文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
当社は、「安全・清潔・親切心あふれる、リーズナブルなホテル事業を通じて、旅する人と働く人を幸せにする。」を経営理念としております。
当社の目標とする経営指標は、高い収益性を維持し企業価値を向上させていくため、新規出店やリニューアル等などによる収入増及び経費の抑制・効率化等などコスト管理に努めることにより、事業活動の成果をはかることができる、売上高営業利益率を経営指標として掲げております。なお、2025年3月期の業績予想につきましては、売上高営業利益率8.3%を見込んでおります(売上高20,841百万円、営業利益は1,725百万円)。
今後のホテル業界は、Web会議の普及などによりビジネス出張需要はコロナ前水準に戻らないまま推移することが想定されるものの、観光・レクリエーションを目的とした国内宿泊旅行は堅調に推移し、訪日客についても増加傾向が続くと見込んでおります。このような環境下、当社は以下の課題に取り組んでおります。
競争力強化のため、1年に2~3事業所の大規模リニューアルを引き続き実施していくほか、複数名利用に使い勝手のよいツインルームやコネクティングルームの新設、ベッドマットレスの「エアウィーヴ」への更新、デュベ布団への変更といった快適性向上のための部分改修を継続してまいります。
予約センターを開設したことにより受注体制が強化されたことから、国内外の旅行代理店への営業活動や、旅行博覧会・商談会への出展をより拡大することで、レジャー客や訪日客のさらなる集客に繋げてまいります。また、Webでの販売においては、海外OTAのプロモーションに積極的に参画するほか、検索エンジンやSNSを活用した広告により露出を強化してまいります。
レベニューマネージャーを中心に、需給を先取りした料金コントロールの精度を上げるとともに、定期的に基準料金を見直すことで、料金変動自動化ツールの効果を最大化させてRevPAR向上を図ります。また、運営コストの増加に対しては、需給環境のバランスをみつつ、品質を向上させながら販売単価に適切に反映させることにより対応してまいります。
当社の会員制プログラム「宿泊ネット」については、定期的な入会キャンペーンの継続や、他OTAとの価格差等の優位性による囲い込みにより安定顧客の獲得に努め、2026年3月期末に会員数50万人を目指します。また、既存会員への新たな情報発信や特典等の利用喚起策を実施するほか、企業・団体対象のネット法人会員の拡大にも取り組んでまいります。
当社の将来を担う人材育成のため、教育体系の整備を推進してまいります。2024年4月より動画研修カリキュラムの運用をスタートしたことに加え、研修への参加や自己啓発支援の体制を強化します。また、個人の教育状況を評価・分析できるツールを導入することで、効果を高めてまいります。
当社は、サステナビリティに関する課題について取り組むことは、リスクの減少のみならず、収益獲得の機会になるものと考えております。そのなかでも、ホテル業は人的サービスに拠る面が大きく、人員が不足すればホテル運営に支障をきたすリスクがあり、一方でお客様の期待を超える接遇サービスが提供できれば多くの顧客に支持される機会もあるなど、人的資本への取り組みが最も重要であると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
当社の取締役会では、重要な意思決定を行うとともに、コンプライアンスや内部統制・リスク管理に関しては、独立社外取締役の知見も活かしつつ、その体制整備や仕組みづくりに努めており、個別の業務執行につきましては、経営会議等に委任しております。また、取締役会におきましては、各担当役員が職務執行報告を行い、取締役会は当該執行状況をモニタリングしております。加えて、常勤役員で構成するリスク管理・コンプライアンス委員会を設置しており、全社的なリスクへのマネジメントに関する審議、発生した危機への対応を行っているほか、取締役会及び監査等委員会において情報共有を図り監督できる体制としております。監査室による内部監査についても、その結果及び当該監査の過程において把握された検討事項等については、定期的に取締役会や監査等委員会へ報告を行うことで情報共有を図り、顕在化しているリスクの後追いができる体制としております。そのほか、内部通報窓口を社内及び社外に設置し、法令及び社内ルール違反の顕在化と迅速適切な対応ができる体制を整備しております。なお、サステナビリティに関連する事項については、その内容に応じてこれらの仕組みの中で適宜検討しております。
当社は、2021年11月にサステナビリティ基本方針を制定し、事業活動を通して環境負荷の低減に努めるとともに、企業市民として地域と共生を図る活動を推進しております。また、それらの活動を通して「持続可能な開発目標(SDGs)」に貢献できるよう努めております。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
<サステナビリティ基本方針>
経営理念の中に掲げている「旅する人と働く人を幸せにする」というホスピタリティ溢れる事業活動と、環境保全・地域発展の課題に取り組むことで、持続可能な社会の実現を目指します。
①環境問題への配慮
ホテル事業を通じて環境負荷の低減に努めるとともに、お客様と一体になった活動を推進していきます。
②人権の尊重・人材の育成
国籍、信条、出身地、性別、宗教、身体的特徴などの理由で差別を受けない健全な職場環境を確保し仕事を通じて資質の向上や人間としての成長を期して職務を遂行するよう努めていきます。
③地域社会との関係
地域社会との連帯と協調を図り、習慣・文化・風土を尊重した事業運営を心掛け、地域発展の責任を果たします。
④公正な事業活動
法令を遵守し、社会倫理に基づいた事業活動をすることで、お客様、株主、お取引先様、地域社会、働く人に信頼される正直で誠実な企業を目指します。
※上記取り組みの一部については、その詳細を当社HPに公開しております。
なお、前述のとおり、会社の持続的な成長を確保するには人的資本への取り組みが最も重要であり、大きなテーマとしては、多様性を含めた人材確保と人材育成があると考えております。
人材確保については、能力や実績を重視する人物本位の人材登用により、女性、中途採用者を積極的に採用しているほか、従業員紹介制度の推進によりリファラル採用を強化しております。当社社員の半数は女性であり、当社管理職57人のうち19人(33.3%)が女性です。また、外注している業務については、内製化や一社に限らず複数社の外注先と契約を締結するなどして、突発的な人材不足に即応できる体制を構築しております。今後は、国内労働人口の減少が想定されるなか、業務の切り分けや内製化等で働き方を創出することにより、外国人、シニア層、障害者を積極的に活用してまいります。加えて、退職者を減らすために、処遇向上による人員の定着を図るほか、ライフステージに合わせた働き方の選択ができる制度の導入を検討してまいります。
人材育成については、実際の職務現場において、上司や先輩従業員などの指導担当者が、部下である従業員に対し、職務を遂行していく上で必要な知識やスキルを随時与えることによるOJT教育を根幹としております。加えて、Webを活用した映像マニュアルの活用やカリキュラムに沿った動画研修の受講を実施しているほか、外部研修等の受講にも力を入れております。今後は、個人の教育状況を評価・分析できるツールの導入により効果を高めることに加え、その能力を可視化することで、適材適所への人員配置とキャリア形成につなげてまいります。また、自己訓練の資金補助や資格手当の支給など、自己研鑽を促す制度の再整備に取り組んでまいります。
当社は、リスク管理を統括する機関として「リスク管理・コンプライアンス委員会」を設置しており、代表取締役社長を議長として全社的なリスクへのマネジメントに関する審議や、発生した危機への対応を行っております。
特に、人員配置の問題については、経営会議でも適宜対策を講じているほか、急な人員不足が生じた場合には総務人事部を総合窓口とした応援・ヘルプ体制を敷き、ホテルブランドや本社に拘わらない人員配置にて対応しております。
多様性を含めた人材確保の必要性から、以下の数値を目標といたします。
(注)1.社員退職率は、期首人員のうち事業年度内に退職した従業員の割合。
(パートタイマー、事業年度中に入社し退職した者、定年退職者は除く)
2.外国人社員数は3月31日時点。(パートタイマーは含まない。)
3.従業員紹介制度入社数はパートタイマーを含む全従業員の事業年度合計。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
宿泊需要は、大別するとビジネス需要と観光需要があり、景気減退による企業活動の縮小や給与水準の低下による支出意欲の低下によって、宿泊需要が減少する可能性があります。
当社の有利子負債には金利変動の影響を受けるものが含まれているため、金利上昇によって支払金利や調達コストが増加する可能性があります。
国際的な政治、戦争、テロ等の影響により原油・燃料価格が高騰することがあり、調達コストの増加につながる可能性があります。
既存の競合他社のほか、異業種等からの業界参入があれば、競争激化により集客が低下し、当社が展開するホテルの稼働率が低下する可能性があります。
競争の激化により更なる過当競争が引き起こされ、価格が下落し、売上の減少につながる可能性があります。
客室においては、設備機器の不具合が発生することによって、電気や水・お湯が供給できなくなり、照明、空調、TV等の電化製品の停止や、風呂場、トイレの使用が不可能になるなど、宿泊及び企業イメージに対する影響が出る可能性があります。
飲食店や宴会場での料理提供においては、品質管理や食品衛生に十分注意をしておりますが、食中毒が発生した場合には、社会的信用の低下、個人への補償及び事業停止処分の可能性があります。
ホテル業は、人的サービスに拠る面が大きいことから、採用難等などの人材確保が困難になる場合や、他社への人材流出により、事業運営が停滞する可能性があります。また、最低賃金の引き上げや、社会保障政策に伴う社会保険料率の引き上げ等による人件費の上昇、採用コストの増加等により、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社では宿泊者の氏名・連絡先を宿泊システムにて保有しているほか、会員システムとして使用している「宿泊ネット」内に顧客情報を保有しています。これら情報がハッキング行為等により流出した場合、社会的信用の低下やコンピュータウイルスへの感染によるシステム停止から事業運営が停滞する可能性があります。
当社は、ホテル建物等の有形固定資産を保有しておりますが、これらの資産については減損会計を適用し、当該資産から得られる将来キャッシュ・フローによって資産の帳簿価額を回収できるかどうかを検証しており、減損処理が必要な資産については適切に処理を行っています。しかし、今後一定規模を超える不動産価額の下落や、事業収支の悪化により将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合には、有形固定資産の一部について減損損失が発生する可能性があります。
現在、企業会計審議会において、いわゆるオペレーティング・リース取引のオンバランス処理が検討されております。当社では、借主側としてのオペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料が多額となると想定され(なお、当事業年度(2024年3月期)における借主側としてのオペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料は16,983,444千円であり、本適用となればさらに増加する可能性があります。)、これらを含むオペレーティング・リース取引が会計基準変更に伴いオンバランス処理された場合、自己資本比率の低下やリース資産減損計上等、経営成績及び財務指標に影響が及ぶ可能性があります。
当社は、ホテル不動産あるいは飲食店舗不動産を長期に賃借しているものがあり、不動産所有者が破綻等の状態に陥った場合は、当該事業所の事業継続が困難となる可能性があります。また、賃貸借契約の途中で、当社の何らかの都合により契約を中途解約する場合は、残存期間分の未経過賃料のうちの一部を支払うか、補填する義務が生じる可能性があります。
設備の欠陥、瑕疵による火災(電化製品のショート、清掃不備による電源部から埃への着火等)や、お客様を起因とする火災(寝タバコ等)の発生により、社会的信用の低下や、事業停止処分、建物設備が焼失する可能性があります。
地震や、台風・大雨・大雪、火山の噴火等によって、建物設備の損壊のほか、交通網やライフラインの断絶で原材料(客室リネンや食材、飲料)の調達や、電気・水道・ガスの供給が困難になること、また従業員の出勤も困難になること等により、事業所の機能が停止する可能性及び宿泊意欲が低下することによる収益悪化の可能性があります。
新型インフルエンザや新型コロナウイルスに代表される感染症の流行等によって、拡散脅威による渡航規制の発生(国外客の減少)や、国内宿泊需要が減退する可能性があります。さらに、政府及び地方自治体等からの移動自粛要請や、海外渡航禁止勧告等に伴う活動制限等が継続した場合には、当社の事業の財政状況や業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、感染症の収束後においても、生活様式やビジネススタイルの変化に伴う、外出控えや宿泊出張機会の減少により、観光需要・ビジネス需要が共に感染症流行以前までには回復しない可能性があります。
当社は、旅館業法、建築基準法、消防法、食品衛生法等の法的規制を受けております。当社は、これらの法令等の遵守に努めておりますが、現在の当該規制の強化や改正あるいは新たな規制が設けられた場合には、規制を遵守するために必要な費用や営業上の制約が発生する可能性があり、当社の事業や企業価値に影響を及ぼす可能性があります。
法令に基づく適切な労務管理ができないこと等により従業員に重大な労働災害が発生した場合、ハラスメント行為について社内外に通報窓口を設置する等の施策を講じていても完全に排除することができない場合等、労務問題によって当社の社会的な信用が低下し、あるいは、多額の課徴金や損害賠償が請求される等、当社の事業や企業価値に影響を及ぼす可能性があります。
当社の広告宣伝は、当社各事業部において内容確認を実施し、疑義が生じた場合には顧問弁護士に確認しておりますが、誤認を与える広告宣伝を実施した場合、当社の社会的な信用が低下し、あるいは、多額の課徴金や損害賠償が請求される等、当社の事業や企業価値に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、当社総務人事部を所管部署とし、商標権、著作権、特許権、意匠権等の知的財産権を管理しておりますが、他社による知的財産権の侵害により、当社の知的財産の価値が低下する可能性があります。また、当社では他社の知的財産を侵害することのないよう、他社の知的財産権調査を実施しておりますが、当社が他社の知的財産を侵害している場合には、使用料支払いや損害賠償請求等により当社の損益に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、今後も新規開発を進めていく予定ではありますが、出店候補地が確保できない場合、出店に必要な人材が確保できない場合、その他新規出店に際し当社に予期せぬ事由が発生した場合、また、当社が出店後近隣に競合他社が出店した場合、当社の業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、清掃業務及びリネン業務を外注しております。清掃業務につきましては、人手不足による1室当たりの清掃単価の上昇、リネン業務に関しましては、原油高に伴い洗濯費用が高騰する可能性があり、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社及び藤田観光株式会社は、それぞれ独立した会社であり、当社は「ワシントンホテルプラザ」、藤田観光株式会社は「ワシントンホテル」というブランドで事業活動を行っております。この「ワシントンホテル」という商標は、両社で共同出願しチェーン展開を行っているため、投資家や一般消費者等が経営母体を誤認する可能性を否定できません。以上のことから、同ブランドで火災や食中毒等などブランドイメージを毀損する事案が発生した場合には、当社のレピュテーションが低下することがあり、経営成績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社の事業は、第3四半期会計期間においては行楽シーズンや年末の忘年会シーズンにあたることから、宿泊客数の増加や、飲食店・宴会場の利用客数が増加する一方で、第4四半期会計期間においては年始に伴うビジネス宿泊の減少や、2月は日数が少ないため、利用客数が減少する傾向があります。また同時期においてホテルの改装等を実施することも多くあり、第4四半期会計期間は、他の四半期会計期間と比べ、売上高及び利益が減少する傾向があります。以上のような季節変動要因により、当社の一時点における業績は通期の業績の分析には十分な情報とならない可能性があります。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度における我が国経済は、コロナ禍からの脱却により社会経済活動が正常化したことに伴い、景気回復の兆しをみせております。一方で、緊迫化する国際情勢に加え、物価高騰や大幅な円安の進行など、先行きについては不透明な状況が続いております。
ホテル業界におきましては、日本政府観光局のデータによると、インバウンドは水際対策緩和後の6月から堅調に増加しており、直近の1月から3月の期間においては2019年同期間比で106.3%と、コロナ前を上回る水準となりました。また、観光庁の「旅行・観光消費動向調査」では、観光・レクリエーションを目的とした国内宿泊旅行者数も概ねコロナ前の水準まで回復してきている一方で、出張・業務を目的としたビジネス利用では、最新公開数値である4月から12月期間で2019年比81.0%と、Web会議の普及等デジタル化の影響により、大きく戻らないまま推移しました。
このような環境下、当社の販売面においては、ビジネス需要減少への対策として国内レジャー客やインバウンドの獲得拡大に注力してまいりました。コロナ前は旅行代理店との契約は少なく、公式サイトを含むOTA(Online Travel Agent)を主たる販売チャネルとしておりましたが、コロナ禍以降国内外の旅行代理店や商談会への営業活動を継続強化してきた結果、当事業年度における国内旅行代理店経由の売上は、コロナ前期間比206.9%、国外旅行代理店経由の売上は同期間比130.9%と成果がでております。加えて、受注をより迅速に行うことを目的に、12月には国内外の旅行会社向けの予約センターを開設したほか、公式サイト上にグループ・団体でのご利用をお客様が簡単に申し込める受付窓口を設置するなど、新たなチャネルを機能させてまいりました。
また、顧客基盤である会員制プログラム「宿泊ネット」については、定期的なキャンペーンの実施やWebによる告知等の強化により、会員登録者数が期初の32万人から約28%増加し41万人となりました。
設備面においては、9月と10月に着工したR&Bホテル大塚駅北口と熊本ワシントンホテルプラザの、ツインルームとコネクティングルーム新設を含む全館リニューアル工事は計画どおり進んでおり、どちらも2024年7月に完了する予定です。既に完成した客室については販売を開始しております。このほかにも、Wi-Fiの速度増強工事を全事業所で完了、R&Bホテル蒲田東口及び東京東陽町には全室「エアウィーヴ」マットレスを導入、R&Bホテル新大阪北口、京都四条河原町、仙台東口にはシングル2部屋をつなぐコネクティングルームを新設するなど、品質と使い勝手の向上に取り組んでおります。
朝食においては、ワシントンホテルプラザでは地元の名物料理を取り揃えた内容とし、R&Bホテルでは栄養バランスを考えてサラダの種類を増やしたり、ご飯もののニーズに応えるかたちでモーニングカレーを提供したりするなど、内容を充実させました。
そのほか、RPA(Robot Process Automation)を用いた価格変動自動化ツールの全事業所導入が12月に完了し、生産性の向上及び適正価格での迅速な提供による収益の最大化を図る体制を整えました。
これらの結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産)
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ2,634,621千円減少の33,072,048千円となりました。これは主に現金及び預金が2,532,244千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ3,566,971千円減少の25,532,130千円となりました。これは主に短期借入金が6,000,000千円、1年内返済予定の長期借入金が2,152,005千円減少した一方、長期借入金が4,999,675千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、主に当期純利益を計上したこと等により、前事業年度末に比べ932,349千円増加の7,539,918千円となりました。
b.経営成績
当事業年度の客室稼働率は62.5%(第1四半期会計期間64.7%、第2四半期会計期間61.8%、第3四半期会計期間66.1%、第4四半期会計期間57.3%)と、特に1月と2月が想定を大きく下回り、12事業所でコロナ一棟貸しを行っていた前事業年度より5.5ポイント減少しました。客室単価は当事業年度で7,142円(第1四半期会計期間6,781円、第2四半期会計期間7,111円、第3四半期会計期間7,353円、第4四半期会計期間7,339円)となり、前事業年度を約9%上回りました。
当事業年度の業績は、売上高18,294,607千円(前期比4.3%増)、営業利益1,490,336千円(前期比50.2%減)、経常利益937,870千円(前期比66.7%減)、当期純利益835,686千円(前期比74.0%減)となりました。
なお、当社はホテル事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当事業年度の事業部門別の売上高及び営業利益は次のとおりであります。
(※1) その他の売上高には、宿泊ネット加盟店からの販売手数料収入が含まれる他、収益認識基準による調整を行っております。経費は本社費として適切に按分しております。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前事業年度末に比べ2,532,244千円減少し、6,467,442千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,042,747千円の資金の増加となりました。これは主に税引前当期純利益691,474千円、減価償却費1,043,473千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,074,237千円の資金の減少となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出956,733千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、3,500,754千円の資金の減少となりました。これは主に短期借入金の純増減額6,000,000千円、長期借入による収入10,613,000千円、長期借入金の返済による支出7,765,329千円等によるものであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
地域別販売実績は次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しています。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
経営成績等の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、売上高18,294,607千円(前期比4.3%増)、営業利益1,490,336千円(前期比50.2%減)、経常利益937,870千円(前期比66.7%減)、当期純利益835,686千円(前期比74.0%減)となりました。
売上高につきましては、コロナの収束に伴い需要が回復したことに加え、物価高や外注費用上昇分も反映しつつ、リニューアル等で商品価値を高めたことも踏まえて販売単価の底上げを行ったことで前期を上回ることとなりました。しかしながら、前期に通期で12ホテルをコロナ療養施設として一棟貸ししていたものが、5月末までに段階的に終了したことによる収入減や、一棟貸しから通常営業に切り替えるタイミングで原状回復のための営業休止が発生したこと、顧客が戻るまで一定期間を要したこと、ビジネス出張の宿泊需要が全国的に低調に推移したこと等が影響したこともあり、前期比売上増加率は4.3%に留まりました。
各段階利益が減少した要因につきましては、主に前期に行っていた一棟貸しが終了した影響によるものです。当該一棟貸しホテルにおいては、客室稼働率が100%であり売上が高水準となっていたことと、人件費や客室清掃費、販売手数料といった運営コストがほぼかかっていなかったことがあり、前期は特に利益が多くなっておりました。一棟貸し対象だった12ホテルの営業利益減少分は約37億円に相当し、一棟貸し以外では約22億円が増加しております。
なお、2024年3月期に実施した借り換え等に係る費用152,904千円を営業外費用に、当社の保有する固定資産に関する減損損失235,208千円を特別損失へ計上いたしました。
a.キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.財務政策
当社の所要資金調達は、大きく分けて設備投資資金及び運転資金の調達となっております。基本的には「営業活動によるキャッシュ・フロー」を中心としながらも、多額の設備資金については、長期借入金等により資金調達を行ってまいりました。当事業年度末において、長期借入金は15,613,000千円(1年内返済予定の長期借入金を含む)であります。
将来に関する事項として、既存事業所の大規模リニューアルの予定がございます。その資金については、借入金にて賄っております。なお当該事項は報告書提出日現在において判断したものであります。
今後の所要資金につきましても、多額な設備投資以外は「営業活動によるキャッシュ・フロー」を基本に行う予定であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって、用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。