文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、企業理念として
①人と地球に優しいEco-Logistics企業をめざします。
②パレットプールシステムにより物流に貢献する企業をめざします。
③お客様、社会から信頼される企業をめざします。
の3項目を掲げております。
(2) 長期ビジョン
”NEW CHALLENGES WITH CLIENTS” ~新たな挑戦 お客様とともに~
当社は、2022年5月に創立50周年という節目の年を迎え、まず10年後の当社のあるべき姿としての「長期ビジョン」を制定いたしました。そのブランドメッセージは”NEW CHALLENGES WITH CLIENTS”~新たな挑戦 お客様とともに~ であります。当社が更なる成長を遂げるために、新たな商品・サービスの開発は勿論のこと、新たな事業にも挑戦し、お客様のニーズに対応したソリューションビジネスを展開していく、という決意をメッセージに込めました。
当社が目指すべき姿は、「高品質な物流サービスの提供」、「物流の効率化」、「環境経営」に取り組み、社会やお客様に貢献できる企業であり、以下の4項目の重点項目に取り組んでまいります。
(長期ビジョンにおける4つの重点項目)
① 売上の拡大
支店、デポ、輸送などのネットワークやパレットプールシステム等の経営基盤を強化し、お客様の満足と信頼を得ることにより、レンタル・販売事業を拡大します。
② 環境経営の推進
グリーン調達や環境配慮商品・サービスの提供により、環境経営を推進します。
③ 新規事業の開発
当社の独自性を活かした新商品・サービスの開発に取り組むとともに、新たな事業に挑戦し、レンタル事業に続く第2の柱を育てます。
④ 職場環境の充実
従業員のマルチスキル化とIT化の推進により、更なる労働生産性の向上と快適で働きやすい職場環境を目指します。
これらの取組みによって、着実に成果を上げ、10年後の2031年度に売上高100億円以上、経常利益10億円以上を目指してまいります。
成長イメージ
(3) 経営3カ年計画2024
当社は、上記の「長期ビジョン」を踏まえて、中期経営計画「経営3カ年計画2024」を策定し、2022年4月1日より3年間に亘る取り組みを進めております。
本経営計画の基本的な考え方は、前経営計画の遂行中に洗い出した諸課題を解決するとともに、現在の経営環境を踏まえた方向性を定め、事業の更なる成長と企業価値の向上を目指すものであり、次の3項目の重点施策に取り組んでまいります。
(経営3カ年計画2024における3つの重点施策)
① コア事業の拡大と新規事業の展開
お客様ニーズに沿ったサービスの提供や物流機器類の商品ラインナップの拡充を図るとともに、パレット位置情報管理システム「フクLOW」付パレットの導入など新商品・サービスの拡販に取り組んでまいります。また、アライアンスによる新規事業への進出も検討してまいります。
② 事業運営体制の強化
全国約200カ所のデポの適正配置や、輸配送・回収業務の共同化、モーダルシフトの積極的展開などによる効率性向上を図ります。また、「フクLOW」システムの展開やRPAの推進、受発注・回収システムの導入などDXの推進にも取り組んでまいります。
③ ESG経営への取組み
内部統制機能の強化とコンプライアンスの徹底に取り組むとともに、環境保全活動や社会貢献活動にも積極的に取り組んでまいります。
(経営数値目標)
当社の「経営3カ年計画2024」の2022年度及び2023年度の進捗と最終年度である2024年度の目標数値は、以下のとおりとなります。なお、2022年度の終了時点で2024年度計画の営業利益、経常利益、当期純利益を達成したため、2023年度及び2024年度の目標数値は、2023年5月に公表したローリング版のものに変更しております。
[目標数値]
(2024年度の見通し)
国内経済につきましては、好調な企業収益を背景とした雇用・所得環境の改善や将来を見据えた設備投資の拡大等により景況感は回復しつつあるものの、人手不足の深刻化や物流コストの増加等に伴う物価上昇圧力も強く、本格的な景気回復が依然として見通しづらい状況にあります。
このような状況の中で、当社は「パレットプールシステムにより物流に貢献する企業をめざします」、「お客様、社会から信頼される企業をめざします」という企業理念の下、企業価値の向上を実現するため、
① お客様や社会の多様化するニーズに合わせたソリューションビジネスの展開
② パレットの位置情報管理システム「フクLOW」の活用による新たな事業領域の開拓
③ デポ(サービス拠点)の新設や大型機械設備の導入によるパレットの修理・洗浄機能の強化や運用効率の改善
④ アライアンスによる新規事業の展開
を推進し、事業基盤の強化を推進してまいります。
当社の今後の見通しにつきましては、石化製品の市況低迷に伴う生産調整の影響等で、主要な取引先である石油化学樹脂関連企業向けのレンタル需要が縮小傾向となる模様でありますが、一般顧客向けレンタルは2024年問題を受けて、荷役時間の短縮化に有効なパレットによる輸送需要の増加も期待され、増収基調で推移するものと見込んでおります。
他にも、JR貨物駅構内にデポを設置し、パレットのレンタル・返却を行う「駅パレ」サービスを展開するなど、新たなレンタル需要の開拓に努めるとともに、パワーアシストスーツの販売など商品ラインナップの拡充にも取り組み、売上高の拡大を目指します。
一方、支出面については、2023年度後半からレンタルが終了したパレットの回収・保管コストが増加する状況にありますが、高機能デポを中心とするローコストオペレーションを徹底し、収益の確保を図ってまいります。
以上の内容を踏まえて、2024年度の経営目標につきましては、売上高76億50百万円(前期比0.9%増)、営業利益10億50百万円(前期比34.8%増)、経常利益11億50百万円(前期比31.5%増)、当期純利益8億50百万円(前期比61.1%増)としております。
[資本政策]
当社は、「ROE」、「EPS」、「自己資本比率」の3つを資本政策の指標に掲げており、これら3つの指標のバランスを取りながら、攻めと守りの両面に配慮した経営を実施していく方針であります。
(4) 経営環境及び対処すべき課題等
レンタルパレットを取り巻く環境と課題について
日本国内で流通しているパレット枚数は推定5億枚とも言われておりますが、そのうち、レンタルパレットの保有枚数は主要各社計で2,652万枚(2022年度実績・一般社団法人日本パレット協会調べ)であり、全体の5%程度にすぎません。このような実態から、パレットの紛失・流出リスクや管理の煩雑さなど、パレット運用に伴う課題を抱えておられる「自社保有」のお客様が相当見込まれ、レンタルの事業領域は十分あるものと認識しております。
さらに、トラックドライバーに時間外労働の上限規制が適用される、いわゆる物流の「2024年問題」への対応策として、従来のバラ積み・バラ降ろしから「パレット化」による作業の生産性向上・効率化が喫緊の課題となっており、パレットによる輸送需要は順調に拡大していくものと予測しております。
一方、安全や衛生面上の理由から、レンタルパレットの品質に関するお客様からの要求水準が高くなってきております。現在、当社は全国に約200カ所のデポ(サービス拠点)を保有しておりますが、パレット運用の効率化とお客様のニーズに対応したネットワークの確立、及びパレットの修理・自動機械洗浄を行う高機能型デポなどインフラを整備することにより、品質とコスト両面での競争力の一層の強化を図ってまいります。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) ガバナンス
当社は、「2031年までに達成したい姿」である「長期ビジョン」を達成するため、経営の中核に「ESG経営」を重点施策として位置付けています。ESG経営を通じて、事業成長と社会のサステナビリティへの貢献を実現していきます。
当社は、「経営3カ年計画2024」において「NEW CHALLENGES WITH CLIENTS ~新たな挑戦 お客様とともに~」をビジョンに掲げ、ESG経営への強い意志を表明しています。事業活動をとりまく情勢は一層大きく変動することが予測されますが、そこで想定されるリスクの低減や、事業機会の創出を図るため、ESG戦略の重要性が一層高まっています。
当社のESG戦略は、「Environment」「Social」「Governance」の3つで構成されています。これらの取組みを確実に実行していくことで、社会のサステナビリティの実現を目指して展開した当社のESG活動が、リスクの低減や事業機会の創出につながり、ひいては事業成長を実現し、生まれた利益がステークホルダーや社会に還元されていくサイクルを形成していくと考えています。
現代の深刻な社会問題に対応し、サステナブルな社会を実現するためには技術革新が必須だと言われていますが、当社は新商品の開発に注力しており、革新的技術を組み込んだESG視点でのよきサービスは、当社の持続的な成長を支え、人、社会に大きなインパクトを与えることができると考えています。
なお、当社のESGに関する取り組みの詳細な情報については、2023年5月8日に公表したウェブサイト(URL https://www.npp-web.co.jp/company/pdf/rolling_edition_3years_management_plan2023.pdf)「経営3カ年計画2024(2023年4月 ローリング版)」をご参照ください。
(2) リスク管理
当社は、リスクの重要性をリスク・危機管理委員会で定期的にモニタリングしています。その中でも経営への影響が特に大きく、対応の強化が必要なリスクは、経営会議で適宜検討しています。
リスク・危機管理委員会のフロー図は次のとおりであります。
(3) 人材戦略
「人」は会社にとっての最大の資産です。多様な人材が集い、社員一人ひとりが持つ無限の可能性を引き出し、大きな活力を生み出すとともに、その活力を組織として最大限に活かす人的資本経営を進めています。仕事の達成や社会への貢献を通じて、個人と企業がともに成長する環境と風土づくりを推進しています。人材戦略に関しては、取締役会にて具体的な課題や施策(重要な組織の新設・改廃等)に関する検討と決裁を行っています。これらの活動は、経営推進本部長を責任者とし、関係部門と連携をとりながら進めています。当社は、「経営3カ年計画2024」の重点施策に「人材の強化」を掲げ、次の事項に取り組んでいます。
・従業員のマルチスキル化(多能工化)の推進
・ダイバシティの推進(女性管理職の登用、女性社員の積極的採用)
・中途採用による人材確保
・外部機関を活用した教育の推進
2022年10月に女性管理職1名を課長職に登用し、当事業年度においては該当ありません。今後、積極的に女性の採用・育成を行うことで、女性管理職人員が早期に管理職総人員の10%以上となるよう取り組みます。また、中途採用者については、当事業年度に4名採用し、内2名は課長職で採用しました。今後も異業種からの中途採用など多様な人材の確保に努めます。
会社の事業活動において、多様な人材が集い、一人ひとりが持てる能力と個性を最大限発揮できることが重要です。人材の流動性が高まる中、採用競争力が低下して計画通りの人材獲得が進まなくなること、社員の離職により組織の総合力が低下することが最大のリスクと考えています。社員に成長の機会を提供し、活躍しやすい環境を整えることで、リスク低減に努めています。
当社の経営成績、株価及び財務状況に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。
(1) 経済情勢の動向
当社の事業の特徴として、パレット等物流機器のレンタル収益の割合が高いため、景況感や企業収益の悪化等が原因によるお客様の物流コスト抑制傾向が、レンタル単価の低下圧力となって、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
レンタル以外の収益拡大を図るべく、当社と関係の深い日本通運株式会社、日本貨物鉄道株式会社の支援をいただきながら、トラック輸送・JRコンテナ輸送用フォールドデッキなどの物流関連商品の販売強化に努めてまいります。
(2) パレット仕入価格の変動
当社の貸与資産である木製・プラスチック製パレットを外部業者から定期的に購入しているため、原木不足や原油価格の高騰等が生じた場合、パレットの仕入価格が上昇します。仕入価格の増加分をレンタル単価へ転嫁することが充分に進まない場合、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。コントロールが難しい領域ではありますが、仕入先の分散化によって、仕入価格の変動リスクの緩和を図りながら、新造パレットを安定して調達できるよう努めております。
(3) 顧客市場環境の変化
当社の顧客企業の中で、特に石油化学樹脂関連企業向けのシェアが高いため、同業界の事業環境に左右されやすく、お客様の側において生産調整や在庫削減の動きが顕著となった場合、レンタル需要が低迷し、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、石油化学樹脂関連企業に次ぐ“売上げの柱”の確立を課題として取り組んでおります。具体的には、フォールドデッキやパワーアシストスーツ等の商品のラインナップの拡充や新たな料金プランのレンタル商品である「安心パック」、「長期安心くん」(※)等、お客様のニーズにお応えする価値を提供し、事業領域の拡大を図ってまいります。
(※)「安心パック」、「長期安心くん」とは、自社で保有されているパレットのレンタル利用への切り替えの阻害要因として、賠償負担を挙げられるお客様が多いことから、紛失・破損による損失リスクをあらかじめ織り込んだ料金設定としておき、限度内であれば返却時に賠償を不要とする内容のものであります。
(4) 貸与資産の回収不能
当社の主力事業である一貫パレチゼーションによるレンタル事業において、パレット等の貸与資産の所在を明確化するため、情報システムの活用による運用機能の充実と作業体制の改善による回収強化に取り組んでおります。しかしながら、顧客貨物の流通過程での貸与資産の所在を完全には把握できず、全量の回収は困難であることから、最終的に回収不能となる貸与資産が発生し、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
回収不能パレットの発生を最小限に抑えるため、各メーカー様のご協力を得ながら、最終需要家に長期滞留しているパレットの回収強化に積極的に取り組むとともに、「フクLOW」を活用して、紛失や不正利用の縮小を図ってまいります。
(5) 固定資産の減損
当社では、固定資産の減損に係る会計基準に従い、定期的に固定資産の減損の兆候を判定し、兆候がある場合は保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定して、減損損失の認識・測定を行っております。経営環境の著しい変化や収益状況の悪化等により、対象となる資産に減損損失を計上する必要が生じた場合は、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、各事業の採算性を的確に把握すべく、全国の営業・サービス拠点から情報の早期収集に努めるとともに、必要な措置を講じることで、当該リスクの低減を図っております。
(6) 情報システム及び情報セキュリティ
当社のIT推進部門においては、「システムリスク管理規程」「情報システムセキュリティ基本方針」「情報システムセキュリティ対策標準」を整備し、適切な利用環境の構築、及びeラーニング等を利用した従業員への教育に努めております。
しかしながら、想定を超えた水準の情報システムや通信における障害、近年、規模や頻度が拡大し巧妙化を続けるサイバー攻撃などによる機密情報の破壊、窃盗などは、当社の事業活動に深刻な影響を及ぼすだけでなく、経営成績や財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 人材の確保・育成
当社の社員構成において、日本通運株式会社及び日本貨物鉄道株式会社からの出向社員の比率が高く、社員の平均年齢も上昇傾向にあることから、今後、若年層・専門的人材が確保できずに事業の継続に支障が出る場合は、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社では、今後新規・中途採用を積極的に拡大し、人材の確保・育成を進めてまいります。
(8) 自然災害の発生
地震、津波、台風等の大規模な自然災害が発生した場合、サプライチェーンが寸断して、お客様に安定してレンタル商品を提供できなくなるなど、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社では、リスク・危機管理委員会を設置して、災害発生時の対応ルールを策定し、全社で徹底するなど、自然災害に対する被害・損害を最小限にするための危機管理体制の構築に取り組んでおります。
(9) 新型コロナウイルス感染症等の感染拡大
当社の従業員に新型コロナウイルス、インフルエンザ、ノロウイルス等の感染が拡大した場合、一時的に事業活動を停止せざるを得ないなど、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に世界的に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症に関しては、従業員に対し在宅のテレワークを推進し、ITサポート体制を拡充しております。また、オフィスにおける具体的な取り組み(定期的な室内換気、小まめな手洗い等)で従業員の安全と健康を最優先した対応を徹底することにより、感染リスクの極小化を図っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症に起因する行動制限が解除され、経済活動の正常化が進む中で、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、ウクライナ情勢の長期化によるエネルギー価格や原材料価格の上昇、円安の進行や物価高騰など、景気の先行きについては不透明な状況が続いております。
このような経営環境のもとで、物流現場の労働環境改善のニーズ等を取り込んだことにより、一般顧客向けのパレットや機器のレンタルは堅調に推移しましたが、主要取引先である石油化学樹脂関連企業において在庫調整が進み、当期下半期以降、レンタル数量が前期比で減少し、当事業年度のレンタル売上高合計は前期比6百万円(0.1%)減の68億88百万円となりました。しかしながら、販売売上高が前事業年度実績を大きく上回ったため、当事業年度の売上高総額は前期比1億88百万円(2.5%)増の75億82百万円となりました。
費用面につきましては、前事業年度におけるパレットの購入数量の増加や購入単価の高騰の影響による減価償却費の負担増に加え、レンタル終了パレットの返却増に伴い、パレットの在庫保管やメンテナンス等にコストが増加したことから、営業費用は前期比3億93百万円(6.1%)増の68億3百万円となりました。
この結果、営業利益は7億78百万円(前期比20.9%減)、経常利益は8億74百万円(前期比21.7%減)となりました。また、当期純利益は、フクLOW事業に係る固定資産の減損処理を行ったことから、5億27百万円(前期比36.7%減)となりました。
(流動資産)
当期末における流動資産の残高は、26億39百万円(前期比6億59百万円増)となりました。
これは主に現金及び預金(前期比7億14百万円増)が増加したことによります。
(固定資産)
当期末における固定資産の残高は、85億64百万円(前期比15億57百万円減)となりました。
これは主に貸与資産(前期比15億44百万円減)が減少したことによります。
(流動負債)
当期末における流動負債の残高は、30億95百万円(前期比6億71百万円減)となりました。
これは主に未払消費税等(前期比2億66百万円増)は増加したものの、買掛金(前期比3億47百万円減)、未払金(前期比2億24百万円減)、1年内返済予定の長期借入金(前期比2億23百万円減)及び未払法人税等(前期比1億14百万円減)が減少したことによります。
(固定負債)
当期末における固定負債の残高は、17億66百万円(前期比7億31百万円減)となりました。
これは主に長期借入金(前期比4億10百万円減)及び長期未払金(前期比3億20百万円減)が減少したことによります。
(純資産)
当期末における純資産の残高は、63億41百万円(前期比5億4百万円増)となりました。
これは主に利益剰余金(前期比4億60百万円増)が増加したことによります。
当期末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は14億62百万円となり7億14百万円増加いたしました。
営業活動の結果増加した資金は32億12百万円(前期は31億65百万円の収入)となりました。
これは主に、税引前当期純利益7億89百万円、減価償却費24億3百万円等によるものであります。
投資活動の結果減少した資金は14億19百万円(前期は36億12百万円の支出)となりました。
これは主に木製パレットをはじめとする貸与資産の増備及び取替え等に要した支出15億83百万円等によるものであります。
財務活動の結果減少した資金は10億79百万円(前期は4億46百万円の収入)となりました。
これは主に長期借入れによる収入3億円が長期借入金の返済による支出9億33百万円及び割賦債務の返済による支出3億78百万円を下回ったこと等によるものであります。
キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
*自己資本比率:自己資本/総資産
*時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
*債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
*インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.各指標は、いずれも財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株式終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは、キャッシュ・フロー計算書の営業キャッシュ・フローを使用し、有利子負
債は貸借対照表に計上の利子を支払っている全ての負債を対象としております。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社はパレットレンタル事業のみの単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載に代えて、種類別の記載をしております。
当社は、パレットレンタル業を営んでいるため、生産及び受注については該当ありません。
当社の営業の主力を占める賃貸用資産の保有高(取得価額)は次のとおりであります。
(注) その他物流機器については、その形状、種類が一様でないため、数量の記載を省略しております。
当事業年度の種類別内訳を示すと次のとおりであります。
(注) その他物流機器については、その形状、種類が一様でないため、数量の記載を省略しております。
当社はパレット及び物流関連機器等の賃貸並びに販売を全国の事業所を通じて行っております。
(注) 1.販売数量は、販売形態及び取扱品目が多岐にわたり表示が困難なため記載を省略しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。また、この財務諸表の作成にあたる見積りにつきましては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で行われている部分があります。
これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高総額は、75億82百万円で前期比1億88百万円(2.5%)の増収となりました。これは、主要取引先である石油化学樹脂関連企業のレンタル数量減少の影響等により、レンタル売上高が前期比6百万円(0.1%)の減収となったものの、パレットや機器等の販売売上高が前期比1億97百万円(65.8%)の大幅増収となったことが主な要因であります。
(売上原価・売上総利益)
当事業年度の売上原価は、57億25百万円で前期比4億円(7.5%)の増加となりました。これは、販売原価の増加、及び前事業年度におけるパレットの購入数量の増加や購入単価の高騰の影響により減価償却費が増加したことが主な要因であります。
この結果、売上総利益は18億57百万円で、前期比で2億11百万円(10.2%)減少しました。
(販売費及び一般管理費・営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、10億78百万円で前期比6百万円(0.6%)の減少となりました。前事業年度に計上したフクLOW事業の推進のための経費の減少が主な要因であります。
この結果、営業利益は7億78百万円で、前期比で2億5百万円(20.9%)減少しました。
(営業外損益・経常利益)
当事業年度の営業外損益は、紛失補償金による収益が減少したこと等により、前期比37百万円(28.1%)の減少となりました。この結果、経常利益は8億74百万円で、前期比で2億42百万円(21.7%)減少しました。
(特別損益・当期純利益)
当事業年度の特別損益は、社用資産の売却益を計上する一方で、フクLOW事業に係る固定資産の減損処理を行ったことから、前期比97百万円(782.9%)の減少となりました。この結果、当期純利益は5億27百万円で、前期比で3億5百万円(36.7%)減少しました。
③ 経営戦略の現状と今後の見通し
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況及び1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営3カ年計画2024」に記載のとおりであります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の当事業年度のキャッシュ・フローは「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の運転資金需要のうち主なものは、貸与資産の回送や修理・洗浄等のメンテナンス費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備資金需要は、パレット等の貸与資産の取得によるものであります。
当社の資金調達の源泉は、主に営業活動によって獲得した現預金であり、売上高の約1.0カ月分を安定的な経営に必要な手元預金水準としており、それを超える分については銀行等の金融機関からの借入と合わせて、運転資金及び設備資金に配分することとしております。このうち借入による資金調達に関して、運転資金については短期借入金で、貸与資産を中心とする設備投資については、長期借入金、割賦契約に基づく長期未払金により調達しております。
なお、当事業年度末における借入金及び長期未払金(割賦)を含む有利子負債の残高は36億67百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は14億62百万円となっております。
また、株主還元については、財務の健全性に配慮しながら「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載の方針に則って実施してまいります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。