第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針(経営方針)

当社グループは「食のバリューチェーンのグローバルリーディングカンパニー」を目指し、4つの戦略である「既存ブランドの競争力強化と成長」、「ブランド・ポートフォリオの多様化」、「海外市場への進出」、「食品生産事業と六次産業化」の各課題へ積極的に取り組み、販売・流通・生産の3機能が相互に価値を発揮する事業ポートフォリオの構築に努めております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、2021年3月期から2023年3月期までの3年間を対象とする中期経営計画を策定し、その最終年度である2023年3月期において、連結売上高820億円、連結営業利益22億円、連結経常利益17億円をそれぞれ達成することを目標としております。なお、同計画は2019年11月に策定されているため、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大に伴う業績への影響は考慮されておりません。また、2020年3月に焼肉業態「牛角」事業の譲渡を行っておりますが、同計画には本事業の業績を含んだものとなっております。修正中期経営計画につきましては、準備が整い次第速やかに公表をいたします。

中期経営計画の収益指標や財務指標については、収益指標を営業利益率3.0%、経常利益率2.5%としております。また、財務指標を自己資本比率30%、DEレシオ1.5倍、有利子負債のEBITDA倍率5倍としております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、中期経営計画で定めたグループ全体の戦略を達成することで、「食のバリューチェーンのグローバルリーディングカンパニー」を目指してまいります。

(1)販売事業

・高い成長性と収益性を兼ね備えたブランド・ポートフォリオの戦略的構築

・新規業態の参入と拡充~高付加価値業態とカジュアル業態の強化

・デリバリー業態の拡充

(2)流通事業

・国内外のグループ店舗網を有機的に結び付けるサプライチェーンの構築

(3)生産事業

・乳製品、調味料、清酒などの分野の商品開発並びマーケティング強化による付加価値化の実現

・六次産業化ビジネスの展開

(4)その他

・グループ事業のガバナンス体制の構築や組織及び機能の適宜見直し

・機動的かつ弾力的なグループ再編

 

(4) 経営環境及び対処すべき課題

当連結会計年度におけるわが国経済は、年度途中までは堅調な企業業績や雇用環境を背景に景気は底堅く推移しておりました。しかし、米中による通商問題や当年度終盤に発生した新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の世界的な感染拡大により、極めて不確実な状況が続いております。外食及び食品生産業界においては、消費税率引き上げや新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大が与える影響から消費者心理の冷え込みが強まる中、原材料価格の上昇や物流コスト及び人件費の高騰など、引き続き厳しい経営環境が続いておりますが、下記の対処すべき課題を積極的に取り組むことで「食のバリューチェーンのグローバルリーディングカンパニー」を目指してまいります。

 

① 既存ブランドの競争力強化と成長
 既存ブランドについては、品質の向上に努めながら食材原価の低減にも取り組み収益性を高める傍ら、メニューや価格設定、店舗デザインなど市場や立地、顧客ニーズの変化に応じた業態のリモデルを行い、お客様満足度の向上に積極的に努めます。また、グループを挙げた店舗開発・加盟店開発の強化により積極的な出店を実施します。
 
② ブランド・ポートフォリオの多様化
 販売事業においては、居酒屋、焼き鳥、ステーキなど既存のディナー業態に加え、ファストフードや洋菓子、またラーメン等の麺業態も含め、ランチに集客可能なブランドの展開にも注力し、多様化するライフスタイルとそれに伴う食のニーズに対応してまいります。また国内外問わず他社ブランドのフランチャイズ本部構築、展開支援にも注力し、ブランド数を増やしてまいります。
 生産事業においては、乳製品や調味料、酒類等のブランドの製造により、また、流通事業においては、海外の知名度の高い食品酒類ブランドを輸入することで、顧客ニーズに対応してまいります。
 
③ 海外市場への進出
 国内の成熟市場に比較し海外市場は、アジアを中心とした新興国や欧州、北米などで日本食の人気が高まっており、今後も日本食への需要の伸びが予測されます。これら市場に向けて外食の店舗出店や食品の輸出等に取り組み、潜在力の大きな市場の需要獲得を目指します。

 

④ 食品生産事業と六次産業化への取り組み
 乳製品メーカー及び調味料・酒類メーカーにおいては、自社ブランドによる製品の製造・販売を今後も継続・強化してまいります。これらの子会社では、すでに行っている自社グループ運営の外食業態での業務用商品の使用の拡大や、自社グループ外事業者へのPB商品の開発・販売、コンシューマー向け商品の開発・販売にも注力し、自社グループ内外を広く巻き込んで価値を生み出すビジネスモデルの構築に取り組んでまいります。

 

⑤ 多層的な収益構造の確立と事業リスク分散
 2018年8月のジャパン・フード&リカー・アライアンス株式会社完全子会社化により、当社グループの生産、流通事業がさらに拡充いたしました。今後は、食品酒類メーカーの盛田株式会社や地域の酒蔵各社、輸入食品酒類商社の株式会社アルカン、業務用総合食品商社の東洋商事株式会社などと当社グループの販売(外食)事業を中心とした既存業態との取り組みを深めることにより、今まで以上にグループの総合力を強化することで多層的な収益構造の確立や事業リスク分散を行ってまいります。

 

⑥ 財務上の課題
 当連結会計年度末における有利子負債は28,920百万円(前連結会計年度末比707百万円減少)となっております。また、主要な財務指標は、それぞれ自己資本比率20.5%、DEレシオ2.4倍、有利子負債のEBITDA倍率7.7倍となっております。グループの事業拡充を優先すべく有利子負債については増加傾向でありましたが、目標とする経営指標や中長期的な会社の経営戦略を踏まえ、今後は従来以上に有利子負債と財務指標に重点を置いた事業運営を行ってまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 新型コロナウイルス(COVID-19)感染症等の異常事態リスク

当社グループは、国内外において外食店舗や生産工場などの複数の事業拠点や物流施設等を使用し事業運営をしております。新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大のようなパンデミックや大規模な自然災害等の異常事態が当社の想定を超える規模で発生し、事業運営が困難になった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。

当社グループの販売事業では、「ポストコロナ」後に回復が見込めない直営店舗の撤退を進めるほかに、お客様の生活様式の変化に対応するため、デリバリーサービスの導入を進めるなど「ポストコロナ」対策に着手してまいります。流通・海外事業では、欧州地域の不採算事業の撤退を行うことで経営資源の有効活用を行ってまいります。

 

(2) 景気の下振れによる不況リスク

日本における将来の景気減退又は経済減速等の経済不振は、当社グループが事業展開する乳製品や調味料などの商品・外食サービスに対する購買力や需要に影響を与える可能性があります。現在、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の拡大により、一時的に景気の後退に至っておりますが、今後も、様々な外的要因により、景気の下振れによる不況に陥った場合、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。当社グループは、各種のコスト削減策を実施することにより収益基盤を強化しております。

 

 (3) 減損損失に係るリスク

当社は「食のグローバルバリューチェーンの構築」を基に国内外で事業規模の拡充に努めておりますが、外部環境の急激な変化等により著しく収益性が低下した場合や退店の意思決定をした場合、店舗(固定資産等)や土地及び有形固定資産の減損損失を計上する可能性があります。また、M&Aについては対象企業の財務・法務・事業等について事前にデュー・デリジェンスを行い、十分にリスクを吟味し正常収益力を分析した上で機関決定いたしますが、買収後に偶発債務の発生や未認識債務の判明等事前の調査で把握できなかった問題が生じた場合、また事業の展開等が計画どおりに進まない場合、のれんの減損処理を行う必要が生じる等、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4) 自然災害に係るリスク

当社グループ子会社の運営する外食チェーン店舗(販売事業)及び工場(生産事業)が、日本国内はもとより海外にも点在しており、これらが台風・地震・疫病などの自然災害にさらされる可能性があります。これらの災害に見舞われた場合は、店舗の休業や閉店を余儀なくされるため、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5)海外事業に係るリスク

販売事業及び流通事業におきましては、欧州地域(英国、オランダ、フランス、ドイツ)や米国、豪州や中国などで事業展開を行っております。政治的変動や為替相場変動のほか、各国の制度・習慣・宗教の違いなどにより、予期しえない事象が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6) 原材料の調達に係るリスク

販売事業におきましては、当社が運営する外食チェーン店で使用する原材料は、大部分が農業生産物であり、その種類も多種多様にわたります。そのため天候不順や食用家畜に対する伝染病の流行などが、原材料調達を困難にする可能性があります。また、政府による緊急輸入制限措置(セーフガード)の発動など、需給関係の変動を伴う事態が生じる可能性があります。これらの結果当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。流通事業及び生産事業におきましては、原材料及び商品の多くを海外から調達しております。そのため、調達国における需給状況の変化や法律及び規制の変更、社会的混乱等により、調達コストの上昇や供給不足となる可能性があります。また、当社グループが調達する主要原材料や重油等のエネルギー資源は、その価格が市況により変動する可能性があります。これらの結果当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(7) 食材の安全及び衛生管理に係るリスク

昨今、異物混入、伝染病(BSEや鳥インフルエンザ等)及び食品偽装問題など、食の安全に対する社会の関心が高まっております。当社が事業を継続するためには、安全・安心な食材を確保する努力が求められています。しかし、何らかの要因により食品事故等が発生した場合、当社のブランド・イメージが低下するほか損害賠償を求められることがあり得ます。このような事情が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8) 出店政策に係るリスク

販売事業におきましては、採算性を重視しながら、当社ブランドでの積極的な出店を行う見込みです。そのため商圏調査や賃料、投資後のシミュレーションなどを綿密に行っておりますが、景気動向や消費者のし好の変化などにより店舗が不採算化する可能性があり、これが当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(9) 法的規制に係るリスク

当社ブランドで運営する店舗は、食品衛生法の規定に基づき、所管保健所の飲食店営業許可を取得しております。万が一食品中毒等の事故を起こした場合、食品等の廃棄処分、営業許可の取消、営業の禁止、もしくは一定期間の営業停止処分などの処分を受けることがありうるほか、被害者からの損害賠償請求を求められる可能性があります。その結果、当社グループ全体の信用を毀損することになり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能があります。

 

(10) 人材確保に係るリスク

当社グループでは今後の業容拡大に伴う適切な人材確保が必要であると考えております。一方で少子高齢化社会の進行に伴い、人材の確保が困難となる場合や、人材の育成が順調に進まない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(11) 製造技術の継承と技術者の育成

当社グループの基本理念の一つである「日本の伝統的で良質な食生活や食文化を守り、次世代に伝えていく」という考えのもと、醤油、味噌、漬物及び清酒等の伝統食品の製造技術を継承すべく、後継者となり得る技術者の育成を行っておりますが、人材不足等により継承が円滑にできない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(12) 新商品開発 

食品業界における商品開発は非常に競争が激しく、同一カテゴリーにおいて類似した後発商品の相次ぐ発売や価格訴求等により、当社グループ商品の優位性が短期間で失われる可能性があることは否定できません。また、開発した新商品が市場において一定の評価を得られない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(13) 個人情報の管理に係るリスク

当社グループでは、顧客からのアンケート情報や住所等の情報を収集し、顧客満足度の把握及びサービスの向上に努めており、これら個人情報とマーケティング活用し、出店につなげております。個人情報の管理には万全を期しておりますが、何らかの理由で個人情報が外部に漏えいした場合には、損害賠償の発生や社会的信用の低下により、当社グル―プの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、年度途中までは堅調な企業業績や雇用環境を背景に景気は底堅く推移しておりましたが、米中による通商問題や当年度終盤に発生した新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の世界的な感染拡大により、極めて不確実な状況が続いております。外食及び食品生産業界においては、消費税率引き上げや新型コロナウイルス感染拡大が与える影響から消費者心理の冷え込みが強まる中、原材料価格の上昇や物流コスト及び人件費の高騰など、引き続き厳しい経営環境が続いております。

このような環境の下で、当社グループは「食のバリューチェーンのグローバルリーディングカンパニー」を目指し、「既存ブランドの競争力強化と成長」、「ブランド・ポートフォリオの多様化」、「海外市場への進出」、「食品生産事業と六次産業化」の各課題へ積極的に取り組み、販売・流通・生産の3機能が相互に価値を発揮する事業ポートフォリオの構築に努めてまいりました。

その結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は、前期子会社化したジャパン・フード&リカー・アライアンス株式会社(以下「JFLA」と言います。)が通期貢献したことや乳業各社の増収が主要因となり、80,871百万円(前年同期比25.7%増)となりました。営業利益は、販売事業及び流通事業において新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大に伴い減益となった一方で、乳業を中心とした生産事業において製品の価格改定による利益率の上昇及び余剰乳の受託加工事業が堅調に推移したことや、JFLAの通期貢献並びに海外事業において不採算事業の整理を進めたことなどが主要因となり、515百万円(前年同期比91.0%増)となりました。

経常利益は、前期と比較して持分法による投資損失454百万円や貸倒引当金265百万円の減少があった一方で、今期は貸倒引当金戻入額173百万円を計上したことなどにより、217百万円(前年同期は経常損失967百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、焼肉業態牛角の事業譲渡益等5,596百万円及び負ののれん発生益302百万円を計上した一方で、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の影響により今後の事業計画を保守的に見積もったため減損損失3,255百万円を計上したことや投資有価証券評価損583百万円を計上したことなどにより、1,689百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失2,931百万円)となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります

 

(販売事業)

当連結会計年度末の店舗数は830店舗(前年同期比18店舗の減少)となりました。内訳は、直営店211店舗(前年同期比14店舗の減少)、フランチャイズ店619店舗(前年同期比4店舗の減少)となります。国内事業における第3四半期までの業績は、全体としては前年並に推移しておりましたが、第4四半期においては、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大に伴う外出自粛や営業自粛の影響により、通期では減収減益となりました。なお、2020年3月の既存店売上高(直営店とフランチャイズ店合計)は、前年比75.9%となっております(参考:日本フードサービス協会発表の3月度外食産業市場動向調査(パブレストラン/居酒屋)前年比56.7%)。一方で、海外事業においては、不採算事業の整理を進めたこともあり、当連結会計年度における売上高は23,686百万円(前年同期比6.7%減)、営業利益は186百万円(前年同期比63.4%減)となりました。

 

(流通事業)

株式会社アルカンは、業務用食材のフランス産フォアグラ・家禽類、冷凍パン「ブリドール」及びシャンパーニュ「ボランジェ」の売上増とユーロ安及び関税軽減による利益率の上昇が主要因により増収増益となりました。一方で、英国子会社は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大や英国のEU離脱問題の影響などにより減収減益となりました。また、業務用総合食品商社の東洋商事株式会社、中華食材等卸売のアンキッキ協栄株式会社などJFLAの子会社が加わったことにより、当連結会計年度における売上高は22,180百万円(前年同期比83.2%増)、営業利益は303百万円(前年同期比109.6%増)となりました。

 

(生産事業)

九州乳業株式会社及び茨城乳業株式会社においては、価格改定が寄与したことや、主要な問屋・量販店・ドラッグストア向け牛乳類、ヨーグルト、豆乳などの販売が引き続き好調であったため、増収増益となりました。株式会社弘乳舎は、余剰乳をバターや脱脂粉乳といった製品に加工する受託加工事業が好調であったため、増収増益となりました。また、JFLAの子会社である食品類酒類メーカーの盛田株式会社などの通期貢献により、当連結会計年度における売上高は34,854百万円(前年同期比30.0%増)、営業利益は1,229百万円(前年同期比89.4%増)となりました。

 

(その他)

その他事業の内容といたしましては、店舗開発事業や介護施設運営事業等による売上があり、当連結会計年度における売上高は150百万円(前年同期比367.6%増)、営業利益は27百万円(前年同期比55.8%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ309百万円増加し7,882百万円となりました。当連結会計年度末の各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりとなりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果得られた資金は、1,405百万円となりました。これは主に、事業譲渡益5,596百万円、税金等調整前当期純利益2,129百万円、減損損失3,255百万円、減価償却費及びその他の償却1,429百万円、のれん償却額769百万円、仕入債務の減少814百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果得られた資金は、1,120百万円となりました。これは、主に事業譲渡による収入2,893百万円や貸付けよる支出1,288百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出885百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果使用した資金は、2,147百万円となりました。これは、主に長期借入れによる収入2,794百万円と長期借入金の返済による支出5,809百万円によるものであります。

 

 ③ 生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

販売(千円)

2,023,499

96.5

流通(千円)

生産(千円)

25,923,663

125.6

 報告セグメント(千円)

27,947,163

122.9

その他(千円)

合計(千円)

27,947,163

122.9

 

(注) 1.金額は製造原価によっております。

2.流通及びその他については、生産を行っておりませんので、記載しておりません。

3.生産実績には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

販売

流通

生産

22,459,002

108.4

223,546

92.9

その他

合計

22,459,002

108.4

223,546

92.9

 

(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.販売、流通及びその他については、受注活動を行っておりませんので、記載しておりません。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

販売(千円)

23,686,765

93.3

流通(千円)

22,180,155

183.2

生産(千円)

34,854,221

130.0

 報告セグメント(千円)

80,721,142

125.5

その他(千円)

150,219

467.6

合計(千円)

80,871,361

125.7

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.販売セグメントにおける販売実績とは、当社グループ直営店における飲食販売実績、フランチャイジーより加盟契約時に受け取る加盟金、ロイヤリティ及び食材備品等の販売による実績等であります。

3.流通セグメントにおける販売実績とは、輸入食品類酒類販売や業務用国内食品類酒類卸売、英国等における食材の卸し、製造加工及び流通による販売実績等であります。

4.生産セグメントにおける販売実績とは、株式会社弘乳舎における生産余剰乳の加工受託及び各種乳製品の製造販売及び茨城乳業株式会社、九州乳業株式会社における乳製品等の製造販売、盛田株式会社における調味料や酒類の製造販売による実績等であります。

5.その他販売実績とは、店舗開発事業等の売上等に係る実績であります。

6.販売実績には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

なお、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の影響等については、不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検討を行っております。

 

(繰延税金資産)

当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づき課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額される可能性があります。

 

(固定資産の減損処理)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

 ② 当連結会計年度の経営成績の分析
a.売上高

売上高は80,871百万円(前年同期比25.7%増)となりました。

b.営業利益

営業利益は515百万円(同91.0%増)となりました。

d.経常利益

経常利益は217百万円(前年同期は経常損失967百万円)となりました。

e.親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は1,689百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失2,931百万円)となりました。

 

③ 当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は57,843百万円となり、前連結会計年度末に比べ56百万円増加いたしました。これは主に、流動資産が2,952百万円の増加に対して、有形固定資産が608百万円、のれんが2,489百万円それぞれ減少したことによるものであります。
 負債合計は、45,567百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,583百万円減少いたしました。これは主に、短期借入金及び長期借入金が1,007百万円、支払手形及び買掛金が670百万円、減少したことによるものであります。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益等の計上により、前連結会計年度末に比べ1,639百万円増加し、12,276百万円となっております。

 

④ 財務及び資金の流動性について

当事業年度のキャッシュ・フローの状況については、「1.経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資や中長期的な成長に必要な子会社株式の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。運転資金及び投資資金並びに株主還元等については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金又は金融機関からの借入や社債を基本としております。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々な要因の変化による影響を受ける可能性があります。このため、事業環境を注視するとともに、組織体制の整備などこれらのリスク要因を全社挙げて取り組んでまいります。

 

⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について

前連結会計年度においては、JFLAの完全子会社や海外展開等により、国内外で生産・流通・販売の各事業の拡充が図られた一方で、事業ポートフォリオの拡大に伴うグループ会社の急速且つ大幅な増加によりグループ経営のガバナンス体制が事業拡大に対して十分に機能できない状態が生じました。海外事業の会社は、大幅な赤字決算を余儀なくされ、更なる経営改善もしくは抜本的な改革が必要な状況であったため、2019年11月にフランスのケータリング事業を行う「Riem Becker SAS」株式の一部を譲渡するなど事業ポートフォリオの整理を行いました。併せて、間接部門の効率的配置や拠点の集約、管理機能を移管・最適配置することで、各事業セグメントのコスト構造を最適化し、グループ全体の資産効率の向上と収益力の強化を図ってまいりました。

当連結会計年度においては、米中による通商問題や当年度終盤に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大により、極めて不確実な状況が続いております。外食及び食品生産業界においては、消費税率引き上げや新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大が与える影響から消費者心理の冷え込みが強まる中、原材料価格の上昇や物流コスト及び人件費の高騰など、引き続き厳しい経営環境が続いております。

このような認識の下、競争が激化する厳しい環境を打破し更なる成長のためには、当社グループは国内外市場における「食のバリューチェーン」の更なる拡充と高付加価値化の実現のため、販売・流通・生産の各機能が相互に価値を生み出す事業ポートフォリオの構築や海外市場における「食のバリューチェーン」事業の構築及び六次産業への本格参入と事業モデルの実現が必須であると考えております。販売事業においては、高い成長性と収益性を兼ね備えたブランド・ポートフォリオの戦略的構築を進めると共に、高付加価値業態とカジュアル業態の強化を目的とした新規業態への参入も積極的に図ってまいります。流通事業におきましては、国内外の店舗網を有機的に結び付けるサプライチェーンの構築を行い、収益性の高い事業モデルの構築を図ってまいります。生産事業におきましては、乳製品分野の商品開発並びマーケティング強化による付加価値化の実現や日本の伝統的な食材、消費財の国内外における製造・販売体制の構築などを着実に実行していきます。以上のような取り組みを図ることにより「食のバリューチェーンのグローバルリーディングカンパニー」を目指してまいります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1) 当社がフランチャイズ本部と締結している契約

当社はフランチャイズ本部と次のとおりフランチャイズ契約を締結しております。

 

      相手先名称

      契約内容

     契約期間

TACO BELL RESTAURANTS ASIA PTE,LTD.

日本国内におけるTACO BELL ブランドでのフランチャイズチェーン展開

契約先の要望により、非開示とさせていただいております。

 

 

(2) 連結子会社である株式会社アスラポートがフランチャイズ本部と締結している契約

連結子会社である株式会社アスラポートはフランチャイズ本部と次のとおりエリアフランチャイズに関する契約を締結しております。

 

相手先名称

契約内容

契約期間

株式会社レインズインターナショナル

炭火焼肉酒家「牛角」
エリアフランチャイズ
(東北)

2012年12月1日から
2019年11月30日まで
なお、期間満了にあたり、再契約をすることができる。(※)

炭火焼肉酒家「牛角」
エリアフランチャイズ
(北関東)

炭火焼肉酒家「牛角」
エリアフランチャイズ
(北陸)

炭火焼肉酒家「牛角」
エリアフランチャイズ
(東海)

炭火焼肉酒家「牛角」
エリアフランチャイズ
(関西)

炭火焼肉酒家「牛角」
エリアフランチャイズ
(九州)

 

(※)当社は、2020年3月30日開催の取締役会において、株式会社レインズインターナショナルに対して、

      当社及び連結子会社である株式会社アスラポートにおける焼肉業態「牛角」事業を譲渡する事業

      譲渡契約について決議を行い、同日付で事業譲渡契約を締結しております。

       その主な内容は、次のとおりであります。

       (1)対象事業の内容

     株式会社アスラポートにおける焼肉業態「牛角」の直営事業及びフランチャイズチェーン加盟契約

    (フランチャイズ事業)並びに当社におけるマーチャンダイジング事業であります。

       (2)対象事業の資産、負債の項目

           ①資産

         (a)直営店舗の付属設備その他の備品、釣銭準備金及び食材並びに直営店舗に係る賃貸借契約に

              関する敷金保証金及び前払家賃

         (b)牛角ビュッフェ豊田店に関するリース資産及び直営店2店舗から受領した加盟保証金

          ②負債

              フランチャイズチェーン加盟契約に基づき受領した加盟保証金の返済債務

詳細につきましては、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](企業結合等関係)をご参照ください。

 

5 【研究開発活動】

重要性が乏しいため記載を省略しております。