文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「バイオから宇宙まで、化学の力で新しい価値を創造する企業グループとして、人と社会に貢献する」ことを経営理念とし、これを実践する上で重視する3つの価値観「挑戦」「公正」「調和」を定めています。
当社グループでは、経営理念、価値観を事業経営、組織運営の中心に据え、社会と共に成長し、事業の継続的な発展を目指してまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、新たな事業環境に対応したコスト構造の実現に向け、生産性の向上とコストダウンの徹底を図るとともに、当社が目指す方向である「ライフ・ヘルスケア」「環境・エネルギー」「電子・情報」の3分野へ積極的に経営資源を投入し、持続的成長のための収益基盤の確立を進めてまいります。また、事業の基盤をなす安全の確保、環境の保全、品質管理の徹底、コンプライアンスの強化および内部統制システムの一層の充実を図り、企業の社会的責任を果たしてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営の主たる指標については、グループの業績評価における重要指標である営業利益のほか、株主重視の視点から個別事業における業績管理など経営効率の評価基準として、自己資本当期純利益率(ROE)、総資産経常利益率(ROA)および売上高営業利益率を活用しております。
(4)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
国内経済は、新型コロナウイルス感染症の位置づけが「5類感染症」に移行されたことを受けて、感染症拡大前の経済水準に回復しつつあります。しかしながら、ウクライナ危機の長期化、中東情勢の緊迫化、米中の対立、原燃料価格の高止まり、世界的なインフレ継続と金融引締めに伴う影響もあり、世界経済の先行きは不透明な状況が継続するものと想定されます。
このような情勢下、目指す3分野「ライフ・ヘルスケア」「環境・エネルギー」「電子・情報」において、市場ニーズの変化に柔軟に対応し、化学の力で新しい価値を継続的に創出し、すべてのステークホルダーの皆様の信頼にお応えし続けることで、安心で豊かな社会の実現に向けて挑戦してまいります。
本年度も引き続き、2023年度を初年度とする3ヵ年計画「2025中期経営計画」における基本方針「実践と躍進」に沿って、「市場の変化を捉えた事業拡大」「新製品・新技術開発の加速」「生産性の向上」「安全・安心の追求」「CSRの推進」の各課題に取り組んでまいります。
「市場の変化を捉えた事業拡大」を加速するため、目指す3分野での積極的な戦略投資を推進してまいります。機能化学品事業においては、愛知事業所内の化粧品ODM(オリジナル・デザイン・マニュファクチャリング:相手先ブランドによる製品の設計・製造)ラインの増設を進めてまいります。また、医薬・医療・健康事業においては、将来の核酸医薬品等バイオ医薬品市場の成長を見込み、愛知事業所内にDDS医薬用製剤原料の製造設備の新設を進めてまいります。
「新製品・新技術開発の加速」については、バイオ化学品、熱制御素材、エレクトロニクス分野、健康食品分野等を中心に、産学官からの公募やベンチャーキャピタルなどを活用したオープンイノベーションによる協創を進め、新製品・新技術開発の加速につなげてまいります。
「生産性の向上」として、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する全社的な人材育成の取り組みを継続すると共に、データサイエンスを活用したMI(マテリアルズ・インフォマティクス)による新規化学素材の探索および配合組成の最適化等の研究開発の効率化、生産・品質管理システムの導入とネットワーク構築等によるスマートファクトリー化に引き続き取り組んでまいります。
「安全・安心の追求」では安全・安心な製品の提供、社会環境や自然環境への安全配慮、保安防災、労働安全の徹底に取り組み、適切な事業運営に努めてまいります。
「CSRの推進」では、サステナビリティに関する11項目のマテリアリティ(重要課題)を特定し、これを「豊かで持続可能な社会実現のための新たな価値の提供」「事業基盤の強化」「レスポンシブル・ケア活動の推進」の3つに大別し、項目毎に目標(KPI)を設定し、その取り組みを推進しております。「豊かで持続可能な社会実現のための新たな価値の提供」では、先進医療・医薬、人の美しさと健康、アンチエイジング、環境負荷の低減、資源循環、スマート社会等、さまざまな要請に貢献するため、目指す3分野に当社の独自技術・素材を活かした製品供給を目指してまいります。「事業基盤の強化」では、収益力の強化、ワーク・ライフ・バランスの実現を目指した働き方改革の推進、価値観の多様性を受け入れる企業風土作り、レジリエンスを向上させる事業継続計画の充実等を深化してまいります。「レスポンシブル・ケア活動の推進」では、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けた施策の検討や、化学物質の管理等の施策に取り組みます。また、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、気候関連の情報開示の拡充に取り組んでまいります。
当社グループは、持続可能な社会実現へ貢献するため、これらの課題への取り組みを遂行し、さらなる事業革新を進め、国際競争力のある強靭な企業体質を築いてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンスおよびリスク管理
①ガバナンス
当社グループは、サステナビリティに関する事項は、企業の社会的責任であると認識しており、社長を委員長とするCSR委員会において、監査等委員を兼務する取締役を含むすべての取締役が参加して審議を行う体制を構築しています。
サステナビリティに関する具体的な事項は、取締役兼執行役員と役付執行役員で構成する政策会議、ならびにCSR委員会における協議を経て、サステナビリティに関するマテリアリティ(重要課題)として特定し、取締役会で承認しています。また、マテリアリティ(重要課題)を社会への影響度と自社への影響度の2軸でマッピングすることで、その重要度を可視化しています。
それぞれのマテリアリティ(重要課題)は、KPIと目標値を設定して主管組織・担当部門が活動を推進し、進捗状況・結果をCSR委員会へ報告しています。CSR委員会ではマテリアリティ(重要課題)の評価を行い、重要課題のKPI、目標、取り組みの内容を協議することで、活動レベルの継続的な向上を図っています。当期は、2023年4月、2023年11月および2024年3月の3回CSR委員会を開催し、サステナビリティに関する事項の積極的な推進を図るとともに、同委員会の審議結果を取締役会で再確認することで適切に監督しています。
なお、気候変動への対応と人的資本への対応は、それぞれマテリアリティ(重要課題)の一つとして特定しています。
監査等委員会、内部監査部門に関しては、
サステナビリティに関するガバナンス体制
②リスク管理
気候変動関連リスクおよび人的資本関連リスクを含む事業リスクについては、リスク管理委員会が網羅的なアセスメントを実施しています。事業リスクは、項目毎に主管する専門委員会を定めており、気候変動関連リスクは、レスポンシブル・ケア(RC)委員会およびリスク管理委員会が、人的資本関連リスクは、リスク管理委員会がそれぞれリスクのモニタリング・分析評価・対策を行っています。また、機会については、経営幹部会議、重点事業検討会等で議論し、重要事項は、経営審議会で審議しています。これらの専門委員会・会議の審議結果は、取締役会に報告され、監督を受ける仕組みを構築しています。
(2)重要なサステナビリティ項目
①気候変動への対応
〔戦略〕
世界共通で喫緊の課題である気候変動への対応として、当社グループではこれまでレスポンシブル・ケア活動の目標の一つに温室効果ガスの排出量削減を掲げ、省エネルギーに努めてきました。
2020年10月の政府による2050年カーボンニュートラル宣言、および2021年4月に表明された新たな温室効果ガス削減目標を受け、2022年4月、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、当社グループとして2050年のカーボンニュートラルの達成を目指して目標を設定しています。
TCFD提言では、気候変動に起因するリスク・機会が、企業の財務にどのような影響を及ぼすかを把握するため、シナリオ分析の実施が求められています。当社グループでは、脱炭素社会への移行を実現しうる1.5℃・2℃シナリオと気候変動が進展する4℃シナリオに基づき、気候変動がもたらす移行リスクや物理リスク、および機会を次のように特定しています。
1.5℃・2℃シナリオにおける移行リスクとして特定した国内外の規制強化に対し、温室効果ガス排出削減に向けた取り組みの更なる推進を計画しています。また、石油等の供給量の減少やバイオ燃料の需要増による原材料の高騰に対しては、バイオマス化学品の活用など、石化系原料から植物系原料への切替えを検討しています。
4℃シナリオにおける物理リスクとして認識している、気候変動に伴う豪雨や台風などの自然災害による生産拠点やサプライチェーンへの影響に対しては、生産拠点の防災対策の強化に加え、事業継続計画(BCP)を策定しています。
気候変動におけるリスクと機会
(注)・1.5℃・2℃シナリオ:産業革命以前と比較して、気温上昇を1.5℃や2℃に抑えるために、必要な対策が実施されると想定した脱炭素シナリオ(国際エネルギー機関(IEA)「2050年ゼロエミッションシナリオ(NZE2050)」、「公表政策シナリオ(STEPS)」等)
・4℃シナリオ:産業革命以前と比較して、21世紀末に世界の平均気温が4℃上昇する、気候変動が進行した成り行きシナリオ(国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)「RCP8.5」等)
・影響度:
「リスク」影響金額……10億円超(大)、10億円以下・1億円超(中)、1億円以下(小)
「機会」市場規模………300億円超(大)、300億円以下・30億円超(中)、30億円以下(小)
また、機会では、気候変動の緩和や適応に貢献するクリーンテック関連製品へのニーズが拡大すると認識しています。
気候変動の緩和に貢献する製品へのニーズには以下のようなものがあります。
EV(電気自動車)の普及に伴い、電子部品(受動部品)・電動ユニット・ねじの増加や、液晶パネルの増加・大型化により、車載電子部品用添加剤・電動ユニット用潤滑剤・防錆剤・液晶カラーフィルター用オーバーコート材の需要増、さらに、省電力化に有効とされるLEDのヘッドランプ用防曇剤の需要増が見込まれます。さらに、EVは車両の静粛性が向上するため、樹脂部品の擦れによるノイズを防ぐ異音防止剤などの樹脂用添加剤の需要増が見込まれます。また、クリーンエネルギーの拡大によって、風力発電のブレードに使用されるボルト用防錆剤、ギアに必要な生分解性潤滑油の需要増ほか、風力・太陽光発電設備から送電するための超高圧・高圧電線の被覆材として用いられる架橋ポリエチレン用有機過酸化物の需要増が見込まれます。その他、環境負荷を低減する植物由来の代替肉の旨味・食感改善に寄与する代替肉用油脂や、省エネルギー住宅の普及に伴う断熱性の高い樹脂サッシ用の有機過酸化物の需要増も見込まれます。
一方、気候変動の適応に貢献する製品のニーズには以下のようなものがあります。気温上昇により、冷蔵庫やエアコンの必要性が途上国を含めグローバルに高まっており、冷凍機の潤滑油である冷凍機油やエアコンパテ用ポリブデンの需要増が見込まれます。当社グループの冷凍機用潤滑基材は代替フロン冷媒用であり、気候変動への適応に貢献します。また、熱帯性感染症の拡大が懸念されるため、感染症対策の消毒液、診断薬用の添加剤、病気や疾患の回復に向けた医薬品原料の需要増が見込まれています。さらに、気候変動に対して地球全域を調査する必要性が高まるため、海洋探査機器の投入やロケット打ち上げの回数が増加する可能性、特定温度に達すると変色する温度管理用示温材(ラベルやシール等)の用途が拡大する可能性、高潮を防ぐ堤防工事において山間部から岩石や土砂を調達するために産業用爆薬を用いる機会が増える可能性があります。
〔指標・目標〕
当社グループとして2050年にカーボンニュートラルを目指すためには、Scope1およびScope2の排出量の約82%を占める国内グループの排出量削減が重要であるとの認識から、国内グループでは、2030年にScope1、2の温室効果ガス排出量を2013年度対比で40%削減するという目標を掲げ、温室効果ガスの排出量削減に向けたロードマップを作成し、気候変動の緩和に努めています。
目標に対する進捗状況は、レスポンシブル・ケア活動を通じて温室効果ガス排出量の削減率や削減量を定期的にモニタリングしています。これにより、目標達成の進度や取り組みの効果を評価し、必要な改善や追加施策を行っています。具体的な取り組みとして、以下の点に注力しています。
ロードマップのフェーズ1では、廃熱回収等の省エネルギー改善活動や高効率機器への更新、また太陽光発電の導入等、既存の省エネルギーの水平展開に努めてきており、引き続き取り組んでまいります。
また、続くフェーズ2では、インターナル・カーボンプライシング(ICP)導入の検討、非電化設備の電化、生産工程の見直しによるエネルギー転換、非化石証明付電力の導入等、再生可能エネルギーへの転換に積極的に取り組んでおり、「2025中期経営計画」では、環境対応への戦略投資として21億円を計画しました。
さらにフェーズ3では、エネルギー低消費型プロセスへの移行や新エネルギー(水素・アンモニア)の活用など、新プロセスと新技術の検討に着手し、2050年のカーボンニュートラルを目指すと同時に、移行リスクに伴う財務負担の低減を図ります。
(注)2022年度のデータを最新の実績値としています。
当事業年度のデータは2025年6月の有価証券報告書で更新し、他の公表書類(ホームページ)との差異が解消されます。
参照先:ホームページ(TOP > サステナビリティ > 各種対照表/ダウンロード > サステナビリティ報告書ダウンロードの経済「気候変動への対応(TCFD)」)(2024年9月末更新予定)
https://www.nof.co.jp/csr/detail/477
(注)2022年度のデータを最新の実績値としています。
当事業年度のデータは2025年6月の有価証券報告書で更新し、他の公表書類(ホームページ)との差異が解消されます。
参照先:ホームページ(TOP > サステナビリティ > 各種対照表/ダウンロード > サステナビリティ報告書ダウンロードの経済「気候変動への対応(TCFD)」)(2024年9月末更新予定)
https://www.nof.co.jp/csr/detail/477
②人的資本への対応
〔ガバナンスおよびリスク管理〕
人的資本に関するガバナンスについて、次のとおり体制を整備しています。
・CSR委員会
CSR委員会では、人的資本に関する事項の報告および審議を行っています。当事業年度初回の委員会では、前事業年度3項目であったKPIの項目を9項目に増やすとともに、目標値を新たに設定して人的資本に関する取組みの強化に関する審議を行っています。当事業年度2回目の委員会では、前事業年度の実績および課題に関する審議を行い、当事業年度末に開催した3回目の委員会では、当事業年度の実績見通しおよび取り組みの進捗状況を確認するとともに、次事業年度のKPIおよび目標値に関して審議を行っています。
・指名委員会
社外取締役が過半数を占める指名委員会では、後継人材育成に関する評価と議論を行い、取締役会へフィードバックをしています。なお、当事業年度は本委員会を4回開催しています。
・政策会議
多様性を受容し尊重することがイノベーションの創出を促すという考えに基づき多様な人材の確保を進めるため、取締役兼執行役員と役付執行役員が出席する政策会議では、採用予定人数、配置や多様性の確保などにつき審議および採用状況の評価を行い、人材確保の活動を進めています。加えて、従業員一人ひとりが活き活きと職務を遂行するため、働きがいや働きやすい職場づくりを目指し、エンゲージメント調査を実施し、調査結果の評価および課題抽出を行い、取り組みの実効性を高めるよう努めています。なお、原則として本会議を毎週開催しています。
・人材会議
持続的な事業成長を支える人材の育成施策を着実に推進するため、取締役兼執行役員と役付執行役員が出席する人材会議では、全社の人材育成施策計画に関する審議および実施内容の評価を行うほか、部長クラスの人事評価の審議や定期面談、昇格候補者との面接、経営幹部候補人材からの経営施策等に関する提言報告の場を設けており、人材会議が部長クラスの人材特性把握と人材育成施策に関与し、後継人材を含む育成のPDCAを回す体制を整えています。なお、当事業年度は本会議を13回開催しています。
人的資本に関するリスク管理について、リスク管理委員会を設置し、CSR委員会を通して取締役会に報告し監督を受ける体制を整備しています。
・リスク管理委員会
リスク所管部門等から構成するリスク管理委員会では、事業を取り巻くさまざまな経営リスクを網羅的に洗い出し、各リスク項目の影響度・発生可能性について全社的リスクアセスメントを実施し、優先的に対応すべきリスクを特定しています。事業を取り巻くさまざまな経営リスクのうち、人事・労務分野に関するリスクに関して、将来において、どの程度、影響度が変化するかについて、リスクアセスメントを実施し、分析の結果については、CSR委員会に報告しリスク対策の評価を行っています。なお、当事業年度は本委員会を2回開催しています。
〔戦略、指標及び目標〕
変化が激しく、不確実性が増す事業環境下において、さまざまな社会課題に向き合い、革新的なテクノロジーの進歩を敏感に察知し、新たな価値の創造に挑んでいくことが益々求められるなか、人材の成長が経営の根幹をなすとの考えのもと、人的資本経営の視点も交え、多様性の拡充やエンゲージメントの向上に取り組みます。
◇人材育成の推進に関する方針◇
「企業は人なり」との基本思想のもと、当社グループの価値観である「挑戦」「公正」「調和」を体現し、新たな価値を創造できる人材の成長を後押しするための施策を推進します。
・中長期的な視点で困難な目標に果敢に挑戦し、様々な経営課題に取り組み、持続的な事業成長に貢献する人材の育成を目指し、従来の人材育成施策に加え、「2025中期経営計画」において次の取り組みに注力します。
当社グループの価値観を体現する自律型人材の育成
更なるグローバル化の進展を見据えたグローバル人材の育成
DXを加速させる人材の育成
当事業年度は、当社グループの価値観を体現し、持続的な事業成長の原動力となる自律型人材の育成の取り組み、ならびにDXを加速させる人材の育成プログラムを策定し当該人材の育成の取り組みを開始しました。また、更なるグローバル化の進展を見据え、海外赴任前研修の拡充、現地での安全管理強化を図る等の整備を進めました。
持続的な事業成長の原動力となる人材育成の取り組みの拡充にあたり、人材育成にかかる研修費用を指標とし目標を定めています。
指標 |
対象 |
目標 |
当事業年度 |
|
提出会社 |
目標年度: 2022年度比 |
|
※ 本方針は提出会社のものであり、連結子会社毎の事業規模・内容、対象市場・分野が異なるため、各連結子会社へ同一の研修費用増加の目標適用は困難であることから、本方針に基づく研修費用増加の目標およびその結果は提出会社のみ開示しています。
◇社内環境整備に関する方針◇
《事業活動を推進する多様な人材の確保》
(a)性別や年齢、国籍や障がいの有無等にかかわらない多様な人材確保の継続
(b)既存事業の成長に加え、新たな事業領域への進出を加速するための経験人材確保の継続
本方針の着実な推進にあたり、次の指標にもとづく目標を定めています。
指標(方針との対応関係) |
対象 |
目標 |
当事業年度 |
((a)多様な人材確保) |
提出会社 |
目標年度:
|
|
((a)多様な人材確保) |
提出会社 |
目標年度:
|
|
((b)経験人材確保) |
提出会社 |
目標年度:
|
|
※ 本方針は提出会社のものであり、定期的な新卒採用を行う連結子会社は一部であること、また連結子会社毎で人事制度が異なることから各連結子会社へ同一の方針を適用することは困難であるため本方針に基づく目標およびその結果は提出会社のみ記しています。
《働きがい、働きやすさの向上》
(c)女性がより活躍できる風土をつくるための働きやすい制度の充実
(d)従業員一人ひとりが目標を持って活き活きと職務を遂行することができる仕組み、制度および職場づくりの継続
(e)定期的なエンゲージメント調査の実施と働きがい向上の努力
(f)個々人の成長を支援するキャリアデザイン構築の推進
当社は、前事業年度に引き続き実施したエンゲージメント調査結果を分析し、当事業年度は、日油経営理念や価値観の浸透を進める施策の実施、従業員のキャリアデザイン構築に寄与するワークショップの開始(「(f)個々人の成長を支援するキャリアデザイン構築の推進」に対する施策を実施)、ならびに当社価値観である「挑戦」を促す人事制度の一部改定を行い、エンゲージメントの高い職場づくりに努めています。
本方針の着実な推進にあたり、次の指標にもとづく目標を定めています。
指標(方針との対応関係) |
対象 |
目標 |
当事業年度 |
((c)女性活躍、働きやすさの向上) |
提出会社 |
目標年度: 2021年度比 |
|
((c)女性活躍、働きやすさの向上) |
提出会社 |
目標年度:
|
|
((d)活き活きとした職務遂行、職場づくり) |
提出会社 |
目標年度:
|
|
((d)活き活きとした職務遂行、職場づくり) |
提出会社 |
目標年度:
|
|
((e)働きがい向上) |
提出会社 |
目標年度:
|
|
※1 株式会社エムステージの「Qraft」を用いて、「楽しみながら仕事に取り組んでいる」「興味・関心を持ちながら仕事に取り組んでいる」「意義を実感している」の各尺度を測定し、同社が算出する偏差値が総合エンゲージメントスコアとなります。
※ 本方針は提出会社のものであり、連結子会社毎の事業内容、人事制度などが異なるため各連結子会社へ同一の
方針を適用することは困難であるため、本方針に基づく目標およびその結果は提出会社のみ記しています。
なお、次の指標に関して、提出会社ならびに2024年3月31日時点で従業員が100人を超える国内の連結子会社からなる連結会社の当事業年度の結果は、次のとおりとなります。
連結子会社:油化産業株式会社、日本工機株式会社、日油技研工業株式会社、昭和金属工業株式会社、
ニチユ物流株式会社
障がい者雇用率 |
2.40% |
年次有給休暇取得率 |
77.1% |
※その他の指標
・「新卒総合職女性の採用比率」「経営職・総合職経験者採用比率」の2指標は「総合職」「経営職」の区分が提出会社の人事制度に基づくものであり、提出会社のみ開示しています。
・「女性管理職比率」「正社員男女賃金差異比率」「男性育児休業取得率」の3指標は、
5 従業員の状況 ―(4)②
・「総合エンゲージメントスコア」は提出会社が株式会社エムステージの「Qraft」を用いて測定しており、提出会社のみ開示しています。
〔リスクと機会〕
(1)人材育成の遅滞
・リスク
人材育成計画の遂行遅延、不十分な能力開発によって、事業成長を担う中核人材の育成が遅れ、持続的な事業成長に支障をきたす可能性があります。
・機会
人材育成の遅滞を招くことのないよう定期的にPDCAを回す仕組みを整えており、取締役兼執行役員と役付執行役員が出席する人材会議が、全社の人材育成施策計画に関する審議および実施内容の評価を行い、持続的な事業成長を支える人材の育成施策の着実な実施に努めています。また、人材育成にかかる研修費用を指標とし目標を定め、全取締役が出席するCSR委員会へ進捗状況・結果を報告しています。対応方針等を議論し人材育成施策の継続的な向上に努めています。
(2)人手不足
・リスク
労働人口・若年層の減少、好景気による求人拡大によって、必要な従業員確保が遅れ、事業計画が遅延する可能性があります。
・機会
新卒採用では、応募者の希望とのミスマッチを防ぐ取り組みや工場見学会等の事業理解を促進し、経験者採用では、採用情報の公開先の拡充や自社ホームページでの情報の充実化によって、事業計画に沿い高いスキルを保有する人材確保の可能性を高めるよう努めています。また、退職者の再入社を実現しやすくする制度(ジョブ・リターン制度)を整備し、経験値のある人材を確保する機会を設けています。なお、新卒総合職女性の採用比率や経験者採用比率を指標とし目標を定め、全取締役が出席するCSR委員会へ進捗状況・結果を報告しています。対応方針等を議論し人材確保に関する取り組みの継続的な改善に努めています。
(3)離職率の上昇
・リスク
会社への不満や家族介護等の事情を理由に、離職する従業員が増加することによって、事業推進や業務遂行に支障をきたす可能性があります。
・機会
年に1度、上司と部下がキャリアに関する対話を行う機会(自己申告制度)を設け、個々の希望等の把握に努め、キャリア構築の支援や働きやすい職場づくりを推進するとともに、介護や育児等と仕事の両立を支援する制度の充実化をはかっています。また、従業員のキャリアデザイン構築に寄与するキャリア研修を開始したほか、キャリア相談窓口を設け専門家のアドバイスを得られる機会を提供することを計画しており、「個々人の成長を支援するキャリアデザイン構築の推進」の方針に沿って、主体的なキャリア構築と人材の成長促進を支援し、高い意欲をもち仕事を行う人材の創出に努めます。
(1)リスクマネジメント体制
当社グループのリスクマネジメント体制の概要は、まず想定される経営リスクを網羅的に洗い出し、その各リスク項目の影響度合・発生頻度の評価結果に基づいてリスクアセスメントを実施し、「優先取組みリスク」を特定しています。その上で、リスクが顕在化した場合の影響と発生可能性を低減する対策を適切に講じることで、経営への影響を最小化するよう努めています。また、想定リスクの洗い出しやリスクアセスメントを定期的に実施することで、対策の有効性を検証するとともに、新たなリスクの認識と評価を促すなど、リスクマネジメントサイクルを回すことにより、リスク管理の充実を図っています。
具体的には、経営リスクの洗い出しはリスク管理委員会が実施し、当社各箇所長、事業部門長、スタッフ部門長、国内外のグループ子会社各社長が各事業の特性や政治的・経済的・社会的な変化等の外部環境を踏まえ、各リスク項目に対しての影響度合・発生頻度を評価します。そして、取締役会において各経営リスクの評価結果に基づき、レジリエンスを高めるべき「優先取組みリスク」を特定しています。「優先取組みリスク」ならびに経営リスクについては、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会、RC委員会、および品質管理委員会において分析や対応策の検討を行い、定期的に取締役会に報告されます。取締役会では、コンプライアンス、情報の管理、環境・安全、リスクの網羅性の確認・評価など、さまざまな視点で経営リスクを審議します。
グループ子会社では、関係会社管理規制に基づき、子会社に対する経営管理・モニタリングを実施し、必要に応じて助言等を行うとともに、子会社の財産や損益に重大な影響を及ぼすと判断される重要案件の実施については、当社の取締役会または経営審議会が承認しています。
また、その他のリスクについても、各委員会で現状の対応を評価して「保有」や「低減」等に分類し、必要に応じて追加対策を検討します。
(2)重要リスク
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。リスク管理については、リスク管理委員会において、リスクの網羅性の確認・評価、リスク管理に関する施策の立案等を行い、取締役会に報告しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
①地震・津波、感染症
地震や津波等の自然災害や、新型コロナウイルスのような感染症の世界的流行(パンデミック)等に対して、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核事業の継続や早期回復を可能とするため、事業継続計画(BCP)を策定し、BCPの内部監査や訓練の実施など、有事への備えに努めています。しかし、想定を超える災害の発生により、生産をはじめ販売や物流等の活動が中断した場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
②法令違反
当社グループは各国の法令や法制度等に従い、各種コンプライアンス・マニュアルの整備、コンプライアンス研修の実施、内部通報・相談窓口の設置により、不正のない事業活動を行っております。ただし、不正競争防止法・独占禁止法・下請法・外為法・化審法・薬機法等の各種法令に関する違反により、行政処分が下され、事業活動の停止や課徴金支払い等が発生する可能性があります。
③海外拠点のガバナンス不全
当社グループは、北米・欧州・アジア等の世界各国に生産・販売拠点を設け、海外での事業活動を拡大しており、各拠点において、業務の適正を確保するための体制を構築し、業務執行状況・財務状況等の定期的な報告の要請や業務監査を行っております。ただし、海外拠点のガバナンスが行き届かず、法令違反等の不正が発生し、行政処分や刑事・民事訴訟等により信用が低下して、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④サイバー攻撃・情報システム障害
当社グループは、事業活動において取得する機密情報や個人情報等を、電子情報の形式で蓄積・利用しております。そのため、ハード・ソフト両面において必要なセキュリティ対策を講じるとともに、情報セキュリティ管理規定・責任者任命等の体制を整備し、不正アクセスの防御体制の構築、合理的なレベルの安全対策を実施しております。しかしながら、コンピュータウイルスによるサイバー攻撃等、外部からの不正アクセスや情報システムの障害により、情報の漏洩や事業活動の中断が発生する可能性があります。
⑤火災・爆発
当社グループは国内外に生産工場を保有しており、火災や爆発などの重大な事故を未然に防止するため、定期的に設備の保守点検を行うとともに、危険物の適正な保管・管理の徹底を図っています。また、緊急時に備え、緊急事態対応マニュアルを策定し、社内での定期的な訓練を実施するほか、近隣自治体との合同防災訓練や対話活動に努めております。こうしたリスク対策を講じているものの、工場において大規模な火災・爆発等の事故が発生した場合、従業員や近隣住民の死傷、事業活動の停止、これらによる損害賠償等が発生する可能性があります。
⑥知的財産侵害等
当社グループでは、グローバルに知的財産の権利確保を図るとともに、厳重にこれらを管理し、特許侵害を監視するチェック体制を構築するほか、従業員に対する特許・商標等の知財教育に努めております。しかしながら、第三者からの知的財産権侵害を完全に防止することはできない可能性があるほか、逆に、自社の従業員による知的財産権侵害による損害賠償請求等の訴訟や紛争が発生する、あるいは製造・出荷の停止を求められる可能性があります。
⑦技術流出
当社グループでは、営業秘密情報に関する規定を整備するとともに、管理体制の構築および強化に努めております。ただし、営業秘密情報の漏洩を完全に防止することはできないため、重要な技術情報が流出し、競合他社が類似製品や類似技術を市場に提供することにより、当社グループの売上・利益が低下する可能性があります。
⑧品質偽装
研究開発や製品の生産・試験検査・出荷等の工程において、品質管理に関するデータ管理を徹底するとともに、社内での品質監査や品質調査による管理状況の確認を行い、適正な品質管理の維持に努めています。また、従業員に対し定期的な啓発・研修の機会を設けて品質管理への意識を高める活動にも取組んでいます。しかしながら、ひとたび品質検査結果においてデータ改ざん等の品質偽装を発生させると、当社グループの信用が低下・失墜する可能性があります。
⑨ハラスメント・人権侵害
当社グループでは、役員および従業員一人ひとりが常に社会倫理に則り、社会からの信頼を得るために、倫理行動規範を制定し遵守しております。同時に、役員および従業員へのコンプライアンス意識の浸透を図るため、倫理行動規範をより詳しくわかりやすく解説したコンプライアンス・マニュアルを作成、日本を含む各国共通のグローバル・コンプライアンス・マニュアルは11か国語で発行しております。また、従業員からの通報・相談に応じるため、男女社員による社内の相談窓口と弁護士による社外窓口を設置しています。コンプライアンス委員会は年2回の定期開催のほか、問題発生時には適時に開催し、問題点の把握、対応策の立案とフォローを行い、結果を取締役会に報告して審議しております。これらの対策を講じているものの、各種ハラスメントや人権侵害が発生し、当社グループの信用が低下する可能性があります。
⑩人材育成の遅滞
次世代を担う人材への階層・課題別研修を推進するとともに、グローバルビジネスの一翼を担うことが期待される国際人材の登用・育成ほか、適正な人材ローテーションを実施しております。しかしながら、中長期的な人材育成計画が上手く機能せず、当社グループの成長に貢献する人材の育成が停滞する可能性があります。
⑪非財務情報の開示不足
社会課題や顧客課題を含む事業経営の現状分析に努め、マテリアリティ(重要課題)やこれらのKPI等ターゲットを特定し、管理指標と目標を設定して具体的な施策を展開しております。ただし、経済や環境への影響、社会的な評価に対する不明確さが生じることにより、ステークホルダーの信頼を損なう可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当期は、ウクライナ危機の長期化、中東情勢の緊迫化、米中の対立、原燃料価格の高止まり、世界的なインフレ継続と金融引締めに伴う影響もあり、世界経済の先行きは不透明な状況が続きました。国内においては、新型コロナウイルス感染症が日本国内における感染症法上の位置づけとして「5類感染症」に移行されたことを受けて、社会経済活動の正常化が進み、個人消費や設備投資、生産活動等に緩やかな回復傾向が見られました。
当社グループを取り巻く事業環境は、国内の景気は緩やかに回復しているものの、中国経済停滞の長期化による下振れの影響が懸念される状況にありました。
このような事業環境下、当社グループは当連結会計年度を初年度とする3ヵ年計画「2025中期経営計画」において、「実践と躍進」を基本方針として掲げ、課題である「市場の変化を捉えた事業拡大」「新製品・新技術開発の加速」「生産性の向上」「安全・安心の追求」「CSRの推進」に取り組み、新市場開拓と拡販ならびに生産コストの低減に努め、持続的成長に向けた経営努力を積み重ねてまいりました。
「市場の変化を捉えた事業拡大」を更に強化するために、「ライフ・ヘルスケア」「環境・エネルギー」「電子・情報」の3分野を中心に事業領域の拡大を図り、ソリューションビジネスモデルへの転換を進めました。また、前期実施したエレクトロニクス分野や健康食品分野でのオープンイノベーションによる事業協創の取り組みに続き、当期は医療・医療機器分野においても実施し、「新製品・新技術開発の加速」を推進しました。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。
①財政状態
資産は、前期末に比べ32,010百万円増加し、341,449百万円となりました。
負債は、前期末に比べ6,105百万円増加し、75,541百万円となりました。
純資産(非支配株主持分を含む)は、前期末に比べ25,904百万円増加し、265,907百万円となりました。
②経営成績
当期の連結売上高は、222,252百万円(前期比2.1%増)となりました。連結営業利益は、42,142百万円(前期比3.7%増)、連結経常利益は、45,577百万円(前期比5.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、33,990百万円(前期比0.1%増)となりました。
以下、各事業セグメントの概況についてご説明申し上げます。
当連結会計年度より従来「ライフサイエンス事業」として表示していた報告セグメントの名称を「医薬・医療・健康事業」に変更しております。なお、主要製品の呼称につきましても「食用加工油脂」を「食用加工油脂・食品機能材」に、「機能食品関連製品(栄養食品、健康関連製品)」を「健康関連製品」に変更しております。
また、連結子会社であるNOF EUROPE GmbHにつきましては、従来「機能化学品事業」に含めておりましたが、当該子会社の業務管理区分を見直し、「医薬・医療・健康事業」に含めて表示する方法に変更しております。
なお、以下の前期比については、変更後の報告セグメントの区分に組み替えた数値で比較をしております。
(機能化学品事業)
脂肪酸誘導体は、アジアにおける環境エネルギー関連の出荷が減少し、売上高は減少しました。
界面活性剤は、トイレタリー関連の需要が期末にかけて回復し、売上高は前期並みとなりました。
エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド誘導体は、海外向け需要が低調に推移し、売上高は減少しました。
有機過酸化物は、アジアでの需要が堅調に推移し、売上高は増加しました。
特殊防錆処理剤は、海外向け自動車関連の需要が好調に推移し、売上高は増加しました。
これらの結果、機能化学品事業の連結売上高は、133,556百万円(前期比1.8%減)、連結営業利益は、21,972百万円(前期比3.2%減)となりました。
(医薬・医療・健康事業)
食用加工油脂・食品機能材は、製パン・製菓・加工食品向けの需要が落ち着いたものの原燃料価格高騰を受け販売価格を改定し、売上高は前期並みとなりました。
健康関連製品は、健康食品向けの出荷が増加し、売上高は増加しました。
生体適合性素材は、MPC(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)関連製品の出荷が減少し、売上高は減少しました。
DDS(ドラッグ・デリバリー・システム:薬物送達システム)医薬用製剤原料は、欧米への出荷が好調で、売上高は増加しました。
これらの結果、医薬・医療・健康事業の連結売上高は、53,998百万円(前期比5.1%増)、連結営業利益は、20,558百万円(前期比12.9%増)となりました。
(化薬事業)
産業用爆薬類は、売上高は増加しました。
宇宙関連製品は、ロケット向け製品の出荷が増え、売上高は増加しました。
防衛関連製品は、売上高は増加しました。
機能製品は、売上高は減少しました。
これらの結果、化薬事業の連結売上高は、34,138百万円(前期比14.3%増)、連結営業利益は、2,628百万円(前期比50.0%増)となりました。
(その他の事業)
その他の事業は、運送事業および不動産事業から構成されております。その連結売上高は、559百万円(前期比9.8%増)、連結営業利益は、196百万円(前期比6.4%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が428百万円増加し、運転資金負担の減少8,720百万円、法人税等の支払額の増加4,209百万円等により、前期に比べ6,636百万円の増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入の減少2,040百万円、設備投資による支出の増加11,529百万円、固定資産売却による収入の減少20百万円等があり、前期に比べ14,255百万円の支出増となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出の増加516百万円、長期借入金の返済による支出の減少2,650百万円、配当金の支払額の増加1,243百万円等の結果、前期に比べ931百万円の支出増となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前期末に比べ1,571百万円減少し、87,509百万円となりました。
(3)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示しますと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
機能化学品事業 |
113,142 |
△5.4 |
医薬・医療・健康事業 |
39,743 |
△13.6 |
化薬事業 |
30,858 |
14.8 |
合計 |
183,743 |
△4.5 |
(注)1 金額は販売価格によっております。
2 当連結会計年度から、従来「ライフサイエンス事業」と表示していた報告セグメントの名称を「医薬・医療・健康事業」に変更しております。報告セグメントの名称変更によるセグメント情報に与える影響はありません。
②受注実績
当連結会計年度における化薬事業の受注実績を示しますと、次のとおりであります。
なお、化薬事業を除く製品については見込み生産を行っております。
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
化薬事業 |
27,914 |
△27.3 |
49,436 |
32.5 |
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示しますと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額 (百万円) |
前期比 (%) |
機能化学品事業 |
133,556 |
△1.8 |
医薬・医療・健康事業 |
53,998 |
5.1 |
化薬事業 |
34,138 |
14.3 |
報告セグメント計 |
221,693 |
2.1 |
その他の事業 |
559 |
9.8 |
合計 |
222,252 |
2.1 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
3 当連結会計年度から、従来「ライフサイエンス事業」と表示していた報告セグメントの名称を「医薬・医療・健康事業」に変更しております。
また、連結子会社であるNOF EUROPE GmbHにつきましては、従来「機能化学品事業」に含めておりましたが、当該子会社の業績管理区分を見直し、「医薬・医療・健康事業」に含めて表示する方法に変更しており、前期比については、変更後の報告セグメントの区分に組み替えた数値で比較をしております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
①経営成績等
a.財政状態
(資産合計)
総資産は、前期末に比べ32,010百万円増加し、341,449百万円となりました。資産の増減の主な内容は、現金及び預金の減少775百万円、売上債権の増加9,177百万円、棚卸資産の増加1,270百万円、有形固定資産の増加10,831百万円、無形固定資産の増加1,017百万円、投資有価証券の期末時価評価等による増加6,473百万円等であります。
(負債合計)
負債は、前期末に比べ6,105百万円増加し、75,541百万円となりました。負債の増減の主な内容は、買入債務の増加3,387百万円、有利子負債の増加322百万円、未払法人税等の減少1,287百万円、繰延税金負債の増加3,107百万円等であります。
(純資産合計)
純資産(非支配株主持分を含む)は、前期末に比べ25,904百万円増加し、265,907百万円となりました。純資産(非支配株主持分を含む)の増減の主な内容は、親会社株主に帰属する当期純利益33,990百万円、剰余金の配当による減少9,192百万円、自己株式の取得等による減少7,523百万円、その他有価証券評価差額金の増加4,960百万円、退職給付に係る調整累計額の増加1,812百万円等であります。
b.経営成績
(売上高)
売上高は222,252百万円と前期比2.1%、4,543百万円の増収となりました。その内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況 ②経営成績」に記載したとおりであります。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は142,762百万円と前期比0.7%、995百万円の増加となりました。原価率は、前期と比較して0.9ポイント減少し64.2%となりました。
販売費及び一般管理費は37,348百万円と前期比5.7%、2,029百万円の増加となりました。売上原価、販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は7,253百万円と前期比10.3%、679百万円の増加となりました。
(営業利益)
営業利益は、42,142百万円と前期比3.7%、1,517百万円の増益となりました。セグメント別の営業利益については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報)」の欄に記載しております。
(営業外収益(費用))
営業外収益(費用)は、前連結会計年度の2,558百万円の収益(純額)から、3,435百万円の収益(純額)となりました。受取利息および受取配当金の合計から支払利息を差引いた金融収支は、前連結会計年度の1,291百万円の収入(純額)から、1,379百万円の収入(純額)となりました。
(経常利益)
経常利益は45,577百万円となり、前期比5.5%、2,394百万円の増益となりました。
(特別利益)
特別利益は3,025百万円となり、前期比1,857百万円の減少となりました。この減少は、主に前期において投資有価証券売却益等を計上したことによるものであります。
(特別損失)
特別損失は134百万円となり、前期比108百万円の増加となりました。この増加は、主に当期において減損損失等を計上したことによるものであります。
(税金等調整前当期純利益)
税金等調整前当期純利益は48,468百万円となり、前期比0.9%、428百万円の増益となりました。
(法人税等(法人税、住民税及び事業税ならびに法人税等調整額))
税金等調整前当期純利益に対する税効果会計適用後の法人税等の負担率は29.7%となり、前期比0.5ポイントの増加となりました。
(非支配株主に帰属する当期純利益)
非支配株主に帰属する当期純利益は70百万円(前期は、非支配株主に帰属する当期純利益42百万円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は33,990百万円となり、前期比0.1%、17百万円の増益となりました。1株当たり当期純利益は141.17円と前期比2.16円の増加となりました。
なお、2024年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っており、1株当たり当期純利益は株式分割実施後の株数にて算出しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
国内経済は、新型コロナウイルス感染症の位置づけが「5類感染症」に移行されたことを受けて、感染症拡大前の経済水準に回復しつつあります。しかしながら、ウクライナ危機の長期化、中東情勢の緊迫化、米中の対立、原燃料価格の高止まり、世界的なインフレ継続と金融引締めに伴う影響もあり、世界経済の先行きは不透明な状況が継続するものと想定されます。
このような情勢下、目指す3分野「ライフ・ヘルスケア」「環境・エネルギー」「電子・情報」において、市場ニーズの変化に柔軟に対応し、化学の力で新しい価値を継続的に創出し、すべてのステークホルダーの皆様の信頼にお応えし続けることで、安心で豊かな社会の実現に向けて挑戦してまいります。
本年度も引き続き、2023年度を初年度とする3ヵ年計画「2025中期経営計画」における基本方針「実践と躍進」に沿って、「市場の変化を捉えた事業拡大」「新製品・新技術開発の加速」「生産性の向上」「安全・安心の追求」「CSRの推進」の各課題に取り組んでまいります。
「市場の変化を捉えた事業拡大」を加速するため、目指す3分野での積極的な戦略投資を推進してまいります。機能化学品事業においては、愛知事業所内の化粧品ODM(オリジナル・デザイン・マニュファクチャリング:相手先ブランドによる製品の設計・製造)ラインの増設を進めてまいります。また、医薬・医療・健康事業においては、将来の核酸医薬品等バイオ医薬品市場の成長を見込み、愛知事業所内にDDS医薬用製剤原料の製造設備の新設を進めてまいります。
「新製品・新技術開発の加速」については、バイオ化学品、熱制御素材、エレクトロニクス分野、健康食品分野等を中心に、産学官からの公募やベンチャーキャピタルなどを活用したオープンイノベーションによる協創を進め、新製品・新技術開発の加速につなげてまいります。
「生産性の向上」として、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する全社的な人材育成の取り組みを継続すると共に、データサイエンスを活用したMI(マテリアルズ・インフォマティクス)による新規化学素材の探索および配合組成の最適化等の研究開発の効率化、生産・品質管理システムの導入とネットワーク構築等によるスマートファクトリー化に引き続き取り組んでまいります。
「安全・安心の追求」では安全・安心な製品の提供、社会環境や自然環境への安全配慮、保安防災、労働安全の徹底に取り組み、適切な事業運営に努めてまいります。
「CSRの推進」では、サステナビリティに関する11項目のマテリアリティを特定し、これを「豊かで持続可能な社会実現のための新たな価値の提供」「事業基盤の強化」「レスポンシブル・ケア活動の推進」の3つに大別し、項目毎に目標(KPI)を設定し、その取り組みを推進しております。「豊かで持続可能な社会実現のための新たな価値の提供」では、先進医療・医薬、人の美しさと健康、アンチエイジング、環境負荷の低減、資源循環、スマート社会等、さまざまな要請に貢献するため、目指す3分野に当社の独自技術・素材を活かした製品供給を目指してまいります。「事業基盤の強化」では、収益力の強化、ワーク・ライフ・バランスの実現を目指した働き方改革の推進、価値観の多様性を受け入れる企業風土作り、レジリエンスを向上させる事業継続計画の充実等を深化してまいります。「レスポンシブル・ケア活動の推進」では、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けた施策の検討や、化学物質の管理等の施策に取り組みます。また、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、気候関連の情報開示の拡充に取り組んでまいります。
これらの課題への取り組みを遂行し、さらなる事業革新を進め、国際競争力のある強靭な企業体質を築いてまいります。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営の主たる指標については、グループの業績評価における重要指標である営業利益のほか、株主重視の視点から個別事業における業績管理など経営効率の評価基準として、自己資本当期純利益率(ROE)、総資産経常利益率(ROA)および売上高営業利益率を活用しております。
当連結会計年度における自己資本当期純利益率(ROE)は、13.5%(前期比1.3%減少)、総資産経常利益率(ROA)は14.0%(前期比0.4%減少)、売上高営業利益率は19.0%(前期比0.3%増加)となりました。
④セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの財政状態につきましては、以下のとおりであります。
機能化学品事業における資産は、前期末に比べ、8,927百万円増加し、127,759百万円となりました。
医薬・医療・健康事業における資産は、前期末に比べ、9,377百万円増加し、47,125百万円となりました。
化薬事業における資産は、前期末に比べ、9,073百万円増加し、67,656百万円となりました。
その他の事業における資産は、前期末に比べ、162百万円増加し、4,245百万円となりました。
セグメントごとの設備投資等の概要につきましては、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載したとおりであります。
なお、経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
①基本方針
当社グループは、独創性のある製品を国内外の市場に提供できる機能材メーカーとしてさらなる進化を遂げ、信頼され存在感のある企業グループの実現に努めるために、以下のとおり対応してまいります。
事業への資源配分については、「市場の変化を捉えた事業拡大」を加速するため、目指す3分野「ライフ・ヘルスケア」「環境・エネルギー」「電子・情報」での積極的な戦略投資を推進してまいります。
利益配分については、株主の皆様への安定的な利益還元を経営の重要課題と認識しております。利益配分の基本方針は総還元性向50%程度を現中期経営計画最終年度(2025年度)の目標水準とし、安定的な利益還元の維持継続を基本とする配当の実施とともに、自己株式取得・消却を必要に応じ実施してまいります。
なお、配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。
内部留保資金は、将来に向けた成長のための設備投資や研究開発投資、財務体質の充実などにあて、収益基盤の強化を図ってまいります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。営業費用の主なものは人件費および発送配達費等の費用であります。当社グループの研究開発費は、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めております。
当社グループの投資活動にかかる資金需要のうち主なものは、高付加価値品の需要拡大に対応する生産設備、新技術開発による生産設備の新設や環境負荷低減のための設備改修等にかかる設備投資であります。
④有利子負債
2024年3月31日現在の有利子負債の概要は下記のとおりであります。
|
年度別要支払額 |
||||
区 分 |
合計 |
1年以内 |
1年超3年以内 |
3年超5年以内 |
5年超 |
短期借入金(億円) |
16 |
16 |
- |
- |
- |
長期借入金(億円) |
27 |
- |
16 |
11 |
- |
⑤財務政策
当社グループは現在、運転資金および設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については期限が1年以内の短期借入金で、銀行等からの借入金および海外子会社の現地での借入金から構成されております。これに対して、生産設備などの長期資金は原則として固定金利の長期借入金で調達しております。2024年3月31日現在、長期資金の残高は27億円で、主に固定金利の円での借入であり、銀行等からの借入金であります。
当社グループは、その健全な財務状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力および借入により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金および設備投資資金を調達することが可能と考えております。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
技術導入契約
契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
日油㈱ |
INTERNATIONAL MILITARY SERVICES LIMITED |
英国 |
155㎜FH-70榴弾砲用発射装薬 |
製造技術 |
1987年4月23日から 2027年3月31日 |
日油㈱ |
RHEINMETAL L W & M GMBH |
ドイツ |
120mm戦車砲 |
技術援助 |
2004年1月28日から 2029年1月27日 |
日本工機㈱ |
Northrop Grumman International Trading Inc. |
米国 |
30mm機関砲用弾薬 |
技術援助 |
2007年2月28日から 2031年7月31日 |
日本工機㈱ |
Nammo Raufoss AS |
ノルウェー |
20mmMP弾 |
技術援助 |
2017年3月13日から 2027年3月12日 |
当社グループの事業は、機能化学品、医薬・医療・健康、化薬、その他の事業からなり、これらの固有技術の展開を図るとともにグループとしての総合力を発揮して化学産業を取り巻く環境や社会ニーズの変化に対応した研究開発を進めております。成長の期待される先端分野や新規分野では、先端技術研究所および新規事業開発室を始めとする当社グループの研究部門のみならず、産学官との共同研究や委託研究により研究開発を推進しております。
当連結会計年度は、研究開発費として
以下、各事業セグメントの研究開発活動の概況についてご説明申し上げます。
〔主な研究開発の成果〕
(1)機能化学品事業
脂肪酸誘導体や界面活性剤等の油脂化学、およびエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド誘導体や有機過酸化物、機能性ポリマー等の石油化学の技術を活かし高付加価値品の開発を進めております。トイレタリー関連では、環境に配慮した植物由来の紫外線散乱向上剤や炭化水素油を開発し、これら当社機能性素材を活かした化粧品処方とともに市場展開しております。環境関連では、非フッ素系の撥剤用素材、船舶用に最適な生分解性潤滑油を開発しラインナップ化を進めています。電子情報関連では、積層セラミックコンデンサー用添加剤の市場展開を進め、新パイロットプラントを活用した半導体用ポリイミド関連素材の開発も進めています。自動車用部材としては各種ランプユニットに最適な耐久性の高い防曇剤、シール材の開発と市場展開を進めています。
特殊防錆処理剤は、自動車部品向けに処理皮膜に傷が付いても耐食性が良好な水系亜鉛フレーク処理剤を開発し、市場展開を進めております。また、自動車部品に続く重点分野として建築・インフラ分野を位置づけ、市場の開拓を進めております。
当セグメントに係る研究開発費は
(2)医薬・医療・健康事業
食用加工油脂・食品機能材は、少量添加で発酵バターの香りや呈味を付与できる製菓・製パン用の風味添加剤を開発いたしました。また健康関連製品ではビフィズス菌や乳酸菌などに適したコーティング技術を開発し、健康食品向け新機能の探索と新規素材の開発を進めております。
生体適合性素材は、アイケア、診断薬、医療機器関連向けにMPCポリマーや新規素材の開発を進めております。
DDS(ドラッグ・デリバリー・システム:薬物送達システム)医薬用製剤原料は、ペプチド医薬用やタンパク質医薬用の活性化PEG、抗体医薬用に単分散PEGや核酸医薬用の機能性脂質の開発を進めております。
当セグメントに係る研究開発費は
(3)化薬事業
産業用爆薬類は、コスト低減と安全性の向上を目的に需要家のニーズに応えられる高性能含水爆薬や無線電子雷管、および爆薬装填システムの研究開発を行っております。また、非火薬破砕剤の用途開発も進めております。
宇宙関連製品は、H3ロケット用固体推進薬やイプシロンSロケット用固体推進薬の研究開発を進めております。
防衛関連製品は、国の防衛装備品の計画に基づき、新しい発射薬・推進薬の製品設計や製造技術の確立に向けて取り組んでおります。
当セグメントに係る研究開発費は
(4)コーポレート研究
先端技術研究所で次世代の素材や技術の研究に取り組むとともに、新規事業開発室はナノ医療イノベーションセンターの研究拠点において、ライフ・ヘルスケア分野の先端医療、再生医療関連で産学官連携のオープンイノベーションを推進しております。さらに、医療・医療機器分野で「産学委託研究公募」を実施し、新素材・新技術の導入と次世代の製品群の創出を進めております。
コーポレート研究に係る研究開発費は915百万円であり、各事業セグメントに配分していない全社費用に含まれております。