263

59.7

アジア

4,295,493

90.0

1,640,688

67.4

欧州

695,100

30.5

851,585

53.2

北米

387,329

52.4

111,899

54.2

合    計

20,965,552

77.2

7,263,436

60.3

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

 日  本  (千円)

18,736,524

86.6

 ア ジ ア (千円)

5,089,211

69.7

 欧  州  (千円)

1,444,544

74.1

 北  米  (千円)

481,701

44.5

 合  計  (千円)

25,751,982

80.6

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

IXYS Corporation

3,503,951

11.0

4,195,476

16.3

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

当連結会計年度末の財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

2)経営成績

当連結会計年度の経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)概観

当社グループの経営に影響を与える要因としては、半導体市場の成長率、各国半導体企業の動向、製品品種及び顧客の構成比、原材料費の市況、為替水準等があります。当連結会計年度の世界半導体市場は、コロナ特需の反動減や中国市場の低迷とこれらを起因とした在庫調整が生じ、1年を通じて低迷いたしました。

当社グループの主力製品であるアナログIC及びディスクリートの市場は従来、安定的に成長する傾向が見られますが、2023年においては上記のような需要減速を背景にアナログICは△9.2%、ディスクリートは+2.2%となりました。このような環境下、当社グループの売上高も前年同期比△19.4%と減少いたしました。

当社グループは用途別にみた市場の成長性や収益性の観点から、車載機器・産業機器・医療機器を重点3分野と位置づけ、製品開発及び顧客開拓を長期的・戦略的に進めてまいりました。世界的に取り組みが進む脱炭素に向けた電気自動車への移行、加速する先端技術の進化に伴う自動運転技術、産業界におけるIoTソリューションの拡大、5Gサービスへの移行等の変化は、重点3分野の一層の成長を支えるトレンドであり、そこには、当社が得意とする小型・低消費電力・低ノイズ等の技術を有効に活用できるものと考えております。ここにFAE(Field Application Engineer)を使った技術営業で当社の技術を強く発信していくことで、今後も当社グループの安定的な売上増加と利益率の維持向上に寄与するものと考えています。

当連結会計年度における当社グループはこうした状況を背景に、全ての市場、全ての分野で低調に推移し、受注低迷の影響から、棚卸評価損と減損損失という2つの大きな損失を計上することにもなりました。

 

当社グループは、日本、アジア、欧州、北米の4つを事業セグメントとしております。日本は、当社及びフェニテックセミコンダクター株式会社から構成されており、アジアは、特瑞仕芯子(上海)有限公司、TOREX (HONG KONG) LIMITED、台湾特瑞仕半導體股份有限公司、TOREX SEMICONDUCTOR(S) PTE LTD、TOREX VIETNAM SEMICONDUCTOR CO.,LTDから構成されており、欧州は、TOREX SEMICONDUCTOR EUROPE LIMITED、北米は、TOREX USA Corp.にて構成されております。

 

2)日本事業

日本事業は最も重要な事業セグメントで、当連結会計年度において、当社グループの売上高合計の73%を占めています。

当連結会計年度における日本経済は、激しい為替相場の変動や物価の高騰、金融政策の動向などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。

日本事業のうち、当社トレックス・セミコンダクター株式会社が生産・販売するアナログ電源ICは、全ての分野向けの売上が低調となりました。日本事業は付加価値の高い製品が求められる市場であり、低調な中でも、コイル一体型のDC/DCコンバータは健闘しております。また、当社が培ってきた省電力・小型化の技術を、産業機器、車載機器向けへ高付加価値製品として技術改善とラインナップの拡充を図っていくことが日本事業での成長のキーであり、ここに注力して参ります。

ディスクリートを生産・販売するフェニテックセミコンダクター株式会社においては、産業機器及び医療機器分野向けは好調でしたが、一般民生機器向けなどが減少しました。同社の鹿児島工場においては当社向けの生産能力増強のためのクリーンルームが竣工し、岡山第1工場においては、製品の長期・安定供給体制と競争力のある製品づくり及び生産性向上のための第2工場との統合が完了しました。現在の市場環境においてもパワーディスクリート製品への要求は強く、より一層の技術力アップに努めて参ります。

このように、両社は開発・生産・販売に関わる協業を着実に推進しており、製品開発、原価低減及び品質向上を通じて、業績面でもシナジー効果を発揮していきます。

 

3)アジア事業

当連結会計年度におけるアジア経済は、中国において消費者の節約志向や厳しい雇用・所得環境を背景に、消費が低迷しました。この影響により、当社グループのアジア事業では産業機器分野向けなどの売上が低下しました。

アジア市場は、新興勢力の台頭等により、競合他社との間の価格競争が厳しい地域となっております。特に中国は、世界最大規模の半導体消費地であるだけでなく、半導体の供給地としても急速に存在感を高めています。中国半導体企業の開発・生産能力は年々向上しており、アナログICやディスクリートにおいても、低価格品を中心に競争激化による利益率低下の要因となってきました。また、各種報道でもありますように、世界各国の政府が、国策として半導体産業強化に力を入れており、中国もこれまで以上に国を挙げて半導体生産の国内化を加速させているため、現地企業の状況やサプライチェーンの変化を注視してまいります。

 

4)欧州事業

当連結会計年度における欧州経済は、地政学的リスクやインフレ、金利引き上げなどから経済が減速しました。当社グループの欧州事業においては、産業機器分野向けなどの売上が減少しました。

欧州事業は付加価値の高い製品が求められる市場であり、電源ICではコイル一体型のDC/DCコンバータやプッシュボタンコントローラ、中耐圧製品など、他社との差別化が図られる製品の拡販活動がキーになると考えており、注力市場である産業機器分野への売上回復に取り組んでまいります。

 

5)北米事業

当連結会計年度における北米経済は、雇用や消費支出が増加し経済は一定の成長を遂げましたが、エレクトロニクス市場は一般民生機器を中心に減速しました。当社グループの北米事業においては、売上が大きく減少し、特に産業機器分野向けなどの売上が減少しました。

北米には大手電機・電子メーカーはもちろん、スタートアップのベンチャー企業が数多くあり、新たな事業や製品、サービスなどが生まれています。当社の北米事業では、拡販による売上増を目的とすると同時に、そうした企業等との協業や提携による当社グループの価値の創出を目的とした活動も積極的に取組んでいます。

 

c.経営方針、経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、資本効率の向上及び株主資本の有効利用が全てのステークホルダーの利益に合致するものと考え、「自己資本利益率(ROE)」を重要な指標と位置付けております。当連結会計年度においては親会社株主に帰属する当期純利益がマイナスとなってしまったため、ROEは△19.0%となりました。引き続き、売上及び各段階利益の最大化に取り組み、ROE二桁を目標としながらも、更に高めていくための体制を構築してまいります。

 

d.セグメントごとの状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度のセグメントごとの状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」及び「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況の分析

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資本の財源及び資金の流動性

a.資金需要

当社グループの資金需要には、大きく分けて運転資金需要と設備資金需要があります。運転資金需要の主なものは、アナログIC製品の製造に係る原材料費や外注加工費、製品開発に係る研究開発費並びに販売費及び一般管理費等によるものであります。また、設備資金需要は、主に製造子会社における製造設備等の固定資産の購入によるものであります。

 

b.財政政策

当社グループは、運転資金につきましては、内部資金による充当を基本とし、不足分については金融機関からの借入金により調達しております。また、設備資金につきましては、内部資金及び金融機関からの借入金を基本とし、金利動向や市場環境などを考慮し、必要に応じて社債など適切な調達手段により資金調達を行っております。

 

c.資本政策

当社グループは、半導体業界を取り巻く環境変化を好機と捉えつつ、企業価値の向上を図っていくため、成長戦略投資と株主還元のバランスをとりながら、資本効率の向上に着実につなげていくことを、資本政策の基本的な方針としています。

この基本方針のもと、当社グループの成長を加速するための設備投資・研究開発に対して、積極的に資金を振り向ける所存です。

利益配分につきましては、企業価値の継続的向上を図るとともに、株主の皆様に対する利益還元を経営上の最重要課題の一つとして位置付け、戦略的投資による成長力の向上を図りつつ、当社を取り巻く経営環境並びに中長期の連結業績及び株主資本利益率の水準を踏まえて、諸施策を実施していくことといたします。

このような観点から、配当につきましては、業績水準を反映した利益配分として連結配当性向20%以上、安定的かつ継続的な株主還元の拡充として株主資本配当率(DOE)3%程度を当面の目標として実施してまいります。内部留保資金につきましては、研究開発、設備投資、新たな事業分野への投資など、持続的な企業価値向上を実現する目的で活用してまいります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項及び重要な会計上の見積り」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

なお、半導体市場の急激な需要の変化により、与える影響の不確実性が大きく、将来事業計画等見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。

 

a.当社の商品及び製品の評価

当社グループの棚卸資産の連結貸借対照表価額は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しており、営業循環過程から外れたと判断された棚卸資産の評価については、帳簿価額を処分見込価額まで切り下げております。このうち当社では、一定の在庫年齢を超えた長期滞留品に加えて、過去の販売数量実績等を考慮して策定した将来の販売予測に基づき、翌期以降一定期間に販売できないと見込まれる商品及び製品を営業循環過程から外れた過剰在庫として識別しております。当社が取り扱う商品及び製品の将来の販売可能性は、市場の需要変化などの予測不能な要因によって変動する可能性があり、将来の販売予測は不確実性を伴うため、将来の販売実績が見積りと大きく異なった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表における商品及び製品の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

b.固定資産の減損

固定資産は、減損の兆候があると認められる場合には、資産、または、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定します。判定の結果、減損損失の認識が必要と判定された場合、帳簿価額を回収可能価額(正味売却価額または使用価値のいずれか高い価額)まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識されます。当社グループは、原則として事業用資産について、会社もしくは工場ごとにグルーピングを行っております。また、減損の兆候がある貸与資産、遊休資産については、個別資産別に減損損失の認識の判定を行っております。

 

当連結会計年度において、フェニテックセミコンダクター株式会社の第2工場(以下、岡山第2工場)は第1工場(以下、岡山第1工場)への移転に伴い遊休資産となったことから、減損の兆候があると認められたため、減損損失の認識の要否を判定しております。判定の結果、当該事業について見積られた割引前将来キャッシュ・フローの総額が、有形固定資産の帳簿価額を下回ると判断されたため、資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額しました。

また、当社が保有する有形固定資産のうち、一部の貸与資産については、半導体市場の急激な需要の変化等により、将来その資産から生み出されるキャッシュ・フローが減少し帳簿価額相当額を回収することが困難と判断されるような経営環境の変化が生じたことから、減損の兆候があると認められたため、減損損失の認識の要否を判定しております。判定の結果、当該資産について見積られた割引前将来キャッシュ・フローの総額がマイナスとなったため、使用価値を零として帳簿価額を減額しました。

 

当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた回収可能価額は、正味売却価額または使用価値により測定しております。

岡山第2工場の固定資産については、不動産鑑定評価により合理的に算出された評価額を正味売却価額として評価しております。

また、貸与資産については、将来キャッシュ・フローの割引現在価値を使用価値として評価しております。

将来の不確実な経済条件の変動により、使用価値や正味売却価額の見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において、固定資産の減損損失の認識及び測定が必要となる可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループは、多様化、高度化する市場ニーズに対応するための技術研究と製品開発を行い、タイムリーに顧客に提供することを基本方針としております。この目的達成のため、当社グループの研究開発は、基本的に製品開発を通じた既存製品の改良及び応用と新製品・新技術の開発を実施しております。これには個別の製品開発に加えて、製造技術やパッケージの評価といった周辺技術に関する研究も含まれます。

当社グループにおいて研究開発活動を行っているのは、国内においては当社とフェニテックセミコンダクター株式会社、海外においてはTOREX USA Corp.であります。電源ICに係る研究開発は、当社の開発本部が中心となって進めております。また、顧客ニーズに密着した開発には、関連部門においてプロジェクト編成にて対処しております。

当連結会計年度における主要な課題及び成果は次のとおりであります。

①車載関連機器、産業機器分野において更に顧客基盤及び採用アプリケーションを広げることを目指し、継続して高耐圧・大電流に対応した技術開発を行っております。また、小型・省電力・高効率・低ノイズが要求される、ウェアラブル機器、IoT機器等の新たなビジネス分野に対しても、更なる性能向上に向けた技術開発と、販売を行っています。

②車載機器、産業機器分野において要求される高い製品品質を企画・開発段階から実現していくため、関西技術センターを中心に設計開発、プロセス技術、テスト技術、信頼性技術、品質保証など関係する部門が協力し、車載専用製品等の開発を行い、製品の販売を行っています。

③新製品・新技術の開発環境の拡充という目的で設立したアメリカ・カリフォルニア州にあるR&Dセンターでは、顧客ニーズに対応した、データサーバーや車載・産業機器に向けた大電流駆動の製品及び汎用の電源ICの試作開発を行っております。

なお、当連結会計年度に研究開発に投じた総額は、520百万円(日本セグメント)であります。