当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは「水と人とのやさしいふれあい」を経営理念とし、地球環境保護にポンプ事業及びそれに附帯する事業を通じて貢献することを目指す上で、「創造・調和・情熱」を大切にし、独自の技術で広く社会に新しい流れを生み出し、熱意と信頼の和を育み人の心に潤いを提供し、柔軟な発想と独創性のもと常に前向きにチャレンジすることを基本方針としております。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、創業100周年を迎えた2024年3月期までの3年間における中期経営計画「NEXT100」のもと活動を実行してまいりました。そして、次の100年へ向け経営基盤を更に強化すべく、「NEXT100」をより“シンカ”(深化、新化、進化)させた新たな中期3ヵ年経営計画「Transformation2027」を2030年に向けて取り組むべきマテリアリティを踏まえた当社グループが目指すべき姿へのフォアキャスティングと位置づけ、「ものづくり」を軸とした改革を進めながら様々な課題に挑戦し、事業活動を通じて持続的な社会と企業価値向上の実現を目指すことを基本方針とします。
国内部門におきましては、近年益々重大な影響が懸念される異常気象への対策として、災害復旧用水中ポンプの供給体制をさらに強化するほか、2023年4月より発足しました『ものづくり革新プロジェクト』の中核事業として、当社のマザー工場である京都工場の新棟建設と、京都工場内設備への投資を行っております。本プロジェクトへの投資により、モータ内製化実現、最新設備の導入による生産効率向上や事業継続計画(BCP)対策の強化を図ります。
また、海外部門におきましては、グローバル戦略による経営基盤の強化を当社グループの最重要の経営課題と位置づけ、世界各国の多様なニーズに対応するために、設備産業分野に強みを持つイタリアのポンプメーカーであるZENIT INTERNATIONAL S.P.A.への追加出資に向けた諸活動を展開しております。当該課題への対応を通じて、当社グループの長期的な成長基盤・収益基盤の拡大に結びつけ、企業価値向上の実現を図ってまいります。
さらには、サステナビリティの実現に向けて、新ブランドスローガン「For The Earth, For All The People」という当社グループ共通の価値観の下、持続可能な社会の実現に向けて「地球」そして「かかわるすべての人」この2つの軸を中心として、社会の課題解決に貢献してまいります。
・資本コストや資本収益性を意識した経営を行うことにより、業績向上及びROEの向上を図ります。長期的(2030年3月期まで)にはROE10%以上を目標としております。
・1株当たり年間配当金につきましては連結配当性向30%以上を目標とし、さらなる利益成長ならびに株主還元に努めてまいります。
当社グループは、長期経営計画「Tsurumi Vision 2030」を策定しておりますが、まず当社が2030年に向けて取り組むべきマテリアリティを設定し、そのマテリアリティを踏まえた目指すべき姿・提供する価値はマテリアリティと相関関係にあり、事業活動を通じて持続的な社会と企業価値向上の実現を目指してまいります。
(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題
当社グループを取り巻く経営環境につきましては、新型コロナウイルス感染症の取り扱いが5類へ引き下げられ、経済社会活動の制限が解除された一方で、ロシア・ウクライナ情勢やイスラエル・パレスチナ情勢の更なる緊迫化、原材料価格やエネルギー価格をはじめとした物価上昇の再加速やそれに伴う金融引き締め政策の強化、長引く人手不足、為替レートの急激な変動などが、日本経済そして世界経済に多大な影響を及ぼすことが懸念され、景気の先行きが不透明な状況は今後一定期間は継続するものと予想されます。
しかしながらそのような状況の中で、当社グループは社会インフラに直結した製品を提供していること、また上記の通り、異常気象等に伴う災害から国民生活を守るための製品を提供していることなどもあり、需要減少の影響は現状では軽微であると考えます。当社グループにおきましては、本年度よりスタートする新中期3ヶ年経営計画「Transformation2027」のもと、施策を確実に実行し、当社グループ製品が社会インフラに対して必要不可欠なものであるという責任を十分に踏まえた上で、万全な体制で製品を供給し続けることができるよう努めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、水を通じて100年にわたり地球環境と社会を支える活動を行ってまいりました。近年、世界で持続可能な開発に向けた様々な課題解決が求められるなか、「社会」・「環境」をメインの課題とした活動をスタートしております。
2021年には持続可能な社会の実現に向けて、より積極的な活動に取り組むためSDGs推進室(現 戦略企画部)を発足いたしました。当該部門においてESG推進を一つのテーマとして活動しております。当社グループは「For The Earth, For All The People」をブランドスローガンとして掲げ、健全な管理体制の下、時代の変化を機敏に捉えて地球環境と社会に配慮した企業活動を推進することによって、持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。
For The Earth, For All The People
地球のために、かかわるすべての人のために
Earth 地球のために
●ISO14001に基づく環境マネジメントシステム
●環境長期目標「Green Plan 2030」達成に向けたCO2削減取り組み
・Scope1:電気自動車・ハイブリッド車への入替えや暖房の電化による燃料使用量削減
・Scope2:太陽光発電設備の導入による創エネや事業拠点での再エネ利用
・Scope3:高効率・省エネ製品の提供によるCO2削減
●環境関連機器提供による水資源への貢献
People かかわるすべての人のために
●社会インフラ整備や災害対策に貢献する信頼性の高い製品・ソリューションの提供
●従業員の成長と働きがいの向上
・自律型人財の育成
・エンゲージメントの向上
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進
・健康経営の推進
●スポーツ支援の推進
・カヌースポーツの普及活動
・バスケットボールを通じた地域貢献活動
(1)ガバナンス
取締役会
気候関連問題に関する重要事項を判断する取締役会のトップは株式会社鶴見製作所の代表取締役社長であり、気候関連問題の責任者になります。取締役会は、経営会議や取締役会の下に設置される各委員会の報告を受け、協議・決定事項についてレビューを行っております。
サステナビリティ戦略委員会
サステナビリティ戦略委員会は、サステナビリティ関連のリスク・機会における課題・対応策の協議・承認を行うために設置しております。委員長は常務取締役管理部門統括が務め、委員長がテーマに応じて役員および従業員等を委員として都度招集(年1回以上)します。GHG排出量の推移やリスクへの緩和策・適応策に関する協議・決定事項は取締役会へ定期的(年1回以上)に報告し、レビューを受けております。
リスク管理委員会
リスク発生の可能性を認識した上で、取締役会と所管部署との連携を密にして情報の共有化を図るために、リスク管理委員会を設置しております。委員長は常務取締役管理部門統括が務め、委員長がテーマに応じて役員および従業員等を委員として都度招集(年1回以上)します。不正を含めたリスク評価を行う仕組みとなっており、リスク対策の協議・決定事項は取締役会へ定期的(年1回以上)に報告し、レビューを受けております。また、必要に応じて会計監査人、弁護士等の助言指導を受けております。
(2)戦略
戦略検討は主要なリスク・機会を抽出した後、シナリオ分析を実施しました。シナリオは、IPCCの第6次評価報告書やIEAのWEOを参照して1.5℃および4℃シナリオを想定し、2030年時点における各シナリオ下での事業環境と対応策を検討しました。なお、検討は毎年度実施しており、開示内容は社内外の環境・情報の変化を踏まえた検討結果となります。
IPCC:気候変動に関する政府間パネル
IEA :国際エネルギー機関
①リスク・機会の抽出
②シナリオに基づく評価と対応策
想定したシナリオ
・1.5℃シナリオ(IPCCのSSP1-1.9シナリオやSSP1-2.6シナリオ、IEAのNZEシナリオを参照)
世界のCO2排出量ネットゼロを達成するために、厳しい規制や技術革新が行われ、脱炭素社会への移行に伴う市場や顧客嗜好変化が事業に影響を与える環境を想定
・4℃シナリオ(IPCCのSSP3-7.0シナリオやSSP5-8.5シナリオ、IEAのSTEPSシナリオを参照)
世界の気候変動対策の取り組みに差があるため、規制や技術革新は大きなものにならない一方で、気温上昇・降雨などの気候変動による社会の変化が事業に与える環境を想定
③財務インパクト評価、④対応策設定
シナリオ分析による主要なリスクと対応策
リスク |
財務インパクト |
対応策 |
時間軸 |
炭素税の導入 |
小 |
1.5℃シナリオ下では炭素税が課される可能性があります。生産におけるGHG排出量は企業成長に伴って増加するため、炭素税が課された際には減益インパクトが大きくなります。 当社は、環境長期目標「Green Plan 2030」を掲げており、自社の生産におけるGHG排出量を2030年時点で50%削減することを目指しております。具体的なGHG排出量の削減策として、太陽光発電設備の導入や再エネの利用拡大、電気自動車・ハイブリッド車への入替え等を行い、気候変動の緩和に貢献していくと同時に炭素税導入時のコスト抑制を図っております。 |
短~長期 |
浸水被害等による 物流寸断・生産停止 |
中 |
ハザードマップによる想定最大規模での浸水想定と洪水被害想定のシミュレーションを用いて、被害額を算定しています。1.5℃/4℃シナリオ下ともに2030年度時点での気温上昇は1.5℃と予測され、このときの洪水発生頻度は約2倍と予測されていますが、自社拠点の被災よりもサプライチェーン寸断リスクの可能性が高いと想定しております。 自社拠点においてはBCP対策として設備のレジリエンス強化や部品の共用化を進めつつ、サプライチェーン寸断リスクに対しては主要部品の内製化を推進することで部品供給体制の強化を図ってまいります。 |
短~中期 |
抽出したリスクについて検討した結果、当社事業において気候変動関連の対応が困難なリスクは見つかりませんでした。炭素税に関しては、当社はScope1およびScope2を把握し、ポイントとなるGHG排出源を特定しております。現在は、環境長期目標とその達成に向けたGHG削減策をISO14001に落とし込むことで高い実効性の下、取り組みを推進しております。サプライチェーン寸断リスクに関しては、物流拠点の整備や主要な生産部品の内製化に向けた投資を実行しており、リスク低下に繋げております。
シナリオ分析による主要な機会と対応策
機会 |
財務インパクト |
対応策 |
時間軸 |
降雨強度増加による 販売機会の増加 |
中 |
2030年度時点における日本の降雨強度変化は1.1倍と予測され、日本国内ではBCP対策等の適応策に貢献する製品売上が増加する可能性があります。既存の製品ラインアップと、これまで積み重ねてきた知見に基づくソリューション提案による案件獲得に向けた活動を進めるとともに、顧客ニーズの多様化に対して製品開発やサービス・サポート体制の拡充などを行ってまいります。また、経済成長が見込まれる海外市場においても気候変動の影響や市場トレンドを把握し、売上拡大を目指してまいります。 |
短~長期 |
電源構成の変化による販売機会の増加 |
小 |
電力分野についてはネットゼロに向けた化石燃料に依存した発電の減少が予想される一方で、地熱・バイオマス発電への真空ポンプ需要や太陽光発電に付随する雨水調整池への水中ポンプ需要の増加が想定されます。また、CCUやCCUSといった新技術での需要を見込んでおり、関連する市場を注視してまいります。 |
短~中期 |
日本国内をはじめとして官民ともにBCP対策のための水ポンプ需要は大きくなると考えられます。また、発電分野においては、CCUやCCUSといった新技術の中で当社製品の需要が高まる可能性があります。このように気候変動による水災害リスクの増加やカーボンニュートラルに向けたCO2削減技術の進展は、気候変動への緩和策・適応策としての当社製品のニーズを高め、大きな事業機会になることがわかりました。これらの動向を注視して機会の最大化を目指してまいります。
リスクおよび機会の分析結果から、1.5℃および4℃シナリオのいずれにおいても、当社は高いレジリエンスを有していると判断しております。
⑤人的資本への取り組み
当社は2030年度に向けたマテリアリティとして、“従業員の成長と働きがいの向上”を掲げております。鶴見製作所として価値を創出する根源は“人”であると考えており、従業員の成長意欲を高めながら、働きがいのある職場環境を整備してまいります。
・自律型人財の育成
職務遂行に必要な「意識」と「スキル」を段階的に高めることで、当社の持続的な発展を担う基幹人財を中長期的に育成・輩出していく方針です。さらに管理専門職に必要な多面的視点を養うため、若手・中堅社員におけるジョブローテーションを積極的に展開してまいります。
具体的には、市場と価値観の変化に応じたテーマで視座を高め、ディスカッションを通して交流を促す「階層別研修」と各職種それぞれの専門知識を高める「技術・生産系教育」を軸に、システム要員向けのデジタル研修、資格取得や自己研鑽を促す通信教育、豊かな人生設計を啓発するDC継続教育など各種プログラムを織り交ぜる形で、1人1人の「成長を動機づける」人財育成に取り組みます。
・エンゲージメントの向上
当期より「上司の部下に対する働きかけ」を測定し、働きかけが少ない可能性がある上司に対してフォローアップ研修を実施しております。また、自発的な意思を尊重した人事異動を目的として社内公募制度を開始するなど、適材適所かつ機動的な人財運用によりエンゲージメントの向上を目指してまいります。
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進
当社グループが継続的に発展していくため、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを重要な課題と捉え、働きがいも含めた職場の価値を高める活動として女性活躍の推進・ワークライフバランスの実現・障がい者雇用等を推進しております。
具体的には、女性活躍の推進として女性社員が就業意欲をもって長く働き続け、その個性と能力を十分に発揮できるような組織を整備することで、女性活躍推進法に基づく行動計画の実現を目指します。
また、ワークライフバランスの実現として、社員がやりがいを感じながら職務を果たす一方で、子育て・介護・地域社会、自己啓発等との両立をサポートするため、次世代育成支援対策法に基づく行動計画の実現を目指します。
さらには、2021年4月1日に設立した特例子会社ツルミテクノロジーサービスのビジネスサポート部に、様々な業務に従事できる環境を整備することで、障がい者の自立と社会参加をより確かなものとする雇用推進に努めております。
(3)リスク管理
当社は、サステナビリティ所管部署が気候関連のリスクを抽出し、シナリオ分析を用いて評価しております。この抽出・評価プロセスは毎年度実施しております。特定したリスクおよび機会とその評価をサステナビリティ戦略委員会が再度議論したのち、取締役会に報告しております。同様にリスク管理委員会は評価した事業リスクを取締役会に報告しております。
取締役会においては、各委員会での報告事項を踏まえて、中期経営計画をはじめとした企業戦略等について協議・策定しており、自社のサステナビリティを巡る取り組みを考慮した上で、経営資源の配分や戦略実行について、適切に監督しております。
(4)指標及び目標
①気候変動
当社は、気候変動関連の評価指標として、GHG排出量の削減率とGHG排出原単位の削減率を用いております。
目標として環境長期目標「Green Plan 2030」を掲げ、企業活動のあらゆる側面からGHG排出量の削減に取り組んでおります。取り組みについては、具体的な活動内容をISO14001での環境活動に整合させ、計画的に削減施策を実行しております。
Green Plan 2030
1.自社の活動におけるGHG排出量を2030年までに2014年度比で50%削減
2.サプライチェーンの活動におけるGHG排出原単位を2030年までに2014年度比で30%削減
2023年度の実績
自社活動におけるGHG排出量(Scope1 + Scope2) :2,638 t-CO2e (基準年度比削減率24.2%)
GHG削減の主な取り組み
・電気自動車やハイブリッド車への入替えによるガソリン削減
・米子工場の空調設備の更新による灯油削減
・中部支店の太陽光発電設備の導入による創エネ
・再エネ利用拠点:大阪本店、東京本社、東北支店、四国支店、北関東支店、高崎営業所
CDPスコア(気候変動):B⁻
CDPは、気候変動対応の戦略を評価する国際的な団体で、企業の開示情報分析し、8段階(A~D⁻)で評価しております。当社の評価「B⁻」スコアは、マネジメントレベルとされ「自社の環境リスクやその影響を認識し、行動している」ことを示しております。
②人的資本
・自律型人財の育成
当社は、当期におきましては、階層別研修(下表15講座、受講対象延べ277名)においてアセスメントを用いた「自己特性の理解」を導入するとともに、通信教育(ファイナンス、マーケティング、イノベーション分野)及び、社外セミナー(アサーティブコミュニケーション、クリティカルシンキング)を併用することで、市場や価値観の変化に応じたプログラムを提供しました。また、社内の状況をよく知る社内講師を積極的に活用し、Value(行動・判断の基準となる価値観)の共有・浸透に力を入れました。
階層別研修一覧
研修名 |
実施目的 |
社内 講師 |
アセス メント |
通信 教育 |
外部 セミナー |
新任取締役 教育プログラム |
経営戦略、財務戦略、情報ツールの技術動向、会社法、企業倫理等を学び、高い次元で経営課題の解決に臨む視点を習得する。 |
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〇 |
〇 |
執行役員候補者 教育プログラム |
論拠を意識した討議演習を通じて「意思決定の質」を高めると共に、部門長に期待される目線を習得する。 |
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|
〇 |
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マネジメント スキル研修 |
管理専門職1級(昇格後3年目)と管理専門職2級(昇格後2年目)が受講対象であり、将来の幹部候補者として必要な素養を身につけるとともに、自らのマネジメント・レベルの理解を進める。 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
管理専門職1級 昇格者研修 |
マネジメントの基礎理論や労務管理の学びを進め、組織運営者としての意識を高める。 |
〇 |
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|
〇 |
新任支店長・ 所長研修 |
支店長・所長の基本姿勢および、経営資源(人・物・金・情報・時間)の管理に関する知識を習得する。 |
〇 |
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人事考課者研修 |
新たに人事考課を行う役割に任じられた者(管理専門職、営業所長、リーダー職)が対象であり、人事考課に求められる考え方を実践的な模擬考課を通じて習得する。 |
〇 |
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人事考課者 フォローアップ 研修 |
部下への働きかけ方やマネジメントを行う上での阻害要因の解決法についてケーススタディとディスカッションを通じて、マネジメントのあるべき姿を模索する。 |
〇 |
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中堅社員研修 |
総合職・技能職6級昇格者が対象であり、アセスメントを通じた職務特性の理解を進め、5年後を見据えたキャリアデザインを行うとともに、討議ファシリテートを通じた価値創造プロセスを理解する。 |
〇 |
〇 |
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5級昇格時研修 |
総合職・技能職5級昇格者が対象であり、小集団におけるリーダーシップを考察するとともに、上司・先輩を補佐する役割を理解する。 |
〇 |
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若手社員研修 |
入社3年目および、社会人歴5年未満のキャリア入社総合職が対象であり、入社時からの経験の棚卸を行うとともに、所属部署にさらに貢献できるよう、スキルアップを志す意識を高める。 |
〇 |
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新入社員 フォローアップ研修 |
入社1年目の社員が対象であり、社会人基礎力の定着を確認するとともに、2年目に向けて「所属部署で期待される役割」を考察する。 |
〇 |
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若手社員 育成セミナー |
新入社員とキャリア入社総合職の所属長が対象であり、職場導入教育の進め方(OJT管理シートの活用、指導のポイント)を学ぶ。 |
〇 |
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OJT担当者 研修 |
担当者の指導スキル向上を目指すとともに、新入社員が「成長を実感できる環境」の考察を深め、指導ノウハウの集積・活用を促す。 |
〇 |
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新入社員研修 |
当社理念、事業の沿革、事業戦略、コンプライアンス、社内規程、製品の基礎知識など、ツルミ社員として必要な基礎知識を習得する。 |
〇 |
|
〇 |
〇 |
キャリア職研修 |
当社理念、事業の沿革、事業戦略、コンプライアンス、社内規程、製品の基礎知識など、ツルミ社員として必要な基礎知識を習得する。 |
〇 |
|
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また、技術・生産系教育では、技術系教育プログラム(受講対象282名)に専門教育(Eラーニング)を導入し、イノベーティブな技術開発に繋げる取り組みを進めるとともに、社内で蓄積された知見や経験則をまとめたWEB教材を一元的に提供する新システム「ツルミオンライン」に169講座を移管しており、当期より本格運用を開始し全社員の95%がツルミオンラインを活用して学習を行っております。
当期達成目標 |
目標 |
実績 |
技術系教育プログラムEラーニング (対象者282名) |
延べ 受講 |
延べ 受講 |
・エンゲージメントの向上
当期の上期より「上司の部下に対する働きかけ」を測定し、働きかけが少ない可能性がある上司に対してフォローアップ研修を実施し、フィードバックの質の向上を目指した結果、受講者のうち78%が部下に対する働きかけに改善が見られました。
また、フィードバック面談実施調査票では、回答者814名のうち、88%が面談におけるフィードバックに納得し、モチベーションが高まっています。
この他、自発的な意思を尊重した人事異動を目的として社内公募制度を開始しました。初年度は4職種の募集を行いました。第74期には、10職種の社内公募を行い、適材適所かつ機動的な人財運用によりエンゲージメントの向上を目指します。
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進
女性活躍推進法に基づく行動計画
計画期間 |
2021年4月1日 ~ |
目標 |
全部門に女性総合職を配置する。( |
取り組み内容① |
新卒入社後3年間の人事異動・育成方針を人事主導で実施 |
取り組み内容② |
女性の積極的採用・職群転換の実施 |
次世代育成支援対策法に基づく行動計画
計画期間 |
2023年4月1日 ~ |
目標① |
育児休業取得までの手順の整備・見直し及び制度の周知を行い、 |
取り組み内容 ①-1 |
男性社員向けの育児休業取得面談シートを作成し、スムーズに取得・復帰できるような職場環境を整える。 |
取り組み内容 ①-2 |
育児休業取得までの手順及び制度については、イントラネットにより周知徹底を図り、会社全体で育児休業の取得を支援していく風土を醸成する。 |
目標② |
時間単位の年次有給休暇制度を導入し、年次有給取得の促進を図る。 |
取り組み内容② |
時間単位の年次有給休暇を管理できるシステムを整え、規程化し、従業員の様々な事情に合わせて柔軟に休暇を取得できる環境を整える。 |
関連する各種指標
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2022年3月期 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
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平均年齢 |
女 |
41.1歳 |
41.3歳 |
41.8歳 |
男 |
41.0歳 |
41.0歳 |
41.1歳 |
|
|
6% |
22% |
|
|
|
13% |
14% |
|
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育児休業取得率 |
女 |
100% |
100% |
100% |
男 |
57% |
46% |
46% |
|
|
2.42% |
2.42% |
|
働きやすい職場環境の整備を積極的に推進した結果、以下の評価をいただいております。
評価実績
認定時期 |
内容 |
マーク |
2016年~ |
大阪市「女性活躍リーディングカンパニー」認証 |
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2018年~ |
名古屋市「子育て支援企業」認定 |
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2019年~ |
新潟県「ハッピーパートナー企業」登録 |
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2021年~ |
「名古屋市ワーク・ライフ・バランス推進企業」認定 |
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2021年~ |
「えるぼし」(2つ星)認定 |
|
2023年~ |
健康経営優良法人2024 (大規模法人部門) |
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今後もさらなる推進を図ってまいります。上記の他、女性管理職比率及び男女間賃金格差につきましては、「
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクを以下に記載しております。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、取締役会と所管部署との連携を密にし情報の共有化を図っております。また、コンプライアンス管理委員会・リスク管理委員会を設置し、不正を含めたリスク評価を行う仕組みとしており、リスク発生の低減、リスク対策を検討するとともに必要に応じて監査等委員である取締役、会計監査人、弁護士等の助言指導を受けております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)事業環境について
当社グループの当連結会計年度におけるセグメントごとの売上高構成比(セグメント間取引消去前)は、日本が60.6%、北米が15.9%、アジアが15.3%、その他の地域が8.2%となっており、当社グループが製品を販売している地域及び国の経済状況の影響を受けます。特に、我が国の公共投資や民間の設備投資動向の影響等により、当社グループの業績が変動する可能性があります。
また、市場競争の激化に伴う販売価格の下落及びエネルギー、素材価格の高騰により当社グループが調達している原材料や部品が値上げとなった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2)研究開発について
当社グループは、市場ニーズに合致した新製品の開発を行っておりますが、かかる新製品を提供することができない可能性があります。当社グループがこれらの製品を提供できなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3)法的規制等について
当社グループの主な事業は、ポンプを核とした関連機器を製造販売しており、通商、独占禁止、知的財産、製造物責任、環境・リサイクル関連の法的規制を受けております。また、事業を展開する各国においては事業・投資の許可、国家安全保障またはその他の理由による輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等さまざまな政府規制の適用を受けております。これらの規制の動向によっては業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)訴訟等について
当社グループは、国内及び海外事業に関連して、訴訟、紛争、その他の法律的手続の対象となるリスクがあります。訴訟等の内容や結果によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)有価証券投資による影響について
有価証券の投資は、価格変動リスク、信用リスク、為替金利変動リスク、元本毀損リスク等のさまざまなリスクを有しており、有価証券投資が当社グループの業績、キャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。
(6)減損について
当社グループは、当社グループが保有する固定資産について、資産又は資産グループに減損が生じている可能性を示す事象(減損の兆候)が識別された場合、将来の事業計画等を考慮して、減損損失の認識の判定を行い、回収可能価額が帳簿価額を下回ることとなった場合は、回収可能価額まで減損処理を行うこととしております。そのため、経営環境の著しい悪化等が見込まれ減損の兆候が生じた場合、減損損失の認識の判定の結果、減損損失の計上が必要となり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの事業展開においては、出資を行い持分を取得する場合があります。取得原価が、取得時の時価純資産持分相当額を超える部分について、その超過額をのれん相当額として認識しており、のれん相当額は、減損の兆候があると判断された場合には、割引前将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて減損損失を計上するかどうかの判定を行うこととしております。そのため、将来の経営環境の変化等により、回収可能価額が帳簿価額を下回ることとなった場合には、減損損失の計上が必要となり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
個別財務諸表においても財政状態の悪化や取得後の超過収益力等の減少により実質価額が著しく低下し、回復可能性が事業計画等により認められない場合は評価損の計上が必要となり、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)為替変動による影響について
当社グループは、外貨建輸出入取引において主に米貨建で決済しており、為替レートの変動による影響を受け易くなっております。
為替変動リスクに対して、外貨建輸入取引の決済通貨を主に米貨建とすると共に為替予約取引や通貨スワップ取引を利用することにより、為替変動による業績への影響を低減するよう努力しておりますが、大幅な為替変動が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(8)退職給付債務について
当社グループの確定給付企業年金制度における退職給付費用及び退職給付債務の算出において、割引率等数理計算上の前提条件や年金資産の長期期待運用収益率等が変化し、退職給付債務及び年金資産が変動することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、企業年金の積立金の運用が、従業員の安定的な資産形成に加えて、自らの経営成績及び財政状態にも影響を与えることを考慮し、専門知識や相応の経験を有するなど、適切な資質を持った人材の計画的な登用・配置などの取り組みを行っております。また、当社グループは企業年金運用の専門性を高め、アセットオーナーとして期待される機能を発揮できるよう努めるとともに、政府の規制等を踏まえ、適宜制度の見直しを検討・実施しております。
(9)自然災害について
想定外の大規模地震・津波・洪水等の自然災害や火災等の事故災害、感染症の流行、その他の要因による社会的混乱等が発生したことにより、当社グループや主要取引先の事業活動の停止または事業継続に支障をきたす事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえ、在宅勤務、オフィス分散、時差出勤等、従業員の安全と健康を最優先にした対応の徹底や、日本、中国、台湾、ベトナムにおける複数地域でのグローバル生産による製品供給リスク分散化の推進等により、企業としての社会的責任を遂行できる体制の構築に努めております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の取り扱いが5類へ引き下げられ、経済社会活動の制限が解除された一方で、原材料価格やエネルギー価格の高止まり、長引く人手不足や為替レートの急激な変動などの要因により、景気の回復傾向が鈍化するなど、依然として先行き不透明な状況で推移しました。また、世界経済におきましても、一部地域でのインフレによる消費抑制や、欧州・アジア諸国などで景気減速が一段と進行するなど、今後も予断を許さない状況となっております。
このような状況の中で当社グループは、中期3ヶ年経営計画「NEXT100」の最終年度として、施策を確実に実行し、当社グループ製品が社会インフラに対して必要不可欠なものであるという責任を十分に踏まえた上で、万全な体制で製品を供給し続けることができるよう努めました。
当社グループの当連結会計年度の売上高は、急激な円安の影響による円換算後の外貨建ての売上が上振れしたことにより62,629百万円と前連結会計年度と比べ6,410百万円(11.4%)の増収となりました。
売上原価は、上記のとおり円安に伴い売上が上振れした影響等により原価率が改善したものの、原材料価格の高騰及び売上高の増加に伴い、前連結会計年度に比べ4,033百万円(11.2%)増加し40,162百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、給料及び手当の増加等により、前連結会計年度に比べ699百万円(5.5%)増加し13,525百万円となりました。
これらの結果、営業利益は8,941百万円と前連結会計年度と比べ1,677百万円(23.1%)の増益となりました。
経常利益は、当連結会計年度において、営業外収益に円安に伴う為替差益2,625百万円を計上したこと等により12,638百万円と前連結会計年度と比べ3,647百万円(40.6%)の増益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、当連結会計年度において特別利益に補助金収入222百万円を計上したこと、また、特別損失に連結子会社である株式会社アロイテクノロジーの事業に係る固定資産の減損損失672百万円を計上したこと等により8,288百万円と前連結会計年度と比べ2,026百万円(32.4%)の増益となりました。
当連結会計年度末の資産につきましては115,351百万円と前連結会計年度末に比べ16,350百万円増加しました。
これは、主に現金及び預金が9,018百万円、売掛金が1,100百万円、当連結会計年度において継続中の当社京都工場の新棟建設等により有形固定資産が3,720百万円、投資有価証券が1,953百万円それぞれ増加したことによるものであります。この他、影響額は軽微であるものの連結範囲の変更による増減がありました。
負債につきましては25,155百万円と前連結会計年度末に比べ4,316百万円増加しました。
これは、主に1年内返済予定の長期借入金が1,050百万円、未払法人税等が555百万円、長期借入金が1,791百万円、繰延税金負債が547百万円それぞれ増加したことによるものであります。
純資産につきましては90,195百万円と前連結会計年度末に比べ12,034百万円増加しました。
これは、利益剰余金が7,306百万円、その他有価証券評価差額金が1,521百万円、為替換算調整勘定が2,494百万円それぞれ増加したことによるものであります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
日本
建設機械市場におきましては、レンタル業界向けに省エネタイプの小型水中ポンプの受注が堅調に推移しました。また、敷鉄板の自動洗浄装置やIoT活用による遠隔始動排水システムを新たに発売するなどし、省人化製品の需要も増加しました。設備機器市場におきましては、工具工場市場において持続可能性や効率性への関心が高まっていることから省エネ省人化製品の需要増加やBCP対策製品の販売実績が伸び、プラント市場においては更新需要の増加及び豪雨対策等のインフラ整備関連事業の受注は拡大したものの、全体として売上高は減少しました。なお、当連結会計年度より、重要性が増したため、株式会社アロイテクノロジーを連結の範囲に含めております。これらの結果、売上高は49,903百万円と前連結会計年度と比べ817百万円(1.6%)の減収となりました。
セグメント利益は、売上高の増加及び急激な円安に伴い、円換算後の外貨建ての売上・利益が上振れした影響等により6,385百万円と前連結会計年度と比べ762百万円(13.6%)の増益となりました。
セグメント資産は、当社京都工場の新棟建設等により有形固定資産が増加したこと等により61,873百万円と前連結会計年度末と比べ4,556百万円増加しました。
北米
北米地域におきましては、特に建設レンタル市場での受注増加や鉱山市場における設備投資拡大傾向の影響がある一方、2024年11月に予定されている米国大統領選挙や、インフレ環境の下での需要低迷の懸念などから買い控え傾向がありましたが、円安に伴う売上高の増加があり、全体の売上高は増加しました。この結果、売上高は13,105百万円と前連結会計年度と比べ713百万円(5.8%)の増収となりました。
セグメント利益は、人件費等の経費の増加もあり、1,576百万円と前連結会計年度と比べ118百万円(7.0%)の減益となりました。
セグメント資産は、13,649百万円と前連結会計年度末と比べ592百万円増加しました。
アジア
アジア地域におきましては、タイでの水処理物件の受注や香港でのインフラ需要などが堅調に推移したものの、全体的には需要拡大は落ち着きを見せ、売上高は減少しました。この結果、売上高は12,601百万円と前連結会計年度と比べ1,888百万円(13.0%)の減収となりました。
セグメント利益は、売上高の減少の影響もあり、900百万円と前連結会計年度と比べ461百万円(33.9%)の減益となりました。
セグメント資産は、17,082百万円と前連結会計年度末と比べ1,567百万円増加しました。
その他
中国地域におきましては、設備市場の需要が堅調に推移し、売上高は増加しました。なお、当連結会計年度より、重要性が増したため、TSURUMI AUSTRALIA PTY LTDを連結の範囲に含めております。この結果、売上高は6,697百万円と前連結会計年度と比べ1,893百万円(39.4%)の増収となりました。
セグメント利益は、売上高の増加及び原価低減の効果等により、967百万円と前連結会計年度と比べ305百万円(46.2%)の増益となりました。
セグメント資産は、連結範囲の変更等により7,447百万円と前連結会計年度末と比べ829百万円増加しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が12,153百万円の計上となり、営業活動による資金は9,534百万円の収入超過、投資活動による資金は5,914百万円の支出超過、財務活動による資金は1,483百万円の収入超過となり、現金及び現金同等物に係る換算差額2,017百万円及び新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額256百万円を調整した当連結会計年度末の資金は26,813百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は9,534百万円と、前連結会計年度に比べ6,568百万円増加しました。
これは主に、棚卸資産の増減額が5,775百万円、税金等調整前当期純利益が3,249百万円それぞれ増加した一方で、売上債権の増減額が1,690百万円、為替差損益が902百万円それぞれ減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は5,914百万円と、前連結会計年度に比べ3,259百万円増加しました。
これは主に、当社京都工場の新棟建設等に伴う有形固定資産の取得による支出が3,117百万円、定期預金の預入による支出が1,867百万円それぞれ増加した一方で、関係会社株式の取得による支出が1,960百万円減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は1,483百万円と、前連結会計年度に比べ1,529百万円減少しました。
これは主に、自己株式の取得による支出が777百万円減少した一方で、長期借入れによる収入の減少により2,000百万円の収入減となったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
日本 |
17,536 |
102.2 |
北米 |
- |
- |
アジア |
4,985 |
68.6 |
その他 |
4,002 |
126.7 |
合計 |
26,524 |
96.2 |
(注)1 据付工事費は生産実績に含めて表示しております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しておりません。
3 金額は、製造原価によっております。
b 受注実績
当社グループの製品は殆ど汎用品のため概ね需要予測による見込生産であります。
c 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
日本 |
38,571 |
107.1 |
北米 |
13,105 |
105.8 |
アジア |
6,241 |
109.6 |
その他 |
4,710 |
221.8 |
合計 |
62,629 |
111.4 |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりであります。
(財政状態)
当連結会計年度の財政状態の状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(経営成績)
当連結会計年度の経営成績の状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、価格競争が激化している中で原材料価格の上昇が懸念され、原材料価格の上昇を製造原価、販売費及び一般管理費のコスト削減で吸収できない場合、利益面に重要な影響を及ぼす可能性があります。
さらには、新型コロナウイルス感染症の取り扱いが5類へ引き下げられ、経済社会活動の制限が解除された一方で、ロシア・ウクライナ情勢やイスラエル・パレスチナ情勢の更なる緊迫化、原材料価格やエネルギー価格をはじめとした物価上昇の再加速やそれに伴う金融引き締め政策の強化、長引く人手不足、為替レートの急激な変動などが、日本経済そして世界経済に多大な影響を及ぼすことで、当社グループの各セグメントの業績に影響を与える可能性があります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、安定的な財務体質と高い資本効率を両立しつつ、企業価値向上のため、長期的な視野に立った積極的な事業展開に備えたキャッシュ・フローを確保し、株主還元として安定した配当を行うことを財務戦略の基本方針としております。株主還元を充実させていくため、原則として連結損益を基礎とし、特別な損益の状態である場合を除き、連結配当性向の水準を30%程度とし、安定的・継続的な利益還元に努めてまいります。なお、当連結会計年度の1株当たり年間配当は50円、連結配当性向は14.8%であります。
主な資金需要としましては、営業活動上の運転資金のほか、競争激化に対処しコスト競争力を高めるための設備投資や新しい市場を創造できる魅力ある新製品の研究開発のための資金、また安定的な配当金の支払等を見込んでおります。
当社グループは必要な資金を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。投資額は営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則としておりますが、銀行からの借入を一部行っております。
また、主要な金融機関とは良好な取引関係を維持しており、加えて安定的な財務体質を有していることから、事業の維持拡大に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実施可能であると認識しております。
当社グループの当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは9,534百万円、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリーキャッシュ・フローは3,620百万円となり、当連結会計年度末において現金及び現金同等物を26,813百万円保有しております。また、換金性の高い金融資産も保有していることから、将来の予測可能な資金需要に対して不足が生じる懸念は少ないものと認識しており、流動性を確保しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、当社が主体となり、設備市場向け及び建設市場向け各種関連機器の研究開発を継続的に行っております。
当連結会計年度に発生した研究開発費の総額は
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
(1)日本
当社グループの生産活動としては、国内グループ会社においてステンレス及びハイクロムの鋳造工場において、水中ポンプの部品製作を開始し、以前から取り組んでおります3D造形技術によって短納期・高精度・高品質のものづくりを実現しております。また、国内主力工場である京都工場において、水中モータ生産及び生産性向上を目的とした新工場棟を建設しております。
研究開発活動としては、設備市場向け及び建設市場向け各種関連機器の研究開発を行っており、設備市場向けでは、豪雨水害対策や排水能力増強に対応した排水ポンプ、カーボンニュートラルや資源循環などの環境に配慮した水中ポンプ・水処理機器・液封式ポンプの研究開発を行っております。
建設市場向けでは、大規模工事用の高揚程大水量ポンプや近年需要が大きく増加している海外鉱山用ポンプなど、耐久性ならびに環境に配慮した水中ポンプの研究開発を行っております。
その他、ターボ機械関連の流体・強度・振動の計測・分析・解析技術や3Dプリンタを用いた最新のものづくり力について、技術向上と実用化を推進しております。
当連結会計年度における研究開発費の金額は
(2)北米
該当事項はありません。
(3)アジア
該当事項はありません。
(4)その他
該当事項はありません。