文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針(経営方針)
当社グループは「食を通じた新たな価値の創造と提供」をミッションに、「新たな価値を生み出すブランド創出」、「新たな価値を提供する多様な販売手法の構築」、「新たな価値を支える経営基盤の確立と持続的成長」という3つの中長期戦略を実行しております。戦略に紐づく各課題へ積極的に取り組み、生産・流通・販売の3機能が相互に価値を発揮する事業ポートフォリオの構築に努めております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、2023年3月期から2025年3月期までの3年間を対象とする中期経営計画を策定し、「新たな価値を創造し、提供するグローバル食品・飲料メーカーへ」をグループテーマに掲げ、2025年3月期には、連結売上高880億円、連結営業利益20億円、連結経常利益18億円をそれぞれ達成することを目標としております。
収益指標や財務指標については、収益指標を営業利益率2.3%、EBITDAマージン5.1%、ROE(自己資本利益率)7.7%としております。また、財務指標を純有利子負債のEBITDA倍率3.1倍、純有利子負債の純資産倍率1.1倍としております。
(3) グループ方針
① 持続的成長モデルの確立
・消費者のライフスタイルの変化に応える商品・サービスの提供
・デジタルトランスフォーメーション(DX)による生産・流通・販売機能の競争力強化
・製販一体型モデルの深化による事業の生産性と収益性の向上
・「食」を通じて健康増進や豊かな生活を実現する新規事業(ウエルエイジング事業)の推進
② 事業リスクの耐性強化
・安定的な生産と供給を確保する様々なリスクへの耐性強化
・グループ会社の収益率基準の設定
・財務体質の強化(フリーCFの黒字化と負債比率の低減)
③ 当社が目指すSDGsの実現
・乳業や醸造工場で排出されるCO2削減による環境保全や地域貢献の実現
・生産及び販売部門で発生するフードロスや食材廃棄の低減
・グループ各社における障がい者雇用や人材の多様化を推進
(4) 部門別の重点目標
① 生産部門
(乳業事業)
・ノンデイリーと機能性飲料の開発強化による商品ポートフォリオの拡充と収益性向上
・設備投資と人員体制の増強による生産性の向上
(醸造事業)
・醸造技術を生かし付加価値の高い機能性飲料や調味料の開発強化
・海外市場向け商品開発を強化し輸出比率を高める
② 流通部門
・ブランド・商品ポートフォリオ戦略:消費者のライフスタイルやニーズに適ったブランド・商品ポート
フォリオの拡充
・ソリューション機能強化:取引先の課題解決と新たな価値創造の実現
・デジタルマーケティングの強化:電子取引、通販等のデジタルマーケティングの強化
③ 販売部門
・ブランド・商品ポートフォリオ戦略:高付加価値を有するブランドを中心に事業ポートフォリオの再構築
・製販一体型モデルの推進:優良ブランドの料飲から小売商品に至るトータル展開を推進
④ 全社
・新中期経営計画の実現によりプライム市場への市場替えを目指す
(5) 経営環境及び対処すべき課題
当連結会計年度におけるわが国経済は、前期に引き続き新型コロナウイルス感染症の流行による影響を大きく受けました。ワクチン接種の普及等により、経済活動は持ち直しの動きがみられたものの、新たな変異株の流行や不安定な世界情勢による原油価格や穀物価格の高騰などにより、企業業績が左右される非常に厳しい経営環境が続いております。
当社グループは、新しい経営方針である「新たな価値を創造し、提供するグローバル食品・飲料メーカーへ」の実現のため、「新たな価値を生み出すブランド創出」、「新たな価値を提供する多様な販売手法の構築」「新たな価値を支える経営基盤の確立と持続的な成長」の3つの戦略を遂行するにあたり対処すべき課題は以下の通りと考えております。
2021年11月に公表した新中期経営計画「Next JFLA 2025」に基づき、当社グループは新たな成長に向けた事業体制を整えております。当計画のテーマである「新たな価値を創造し、提供するグローバル食品・飲料メーカーへ」の実現のために、機動的なアライアンスや事業再編の実施を通して最適な事業ポートフォリオの構築を進めてまいります。
② 経営基盤の強化
当社グループの更なる事業拡大及び持続的な成長を遂げていくためには、最適な事業ポートフォリオの構築に加え、財務健全性向上の観点から適正な自己資本比率や資本効率の向上等の取り組みにより経営基盤の強化を図っていくことが必要であると認識しております。
③ 既存事業の深化と転換
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、当社グループを取り巻く事業環境は急速な変化を遂げる中、このような環境下で持続的な成長を遂げていくために、当社の中核事業である生産事業では、強みである発酵・醸造技術を活かした高付加価値の機能性飲料・食品の開発並びに製造販売に注力してまいります。流通事業では、Eコマースやセールスドライバーの強化によるD2C機能の強化や欧州を中心とした海外パートナー企業との国内市場ニーズに呼応・合致した商品共同開発などに注力してまいります。販売事業では、販売機能を有し一定の知名度があるブランドの強化をする一方で、既存の来店型外食事業は縮小し、デリバリー・テイクアウト複合型事業モデルの推進やオンライン販売やクラウドキッチンの整備と構築などにより、商品開発と生産機能を有する販売事業への再編を進めてまいります。
④ 新規事業の創出と既存事業との融合
当社グループは、2021年1月から健康増進に関する新規事業「ウェルエイジング事業」を開始しております。パフォーマンス向上を目的とした事業に当社の強みである発酵・醸造技術を活かした高付加価値の機能性飲料・食品の開発との融合により競争優位性が発揮できる独自のポジションを確立してまいります。
⑤ コーポレート・ガバナンス体制の強化
当社グループの持続的な成長及び企業価値向上を実現するために、コーポレート・ガバナンス体制の強化が重要であると認識しております。経営の透明性及び健全性確保の観点から、リスク管理の整備やグループ全体の横断的なコンプライアンス体制による法令遵守の徹底に努め、コーポレート・ガバナンス体制の強化に取り組んでまいります。
⑥ 財務上の課題
当連結会計年度末における有利子負債は23,431百万円(前連結会計年度末比1,449百万円減少)となっております。また、主要な財務指標は、自己資本比率14.4%となっております。グループの事業拡充を優先すべく有利子負債については増加傾向でありましたが、目標とする経営指標や中長期的な会社の経営戦略を踏まえ、今後は従来以上に有利子負債削減と財務指標に重点を置いた事業運営を行ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 新型コロナウイルス感染症等の異常事態リスク
当社グループは、国内外において外食店舗や生産工場などの複数の事業拠点や物流施設等を使用し事業運営をしております。新型コロナウイルス感染症のようなパンデミックや大規模な自然災害等の異常事態が当社の想定を超える規模で発生し、事業運営が困難になった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループの販売事業では、回復が見込めない直営店舗の撤退を進めるほかに、お客様の生活様式の変化に対応するため、デリバリーサービスの導入を進めるなど「ウィズコロナ」対策に着手してまいります。流通・海外事業では、欧州地域の不採算事業の撤退を行うことで経営資源の有効活用を行ってまいります。
(2) 投融資回収のリスク
当社グループは、今後の事業拡大及び収益力向上のため、企業の買収や子会社設立、アライアンスを目的とした事業投資等を実施する場合があります。当社グループは、投融資案件に対しリスク及び回収可能性を十分に事前評価し、投融資を行っておりますが、投融資先の事業の状況が当社グループに与える影響を確実に予測することは困難な場合があり、投融資先の事業が計画通りに進展しない場合や、効率的な経営資源の活用を行うことができなかった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、今後もシナジーを最大限に活用し、グループ全体の企業価値向上を目指してまいりますが、事業展開が計画通りに進まないことに伴う収益性の低下や時価の下落等に伴い、資産価値が低下した場合は、減損損失の発生や売却等での売却損により、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(3) 景気の下振れによる不況リスク
日本における将来の景気減退又は経済減速等の経済不振は、当社グループが事業展開する乳製品や調味料などの商品・外食サービスに対する購買力や需要に影響を与える可能性があります。現在、新型コロナウイルス感染症の拡大やウクライナ情勢による原材料・燃料等の高騰により、一時的に景気の後退に至っておりますが、今後も、様々な外的要因により、景気の下振れによる不況に陥った場合、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。当社グループは、各種のコスト削減策を実施することにより収益基盤を強化しております。
(4) 自然災害に係るリスク
当社グループ子会社の運営する外食チェーン店舗(販売事業)及び工場(生産事業)が、日本国内はもとより海外にも点在しており、これらが台風・地震・疫病などの自然災害にさらされる可能性があります。これらの災害に見舞われた場合は、店舗の休業や閉店を余儀なくされるため、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(5)海外事業に係るリスク
当社グループでは、欧州地域(英国、オランダ、フランス、ドイツ)や米国を中心に事業展開を行っております。ウクライナ情勢等の紛争、政治的変動や為替相場変動のほか、各国の制度・習慣・宗教の違いなどにより、予期しえない事象が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6) 原材料の調達に係るリスク
販売事業におきましては、当社が運営する外食チェーン店で使用する原材料は、大部分が農業生産物であり、その種類も多種多様にわたります。そのため天候不順や食用家畜に対する伝染病の流行などが、原材料調達を困難にする可能性があります。また、政府による緊急輸入制限措置(セーフガード)の発動など、需給関係の変動を伴う事態が生じる可能性があります。流通事業及び生産事業におきましては、原材料及び商品の多くを海外から調達しております。そのため、調達国における紛争、需給状況の変化や法律及び規制の変更、社会的混乱等により、調達コストの上昇や供給不足となる可能性があります。また、当社グループが調達する主要原材料や重油等のエネルギー資源は、その価格が市況により変動する可能性があります。これらの結果当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(7) 食材の安全及び衛生管理に係るリスク
異物混入、伝染病(BSEや鳥インフルエンザ等)及び食品偽装問題など、食の安全に対する社会の関心が高まっております。当社が事業を継続するためには、安全・安心な食材を確保する努力が求められています。しかし、何らかの要因により食品事故等が発生した場合、当社のブランド・イメージが低下するほか損害賠償を求められることがあり得ます。このような事情が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(8) 出店政策に係るリスク
販売事業におきましては、商圏調査や賃料、投資後のシミュレーションなどを綿密に行った上で採算性を重視しながら出店を行っておりますが、景気動向や消費者のし好の変化などにより店舗が不採算化する可能性があり、これが当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(9) 法的規制に係るリスク
当社ブランドで運営する店舗は、食品衛生法の規定に基づき、所管保健所の飲食店営業許可を取得しております。万が一食品中毒等の事故を起こした場合、食品等の廃棄処分、営業許可の取消、営業の禁止、もしくは一定期間の営業停止処分などの処分を受けることがありうるほか、被害者からの損害賠償請求を求められる可能性があります。その結果、当社グループ全体の信用を毀損することになり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能があります。
(10) 人材確保に係るリスク
当社グループでは今後の業容拡大に伴う適切な人材確保が必要であると考えております。一方で少子高齢化社会の進行に伴い、人材の確保が困難となる場合や、人材の育成が順調に進まない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(11) 製造技術の継承と技術者の育成
当社グループの基本理念の一つである「日本の伝統的で良質な食生活や食文化を守り、次世代に伝えていく」という考えのもと、醤油、味噌、漬物及び清酒等の伝統食品の製造技術を継承すべく、後継者となり得る技術者の育成を行っておりますが、人材不足等により継承が円滑にできない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(12) 新商品開発
食品業界における商品開発は非常に競争が激しく、同一カテゴリーにおいて類似した後発商品の相次ぐ発売や価格訴求等により、当社グループ商品の優位性が短期間で失われる可能性があります。また、開発した新商品が市場において一定の評価を得られない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(13) 個人情報の管理に係るリスク
当社グループでは、顧客からのアンケート情報や住所等の情報を収集し、顧客満足度の把握及びサービスの向上に努めており、これら個人情報とマーケティング活用し、出店につなげております。個人情報の管理には万全を期しておりますが、何らかの理由で個人情報が外部に漏えいした場合には、損害賠償の発生や社会的信用の低下により、当社グル―プの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(14) 継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、前期に引き続き新型コロナウイルス感染症の流行による影響に加え、不安定な世界情勢による原油価格や穀物価格の高騰による大きな影響を受けております。販売事業においては新型コロナウイルス感染症による行動制限、原材料や重油などの燃料費の上昇などの影響を受けており、生産事業においても大豆などの原料や重油などの燃料費の上昇の影響を受けた結果、前連結会計年度から継続して営業損失を計上しております。これらの状況から、当連結会計年度末において継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる状況が存在しております。
当社グループはこのような状況を解消すべく、当期の下方修正の要因分析とその改善計画を策定いたしました。販売事業では赤字継続事業の撤退・売却の可及的速やかな実施、生産事業では穀物価格やエネルギー価格変動リスクを吸収する値上げ等の対策、更にグループ内の事業再編を通じた固定費削減等の施策に取り組んでおります。また、資金面では、翌連結会計年度の事業計画等をもとに金融機関に対し説明を行い、必要な資金調達に関しては問題なく実施可能と認識しております。以上から、当該重要事象等を解消、改善するための対応策を講じることにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
なお、当連結会計年度末において当社のシンジケートローンに付された財務制限条項である「2期連続営業損失を計上しない」に抵触しているものの、期限の利益損失による一括返還請求権は放棄する旨の同意を得ております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、前期に引き続き新型コロナウイルス感染症の流行による影響を大きく受けました。ワクチン接種の普及等により、経済活動は持ち直しの動きがみられたものの、新たな変異株の流行や不安定な世界情勢による原油価格や穀物価格の高騰などにより、企業業績が左右される非常に厳しい経営環境が続きました。
このような環境の中で、当社グループは「食を通じた新たな価値の創造と提供」をミッションに、「新たな価値を生み出すブランド創出」、「新たな価値を提供する多様な販売手法の構築」、「新たな価値を支える経営基盤の 確立と持続的な成長」という3つの中長期戦略を実行してまいりました。また、2021年11月には2023年3月期から始まる3か年の中期経営計画「NEXT JFLA 2025」を策定し「新たな価値を創造し、提供するグローバル食品・飲料メーカーへ」をグループテーマに掲げ、2025年3月期には売上高88,000百万円、営業利益2,000百万円の新たなる目標を設定し取り組んでまいりました。ただ新中期経営計画策定年度である当連結会計年度におきましては、コロナ禍の影響等により販売及び流通事業の業績が低迷したことに加え、大豆や小麦等の穀物価格や重油等のエネルギー価格が高騰した結果、主力事業である生産事業においても収益率が大幅に悪化し、連結業績において大幅な下方修正を余儀なくされました。そして、新中期経営計画で計画しました事業ポートフォリオ再編に関しても進捗に遅れが生じてきております。
当社グループはこのような事態を重く受け止め、「経営改善計画」を策定しております。当期の下方修正の要因分析とその改善計画を策定いたしました。販売部門では赤字継続事業の撤退・売却の可及的速やかな実施と製販一体型事業への移行を促進すること、生産部門では穀物価格やエネルギー価格変動リスクを吸収する値上げ等の対策、更にグループ内の事業再編を通じた固定費削減等の施策で構成されております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は 70,374百万円(前年同期比1.1%増)、営業損失は791百万円(前年同期は営業損失1,185百万円)、経常損失は827百万円(前年同期は経常損失1,503百万円)となりました。また前述の経営改善計画の施策において想定される経営改善コスト等の特別損失を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、1,884百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失2,558百万円)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度の売上高は2,585百万円減少しております。詳細は、「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項 (10) その他連結財務諸表作成のための重要な事項(収益認識に関する会計基準等の適用)」に記載のとおりであります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
弘乳舎においては、生乳余剰を背景とした業務用バターや脱脂濃縮乳などの乳加工品の受託収入が前期に引き続き好調であったことに加え、新規取引の拡大によりデザート事業も堅調に推移し増収増益となりました。一方で九州乳業においては当連結会計年度から豆乳やヨーグルトなどの増産体制に備えた大型設備投資に伴う減価償却費が増加した他、エネルギー価格の上昇による燃料費や物流費用の増加により減益となりました。また盛田においては輸出、EC通販が好調に推移したものの、大豆などの原料や重油などの燃料費の上昇の影響を大きく受けたことにより減益となりました。以上により、当連結会計年度における売上高は39,723百万円(前年同期比4.1%増)、営業利益は635百万円(前年同期比46.1%減)となりました。
海外部門においては、日本に先駆けてコロナ禍の制約が緩和されたことを主因として黒字転換しましたが、国内のアルカンや東洋商事においては、コロナ禍の影響により大都市圏を中心にレストランやホテル向けの業務用食材や飲料の販売が低迷したことに加え、大幅な円安による仕入原価の上昇もあり前期に引き続き赤字計上となりました。その他各社において固定費削減に努めましたが、当連結会計年度における売上高は16,997百万円(前年同期比0.6%増)、営業損失は156百万円(前年同期は営業損失296百万円)となりました。
当連結会計年度末の店舗数は464店舗(前年同期比92店舗の減少)となりました。内訳は、直営店151店舗(前年同期比14店舗の減少)、フランチャイズ店313店舗(前年同期比78店舗の減少)となりました。減少の主な要因は鶏業態居酒屋「とり鉄」「とりでん」などの71店舗を譲渡したことによるものです。販売部門のアスラポート、十徳、TBジャパンにおいても、新型コロナウイルス感染症による行動制限、原材料や重油などの燃料費の上昇などの影響を受けており、不採算店舗の撤退及び固定費の削減など収益性の改善に努めましたが、当連結会計年度における売上高は13,400百万円(前年同期比2.3%減)、営業損失は28百万円(前年同期は営業損失795百万円)となりました。
ウェルエイジング事業や店舗開発事業により、当連結会計年度における売上高は252百万円(前年同期比69.9%減)、営業損失は77百万円(前年同期は営業損失9百万円)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,182百万円減少し4,545百万円となりました。当連結会計年度末の各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次の とおりとなりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、593百万円となりました。これは、主に税金等調整前当期純損失1,521百万円、減価償却費及びその他の償却費1,508百万円、減損損失1,403百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,418百万円となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出1,587百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、511百万円となりました。これは、主に長期借入金の返済による支出3,620百万円、 社債の償還による支出1,934百万円、株式の発行による収入1,191百万円によるものであります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は製造原価によっております。
2.流通及びその他については、生産を行っておりませんので、記載しておりません。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.流通、販売及びその他については、受注活動を行っておりませんので、記載しておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.生産セグメントにおける販売実績とは、株式会社弘乳舎における生産余剰乳の加工受託及び各種乳製品の製造販売及び茨城乳業株式会社、九州乳業株式会社における乳製品等の製造販売、盛田株式会社における調味料や酒類の製造販売による実績等であります。
3.流通セグメントにおける販売実績とは、輸入食品類酒類販売や業務用国内食品類酒類卸売、英国等における食材の卸し、製造加工及び流通による販売実績等であります。
4.販売セグメントにおける販売実績とは、当社グループ直営店における飲食販売実績、フランチャイジーより加盟契約時に受け取る加盟金、ロイヤリティ及び食材備品等の販売による実績等であります。
5.その他販売実績とは、店舗開発事業等の売上等に係る実績であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これら見積り及び仮定に基づいた数値は実際の結果と異なる可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等については、不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検討を行っております。
(固定資産の減損処理)
固定資産の減損処理に際しては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当連結会計年度末の総資産は48,452百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,806百万円減少いたしました。これは主に、固定資産が2,967百万円の減少したことによるものであります。
総負債は、40,169百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,053百万円減少いたしました。これは主に、流動負債が1,784百万円減少したことによるものであります。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上等により、前連結会計年度末に比べ1,752百万円減少し、8,282百万円となっております。
④ 財務及び資金の流動性について
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資や中長期的な成長に必要な子会社株式の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。運転資金及び投資資金並びに株主還元等については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金又は金融機関からの借入や社債を基本としております。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々な要因の変化による影響を受ける可能性があります。このため、事業環境を注視するとともに、組織体制の整備などこれらのリスク要因を全社挙げて取り組んでまいります。
⑥ 経営上の目標達成を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について
経営上の目標達成を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
(1) 当社がフランチャイズ本部と締結している契約
(2) 子会社がフランチャイズ本部と締結している契約
(3) 株式譲渡に関する契約
当社は、2021年6月14日開催の取締役会において、当社子会社である株式会社アスラポートの飲食等の事業の一部を新設分割の方法により新設会社に承継する決議を行い、新設分割計画を作成いたしました。
会社分割の概要は、次のとおりであります。
① 会社分割の目的
資本業務提携先の株式会社小僧寿しより、同社の「デリズ」のエリアフランチャイズ事業を中心とする販売事業の拡大並びに新規事業として「とり業態」に強みを持つビジネスモデルの構築を行う方針の下で、対象事業を譲り受けたいとの要請を受けました。当社にて検討した結果、本件新設分割を行い、新設分割会社の株式をもって現物出資による株式会社小僧寿しの増資を引き受けることは、資本業務提携先である小僧寿しを含むグループ戦略において有効な事業再編であると判断いたしました。
② 会社分割の方法
株式会社アスラポートの「とり鉄」飲食事業、「とりでん」飲食事業及び「マーケティング事業」を新設分割の方法で株式会社Tlanseairに承継させる新設分割といたします。
③ 会社分割の期日
2021年7月1日
④ 分割に際して発行する株式及び割当
本件会社分割により承継する権利義務の対価として、普通株式100株を発行し、これを株式会社アスラポートに割当ていたします。
⑤ 割当株式数の算定根拠
株式会社Tlanseairは普通株式100株を発行し、その全てを株式会社アスラポートに割当てます。発行株式の全てが株式会社アスラポートに割り当てられることから、交付する普通株式の数については任意に定めることができるものと考え、株式会社Tlanseairによる管理の効率性を考慮した結果、上記の株式数が相当であると判断いたしました。
⑥ 分割する飲食・マーケティング事業の経営成績
⑦ 分割する資産・負債の状況(設立日現在)
⑧ 新設会社の概要
代表者 取締役社長 小林 剛(設立日現在)
住所 東京都中央区日本橋蛎殻町一丁目5番6号
資本金 10百万円(2021年7月1日現在)
事業内容 飲食店の営業及びマーケティング事業
重要性が乏しいため記載を省略しております。