文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは「お客さまとともに発展する」、「事業を通じた国際社会への貢献」、「創造と挑戦を実践する人づくり」、「高い倫理観と公正性に基づいた健全な企業活動を行う」、「人と地球環境を大切にする」という5つの経営理念の下、市場環境の変化とともに急速に多様化するユーザーニーズに迅速・的確に対応し、経営資源を戦略的・効率的に活用することにより、金属加工機械、金属工作機械及びこれらに関連するソフトウエア・情報ネットワークシステム・技術サービスの各事業分野で質の高いソリューションを提供し続けることにより、長期的な成長と社会に貢献できる会社づくりを進め、持続的な企業価値の向上に努めています。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、「お客さまとともに発展する」をはじめとする5つの経営理念を基に、2030年に目指す姿として「長期ビジョン2030」を策定し、2022年5月に公表しました。また、2023年5月には持続的な成長と企業価値向上に向けた具体的なアクションプランとして、「まだないモノをアマダとつくる」をスローガンに2023年から2025年までの3か年の「中期経営計画2025」を策定し公表しました。
① 長期ビジョン2030の概要
当社グループは2030年に目指す姿とその実現に向けて「長期ビジョン2030」を策定しました。具体的な長期目標・長期経営目標は以下のとおりです。
長期ビジョン2030の達成に向け、以下の3つの成長戦略を柱に事業を推進してまいります。
ⓐ 環境対応ビジネス
・カーボンニュートラルに向けた社会・お客さまに価値を生み出す商品の展開
・産業構造の変化によるビジネスチャンスの拡大・環境対応型ビジネスへの変化
・働き方改革、労働環境への対応(自動化・スキルレスソリューションの展開)
ⓑ DX&サービス
・お客さまの製造現場におけるDX化・デジタル化への対応に向けた提案システム改革
・アフターサービスビジネスにおける新稼働保障体制構築によるサービス拡大
・DXによる効率化、コスト構造改革による収益性改善
ⓒ グローバル拡大
・日本、北米、欧州、アジアの4極体制における自主独立体制構築
・欧米先進国市場における地域ニーズに即した商品展開
・新興国市場での現地仕様の商品展開と新たなビジネスモデルの構築
② 中期経営計画2025の概要
ⓐ 重要経営指標とキャッシュアロケーション
ⓑ 基本戦略方針
(ⅰ)売上収益4,000億円の必達と収益性の改善
・労働環境の変化やカーボンニュートラル実現等の社会課題解決に対応した新商品の拡販によるシェア拡大・利益率向上
・顧客ニーズに即したアフターサービス事業の展開による収益力の向上
・誘客施設 Amada Global Innovation Center(AGIC)を活用したビジネス領域拡大と効率的な提案活動の推進
(ⅱ)長期成長戦略への活動開始
・当社グループで培ったレーザ技術の応用による新ビジネス分野への拡大
・グローバル製造改革による供給体制強化と収益力の改善
・DX、技術開発、環境、人財投資等を含めた戦略投資の実行
(ⅲ)資本政策(株主還元)の実施
・安定配当とROE向上を目指した株主還元方針の策定
(ⅳ)ESG経営・体制強化
・商品の省エネルギー化の推進と事業所・工場排出CO₂の削減
・人財能力開発、ダイバーシティ推進、働きがいのある職場づくり
・取締役会の多様性確保と機能強化、役員報酬制度の見直し、コンプライアンスの徹底、リスクマネジメントの強化
③ 中期経営計画の進捗状況
ⓐ 重要経営指標
2023年度における経営成績は、売上収益は前期比10.3%増の4,035億円と概ね順調な初年度となったものの、営業利益は前期比13.3%増の565億円(営業利益率14.0%)となり、利益率の更なる向上が課題となっております。また、ROEは7.9%と想定線で推移しておりますが、目標の達成に向けて資本効率の改善に引き続き取り組んでまいります。
ⓑ 基本戦略方針
(ⅰ)売上収益4,000億円の必達と収益性の改善
新商品の販売については、従来商品からの切り替えが想定よりも期間を要したことにより、従来商品と比較して利益率が高い新商品の販売が想定を下回り、収益性の改善に遅れが見られましたが、2024年度から新商品の受注残の消化が進むことで利益率も改善に向かう見通しです。また、アフターサービスの強化では、お客さまの工場におけるマシン稼働の見える化を支援する「V-factory」の浸透に注力したことで接続登録社数が伸長し、IoTを活用した有償メンテナンスサービス「IoTサポート」の導入社数も順調に伸びているため、他事業に比べて収益性が高いサービス事業の増収が期待できます。併せて、2023年2月にオープンした誘客施設「Amada Global Innovation Center(AGIC)」を活用した販売活動が進展することで、一層の販売効率の向上によるコスト削減と、受注単価引き上げによる効果が見込まれます。
(ⅱ)長期成長戦略への活動開始
レーザ技術による新領域拡大戦略については、グループ資源を結集してアクションを加速させるため、2024年4月に主にレーザ微細溶接を扱う連結子会社の株式会社アマダウエルドテックを吸収合併し、レーザ事業を統合しました。グローバル市場拡大については、世界各地の市場特性に応じたグローバル戦略機を順次投入するとともに、現地生産の拡大とグローバル調達によるコスト削減を進めております。また、長期ビジョンの実現に向けた戦略投資については、3年間で約1,000億円から1,200億円の計画のところ初年度は約180億円を投じており、今後も引き続き前述のレーザ・溶接事業における新領域拡大戦略等に資金を活用していく方針です。
(ⅲ)資本政策(株主還元)の実施
株主還元方針に基づき、2023年度の年間配当は前期比12円増配となる1株につき60円を提案するとともに、総額約200億円の自己株式の取得を実施しました。2024年度においても年間配当として1株につき62円を想定し、新たに総額200億円を上限とする自己株式の取得も発表いたしました。今後も安定した配当の継続とROEの向上を念頭においた株主還元を展開してまいります。
(ⅳ)ESG経営・体制強化
2023年度における非財務目標に対する進捗は以下のとおりとなりました。環境面では事業所におけるLED照明化や太陽光発電設備設置を進めるなど、事業活動で排出されるCO₂の削減に取り組んでおります。ガバナンス面では社外を除く取締役を対象とした中期経営計画に連動した株式報酬制度を導入しました。一方、社会面では女性管理職の登用が課題となっており、キャリア採用を含めた女性採用の強化に加え、女性リーダー候補者に対する研修等の教育カリキュラムを継続的に実施することで早期育成を図ってまいります。
(非財務目標の進捗状況)
(注) (イ)表中の「グループ国内」は、㈱アマダ、㈱アマダマシナリー、㈱アマダウエルドテック(2024年4月1日付で当社との吸収合併により、消滅しております。)、㈱アマダプレスシステム、㈱アマダツールの主要5社を指します。
(ロ)2023年度のCO₂排出量削減実績は第三者による保証前の数値となります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) サステナビリティに関する基本的な考え方
当社グループ経営理念の「お客さまとともに発展する」「事業を通じた国際社会への貢献」「創造と挑戦を実践する人づくり」「高い倫理観と公正性に基づいた健全な企業活動を行う」「人と地球環境を大切にする」は、すべての企業活動の根幹をなすものであり、サステナビリティに対する基本的な考えが凝縮されていると言えます。そして、2021年7月にサステナビリティ基本方針を策定するとともに、当社グループが優先して取り組むべき課題をE・S・Gの枠組みで特定し、取り組みの明確化を図り、公表しました。これらの課題は国連のSDGs(持続可能な開発目標)のゴールに対応しており、着実に取り組みを進めることによりSDGsの達成に貢献することができると考えています。当社グループは、すべてのステークホルダーとの対話を尊重し、モノづくりを通じた社会課題の解決に挑戦し続けることにより、持続可能な社会の実現に積極的な役割を果たすとともに、企業価値の向上に努めてまいります。
〔参照〕経営理念
(https://www.amada.co.jp/ja/corporate/philosophy/)
〔参照〕行動規範
(https://www.amada.co.jp/ja/corporate/conduct/)
〔参照〕サステナビリティ基本方針
(https://www.amada.co.jp/ja/sustainability/amadagroup_sustainability/basicsustainabilitypolicy/)
〔参照〕環境理念・方針
(https://www.amada.co.jp/ja/sustainability/environment/management/principle/)
当社は、2024年4月にグループのサステナビリティ推進を統括する社長直轄の組織としてサステナビリティ推進室を新設しました。現在、重要事項の審議機関の設置や全社横断推進プロジェクトの発足など、グループ全体のサステナビリティ推進体制を整備しております。また、優先して取り組むべきサステナビリティに関する課題については定期的に取締役会に報告しております。
課題の特定にあたり、当社の事業環境や各ステークホルダーにとって関連性の高いサステナビリティ課題を抽出し、社内の検討会議で事業への影響度とステークホルダーへの影響度の観点から議論を重ね、特に優先度の高い課題を明確化いたしました。
また、2023年5月に当社グループは2030年に目指す姿として「長期ビジョン2030」を策定し、その実現に向けた重点項目の1つに「ESGの推進」を設定しました。同時に、2025年度までの中期経営計画における基本戦略方針として「ESG経営・体制強化」を掲げ、サステナビリティに関する重要な課題を解決するための定量・定性指標を定め、中期(2025年度)及び長期(2030年度)で達成すべき目標を設定しました。その際、成長戦略の実現と持続可能な企業価値の向上を図るために、2021年に公表した重要課題と取り組みについて見直しをしました。
(「中期経営計画2025」 ESG経営・体制強化:サステナビリティに関する重要な課題と取り組み)
サステナビリティを含む経営に影響を与える重要な事項は、リスクマネジメント部会及びリスク主管部署がそのリスクの洗い出しと評価を行い、対応策や対応範囲、目標、期限などを明確にしたうえで、各リスク対策の実施状況と効果などをモニタリングするとともに、必要な是正・改善を行います。リスク項目とその対策状況は内部統制・リスク管理委員会が一元的に管理を行い、優先度の高いリスク項目への対応状況は取締役会へ報告されます。
(リスク管理活動概要図)
④ 指標及び目標
上記の戦略に記した各重要課題に関するKPIは、P.18に当連結会計年度の実績と合わせて掲載しています。
(2) 気候変動への対応をはじめとする環境への貢献について
① ガバナンス
当社グループは気候変動への対応が重要な経営課題であると認識しており、代表取締役社長を委員長としたアマダグループ環境エコ委員会において、気候変動を含む環境問題に対応しています。当委員会では、事業所における環境施策を立案する「工場分科会」「施設分科会」及び商品における環境施策を立案する「商品分科会」などの組織を設置し、国内外の各事業所より環境に関する情報を集約するとともに、進捗管理を行っています。
アマダグループ環境エコ委員会において決定した気候変動を含む環境のリスク・機会及びそれらに対応するための目標・計画、進捗状況などについては、取締役会に定期的に報告し、経営の意思決定に活用しています。
② 戦略
当社グループでは、気候変動がもたらす事業への影響を把握し、リスクと機会を踏まえた経営戦略の策定及びシナリオ分析を実施しています。気候変動に関するリスクと機会には、大きく分けてカーボンニュートラルに対応する法規制や技術の変化や市場の製品選好の変化などの「移行」によるものと、平均気温の上昇そのものやそれに伴って起こる異常気象や慢性的な気象の変化による「物理的」なものの2種類があります。当社グループでは、この2種類のリスクと機会の枠組みに応じて、それらの内容及び事業活動へのインパクト、影響を受ける期間などについて評価し、以下の一覧のとおり特定しました。さらに、リスクと機会を特定するにあたり、複数のシナリオ分析を行い、その結果を反映させています。
③ リスク管理
気候変動のリスク管理は「アマダグループ環境エコ委員会」において管理・対応を図っております。特定されたリスク・機会は内部統制・リスク管理委員会に報告され、統合的なリスク管理プロセスの中で管理されます。
④ 指標及び目標
当社グループでは、気候変動に関するリスクと機会をマネジメントするための目標として「2030年度までに全事業所・工場(Scope1+2)を2013年度比でCO₂排出量75%削減」及び「2030年度までに全商品のCO₂排出量(Scope3-C11)を2013年度比で50%削減」というグループ目標を設定し、達成に向けて取り組みを進めています。
環境に関する2030年度に向けたKPIと2022年度の実績は以下をご参照ください。
また、2023年度の実績は7月中に当社ウェブサイトにおいて開示する予定です。
(アマダグループ2030中期環境計画「AMADA GREEN ACTION PLAN 2030」の重要課題と目標、実績)
※1 廃棄物の2019年基準値の一部関連会社データに2020年度データを使用
※2 ゼロエミッション率=(埋立廃棄物重量/全排出物重量)
また、当社グループは2022年11月に「SBT(科学と整合する温暖化ガス削減目標)」の認証を取得し、CO₂排出量削減目標を設定しました。「2030年度までに全事業所・工場(Scope1+2)のCO₂排出量を2019年度比で46.2%削減」及び「2030年度までにScope1+2以外の間接活動(Scope3=製品の原材料調達、販売、消費、廃棄に至るまでの過程)のCO₂排出量を27.5%削減」というグループ目標を設定し、達成に向けて取り組みを進めています。
その他、当社グループは、2023年8月にグループ会社を含む全拠点の事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーでまかなうことを目指す国際的な環境イニシアチブ「RE100」に加盟しました。「RE100」への加盟は国内の工作機械業界では初となります。
(3) 人的資本について
① 人的資本への投資について
アマダグループ経営理念の1つである「お客さまとともに発展する」は、創業時から現在にいたるまで事業活動の原点として共有されています。そして、世界のお客さまのモノづくりに貢献することが地域社会や人々の生活の発展につながるとの考えが、金属加工機械のグローバルメーカーとして成長の礎となってきました。成長の原動力は人材にほかならず、「創造と挑戦を実践する人を育て、多様な人材が能力を発揮できる環境を作り、価値創造にチャレンジし続けること」をアマダグループの人材に関するあるべき姿に掲げています。
中期経営計画では、「まだないモノをアマダとつくる」をスローガンに掲げ、脱炭素、労働力不足、技能伝承などのお客さま課題や社会課題を技術で解決することを目指しています。その実現に向けて、重要な項目を「人財能力開発」「ダイバーシティ推進」「働きがいある職場づくり」と定め、戦略的に人材投資を行っていきます。
ⓐ 人材育成方針
中期経営計画におけるレーザをはじめとする技術開発、DX推進、グローバルビジネス強化といった成長戦略を実現するためには、多様な価値観、背景、環境にある人材が自ら成長し、活躍することが重要です。人材育成方針として、多様な人材の能力開発と自律的なキャリア形成支援を柱に取り組みを推進していきます。
本人のキャリア意向を踏まえたジョブローテーション、キャリアステージに応じた教育研修の機会を提供し、能力開発や成長のスピードアップを図ります。加えてビジネスリーダー(経営幹部)、グローバル人材、女性リーダー、先端・専門分野における技術人材の育成に注力していきます。
ⓑ 社内環境整備方針
経営理念の1つである「人と地球環境を大切にする」をもとに、性別や年齢、国籍や人種、宗教、性的指向、障がいの有無などに関わらず、すべての人の対等・平等、人権を尊重し多様な価値観を受け容れる風土や環境づくりに役員・社員全員で取り組むことが重要です。社内環境整備方針として、アマダグループで働く社員一人ひとりが働きやすさと仕事のやりがいを実感できる活力ある職場づくりを軸に施策を推進していきます。
社員が心身ともに安全・健康に働ける環境づくりを進め、長期に渡り安心して働ける基盤強化を図ります。加えて、社員が置かれている環境や状況に応じた多様な働き方を整備するとともに、業務の適正な評価とそれに基づく処遇を定める人事制度改革を行い、働きがいの向上を図ります。
このような取り組みを統合的に進めることにより、社員の自律的なキャリア形成と成長への挑戦を後押しし、会社並びに社員双方にとっての価値創造を目指します。
② 人的資本に関するリスク管理
人的資本の重要性が増す一方で、労働人口の減少、人々の働き方や生活スタイルに対する価値観の変化に伴い労働市場の流動化が進んでいます。これらは、当社グループにとって多様な人材の確保と維持、あるいは成長戦略の推進にマイナス影響を与えるものと認識しております。こうしたリスクに対して、定期的な新卒採用や戦略に応じたキャリア人材の採用を行うとともに、職種ごとに能力開発の体系化を行い社員の着実な成長を促します。また、働きがいのある職場づくりをより一層推し進めることによって、多様な人材から選ばれ、その人材が長期に渡り活躍ができる企業となることを目指します。
リスク管理においては、アマダグループ内部統制・リスク管理委員会のリスクマネジメント部会にヒト関連の部会を設置し、人的資本に関する対応を行っています。当部会は人事、総務部門が中心となり、安全・衛生、労務、人材育成、働き方などの項目について、リスクの洗い出しと評価を行い、対応策や目標、期限などを記した基本計画を策定します。半期ごとにリスクマネジメント部会に対して活動内容と評価を報告し、対応策の改善などにつなげています。
③ 重要な項目への取り組み
3つの重要な項目である「人財能力開発」「ダイバーシティ推進」「働きがいある職場づくり」に応じた指標とその目標値を設定し、改善を図るための施策を計画し実行しています。
社員一人ひとりが働きやすさと仕事のやりがいを実感できる活力ある職場づくりを目指し、毎年社員意識調査を行っています。調査結果は経営層に報告するとともに社員に公開、共有しており、社員の意識改革や施策の浸透度などを測り、課題の抽出と対策の立案に活用しています。
ⓐ 人財能力開発
多様な人材の能力開発の一環として、グローバル人材及び若手から中堅層社員の育成に注力しています。
海外現地法人への赴任や海外関連業務への従事を希望する社員をプールし、配置や育成に活用しています。若手の育成を目的とした海外研修制度を新たに開始し、海外現地法人に毎年研修生を派遣しています。また、新入社員に対しては職務や業務に関わらず、商品、技術、ビジネスの流れを一定レベル理解した人材として配属部署で業務を執り行えるように、国内グループで統一したカリキュラムに刷新しました。上述の取り組みを含めて育成対象や領域を拡充した結果、一人あたり教育研修時間は、2024年3月期の目標38.0時間に対し47.7時間(国内グループ5社)となりました。今後もさらなる人材能力開発の強化を図っていきます。
ⓑ ダイバーシティ推進
人権の尊重と女性活躍推進を重点テーマに取り組みを進めています。
アマダグループに従事するすべての役員及び従業員が人権を尊重する責任を示した「人権方針」を策定し、2024年2月に公表しました。人権に関する国際規範を理解したうえで、経営理念にある「お客さまとともに発展する」及び「人と地球環境を大切にする」や、サステナビリティ基本方針の「人権の尊重」並びに社内環境整備方針を踏まえ、あらゆる企業活動において人権侵害等を防止、軽減、救済することを宣言しています。
女性活躍推進については、女性管理職の登用が課題と認識しており、女性のリーダー育成と母集団形成に注力しています。具体的には、女性管理職候補とその上司を対象とした研修プログラムを継続実施し、女性社員が持続的に活躍できる環境の整備を積極的に進めています。2024年3月期の女性管理職目標18名に対し15名(国内グループ5社)となりました。また、女性社員比率が低いことから、新卒の学卒採用者における女性比率の目標を毎年25%以上としており、2024年3月期は32.6%(国内グループ5社)でした。今後は、キャリア採用を含めた女性採用の強化に加え、女性リーダー候補者に対する研修等の教育カリキュラムを継続的に実施することで早期の育成と登用を図ってまいります。
ⓒ 働きがいある職場づくり
働き方改革の推進を重点テーマに掲げ、有給休暇の取得と男性の育児休業取得を推進しています。
新たに時間単位有休制度を導入し、柔軟に働くことができる環境の整備を進めました。また、半期ごとに一定日数の有給休暇の取得を事前申請する「個人計画有休」や、部署単位で「有休取得強化月間」を設定するなど、業務のメリハリを意識した行動を促した結果、有給休暇取得率は2024年3月期の目標70.0%に対し74.3%(国内グループ5社)となりました。
また、男性の育児休業については、対象者に個別に制度の周知を図るほか、対象者の上長にマネジメントフローを案内し、上長から本人への取得奨励を必須化しています。役職者研修においては制度案内に留まらず育休期間中の引継ぎの具体例を示すなど、円滑な組織運営が図れるよう働きかけを行っています。
また「長期取得を検討している男性社員」や「取得事例の少ない営業・サービス職の社員」をターゲットとして、取得者のモデルケースを社内報で周知することで、男性の育児休業を受けいれやすい風土の醸成を図っています。こうした取り組みの結果、2023年8月には、子育てサポート企業の証である「くるみん認定」にいたりました。また、男性の育児休業取得率は、2024年3月期の目標63%に対し68.2%(国内グループ5社)となりました。
2023年7月、従業員一人ひとりの健康保持・増進、活力向上を「長期に渡り安心して働く上での基盤」と捉え、健康経営に取り組むため「健康経営宣言」を公表しました。また健康経営優良法人認定制度における「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)に認定されました。
④ 指標と実績
上記重要な項目や取り組みと連動する形で策定した2025年度と2030年度に向けたKPIは、P.18に2024年3月期の実績と合わせて掲載しています。
当社グループの損失発生の防止及び損失の最小化を図ることを目的として「リスク管理基本規程」においてリスク管理に関する基本的な事項を定め、平常時から対応策を検討する等のリスク管理に努めております。内部統制・リスク管理委員会が当社グループのリスクを一元管理し全社的推進等を図り、個々のリスク管理は内部統制・リスク管理委員会の下部組織であるリスクマネジメント部会が、ヒト・モノ・カネ・情報等に係るグループレベルでの重要リスク管理シートに基づいたリスク対策の進捗状況を承認しております。これに加え、「サイバーセキュリティ委員会」、「輸出管理本部」、「統括安全衛生委員会」、「健康経営推進委員会」等の各専門委員会においてリスク管理を図っております。
また、緊急事態の発生時においては緊急対策本部等を設置して迅速に危機管理を行っております。
(リスク管理活動の概要)
リスクマネジメント部会又はリスク主管部署は、毎期リスクの見直しを行い、「損失規模」と「発生頻度」の観点から重要度を再評価し、主要リスクのリスクマップを作成しています。主要リスクの対応範囲や目標、期限等を明確にしたうえで各リスク対策を実施し、実施状況と効果等をモニタリングし必要な是正・改善を行います。識別されたリスク項目とその対策状況は内部統制・リスク管理委員会が全社的なリスク管理活動として一元管理し、主要リスク項目については取締役会へ報告されます。
当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主に以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点で当社グループが判断したものであり、以下の記載事項は、当社グループの事業に関するすべてのリスクを網羅するものではありません。
当社グループの販売する商品は、生産設備として輸送機器・家電製品・情報通信機器・一般機械・建築資材など幅広い分野の製造工程において使用されております。その結果、特定の産業の景況変動の影響は受けにくい傾向にありますが、産業全体の設備投資動向等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 海外展開について
当社グループは、市場のグローバル化に対応して、生産及び営業拠点を北米、欧州、アジア等の海外にも展開しており、連結売上収益に占める海外売上比率は、当連結会計年度で63.1%であります。このため、進出国における紛争(戦争、内乱、クーデター等)・テロ、経済動向及び政治・社会情勢の変化、予期せぬ法規制等の変更などにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループはロシア連邦(モスクワ市)に子会社を有しております。ロシア・ウクライナ情勢については、各国の対露制裁措置等により当社グループの業績に影響を及ぼすことが見込まれますが、当社グループの連結業績に与える影響は軽微であります。
(3) 価格競争について
当社グループが事業を展開する市場は、激しい価格競争下にあり、新商品の投入やソリューション提案型のエンジニアリングビジネスへの取り組みなどにより、適正な販売価格の維持に努めておりますが、競争のさらなる激化や長期化による販売価格の変動が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 為替相場の変動について
当社グループは、主に米ドルやユーロの現地通貨建てで商品を輸出しております。このため、為替相場の変動に備えて、為替予約取引などによるリスクヘッジや海外での生産比率の向上に努めております。また、海外連結子会社の資産及び負債等が円換算されることから、想定以上に為替相場が変動した場合は、為替差損益の発生や商品競争力の変化により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 資材調達について
当社グループは、部品や資材を複数の取引先から調達しております。これらは原材料価格や原油等のエネルギー価格の変動により、調達価格が大幅に変動する可能性があります。また業界の需給状況や調達先の事情、自然災害によって安定的な供給が困難になり、生産効率が低下することも想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 製品の品質について
当社グループは、国際標準化機構(ISO)の品質マネジメントシステムに基づき、万全の品質管理体制を整え、製品の設計・製造を行い欠陥の発生を抑えるように努めており、設計審査(デザインレビュー)においては、リスクアセスメントや試作機による製品安全チェックを実施しております。しかしながら、万が一製品に欠陥が発生した際のリコール費用や、事故につながった場合の損害賠償請求費用が加入している保険等で補えない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 環境問題の対応について
当社グループは、独自の環境方針のもと環境保全に資する生産体制の構築や、商品・サービスの提供に心がけ、環境負荷の低減に努めております。環境に配慮した商品については、オイルやガスの使用量が少ない省資源機、騒音が小さい低騒音機、電気の使用量が少ない省エネ機等を社内基準により評価しアマダエコプロダクツとして市場投入しております。しかしながら各国の環境規制によっては、現在の商品の販売や部品の使用が困難になり、設計変更のための費用や研究開発費の増加につながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 知的財産権について
当社グループでは、新たな価値創造のために研究開発に重点をおき、そこで開発された技術やノウハウにおいては特許出願することで知的財産権の保護に努めております。しかしながら、これらの権利が第三者により侵害されることでの競争優位性の低下や、第三者から権利侵害を追及され、損害賠償請求や商品の販売差し止めを受けることで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 情報セキュリティーについて
当社グループでは、事業活動に必要な機密情報・個人情報などを保有しており、これら情報の機密保持については厳格な管理体制を構築しております。しかしながら、サイバー攻撃やコンピュータウィルスにより、不正アクセスが発生した場合は、当社グループの業務システムの停止や機密情報・個人情報の外部流出、信頼の低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループは「サイバーセキュリティ委員会」を設置し、セキュリティリスクに備えるため、リスクアセスメント・対策計画作成・実行・報告を循環プロセスとして継続的に行い、グループ・グローバルのITガバナンスの強化をするとともに従業員のセキュリティレベルに合わせた教育や訓練を行い、セキュリティリテラシーの向上を行っています。併せて、セキュリティインシデント発生時も含めた対応組織として当社のネットワーク商品に関する対策を講じるPSIRT*、社内システムの対策を講じるCSIRT*を立上げ、平時から備えています。
(10) 自然災害、広範囲な感染症の流行などについて
当社グループは、生産及び営業拠点をグローバルに展開しております。それら周辺地域での地震・水害等の自然災害や広範囲な感染症の流行などにより甚大な被害が発生し、復旧、復興が長期化した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、事業継続計画(BCP)対策の一環として、伊勢原事業所内の一部の建物に免震装置の導入や防災エネルギーセンターの建設により自家発電設備、給水、食料備蓄などを整備しております。また、国内及び海外の製造拠点の拡充を推進し、生産活動や供給におけるリスク分散を図っております。
(11) 金融市場の変動について
当社グループは、一部でキャッシュ・マネジメント・システムの導入などを行うことで有利子負債の最適化に取り組んでおりますが、大幅な金利の上昇は支払利息の増加につながります。一方で金利の低下や株式市場の変動により、保有する有価証券の利回りの低下や評価額の変動及び、制度資産の割引率への影響による退職給付費用や債務が増加することも想定されます。これらの要因が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 人材について
当社グループは、製造・開発・販売等に携わる優秀な人材を採用し育成することで、グローバルな事業活動の推進と競争力の維持向上を図っております。しかしながら、採用や育成に失敗した場合、また優秀な社員が退職又は流出した場合には、競争力の低下により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
*PSIRT:自社が提供する製品やサービスを対象に、セキュリティ向上やインシデント発生時の対応を行う専門組織
*CSIRT:自社の組織を対象に、セキュリティ向上やインシデント発生時の対応を行う専門組織
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当連結会計年度における当社グループを取り巻く環境は、世界的なインフレ進行と欧米での急速な利上げ、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の長期化や中東情勢の緊迫といった地政学リスクと相俟って、先行き不透明な状況にありました。一方、地政学・地経学リスク等を起点とするサプライチェーンの再構築により設備投資需要が喚起され、人手不足やエネルギー価格の高騰、環境配慮への対応措置として当社グループの省電力化・自動化・高生産性商品への設備投資需要が底堅く推移しました。さらに、資材調達の正常化に伴う受注残の着実な消化や、商品販売価格の改善などを行った結果、為替の影響も加わり、売上収益・営業利益・親会社の所有者に帰属する当期利益は、いずれも2期連続で過去最高を更新しました。
当連結会計年度における当社グループの経営成績は次のとおりです。
(売上収益)
当連結会計年度の売上収益は403,500百万円(前期比10.3%増)となりました。売上収益の内訳は、国内149,024百万円(前期比5.1%増)、海外254,476百万円(前期比13.6%増)となりました。詳細については、① 事業別・地域別の成績に記載のとおりです。
(営業利益)
営業利益は、資材費の継続的な上昇と賃上げによる人件費増加の影響を受けましたが、製造原価の低減や販売価格の改善に加え、為替が円安に推移したこともあり、56,507百万円(前期比13.3%増)となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
親会社の所有者に帰属する当期利益については、40,638百万円(前期比19.0%増)となりました。
なお、経営成績に重要な影響を与える要因については、3 事業等のリスクに記載のとおりであり、経営方針・経営戦略を達成するための客観的な指標については、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等に記載のとおりです。
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
事業別売上収益及び地域別の状況は、以下のとおりです。
(事業別売上収益の状況)
(注)その他は、遊休地の有効利用を目的としたショッピングセンター等の不動産賃貸事業等です。
売上収益は334,617百万円(前期比11.0%増)、営業利益は48,430百万円(前期比16.7%増)となりました。
<板金部門>
(注) 本表の地域別売上収益は、顧客の所在地別の売上収益です。(以下の表も同様。)
なお、当連結会計年度における板金部門の地域別の経営環境は以下のとおりです。
日本:資材価格の高騰と賃上げに伴う経費の増加により、多くの中小企業において省人化を主とした更新投資に留まる傾向にある中、電子機器等精密板金関連は軟調に推移したものの、物流倉庫等の建設需要の高まりから、サッシやエレベータといった建設設備関連による設備投資が好調に推移しました。また、政府からの補助金も下支えとなったことから、売上収益は105,393百万円(前期比3.9%増)となりました。
北米:米国ではインフレの粘性が強いことから金利の利下げが先送りされているものの、公共投資や民間設備投資は引き続き堅調であり人手不足を背景とした自動化商品への需要が続いております。カナダもインフレ圧力の根強さから金融引き締めを継続していますが、エネルギー関連や農業関連が好調に推移しました。その結果、売上収益は89,409百万円(前期比16.5%増)となりました。
欧州:金融引き締めが継続されており、ユーロ圏の製造業は足踏みの状態が続いておりますが、設備投資需要に底入れの兆しがみられつつあります。国別では各業種とも安定した設備投資が続いている英国やフランス、自動化の設備投資が進むイタリアのほか、大型案件の売上があった東欧等が堅調に推移し、売上収益は68,855百万円(前期比20.5%増)となりました。
アジア他:一部の地域では景気の持ち直しがみられた一方で、中国においては回復の兆しが見えず、また中国への輸出依存度の高いASEANを中心に苦しい局面が続くなど、国・地域によって跛行性がみられました。そのような中、政府補助金の下支えを受けて製造回帰が生じたオセアニア、エレベータや配電盤などで需要が進んだ台湾等において堅調に推移しました。その結果、売上収益は36,805百万円(前期比4.8%増)となりました。
<微細溶接部門>
国内では、自動車電装品や電子部品等が堅調に推移しました。海外では、米国において航空宇宙関連、韓国で車載電池関連の需要が進んだほか、自動車電装品等が伸びたインドも堅調に推移しました。
(金属工作機械事業)
売上収益は67,582百万円(前期比7.2%増)、営業利益は7,353百万円(前期比3.6%減)となりました。
<切削・研削盤部門>
世界各地におけるインフレや金利上昇の影響により、住宅や建築関連の低迷が続いておりますが、各国で人手不足による省人化を目的とした自動化に対するニーズは続いており、国内では建設設備関連の需要が増加しました。また、デジタルプロファイリング研削盤が売上に寄与しました。
<プレス部門>
国内では、自動車関連についてEVシフト計画への見直し等の影響から、設備投資を先送りにされるお客様が多くみられました。また、海外においても金利の高止まりやインフレにより先行き不透明な経済状況にありますが、中国ではEV関連が堅調に推移しました。
なお、各部門別の状況を合算した主要地域の状況は以下のとおりです。
(地域別売上収益の状況)
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。
財政状態の概要及び分析は以下のとおりです。
(総資産)
当連結会計年度末の総資産は、為替変動の影響を受け、前連結会計年度末と比べ33,490百万円増加し、681,053百万円となりました。流動資産は、主に部材調達の正常化に伴い、期央から生産調整を進めたものの、棚卸資産が増加したことや、第4四半期として過去最高の売上収益を得たことから期末営業債権が増加し、30,593百万円増加の429,309百万円となり、非流動資産は主に設備投資による有形固定資産の増加等により2,897百万円増加の251,743百万円となりました。
(負債及び資本)
負債も為替変動の影響を受けました。主に借入金の増加により、前連結会計年度末と比べ7,615百万円増加の146,656百万円となりました。また資本については、利益剰余金の増加や円安による在外営業活動体の換算差額の増加により25,875百万円増加の534,396百万円となり、これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末と同じ77.8%に止まりました。
連結キャッシュ・フローの区分別状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローの主な増加要因は、税引前利益58,066百万円、減価償却費及び償却費18,450百万円、主な減少要因は営業債権及びその他の債権の増加4,063百万円、営業債務及びその他の債務の減少2,961百万円、法人所得税の支払額21,845百万円でした。その結果、47,595百万円の収入(前連結会計年度比22,645百万円の収入増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローの主な減少要因は、有形固定資産・無形資産の取得による支出16,046百万円でした。その結果、15,188百万円の支出(前連結会計年度比1,865百万円の支出増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローの主な減少要因は、配当金の支払額17,570百万円、自己株式の取得による支出20,004百万円でした。その結果、38,145百万円の支出(前連結会計年度比17,753百万円の支出増)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ5,135百万円減の93,420百万円となりました。
なお、連結キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりです。
親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/総資産
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
* 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
* 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により計算しております。
* 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当社グループの主な資金の源泉は、営業活動からのキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、内部資金で構成され、運転資金や設備投資等の経常的な資金需要及びM&A等の機動的な資金需要に充当されています。このうち、金融機関からの借入は現金及び現金同等物を下回る残高水準である事から、今後必要となる資金を適切に調達するうえで特段の問題は生じないものと考えています。加えて、格付投資情報センターより信用格付(A+安定的)を取得、維持しており、幅広い手段で低利で安定的な資金調達が実施可能であると認識しています。なお、日本、アメリカ、ヨーロッパ、中国にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入しており、資金効率の向上、金融費用の抑制を図ると同時に、流動性確保の状況について継続的なモニタリングが可能な体制となっております。
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針及び、将来に関する仮定及び報告期間末における見積りの不確実性の要因となる事項は、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針及び4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
(連結子会社の吸収合併)
当社は、2023年11月9日開催の取締役会において、2024年4月1日を効力発生日として、当社を吸収合併存続会社、当社の完全子会社である株式会社アマダウエルドテックを吸収合併消滅会社とする吸収合併を行うことを決議し、同日付で合併契約を締結いたしました。この契約に基づき、当社は2024年4月1日付で吸収合併しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。
当社グループにおける研究開発活動は、技術部門を中心に国内外の研究開発拠点において、マシン、ソフト、周辺装置等の新商品開発並びに未来志向型の基礎・応用研究を行っております。
商品開発におきましては、「品質の向上」、「コストの低減」及び「リードタイムの短縮」の追求を基本としており、その推進強化を図るため、開発におけるフロントローディング化を促進しております。さらに、すべての開発商品に対し「省エネルギー」、「省資源」、「再資源化」、「使用時の環境への配慮」等の環境に関する項目について、製品アセスメントを行っております。
当連結会計年度におきましては、市場創造のための技術開発の推進や、市場競争力のある商品の早期市場投入のため、開発の効率化・スピード化を図りながら