当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
横河ブリッジホールディングスグループは、「社会公共への奉仕と健全経営」の理念のもと、誠実なモノづくりを行い、良質で安全な社会インフラの整備等を通じて社会に貢献してまいります。また、当社グループが有する豊富な人材と高い技術力を活かし、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現させることで、ステークホルダーからの信頼を獲得してまいります。さらに、企業活動を進めるにあたっては良き企業市民としての自覚を持ち、法令や社会規範等を遵守するとともに、働く人々が信頼感で結ばれ、安全で安心して生活できる企業づくりに努めてまいります。
(2)経営環境
橋梁事業につきましては、新設橋梁の発注量は低調に推移する見通しですが、高速道路の大規模更新・大規模修繕に加え、国土強靱化対策や大阪湾岸道路西伸部などが今後の需要として見込まれます。土木関連事業につきましては、リニア中央新幹線などの大型プロジェクトが見込まれます。システム建築事業につきましては、サプライチェーンの国内回帰や2024年問題、在来工法からのシフトにより需要が見込まれると想定しております。
(3)会社の優先的に対処すべき課題、中長期的な会社の経営戦略および目標とする経営指標
当社グループは、2022年度を初年度とする第6次中期経営計画(2022年度から2024年度まで)を策定し、最終年度の数値目標を売上高1,870億円、営業利益183億円、1株当たり当期純利益290円といたしました。橋梁事業は想定を上回り概ね順調に進捗しておりますが、エンジニアリング関連事業はシステム建築事業の受注が伸び悩み、土木関連事業も大型案件の進捗が遅れており想定を下回って推移しております。このため最終年度の2024年度のグループ全体の業績は目標を下回る見込みとなっておりますが、引き続き各事業別課題への取り組みを継続してまいります。
(橋梁事業)
新設橋梁の発注量は横這いを見込んでおりますが、引き続き技術提案力や工事成績の向上に注力しシェアの拡大を図るとともに、保全事業への対応強化により事業の拡大を図ってまいります。
(エンジニアリング関連事業(システム建築事業))
サプライチェーンの国内回帰や2024年問題による工場・倉庫の需要を確実に取り込むとともに、店舗・事務所への取り組みや従来のビルダー営業に加えて施主への直接営業の強化により受注の拡大を図ってまいります。また、適切な価格設定やICT技術の活用による生産性の向上等により、着実に利益を確保できる体制の整備を図ってまいります。
以上のとおり、様々なリスクを抱えた事業環境ではありますが、今後も持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るべく、次のステップとして新たな目標や基本方針ならびに事業戦略や経営基盤戦略等につきましてグループ内で議論を重ね、第7次中期経営計画を策定してまいります。また喫緊の課題といたしまして、2024年度より適用されました時間外労働の上限規制につきましては、現場業務の効率化や生産性の向上により適切に対応し、働き方改革を進めてまいります。
なお、当社グループの経営上の最大のリスクは重大事故の発生であり、現場工事の安全確保につきましては引き続き最重要課題として取り組んでまいります。具体的には過去の災害事例の周知はもとより、作業手順の改善、安全監視システム等の開発を推進し、より実効性のある安全対策を追求してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)サステナビリティ共通
当社グループは、「社会公共への奉仕と健全経営」という企業理念のもと、経営ビジョンとして「長期的な橋守り」「多角的な鋼構造エンジニアリング」「強靭な社会環境づくりと自然環境との共生」「強固な経営基盤の構築」の実現と持続的な拡大を目指しています。本ビジョンに基づき、良質な製品をつくり、守り、次世代につなぐことで社会の発展に貢献することをサステナビリティの基本的な方針とします。
社会・環境問題をはじめとするサステナビリティ課題の解決に対し、リスクの減少のみならず、新たな収益機会にもつながると認識し、中長期的な企業価値の向上の観点から、積極的かつ能動的に取り組みます。
① ガバナンス
サステナビリティならびにESGに関わる経営の基本方針、事業活動やコーポレートガバナンスの方針・戦略に関する議案は、取締役会の諮問機関として設置された「サステナビリティ委員会」で検討を行い、重要な方針や施策については経営会議での審議を経て、取締役会へ報告され、審議・決定がなされます。
同委員会の下部組織である「サステナビリティワーキンググループ」は、決定された方針や施策を事業活動に落とし込み、各事業会社や客先・取引先と連携・協力しながら具体的な取り組みを推進しています。
サステナビリティ委員会は、主要な事業会社の執行役員が委員長を務め、監査役、事業会社の執行役員・幹部社員で構成されています。サステナビリティワーキンググループは、事業会社の総務担当部長で構成され、各種必要なデータを把握・管理し、数値の測定・集計および算定結果の管理など、より実務的な役割を担っています。
サステナビリティ委員会の構成と実績
構成メンバー |
委員長 |
主要な事業会社の執行役員 |
委員 |
監査役、事業会社執行役員・幹部社員 |
|
2023年度活動 |
回数 |
4回 |
主な議論 |
人権方針について |
|
サステナブル調達ガイドラインについて |
||
有価証券報告書でのサステナビリティ情報記載について |
||
マテリアリティ(重要課題)の特定とKPI設定について |
||
CO₂削減の取り組み |
||
TCFDに沿った情報開示について |
||
CDP対応について*1 |
*1:Carbon Disclosure Project:気候変動質問書
② リスク管理
当社グループのリスクマネジメント体制は、取締役会により設置された「コンプライアンス・リスク管理委員会」においてグループ全体のリスクマネジメント状況をモニタリングし、企業グループとして総括・評価を行い、取締役会に報告しています。コンプライアンス・リスク管理委員会は、グループ各社のリスク管理部門と連携しながら、リスクの網羅性や重要度に留意しつつリスクに対する施策や改善策の実施状況をモニタリングしています。実施状況によっては業務部門への提言も行い、独立した視点による対策の改善も促しています。このほか、安全品質委員会、サステナビリティ委員会、技術委員会や情報企画室等の委員会や組織とも情報共有を図り、多様な視点によるリスクマネジメント体制の構築にも努めています。
詳細については、「
なお、2024年度からは、新たに設置された「統合リスク管理委員会」にて、グループ全体で包括的に管理される予定です。
③ 戦略
当社グループでは、サステナビリティ課題のうち、当社グループとして優先的に取り組むべきものをマテリアリティとして特定し、中期経営計画に反映させています。マテリアリティの特定については、サステナビリティ委員会で審議を行い、取締役会で承認とモニタリングを行い、必要に応じて見直されます。また、個別のサステナビリティ課題についての目標と取り組みの進捗状況については、取締役会がモニタリングを行います。
「第6次中期経営計画」においては、「100年先を見据えた強固な経営基盤を確立する」を基本方針の1つとして掲げ、機会獲得の観点からDX戦略、技術戦略、人材戦略を考慮し、リスクの観点からはESGそれぞれについてマテリアリティを設定しました。
マテリアリティ特定のプロセス
1.検討すべきマテリアリティ候補項目の洗い出し
2.縦軸:ステークホルダーへの影響度、横軸:自社への影響度、の両軸から優先順位づけ・重みづけを検討し、マテリアリティ候補項目の絞り込み
3.サステナビリティ委員会での審議と経営メンバーレビューによるマテリアリティの特定
マテリアリティ
|
機会獲得のマテリアリティ |
リスクのマテリアリティ |
環
境 |
● 災害に強い製品開発の要望への対応 |
● 気候変動や自然災害による物理的リスクへの対応 |
● 国土強靱化へ向けた更新サービスや メンテナンス要望への対応 |
||
社
会 |
● 製品の安定供給 |
● 労働安全衛生の確保 |
● 品質の確保 |
● グローバルな健康課題への対応 |
|
● 災害復旧支援 |
● 従業員やパートナー、サプライヤーの人権尊重 |
|
● 優秀な人材の獲得とダイバーシティの推進 |
● 過重労働の防止とワークライフバランスの推進・同一価値労働同一報酬 |
|
● タレントマネジメントの充実 |
||
● 労働生産性の向上 |
||
ガ バ ナ ン ス |
― |
● 公正な取引活動と腐敗防止 |
● 情報セキュリティ管理 |
④ 指標と目標
主なマテリアリティとKPI
マテリアリティ |
KPI |
目標 |
2023年度 実績 |
||
機
会
獲
得 |
環
境 |
災害に強い製品開発の要望への対応 |
研究開発費 |
9億円 |
5億円 |
国土強靱化へ向けた更新サービスやメンテナンス要望への対応 |
橋梁保全事業売上高 |
260億円以上 |
274億円 |
||
社 会 |
製品の安定供給 |
設備投資額(2022~2024年度合計180億円以上) |
― |
51億円 累計85億円 |
|
人員体制(2024年度2,150名)(注)1 |
― |
2,067名 |
|||
優秀な人材の確保とダイバーシティの推進 |
|
採用計画 達成率100% |
採用 達成率79.7% |
||
|
|
|
|||
リ
ス
ク |
環
境 |
気候変動や自然災害による物理的リスクへの対応 |
BCP訓練の実施 |
年20回以上 |
20回 |
社
会 |
労働安全衛生の確保 |
死亡災害件数 |
0件 |
0件 |
|
グローバルな健康課題への対応 |
健康経営優良法人の申請 |
申請→認定 |
申請→認定 |
||
ガ
バ
ナ
ン
ス |
公正な取引活動と腐敗防止 |
重大なコンプライアンス違反件数 |
0件 |
0件 |
|
グループ内部統制システムや監査規程に基づく、グループ各社の全部門での自主監査および、事象の把握と予防・改善措置、再発防止策の実施 |
年1回 |
年2回 |
|||
監査部門の人員体制および内部統制に関する教育の実施率 |
人員41名 教育実施率100% |
人員41名 教育実施率100% |
|||
グループの監査役と監査室長の会議の実施 |
年2回 |
年2回 |
|||
情報セキュリティ管理 |
重大な情報セキュリティ事故件数 |
0件 |
0件 |
||
災害時のデータ保全に関する訓練の実施 |
年1回 |
年1回 |
(注)1.持分法適用会社を含む
(2)気候変動への取り組み(TCFD*1に基づく開示)
気候変動による異常気象の頻発や水害の激甚化等が進行しており、脱炭素社会への移行が国際社会全体で強く求められています。当社グループは、社会インフラ整備を担う企業集団として、災害に強いインフラ整備や長期的な橋守り、災害復旧支援をはじめ、事業を通じて気候変動に起因する各種課題の解決に取り組んできました。
当社グループは気候変動を重要な経営課題として認識しており、2020年には、マテリアリティ(重要課題)として「気候変動や自然災害による物理的リスクへの対応」を特定しました。
更に、2021年12月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明するとともに、2022年5月に2050年度の事業活動におけるCO₂排出量(Scope 1・2)をゼロとし、カーボンニュートラルを実現することを目標に掲げました。その目標の達成に向けた中期目標として、2030年度におけるScope 1・2のCO₂ 排出量を50%削減*2、短期目標として2024年度に20%削減*2を設定しました。
今後は、カーボンニュートラルの実現に向けて一層の取り組みの推進を図り、その結果等はTCFD提言のフレームに沿って開示していきます。当社グループでの取り組みに加え、投資家をはじめとするステークホルダーの皆様との対話と協働を通じて、脱炭素社会の実現に貢献していきます。
*1:Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース
*2:2020年度を基準年とする
① ガバナンス
当社グループは2021年に策定した「サステナビリティ基本方針」の中で、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティ課題の解決に対し、積極的かつ能動的に取り組むことを宣言しています。「気候変動」はグループ横断の会議体である「サステナビリティ委員会」において、グループのマテリアリティ(重要課題)として審議され、取締役会で決定されました。
気候変動への対応を含むサステナビリティならびにESGに関わる経営の基本方針、事業活動やコーポレートガバナンスの方針・戦略に関する議案は、サステナビリティ委員会で検討を行い、重要な方針や施策については経営会議での審議を経て、取締役会へ報告され、審議・決定がなされます。サステナビリティ委員会は、主要な事業会社の執行役員が委員長を務め、各事業会社の幹部・執行役員で構成されています。経営会議および取締役会で決定された方針や戦略の実施については、サステナビリティ委員会の下部組織である「サステナビリティワーキンググループ」が推進役を担います。サステナビリティワーキンググループは、各事業会社の総務担当部長で構成され、事業会社におけるCO₂排出量削減対策の推進、進捗把握等の実務を行います。
経営会議および取締役会で審議・決定された事項は、各事業会社の業務執行部門の取り組みに落とし込まれます。サプライチェーンにおけるCO₂排出量(Scope 3)については、関係先と連携・協力しながら削減に努めてまいります。経営会議・取締役会は、気候関連問題を含むマテリアリティへの取り組み状況について年1回以上モニタリングを行い、指揮・監督を行います。
「(1)サステナビリティ共通 ①ガバナンス」をご参照ください。
② 戦略
気候変動が当社グループの事業・財務にどのような影響を及ぼすかを明らかにするため、シナリオ分析を行っています。分析対象範囲は当社グループの主要な事業(橋梁、エンジニアリング関連、先端技術)とし、分析対象期間の時間軸は現在、短期(2~3年後)、中期(2030年頃)、長期(2050年頃)としています。
気候関連リスクと機会の特定プロセスは、まず対象事業ごとに「移行」「物理」の双方の気候影響において、バリューチェーン上のリスク・機会要因を洗い出し、次に「調達」「直接操業」「製品・サービス需要」別に分類・整理し、それぞれについて影響の具体的な内容、影響を受ける可能性と影響の大きさ、影響が発現する時期を検討し、最終的な事業影響を特定します。
当社グループの事業から直接排出されるCO₂排出量(Scope 1・2)は多くありませんが、提供する橋梁やシステム建築では、鋼材やセメント等の製造時に多くのCO₂排出を伴う素材を使用します。また、それら原材料・建築資材の運搬や建設時の重機稼働に伴うCO₂も発生します。加えて、主要顧客である自治体や民間企業からの環境配慮要請も年々強まっていることから、グループ全体で低炭素施工やローメンテナンス製品等の技術開発、鋼材リサイクル率100%の追求等を行っています。
これらの事業特性から、CO₂排出の規制強化や炭素税導入による建設コスト・調達コストの増加、異常気象の増加・激甚化による自社施設損傷・サプライチェーン寸断、慢性的な気温上昇に伴う建設現場の労働生産性の低下等を主なリスクとして特定しました。また、機会側面としては、国土強靱化・防災・減災・保全市場の拡大や環境配慮型の橋梁・建築物の需要増加等を特定しました。
気候変動に起因し、重大な影響を及ぼすと特定した主なリスク・機会とその対応策
リスク |
|
|
|
説明 |
時間軸* |
事業への影響** |
対応策 |
低炭素技術導入による鋼材価格の上昇・品薄 |
長期 |
鋼材の製造過程の脱炭素を実現するための新技術導入による価格の上昇と、低炭素鋼材の海外輸出による国内の鋼材不足 |
・鋼材メーカーの脱炭素技術の開発への協力 ・FRPバルサ材や木材、低炭素型コンクリートなどの新素材の当社グループ事業分野への応用 |
気温上昇による熱中症の増加や作業効率の低下、熱中症対策コスト増 |
現在 |
気温上昇による熱中症の増加で、生産性の低下や人員確保難につながる。追加的な安全対策が必要となり、コストが発生 |
・CO₂削減目標の達成 ・労働環境と健康管理に関わるICTの導入と活用 ・溶接作業等のロボット化やICTの活用による省人化の推進 ・作業場における空調服などの支給 ・BCP投資と設備および人員の強化 ・BCPの策定とその確実な運用および訓練の継続 ・想定外の被災でも早期に復旧が可能な製品と工法の活用 |
異常気象による調達網への影響、工事が中断または遅延 |
現在 |
台風や集中豪雨により調達網が寸断され操業制限を受けたり、工場・施工現場が停止したりするケースが頻発 |
|
異常気象による自社施設の損傷 |
現在 |
異常気象による浸水や強風により自社拠点が被災 |
|
機会 |
|
|
|
説明 |
時間軸* |
事業への影響** |
対応策 |
国土強靱化、防災、減災、保全市場の拡大 |
現在 |
耐久性が高く、メンテナンスのしやすい橋梁・災害に強い土木鋼構造物の建設需要の増加 |
・DXを活用した生産管理システムと営業管理システムの整備による受注拡大および生産拡大への対応 ・橋の架け替えや施設移転の需要の的確な把握と技術提案力の強化 ・建設DXの推進による災害現場での安全性・施工性の向上に寄与する技術の開発 ・津波や高潮による被害を低減する「プレキャスト防潮堤」の提供 ・豪雨災害に対する備えである地下河川向けの内水圧対応型トンネルセグメントの提供 ・老朽化した道路橋床版の取替工法に関する技術の提供 ・アルミ、ステンレス製の維持管理関連製品の提供 ・鋼材と木材のハイブリッド製品の提供 ・電炉鋼材、低炭素型コンクリート、環境配慮型塗料などの有効な要素技術の応用 ・脱炭素型加工機械(電気・水素)の新技術の活用 ・プレキャスト化や急速施工法による現場の工期短縮などの技術開発の推進 |
(注)*時間軸:現在、短期(2~3年後)、中期(2030年頃)、長期(2050年頃)
**事業への影響は、影響を受ける事業の売上高割合に応じて4段階で評価した結果、重大な影響を及ぼすと特定したものについて記載しています。
シナリオ分析で特定された重要なリスク・機会と事業への影響とその対応策は、サステナビリティ委員会で進捗を管理し、取締役会でモニタリング・監督をしています。当社グループは、気候関連のリスクに対するグループのレジリエンス保持に適切に努めており、中期経営計画に反映し、事業戦略を策定いたします。
③ リスク管理
気候変動に起因するリスクの洗い出しと事業への影響の評価はサステナビリティ委員会において実施しています。識別したリスクについては、サステナビリティ委員会と実務を担うサステナビリティワーキンググループとが連携する体制で、対応策を含め検討され、特に重要な課題については取締役会へ報告され、審議されます。また、これらのリスクは取締役会の諮問委員会である「コンプライアンス・リスク管理委員会」と連携して情報を共有し、全社的なリスクとして統合されます。
2024年度からは、新たに設置された「統合リスク管理委員会」にて、グループ全体で包括的に管理される予定です。
④ 指標と目標
当社グループは気候関連のリスク・機会を評価・管理する際に使用する指標と目標として、2022年5月に「2050年のカーボンニュートラル達成」を長期目標として公表すると共に、その実現に向けたマイルストーンとして短期・中期のCO₂排出量削減目標も併せて策定しました。
短期目標は、2022年度から開始した第6次中期経営計画(2022年度~2024年度)において「100年先を見据えた強固な経営基盤の確立」を実現するためのESG経営で注力する取り組みと位置付けており、グループ全体で強く推進しています。
CO₂排出量削減目標 |
基準年 |
目標年 |
目標 |
Scope 1・2 |
2020年度 |
2024年度(第6次中期経営計画期間) |
20%削減 |
2030年度 |
50%削減 |
||
2050年度 |
カーボンニュートラル |
||
Scope 3 |
サプライヤーや顧客等の関係者と協力しながら、削減に努める |
CO₂排出量実績推移(t-CO₂) |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
割合 |
Scope 1 |
|
|
|
1.0% |
Scope 2 |
|
|
|
1.4% |
Scope 1・2計 |
|
|
|
2.4% |
増減率 |
基準年 |
+16% |
-19% |
- |
Scope 3** |
|
|
|
97.6% |
Scope 1・2・3合計 |
|
|
|
100.0% |
*2022年度から、購入電力の一部のCO₂削減プランへの切替え、および事業所・工場における太陽光発電設備(PV)の設置を進め、Scope 2排出量を大幅に削減
** Scope3では、カテゴリ1(購入した製品サービス)の占める割合が高く90%以上の割合を占めています。
(注)2023年度の実績につきましては、2024年9月発行予定の統合報告書の中で公表いたします。
(3)人的資本への取り組み
① 人的資本に関する方針
当社は、企業理念である「社会公共への奉仕と健全経営」のもと、これまで、「安全」と「品質」を会社存立の原点として、世の中を支えるモノづくりに取り組んでまいりました。また、より多くの人の生活を安心・安全に支えるため、モノづくりに誠実に向き合い、新しい技術や工法等を業界のなかで先駆けて開発するなど積極的にチャレンジしていくことで、成長を図ってきました。
この創業以来、育んできたDNAを次代に着実に受け継いでいくため、100年の歴史のなかで積み上げてきた高い技術力の維持・強化に加えて、従業員一人一人が業界のリーディングカンパニーとしての使命感を持ち、社内外の様々な関係者と協力しながら働いていくことができる「人間力」の強化を目指します。
当社では、目指すべき姿の実現に向けて、「人材育成方針」および「社内環境整備方針」を制定するとともに、具体的な取り組みのポイントを4つに整理し、それぞれの取り組みをモニタリングしながら着実な実行を推進してまいります。
(人材育成方針)
当社は、サステナビリティの基本方針として「良質な製品をつくり、守り、次世代につなぐことで社会の発展に貢献すること」を掲げており、企業運営において最も大切なのは「人」と位置づけております。そのうえで、会社の持続的な成長と企業価値の向上を実現させるには、多様かつ高度化するニーズに対応できる幅広い経験とスキルを蓄積した人材の育成が極めて重要と考えています。そこで、高い専門性を身につけるため、多様な従業員一人ひとりが継続的に成長できるように中長期的な観点で育成する方針としております。
(社内環境整備方針)
当社のように「モノづくり」を展開する会社においては、働く人の安心・安全の確保は持続的な企業活動において重要な課題です。また、高い安全意識の積み重ねにより心理的・身体的な安心感が醸成され、部門を越えて協力しやすい企業風土をつくることも重要です。そうした風土が品質の高い建造物の建設につながり、社会に対して安心・安全を届けることにも波及すると考えています。そのため、働く人の安全と心身の健康を守り、人権を尊重し、差別のない健全な職場環境を確保することを方針としております。
(目指すべき姿の実現に向けた4つのポイント)
a.業界のリーディングカンパニーとして、多様化かつ高度化する技術的なニーズにいち早く対応できるよう、幅広い経験・スキルを計画的に蓄積する
・企業理念や事業内容に共感を持った人材の長期的な育成
・階層や役割に応じた体系的な研修の実施
・タレントマネジメントシステムを活用したスキルや経験の可視化
・広範な業務理解、適材適所の実現を支える人事交流・ジョブローテーション
b.個々の社員にとって多様な経験を積み、継続的に成長できる環境をつくる
・スキル向上のための資格取得
・自己申告制度を活用した自身のキャリア形成およびジョブローテーション
・ライフイベントを見据えた人事制度の活用
c.高い安全意識の積み重ねにより心理的・身体的な安心感を醸成し、より一層、部門を越えて協力しやすい企業風土を形成する
・継続的な安全面での改善活動
・コンプライアンス・各種ハラスメント研修の実施
・長時間労働の是正
・各種休暇制度の充実・利用促進
・部門間連携を支える人事交流・ジョブローテーション
d.より効率的な業務推進、高い安全性を実現するDX人材を育成する
・ITリテラシーの高い人材の選抜型育成
② 人的資本に関する指標及び目標
当社グループでは、上記において記載した、人材の多様性を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりです。
指標 |
|
2023年度実績 |
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人材育成 |
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社内環境 整備 |
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(注)1.技術士/一級建築士/1級土木施工管理技士/1級建築施工管理技士/建設業経理士(1・2級)
2.目標達成のため最新の情報化技術の活用など安全対策の強化を実施してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①事故などの安全上のリスクについて
橋梁に代表される鋼構造物工事の工程は、大きく工場製作、輸送および現場施工に分かれます。各工程とも、製品である製作物が非常に重く大きいため、一旦事故が起きてしまうと重大な影響を受けるリスクを抱えています。万が一事故を起こした場合、事故による直接的な損害に止まらず、当社グループの社会的信用を失墜させるとともに各発注機関からの指名停止措置などの行政処分を受け、受注に重大な影響を与える可能性があります。重大事故の発生を撲滅するために、過去の事故や災害の事例の周知はもとより、作業手順の改善、安全設備の創意工夫、安全装置の二重化、作業監視のシステム化等について継続的に取り組み、安全対策の実効性を高めてまいります。
②公共事業への依存について
当社グループの主力事業である橋梁事業は、その大半が国および地方自治体からの発注で占められているため、社会インフラに関連する政策の大きな変更や財政の急速な悪化などにより、特に今後の新設橋梁の発注量が想定を大きく下回る場合、受注高および売上高の減少等、業績に影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクを低減するため、保全事業の対応力強化により新設と合わせた橋梁事業の維持拡大と最適化を図るとともに、トンネルセグメントに代表される土木関連事業等、鋼構造物に関係する事業について多角化を進めてまいります。
また、同時に民需関連事業の拡大を図り、特にシステム建築事業の成長に注力してまいります。
③建築市場の動向によるリスクについて
当社グループの成長の柱であるシステム建築事業は、その大半が民間からの発注で占められているため、国内外の景気後退等により民間設備投資が縮小した場合には、受注高および売上高の減少等、業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、販路拡大やコスト縮減などに継続的に取り組んでまいります。
④法的規制によるリスクについて
国内外問わず、建設業法、独占禁止法等の法令に則り事業を行っていますが、それらに違反することとなった場合、刑事罰、行政処分等を受け、受注高および売上高の減少等、業績に影響を及ぼすリスクが発生する可能性があります。そのようなことがないよう、当社グループはコンプライアンスをグループ経営の根底に据え、適正な事業活動を行うこととしています。
⑤瑕疵に対する対応について
当社グループが施工した鋼構造物に関する瑕疵については、契約不適合責任を負っています。万が一何らかの理由で瑕疵が発見された場合、客先からの契約不適合責任請求のあるなしにかかわらず、危険回避のため応急回復処置に努めるとともに、原因究明・再発防止に注力します。このため瑕疵の状況によっては、多額の手直し費用が発生するリスクを抱えています。そのようなことがないよう、当社グループは公共財産の建設を託された者として、良質な製品を経済的に提供する責任を強く認識するとともに、品質管理などにも細心の注意を払って業務に当たっています。
⑥カントリーリスクについて
当社グループは、ODA(政府開発援助)案件の橋梁事業など、アジアを中心に海外事業を展開しています。また、橋梁事業やシステム建築事業の設計業務の一部は中国やフィリピンの子会社が行っています。当該国の政治、経済情勢等に著しい変化が生じた場合は、業務の継続が困難になり業績に影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに備えて、従業員の安全を確保する手段や非常時の危機管理体制の確立に努めるとともに、国内も含めた業務の補完体制を構築し、必要に応じて日本政府や現地日本大使館等、関係者との連携を図ってまいります。
⑦大規模災害のリスクについて
地震、津波、風水害等の大規模な自然災害が発生した場合は、工場や工事現場に被害が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。こうした事態に備えてその影響を最小限に抑えるべく、事業継続計画の整備や非常時を想定した訓練等を実施しています。
⑧貸倒れに関するリスクについて
当社グループの主力事業である橋梁事業については、貸倒れリスクのない官公需が大半を占めていますが、エンジニアリング関連事業および先端技術事業については、取引先の大半を民間企業が占めています。そのため、取引先の信用不安により予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、貸倒損失の発生や追加的な引当の計上が必要となるなど、業績に悪影響を与える可能性があります。当社グループでは、民間企業との取引に際しては、事前に十分な信用調査を行うとともに、売掛債権等に対して一定の貸倒引当金を設定しています。
⑨感染症のリスクについて
感染症の拡大により、工事の中断や事業所の閉鎖などで工程への影響やコストの増加が発生する可能性がありますが、感染防止に細心の注意を払い、状況に応じて発注者との協議を行うなど、適切に対応してまいります。また、テレワークや時差出勤の環境を整備し実施するなど、感染予防と感染拡大防止策を推進してまいります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当期における我が国経済は、経済活動の正常化や雇用環境の改善によって国内需要に緩やかな回復の動きが見られる一方で、世界的な金融引締めや物価高騰により依然として不透明な状況が続いています。
建設市場につきましては、土木分野は公共投資に支えられ堅調に推移し、建築分野も高水準の企業収益を背景に底堅く推移しました。
このような状況の下、当期の受注高は1,457億円(前期比112億8千万円減)となりました。業績につきましては、売上高は1,640億7千万円(同8億9千万円減)となり前期比横ばいとなりましたが、営業利益は159億4千万円(同7億2千万円増)、経常利益は158億5千万円(同4億円増)と高水準で推移し、投資有価証券の売却益等の計上により親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高の118億5千万円(同6億1千万円増)となりました。
セグメントごとの経営成績は以下のとおりです。
(橋梁事業)
国内橋梁事業は、計画の後ろ倒しにより発注量が伸び悩む中、当社グループは国内新設橋梁、保全工事ともに複数の大型工事を受注するなど堅調に推移し、橋梁事業全体の受注高は862億4千万円(前期比43億4千万円増)となり、年度計画を概ね達成いたしました。
業績につきましては、豊富な受注残に支えられ、売上高は過去最高を更新し974億1千万円(同103億9千万円増)となり、営業利益は前期比横ばいの88億1千万円(同1億3千万円減)となりました。
(エンジニアリング関連事業)
エンジニアリング関連事業につきましては、システム建築事業において、建設コスト上昇等による設備投資計画の延期や見直しの動きが散見され受注は伸び悩みました。通期の事業全体の受注高は566億2千万円(前期比147億6千万円減)となりました。なお、システム建築の受注面積につきましては、59万㎡(前年同期86万㎡)となりました。
業績につきましては、通期の事業全体の売上高は631億3千万円(同98億円減)となりました。また、営業利益はシステム建築事業を中心に損益が改善したことにより、過去最高を更新し83億9千万円(同16億1千万円増)となりました。
(先端技術事業)
先端技術事業につきましては、精密機器製造事業の受注が伸び悩み、受注高は28億4千万円(前期比8億7千万円減)となりました。業績につきましても、受注の減少により売上高は29億4千万円(同14億4千万円減)、営業利益は1億円(同5億2千万円減)に止まりました。
(不動産事業)
不動産事業につきましては、売上高は前期とほぼ同額の5億9千万円、営業利益は3億8千万円(前期比1千万円増)となり、当期も安定的な収入と利益を確保いたしました。
当期におけるセグメント別の連結売上高・受注高・受注残高 (億円)
|
前 期 |
当 期 |
||
売上高 |
橋梁事業 |
新設橋梁事業 |
576 |
649 |
保全事業 |
267 |
274 |
||
海外事業 |
26 |
50 |
||
小 計 |
870 |
974 |
||
エンジニアリング 関連事業 |
システム建築事業 |
545 |
469 |
|
土木関連事業 |
101 |
87 |
||
建築・機械鉄構事業 |
81 |
75 |
||
小 計 |
729 |
631 |
||
先端技術事業 |
精密機器製造事業 |
35 |
21 |
|
情報処理事業 |
8 |
7 |
||
小 計 |
43 |
29 |
||
不動産事業 |
|
6 |
5 |
|
合 計 |
1,649 |
1,640 |
||
受注高 |
橋梁事業 |
新設橋梁事業 |
688 |
590 |
保全事業 |
132 |
248 |
||
海外事業 |
△1 |
23 |
||
小 計 |
818 |
862 |
||
エンジニアリング 関連事業 |
システム建築事業 |
526 |
384 |
|
土木関連事業 |
94 |
116 |
||
建築・機械鉄構事業 |
93 |
65 |
||
小 計 |
713 |
566 |
||
先端技術事業 |
精密機器製造事業 |
28 |
21 |
|
情報処理事業 |
8 |
7 |
||
小 計 |
37 |
28 |
||
合 計 |
1,569 |
1,457 |
||
受注残高 |
橋梁事業 |
新設橋梁事業 |
964 |
905 |
保全事業 |
528 |
502 |
||
海外事業 |
32 |
5 |
||
小 計 |
1,526 |
1,414 |
||
エンジニアリング 関連事業 |
システム建築事業 |
260 |
176 |
|
土木関連事業 |
300 |
330 |
||
建築・機械鉄構事業 |
55 |
45 |
||
小 計 |
617 |
552 |
||
先端技術事業 |
精密機器製造事業 |
7 |
7 |
|
情報処理事業 |
4 |
3 |
||
小 計 |
12 |
11 |
||
合 計 |
2,155 |
1,977 |
(注)金額は単位未満を切捨てて記載しています。
橋梁事業の主な受注工事
区分 |
発注者 |
工事名 |
場所 |
新設 |
東日本高速道路 |
八潮パーキングエリアランプ橋南 |
埼玉県 |
新設 |
中日本高速道路 |
養老海津高架橋 |
岐阜県 |
新設 |
九州地方整備局 |
日南油津大橋 |
宮崎県 |
新設 |
西日本高速道路 |
伊豆七条第二高架橋他2橋 |
奈良県 |
保全 |
西日本高速道路 |
関門橋門司側径間床組連続化 |
福岡県 |
橋梁事業の主な売上工事
区分 |
発注者 |
工事名 |
場所 |
保全 |
西日本高速道路 |
中国池田インターチェンジ~宝塚インターチェンジ間橋梁更新(その2) |
大阪府 |
新設 |
東日本高速道路 |
牛久高架橋 |
茨城県 |
新設 |
東日本高速道路 |
境高架橋 |
茨城県 |
保全 |
東日本高速道路 |
阿能川橋床版取替 |
群馬県~ 新潟県 |
保全 |
首都高速道路 |
上部工補強3-213 |
神奈川県 |
b.財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ163億8千万円増加し、2,108億4千万円となりました。流動資産は、「受取手形・完成工事未収入金等」が増加したこと等により129億円増加し、1,462億5千万円となりました。固定資産は、投資有価証券の売却があったものの、株価の上昇等により「投資その他の資産」が増加したこと等により34億8千万円増加し、645億9千万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ60億1千万円増加し、828億2千万円となりました。その主な要因は、「支払手形・工事未払金等」や「短期借入金」が減少し、「長期借入金」が増加したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ103億7千万円増加し、1,280億2千万円となりました。その主な要因は、「親会社株主に帰属する当期純利益」の計上、配当金の支払等によるものです。この結果、自己資本比率は59.0%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて1億5千万円減少し、249億8千万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は16億3千万円(前連結会計年度は43億5千万円の使用)となりました。これは、主に売上高の増加により「受取手形・完成工事未収入金等」の売上債権が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は9億7千万円(前連結会計年度は18億4千万円の使用)となりました。これは、主に有形固定資産や無形固定資産の取得による支出があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は25億1千万円(前連結会計年度は78億5千万円の獲得)となりました。これは、主に長期借入れによる収入があったことによるものです。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
回次 |
第156期 |
第157期 |
第158期 |
第159期 |
第160期 |
決算年月 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
自己資本比率 |
58.6% |
59.6% |
62.5% |
58.8% |
59.0% |
時価ベースの 自己資本比率 |
53.4% |
49.8% |
46.5% |
45.5% |
56.9% |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 |
1.3年 |
85.0年 |
0.6年 |
-年 |
-年 |
インタレスト・ カバレッジ・レシオ |
138.1倍 |
1.9倍 |
236.7倍 |
-倍 |
-倍 |
※ 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
a.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
b.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
c.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
d.2023年3月期および2024年3月期の「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」および「インタレスト・カバレッジ・レシオ」については、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載しておりません。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
セグメントの名称 |
数 量 (トン) |
前年同期比 (%) |
金 額 (百万円) |
前年同期比 (%) |
橋梁事業 |
50,182 |
99.7 |
97,411 |
111.9 |
エンジニアリング関連事業 |
63,732 |
74.4 |
63,132 |
86.6 |
先端技術事業 |
- |
- |
2,941 |
67.0 |
合計 |
113,914 |
83.8 |
163,484 |
99.5 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しています。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
セグメントの名称 |
受注高 |
受注残高 |
||||
数量 (トン) |
前年同期比 (%) |
金額 (百万円) |
前年同期比(%) |
金額 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
橋梁事業 |
38,622 |
75.0 |
86,245 |
105.3 |
141,440 |
92.7 |
エンジニアリング関連事業 |
54,759 |
81.5 |
56,621 |
79.3 |
55,223 |
89.5 |
先端技術事業 |
- |
- |
2,843 |
76.5 |
1,102 |
91.8 |
合計 |
93,381 |
78.7 |
145,709 |
92.8 |
197,766 |
91.8 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しています。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
セグメントの名称 |
金 額 (百万円) |
前年同期比 (%) |
橋梁事業 |
97,411 |
111.9 |
エンジニアリング関連事業 |
63,132 |
86.6 |
先端技術事業 |
2,941 |
67.0 |
不動産事業 |
591 |
94.2 |
合計 |
164,076 |
99.5 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しています。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
東日本高速道路株式会社 |
13,718 |
8.3 |
21,147 |
12.9 |
西日本高速道路株式会社 |
15,533 |
9.4 |
17,917 |
10.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりです。
(財政状態)
流動資産は主に「受取手形・完成工事未収入金等」の増加により129億円増加し、固定資産は投資有価証券の売却があったものの、株価の上昇等により34億8千万円増加しました。その結果、総資産は2,108億4千万円(前期末比163億8千万円増)となり、初めて2,000億円を超えました。負債合計は主に「長期借入金」の増加により828億2千万円(同60億1千万円増)となりました。純資産は利益の獲得により過去最高の1,280億2千万円(同103億7千万円増)となりました。自己資本比率は59.0%(前期末は58.8%)となり、十分な水準にあると考えています。
(経営成績)
受注高は1,457億円(前期比112億8千万円減)、売上高は1,640億7千万円(同8億9千万円減)、営業利益は159億4千万円(同7億2千万円増)、経常利益は158億5千万円(同4億円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は118億5千万円(同6億1千万円増)となりました。
受注高についてはエンジニアリング関連事業と先端技術事業の減少を橋梁事業の増加で補いきれず、前期を若干下回りました。売上高については橋梁事業が過去最高を更新する一方、エンジニアリング関連事業と先端技術事業が伸び悩み、結果として前期比横這いとなりました。各利益についてはいずれも前期を上回り、営業利益と経常利益は過去2番目の成績、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。
<橋梁事業>
当初の計画は受注高900億円、売上高980億円、営業利益97億円です。
受注高については、新設橋梁の発注量が伸び悩む中、新設橋梁事業は前期比減少しましたが、保全事業は床版取替や耐震補強など複数工事の受注により前期比増加し、全体として前期を上回りました。その結果、受注高は862億4千万円(前期比43億4千万円増)となり、年度計画をほぼ達成することができました。
売上高については手持ち工事が順調に進捗したため、過去最高の974億1千万円(同103億9千万円増)となりました。一方、営業利益は設計変更の期ずれや新規受注に伴う工事損失引当金の計上により前期比横這いの88億1千万円(同1億3千万減)となりました。
<エンジニアリング関連事業>
当初の計画はエンジニアリング関連事業全体の受注高800億円、売上高720億円、営業利益71億円であり、そのうちシステム建築事業は受注高626億円、売上高545億円です。
それに対し、エンジニアリング関連事業の受注高は566億2千万円(前期比147億6千万円減)、売上高は631億3千万円(同98億円減)、そのうちシステム建築事業の受注高は384億1千万円(前期比142億4千万円減)、売上高は469億円(同76億8千万円減)となりました。受注高については、システム建築事業において建設コスト上昇等により設備投資計画の延期や見直しが生じ伸び悩みました。採算面については、システム建築事業の受注単価上昇により利益率が上昇したことに加えて、海外の特殊建築工事の円安効果等の要因が重なったことにより、想定以上の利益率となりました。その結果、エンジニアリング関連事業の営業利益は当初計画を上回る83億9千万円(同16億1千万円増)となり、過去最高を更新しました。
<先端技術事業>
当初の計画は受注高57億円、売上高52億円、営業利益4億円です。先端技術事業のうち精密機器製造事業の受注が振るわず、受注高は28億4千万円(前期比8億7千万円減)となりました。業績についても精密機器製造事業の受注の減少により売上高は29億4千万円(同14億4千万円減)、営業利益は1億円(同5億2千万円減)と、何れも計画を下回りました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの主な資金需要は材料費、外注費、労務費、工場並びに現場の直接経費・間接経費などの運転資金と工場生産設備を中心とする設備投資資金です。資金調達はフリー・キャッシュフロー及び間接調達で確保しております。また、長期大型工事の竣工間際など一時的に立替額が大きくなる場合に備え、コミットメントライン契約と当座貸越契約により財務の安定性及び流動性を補完しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(シンジケートローン契約)
当社は、2023年10月30日開催の取締役会において、株式会社みずほ銀行をアレンジャーとするシンジケーション方式による金銭消費貸借契約を締結することを決議し、2023年11月28日付で契約締結しました。
1.シンジケートローン契約締結の理由
長期の運転資金の確保を目的としています。
2.シンジケートローン契約の概要
(1)アレンジャー兼エージェント 株式会社みずほ銀行
(2)借入実行日 2023年11月30日
(3)組成金額 15,000百万円
(4)返済期限 2026年11月30日
(5)返済方法 期限一括返済
(6)参加金融機関 株式会社山陰合同銀行他、計23金融機関
(連結子会社の吸収合併)
当社は、2023年12月25日開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社横河ニューライフを吸収合併することを決議し、同日付で合併契約を締結しました。
詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりです。
(子会社株式の追加取得)
当社は、2024年4月22日開催の取締役会において、連結子会社である株式会社横河NSエンジニアリングの株式を追加取得し、完全子会社とすることを決議し、株式譲渡契約書を締結しました。
詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりです。
当社グループの研究開発は、橋梁事業に関連する鋼構造の基礎技術の取得および革新を中心とし、さらに、保有する要素技術をエンジニアリング関連事業や先端技術事業に応用し、商品開発や新技術開発を実施しています。また、グループ各社が保有する環境や情報処理等の分野における固有技術に関連して、事業化や商品化につながる研究開発を実施しています。
研究開発の体制は、当社の総合技術研究所が基盤技術の調査研究や事業化前の研究開発を行い、各事業会社が自社商品の改良開発や事業化検討を行うことを基本としています。当社グループの研究開発全体を統括し、方向性、予算、実施状況を管理する機関として、技術総括室を設置しています。なお、当社グループの研究開発スタッフは51名であり、全従業員の2.5%に相当します。また、当連結会計年度のセグメント別研究開発費は、橋梁事業
当連結会計年度における主要な研究開発活動は次のとおりです。
(1)橋梁事業に関する研究開発
① 鋼橋の防食上の弱点である桁端部などに、防食性の高いステンレス鋼材を部分的に適用する橋梁の開発を進めています。過年度に実施した異種材料溶接部の疲労試験に加えて、異種材料溶接部を含む柱の座屈試験を行い、実橋への適用が可能であることを確認しました。
② 高速道路を中心に大規模更新・修繕事業が最盛期となっており、現場の安全性向上や工期短縮に有効な技術の需要が高まっています。これに応える新技術として、床版取替工法「STEEL-C.A.P.工法」(日本製鉄(株)との共同開発)や中小スパン橋梁の架替工法「NYラピッドブリッジ」(日鉄エンジニアリング(株)との共同開発)を開発しました。STEEL-C.A.P.工法は実橋実績を踏まえNETIS登録も完了し、プロジェクト形成をすすめています。NYラピッドブリッジは、中国池田インターチェンジ~宝塚インターチェンジ間橋梁更新工事の小浜ランプ橋で夜間の台車一括架設による橋梁の架替えが完了し、すでに供用を開始しています。
③ 鋼橋の建設現場の生産性向上、床版取替工事における交通規制時間短縮の要望に応える技術として、「プレキャスト合成床版」の開発を進めています。施工性に優れた合理的な継手構造を採用し、新設橋梁向けのプレキャスト合成床版については実橋梁で採用、施工されました。今後は、採用が決定している既設橋の床版取替え工事に向けた、床版の幅員分割施工に対応したプレキャスト合成床版に対し、輪荷重走行試験や実物大の施工試験により、性能確認と施工性確認を行います。
④ 鋼橋の製作現場の品質向上に資する技術として、非破壊試験の高度化を実現した「フェーズドアレイ超音波探傷による、鋼床版の溶接部の溶け込み量を推定する技術」を開発しました。製作現場での実証試験等を行い、実橋の鋼床版製作において採用されました。
⑤ 鋼橋の保全工事に資する技術として、「直交する長孔を用いた高力ボルト接合」を開発しました。既設の橋げたに設置する部材において、誤差吸収機能を有した高力ボルト接合として有用であり、実橋への適用が可能であることを試験検討により確認しました。
⑥ 環境負荷低減を実現する新しい鋼橋への取組みとして、鋼橋におけるCO2排出量の大半を占める鋼材の使用量の最小化を図った、「鋼桁のハニカムウェブ構造」の設計検討を行い、一定の削減効果があることを確認しました。
⑦ 既設RC床版の大規模更新工事における施工の効率化と急速施工を目的としたプレキャスト壁高欄(商品名:ラピッドガードフェンス)を開発し、中国池田インターチェンジ~宝塚インターチェンジ間橋梁更新工事の荒牧高架橋(下り線)で初めて採用されました。現在は、更なる製品の仕様拡充と適用拡大に向けて、すでに開発が完了したプレキャストPC床版仕様に加え、新たにプレキャスト合成床版に対応した製品の開発を進めています。
⑧ 橋梁の点検性、維持管理性を向上し、長寿命化を図る技術として、アルミ合金製常設足場「cusa(キュウサ)」を日軽エンジニアリング(株)と共同で開発し、販売を行っています。この技術を発展させ裏面吸音機能を付加した「吸音cusa」を開発し、既設橋梁に設置されている裏面吸音板の交換需要として販売を進めています。また、都市景観性を向上させる「景観cusa」を開発しました。都市高速等での周辺景観へ配慮するニーズに応えていきます。
⑨ ワンマン測量システム「オートレポ」を開発しました。「オートレポ」は、自動追尾型1級トータルステーションと、操作タブレットが一体となった360°プリズムで構成され、橋梁架設現場において、出来形計測のワンマン化と、計測結果の自動帳票出力が可能であり、現場作業の大幅な効率化を実現することができます。
(2)エンジニアリング関連事業に関する研究開発
① システム建築(商品名:yess建築)については、建設技能労働者の高齢化と就労者の減少に対し、現場施工の省力化、並びに少人化工法の開発を重点的に取り組んでおり、長尺の外壁施工において安全性および施工性を飛躍的に向上させた工法を開発しました。また、外壁に耐火性能が求められる耐火建築物などの建物に対し、既存商品のVリブウォールを用いた新たな外壁耐火認定を取得し外壁耐火認定の低価格商品をラインナップに追加しました。さらに、建物の大型化に伴いyess建築の適用範囲を超える屋根には在来工法の高強度折板屋根を導入し屋根の商品ラインナップの強化を図るなど既存商品との融合によりyess建築の商品力向上に取り組んでいます。
② 可動建築(商品名:YMAシステム)については、多機能可変型スタジアム向けの昇降システム「Phovare(ホバーレ)」の開発として、主要構成品の動作試験と強度試験を行い、安全性を確認しました。市場からの反応としてクラブチームや出資企業からの問い合わせが増加し、各地の計画(規模)に適した提案によって導入に向けた営業活動を行っています。
③ 洋上風力発電事業への取組として、戸田建設(株)の委託先としてNEDOグリーンイノベーション基金での洋上式基礎構造・設置低コスト化技術開発事業を中心に実施しました。今後も洋上風力発電分野での技術開発を積極的に継続してまいります。
④ 地下河川用セグメントとして、新たに五面鋼殻合成セグメントの開発を進めています。地下河川とは、近年、東京都や大阪府などの大都市圏を中心に、激甚化・頻発化する豪雨による浸水被害の防止策として整備が進められているシールドトンネル工法による地下トンネル式の調整池であり、トンネルの覆工には合成セグメントが標準的に用いられています。セグメント本体の載荷試験を実施し、十分な性能を有していることを確認しました。今後は、セグメント継手の載荷試験を実施し、継手性能などの確認を行う予定です。
⑤ 東京地下鉄(株)とメトロ開発(株)とで共同で開発した地下鉄駅舎向けの積層型支承板鋼管柱「マイエスタス(MY-ESTAS)」を商品化しました。この積層型支承板は、JIS規格鋼板を複数枚重ね、これまで多用されてきた鋳鋼製支承板に近い形状とすることで、ほぼ同重量で同性能の構造特性を実現しつつ、鋳鋼製に比べ製造期間が短く、施工性に優れるという特長を有しています。「マイエスタス」は、今後の地下鉄駅舎工事において、従来の鋳鋼製支承板を使用した鋼管柱に代わる新型鋼管柱として多くの需要に安定的かつ確実に応えられるものです。
⑥ ウォータージェットブラスト工法向けに小型排水処理装置を開発しました。脱水装置は手動運転を基本とした簡易的なものとし、フィールドテストで必要な性能を満足することを確認しました。販売製品の完成に向けてさらなる改善を行っています。
⑦ 船舶上架施設のフルモデルチェンジを行いました。総合試運転を行い、得られた知見に加え従来の知見も活かしつつ、技術的な改善でより良い製品への進化を続けます。
(3)先端技術事業に関する研究開発
① 国の基準である道路橋示方書に対応した鋼橋設計システムにおいて、各種設計計算例や関連規定等への対応を進めております。また、システムの適用範囲の拡大やユーザから寄せられる要望へ応えるため、機能追加・改善を続けています。
② DXの推進に対する要請が高まっている中、当社グループでは、製作部門の生産性向上を目指し鋼橋設計システムから鋼橋製作情報システムへのデータ連携機能の開発に取り組んでいます。これは、国交省が推進し、建設業全体で取り組んでいる設計から維持管理までのデータ連携、活用に対応するものです。その他、3Dモデルデータなどを活用した施工計画業務の支援システム、画像認識AI(人工知能)技術による検査システム、生成AIを活用した業務効率化システムなど、生産性向上や品質確保と安全管理を支援するシステムの検討および開発を進めています。