当社は、2022年度の不安定な国際情勢による燃料価格や卸電力市場価格の高騰により、電力供給コストが電気料金収入を大きく上回る状態であったため、2023年4月以降、電気料金の見直しを実施した。あわせて、社長を委員長とする経営基盤強化推進委員会のもと、カイゼン活動やDX(デジタルトランスフォーメーション)などの取り組みを通じ、効率化・コスト低減を一層強力に進めてきた。
2023年度の連結経常損益は、電気料金の見直しに加え、燃料費等調整制度の期ずれ影響が収支の好転に大きく寄与したこと、さらにカイゼン活動・DXの推進や期中における収支改善に取り組んだことなどにより、前連結会計年度の損失から1,165億67百万円増の873億15百万円の利益となった。
ほくでんグループは「ほくでんグループ経営ビジョン2030」の達成に向けて取り組んでいる。また、「新たな事業ポートフォリオ」の実現による収益基盤の拡大を図るとともに、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて最大限挑戦している。
<「ほくでんグループ経営ビジョン2030」における利益・財務・環境目標>
<新たな事業ポートフォリオ>
カーボンニュートラルの要請の高まりや次世代半導体工場などの進出による中長期的な道内電力需要の増加など経営環境の変化を的確に捉え、ほくでんグループの強みを活かして力強く成長していくため、新たな事業ポートフォリオを定め、2024年3月に公表した。発電・送配電・小売といった「既存領域」の事業については、経営の効率化などに引き続き取り組みながら着実に実施していく。また、エネルギーの脱炭素化やサービスの多様化などの社会やお客さまのニーズを捉え、グループの強みを活かした新たなビジネスモデルを構築していく事業分野を「変革領域」と位置づけ、果敢に挑戦することで、収益基盤を拡大していく。
<2050年カーボンニュートラルの実現に向けた挑戦>
2021年4月公表の『ほくでんグループ「2050年カーボンニュートラル」を目指して』の実現に向けて最大限挑戦している。「発電部門からのCO2排出ゼロ」を目指すとともに、さまざまな分野で電化の流れを創出する好機と捉え、グループワイドでの収入拡大につなげていく。
さらに、脱炭素化と経済の活性化や持続可能な地域づくりを目指して北海道が推進する「ゼロカーボン北海道」の実現に向け、幅広い連携や協働を実践していく。
[2024年度の取り組み事項]
(1) 新たな事業ポートフォリオを踏まえた価値創出の取り組み
① 既存領域における利益拡大
北海道の豊かな自然や再生可能エネルギー発電事業の適地としてのポテンシャルを背景に、次世代半導体工場や大型データセンターをはじめとする企業進出が計画されており、中長期的には道内の電力需要規模の大幅な増加が見込まれる。ほくでんグループは、責任あるエネルギー供給の担い手として安定的な電力供給を全うしつつ、新たな大規模需要を獲得していく。
また、RE100※1への対応に活用いただける電気料金メニューや再生可能エネルギー電源によるPPAサービス※2など、お客さまのカーボンニュートラル実現に向けたニーズにお応えするサービスをさらに拡充し、契約の獲得につなげていく。
※1 RE100:企業が事業活動に必要な電力の100%を再生可能エネルギーで賄うことを目指す枠組み
※2 PPAサービス:当社が発電設備をお客さま敷地内外に設置・所有し、発電した電力をお客さまへ供給するサービス(Power Purchase Agreement)
原子力発電は、燃料供給の安定性、長期的な価格安定性を有するなど、電力の安定供給の確保に資するとともに、技術的に確立した脱炭素電源としてカーボンニュートラルの実現に向けて最大限貢献する重要な基幹電源である。
2023年6月、泊発電所の新規制基準の適合性審査において、基準地震動について「おおむね妥当な検討がなされている」との評価をいただいた。引き続き、早期再稼働の実現に向けてその他の審査項目についても総力を挙げて対応していく。また、2024年3月に着工した新たな防潮堤の設置工事を着実に実施していくとともに、審査の状況や当社の取り組み等についても積極的に情報発信していく。
福島第一原子力発電所のような事故を決して起こさないとの強い決意のもと、原子力事故のリスクを一層低減するよう継続的に取り組んでおり、毎年、「泊発電所安全性向上計画」を策定し、公表している。新規制基準への適合はもとより、「世界最高水準の安全性」を目指し、不断の努力を重ねるとともに、泊発電所の安全性についてご理解いただけるよう努めていく。
② 既存領域の変革による事業領域の拡大
再生可能エネルギー電源の導入拡大について、まずは経営ビジョンで掲げた目標である「2030年度までに30万kW以上増」を早期に達成し、その後も積極的な積み増しを図る。また、燃焼時にCO2を排出せず、カーボンニュートラルの実現に向けて重要な役割を果たす水素・アンモニアの利活用を進めていく。
また、再生可能エネルギーアグリゲーション※や蓄電所制御、PPAサービスなどのソリューションサービスの組み合わせにより、新たなビジネスモデルの構築を進めている。さらに、道産品販売サービスや電気のご使用量データを活用した見守りサービスなど、お客さまや地域とのコミュニケーションを通じて、お困りごとや社会課題の解決につながるさまざまなサービスを提供していく。
※ 再生可能エネルギーアグリゲーション:複数の再生可能エネルギー発電設備等を束ねることで、発電計画と実績の差が生じないような運用や発電した電力の取引等を行うこと
当社は、グループ会社とともに、北海道のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)コンサルティングのトップランナーとして、ビルや工場、学校などのカーボンニュートラルや省エネ・電化拡大、快適性向上に取り組んでいる。2023年11月、道内最大となる当社提案のZEB物件であるCOCONO SUSUKINOがオープンした。
③ 生産性・付加価値の向上
経営基盤強化推進委員会のもと、カイゼン活動、DX及び資機材調達コストの低減などの取り組みを通じ、効率化・コスト低減を一層強力に進めている。これにより、既存領域から変革領域へのリソースシフトを促し、ほくでんグループ全体の成長につなげていく。
カイゼン活動では、高い効果が期待できる大型カイゼンプロジェクトの確実な推進や、グループ会社へのさらなる展開などを強力に進め、生産性4倍増を目標に着実に成果を積み上げていく。DXについては、投資対効果が高い案件や業務高度化案件を優先して実施していく。また、調達検討委員会のもと、工事計画の策定段階など効率化余地が大きい上流プロセスから工事主管部門と資機材調達部門が一体となり「上流調達活動」を推進するなど、資機材調達コスト低減等の取り組みを進めている。
(2) 持続可能な成長を支える取り組み
① カーボンニュートラルの実現に向けた取り組み
発電における脱炭素化に向けては、泊発電所の早期再稼働を目指している。あわせて、再生可能エネルギー電源の導入拡大についても、道内各地で風力発電事業の前提となる風況調査を実施し事業化を検討していくとともに、森発電所に続く地熱発電事業の展開に向け、他企業と共同で開発調査を進めていく。また、当社やほくでんエコエナジー株式会社が所有する水力発電所のリプレース等を実施し、貴重な水資源の有効活用を進めている。
再生可能エネルギー電源の導入拡大を進めるうえで調整力等を担う火力発電の脱炭素化が重要である。苫小牧東部エリアにおいて、CO2を回収、有効活用、貯留するCCUS(Carbon Capture,Utilization and Storage)の実現に向けた調査を進めるとともに、燃料としてのアンモニア活用や道内外の他産業への供給が可能なアンモニア供給拠点の構築に向け検討を進めている。加えて、水素の利活用に向け、2023年5月に運転を開始した水素製造設備において、運用・保守のノウハウ確立に取り組んでおり、2024年2月には、苫小牧西部エリアにおいて国産グリーン水素サプライチェーン構築事業の実現に向けた検討を開始している。
② 電力の安定供給確保に向けた取り組み
S+3E(安全性の確保を大前提に、エネルギーの安定供給、経済効率性、環境適合)の観点からバランスの取れた、競争力のある電源構成の構築に取り組むとともに、2050年のカーボンニュートラルを見据えた電源構成の検討を進めていく。
当社及び送配電事業を担う北海道電力ネットワーク株式会社は、北海道や道内全179市町村の間で「大規模災害時における相互協力に関する基本協定」を締結し、災害時における停電の早期復旧に向けた体制を強化した。災害対応力のさらなる向上を図ることにより、グループ一体で北海道内における電力の安定供給とレジリエンス(災害等に対する回復力・復元力)向上に取り組んでいる。
北海道電力ネットワーク株式会社においては、安定供給の確保と再生可能エネルギーの接続拡大を両立する次世代型電力ネットワークの構築に向けて取り組んでいく。
③ ESG(環境・社会・ガバナンス)に関する取り組み
ほくでんグループは「人間尊重・地域への寄与・効率的経営」の経営理念のもとで持続的な成長を続けていくために、ESGを重視している。
発電における脱炭素化、電化拡大など需給両面での取り組みにより、カーボンニュートラルの実現に向けて最大限挑戦するとともに、CO2排出量の削減方策など環境関連情報を積極的に開示し、ステークホルダーのみなさまとの対話を推進していく。森林の再生や林業の人材育成支援等を目的とした植樹や、子供たちの「科学する心」を培うことを目的に多様なテーマの実験を行うおもしろ実験室の開催、北海道の未来を担う小学生を対象にSDGs教育の支援を目的とした出前授業を実施しており、今後も地域に密着した支援を積極的に行っていく。
また、地域のみなさまとの対話を通じ、地域の課題克服や経済発展に向けて共に新たな価値を創り上げる「共創」を進めていく。2023年11月に設置した事業共創推進室を中心に、当社の強みと他企業の技術やノウハウを掛け合わせ、一次産業や観光、福祉といった分野から積極的に事業化を図っていく。
2024年3月、従業員のさらなる活躍と能力の最大化に向けてほくでんグループ人材戦略を定めた。従業員一人ひとりが行っている仕事やサービス、それらに関するルール・技術・ノウハウといった今ある価値を高めながら、新たな価値を生み出していく企業風土の創造を目指す。その実現に向けて、必要なスキルを身に付け、自律的に挑戦・変化していく人材の育成と、多様な人材が互いに認め合い、働きがいと成長を感じながら活躍する環境の整備に取り組んでいく。多様な視点や価値観が事業領域を拡げ、持続的に成長していく原動力になり得ると認識し、ダイバーシティ&インクルージョンを推進する。また、当社と北海道電力ネットワーク株式会社は、「健康経営優良法人(ホワイト500)」に5年連続で認定されており、一人ひとりの健康づくりや働きやすい職場づくりに向けた活動を積極的に展開している。
持続的な企業価値向上の実現に向けて、2024年1月、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた検討状況を公表した。PBR向上に向けて、新たな事業ポートフォリオに基づき、ROICの向上や利益の最適配分等の方策を講じていく。
当社は、以上の取り組みを通じて企業価値の向上を図るとともに、北海道の発展と持続可能な社会の実現に貢献していく。
なお、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであるが、将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在において判断したものである。
ほくでんグループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
ほくでんグループは事業の持続的な成長と持続可能な社会の実現に向け、ESG(環境・社会・ガバナンス)を含むサステナビリティについての取り組みを重視している。サステナビリティを巡る社会の動向など、経営に与える影響が大きいリスクや収益機会を整理し、役付執行役員(社長執行役員、副社長執行役員、常務執行役員)等で構成する業務執行会議において審議を行ったうえで、取締役会において年度経営方針を策定している。
(2)重要なサステナビリティ項目
重要なサステナビリティ項目である人的資本及び気候変動対策に関する考え方及び取組は、次のとおりである。
① 人的資本
ほくでんグループにおける主要な事業を営む当社及び北海道電力ネットワーク株式会社は、雇用管理を両社一体的に実施しているため、以下の事項は、当社と北海道電力ネットワーク株式会社の人的資本に関する方針を記載している。
a. 戦略
当社及び北海道電力ネットワーク株式会社は、経営戦略の実現に向けた取組を推し進める原動力である、従業員のさらなる活躍と能力の最大化に向けて「ほくでんグループ人材戦略」に基づき、人材育成や環境整備に取組んでいる。
ⅰ.人材育成方針
人材育成においては、電力の安定供給の使命を今後もしっかりと果たしていくために、従業員のスキル・ノウハウ等の維持・向上を一層支援していく観点から、各部門・各職場におけるOJTの強化に加え、意欲ある従業員の学びを促進する研修・通信教育の拡充を進めていく。
また、将来的に求められる人材ポートフォリオと現状のギャップを把握し、適切な解決策(採用・育成・配置等)を検討・実施していくため、タレントマネジメントシステムにより人材のスキルや経験等を的確に把握・管理し、緊急性が高い重要な案件に関しては、迅速に人材を配置できる仕組みを構築している。今後は、部門を問わず重要な管理職ポストを担うことのできる全社的な広い視野と経営的な判断力を有する人材の育成にも注力していく。
さらに、人材確保にあたっては、経験者採用の拡大に向け、過去に退職された方を対象として、他フィールドで得た経験や知見を活かし両社にて再び活躍いただく「カムバック採用」や、社員からの紹介を通じて両社の取組に共感いただける方を採用する「リファラル採用」といった新たな採用手法も導入し、多様な人材の確保に努めているほか、女性採用比率の向上に向け、女子学生をターゲットにした企画(女性向け座談会や女性社員による個別アプローチ等)の実施や、身近な存在として学生の動機付けを行うため、OB・OGによる研究室・ゼミ訪問を強化する等の取組を進めている。
ⅱ.社内環境整備方針
「ほくでんグループ人権方針」において、ほくでんグループの事業活動に関わる全ての方々の人権の尊重を表明するとともに、人権に関する国際的規範・原則、及び各国のビジネスと人権に関する国別行動計画(NAP)を支持・尊重している。そして「人権委員会」において、人権問題に関する継続的な教育の推進、人権デュー・ディリジェンスの実施や救済メカニズムの運用について検討を推進し、ほくでんグループの事業活動における人権への負の影響の予防・軽減に努めている。
また、多様な視点や価値観が社内に存在することは持続的な成長に向けた強みとなり得ると認識し、性別・入社歴・国籍等にとらわれず人材の多様性の確保に努めている。管理職候補となり得る女性社員の情報交換等を目的とした交流会の開催や、経験者採用により入社した従業員に入社前後のギャップや悩みを聞き取り、必要に応じて個別に対応する等の取組を実施しているほか、障がいをお持ちの方が一層活き活きと働ける環境整備を進め、グループ全体で障がい者雇用の拡大に努めている。さらに、高い技術力や知見を備えた人材に長く継続的に力を発揮してもらうため、2018年4月から、技術・技能継承を支える高いスキルを有する従業員を対象に、満70歳まで特別に雇用を延長する制度を導入する等、適宜、制度の整備・充実を図っており、今後は社員の定年年齢(現行60歳)の65歳への引き上げ等の検討を進めていく。
加えて、在宅勤務制度の対象者・適用回数等の拡充や時間単位休暇の取得要件拡大等、従業員にとってより一層働きやすい環境の整備を進めてきた。従業員一人ひとりの健康を経営の重要なテーマに定め、誰もが心身ともに健康な状態で働き続けることで満足度や働きがいを高め、取引先や地域社会の健康増進にも貢献しつつ、当社の持続的成長につなげることをめざした健康経営に取組んでいる。取組にあたり、人事労務担当役員が統括する健康経営推進委員会を設置するなど、各種健康経営諸施策や労働安全確保に繋がる活動を推進している。そうした取組が評価され、経済産業省と日本健康会議が認定する「健康経営優良法人(ホワイト500)」に5年連続で認定されている。
b. 指標及び目標
雇用管理を一体的に実施している当社及び北海道電力ネットワーク株式会社においては、前記「a. 戦略」において記載した人材育成方針及び社内環境整備方針に関連する指標のデータ管理や具体的な取組を行っているものの、ほくでんグループに属する全ての会社において行っていないため、ほくでんグループにおける記載が困難である。このため、次の指標に関する目標及び実績は、ほくでんグループにおける主要な事業を営む当社及び北海道電力ネットワーク株式会社のものを記載している。
<人材育成方針に関わる指標及び目標>
2024年3月31日現在
(注) 1 当社と北海道電力ネットワーク㈱は、雇用管理を両社一体的に実施しているため、当該指標の実績値や目標値についても両社一体で算出している。また、実績欄の( )内は目標値を示している。
2 目標値については、当社及び北海道電力ネットワーク㈱において現状で設定しているもののみ記載している。
3 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律及び次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画(2023年4月1日~2026年3月31日)に基づく目標値である。
4 自発的離職率は、2023年4月1日時点の在籍従業員のうち、2024年3月31日までに自発的に離職(自己都合)した従業員の比率である。
<社内環境整備方針に関わる指標及び目標>
2024年3月31日現在
(注) 1 当社と北海道電力ネットワーク㈱は、雇用管理を両社一体的に実施しているため、当該指標の実績値や目標値についても両社一体で算出している。また、実績欄の( )内は目標値を示している。
2 目標値については、当社及び北海道電力ネットワーク㈱において現状で設定しているもののみ記載している。
3 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律及び次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画(2023年4月1日~2026年3月31日)に基づく目標値である。
4 障がい者雇用率については、障害者雇用促進法第43条第7項に基づき公共職業安定所に報告している「障害者雇用状況報告書」に記載している2023年6月1日現在の雇用率である。
5 大規模法人のうち、保険者(健康保険組合等)と連携して優良な健康経営を実践している法人を日本健康会議において認定・公表する制度で、このうち上位500法人が「健康経営優良法人」(通称「ホワイト500」)として認定される。
6 労働災害度数率:延べ100万労働時間あたりの労働災害による休業1日以上の死傷者数を示し、災害の発生頻度を表す。
② 気候変動対策
a. ガバナンス及びリスク管理
社長を委員長とする環境委員会において気候変動対策を含むほくでんグループの重要な環境施策を議論する体制としており、同委員会での議論を踏まえ、気候変動対策を含むほくでんグループの経営方針や重要な環境施策について業務執行会議において審議を行い、特に重要な事項は必要に応じて取締役会に付議している。
リスク管理については、ほくでんグループの経営方針等の管理サイクルのなかで、気候変動に伴うリスクを含め、リスクの体系的な把握、対応方策の立案、実施の確認等を行い、リスクの発現防止と低減に努めている。
b. 戦略
気候変動に伴うリスクと機会を検討するにあたり、IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)の公表データが示す1.5℃シナリオや4℃シナリオを参照している。カーボンニュートラルの要請の高まりや次世代半導体工場等の進出による中長期的な道内電力需要の増加といった経営環境の変化を的確に捉え、新たに定めた事業ポートフォリオ等を踏まえて、気候変動に伴うリスクと機会を特定した。
<気候変動に伴うリスク>
<気候変動に伴う機会>
[発現・実現時期] 長期:10年超、中期:10年程度、短期:5年程度
[影響・貢献度] 大:100億円超/年、中:10億~数十億円/年程度、小:数億円/年程度
※気候変動に伴うリスク・機会の影響評価は、ほくでんグループ全体で実施。
<気候変動に伴うリスク・機会の財務影響(試算)>
<ほくでんグループの事業基盤である北海道における気候変動に伴う機会>
北海道における再生可能エネルギー発電事業の適地としてのポテンシャル等を背景に、次世代半導体工場や大型データセンターをはじめとする企業進出が計画されており、中長期的には道内の電力需要規模の大幅な増加が見込まれる。
また、北海道の家庭部門のエネルギー消費に着目すると、積雪寒冷といった地域特性から、冬季の暖房使用等を背景に石油系エネルギーへの依存度が全国よりも高く、北海道は脱炭素に資する電化率向上のポテンシャルが大きい。
c. 指標及び目標
「カーボンニュートラル2050ロードマップ」の取組を推進することにより、CO2排出削減目標の達成を目指していく。
<CO2排出削減目標>
<排出実績>
(注)1 Scope1、2の範囲は当社及び北海道電力ネットワーク㈱分を計上している。
2 Scope1、2の2023年度実績は、今後公表する「
<カーボンニュートラル2050ロードマップ>
・ほくでんグループはカーボンニュートラルの実現に向けて、あらゆる手段を総動員していく。
ほくでんグループの業績に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには以下のようなものがある。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月27日)現在において判断したものである。
ほくでんグループでは、これらのリスクを認識した上で、発現の回避や発現した場合の対応に努めていく。
(1) 原子力発電の状況
泊発電所の安全確保を経営の最重要課題と位置づけ、社長のトップマネジメントのもと、「安全性向上計画」に基づき、安全性のより一層の向上に取り組んでいる。具体的には、原子力発電所の新規制基準への適合はもとよりさらなる安全性・信頼性向上に向けた安全対策工事や、重大事故などを想定した原子力防災訓練の実施など、安全対策の多様化や重大事故等対応体制の強化・充実に取り組んでいる。また、2024年3月には泊発電所の津波対策として新たな防潮堤の設置工事を開始した。
泊発電所の再稼働に向けて、新規制基準の適合性審査への対応に取り組んでおり、「基準津波の策定」「降下火砕物(火山灰)の層厚の評価」「燃料等輸送船の漂流防止対策」「津波により防波堤が損傷した場合の影響評価」などへの対応を進めている。
しかしながら、今後の審査の状況などによって泊発電所の停止がさらに長期化し燃料費の増大が続く場合などには、業績に影響が及ぶ可能性がある。
(2) 設備障害・供給支障
発電設備や流通設備については、点検・保守の着実な実施などによる設備の信頼性維持や、安定的な燃料調達、資機材サプライチェーンの維持管理に努めているが、自然災害や故障等により設備に障害が生じた場合、燃料供給や資機材サプライチェーンの途絶により設備の運転・維持管理が困難になる場合には、その復旧工事や発電所の停止に伴う他の発電所の焚き増しなどのために費用が増加するなど、業績に影響が及ぶ可能性がある。
(3) 電気事業を取り巻く制度の変更等
電気事業のさらなる競争活性化等を目的とした市場やルールの整備・見直しなど、国の制度変更により、業績に影響が及ぶ可能性がある。
原子力発電に伴う原子力バックエンド事業は、超長期にわたる事業であり不確実性を伴うが、使用済燃料の再処理や放射性廃棄物の処分のために必要となる費用については、法令等に基づき定められた単価を用いて算定した金額を拠出する制度が措置されており、廃炉の実施に必要となる費用については、法令等に基づき定められた金額を拠出する制度が措置されている。これらの制度措置により、事業者のリスクは軽減されているが、当該制度が見直される場合は、業績に影響が及ぶ可能性がある。
(4) 気候変動に関する影響
気候変動への関心が高まる中、発電部門からのCO2排出量について、2030年度までに2013年度比で50%以上低減させることを目標としており、さらに2050年までには排出量ゼロを目指して挑戦していく。そのための取り組みとして、再生可能エネルギーの導入拡大や安全確保を大前提とした泊発電所の早期再稼働、経年化した火力発電所の休廃止に加え、水素・アンモニアの利活用やCCUSの導入といった火力発電所の脱炭素化を進めていく。
また、需要側に対して電化を推進するとともに、電化が難しいお客さまには再生可能エネルギー等で製造したクリーン水素の活用を提案することにより、電力以外のエネルギーについてもCO2削減に貢献していくことで、2050年度の北海道におけるエネルギー全体のカーボンニュートラルの実現に向けても最大限挑戦していく。
しかしながら、カーボンプライシングなどの地球温暖化対策に関する環境規制の強化、脱炭素化に的確に対応できない場合における競争力の低下などにより、業績に影響が及ぶ可能性がある。
(5) 燃料・卸電力市場価格の変動
燃料調達費用については、燃料価格や為替レートの変動による影響を、電力購入費用については、卸電力市場価格の変動による影響を受ける。そのため、バランスのとれた電源構成を目指すとともに、長期契約・スポット調達の組み合わせや調達先など契約方法の多様化、デリバティブ取引の活用などにより価格変動リスクの分散・回避に努めている。また、自社による発電と電力市場取引による電気の調達を経済合理性の観点から最適に組み合わせることで費用低減を図っている。
低圧のお客さまには燃料価格の変動を一定の範囲内で反映する燃料費調整制度、高圧・特別高圧のお客さまには卸電力市場価格の変動についても反映する燃料費等調整制度を適用することにより、燃料・卸電力市場価格の変動による業績への影響は緩和される。
(6) 電力需要・販売電力量の変動
景気の悪化などによる経済活動・生産活動の低下、省エネルギーの進展、人口の減少、気温の影響などにより電力需要が減少した場合や、他事業者との競争激化により販売電力量が減少した場合には、業績に影響が及ぶ可能性がある。
(7) 降雨降雪量の変動
年間の降雨降雪量により、豊水の場合は燃料費の低減要因、渇水の場合は燃料費の増加要因となることから、業績に影響が及ぶ可能性がある。
なお、「渇水準備引当金制度」により一定の調整が図られるため、業績への影響は軽減される。
(8) 金利の変動
今後の市場金利の動向によっては新たな資金調達に係るコストが増加し、業績に影響が及ぶ可能性がある。
なお、2023年度末におけるほくでんグループの有利子負債は全て固定金利で調達していることから、金利の変動による利息支払額の変動リスクはない。
(9) 電気事業以外の事業
電気事業以外の事業については、事業内容の事前評価、事業運営の適切な管理に努めているが、事業環境の悪化などにより、当初の見込みどおりの事業遂行が困難になる可能性がある。
(10) 感染症の拡大
電力の安定供給確保に向け、感染症の拡大を防止する対策を実施しているが、感染拡大により業務遂行への支障が生じた場合は、業績に影響が及ぶ可能性がある。
(11) コンプライアンスの遵守
「ほくでんグループCSR行動憲章」や「コンプライアンス行動指針」を定め、法令やコンプライアンスの遵守を徹底するとともに、コンプライアンスに関わる取り組みを円滑かつ効果的に推進するため、社長を委員長とする「企業倫理委員会」を四半期毎に開催し、外部有識者が取り組みの有効性を確認している。また、北海道電力ネットワーク株式会社においては「行為規制等遵守委員会」を設置し、外部有識者による評価・提言を基に行為規制等の遵守に向けた取り組みの実効性を高めるとともに、一般送配電事業の中立性・信頼性確保のための全社的な活動を推進している。
しかしながら、法令違反や企業倫理等に反する行為が発生した場合、社会的信用が低下し、業績に影響が及ぶ可能性がある。
(12) 情報の管理
ほくでんグループが保有するお客さま等に関する業務情報については、情報セキュリティの確保や社内ルールの整備、従業員教育の実施により厳正な管理に努めているが、情報流出により問題が発生した場合、社会的信用が低下し、業績に影響が及ぶ可能性がある。
なお、上記のリスクのうち、合理的に予見することが困難であるものについては、可能性の程度や時期、影響額を記載していない。
(1) 経営成績の分析
① 経営成績
当連結会計年度の小売販売電力量は、当社とご契約いただいたお客さまの増加や夏季の高気温による冷房需要の増加などはあったが、節電や省エネの影響などにより、対前年度増減率△0.6%となった。他社販売電力量は、卸販売や再生可能エネルギーの固定価格買取制度による販売量の増加などから、対前年度増減率42.2%となった。
売上高は、燃料価格や卸電力市場価格の低下に伴う燃料費等調整額の減少はあったが、電気料金の見直しに加え、卸販売量の増加に伴う他社販売電力量の増加などにより、前連結会計年度に比べ649億10百万円(7.3%)増の9,537億84百万円となり、営業外収益を加えた経常収益は、633億41百万円(7.1%)増の9,567億96百万円となった。
経常損益は、電気料金の見直しに加え、燃料費等調整制度の期ずれ影響が収支の好転に大きく寄与したこと、さらにカイゼン活動・DXの推進や期中における収支改善に取り組んだことなどにより、前連結会計年度の損失から1,165億67百万円増の873億15百万円の利益となった。
また、親会社株主に帰属する当期純損益は、特別損失に減損損失を計上したが、経常利益の増加に加え、特別利益に核燃料売却益や受取補償金を計上したことなどにより、前連結会計年度の損失から883億94百万円増の662億1百万円の利益となった。
セグメント別の経営成績(セグメント間取引消去前)は、次のとおりである。
[北海道電力]
当連結会計年度の売上高は、燃料価格や卸電力市場価格の低下に伴う燃料費等調整額の減少はあったが、電気料金の見直しに加え、卸販売量の増加に伴う他社販売電力量の増加などにより、前連結会計年度に比べ819億64百万円(10.5%)増の8,616億40百万円となった。経常損益は、電気料金の見直しに加え、燃料費等調整制度の期ずれ影響が収支の好転に大きく寄与したこと、さらにカイゼン活動・DXの推進や期中における収支改善に取り組んだことなどにより、前連結会計年度の損失から1,034億32百万円増の689億61百万円の利益となった。
[北海道電力ネットワーク]
当連結会計年度の売上高は、レベニューキャップ制度導入に伴う託送料金改定による収入増はあったが、卸電力市場価格の低下に伴う他社販売電力料の減少などにより、前連結会計年度に比べ341億65百万円(△9.8%)減の3,137億95百万円となった。
経常損益は、託送料金改定による影響や、卸電力市場価格の低下に伴う需給調整費用の減少、カイゼン活動の推進など経営全般にわたる効率化などにより、前連結会計年度の損失から140億19百万円増の106億66百万円の利益となった。
[その他]
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ1億47百万円(△0.1%)減の1,549億80百万円となり、経常利益は、建設業において継続的な原価低減に努めたことなどにより、前連結会計年度に比べ22億82百万円(24.5%)増の115億92百万円となった。
当社及び連結子会社の業種は広範囲かつ多種多様であり、また、「北海道電力」が担う発電・小売事業や「北海道電力ネットワーク」が担う一般送配電事業、離島における発電事業が事業の大半を占めることから、当該事業の発受電実績、販売実績及び資材の状況についてのみ記載している。
(注) 1 他社受電電力量には、連結子会社や持分法適用会社からの受電電力量が含まれている。
2 揚水発電所の揚水用電力量等とは貯水池運営のための揚水用に使用する電力量及び蓄電池の充電電力量
である。
3 出水率は、自社の1992年度から2021年度までの当該累計期間の30ヶ年平均に対する比である。
[販売電力量]
(注) 1 小計欄は、北海道電力㈱の販売電力量を示す。
2 その他欄は、北海道電力ネットワーク㈱及び北海道電力コクリエーション㈱の販売電力量を示す。
[料金収入]
(注) 1 北海道電力㈱、北海道電力ネットワーク㈱及び北海道電力コクリエーション㈱の合計(内部取引消去後)の実績を示す。
2 「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」及び「デフレ完全脱却のための総合経済対策」に基づき実施される「電気・ガス価格激変緩和対策事業」により、国が定める値引き単価による電気料金の値引きを行っており、その原資として受領する補助金71,343百万円については、「電気事業雑収益」に計上している。
石炭、重油及びLNGの状況
(注) 本表には、当社及び北海道電力ネットワーク㈱の主な使用燃料を記載している。
[資産]
当連結会計年度末の総資産は、減価償却による電気事業固定資産の減少などはあったが、固定資産仮勘定や現金及び預金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ483億52百万円増の2兆1,416億91百万円となった。
[負債]
当連結会計年度末の負債合計は、有利子負債の減少などにより、前連結会計年度末に比べ270億70百万円減の1兆8,081億63百万円となった。
[純資産]
当連結会計年度末の純資産合計は、配当金の支払いなどはあったが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べ754億22百万円増の3,335億28百万円となった。
以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ3.2ポイント増の14.9%となった。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ208億42百万円増の1,107億9百万円となった。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損益が損失から利益となったことなどにより、前連結会計年度(5億74百万円の支出)に比べ1,767億10百万円増の1,761億35百万円の収入となった。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出の増加などはあったが、工事負担金等受入による収入の増加などにより、前連結会計年度に比べ44億6百万円減の808億41百万円の支出となった。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の減少などにより、前連結会計年度(867億95百万円の収入)に比べ1,614億49百万円減の746億54百万円の支出となった。
(4)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
ほくでんグループの資金需要は、主に電気事業に係る設備投資や債務償還に必要な資金であり、自己資金のほか、社債の発行及び金融機関からの借入により調達を行っており、短期的な資金需要にはコマーシャル・ペーパーを活用している。また、「北海道電力グリーンボンド」や「トランジション・リンク・ローン」などのグリーン・ファイナンス及びトランジション・ファイナンスの枠組みも活用しながら、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを進めていく上での資金調達手段の多様化・安定化に努めている。
資金調達にあたっては、月次での資金繰計画に基づく適切な資金管理を行っており、緊急の資金需要に対しては、現金及び現金同等物の保有に加え、当座貸越契約やコミットメントライン契約により充分な流動性を確保している。また、ほくでんグループキャッシュ・マネジメント・サービス(CMS)により、参加会社の資金管理・資金調達・外部支払を一元化しており、グループ内における資金の効率化を図っている。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
ほくでんグループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたり採用する重要な会計方針については「第5 経理の状況」に記載している。
ほくでんグループは、連結財務諸表を作成するにあたり、繰延税金資産の回収可能性、退職給付に係る負債及び資産、資産除去債務などに関して、過去の実績等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っているが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。このうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載している。
(6)経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
ほくでんグループは、2023年度は「ほくでんグループ経営ビジョン2030」で示した第Ⅰフェーズの経営目標「連結経常利益230億円以上/年」を目指し、社長を委員長とする経営基盤強化推進委員会のもと、カイゼン活動やDXなどの取り組みを通じ、効率化・コスト低減を一層強力に進めてきた。
2023年度の連結経常損益は、「連結経常利益230億円以上/年」の目標に対して、電気料金の見直しに加え、燃料費等調整制度の期ずれ影響が収支の好転に大きく寄与したこと、さらにカイゼン活動・DXの推進や期中における収支改善に取り組んだことなどにより、前連結会計年度の損失から1,165億67百万円増の873億15百万円の利益となった。また、連結自己資本比率は、14.9%となった。
2030年度までに目指す経営目標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」へ記載している。
該当事項なし
当連結会計年度における研究開発費の総額は
ほくでんグループにおける研究開発は、当社の総合研究所が中心となって推進しており、経営計画等に基づいた研究開発を重点的に実施している。当連結会計年度における主な研究開発は次のとおりである。
(1)事業領域の拡大に向けた取り組み
再エネ発電所等のアグリゲーション技術の実証事業、再エネ余剰電力を活用した水素サプライチェーン構築、水素製造装置の性能評価、EMS(エネルギーマネジメントシステム)開発、ボイラ材料に及ぼすアンモニア混焼ガスの影響評価、木質バイオガス化炉による水素製造装置の開発などカーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでいる。
また、ブルーカーボン事業に資する技術開発、低炭素型コンクリートに関する共同研究などに取り組んでいる。
(2)経営効率化の取り組み
火力発電所におけるドローン活用、送電設備冠雪対策に関する研究など、電力設備の保守高度化・延命化に取り組んでいる。
また、ほくでんグループ大で取り組むカイゼン活動やDXに、研究開発部門として技術提案や支援などを行っている。