(1)経営方針
当社グループは、「お客様にさらに信頼される」ため、従業員全てが一人の経営者として考え、判断し、行動する「全員経営理念」を行動指針としております。
(2)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症対策が緩和された一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や円安の影響から大幅な物価上昇が発生しており、日銀のマイナス金利政策解除により今後も不透明な経営環境が続くと見込まれます。
(3)経営戦略
当社グループは「デジタル一番星」、「お客様感動No.1」を常に追求し、その実現のため「選びやすい売場」及び「お客様の立場に立った接客」を常に心がけ、コンサルティングセールスのレベルアップやお客様のニーズに合ったサービスの充実に取り組んでまいりました。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、安定的な収益力、効率的な投下資本の運用、及び業界トップの持続的な高い成長力を重要な経営目標として、ROE15%以上、連結自己資本比率30%以上の健全経営を掲げてまいりました。当該指標について、直近では2022年3月期に達成いたしましたが、当連結会計年度においては、ROEは12.1%、連結自己資本比率は31.8%となりました。
また、株主の皆様に対する利益還元を経営の最重要課題のひとつと位置づけたうえで、財務体質の強化と積極的な事業展開に必要な内部留保を勘案し、継続して安定した配当を実施することを基本方針としております。
(5)優先的に対処すべき課題
ロシアによるウクライナ侵攻や米欧のコロナ禍からの回復を起因とした世界的な物価上昇が継続する中、国内では名目賃金の上昇がかかる物価上昇を下回る状況が継続し、また日銀はマイナス金利政策の解除を行いました。当社グループの経営環境は、このような国内外の経済状況のもと、さらに海外景気の下振れというリスク要因も潜在的に持ちながらの運営となるため、今後も不透明な状況が続くものと見込まれます。
こうした状況下において、当社グループは、常にお客様に喜んでいただけるよう、「愛ある指摘で理念の浸透・DXでお客様にわくわくをPoOでやり上げよう」をスローガンとし、グループ各社に理念を浸透させ、従業員を育成し、DXを推進させることで、当社グループが一丸となってお客様にご支持いただけるよう、次の3点を重要項目として取り組んでまいります。
①店舗運営
常にお客様の立場に立った行動で、お客様のご要望に合った商品を取り揃え、そしてお客様が商品を体感し、選びやすいように売り場を作成いたします。そして、お客様が安心して快適にお買い物を楽しめるようDXを企画、使用、改善することを進めてまいります。
②人材育成
専門知識を有する商品コンサルタントが、真心を込めたサービスとDXを活用した接客で、お客様に喜んでいただけるようにいたします。当社は、このような人材の育成にあたって、各人の接客能力向上、商品知識等の修得を目的として、自己育成用WEBツールの「ノジマ学(まなぶ)」と「ノジマ稽古(けいこ)」を活用して、お客様に喜んでいただける人材育成を引き続き行ってまいります。
③店舗展開
店舗展開につきましては、お客様にご利用いただきやすい店舗展開を基本として、デジタル家電専門店運営事業は、今後とも神奈川県を中心として、近隣都県に集中的に出店する「ドミナント展開」を行い、キャリアショップ運営事業は、アイ・ティー・エックス株式会社やコネクシオ株式会社等、子会社を含めた既存店舗の改装及びスクラップアンドビルドを実施いたします。そして、海外事業では、現地状況に対応し、条件の良い出店による店舗網の充実に努め、グループ各社がお客様に喜んでいただける環境構築を行ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)気候変動について
①ガバナンス
イ.管理体制
当社は事業活動を通じて持続可能な社会の実現を目指し、2021年11月に「サステナビリティ推進プロジェクト」を新設しました。また、取締役会の直轄組織として「サステナビリティ委員会」を立ち上げ、その事務局をサステナビリティ推進プロジェクトが担います。
今後は、サステナビリティ委員会を中心として、CO2排出量削減目標(KPI)の達成を目指して実施計画の策定と進捗管理を進めてまいります。気候に関するリスクと機会を分析するとともに、事業戦略への影響を把握し、戦略の見直しや気候変動の緩和や適応につながる様々な対策を検討してまいります。サステナビリティ推進プロジェクトには、気候変動関連の情報開示を進める担当を設け、事業戦略、さらにはリスクを管理する部署が、TCFDが推奨する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」に関する情報の開示を今後さらに充実していきます。今後は、同委員会で検討した結果についても、サステナビリティ推進プロジェクトが中心になって情報開示を強化してまいります。
<上記体制で実施すること・役割>
・気候変動に関するリスクと機会の分析
・事業戦略への影響把握
・気候変動の緩和や適応につながる対策の検討
・気候変動関連の取り組みに関する情報開示
・ステークホルダーとの連携
・情報発信の推進と経営陣へのインプット
・グループ会社含めた社内への情報開示
イ.リスク及び機会の特定
気候変動に伴うリスク及び機会には、GHG(Greenhouse Gas:温室効果ガス)排出に関する規制等の低炭素経済への「移行」に起因するものと、気象災害の激甚化等の気候変動による「物理的」変化に起因するものが考えられます。
当社では、これらのリスクや機会による影響の発現時期はそれぞれ異なると認識しており、短期(3年未満)、中期(3~10年未満)、長期(10年以上)の観点で以下の表のとおり整理しました。
ロ.シナリオ分析
グループ全体を対象としてリスク・機会の事業への影響についてシナリオ分析を進めており、まずは分析の対象を以下のように設定してシナリオ分析に着手してまいります。
台風や豪雨等の気候災害の拡大及び脱炭素化等の気候変動緩和に向けた全世界的取組が経営とビジネス全体に重大な影響を与える重要課題であると認識しております。
複数の既存シナリオ参照により、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち1.5℃に抑える努力をすること(2℃シナリオ)、及び現在のペースで温室効果ガスが排出されること(4℃シナリオ)を想定しております。
ハ.炭素税、エネルギーコスト
当社のCO2排出量の大半は電力に由来すると認識しています。よって、今後、気候変動の緩和に向けて、排出量に対して炭素税が導入された場合、当社の電力調達に対して追加のコストが発生するため、電気使用量の削減等の自社の状況と調達する電力のCO2排出係数や価格の状況によって影響度は左右されることが考えられます。
そこで、当社が重点課題として実施している省エネの取り組みを行う場合と、取り組まない場合において、今後の炭素税や電力セクターの排出係数、電力価格の予測を加味し、シナリオ分析を行いました。
また、当社がSDGs推進に向けた取り組みとして設定した「2050年の1店舗当たりのCO2排出量100%削減」を達成するために必要な再生可能エネルギーの調達コストについても分析を行いました。
その結果、2030年時点、2050年時点ともに、気温上昇2℃のシナリオにおいて炭素税が1トンCO2当たり1万円で導入された場合、電力セクターの排出係数が低炭素化により減少していくことを加味しても、当社が省エネに取り組まなければ、一定の財務的影響があることがわかりました。
一方、当社が省エネに取り組んだ場合、炭素税の導入による店舗運営コストだけでなく電気料金の削減も可能となり、財務的影響は許容できる範囲に抑えられることがわかりましたことから、気温上昇4℃のシナリオにおいては、省エネを推進するだけでなく再生可能エネルギーの調達施策を推進しない場合、財務的影響がより増大するものと見込んでおります。
ニ.気象災害
グループとして、大規模な災害に備えることはもちろん、災害が発生した時には生活に不可欠な商品やサービスを提供する「ライフライン」としての役割を果たすために、迅速に各種の災害対策を講じて被害店舗の早期復旧、営業再開を目指しています。
当社が掲げる「全員経営理念」をもとに、本社指示以外にも災害発生時には状況に応じて一人ひとりが最善を尽くし、営業継続と早期復旧ができる強い組織を構築してまいります。
一部沿岸部等の立地店舗等もありますが、分析の結果、2050年までは、2℃シナリオ、4℃シナリオのいずれにおいても洪水被害の増加による財務的影響は限定的であり、許容できる範囲であることがわかりました。
<分析結果を踏まえた今後の方針>
このたび、当社では気候変動に関するリスクと機会を洗い出すとともに、2℃シナリオ及び4℃シナリオに基づき、事業への影響の分析を実施しておりますが、今後さらに内容の充実、精査が必要であると考えております。
また、昨今の世界における気候変動問題に対する機運の高まりを受け、気候変動に関わる政策や法規制の制定等、世界及び日本の動きも大きく、かつ素早く変化してくるものと思われます。
このような状況のもと、事業戦略の見直しを進めていくためにも、分析の精度を上げるように努めてまいります。
そして、その結果を開示することにより、ステークホルダーの皆さまの要請にお応えしてまいりたいと存じます。
ホ.取り組み
当社ではCO2排出量削減を積極的に推進し、2007年には、環境面や安全面を考慮し、石油暖房器具・ガス製品の取り扱い中止を行いました。
また、2010年より実施しているLED電球の普及活動、店舗等自社施設での照明を全てLEDへ切り替えも完了しております。
2022年には、省エネ関連の知識を学んだ自社従業員が、お客様に最適な省エネ家電選びをサポートする「省エネコンサルタント資格」制度を開始し、2024年3月時点で資格取得者は2,251名にのぼっております。引き続き、資格取得の推進をしてまいります。
この他にも、2024年中に太陽光オンサイトPPAの導入を完了させ、店舗の屋上に設置した太陽光パネルによってクリーンエネルギーを発電し、店舗で利用していきます。
自社の取り組みのみならず、当社をご利用いただくお客様にも省エネ家電をご案内し、ネットゼロエミッション社会の実現に貢献しています。
当社は、内部統制委員会において毎期ごとに、部長、グループ長等の各組織の長が業務上のリスクを組織単位で抽出し、分析・評価を行うリスクアセスメントを実施しております。
対応が必要なリスクと判断した場合、各組織に対して対応責任者を選定し必要な対策を行わせることで、各組織におけるリスクマネジメントをサポートします。
また、内部統制委員会が重要なリスク事象と判断した場合には、速やかに取締役会に報告を行います。
気候変動リスクも全社的な重要リスクの1つと位置付けており、サステナビリティ委員会において気候変動リスクを評価し、年に1回以上検討・対応内容を取締役会に報告していきます。
当社は、社会課題・情勢等に鑑み、2030年の社会環境面に関わる目標(KPI)を設定し、達成に向けて取り組んでいます。
さらに、脱炭素社会の形成及びSDGsが目指す姿に貢献すべく、高い目標(CO2排出量削減)にチャレンジします。
目標(KPI)
ノジマ1店舗当たりのCO2排出量
2030年 2013年比 50%削減
2050年 同上 100%削減
※1 自社保有車両、リース車両
※2 自社物件店舗、テナント店舗、通信単独店舗、物流センター、本社機能拠点(JR横浜タワー、クイーンズスクエア)
※3 デジタル家電専門店ノジマ店舗
(2)人的資本について
人材戦略に係る重要事項は、社長を主として人財開発部が全社的な企画立案、管理、推進の責任を担っております。その中でもノジマは従業員一人ひとりが経営者としての意識をもって最善の行動を行っていく全員経理念があり、従業員の実際の声が企画立案のきっかけとなるような風通しの良さが強みとなっております。
実際に多様な人材の活躍をサポートするため、従業員の声に基づく施策を実施してまいりました。
社長を主軸として施策は週次で必要に応じて策定を行い、執行役会に翌日に上程するなど、スピードを持った改変を実現しております。
一例として、2023年に健康推進チームが発足し、その後、従業員に対して現場でのメンターの選任が行われるなど、決定から実行まで週の単位で行われております。
ノジマ社全員が経営者としての意識を持ち、従業員のアイディアも速やかに検討・実現できるような取り組みをさらに推進してまいります。
②戦略及び方針
イ.健康経営の取り組み
当社は従業員の健康維持、増進を重要課題と認識し、法定の健康診断、安全衛生委員会に限らず、従業員の健康のための施策を打ち出しております。
(健康の維持・増進)
定期健康診断は例年受診率100%の達成を継続しています。また、年齢等にかかわらず血液検査や心電図検査、ガン検査を実施し、健診内容の充実化を図っております。なお、健康リスクのある従業員(高血圧・高血糖)に対しては、再検診の勧奨や、健康保険組合と連携をとりつつ、特定保健指導を実施しております。そのような従業員に関して、食生活改善に向けた集合研修も行っております。健康リスクを抱えている従業員について上記指導の他にも、継続的に産業医への受診の手配を行い、状態に応じて勤務の仕方のアドバイスや指導を行っております。
従業員における喫煙率を減少させるため、全社で「禁煙キャンペーン」を実施し、非喫煙率90%を達成した店舗に対してインセンティブ付与を行いました。また、2019年10月より営業時間及びオフィス・店舗などの敷地内での喫煙を禁止としました。
また、メンターとの相談ができる「心の相談窓口」および産業医へつなぐ相談窓口を設置、社員にもメンターがつき、従業員のメンタル面でのケアにも力を入れています。
(働き方改革)
長時間労働への対策として、全従業員の残業時間等を週次単位にて各部署及び店舗へ通知を行い、店舗責任者及びエリア責任者、そして人事部が残業マネジメントを行い、過重労働者を発生させない体制を構築しております。また、変形労働時間制を採用しており、繁忙期と閑散期の調整を行い、月によってメリハリのある勤務体系にすることで休める時はしっかり休める環境を整えております。
(労働安全衛生)
毎月、安全衛生委員会を50人未満の事業所でも実施し、その際にヒヤリハット・リスクアセスメント・巡視チェックを併せて実施しております。
ロ.人材の多様性の推進(多様な人材活躍、多様な働き方の推進)
「チャンスは平等、評価は公正」のもとに人事制度が設計されており、多様な人材活躍と多様な働き方を促進しております。また、「出る杭は伸ばす」という考えのもと、社歴や役職に関係なく、誰にでも自由に発案、企画実行するチャンスを提供しております。
(教育・研修)
育成に関する専門の部署により、入社後の定期的な研修の機会を設けております。全従業員を対象に、社内システムの学習ツールでメンタルヘルスに関する内容をはじめ、店舗などでも業務を行う上で必要な事項を動画化して使用し、社内教育を行っております。
また、一般的な教養・資格取得や語学などに関しても通信教育の制度を用意しており、学習意欲のある方へのサポートも行っております。
(評価)
半年毎に人事考課があり、給与に関しても見直しの機会がございます。評価は全雇用区分で実施され、自己評価及び所属長の評価、他部署からの評価と多面的に評価がされることで、より公正な評価を実現できるように制度設計を行っております。
(アイディア)
従業員が出すアイディアは社内申請用のワークフローで、誰でも申請ができるような仕組みがございます。申請が出されると関連部署に帳票が提出され、いつまでに実現可能か5W2Hで状態が報告される仕組みです。会社への貢献が高いものに関しては社長自ら表彰を行い、アイディアを出しやすい環境となっております。
当社は、内部統制委員会において毎期、部長及びグループ長等の各組織の部署長が業務上のリスクを組織単位で抽出し、分析・評価を行うリスクアセスメントを実施しております。対応が必要なリスクと人財開発部が判断した場合、各組織に対して対応する責任者を選定し必要な対策を実施させることで、各組織におけるリスクマネジメントをサポートします。また、内部統制委員会が重要なリスク事象と判断した場合には、速やかに取締役会に報告を行います。
健康経営においても、労災、メンタルヘルス等において重大なリスクが発生した場合は、内部監査委員会に報告を行います。
イ.健康経営の取り組み
今後も定期健康診断の受診率100%を目標値とし、結果分析をもとに新たな課題の認識及び対策を実施してまいります。健康リスクのある従業員(高血圧・高血糖)に対し、再検診の勧奨や、健康保険組合と連携をとり、特定保健指導を実施します。また、健康リスクのある従業員に関して、食生活改善に向けた集合研修を行います。「心の相談窓口」での従業員からの声を聴き、常に当社の課題を経営陣へ提言してまいります。
長時間労働への対策として、全従業員の残業時間等を週次で各部署及び店舗へ配信し、人財開発部で労働時間のマネジメントを行います。毎月安全衛生委員会を50人未満の事業所でも実施し、その際にヒヤリハット・リスクアセスメント・巡視チェックも併せて実施しています。また、上記の内容については本部での安全衛生委員会でも共有し、会社として対応をしてまいります。
ロ.人材の多様性の推進(多様な人材活躍、多様な働き方の推進)
2030年度までに女性役員比率35%、女性管理職比率35%を目指してまいります。
当社の強みである多角的な視点からの公正な評価によって男女の境なく役職登用を行うことで、将来的に経営の意思決定に関わる女性従業員をさらに増やしてまいります。現状でも管理職で時短の社員も登用される事例も出てきており、今後も性差や境遇に囚われない登用を積極的に進めてまいります。
当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループを取り巻く経営環境について
新型コロナウイルス感染症対策が緩和された一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や円安の影響から大幅な物価上昇が発生しており、日銀のマイナス金利政策解除により今後も不透明な経営環境が続くと見込まれます。
(2)季節的要因について
当社グループの売上や利益はボーナスシーズンや年度末などの繁忙期には増加する傾向にありますが、販売する商品の中には、天候等の要因によりその売上が左右される商品が含まれており、冷夏や暖冬等によりそれらの商品の需要が著しく低下した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)経済情勢等について
経済のグローバル化、国内外の景気動向や消費動向等の経済情勢により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。個人消費の振幅が起こりうる消費税増税等の実施についても、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)競合店について
同業他社の店舗が当社グループの商圏内にも多数存在し、激しい価格・サービス競争が行われている地域があります。マーケットの変化は非常にスピーディーでその変化を確実に予想することは困難であり、同業他社の新規出店、異業種他社による当社グループ取扱商品の販売開始等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)人材の確保及び育成に関するリスク
当社グループは、多店舗展開による事業運営を行っており、コンサルティングセールスを強みとしておりますので、優秀な人員の確保や育成が想定通りに進まない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)法的規制等について
当社グループは、デジタル家電専門店の運営及びキャリアショップの運営を主要な事業としており、大店立地法、景品表示法、電気通信事業法、独占禁止法、下請法、携帯電話不正利用防止法、個人情報保護法等の法的規制を受けております。
また、金融事業における外国為替証拠金取引については、金融商品取引法(登録制、自己資本規制比率の制度、顧客資産の分別管理及び区分管理、適合性の原則)、外国為替及び外国貿易法、信託法、金融商品取引業等に関する内閣府令、犯罪による収益の移転防止に関する法律など金融商品取引等に関連する法的規制を受けております。また、金融商品取引の受託等を行うにあたっては、顧客の実情に適合した取引を行うため、社内規程等にて取引開始基準等を定め、この基準に適合した顧客と取引を行うように努めております。
当社グループは、上記法令等を遵守するために、従業員への教育・啓発を含めた社内管理体制の強化に努めておりますが、何らかの要因により上記法令等について違反が生じた場合には、当社グループに対する信頼性低下、損害賠償請求、営業停止等の処分を受ける可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、今後における行政の情報通信・外国為替証拠金取引にかかる政策や上記法令等の変更・新設が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)移動体通信分野にかかる事業環境について
当社グループは、デジタル家電専門店運営の一部及びキャリアショップ運営において、移動体通信端末の販売及び移動体通信サービスの契約取次ぎ等を展開しております。また、キャリアショップ運営を展開するアイ・ティー・エックス㈱を2015年3月にコネクシオ㈱を2023年2月に連結子会社としたことにより、当社グループの連結業績全体に占める移動体通信分野の構成比は高まっております。
移動体通信分野においては、市場自体が成熟していることに加えて、消費者の端末買替えサイクルの長期化が生じており、移動体通信業界及び同代理店業界における競合は激しくなっております。また、MVNO(仮想移動体通信事業者)の拡大やオンライン対応限定の新料金プランの開始等の要因も加わり、当該市場及び業界動向等について変化が生じる可能性があり、その動向等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)移動体通信キャリアの手数料等について
当社グループは、移動体通信キャリア各社と締結する代理店契約に基づき、携帯電話等の販売、通信サービスの契約取次ぎ等を行っており、その対価として移動体通信キャリアごとに定められる手数料、報奨金、その他の支援費を受領しております。移動体通信キャリアからの手数料等を含む条件は、移動体通信キャリアの販売方針や営業施策等により大幅な変更等が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、店舗展開のうち、キャリアショップによる出店については、移動体通信キャリア各社との協議のうえ決定され、一定の制約を受けております。
なお、各移動体通信キャリアとの代理店契約には解除条項が付されており、契約条項に著しい違反等が生じた場合には、契約解除等の重大な影響が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)個人情報の取扱いについて
当社グループは、商品のお届け、モバイル会員登録、eコマースに係る会員登録、ブロードバンド等のサービスの取次ぎ業務、携帯電話の開通等、多くの個人情報を取扱っております。これら情報の取扱いに関しましては、その重要性を十分に認識しており、社内管理体制の整備を行い、従業員には周知徹底をしております。しかしながら、不測の事態により万が一個人情報が漏洩した場合や不正使用等の事態が生じた場合、社会的信用の失墜や損害賠償請求等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)自然災害・事故等について
当社グループは、自然災害や事故等からお客様の安全を確保するため、消防法等の法令遵守の徹底等の防災対策、各種保険への加入等を行っております。しかしながら、子会社等を含め多店舗展開を推進しており、特にデジタル家電専門店につきましては、首都圏を中心に集中的に出店するドミナント展開していることから、首都圏において地震・台風等の大規模な自然災害や大規模火災が発生した場合には、多くの店舗が被害を受ける可能性があり、また、災害により交通機能が麻痺した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)有利子負債について
当社グループは、店舗展開の設備投資や最近におけるM&A等にかかる資金等の一部について、金融機関からの借入れにより調達しており、2024年3月期末における当社グループ連結総資産額に占める有利子負債残高の割合は8.4%の水準となっております。
当社グループは、純有利子負債比率等を勘案しつつ財務体質の強化を進めていく方針でありますが、今後においても新規店舗開設の実施及びM&A等の検討は継続していく方針であり、これらに伴う借入金等が増加した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、金融情勢の変化等により投資計画の実行が困難となる場合や、市場金利の上昇等により資金調達コストが増大した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)固定資産の減損会計について
当社グループは、事業の用に供する様々な固定資産を有しておりますが、「固定資産の減損に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」の適用により、このような固定資産において、時価の下落や将来のキャッシュ・フローによっては減損処理が必要となる場合があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13)敷金・保証金について
当社グループの出店につきましては、多くの場合、土地・建物の取得を行わずに賃借をしております。賃貸人に対しましては、賃貸借契約に基づき敷金及び保証金の差入れを行っており、当該敷金及び保証金は、賃借料との相殺による分割返還、又は期間満了時に一括返還されることとなっておりますが、賃貸人の経済状況によっては、その一部または全額が回収できなくなる可能性があります。また、契約期間満了日前に中途解約をした場合には、契約内容に従って敷金及び保証金の一部償却や違約金の支払いが必要となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14)M&A等について
当社グループは、新たな地域や事業領域への進出、既存事業の強化等を図るため、M&A、業務提携又は戦略的投資等(以下「M&A等」という。)を事業拡大手法の1つとして考えており、今後の事業展開においても、これら手法を検討していく方針であります。
当社グループは、M&A等による他社との協業について、対象となる事業領域・地域・市場動向に加え、相手先企業の経営状況、財務内容及び事業基盤等について十分に調査・分析を実施したうえで推進していく方針であります。しかしながら、外部環境の著しい変化、当事者間の利害不一致その他の要因から当社グループの想定通りに推移する保証はなく、M&A等の検討時における制約等から十分な調査・分析を実施できない場合には、実行後に偶発債務の発生や未認識債務が判明する可能性があります。また、相手先企業の業績悪化等が生じた場合には、投資回収の困難、追加費用の発生、のれん等の減損その他の要因から、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(15)海外展開について
当社グループは、東南アジア家電小売市場への本格的進出を目的として、カンボジア王国における現地法人Nojima(Cambodia)Co.,Ltd.の設立を行っており、家電、IT製品及び家具の小売事業をシンガポールとマレーシアを中心に展開するNojima APAC LimitedによるThunder Match Technology Sdn. Bhd.の全株式を譲り受け2023年7月1日をもって、当社の子会社としました。
当社グループは、今後において東南アジア地域における事業拡大を図る旨の事業戦略を有しておりますが、海外展開においては、為替リスクに加え、各国・地域における政情不安、経済動向の不確実性、宗教や文化の相違、法規制・商習慣の違い等の各種リスクが存在しており、これら要因により事業推進が困難となり、投資回収が困難となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(16)プライベートブランド(ELSONIC)商品に関するリスク
当社グループは、ELSONIC商品の自社企画を積極的に行っております。価格競争力と品質に優れ、独自色ある品揃えの充実を図っており、一定の需要が見込める分野をターゲットとし、アイテム数を拡充することとしております。自社企画にあたっては、十分な品質管理を実施しておりますが、当社グループのELSONIC商品に起因する事故等が発生した場合、お客様からの信頼の喪失・ブランドの毀損につながり、対応コストがかかるなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(17)金融事業について
外国為替証拠金取引においては、世界の主要な株式、金利、商品市場の値動き、政治、景気の動向等様々な要因に左右される外国為替市場の相場動向が、当社グループの業績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。また、市況等の急激な変動により、顧客が証拠金の不足分を支払うことができない状況等が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、外国為替証拠金取引は、顧客との相対取引であり、その相対取引により発生したポジションをリスクヘッジするために、カウンターパーティーに対してカバー取引を行っています。しかしながら、カウンターパーティーがシステム障害やその他の理由により機能不全等の状態に陥った場合、顧客に対するポジションをリスクヘッジできない可能性があります。また、現在カウンターパーティーに対して取引維持のために担保金を差入れておりますが、昨今の相場急変動による担保金掛目の変更で想定以上の追加担保金差入れを余儀なくされる恐れがあり、これが当社グループの業務及び業績等に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、2023年1月16日に行われた㈱マネースクエアHDとの企業結合について前連結会計年度に暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、全体としては緩やかな回復基調にあります。一方で、物価は緩やかながら上昇を続けていることに加え、中国経済への懸念や中東地域情勢などの景気下振れリスクが点在していることから、先行きにつきましてはこれらの動向に注意が必要な状況にあります。
このような状況下、当社グループは「デジタル一番星」、「お客様感動No.1」を常に追求し、その実現のため「選びやすい売場」及び「お客様の立場に立った接客」を常に心がけ、コンサルティングセールスのレベルアップやお客様のニーズに合ったサービスの充実に取り組んでまいりました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は761,301百万円(前年同期比121.6%)、営業利益は30,560百万円(前年同期比91.0%)、経常利益は32,937百万円(前年同期比90.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益は19,979百万円(前年同期比85.7%)となりました。
また、当社グループの経営指標として重要視しておりますEBITDA(※)は、57,540百万円(前年同期比103.2%)となりました。
(※)EBITDA=経常利益+支払利息+社債利息+減価償却費+のれん償却額-持分法による投資利益
セグメント別の状況は以下のとおりです。
(デジタル家電専門店運営事業)
猛暑によりエアコン等季節品の需要が高まった一方、端末買い換えサイクルの長期化や電気通信事業法の改正により携帯電話が低調に推移し、家電小売業界の売上は概ね横ばいの推移となりました。
このような状況下、人材・店舗・DXへの投資を継続いたしました。DXへの投資につきましては、システム部門でのツール開発等に加え、GlobalLogic Japan株式会社との協創による「DXプロジェクト」のサービス提供を開始しました。3月には第2弾サービスの提供を開始しており、今後もお客様が快適かつ楽しくお買い物ができるよう、サービス開発を行ってまいります。商品につきましてはエアコンが好調に推移した一方、携帯電話は苦戦が続いております。3月においては、当社の原点であるコンサルティングセールスの強化に努めた結果、前年を上回る利益となっており、引き続き来期に向けた改善を進めてまいります。
これらの結果、売上高は267,801百万円(前年同期比100.5%)、経常利益は15,975百万円(前年同期比77.4%)となりました。
(キャリアショップ運営事業)
携帯端末販売・窓口のオンライン化が進む中、端末価格の値上がりによる買い替えサイクルの長期化や中古端末の需要拡大もあり、キャリアショップにおいてはこれまで以上に質の高い店舗運営が求められております。
このような状況下、安心・安全につながるセキュリティ関連サービスなど独自サービスをはじめ、お客様のニーズに合わせたコンサルティングを通じ、お客様に喜ばれる店舗運営を継続してまいりました。また、来店予約の仕組みの見直し等も行い、お客様の受け入れ最大化に努めてまいりました。
これらの結果、売上高は346,541百万円(前年同期比147.9%)、経常利益は8,430百万円(前年同期比136.7%)となりました。
(インターネット事業)
生活に不可欠なインフラである超高速ブロードバンドサービスの利用が増加する中、グループ店舗において主力となるFTTHサービス「@nifty光」やメールサービス等のご案内をすることで、グループシナジー効果を発揮してまいりました。3月末時点でのブロードバンド会員数は129万件と、前年同月から0.9万件の純増となりました。また、超高速サービス「@nifty光10ギガ」につきましても、お客様が安全かつ快適にご利用いただけるよう、セキュリティ等のオプションサービスも含めたご案内を行ってまいりました。
株式会社セシールは、お客様の期待を超える商品・サービス作りを進めてまいりましたが、売上及び利益については苦戦が続きました。
これらの結果、売上高は66,397百万円(前年同期比97.5%)、経常利益は5,393百万円(前年同期比81.0%)となりました。
(海外事業)
東南アジア諸国においても、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限が緩和されており、個人消費の伸長や労働市場の改善により、経済活動の回復が続いております。インフレ率がピークアウトしている傾向も見られますが、物価の上昇については景気の影響に対して引き続き注視が必要な状況にあります。
このような状況下、当社は、お客様に支持される店舗づくりのため、更なる接客の質の向上に向けた人材育成と、改装やスクラップアンドビルドなど店舗への投資に取り組んでまいりました。また、日本での各種ノウハウを海外にも取り入れることにより、各地域のお客様に喜ばれる店舗づくりを進めてまいりましたが、販管費の抑制には課題が残りました。
これらの結果、売上高は69,436百万円(前年同期比135.0%)、経常損失は329百万円(前年同期は経常利益1,508百万円)となりました。
(金融事業)
132円台でスタートした米ドル/円相場ですが、FRBによる金融引き締めが長期化するとの観測等を背景に円安が進み、10月末には151円台の円安水準となりました。その後の利下げ観測の強まりも1月からは後退し、151円台で期末を迎えました。このほか、ユーロ/円相場は163円台で期末を迎えるなど、円は主要国の通貨に対して下落基調が続きました。
このような状況下、FX初心者でも運用しやすい当社独自の運用手法である「トラリピ」のサービス拡充を進めてまいりました。「トラリピ世界戦略」と称し、トラリピと相性の良い通貨ペア「豪ドル/NZドル」「ユーロ/英ポンド」「米ドル/カナダドル」への分散投資の推進を行いました。これにより、預かり資産残高は1,195億円となりました。
これらの結果、売上高は6,010百万円、経常利益は1,795百万円となりました。
(店舗運営の状況)
デジタル家電専門店運営事業では、スクラップアンドビルドにより、デジタル家電専門店14店舗を新規出店、7店舗を閉店し221店舗となり、通信専門店1店舗を新規出店、2店舗を閉店し18店舗となりましたので、合わせて239店舗となりました。
キャリアショップ運営事業では、直営店・FC店を合わせて、スクラップアンドビルドにより、16店舗を新規出店・譲受、60店舗を閉店・譲渡し、960店舗となりました。
海外事業では、スクラップアンドビルドにより、4店舗を新規出店、3店舗を閉店、TMTを子会社化し、116店舗となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における店舗数は、以下のとおりとなりました。
運営店舗の状況
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ9,760百万円減少して547,142百万円となりました。
その主な内訳は、流動資産が25百万円増加して353,434百万円に、また固定資産が9,786百万円減少して193,707百万円となりました。
流動資産増加の主な要因は、預託金の減少5,942百万円、未収入金の減少4,542百万円及び売掛金の減少4,127百万円があったものの、トレーディング商品の増加14,073百万円によるものであります。
固定資産減少の主な要因は、投資有価証券の増加992百万円及びリース資産の増加790百万円等があったものの、契約関連無形資産の減少5,185百万円、のれんの減少3,476百万円及び繰延税金資産の減少2,494百万円等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ27,624百万円減少して368,221百万円となりました。
その主な内訳は、流動負債が3,543百万円増加して294,588百万円に、また固定負債が31,165百万円減少して73,631百万円となりました。
流動負債増加の主な要因は、1年内返済予定の長期借入金の減少13,907百万円があったものの、受入保証金の増加11,021百万円及び短期借入金の増加7,333百万円等によるものであります。
固定負債減少の主な要因は、契約負債の増加1,105百万円があったものの、長期借入金の減少30,709百万円及び繰延税金負債の減少2,822百万円等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、利益剰余金の増加16,762百万円等により、前連結会計年度末に比べ17,863百万円増加して178,920百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ3.7ポイント向上し、31.8%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、34,960百万円(前連結会計年度は35,755百万円)となり、795百万円減少しております。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、58,197百万円の収入(前年同期比168.1%)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益32,883百万円に対して、増加要因として減価償却費16,642百万円、受入保証金の増加額11,021百万円及び預託金の減少額5,942百万円等があったものの、減少要因として法人税等の支払額14,378百万円及びトレーディング商品(資産)の増加額14,073百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、14,135百万円の支出(前年同期比17.4%)となりました。
これは主に、敷金及び保証金の回収による収入1,212百万円並びに投資有価証券の売却による収入87百万円等があったものの、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出7,561百万円、有形固定資産取得による支出4,385百万円及び無形固定資産の取得による支出1,688百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、45,803百万円の支出(前連結会計年度は30,618百万円の収入)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入15,252百万円及び短期借入金の純増額6,712百万円等があったものの、長期借入金の返済による支出59,960百万円及びリース債務の返済による支出4,457百万円等によるものであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、将来の成長事業、新事業への事業展開及び基礎事業へのスクラップアンドビルドの強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを中期的な方針としております。
資金調達の状況について当社グループの運転資金及び設備投資資金は、主として内部資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入及び社債の発行による資金調達を実施しています。これらの借入金及び社債について、営業活動から得られるキャッシュ・フローによって十分に完済できるとともに、引き続き今後の成長に必要となる資金を適切に調達することが可能であると考えています。また、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しております。
当連結会計年度末において金融機関からの短期借入金は8,983百万円、長期借入金は(1年内返済予定のものを含む)16,713百万円となっております。
今後の資金需要の動向については、概ね、これまでと同様の状況が続くと考えております。
当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しており、自己株式には従業員持株ESOP信託口が保有する当社株式を含めておりません。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております(リース債務を除く)。
5.第62期連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、第61期連結会計年度の関連する比率について、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)金額はセグメント間の内部振替前の数値によっております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)1.金額はセグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成には、経営者による資産及び負債並びに収益及び費用の報告数値及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や状況を勘案し合理的に判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性により、これらの見積りと実際の結果との間に差異が生じる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、メーカー販売員のいないデジタル家電専門店として「デジタル一番星」・「お客様感動No.1」を常に追求し、その実現のため「コンサルティングセールス」のレベルアップや、お客様のニーズに合ったサービスの提供にグループ各社が取り組んでおります。
また、「従業員」こそが企業としての成長の柱と位置づけ、『人財』の育成のため、独自の教育用WEBツールを活用し、グループ会社における店舗での部門リーダー及び企画販売コンサルタントの積極的な人材育成を行っております。
なお、当連結会計年度において、新たな子会社としてThunder Match Technology Sdn. Bhd.(以下TMT)が、当社グループの傘下に入りました。マレーシアにおける情報通信商品の販売ノウハウを活かし、海外事業における更なる発展へつながるように尽力してまいります。
その他の当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、国内経済の緩やかな回付基調が見受けられる一方で、物価は継続的な上昇を続けております。また、中国経済への懸念や半導体不足、原材料価格の高騰等の影響のほか、移動体通信分野においては、法的規制やオンライン対応限定の新料金プラン、国内通信キャリア各社のキャリアショップに対する運営方針の変更等、今後も不透明な状況が続くと見込まれます。
このような状況下、当社グループとして常にお客様に喜んでいただけるよう、「全員採用・全員育成・全員仕組み作り PoCでスピードを持って挑戦し、伸び率No.1へ」をスローガンとし、グループ全体のリソースやシナジー効果を集結し、更なる生産性向上に取り組んでおります。
具体的には、「店舗運営」「人材育成」「店舗展開」の3点を重要課題とし、取り組んでいます。
①「店舗運営」
お客様の立場に立った考えで、お客様にとって必要なものが揃う選びやすい売場を作ってまいります。お客様が快適かつ楽しくお買い物ができるよう、DXによるサービス開発にも注力し、またお客様の要望に合った質の高いコンサルティングを提供できるよう、当社グループの従業員の採用及び育成を引き続き進めてまいります。
②「人材育成」
「出る杭は伸ばす」という考えのもと、各従業員の能力向上を図り、お客様に喜ばれる行動を、スピードをもって各店で実施できるよう、教育用WEBツールの活用をしております。専門知識を有する企画販売コンサルタントとして、お客様のニーズに合った提案ができるよう、更なる育成を進めてまいります。
③「店舗展開」
店舗展開につきましては、デジタル家電専門店運営事業は、主に神奈川県を中心として、近隣都県に出店する「ドミナント展開」を基本とし、キャリアショップ運営事業は、アイ・ティー・エックス株式会社等子会社を含めた既存店舗のスクラップアンドビルドを実施してまいります。なお、海外事業については、各国の市場環境・状況に対応し、またマレーシアにおいてはTMTとのシナジーが創出できるよう、店舗網の充実に努めてまいります。
なお、各セグメントにおける経営成績等の状況の概要の詳細並びに資金調達の方法及び状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの運転資金は、主に仕入債務の支払に充当されており、販売費及び一般管理費に計上される財・サービスに対しても同様に費消されております。また、設備投資資金については、新規出店及び店舗改装並びに情報システムの構築及び整備等を中心とした設備投資に充当されております。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、安定的な収益力、効率的な投下資本の運用、及び業界トップの持続的な高い成長力を重要な経営目標として、ROE15%以上、連結自己資本比率30%以上の健全経営を掲げており、直近では2022年3月期に達成いたしました。なお、当連結会計年度においては、新たな会社の株式取得の影響もあり、ROEは12.1%、連結自己資本比率は31.8%となりました。
(1)信販会社との加盟店契約
当社は、クレジット販売に関して信販会社と加盟店契約を締結しており、その主なものは次のとおりです。
(2)金銭消費貸借契約
①当社
該当事項はありません。
②子会社
(注)上記借入は、㈱ノジマからの借入金のリファイナンスを目的とするものであります。
(3)販売代理店契約等
(3)サービス提供契約
(4)顧客区分管理信託契約
(5)顧客分別金信託契約
特記すべき事項はありません。